参考資料2 次世代人材育成検討作業部会における主な検討事項(案)

次世代人材育成検討作業部会における主な検討事項(案)

平成27年5月27日


○次世代の科学技術イノベーション人材育成に係る基本的な考え方

 ・科学技術イノベーション人材に期待される資質・能力について
 ・グローバルな活躍が期待されるトップレベルの人材育成について
 ・次世代の科学技術イノベーション人材の裾野拡大について  等


○次世代の科学技術イノベーション人材育成に係る個別事項

 ・科学技術分野に対する興味や関心の喚起(特に女子児童生徒)について
 ・課題研究(生徒による探究活動)への支援(例えば、事業を活用した指導方法の展開等)について
 ・課外活動(科学部・科学クラブなど)を活用した人材育成について
 ・大学等の研究者や企業の技術者等の果たしうる貢献について
 ・人材育成の手法を幅広く展開する方策について
 ・人材育成に対する支援施策(スーパーサイエンスハイスクール、グローバルサイエンスキャンパス等)について
 ・科学技術人材育成の評価(手法等)について   等

 ※ 学習指導要領の在り方については、中央教育審議会において検討。

(参考)

 

次世代人材育成検討作業部会の設置に係る主な意見
【第72回人材委員会(平成27年4月21日)】

○現在、中央教育審議会の初等中等教育課程の部会において、大学改革・入試改革も含めて、今後知識偏重からどのように生きた知識として応用していくかということが議論されているが、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)や科学の甲子園のようにすでに実績が蓄積されているプロジェクトをフィードバックしてほしい。

○全体として次世代人材育成事業がどう行われてきたのか、予算がどう推移してきたのか、また、海外と比べたときにどうなっているのかを出していただきたい。例えば国際コンテスト等における日本の中高生の位置付けなどを含めて、全体を見て、各事業に今後どういうことが必要なのかという議論をしていただきたい。

○博士課程や科学研究自体は急速に変わってきたが、これが科学教育には反映されにくい。科学教育、理科教育に革新的な提案ができるようなものをまとめていただきたい。

○今のような科学技術社会の時代においては、幼い段階の子供だからこそ知っておかなくてはいけないことが増えてきている。現代の子供にいかに科学技術情報を共有して、そして、個性豊かに学ぶ子を育てるのかということが重要。高校にはSSHがあり、中学校にも次世代科学者育成や科学の甲子園ジュニア等のコンテストが少しずつ出てきているが、小学校にはまだない。子供には比較的時間があり、スポーツなど、プロのある領域は小学校時代から地域を超えて育成しているところ、質の高い基盤を確立できるような提言にしていただきたい。

○ある大学の研究所では近隣の高校の生徒を研究助手としてアルバイトを雇っているが、その参加者が増え、様々な高校から参加することにより生徒の意欲が非常に高まってきている。また、教える研究者も高校生からの質問に答えられないことがないよう勉強をするという、良い連携が生まれてきている。地域にある機関がどのように若い子を引っ張っていって育成するかという面としての教育機会を提供することは有効ではないか。


 
平成27年1月27日 「第7期人材委員会提言」(抄)

4.今後の施策の方向性
(2)我が国の研究開発力強化のための人材育成の在り方
(iii).個別課題及び施策の方向性
オ.初等中等教育段階における科学技術イノベーション人材の育成

<1>現状認識
 ○各教育段階において、課題や求められる点に違いはあるものの、一貫して、課題発見、解決型の教育を行うことが求められるようになっており、これからの知識基盤社会においては、初等中等教育段階から、幅広い知識と柔軟な思考力に基づき、新しい知や価値を創造する能力を育むことが重要である。
 しかしながら、児童生徒が知識・技能を実生活の場面に活用する力に課題があることが指摘されている。また、先進的な理数教育を担う高等学校において、研究に関する高度な専門性を有する人材の確保が課題となっている。

<2>第4期科学技術基本計画中の主な取組と成果
【理数教育充実のための総合的な支援】
 ○理数教育の充実のため、国際的な通用性や小・中・高の学習の円滑な接続等を図る観点から、必要な指導内容の充実を図ること、観察・実験やレポートの作成、論述、自然体験などに必要な時間を十分確保するため、授業時数を増やすことなどの改善を図った。
 ○観察・実験活動が充実された学習指導要領に対応するための必要な環境整備として、観察・実験に係る理科設備の充実のほか、教員の業務負担を軽減し、実験指導に注力できる指導体制のための観察実験アシスタントの配置、理科の観察・実験の指導力の向上等を図るための研究協議を実施している。

【スーパーサイエンスハイスクール(SSH)】
 ○文部科学省と科学技術振興機構では、平成14 年度から、先進的な理数系教育を実施する高等学校等をSSHとして指定し、その活動を支援している。また、平成25 年度より、地域の中核拠点形成や継続的な海外連携などの科学技術人材育成に係る重点的な取組をSSH本体と一体的な事業として推進するため、SSH指定校に対して追加の支援を行う「科学技術人材育成重点枠」を設け、SSHの経験等で培った成果の他の学校への普及や、海外における先進的な理数系教育を行う学校や研究機関等との定常的な連携関係の構築などの取組を進めてきたところである。
 これらの取組の結果、SSH指定校の生徒が科学技術分野のコンテストで表彰される件数がSSH指定前と比べて約5倍になるなど、生徒の科学技術に関する能力を高める取組が着実に実施されているといえる。

【グローバルサイエンスキャンパス】
 ○平成26年度からは、文部科学省と科学技術振興機構では、卓越した意欲・能力を有する高校生に講義をし、研究を行わせること等により、科学的探究力を有する傑出した科学技術人材の育成を行うプログラムを開発・実施する大学を支援する「グローバルサイエンスキャンパス」を実施し、将来グローバルに活躍しうる傑出した次世代の科学技術人材の育成に取り組んでいる。

<3>今後の施策の方向性
 ○知識基盤社会の科学技術イノベーション人材の育成のためには、初等中等教育段階から、児童生徒が、理数・科学技術に対する、関心・素養を高め、主体的に取り組む力を育むことが求められる。学習指導要領の着実な実施により、自ら課題を発見し解決する力、コミュニケーション能力、物事を多様な観点から考察する力の育成に向けた取組が進められているが、今後も、このような取組を更に進める必要がある。その際には、児童生徒による主体的な課題探求を支援する資質の高い教員を育成することも必要である。
 また、理数・科学技術への興味・関心を喚起するために、産業界や地域人材の教育現場への活用を促進し、理数・科学技術が実社会にどのように役立っているのかを児童生徒・教員が実感できるようにすることも考えられる。
 さらに、先進的な理数教育を行う学校の教育を充実するため、博士課程修了者や企業の技術者等の高度な専門的知識を有する人材を活用することも一案である。


平成27年1月20日 科学技術・学術審議会総合政策特別委員会
「我が国の中長期を展望した科学技術イノベーション政策について
~ポスト第4期科学技術基本計画に向けて~(中間取りまとめ)」(抄)

第3章 イノベーション創出基盤の強化 1.人材システムの改革

(2)科学技術イノベーション人材の育成 2 次代を担う人材育成と裾野の拡大

 我が国が高度な科学技術イノベーション力を今後も維持し続けるには、 初等中教育段階から、児童生徒、学生の優れた能力を育んでいくことが重要である。
 質の高い科学技術イノベーション人材を育成・確保するためには、高等学校教育、大学教育を通じて、 知識・技能のみならず、思考力・判断力・表現力や、主体性を持って多様な人々と協働する態度など、学力の三要素を踏まえた真の学力を育成・評価することが必要である。このため、政府は、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革を進めるともに、大学入者選抜の改革に当たっては、各大学は、アドミッション・ポリシーを明確化し、学力の三要素を踏まえた総合的な評価を重視した個別選抜を確立することが求められる。また、こうした真の学力の育成を図るため、初等中等教育全体の学習指導要領の在り方等に関する検討を進める。
 さらに、科学技術に関して優れた能力を持つ学生・生徒が、切磋琢磨し能力を伸長する機会を充実することも重要であり、サイエンス・インカレ、国際科学技術コンテスト、科学の甲子園、科学の甲子園ジュニアといった研さんの場への学生・生徒の参加を促進する。さらに、大学等と連携して、先進的な人材育成を実施するスーパーサイエンスハイスクールやグローバルサイエンスキャンパス等の取組を実施する。また、産業界等で活躍する理工系人材を戦略的に育成することを目的として、「産学官円卓会議(仮称)」を設置し、産学官の対話を促進する。
 また 、科学技術イノベーション人材の裾野を拡大することも重要であり、科学技術への関心・素養を高めるため、課題解決的な学習や理数教育の充実等を図った小・中・高等学校の学習指導要領に基づいた教育を推進するとともに、初等中等教育段階における理数教育支援、理数系教員の育成支援、科学技術コミュニケーション活動への信頼獲得のため取組等の充実を図る。

 他方、 グローバル化が進展する中で、科学技術イノベーションを担う人材が、グローバルな視野を身に付けることが不可欠となっている。政府は、日本人としての アイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力、コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できるグローバル人材の養成に向けて、初等中等教育段階からの英語をはじめとする外国語教育の強化、高校生・大学等の留学生交流・国際交流の推進、国際化を徹底して進める大学への支援等を実施する。また学生・生徒の海外留学に対する支援の強化を図る。

(3)多様な人材の活躍促進
1 女性の活躍促進
 (前略)
 さらに、研究・技術職に進む女性を増大させていくためには、次代を担う女性の科学技術人材を育成していく必要がある。このため、女子中高生、あるいはその保護者による科学技術系の進路への興味関心や理解を向上するための取組を推進する。


平成27年5月14日 教育再生実行会議
「これからの時代に求められる資質・能力と、それを培う教育、教師の在り方について(第七次提言)」(抄)

2. これからの時代を見据えた教育内容・方法の革新 ~求められる資質・能力を教育によっていかに培うか~
(4)特に優れた才能を有する人材の発掘・育成
○ 国、地方公共団体、学校、関係団体は、理数分野、文化芸術、スポーツ、ICT分野、社会課題解決等における中高校生、大学生のコンテストなど、特に優れた才能を有する人材を発掘する機会の拡大を図る。また、グローバルサイエンスキャンパスなど優れた能力を持つ生徒が早期から大学レベルの教育を受ける機会を拡大するとともに、こうした学修を大学入学後に単位として認定する取組を推進する。・・・(中略)・・・さらに、スーパーサイエンスハイスクールやスーパーグローバルハイスクールの取組について、学校現場で成果を最大限発揮できるようにするための運用の弾力化を含め、引き続き充実強化する。

 

平成25年6月14日閣議決定「第2期教育振興基本計画」(抄)

第2部 今後5年間に実施すべき教育上の方策
基本施策14 優れた才能や個性を伸ばす多様で高度な学習機会等の提供
【基本的考え方】
○ 社会全体の変化や新たな価値を主導・創造する人材等を育成するためには,初等中等教育段階から,「 社会を生き抜く力」を育成し,各分野に興味・関心を有する子どもの裾野を拡大するとともに,その才能を見いだして,創造性やチャレンジ精神などをより一層伸ばしていくことが必要である。
○ このため,意欲と能力のある児童生徒等に対し,ハイレベルな学習機会や切磋琢磨する場を提供することが求められ,これまで活用事例の少ない大学への飛び入学促進,高等学校段階における早期卒業制度の検討や,先進的な教育を受ける機会の提供や全国レベルで競い合う科学の甲子園等の推進を含めた理数教育の充実などを図る。

【主な取組】
14-2 理数系人材の養成
 スーパーサイエンスハイスクールの取組を充実させるとともに,科学の甲子園,国際科学技術コンテスト,サイエンス・インカレ等の参加者数を増加させる。これらを含め,理数系人材の養成に向けた取組を総合的に推進することにより,理数好きの生徒等を拡大するとともに,優れた素質を持つ生徒等を発掘し,その才能を伸ばし,科学技術人材を戦略的・体系的に育成・確保する。特に,女子生徒・学生向けのガイダンスの充実等により,女性が理数系に進む割合が少ない状況の改善を図る。


平成23年8月19日閣議決定「第4期科学技術基本計画」(抄)

4.基礎研究及び人材育成の強化
(3)次代を担う人材の育成

 我が国が、将来にわたり、科学技術で世界をリードしていくためには、次代を担う才能豊かな子ども達を継続的、体系的に育成していく必要がある。我が国では、諸外国と比較して、科学について学ぶことに興味を持ち、理数系の勉強が楽しいと答える中学生及び高校生の割合が低いとされており、初等中等教育段階から理数科目への関心を高め、理数好きの子ども達の裾野を拡大するとともに、優れた素質を持つ児童生徒を発掘し、その才能を伸ばすための一貫した取組を推進する。

<推進方策>
・国は、教育委員会と大学が連携し、専科制や特別非常勤講師制度も活用して、理工系学部や大学院出身者の教員としての活躍を促進することを期待する。
・国は、教育委員会と大学が連携し、現職教員研修や教員養成課程において、科学技術に触れる機会、観察や実験を行う実習の機会を充実するよう求める。
・国及び教育委員会は、大学や産業界とも連携し、研究所や工場の見学、出前型の実験や授業、デジタル教材の活用など、実践的で分かりやすい学習機会を充実する。また、国及び教育委員会は、学校における観察や実験設備等の整備、充実を図る。
・国及び教育委員会は、大学や産業界の研究者や技術者、教員を志望する理工系学部や大学院の学生等の外部人材が、観察や実験を支援するスタッフとしてより一層活躍できる機会を充実する。
・国は、次代を担う科学技術関係人材の育成を目指すスーパーサイエンスハイスクール(SSH)への支援を一層充実するとともに、その成果を広く他の学校に普及するための取組を進める。
・国は、国際科学技術コンテストに参加する児童生徒を増やす取組や、このような児童生徒の才能を伸ばす取組を進めるとともに、「科学の甲子園」や「サイエンス・インカレ」の実施など、科学技術に対する関心を高める取組を強化する。
・国は、国際科学技術コンテストの結果、スーパーサイエンスハイスクールの成果等を大学の入学試験で評価する取組を支援するとともに、高等学校在籍中における大学の自然科学系科目や専門科目の履修など、円滑な高大連携に向けた取組を促進する。
・国は、科学技術に関する才能を伸ばす観点から、高等学校の生徒がより発展的な内容を学べるようにするための方策や大学の入学試験の在り方に関する課題改善等について検討を行う。
 

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科学技術・学術政策局 人材政策課

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