ここからサイトの主なメニューです

科学技術・学術審議会(第56回) 議事録

1.日時

平成29年1月30日(月曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省3階「第1講堂」

3.議題

  1. 各分科会等からの報告について
  2. 平成29年度予算案について
  3. 最近の科学技術・学術の動向について
  4. その他

4.出席者

委員

濵口会長、庄田会長代理、秋池委員、有信委員、安西委員、浦辺委員、大垣委員、小縣委員、春日委員、栗原委員、小長谷委員、佐藤委員、清水委員、高橋委員、長澤委員、福井委員、宮浦委員、結城委員、渡辺委員

文部科学省

水落文部科学副大臣、伊藤科学技術・学術政策局長、関研究振興局長、田中研究開発局長、川上科学技術・学術政策研究所長、山下大臣官房文教施設企画部長、真先大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、板倉大臣官房審議官(研究振興局担当)、板倉大臣官房審議官(研究開発局担当)、増子会計課長、塩見高等教育企画課長、藤井文教施設企画部計画課長、神代科学技術・学術総括官、伊藤科学技術・学術政策局企画官、ほか関係官

5.議事録

【濵口会長】  ただいまから、科学技術・学術審議会第56回総会を開催いたします。御多忙中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、水落文部科学副大臣に御出席を賜っております。それでは、まず、水落副大臣から、御挨拶を賜りたいと存じます。よろしくお願いいたします。

【水落副大臣】  文部科学副大臣の水落敏栄でございます。
 第56回科学技術・学術審議会総会の開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 まず、この場をお借りして、恐縮でございますが、このたび、文部科学省が内閣府再就職等監視委員会の調査を受けまして、再就職に関する国家公務員法違反行為があったという認定を受けましたことにつきまして、文部科学行政に対する信頼を著しく損ねたことに、心からおわびを申し上げたいと存じます。教育をつかさどる文部科学省の職員が、このような事態を招いたことにつきまして、省として猛省し、省全体を挙げて信頼の回復に努めていく所存でございます。
 教育、科学技術、文化、スポーツという文部科学省が所掌する分野は、いずれも国の重要分野であり、これらの課題に積極果敢に取り組んでいく所存でございますので、皆様方も御理解、御協力を、何とぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。
 さて、科学技術・学術は、新たな知を創出するものであるとともに、イノベーションによる社会経済の発展の源泉として大きな役割を果たし、国の将来的な成長、発展を支えるものであり、極めて重要であると認識しております。
 皆様御承知のように、昨年のノーベル生理学・医学賞に大隅良典先生が選ばれ、日本人による3年連続の受賞となりました。また、森田浩介先生らの研究グループが、欧米以外では初となる新元素の命名権を獲得し、ニホニウムと命名されました。これらは、我が国の高い科学技術・学術の水準を世界に示すとともに、国民にとって大きな誇りと励みになるものであると思います。
 大隅先生が指摘されておりますように、知の基盤である学術研究、基礎研究は極めて重要であり、一層強力に推進するとともに、オープンイノベーションを加速するため、人材、知識、資金の好循環システムの構築に向けて、産学官連携を抜本的に強化することが必要と考えています。
 文部科学省では、松野大臣の指示の下、基礎科学力の強化に関するタスクフォースや、オープンイノベーション共創会議を立ち上げており、今後省内で具体的な施策を取りまとめ、本審議会の御意見も伺いつつ、次年度の概算要求に反映していきたいと考えております。
 委員の皆様におかれましては、本日も忌たんのない御意見、御提言を賜りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、事務局に人事異動があったということですので、事務局から紹介をお願いいたします。

【伊藤企画官】  前回の総会以降、9月以降でございますけれども、事務局に人事異動がございましたので、御紹介申し上げます。
 本日は欠席させていただいてございますけれども、事務次官に就任いたしました戸谷でございます。
 次に、研究振興局長の関でございます。

【関研究振興局長】  関でございます。よろしくお願いいたします。

【伊藤企画官】  以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 続いて、配付資料の確認をお願いいたします。

【伊藤企画官】  配付資料一覧として1枚紙をお配りしてございます。資料1-1から始まりまして資料3-5-2まで、大部にわたって恐縮でございますけれども、御用意をさせていただいてございます。あとあわせて、参考資料1と2がございます。
 また、メインテーブルの先生方におかれましては、机上に緑の紙ファイルを配付させてございます。
 もし不備がございましたら、随時申し付けいただければと思います。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に入ります。本日の議題は、議事次第のとおりです。
 最初に、議題1「各分科会等からの報告について」をお願いします。
 まずそれぞれの説明を受けた後に、一括して質疑応答をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、まず各分科会等の審議状況について、事務局から説明をお願いします。

【伊藤企画官】  資料1-1を御覧いただきたいと思います。
 1枚おめくりいただきまして2枚目、横置きの表でございますが、前回の審議会以降の各分科会等の開催実績及び8期中に取りまとめた報告等について記載をさせていただいております。
 右側の欄ですけれども、下線部が付してあるものにつきましては、本日の総会の議題にさせていただいてございます。
 また、例えば、研究計画・評価分科会がございますけれども、平成29年2月、来月でございますが、研究開発計画について取りまとめを予定してございます。こういったものにつきましては、次回の総会で議題とさせていただきたいと考えております。
 以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 続きまして、資源調査分科会の宮浦分科会長から、「日本食品標準成分表の追補」について御報告を頂きます。よろしくお願いします。

【宮浦委員】  それでは、資料1-2-1と資料1-2-2を用いて、資源調査分科会から御報告をさせていただきます。
 日本食品標準成分表の追補2016年について、御報告いたします。
 日本食品標準成分表は、戦後、我が国の食料事情を把握する目的から、昭和25年に発表して以来、食品成分に関する唯一の公的データでございまして、学校や病院などの給食調理の場での栄養管理はもとより、教育、研究、行政での基礎資料として広く活用されております。
 昨年度、平成27年12月に改訂を行いまして、15年ぶりとなる収載食品の拡充等を行いました日本食品標準成分表2015年版七訂を策定いたしました。食品成分表は、最近では5年おきに改訂しておりまして、現在は、次の2020年の改訂に向けて、検討作業を行っております。
 一方、利用者の便宜を考えまして、食品の成分に関する情報を速やかに公開する観点から、次期改訂版公表までの毎年、各年にその時点で、食品成分表への収載を決定した食品につきましては、成分表2015年版七訂を追補する食品成分表として公表することといたしまして、今回初めて日本食品標準成分表2015年版七訂追補2016年を策定、公表いたしました。
 追補2016年のポイントについて、御説明いたします。
 最初のポイントは、収載食品の拡充であります。新しく45食品について分析を行いまして、食品成分表の収載食品数を増加させました。
 新しく追加した食品といたしましては、例えば、第1に日本人の伝統的な食文化を代表する食品といたしまして、しょうが及び大根のおろし、いかなごしょう油、いしる、しょっつるという魚しょう油及び松前漬け等であります。第2点といたしましては、健康志向を反映した食品としたキヌア、第3といたしましては、現在の食習慣の中で食べる機会が増えてまいりました食品といたしましてインディカ米やドライトマト等でございます。これらを収載いたしました。なお、今回の追加で、食品成分表全体といたしまして、これまでの食品数を合わせますと、合計2,222食品となりました。
 2つ目のポイントといたしましては、収載成分の充実でございます。50以上の主要な成分項目を収載した食品成分表のほかに、アミノ酸成分表、また脂肪酸成分表及び炭水化物成分表につきましても、収載食品をそれぞれ増加させております。
 3つ目のポイントといたしましては、成分項目の充実ということで、新たに成分項目として、ビタミンの一種でございますナイアシンの活性を示すナイアシン当量を追加いたしました。追補2016年は、先月、昨年12月13日に開催いたしました資源調査分科会で、食品成分委員会から追補2016年の内容について報告を受けまして、その報告について承諾し、同月22日に公表いたしました。
 来年度以降、同様に毎年追補として食品成分表を充実いたしまして、公開してまいる所存でございます。以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、学術分科会の佐藤分科会長から、「科研費改革」について御報告をお願いします。よろしくお願いいたします。

【佐藤委員】  佐藤でございます。
 学術分科会では、第8期の審議状況と次期に向けた検討課題について、まとめをしております。資料として、1-3-4として配付しております。
 第8期におきましては、特に科学研究費助成事業の抜本的な改革の検討が、大いに進んだと考えております。
 本日は、科研費改革について御報告をいたしたいと思います。科研費の改革につきましては、審査システムの見直しと、研究種目、枠組みの見直しに関する、2つの提言を取りまとめました。昨年の総会では、それぞれの中間まとめを御報告させていただきましたけれども、本日は時間の都合もありますので、資料1-3-1、横のカラーのものでございます、これに従って説明をさせていただきたいと思っております。
 まず、審査システムにつきましては、専門分野の過度の細分化、たこつぼ化でございますけれども、これを是正するなど、新たな学術の動向に適切に対応する観点から、審査区分の大くくり化、それから多角的な総合審査の導入を柱とする、審査システム改革2018を提言いたしました。
 審査区分の大くくり化につきましては、検討過程では、日本学術振興会と連携して審議を進め、審査区分表を決定いたしました。小区分の数は、従来の細目に比べ3割程度少ない306となっております。それを束ねる中区分は、65となっております。それをまた更に束ねる大区分は、11となっております。そういう意味で、相当の大くくり化を実現したと思っております。
 また、審査方式につきましては、比較的大規模の研究種目におきまして、合議審査を重視した総合審査を採用する一方、比較的小規模の研究種目では、2段階書面審査を採用することとしております。
 次に、研究種目、枠組みの見直しにつきましては、このカラーの資料の裏面にありますとおり、研究費部会として、科研費による挑戦的な研究に対する支援強化についての提言をまとめました。
 この提言は、学術の挑戦性を追求する観点から、科研費の各種の助成プログラムを、基盤研究種目群、学術変革研究種目群、若手研究種目群に整理し、相互の役割、機能分担を明確にしたものでございます。左側の山の絵でございますけれども、これが今申し上げたことを図示したものでございます。
 その上で、特に挑戦的萌芽研究、若手研究、特別推進研究の3つの研究種目の見直しについて、取りまとめを行いました。
 まず、現行の挑戦的萌芽研究を抜本的に見直して、平成29年度助成から、挑戦研究を新たに創設し、より中期的かつ大規模な支援を可能にすることを提言いたしました。新しい研究種目では、審査システムの本格的実施に先駆けて、大くくり化した審査区分で公募を行い、総合審査によって、アイデアの斬新性を重視して、採択課題を厳選することとしております。
 次に、若手研究につきましては、研究者としての成長、独立基盤の形成を支援するために、一層の充実を図ることとし、若手研究の応募要件について、従来の年齢による制限、従来は39歳以下となっておりましたけれども、これを博士学位取得後の年数制限8年未満に見直すこととしました。
 また、最終報告では、科研費若手支援プランをまとめ、関係する取組を総合的に進めていく方針としております。
 それから、最大種目であります特別推進研究につきましては、挑戦性を一層重視する観点から見直しを行い、次回の公募、つまり本年9月でございますけれども、これより受給回数制限を導入し、助成対象の新陳代謝を促進することといたしております。
 なお、応募、採択を巡る構造的課題や、新学術領域研究の在り方などの検討も必要であり、次期の学術分科会では、更に検討を進めたいと思っております。
 今般の科研費改革をきっかけといたしまして、学術全体の多様性、独創性が、一層豊かになることを期待しております。
 また、文部科学省におきましては、今回の提言を受けた、改訂された科研費改革の実施方針を作っておられますけれども、これに基づき、必要な予算の確保をはじめ、適切な行財政措置を講じるようにお願いしたいと思います。
 以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは続きまして、測地学分科会の清水分科会長代理から、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画の実施状況等のレビュー報告書」について御報告をお願いします。よろしくお願いいたします。

