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人材委員会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成14年3月15日(金曜日)10時~12時

2.場所

虎ノ門パストラル新館4階 「アイリスガーデン」

3.議題

  1. 人材の養成・確保について
  2. その他

4.出席者

委員

 小林主査、岸委員、小平委員、鳥居委員、鳥井委員、中嶋委員、中津井委員、似田貝委員、野依委員、藤野委員、山野井委員

文部科学省

 井上科学技術・学術政策局次長、坂田官房審議官(研究振興局担当)、安部調査調整課長、川上計画官、渡辺科学技術・学術政策局企画官、秋葉高等教育局企画官他

5.議事要旨

 人材の養成・確保について(自由討議)
 資料3、4、5に沿って、事務局から説明。主なやり取りは以下のとおり。(○:委員△:事務局等)

○ 企業の立場からすると、博士あるいはオーバードクターについては、修士より即戦力になるという期待感があり、専門性がキーポイントとなる。一方、分野によって異なるが、企業の場合は、博士を取得した専門性を生かせる期間が短くなる可能性があり、あるプロジェクトが終了すると研究の対象が変わってしまうことを前提として考えておく必要がある。
 高い専門性、仮説を設定する能力、ハイレベルな理論の展開力が企業の求めるドクター像である。研究開発をマネージメントできる人がドクターから出てきてほしい。

○ 自社の研究所では、毎年60人程度採用しているが、50%は博士課程修了者である。マスターの採用は人事部が行っているが、ドクターの場合は研究所の誰々といっしょに仕事したいというモチベーションで入社する者が多い。こういう人は、かなり専門性があり、プロジェクトが終わっても柔軟に対応できる。ドクターについて問題点が指摘されているのは、企業の採用の仕方に問題がある。
 また、ポスドクは人数オーバーになっているのではないか。米国の方がポスドクの人数は多いが、約半分が外国人で、自分の国に戻るのが前提である。

○ 研究は人の質で決まる。欧米では、如何に良い人材を採るか懸命になっている。研究の中心がドクターであるというのは世界の常識であり、日本の企業はその意味で異常と言える。欧米の有名大学を卒業した人材から見て日本企業は魅力的かということも考えてみる必要がある。また、日本のドクター・ポスドクで外国の企業・研究所に採用されるようなものがいるかという問題もある。両方ともに、質の改善、向上をしなければ日本の研究体制は成り立たなくなる。
 また、採用の仕方に透明性が欠けている。どの企業にどれくらいドクターのニーズがあるのかといった情報がオープンになっておらず、博士学生が不安になっている。逆に、企業の側も、どこにどのようなドクターがいるかがわからない。掲示板のような物が双方に必要ではないか。

○ 企業側の研究体制について、グローバルスタンダードから見てどのレベルにあり、1万2000人の博士がどういったレベルにあるのかというデータはないか。また、企業に入社したドクターから、設備が整っていないとかマスターと待遇が変わらないというような不満を持っている場合がある。自分達の専門的能力はかなり違うと思っているのに、その差が生かされないというのは問題ではないか。

△ 企業のレベルや大学院生のレベルについて体系的に調べたデータはない。今後、この委員会に連動した調査の中で検討していきたい。

○ 欧米に比べ、企業がドクターを採用していないことそのものが問題である。産学連携についても、企業側の取り組みが遅れなど、7対3ぐらいで企業側に問題があるのではないか。ドクターの採用については、大学だけでなく企業にも問題があり、企業を変える努力をすることが問題解決の早道である。

○ 資料を見る限り、ドクターを採用した企業は、マイナス評価していないところが多い。採用している企業は期待通りの活躍をしていると評価しており、採用していないところが何故採用しないかをもっと検討する必要がある。

△ 企業は、優秀な人材であれば採用する。多様な人材をどのように社会が受け入れるようにするかという議論が必要である。これらの資料は、一方的に企業が問題であるという事を申し上げる意図はない。ドクターの育成をどうするのか、もっとドクターが企業に採用されるにはどうしたら良いか議論していただきたい。

○ 日本工業教育協会で、技術者についてのアンケートを企業と大学の両方に出した。博士課程修了者で企業に入った研究者にアンケートを取っているが、実際に採用している企業は、ドクターの使い方がわかっていて、何をやってもらいたいかわかっている。また、質の高いドクターを期待するのはよいが、もう少し敷居を低くして、足りない部分は採用後に鍛えるというのも採用の仕方として必要ではないか。必ずしもドクターとしての処遇をできる人ばかりではないということを認識すべきだ。また、大学側もどういうふうに育てて、何をさせるべきか、ドクターのキャリアデザインを考えるべきである。非常に優秀な専門性のある学生を育てることも必要だが、それ以外の学生について企業側も大学側も多様なキャリアデザインを考える必要がある。

○ 応用展開力や仮説設定能力、リサーチコーディネーターとしての能力を習得させる事はむずかしい。企業とのマッチングをより良くしていくには企業の努力も必要だが、大学研究室以外の場に出て活躍できるドクターを養成するのだという体制を考える必要がある。

○ 若い研究者の側に、博士課程やポスドクに何をしたくて行くのか、大学で何をするのか、明確な意識が大事である。なんとなく大学に行く、ポスドクになるというのでは日本を支える若い人材は育たない。

