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人材委員会(第10回) 議事要旨

1.日時

平成14年9月26日(木曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省別館10階 第5、6会議室

3.議題

  1. 今後の検討の視点について
  2. その他

4.出席者

委員

 小林主査、郷委員、小平委員、佐藤委員、谷岡委員、鳥居委員、中嶋委員、中津井委員、似田貝委員、藤野委員、山野井委員

文部科学省

 山元科学技術・学術政策局長、井上科学技術・学術政策局次長、坂田官房審議官(研究振興局担当)、尾山科学技術・学術政策局政策課長、板東高等教育企画課長、倉持基盤政策課長、伊藤計画官、渡辺国際交流官、舟橋科学技術・学術政策局企画官、今井総括上席研究官(科学技術政策研究所) 他

5.議事要旨

(1)今後の検討の視点について

 事務局から資料1、2、3、4について説明。主なやり取りは以下のとおり。(以下、○は委員、△は事務局の発言。)

○ 第一次提言では大学院を中心に議論したが、大学に至るまでの部分についても言及する必要がある。ただ、科学技術関係人材についてのみ施策を検討し、社会科学系などの研究者について検討しないのはバランスがよくないとも考えられる。また、研究者養成の過程の中に、倫理の問題をどう組み込んでいけるかということについても、検討する必要がある。
 第3次計画に向けて、ポスドク1万人計画についても議論を始める必要があるが、その際は、各分野の状況に応じたきめ細かい議論が必要である。それに関連して、現在はスカラーとフェローとの関係が施策として分かれているが、その関係をどうシームレスに整理していくかということも問題である。また、これまで研究者にある程度魅力があった日本育英会の返還免除制度を廃止することが決められているが、関係する措置がすべて抜け落ちてしまわないよう、今後それに支援をしていく必要がある。
 研究者の養成には、企業などでの養成の機能も大きいため、大学以外での人材養成についてどう考えるかについても、検討する必要がある。

○ 総会での意見(資料1)として、大学院の人材養成を大学向け・産業界向けに機能分化する必要があること、人材委員会では世界レベルの研究者養成に絞って検討する必要がある旨の指摘がされているが、ここでいう「世界レベルの研究者」とは、アカデミアの世界の研究者ということか。

△ 指摘した委員の問題意識ではそうであるが、人材委員会では産業界とアカデミアを通しての検討を行うという前提で議論してきた旨説明した。

○ ドクターレベルについての指摘か、それともマスターレベルについて指摘になるのか。

△ 指摘の念頭には専門職大学院があり、研究者養成の大学院と専門職業人養成の大学院を考えての指摘と思われる。したがって、必ずしもドクターレベルの大学院についてではなかったと考える。

○ ロースクールやビジネススクールで博士課程まで行くのは、教える側になる場合であり、実際のビジネスのためにドクターまでいくことはほとんどない。総会での指摘も、専門職大学院を意識していたのかはわからない。自然科学分野の専門職大学院はないのではないか。

△ 専門職大学院の制度でも、場合によっては博士の学位を出す場合もありうるが、研究者養成とは目的が違うため、研究能力のためには従来の博士課程に進学することになる。また、現在のところ社会科学系が中心であるが、今後、自然科学分野の専門職大学院が出てくる可能性はあるのではないか。

○ 人材に焦点を合わせて国際競争力について考えると、アカデミアの世界では国境がなく、日本人研究者が海外で活躍する場合など、必ずしも日本の産業界に研究成果が反映されなくても、知の創造として非常に価値がある。一方、産業界の立場からは、研究者が日本国内で、産業にプラスになる形で活躍する必要があり、留学生などを日本に戻し、日本で力を発揮できるような仕組みを考える必要がある。

○ 産業の世界では人材が日本に戻ってくることが必要で、アカデミアではその必要がないという形で分けることができるのか、そもそも区別して議論する必要があるのか、難しい問題である。

○ 現在の日本には、研究体制のサポートや大学運営に関するプロフェッショナルがほとんどいないことが大きな問題である。大学について言えば、ファカルティ・ディベロップメントやIT化、国際化、評価など最近の課題の対応にあたるスタッフの養成が追いつかず、困難になっている。
 教育、研究の支援業務を行うための人員が、各種書類、報告書作成などの業務に充てられている。マスターレベルで、大学等の研究・教育機関の運営に携わる人材の養成にしっかり取り組んでいく必要がある。

○ アメリカでは、プロの訓練を受けた人たちがセクレタリー、アシスタントとしてサポート機能を果たしているが、日本ではそのような訓練経験がないセクレタリーがほとんどであり、研究支援者などを専門的に、プロフェッショナルとして育成することも必要ではないか。

○ 法人化をはじめとして、21世紀COEなど大学はこれまでにない大きな課題を抱えており、応急処置的な対応ではなく、優れた大学教員が大学の運営、プログラムマネージメントなどに携わっていく必要がある。大学では、これまでのような学術的な評価だけでなく、大学運営・行政をする人をきちんと評価するシステムを作っていく必要がある。

○ 国立大学の法人化に伴い、特に大学の教育・研究を支援する職員のプロフェッショナルな研修システムを早急に整備する必要があると考える。

○ 企業では、知識をいかにうまく管理運営していくか、という視点でナレッジマネジメントに取り組んでいるが、知識を創造する大学においても、ナレッジマネジメントの視点から議論をすることが必要である。