【清水委員】  それでは、測地学分科会から、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画の実施状況等についてのレビュー報告書」について説明をさせていただきます。
 お手元の資料の1-4-1が、レビュー報告書の概要になっておりますが、本日は、資料1-4-2のポンチ絵を用いて、説明をさせていただきます。
 現行の災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画は、平成25年11月の科学技術・学術審議会の総会で建議されまして、平成26年から5か年の観測研究計画が開始しております。本年は、5か年計画の一応3年目に当たりまして、観測研究の更なる進展と次期の計画の策定を視野に、総括的自己点検評価を行うことを目的に、レビュー報告書を作成いたしました。
 資料1-4-2のポンチ絵の1枚目が、建議の概要になっております。かなり細かいのでポイントだけ説明させていただきますが、この建議の概要の真ん中辺りから下の部分の大きな枠に囲まれているところが、現行の計画になっております。従来は、理学分野を中心とする、地震火山現象の解明と予測を研究課題としておりましたが、今期からは、この資料の右側に赤い枠で書いてございますが、地震・火山噴火の災害誘因予測のための研究という課題に、新たに組織的に取り組むことになってございます。
 このために、従来は、先ほど申し上げましたように理学が中心だったのですが、理学のほかに、工学、人文社会科学分野等とも連携し、相互的かつ学際的研究として推進し、例えば、東北地方太平洋沖地震、南海トラフの巨大地震、首都直下型地震、桜島火山に関しましては、現象の解明、それから地震火山噴火の予測、災害誘因の予測のための研究を推進するための体制の整備も含めて、横断的に実施することにしてございます。
 2枚目、御覧ください。2枚目のポンチ絵は、実施体制になってございます。今申し上げましたように、新たに災害誘因にも取り組むということで、新規に参加機関が増えてございます。2ページ目の、この体制の右側の枠の中に赤い字で書いてありますのが、新たな組織で、まず東大地震研究所と京都大学防災研究所の拠点間連携、拠点間の共同研究というのを新たに設けました。
 さらに、東大の地震研究所が事務局となっております地震・火山噴火予知研究協議会、これがこのプログラムを推進する参加機関が集まっている協議会ですが、この中に赤い字で書いてある機関が新たに加わるということで、例えば、東京大学の史料編纂所とか、新潟大学災害・復興科学研究所、あるいは国立文化財機構奈良文化財研究所等、今まで入っていなかった人文社会分野の機関、先生方にも入っていただいて、災害の研究を行うことになってございます。
 更に1枚めくっていただいて、3枚目は、現行計画で、組織的に取り組む災害誘因について、その災害誘因と災害素因について示した資料でございます。地震や火山噴火による災害は、地震や火山噴火を引き起こす地震動とか、津波とか火山灰、溶岩の噴出など外力、これを災害誘因と申しますが、その外力が、人の暮らす社会や自然環境の脆弱性、これは災害素因と申しますが、に作用することによって生じます。従いまして、地震・火山災害を軽減するためには、災害を予測して、それらに備えることが基本ですので、災害誘因の予測に基づき、災害の軽減に貢献することを、本計画の最終的な目標と位置付けて研究をしております。
 4枚目の資料を御覧いただきたいのですが、4枚目は、現行計画の特徴としまして、災害科学の発展への貢献、それから、社会の影響の甚大さ等を考慮して、重要な課題について、4つ取り上げて、これについて総合研究グループを組織しまして、分野横断型の研究をしております。
 この図にありますように、東北地方太平洋沖地震、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、桜島火山噴火は、いずれも、一たび発生した場合には非常に大きな災害をもたらしますが、これらを対象にして、分野横断で取り組むということでございます。
 更にめくっていただきまして、5ページ目です。これは、先ほど申し上げました、地震・火山噴火の災害誘因予測のための研究を推進するために、従来の地震火山科学研究のコミュニティである東大地震研究所に加えまして、防災研究コミュニティである京都大学防災研究所が拠点間連携をするということでございまして、この絵の左側にあるとおり、地震火山研究と防災研究を連携する。具体的には、この図の左側にありますが、課題募集型共同研究と参加者募集型共同研究を実施しております。
 特に、この下の参加者募集型は、テーマを特定しておりまして、それが右側にありますが、南海トラフ巨大地震のリスク評価研究。これは非常に重要な問題ということで、これにつきましては、こういう大きな課題を設けまして、それぞれについて参加者を募集しまして、総合的な研究を推進してございます。
 それから、更にめくっていただきまして、6ページ目、7ページ目です。これは、6ページ目が熊本地震、7ページ目が御嶽山の噴火についての資料ですが、これは、今現在進行している計画の中での、これまでの主な成果の中から2つだけピックアップしてきたものでございます。
 熊本地震については、干渉SARあるいはGNSSの観測によって、非常に詳細な地殻変動が得られまして、地下の断層モデル、震源断層モデルが推定されました。これによって、この現象については非常に解明が進んだわけでございます。今後は、未破壊の区間、これは布田川・日奈久断層帯の一部が動いたわけですが、現在まだ動かない部分はございますので、未破壊の区間の将来の活動に関する災害誘因の予測の研究等について、発展させていくことが課題になっております。
 また、7枚目の御嶽山の噴火です。これも皆さん御承知のように、大変大きな災害になりましたが、噴火自体は規模の小さな水蒸気噴火でございました。ですが、噴火の1か月前から地震活動が活発化し、10分前からは震源が浅くなるとともに、急激な山体膨張が観測されたということで、今後、迅速かつ正確に起こっている現象を理解して、噴火の切迫性評価につなげていくことが課題と、今現在研究を進めている次第です。
 まとめますと、地震学、火山学の成果を災害低減につなげるための新たな取組が、関係研究分野の連携の下に進められておりまして、課題はありますが着実に進展しておりまして、従来の地震・火山噴火の予知を目的とした観測研究計画からの方針の転換は適切であったと自己評価してございます。以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは、続きましては、技術士分科会の小縣分科会長から、「今後の技術士制度の在り方について」御報告をお願いします。

