平成24年11月28日(水曜日)14時00分~16時00分
東海大学校友会館「阿蘇の間」
野依会長、野間口会長代理、有川委員、大垣委員、小池委員、小谷委員、佐々木委員、佐藤委員、鈴木委員、田代委員、柘植委員、平田委員、平野委員、藤井委員、本間委員、三宅委員、室伏委員、山脇委員、渡辺委員
那谷屋文部科学大臣政務官、森口事務次官、土屋科学技術・学術政策局長、吉田研究振興局長、戸谷研究開発局長、田中総括審議官、森本審議官(研究振興局担当)、大竹審議官(研究開発局担当)、鬼澤審議官(研究開発局担当)、菱山振興企画課長、磯谷科学技術・学術総括官、塩田企画官 他関係官
【野依会長】 ただいまから、科学技術・学術審議会の第40回総会を開催いたします。御 多忙中、御出席賜りまして、大変有り難く存じます。
本日は、那谷屋大臣政務官に御出席いただいております。
本日は、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の見直しについて」の建議案や「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について」の最終取りまとめ案について、御審議いただくことにしております。
それでは、はじめに、那谷屋大臣政務官から御挨拶をいただきたく存じます。よろしくお願いいたします。
【那谷屋大臣政務官】 どうも、改めまして、皆さん、こんにちは。御紹介をいただきました、文部科学大臣政務官の那谷屋正義でございます。本来でしたらば、会の重要性に鑑みまして、大臣、副大臣ともに出席する予定でございましたが、御案内のような国会情勢、様々なことがありまして、今日は出席がかないません。私がしっかりと三役の代理として出席をするということで、どうぞ御了解をいただければと思います。よろしくお願いします。
第40回科学技術・学術審議会総会の開会に当たりまして、一言御挨拶をさせていただきます。
委員の皆様におかれましては、大変御多用のところを御出席いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
先月、山中教授がノーベル賞受賞という、大変うれしいニュースがございました。日本の科学技術の水準の高さを改めて世界に示すとともに、国民に夢と希望を与え、そして国民が科学技術に関心を持つ、大きなきっかけとなりました。
科学技術は、我が国の生命線でありまして、未来への先行投資と言っても過言ではありません。グローバル化が一層進展し、競争が激化する中で日本が持続的に成長していくためには、科学技術や学術の振興が極めて重要であります。そして、そのためには創造性豊かな人材の育成が必要不可欠であります。
私といたしましては、委員の皆様からの貴重な御意見をしっかりと受けとめさせていただいて、東日本大震災からの復興・再生を図るとともに、少子高齢化社会やエネルギー問題などの課題を克服するための取組を進めるなど、科学技術を通じた日本再生に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
委員の皆様には、今後とも大所高所から幅広い御意見をいただきますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
【野依会長】 ありがとうございました。
それでは、議事に入る前に、配付資料の確認をお願いします。
【塩田企画官】 配付資料は、議事次第にございますように、資料1-1から参考資料6-6まで、事務局で確認の上、配付してございます。欠落等の不備がございましたら、お知らせいただきますよう、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【野依会長】 それでは、議事に入ります。議題1「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の見直しについて」です。本件につきましては、前回の総会において、測地学分科会からの審議経過の報告につきまして御議論いただきましたが、このたび、建議案として取りまとめられましたので、御審議いただきます。
それでは、測地学分科会の藤井分科会長から、御説明をお願いいたします。
【藤井委員】 それでは、測地学分科会から、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の見直し(建議案)」について、説明させていただきます。資料1-1が建議案、資料1-2が建議案の概要となっております。
第38回及び39回の総会において、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の見直し」について、審議経過を報告させていただき、御議論いただきました。それぞれの総会の後に、審議経過報告について、関連学会からの意見聴取、それからパブリックコメントを実施し、さらには海外の研究者からも本計画案について評価をしていただきました。いただいた御意見などを踏まえ測地学分科会において検討を行い、さきに報告した審議経過報告に所要の修正を加えた上で、建議案の最終取りまとめを行いました。
本日は、取りまとめた建議案について、総会として御決定いただき、文部科学大臣をはじめとする関係大臣に、その実施に必要な最善の措置が講ぜられるよう、文部科学省設置法第7条第1項第5号の規定により建議いただきたいと考えております。
建議の中身については、中心になって御議論いただいた地震火山部会長である平田委員から説明をしていただきます。
【平田委員】 それでは、建議案の内容について、御説明いたします。
ただいま藤井分科会長から御説明いたしましたように、第38回の科学技術・学術審議会総会で御報告いたしました審議経過報告に対しては、パブリックコメント、それから関連学会等を通じて、広く御意見をいただきました。さらに、39回の総会で御報告しました審議経過報告に対して、全文を英訳した後、海外の地震学・火山学の著名な研究者に対して評価を依頼し、御意見をいただきました。その結果、パブリックコメントでは、前回も御報告したとおり、「必ずしも予知を目指さない計画にすべき」というものから「緊急的に本計画の修正を行う内容として妥当である」という意見まで幅広く御意見をいただき、関連学協会からは「地質学や電磁気学などの観点も幅広く取り入れる必要がある」との御指摘をいただきました。海外の研究者からは、国際的な視点では、日本は地震・火山災害に関する科学及び減災研究に関する世界のリーダーであり、これまでもすぐれた科学的成果を出している。本計画、すなわちここで御審議いただく建議案は、基本的にはこれまでの地震と火山噴火に関する成果が上がっている計画を引き継いでおり、国際的にも十分通用する計画であるとの評価をいただきました。その上で、本計画をさらに改善するために地質学や工学の観点なども積極的に取り入れ、これらの分野とも一層連携して取り組むよう御指摘をいただき、国際共同研究についても、これまで以上に一層推進するよう、御助言をいただきました。測地学分科会では、これらの意見を踏まえ、さらに議論を深め、本建議案を取りまとめました。
