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人材委員会(第12回) 議事要旨

1.日時

平成14年11月26日(火曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省別館10階 第5、6会議室

3.議題

  1. 女性研究者等の多様な人材の能力発揮のための環境整備について
  2. その他

4.出席者

委員

 小林主査、阿部会長、郷委員、小平委員、佐藤委員、谷岡委員、鳥井委員、中嶋委員、中津井委員、似田貝委員、藤野委員

文部科学省

 山元科学技術・学術政策局長、尾山科学技術・学術政策局政策課長、板東高等教育企画課長、大木男女共同参画学習課長、倉持基盤政策課長、安部調査調整課長、伊藤計画官、渡邊国際交流官、舟橋科学技術・学術政策局企画官、渡部女性政策調整官、今井総括上席研究官(科学技術政策研究所) 他

5.議事要旨

● 都河教授(東京医科歯科大学)、郷委員からの説明
 都河教授から資料1、郷委員から資料2にもとづいて説明の後、主なやりとりは以下のとおり(以下、○は委員、△は事務局の発言)。

○ ある瞬間の年代層別の解析ではなく、研究者のライフサイクルという観点から、1人の女性研究者、あるいはある集団がどういう道をたどるかを経年的に追ったデータが必要。

○ やめた人の追跡ができないのでなかなか難しいのではないか。

○ 大学院レベルまでは女性が増えており、助手などの研究職になる段階でギャップがでるが、この時期は結婚年齢にぶつかる。特に科学技術関係の研究者は、配偶者も研究者であるケースが多く、このようなカップルにとって何がインセンティブになるのか、といった調査を行ってはどうか。

○ 私大の調査を行っていないが、調査すべき。ゼロから施策を実施するというのではなく、女子大などがこれまで取り組んできた様々な女子の教育機関において蓄積されたノウハウを施策に反映させるべき。

○ 今回の調査は、国公立大学の状況についてのものであることを明確にした方が良い。この調査結果を広く一般論として考えると、違う部分も出てくる。

○ 女性の発想は社会にとって大事であるが、そもそも女性の発想とは何か、女性の特色といった点を強調することは差別につながらないか、教えてほしい。

○ 女性といっても人それぞれ違う。自分の研究について言えば、自分の発想は男性にはできない目の付けどころであったと思う。半場道子先生の「痛みの研究」は女性であったからできた。半場先生は、地位・権威とは違うレベルで自分の生き方を見つけ、新しい研究を切り開いたのであり、女性ならではの目の付けどころの違う研究の一例と言える。

○ 女性と男性、社会的な教育を受ける中で、体験知に差異が生じることによって、男性的、女性的なものが生まれる。これらは多様性を高めるものと説明される。多様性についても、男女の性別で分けるのではなく、男性性・女性性というキャラクターが男女に分布するという説明になるのではないか。
 一般に、女性は帰納的思考、男性は演繹的、論理的に思考をするともいわれているが、これまでの教育が男性にとってわかりやすく行われてきたとの議論もある。そのような教育の方向を転換させていくことによって女性の能力を開花させていくことにつながると考える。女性研究者の視点により、今までと違ったアプローチがなされるという意味で研究の多様性の幅が広がるものであり、男性性・女性性といったキャラクターが女性に多く分布するという説明の方がわかりやすいのではないか。

○ 研究職は他の職業と比べても、継続性が重要視されるのではないか。一般の職業ではかなり代替性があり、中断しても途中からでも参加できるが、研究職はそうはいかない。どうしても女性はやむなく中断をする状況のハンディが出てくる。
 継続性が本当に必要なのであれば、それを阻むような障害をなくす必要がある。例えば研究者が休業する場合、研究費の引継ぎ、休職のフォローアップ、奨学金の年限を特例として長くするなど、中断しても研究を再開できるような措置を講じるとともに、代替可能なものについては代替するなど、目に見えている問題はすぐにでも改善してフォローしていくべきである。

○ 国公私間で、また、文系、理系の間での違いは大きい。自分の大学では、学生、教員ともに女性の割合が高く、優秀な人材は女性である。ただし、結婚しない、出産しないといった、別の社会問題につながる。教育分野も含めて研究教育者という観点では、言語など圧倒的に女性に適している分野がある。

○ 平均的なプロファイルだけでなく、同じ国公立でもかなり差がある。研究者と教官、あるいは、層別、女子大という形でそれぞれクローズアップして分析すると問題が見えやすくなる。

○ 自分の企業では男、女は同等に競争しており、女性の所長もいる。入社は男女が半々くらいであり、女性のリサーチマネージャーも多数いる。ただ、結婚が大きな転換期であり、ドクターコースを出た優秀な女性研究者も、結婚、出産を契機に事務職への異動など研究職を離れる人もいる。

○ 企業人の多い応用物理学会の女性研究者は育児休暇を使って活動しており、企業はきちんとサポートしている。大学は、研究、教育の代替に予算がかかるため代替措置がなく、休んだらおしまいである。休職中の講義のために半年間ほど専門家を雇う、研究のために人材派遣を活用することなどが制度として整備されていない。