【小縣委員】  小縣でございます。
 技術士分科会では、今期約2年にわたりまして、技術者の国家資格である技術士制度の在り方について議論を行ってまいりました。
 その結果を、昨年28年12月末に資料1-5-2にあります「今後の技術士制度の在り方について」として取りまとめたところでございます。大変大部なものになっておりますので、本日は、資料1-5-1に基づきまして御説明したいと思います。なお、英語の略語等が出てきますが、資料1-5-2の2ページから3ページの辺りに、それぞれ略語の元となる概念等が書いてありますので、御参照いただければと思います。
 それでは、まず資料1-5-1の「1.現状認識」です。既に御存じの方も多いと思いますが、昭和32年に技術士法が制定されまして、それから現在まで60年近くが経過してございます。途中、昭和58年と平成12年に、同法の大幅改正がございました。
 この60年の中で、国内経済・産業社会の中でも、技術士制度は相応の役割を果たしてきたと思いますけれども、昨今特にスピードを大変早めております産業構造の変化でありますとか、経済構造、社会ニーズ、それから国際的な環境などといった大きな変化が起きておりますので、それに応じて技術士制度がどうあるべきか、その目指すべき方向性が改めて問われているということでありまして、それに基づきまして今回議論をしたということでございます。
 「2.基本的な考え方」に、3つ書いてございます。この中で、我々の共通認識といたしましては、まず1番目の大変革時代であるということでございます。科学技術イノベーション推進の必要性が極めて増大しております。こういった変化、大変スピードの速い大きな変化に対応した高い専門性と倫理観を有する技術者の育成・確保のため、技術士制度の活用の促進が必要であるという考え方でございます。
 2番目は、技術者のキャリア形成過程で、専門的学識と実務経験を有し、複合的な問題を解決できる技術者になるために、技術士資格の取得を通じた資質向上が重要、という認識でございます。
 それから3番目ですが、海外で活躍する技術者、ここではグローバルエンジニアと呼んでおりますけれども、その増加によりまして、国際エンジニアリング連合、IEAの枠組みを踏まえた技術士資格の国際的通用性の確保が非常に重要だということでございます。
 こうした基本的な考え方の下、「具体的な改善方策」を今回議論・検討し、定めたところでございます。
 「(1)技術者のキャリア形成過程における技術士資格の位置付け」ですが、時間的なこともありまして一つ一つは申し上げられませんけれども、ステージ5まで書いておりますが、このような形で例示をいたしました。
 それから、「(2)技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」です。これは、平成26年3月に決定しております技術士に求められる資質能力、コンピテンシーを念頭において、試験実施方法の在り方を中心に議論したということでございます。その元となります資質能力、コンピテンシーの考え方について書いてございます。
 「(3)一次試験」以降は、今回特に議論いたしました具体的な試験の実施方法などについてであります。第1次試験につきましては、IEAの卒業生として身に付けるべき知識・能力、ここではGAと書いておりますが、定義等は先ほど申し上げました本文の2ページ等に書いております通り、日本技術者教育認定機構、JABEEにおける認定基準等を参考にしながら、第1次試験の在り方について見直すことにいたしました。
 特に、第1次試験の専門科目につきましては、GAに定義されていますエンジニアリングに関する知識を踏まえまして、大学のエンジニアリング課程の基礎的な専門知識を問う内容といたします。また、専門科目を共通化して5つ程度のグループごとに行うことが望ましく、「系」の在り方等については、検討した考え方を踏まえ、想定される受験者層や実際の試験実施方法等を勘案して、更に検討を進めることにいたしました。各科目の出題内容につきましては、第2次試験の在り方との相違を念頭に置きながら、更なる検討が必要であると考えております。
 「(4)実務経験」につきましては、ここに示したとおりでございます。
 それから、「(5)第2次試験」につきましては、技術士資格の国際的通用性を確保する観点から、IEAのPCを踏まえて策定されました技術士に求められる資質能力、コンピテンシーを念頭に置きながら、第2次試験の在り方を見直すことが適当ということでございます。
 次に裏面になりまして、最初に「1)受験申込み時」と書いてありますが、これは業務経歴表を提出させるということでございます。
 「2)筆記試験」、これは技術部門でありまして総合技術監理部門は除きますが、必須科目につきましては試験の目的を考慮して、現行の択一式を変更して記述式とするということでございます。これにより、技術部門全般にわたりまして、専門知識、応用能力及び問題解決能力・課題遂行能力を問うものといたしました。また、選択科目につきましては、従来どおり記述式の出題といたしますが、選択科目に関わる専門知識、応用能力及び問題解決能力・課題遂行能力を問うものとするということにいたしました。ただし、必須科目の見直しに伴いまして、受講生の負担が過度となりませんように、選択科目の試験方法を一部変更するということでございます。
 「3)口頭試験」につきましては、時間の関係もございますので、お読みいただければと思います。
 「(6)技術部門・選択科目」ですが、前回平成16年度の選択科目の見直しから、10年以上は経過いたしております。そういった中、当然経済社会の変化も大きいということで、産業の動向、社会的な要請、ニーズを考慮するとともに、技術士に求められる資質能力、コンピテンシーを踏まえまして、複合的なエンジニア問題を技術的に解決できる能力を念頭に置きながら、検討を行いました。
 選択科目は、細分化することを避けまして、技術部門の中核的な技術、専門的知識に基づく大くくりな構成とすることを目指しまして、見直しを行いました。その結果、69科目の構成といたしました。
 それから、「(7)総合技術監理部門」につきましては、更に検討を深める必要があるという結論でございます。
 次に、「(8)継続研さん」です。技術が高度化・統合化し、急速に進化する中で、資格取得後も継続研さんを通じて、知識及び技術の水準を向上させ、その資質向上を図ることが重要と考えております。従いまして、3つ目の赤い字の部分ですが、そういった様々な観点の中で、技術士資格においても一定の年数ごとに更新を行う制度を導入することを検討することが望ましいということでございます、なお、検討の際には、更新の方法や条件、実施体制の在り方等の課題を考慮して行う必要があると考えております。
 「(9)普及拡大・活用促進」につきましても極めて重要な課題で、技術士の各技術部門に関連する公的機関に対して、技術士資格を活用することを働き掛けるとともに、そのような機関との連携を強めることが重要と考えております。また、企業等におきましても、社員に対して、技術士の資格の取得を奨励することで、社内の人材育成・活用の手段とすることが可能であると考えます。従いまして、1次試験につきましても、技術系新入社員の能力確認の方策や研修の一部等として広く活用することが考えられます。
 国際的通用性についても、極めて重要な課題ということであります。我が国の技術者が、国際的にその資質能力を適切に評価され活躍することができるように、技術士資格の国際的通用性を維持することが重要と考えております。
 また、他の国家資格の相互活用も大変重要だと考えておりまして、今回、情報処理技術者試験、中小企業診断士試験につきましては、その相互活用ということで、それぞれの2つの試験合格者等に対して、情報工学・経営工学部門第1次試験専門科目を免除するということを結論といたしました。今後、この2資格の相互活用の実施状況、課題等を踏まえた上で、更に相互活用の可能性について検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは続きまして、人材委員会の宮浦主査から、「博士人材の多様な場での活躍促進に向けて」の御報告をお願いいたします。

【宮浦委員】  それでは、人材委員会から御報告させていただきます。
 資料は1-6-1と1-6-2でございます。1-6-1が全体の概要、1-6-2が冊子でございますので、概要の1-6-1を用いて御説明させていただきます。
 人材委員会として今回取りまとめました「博士人材の社会の多様な場での活躍推進に向けて」でございます。先般の検討の整理におきまして、博士人材や社会のメッセージといたしまして、イノベーション創出に向けて、「〝共創″と〝共育″によって「知のプロフェッショナル」のキャリアパス拡大」という副タイトルを付けさせていただいております。
 「はじめに」でございます。今日の国際動向におきまして、イノベーション創出の重要な土壌の1つとして、多様性が挙げられます。高度な専門知識に加えまして、既存の知識に捉われない柔軟な思考や発想を持つ博士人材、すなわち知のプロフェッショナルが、様々な場合におきまして、その能力を十分に発揮できる多様性を育む社会環境の構築を目指すべきであるということが、根本でございます。
 人材委員会におきましては、このような環境整備に向けまして、博士人材の活躍する場に着目を当てて、議論し、検討状況を整理いたしました。
 検討の整理では、まず博士人材が、社会の多様な場での活躍推進に向けた現状と課題を整理いたしまして、その上で、今後の取組の方向性を考えてまいりました。
 また、博士人材の活躍推進に向けた議論におきましては、今期で収束するものではございませんので、引き続き検討すべきであることも提案して提示しております。
 それでは、まず2「博士人材の社会の多様な場での活躍促進に向けた現状と課題」につきまして、括弧1から括弧4の4つの論点について整理をさせていただいております。
 具体的には、括弧1、博士号の取得者についてでございますけれども、そのキャリアパスの状況が、分野や学生種別によって大きく異なることを把握しております。また、大学等におきます従前の取組の結果、アカデミア以外の場で活躍する博士人材が非常に増えていることも、事実として把握しております。また、一方で、若手研究者は、アカデミア、大学等での研究志向が非常に強いことも把握してございます。
 括弧2「大学や公的研究機関における状況」でございます。若手教員の安定した研究環境の整備の確保が、非常に課題であり、これは、よく問題となります。若手教員の多くが任期付き教員、ポスドク等として雇用されており、安定的な研究環境の確保が大きな課題となってございます。
 括弧3「産業界(特に民間企業)における状況」についてでございます。博士人材における意識が、かなり変化が見られること、確実に変化していることが挙げられます。
 また、括弧4でございます。社会一般における状況においては、博士人材の活躍の場が、大学等や民間企業以外、各種様々な機関に拡大していることも、論点として挙げられるところでございます。
 めくっていただきまして、3「今後の取組の方向性」でございます。博士人材、すなわち知のプロフェッショナルのキャリアパスの拡大ということを、そのメッセージを広く発信して、博士人材の魅力や有用性につきまして、社会全般の意識を一層醸成していくために、当面の取り組むべき課題の方向性を整理しております。その方向性につきましては、括弧1から括弧3について整理させていただきました。
 「当面取り組むべき方策の方向性」、括弧1「博士人材や大学、民間企業等の関係者の意識改革」でございます。例えば、国、大学、公的機関、民間企業による情報収集やキャリアパスの見える化が重要でございまして、主に情報や状況の収集、把握、見える化の一層の推進が重要であると考えられます。
 具体的には、データベースの活用やJREC-INの活用等につきましては、そこの資料に赤字で記載させていただいております。
 括弧2「産学官を超えた新たな人事・人材育成システムの構築」でございます。これにつきましては、卓越研究員事業の改善ですとか、大学におけるキャリアパス開発、様々な取組、主に支援制度や組織的な支援の推進や体制の強化が必要であると考えております。
 括弧3「分野、組織、セクター等の壁を越えた人材の流動性の促進」でございます。これにつきましては、今後、クロスアポイントメント制度の促進や、次の世代の博士人材による専攻分野や近い分野、あるいは融合する分野への新たな研究への挑戦促進などを提示させていただきました。
 それらの上で「引き続き検討すべき主な事項」といたしまして、ページの下に整理させていただいております。URAなどの「職」、あるいは女性や外国人を含めた「人材」の多様性を視野に入れた方策が重要であります。また、流動性の促進に向けまして、シニアを含めた研究者全体を念頭に置いた方策が重要であろうと考えられます。また、各機関における自主的な取組の一層の推進に向けた、これまでの成果を普及、拡大、拡張させる方策が重要であると検討事項を掲げてございます。
 今後は、第5期科学技術基本計画に挙げられました方針や目標値の達成に向けまして、各機関が取り組んでおります様々な取組や更なる検討を促進することを期待するとともに、引き続き具体的な方策を検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、海洋開発分科会の浦辺分科会長から、「海洋科学技術に関わる研究開発計画について」、御報告をお願いいたします。

