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人材委員会(第45回) 議事録

1.日時

平成20年10月27日(月曜日)13時~15時56分

2.場所

文部科学省 3階F1特別会議室

3.議題

  1. 次世代を担う人材育成方策について
  2. 国際化に対応した人材養成方策について
  3. 社会の多様な場で活躍する人材の養成方策について、世界をリードする研究人材の養成方策について 【継続審議課題】
  4. その他

4.出席者

委員

柘植主査、伊藤委員、大隅委員、興委員、小野委員、小林委員、所委員、鳥井委員、鳥養委員、三宅委員、森下委員、山野井委員、吉見委員

文部科学省

泉科学技術・学術政策局長、戸渡政策課長、川端基盤政策課長、坪田科学技術・学術政策局企画官、高比良人材政策企画官、氷見谷高等教育企画課国際企画室長、江崎学生支援課留学生交流室長、氏原国際交流官補佐、角田総括上席研究官(科学技術政策研究所) 他

5.議事録

午後 1時 開会

【柘植主査】

 時間になりましたので、第45回の科学技術・学術審議会人材委員会を開催いたしたいと思います。森下委員、鳥養委員は遅れて来られるという連絡を受けています。それから、室伏委員と鳥居主査代理は、今日は校務のためにどうしてもご出席できないということですので、予定された委員の皆様方、全員おそろいでございます。
 本日の会議につきましては、冒頭より公開となっておりますので、よろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、事務局より本日の配付資料等の確認をお願いいたします。

【高比良人材政策企画官】

 それでは、資料等の確認をさせていただきます。いつものとおり、議事次第と委員名簿と座席表、お手元にございますでしょうか。次に配付資料でございますが、資料1といたしまして「審議議題4 次世代を担う人材育成方策について(論点メモ)」、資料2としまして「審議課題4 関係資料」、資料3としまして「審議議題5 国際化に対応した人材養成方策について(論点メモ)」、それから資料4-1としまして「審議議題5 関係資料1」、資料4-2としまして「審議課題5 関係資料2」、資料5としまして「審議課題2 社会の多様な場で活躍する人材の養成方策について(意見集約版)」、資料6としまして「審議課題3 世界をリードする研究人材の養成方策について(意見集約版)」、資料7-1としまして「人材委員会のスケジュール(案)」、資料7-2としまして「今後の開催予定」、参考資料1としまして「理数教育強化に関する施策」、参考資料2としまして「理数教育強化に関する提言等」、参考資料3としまして「第42回~第44回人材委員会の課題設定と方策について(案)」となっております。そのほか、机上資料として関係資料をファイルにとじさせていただいております。また、「人材委員会での今後の議論のための整理ペーパー」、別に机上に配付されておりますけれども、それから「科学技術に関わる人材のイメージ(案)」を机上の配付資料としてお配りしております。
 この机上配付資料1でございますけれども、前回、主査から事務局へ宿題としていただきました2点について修正をさせていただきました。1点目は、審議課題のブルーの箱の部分でございますが、前回までここのブルーの箱の部分を2つに分けておりましたけれども、そのうちの審議課題4と前回しておりました「人材養成に係る研究資金制度等の改革」というものを、審議課題3の「世界をリードする研究人材の養成方策」に含めることができないかどうかということでしたので、あえて我々としても分けることもないことから、統合させていただいております。したがって、この青の箱の中を統合させまして、3-1と3-2とさせていただきました。ですから、そういうことで、4、5というのは繰り上がっておりますけれども、2点目は、前回もご報告いたしましたけれども、中央教育審議会に諮問されました大きなテーマを大学分科会で今後議論するということになっておりますので、大学分科会を関連審議会として追加をさせていただいております。具体的には、右のほうの白い部分のところにありますけれども、真ん中の一番右のところに科学技術・学術審議会の学術分科会の下、中央教育審議会の大学分科会というのを追加させております。それから、一番上の目標のオレンジのところの右肩にも中央教育審議会の大学分科会というものを追加させていただいております。
 以上でございます。

【柘植主査】

 ありがとうございます。
 少し繰り返しになるかもしれませんけど、本日の議題について主査として確認をさせていただきたいと思います。
 本日の委員会では、第4期の科学技術基本計画の策定を見据えて審議を進めておりますが、審議課題のシリーズ、今、紹介がありました机上配付資料1の横にございますが、この審議課題4「次世代を担う人材育成方策」、それから審議課題5の「国際化に対応した人材養成方策について」ということが主議題でございますが、そして継続課題となっております審議課題の2番「社会の多様な場で活躍する人材の養成方法について」と、その右側の審議課題3「世界をリードする研究人材の養成方策について」、この4つを議事としております。
 これもまたリマインドでございますが、その2枚目以降に科学技術に関わる人材のイメージ、我々はどんな人材をこれから育てていくのか、もっと強化するのかという人材のイメージについて、今日現在でもまだイメージ図が4枚、これを何とか中間提言ぐらいまでには科学技術でどういう人材を育てるのかを1枚の絵にしていきたいと、こういう課題を我々は担っているということも申し添えたいと思います。
 内容が多岐にわたりまして、今回もいつもより1時間多く3時間という時間をとっていただきます。委員の皆様方におかれましては、ぜひとも具体的な方策につきまして活発なご議論をいただきたいと思います。
 それでは、本日の議事に移りたいと思います。
 議題1の「次世代を担う人材育成方策について」であります。それでは、事務局から資料の説明をよろしくお願いします。

【佐々木基盤政策課企画官】

 それでは、資料1、資料2、それから参考資料1、参考資料2に基づきましてご説明させていただきたいと思います。
 資料1でございますけれども、審議課題の4といたしまして「次世代を担う人材育成方策について」ということでございます。
 これまで何度かご議論いただきまして、さまざまなご意見をいただいておるのでございますが、2ページ以降に主なご議論いただいた点について書かせていただいておりますが、個別には時間の関係上説明いたしませんが、主な論点といたしまして、検討の方向性ということで、抜群に優秀な人材を育成するプログラムが必要だということがあります。それから、一方で、子どもたち全体のレベルを上げる必要があるのではないかというご指摘をいただいております。
 教員等に関するご指摘といたしましては、1つは、小学校などに理数系重視の教員を増やしたらいいのではないかということがあります。それから、専科、専任について、理数系には専科、専任を導入することの検討が必要ではないかというようなご意見もございます。それから、先生が理科・科学、こういった科目を非常におもしろいと思って子どもたちに話すということが必要だという観点から、理数系の教員の指導力向上が非常に大事だというご指摘もいただいております。
 教育環境ということでございますけれども、教科書に関する話、それから、伸びる子については徹底的に伸ばすということを小中学校の段階からやっていくべきだというご指摘をいただいております。
 このようなご指摘をいただいておるわけですけれども、これらをまとめたものが資料1の1ページでございます。4-1でございますけれども、教員の指導力向上のための取組。4-2については教育環境の話。それから、4-3については理科・数学に興味・関心を持ち、その資質や能力を伸ばしていくための取組ということでございます。
 教員の指導力向上のための取組といたしましては、科学技術、理科及び算数・数学に優れた指導力を有する教員を確保するため、養成、採用、現場での実践、研修と、それぞれの段階において、学校と大学あるいは科学館、こういったものとの連携を進めることによって、更なる充実方策を検討してはいかがかということが挙げられます。
 教育環境の充実のための取組といたしましては、次世代を担う人材育成ということで、教材や外部人材など各学校において必要となる教育環境を整備することについて、更なる充実方策を検討してはどうかということが挙げられます。
 能力を伸ばすという方策でございますけれども、科学技術、理科、算数・数学に興味・関心が高い児童・生徒の資質や能力を伸ばすための取組を進めることについて、更なる充実方策を検討してはいかがかということがあります。それから、科学リテラシー向上のための取組を充実させるということで、児童・生徒が研究者や技術者に係る職業観をはぐくみ、進路意識を明確にできるようにするための取組を進めるということについての充実方策を検討はしていかがということが挙げられるかと思います。
 資料2でございますが、これは、理科離れということが言われているわけでございますけれども、さまざまな視点によりまして理解ができると思っておりますが、それに関するデータを挙げさせていただいております。
 1ページにおいては、昨年のPISAの報告の結果でございます。それから、TIMSS調査の結果が載せられておりますが、これは前回もお示ししたと思いますけれども、若干の順位の低下というものが見られます。
 次に現在、我々が行っております理数教育充実のための施策でございますけれども、これは左下の図です。理数学習に関する子どもの意識というところについても行っておりまして、「勉強が好き」という割合でございますけれども、小学校5年生につきましては非常に高いわけでございますが、小学校5年生、6年生に従って下がっていき、中学校1・2年生について下がっていくと。中3で若干盛り返すということはございますけれども、専ら小学校高学年から中学校において、理科あるいは算数・数学でも同じでございますけれども、好きでなくなっていくという傾向が見られます。
 一方で、教員のほうの状況でございますけれども、これは、「理数大好きモデル地域事業」というJSTの事業で行ったアンケート結果によりますと、「理科の授業が得意」という小学校の教員でございますが、6割以上の教員の方が理科の授業を教えるのは苦手と考えているというアンケート結果もございます。
 2ページでございますが、理数教科と社会とのつながりといったものが非常に希薄に感じられているといった各種のデータが出ております。先ほどのPISAの調査によりますけれども、「先生は科学の考えが実生活に密接に関わっているということを解説しているか」といったことに対する回答といたしましては、OECD平均が46%でございますけれども、日本については19%の生徒しかそうは思っていないという状況がございます。
 教科の比較が右のページにございますけれども、専ら「その学んでいる教科が実生活に役に立つかどうか」といったことに対する回答でございますけれども、理科あるいはまた算数・数学といったものが小学校の高学年段階から徐々に下がっていくといった状況がございます。
 下の図は高校でございますけれども、「当該科目の勉強は大切か」といったことについては、左側のグラフでございますが、この青と緑のところが「そう思う」というところと「どちらかといえばそう思う」というところでございますけれども、赤で囲んだ数学あるいは理科の各教科については、ほかの教科と比べて左に寄っているといったことがあります。それから、「当該科目の勉強は入試等に関係なくても大切か」といった質問でございますが、これは右のグラフに示しましたように、これも同様に左に寄った結果が得られております。
 3ページは、今回の学習指導要領の改訂でどのように時間が増加したかといったものを示した図でございます。
 4ページでございますけれども、子どもの体験活動についての調査結果というものでございますけれども、昭和59年と平成16年の比較でございますが、これは青少年施設を利用した小中学生を対象にして、都市部、市町村など偏りがないように調査をしたというものでございます。自然体験、虫をつかまえたであるとか、木に登ったとか、日の出や日の入りを見たとか、こういった経験に関しても軒並み、昭和59年段階と比べて最近の結果では「したことがない」と答える子どもたちが増えてきたことが挙げられます。
 5ページでございますが、これは理工系学部志願者数の減少を示した図でございますが、平成4年からの各種データでございますけど、右肩下がりということで、人材確保という観点からは問題点ということが挙げられると思います。
 6ページでございますが、これは科学リテラシーといったことに対する一つのデータになると思いますが、内閣府が調査した結果でございまして、科学技術に対する関心度の推移ということで、前回の平成16年実施の調査に比べまして、平成19年に実施した結果によりますと若干の向上が見られるということで、関心度は昨今のさまざまなマスコミでの取り上げられ方等を背景とするかと思いますが、関心度は高くなっているということが挙げられます。
 7ページでございますけれども、関連して同じ調査でございますが、国民意識の現状ということで、「科学者・技術者の話を聞いてみたい」と思う割合につきましては、平成16年の調査に比べて10ポイントほどの上昇が見られます。これは先ほどの関心度と同じような結果が出ていると思います。
 一方で、課題となるかと思いますけれども、「科学技術を身近に感じる機会というものがあまりない」というような回答も得られておりまして、それは平成16年の調査に比べまして平成19年では高くなっているということがございます。
 関連いたしまして参考資料1でございますが、現在の科学技術関係人材育成のための理数教育教科施策ということで我々が取り組んでいるものでございます。前回も一度ご説明を申し上げましたけれども、先ほどのデータに基づきまして、小学校・中学校段階につきましては、理科に興味・関心を高めてもらう、なるべく落とさないようにするといった観点から、すそ野を広げるというための施策を講じているものでございまして、これが青で示した部分でございます。また、高校段階になってくると、若干進路について意識が出てくるといったこともございますので、一方で興味・関心が高い子たちに対してより多くの機会を与えて、伸びる子を伸ばしていくというような施策を行っております。
 2ページ以降、いろいろな施策がございますが、かいつまんでご説明を申し上げますと、小学校に対する施策といたしましては、理科支援員等配置事業ということで、小学校の先生たちを支援する形で、大学院生、退職教員あるいは地域の人材の方に入っていただいて、実際の授業の際のサポートをいただいておるという事業を行っております。
 伸びる子を伸ばすという施策の観点に入ると思いますが、4ページにスーパーサイエンスハイスクール支援事業というのがございまして、今、全国102校で行っておりますけれども、スーパーサイエンスハイスクールに指定をいたしまして、先進的な理数に対するカリキュラムをつくっていただいて、研究活動でありますとかそういった先進的な授業を行っていただいておるということでございます。来年度の新規のメニューといたしまして、SSH中核的拠点育成プログラムというものを要求してございます。これは、平成14年度からスーパーサイエンスハイスクールにつきましては行っているわけでございますけれども、この中で経験を経た非常に実績のある高校について、もう少し地域の拠点として継続的に先進的な取組または理数に対する興味・関心をより高めていくためのプログラムというものを地域に展開してもらおうというものでございます。
 来年度の新規に要求している施策の1つといたしまして9ページでございますが、コア・サイエンス・ティーチャー養成拠点構築事業というものがございます。これは、先ほどの本委員会でのご指摘でもございましたけれども、もう少し理数系の学生さんたちに教育現場に入っていただきたいということを支援するために、新たな事業に取り組んでいきたいと思っているものでございまして、これは大学や大学院におきまして将来の理科、算数・数学に対する教育という観点で中核的な先生を育てていくというためのプログラムをつくっていただいて、地域の教育委員会あるいは教育現場と連携をしながらこういったプログラムを導入していただくというための事業でございます。
 また、科学リテラシーの普及という観点でございますが、11ページに地域の科学舎推進事業というものがございまして、これは従来から取り組んでいるところでございますけれども、地域のボランティアであるとか科学館の取組について支援をしていくものでございますが、来年度、若干の拡充を図っていきたいと思っているものでございます。
 参考資料1については以上でございます。
 参考資料2につきましては、各種の提言がなされておるわけでございますけれども、本年の「革新的技術戦略」というもので指摘されたものがございまして、6ページでございます。経済成長戦略の中に「革新的技術創造戦略」というものがございまして、革新的技術が絶え間なく生み出される環境づくりであるとか、未知の分野に挑戦する人材の確保ということで言われておりますが、資料1に戻っていただきまして、2ページでございますが、ここに具体的なものが書いてありますけれども、平成20年5月19日の総合科学技術会議におきまして「革新的技術戦略」というものが進められておりまして、1つは、先ほどもご説明しましたように、理数教科で指導力と能力があり、各学校や地域の理数教育指導において中核的役割を果たす小中学校教員を養成するプログラムの導入を検討してほしいということ。それから、スーパーサイエンスハイスクールの経験を生かして、自らの経験で培った理数教育のカリキュラムや指導方法を普及し、地域全体の理数教育の質の向上を図る中核的拠点校を支援するといったようなことが挙げられておりまして、来年度の要求につきましては、これを踏まえた要求とさせていただいております。
 簡単ですが、事務局からは以上でございます。