地震予知研究の現状では、発生履歴の判明してない地震の規模や発生間隔の推定及び地震の短期的予知は現状では困難であり、地震発生を予測するモデルの構築はいまだ研究途上の段階でございます。しかし、昨年、甚大な被害をもたらした東北地方太平洋沖地震を受け、超巨大地震の発生機構やそれに起因する現象の解明が地震防災上極めて重要であり、速やかな観測研究が必要であるとともに、人文・社会科学系を含む様々な知見を生かして災害軽減に取り組む必要があると判断いたしました。このため、現行計画の残りの期間では、一部の研究課題、例えば地震発生過程や予測シミュレーションの項目などに係る個別課題については大幅な削減や縮小を行い、超巨大地震に関連した項目を新しく計画いたしました。
なお、本計画の再構築を含む抜本的な見直しについては、次期計画に向けた外部評価委員会の意見・提言も踏まえ、継続して検討を行ってまいります。
つきましては、本建議案に関して御審議いただき、科学技術・学術審議会として建議を御決定いただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【野依会長】 ありがとうございました。
建議案につきましては、事前に事務局から文書で意見照会をさせていただき、御確認いただいておりますが、本日、特段の御意見、御質問がございましたら、お願いいたします。
ございませんでしょうか。
それでは、本建議案につきまして、原案どおり決定してよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【野依会長】 御異議がございませんようですので、科学技術・学術審議会の建議とさせていただきます。
それでは、ただいま決定いたしました建議を那谷屋政務官にお渡ししたいと思います。
それでは、建議に当たり、一言御挨拶いたします。
科学技術・学術審議会では、平成25年度までを対象とした計画である「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の推進について」を、昨年3月11日の東北地方太平洋沖地震を踏まえて総点検を行うとともに、見直しのための審議を重ねました。本日、ここに成案を得ましたので、文部科学大臣に建議をいたします。文部科学省はじめ政府の関係機関におかれましては、この建議に基づく観測研究の実施について格段の御配慮をお願いします。
(建議手交)
【那谷屋大臣政務官】 ただいま、科学技術・学術審議会での御審議の結果を建議としていただきました。審議会において真摯な御議論の上、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の見直しについて」を取りまとめいただきまして、本当にありがとうございます。私といたしましては、東日本大震災により低下してしまったと言われる科学技術・学術に対する国民の信頼回復が喫緊の課題であると考えております。国民の安全で安心な社会の実現のためにも、この建議の内容を踏まえて関係機関における観測研究の充実・強化が着実に行われるよう、政府としてもできる限り努力をさせていただきたいと存じます。
皆様の御尽力に対しまして、改めて御礼を申し上げます。ありがとうございます。
【野依会長】 ありがとうございました。
それでは、次に参ります。議題2「各分科会等の審議状況について」です。事務局から概要を説明していただき、その後、先端研究基盤部会から御報告いただきます。
【塩田企画官】 資料2-1でございます。冒頭の組織図につきましては、前回総会より変更はございません。
ページをめくっていただきまして、「2.主な報告等」でございます。最初の3点につきましては、後ほど有川先生より御説明がございます。後ろの2点につきましては、参考資料として配付してございますので、御参照いただければと思います。
「3.各分科会等の審議状況」についてでございます。今回の資料から、石田委員から御提案がございまして、各分科会のもとに設置されている部会・委員会レベルまで記載するように、変更しております。各分科会等におきまして、前回の総会で取りまとめました「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について」の中間報告につきまして、最終報告に向けた議論が行われてございます。
以上でございます。
【野依会長】 ありがとうございます。
それでは、先端研究基盤部会の有川部会長、よろしくお願いいたします。
【有川委員】 有川でございます。今期より新たに設置されました先端研究基盤部会におきましては、主に、大学・独法等の研究機関が所有する先端的な研究開発施設・設備等を最大限有効に活用するためのシステムの在り方、それから複数の領域に横断的に必要となる科学技術の推進方策等に関する審議を進めております。8月7日に開催された部会におきまして、資料2-2という水色の冊子でございますが、「科学技術イノベーションを牽引する研究基盤戦略について」と題する報告書、それから、資料2-3、2-4にございますが、「今後の光・量子ビーム研究開発の推進方策について 中間報告」と「数学イノベーション戦略(中間報告)」を策定して、本日お配りしております。
それでは、資料2-2の17ページをお開きいただきたいと思います。まず、研究基盤を巡る現状と課題です。第4期科学技術基本計画策定以降、重要課題達成をキーワードとする研究開発プロジェクトが様々な領域で検討されておりますけれども、研究開発を支える研究基盤の在り方の検討も第4期基本計画の理念を達成するためには不可欠であると考え、今回の報告書を取りまとめるに至っております。本年は、J-PARC、SACLA、「京」といった最先端施設が共用を開始した記念すべき年であります。世界的に見て優位性を保つ状況の中で我が国が自信を持って研究基盤政策を進めていくことの重要性、また一方で、財政状況が厳しい中、我が国に存在する数多くの研究基盤、これは公共財とも言えますけれども、これらを最大限に有効活用するための取組の重要性を取り上げております。基盤的経費の減少、人材不足といった研究基盤を取り巻く課題は数多く存在しますけれども、予算面、制度面の双方からこれらの課題を克服し、我が国の高い研究開発能力を国際競争力に確実につなげていくための戦略を提示しております。