【浦辺委員】  海洋科学技術に関わる研究開発計画、資料1‐7‐2にございますが、本日は時間の関係で、資料1-7-1で説明させていただきます。
 まず1枚目ですけれども、基本的な考え方を書いております。「はじめに」に引き続きまして、2「我が国における海洋科学技術を取り巻く政策状況」で、海洋基本計画、第5期科学技術基本計画、それから次の2ページ目に行っていただきますと、国際的には持続可能な開発目標SDGsであるとか、G7伊勢志摩サミット首脳宣言といった様々な要素を踏まえまして、5に書いてありますように、海洋の持続可能な開発及び管理、ガバナンスの実現、それから、海洋科学技術分野におけるイノベーションの創出を目指したものでございます。
 3ページに行っていただきますと、「重点的に推進すべき海洋科学技術分野」として、産業競争力の強化や経済・社会課題への対応、それから、大きな価値を生み出す国家戦略上重要な科学技術と位置付けられるというもの、そういう位置付けで、3ページの下に書いてあります「重点的に推進すべき海洋科学技術の各分野」として、5つの分野を選びました。以下、それぞれ説明していきたいと思います。
 4ページです。重点的に推進すべき科学技術分野の構造、構成はどうなっているかと言いますと、「大目標」は、科学技術基本計画で書かれている目標が書かれています。その下の「中目標」は、文科省として取り組むべきもの。その下の「アウトカム指標」は、大目標達成に向けて、どのような貢献ができたのかを測る指標。それから、「アウトプット指標」は、もう少し小さくて、重点的に推進すべき研究開発の課題の進捗状況を測るものとしての指標という、これは文科省のやり方でそう書いております。
 具体的に、そういう構成の下で、例えば、1「極域及び海洋の総合的な理解とガバナンスの強化」の1は2つの項目があって、1の1「海洋及び海洋資源の管理・保全と持続的利用」、それから、1の2「地球規模の気候変動への対応」となっています。
 次の5ページにいっていただきますと、細かくは説明しませんが、2「海洋資源の開発・利用」、これは鉱物資源、生物資源でございます。それから、3「海洋由来の自然災害への防災・減災」が書いてございます。
 6ページに移っていただきますと、4「基盤的技術の開発と未来の産業創造」で、これは、例えば、右側に書いてあります、海洋のビッグデータの整備・活用であるとか、真ん中の右側に書いてあります、Society5.0の実現に向けた経済社会・海洋科学技術のイノベーションということ。それから、5「海洋科学技術を支える基礎的研究の推進」の重要性、そういうことを強調しております。
 最後、7ページですけれども、これを留意すべき推進方策としましては、例えば、1「人材育成」、3「オープンイノベーションの推進」といったことを重点的にまとめております。
 以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、総合政策特別委員会における「第5期科学技術基本計画の実施状況のフォローアップ等に関する審議のとりまとめ」について、主査であります私から報告をさせていただきます。
 資料1-8を御覧ください。「検討の経緯」が一番上に書いてございます。左枠のとおり、一昨年、「我が国の中長期を展望した科学技術イノベーション政策について」を取りまとめ、政策のPDCAサイクルの確立の重要性等を指摘した経緯がございます。
 また、本年度から開始の基本計画は、計画の方向性、重点等を定めた事項の進捗状況を把握するための指標を定め、そのフォローアップ等を行うことが決まっております。
 これに基づきまして、科学技術イノベーション政策の中心を担う文科省は、基本計画が着実に進捗していることを確認するとともに、常に周辺環境の変化を的確に捉え、有効な施策立案を行うことが求められる。こういうことが経緯としてございます。
 この経緯に基づいて、本委員会としては、PDCAサイクルを確立する取組を、進捗状況の把握、分析とともに行うことで、文科省全体での検討を俯瞰した観点から、課題を抽出し、委員会や文科省として注力、検討・取り組むべき重点事項について検討を行い、今後の方向性について整理しております。
 その重点事項に関する今後の方向性でございますが、4点ございます。1点目は、第5期科学技術基本計画の着実なフォローアップと効果的・効率的な指標、データの活用方策でございます。指標に基づきまして、周辺環境の変化を的確に捉え、計画の進捗状況を確認の上、有効な施策立案を行うということが、まず述べられております。それから、2点目として、俯瞰マップごとに適切な指標の設定を行うとともに、改善充実を行う。3点目として、定期的に俯瞰マップ及び指標の状況を確認すること。それから、4点目として、指標の変化を踏まえた具体的な施策への反映状況を明らかにする。この4点が、まず重要な点として述べられております。
 括弧2「科学技術イノベーションへの投資効果の検証と発信」がございます。研究開発投資について、効果を検証し、広く発信することで、国民の理解を得ること。2点目としては、ハイリスク・ハイインパクトな研究開発等、効果測定が困難なものに対する測定や評価の在り方について、特に議論を行うこと。3点目は、長期的な経済社会の見直しなどを踏まえた、研究開発投資の確保の多様性についても検討を行うことが述べられています。
 括弧3「超スマート社会(Society5.0)の実現に向けた取組・推進体制の在り方」でございます。必要なビジョンを定めスピード感を持って技術開発や取組を実施していくこと。2点目として、世界に先取りして実施すべき課題や研究領域を見いだし、我が国として先導していくことを期待したいこと。3点目として、「第4次産業革命に向けた人材育成総合イニシアチブ」を踏まえた具体的な施策を着実に推進すること。4点目としては、研究開発と社会システム改革を一体的に行う視点が重要であることが述べられております。
 括弧4「オープンサイエンスの推進に関する取組の在り方」が重視されております。1点目としては、競争的研究費プログラムにおいて、データ管理計画の導入等を行うことが述べられております。2点目として、データプラットフォーム拠点構築、それからアカデミッククラウドの構築を行うことが述べられています。
 この総合政策特別委員会は、基本計画に書かれた理念が絵に描いた餅とならないよう、引き続きその進捗状況を把握していくことと、第6期計画を見据えて、新たな課題については、遅きに失することのないようにスピード感を持った検討を行っていくことが考えられています。
 特に重点として、2つ、一番下の段に書いてあります。1つは、大変革時代を乗り越えるとともに、我が国及び国民の安全・安心の確保と豊かな生活の実現、世界の発展に貢献していくことを期待したい。2点目としては、持続可能な開発目標、SDGsなど、国際的関心に対しても、我が国の科学技術イノベーションの貢献についてアセスメントを進め、積極的に発信することで、国際社会における存在感を発揮することを期待している。
 以上が、今期の審議の取りまとめでございます。
 それでは、少しお時間を頂きまして、各分科会からの報告について、何か御質問等ございましたら、御意見を賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。大変多岐にわたってはおりますが、お話された先生方でも、言い残したことがあれば、御指摘いただければと思います。
 国際的な政治状況等、大変革時代に来ております。実感として、この大変革時代というのがリアルに捉えられる時代になっておりますが、この中でどういう柱を置いていくのか。発表の内容と直接関わらなくても結構です。何か御意見はありますか。
 春日先生、御意見はございますか。

【春日委員】   2点考えておりました。
 1点目は、正に今、先生がおっしゃったように、国際状況の変化、特に政治がどういうふうに科学に関わってくるかで、非常に切実な状況に置かれている分野がございます。正に、もう昨日の日曜日ですけれども、持続可能な開発に関する分野の人たちとメールをやり取りしていまして、科学者が良心に基づいて、しかし毅然とした対応を国際協力の下にしていく、本当にそういうことが切実に求められている時期に来ていることを確認しました。科学者の本分を踏まえつつも、はっきりしたメッセージを、いろいろな学術的な場で手を携えて出していくことが必要だと確認しているところです。日本の科学技術の在り方におきましても、そういうことを踏まえた取組も必要になってくると思います。
 もう1つ、人材育成について、1つ御質問したいと思っておりました。資料1-6-1で、非常に的確にまとめていただいている図の中で、若手の研究者がアカデミアを志向する。それに対して、社会では多様な人材、特に博士課程を出た博士号を持つ人材に、多様な場で期待がある。そうしますと、求める側と出る側とで、意識にギャップがあるように受け止めました。
 もしもそれが事実であるとすれば、そのギャップを生む原因は、どのように分析されているか、また、それを克服する方策として、どのようなことが議論されているか、教えていただければと思います。

【濵口会長】  宮浦先生、お願いたします。

【宮浦委員】  ありがとうございます。
 今御指摘の点、特に若手のアカデミア志向が強いという部分と、博士後期課程の学生の進学数自体が減っているという全国的な流れがありますので、優秀な学生が博士を取って、アカデミアのみならず、アカデミアを否定するわけではございませんけれども、これまでアカデミアに偏っていた活躍の場を、産学官その他国際的な機関も含めて、広くしていくことの重要性を、まず重要な視点としておいております。
 特に民間企業におきまして、博士の活躍は、我が国の場合は、まず数が限られております。それは、欧米に比べまして水準の低い例でございますし、民間企業等における博士人材の活躍が、1つ非常に重要な部分でありますし、アカデミアでもURA等を含めました様々な専門知識を生かした博士人材を、より幅広い活躍の場で生かしていく必要があることを非常に重視しております。
 また、多様性と申しますのは、年齢的な若手からシニアまで、あるいは男性、女性、外国人も含めた多様性を意識した人材育成、イノベーションを創出するのは人であることから、人材育成からしっかりやらないと、様々な場で進展が難しいという基本に立ち返ってやっております。
 また、具体的な方策につきましては、博士のデータベースですが、JREC-INの企業の情報を入れるとか、直ちにできる方策についてはやりますし、また情報開示等につきましても、今までの様々な事業の取組を、情報を共有して拡大をすることの重要性を、先般の人材系のシンポジウムでも、全国で周知したところでございます。
 また、卓越研究員事業等では、希望のポストも多く出しておいていただいておりますので、産学官を含めた多様な人材養成を行ってまいりたいと、そういう方向がございます。
 よろしいでしょうか。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 ほか、御意見ございますか。はい、有信委員、お願いいたします。

【有信委員】  今の博士人材の有効活用の点に関しては、教育プログラムの中でも様々なことがトライされていて、私も、中教審の大学院部会で、リーディングプログラム等を進めてきたのですが、実際には、毎年博士課程に進学する人数は、1万5,000人程度と言われています。そのうちの4割が社会人で、修士課程から直接進学するのは7000人程度です。かつて、ポスドク1万人計画が提唱されたことがありますけれども、現状で言うと、博士課程の修了生のほとんど全員がポスドクになる勘定になるわけです。
 これは、結局、何となく抽象的な次元で議論をしているとよく分からないのだけれども、考えてみると、数的に言えばせいぜい1万人程度。しかも非常に高度の知識と訓練を受けた人たち、これをどう活用するかは、深刻な話として議論するとますます深刻になってしまうので、むしろ1万人の高度な教育訓練を受けた人たちをどう活用するかという観点で具体的に議論を進める必要があるのではないかと考えています。
 それとも多少関連するのですが、技術士制度の話をさっき説明していただきましたけれども、IEA、国際エンジニアリング連合と言うのですか、技術者教育の認定団体と技術士の国際的な組織で、少なくとも工学教育の中で工学教育を修了した人たちが身に付けているべきコンピテンシーとして、Graduate Attributesが一応設定されたと聞いています。
 したがって、ここの部分は、技術士資格と教育とが極めて密接に結び付いているということでありまして、しかも教育の内容が、国際的な標準として、コンピテンシーとして定義をされているということなので、単純にそれぞれ独自に工学教育をやっていればいいというものではないのですね。
 そういう波及効果もあるので、これをさっきの博士課程につながっていく一連の流れの中で、国際的な標準を頭に入れて、博士課程の修了生についても、多分学位の国際的な通用性という問題、少し次元が変わりますけれども、そういうことを考慮しつつ議論をしていく必要がある気がするので、教育政策ともう少し密に連動してやっていく必要がある気がします。

