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人材委員会(第51回) 議事録

1.日時

平成21年7月24日(金曜日)13時01分~15時01分

2.場所

文部科学省 3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 第四次提言(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

柘植主査、平野主査代理、有賀委員、有川委員、有信委員、井上委員、大島委員、小川委員、興委員、小野委員、小林委員、菅委員、フクシマ委員、森下委員、吉川委員、吉見委員

文部科学省

泉科学技術・学術政策局長、土屋大臣官房総括審議官、小松科学技術・学術総括官、中岡政策課長、川端基盤政策課長、柿田科学技術・学術政策局計画官、森田国際交流官、星野人材政策企画官、大西科学技術・学術政策局企画官、茶山総括上席研究官(科学技術政策研究所)他

5.議事録

午後 13時01分 開会

【柘植主査】  時間が参りました。ただいまから科学技術・学術審議会人材委員会の第51回を開催いたします。本日の会議につきましては、冒頭から公開となっていますので、よろしくお願いいたします。それでは、議事に入る前に、前回開催時より事務局に異動がございましたので、紹介をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【星野人材政策企画官】 それでは、紹介させていただきます。大臣官房、土屋総括審議官でございます。

【土屋大臣官房総括審議官】 土屋でございます。よろしくお願いいたします。

【星野人材政策企画官】 科学技術・学術政策局、小松科学技術・学術総括官でございます。

【小松科学技術・学術総括官】 小松でございます。よろしくお願いいたします。

【星野人材政策企画官】 科学技術・学術政策局、中岡政策課長でございます。

【中岡科学技術・学術政策局政策課長】 中岡でございます。どうぞよろしくお願いします。

【星野人材政策企画官】 続きまして、科学技術・学術政策局、大西企画官でございます。

【大西科学技術・学術政策局企画官】 よろしくお願いいたします。

【星野人材政策企画官】 最後になりますが、科学技術政策研究所、茶山総括上席研究官でございます。

【茶山科学技術政策研究所総括上席研究官】 茶山と申します。よろしくお願いいたします。

【柘植主査】 続きまして、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【星野人材政策企画官】 それでは、資料等の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿、座席表、この3点、お手元にございますか。ご確認をお願いいたします。
 次に、配付資料の確認をいたします。全部で資料の数としては5点になりますが、資料1といたしまして、「第四次提言(案)」がございます。資料2といたしまして、A3版の折っているもので、「第四次提言(案)概要」がございます。資料3といたしまして、「次回の開催予定」。
 参考資料1といたしまして、「基本計画特別委員会における審議状況」、参考資料2がございます。これは参考資料2-1と2-2と2つに分かれておりますが、これは科学技術・学術審議会国際委員会の中間とりまとめの資料でございます。
 以上、確認をお願いするとともに、ドッチファイルで関係資料を机上にも置かせていただいております。欠落等ございませんでしょうか。

【柘植主査】 ありがとうございます。本日の議事について説明をします。
 前回、前々回の人材委員会では、本年1月にまとめました中間報告をもとに、第4期科学技術基本計画、ご存じのとおり、平成23年度からの5年間の計画でありますが、これに向けて、本委員会として第四次提言で打ち出すべき具体的な方策について、2回にわたり議論をいただいたわけでございます。
 本日は、いよいよ第四次提言(案)、本体そのものについて審議をいただきたいと思います。皆様におかれましても本日の活発な議論をいただきたいとお願い申し上げます。
 それでは、審議に入りたいと思います。
 議題1の第四次提言(案)についてであります。議題の進め方ですが、2つのパートに分けまして、まず、「はじめに」という、それから、第2章までを審議して、その後、第3章から「おわりに」までを審議するということで進めたいと思います。
 最後に、机上配付資料を含めまして、全体について審議をするという時間配分でいきたいと思います。
 資料1、2は、委員の皆様方には、事務局から事前に配付されておりますが、簡潔に事務局のほうから資料の説明をお願いします。

【星野人材政策企画官】 それでは、説明をさせていただきます。今、柘植主査からのご説明にもありましたとおり、審議そのものは前半と後半に分けて行いますが、私の方からは、資料1及び資料2に基づきまして、ひと通りの説明をさせていただきます。
 まず資料1、これは第四次提言(案)の本体でございますけれども、1ページ目に、「はじめに」というのがございます。ここの部分のポイントでございますけれども、科学技術の振興というのは社会と経済の発展の原動力であるということ。このため、教育界、産業界、国などが総がかりで科学技術関係の人材の育成、そして、確保、活躍の促進というものに努めていくというのが非常に重要だということは、これは疑いもないところかと思います。
 また、この科学技術関係人材の育成ということにつきましては、これは本人材委員会というのは、平成13年に設置をされまして、その後、研究者養成の諸問題等の議論を進めてきたわけでございます。平成14年、第一次提言、平成15年の第二次提言、そして、平成16年には第三次提言が出されたところでございます。今般、第四次提言ということでございますけれども、これは5年ぶりの提言を出すということになります。
 また、第三次提言以降の動きといたしまして、例えば、これは1ページの一番下に書いてございますけれども、平成19年に「イノベーション25」が閣議決定されまして、人への投資というのがキーワードになりました。また、文部科学省、経済産業省、それから、経済団体が協力いたしまして、「産学人材育成パートナーシップ」、こういったものが創設されてございます。
 次のページでございますけれども、産業界の側からも、例えば、イノベーションの創出を担う理工系博士の育成と活用を目指す、そういった内容等の提言が出されているところでございます。まさに社会全体を視野に入れて、科学技術関係人材の育成の議論を行ってきたところでございます。また、冒頭の主査の発言からもございましたように、次の科学技術基本計画に向けて、具体的な施策を取りまとめていく必要もございます。
 本人材委員会でございますけれども、既に平成21年1月、中間まとめを出しまして、その中で、「知識基盤社会が求める科学技術関係の人材像」、こういったものを提起してございます。その中で、特にチーム力といったものがキーワードになってございましたけれども、その後、本人材委員会におきまして、「社会の多様な場で活躍する科学技術関係人材の育成」、「若手研究者の養成」、「産学の意識改革」、そして、「次世代を担う人材の育成」、こういった論点を重点的に議論していただいたわけでございます。
 この中で、特に重要になってくるのが、先ほど申し上げましたチームの力を引き出していくということでございます。その観点からも、社会の多様な場で牽引者となるような優れたリーダー、こういったものを育成していくというのが非常に大きなテーマになってきているのではないかと認識してございます。
 この先、資料2とあわせながら見ていただければと思いますけれども、まず資料2の「検討の視点」、それから、「検討の方向性」といったようなことが書かれておりますが、これはまさに中間まとめ以降、本人材委員会の中で、議論をいただいた検討の視点であり、また、その中で、収れんされてきた方向性でございます。
 その検討の視点の中で、まずアカデミアだけではなくて、産業界も含めた社会の多様な場で科学技術関係人材の活躍を促進していく必要があろうと思います。そのために、では、どうしていけばいいのか、イノベーションで社会を牽引していく極めてハイレベルな研究者、技術者、こういった方たちの育成を抜本的に強化していくというのが一つの軸になってこようと考えられたところでございます。
 そして、実際にそのイノベーションの創出というものに不可欠なチームの力であるということです。そのためには、産学が協働して、社会の多様な場で活躍できる牽引力あるリーダーを育成していく必要がある。また、博士の人材がいろいろな社会の多様な場で活躍を進めていくというためには、やはりその産業界や教育界等、アカデミア以外の世界での多様なキャリアパス、こういったものを確立していく必要がある。また、若手研究者のキャリアパスがなかなか見えない部分もございます。その点につきましては、まず若手研究者が若いうちに自立的な研究環境の中で精いっぱい能力を発揮できるような、そういう環境を整備していくことをますます加速していく。さらには、若手ポストの拡充も図っていくことが重要である。そして、将来の科学技術の担い手の育成という観点につきましては、才能を見出して、そして、伸ばしていく、そういった取り組みを充実していく必要があるといったようなご議論をいただいたところでございます。
 こういった検討、議論を踏まえまして、事務局といたしまして、4章立てで提言をまとめさせていただきました。
 まず第1章といたしまして、「知識基盤社会が求める科学技術関係の人材像」という3ページのところでございますが、まずはそのイノベーションの創造に不可欠なチーム力をどうやって向上させていくことができるのかというところでございます。これはちょうど3ページの真ん中ぐらいのところに書いているのですが、基礎研究から、それから、研究成果の社会還元までのそれぞれの段階に応じて活躍する人材でありますとか、あるいは多様な分野、複数の専門分野の融合といったような観点で、人材の育成をしていく必要があろう。そのためにも異分野、異文化と交わり、そしてまた、産業界と連携した教育を充実させていくべきである。また、そのためにも産業界の人材を大学に招く、あるいはチーム力を強化する取り組みも大事になってくるのではないかということです。
 次に、チーム力、これを強化するためにも多様性というものが極めて重要であろうという論点もございました。その多様性を確保するためにも、これは本文で申し上げますと、4ページぐらいのところに当たりますけれども、「流動性の確保」、これが極めて重要であるということで、例えば大学において、学生の囲い込み、自校出身者比率が特に高いような部局があるといったような現状がございますので、こういった状況を解消し、あるいは抑えていくということが必要になってきているという論点がございました。
 また、こういったチームの力を最大限を発揮するためにも、リーダーというものが極めて重要でございます。リーダーとしての資質を備える、そういった高度人材を育成していく。そのためにも産業界のイノベーションの創出でありますとか、アカデミアでのプロジェクト研究みたいなものにしっかり取り組んでいく必要がございますので、産学が協働いたしまして、チーム力を最大化できる、そういったリーダーの育成、この取り組みをしっかりと行っていく必要があろうといったような議論がございました。
 また、こういった知識基盤社会の必要とする高度な人材の観点で、さらに、社会の多様な場でいかに活躍をしていくのかというところで、第2章にまとめさせていただきました。本文で申し上げますと、6ページのところからでございます。やはり博士号取得者、これがリーダーの人材として期待される人材の典型的な方々ということで考えておりますが、その中で、これまでの大学教育の中で、やはり大学が輩出する人材と、それから、産業界が必要とする人材との間でのミスマッチのようなもの、これをいかにして解消していくのかというのが重要な論点でございました。そして、そのためにも、これはアカデミア向けの教育研究だけではなく、技術系的な内容も含めた産業界向けの教育研究、こういったものも重要になってきている。また、それぞれの研究が柔軟に学べるような、そういったカリキュラムが必要になってきているという議論がございました。
 次に、実際そういう教育の充実だけではなく、優秀な人材が博士号を取っていただくということも重要でございますけれども、それが経済的な理由で優秀な学生が博士課程に進まないといったようなことがあってはならないというところでもございます。この辺は、8ページのところからでございます。そういった博士課程学生に対しての生活費相当額を受給できるような、そういったような支援をしっかりやっていく必要があろう。そして、実際そういった支援を受けられている学生というのは、米国においては4割いるということもございますので、これを一つのベンチマークといたしまして、フェローシップ、RA、TA、こういったものの拡充をしていく必要があるというように考え、こういったご意見も多々出てございました。
 また、優秀な博士号取得者につきまして、これが産業界など幅広いところで活躍をしていただく、そのためのキャリアパスの確立するための方策、こういったものも極めて重要だという議論になってございました。この辺につきましては、9ページ以降のところに書いてございます。産業界においては、例えば研究職だけではなくて、事業経営全般にもかかわれるような、そういったような役割も期待されるところでございますし、また、博士の高度な専門知識、こういったものを生かして、大学や研究機関がリサーチアドミニストレーターみたいな形で登用するということも考えられるのではないかと思います。
 あるいは、10ページのところでございますけれども、理数系の専科教員としてのキャリアパス、こういったことも進めていくことが重要ではないかなど、こういったご議論がございました。
 また、さはさりながら、現状を見ますと、いわゆるポスドク問題と言われているようなことが顕在化しているわけでございます。このためにも、まずはポストドクターの位置づけをしっかり共通認識を持っていく必要があるというようにもご議論がございました。まずポスドクというものがどういう存在なのか、また、そのポスドクの養成というものはどういう観点で行われなければならないのか。また、ポスドクとして支援する範囲、期間、こういったことについても考えていく必要があるのではないかといったようなご意見がございました。この点につきましては、例えばガイドラインみたいなものを考えていくということもあろうかと思っているところでございます。
 続きまして、このような博士が社会の多様な場で活躍を進めていくためにも、まずはその博士を養成いたします大学の先生方の意識も大きく変わっていただく必要があろうという議論がございました。これは本文で申しますと、12ページのところからでございますが、やはりアカデミア以外の世界で活躍できる、そういった博士人材を育成するような教育や研究の経験というのが大学の先生方には十分ではない場合が多かろうということも想像されるわけでございます。その場合に、やはり産業界の方々にも大学、大学院での教育にいかにして参画をしていただくのかといった観点があろうかと思います。
 その方法の一つといたしまして、産学で協力し合って、先生方、それから、学生も含めて、課題解決型の演習に取り組むこともいいのではないかと思います。また、実際に先生方の評価指標といたしまして、研究だけではなく、教育、社会貢献といったような指標もございますけれども、そういった観点から申し上げれば、例えば競争的資金において、人材育成といった観点を考慮していく、評価の指標にすといったようなことも重要であろうというご議論もございました。
 また、こういった大学の先生方の意識改革だけではなくて、当然ながら養成されている学生、若手研究者の意識も重要でございます。その中の最たるものが次の14ページ以降でございますけれども、グローバル化への対応というところについて、これは最近、内向き志向のようなものが若手には強まっているのではないかというご指摘がございました。実際に長期の海外派遣といったような形で申しますと、統計的には減少しているという状況でございます。そのためにも海外派遣といったものの支援を充実させて、武者修行の機会をどんどん増やしていく。また、帰国後の活躍の促進を進めていくことも重要と考えているところでございます。
 さらに、研究の水準や環境、こういったものを外国人の方々にも働きやすいような環境を日本の国内でつくっていくことも重要というご意見がございました。また、女性研究者の活躍も一層進めていくというのが多様性の観点から重要というご意見がございました。
 また、その若手研究者の活躍促進という観点では、これは第3章に相当いたします18ページ以降のところでございますけれども、現在始まってございますテニュア・トラック制、これの普及・定着を一層進めていく。そのためにもその普及を図る大学の支援をさらに進めていく必要がある。また、そういったテニュア・トラック教員の新規採用数についての数値目標の設定も重要というようなご議論もございます。
 それから、若手研究者ポストの拡充、そのためにも民間企業を参考にした人事制度のあり方を検討していく必要があるのではないか、その大前提といたしまして、大学等の基盤的経費、総人件費、これらは削減されておりますけれども、これを確実に措置する方向性が重要というご意見がございました。
 最後でございますけれども、第4章でございます。21ページ以降でございますけれども、次世代を担う人材の育成ということにつきましては、才能を見出して、そして、それを伸ばしていく取り組みを充実させていくことが重要であるという観点から、すぐれた教育力を有する教員の養成、確保、指導力の向上、こういった施策をしっかり取り組んでいくとともに、スーパーサイエンスハイスクール、それから、科学コンテストの参加の奨励、あるいは科学技術系部活動の支援を新たに始めていくといったようなことの重要性のご指摘もございました。
 また、初等中等教育段階から研究者・技術者の養成まで一貫した取り組みが重要だというご議論もございました。その中で、そういったすぐれた研究者、技術者と接する機会や場を充実させるとか、あるいはキャリア教育を進めていく。また、技術者のためにも技術制度のあり方の検討でありますとか、産学が協働した実践的な教育といったもので、質を向上させていくといったようなことも重要だというご議論があったところでございます。
 以上、これまでの中間まとめ以降の議論を踏まえて、事務局といたしまして、第四次提言をまとめさせていただきました。
 以上でございます。

