| 1.開催日時 | : | 平成15年2月20日(木)14:30~16:30 |
| 2.場 所 | : | 文部科学省別館10階 第5、6会議室 |
| 3.出席委員 | : | 小林主査、小野委員、小平委員、谷岡委員、鳥居委員、鳥井委員、中嶋委員、中津井委員、山野井委員 |
| 4.事 務 局 | : | 林科学技術・学術政策局長、井上科学技術・学術政策局次長、坂田大臣官房審議官(大臣官房担当)、有本大臣官房審議官(生涯学習政策局担当)、丸山大臣官房審議官(研究振興局担当)、尾山科学技術・学術政策局政策課長、大木男女共同参画学習課長、倉持基盤政策課長、安部調査調整課長、伊藤計画官、渡邊国際交流官、舟橋科学技術・学術政策局企画官、今井総括上席研究官(科学技術政策研究所)他 |
| 5.議 題 | : |
| 資料1 | 科学技術・学術審議会人材委員会委員名簿 |
| 資料2 | 総合科学技術会議競争的資金制度改革プロジェクト関連資料 |
| 資料3 | ポストドクター等若手研究者に対する支援制度の在り方について(案) |
| 資料4 | 「科学技術・学術活動の国際化推進方策について」(報告) (科学技術・学術審議会 国際化推進委員会) |
| 資料5 | 「国立試験研究機関、特殊法人研究開発機関及び日本企業の研究開発国際化に関する 調査研究」(概要)(科学技術政策研究所/文部科学省) |
| 資料6 | 外国人研究者等を比較的多く受入れている機関の調査結果について |
| 資料7 | 国際的視点に立った人材の養成・確保のための方策(案) |
| 資料8 | 「多様なキャリアが息づく社会をめざして」第1次報告(案) (女性研究者への支援)[概要] |
| 資料9 | 「多様なキャリアが息づく社会をめざして」第1次報告(案) (女性研究者への支援)[抜粋] |
| 資料10 | 「女性のチャレンジ支援策について」検討状況について |
| 資料11 | 女性研究者の活躍促進のための方策(案) |
| 資料12 | 科学技術に関する資源配分 |
| (1) | ポストドクター等若手研究者の支援の在り方について 事務局から資料1~3について説明。主なやり取りは以下のとおり。 |
| ○ | フェローシップ型は人を育てる観点が強いのに対し、プロジェクト型はある程度出来上がっている若手のスキルを磨くという観点が強く、それぞれにメリットと陥りがちな弊害がある。 米国は、大分前から科学技術・学術のトップランナーグループに入っており、これまでの多様な投資により十分な基盤を整備しているが、日本はトップランナーグループに入ってきた段階であり、多様な人材を育てることが必要とされている。 また、米国では近年、若手研究者のスキルの市場が激化し、いかにスキルを売り込むかという若手研究者の競争が過熱し、その結果、大きな基礎的な研究をやろうという人材が生まれてこないという状況がある。このように、日米では研究や人材育成についてのフェーズが異なるので、単純にポストドクター支援制度の割合などを比較することは適当ではない。 |
||
| ○ | プロジェクト型は目的を中心にして、いろいろな人を集めるものである。育てるという意味からはどちらか一方が良いというのは難しい。目的に向かって研究していく方が実用型の研究者が育つという面もある。 |
||
| ○ | 国際競争力がある人材を養成するためには、フェローシップ型とプロジェクト型の両方が必要であるが、フェローシップ型は独立性、自主性を尊重し、プロジェクト型はスキルを伸ばすものとすると、できればフェローシップ型が多い方が良い。また、支援後も長く専門性を生かせるような仕組みが設けられていくことが必要である。 |
||
| ○ | 特別研究員は、大学、研究所のパーマネントな職に就き、自由な発想に基づいて研究を続け、引き続き専門性を生かしていく可能性が高い。長期的な研究の一貫性という観点からは、フェローシップ型が良いのではないか。もちろん、プロジェクト型にもメリットがあり、両方の支援があってよい。 |
||
| ○ | フェローシップの派遣先が競争的資金の配分先と一致していないとの指摘もあるが、競争的資金は流行的な分野に集まりがちである。将来を担う若手研究者の養成という観点からは、そのような分野ばかりでよいということではなく、このような指摘は違うのではないかと思う。 |
||
| ○ | 日米の比較ということでは、スキル、キャリアパスを積極的に次につなげるという面で、米国は特に海外の研究者に対して門戸を開放しており、自由に動くことができるという面があるが、日本では、大学ではこの頃は開かれてきているが、企業ではまだそれ程進んでいない状況である。このため、時限付きのものより長期の雇用を前提とするものに研究者がいくという面があるのではないか。 |
||
| ○ | ポスドクの時期は、流行的なものをやるとかスキルを活かすというより、研究者としてのテーマ、方向性を固めていくことが大切な時期であり、フェローシップを重点的にやることが、国全体の人材養成にとって大事である。プロジェクト型も、特に大きな装置を必要とする理系のプロジェクトでは良いが、人社系のプロジェクトなどでは、実験装置は必要なく、スキルを持った人材が必要となるため、人件費比率が上がってしまう。人件費は研究教育費としては認められないため、研究費比率が下がると研究の認可申請ができなくなることもあり、この点を是正しないと、受入れ側の需要はあっても制度上の制約で受け入れられない、というようなことが起こる可能性もあると思う。 |