【柘植主査】

 ありがとうございます。
 今の説明にありましたように、次世代を担う人材育成方策につきましては、理科教育に関する支援等、既にさまざまな取組が行われているわけで、充実を図ってきているわけです。その効果の検証というのはおのずと時間がかかるわけですけれども、しかし、この諸施策の有効性、これは結果が出てから判断というのでは、やはり取り返しのつかない大きな過誤を犯す可能性もあるわけでございまして、いかにこの諸施策の有効性あるいは要改良点ですね、強化点、こういうのを効果が出る前に前広に調査してフィードバックをかける、このあたりのメカニズムという視点も非常に大事ではないかと私は考えます。あるいは、今ここに紹介のありました諸施策とは別に、新たな新機軸を打つ必要があるというのも出てくるかもしれません。ぜひともその両方の点でご議論をいただきたいと思います。約40分時間をとりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 山野井委員、どうぞ。

【山野井委員】

 資料2の2ページの一番上の「先生は科学の考えが実生活に密接に関わっていることを解説してくれる」と回答した生徒の割合がものすごく違いますね。これは小学生、中学生の内容だと思うのですが、数年前に私が日本経済団体連合会(経団連)で産学連携をやっていましたときに、入社3年後の修士卒が中心ですが、3年前ということはまだ大学時代の記憶がはっきりしていますから、もっとこうやっておけばよかったとか、こうしてほしかったということのアンケートをかなり広く実施したことがあるのですが、このときに出てきた印象的な答えの一つが、大学は、例えば工学部であっても、やはり理論的な説明が多いのだけれども、それが実際の世の中で、例えば自分の会社のこういう製品のこういうところにこういう形で翻訳されて使われているのだというようなことが、3年たってだんだん分かってきて、そのことをなぜ講義のときにもっと教えてくれなかったのかなと。教えてくれていれば、学んでいることの意義というものがより身近になって、もっと一生懸命にやったのだけどというのが、7割ぐらいの人がそう言っているのですね。これは他力本願的なところがあるので、私は必ずしもこの言い方そのものはあまり評価できなかったのですけれども、そういうことを言っており、事実そのものは課題ととらえるべき内容と考えます。
 まさにこのこととよく似ているのですが、やはり小・中学校のときに、いろんな世の中の科学技術に関連する問題というのは、特に生活に関連する問題があるわけですが、それはすべてサイエンスからスタートしているというときに、だれが、いつ、どういう考え方で、どういうきっかけで、どういう科学的な発見をやって、それを後の人がいろいろ工夫して、そしてこういう形に使われるようになって、今、我々の生活にこう役立っているのだという一連の流れを、つまりきっかけから始まって一連の流れというものを教えますと、最初の発見が非常に大事だということと同時に、それをどのようにうまく工夫しながら実生活の向上のために使ってきたかという現実の姿ですから、それがわかるような形の教育が子どものときから必要なのではないか。相当それによって科学なり理科というものに対する、あるいはそのベースとしての数学に対する親近感というのでしょうか、要するに、遠い存在ではなくて身近なものだなというような感覚を持つ子どもたちが増えるのではないか、そういう若者が増えるのではないかという気がするのです。ということは、私の経団連からの経験からいっても修士卒の若手社員が言っていることと同じことを言っていますので、非常に強く感じた次第です。そう考えます。

【柘植主査】

 ありがとうございます。私も基本的に山野井委員と同じ問題意識を持っておりまして、この資料2の3ページで、学習指導要領の改訂で理科、数学の時間数は増えているということだけで、今の山野井委員のご指摘が解決されるのかという目が我々は必要なのではないかと思います。ここの3ページには書いてない話ですが、私が非常に気にしていますのは、今の山野井委員のご発言と関連がありますのは、技術・家庭というこま数は全然変わってなくて、おそらく教える先生も変わってない。すなわち、なぜ理科、数学・算数を学ぶかという話と、社会、それから社会を支えているのはどうしても技術になると思うのですけれども、その技術との関わりというのがどうも学習指導要領の改訂の中では弱いのではないかという、私、着眼点を持っておりまして、それはどういうふうに強くしたらいいのか。この資料1の検討の視点の中で4-1の「教員の指導力向上のための取組」というのが4行書いてございますが、こういう程度の淡白な視点で今のご指摘の問題点が解決されるかどうかという視点ですね、このあたりはぜひとも今度の中間の提言の中に具体的に盛り込む必要があるのではないかと私は感じておる次第でございます。
 関連するご発言でもよろしいし、別な視点でもいいですが。では、小林委員、鳥井委員、どうぞ。

【小林委員】

 今のご議論に関連してですけれども、日本でも実はもう既にキャリア教育というのが非常に振興されるべきだということで議論がされていまして、本来はキャリア教育って非常に広い意味なのですね。これは小学校、中学校の段階から大学段階まで含めてなんですけれども、山野井委員のご発言にあるように、社会の中で技術が、あるいは自分の勉強がどう関連するかというのは、やはり学校だけではだめなところがあって、それでキャリア教育というのは実際に社会の中に飛び出ていって、子どもたちも含めて、あるいは大学生、大学院生もそうですけれども、自分の勉強していることがどう関連づけられるのかということを実体験していく。別に単に進路指導ということではなくて、むしろ学習の意味を感じるための教育というような意味でやられているのですけれども、日本ではまだそれがやはりかなり弱いというところもありまして、これは多分かなり重要なポイントだろうと思います。特に工学部の志願者の減少という話がありましたけれども、高校までで理数科はあるのですけれども、工学に関する教育って一切ないので、工学に触れることはまずない。最近は工学部出身の高校の先生というのも非常に少なくなっていますから、ますます工学に接する機会がないという状況です。それでも、技術教育も重要ですし、技術教育自身も今、キャリア教育と結びつけようという議論もかなり進んでいますので、そういったところも含めてキャリア教育の充実ということも考えていったらいいのではないかなという気がします。

【柘植主査】

 教えていただきたいのですが、今のキャリア教育の充実の視点では、この参考資料1のパッケージの中にはない、あるいは希薄である、どのようにお考えか、一言加えていただきたいと思うのですけれども。

【小林委員】

 多分抜けているだろうと思います。もう既に進められつつあるのすけれども、それとも関連づけてやっていくといいと思います。

【柘植主査】

 ありがとうございます。
 そうしたら、鳥井委員、それから興委員ですね。

【鳥井委員】

 こんなことを言っても始まらないのかと思うのですが、科学技術を使っての力で、どういう社会かどういう文明を築いていくのかということが非常に不透明になってきているという感じがするのですね。我々が小さいころには、やはりもっと豊かな生活をしたくて、それにはあの科学技術も欲しいし、この科学技術も必要だし、だからそれを担う人になりたいという、そういう発想ができたわけですが、今の若い人たちから見ると、「これ以上、便利になってどうするの」とか「これ以上、地球壊してどうするの」というような、そういうイメージがある中で、普通に今までどおりの科学技術を議論されると、「え、そんなことやってもしようがないじゃない」という心が生まれるのは、これは一種しようがないところなんですね。読んだ本によりますと、スプートニクが打ち上がったときのアメリカというのは今の日本と非常に近い状況にあって、そのときにやはり相当そういう問題について書かれた本が出ていて、若者に対してどういう社会をつくろうよというようなメッセージが出ていて、それがかなり多くのインパクトを若者たちに与えたということがあるようでありますが、そこのところを、ここにいらっしゃる先生方がどういう文明をつくるべきかということがしっかりと書けるかどうかは、私も含めて自信はないのですが、やはり少し、あえてそういうところに対して社会にメッセージを出していくという、そういうことを考えるべきではないかと思います。そういうことの中で、「あ、なるほど、これならおれも科学技術やりたい」というようなことを思う人たちが出てくるのではないかという気がいたします。

【柘植主査】

 そうですね。興委員のご発言の前に、主査として言わせてください。今の話は私も全く同感でございますが、一方では、例えば第3期の科学技術基本計画というのは、社会・世界のための科学技術ということで、もちろん5年間の中ではできないけれども、20年ぐらいのスパンで6つの大きな目標、12の中政策目標、それから65のどんな科学技術で世界・社会をつくるか、生活を変えるかということが書いてあって、それに向けて今、5年スパンごとでローリングしていく第3期の計画が進んで、第4期にもそれは綿々とつながっていると。一方では、閣議決定までしていただいたイノベーション25というのは、明らかに、科学技術、どんな社会をつくるかということがまとめてあるわけでございますけれども、それはカタログ仕様ということかもしれませんが、このあたりを科学技術と人材育成とをどうリンクさせていくかということで絵がかかれてないというのか、かかれているけれども、人材育成の命題の間でかけ橋が不足していると思います。その辺の見方について、鳥井先生、一言、言葉を加えていただけませんか。

【鳥井委員】

 はい。基本計画等でいろいろ書かれていることは私も知っていますが、それが若者に届いているかというと、全く届いていないと思うのですよね。しかも、あの言葉で若者の心を打てるかというと、それは全くなくて、単なる政策者のためのという感じすらするぐらいですね。どういう格好で伝わるように書けるかというところがすごく大事だと思います。

【柘植主査】

 そうですね。そこの点は、まさに子どもたちに教えている先生たちも、自分たちが教えているミッションがそこのかけ橋まで視点に入っているかというところは、ぜひ提言の中にも加えるべきかと思いますが。
 では、興委員、それから小野委員、それから森下委員とお願いします。

【興委員】

 皆さん方がすごくいいことをおっしゃっているので、またそこで繰り返すよりも、一つ一つのご発言はきちんとイーブンな、あるいは差をつけてもいいですけど、しっかりと残していただきたいと思うのですよね。
 今の最後のところの話で、国民という言葉がいいかどうかは別として、国民の国との関係における関わりというのが日本の場合はめちゃくちゃに弱いのですよね。私、長く宇宙開発をやっていましたからそうですけど、やはり中国であるとかインドが宇宙開発に対してこれだけのチャレンジをやって成果を上げたということに対しては、少なくとも先進国であった我が国の立場ということを考えてみたときに、日本としてはどうなきゃいけないのかということを、政府、関係者だけじゃなくて、本当は国民も共有していただきたいと思うのですよね。アポロ計画であるとか、あの当時のアメリカのパッションがどうだったかというのは、やはりそういうミッションの前の国の存立の基盤ということが、そこが多分軸になったからああいうチャレンジができたと思うのですよね。それは別に宇宙に限りませんけれども、今の話は共通の問題として、教育という科学技術あるいは社会づくりをどうするかということは、やはりみんなで共有させないと、この問題は幾らやっても回って回っても少しも核心には触れられない、対策としては打てないということになるのではないかなと、こう思います。
 そういう意味では、今日お配りいただいた資料1で、大きく4-1から3まで書かれているのですけど、抽象的な言葉としては非常にきれいに全体まとまっているのではないかなと思います。それで、これに新しい何かの言葉を入れられる余地があるのかというと、ほとんどないし、もうこれに尽きるのだろうという感じもしないわけではないのです。そういう意味では、先ほど主査がおっしゃった、さまざまな取組は既に行われていると。検証には時間がかかる。ただし、効果が出る前にもしっかりとそれに対するチェックをきかすことが重要だろうし、その一つ一つのプログレスの問題を隘路になっている問題が何なのかということを顕在化させて、補強策をしっかりと打つことが本当に重要ではないのかという感じがしまして、結構いいメニューがいっぱい出ているのですよね。それが本当に成果を上げているのかどうか。あと問題は、トータルのマスの問題もあるのだろうと思うのですよね。施策としてはしっかりと打たれているのですけど、それが全国津々浦々を視野に入れたときに本当に十全な対応策になり切っているのかというと、やはり国力の問題は別途伴うでしょうから、そう簡単にはできないだろうという問題があろうかと思うのですよね。ですから、主査がおっしゃいましたそこのところは、別途新たな新機軸も必要になろうけれども、やはりその検証の問題はきちんとやっていくことが、今、我々としての責務じゃないかという感じがいたします。
 そういう中で非常に心配していますのは、実は今日の話で出たコア・サイエンス・ティーチャー養成拠点構築事業。この内容を一つ一つ、私は悪いと言うわけでは全くなくて、私も科学技術館事業とかそういう関係の事業をやってきていましたので、本当に若い世代に小さいときからそういうところに触れさせていって、教育のプログラムなどずっとリンクさせていくトライアルというのはとても重要だと思うのですけれども、実は非常に憂慮していますのは、科学館とかどこに行きましても、もうベルトコンベヤーで子どもたちが流されてしまうのですよね。特に授業の一環でそういうところに来ますと、はい、何時から何時ということで流れていくから、その場に来ても、その場で感ずることはほとんどできないのではないかと思うのですよね。それで、本当に実効性のあるところを見ていますと、土曜日だとか日曜日に家族で一緒に来る人は、長い時間、滞留するのですよね。そうなると、やはりお母さんを通して子どもとの会話もできてきますし、そういうところの持ち味というのは本当に重要だろうと思いまして、もし学校でこの問題の補完措置を講ずるとしたら、今日も話がいろいろとございましたけれども、小学校の理科の先生が自信がないとか、そういう環境はやはりよくないのですよね。本当に自信のある理科の教育をする人が現場でいらっしゃらなきゃいけない。それは支援員じゃないのですよね。正規の教員として現場にいない限り実効性は持たない。当面の措置として支援員が数年間補完措置を講ずることはいいですけれど、やはりそういうことのできる教員を現に特別に配置する政策がない限り、なかなか子どもたちはそういう世界には入っていかないと思いますね。
 一方、地方の教員の問題は、では、本当にドラスティックに教員が増えるかというと、そうでもなくて、今の状況は理科教育の先生方が現場に出ていく余地というのはなかなかないのですよね。あわせて、今日も小林先生からおっしゃられましたですけれども、工学部だとか、あるいは農学部の経験をされた学生諸君がそういう教職の道を行こうかとすると、とてもバリアが高いのですよね。例えば工学部からですと、実際上の理科教育の先生にはほとんどなれない。それと、農学部ですと、せいぜい行っても高等学校の理科の教員にはなれるけど、中学校の教員は単位数の関係でほとんど不可能ですよね。果たしてそれだけの教職の単位をとらせる必要があるかどうかをもう一回検証してでも、本当に好きな方が現場教育をできるような、そういう特例措置をむしろ講ずることが重要であって、それを支援員で入れることではないと私は思うのですよね。やはり若い世代からそういう人を育てることを考えていただければなと思います。