【柘植主査】 ありがとうございます。
 中間まとめをベースに、今までの2回の本委員会での議論を事務局のほうでかなり体系的にまとめていただいたものができたと私も思いますが、次回の完脱稿といいますか、完成まで、あともう一回ということで、最後の仕上げに入りたいと思います。それでは、議論を集中したいために、今の説明の「はじめに」から第2章までを、40分ほど時間をとって、まず議論をしたいと思います。ご意見をいただけたらと思います。
 有川委員、どうぞ。

【有川委員】 なかなか本委員会に出席出来ていなかったのですけれども、事前にお送りいただきましたこの(案)も見させていただきましたし、ただいまの説明を聞きましても、非常にすばらしい出来になっていると思っております。特に博士等が抱えている現在の大きな問題などに関しましても、その解決策も示されており、非常に時宜を得たいい提言になっていると思います。
 その上で、3ページのところに、チーム力という言葉が非常に新しい言葉遣いとして出てきていますが、これも非常に大事なことだと思っております。チームにはリーダーやメンバーがいて、異なる資質、能力、背景をもった多種多様な個々人が集まっているわけです。しかし一方では、自立し、独立した研究ができるような研究者の育成が進んでいます。これらを勘案しますと、チームとして力を十分に発揮するために、個々が独立して研究を展開できる能力を持った多種多様なメンバーが集まって、チームをつくるのだというようなことが一つはあったほうがいいのかなという印象を持ちました。既に議論されたことかもしれませんけれども、そういうことを感じました。
 それから、4ページ目のところの流動性の確保につきましては、非常に大事なことだと思います。ここに書いてあるとおりだと思いますが、もう一つ流動することに対するある種のインセンティブのようなものもあっていいのではないかと思いました。国立大学でいいますと、既に法人になっていますので、当初とは少し違った考え方をする必要があるかもしれません。例えば、他の大学等に移ることによって給料が上がるといったことがもう少しあってもいいのではないでしょうか。要するに、転勤するということは給料が上がることだということが背景にありますと、流動性は確保でき、さらに、同一大学出身者、自校出身者の占める比率を一定程度に抑制することにもつながっていくのかなと感じました。 以上でございます。

【柘植主査】 ありがとうございます。2点目の流動性の確保の4ページのところが、そのインセンティブのところまで踏み込めていないというご指摘で、これは具体的に書けるか、ここに流動性の確保に努めるべきであるということでとどめざるを得ないか、ここは皆さんのご意見を、事務局も含めて伺いたいと思います。
 最初の3ページのチーム力を構成する有力なチームは、それぞれが個性豊かな、自立力を持ったメンバーということが望ましいのは当然でございますが、ご指摘のところ、どうでしょう。3ページの1.の4行目に、「それぞれの個性を活かし、チームとしての」というこの程度ではまだ弱くて、その下の記述の中で、今のご発言の趣旨を少し修文したほうがよいというところまでと考えてよろしいでしょうか。

【有川委員】 大学の例でいいますと、教授、准教授、助教という制度になったときに、助教以上は独立して研究できることになっています。独立してやれる、やるということが一方で言われている中で、チームということを言っていますので、そういう意味では、独立できるのだけれども、チームをつくって、より効果的に、効率的に成果を出していくのだといった位置づけになっていたらどうかと思ったわけです。ですから、今ここに書いてあるような「異なる資質云々」を持った独立して研究できる人たちが集まってチームをつくるというようなことがあったらいいのではないかと思ったわけでございます。

【柘植主査】 ご趣旨を修文にどうするかは、少し事務方と検討させていただきたいと思います。2つの局面で、今のご指摘のところがあると思うのです。それは大学における教育研究段階でのこの自立力とチーム力という話と、博士等を取った後、社会に出て、広い社会で活躍するときに、この自立力を持った個人がチーム力の最大発揮と、その局面が2つあるという、そういう認識のもとで3ページの表現を少し、修文、検討させていただくということで進めたいと思います。
 今の4ページの(流動性の確保)のところ、ご趣旨のインセンティブをどの程度書き込んだらいいか、書けるかですが。平野主査代理は多分もう現場を、ご苦労されていたから何かご提案はありますか。ここのところで、少しこういう方向で修文したほうがいいのではないかなどです。

【平野主査代理】 この点については。私も参加した他の会でも、インセンティブを与えるべきかどうかということが検討されておりましたが、実質的には、現実を見ると非常に難しいと思っております。別に私は後退をする発言ではなくて、できたらやるほうがいいだろうと思いながら、もう一つここにもあります企業の方、産業界の研究者を招へいしてとなっているのですが、これも同じ意味で難しいのです。非常に大きな給料差がありまして、産業界の方で若手の優秀な方を引き抜こうと思っても、給料の問題が非常に大きい。それでは、大学は法人だから独自に給料をアップしてやればいいのではないかとはいえ、これは最後に見ますと、幸か不幸か、まだ退職金は国のほうからいただいておりますので、独自に大学が退職金まで手当をしなければいけないという、最終的なことを考えると非常に難しい問題であり、今のインセンティブも同じ問題があるのかなと思います。しかし、何かこの流動性の確保に努めるべきであるという文章のところに、インセンティブとは言いにくいかもしれないのですが、環境整備をした上でなどいう文章があれば、そういうことを含んでおいていただけるのかなと思いますけれども、そういう修文でもどうでしょうかね。現役学長の有川委員どうでしょうか。現実を考えてみると、経営者とは言えないかもしれませんが、学長としては非常に難しいところです。

【有川委員】 ええ。そういうことを言われますと、学長としては非常に困ることになるとは思うのですが、平野主査代理がおっしゃいましたように、企業からいらしていただくとか、別の国の機関などからいらっしゃいますと、驚くほど給料は下がるわけです。そういう中で、流動性ということを言うというのはなかなかつらいところがあります。それで、博士の学生のこと、定員確保の問題もあるわけですけれども、その辺も同じようなことで、簡単に言ってしまいますと、給料が高くなるという背景があるとそれは自動的に解決するのだろうと思います。ですから、インセンティブという表現ではないにしても、少し踏み込んでいたほうがいいのではないかということを感じています。

【柘植主査】 はい。今の平野主査代理がおっしゃったような、これを誘導するような制度改革なのか、施策なのか。これを長が務めるべきであるという、今そういうようなことで。