【濵口会長】  宮浦委員、お願いします。

【宮浦委員】  ただいま御意見いただきまして、ありがとうございます。
 人材委員会で様々な議論をしてございますが、博士人材につきましては、特にポスドクの方々が優秀な研究者として、各種授業、イノベーション創出を支えているのは、確固たる事実でございまして、特にアカデミアでの活躍は目を見張るものがあり、そこの重要性は、よく存じております。
 その上で1つ問題になっておりますのが、ポスドクの数に比べて、アカデミアの教員、常勤教員のポストは、圧倒的に足りないと言いますか、ポストは増えておりません。そこに全部入るということは、まず数として不可能であることから、ある程度アカデミアで活躍した方が、国際社会で、あるいは民間で幅広く活躍する場を広げていく。そういうポジティブな方向で、非常に困っているというネガティブな方向ではなく、かつポスドクの方が、学術研究を経た知識、経験を得て、また様々な活躍の場に羽ばたいていただきたいという意味で議論をしてございます。

【有信委員】  いや、それは、よく理解しているつもりです。
 文脈上で、国内のことだけを考えるのでなく、インターナショナルに考えると、さっき言ったGraduate Attributesの話もありますけれども、世界的に言うと、教育内容の標準化だとか学位の共通性だとかという議論が具体的に進んでいますので、そういうことも一応考慮に入れていただければという意味で申し上げました。

【宮浦委員】  ありがとうございました。

【濵口会長】  栗原委員、お願いします。

【栗原委員】  すみません、大変革時代ということは、私も人材育成のところで発言したいと思っておりました。
 それで、今の春日先生の御質問にも関係すると思うのですけれども、分野によって、アカデミアに残ることを主要なパスと考えている分野や、社会に出ることが主要なパスと考えている分野があって、そういうところで多少ミスマッチがあると思います。
 具体的に言うと、例えば理学研究科では、アカデミアが割と主要なパスでしょうし、工学研究科では、むしろ残ってほしいのに企業に就職してしまう人も、逆にたくさんいる状況があると思います。
 そういうところの意識改革が必要だと思っておりまして、具体的には、多少工学研究科的なプロジェクト等の博士研究員を、理学研究科の卒業生の方に来ていただくということを、少し積極的にすることで、視点が非常に広がるとか、そういうマネジメントのきめ細かさが有効ではないかと思っています。
 そういう意味では、URAの方々も非常に大事だと思いますので、是非そういう方々の安定した雇用を考えていただければということをお願いしたいと思います。
 それから、もう1つ、社会人ドクターの方が、いろいろなプロジェクトで、企業からの出向の方とかもいらっしゃると思うので、是非大学の教育というアクティビティを、社会にどこまで活用していただけるかということで、再教育も非常に大事な視点だと思いますので、そういう部分も人材育成の中でうまく取り入れて、いい人材がより大学から巣立っていけるように、いいシステムができるようにと願って、私たちもやりたいと思っています。

【濵口会長】  宮浦委員、簡潔にお願いします。

【宮浦委員】  ただいまの点につきまして、御指摘ありがとうございます。
 分野による違い、状況の違いについては、かなりデータを把握しておりますので、先生がおっしゃるとおり、理学系分野では比較的アカデミア志向、工学系では早目早目に企業に売れていって、むしろ残ってほしいという、社会人ドクターの数も非常に多いということで、分野ごとに考えていくべきだと、今議論してございます。一くくりにはできないということですね。
 さらに、社会人ドクターの方、あるいは、そういう産業界と密接に、既に連携している博士人材につきましては、クロスアポイントメントを含めまして、今後、セクター間の壁を越えた活躍の、1つのトリガーになると考えておりますので、そういう意味でもうまく活用しつつ、博士人材全般に及ぼす方策につながっていけばいいかと思っております。
 以上です。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 人材育成に関しては、議論が尽きないと思いますが、後半でもう一度しっかり御議論いただくことにして、大分時間も押しておりますので、議題2を先に進めさせていただきたいと思います。
 議題2でありますが、「平成29年度予算(案)」についてでございます。本件についても、事務局から説明を受けた後に、一括して質疑応答したいと思います。それでは、科学技術・学術関係について、事務局から説明をお願いいたします。

【神代科学技術・学術総括官】  科学技術・学術総括官神代です。
 資料2-1が、平成29年度文部科学関係予算案の全体のポイントの資料となっております。それから、資料2-2が科学技術・学術政策に関する予算案のより詳しい資料となっております。私からは、科学技術・学術政策に関する予算案のポイントについて、この2-1を使ってお話をさせていただきたいと思います。
 まず文部科学関係予算全体でございますけれども、1ページ一番上にありますように、教育再生、スポーツ、文化、科学技術イノベーション関連政策、これを未来への先行投資と位置付け、一億総活躍社会の実現に向けて、これらの政策を強力に推進するということで、全体の額としては5兆3,097億円を計上してございます。
 科学技術関係については、ページが飛んで恐縮ですが、13ページからになっております。
 まず、科学技術予算全体でありますが、対前年度で1億円増の9,621億円を計上しているところであります。この中身のポイントでありますけれども、まず13ページの下の段になりますが、「未来を切り拓くイノベーション創出に向けた重点的な取組」という括りがございます。この中で、1つは「新たなイノベーションの鍵となる先端基盤技術の強化」ですけれども、革新的な人工知能技術の研究開発、あるいはデータプラットフォームの整備で、41億円増の95億円を計上しております。
 それから、2つ目ですが、ハイリスク・ハイインパクトな研究開発を、民間投資を呼び込みながら、将来の事業化まで見据えた技術の研究開発ということで、新規で30億円の計上をしてございます。
 それから、本格的な産学官連携あるいは地域イノベーションの創出につきましては、地域において絶え間なくイノベーションを創出する取組、あるいは大型の共同研究の促進といった取組のために、22億円増の35億円を計上しています。
 続きまして、14ページに入ります。「国家的・社会的重要課題への対応」です。まず、地震・防災分野の研究開発ですが、防災ビッグデータの整備や、活断層調査の評価手法の改良等で、110億円を計上しております。
 それから、エネルギー関連につきましては、ITER計画等の推進で225億円。次世代半導体の研究開発で13億円を計上しています。
 それから、次に「イノベーションの源泉としての研究基盤の強化」でございます。科研費につきましては、11億円増の2,284億円。それから、新技術のシーズを創出するための戦略的創造研究推進事業として、458億円を計上しております。
 また、3つ目の丸ですが、大型研究施設の関係で、ポスト「京」につきましては67億円を計上してございます。
 それから、先ほども話題になりました人材の関係でありますけれども、卓越研究員事業、今年度からスタートしたものですが、これについては、5億円増の15億円を計上したところでございます。
 続きまして、15ページが「国家安全保障・基幹技術の強化」でありまして、宇宙航空・地球環境分野の研究開発では、H3ロケットの開発として56億円増の191億円。X線天文衛星代替機として、新規で23億円を計上しております。
 それから、海洋調査等の戦略的推進で、海底広域変動観測、あるいは北極域、南極地域の研究を行うため、376億円を計上しています。
 それから、「原子力分野の研究開発・人材育成」でありますけれども、福島第一原子力発電所の廃止措置等、研究開発の加速プランとして44億円。それから、安全確保を最優先とした高速増殖炉「もんじゅ」への取組で、179億円を計上してございます。
 以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 続いて、高等教育関係について、事務局から説明をお願いいたします。

【塩見高等教育企画課長】   資料2-3を御覧いただければと存じます。高等教育局主要事項ということで、29年度予算案について御説明申し上げます。
 幾つか柱がございますので、その柱に沿ってお話させていただきます。まず「学びのセーフティネットの構築」が、1つ目の柱でございます。この点に関しましては、意欲と能力のある学生等が、経済的理由によって進学等を断念することがないように、安心して学ぶことができる環境を整備することのために、各種様々な取組を実現しようと、必要な予算案を計上してございます。
 まず、給付型奨学金でございます。これを平成29年度から増設するということでございまして、平成29年度につきましては、先行実施分の授業費ということで、約2,800人を対象としまして、新たにこの給付型奨学金を実施するための予算を計上してございます。
 無利子奨学金の関係でございます。有利子奨学金から無利子奨学金へ移行していこうということでございまして、無利子奨学金につきましても、大幅な拡大を図ろうということでございます。現在47万4,000人に対して貸与しておりますものを、51万9,000人にと、4万4,000人の増加を図りまして、このことによりまして、貸与基準も満たしながら、現在無利子奨学金が貸与できていない全ての希望者への無利子奨学金の貸与を実現しようということでございます。
 それから、新たな所得連動変動型奨学金制度でございます。こうした所得に連動した形で返還額を決めることができる制度を、来年度から導入するための予算案も計上してございます。
 次のページに参りまして、「国立大学・私立大学の授業料減免等の充実」でございます。このことにつきましては、国立大学につきまして本年度より13億円増の333億円、私立大学につきましては16億円増の102億円でございます。
 次の柱でございますけれども、「「大学力」向上のための大学改革の推進等」でございます。まず、「国立大学法人の基盤的経費の充実」でございます。国立大学運営費交付金等に関しまして、この基盤的経費につきましては、本年度予算は、前年同で確保したわけでございますけれども、来年度の予算案におきましては25億円増の1兆970億円で、基盤的経費を確保したいと考えてございます。
 それから、次のページに行っていただきまして、「国立大学の国際競争力の強化」でございます。これは、国立大学国際競争力強化事業で、補助金でございますけれども、新規に10億円を計上しておりまして、これは来年度指定が行われます指定国立大学法人のスタートアップ経費を支援しようというものでございます。指定国立大学法人において、世界最高水準の教育研究を展開いただけるようにと、そのスタートアップを応援する経費として10億円ということでございます。
 それから次のページに行っていただきまして、「改革に取り組む私立大学への支援など私学の振興」でございます。これにつきましては、私立大学等経常費補助につきまして、前年度同の3,153億円を計上させていただいてございます。
 先を急がせていただきますと、6ページでございますけれども、「高大接続改革の推進」でございます。この点に関しましては、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)のプレテスト実施に9億円をはじめといたしまして、前年度比5億円増の57億円を計上してございます。
 また、「大学教育再生の戦略的推進」で、世界をリードする教育拠点の形成、あるいは革新的・先導的教育研究プログラムの開発推進で223億円。また、高度医療人材の養成と大学病院の機能強化で、35億円ということでございます。
 それから、7ページでございます。「未来へ飛躍するグローバル人材の育成」でございまして、この点に関しましては、大学教育のグローバル展開力の強化、あるいは留学生交流の充実といった事柄に関しまして、425億円でございます。
 9ページ目以降は、今御紹介いたしました事項のより細かい詳細な資料でございます。
 説明は、以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、文教施設関係について、事務局から報告をお願いいたします。