【柘植主査】

 今、何点かおっしゃったのですが、最後の点、特に理数系の教員、工学部卒業生が教員免許を取りにくいという、これは資料1の2ページの一番下にあるように第36回の委員会でも指摘がありました。下のところですね。やはり検討の視点はこういうメッシュまで踏み込まないと、1ページ目に書いてある四、五行のものはもう既に通り過ぎているように私も思いますね。その中で、今、鳥井委員のご発言、それから興委員のご発言とリンクしている。鳥井委員は、科学技術でどんな社会をつくるかというのが子どもたちも見えない、おとなたちも見えないから、まして子どもたちも見えない。そうすると問題は、興委員は、その上流に実は国民の国との関わりの意識が弱いということで、このあたりのところをどう変えていくか。先生たちがそういう意識を持って子どもたちに教える、教える能力を持たすかと、こういう視点だと、今まで参考資料1に書かれたような諸施策で足りるのかという視点が出てくるのではないかと思います。一方では、今、興委員がおっしゃった諸施策の中の実行の中で、実効性、エフェクティブになっているかという隘路を明確化して、打開策をプラスしていくと。こういう両方の視点が大事だということを興委員はおっしゃったと思います。今の興委員のご発言の中で、実は私も全く共感をしていますが、例えば理科支援教員も、指導サポートも、先生自身の教育力を変えるのが本筋ですが、他力で産業人に助けてもらうと。言うなら、私は言葉が少し悪いのですけれども、パッチワーク的な施策になっているのだったら、それをやはり本質的な教育力に変えるという、そういう策まで入らないと、この諸施策も強化になっていないと考えます。そういう視点が非常に大事ではないかと思って、私は最近いろいろなところで、「パッチワーク」というひんしゅくを買いそうな言葉を使って言っております。
 それでは、小野委員と、伊藤委員という形でお願いします。

【小野委員】

 よろしいでしょうか。この資料1ですね、確かにもっともなことですけれども、この資料はインパクトが本当にないのですよね。当たり前のことが書いてあるだけなのです。それはなぜかと考えたら、やはり科学技術関係人材というものがはっきりしてないのではないでしょうか。科学技術関係人材というのは一体だれですか。例えばサイエンティスト(科学者)か、あるいは高度の技術者なのか、それとも多くのそういった全体として科学技術を支える人たちなのかということを分離しないと、例えば工学部の先生も「おれは科学技術関係人材かな」と思っても、何だかよくわからないので、目標がそもそもはっきりしていないから施策が全然はっきりしていないので、本当の意味のサイエンスをやる人を、研究者を養成するのであれば、また書き方が変わってくると思うのですね。もちろん研究者も必要だし、高度の技術者も必要だし、そこまでいかないまでも一般に工場で働く人とかサラリーマンですとか、いろんな人が必要なわけですから、一概に言えない。それ全体を科学技術関係人材と言っていらっしゃるのでしょうけれども、こういう言い方だと本当にふわっとした策しか出てこないのではないかと思います。本当の意味のサイエンティストと、それから高度の技術者を養成するのであれば、それはそれで徹底した方策を議論すればいいと私は思うのです。例えば先ほどもお話にありました技術・家庭科というのは、明らかに時間数の関係で2つのものがくっつけられた科目ですよね。本当に必要ならば、やはり技術という科目をつくらなきゃ――工業高校なんかはあるのでしょうけれども、そこをつくらなきゃいけないし、目標がはっきりしていないのが1つあります。
 それからもう一つは、先ほど興委員もおっしゃいましたが、教員の免許制度が、今、教育学部を卒業した人が取りやすい免許になっていて、実質上、いろんなことをやらなければ免許が取れないので、一般的な教員というものと、特別な分野を受け持つ教員とに仕分けして、免許制度を改革すべきではないかと思います。私は免許制度をそもそも国家試験にすべきだと前からずっと言っているのですが、大学の単位を取っただけで免許が取れたらおかしいので、本当に教員が大事な職種であるならば、国家試験で弁護士とか医師と同じような形で資格試験にすべきではないかと思うのですが、そこまでいかないにしても、例えば英語の先生、それから工業の先生とか商業の先生とか、そういう方たちが何も教育学の一般論まで全員が知っていなきゃいけないかというと、それは少し問題なので、教員集団の中で8割は教員免許を持っている必要があると思うのですけれども、2割ぐらいの人は教員免許はないけれども、それぞれ教える分野の特別の高いレベルの専門力を持っていれば、そういう人はそのまま教員にすべきなのですね。ですから、免許制度自体も将来的には改めるべきだと。そして、今の理科支援員なんかも、本当に博士の資格を持っている方だとか、あるいはマスターできちんと学力を持っている人はそのまま教員にすればいいので、だからそこは文部科学省全体の施策に絡むのかもしれませんが、教育学部だけが主たる教員の人材の養成コースだという発想を少し改めて、専門の免許を持つ人は一般の教育実習をやらなくてもいいというようなことまで含めたそういう改革を打ち出していかないと、本当の意味での次世代を担う人材育成ができないのではないでしょうか。少し過激かもしれませんが。

【柘植主査】

 いや、そのあたりについても資料1の2ページのところに、第36回でも関連する、「工学部卒業が教員免許証を取得しやすくなる」というような表現が書いてございますが、ぜひそこのところ、教員の免許制の改革というのはこの提言の中に組み入れていきたいと思います。理数教育のこまのアップと、我々ここは科学技術・学術審議会ということで、科学・技術というのは不可分のところで、小学校、中学校の教育現場では技術が切り離されていると、こういう矛盾が出ているのも根本は、今、小野委員がおっしゃったところかなと思います。
 それから、非常に大事な話の、小野委員が最初におっしゃった科学技術関係人材の育成の像が見えないというのは、冒頭に申し上げましたように、机上配付資料の2枚目からが、机上配付資料2以降が、現在、こういう4枚の紙でいろんな面から表現を努力している。これは、この委員会の中でできるだけ早く1枚にまとめたい。それは我々の考え方の整理ではなくて、最終的には初等・中等教育の教育現場の先生たちも、自分の教えているこの子はこのタイプになるかもしれない、この子はこのタイプだろうからこういうふうに教えようと、そこまで酌んでくれるようなわかりやすい絵をぜひともこの委員会の中でつくっていきたいと思っておりまして、小野委員、我々の課題でもあると受け取っていただきたいなと思います。
 それでは、伊藤委員、森下委員、それから吉見委員。

【伊藤委員】

 それでは、最初に、小野委員がおっしゃられました、どういう人材を育成するのかというところが明確になっていないと、その点につきまして、私は少し違う考えを持っております。今ここで議論しているのは次世代を担う人材育成ということですので、その視点に立った場合には、私はむしろ、科学技術というある意味では漠然としたといいましょうか、広い範囲での人材を若い世代、小学校・中学校・高等学校でどうやってはぐくんでいくかという、そういう議論でいいのではないかという気がいたします。大学あるいは大学院、そのレベルになってきますと、やはり技術者なのか科学者なのか、必ず議論の対象になるわけですけれども、小学校・中学校・高等学校の段階では、次世代を担うという意味での若い世代の人材育成という視点に立てば、私はむしろその辺はもっと大まかにとらえたほうがいいのではないかという考えを持っております。それが1つ。
 それから、先ほど興委員、それから柘植主査がおっしゃっておられました理科の教員養成制度にどこまで踏み込むかという問題ですが、私も、興委員がおっしゃられましたように、理科教員支援制度というのは非常に困るということは、昨年来、一昨年来でしょうか、この場でも申しておりますし、文部科学省の初等中等教育局のいろいろな場でも申し上げております。これは、困るという言い方は少し言い過ぎかもしれませんけれども、まさに柘植主査のおっしゃるとおりパッチワーク的なことで済んでしまったら困るということですね。現在はこれで急場をしのぐというのには役に立つかもしれないけれども、やはり根源的な教員養成制度あるいは教員制度といいましょうか、採用制度も含めたこうした問題をこれでうやむやにしてしまっては困ると。そういうことで常々申し上げておりまして、やはり私は今でもその思いは強く抱いております。せっかくこの人材委員会としても第4期の科学技術基本計画ということでロングレンジな視野で議論を進める中では、ぜひとも「教員養成制度はこのままでいいのか」ということを根源的に考えたほうがいいのではないかなと思います。先ほどの工学部出身者の問題も常々議論されてきております。あちこちで議論はされているのですが、それがなかなかまだ解決に至っていないというのは、少しひど過ぎるなという気がいたします。例えば先ほどの教員の免許の問題、これはようやく最近、議論の場に上がってまいりましたけれども、資格制度にするという話ですね。各大学に教員免許を任せるのではなくて、どこか統一的に国家資格として認定していくというやり方にしてはどうかという議論が始まっています。これも当然必要な議論だと思いますし、ロングレンジな議論の対象の一つになっているのだと思うのです。
 そういった個々の問題とは別に、次世代を担う、つまりは、ここで言えば初等・中等教育レベルでの人材育成に関わる問題と私は思っているのですけれども、もっと根源的な問題を取り上げる必要があるように思います。人材委員会のこの場には現場の先生がおられるわけでもありませんし、あまり細かい議論をするべきではないという気持ちを抱いております。そこで柘植主査もおっしゃったように、もっと踏み込んだ提案をしてはどうかということから考えますと、どうしても避けて通れないことというと、やはり初等・中等といいましても、小学校・中学校は義務教育です。高等学校は義務教育の上にあるわけです。したがって、それぞれ違う問題を抱えております。今日出していただいた資料も、そういったことはそれぞれよく見ると、これは中学校のデータである、これは高校のデータであるとあるのですけれども、やはりそれはそれぞれ小学校・中学校なるがゆえの問題を抱えている、あるいは高等学校だからこその問題を抱えているということがあると思います。小学校・中学校は義務教育であるというのは大前提ですし、しかも公立学校が全体の95%ぐらいで、大体、文部科学省、それから地方自治体の教育委員会、そのレベルでコントロールのきく場です。それが今度は高等学校になりますと私立が25%ぐらいあるわけですから、非常に事情が変わってくるわけですね。その辺のところを踏まえた議論もする必要が私はあるように思っております。十把一からげでそういった議論を展開しても、あまり意味のない、結果として机上の空論に終わってしまうような気がしないでもないわけです。
 そういう中で、今ここで私として一番問題としたいと思うのは、資料1の4-1ですね、教員の指導力向上のための取組、やはりこれにある意味ではすべてが帰すると思っています。したがって、これを4行程度で片づけるのはとてもとてもおかしな話でして、これを深めていくということが私は非常に重要だと思うのです。今回の学習指導要領で授業時間数が増えましたけれども、これは増やしたからいいという問題ではなくて、その時間数増加にこたえられるような教育の環境が備わっているのかどうかという、そこが今、現実的に問題になってきているわけです。それは、教員の資質向上あるいは意識の高揚というのも非常に重要ですけれども、仮に今、資質の高い教員がいたとしても、そういったことにこたえるような教育環境が整えられているのかどうかと、これが非常に問題なわけですね。余りにも多忙、生徒の生活指導等も含めたいろいろな多忙さゆえに、本来の教育という業務に充てる時間が非常に限られていると。例えば、教員の資質向上のための研修もあちこちでなされているのですけれども、それに参加するための時間的余裕が極めて厳しい状況にあります。そういった厳しい状況というのは、おそらく地域によって非常に違うわけです。これは、初等・中等の教育に関しましては、文部科学省よりも現実的には各地域の教育委員会が支配しているわけですので、そこのところの対応、意識、その濃度差が非常に大きいということを私はいろんな場で体験しております。それを考えますと、やはり文部科学省でこういうことだということを決めたときに、これを地域、教育委員会を通してそれをさらに実施していく、実践していくという、現行のそういうシステムでいいのかどうかという問題もかなり大きな問題としてあるわけですね。かといって、文部科学省が全部コントロールするというのも問題でしょうけれども、やはりその辺の議論は少なくとも必要ではないかなと思います。地域格差や何か、いろいろ最近、新聞紙上をにぎわせておりますけれども、むしろそれよりも、本質的に現場の先生が自分の能力を発揮できるような教育環境が整えられているのかどうか、それをよく検証して、問題があれば、それをどう解決していくかと、そういう議論をしなければ、なかなか根源的な教育、次世代を担う人材育成という、そういう問題に対する見通しというのは立ってこないのではないかと思います。

【柘植主査】

 ありがとうございます。
 あと4分ですから、お二方。森下委員、吉見委員で、とりあえず今の議題はお二方お願いいたします。

【森下委員】

 小学校、中学校の話をしたいと思うのですけれども、やはり高校生の時点ではもう進路が選ばれているので、理系人材を育てるという意味では早ければ早いほどいいだろうと思っています。資料2の「関係資料」の中の2ページにも出ていますように、やはり日本の科学教育というのは、この最初の国際比較、PISA調査ですね、どのように科学が実生活に関わっているかということに関して、非常に説明もできていないですし、十分認識もされていないという、ここが一番、理科が好きになるかどうかという大きなポイントだと思うのですね。これは多分文部科学省のグラントだったと思うのですけれども、大阪にあるバイオクラスターの彩都で、私どもが入っているインキュベーター、ベンチャーが入っているインキュベーター、それから厚生労働省の基盤研究所などを4日間、小学校4年生の生徒が訪問して、大体二、三時間かけてそれぞれ実験をして、どういうことをやったかというので見て回る企画があったのですけど、40人ぐらい来られて、しかも多くの方はお母さんと一緒に来られるのですね。そういう意味ではやはり親の理解というのも非常に大事だと思いますし、そういう親は強制ではなくて、ついてきていいという話をしたら母親がたくさんついてこられたという話なので、やはりそういう親も巻き込んだような形の理科教育というのも要るのではないかと思います。これは多分グラントが終了したのではないかと思いますけれども、昨年度で一応打ち切りになったのですが、2年間実施して、私も実際1時間、2時間ぐらい講義して実験していろいろやったのですけど、非常に楽しく話されて、何をやっているかがよく分かったと。化学で出ているDNAとか、薬をつくることに関係しているのだとか、今ですとノーベル化学賞でウミホタルからGFPがとれましたけど、あのGFPが何に使われているかとかがわかれば、もっと科学好きになると思うのですね。そういう意味では、ああいう現場を利用したような教育というのをもっと拡充したほうがいいのではないかと思います。具体的には、せっかく地域クラスターなどのクラスター計画が進んでいるので、例えばそういう中で小学校・中学校の教育をかみ合わせた研修とか、そういうのもやったらどうかという気がするのですけれどもね。やはり頭で幾ら聞いても子どもは好きにならないので、目で見て、それが何に使われるかというのが分かれば、そこから科学好きな子どもって生まれてくると思うので、実践教育というのを少し重視、特に小学校・中学校でやるということを、1つグラント内容を新設したらいかがかなという気がいたします。後継が今走っているのか分かりませんけれども、多分、前回の第3期のときの計画の中でそれをやったんじゃないかと思いますので、そうしたものも恒常的にもっと取り組んだらいかがかと思います。