【平野主査代理】 それでいいと思います。

【柘植主査】 この補充をしたいと思いますが。興委員、どうぞ。

【興委員】 お二方、総長の方々なので、私もまた大学の経営の立場から言うと、では、そういうことで、そういう方々にインセンティブを与えられるかというと、限られた人件費の中では多分なかなかできないのだと思うのですよ。しかし、やはりそういう制度というのはとてもいいことであって、むしろ推奨すべきことだろうと考えられるのですよね。そうしますと、それぞれの機関の長がインセンティブを与えるというのではなくて、そういうことを実施した組織に対して、国が支援をする、特別な運営費交付金を付加するとか、何かそういうことがないと、大学としては、確かにそうですけど、なかなか難しいと思うのですよね。そういう意味では、この第2パラグラフのところで、「このため、大学は、公平・公正で透明性のある審査のもと、優れた研究実績やキャリアの幅広さを十分に勘案した上で、大学の特性に応じて」、ここに書いてある文章はとても正しいですよね。こういうことで、だれが見てもおかしくない審査をして、内部登用が現に差し控えられるように、そうなっていけばいいのですけれど、やはり中央の突出した大学には人材は厚くなるかもしれませんが、そうでないところはなかなか来ないのですよね。そうしますと、やはり停滞していく状況には変わらない。ついては、やはりそこの大学だけの長の責任、長に対するリコメンデーションではなくて、別途措置を考えるのだということがないと、現実的には動いていかないのではないかと私は思いますね。
 それとあともう一つ、先ほどおっしゃったイノベーションのチーム力のところについては、私は有川委員がおっしゃるとおりであって、これまでどちらかというと、やはりトップに引っ張られることではなくて、若手にチャンスを与えようということで、個を大事にしてきた。ところが、個を大事にし過ぎたために、チーム的な取り組みが非常に縮減されてきて、それが今、大学の中の弊害になっているのですよね。したがって、進めてきたところはいいとしても、やはりそれをもっと別途補完して新しく切り口としてチーム力をというのが今回の発想だと思いますので、先ほど委員がおっしゃったような、そういう修文があったほうが望ましいと思います。

【柘植主査】 今の興委員のご発言は、最初の流動性の話については、4ページの(流動性の確保)の最後のパラグラフで、国の誘導政策、流動性の確保に向けた方策、これで触れていますので、これも勘案しながら、大学、研究機関の長、それから、行政側のこの流動性を促す施策、この辺を少し事務局のほうがレバリングしていただきたいと思います。参考ながら、私、企業経験者ですけれども、なかなか企業の中で、やはりあるレベル以上は、いかにこの彼の、彼女の何回ぐらい、他の業務を担当したかということが結構審査基準になっているのですね。結果的にそれは給与に反映はされてくるのですけど、給与の差というよりは、むしろそういう昇格の判断基準に多分、有川委員のところもそういうことをされていると思うのですけど、その辺も含めて、大学でできるかどうかなんですけれども、参考意見でございます。
 他にいかがなものでしょうか。有賀委員、どうぞ。

【有賀委員】 今のこととも少し、つながっているわけですけども、博士課程学生の経済的支援の強化というところですけれども、今いただいたのと、あと、9ページの一番上の行のところですけれども、一番最初に送っていただいた、たたき台のときには、「大学においても、博士課程学生に対する支援を充実することが期待され、国は」というところのあとに、「その財源となる公的資金を確実に確保するとともに」というのがあったのですが、削除されてしまっているのですね。独自財源の○○でそれを促すべきである。全般に、大学や機関にいろいろ、とてもいいことをたくさん書いてあるのですけども、全部、「促すべきである」というのが非常に多く、そのことに対して、国がどのくらい責任を持つのかとか、国も本気でやるようになっているのだということがあまり示されていないところがすごく心配です。みんな大学の責任でやりなさいというようになっては、やはりやりたいことももちろんたくさんあるけれども、お金がないということで、結局すべてできなかったり、あるいは中途半端な規模になってしまうのではないかということが懸念されるということがあります。それで、なぜここは削除されたのだろうというのを伺いたいと思っています。
 それから、ポスドクのことで、ポスドクの位置づけがきちんと明確に、これからはこうある、こういうようにきちんと認識すべきであるということが書かれていて、大変すばらしいと思うのですが、結局、今そこへ向かって移行する時期なので、本来あるべき、これからはこうしていこうという意味でのポスドクと、それから、現在のポスドク問題のことを論じているときのポスドクが、これは少しまざっている部分が何点かあるかなと思っていて、本来ポスドクは、アカデミア残ることだけだと言っていて、今度、ポスドクがいろいろな多様なキャリアパスを目指せるためのというような部分が出てきたりということでそこは仕方ない部分だとは思うのですけれども、現在の、現状でのポスドクとか、そういうような使い分けをしたほうが、もしかしたらいいかと思いました。

【柘植主査】 1点目につきましては、私も最初に事前レクチャーを受けたときには、原案は、国はその財源となる公的資金を確保するとともにというのは、ここでそっくり消えているのには。これは基礎科学力強化特別委員会でも、野依委員長をはじめ、皆さん、とにかく博士課程の学生に個人的な負担を結果的にかけている国は日本だけだというようなことで、あちらの答申にもやはり国の役割がかなり強烈に打ち出されていると私は思っていまして、ここで削ってしまうことは非常に私は問題だと思うのですが、事務局はどのように考えていますか。かなり外から圧力がかかったのですか。

【川端基盤政策課長】 全くそういう意図ではなく、ただ単にこの文言の整理する過程でこの箇所からは落ちたのです。この概要版にあるように、今はこの過程のものでは、これは非常に重要だと言われていて、2割にするということが第3期科学技術基本計画で書かれていて、今回資料2の1枚紙に資料1の本文もそうですけれども、4割というかなり、非常に高い数字を書いているのですね。そういう意味では、どちらかというと、この書いている側の気持ちは、今よりももっと破格にここを強くするという気持ちで書いていたのです。国はというところが8ページ目のほうの(3)の真ん中あたりに書かれているので、書く場所を、前のほうに8ページ目に4割と書いていますが、これについては、少し整理します。書き方があちらこちらに大学や国やと出るよりは、どこかのところで、国はこれこれを支援するとしっかり書いたほうがいいと思います。書き直しますけども、趣旨はさらにやるという趣旨です。
 ひとつ議論していただきたいのは、それにしても4割というのはものすごく大きいです。今2割と言っているのは相当無理して書いた数字で、第3期科学技術基本計画で書かれていて、今は1割弱ぐらいしかできていませんから、現状のように、JSPSの予算のキャップがあったり、予算の伸び率がこういう状況であると、この2割も達成できないし、4割というのは非常に大きな数字であるということをご理解いただいて、そういう意味では、この4割という数字についてはもう少し考えてみたいと思っております。

【星野人材政策企画官】 今の点で補足ですけれども、まさに私どもも実際にその教育、それから、研究にかかる経費の増額というのは極めて重要だというように認識をしております。また、基礎科学力委員会の議論も反映させ、本文の6ページのちょうど真ん中ぐらいですが、1.という見出しの上の、「このような認識のもと」という段落のところで、「公財政支出の規模を、欧米主要国を上回る規模に増額し」というところに収れんされたとご理解をいただければと存じます。

【柘植主査】 小野委員、どうぞ。

【小野委員】 忙しくてあまり意見を出してなかったので申しわけなかったのですが、ポスドク問題の解決、11ページですが、「ポスドク問題」を解決するためには、特に国立大学法人の助教と准教授を増やす必要があると思うのですよね。人件費が全体が抑えられているから難しいとおっしゃいますが、それから、法人化のときの承継職員がなかなか動かないということもわかるのですが、今、大学の教員の年齢別の構成を見ると、逆ピラミッドになっているのです。それがやはり問題なので、今ちょうど年配の退職教員が65歳、63歳で退職される時期になりますから、国が積極的に、1人、教授が退職される場合は、その後、ポストを埋めないで、2人、助教を採用すると、そういう政策を国からやらないと、根本的な解決にならないと思うのです。博士課程に行った人たちが本当に一生懸命頑張っても助教になれないというのは非常に日本の学問の将来を危うくすると思いますので、そこは少し無理をしてでも、全体の人件費の抑制は守りながら、しかし、その中で工夫して、とにかく若い人を積極的に採用するということをぜひ強く書いていただきたいのですが。11ページのところまでです。
 これから国立大学法人がちょうど第2期に入ります。ですから、第2期に入る以上は、やはり運営費交付金の継続的な縮減は絶対やめるべきだと思います。それも強く書いてほしいと思いますし、それを含めて、全体の人件費の中でやはり若い人を雇わないと、逆ピラミッドの組織が活性化するはずはないので、これはぜひ強く書いていただきたいのですが。

【柘植主査】 事務局、何か今の発言でございますか。ガイドラインの策定というのは、これは今回初めて。今回ではなくて、今度の提言での一つの新規軸と私は認識しておるんですが、今の小野委員のご発言はどう書けるのか。身分保証された大学の教員として、そのあたり、どのように書けるかどうか。

【川端基盤政策課長】 19ページの「若手研究者ポストの拡充」という大きな柱をつくらせていただいているところに、19ページの下のほうですが、20ページのほうにかけて、要は、「助教や准教授等の若手研究者ポストを増やす必要がある」という、「団塊の世代」云々という、そういうことを書かせていただいていますが、さらに足らないということであれば、もっと強く書くことも含めて検討したいと思います。

【柘植主査】 19ページに書いてあるのですね。

【小野委員】 それは分かるのですが、ポスドク問題はまさにそこが問題なので、ポスドクから助教になれないから、ポスドク問題が起きているので。もちろん企業に行く方もいるのですけれども、多くの方はやはり助教になりたいと思っているわけですから、そこを広げなきゃいけない。それはやはり国が政策的に若い研究者を増やすということを将来やらなきゃいけないのだということをぜひ強く書いていただきたいのです。国立大学法人は第2期に入るのですが、退職金の関係で、承継職員の分しかないというように言われているのですが、実は承継職員は名前は入っていますが、あれは人が異動すれば自由に動かせるのですよ。例えば35歳の助教を採用すれば、30年先ですから、退職金問題が仮に出るとしても、今から心配する必要はないのです。各大学、対応できないので、今から心配しておられるのです。そこは少し元気と勇気を与えてあげて、それは日本の将来のために採用すればいいのです。

【柘植主査】 はい。ご指摘のところは、19ページから20ページの最初の上のところに、今ご指摘のところを助教、准教授の若手ポスドクを増やす必要があるということで、かなり指摘していることと、それから、11ページのポスドクの問題のガイドラインの策定と、ここと合わせ技で、書き込んであるとは思うんですが、一度今のご趣旨で点検していただいてと思います。

【小野委員】 はい、ぜひ。これを読んだら各大学が、「なるほど、増やそう、採用しよう」という気になるような報告にしていただかないと、マイルドな表現で書いてはあるけど、そうかというふうに終わってはいけないので、せっかく人材委員会が提言するんですから、各大学が、「では、やってみよう」というようになるように、ぜひインセンティブを与えていただきたい。

【柘植主査】 そうですね。できたら、ご意見と同時に、ここのところにそういうのを書けとかいうことまで言っていただかないと、今ご意見だけでは少し、2回も過ぎているもので、修文のご提案をいただきたいと思います。