中段の必要となる取組でございますが、今後必要となる国の取組を五本柱としてまとめております。一つ目が、産学官が共用可能な研究施設・設備の拡大です。大学等の研究機関が所有する利用ニーズの高い研究基盤を外部に開放していくという取組は、産学連携を促進するという側面のみならず、人材育成、そして科学技術の発展にとって、非常に効果の高い取組であると位置づけております。このため、共用施設・設備の拡大に必要となる支援や制度改革が必要であるとしております。次に、二つ目ですけれども、研究施設・設備間のネットワークを構築し、研究者から見た利便性を高めるとともに、研究成果の創出を後押しするという取組も、重要施策の一つであるとしております。三つ目として、基盤技術・機器の開発の際に、ユーザーニーズを一層意識していくこと、あるいは研究現場の国産機器を増やしていくための取組が必要であるということなどを指摘しております。四つ目ですけれども、次なる大型研究施設の検討を速やかに進めることの必要性を、そして五つ目では、研究基盤を支える研究支援者や技術者といった人材を効果的に育成し確保していくための取組の必要性を挙げております。
最後の研究開発プラットフォームの構築ですけれども、これまでに述べてきたような取組をより効果的に機能させるためには、科学技術イノベーション政策を支える研究基盤を俯瞰的にとらえて、研究開発プラットフォームという一つのシステムを構築していくことが重要であるとしております。このような俯瞰的な取組を通じて個々の施策を有機的に結びつけることにより、イノベーションの基盤を形成することにつながっていくと考えております。
今後は、この報告を踏まえまして、文部科学省において具体的な取組の実行に移していただきたいと思いますし、先端研究基盤部会ではこういったことを詰めていきたいと思っております。
以上でございます。
【野依会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問はございますでしょうか。
それでは、次に参ります。議題3「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について」です。本件につきましては、前回の総会で取りまとめました「中間まとめ」につきまして各分科会等で議論を深めていただきました。本日は、各分科会等での御意見を基に作成した最終報告案をについて、御審議いただきたいと思います。
なお、本件につきましては、来年1月開催予定の次回総会で建議として大臣にお渡ししたいと考えておりますので、御意見などございましたら、できる限り、本日、御発言いただきたいと思います。
それでは、事務局から説明してください。
【塩田企画官】 御説明させていただきます。
まず、前回の総会で決定いたしました中間報告につきましては、冊子にいたしまして参考資料5として配付してございますので、御参照ください。
資料3-1は、中間報告に加筆すべき事項として各分科会等からいただきました御意見をもとに作成した、最終報告案でございます。各分科会等からいただきました御意見につきましては、資料3-2に取りまとめてございます。資料3-2を1枚めくっていただければ記載してございますけれども、八つの分科会等から御意見をいただきまして、いただいたものをそのままとじたものが資料3-2でございます。
それでは、資料3-1を御説明させていただきます。
まず、1ページの「はじめに」の部分でございます。最初の2段落は、文言を整理したものでございます。最後の段落につきましては、人材委員会からの御意見を踏まえまして、イノベーション人材の育成をはじめとしたイノベーション創出能力の強化に触れております。
続きまして、2ページでございます。「1.社会要請の十分な認識の必要性」の部分でございます。2カ所、修正がございますけれども、学術分科会と人材委員会の御意見を踏まえまして、研究者等の社会リテラシーの向上のための支援方策や、公的資金を投入して行う研究事業について国民への説明責任を果たすための方策を検討すべきである旨を記載してございます。
続きまして、3ページでございます。「社会の要請を踏まえた人材育成」の部分でございますが、人材委員会からいただきました御意見を踏まえまして、高等教育政策と科学技術イノベーション政策の整合的な推進という点と、戦略研究における人材の育成・確保の重要性を強調してございます。
「2.研究活動の前提としての公正性の確保」の部分でございます。ここにつきましては、前回の総会でも研究費の不正使用につきまして御議論がございましたが、不正行為や不正使用について特出しして加筆したものでございます。内容でございますが、データ等の捏造や改ざん、不適切なオーサーシップ等の不正行為は、科学技術・学術そのものに対する背信行為であり、国民の信頼を損ない、発展を妨げるものであるから絶対に許されないという基本認識とともに、少し飛びまして、研究者倫理の教育・研修を実施する等、その周知徹底が求められる。研究費を配分する機関において、不正行為防止の取組についてのチェックをより適切に行うなど、不正行為をなくすための取組を強化すべきであるという記載を加筆してございます。
4ページでございます。「多様な専門知の結集によるシステム化」の部分でございますが、これにつきましては、計評分科会からの御意見を踏まえまして、異分野間の連携や融合等の重要性が指摘されてきたにもかかわらず、これまで十分に実行されてこなかった原因を点検すべき旨を加筆してございます。
続きまして、5ページでございます。「1.地震及び防災に関する従来の取組方針の検証」の部分でございますが、測地学分科会と計評分科会の御意見を踏まえまして、防災や減災に十分貢献するということと、また、大学等の知見が地方自治体の防災対策に十分活用されるように改善が必要である旨と、本日は見直しの建議がございましたけれども、こういった視点を踏まえて、地震及び火山に関する新たな研究計画を策定すべきという記載を加筆してございます。
続きまして、6ページでございます。2.安全・安心な社会の実現等々の部分でございます。計評分科会からの御意見を踏まえまして、分野を超えたネットワークの構築のための具体的な方策を加筆してございます。
「3.大学及び公的研究機関の復興支援」の部分でございますけれども、産学連携・地域支援部会の御意見を踏まえまして、被災地の復興支援のための方策をより具体的・詳細に記載してございます。