【柘植主査】

 ありがとうございます。
 それでは、吉見委員、最後に一言お願いします。

【吉見委員】

 はい。2つ申し上げておきます。
 1つは、やや疑問があるという意味で、資料1の4-3のところ、別に否定しているわけではありませんが、この4-のところの記述の中に「科学技術、理科及び算数・数学に興味・関心が高い児童生徒等の資質や能力を伸ばすための」というのがありますけど、確かに関心が高い、あるいは相当なポテンシャルを持っているであろう子どもさんの資質をより伸ばすために充実する、これは否定をしません。しかし、今、我々が議論しなきゃいけないもう一つの面があって、それは、こんなふうにして相当程度のポテンシャルがあると見きわめられる前のもっと幅広い子どもたちの層に一体どうしていくのかというのが、もう一つ並行して盛り込んでおかなくてはいけないのではないかというのがまず1番目の意見です。
 2つ目は、理科教育あるいは小学生・中学生を中心とする理科や数学への興味・関心を一体どう上げていくのかということですけど、先ほど来のデータをいろいろ見てみましても、また、森下先生がおっしゃったようなことと比較的似ているわけですけど、結局はキーワードが幾つかあって、興味・関心が一体どれだけ与えられるのか、興味・関心をどうやって持たせていくのかという問題。それから、今、習っているいろいろな学科、科目、理科のいろいろな項目は、一体どういうふうにして、自分にとって、社会にとって、自分が大きくなって、役に立つのかという観点がやっぱりキーワードではないかと思います。そうすると、やはり、学校のカリキュラムや学習指導要領に従って座学をしていくという作業があると思うのですけど、目で見る、あるいは触れる、体験をするという実感を伴ったことにより一層ウエートを置いて、ウエートを上げてやっていかないと、本当の意味で将来をしょって立っていく子どもたちにもっと関心を持たせていく、あるいは幅を広げていくということにはならないのではないかと。さて、そうすると、現在そういうことが足りているのかという棚卸しは謙虚にやらなければいけません。あるいは、学校、地域によるばらつきがあるのか、これも見なければいけません。そういう作業は一つあると思います。
 そこで、私の反省もありますけど、本論的には、先ほどから皆さんの話に出ているように学習指導要領への反映や、あるいは先生の力を上げていくという議論があると思うのですけれど、そこにもう一つ、民間の協力を得てとか、民間ももっともっと参画をしてというキーワードをそろそろ本気で入れないといけないのではないかという感じはいたします。つまり、我々だってやっていないわけじゃありませんから、先ほど紹介がありましたけど、一番身近なところだと工場見学だってやっているわけです。それでも相当子どもさんの目は開くのですよ。ものすごい歓声が上がるのですよ、どんな場面でも。そういうことに限らないで、実学あるいは目で触れる、体験をするという意味では、企業というのもやはり社会的な役割を担っているわけでありますし、現時点でやっている程度では足りないだろうと思うので、もっともっとこういう領域への参画を意図していかなきゃいけないのではないかと思います。例えば、工場見学以外にも、学校に出向いていって、「今、みんなが習っているこの学科のこの項目はね、我々の会社の中ではこんなところでこんな製品にこんなふうに役に立っているのだよ」みたいなことは簡単に示せる。あるいは、実際の簡単な実験がもし許されるのだったら、一緒になって実験をすることに手助けをすることもやぶさかではないという気はするわけです。つまり、例えば、実験や授業への出前型授業であったり出前型実験への参画といった類いのものは、もっともっとやれるだろうし、条件があるのだったら、それを直していけばもっとできていくのではないか、そういう民間企業としての参画がもうそろそろ必要不可欠ではないかということを申し上げたいわけです。反省を少し含めております。

【柘植主査】

 ありがとうございます。

【伊藤委員】

 すいません、1つだけお願いします。今の吉見委員のご発言に対して、全部共感するのですが、実は、今の例えば興味・関心を持たせるために科学館や工場見学に行くとか、またいろいろな形の出前授業や実験などを活用するとか、そうしたことは今の学習指導要領に多かれ少なかれみんな盛り込まれているのです。今春公表された、新しいものでもその度合いは高くなっているのです。だから、そういう状況になっているけれども、問題は先生ですよ。そういったことに対して理解を示し、それを処理できる先生がいない、もしくは先生に時間的余裕がないというところが問題だということを、一言だけ申し上げたいと思います。

【柘植主査】

 ありがとうございます。主査として感じますのは、冒頭にも申し上げましたように、既に関連するさまざまな取組、この参考資料1に、今年度まで、あるいは来年度の新規も含めて、これを、今日ご発言あった視点、一部、これで問題ではないかというクエスチョン型かもしれませんが、それはつまり、今の動いている施策に対してメスを入れる着眼点をご指摘いただいたと思うのです。そういうものを少し、具体的な提案もよろしいし、メス、クエスチョン型のご発言もありました。事務局にお願いしたいのは、今日のご発言を少し整理していただきまして、そして参考資料1の諸施策に重ね合わせたときに、既にされているというものか、あるいは先ほどの吉見委員、伊藤委員がおっしゃったように、打ち手としてはカタログ仕様的には出ているけれども、やはり指摘、メスを入れる視点で中身に入る必要があると。そういうような分析を参考資料1の諸施策と今日のご発言とを重ねて見る、その整理をしていただきたい。そうしますと、その中で非常に大事なものを中間提言の中に盛り込んでいくと、こういうことが自然とあぶり出されていると思います。具体的なご提言がありました。それから、具体的な視点ですね。クエスチョン型の視点もありました。その両方をともに一度整理して、参考資料1と重ね合わせたものをぜひ次回出していただきたい。その中で非常に大事なものを中間提言の中に入れていく。それは結果的に資料1の1ページ目の検討の視点のような、いいも悪いも大ざっぱなメスの入れ方では済まないだろうということはあぶり出されてくると思います。
 実は今日の議論の中に、初等・中等教育において社会のどの分野というのについて示す必要はないと。あるいは、初等・中等教育からどんな科学技術人材が必要かという、その議論はちょっと平行線だったと思いますが、私としては、少なくとも科学と技術で社会を支えている、科学者かもしれません、技術者かもしれません、技能者かもしれないのですけれども、それぞれのロールモデルをやはり初等・中等教育の間に何らかの形で――伝記なのか、そういう形で学ぶことは、やはり初等・中等教育の中で必要じゃないかと。これは、次世代を担う人材育成方策の中でロールモデルに触れさせるという視点が、今日の議論の中で欠けていたかなと感じておりますので、ぜひ一メンバーとしてそういうアジェンダも登録しておきたいと思います。
 それでは、議題2の「国際化に対応した人材養成方策について」に入りたいと思います。まず、事務局から説明をよろしくお願いします。

【高比良人材政策企画官】

 はい。資料3をごらんいただきたいと思います。
 大きな論点として、ここに丸の一番上に書いてありますけど、我が国が世界をリードする科学技術水準を保持し続けるために、研究人材の国際的好循環の一翼を担うための方策、それから、優秀な外国人留学生、外国人研究者の受け入れ並びに日本から海外への日本人学生の留学及び日本人研究者の派遣拡充など、国際化・グローバル化という観点からというふうに議論してはどうかと挙げさせていただきました。既に今までも審議課題2とか3の中でも出てきておりますけれども、少し整理をさせていただきます。
 裏ですけれども、資料3の2ページ目でございますけれども、政府の諸会議の動向の中で、1つは、「革新的技術戦略」、本年の5月に総合科学技術会議から出たものでございますけれども、「トップクラス人材の流動性確保と育成・獲得」という中で、世界最先端の研究施設・拠点に優れた外国人を受け入れるための魅力ある研究・生活環境を整備するとともに、研究機関ごとに目標を設定して、世界から優れた頭脳を受け入れるというような提言がございます。
 昨年の11月に出された「大学・大学院の研究システム改革」の中でも、優秀な頭脳の国際的循環が急速に進展している昨今の中で、世界各国とも優秀な人材の獲得にしのぎを削っている。我が国の大学・大学院を見ると、留学生・外国人教員比率が欧米諸国と比して著しく低くて、我が国の大学・大学院卒業者の海外の研究機関や企業への就職も限定的である。国際的に活躍する人材を我が国の大学・大学院から輩出するとともに、留学生・外国人研究者を惹きつけられる魅力ある研究環境の構築が不可欠だというようなことも言われております。
 それから、そういう大きなくくりの中で、具体的に「我が国の研究人材の海外での活躍の場の拡大」というところで、学生の海外派遣を拡充して、博士課程在籍者の1割程度を1年間留学させるとか、英語による授業を標準化するとか、研究者の海外での就職も支援するなど言われております。
 「外国人研究者等の受入の拡充」という項目の中では、外国人教員採用比率の倍増等の受け入れ目標値の設定、研究者の国際公募、外国人研究者のスタートアップ時の支援、柔軟な給与体系の整備等々、大学院の教育カリキュラム改革、国内での就職を見据えた産学連携の強化、事務局の英語対応の推進、住環境を含め国際的にも魅力あるキャンパスを整備する等々の提言が言われております。
 そういう中で検討の視点として、1ページに戻っていただいて、こういう整理をさせていただいたということでございますけれども、5-1としまして、外国人留学生・外国人研究者のいわゆる受け入れの拡充ということで、優秀な外国人留学生とか外国人研究者の受け入れ制度の連続性を強化するために、我が国で博士号を取得した外国人留学生が、引き続き外国人研究者として修了後も日本に残って研究活動に従事するための方策について検討してはどうか。それから、優秀な外国人留学生や外国人研究者にとって魅力ある拠点及び研究環境を形成するための方策について検討してはいかがかと思います。
 5-2としまして、今度は日本から海外への日本人学生の留学、日本人研究者の派遣の拡充。出るほうでございます。1つは、世界に通用する国際的な研究人材の育成には、海外の大学、研究機関における経験が有益であって、日本から海外への日本人学生の留学、日本人研究者の派遣を拡充するための方策について検討してはどうか。優秀な頭脳の国際的循環が急速に進展している中で、研究人材の国際的循環にどのように対応すべきかということで、1つは、海外の研究機関、国際企業への就職の促進策についてどうあるべきか。それから、海外で優れた実績を上げた日本人研究者を呼び戻すための方策について検討が必要ではないかというようなことで整理をさせていただきましたけれども、ぜひ多方面からご議論をいただければと考えております。
 私のほうからは以上でございます。

【柘植主査】

 引き続きまして、資料4-1と2についても事務局からお願いいたします。

【江﨑留学生交流室長】

 高等教育局の留学生交流室長でございます。資料4-1についてご説明申し上げます。
 1ページですが、外国人留学生の日本留学及び日本人の海外留学ということで、1つは昭和58年から平成19年までの推移を載せております。この昭和58年というのは、いわゆる留学生10万人計画が定まった年でありますけれども、この当時、日本への留学生は1万人程度でありましたけれども、それが平成15年には10万人を達成し、現在は12万人弱というような数字になっております。それから、日本人の海外留学者につきましては、平成16年現在約8万3,000人という数字になっております。
 下の受け入れ留学生の国別でございますけれども、中国から約60%を占めており、約7万1,000人でございます。あと、韓国、台湾というような東アジアで大体8割ぐらい、アジア全体で9割が国別の数字でございます。
 右のほうの日本人の主な留学先でございますけれども、これは受け入れとは全く違いまして、アメリカが50%を超えております。欧米が上位のほうに出ているという状況でございます。
 次の2ページでありますが、学種ごとの国別・専攻分野別留学生数でございますけれども、平成19年におきましては、全留学(12万人弱)が、大体高等教育機関における学生数の3.3%になっております。この国別は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、円グラフに分野が載っておりますが、人文科学と社会科学、これが大体全体の3分の2となっております。自然科学系を見ますと、工学の15.2%と多いわけでありますけれども、あとは非常に数が少ないという状況になっております。
 学種ごとに見ますと、学部でございますけれども、基本的に学部留学生の数は全留学生のうち約半数であります。このうち分野を見ますと、人文科学と社会科学が非常に多い数字になっております。全体で4分の3が人社系というような形になっております。
 左下の大学院の修士課程でございますけれども、これが約1万5,500人でございます。これは分野も見ていただきますと、人文、社会がやはり半数以上おるわけですけれども、工学、農学といった自然科学系が増えているというように、学部に比べては随分この辺が増えていることが分かります。
 右下の博士課程でありますけれども、これは大学院の博士課程のうちの15.7%が留学生という数字になっております。これを分野別に見ますと、人文・社会系が修士課程に比べても随分減って、大体4分の1になりまして、4分の3は自然科学系がかなり占めているということになっております。学部と大学院の博士課程というのは、自然科学と人文・社会系の割合が逆転していることが特徴的だろうと思います。
 次の3ページですが、今までの数字は現状でありましたけれども、「留学生30万人計画」というものが今年の7月に文部科学省をはじめ6省によって定められております。これは、2020年をめどに留学生受け入れ30万人を目指すというようなことでございますけれども、基本的には「グローバル戦略」を我が国がとっていくということで、その一環とするものであります。その際には、大学等の教育研究の国際競争力を高め、優れた留学生を戦略的に獲得していくのだと、こういう基本的なスタンスであります。
 その計画の骨子、具体的な施策につきましては、まずは日本留学についての動機づけから、入試や入国の入り口の改善、大学自身の魅力づくりということでグローバル化の推進、入帰ってきた後の社会の受け入れ環境というもの、それから最後の出るところの卒業・修了後の受け入れの推進ということで、入る前から出るまで一体的に総合的に進めようということでございます。
 特にこの中で、今までも留学生施策に関しては再三言われてきたものが多いわけでございますけれども、その中でも最初の日本留学に対してどのように動機づけをするかということと、それから海外でのワンストップ的なサービスをどう展開していくかということ、これは新しい要素であろうと思います。それから、最後の卒業・修了後につきましても、留学生、特に優秀な留学生を呼び込むには、この出口のところをきちんとするということが重要であるという意識でありまして、この辺は政府の経済成長戦略というところと連携していくことになろうかと思います。
 4ページ、5ページは、その「留学生30万人計画」と、それから大学の国際化というような観点から、来年度の概算要求の主要事項をまとめたものでありますけれども、先ほど申し上げたような30万人計画の骨子に基づいた施策を来年度進めていくということでございます。
 2つ目の下のほうの四角にありますけれども、留学生の受入れ環境・就職支援の充実、ここが実は予算の中でも非常に大きな部分を占めておりますけれども、1つは、留学生が日本に来て困らないようにということで、公的な宿舎をいかに確保するかという視点からの大学等の留学生宿舎の借り上げ支援であるとか、あるいは就職支援の充実、それから奨学金制度についても増というようなことで、これを要求しておるところでございます。
 5ページ目でございますけれども、大学のグローバル化ということで、グローバル30拠点の形成というのがございますけれども、その下に日本人学生の海外留学推進というのもございまして、これは30万人受け入れというだけなくて、やはり日本人の学生も海外に出すということを進めることによって、我が国の高等教育、我が国自体の国際化を推進していこうと、こういうことでございます。
 最後に7ページでございますけれども、アジア人財資金構想というものを資料に入れております。このアジア人財資金構想につきましては、経済産業省と文部科学省の連携による事業でございますけれども、基本的には、アジアにおいて優秀かつ日本での就職について非常に関心が高く、希望している学生、そういう学生を大学と企業が連携してリクルートしていくということでございます。そのリクルートした学生については、大学とその企業が連携して、例えば産学連携で開発した専門教育プログラムであるとか、ビジネス日本語研修であるとかインターンシップ、こういったカリキュラムを開発して、2年間にわたって企業ニーズに合致した実践的なプログラムを施そうというようなことでございます。行く行くは卒業したらこの企業に就職していくというようなことが期待されるという事業でございます。今までこういった出口の部分、就職というようなことに着目した事業ってあまりなかったわけでございますけれども、平成19年度から開始をいたしております。この留学してきた学生につきましては、国費留学生ということで採用しております。
 私のほうからは以上でございます。