【小野委員】 分かりました。修文を出させていただきます。

【柘植主査】 興委員、どうぞ。

【興委員】 今の小野委員のおっしゃったことに関係して、19ページ、20ページのところは、ここに書いてある助教、准教授等の若手研究者ポストを増やすということは、これは確かにそうかもしれませんが、今おっしゃったのは、そのポスドクとリンクさせて、そういう施策を打ち出すべきだと、こういうことなので、そういう記載を入れていただいたほうがいいと思うのですよね。ただし、もう一つ、私も現場で非常に頭を痛めているのは、では、教授が退職されて、その後どうするかというと、現実にその准教授だとか控えているのですよね。では、その人たちをそのままプロモーションかというと、実はそうでもなくて、その後どうするかというと、准教授ではなくて、その制度は変わったのですけど、やはり講師職をもっと積極的に活用すべきだと私は思うのですよね。助教から途端に准教授ということになると、給与体系もかなり変わって、ですから、助教制度を導入したときに、講師はどちらかというとできる制度で、非常にトーンダウンして、大学によっては採用していないですけれども、本学の場合は講師を復活させようということで、むしろ講師でとって、少し時間稼ぎをしようという、そういう運用までしているのです。ですから、何かそういうのを入れていただけるといいです。

【柘植主査】 はい。11ページのガイドラインのところに、どういうように今のご趣旨を入れたらいいか、少し修文案を出していただけませんでしょうか。多分、私はこれを拡大解釈すべきで、今のご指摘のものも入るかなと思うのですが。では、むしろこういう修文しなさいということをご提案いただけますか。

【興委員】 はい。

【小野委員】 修文を出させていただきます。

【柘植主査】 はい。それ以外に何か。小林委員、森下委員、吉川委員、大島委員よろしくお願いします。

【小林委員】 いろいろコメントを反映していただいて、どうもありがとうございました。それで、その中で、ひとつうまく伝わってなかったなと思ったのが1カ所ありまして、8ページ目の脚注の3がありますよね。これについて少しコメントしたのですが、トレーニーシップの説明で、「特定の教育プログラムを援助するために国が大学に一括して支出する資金のこと」というように書いてあるのですが、これだとどんなものまで入ってしまって、トレーニーシップの説明になっていないと思うのです。例えばここの文脈で言えば、大学院レベルの人材育成を目的としてというような、何かそういう限定をつけないと、これは例えば学部向けのGPみたいなものも入ってしまう可能性があるし、少し変な説明かなという気がするので、そこを直していただいたほうがいいのではないかと思います。

【柘植主査】 はい。森下委員、吉川委員、大島委員。

【森下委員】 すみません。11ページの「ポストドクターの期間の設定」の一番下の、「なお、機関及び研究指導者は、ポストドクターとしての経歴が長い」と書いてある1行ですが、これは「その後のキャリアパスに特に留意すべきである」と、むしろ採用しないほうがいいというように読めなくもない気もします。意味はもちろん違うのは分かるのですが、これだけ見ると、むしろそういう厄介なのはとらないほうがいいのではないかという誤解を与えるような気もしますので、書き方を工夫していただいて、十分本来の趣旨が伝わるような書き方にしていただければと思います。

【柘植主査】 森下委員、現場の立場で、修文のご提案を事務局にお願いします。

【森下委員】 なかなか難しくてですね。

【柘植主査】 プロが難しいと、事務局のほうがもっと難しいかもしれませんので。

【森下委員】 普通に読むと、これは採用しないほうがいいと出てしまいますので、おそらく「採用した方に関しては、国等のキャリアパスの支援事業等を大学で十分活用し、ポスドクからキャリアパスに関して、大学として十分な努力等をすべし」など、そのような感じではないかと思うのですよね。このまま行くと、面倒くさいことはやめようというように何となく、読んでいると見えるかなという気がしますので。

【有賀委員】 「留意」を「配慮」にしたら分かりやすいのではないかと思います。

【森下委員】 そうですね。「配慮」のほうがいいかもしれませんね。

【柘植主査】 はい。ありがとうございます。吉川委員、どうぞ。

【吉川委員】 2点コメントしたいと思いますが、1点目は、高等教育への公財政支出の話、先ほど6ページの中ごろ、星野企画官のほうから、国は高等教育への公財政支出の規模を欧米主要国を上回る規模に増額し、抜本的な方策を講じるべきであるとあって、このメッセージというのは非常に重要なメッセージで、今回の第四次提言の一つの大きな柱のメッセージになるのではないかなと思います。ここに関して、1つは、まとめの文章のところに、このメッセージを再度入れていただくこと、そして、バックデータとして、図の12、これはGDPでのOECD諸国の比較が出ているのですが、これはスタティックな比較になっているのですが、もう一つ大事なところは、そのOECD諸国は、時系列で見ると、この過去五、六年、30%近く増やしているのですよね。それに対して、日本の場合には、七、八%減っているという状態もあって、差はどんどん拡大しつつあるということがあるので、そのデータもぜひつけていただくといいのではないかと思います。
 それから、2点目のコメントは、女性研究者の割合の数値目標の設定というところ、16ページから17ページのところですが、私は国の科学技術基本計画で、女性研究者割合の数値目標を設定するというのは、2つの理由で不適当ではないかなと思います。1つは、数値目標を設定したからには、だれの責任でどういう方策で、どう実現するのか。実現できなかったときの責任はだれがとるのかというような問題が必ず出てくるわけで、そういった裏づけがない、願望に近いようなものというのはやはり科学技術基本計画には入れるべきではないのではないかと思います。
 もう1つの理由は、間接的にこれはやはり差別につながるのではないかと。要するに、本来、資質、能力、コンピテンシー、実績、経験で判断すべき採用基準に女性比率というようなことを入れることによって、選ばれた人、選ばれなかった人、ともに不適切になるのではないかと。女性枠で教授になりましたというようなことが出てくるというのは、ご本人たちにとってもあまりうれしい状態ではないのではないかなと思います。

【柘植主査】 結論からすると、15ページの4.女性研究者の段は、施策裏づけがない、それから、差別につながると。消しなさいというご提案ですか。

【吉川委員】 もう少し厳格に言うと、大学や研究機関が独自の判断で数値目標を設定するのは構わないと思います。17ページの前半で、第4期の科学技術基本計画で、「数値目標を設定することも考えられる。」ここが不適切ではないかという気がします。

【柘植主査】 第3期でも総合科学技術会議のほうがこのパーセントの数字を書いていたのです。逆にあのときは文部科学省は非常に、今の趣旨も含めて慎重でしたが、押し問答で、第3期では数字を書いたのですね。その延長上で行くと、やはり世界の数字からすると、努力すれば達成できないはずはない数値がここに書かれているので、数字を消すというのはいかがなるものかと思いますが、いかがなものでしょうか。
 有賀委員、どうぞ。

【有賀委員】 私も前に出たときには、数値目標というのにとらわれるとか、それがこんなの本当に達成なんか、この期の中にできないのではないかとか、いろいろ私も少しネガティブな部分で思っていたのですが、やはりこれは全く根拠がない数字ではなくて、学位を取得した人の中における女性の割合がそれぞれの分野でこのぐらいはいると、それが順調に育っていけば、男性と同じように順調に育っていけば、このような目標は達成できるはずであるという裏づけがないわけではないので、それをすぐに達成するということよりは、このくらいまでは行けるはずだから、それに近づけるような基盤整備、環境整備をしていくべきであるという点においては、やはり数値があるというのは「努力目標が見えてこない」、「ただ、何となく女性を増やしたほうがいい」というのではなく、数値が出ているということは、それぞれの機関が努力するための一定の目標ができるので、私はやはりこれは外さないでいただきたいと思っています。

【柘植主査】 主査としてもやはりそういう、今までの連続性を含めて、世界との日本の遅れを考えると、これは残したいと思います。ついでに、私も今のところは「女性研究者」という言葉でいいと思うのですけれども、3ページに戻りまして、ここは「知識基盤社会が求める」わけですから、大学等の研究だけではなく、社会における技術者も含めますので、3ページの下から4行目の「女性研究者」に対して、「女性研究者・技術者の活躍促進」という形にしたいと思います。該当する部分が何カ所かあります。ただ、研究機関におけるものはやはり研究者ですので、女性研究者という言葉に限定してもいいと思いますが、一度ここは点検していただきたいと思っています。
 大島委員、井上委員、有信委員。よろしくお願いします。

【大島委員】 2点あります。1点目は、12ページの2の「大学教員等の人材育成に係る意識の改革」の(1)の最初のパラグラフの「しかし」以降ですね。これは、「しかし、指導教員に」と書いてあります。それに対して、8ページの「博士課程学生への経済的支援の強化」という最後のパラグラフがあります。「博士課程の位置付けは、日本ではあくまで『学生』であるのに対し、欧米では『研究者』として位置付けられ」と書かれており、これからRAやポストドクなどの実際に給料を払う形がふえてきます。そのような状況をふまえると、12ページは矛盾するような表現ではないのかと感じました。それが1点です。具体的にどう変えるか、書いたらいいかと言われると難しいですが、違和感を感じます。
 あと2点目は、「キャリアパス多様化の促進」のところです。アカデミアだけではなくて、教育や産業界にいろいろキャリアパスを広げるとともに、科学技術政策などの、国のリーダーとして博士を持った方が職につく、そのようなキャリアパスも含めてもいいのではないかなと思います。それで、例えば「産業界における研究開発リーダーや科学技術と社会をつなぐ科学技術コミュニケーター等として」と書いてありますが、ここに科学技術政策に関連するような、国の政策レベルでのキャリアパスへの道も開くというようなことを書いていただくと、いいのではないかと思いました。実際に外国では博士課程を持った方が科学技術政策に携わっていることが多いので、今後日本もそういう方向に行けるといいのではないかと思います。以上です。 

【柘植主査】 2点目のお話について、9ページの(4)の最後のパラグラフに、「国の職員の採用に積極的に挑戦することも期待される」、この程度の記述ではだめだと。もう少し皮膚感覚を持って書きなさいと。

【大島委員】 そうですね。もう少し深く突っ込んでいただけるといいのではないかと思います。

【柘植主査】 大島委員のご発言の趣旨で、少しここは修文していただきたいと思います。私に言わせると、行政もそうですけども、政治の世界でも博士課程を持った人がもっともっと活躍してほしいなという思いがありますので、今の趣旨で、政治まで入れなくてもいいのですけども、事務方で今の大島委員の趣旨を、なるべくもう少し、2行ではなくて、少し丁寧にという。
 最初のご指摘ですけども、どういうように書いたらいいかですね。実は私も基礎科学力特別委員会の中でも議論されたのですけれども、大学院、特に博士課程に対する支援のお金が生きたお金になっているのが、例えばアメリカのMITなど。つまり、教育、教授から来るお金は博士課程の広い意味での教育にも生きているし、同時に、博士課程の学生のパンにもなっていると。日本の場合どうだろうかと。パンだけに消えてしまってないだろうかと。そういうようなメカニズムで議論をされました。つまり、博士課程の学生に対する経済的支援が広い意味での投資になっていないのではないかという議論が基礎科学力の特別委員会で議論されて、今のご指摘のところが似ているかなと。ですから、実はこれは教育と研究というのはもう博士課程は表裏一体でありまして、お金を投じるにしても、もう教育と研究の両方の効果が同時にあるような仕組みというのを求めるべきだなというのが私の意見ですが、ご指摘のところ、どういうふうに直したらいいか。
 それでは、有信委員、有賀委員、少しご提案いただきたいと思うのですが。

