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研究費の不正対策検討会報告書 はじめに

 研究費の不正対策検討会(以下、「本検討会」という。)は、本年発生した多額の研究費の不正使用問題を直接の契機に、大学等の研究機関における公的資金による研究費の管理・監査体制の整備を目指して、研究機関向けのガイドラインを策定することを目的として発足し、精力的に検討を重ねた結果、このほど成案を得たので、ここに報告するものである。
 第三期科学技術基本計画は、研究者の研究費選択の幅と自由度を拡大し、競争的な研究開発環境の形成に貢献するものとして、競争的資金の拡充を図る方針を打ち出しており、研究費に占める競争的資金割合は拡大の一途を辿っている。その中で、研究者による競争的資金の不正使用は依然として後を絶たず、そのことが研究者及び競争的資金制度に対する国民の不信感を招く結果となっている。科学技術の推進にとって競争的資金の拡充が不可欠であることを思えば、研究費の不正使用が行われないようにする方法や仕組み・体制を構築して国民の信頼を回復することは、喫緊の課題である。本報告書は、以上のような立場に立って、諸研究機関に対し、研究費の不正使用を防止する具体的な仕組みや体制の構築を呼びかけるものである。

 本報告書は、3部からなる。
 第1部「競争的資金等の使用をめぐる現状と課題」においては、これまでに発生した研究費の不正使用の代表的事例を取り上げ、その原因や方法を分析する。研究者が研究費の不正使用を行う動機や目的は決して一律ではない。一方の極には、私的動機で研究費の不正使用を行う場合があり、他方の極には、研究の円滑な推進という本来正当な目的を追求しつつ、結果として研究費の不正使用を行うに至った場合もある。しかし、これらはいずれも不正使用であって、行ってはならないものであることに変わりはないものであるから、本報告書は、不正使用の動機にかかわらず、原則として、定められた規則に意図的に違反する研究費の使用をすべて不正使用とし、防止の対象として取り扱うこととする。

 研究者が研究費の不正使用を行う原因もまた、決して一律ではない。競争的資金の仕組みに対する研究者の理解不足が原因の場合もあれば、研究機関の管理体制や競争的資金の仕組みそのものからくる制約が不正使用を誘発する場合もある。様々な原因があり得る中で、本報告書が最も注目するのは、研究機関による管理体制の未整備が原因で研究費の不正使用が起こる場合であり、この見地に立って、第2部「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」においては、研究機関が整備すべき研究費の管理・監査の具体的な基準を提案する。

 研究者が研究費の不正使用を行う原因が一律ではない以上、研究機関が完全な管理体制を構築することは、不正使用根絶の必要条件ではあっても、十分条件ではない。不正使用を根絶するためには、競争的資金等の仕組みそのものと研究活動の本性との間の不整合からくる制約を可能な限り緩和することも必要である。本報告書は、第3部「今後の公的研究資金制度の在り方」において、この観点に立って、各種の競争的資金等が現に有する問題点を指摘し、今後の在り方について提言を行う。

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科学技術・学術政策局調査調整課

(科学技術・学術政策局調査調整課)

-- 登録:平成21年以前 --