【藤井文教施設企画部計画課長】  それでは、資料2-4に基づきまして、国立大学法人等の施設整備について、29年度の予算案を中心に御説明をさせていただきます。
 1ページ目でございます。29年度予算案でございますが、昨年の夏、約970億円の概算要求を行ったわけでございますけれども、非常に厳しい予算折衝を通じまして、最終的には予算案といたしましては、今年度の予算約418億円に対しまして、約8億減の410億円という予算案でございます。このほか、復興庁一括計上の復興特別会計に11億円。これは東日本大震災の災害復旧対応でございます。それから、附属病院の再開発に充てられます財政融資資金として、約320億円が計上されてございます。
 内容といたしましては、昨年3月に策定いたしました、今年度28年度を初年度といたします第4次国立大学法人等施設整備5か年計画を踏まえて、老朽施設の改善整備を中心といたしまして、施設の耐震化及び老朽化対策、老朽施設の中でも特に老朽が著しい、おおむね40年以上の建物でございますが、これらの改善、ライフラインの更新など、安全・安心な教育研究環境の基盤の整備を実施していきます。
 これと合わせて、大学におけます教育研究上の機能の強化に対応するための整備を実施します。例えば人材養成ですとか、イノベーションの創出といった、このような機能強化への対応。それから、附属病院の再開発整備を実施することとしてございます。
 予定事業といたしましては、新規事業が134事業、継続事業としては、一般会計が76事業、復興特会が1事業となってございます。
 資料2ページ目、3ページ目でございます。これらは施設整備の予算が非常に厳しいことを物語っている資料でございます。
 2ページ目については、予算編成過程を示したグラフですが、一番左側が大学の要求事業でございます。特にこの中の新規事業3,497億円という要求があったわけでございますが、これは最終的な予算案といたしましては、新規事業177億円で、非常に窮屈な状況になってございます。
 それから、もう1つ、3ページ目でございます。施設整備予算の推移でございます。財政健全化目標達成に向けて歳出抑制がありまして、近年非常に減少しているということで、今年度は第2次補正予算として185億円、これは28年度の「263」という薄い水色の中の内数でございますけれども、これが計上されておりますが、29年度の当初予算案としては、過去1番低い水準の数字でございます。
 このように、非常に老朽化が進行している国立大学の施設でございますけれども、今後非常に厳しい予算の中でございますが、29年度の予算案に加えまして、今年度28年度の第2次補正予算185億円を合わせて、重点的、計画的に整備をしてまいるということでございます。以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 議題2の質疑応答は、後でまとめてさせていただくことにして、議題3に移らせていただきます。
 議題3「最近の科学技術・学術の動向について」、科学技術・学術政策研究所の川上所長から説明をお願いします。

【川上科学技術・学術政策研究所長】  ありがとうございます。
 時間が押し迫っておりますので、資料3-1と3-2が、前回の総会以降、科学技術・学術政策研究所で出しました調査研究報告のうちの主要なものとして持ってきております。
 1つ目、3-1でございますけれども、「ジャーナルに注目した主要国の論文発表の特徴」でございます。
 近年、OAジャーナル、オープンアクセスジャーナルが増加をしてきております。ジャーナル数も、この9年間で1.5倍に増えているわけですが、OAジャーナルについては、約3倍に増加をしてございます。
 今回は、3ページにありますように、OAジャーナルでも、Gold OA、出版費用を著者が払って初出段階からオープンアクセスのジャーナルに載せるという、これを分析の対象としてございます。
 4ページ目を御覧いただきたいわけでございますが、今回はそのOAジャーナルをつかむ観点から、分析する論文データベースに、Elsevier Scopusを採用してございます。従来は、トムソン・ロイターのWeb of Scienceを使っているわけでございますけれども、今回はScopusでございます。
 下の左の図を御覧いただきたいわけでございますが、4つに区分してございます。自国のOAではないもの、自国のOA、他国で出版されたものでNon-OAであるもの、他国で出版されたものでOAジャーナルであるという4つにジャーナルを区分して、論文の動向を見ることをやってきています。
 主要国7か国の分析をしているわけですが、日本の政策に対してフィードバックをするという観点からは、米国、英国という英語圏は傾向が大きく異なりますので、非英語圏の5か国に大体議論を絞ってやっているわけでございます。
 次のページから幾つか調査の結果を出してございますけれども、時間の関係で飛ばさせていただきまして、12ページを御覧いただきたいと思います。ここに大きなポイントがまとめて書いてございます。まず1つ目のポイント、言語の問題については、OA化と英語使用に正の関係がある、因果関係が十分あるかどうかは別でございますけれども、OAジャーナルは、英語の使用が多くされていることが分かってきています。
 それから、論文の質については、今でも、他国ジャーナル、英米の主要な、知名度の高いジャーナル、これに質の高い論文が集まっている傾向は変わっておりません。ただし、一部には、OA化することによって、引用度を上げる現象が見られている部分も出てきております。
 それから、3つ目「国による違いの観点」を書いてございますけれども、非英語圏の中では、中国は、他の4か国とは若干違う行動をしてございます。非英語圏においては、OAジャーナルに英語論文が多く、Non-OAジャーナルについても自国語で書かれているものは引用が少ない傾向があるわけでございますけれども、中国では母国語で書かれている論文の高被引用数が観測されておりまして、自国内において論文を引用する傾向があることが示唆されてございます。
 下のページに行きまして、日本の状況でございます。日本につきましては、分野別に見ていったときに、工学と計算機科学・数学では、Non-OAで自国のジャーナルが比較的高い傾向があったりします。ただし、日本で出版されているジャーナルは、商業出版社ではなく学会であることから、学会の国際的なプレゼンスを高める必要性があるのではないかと考えてございます。
 また、2つ目の矢印でございますけれども、日本ではOA化をすることによって、アクセス機会を広げるということが起こっているように見えてございます。OA化によって、被引用度を高める効果が得られている可能性が示唆をされてございます。
 それから、日本の場合、論文数の増加が鈍っているわけでございますけれども、OAとNon-OAと比べたときに、他国のOAジャーナルの増加が、他の区分の論文数の減少を補って全体の論文数を維持している傾向が現れてきております。
 以上、1つ目の調査報告でございます。
 それから、もう1つ、資料3-2でございますが、「全国イノベーション調査統計報告」をお開きいただきたいと思います。
 2ページ目を御覧いただきたいのですが、この調査は3年に1回やってございますけれども、OECDが出しております国際標準であります「オスロ・マニュアル」に準拠するということで、国際比較のできる調査として、企画をしてございます。
 下の表を御覧いただきたいのですが、小規模、中規模、大規模と書いてありますが、「オスロ・マニュアル」では、大規模企業の定義が250人以上の企業でございますので、日本の大企業の感覚と外れたものであることは、注意が必要でございます。
 3ページ目から、調査結果を載せてございますけれども、お読みいただくとして、5ページ目、これは、オープンイノベーションがどの程度進展してきているかを見ているわけでございます。自社のみの開発は、今でも主流ではありますが、それでも他社や他の機関と共同で開発という、オープンイノベーションの傾向が、この中で現れてきております。
 次に、6ページ目でございます。社外から知識や技術を取得していることについて、調べてきております。当然のことながら、社外からの知識・技術の取得源としては、グループ外の他社というケースが一番多いわけでございますけれども、大学等の高等教育機関も、それなりの量があるわけでございます。特に、大学等の高等教育機関を見るときに、右側の企業規模別で見ていくと、小、中、大といったときに、大規模による差が非常に大きい傾向を示してございます。小規模企業において、高等教育機関へのアクセスの困難性が、こういうところから浮かび上がってまいります。
 7ページ目に、イノベーション実現の阻害要因を聞いているところでございます。最も多いのが、能力のある従業者の不足で、企業が思っている阻害要因として、人材の不足が最も高いものでございます。こういうところに有能な人材をいかに送り込むかという可能性が見えてきております。そのようなことを、大体調べてきております。これは、国際比較が可能になりますので、引き続き国際比較に進んでまいりたいと考えてございます。以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 大変司会が稚拙で、時間が大分押してしまいましたけれども、議題1から3、どの議題でも結構です、御発言、御意見を頂ければと思います。
 大垣先生、では。

【大垣委員】  前の部分でもよろしいですか。

【濵口会長】  はい、お願いします。

【大垣委員】  科研費等で新しい仕組みを考える、これはすばらしくていい方向だと思うのです。
 同時に考えないといけないのは、今度は新しい枠組みを作ったら、それに伴う評価をする仕掛けを考えないといけなくて、挑戦的な課題等が出ておりますけれども、今度は、その評価を従来のようなやり方で評価しますと、せっかくの仕掛けが意味を持たなくなるという意味で、挑戦的な課題に限らず、様々な枠組みをいろいろ作って、予算として作っていきますけれども、そこの評価をうまくしないと、せっかくの意図が生かせないという心配があることの指摘だけさせていただきます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 佐藤先生、何か。