【有信委員】 今の点、非常に重要なところだと思うのですね。何年か前に中央教育審議会で大学院のあり方を検討したときに、大学院がやはり教育の場であるということをもう少し自覚しなければいけないという流れの中で、つまり、学生に対する援助は奨学金、つまり、スカラーシップであるべきで、研究者に対する援助は、例えばフェローシップのような、基本的に違う性格のお金であるということを明確に教員側が意識しないと、もちろん今、柘植主査が言われた、研究と教育が一体であるというのは非常に重要で、特に大学においては、研究の成果を学問的に体系化をして教育に結びつけていくという作業もありますし、研究を実行すること自身がその研究者として育てるための教育的な指導であるという側面もありますので、そこが一体であるということは非常に重要ですが、やはり教員側が相変わらず、こう言っては失礼ですけど、日本の大学の教員は一部は相変わらず学生は自分たちの研究をやるための道具であると、こういう考え方でおられる方も多いので、ここでの補助の仕方のところは、明確にスカラーシップの部分の記述と、それから、RA、TAという部分の記述を、性格分けをして、学生、大学院生がやはり教育を受ける部分であるという点を援助するためのスカラーシップ、奨学金の充実と、それから、研究者としての働きを奨励するというか、プロモートするための資金であるTA、RAの拡充を教育と研究という双方の視点で拡張すべきであるというような書き方を、少し区分けをしておいていただけると、さっきの大島委員が言われた学生であるという位置づけと研究者であるという位置づけの差が明確になると思うのですね。これは例えばアメリカの大学でも、おそらくその奨学金というものの位置づけと、それから、奨励金というものの位置づけを明確に区別されていると思います。

【柘植主査】 有賀委員、関連のご発言ですか。

【有賀委員】 はい。修文の具体的な例ではないですけれども、今のところで非常に大事だと思っているのは、柘植主査がおっしゃったように、教育と研究が表裏一体であるというところですけれども、この提言の中に書かれているのは、博士課程の中で、研究ばかりするのではなくて、いろいろなことに目を向けて、非常に幅広い教育を受けるべきであると。インターンシップも含めていろんなことで。ただ、そうすると、当然研究する時間は減ってくる。どうしても減らざるを得ないので、学位を与えるということは何を基準に与えるのかというところが、これを読んでいくとすごく気になってくるんですね。幅広くDCでいろいろやると。マスターコースもそうかもしれないですけども、研究だけでなく、いろいろ経験して、異分野も含めて勉強してというと、それは多様なキャリアパスにはつながるかもしれないけども、どこで振り分けていくのかということが今、有信委員がおっしゃった奨学金として出せる部分と、いや、この人は研究に従事しているのだから、研究者として認めてやっていくという部分とのどこで振り分けていくのだろうというのがとても気になりながら読んでいました。
 それは先ほどのポスドクの位置づけということと同じですけども、いろいろ意識を変えていこうとするものの途上にある段階で書かれているので、大島委員がおっしゃったように、一方では、研究者としてきちんと認めなさいと言っているのに、研究者になるだけが道ではない、アカデミアにおける研究だけではないからいろいろなことを経験しようというと、その研究をしていないことになるので、それをRAとして例えば雇うというのは非常におかしなことになるし、その辺のすみわけがいろいろなことを含めているので非常に難しいと思うのですけれども、少しバラバラとしていて、あちらこちらで矛盾を生じているのではないかと思いました。
 ポスドクについてもそうですし、それから、このドクターコースの学生についても、そのような感じを随所で受けたので、その学位を取得するという、学位の認定というのが何を基準に、今だったら研究で成果が出なくては学位を与えていないわけですけれども、そうすると、いろいろなことを経験すれば、学位を取得するのに時間がかかることになるかもしれないし、あるいは途中で方向転換をしたときに学位を取っていなくても、例えば企業はその博士課程で学んだということで取っていただけるような人材になるのかなど、そもそも学位ということについても関わってくるので、非常に難しいと思い、この提言の中ではらんでいるなと思いましたので、今、関連して言わせていただきました。

【柘植主査】 はい。まず経済的支援が、言うならば、生活費そのものの話と、研究に従事することによって、実は社会との契約に基づいた研究に従事することで、教育にも生きてくると、少しこういう仕分けをしたらどうだというのを有信委員が。まずその考え方と、それから、もう一つご指摘のところは、博士号を学位、一種のディプロマポリシーだと思うのですけども、そこのところについては、7ページで大学院教育の充実の中で、複線的なもの、しかも、複線は自由に選べるようにということで書いてあるわけですけども、あと、その学位というのを、ポリシーについてはもうその教育研究機関そのもののポリシーにゆだねざるを得なく、今のご指摘は、ここの提言では書くのは難しいかなと思います。7ページぐらいのもので、とどめざるを得ないかなと。経済的支援の話だけは、先ほど来ご指摘のところで少し、あちこちでバラバラになっているものに対して、有信委員がおっしゃったように、少しまとめて、思想をこうして、それで、パン代としての話はここでもいいし、教育に、研究に携わることによっての教育の部分についてのファンドというのはこうだと。その中で国が出していくものと、各機関が自主的に獲得するお金と両方あるぞと、こういうような、少し体系的なものがどこかで明記された上で、必要なところで各論がされるような書き方を少し工夫してみたいと思います。
 有川委員、関連ですか。

【有川委員】 はい。

【柘植主査】 そうですか。後ほどまた井上委員、ご発言をお願いします。

【有川委員】 8ページ目のところに、先ほど話題になった博士の学生のことがありますが、欧米では研究者として位置づけられているところがあります。これは非常に大事なことであり、日本でもTA、RAの充実というようなことも含めて、研究者としてしっかり位置づけることができればいいのではと思っています。きちんと博士課程に行って、まじめに取り組んでいれば生活はできる、しかも、貸与じゃなくて、給付という形で手が打てるということであればいいと思うのです。しかし、今は、学生という位置づけですから、先生たちがプロジェクトで雇おうとしても、ある一定の時間はだめだとか、そんなことやっていたら勉強できるはずがないではないかというようなことになって、それができないことになっているのだと思います。
 ですから、研究者としてしっかり位置づけておけば、かなり経済的な支援の面で工夫できるところがあると思いますので、ここは非常に大事だろうと思います。それから、TA、RAというのがやはり中途半端で、確かにお金はもらえるのですけど、それで生活できるかというと、そうはいかない。ですから、ここにつなげるのはいいのですけど、研究者として位置づけるということを非常に強調しておいたほうがいいのではないかと思います。

【柘植主査】 私も実は博士課程修了して、産業界でやってきて、博士課程が非常によかったと思うのは、研究そのものが社会で活躍していくための教育になっていたのですね。それの裏づけがまたお金だったのですね。つまり、アメリカでいうと、MIT的な博士の鍛え方をしていたから、産業界でもやってこられたような感じがします。ですから、やはり博士課程は教育というよりも、むしろ研究であって、研究によって社会で自立していける教育が自然に身につくと、この辺の書き方ですね。どこか、こう変えなさいというのを少し修文、工夫を、有川委員、していただけませんでしょうか。

【有信委員】 すみません。何となく博士課程の学生が研究者だというのは、私は別に反対するつもりはないのですが、もちろん博士課程の学生が研究者であるという自覚が実はないから、勝手に使っているのですよね。今、大学の先生方。ごく一部の先生方という言い方をしますけど。したがって、この表現、有川委員が言われたのは非常に正しいのですが、逆にこれがそのまま変に悪用されて、さっきのようにスカラーシップとフェローシップが混同されたりとか、そういう実情になっていて、なおかつ、学生が研究にきちんと使えないと、こういう状況になっているので、今のような話の流れになると、ここの文章、ものすごく重要になってくるのですよ。
 ですから、要するに、単純にある特定の分野の研究さえできれば、それでドクターを育てたことになるかというのも、これももう一つの議論としてあって、つまり、その分野での研究を独立して、主体的に実行していけるだけの素養を育てるのがドクターコースであるということになっているはずですから、あんまり、主査を混乱させる意図はないのですが、その教育の部分と研究の部分はやはり明確に書いておいていただいて、さっきのように、スカラーシップとそのTA、RAの位置づけの流れの中で、研究者として正当に扱うために、研究者については、TA、RAの資金を十分に与える、十分な額とするよう拡張すべきであると。
 それから、その教育的な部分については、やはり教育をきちんと進めるための奨学金についての拡充もあわせて行うべきであると、こういう二段構えにしておいたほうがいいというようにいまだに思います。

【柘植主査】 座長の判断として、今の、基本的に有信委員のおっしゃった話で少しきちんと、1カ所でまとめて書いて、それで、有川委員のおっしゃった研究者の卵としての話もできるだけそこに盛り込むという形で一度つくりまして、皆さんにまた点検していただくということにしたいと思います。

【有川委員】 今、有信委員がおっしゃいました「TA、RAに関して十分な額」という表現がありましたけど、それがちゃんと入っていればいいのかなと思いますね。それから、現場はもうちょっと信じていただいてもいいというふうになってきていますね。

【有賀委員】 そう思いますね。

【有川委員】 ええ。かなり変わってきてまして、先生たちの意識が相当変わってきていますよ。

【有信委員】 わかりました。

【柘植主査】 今の件を外さない範囲で、ご意見お願いします。菅委員。

【菅委員】 短く関連したことだけで。一番重要なのは、謝金ベースではなくて、要するに、単発でお金を学生に出すのではなくて、1年間まとめて、給与というか、こういう約束でもって、あなたは報酬を受けますという形にするというのが重要ですので、このTA、RAとかいう言葉の前にそういうニュアンスのものを入れていただきたい。今でも謝金はできるのですよ。ですが、謝金ではなくて、1年間、では、約束して雇いましょうということができないというところが問題なので、そのポイントをまず入れると、RAとTAがどういう位置づけで考えなくてはいけないかということが分かると思いますね。このままだと多分、その違いが分からない。

【柘植主査】 ぜひそこは入れてほしいと思いますね。多分今のおっしゃった話をきちんとやると、今度、私はそれは一種の社会契約をきちんと守っていくという、そういうアプレンティスも自然と身について、産業界とのギャップも自然と埋まっていく人材が育っていくと私は思いますので、ぜひそこのところは入れてほしいと思います。
 それでは、井上委員。お待たせしました。今のものでも結構ですし、他のものでも結構でございます。