○ 女性研究者は大学に相当数いるにもかかわらず、研究費の審査、評価の会議への女性の進出が遅れている。研究費の配分で、女性研究者が不利になってはいないか。

△ 当省の助成制度では、委員会を設けるものから、ピアレビューや書面審査など様々であり、政府全体で審議会等の委員を30%以上にするという目標のもと、女性委員が2、3割の委員会もある。ただ、第一線の研究者が審査に当たるような現場に近いところについては、女性比率が低いところもあるのが現状である。

○ 分野によっては、過半数を女性委員にするなどしないと、全体として女性比率が上がってこないのではないか。例えば、女性研究者が多い保健分野などでも、論文や研究費の審査委員会ではやはり男性の比率が高いのか。

△ 審議会等について政府全体で30%以上という目標があるが、より現場に近いところについては、専門性の問題などがあり、具体的な数値目標を立てられていない。

○ 入口にメリハリを付ける必要があると考える。入口部分でみると、理工系の大学院の女性比率を高めることを考える必要がある。そのための前提として、小中学レベルで男女に差が生じているのであれば、初等、中等教育の位置付けをきちんとすることが重要ではないか。
 大学の法人化により各大学の裁量権が大きくなるが、多様な研究、人材を維持するためには、勤務時間の配分を計画的に考える必要がある。教育、行政、研究をうまくバランスを取って行うのは難しいが、特に個人研究が中心になる文系においては、大学が配分を工夫して勤務時間をうまく使えば、相当程度、女性研究者をサポートができるのではないか。

○ 博士後期に進学する女性の割合が多くないと女性研究者の問題は前に進まない。ただ、博士課程に進学するかどうかは将来の採用や処遇を見て決めることになる。したがって採用・処遇の部分についてきちんと措置をすれば、次の大学院進学段階で、何か考える必要はないのではないか。研究者養成をするようなレベルのところでも女性の割合が自然に増えてきており、博士課程の入学段階で女性をひきつける施策を講じる必要はないのでないか。

○ 女性が大学院博士課程に入るとき、最初は将来のことは考えずに研究への興味などで入るが、その後、現実に大学に女性研究者が少ないなど研究者としての先が見えず、人生設計をどうしたらいいかと悩む女子学生が多い。

○ 入口についていえば、日本では理科系、科学技術は男というイメージが、子どもたちの間でも極めて強く、国際比較調査の結果にも現れているが、まずそこから直していかなくてはいけない。また、先が見えないということでは、ロールモデルが重要となる。

○ 「痛みの研究」など女性でないと思いつかない研究を、なぜそれが女性でなければできなかったかなどを分析し、社会に訴え、一種のロールも出るとして知らしめることが大切ではないか。
 女性性を入口論に当てはめると男女別教育が良いという発想につながるのか、教えてほしい。

○ 研究者になろうと決める時期は、男性は大学進学時と早く、女性は大学の4年生位という遅い時期に決めるが、一度火が付くと、とことんやるというケースが多い。女子大でロールモデルとなる教官を見つけて、粘り強く頑張っていくケースもある。
 また、医学分野では女子医大をつくるなど早くから人材を養成されており女性比率が高いが、法律分野では遅れている。男性性と女性性が人文系と理系で区別されるのではなく、傑出した人物が早くから手を付けていた分野は、現在も人材の層が厚いということである。このように、分野ごとの歴史的要素が今日の女性の活躍状況につながっている。歴史的に恵まれてなかったがゆえに女性比率が低い分野はまだまだあり、ポジティブ・アクションなどを講じる必要がある。

○ 「話を聞かない男」、「地図の読めない女」といった分析があり、男女の差異は、体験知によるところもあるが、基本的には脳の構造的差異により生じるものであるとされている。この男女の差異を体験知として輪をかけるようなシステムを持った文化もあれば、それを打ち消すような体験知を重ねるシステムをもった文化もあるが、それぞれの男女の特長を生かせばよいのではないか。理工系にも医学、生物など女性の得意とする分野はあるが、全体として女性の研究者比率、意思決定組織の委員比率が低いことが問題である。女性外来など、ニーズはあるものの不十分な分野があり、これらの女性のためであり、社会のためでもある研究をすべきであるという世論作りが大切である。
 国公私の差異について、国立大学は、明治以来官吏養成機関として士族社会の思想を引きずっている。今や、闘争心や腕力からのパラダイムシフトに向けた知的作業が求められており、女性への期待はもっと大きくてよいと考える。

○ 一般に女性は男性に比べて研究活動に入るのが遅くなる傾向があり、研究費の申請や就職活動において、年齢制限で不利になることが多い。研究者としてのスタートが遅くなった女性研究者も、能力面で公平に評価されるべき。

○ 女性研究者については、提言に向けて今後の検討課題とする。次回はポスドク等若手研究者の要請について検討する。最後に、事務局より次回日程について説明がある。
 事務局より、中央教育審議会中間報告について説明、次回は12月4日(水曜日)に開催される旨連絡の後、閉会。

(以上)

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科学技術・学術政策局政策課

(科学技術・学術政策局政策課)

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