【佐藤委員】  先生のおっしゃることはもっともなことでございまして、これ、2つとも、たこつぼ化を防ぐための大くくり化とか、また挑戦的研究をやるときの、ある意味ではその分野に必ずしも実績がない人でもチャレンジできることでありますので、同時にリスクもあることでございます。
 そのためには、科研費の審査システムをより細かくやる必要がありまして、総合審査方式でやろうとしているわけでございます。もちろん、その実施におきましては、審査員自身が、この制度の改革を理解して、レベルの高い審査をやっていただくことが、大きな課題だと思っております。
 もちろん、これは平成30年実施でございますけれども、そのためにもいろいろな取組を、日本学術振興会を中心に進めているわけでございますし、また当然のことでありますけれども、いろいろな問題も生じるのではないかと思っております。必ずフィードバックが必要だと思っております。
 そういうことを十分配慮して、今の改革の指針につきまして、議論を進めてございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ほか、御意見ございませんか。きょうは、実は第8期の最後の総会となりますので、特に御発言いただいていない方、是非御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 はい、渡辺委員、お願いいたします。

【渡辺委員】  では、次の期に向けて、資料のお願いです。
 きょう、いろいろな予算資料を見せていただいて、非常に丁寧な説明をしていただいたと思います。
 その中で、国立大学の施設整備費の予算では、平成8年からの推移が出されていますので、全体としてどれだけ厳しくなったかということが、非常によく分かりました。このような審議会で議論するときには、ほかの予算についても、このように長期的にどう変化しているのかを示していただきたいと思います。昨年から今年に掛けての変化を見るにおいても、その変化が従来の大きな流れの一つなのか、それとも変化点に位置するのかが分かるので、そのような資料を示していただけると、より意義のある議論ができると思います。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 大変重要な指摘ですが、どうぞ来期からやっていただくということで、お願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。
 ほか、いかがでしょうか。はい、どうぞ、お願いします。

【岸本委員】  資料1-8に関係することです。第5期のこれからの実施状況のフォローアップというところでございます。きょうも科学技術・学術政策研究所の方から、いろいろな分析について御紹介いただいたわけですが、このPDCAサイクルをきちんと回していくことは非常に大切だと思いますけれども、その中でどうやって結果と言うのでしょうか、成果を評価していくかについて、まだまだ足りないところがあるのではないかと思いまして。
 そういったところの分析がうまくいくことによって、成果が見えてきて、改善を図るということなので、どう分析していくかについては、できるだけオープンなところでもディスカッションして、我々として、皆さんが納得する分析方向を目指していくのが必要ではないかと思いますので、引き続きこの件については、来期についても進めていただきたいと思っております。

【濵口会長】  ありがとうございます。きちんとやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 データに関しても、もう少し公開した方がよろしいですね。

【岸本委員】  よろしくお願いいたします。

【濵口会長】  ほか、ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 御発言いただいた方でも結構です。では、お願いします、有信委員。

【有信委員】  今、渡辺委員から指摘があった、施設整備補助金の件に関してですけれども、実際にこういう格好でどんどん施設整備補助金が減っていると、もう大学の施設というのが、極めて危険な状況になっているわけですね。
 なぜかと言うと、例えば企業であれば、設備投資額は、減価償却費が、本来ならば減価償却が設備の減価に対応するわけですから、最低限でも減価償却費相当を投資しなければ、その設備そのものは維持できないわけですね。これが、減価償却をはるかに割り込んだ額しか手当されていない。
 その分、大学は、運営費交付金の一部を割きながら、様々な工夫をしているわけですけれども、基本的には、大学の設備、研究設備も建物も含めて、これが教育研究の手段でありコストであるという考え方で資産評価されていないのだと思うのですね。
 だから、これは、ほかの議論にも波及していって、実際には間接経費等々の考え方にもつながっていくわけですけれども、大学の持っている施設・設備そのものが、実際には教育の基本的に必要な手段であって、これの老朽化は教育なり研究の劣化につながるという考え方で、全体の大学の会計そのものを、きちんと整理をする必要があると思っています。もしできましたら、そう検討を進めていただければと思います。

【濵口会長】  御検討をお願いいたします。
 ほか、いかがでしょうか。

【小縣委員】  どの資料の質問でもよろしいですか。

【濵口会長】  はい。

【小縣委員】  最後の資料3-2、科学技術・学術政策研究所の資料でもよろしいでしょうか。

【濵口会長】  はい。

【小縣委員】  いつも、面白いデータ等を出していただいて、有り難いと思います。このイノベーション調査は、2012年度から14年度ということで、今から思うと若干古いのでしょうけれども、例えば3ページにそれぞれ出ておりますけれども、小規模企業、中規模企業、大規模企業の順で、イノベーション実現企業が多くなっていくということだとは思うのですが、ただそれにしても、母集団が結構大きい中で大企業でも35パーセントというのは、今の我々の肌感覚からいくと大変低いように思われます。
 すなわち、2ページの「他社がすでに導入していても、自社にとって新しく導入したと個々の企業が判断すれば、それもイノベーション実現とみなす。」という定義であれば、もっと高い数字が出てもいいのではないかと思うのですが、この辺の背景等を教えていただくと、大変有り難いです。

【川上科学技術・学術政策研究所長】  この統計調査は、日本の企業全体を対象としていますので、そもそもイノベーション活動を行っていない企業が、多いということになります。
 3ページのグラフを御覧いただいて、大規模企業において、イノベーション活動を行い実現している企業があり、その上に薄くてほとんど見えないのが、未完了のイノベーション活動のみを行っている企業になりますので、そもそもイノベーション活動を行っている企業は、約40パーセントしかない。そのうち、38パーセントは実現をしていると、大規模企業については御覧いただきたいと思います。
 したがって、イノベーション活動を実施していない企業が相当数あるということでございます。どういう企業かというと、ここでの大規模企業は250人以上の企業を指していますので、日本で言うと、中堅企業ぐらいで委託生産のようなことをやっているとかというところはイノベーション活動を行っていない企業、そういう企業は相当数あると思いますので、この結果はそうお読みいただければと思います。

【小縣委員】  分かりました。

【濵口会長】  よろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。

【栗原委員】  今の資料について、私も御質問があります。
 7ページ「阻害要因を経験した企業の割合」で、阻害要因が出ているのが、皆イノベーション活動実施企業の方が非実施企業よりも高いのですけれども、これは、やってみないと阻害要因も余り分からないので、イノベーションということに対して、全体的に余り意識していない企業が多いという意味で理解したらよろしいのでしょうか。

【川上科学技術・学術政策研究所長】  日本全体の企業を捉えれば、先生のおっしゃるとおりだと思います。
 恐らく、先生方が御覧になっていて、多分我々も見ております企業は、基本的に研究開発を実施している企業が中心になりますので、その感覚で比べていただくと、違和感をお持ちになると思います。
 そういうふうに、最初の入り口を広げて考えていただきたいと思います。

【濵口会長】  よろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。

【小長谷委員】  それでは、資料3-1についてです。
 前回も似たような質問があったかと思うのですけれども、既存のデータを用いて分析できることを分析なさっていますので、例えば人文系ですとか分析できないとして永遠に分析しないままで話が進む傾向があると思うので、データが既存に存在しない、例えば人文系について、どのように取り組まれるか教えてください。

【川上科学技術・学術政策研究所長】  人文系については、必ずしもScopusにしろWeb of Scienceにしろ、活動が十分フォローできていないだろうとは、前々から感じておりますし、申し上げてきているところでございます。
 従いまして、こういうものの測定の方法として存在しているものは、今申し上げた2つなので、まず2つで手法の確立や、その範囲で発見できる問題点をやっております。
 それとは別に、何とか新しい方法で、そういうものを測定することができないかは、内部ではいろいろ勉強をしているところでございます。
 ただし、申し訳ございません、まだ自信を持ってお示しできるものはないのが、現状でございます。

【小長谷委員】  解をすぐに求めるわけではなくて、そういうところに取り組むことを、イノベーティブと言うのではないかと思いますので、是非私どもも一緒になって研究していければと思います。
 ありがとうございました。

【濵口会長】  なかなか難しい問題を含んでおります。
 ほか、いかがでしょうか。御発言いただいていない方、御指名させていただいてよろしいですか。
 どうぞ、福井委員。

【福井委員】  かつて国立大学にいて、現在私立大学にいる者ですが、マスコミでも扱われていますように、国立大学の補助と私立の大学の補助が随分違っていて、実際にいろいろな面で、国立大学と私立の大学での大きな差をもたらしていますので、その点に今後とも配慮していただきたい。余り大所高所からの話でなくて恐縮ですけれども、そのように思います。

【濵口会長】  お聞きしておくということで、よろしいでしょうか。
 ほか、いかがでしょうか。正面に座っておられるということで、結城委員いかがでしょうか。いつも御発言いただいておりますが。

【結城委員】  今の日本の科学技術イノベーション、特にその源泉となる学術研究の状況を考えたときに、一番深刻な問題は、日本の優秀な若者が博士課程を目指さない、研究者への道を目指さないことだと思っております。いわば、若者の研究職離れが起こっているということであります。
 その原因を考えてみますと、いろいろあるわけですけれども、一番大きな原因は、競争的資金が増えていますので、大学あるいは国立研究開発法人における任期付きのポストはたくさん増えましたけれども、運営費交付金が減ったものですから、任期のない終身雇用の研究職のポストが減っている。それで、その数のバランスが崩れていて、研究職を目指しても、安定したポストに就くことが難しく、自分の人生設計が立てられないことだと思っています。
 これを解決するためには、何と言っても、大学及び研究開発法人の基盤的経費、運営費交付金を増やさないといけない。今年の予算では、幸い少し増えたようですけれども、この傾向を是非増やしていくことが一番大きな課題ではないかと思っています。そのときに、国の財政は限られていますので、単純に増やせればいいのですけれども、それが難しければ、場合によっては競争的資金を押さえてでも基盤的経費の方に回していくべきだと、私は思っております。
 この問題は、是非、次の期でも議論していただきたいと思っているところであります。

【濵口会長】  ありがとうございます。デュアルサポートの重要性は、以前から大分議論していただいているところです。少し形になってきたかという実感はしますけれども、パーフェクトと言うかベターなシステムは、何かもう少ししっかり議論をしていかないといけないのではと思います。
 高橋委員、いかがですか。この問題、かなり御意見があるのでは。