【井上委員】 意見を言ってよろしいですか。では、10ページですけれども、今までのと話題が変わりますが、(中学校・高等学校の理数系専科教員等へのキャリアパスの確立)という、括弧書きで書いてある見出しのところがあるのですけれども、この最後のほうの書き方が非常に弱い書き方で、下から3行目ですね。「なお、教育委員会によっては、(中略)、教員としての活躍の場を用意している例がある」という、ポスドクの方というのは、高校の先生や中学校の理科の先生になりたい、なってもいいと考えられている方を含めると、結構な数がデータで出ていますよね。そうすると、この書き方として、具体的に博士号取得者に対しても、「なお、教育委員会によっては」というのを消してしまって、以下、「博士号取得者に対して特別免許状を活用した特別選考を実施し、教員としての活躍の場を用意するべきである」など、そういう書き方でも私は構わないと思うのです。それを活用するかどうかは、もうそれぞれの考え方によるわけですので、この「例」があるというのは全くやる気がないと思われても仕方がないかなと思います。
 もう一ついいですか。11ページですけども、「『ポスドク問題』を解消する・・」、一番最初の行ですね。今でのお話を伺っていて、提案ですけれども、「『ポスドク問題』を解消するためには」、ここでちょっと文章の挿入を、かなり大胆な意見ですけど、「まずアカデミアでの助教ポストの著しい拡充を講じるべきである。また、」で、以下が「ポストドクターのキャリアパスの多様化」という、その1行というのをやはりここで入れてもいいのではないかと思います。小野委員の意見を聞きながら私も思いました。

【柘植主査】 はい。今の2点目の挿入分の話について、反対はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。まずいですか。

【小林委員】 僕は個人的には、もうちょっとエビデンスですという議論をしてから入れるべきだろうと思いますね。このまま単純にやった場合にはもっと悲惨な結果が起きる可能性があるので、ちょっと留意したほうがいいだろうと。ただ、検討はすべきだと思います。できるだけ広げたいのは当然なので、ちゃんと検討したほうがいいと思います。

【柘植主査】 そうですね。私自身もポスドク問題というのは、7割はとにかく助教、准教授の問題じゃなくて、社会に出て行かなくてはいけない人数が出ているわけです。この7割が社会との間に乖離がありますので、7割というと、70%の問題は、そちらのほうがポスドク問題が大きくて、残りの3割のうちの何割かがこういう形で、大学におけるポストにはぐれちゃっているわけで、そこを准教授、助教のポストを増やしていくことで解決できるかと。小林委員がご指摘のところかと思うのですけれども。
 森下委員、どうぞ。

【森下委員】 僕は逆に書くべきだと思いまして。

【柘植主査】 書くべきですか。

【森下委員】 これは減った経緯が、大学院大学になるときに、前回もお話ししたと思うのですけれども、助手2を足して、教授1に振り替えるというのを派手にやったのですね。ですから、もともとの助教の数が維持されているわけじゃなくて、教授が増えた分だけ助教枠が減っているので、そういう意味では構造的に大学院大学をつくるときの問題点が実は今出ているということなので、一度もとへ戻すということはしないといけないかと思います。それ以上増やすかどうかというのはもちろん議論あると思いますが、現状は当時の助教に比べると、多分2割ぐらい減っていると思います。

【柘植主査】 主査の意見としては、挿入するならば、ポスドク問題を解決するための全要素、さらに、私からしますと、産業界とのミスマッチを埋める施策、それから、今言った優秀なポスドクなのに研究職、准教授のポストが得られない者を増やしていく話。それから、やはり問題は本当の、本来の良質のポストドクターを生み出していないという問題があるわけですよね。書くなら3つここに書いて、挿入すべきだと思うのです。事務局のほうで、そこを書いて、もう一回そこのところをレビュー、これは全部消せというのか、レビューに書ける形で、井上委員のおっしゃったことは対応したいと思うのですけれども。平野主査代理。

【平野主査代理】 よろしいでしょうか。補足になるかどうか分かりませんが、以前、文部科学省の委員会の中から、先ほどの有川委員の発言にも関連するのですが、教員の流動というのをかなり強く出ていました。結果的にそれが何となく今、漠としておりますので、私は助教をかなり増やしていくというのは当然重要なことだと思いながら、実は先ほども話があったように、准教授はもういるわけですね。待っているとは言いませんが、いるわけで、その人たちがやっぱり、ほかの大学を含めて、囲い込みじゃなくて、その大学をわたって動いていけるような、強引にとは言いませんけれども、ある強い意向をどこかで出しておかないと、やはり停滞するだろうと思います。同時に、先ほど環境を整備するというような言い方で私も言いましたけれども、やはりそこへインセンティブではなくても、ある種の対応策を示したほうがよいと思います。審査の中で、私は今、評価機構におりますから、誤解があるといけませんので評価の機構長が言うという意味じゃなくて、これは国立大学も含めてですが、どれだけ自大学の教員が中に残って、採用されたままおるかということもどこかできちんと表明させることが必要だと思います。調査の中に入れるということをすると、今の流動とともに助教のポストが出てくると思います。

【柘植主査】 はい。井上委員の最初のほうのこの10ページですね。教員の話、これはぜひ修文したいと思うのです。まず、「なお、教育委員会によっては」というのを消すと。それから、活躍の場を用意しているというところについては、これはこういう特別な事例をもっと拡大すべきであるという、それから、行政側のほうは、それをまた誘導するような施策を促すべきであると。その趣旨の文章をこの10ページのところをしたいと思います。
 関連ですか。フクシマ委員、どうぞ。

【フクシマ委員】 今の委員のご意見に大賛成です。私も実はこれだけポスドクの方たちが余っていて、なぜ小学校とか中学校の教育に携わらないというのが非常に不思議でした。ですから、ここでその点を入れる必要があると思います。当然、「すべきである」よりもっと強い表現にしたほうがいいと思います。そういうキャリアパスもきちんと道をつくって、活用するということと、それから、それに関連して21ページの「次世代を担う人材の育成」というところにも、ここに関連づけて、「ポスドクの活用」というのを言及してつないだほうがいいのではないかと思います。何となく現在の表現ではその教育と、実際に教える人の部分が分離していますので、ここでどこかに1行、そのポスドクを有効に活用するということを入れて、ここの部分と10ページを結びつけたらいかがかなと思います。なぜそれを申し上げるかといいますと、やはり全体的に、仕事がないというメッセージはあるのですが、その割りに、初等中等教育の現場では良い教員が不足しているという印象もあり、数と質の関係が良く分からないからです。例えば准教授を増やすといっても、例えば大学の教育の質、小・中・高の教育の質という点から考えた場合に、これはもしかして私が見逃していたのでしたら大変申しわけないのですが、対教員と学生の割合がどうなっているのかという数字があるとその質の一指標として分かりやすいと思います。ポスドクの活用度とも考えることが出来ると思いますが、仕事が無いのであれば、小・中の教育で不足気味のところで活用すべきだと思います。
 例えばアメリカの大学ですと、セミナーになれば教授1に対して学生何人といって、大学でも、TAの人たちが小さいユニットにして、教授の全受講生対象のメインのレクチャーがあって、その後はTAが責任を持って、数名の学生をセクションとして担当しています。この学生対教授の割合というのがかなり教育の質、特に日本の場合、小学校、中学校でも重要ではないかと思います。そこで、ポスドクの人材を活用すれば質も上がるのではと考えています。最も、最近少子化で教員一人当たりの生徒数は少なくなっているとは思うのですが、そのあたりで本当に手をかけた教育ができているのだろうかという点が不安ですので、一つのベンチマークとして、教授1人に対し、あるいは教員1人に対し、小学生何人との数字を入れてもよいかと思います。特に理科の教育というのは実験などが入ると思いますので、「質の高い教育をするには何対何が理想で、それを達成するためにそういうポストドクを活用し、優秀な人たちが教育に携わることが重要である」というようなことをもう少し強調してもいいかなと思いました。 

【柘植主査】 ご趣旨のところは、21ページ、22ページのところで、特に22ページの最初のパラグラフの中で、「理工系の学生を小学校の教員として活用」、この中にポスドクというのを入れること、それから、できたら欧米との比較において数字が書けたらいいと、そういうことでこれは反映する方向で検討すると。
 興委員。関連していますか。時間が大分過ぎていますので、修文の提案だけでお願いします。 

【興委員】 関連して。1つだけ。先ほど井上委員がおっしゃって、かねて小野委員が何度もおっしゃっていて、今の話でもまた出たのですが、その教員の10ページの、いわゆる特別選考の話ですよね。それで、これは、いつもこの場に来て、そういう話を小野委員から聞いているのですけど、やはり大事なのは、フィージビリティーですよね。それで、どういう表現をするかどうかの問題は、結果であって、何とかそれを具体化させることがとても重要だと思うので、どうしたらそれが具体化するのかも、この場で少し何かいろいろと見通しとか何かをお聞かせいただけるととてもありがたいなと思ったので。これはかなり議論があってこういう表現はやや、みんな評価していないのですよね。
 それと、フクシマ委員のおっしゃった2番目の21ページの云々のところは、やはり理科支援員の話はずっと出ているのですけど……。 

【柘植主査】 修文の方向だけについて。

【興委員】 修文のところで、理科支援員の配置事業が、どちらかというと、大学院生等というような表現で入っているんですけど、ここにポスドクというのを入れ込むことが制度として、今のところ受容されているかどうかわからないですけど、このあたりに入れれば、いわゆる22ページの第3パラですよね。「大学院生等が」というのは、この中にはいわゆるポスドクのコンセプトはないのですよね。そういう感じがしました。

【柘植主査】 はい。ぜひ22ページのところにポスドクの表現、それから、その中には、実はティーチングアシスタントの拡大ですね。大学における教育のティーチングアシスタントじゃなくて、こういう初等中等教育におけるティーチングアシスタントという、その辺のところもこの22ページに書き込むか、あるいは別のところにTA、RAの支援というのがありましたけれども、TAの運用の拡大の話はちょっと別なところでも書き込む形で、今の話はしたいと思います。多分、制度上の今のバリアがあるわけでしょうから、それを破らないといけないと思います。
 菅委員、どうぞ。 

【菅委員】 すごく短く。チーム力のところと、リーダーシップのところと、とても私、いい論理で書けていると思って、これはすごいいいメッセージだと思っています。特に博士課程の人がリーダーシップをとるべきだというのはとても、大学に発するのでいいメッセージですので、今、その修士と博士の違いがよく確認できていない。どこに違いがあるかというところが一番博士の就職の問題にかかわっていると思いますので、これをぜひ、その後の博士号の取得者のどうのこうのという教育のところに、残念ながら「リーダーシップ」、「リーダー」という言葉が一言も出てこないです。ですので、必ずそれを入れてください。 

【柘植主査】 ありがとうございます。大変重要なことであります。
 今まで、初めから、第2章のところまでを集中していたわけですが、既に予定の第3章から終わりまでの時間も食い込んでありまして、あと10分間で全体も含めてですが、とりあえず議論を3章から終わりまでに10分間使いたいと思います。引き続きお願いいたしたいと思います。
 菅委員、小林委員。 

【菅委員】 もうこれも短く。ポスドク問題もそうですけれども、「テニュア・トラック問題」というのが起きないようにしたいと思いますので、そのテニュア・トラックをつくるのはいいのですが、大学にしてみると、テニュア・トラックをつくることで、もしインセンティブがつくとすると、これは人件費の確保のためにつくるということになるかもしれない。そうなると、「テニュア・トラック問題」が将来発展してくる可能性もあるので、きちんと何をもって出口とするか、評価、例えばテニュア・トラックの先生たちをどう評価するかというのをきっちり作るべきだというのを、強いメッセージを出していただきたいと思います。というのは、テニュア・トラックが今始まっても実際受けている人たちがどういうように評価されて、自分は残れるのかとか、結局ここをやめていかないといけないのかとか、そういうことがモヤモヤッとした中で動いているというのが私は非常に問題だと思っていますので、そこら辺をきっちりするようにというセンテンスをきちんと入れていただきたいと思います。
 以上です。 