続きまして、7ページでございます。中ほどの「新たな評価システムの構築」の部分でございますが、一番最後の段落でございます。新たな評価システムは被評価者の能力向上につながるものであるべきだということを加筆するとともに、計評分科会からの御意見を踏まえまして、国内外の優良な事例から学ぶべきであるということを記載してございます。
続きまして8ページでございますが、学問分野の特殊性に配慮する必要性と、研究活動を人材育成に生かしているかを評価の観点に加えるべきであるということを加筆してございます。
続きまして、「研究者の能力が最大限発揮される環境の整備」の部分でございますけれども、まず、人材委員会の御意見を踏まえまして、国際人脈網づくりが不可欠であり、その強化が必要と強調してございます。また、その下の部分でございますが、学術分科会の御意見を踏まえまして、高度な専門性を持つ研究支援者等を確保することの必要性、国際水準を踏まえた研究環境の整備の必要性を加筆してございます。その次の段落でございますが、先端研究基盤部会の御意見を踏まえまして、研究施設・整備の効果的利用を促進するための方策を具体的に記載してございます。
続きまして、9ページでございます。9ページの冒頭部分は、学術分科会からの御意見を踏まえまして、大学共同利用機関や共同利用・共同研究拠点のような大学の枠を超えた取組の促進を加筆したものでございます。
続きまして、「自然科学と人文・社会科学の連携促進」の部分でございますけれども、学術分科会からの御意見を踏まえまして、「展開が必要であり、展開方策を検討すべき」と強調してございます。
続きまして、10ページでございます。「若手研究者の交流促進、教育プログラムの実施等」の部分でございますが、人材委員会からの御意見を踏まえまして、「我が国は、分野間連携・融合やイノベーションを牽引する人材の育成機能が必ずしも十分とは言えない。このような人材の育成が大学・大学院教育の重要な使命であるとの認識の下、大学は産業界と連携し、社会的課題の解決に資する人材育成を行う必要がある」ということを書きまして、若干飛びまして、「また、我が国においては、必ずしも博士課程修了者に対する評価が適切に行われていない場合もあり、優秀な学生が進路選択をためらい、人材が育成されないといった悪循環も見られるため、改善に向けた一層の対応が必要である」と記載してございます。その下の部分は、これも人材委員会からの御意見を踏まえまして、教育振興と科学技術振興を有機的な連携のもとで進めることの重要性を記載してございます。また、その下の部分につきましては、先端研究基盤部会の御意見を踏まえまして、研究支援者や技術者の育成・確保の必要性を強調してございます。
続きまして、12ページでございます。「1.社会的ニーズの把握と研究課題への反映」の部分でございますけれども、人材委員会からの御意見を踏まえまして、「その牽引エンジンとなる人材の育成の強化が必要」という部分を加筆してございます。
続きまして、13ページでございます。冒頭部分につきましては、産業連携・地域支援部会と人材委員会からの御意見を踏まえまして、大規模産学連携研究開発拠点(センター・オブ・イノベーション)を構築するための具体策をより詳細に記載してございます。その下の部分につきましては、先端研究基盤部会の御意見を踏まえまして、我が国が保有する研究基盤の力を最大化するための方策をより具体的に記載してございます。
続きまして、14ページ、「1.科学的助言の在り方」の部分でございますけれども、科学的助言の在り方について、「科学的知見に不確実性がある場合はその旨を適切に提示することが求められる」ということを加筆してございます。
続きまして、15ページでございます。最初の部分につきましては、技術士分科会からの御意見を踏まえまして、「研究者や技術士をはじめとした技術者の専門的能力をいかした自発的な活動などが必要である」と加筆してございます。その下の部分につきましては、計評分科会の御意見を踏まえまして、リスクコミュニケーションがこれまで十分に実行されてこなかった原因の点検と、また、一番最後でございますが、効果的なリスクコミュニケーションの在り方についての検討の必要性を加筆してございます。
参考資料でございますが、1ページに本日までの審議経過を記載してございます。総会におきましては第36回から第40回までの議論、また、分科会、部会、委員会におきましても、随時検討を行っている旨を加筆してございます。
また、3ページでございますけれども、各分科会における詳細の検討状況、これは、「中間まとめ」の時からさらにリバイスした現状版をおつけしてございます。
さらに、参考資料としてつける予定の資料は、別途、資料3-3として配付してございます。資料3-3をごらんください。これは、資料3-1で説明させていただきました最終報告案の概要の案でございます。基本的に報告書に書いてあるエッセンスを事務局で抽出して記載してございますので、過不足等ありましたら、御指摘いただければと思います。
以上でございます。
【野依会長】 ありがとうございました。
前回の中間取りまとめにつきまして、各分科会等、そして委員の方々から御意見をいただいたものを、事務局が大変努力してまとめたものでございます。これにつきまして御意見がございましたら、幅広く承りたいと思います。よろしくお願いします。
三宅委員、どうぞ。
【三宅委員】 少し細かいところからになってしまうかもしれませんが、赤字が入って大変分かりやすくなったと思うことと一緒に、二つ、言葉が新しく入ってきたことで、どう解釈したらいいのか、多義な言葉があって、人が迷うかもしれないということにちょっと気づきました。
2ページ目に出てくる社会リテラシーですが、大抵の人にとってはちょっと新しい言葉で、しかも、その前を見ますと研究者が社会と関わると自然に身につくような感じで書いてあるものなのですが、多分、社会側も研究者とどう関わっていったらいいのかというような意味で、両方が何かコミュニケーションするためのリテラシーを身につけなければいけないということなのかと思います。これはどこを見るとどういうものかが説明してあるというようなことがもしあるならば、それが付記してあるといいかなと思いました。
