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人材委員会(第3回) 議事要旨

1.日時

2002年2月14日(木曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省別館10階 第5、6会議室

3.議題

  1. 人材の養成・確保について
  2. その他

4.出席者

委員

 小林主査、安西主査代理、小平委員、佐藤委員、谷岡委員、鳥居委員、鳥井委員、中嶋委員、中津井委員、似田貝委員、山野井委員、吉田委員

文部科学省

 山元科学技術・学術政策局長、坂田官房審議官(研究振興局担当)、磯田政策課長、安部調査調整課長、川上計画官、渡辺科学技術・学術政策局企画官、小嶋科学技術政策研究所総括上席研究官

5.議事要旨

(1)人材の養成・確保について(自由討議)

 資料2、3に沿って、事務局から説明。特に資料3に係る主なやりとりは以下のとおり。(○:委員 △:事務局等)

○ 資料3について、このような形で定義してカテゴライズするのは良いのか。大学等では、関連人材の中にも大きな役割をする人もおり、こういう形で階層化することには問題があるのではないか。

○ 議論するための材料としては有用ではないか。表の上の方は研究面だけの人材の記載となっているが教育面についても役割として記載すべきである。従来の議論ではマスターを出た人たちを高度専門職業人と理解しており、上のエンジニアのところと高度専門職業人とを入れ替えるべきではないか。

○ 企業の場合は、個人というより集団の形が多いので、大枠はこのような形である。しかしながら、「知的創造・発見・発明」に関わる人は、研究者のみではなく研究支援者あるいは生産技術者にも関係があるので、そうした役割については、全部に追記すべきではないか。

△ 資料3については、人材の役割についてのカテゴライズを行う趣旨ではなく、幅広く人材について議論していく際のターゲットとしていくつかに分けたという趣旨のものである。研究支援者にも創意・発想は必要であり、また、関連人材の最上部に研究者がいてというような階層を示す趣旨のものではない。

○ 線で分けられているというよりは、こういうグラデーションになっているという理解をすれば良い。ゾーンニングをわかりやすく展開すればこうなったという事であれば、こだわらなくてすむ問題である。なお、研究支援者は研究者の指示の下に職務を行うとなっっているが、ケース・バイ・ケースであり「指示の下」と明確に書かない方がよい。

○ 資料3の下の図について、アメリカの例は高度専門職業人に限った絵と推測できるが、研究者養成Ph.D.のコースもあるわけであり、これほど単純な図式ではない。

○ 我が国は、科学技術創造立国を標榜して人材育成をどうしたら良いか考えるのであれば、これまでの人材に対する既成の枠をはずして、将来の我が国のことをどうするかという先のことを考えるべきである。また、私立大学には教官、技官はいない。今までの枠で物事を考えていると思われる。また、文系、自然科学系、技術系で事情が違うので、一つの枠の中でとらえられないのではないか。

○ 国立大学には、資料3でいう関連人材は実在としてほとんどいないと思う。教官がやっているのが現状である。事務官がこの役割を担っている側面もあり、これからの学術経営を推進するには、これらの関連人材の関わりが重要である。国立大学の場合、関連人材のイメージが具体的に存在せず、そのことが問題である。

○ この委員会は、大学だけを議論するのではない。社会の中には、様々なところに様々な人材がおり、当委員会の役割として、全ての人材を議論はできないが少なくともこの枠内に位置づけられる人材については、逃さないように議論することが大事である。人文社会の視点からは欠けているところがあるかもしれないが、理科系を見る限り概ね資料のとおりである。

○ 我が国の人材を考える場合に、この枠組みだと文系人材が考慮されていない。今まで議論してきているが、その時々によって違う人材をイメージして議論してきた。ある時点でこういう整理が必要であり、バウンダリを明確にしないと取りまとめが困難になる。

○ 資料3は、議論のためのゾーニングを示したもの。例えば、人材の役割というより、それぞれの分野の研究、開発、生産、活用というプロセスに分けたとき、それを役割としている人材がどういう名称で呼ばれるのか、どういう分け方があるのか、今後議論してブラッシュアップしながら進めていきたい。今日のところは、一つのイメージとして頭の中に入れていただきたい。