||
| ○ | 日本学術振興会の特別研究員は、大学としてもとても名誉であるし、当該個人の評価も高まる。大学としては、フェローシップ型支援をもう少し大きくしてもらえると非常にありがたい。 |
||
| ○ | プロジェクト型はプロジェクトリーダーの存在が大なり小なり研究者に影響を及ぼすが、フェローシップの研究の形態は、リーダー的な人がいるものから全く若手の自由になっているものまで、様々なのか。それとも、フェローシップは基本的に一人で研究をやるという感じなのか。 |
||
| ○ | フェローシップも形態は様々である。野依先生や小柴先生のケースでは、リーダーはいても、自分がやっていることやらせるという形ではなく、若い人に能力あれば自由にやらせるなど、そういうケースで若手が育つことも多い。また、ディスカッションを通じて、共通の問題意識を持ちながら、それぞれの課題を深めていくという形もある。 |
||
| ○ | 支援制度と個人の人材育成との関係では、制度の運用など教授個人の意識に任されている部分が大きいのか。 |
||
| ○ | ケースバイケースであるが、研究業績をつくるために研究をするのでは本末転倒であり、まず 研究があって、論文を発表して世の中に成果を知らしめるというのが本来の立場である。教官がフェローシップに学生を推薦する際は、学生の研究内容などをみて、申請に値するという判断があって推薦している。その後は学生の個々人の取組であるが、全体として、フェローシップは、個人をかなり意識したものになっている。 |
||
| ○ | フェローシップは個人が基準であり、学生が申請するが、プロジェクト型はプロジェクト・リーダーがいて、プロジェクトの遂行に必要なスキルを持っている人を選んで契約をする。ドクターコースの学生は、将来の自分のキャリアパスをどうするか、ということを真剣に考えており、実践的な興味が強い学生はプロジェクト型を選択し、自分のやりたいことを秘めている学生はフェローシップを選ぶ。プロジェクト型の方がフェローシップ型よりも対価が高いため、生活状況からプロジェクト型を選ぶ場合もある。 |
||
| ○ | 国としての予算の配分ということからは、支援の人数や割合の問題も確かに重要であるが、人材委員会の目標はいかに日本の研究人材を伸ばしていくかということであり、予算を付けたり、審査をする側の力量、業績だけでなくて、可能性を見抜くような力が非常に重要である。どのような物差しでどのような人によって評価がなされ、また、審査結果が本当に有効であったかなどを常にチェックすることが重要である。日本は、審査する人に対するチェック機能が乏しいので、インプットに対してアウトカムが良く見えるような制度作りが必要である。 |
||
| ○ | 自由にやらせた方が伸びる人もいれば、最初のうちはきちんと指導した方が才能が開く人も いると思われる。フェローシップ型とプロジェクト型で、どちらが本当に若手を伸ばすことが できるのか、フォローアップをきちんとする必要がある。 |
||
| ○ | プロジェクト型は企業でも相当できる部分があるが、知的好奇心に基づくフェローシップ型は企業ではできないので、この部分を大学関係にやってほしい。フェローシップの場合も、そこで行った研究がなるべく長く続けられるような仕組みを作っておく必要がある。 |
||
| ○ | 研究者を育てるという観点から、フェローシップ型とプロジェクト型でそれぞれどのような特徴があるのか、フェローシップ型とプロジェクト型の組み合わせか可能であるかなど、検討の余地がある。資料3の修正については、お任せいただきたい。御意見があれば、私か事務局の方まで御連絡いただきたい。 |
||
| ○ | フェローシップの派遣先と競争的資金の配分先が一致していないとの議論があるが、フェローシップ型とプロジェクト型とは性質が異なるため、一致させるのはおかしいことであるという点を明確にしてほしい。それぞれの国情に応じて支援が行われており、日米のポストドクターの 支援の割合を並列的に並べるのも適当でない。 |
||
| ○ | フェローシップも国際化に対応した制度に改善していく必要がある。 |
||
|
|||
| ○ | 日本人が海内で研究することは良いことであり、人材の海外流出に対応という考えは、消極的、閉鎖的ではないか。むしろ日本から海外に派遣して、その成果を日本に還元してもらえればよい。日本に優秀な留学生が来ないのは、日本語の問題があり、世界最高レベルの大学を目指す上で、大きなバリアになっている。国立大学の法人化を期に、全部の授業を英語で授業を行うなど世界に開かれた大学をめざすところに対して運営費交付金の面で配慮するなど、国として積極的な展開が必要ではないか。 |
||
| ○ | どれ位外国に行き、どれ位外国から来ているかなどの国際交流の量的問題は、国際的な視点に立った人材養成の一側面ではあるが、日本の人材が国際レベルで活躍できるか、という点が本来的に重要である。日本の大学、研究機関などで、内向きな視点から日本でしか通用しないような物差しにより組織作り、教育などが行われていることが一番の問題である。何が日本特有の物差しであるのか、あるいは、日本の若手研究者に対する評価の尺度が国際的な標準と合っているのか、そういう問題が重要である。 |