それからもう一つは、さらに細かいことになってしまうかもしれませんが、最後の15ページのところで、「研究者や技術士をはじめとする技術者の専門的能力をいかした自発的な活動」というのが、これから科学技術の信頼の回復や、特に教育支援の場で大事だというのが、最後の方ですが入っておりまして、これは大変大切なことだと思いますが、ここで「自発的な」という形容詞がついているということは、専門領域に縛られずに自分ができることをどんどん積極的にやってくださいと、場所にとらわれずにやってくださいというような意味にとれる限りでは大変肯定的にとれますが、こういうことをやるための制度的あるいは財政的な支援というようなものは特に考えないので、自分たちで自発的にやれることはどんどんやりなさいと、もしそういう意図で書かれているんだとすると、実際には、今、こういうことをやろうとしている人たちが一番困っているのは、場所の確保であったり、制度的な整備であったりするのではないのかというようなことも感じておりますので、この「自発的」という言葉はどうとったらいいのかもう少しはっきりするといいかなと思いました。
【野依会長】 難しい言葉がたくさん入っておりまして、文部科学省用語辞典のようなものが本当は必要ではないかと思っておりますが、社会リテラシーはどのように直したらいいか、御提案ございますか。
【三宅委員】 直す……。
すみません、専門が認知科学だったりするものですから。簡単な言葉に置きかえることはちょっとできないかもしれないと思います。ただ、いろいろな方たちが持っているニーズというものは、少しどこかで付記をする、短い段落で付記をするというお手伝いはできると思います。
【野依会長】 ありがとうございました。考えさせていただきますが、後ほど書面で御提案いただければ、大変有り難く思います。
渡辺委員、どうぞ。
【渡辺委員】 大変読みやすくなったと思います。特に、2ページ目の社会要請の十分な認識の必要性というのは、とても重要なことを分かりやすく書いていただいていると思います。
その中で一つ、少し訂正していただきたい部分があります。2ページ目の下のほうの「公的資金を得て研究を行う意義」というところですが、ここには、政府、研究機関、研究者それぞれが説明する責任を負うとなっておりますが、何に対して説明する責任を負うかというと、「自らの研究の意義や成果」となっております。「自らの研究」を誰が説明するのかとなると、普通に読んでしまうと「研究者は」と読めて、政府が「自らの研究の意義」とは読みにくいと思います。政府、研究機関、研究者、それぞれが責任を負うということはとても重要だと思いますが、そこを、例えば、政府は上に書いてありますような戦略研究や要請研究を戦略的に進め、その意義と成果を説明する責任を負うというような表現にしていただきますと、政府の責任も非常に明確になるのではないかと思います。
【野依会長】 おっしゃるとおりだと思います。おそらく学術的な研究については研究者の責任が大きいですが、戦略研究あるいは要請研究等につきましては国の説明責任も大きくなるかと思います。
ありがとうございました。
ほかにございますか。小池委員、どうぞ。
【小池委員】 7ページの課題解決のための政策誘導の必要性のところに「新たな評価システムの構築」というのがございますけれども、そこに「政策責任者、研究統括責任者がインセンティブを与える」ということが書かれていますが、この場合の政策責任者と研究統括責任者というのが何を意味するのかというのが分からないのが一つと、あともう一つ、例えば、最近、プログラムディレクターとかプログラムオフィサーというのが大きなプロジェクトではみんな導入されて、それが研究をまとめるという役割をしておりますけれども、いまいちその役割がはっきりしていない。結局、誰が最高責任者なのかがよく分からないわけですね。ですから、ここに、そういう評価システムの構築と同時に、それぞれの責任を明確化するということも大事なのではないかと思います。
【野依会長】 ありがとうございました。おっしゃるとおりだと思います。検討させていただきます。
佐々木委員、どうぞ。
【佐々木委員】 今度加わった箇所についての意見でございます。3ページの2の研究活動の前提としての公正性の確保というのが新たに項目として加えられているわけでございますけれども、私はこれをここに入れるというのはいささか違和感を覚えるのでありまして、何か話の流れを中断するような機能を果たしているのみならず、やや表現が硬いのでありまして、例えば後ろの方へ変えるとか、できれば場所を変えていただく。重要であること自体は私も何の疑問も抱かないのでありますけれども、せっかく話が走り出したところでまずブレーキをかけるというような構造はあまり望ましくないので、ちょっと処理の方法をお考えいただくとありがたいと思います。
以上でございます。
【野依会長】 前回の中間まとめの後、社会情勢を鑑みて、付け加える必要があると考えました。場所につきましては、適切に移させていただきたいと思います。ありがとうございました。
佐藤委員、どうぞ。
【佐藤委員】 全体としてよくまとまっていると思いますし、東日本大震災を受けての問題点はきちんと整理をされていると思います。前提として、当然のことですからわざわざ書いてないのだろうと思いますけれど、科学技術の振興を計画に沿って着実に進めていくということの大切さは一言ぐらい、例えば1ページの第3段落で、目指す国においては、従来からの振興計画を着実に進める。一方、こういうことについてということで、何か前提も一言入れていただくと有り難いと思います。
【野依会長】 ありがとうございました。
鈴木委員、どうぞ。
【鈴木委員】 7ページの「新たな評価システムの構築」の下の方に、赤字で、「かつ、被評価者の能力向上につながるものとして肯定的に受け入れられ」という箇所があります。これの意味するところはそのとおりであると理解できるのですが、実際に評価をする段階では、そう簡単ではない気がします。つまり、日本人そのものが潜在的に持っている気質が影響します。何かといいますと、ポジティブ評価か、ネガティブ評価かという面で、日本人はどうしてもネガティブ評価になってしまいます。人の足を引っ張る、悪口を言うのは得意ですが、誉めることは非常に不得意なのです。欧米は逆です。ここを変えないと、口で言っても、そう簡単には直らない。ポジティブ評価ということを全面的に打ち出すような書き方にしてはどうでしょうか。
【野依会長】 以前より改善されていますが、もう少し積極的にということでございますね。考えさせていただきます。
また、文言等は、御助言ありましたら承りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
田代委員、どうぞ。