【氷見谷国際企画室長】

 引き続きまして、高等教育局国際企画室より、我が国大学の国際化につきまして来年度予算に関係するものについてご説明のほうをさせていただければと存じます。資料4-1の6ページをごらんいただけますでしょうか。「我が国の国際化拠点となる大学の整備を通じた大学の国際化」と表題がなっておりますけれども、この資料を中心にご説明のほうをさせていただきたいと存じます。
 世界の有力大学を見ますと、留学生比率が、イエール大学15%、ハーバード、スタンフォード20%と、ケンブリッジ、オックスフォードが大体30%でございまして、また、外国人教員比率につきましても、MITが12%、ハーバード、イエール25%、UCバークレー等が30%、オックスフォードが40%ということで国際化が進んでおりますると。こうした中で、国の内外を問わず、我が国の大学が優秀な学生・研究者より選ばれる魅力的な環境を持った大学をつくること。これを目的としまして、大学の機能に応じた質の高い教育の提供と海外の学生が我が国に留学しやすい環境を提供する構想のうち、30大学をコンペ方式で選定し、これを支援するというのが国際化拠点整備大学事業の趣旨・目的でございまして、この具体の内容につきましては、実は「経済財政改革基本計画の基本方針2008」(骨太2008)のほうにおきまして、内容、整備方針と指針は示されておりますけれども、それに沿った形で、具体的な実施内容につきましてはその資料の真ん中辺から下のほうに書かせていただいております。
 実施内容では大きく分けて3つございまして、まず1番目が、英語による授業等の実施体制の構築というところでございまして、これにつきましては、当該大学の国際競争力のある分野で英語で学位がとれる体制を整備していただきく、また、それを支援するというものでございまして、英語教材やカリキュラムといったものの研究開発、日本人教職員の研修、外国人教員を雇用するということもあると存じますので、そういったものに対する支援ということでございます。また、英語による授業の実施体制の構築の支援というところの背景につきましては、英語で学位がとれる学部が6学部しか日本はないということ。研究科でいきますと101研究科というところでございますけれども、一方で例えば英、米、オーストラリアが留学生を惹きつけており、また、フランスでもこのたび英語でも授業を開始するようになったほか、。ドイツでも英語での授業コースというものを600コースつくるということであり、今、つくっておりますし、中国もトップ大学で英語の大学院のコースをつくるようになっているということでございます。留学生側を考えてみますと、アジアでも優秀な学生というものは英語できちんと授業を受けられるというような能力を身につけてきていおるというようなところがございます。そういったところに対応した形で、英語による授業等の実施体制の構築を支援させていただきたいというのが1点目でございます。
 2点目につきましては、そうしやって受け入れた留学生に対しましては、生活の支援、日本語教育、インターンシップをはじめとする就職支援等を実施させていただいて、きちっとした受け入れ体制をつくっていただきたい、また、それに対する支援を行いたいというところでございます。
 3番目としましては、戦略的な国際連携の推進と書いてございますけれども、これは海外における拠点を形成していただきまして、そこにおいて先ほど話がございましたようなワンストップサービス、留学生からの相談、受け付け、入試も含めた形できちっとサービスを海外において展開できるというような拠点を整備すると同時に、国外の連携する大学とダブル・ディグリー等のしっかりした継続的・組織的な教育連携体制をとっていただくような。そういったことをお願いしたいと考えて、こういった中でキャンパスの国際化を促進していただくことを考えております。
 この効果といたしましては、グローバルな社会で活躍できる内外の人材を育成できる質の高い教育を推進していただきまして、留学生から見て、何を学習して、どのような技能を身につけられるかがと明確なコースを設定していただくことによりまして、国際的通用性・透明性を高めていただければと考えておるところでございます。また、大学間交流協定に基づく交換留学や短期プログラムを英語で学位がとれるコースをプラットフォームに拡大していただきまして、また、そうした中で日本人学生も海外に行っていただく計画をつくっていただき、教育プログラムの中で組織的・継続的に日本人学生も海外に行くことを推進していただくことを考えております。
 以上でございます。

【柘植主査】

 ありがとうございます。
 それからもう一つ、資料4-2ですね。お願いします。

【氏原国際交流官補佐】

 資料4-2に基づきまして、国際交流官付より、海外への研究者の派遣受け入れの現状と施策についてご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、海外への派遣研究者数についてご説明をさせていただきます。派遣者総数は全体として順調に伸びているものの、短期派遣者が中心となっております。短期派遣者につきましては順調に増加しておりますが、長期派遣者数は平成12年をピークに、平成17年度においてはピーク時の6割の数となっております。また、圧倒的に短期派遣者数が多く、長期派遣者の約28倍が短期派遣者となっております。長期派遣者が減っている原因につきましては、研究者が内向き思考になりつつあるのではないか、国内の研究環境が向上した影響ではないかといったような指摘がありますが、原因についてはいまだ特定はできておりません。
 次に、受け入れの研究者数につきまして傾向をご説明させていただきます。受け入れ者総数につきましてもおおむね増加の傾向にあるものの、長期の受け入れ者数につきましては、ここ数年は横ばいといった傾向になっております。
 一方で、政策的に研究交流についてどのように位置づけられているかと申しますと、第3期科学技術基本計画の中で、若手研究者・ポストドクターの時期から海外研究者との交流機会を拡充すべく施策の充実を図るといった旨、記述されているところでございます。また、本年度決定されました「科学技術外交の強化に向けて」の中でも、国際的に活躍できる若手研究者の育成が触れられております。
 こういったことを踏まえまして、日本学術振興会を中心に海外への研究者の派遣・受け入れの事業を展開してございます。主な施策について次のページよりご説明をさせていただきます。まずは、個人の研究者の支援施策といたしまして海外特別研究員事業を行ってございます。これは、若手研究者が自ら研究計画を作成いたしまして、長期にわたりまして海外の一流の大学・研究機関で研究に専念できるように支援するといった施策でございます。
 続きまして、その他若手研究者への国際研鑽機会の充実に関する施策を記述させていただきます。まず、組織を支援するものといたしましては、若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラムといった施策を行ってございます。これは、日本の大学院と海外の大学院等の研究機関が組織的な連携を行うことで、若手研究者に海外における研究活動の機会を提供するものでございます。こちらは2カ月から1年間といった長期の派遣を支援してございます。また、短期の派遣の支援といたしましては、短期集中セミナー型といたしまして、若手研究者のリンダウ・ノーベル賞受賞者会議へ派遣、また、アジア学術セミナー、日欧先端科学セミナーといった短期のセミナーについて、1週間程度の集中した日程で海外の若手研究者との討議の場を提供するものでございます。こうした施策を通じまして、若手研究者が国際的なネットワークを強化する、または優れた研究機関で研究を行うといった機会を提供してございます。
 続きまして、受け入れの施策につきましてご説明をさせていただきます。外国人研究者の招へいに関しましては、博士号取得レベルの研究者からノーベル賞級の研究者にわたるまで、各キャリアステージに応じましてさまざまな制度を活用いたしまして、外国人研究者を招へいしてございます。これらには、長期の施策、短期の施策といった双方から取り組ませていただいてございます。
 次に、外国人研究者の日本定着促進手法の開発の施策について紹介をさせていただきたいと思います。こちらの施策では、公募によって採択されました機関――現在、国立大学法人東京大学が取り組んでございますが、外国人研究者の定着促進についてどういったニーズがあるのか、また、どういったものが阻害要因となっているのかといったような調査・分析を行いまして、その上で定着を阻害している要因を除去するような試行的な取組を実施するといった施策を行っております。
 次のページから、その調査の結果の一部をご紹介させていただきたいと思います。まず、来日を決心したきっかけにつきましては、「研究レベルが高い」というもの以外に、「日本語や日本文化への関心」、「日本で生活したかった」といった日本そのものに関する興味といったものがかなりの数を占めてございます。
 次に、現在の所属先で活動していて不便な点についてのアンケートでございます。まずは「所属先機関以外の方との交流が少ない」というものが1番に挙げられてございます。それ以外には、「日本語以外の言語で対応するスタッフが少ない」「日本語が理解できない」といった日本語に関する不便と感じているところ、また、「所属先が保有する宿舎がない、あるいは、十分でない」といったもの。こういった上位のものを含めまして、研究環境以外の主に生活面での環境について指摘する回答がかなりの数を占めてございます。
 続きまして、日本での進学、研究継続、就職を選ばない理由についてのアンケートでございます。こちら、「日本語ができないと日本で勤められない」といった言語の問題が筆頭に挙げられてございますが、それ以外に、「外国人の採用枠が少ない」「待遇が母国あるいは外国に比べてよくない」「外国人の昇進機会が日本人のそれと比べて少ない」といった処遇面での不安の声が多数聞かれてございます。
 最後に、世界トップレベル研究拠点、拠点としての取組についてご説明をさせていただきたいと思います。世界トップレベル研究拠点プログラムでは、平成19年度から、我が国の強い分野における優れた拠点構想に対して集中的に支援を行うといったことを行ってございます。その中で、第一線の研究者がぜひそこで研究したいということで世界から多数集まってくるような拠点を目指してございまして、この拠点を構成する研究者のうち、常に3割程度が、短期滞在のものも含めまして外国人研究者とすることを組織構成の目安として定めてございます。こういった拠点の取組を通じましても、優秀な外国人研究者の招へいというものに努めているところでございます。
 拠点につきましては現在5拠点ということで、次のページに各拠点がどこが選ばれているのか、また、それぞれでどのような研究を行っているのかといった資料をつけさせていただいております。
 説明は以上でございます。

【柘植主査】

 ありがとうございました。まさに国際化に対応した人材養成方策、非常に幅広い施策が打たれつつございます。本委員会においても非常に大事なテーマでございまして、既にありました審議事項の2とか3とも深い関わりがございます。時間を20分ほどかけて幅広い視点からご意見をいただきたいと思います。
 では、所委員、どうぞ。

【所委員】

 先ほどのテーマもそうですが、こちらにつきましてもいろいろな施策を実際に打たれているということで、大変すばらしいと思うのですけれども、最初に、国際化とグローバル化というのを一緒にして使わないでほしいということを思います。国際化というのは、国と国との交流をする、国のボーダーがあるというのを基本的に前提とした議論ですけれども、今ここで、特に2000年以降起こっていることは何かというと、国というボーダーがなくて企業が広がっている、大学などの連携も広がっている。そういう状況なので、国際化・グローバル化って、どっちを言っているのかさっぱり分からない。これは文部科学省だけの話ではないかもしれないですけれども、人材委員会ではぜひこの言葉を区別して使っていただきたいと思います。同じようなことだけれど、人材委員会の「材」という字を変えてほしいのですが、これは永久に変わらないのでしょうか。これも本当にヒューマンアセットが必要だと思われている方々がここにお集まりだったら、決議をされて、人材委員会は特別に材料の「材」じゃなくて人財の「財」を使うのだとお決めになったらいかがかと思います。
 それから、もう少し具体的な話では、先ほど吉見委員のほうから、企業をもう少しうまく使う必要があるのではないかというご指摘があったと思いますが、私も同じように考えておりまして、日本の中には国際企業と言われる企業がたくさんございます。最終的には、そういうところに就職したいと思う人が世界から集まってきて、定着してくれるというのが一つのグローバル化の目標になってくるのではないかと思います。また、日本のいい人材が世界のグローバル企業に勤めるというのも、これもグローバル化の目標です。その両方があると思います。
 それで、その上に世界トップレベルの研究拠点プログラムというのがあって、これ自身は大変すばらしいことだと思うのです。一方では、今、省内だけですべての問題を解決しようと思っても、むずかしい。今回の国際化・グローバル化の話ですけれども、省内だけで完結した事業だけではなくて、もう少し外に対して働きかけていくというのが必要ではないかなと思います。そういう時期に来ているのではないかと思います。
 もう少し具体的に言いますと、世界トップレベル研究拠点というのは大学に置かなければいけないのでしょうか。大学に置くのは当然文部科学省の中だけでできるのですけれども、例えば経済産業省と一緒になって企業の基礎研究を充実する。これは、例えばマッチングファンドで国のほうもお金を出す、経済産業省、文部科学省のほうでお金を半分出して、残りは企業のほうから出すという、こういう構想もあっていいのではないかと思います。その理由は、今、1990年代からどんどん大企業といえども研究開発費が減っておりまして、それに対していろいろ研究開発減税というのをやっていただいているのですけれど、それにしても企業の研究投資が基礎研究から順番に減っていっているのですね。そういうようなところをサポートしていかないと、幾ら大学だけが世界最先端になっても、企業のほうの研究がどんどん減ってきてしまうと、結局、人材育成しても意味がないと思います。

【柘植主査】

 はい。今のご意見として記録に残す形で、もし関連するご意見があれば、それも含めてですが、大隅委員が先ほど手を挙げて……。

【所委員】

 「人財」とかグローバル化というのはご検討いただけますか。

【柘植主査】

 これはまさに、例えば科学技術という中に中ポツを入れずにやっていく、こういう問題と同じ、かなりの意見のスペクトルがあると思います。既に今の人の材料という面でも、おっしゃる「人のアセット」という意味も皆さん持っている方もおられますので、これは、この委員会では私は外したいと思います。もし多数の方が、いや、これはアジェンダとして議論すべきだということがありましたら、それはまた考えますが、これは今の時間がございませんので、もしご意見があれば事務局のほうに別途お願いします。今の「人財」の「財」につきましては外して。それから、国際化とグローバル化については異なるという話につきまして、具体的にぜひ後ほどまたメールでもいいですから、所委員から、資料4-1とか4-2の中でこういうことにリワーディングすべきだとか、ぜひ資料3の中でリワーディングすべきだということをご提案いただきたいと思います。
 大隅委員、それから山野井委員、どうぞ。

【大隅委員】

 では、2点ございますが、1つは、資料4-2の1ページ目のご説明のときに、長期(30日超)超の大学からの派遣者数が、平成12年をピークに、平成17年の時点でそのときの約6割に減っているということで、これは理由がよく分からないというご発言があったかと思いますが、私が考えるには、1つには、文部科学省の在外という制度が、たしかこの辺を境にしてなくなってしまったということがありまして、それが実数の3,000人ほどなのかどうかというのは、少し私自身分からないのですけれども、1つにはそれが非常に大きいことだと思います。諸外国でいうところのサバティカルに相当するような制度としてある程度定着をしていたのではないかと思うのですが、私自身も楽しみにしていたのですけれども、できなくなってしまったということがあります。それから、内向きの思考があるのではないかという、そういったご指摘もありましたけれども、これは半分は当たっているかもしれないと、私自身、自分のところの若い人たちなどを見て、せっかく、例えばグローバルCOEなどでも海外の国際会議で発表するときの支援をやっておりますけれども、「行ったら」というようにこちらから背中を押してあげないと、なかなか自分からお金をもぎ取っていくというタイプの学生さんはまだまだ少ないかもしれないというようなことがあります。ただ、施策としては、そういった意味でも、今日この資料の中にはない部分でも一部は進んでいるのではないかと感じるところです。
 それで、実際にそういうことを進めていく上で何が一番問題となるかという点ですけれども、私どもが大学におりまして一番感じますのは、この中にもありますけれども、実際に留学生を受け入れるときの受け入れ体制として、大学等がまだ全然整っていないということがあります。そうすると、要するに事務方の資料がすべてまだ英語化されていないので、そうしますと、それを現場の受け入れ機関である各先生がやらなければいけない。そうしますと、それはとんでもなく必要以上に大変な労力が必要なことになりますので、どうしてもそれは一つの抵抗感につながっているのではないかと思います。その意味で、今回、新規で概算に上がってきた――グローバルという言葉がどうなのかということはありますけれども、こういった施策において、1拠点当たり5億程度という見込みでされているのかと思うのですが、それはかなり大きな変化をつくる一つのきっかけにはなるのではないかと感じます。
 以上です。

【柘植主査】

 ありがとうございます。関連あるいはその他ございますか。

【山野井委員】

 時間ございます?

