資料3−4 総合科学技術会議の審議状況について

1 総合科学技術会議の審議状況

平成20年4月10日

○ 平成20年度の科学技術振興調整費の配分方針等について

 平成19年12月の総合科学技術会議において決定された「平成20年度の科学技術振興調整費の配分の基本的考え方」に基づき、新規課題の応募状況等を踏まえ、平成20年度の科学技術振興調整費の配分方針及び配分予定額を示した。また、平成20年度科学技術振興調整費による「重要政策課題への機動的対応の推進」課題を指定した。

平成20年5月19日

○ 革新的技術戦略

 福田総理の施政方針演説を受け、1月の総合科学技術会議において早急な検討を促された「革新的技術戦略」を取りまとめた。持続的な経済成長と豊かな社会の実現を目指すため、革新的技術を他国の追随を許さない世界トップレベルの技術として位置づけ、「革新的技術推進費」の創設を要とした「革新的技術の戦略的推進」及び革新的技術のシーズを生み育てる研究資金供給と未知の分野に挑戦する人材の確保のための「新的技術を持続的に生み出す環境整備」の重要性をまとめた。

○ 環境エネルギー技術革新計画

 革新的技術戦略と同様に福田総理の施政方針演説を受け、1月の総合科学技術会議において早急な検討を促された「環境エネルギー技術革新計画」を取りまとめた。国際的な低炭素社会の実現により、エネルギー安全保障、環境と経済の両立及び開発途上国への貢献を目指すための計画として位置づけ、世界の多くの国々と考え方を共有し、我が国の優れた環境エネルギー技術により、世界の地球温暖化対策に貢献し、リーダーシップを発揮するために以下の方策をまとめた。

  • 我が国は世界に先駆けて環境エネルギー技術の開発と国際協力をリードし、その成果を積極的に世界に移転する
  • 環境エネルギー技術の移転は民間を主体とし、政府は側面支援をする
  • 民生部門の技術移転の有力な手段として環境モデル都市の国際連携を活用する

○ 知的財産戦略

 近年、オープン・イノベーションの考え方、環境技術に関する産業界と一体となった活用と貢献の方向性、技術情報流出問題の提起、iPS細胞研究の円滑な推進のための環境整備等、知的財産と密接に関連する科学技術開発を巡る動向が見られるところである。これらについての検討結果を踏まえ、知財フロンティアの開拓に向けて、わが国が取り組むべき知的財産に関する施策として、項目別に以下のものを提示した。

1 グローバル化に対応する知的財産戦略
  • 外国において戦略性をもって特許権を確保できるように、科学技術振興機構の海外特許出願支援を充実

など

2 先端技術分野に対する知的財産戦略
  • iPS細胞関連技術を含めた先端医療分野における適切な知的財産の保護のあり方について直ちに検討を開始し、結論を得る

など

3 産学官連携強化による知的財産戦略
  • 大学等における知的財産戦略などの産学官連携活動が持続的に展開されるよう大学等の主体的かつ特色ある取組を支援

など

4 大学等における知的財産戦略
  • 国立大学法人による出資に関して、大学発ベンチャーへの出資など出資対象範囲を拡大することについて検討

など

5 その他の知的財産戦略
  • 大学等における知的財産関係のカリキュラムの工夫、充実などにより知的財産人材を育成、確保
  • 研究開発型独立行政法人による研究開発型独立行政法人発ベンチャーへの出資を可能とすることについて検討

など

○ 科学技術による地域活性化戦略

 特色ある地域の取組み事例を取り上げ、成功要因を明らかにした上で、さらなる発展に向けて解決が必要な課題を抽出し、地域科学技術施策の現状と課題を整理した。また、地域科学技術施策に求められる基本的視点として、地域施策における地域主体性の重要性、国全体の成長戦略の観点から国の地域科学技術施策に期待される役割、などを取り上げた上で、地域科学技術施策が目指すべきビジョンとして、地域に存在するさまざまな科学技術拠点が、互いに競い合い、協調することによって形成される、強靭でダイナミックな「地域拠点のエコシステム」を提示した。このような基本的視点に立って、同ビジョンを実現するため、以下の具体的な戦略を取りまとめた。

戦略1

 地域主体の取組みを国が支援する、という立場に立った、多様性強化戦略及びそのための具体的施策

戦略2

 グローバル拠点を育成・強化するための戦略及びそのための追加的な施策の仕組み

○ 科学技術外交の強化に向けて

 我が国は、科学技術外交として、科学技術の更なる発展のために外交を活用するとともに、外交目的に科学技術を活用する取組を推進することはもちろん、今後は特に、科学技術と外交の連携を高度化し、相乗効果(シナジー)を発揮するよう重点的に取り組むべきである。このことに鑑み、

  • 我が国と相手国が相互に受益するシステムを構築する
  • 人類が抱える地球規模の課題の解決に向け、科学技術と外交の相乗効果を発揮させる
  • 科学技術外交を支える「人」づくりに取り組む
  • 国際的な存在感(プレゼンス)を強化する

という基本的方針を打ち出すと共に、科学技術外交の具体的かつ戦略的な推進のために、

  • 地球規模の課題解決に向けた開発途上国との科学技術協力の強化
  • 我が国の先端的な科学技術を活用した科学技術協力の強化
  • 科学技術外交を推進する基盤の強化

を掲げた上で、各府省が取組むべき具体の施策を取りまとめた。

平成20年6月19日

○ 平成21年度の科学技術に関する予算等の全体の姿と資源配分の方針(案)について

 5月の総合科学技術会議で決定した「革新的技術戦略」や「環境エネルギー技術革新計画」などを確実に実行に移す予算を作り上げていくための方針をまとめた。これまで実施していた個別の施策についての精査に加えて、内閣としての科学技術政策上の最重要課題に各省・各研究機関が重点化を図っていることを総合科学技術会議が検証するよう、資源配分の方式を転換することを基本的な考え方として示した上で、「革新的技術推進費」の創設とその機動的運用や府省の枠を超えた一体的な施策の推進などの取組を通じて基本的な考え方を徹底することとした。

2 専門調査会等の主な審議状況

○ 基本政策推進専門調査会(下記組織図参照)

 第3期科学技術基本計画の着実な推進を図るべく、「基本政策推進専門調査会(以下、基本専調)」を設置して調査審議を行っている。

  1. 地域科学技術施策については科学技術による地域活性化を図るため、地域の内発的・自立的な取組を促しつつ、各府省、地方公共団体、独立行政法人等が推進する地域科学技術施策全体を俯瞰しながら、地域のイノベーションの創出を強力に推進するための我が国としての総合的な戦略を策定するため、地域科学技術施策ワーキング・グループを設置し、科学技術による地域活性化戦略を取りまとめた。
  2. 京都大学山中教授がヒト人工多能性幹細胞(ヒトiPS細胞)の作製に成功し、早急な臨床応用が期待されている。日本発のこの技術を世界に先立って確立するためには十分なバックアップ体制の構築と研究の進捗状況を踏まえたルール作りが不可欠であることから、iPS細胞研究ワーキング・グループを設置し、7月、「iPS細胞研究の推進について(第一次とりまとめ)」を取りまとめた。
  3. 分野別推進戦略については、基本専調の下に分野別推進戦略総合PT、さらにその下に各分野PTが設置され、検討を行っている。

基本政策推進専門調査会

お問合せ先

科学技術・学術政策局政策課

(科学技術・学術政策局政策課)

-- 登録:平成21年以前 --