【柘植主査】 19ページの上のところの第2パラグラフ、「なお、テニュア・トラック制がいわゆる」と、ここのところの5行でもし足りないところがあれば、修文の提案をお願いいたします。
 小林委員、どうぞ。よろしくお願いします。 

【小林委員】 とても簡単な話ですが、同じテニュア・トラックの脚注の6番、18ページです。よく見ると、脚注の6番がこの前よりもかなり後退している印象を与えかねないですね。この前は、この後にちゃんと、「より安定な職位を得る仕組み」というのが入っていて、科学技術基本計画でもそういうように定義されていたと思うのですけれども、その部分がなくなると非常に勘ぐられてしまう可能性があるので、これはもとに戻したほうがいいのではないかと思います。少なくとも科学技術基本計画で定義されているような内容で定義しておいたほうがいいのではないかなと思います。

【柘植主査】 興委員どうぞ。

【興委員】 すみません。今の点で、小林委員の前のご発言は菅委員でしたよね。菅委員がおっしゃったテニュア・トラック、というのは、本当にテニュアになれば、基本的にはパーマネントですよというようなことをおっしゃったのですよね。ところが、そこで言うテニュアと通常の一般の教員、ポストとはどう違うかということが、あまり整理されていないのではないかなと思います。ですから、そういう認識がないから、そのテニュア・トラック、テニュアという話が比較的スーッと走っているところがあって、したがって、そこのところをもっとクリアにメッセージがあったほうがいいと思います。そういう意味で、今の小林委員のおっしゃったのも、そこのより安定的な職位というのは、「安定的」に意味があるかどうかは別として、やはりもう少しプレゼンスのあるような職なんだということをうたうことが必要ではないかなという感じがしますね。

【柘植主査】 今のご指摘も踏まえて、小林委員の提案で、やはりもとに戻すというか、それでお願いします。文部科学省の中でも反対勢力が大分あるかもしれませんけれども、やはり第3期科学技術基本計画よりも後退するような話というのは、やっぱり我々第四次提言としては、矜恃にかかわる話でありますので。
 他にいかがなものでしょうか。どうぞ。 

【森下委員】 シンプルな話で、24ページの「高大接続の改善」の一番下のメンター制度ですが、これはいきなりメンター制度が出てくる意味がわからないと思うので、これは脚注をつけられたらどうかと思うのですけれども、あまり一般的な言葉ではないので、おそらくメンター制という言葉をいきなり書いても、先ほどのテニュア・トラックと同じで理解しがたいかと思いますので、意味を、ここで脚注を入れるというのでいかがかと思います。 

【柘植主査】 はい。そうですね。ぜひともここでも、ここというのは24ページの「高大接続の改善」ですけれども、ここにおいてもぜひとも、そうですね、ティーチングアシスタント、今、ポスドクへのティーチングアシスタントは、ここにはお金を使えないのではないでしょうか。ですから、先ほどのいわゆるティーチングアシスタントを大学内での教育だけじゃなくて、初等中等教育への参画、貢献という面にも公的な評価をちゃんとあてがえられるような、それを妨げる制度を改革するという趣旨も含めて、メンター制度の解説をして、脚注をつくるということにしたいと思います。
 小川委員、どうぞ。 

【小川委員】 21ページですけれど、「才能を見出し伸ばす取組の充実」と書いてあるのですけど、この2つは違うので、そこを少し意識してもらいたいなというように思いました。具体的に言いますと、下から7行目のところが「見出す工夫を取り入れ」とあるのですが、「見出す取組と、その才能を引き出す取組を進めていくことが必要である」というふうに書いてもらうと分かると思うのです。意識として、見出すことと、それから、伸ばすことというのは質が違うので、見出せなければ伸ばせないし、私的に前者がまだあまり意識されていないと思いますので、修文としてはそこをお願いしたいと思います。 

【柘植主査】 そこのところは「必要である」の言葉だけでよろしいでしょうか。

【小川委員】 はい。すみません。

【柘植主査】 いいですか。はい。

【小川委員】 先ほどお話のありました、小学校の先生の話ですけど、平成16年度の学校教員統計調査において、自分で計算をしてみると、小学校で大体1つの学校に中学校の理科の免許を持っている人は1.15人ぐらいです。中学校で、1つの学校で2.89人ぐらいです。計算していくとですが。小学校の場合は、小学校の免許を持っていればできるので、小学校の先生でありながら、中学校の理科の免許を持っているという意味で、理科の先生というふうに名前をつけると、その人は1つの学校に1.15人ぐらいしかいない。だから、子供の数でいうと、1人の先生当たり270人ぐらいを持つという。中学校で計算すると、1人の先生が115人ぐらいというように、数字的には出てくるということです。

【柘植主査】 他にいかがなものでしょうか。有賀委員、井上委員。

【有賀委員】 テニュア・トラックのところが先ほどから出ていて、これは本当にすごく大事なことだと思いますので、ぜひきちんと書いていただきたいと思います。ここの中にも書かれているのですけれども、まだ、今、途上なのかもしれないので仕方ないのですが、各大学の個別の取り組みをこれからももう少し普及、定着させていこうというような書き方であって、国全体としてこれが一つのやり方へ収れんしていくというか、そういうものをつくって、確立していくのだというところに書き方として向かっていないのではないかという気がしました。以前に菅委員がおっしゃったと思いますが、テニュアを取るということがその大学で安定な職を得るとかそういうようなことでは少し違うのではないかと思いますので、先ほどのドクターの学位の基準がどこになるのかということと今度絡んでくるのですけども、学位はいろいろだといったら、では、教員や研究者とそのクオリフィケーションというものの一つに、例えば一つにというか、大事なものとしてテニュアを取るということは、テニュアを取っている人だったら、では、それこそ流動するときでも自由に動けるというような形になっていないと、いつまでたってもそれぞれの大学のやり方に応じてということでは安定していかないと思いますので、何か、資格試験ではないですけども、研究者というのは資格がない資格ですよね。ですから、そういうものになっていけるような制度へ収れんしていくのか、どういうものを目指しているのかということが何となくこういうことがあって、各大学でおやりなさいというだけでないことをもう少し書けないかなと思います。具体的ではなくて申しわけないのですが。

【柘植主査】 ご指摘のところは、19ページの(テニュア・トラック制の普及・定着)の中で、第1パラグラフ、それから、今後、5年間の中での国の役割も入っているのですが、このあたりを修文したいということですか。

【有賀委員】 はい。全学的に展開すべきとか、全国に普及するなどというと、それぞれいろいろなところで、いろいろなように好き勝手というか、それぞれのやり方でやるところを増やしましょうというぐらいにとどまっている気がするので、その中から。

【柘植主査】 はい。それは結構私も不案内のところですが。

【有賀委員】 難しいでしょうか。

【柘植主査】 国がやる、介在できるものなのか、大学のそれぞれの先生に何か。

【有賀委員】 菅委員がきっと振ってくださると。

【柘植主査】 菅委員、どうぞ。

【菅委員】 これは、意図を読み取るとすると、最初の「世界的研究・・(中略)・・する大学においては、全学的に展開すべきである。」というのは、要するに、既にテニュア・トラック制度をつくるために資金を提供して、それはお試しでやって、その大学に定着させるということを約束の上、資金をもらっているところが、それをちゃんとすべきだということを言いたいのだと私は思うのですね。それ自体、私は正しいと思います。国としてテニュア・トラック制度を普及するといっても、結局は大学が普及せざるを得ないです。大学自身がやろうとしなければ何も起きないのですね。ですから、重要なポイントは、国としてはそういうことをどんどんこれから支援していくと。その支援していくのがどういう形になるかというのをもう少し具体的に書いてくれると、きっと大学としてもプランを立てやすいということになるのではないかなと思うのですけれども。ただ、運営する側は画一したものをつくる必要はなくて、ただ、お互いに、各大学がお互いのテニュアを認め合うことがとても重要なのですね。

【有賀委員】 そこが大事だと思うのですね。それが今バラバラなので。

【柘植主査】 修文の必要があるか、イエスならば案を出していただくということで、これは議了にしたいのですが。修文があるのですか。ご意見はもう……。

【興委員】 いや、それは先ほど申し上げたように、菅委員にお願いしたいのは、そこのテニュア・トラック、テニュアということについての概念、理解が非常に不十分なので、そこのところをクリアにするような書き方をしていただきたいのです。他方、そうした途端に、そういう認識で自分たちはテニュア・トラック、テニュアを導入しなかったよというようなコンフリクトが起きてくるのではないかなと私はそう思っているのですよね。各大学でやっているのは、実はそういうテニュアではなかったとか。そこに問題があるのではないかと思います。

【菅委員】 分かります。多分、下の脚注の6番のところに、書いてあることがそれを説明しようとしているのですが、少し不十分なので、この数年の任期つき雇用の身分で、自立した研究者として経験を積み、その後、評価を受けて、終身雇用権を獲得できるシステムなのですね。だから、最終的に出口は終身雇用に到達しないといけないのです。アメリカでは、何でアカデミックがステイタスというか、みんなつきたい職の一つになるかというと、アメリカという国は競争ですので、一般企業に就職すると、いつクビになるかわからないという非常に不安定な状況でありながら、アカデミックな人たちというのは最初にその5年間、自分のクビをかけてやった後には終身雇用になりますよというとても大きな違いがあるというところが重要なので、その出口をきっちり書かないと。先ほど私が評価で最終的に出口をというのは、そういうことにつながっていくと。これは書きます。

【柘植主査】 そうですね。すみません。それでは、興委員のお願い、私ども主査のお願いでもありまして、18・19ページのところで少し修文をして、今までの議論も含めて修文をして、事務局、お願いしたいと思います。菅委員にお願いをして、事務局のほうに出していただきたいと思います。
 吉川委員、どうぞ。もう大分時間が過ぎてしまいましたので、吉川委員で打ち切りたいと思います。 

【吉川委員】 20ページの中ほどの(民間企業を参考にした大学等の人事制度改革)ということで、第2パラグラフで、「高齢研究者の給与の削減等により若手研究者ポストを増員することを検討すべきである」とあるのですが、このやり方の具体例として、「大学教員の役職定年制を導入し」というフレーズを追加して検討されるのがいいのではないかと思います。これは今、大学教員の定年延長で、同じ処遇で継続していることが若手研究者のポストを狭めているということがあるわけで、民間企業でも同じ問題があるわけですけれど、大学教授の肩書きは継続使用して、研究は競争的資金に基づいてやるけれど、教育の責務から解放して、その分給与は削減して、そこの部分は若手の人に譲るというような仕組みを考える必要があるのではないかという趣旨です。

【柘植主査】 はい。これは産業、大学、両方を私は経験している中で、今の修文は、ここに書いてある原文のままの「人事評価の結果に応じた」ということで、人事評価のやり方はやはりこれはそれぞれの大学の中にゆだねざるを得ないと思うので、産業のやり方、降格人事ですね。これはもうこの人事評価の結果という中に入れて、今の提案をあえて書かないほうが私はよろしいかと思います。