○ 長く同じところにいることにより、研究者の力が弱ってきていることが問題である。また、経済的支援の視点として、研究支援が趣旨であり、生活保護的になってはいけない。

○ 自分の会社に入ったドクターやポスドクは、マスターに比べて成功しているケースが多い。最近のマスターの傾向としては、指示待ち人間が増えていると感じる。医薬業界は、企業内で専門性が長く生かせるためマスターとドクターを区別していないが、一般的に言って、専門性について評価できる人間が企業にいないのが問題である。

○ 修士課程修了者の中には、論文博士を目指す者がいて、半年ぐらい学位取得に専念させることになる。論文博士については廃止すべきではないか。また、大学において、マスターとドクターをある程度区別して育てるべきである。

 事務局から、資料6,7について説明。

○ 大学教員から官公庁に行くなど、流動性を高める必要がある。また、日本企業は海外の大学に好んで投資する。もっと日本の大学に注目すべきである。
 また、ドクターの定員を留学生で埋めている例もある。また、大学の評価項目に学位授与率があるため、学位を積極的に出し質の低下につながっている面もある。なお、米国では、ダブルメジャーが当然であり、将来の進路変更にも柔軟に対応できる。

○ ダメな人は、自分の専門分野から他の分野に動こうとしない。その原因を早く解明して、アクションプランを作るなどの対応が必要である。工学系に比べ、物理や化学をやった人間の方が柔軟性がある様に思う。また、海外との比較でダブル・メジャー制を本格的に考える必要がある。
 また、日本人の間だけで人材を考えるのではなく、外国人人材の活用も考えるべきである。研究者の交流については、動きは出ており、物質・材料機構と東大、東北大との若手の交換人事がうまくいっている。

○ 文系の場合、今後、学位インフレが出る懸念がある。元来、文系の大学院に入学する人は、大学等における研究者志望であり、企業への就職をあまり考えていない。また、理系と違い、民間から大学院への出戻りはほとんどない。むしろ、「マスターを出て社会へ」というカリキュラム・デザインを作る必要がある。その際、マスコミやシンクタンクなどには就職口があるかもしれないが、資格要件とリンクしていかないとマーケットとして成立しない。

○ 博士課程の学生あるいはポスドクは、デッドラインのないカルチャーの中で育っている。企業にはデットラインがあるため、カルチャーショックを受けるケースがある。米国企業の経営者は、企業に入ってからビジネススクール等でしっかりと教育されている。日本企業も可能性のある人材がいればしっかり鍛えるべきである。

○ 文系の大学院はポスドク(PD)ではなく、オーバードクター(OD)が多い。学振の特別研究員にもODが申請できるなど、根本的に変える必要があり、現在、中央教育審議会の大学院部会でも議論している。また、現在、法科大学院や資格、実学用の専門職大学院などの検討を行っている。

○ 企業は、人間性に問題がなければもっとドクターを採用すべきだ。ドクターを出たから研究者にする必要はない。博士課程を出たから専門家という意識をなくして、マスターやドクターを普通に採用するべきである。

○ あまりに気軽になってしまっては、博士の意味がなくなるのではないか。

○ 企業としては、どういう人材をとるかは死活問題であり、専門性にプラスしたものがほしい。

○ 人材の評価は、様々な分野や領域でグローバルスタンダートに照らして考えるべきである。国際競争力をつけるには、外国からの人材も採るべきで、日本の大手企業が、何故、外国のドクターを採らないのか疑問である。日本はあらゆることが相対評価であり、日本のドクターが、国際レベルでどの程度力量があるかわからない。日本も欧米のポスドクを採っていかなければならない。

○ 海外にある日本企業の研究所のほとんどは、現地のドクターを採用している。一方、日本の研究所に外国人研究者が入った場合、研究所のカルチャーになじまないケースが多いようだ。マスターやドクターのレベルが、グローバルスタンダードで見てどのレベルかは重要である。

資料8,9について、事務局から説明。

○ 資料9について「狭い専門性からの脱却」との記述があるが、これからのグローバル化の中では、本当の意味での高い専門性が必要である。複数専攻は良いが、きちんとしたベースになる専門性は必要不可欠である。

△ 現在の社会に対応する高い専門性を持った人材を養成することを前提に置いた上で、狭いところに固執することがあってはならないという主旨である。

○ 養成と育成が混ざっているので、用語を統一する必要がある。

○ 複数専攻とした場合、学位が複数になるということになり、実際には存在しないため、リベラルアーツとか違った表現が良いのではないか。

○ 例えば、修士課程で生物をやり、博士課程で物理を専攻するというのが、基本的なダブルメジャーである。教養課程とかで幅広く勉強することとは分けて、全力でやる時期が2つあるという意味であり、リベラルアーツとは使い分ける必要がある。

○ 大学院の議論について、当委員会では指導の仕方とか学生のあり方というソフト面はできるが、制度の問題もある。外国に比べて日本の制度は硬直的であり、高い専門性を取得するコースに柔軟性が必要だ。また、国際化の議論は重要であるが、外国人研究者の配偶者の就職問題等のような社会的問題もからんでおりむずかしい面もある。

お問合せ先

科学技術・学術政策局政策課

(科学技術・学術政策局政策課)

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