【柘植主査】

 大丈夫です。あと約10分ございますので。

【山野井委員】

 では、質問させていただきたいのですが、資4-2の8ページ、棒グラフですが、「自分の専攻分野に関する研究レベルが高かったから」というのが50%いるのですが、これは国別に分かりますでしょうか。

【氏原国際交流官補佐】

 すいません、元データに当たってみないことには何ともいえません。戻って確認をさせていただきたいと思います。

【山野井委員】

 分かりました。
 ずっと伺っておりまして、留学、これは大事な課題ですが、日本人が行くということももちろん大事ですが、特に受け入れですね、私のイメージですが、大枠2つあるように思いますね。1つは、やはり日本で勉強して、自分の国に帰るか、日本で就職するかということはありますが、おそらく帰る人が多いと思うのですが、自分の国で中枢になって社会を引っ張っていく人たちですね。ですから、これは発展途上国の人が多いのではないかと思うのですけれども、これは日本に対するファンを増やすということになります。将来的に、ここに書いてございますように、国際交流上、非常に大事な人材育成になりますので、これはやはりぜひやらなきゃいけない。
 もう1点の、今、質問したことに関するのですが、世界的な研究レベルの高さで、それは先進国、発展途上国の別はありませんが、例えば先進国も含めて、自分の国のこの研究拠点あるいはこの先生よりは、日本の大学なり研究拠点のこの先生が世界トップレベルだ。だから、そこに行って私は研究するのだという意味での、そういう分野というのは世界的な競争原理の中にありますから、そこでの若手研究者の奪い合いのときに、それだけのレベルがあれば自然に増えるのではないかと。つまり、この問題は「卵が先かニワトリが先か」的な話になるのですけれども、こういう世界レベルの拠点をつくるために海外の若者を持ってくるというのは必要でありますけれども、例えば印象に残っているのは、小柴先生がカミオカンデのことについて、ノーベル賞を受賞された後のご発言だと思うのですが、「たくさんの外国人が来ていますよ、若者が。」というのは、世界をリードする拠点であると。カミオカンデですとかスーパーカミオカンデは。そして、ニュートリノを発見できたという、そういう話があったので、そういうレベルであれば、これは自然に増えるわけですね。したがって、私は、この拠点が幾つできるか、そしてそこに何人海外の優秀な若者が来るかは、いわば我が国の科学技術レベルの象徴的なメルクマールになりますので、これは少し時間がかかるかもしれませんけれども、ぜひ力を注いでやる必要があると思います。ですから、どうも2つあるように思って、これは少し役割が違うのではないかというふうに、これは私なりの解釈かもしれませんが、思いました。
 以上です。

【柘植主査】

 ありがとうございました。
 そうしたら、鳥井委員ですね。あとは伊藤委員、興委員。

【鳥井委員】

 2点申し上げたいと思います。資料4-1の1ページですが、来る国の人と出ていく国の人の構造が全然違うのですが、これをよしとするのか、しないのかということはしっかり考えないといけません。もしこれをよしとするならば、受け入れのときに英語でサービスするのではなくて中国語でサービスすることを考えるべきだということになるのではないかと思います。よしとしないなら、どうやってこれを変えていくかということを議論しなくちゃいけないと思います。これが1点目であります。
 2点目ですが、外国に在住している外国籍の人が、日本の競争的資金に応募することもできるようになっているのかという問題です。日本の資金を獲得できたら日本に行って研究したいなというようなことを思う人もいるかもしれないというので、競争的資金の話がオープンになっているか、なっていないかという話がほとんどないのですが、その辺はどうなっているか。そういうことならオープンにしたほうがいいような気もしますが、あんまりオープンにすると日本人に回ってくるところが少なくなるという心配はあるかもしれませんけど、その辺は議論が必要です。

【大隅委員】

 関連してですけれども、例えばアメリカのNIHの予算は、私が普通の枠で日本からアプライしようと思ってもできない。それはアメリカの国策ですから。例えば日本が70%ぐらい出資しているヒューマンフロンティアなどは、国際交流を推進しつつ、いい研究をということで、それはどこの国の人たちもアプライできるような、そういった研究費もありますけれども、大抵、いろいろな国というのは、やはり国の中で回すのでもみんな研究者は精いっぱいというところはあろうかと思いますけれども。

【小野委員】

 今の点で、例えば科学研究費補助金の例で言いますと、今回、英語でアプリケーションを受け付けることもできるようにしたのですけれども、日本の機関に所属してくれればアメリカ人でもイギリス人でも申請できます。おそらく今の話は国際競争になるので、どこの国も国際機関で、例えばEUのようなところは外国の人にも応募は可能ですけれども、普通は当該国の研究機関にいるか、あるいはある程度の期間滞在しているかがないと、それは無理だと思いますね。日本の人がNSFから大きな金をもらうとなると、それはアメリカ政府としてもやや問題だと思われるかもしれない。まだそこまでグローバル化が進んでいないといえば、そういうことですけどね。

【鳥井委員】

 よろしいですか。

【柘植主査】

 関連ですか。

【鳥井委員】

 はい。今の、各国がやっていないなら日本が先を切ってやれば、ある小さいな枠でもいいかと思うのですが、やれば、それはそれなりにインパクトのあることになると私は思います。

【柘植主査】

 興委員。

【興委員】

 すいません。所委員がおっしゃったところで、企業とのマッチングファンドということで、今、5つの機関ですかね、国際的なWPIですね、世界トップレベル研究拠点との関係で話が出たのですが、私は、やはり民間機関の役割と公的な機関の役割の違いが現前とあるのだろうと思うのですよね。それで、民間機関も本当にダイナミックに民間企業として存在のゆえを問われるかもしれないけど、そういうところをもし仮にオープンにできるのであったら、それは政策判断としては可能にしてもいいと思うのですけれど、当然のことながら、民間企業もやはり最後は利益をゴール目標にするでしょうから、そこまでは彼らとしてもコンフィデンシャリティを維持したいと、必ず出てくるのだろうと思うのですよね。今でも、例えばWPIもそうかもしれませんけど、どこまで外国人にオープンであるべきかということはとことん考えていかないと、戦略的に、日本のあそこをということで中国もターゲットして展開している可能性も私はあると思うのですよね。ですから、気がついてみたら、何ということはない、すべてを持っていかれちゃっているという、その懸念が大いにあると私は思いますので、そこのところは、今、我が国がこういう世界トップレベルの研究拠点を築いていくということに対して、特に日本の比較的脆弱なところは、ゴール目標を比較的短期間のところに置いているものについては慎重にやるべきだと思うのです。今、WPIは、投資を例えば10年とか15年先であるという形でゴール目標を置いているからまだしも、本当に目先の問題を置くのでしたら注意が必要だろうと思います。
 それと、先ほど山野井先生でしたか、おっしゃられたのですけど、本当に魅力のあるところはほうっていても必ず人は来るのですよね。そういう意味で、今日の資料3で、日本のいろいろな受け入れ体制の整備の問題というよりも、魅力のある拠点・研究環境とは何であるかをきちっと議論していただけるとありがたいと、こう思います。

【柘植主査】

 あと3分ほどでございます。では、鳥養委員と三宅委員、それから伊藤委員で終えたいと思いますけれども。

【鳥養委員】

 この資料4-2の7ページ以降に外国人研究者の日本定着促進手法の開発ということで、研究調査、非常に興味深く拝見させていただきました。この中で、日本に来ている研究者の調査ということで少し限界があるなと思ったことを1点申し上げます。9ページ目の現在の所属先で活動して不便な点というところで、「配偶者や家族を配慮したサービスが充実していない」というところが16%しかないのですけれども、実を言いますと、いろいろな日本の研究施設で外国の方に来ていただこうと思って声をかけたときに、断られる理由の第一はこのことです。日本では家族が望まないというのが、私が知っている限りは最高に多いと思っております。ですから、実際に来られなかった方あるいは途中で帰られた方たちの調査というのは大事かなと思います。日本の女性研究者、今、活躍している女性研究者の中で、夫の転任に伴って海外へ行ってキャリアアップしたという履歴を持つ方、非常に例が多いのですけれども、海外から夫の転任に伴って日本へ来られてチャンスをもらったという例は非常に少ない。私自身が、女性物理学者の国際ネットワークを通じて、時々、海外の方たちから日本に来ている女性研究者についてSOSの相談が参ります。その一番多い理由は、夫とともに来たけれど、日本では自分自身の研究者としてのキャリアが全く認められずに、無給であったり、非常にテクニシャン的に使われているという不満で、妻が耐えられずに帰っていって、やむを得ず夫のほうも離れるという例を幾つか見ております。ですから、海外、特にアメリカなどで日本の女性研究者がチャンスをもらって日本で活躍しているという例を考えますと、やはりその逆の日本での貢献ということも大事ではないかと思っております。
 それから、山野井委員が先ほど指摘されましたカミオカンデのような魅力ある施設ということ、私も全く賛成でございまして、とりわけアジアでは加速器施設とか、そういう大がかりな施設はつくりにくいと。逆に材料、物質をつくるような研究は非常に高いレベルにあります。例えば今、J-PARCが東海にできて、これから世界最高強度の施設として活動を始めるところですけれども、こういう施設をつくったときに、その運用資金というのが極めて乏しいのですね。ですから、こういうところに集中的にアジアの研究者を学生も伴って招へいするような、そういう施策が必要ではないかと思っております。
 以上です。

【柘植主査】

  では、三宅委員。

【三宅委員】

 どう言ったらいいかが分からなくて、うまく言えないのですけれども、先ほども、それから今のも、いろいろな施策があって動いていることが全体に結果思考が強いのですね、こうなることが望ましいということだけが書いてあって、どうやってそうするのかというのがない。その結果もできるだけノーベル賞級の人が出てくればいいんだよね、オリンピックに行って勝ってくればいいんだよねという発想が強いという気はしていまして、もう少し、施策の中に、全体の底上げを図る、その途中のプロセスを支援する、という文言が入っていると良いと思います。例えば大変小さなことですが、1つだけ、資料4-2の6枚目に「キャリアステージに応じた外国人研究者の招へい」というのがあって、外国人特別研究員(一般)ポスドク1~2年というのがあるのですけれども、これもやっぱり業績がたくさんあって、もう既に何かやっていて、しかも、受け入れる人がこれを申請しますので、受け入れる人ともう既に話がどんどんいっているという人を採るのですね、上から採るという方針です。こういったところは、これから日本で芽を出してもらえるかどうかが肝心なのですから、どのぐらい応募があるかに拠るとは思いますけれど、受け入れる人が受け入れて一緒にやれますと言っているのだからできるだけ全員受け入れる方向で評価するとか、何か下のほうから創造的な活動を支えていって、しかも、それをどうやって、やっていったら本当にうまくいくのかという議論がどこかで支えられていないと、いろいろやっている割に成果が上がらないということになるのではないかという気がずっとしております。

【柘植主査】

 ありがとうございました。
 最後に伊藤委員、一言だけお願いします。

【伊藤委員】

 それでは、今までそれぞれのお話に対して私もコメントしようと思ったのですが、最後になりましたので簡単に申し上げます。山野井委員あるいは興委員のおっしゃられたような、留学生30万人計画、これは必要なことでしょうけれども、要は、日本の大学あるいは研究機関で非常に個性のある、魅力のある研究をして、それに集まってくる人を増やすという、そういう発想でなければいけないと思うのですね。日本のカルチャーに触れたいという、そういう人もいると思います。それはそれで大いに受け入れるべきだろうとは思います。しかし一方では、そういった日本の個性に惹かれて――その個性というのは何かというと今述べました魅力ある研究テーマや研究成果ですが、先導的な研究をしている人たちは、国際的な論文誌に論文も発表していますし、それは世界に十分アピールしているわけですので、それを見て、それに惹かれてくる研究者というのが日本に来たいと思うときに、バリアを下げることが大切です。日本に来てからの生活環境を始めとして日本に来やすくする環境を整えること、そういう手を打つとことが一番必要であろうと、そう私は思いまして、30万人を目標として、誰でもかれでも集めようという、そういう施策は全く無意味だと私は思っております。

【所委員】

 すいません、一言だけ。

【小野委員】

 答え。質問があったのでちょっと。

【柘植主査】

 では、小野委員が答え、それから所委員、一言。1分以内でお願いします。

【小野委員】

 研究者のキャリアステージ・招へい目的に沿ったプログラム、これも結構競争率が高くて、やはり最も必要だと思われるものを今受け入れていますので、確かに立派な人がたくさん来られるのですけれども、競争もあるということです。

【所委員】

 すいません、先ほどの興委員のお話でやはり一言言っておきたいなと思ったのは、大学で人を育てて、その人たちが大学、国の研究所に行って、それで終わってしまうわけではなくて、その後、民間でいい仕事をして経済的にも富をもたらすという、そういう循環をやっていかなければならない。一方で、日立、NEC、ほとんど多くの会社がもともと基礎研究所もしくはそれに準ずるものを持っていて、そういうところにドクターコースを出たり、マスターの当時ですと優秀な人がどんどん行っていて、国の機関・大学との交流というのも大分あったのですけど、最近はどうも、どんどんそういうところが減ってきているというのも事実だと思うのですね。ですから、そういうところに対して、単純にマッチングファンドとか短絡的な提案になって、少しひんしゅくだったのかもしれないですけれども、こちらのほうを何とか強くしていかないといけないと思います。大学の魅力というのもそこでまた出てくると思いますし、それから、ポスドクの問題も、企業が基礎研究所を持っていてくれたらそんなに大きな問題にならなかったのですよね。

【柘植主査】

 興委員、所委員のおっしゃるところ、両方とも正しいのです。先ほど引用されました世界トップレベルの研究拠点、これはまさに所委員がおっしゃったようなことを、日本の企業だけではなく世界中からワールドプレミアムの拠点に研究資金が集まるための拠点をつくることですので、この拠点をつくるプログラムそのものにお金を出していただく、これはドネーションとしてだったら問題ないわけですけれども、コンペティティブワールド的なものとは切り離しています。ですから、この拠点がコンペティティブなワールドの中に別なスキームで参画することは、むしろ将来ねらいとしてやっていますので、そのあたりは、私はご両者の意見はそんなに差がないなと。表と裏で見ていますので。
 何か一言、では30秒でお願いします。

【興委員】

 全然違う切り口。今の話は、総括ありがとうございました。全然違う問題で、これらの共通の問題、一つ考える軸足としてやはり外国人としょっちゅうつき合っていると、科学がそこで育つのかというのは1つよく言われます。あともう一つは、そこに行ったときに、今日いろいろと話がございますけど、家族を連れていけるかどうかというのは、自分たちを許容する文化がそこにあるのかという点であって、極論を言うと、リモートアクセスができればそれでいいよという言い方まで言われちゃうのですね。念のため、それらの問題も解決していかないと、日本が必ずしもそういうものを受容できるような場にはなかなかなっていかない。外国人から見て日本が評価できるようなところにならないかもしれないと思います。