||
| ○ | なぜ人材の海外流出があるかといえば、日本で研究するよりも外へいって研究した方がよい研究ができて、優れた研究者になれると考えられていることがあり、欧米系の研究者が日本に来ないことも、ルーツは同じ問題である。まず、現状の何が問題なのかについて徹底的に分析し、論点を深めていき、問題意識をはっきりさせる必要がある。 |
||
| ○ | 国際化に関する問題については、これまでも様々な議論がなされてきたが、現実はなかなか改善されていないため、日本は潜在的な能力があるにもかかわらず、国際社会で十分な役割を果たせていない。国立大学については法人化により思い切ったことができると期待しているが、英語の授業を組もうとしても、英語をできる先生が少ないために教授会で反対されるなど、改革は非常に難しい。パイロット的なところを作って誘導するようなことが必要かと思う。 & 文部科学省自体の国際化も遅れていると思う。例えばタイの大学省は、完全に国際化対応ができる体制になっており、日本でも本格的に考える必要がある。 また、大学のシステムも、9月開講ができれば、1つの突破口として国際的な通用性が出てく くるが、これもなかなか簡単にはできない。 |
||
| ○ | 9月開講にすれば何らかのメリットがあるような形にして誘導することが考えられる。また、現在国立大学の統合が進められているが、例えば統合した大学で特定の学部は英語で授業するなど、などいろいろなやり方が考えられる。 |
||
| ○ | 研究者を育てるのに、必ずしも日本の大学である必要はないのではないか。極端に言えば、外国の大学を文部科学省が支援すれば済むのであり、なぜ日本の大学が国際競争力を持つ必要があるのかについては、国立大学にとって何が大事なのかを踏まえ、もっと根本をしっかり押さえて議論する必要がある。 |
||
| ○ | 本委員会の最終的な目的は、世界のトップレベルに通用する研究者の養成であり、その関連で教育機関の国際化について議論している。 |
||
| ○ | 目的は世界に通用する日本人研究者を育てることであり、必ずしも日本にいる必要はない。 また、日本文化を世界に知ってもらうことが大事なファクターである。日本の大学を国際化するということには、もっと深い議論が必要でないか。 |
||
| ○ | 国際化の目的の1つは、優秀な留学生や研究者を日本の大学に呼ぶことである。現在、中国や韓国の優秀な研究者はほとんどアメリカに行ってしまうが、日本語のバリアなしに学問ができ、いろいろな資格も取れるということになれば、欧米からも優秀に人材が来るかもしれない、そういう可能性を求める日本の大学があってもよいのではないか。大学は多様性が大事であり、 外国人研究者を多く受け入れる大学があってもよい。 |
||
| ○ | 産業の国際競争力は絶対に必要であるが、その前提として大学の国際競争力が必要である。日本人の研究者を国際的に通用するレベルに育成するための大きなポイントは、世界の場で刺激を受けさせながら、激しい競争原理の中で鍛えることである。そのためには、留学や外国から先生に来てもらうなど多様なやり方があり、国際的な接触の場を深める必要がある。 日本の企業は、仕事上は国際化しているが、人的には国際化はしておらず、長い目で見ると、国際的に競争力を持つ、優れた若者が来ないと日本の企業は衰退する。国際的に通用する人材をどれだけ持っているかによって、結果的に企業の競争力も決まってくるのであり、大学の国際化なども、我が国の人材の国際競争力を上げる重要なツールの1つであると考える。 |
||
| ○ | グローバルな物差しから見てゆがんでしまっている研究者養成をどうするか、ということが人材育成の目的である。「国際的な視点に立った人材の養成・確保」とは、本委員会のそもそもの目的であり、「国際」と言うのであれば、言葉の使い方を考える必要がある。 |
||
| ○ | 最近、アメリカが高等教育の自由化などを唱えており、グローバリゼーションは進んでいくが、日本の大学で全部の授業を英語でやらなくても、米国が日本で大学を開くという方法もある。 国際化、国際競争力という場合も、基本は日本の文化であり、それを踏まえた上で、国際的視点あるいは国際的競争力を持つという、軸足はあるが世界的にいろいろな視点から物を見ることができるスキルを持っている人材が必要である。 また、若手の育成には、大学院博士後期課程学生の海外派遣制度が有効ではないか。大学院在学中に、1年程度、海外の大学・研究所に行ける、あるいはフィールドワークをできるというような制度ができるとよいと考える。 |
||
| (3) | 女性研究者等の多様な人材の能力発揮のための環境整備について 資料8~11について事務局から説明。質疑応答はなし(第15回に行う予定)。 |
| (4) | その他 事務局より資料12について説明、次回日程について説明の後、閉会。 |
(以上) |
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology