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資料1−7

人クローン胚研究利用作業部会における検討状況について

平成18年1月20日
生命倫理・安全対策室

1. 経緯
   総合科学技術会議意見具申「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」(平成16年7月23日)において、
1  人クローン胚の研究目的の作成・利用を限定的に容認するに当たり、必要な枠組みを整備するため、「クローン技術規制法に基づく特定胚指針を改正するとともに、必要に応じて国のガイドラインで補完すること」
2  人クローン胚から樹立したヒトES細胞の使用については、「現行のES指針を改正することにより、対応すべきであること」とされたことを受け、科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会特定胚及びヒトES細胞研究専門委員会の下に人クローン胚研究利用作業部会を設置し(平成16年10月7日)、人クローン胚の研究目的の作成・利用に係る指針の改正等に向けた検討を実施。(別添1参照)

2. 審議経過
   平成16年12月以降計12回の作業部会を実施し、関連する研究等についてヒアリングを行いつつ、主要な論点に関し検討を進めている。これまでに実施したヒアリング内容は以下のとおり。
第1回(平成16年12月21日)
ヒトES細胞研究の現状と解決すべき問題点について <笹井 芳樹 委員>
ヒトES細胞研究の現状に関し、医療応用(細胞移植治療)で現実性が高いとされている疾患、逆に、細胞純度(分離法)、移植法、腫瘍化、拒絶などの問題から非現実的とされる疾患について、また、人クローン胚を用いたES細胞研究の展望と問題点、他の免疫拒絶回避のアプローチ等について。
動物のクローン技術の現状について <小倉 淳朗 委員>
動物の体細胞核移植クローンに見られる低効率(低出産率)、高頻度の遺伝子発現・表現型異常の状況とその原因、動物種やドナー細胞による差異などについて。
エピジェネティクスから見たクローン技術の問題点について <石野 史敏 委員>
体細胞クローンマウスのエピジェネティックな観点からの解析と、クローンの異常を正常に戻すことが可能と考えられる生殖細胞系列でのエピジェネティック・リプログラミングについて。

第2回(平成17年3月17日)
動物クローン個体研究の現状 <角田 幸雄 近畿大学 教授>
家畜(ウシ)における体細胞クローン個体作出研究の現状と問題点(異常の発生状況、要素技術の状況、凍結保存の影響、卵巣・未受精卵の保存等)及び人クローン胚を作成する際の留意点としての動物とヒトとの間で想定される技術的差異などについて。
組織幹細胞その現状と限界について <岡野 栄之 委員>
組織幹細胞研究に関し、特に神経の再生医療研究の現状と問題点について、また、神経幹細胞のソースとして胎児神経組織、成人神経組織、ES細胞(受精胚由来、人クローン胚由来)の各々の利点及び問題点について。

第3回(平成17年5月24日)
クローン技術の問題点と応用について <若山 照彦 理化学研究所 チームリーダー>
クローンマウスの作成方法と出生率や異常の発生状況、体細胞核移植によるES細胞の作成状況について。
サルにおける体細胞クローン胚作製の現状と問題点について <鳥居 隆三 滋賀医科大学 教授>
サルの採卵、体細胞核移植胚作成の現状と問題点(倫理的問題を含む)について。

第4回(平成17年6月22日)
骨髄間質細胞を用いた細胞移植治療における問題点と展望 <出澤 真理 京都大学大学院医学研究科 助教授>
本人からの採取が容易であり、増殖力が高いなどの利点を持つことから細胞移植治療に向けて近年基礎的研究の進む骨髄間質細胞の研究の現状と問題点について。
厚生労働省の難病施策について <菊岡 修一 厚生労働省疾病対策課長補佐>

第5回(平成17年7月25日)
韓国における生命倫理法の策定過程 <洪賢 秀 科学技術文明研究所 研究員>
韓国における生命倫理に関する規制の状況、特に人クローン胚研究に関する規制とその背景について。
Cloned Human Embryonic Stem Cell <Shin Yong Moon 韓国ソウル大学教授>
人クローン胚研究の状況、研究の目的、未受精卵の提供に関連した事項(提供者、提供の方法、インフォームド・コンセントの方法等)、機関内倫理審査委員会における研究の倫理的妥当性の検討の状況等について。

第6回(平成17年8月29日)
総合科学技術会議意見具申「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」を受けたヒト胚研究に関する専門委員会の設置について <斎藤 慈子 厚生労働省母子保健課長補佐>
ヒト胚の研究体制に関する研究 <吉村 泰典 委員>
厚生労働省で実施された平成16年度厚生労働科学特別研究「ヒト胚の研究体制に関する研究」より、ヒト胚研究の状況、未受精卵の提供の可能性、凍結技術の現状、未成熟卵の体外成熟技術の現状等について。
ヒトES細胞株樹立と使用研究の現状および体細胞核移植クローン胚研究の展望 <中辻 憲夫 京都大学再生医科学研究所長>
ヒトES細胞の樹立の現状、未受精卵の提供の見通しを含め人クローン胚研究の展望について。