【柘植主査】

 ありがとうございます。
 時間が来ましたので、打ち切りたいと思います。主査として、先ほどの議題と同じですが、国際化に対応した人材育成・確保方法については、第3期の基本計画も含めて相当充実した施策がその後打ち出されていると思います。それが、今日ご説明がありました資料4-1とか4-2でよくまとめられていると思いますが、それに対して、先ほどの議題と同じように、今日のご発言はもう少しファインメッシュだったと思うのですね。つまり、今、既にやろうとしているプログラムをそのまま粛々とやったときの留意点、改善点、この指摘があったと思いますので、そういう視点でぜひ、佐々木さん、一度、今日のご発言を張りつけていただきたいと。そうしますと、この審議課題5について人材委員会としての提言がその中からあぶり出されてくると思います。
 それから、今日の議題の中であまりクローズアップされなかったのは、実は国際化に対応した人材についても、審議課題の2番、3番、つまり、世界の多様な場あるいは世界をリードする研究人材、これも含めてどういう人材を育てるのかという人材像の議論がないままに進んだかなと思います。研究者という言葉が一言だけ使われていますが、やはり修士以上、博士課程でも、外国から来られた人材も含めて産業を支えていかざるを得ない時代が来つつあるわけでございますので、机上配付資料の2枚目以降の科学技術関連人材のどこを各スキームは育てるのかと、こういう目で見て、これで我が国としては国際化に対応した人材養成・確保方策がこれでよいのか、欠けているのかと、こういう議論がチェックポイントとして残っているなと私は感じた次第でございます。
 時間の関係で次の議題に進めさせていただきます。それでは、議題3でございます。「社会の多様な場で活躍する人材の養成方法」、それから「世界をリードする研究人材の養成方法」につきまして、これはずっと継続審議をしてございました。事務局のほうから、その後の議論をよくまとめていただいたものができましたので、ご説明願いたいと思います。よろしくお願いします。

【高比良人材政策企画官】

 資料5、資料6を続けて説明させていただきます。前回の委員会でも参考資料3で種々まとめてきたわけですけれども、少しまとめた形で整理をして議論してはどうかというご発言もあったことから、少し事務局のほうで整理をさせていただいて、短期間でございましたけれども、先生方にもご意見をお伺いさせていただきました。ご協力いただきましたことには感謝申し上げます。
 まず、資料5からですが、1週間あったかどうかわかりませんが、投げさせていただいて、特に意見をいただいたところを中心にちょっと説明をさせていただきたいと思っております。
 まず1ページ目でございますけれども、2-1の「企業人としての基礎力不足への対応など、産学をつなぐ人材養成方策」の中の「社会との量的ミスマッチ」、ここのところで具体的方策というのが今までなかなか出てきていなかったのですけれども、森下先生から有意義な意見をいただいておりまして、恒常的な博士課程修了者の産業界への就職機会の提供(OJTの積極的取組、大学による産業界との定期的なジョブカフェなどの開催、産業界の就職募集に対して大学での窓口の一本化など)というご意見をいただいております。
 それから、少し飛びますけれども、12ページでございますが、「国際関係」のところで、ここも具体的な方策が今まで少し明確にはなっていなかったのですけれども、ここも委員からご指摘をいただきまして、海外からの帰国希望者用の任期制のポジションを競争的資金で創設してはどうか。それから、海外での日本人研究者のネットワーク化(データベース作成)等をやってはどうかというご意見がありました。
 それから、最後の「その他」のところですけれども、ここも具体的方策が今までなかなか見えてこなかったんですけれども、大学発ベンチャーとPDや博士課程学生の交流会の実施、あるいは、キャリアパスの事例を紹介。ベンチャーの起業教育の実施。経済学部の教官と理系学生・PDとの交流会やバーチャル起業の訓練等々、ご意見をいただいております。
 資料6でございますけれども、審議課題3の「世界をリードする研究人材の養成方策」の部分でございます。これについては、2ページ目でございますけれども、「更なる充実方策」の中の具体的方策で、意見として下の2つのポツでございますけれども、1回移動の原則の周知。競争的資金交付の際の自校出身者比率も考慮してはどうかというご意見。
 「産業界で活躍する研究人材の養成」というところでは、3ページの上のほうになりますけれども、解決策への提言・具体的方策の中で、メンター制度を創設し、企業への就職者とのつながりを維持するというご意見をいただいております。
 4ページの上のほうになりますけれども、3-2の「人材養成に係る研究資金制度等の改革」の具体的方策として下の2ポツでございますけれども、間接経費の利用に関して、一定割合は研究室の意思でRA経費やポストドクター雇用経費、学生等へのフェローシップなど「人材養成経費」としての使用を可能にするとか、間接経費の使途について人材養成経費への支出を評価に加えるというような具体的なご意見をいただいております。
 ぜひ引き続き、この2つの意見集約版についてご意見をいただければと思っております。
 以上でございます。

【柘植主査】

 はい、ありがとうございました。
 今、説明いただきました資料の5と6ですね、人材委員会の第4次提言を取りまとめるに当たってのたたき台となります非常に重要なまとめでございます。前回も申し上げましたが、第4期の基本計画に向けて、この人材委員会の好循環を生み出すために教育と研究と社会経済的価値創造、すなわちイノベーションですが、この科学技術創造立国の実現のための3大要素を三位一体的に振興・推進する施策の強化を提言すべきだと考えておりました。ちなみに、英国では、ご案内だと思いますが、行政・政府内にイノベーションと大学と科学技術と、アンドスキル、通称DIUSですね、Department for Innovation, Universities Science and Skillsという名称の推進部門を設けておりまして、それから、立法府の下院のほうにもInnovation University Science and Skill特別委員会を設けて、立法府においても教育と科学技術とイノベーション、さらにスキルまでを一体的に推進する国策を打ち出しているところでございます。これは私も9月に行ったときに非常に感銘を受けて帰ってきました。委員の皆様におかれましても、このような観点も含めて、約30分ぐらいですけれども、活発なご議論をいただきたいと思います。資料5、6、どの部分でも結構でございますので、よろしくお願いいたします。
 ご自身の書かれた部分で、この際もう少し充実をしておこうということがございましたら、ぜひご発言いただきたいと思いますけれども。三宅委員。

【三宅委員】

 この具体的施策というところに、先ほど言っていたことと重なるのですけれども、何とかカフェをやったらいいとか、こういうお金を出したらいいという話が多くて、その結果ものの考え方をこう変えたい、こういう成果を生みたい、という議論が少ない、という気がしております。結果を並べると施策があるように見えるのかもしれませんが、なぜそうしたいのか、そこでどういうプロセスが起きて欲しいのか、成果はどう評価するのかあるいはしないのか、などがないと、いろいろな方の思いの結果だけが並んでいて、それだけを答申として出すことには少し抵抗があるところがあります。事務局の方は、ここに何かさらに具体案でこんなことをしたらというのが出てくれば良いというコメントをなさっていましたが、それでいいのかなという気がしております。もう少し背景の理念などの説明も要るのかもしれない、と考えていますという、バックグラウンドコメントです。

【柘植主査】

 今のご意見の趣旨の背景、もう少し私の理解力を深めるための質問ですけれども、先ほど来の今日の前半の2つの議題なんかは、相当具体的な施策がされていて、それに対して当人材委員会としてはどういう切り口かというときに、三宅委員がおっしゃったように、結果だけの話をこの委員会の話で取り上げるのではなくて、むしろ具体的に動いている施策の中身に入って、その中身が本当にエフェクティブに働くかどうかという、そういう視点でもう少しこの委員会は切り込むべきではないかと思います。結果だけを羅列するのではなく。そういうふうに受け取ったわけです。今ずっと継続している審議課題の2、3ですけれども、これもある程度具体的な第3期の基本計画も含めて進んでいることは進んでいるわけでございますね。同じような目で、やはり単なる「こうします」という結果の記述だけではなくて、ご指摘のようなメスの入れ方、一種のPDCAサイクルの中のチェックみたいな、そういう見方も強化したほうがよいと受け取ったのですけれども、何か少し誤解があったら、ぜひ皆さんの理解を深める意味で。

【三宅委員】

 どうなって欲しいか、そこへどうやって持ってゆけるか、目的や課程についてきちんと調べてゆくこと、人材を育成するというのはどういうことなのか、そのこと自体を科学的に明らかにしてゆくことが施策の中に入る必要があるのではないかという思いはあります。そもそも、本当に産業界も見ながら理科もおもしろいと思って児童が小学校で勉強できるようになるためには、今の教え方ではやはりだめかもしれなくて、まったく違うやり方を科学的にためしてみようという研究が世界的に今たくさんおきているところだと思いますので、そういう研究は日本ももっとやるべきだと思います。そういう背景を支える理念をはっきりさせずにこういう形で何か先生を派遣すればいいですといったような提案が並ぶと、それはなぜいいのか、よいとしたらその良さをどこが保証するのかなどの議論が抜けてしまいそうで、それは怖いと、そういう意見のつもりでした。

【柘植主査】

 ぜひ今もできたらいいですけど、今日の結論ですけれども、今のような新たな課題設定だと思うのですね。チェックという意味じゃなくて新たな課題設定だと思うのですけれども、それが今までのまとめの中に欠けているようでしたら、ぜひとも三宅委員、盛り込んでいただきたいと思います。それが課題設定でもいいし、それを解決する具体的な施策までも踏み込めたら非常にありがたいと思います。課題設定でも結構だと思いますので。
 小野委員、山野井委員、それから所委員。

【小野委員】

 資料5の今の三宅委員がおっしゃったところですけれど、やはり博士課程や修士課程の大学院のカリキュラムをきちんとすべきだと思うのですよね。ジョブカフェなんかもちろん大事ですけど、その前に、前段階としてまさにミスマッチがあるということであれば、別に企業に大学院が奉仕する必要は全くないと思いますけれども、しかし、大学院で一生懸命頑張った人が半分以上は企業で必要とされる人材になってほしいと思うものですから、これはやはりカリキュラム改革をすべきなので、博士のときに申し上げましたが、専門分野を深く狭く掘るだけではなくて、幅広く基盤的な知識をしっかり持っているということが一番大事なので、具体的方策の中で大学院におけるカリキュラム改革をすべきだと。私が言っている例えば修士力だとか博士力というのがしっかりと身についた人を大学は送り出す努力をする必要があると。そういうこともやった上で、さらに必要ならばジョブカフェとかいろんなお見合いの場をつくるというのは大事だと思いますけれども、まず基本は大学院の教育を改めるということが必要ではないでしょうか。

【柘植主査】

 プラスですが、実はこの間、イギリスに行きましたら、大学院のカリキュラムを産業も入ってつくっているということを労働党の中で始めているのですけれども、それに対してこれは、それはすべきではないというのか、そういうものも考慮すべきだというのか、この辺もぜひ。

【小野委員】

 当然、意見として産業側の意見を聞くのは十分必要なことだと思います。大学が責任を持って自らのカリキュラムを決めることは必要だと思いますけど、それはしかし、外の意見も耳を傾ける必要があると思います。

【柘植主査】

 所委員、山野井委員でお願いします。

【所委員】

 2つとも同じ話ですけれど、競争的資金とポジションの流動性というのに少し偏り過ぎていて、もう少し経常的に使える研究費、それから固定的な人員の枠を大学などは増やしたほうが、多様な研究がやりやすくなるのではないかと思います。というのは、競争的資金だと何か右向け右で、みんなその研究テーマでないと研究してはいけない、すなわち研究資金が取れない。それで、それにかこつけたテーマの使い方をする。でも、「自分はとても変なことをやっているよ。研究資金、そんなに大きく要らないけど、続けたい。」というような人をどうやって励ましていくか。それから、若い人はやはり厳しいのですよね。「競争資金で書いてお金を持ってこなければポジションないよ。」ですから。変わったことをやっていると、どんどん自分のポジションが危なくなってしまう。1回競争的資金とポジションの流動性に振るのは、よかったと思うのですけど、そろそろ長期的な視野で、もう少し緩やかに若い人を育てていくという視線も必要ではないかと思います。

【柘植主査】

 では、山野井委員、興委員。

【山野井委員】

 視点が違うのですが、資料5と6、両方に絡むと思うのですけれども、先ほど前半のときに出ていましたイノベーション25ですね、これは生きているわけですね。そうしますと、あれはたしか、2025年におけるあるべき社会ニーズや社会ビジョンを想定した中で、それに向かって今からという、そういう出口をある程度想定した発想でできているように思うのですけれども、しかし一方、担うのは人材なわけですね。そうすると、25年ですから、あの当時の安倍首相はまだ50歳そこそこでしたから、おそらく70ぐらいまでの先のことを考えて、そういうイメージで出されたと思うのですが、そのときに、基礎的な研究、つまり先ほど少し出ましたように縦方向に深めるというような意味での基礎的な研究が必要なのかどうか。その実現のためにですね。私は、イノベーションという言葉が第3期科学技術基本計画でたくさん出てきた理由は、基礎的な研究というのは、イノベーションに対してクリエーションとか、あるいはレボリューションのようなイメージを持っているのですが、イノベーションはそういうものを組み合わせて社会に対してどう役立つかに持っていくような、そういう進化というような感じがするのですけれども、そういう意味からいうと、それが必要かどうかという、あのテーマの中に今の学問レベルだけで全部できるのかどうかというのは分かりませんが、あるいはイノベーションでいけるのかどうか。だけど、イノベーションといったって20年ぐらい先のことを言っていますから、相当いろんな組み合わせなり新しいことをやらないとできないだろう。それをあのテーマでずーっと研究者なり技術者なりを配列したら、どういうポテンシャルの人がどのぐらい必要か。どのぐらいというのはおかしいですけれども、或いはどういうポテンシャルの人が絶対必要だと。日本にいるのか、いないのか。外国はいるのか、いないのか。そういう形で実行を担う人材のマップを表裏一体でつなげないと、「こういう世界があったらいいですね」で終わってしまう可能性があるわけですよ。私は、人材育成のこの問題の中で、もちろん学術的な基礎研究というのはこれに限ることはないので、もっと幅広くイノベーション25とは違うところにあってもいいと思います。これはやらなくてはいけない。ですからそれはやらなければいけないのですが、一方、25に書いてあることの範囲でやったときに、縦型の部分、それから、それをつなげていく部分、その基礎段階から応用、開発という非常に長い時間をかけたところの中で、どういうポテンシャルの人材が、あるいは、新しい知識が必要なのかという形で統一的に考えることはできないでしょうか。

【柘植主査】

 少し私のほうから理解を報告しますが、イノベーション25は閣議決定していますので、これは政府がやめたということをまだ言っていませんから、あれはエフェクティブです。実行を国民に約束したということです。一方では、中身をよく見ていただきますと、基本的に2025年に実現すべき社会の姿を書いています。そして、それを実現するためにインフォメーション・コミュニケーション・テクノロジーでは何だ、ライフサイエンスは何だということを分野別に分けて、それは実は第3期の科学技術基本計画と、結果的というか、意図的か別としましても、つながっているわけです。だから、今現在は第3期の基本計画の政策的な目標と一致して、しっかりと第3期の基本計画、それはイノベーションの源の多様性を認めて継続するということと、それからシーズを社会的な価値に変えると。フェーズごとに第3期の基本計画は実施計画を立てている。それは粛々とすれば、イノベーション25の少なくとも今後5年間の中でのステップについては達成できると。5年後には第4期の――あと2年半ですけれども、第4期の基本計画でもう一回ローリングすると、こういう形で国としては進んでいるわけであります。イシューとしては、課題としては、山野井委員おっしゃったように、それは人材的に見たときに、今日の審議事項の2、3の面で見たときに人材面で足りているのかと。そういう面のチェックが、確かに第3期の基本計画はモノから人にとか、競争的環境の醸成とか、そういう一つの方向は出していながらも、それぞれの分野での必要な人材が足りているのか、足りないものはしっかりと育成のプログラムが成立しているのかという辺は、これは私は総合科学技術会議のほうもまだ不足しているのではないかと思います。逆にそれはこの委員会のミッションでもあると、そうご理解いただいて、受け止めたいのですけれども。