【田代委員】 9ページの一番上の段落ですが、これは入れていただいてとても有り難いことなのですけれども、一番上の行に「個々の大学の枠を越えて」と。大学というのはもうかなり枠を超えて共同研究をやっておりますので、重要なことは、大学と研究機関じゃないかと思います。研究機関は割と個別にほかとの同じようなタイプの研究をやりますので、その研究機関同士の枠を超えていただきたいと私は考えておりますので、大学だけではなくて、ここに研究機関も入れていただいた方が、はっきりするのではないかと思います。よろしくお願いします。
【野依会長】 ありがとうございます。
柘植委員、どうぞ。
【柘植委員】 修文の提案ではなくて、今後の提言のこの活用についての要望をお願いしたいと思います。この資料は、科学技術・学術審議会のクレジットになると思いますが、かなりの部分で、例えば10ページの「若手研究者の交流促進、教育プログラムの実施等」では初めて「教育」という言葉が出てきて、それまでは人材育成だったのですけれども、特に三つ目の丸のところは、大学院教育、あるいは博士課程の教育についての一層の改善。さらに、下の方には初等中等教育から高等教育段階までという、従来の科学技術・学術審議会のスタンスを超えたところまで提案をしております。これは本当に私も有り難いと思うのですが、これを今後生かしていく時には、今日は森口事務次官がおられますが、多分、森口事務次官しか、これは踏み込めないと思います。教育のところと、科学技術・学術政策とですね。是非ともそこのところは、実効あるものに導いていく施策をリードしていただきたいと思います。
【野依会長】 これはどこで具体的に議論すればいいのでしょうか。
事務局、よろしくお願いします。
【磯谷科学技術・学術統括官】 当然、教育の問題ということになれば中央教育審議会になりますけれども、過去にも科学技術・学術審議会と中央教育審議会でいろいろ情報交換したこともございますので、そのような形も考えられるかと思いますが、いずれにせよ次期のやり方については、また御相談させていただきたいと思います。
【野依会長】 前向きに考えさせていただきたいと思います。
ほかにございますか。
野間口会長代理、どうぞ。
【野間口会長代理】 最初に三宅委員先生から御指摘ありました資料15ページの自発的な活動についてですが、技術士分科会において、東日本大震災の後、技術士としてどのような貢献ができるのかということを議論しまして、技術士会のホームページを通じて、被災地、あるいは全国へ向けて、力を合わせてサポートしようという呼びかけを行いました。それから、技術士会として様々な相談に応じることの呼びかけを行いまして、この支援活動は相当貢献したのではないか思います。制度的な問題や法律的な問題にかかわらず、まず、今のままで自らができることは何だということを皆で意見を出し合い、サポートしようという議論しました。そういう意味で、この自発的な活動というのは、様々なところで同様の工夫ができ得るのではないかと考えています。事務局からこの技術士会の支援活動の紹介がありませんでしたが、私どもからこの意見を案として出させていただいたということでございます。
【野依会長】 ありがとうございます。
事務局、何かありますか。
【塩田企画官】 すみません。私も技術士会のホームページ等を見ましたけれども、技術士が震災に当たってかなり積極的に貢献されており、このことを説明すべきでした。大変申しわけございませんでした。
【野依会長】 ありがとうございました。
ほかにございますか。
室伏委員、どうぞ。
【室伏委員】 野間口委員のお話と関連することですけれども、この自発的な活動ということにつきましては、日本学術会議などでも様々な活動を繰り広げております。サイエンスカフェなどを各地で開催して、そこで震災に関連する様々な課題を取り上げたり、大きなシンポジウムを開催したりして、研究者あるいは技術者が自発的な活動を繰り広げております。ここの記載は、勝手にやりなさいということではなくて、研究者・技術者が自分たちで自発的にそういったものを始める、自分たちで活動して国民に対して語りかけるということが非常に重要だということを意味していると思いますので、私は、このままの記載で良いだろうと思います。
以上です。
【野依会長】 ありがとうございました。
ほかにございますか。
御意見ございませんようですので、審議はここまでにさせていただきたいと思います。また、さらに御意見がございましたら、書面で事務局にお伝えください。
今いただきました御意見を反映した修正案につきまして、事務局から委員の皆様に文書で意見照会をさせていただきますが、最終的には私に御一任いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【野依会長】 それでは、次回の総会での建議に向けまして、私が責任を持って案文を取りまとめさせていただきたいと思います。
次に、議題4に参りますが、「最近の科学技術・学術の動向について」でございます。事務局から説明してください。
【塩田企画官】 資料4-1でございます。総合科学技術会議の概要でございますが、まず私の方から、平成24年11月2日の総合科学技術会議におきまして、山中先生が「科学技術イノベーションを巡る課題」というテーマでプレゼンをされまして、野田総理からも回答がありましたので、それの紹介をさせていただきたいと思います。
1ページめくっていただきまして、これは総合科学技術会議の議事次第でございます。
次のページ、資料1ということで山中先生のプレゼン資料の抜粋をつけてございます。
1ページめくっていただきまして、2ページでございますが、iPS細胞につきましては、2003年にJSTのCRESTをいただいたことによって一気に研究が進みましたというようなご 発言がございました。
続きまして5ページでございますが、iPS細胞につきましては、再生医療のみならず、iPS細胞からつくった人間の細胞を道具として使って薬の開発を行う、こういう研究開発があるということをおっしゃっておられました。
続きまして、次の7ページでございますが、一方の再生医療の方ですけれども、再生医療はどんどんと研究開発が進んでおり、ここに記載があるようなものにつきまして特に研究開発が進んでいるというようなご紹介がございました。
続きまして8ページでございますが、資金面での課題ということで、特に知財の専門家ですとか高度な技術者のような研究支援者につきましては、欧米を含めた諸外国同様に、競争的資金による期間雇用ではなく、適正に雇用できる仕組みを作る必要があるということを強調されておりました。
続きまして、次の10ページでございますが、iPS細胞を用いた新しい医療技術であるために規制上の課題が多々あるというような御説明がございました。