第7回(平成17年9月27日)
卵提供候補者は卵提供をどのように考えているか−提供候補者ヒアリングにみる医療の現状と課題− <齋藤 有紀子 委員>
厚生労働省で実施された平成16年度厚生労働科学特別研究「ヒト胚の研究体制に関する研究」より、未受精卵の提供の可能性のある患者当事者からのヒアリング結果について。
「体外受精を受ける女性」からの卵子の提供について <鈴木 良子 フィンレージの会会員>
患者の立場から、生殖補助医療を受ける女性の身体的・心理的負担、その保護の観点から留意すべき事項、インフォームド・コンセントの在り方等について。
人クローン胚研究に必要な卵子入手の可能性について−生殖医療の現場からの考察− <高橋 克彦 広島HARTクリニック院長>
採卵、ヒトの卵の質、生殖補助医療に伴う身体的・精神的負担、未受精卵提供の可能性とそれに伴う身体的・精神的負担、未受精卵・摘出卵巣の凍結・融解技術、未成熟卵体外成熟技術の現状、インフォームド・コンセントの在り方等について。

第9回(平成17年11月4日)
ヒトクローン胚研究のための卵子提供者について <石原 理 埼玉医科大学 教授>
手術等により摘出された卵巣や卵巣切片から採取された未受精卵について、婦人科疾患、性同一性障害の方からの提供の可能性、ボランティアの取扱い等について。

3. 議論の状況
   これまでの検討において、
1  「難病等」の範囲など、人クローン胚の作成・利用の目的に係る考え方
2  入手方法として認められるもの、インフォームド・コンセントのあり方、例外的な無償ボランティアの是非など、未受精卵の入手のあり方に係る考え方についてまず議論を深め、基本的な考え方について意見集約を図ることが合意されている。(別添2参照)
 作業部会においては、各回のヒアリング内容を踏まえ、その都度議論を行うとともに、第8回会合(平成17年10月18日)では人クローン胚の作成・利用の目的に係る考え方について、第9回会合、第10回会合(平成17年11月22日)、第11回会合(平成17年12月14日)及び第12回会合(平成18年1月17日)では未受精卵の入手のあり方に係る考え方について、論点を整理しつつ重点的に検討を行ったところ。



別添1

人クローン胚研究利用作業部会名簿


<主査>
  豊島 久真男   独立行政法人理化学研究所研究顧問
<委員>
  赤林 朗   東京大学大学院医学系研究科教授
石井 トク 岩手県立大学看護学部教授
石野 史敏 東京医科歯科大学難治疾患研究所教授
位田 隆一 京都大学大学院法学研究科教授
岡野 栄之 慶応義塾大学医学部教授
小倉 淳郎 独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター
遺伝工学基盤技術室室長
齋藤 有紀子 北里大学医学部助教授
笹井 芳樹 独立行政法人理化学研究所発生・再生総合研究センター
グループディレクター
高木 美也子 日本大学総合科学研究所教授
町野 朔 上智大学大学院法学研究科教授
吉村 泰典 慶応義塾大学医学部教授
(敬称略、50音順)



別添2

主な検討事項


1. 人クローン胚の作成・利用の目的について
(1) 「難病等」の対象とする範囲について
1  「難病等」に該当するものの考え方
2  規定のあり方
3  他の治療法及び研究の状況との関係の整理
(2) 研究実施の科学的妥当性
(3) 研究の範囲
1  「治療目的」の範囲
2  ヒトES細胞の樹立を目的としない研究の取扱い

2. 未受精卵の入手のあり方について
(1) 人クローン胚研究における未受精卵の入手の方法のあり方
1  手術等により摘出された卵巣や卵巣切片から採取された未受精卵の利用のあり方
2  生殖補助医療目的で採取された未受精卵で同目的には利用されなかったものや非受精卵の利用のあり方
3  卵子保存の目的で作成された凍結未受精卵の不要化に伴う利用のあり方
4  原則禁止とされる無償ボランティアの例外的取扱いの是非
(2) 人クローン胚研究のための未受精卵提供におけるインフォームド・コンセントのあり方について
1  説明時期、撤回可能期間
2  説明者、説明方法
3  同意権者 等

3. その他重要事項
(1) 人クローン胚の作成・利用を行う機関の要件
1  必要な技術的能力、実績
2  機関の限定に係る考え方
3  人クローン胚の胎内への移植の事前防止を徹底させるための措置 等
(2) 人クローン胚から樹立されたES細胞を使用する機関の要件
1  余剰胚由来ES細胞との取扱いの差異
2  必要な技術的能力、実績
(3) 未受精卵の提供医療機関の要件
1  必要な技術的能力、実績
2  個人情報の保護のために必要な措置 等
(4) 体細胞の入手のあり方


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