○ 日本の企業において、研究管理体制はどのようになっているのか。

○ 個々の研究がすばらしい成果につながるということが原点であり、あまり管理が行き過ぎるとと、レベルの低い研究しか出てこなくなるなど、かえってよくないのではないかと考える。

○ 研究者などのメインのラインをサポートする機能を担うプロフェッショナルな人材の養成が出できていないことは、企業・大学に共通する問題である。特に大学は、企業に比べて、量的にも人材を確保できていないが、このようなナレッジマネジメントのための取り組みをしないことのデメリットが、企業と比べて明確にはわかりにくいところがある。

○ 企業でも、戦略室などの形でサポート機能を担うグループを作るなどの取り組みをしている。

○ 企業では、その企業のアイデンティティー、方向性の範囲内で研究を行っていくため、研究者の自由な発想、好奇心を原点とする大学にとって企業の例はそれほど参考にはならず、企業的な研究を大学が行い又そのサポート体制をつくると、かえってマイナスになるのではないか。

○ 職員が非公務員型になり各大学の判断で多様な人材をリクルートできるようになることなど、国立大学にとって法人化は大きなチャンスにもなりうる。法人化を機に、大学のニーズが高いスタッフ・ディべロップメントなどを拡充することが必要である。

○ 事務局のサポート体制が十分でないために、大学院生が雑務に従事させられている。研究者に対する支援だけでは不十分であり、国家として政策的に、サポート体制をつくるプロフェッショナルな人材養成のための助成、補助金、留学制度などを検討する必要があると考える。

○ 大学として一番肝心なサポートは、事務職員などをうまく利用し能力を上げることによって、専門職である教員に、研究・教育に当てる時間を十分に与えて、効率よく活用することである。

○ 博士課程、修士課程含めて教育の中身についてさらに突っ込んだ議論が必要かどうか、国際的な視点からの人材の養成・確保の在り方、その他について特に意見はないか。

○ 私学においては、企業のニーズを受けて、海外に専門学校的に位置付けるサテライトを作るような土壌が国際的に存在しており、日本の大学の空洞化につながる可能性がある。

○ 学問・教育は管理になじまないところがある一方で、競争的経費の獲得や教育、評価などに関する大学のマネージメント、政策的な環境整備をしていく必要があり、学術経営や研究教育の中で、いかにバランスをとって取り組んでいくべきか、難しい側面がある。
 研究者だけでなく、大学の事務スタッフについても流動性が重要である。人事交流やカリキュラム交流により、様々な分野の持っている研究教育の利点、環境整備の仕方を学び、新しい管理運営の方法、創造的に新しい学問をつくっていく仕組みなどができるのではないか。

○ 法人化に伴い、大学の経営はトップダウンの一元的な管理体制にすることが望ましく、Ph.D.を取ったような高度な知識を有する事務官が教官をサポートし、教官は教育と研究だけに専念できるような体制にできるのではないかと考える。
 大学院については中教審などでも盛んに議論されているが、大学院に関する本質的な議論を、人材委員会と中教審で共に、相互交流をして議論するようにしてほしい。

○ 研究者が書類業務や雑用をしなければならないことは、大学、企業に共通する問題であるが、ITの進歩などにより、サポート機能の効率性はかなり上がっている。問題は、法人化の中で
サポート機能に対するニーズが理解され、予算化されていくかどうかである。
 企業のマネージメントの人材をアカデミアの世界に入れていき、その人たちの意見を生かしていくことが必要であり、幾つかのケースをつくっていけば、教育の世界ではこれまで不慣れ、不得手だったマネージメントについて、新しいものが出てくる可能性があるのではないか。
 サポート体制は重要な課題であるが、国際的視点に立った人材の養成・確保の関係で、事務局から資料の説明を行う。

[事務局から資料5に沿って説明]

○ アメリカにはサバティカルイヤーという、1年間程度の留学などにより教育のために充電するシステムがあるが、教育をする上で、新しい教育の手法や内容を取り入れることは必要であり、研究室間の交流や若手の交流、シニアの人が長期間留学できるようなシステムの整備や、外国人受け入れのための住居問題などの環境整備に取り組む必要があると考える。

○ 日本に来る留学生、特に博士課程の留学生の学位取得状況を示したデータがほしい。
 留学生、就学生はここ1年間で大幅に増えており、その大部分が中国からであるが、研究、学位取得以外の目的で日本に来る傾向も多いため、関連するデータをつけてほしい。

○ 教官、研究者だけでなく、研究マネージメントに携わる人など、さまざまな局面での国際交流を図る必要がある。また、個人単位ではなく、大学がプロジェクトを立ち上げるなどして、ユニット単位での交流を図ることも意味があると考える。

○ 次回は国際的な視点からの議論を中心に取り上げる。

(2)その他

 事務局から資料6に基づいて、科学技術関係人材の養成と確保に関する15年度予算要求の概要についての説明、次回のスケジュール(10月30日)についての連絡の後、閉会。

(以上)

お問合せ先

科学技術・学術政策局政策課

(科学技術・学術政策局政策課)

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