続きまして11ページでございますが、産業面での課題ということで、研究機器、試薬の大部分が外国製であるため、結果として外国企業に貢献しているという点と、外国産に頼っていると、製品の供給がストップした場合に日本での研究開発もストップしてしまうという点があり、国産化が望まれるというような御説明がございました。
そういった山中先生のプレゼンに対しまして、野田総理の発言、議事要旨の抜粋をつけてございますが、中ほど、「3点、政府が一丸となって推進してほしい取組を指示させて頂きたいと思います」ということで書いてございます。第一にということで、iPS細胞を用いた再生医療を実現するために、次期通常国会で薬事法を改正するなど関連法制の整備を行うとともに、安全規制面での基準整備、倫理面の検討を加速するということ。第二に、大学などにおいて研究環境の大胆な改革を進め、必要な研究支援人材群の確保を進めること。第三に、独創的なアイデアや技術を持つ若手研究者を育成・発掘するため、新たな採択方式の採用など、研究費の改革を行うといった御発言が、野田総理の方からございました。
続きまして、総合科学技術会議で、評価の関係で動きがございますので、鎌田企画官の方から御説明させていただきます。
【鎌田企画官】 科学技術・学術政策局で研究開発評価の担当をしております、鎌田と申します。
内閣府総合科学技術会議の方で「国の研究開発評価に関する大綱的指針」の改定が行われておりますので、その状況について、御説明させていただきます。
資料4-2をごらんください。第4期科学技術基本計画におきましては、研究開発評価システムにおきましても、課題の達成に向けて、研究開発の推進からその成果の活用に至るまで、科学技術イノベーションを一体的・総合的に推進して、実効性の上がるPDCAサイクルを確立すべきとされていることを踏まえまして、内閣府総合科学技術会議におきましても、国の大綱的指針の改定が行われているところでございます。
I.にございますように、その改定のポイントでございますけれども、大きく二つございまして、一つ目は研究開発政策体系におけるプログラム評価の導入・拡大、二つ目がアウトカム指標による目標の明確化とのその達成に向けたシステムの設計というものでございます。具体的には、これまで各省や各研究開発法人が企画、立案、実施してきた様々なプロジェクト、研究資金制度、これらのものを新たに研究開発プログラムという枠組みで、明確な目標を定めまして、工程管理もしっかりいたしまして、評価も実施するというものを導入するというものでございます。研究開発プログラム評価の詳細な概要、あるいは大綱的指針の改定の具体的な内容につきましては、本資料の後ろの2ページ以降につけさせていただいておりますので、必要に応じてごらんいただければ幸いでございます。この場では、詳細な説明は省略させていただきます。
内閣府の大綱的指針の改定でございますけれども、11月21日の内閣府の評価専門調査会でほぼ具体的な議論が終了いたしまして、12月中にも総合科学技術会議の方で決定する見込みであると聞いてございます。文部科学省といたしましては、本大綱的指針の改定を踏まえまして、また、資料4-2のII.に列記されてございますように、本日御議論いただきました「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について」ですとか、あるいは日本学術会議でおまとめいただいた「我が国の研究評価システムの在り方」など、数々の研究開発システムに係る貴重な御提言をいただいているところでございますので、これらの内容も踏まえまして、本審議会の研究開発評価部会及びその作業部会で集中的に御議論いただきまして、文部科学省の評価指針の改定作業を鋭意進めてまいりたいと考えているところでございます。
委員の先生方におかれましては、この研究開発評価指針、文部科学省の改定につきましても、今後とも引き続き、御指導、御意見等を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
【野依会長】 ありがとうございました。
それでは、今の御説明につきまして、御質問ございますでしょうか。
先ほどの山中先生の意見表明のところで、もっと日本の試薬、あるいは研究機器等を使わなければいけないのではないかということを言われたそうで、私も全く同感です。二、三日前の新聞で、日本は、論文を一つ作るのに5,000万円かかっていて、コストパフォーマンスが大変低いのではないかという記事を見た覚えがあります。研究社会が様々な努力をしなければいけないところもありますが、私は、原因の一つに、研究の直接経費、海外から購入する研究機器や試薬が極めて高いということがあると考えております。特にライフサイエンスです。これは研究者個人ではどうにもならないところがあり、輸入代理店を通して買っていることによって、大変高くついている面があろうかと思います。アメリカから買っている例が多いと思いますが、ヨーロッパの研究機関や大学、あるいはイギリスはどうなっているのか、中国はどのようにして買っているのか。アメリカの企業の言い値で買っているとは、とても考えられません。その辺りのことを徹底的に研究しなければいけないと考えています。
それから、先端研究機器につきましては、私は10年ぐらい前に問題を提起いたしまして、日本で最先端の機器を開発するように文部科学省にもお願いして財政支援もしていただきましたが、それがなかなか実効あるものになっていないようにも感じます。ですから、研究社会、あるいは産業界も含めて努力すべきところと、それから、流通の仕組みになるのでしょうか、その辺りのことも少し政治的な力で直していく必要があるのではないかと思います。
先生方、どのような印象を持っていらっしゃいますでしょうか。ライフサイエンス分野におきましては、倍ぐらい高いと聞きます。ですから、鈴木委員のように物理の大きな機器を自前で開発していらっしゃるところは状況が異なるのでしょうが、一時、何でも買ってくる方が便利だ、安いというような風潮があったのではないかと思います。それが10年、20年積み重なって今日の状態を招いているのではないでしょうか。
鈴木委員、どうぞ。
【鈴木委員】 以前に科研費の経費の使い方で外国製品を購入することに関して、委員会で議論したことがありました。その時に、私たちの研究分野での米国の例を紹介しました。米国では、外国製の装置を購入する場合、厳しい審査が入ります。よほどの根拠がないと国産以外のものを買うことは難しいのです。科研費の場合、全くフリーで、専門家による審査はないのです。科研費の経費の使い方も、申請時に課題と同時に審査する方式を検討しなければならないと考えます。