【有川委員】 今の役職というのはどういうことですか。教授とかそういうことですか。普通、教授で役職といいますと、学部長とか研究科長などと言うのですが。

【吉川委員】 意図としては、教授の肩書きはずっと継続使用します。それから、研究も継続して行います。ただし、学生を持って、教育の責務からは解放しますと、そういうニュアンスです。

【有信委員】 ですから、役職という考え方が違うのです。大学の今の制度は。

【有川委員】  そうです。大学というのは、役というのはほとんどないですので。ですから、前にもどこかで書いておられましたけれども、それを読んだときに、学部長とかそういったことなのかなというように思ったのですけれども、そうではないのですね。

【柘植主査】 はい。ありがとうございます。
 時間の関係で、今の第四次提言の(案)のご意見の時間を切らざるを得ません。言い足りないものがございましたら、ぜひ修文案を事務局のほうに送ると、それから、今ご発言のあった中は、できるだけ事務局が修文にトライしてからレビューに回すと。一部、テニュアについては、菅委員、お願いをいたします。
 ということで、議題2に移らせていただきます。「基本計画特別委員会における審議状況について」ということでございまして、既に4月に文部科学省の中で、基本計画特別委員会が設置されておりまして、既に数回の審議が行われておりますけれども、その状況について事務局のほうから報告願います。

【柿田科学技術・学術政策局計画官】 計画官でございます。
 参考資料1をごらんいただきたいと思います。
 基本計画特別委員会は、これまで2回会議を開催させていただきました。委員の名簿は、参考資料1の5ページの別紙1でございますが、野依先生を主査に委員会を構成していただいております。これまでの審議の内容は参考資料1の1ページになりますが、まず科学技術を取り巻く諸情勢の変化ですとか、これまでの科学技術政策の成果、課題、こういったものを踏まえた上で、我が国が科学技術の政策目標として中長期的にどういう国を目指すべきか、また、それを実現していく上で、第4期科学技術基本計画にはどういう基本姿勢が求められるのか、こういった大きな議論をいただきました。
 中ほどに四角で囲っておりますが、まず「中長期的に目指すべき国の姿」として、ここに書いてありますようなマル1からマル5、最初のほうは、科学技術をもとに世界貢献していくという視点ですとか、資源エネルギーあるいは人口減少というさまざまな制約の中でも国際的な優位性を保持していく、そして、発展していく国。また、医療、防災、あるいはサービスといった科学技術を推進することによって、安心・安全で、質の高い社会、国民生活を実現する国。また、自由な発想に基づく研究ですとか、宇宙、地球、生命等、人類の未知未踏の領域の探索に挑戦する科学技術を推進することで、人類の「知」の資産を創出していく。さらに、マル5は、全体の基盤的なことでございますが、やはり科学技術創造立国を掲げて、日本がこれからも科学技術によって国を立てていくに当たって、科学技術そのもの、営み、そういったものをいわば文化として社会に根づかせて、発展、継承していく国、このような政策目標を掲げてはどうかというご議論をいただいております。
 また、求められる基本姿勢としましては、3つありまして、これから科学技術を基盤としたイノベーションを創出していく、また、成果の社会への普及ということを考えたときに、科学技術政策とイノベーション政策、これを一体的に総合的にやっていくという意味で科学技術政策から「科学技術・イノベーション政策」への転換。2つ目に、イノベーションでありますとか、社会の課題解決といったときに、やはり社会との関係性がますます深まります。そういった意味で、「社会とともに創る」科学技術・イノベーション政策の実現。3つ目に、人材が根幹になりますので、「人」を重視した科学技術・イノベーション政策の強化ということで、基本姿勢としてこういったものを掲げていく必要があるのではないかというご議論をいただいております。
 このような上位の政策目標を明確に掲げて、また、その実現に向けて具体の各般の施策をこれらの政策目標の実現に向けて関連づけることによって、体系的な計画をつくっていくということが大事であると考えております。これまでの議論で、今後の審議に向けた論点整理を行っていただきまして、以降、個別の論点についてご議論をいただくということにしております。
 3番目のところに審議予定が書いてありますけれども、第3回目は国際、第4回目では人材の問題というように、個別の論点について詳細なご議論を始めていただく予定になっております。
 以上でございます。 

【柘植主査】 ありがとうございます。
 今の「今後の審議予定」にありました8月19日には、「科学技術・イノベーション人材の養成」という審議が行われるわけですが、本日の議論も踏まえて、まだドラフト段階ですが、この本人材委員会の最終提言の案を説明いたします。本文というよりもエグゼクティブサマリーになると思いますけれども、これは後ほど事務方からもご了解をいただきたいと思います。
 引き続きまして、国際委員会における審議状況について説明いただきたいと思います。 

【森田国際交流官】 国際交流官でございます。参考資料2-1と2-2をご覧ください。
国際委員会では、本年3月より第4期の科学技術基本計画に向けての重要課題について審議を行ってまいりまして、今週の火曜日に中間とりまとめを決定いたしました。参考資料2-2がその本体でございます。
 参考資料2-1の概要に基づきまして簡潔に概要をご報告したいと思います。
 まず1の「科学技術における国際活動の意義と基本的視点」というところで、グローバル化の進行をはじめとしまして、記載のような科学技術を取り巻く世界の状況の中で、これからの我が国の役割として大きく2つ、人々、社会のために真に役立ち、相手国と相互に有益な分野で重点的に科学技術協力に取り組むこと、それから、我が国の強みを有する分野の科学技術力を活かして、特色を発揮するということが提言されております。
 基本的視点として、科学技術外交の視点を重視すべきであるという提言をいただいております。我が国の科学技術力を我が国及び世界のために活用し、我が国への信頼を構築するという視点でございます。
 下のスライドでございますが、第2部が第4期科学技術基本計画に向けて取り組むべき課題として、この中が大きく3つに分かれております。1つは、科学技術外交の観点から、多様で重層的な科学技術国際協力を推進するというご提言でございます。特にポイントとなるところに矢印をつけて、ハイライトしてございますが、1つは(2)のODAとの連携によりまして、アジア・アフリカ諸国等と地球規模課題などの分野での国際共同研究を科学技術外交の点から、強力に推進していくということ。
 それから、(3)でございますが、中国、韓国、インド等、科学技術力を高めてきている諸国と、対等なパートナーシップでの協力を強化していく必要があるということを強くご提言いただいております。
 裏側でございます。2つ目は、この人材委員会のご提言ともかかわる部分でございます。世界規模の頭脳循環の中で、我が国が世界の研究・人材ネットワークの確固たる一員になるための取り組みの強化ということでございます。特にポイントの部分として矢印で示してあるところでございますが、日本の研究者等の海外派遣につきまして、今年度、補正予算でスタートいたします「若手研究者海外派遣事業」等をはじめとして、目的意識の明確な若手研究者等を積極的に支援すること。それから、若手研究者の内向き志向の背景として、助教等若手研究者のポストの問題が国際委員会でも強く指摘されました。そのポストの拡充が必要であるということ。それから、我が国の研究所の海外設置を進める。そのための制度面の課題整理のため、国における調査研究が必要であるということ。
 それから、外国からの研究者の受け入れの拡充につきましては、特に家族のいるようなシニアの外国の研究者の受入れの拡充のためには、子供の教育や配偶者の職など、外国の研究者の家族へのケアが重要であるという観点から、研究機関の集積している地域において、特区のような形で周辺環境の整備を重点的に進める必要があるというご提言をいただいております。
 最後のスライドでございますが、最後は、これらの科学技術の国際活動を推進する基盤の強化について、(1)海外動向情報の収集・分析、(2)研究者以外の科学技術の国際活動を担う専門人材の体制、(3)我が国の技術の国際標準化への取り組み、(4)機微技術等の扱いの問題について提言をいただいております。
 右側に矢印をしておりますが、特に大学等研究機関やその海外拠点で、国際関係の業務を担当する専門人材の育成をはじめとする体制の強化について、強いご提言をいただいたところでございます。
 国際委員会の中間まとめにつきましても、今後、基本計画特別委員会に報告し、第4期科学技術基本計画の策定に向けての提言としてさらに基本計画特別委員会でご審議をいただく予定でございます。
 以上でございます。 

【柘植主査】 ありがとうございます。
 それでは、最後の議事に入りたいと思います。「基礎科学力強化委員会の動向について」でございます。これも事務局のほうからご報告お願いします。 

【星野人材政策企画官】 口頭にてご報告をさせていただきます。基礎科学力強化委員会につきましては、4回の会合をもちまして、会合自体は終了しておりますが、提言につきましては、今、最終段階ということで資料をご用意できておりません。ただ、その提言の中に盛り込まれる内容をかいつまんで紹介をさせていただきます。
 まず科学技術創造立国、これは国家の最重要戦略であるということで、社会総がかりで強力に取り組むべきだというメッセージが発せられる見込みです。また、そのためにも特に基礎科学というものが重要性がますます増していると。ただ、一方で、高等教育に対する公財政投資というのがOECDの加盟国の平均というのは対GDP比1.1%であるのに対して、我が国は最低の0.5%ということを踏まえて、そこは高等教育関係経費の総額の投資目標というものをしっかりと設定して取り組まなければいけないのではないか。そのためにもやはり国民の理解、協力というものが不可欠で、科学技術の意義とか役割、こういったものの理解を深める科学技術リテラシーの向上というのが不可欠だと。また、実際にどの程度の公的資金の投入を目標にすべきかというところについては、先進諸国と同水準以上の十分な額が必要ではないか。そして、その中でリーダーたるべき創造的人材の育成というのが、喫緊かつ本質的な課題だというような議論になっておりまして、大学人のみならず、産業界を含めた社会全体の意識改革によって、大学院教育の抜本的改革を進めることが極めて重要だというような内容になってございます。
 最終的な提言書につきましては、次回の人材委員会で配付をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

【柘植主査】 ありがとうございます。最後に事務の連絡をお願いいたします。 

【星野人材政策企画官】 次回の人材委員会でございますけれども、資料3にございますとおり、8月31日の16時から、場所は今日と同じこの会議室でございます。また、本日たくさんご意見をいただいたところですが、これらを踏まえまして、第四次提言(案)を修正いたしましたものを、メールにてお送りした上で、さらに再意見を承りたいと存じます。
 また、次回の人材委員会、8月31日にその第四次提言の策定をお願いしたいと考えてございますので、委員の皆様におかれましては、引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。
 また、次回委員会のさらなる詳細につきまして、また後日、事務局より案内をさせていただくということで、本日の資料につきましては、机上の封筒に入れていただきますれば、後ほど送付させていただきたいと思います。
 以上でございます。 

【柘植主査】 ありがとうございます。本日も活発な議論、どうもありがとうございました。今、事務局から説明がありましたように、次回は第四次提言を完成するということにしたいと思います。それに先立ちまして、先ほども触れましたけれども、基本計画特別委員会の概要の資料を作成せねばなりません。これは主査のほうに一任させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、事前にまた30日、次回に向けたものは事前にメールで送っていただいて、ぜひ次回は、限られた2時間ですけれども、ファイナライズしたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
 どうもお疲れさまでございました。 

午後 15時01分 閉会

お問い合わせ先

文部科学省科学技術・学術政策局 基盤政策課

(文部科学省科学技術・学術政策局 基盤政策課)