【山野井委員】

 主査のおっしゃるとおりだと思いましたので、例えば第1期、第2期で大体40兆円ぐらい公的資金が科学技術に投入されているわけですけど、第3期になぜイノベーションという言葉が多く出てきたのかと。かなり基礎的な研究については成果がどんどん出てきて、非常に国際的なレベルも上がっているし、そう評価されていると私は理解しているのですけれども、イノベーションというか、つまり、どうやってそれを社会の変革・進歩につなげるかという部分については相当問題意識があって、ですから逆に言うと、そこの人材ですね。そこの人材、例えば開発とか商品化とかというレベルの話、これは企業の話ですが、そうではなくて、もっと前の学術的な研究をイノベーションにつなげる部分や、そのステージの人材の問題が、どう育成するかがないと、あれはやはり最後までつながらないのではないかという危惧感があるものですから、それでそういうことを申し上げたわけです。

【柘植主査】

 今の課題は、後ほど議論されてもいいのですが、冒頭申し上げた机上配付資料1の資料2以降の科学技術に関わる人材像というのが4枚ついている。これはやはり、今の山野井委員のご指摘の観点でも、読んだ人が皆同じ、こういう人材、こういう人材という形が見えるようなサマリーがこの人材委員会として欲しいと。そういうように今日の場ではとりあえず締めさせていただいて、逆にそれは、主査をはじめこのメンバーの、机上配付資料2から最後の美馬委員のチーム型まで含めて、これをどう人材委員会としてまとめるかという課題を持っていると認識していただきたいと思うのですけれども。

【山野井委員】

 わかりました。

【柘植主査】

 大隅委員。

【大隅委員】

 確認ですけれども、前回、私、欠席してしまいましたので、もしかすると追いついていないところがあるのかもしれませんが、女性研究者という人材に関しましては、これは審議課題3のところで書き込むという、そういう理解でよろしかったでしょうか。

【柘植主査】

 はい。

【大隅委員】

 そうしますと、これをやはりもう少し充実させる必要があろうかと思います。今日はもしかすると時間的には足りないのかもしれないと思うのですけれども、やはり第3期の数値目標にも掲げられた、全体で自然科学系で25%という女性研究者の割合というのは、第3期が半分ぐらいになったところでどうやってこれを本当に達成できるのかという時代だと思うのですけれども、さらに4期に向けての人材委員会からのまとめを出していくのだとしましたら、そこのところはやはりそれを見据えた形での何らかの提言というのが必要ではないかなと思います。
 1つだけ、例えばですけれども、今後の議論のために頭出しということで、ご検討いただければということですが、例えば、今日の資料6の4ページ目のところに「競争的資金獲得のインセンティブ」云々というところがありますが、解決策への提言・具体的方策とありますけれども、若手向けの研究費やスタートアップ資金をむしろ伸ばすべきと考えます。ここに、例えばたたき台にしていただければと思いますのは、女性枠の研究資金などを設けるかどうかと思います。実際に韓国はかなりのトップダウンの施策を進めまして、この数年の間に日本を追い抜いて13.1%になったと。日本は12.4%だということがあります。ですので、検討した上でどうかということはあろうかと思いますけれども、そういったこともこの委員会で考えるべき議題かなと思いました。
 以上です。

【柘植主査】

 ありがとうございます。全くご指摘のとおりで、資料6が、検討のポイントの中には女性研究者の割合が少ない話の認識がありながら、「更なる充実方策」の中で見てどこにも見当たらなくて、これは多分、既に論点の中に書いてあるので、ここに出てきた充実策は委員から出てきているものなので、改めて出てこなかったという、そういうふうに理解していいのでしょうか。どうですか、事務局。

【高比良人材政策企画官】

 そのとおりです。審議課題3は、今までいろいろやっている中で、昨年も1年間いろいろ検証しながら、ご意見をいただいた中で、更なる取組があるかということに視点を置いています。ただ、審議課題2のほうにも、資料5の4ページですけれども、女性支援というのがこちらのほうでも意見が上がっておりまして、ですから、審議課題3の中では具体的にまだ意見は出てこなかった。だけれども、審議課題2の資料5の中では意見はいただいておりますので、そこのところをどうまとめていくかは今後の検討だと思っています。

【柘植主査】

 そうですね。大隅委員、最後にまとめますが、中間報告まとめに向けては、資料6に書いてあることだけではなく、これの上流側で書いたものを含めて、今ご指摘のところは、そういう目でそのときもう一回点検をするということにいたしましょう。
 興委員。どうぞ。

【興委員】

 今、大隅先生がおっしゃったから、私も前回出席しておらずに、高比良さんのほうに出しておりませんので、宿題ですかね、追加を別途これからさせていただきます。今日ではなく。
 それとあと2点ですね。1つは、この資料5の2ページ目に挙がっております具体的な方策との関係で、インターンシップの問題と、それと問題を発掘できる能力と課題に直面したときの対応と。それと、再三、主査がおっしゃっております2ページ目以降3枚の紙との関係で、1つはインターンシップで、もう一つはむしろご指摘の点ですけど、まず、今回のノーベル賞で下村先生がノーベル賞をもらわれたときのその後のインタビューで、ある記者がお聞きになられた、「では、先生は平田先生からテーマを与えられたから成果を出されたのですか」というような、その後も2つ連続してそういうのがあったのですよね。それに対してご本人は何の恥じらいもなく、「私はまだ若いし、研究ができるだけで幸せで、与えられたテーマを一生懸命やりました」とお答えされたのですよね。そのご発言を聞いて私はとてもすばらしいと思いました。と申しますのは、今、我々も、博士課程に期待するものということで、問題を発掘できる能力と課題に直面したときの対応ができる人ということを一生懸命問題提起しているのですが、この2枚目以降に戻ってくると、いろんな人材がいらっしゃるわけですよね。2ページ目にありますように、異なる資質・能力、背景を持つ多種多様な個々人が一つのチームとしての力を最大限発揮できる、人それぞれのよさがあるわけだから、必ずしも問題を自分で発掘できなくても、与えられた問題に真摯にチャレンジして、問題を顕在化させる能力のある人というのは多分いらっしゃると思うのですよね。それがいわば日本人の特有なところかもしれないし、そういう意味で、もっと違う人材像というのも入れ込む必要もあるのではないかという感じがいたしました。それで、彼が言ったのは「平田先生はすばらしい」とおっしゃった。それと、野依先生も平田先生と非常に近いのですよね。あのころ私も天然有機合成に近い世界におりましたが、とてもすばらしい人材がそこの研究室で育っていますし、平田先生の関係者に中西香爾先生がいて、その人はコロンビア大学の教授ですね。多分、下村先生のその後の研究を続けられたパートナーはコロンビア大学の先生ですよね。もしかしたらそこで交流があるのかどうか存じ上げませんけど、それが1点。
 あともう一つは、インターンシップのあり方の問題で、ここに書いてございますように、また、経済産業省と文部科学省の共同のアジア人財資金構想の話がございますけれども、ここにあるように日本の企業に就職意思のある優秀なアジア人等の留学生に対しての提案プログラムですよね。これはこれで私はいいと思うのですけど、外国といろいろと折衝しておりますと、例えば相手が機関である場合、必ずしも日本に就職させることをゴール目標に考えるわけではなくて、機関が派遣するのだから戻していただきたいというインタレストがとても強いのですよね。ただし、日本の企業の動向にはぜひインボルブされたいと。入りたいと。ところが、日本の企業はそういう中途半端な人は受けないと。これはもう明らかです。そこのところはどうするかということをやはり考えていかないと、ここに問題がございますけれども、インターンシップは、「インターンシッププログラムの実効性が上がらない理由を明確にし」と、こう書いてございますけど、受け入れ、即、就職で必ずということになると、囲い込みそのものでございまして、ここのところを日本の企業もインターンシップを受けることに協力はするということですけど、やはり自分たちの負担を考えるとそこのコミットメントが欲しいのだというわけですよね。どうしたらこの問題がいい意味で日本が評価される制度を出せるかどうかの一つの問題ではないかという感じがしてございます。大学の協力も対応も同じなのでございますけど。

【柘植主査】

 はい、ありがとうございます。
 あとお二方、どなたかいかがでしょうか。では、鳥養委員、よろしくお願いします。

【鳥養委員】

 所委員がおっしゃいました競争的資金と流動性に偏り過ぎていないかと、そのことについては私も大変同感でして、もう少し補足させていただきたいと思います。競争的資金というのは非常に効率重視で、優れた研究者あるいは優れた研究だけの育成に資金を集中させたいと。そういう選択と集中という考え方が成果としての分布を小さくして平均値を上げるという方向には進んでいると思うのですが、本当に優れた研究あるいは研究者というのは、分布を大きく広げなければ出てこないと思うのですね。そういう意味では、研究の多様性がどんどん減少しているというのがいろいろな調査で、例えば物理学会の調査などで出ております。
 それで、競争的資金と基礎的資金の間に評価を経た資金と、そういうものが必要ではないかと考えるわけです。例えば科学研究費補助金、少し細かい話になりますけど、基盤Cというのが一番獲得しやすい資金にはなっているのですが、それですら獲得できる比率は20%程度で、これ、やはり競争なのですね。5分の1しか採用されないと。しかしながら、もっと研究の多様性を確保して新しい芽を出そうとしましたら、評価を経た資金、つまり独創性や科学的な論理性についてもっともであると認められたら少額の100万円か200万円ぐらいの資金は保証すると、そういう資金が科学研究費補助金の中に、例えば科研費Dみたいなものがあってもよろしいのではないかと。従来に戻るという基盤的資金を増やすというよりは、評価を経た資金というものの新設が必要ではないかと思っております。

【柘植主査】

 せっかくの機会ですから、小野委員、一言ございますか。

【小野委員】

 私は両方もちろん必要だと主張しているのですが、やはり基盤的経費もしっかり投入するし、そして競争的資金も、おっしゃったように、今、人・社系の方が結構、科学研究費補助金はなかなか応募もなさらないし、取りにくいということもあって、そこも工夫が必要だと思っているのです。例えば今回、小林先生のノーベル物理学賞は、本当に科学研究費補助金ももらっていらっしゃらない段階での研究、それが認められているわけですから、やはり基礎研究のためのお金を、一律ではなくてもいいのですが、しっかり措置することはぜひお願いしたいと思います。その辺は所先生と全く同じ、賛成でございます。ただ、科学研究費補助金もさらにきめ細かく工夫をしつつ増やしていくべきだということは十分認識をしております。

【柘植主査】

 そろそろ時間が来ましたので、この審議課題2、3、今日のところは打ち切らせていただきたいと思います。今日も大変活発な有意義な議論をいただいて、以上、今日の審議をもちまして、この机上配付資料1に基づきます5つの審議課題につきまして一通り済ませたわけでございます。これまで各委員からいただきました意見をできるだけ生かしまして、中間まとめのたたき台を作成する作業に入りたいと思います。
 閉める前に、議題4としまして、若手研究者数のデータについて報告事項がございますので、事務局よりよろしくお願いします。

【高比良人材政策企画官】

 この机上ファイル資料に赤い附せんがついているところですが、インデックスの8番の22ページをちょっとお開きいただきたいと思います。よろしいでしょうか。赤い附せんが上のほうについていると思いますけど。この件は、前回、名古屋大学の平野委員からご指摘があったものでございまして、前回まで若手教員数については平成16年度までのデータしかございませんでした。それで、教員統計調査の中間報告が出ましたので、平成19年度の図を追加させていただきました。そのときに平野委員から、平成16年度から国立大学法人も法人化になったので、もしかすると本務教員そのものが減っている可能性があるというようなご指摘があったのですが、教員統計調査の中間報告を見ますと、やはり全体的に増えて、本務教員も増えておりますし、若手教員のところは微増でございます。ただし、本務教員に対する若手教員の率というのは相変わらず右肩下がりで、率としては下がっているというのが現実です。
 その裏の23ページ、1枚めくっていただいて23ページで、国・公・私ごとに少し見た図を入れさせていただきました。国立、公立については、確かに競争的資金等で昔の定員内職員は多分若干減っているのでしょうけれども、外部資金等で雇用されている例えば特任教員というような方々が増えている可能性があって、微増しているのですね。国立は本務教員が微増で、若手のところは相変わらず減。それから、公立のところも本務教員が微増で、若手のところは微減と。ただし、私立のところが本務教員が全体も相当数増えておりまして、若手のところも増えていると。ここの原因は我々も今いろいろ調査中でございますが、原因は分かりません。なぜ私立大学がこういう形になっているのか。もしかすると、統計上、少し精査しないといけないところがあるのかもしれません。ただ、国立、公立のところはそういう状況であるということで、今回、報告だけさせていただきたいと思っております。

【柘植主査】

 はい、ありがとうございます。これは平野委員にもまた報告をお願いします。

【高比良人材政策企画官】

 はい。別途またご説明をしておきます。

【柘植主査】

 最後になりますけど、事務連絡等、ほかにございましたら。

【高比良人材政策企画官】

 資料7-1をごらんいただきたいと思います。先週、急遽、12月以降の日程の調整を委員の先生方にお願いしたのですけれども、やはり12月につきましては先生方お忙しくて、なかなか日程の調整がつかない状態でございました。それで、ここの真ん中の箱で囲んだ部分でございますが、11月27日、次回、一応、論点整理等をした形で皆様方にお示しをしたいと思っておりますが、その後は、できれば年末年始を挟みましてメール等でやりとりをさせていただいて、この委員会の任期が1月いっぱいまででございますので、1月26日に最終の委員会を開かせていただいて、そこで案を取っていただければと思っております。その後、来年の2月から新しい第5期の人材委員会において議論をいただいて、最終まとめを行いまして、来年の9月ごろに科学技術・学術審議会の総会が開かれる予定になっておりますので、その時期に報告をしてはどうかということを今考えておりますけれども、もしそういうご予定でよければ、今日お認めいただければ、そういう形でスケジュールを組んでいってはどうかと考えております。
 それから、念のためですが、最初にご説明もしたと思うのですけれど、この中間まとめにつきましてはあんまりしっかりとした文章にすることはあまり考えておりませんで、先ほどの整理をしたペーパーみたいに少し論点をしっかりと整理した上で、皆様方からいただいた具体的な方策、それから具体的な中身について箇条書きにしたような形で、我々としてはお示しができればと今のところ考えております。
 この日程でよろしいでしょうか。

【柘植主査】

 11月に1つ、中間まとめの案でメール上で議論を交わしながら、1月26日で中間まとめを終えると、こういう形で行きたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、この線で行きたいと思います。

【高比良人材政策企画官】

 もしよろしければ、資料7-2でございますけれども、次回の開催予定ということで、第46回を11月27日(木曜日)13時から15時、この場所で開催をしたいと思っています。念のため、第47回は、年を明けて平成21年1月26日(月曜日)14時から16時、この場所を予定しております。
 それから、本日の資料につきましては、いつものとおり、名前を書いておいていただければ、こちらで後日送付をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。

【柘植主査】

 それでは、委員の方々、長時間にわたり熱心な議論をいただきまして、どうもありがとうございました。今までの議論を踏まえて、次回11月27日には中間まとめにつきまして最後の議論をしたいと思います。
 どうも本日は大変お疲れさまでございました。閉会といたします。

午後 3時56分 閉会

お問合せ先

科学技術・学術政策局基盤政策課

(科学技術・学術政策局基盤政策課)

-- 登録:平成21年以前 --