【高橋委員】  京都大学の高橋です。大学の授業のために、総会に何回か出られなくて、申し訳ありませんでした。久々の総会で、いろいろ勉強させていただいております。私自身は学術分科会及び研究費部会でいろいろ議論をさせていただいておりますので、そういう観点からの発言をさせていただくことになります。
 今ちょうど出ましたけれども、国立大学もミゼラブルでありまして、定員削減が容赦なくやってまいります。昇進を一切ストップするという国立大学も出ていると聞いております。それが、決して健全な姿だと誰も思いません。
 一方で、本総会等で何回も申し上げておりますが、5年間のプロジェクトについて改めて申し上げます。5年間のプロジェクトが出てくるたびに、そのプロジェクトの予算や人事を巡って、おびただしい会議を経験することになります。では会議などやめて、さっさと決めればいいじゃないかといわれるかもしれませんが、それはそうはならないのです。というか、さっさと決めてはいけないのです。
 それはなぜかというと、大学は民主的なところで、学者たちは、トップダウンで学問をねじ曲げるのではなくて、民主的なところで頑張ってやろうというのが根本にあるからです。大学にお金を頂くことは大変結構で有り難いことですけれども、5年間のプロジェクトの乱立で、現場の、しかも往々にして世界のトップレベルの教授たちが、その会議に忙殺され、研究と教育の時間がますます無くなるというのが現実です。もう何年も前から、こういう惨状は訴えられてきたと思いますが、残念ながらこの状況はほとんど解決されておりません。
 運営費交付金の下げ止まりに関しては、本当に今回有り難かったのですが、今後も、学問にとって何が大切なのかという本質的な議論をしっかりしていかなければいけないと思っております。
 最後、長くなってはいけませんので、2つだけ簡単に、項目だけ。
 さきほどの電子ジャーナルのことですが、たとえばエルゼビア。為替相場によって、私たちは直撃を受けています。京都大学でも同じで、現場直撃で大混乱です。研究者が見たいあるいは必要な論文が見られないという由々しき事態です。このように、1つの大学では解決できない問題に関しては、特に国を挙げて何かの施策をお願いしたいです。そのために、現場の者としては、今後もいろいろと提言をさせていただかないといけないと思っています。エルゼビアに関しては、今ドイツが動いていますね。国を挙げて動いています。日本も何かできないかということ。
 あともう1つは、ちょっとデリケートなことです。きょうは1回も議論に出てこなかったのではと思いますが、防衛省の予算のことです。今現場は、この事に非常にセンシティブになっております。ここは文科省の会議ですので、これ以上の深掘りは避けますが、これからもここは大問題になってくると思います。
 以上です。よろしくお願いします。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 重要課題を2つ御指摘いただきました。ほかは、御意見いただいていない方は。庄田委員、お願いいたします。

【庄田会長代理】  私自身は、この審議会総会に加えて、学術分科会、産業連携・地域支援部会、総合政策特別委員会に分属させていただきました。先ほど濵口会長から、総合政策特別委員会での議論について、資料1-8で御説明いただきましたが、第5期科学技術基本計画に基づいた政策、施策、あるいは取組を、俯瞰マップとして事務局でおまとめいただいたことにより、大変議論が充実してきたと思っております。
 PDCAの指標については、先ほど岸本委員からも御指摘があったと思うのですけれども、科学技術、学術の実行者である科学者、研究者の方が共感できる指標の設定が大変重要ではないかと思っております。資料には、今後適切な指標を設定していくとありますけれども、先ほどの海洋開発分科会からの報告の中の大目標、中目標、アウトカム指標、アウトプット指標という捉え方は、大変参考になるものではないかと思います。是非とも、総合政策特別委員会の中で、もう一度指標について、全員の方が共感できるものは何かを徹底して議論する必要があるのではないかと思っています。

【濵口会長】  ありがとうございます。確かに、分かりやすかったですね、浦辺委員の御提示は。

【伊藤科学技術・学術政策局長】   事務局から補足させていただきます。本日、海洋の分野について、正に大目標、中目標、それから、アウトプット、アウトカムという形で整理させていただきましたけれども、研究計画・評価分科会の各委員会でも、同じフォーマットで、現在検討が進められております。まだ本日間に合いませんでしたので、恐らく次回の会合では御報告があろうかと思います。
 以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 あと御意見いただいていない、鎌田委員、いかがでしょうか。

【鎌田委員】  今期のこの審議会におきましては、科研費改革等を含めて、大変前向きな改革を進めていただいているということで、感謝しています。
 先ほど来幾つかお話がございましたけれども、私立大学の立場から申しますと、教育関係の経費だけではなくて、研究条件に関しましても、受託研究が課税の対象になるとか、あるいは間接経費についての考え方も、基礎的な研究経費が運営費交付金等に頼っている国立大学と学生の学費に頼っている私立大学とでは相当違うということで、私立大学の研究力を向上させる上で、更にいろいろと、我々の側からも御提言申し上げなければいけないことがあると思っております。
 そういう矢先に、冒頭、水落副大臣からお話がありました事案がございました。私の所属する大学の、適切とは言えない対応が、社会全体の文科省、大学に対する社会的な信頼について、我々、不当な裏取引みたいなことを一切していない自信は持っておりますけれども、あらぬ疑念を抱かせるに至ったことも、また否定し切れないところです。その点に関しましては、この場の委員の皆様にもおわび申し上げると同時に、そういった疑念を一刻も早く払拭できるように、尽力してまいる所存でございますので、是非よろしく御指導のほどお願い申し上げて、必ずしも適切な場ではないかもしれませんけれども、私の発言とさせていただきます。

【濵口会長】  ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
 あと、長澤委員、御意見を頂きますでしょうか。

【長澤委員】  私、民間企業なものですから、今お話を伺って、二、三感想と言いますか、意見ですけれども。
 例えば、先ほどの博士課程に進む人、研究者の方は少なくなった。あと、それから、先ほどイノベーションのところで、意外と言ってみれば関与が少ないという指摘があったと思うのですけれども、一方で、大学サイドから民間企業等に、その現実を訴えられている試みはあるのかどうかということ。
 例えば、我々の仕事の中で、一部の大学とは相当研究をやっているのですけれども、一方、企業サイドから見て、このようなことを大学に問い掛けていいのかと思うことはいっぱいあるわけで。どちらかというと、待ちの姿勢の部分があるのではないかということですね。
 それと、今、博士課程の状況、そういう窮状を、どの程度民間企業の経営者たちが理解しているのか。特にメーカー、私どもはメーカーではないのですけれども、そういった部分もあるのではないか。例えば、研究者を志される方が、自分たちの研究がうまくいかないときに、民間に転身できるというアシュアランスがあれば、そういう機会も増えるのでしょうけれども、研究者になっても将来がよく見えない、自分たちの生活の辺りが見えないというところで、随分問題もあるのではないかという気がしまして。
 大学サイドの方から、実業界、経済界に、そういった窮状あるいは現実を説明することをやっておられるのか、そういう試みをやっておられるのかについて、私個人は余りそういう機会がないのが実感なので、その辺も1つ課題があるのではないかと感じました。以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 多分、産学連携を、いろいろなチャンネルでもう少し太くしないと、コミュニケーションがつながっていないのかという実感をしております。オープンイノベーションの時代も迎えて、IoTを使って、もう少しそういう場が設定できると、コミュニケーションが進むのかという期待も少しございます。
 宮浦先生、何か、御意見ございますか。

【宮浦委員】  ありがとうございます。
 御指摘の点が、非常にごもっともな点は、ごく先日行いました人材研の全国のシンポジウムをやったのですけれども、蓋を開けてみますと、参加者が、アカデミアが大半で、企業の方からの参加者が少なかった現実があり、またその辺りを発信させていただくのが非常に重要なところで、大学を見ましても、非常に熱心にやっているところとそうでもないところですとか、温度差があるように思います。
 また、産学連携、セクター間の、人を動かすには産学連携の重要性は御指摘いただいているところですけれども、そこがイノベーション創出とも直接カップルするにも関わらず、個々の研究内容、研究開発の内容を中心に議論されていて、そこに関わっている若手人材を育てる視点が、かなり不足しているのではないか。そこの部分を人材委員会の副題、共に創り共に育てるというところで、共に創るのは比較的個々の事例でやられていると思うのですけれども、共に育てる観点が、産学官の間で意識が今まで薄かった部分がありますので、そこを、例えば卓越研究員制度、ポスト、かなり民間から出していただいているのですが、数がまだまだ限られておりますし、分野がほとんど工学系だったこともありますので、その辺りの周知徹底を産業界の皆様に知っていただくという重要性は御指摘のとおりで、その辺りも具体的なアクションにつなげていければと思います。
 ありがとうございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 結局、きょうの議論は、一番人材のところに集中していったようにも思えますが、まだまだ議論は尽きませんが、お時間も来ましたので、本日は閉会にさせていただきたいと思います。
 閉会に当たり、水落文部科学副大臣から、御挨拶を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【水落副大臣】  御苦労様でございました。閉会に際しまして、一言御挨拶を申し上げます。
 本審議会は、本日が第8期の最終回と伺っておりまして、委員の皆様には、本日を含め、これまで精力的に御議論いただいてまいりましたことに、まずもって感謝を申し上げたいと存じます。
 文部科学省といたしましては、本審議会の議論を踏まえまして、革新的な人工知能や、ビッグデータ解析技術を活用した未来社会、生産性革命の実現、エネルギー、資源や国民の安全、安心の確保といった経済、社会的課題への対応、イノベーション創出の基盤的な力となる人材育成や学術研究、基礎研究の強化、産学連携の拡大や地方創生に資するイノベーションシステムの形成など、持続的なオープンイノベーションを可能とする新たなシステムの構築など、第5期科学技術基本計画に基づき、関連する取組を強力に推進してまいります。
 最後に、文部科学省を代表して、委員の皆様には、本審議会への御参画をはじめ、科学技術、学術の推進につきまして、多大な御支援、御協力いただいてまいりましたことに対し、心から御礼申し上げまして、閉会の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

【濵口会長】  どうもありがとうございます。
 それでは、最後に、事務局から、連絡事項をお願いいたします。

【伊藤企画官】  御連絡を申し上げます。
 議事録でございますけれども、後ほど皆様に御確認をさせていただいた上で、公表をさせていただきたいと考えてございます。以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局政策課

学術政策第1係
電話番号:03-5253-4111(内線3848)
ファクシミリ番号:03-6734-4008
メールアドレス:shingist@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局政策課)

-- 登録:平成29年04月 --