 事務局から、資料5,6,7に沿って説明。

○ 米国と比較して日本は教員のインブリーディング率が高い。これは、多様性や研究環境の問題に関して大きく影響している。また、経済的な状況を見ると、生活費等にはっきり差がでている。

○ 米国では、大学以外の高等教育機関にドクターが18%就職している。日本でもドクターが小中高等学校の先生になれば教育の向上も期待できる。博士課程の学生への支援は、生活に困らない程度の援助をするのか、同年代の人間と同等の生活をさせるような援助するのか、思想が必要。インブリーディングの資料だが、一回大学を出てから助手として戻ってくる人もいるので、この数字は更に高くなる。

○ 日本の場合は、大学の職員や文部科学省の職員でPh.Dを持っている人が非常に少ない。また、人文社会系では、ポストドクター以外にオーバードクターが非常に多く、そういう人が層をなしている。最近、制度が変わって学位をとってない人でも、学術振興会の特別研究員に採用されはじめている。人文社会系の場合、研究室が依然として徒弟制度をなしている面がある。また、教員採用において、形だけの公募も多く、適切な採用が行われているかどうか問題がある。
 米国の大学生は、自分で生計を立てているが、日本のRA、TAは最近始まったものであり、層が薄い。20代後半や30代前半の若手が、常に学会や教授の顔色をうかがっており、新しい発想など出てこない状況が往々にしてある。

○ 今までの日本は、米国に追いつき追い越せということで、既にある程度決まったものを伝承すればよかった。一方、現在は新しいタイプの研究者が求められている。自然科学分野では、インブリーディングになっている研究室より、高い頻度で人材が流動している研究室の方がグローバルスタンダートの中で良い仕事をしている。
若い研究者の生活が不安定だと、指導者にすがる側面が出てくる。若い人が生活に困らないようにするのがインブリーディングを打ち破る一つの仕組みになる。
民間へドクターの就職が進まないことは、社会的にドクターに対する処遇がなされていないことが大きい。また、探究心だけは旺盛だが実社会で通用しない人材を生み出しているのは問題であり、大学院は社会的責任をもっと自覚すべきである。
 また、様々な専門性を同時に身につけるのは無理だが、専門性の他にも幅広く興味を持つ人材を育てていく必要がある。

○ ポスドクは、工学系は少ないが生物系に多い。大学での常勤ポストが今後少なくなることが予想され、ポスドクの問題もこの点を踏まえ議論する必要がある。

○ 若手研究者の自立性を高めるために、学術振興会が平成14年度から新設したスーパーポスドクは、研究室を変えることを採用の条件としている。一般のポスドクについても、平成15年度から研究室を変わることを条件としたいと考えている。人文社会系の場合は学位がなくても同等の資格のある者を対象としてきたが、いつまでたってもドクターをとらない人が多い。学位が一つの水準の目安となる以上、いずれは人文社会系についてもの学位取得をポスドク採用の条件にしたいと考えている。
 また、留学施策と研究者交流施策の間の連携がない。学生支援と研究者支援をつなぐ施策が必要である。

○ インブリーディングはトップの大学ほど高いが、分野によっても違いがある。東大では、工学、農学生命、新領域創生科学研究は、外部からの出身者が50%台であるが、医学や理学は内部から採る率が高い。大学院重点化以降、外部の研究者に対し研究室は開放に向かっているのではないか。新しいところほど外部から人を取っている。

○ インブリーディングを少なくするための阻害要因をまず取り除くことが必要。その上で、インブリーディング率を下げるスピードを速めたいのであれば、ガイドラインを設けて、予算の配分などインセンティブを与えることが考えられる。混乱をきたさないよう縛り加減の具体案を提示することを考えるべき。インブリーディングを下げるためにも、大学に企業から人材を出してもらい、大学に企業側の人材が入ることで、企業に若手研究者が行くようにもなるのではないか。

○ 企業が新しい分野に進出する際には、従来だとその分野のマスターを採って育ててきたが、現在は、それではスピードで勝負にならない。即戦力となる人材育成を大学に任せ、優秀なら採用したいが、現状では十分と言えない。米国のポスドクの就職先データで18%が営利団体となっているが、ベンチャービジネスなどがかなり含まれ、企業への就職はそれほど多くないとも考えられるのではないか。日本においても、企業への就職を単に増やすということではなく、地方クラスターへの就職の強化を図るなど、科学技術創造立国の中でどう吸収するかという発想を持つべきである。

○ 研究者養成にもっとコストをかけていかなければ状況は改善しない。博士課程の学生の自立をサポートするための予算を増やすべきである。米国では、インブリ-ディングが少ないが、米国の学部段階はリベラルアーツ中心なので、どの専門に進むか考える時間がある。日本の場合は、技術系などでは論文生産予備軍として、学部段階で学生を囲い込んでいる。また、日本でも出身大学の如何によらず、ドライな評価をしっかりやる必要がある。

○ 大学は流動性が低いと言われるが、企業においても就職者の転職は少なく流動性は低い。産学連携の議論の中でも、大学に問題があると指摘されることが多いが、産業界側に問題があることがむしろ多いと思う。

○ 大学の医学部などでは、系列校を考えるとインブリーディングは更に高くなるはずであり、そういう前提で議論すべき。また、大学や文部科学省は、学生をどうやって就職させるかという視点だが、経営者側は、いかにベンチャービジネスを育成するかという視点でミスマッチとなっている。人材養成にもっとお金をかけるべきであるが、それがゆえに社会的な説明責任、評価の透明性、情報公開がますます求められる。ある一定の成果が、どのくらいの率で出てくるかも大事であり、配分を担った者の責任も明確にすべきである。

○ 米国は他人と同じことをすることを好まない国民性もあり、インブリーディングは少ないが、中には違ったカルチャーで生きていけない人もいるようだ。日本でインブリーディングを減らすには、思い切ったインセンティブと受け入れ方の考え方の変革が必要である。

○ 特に世界トップクラスの研究を考えた場合、その研究室の大学院生を採用して伸ばす方が望ましい場合もあり、一概にインブリーディングを否定すべきではない。インブリーディングという現象面をなくすというより、なぜそうなっているのか、そのデメリットなどについて良く考える必要がある。

○ 世界のトップクラスというイメージでグローバルスタンダードという言葉が使われているが、それを超えるレベルの議論についても徐々にやっていく必要がある。

○ ある意味で異端的な研究能力のある人は貴重であるが、人格がある程度備わっていることが前提である。

○ どういう人材を養成するかという議論をした時に、日本という国がどうなるために、どういう人材が必要かという議論が必要である。日本の経済活性化を目指すのか、知的存在感のある国を目指すのかで、方針が変わってくる。

○ 1960年代~70年代の高度成長期には、技術系の修士課程の増員を図り、国を上げて産業界を担う人材を修士レベルで作り出した。また、企業の研究面では、60年代ぐらいに中央研究所設立ブームがあり、その次に基礎研究所設立ブームとなった。時代とともにニーズが変化している。今は、何が起こるか不透明な時代に対応した多様な優れた人材を、国のサポートの下育成していくことが必要である。

○ どの辺の人材を厚くしていくかが重要であり、大きなボリュームゾーンを改革し、自由に流動化させることによって、その中からトップエリートも出てくると思う。

○ グローバル化した時代においては、地球規模で協力していかなければいけないし、激しい競争に打ち勝つ人材も必要である。グローバル化時代の人材を考えるにあたっては、2~3年でハンドルの切れる既存の人材をいかに活用するか、10年のタイムスパンでしかハンドルの切れない育成の仕組みをどうするか、ポスドクなど既に育っている人材をどう活用するか、の3つの視点からの議論が必要である。

○ 予算配分の重点が、私立大学よりも国立大学に片寄っており、改善すべきである。国立大学の法人化されることで、教員の採用基準、職員、PD問題などの解決が期待される。

○ グローバル化した競争の中では、チャレンジ精神、個性、創造力を待った人材が求められている。インブリーディングに加え、様々な視点で検討していく必要があり、教育機関、企業、研究機関の中で、研究者をどうするかが、当委員会の議論の中心になると思う。

△ 平成15年度予算要求もあり、4月、5月ぐらいには早急に対応すべきものについて整理したい。次回の委員会で、今日の議論を整理し、更に若手問題について具体的に議論していただきたいと考えている。

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科学技術・学術政策局政策課

(科学技術・学術政策局政策課)

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