【野依会長】 これはJSPSで調べていただくのか、どこで調べるのか知りませんが、JSPSに小山内さんという方いらっしゃいますよね、イギリスにいらした方。
【磯谷科学技術・学術統括官】 今、NIMSのほうにいらっしゃいます。
【野依会長】 NIMSですか。あの方はイギリスの購買の仕方に詳しいはずです。もっと合理的にやっているようです。
どうぞ、有川委員。
【有川委員】 先ほど報告させていただきました先端研究基盤部会の資料の中で、必要となる取組の3番目に、国の研究開発で国産の研究機器が積極的に利用されるためのシステムの検討に着手すべきだということを掲げております。これは、野依先生がかなり前に、もう10年ほど前だと思いますが、今おっしゃったようなことで御指摘をいただいています。これは分野によってかなり違っているのだと思います。鈴木先生のお話がございましたけれども、J-PARC等では、大学の学生らと一緒になって機器を開発し、それを使って実験をするというようなことが日常的に行われているようでありまして、おそらくそうしたことがライフサイエンス等でももうワンフェーズ早めると可能になるのではないのかなと思います。そこは本当に工夫する必要があるのではないでしょうか。例えば、昔ありました科研費の試験研究ですと、小ぶりではありますけれども、そういったものも実際に作ってみるというようなことをやっていたわけですが、そういった何らかの制度的なことを考えてみる時期ではないかと思います。
【野依会長】 科学研究費補助金は2,600億円ほどの予算だったと思いますが、研究費の実勢としては、おそらく1,800億円ぐらいしか使い勝手がないのではないかという印象を私は持っております。是非一度、徹底的に議論をして、研究社会でできること、産業界でできること、あるいは政治的な力がないとできないこと、いろいろあると思いますが、問題点がどこにあるのかということを検討していただくのがいいのではないかと思います。
小谷委員、どうぞ。
【小谷委員】 今、研究機器のことを議論されましたけれども、同様に電子ジャーナルのことも、各大学で戦うにはちょっと限度があるかなと思いますので、その辺のことももう少し大きな枠組みでお考えいただければと思います。
【野依会長】 それはまた別の大変大きな問題があると考えています。これも議論する場を作っていただければと思います。
平野委員、どうぞ。
【平野委員】 私、研究費部会の部会長を務めておりますので、以前から言われていました機器開発的な部分を含めた予算の在り方というのは、最近大変気にしていたところでありますが、時間を見て部会の中でも皆さんの御意見をお伺いするようにしたいと思います。
それから、ちょっと話が変ってよろしいでしょうか、全体的なところなのですが。
【野依会長】 はい、どうぞ。
【平野委員】 先ほど御報告ありましたような、先端研究基盤部会からの提言だとか、あるいは地震・火山、今の在り方を含めた議論というのは、文部科学省の中の科学技術・学術審議会でまとめてくるわけありますが、先ほどの総合科学技術会議の評価については、まず総合科学技術会議のほうで大指針を決めて、それから各省へ下りてくるわけでありますが、言いにくいのでありますけれども、本当にこれでいいのかなということもないわけではない。ということもありまして、ここの審議会は審議会として議論を進めますが、今、御報告ありましたようなところを、もしも総合科学技術会議が本当の科学技術の司令塔であるならば、そこへきちっと、せっかく皆さんが努力されてまとめられたことを是非、ほかの省にも関係するわけですから、反映していただきたいという、一委員としてのお願いであります。委員会でやることは、大いに努めてやります。よろしくお願いします。
【野依会長】 ありがとうございました。
柘植委員、どうぞ。
【柘植委員】 今、平野委員がおっしゃったことの連続の話でございます。研究開発評価システム、今の資料4-2の裏側に整理図が描いてあります。是非とも次の2点をチェックして、そして、それがよりいいものができたならば総合科学技術会議の方に逆に還元してほしいと思います。一つは、基本的には研究開発評価というのは現場をエンカレッジングしていくことに作用しているかどうか。先ほど鈴木委員がおっしゃったように、日本人の下手のところという。逆に、本当にエンカレッジングしていくことにこの整理図が作用するかということですね。もし足りないならば、何かプラスの軸なり施策が今後というところに必要かもしれません。
もう一つは、現状を分析していますが、現状なぜできてないのかと。例えば、「プロジェクトの関連付けによるプログラム化」という黄色の枠の一番左上ですけれども、現状に対して、上位施策に対しての位置づけ等が明確にされていないと。なぜされてないのかというところまで踏み込まないと、今後PDCAを確立しますと言われても、各現場ではできないことを押しつけようとしているんじゃないかなと。その結果、さっき言ったエンカレッジングのサイクルじゃなくて、逆に批判的なサイクルに入ってしまうおそれもあるということですので、現状なぜこれができてないのかということを本当の現場の感覚で吸い上げて、そして、それは今後の中に必要な施策としてプラスされるのではないかと思います。この2点、文科省の評価をしっかりやれば、総合科学技術会議の方にもう一回これを国全体で水平展開したらどうだということを言えると思いますので、お願いいたします。
【野依会長】 ありがとうございました。
有川委員、どうぞ。
【有川委員】 小谷委員からございました電子ジャーナルの件ですけれども、私が主査をさせていただいている研究環境基盤部会のもとに学術情報基盤作業部会というのがありますが、ここではあらゆる角度からかなり丁寧な検討を行い、報告も出しております。結構難しい問題があるのですが、究極的に何をしなければいけないかということなども含めたまとめを、7月頃に出してございますので、是非ごらんいただきたいと思います。ちょっとお考えいただきますと、それほど簡単でないということがすぐお分かりいただけると思いますが、その上でICT時代にどういうことが可能なのかということも含めて提言をしたつもりでございます。
【野依会長】 ありがとうございました。
大垣委員、どうぞ。
【大垣委員】 先ほどの柘植委員の御意見に引き続く意見でございますが、資料4-2の2ページ目でしょうか、色がついたものですが、こういう評価の体制づくりは、これはこれで結構なことなんですが、多分、実行可能性ということを考えたときに、これが下りてきた現場の具体的な作業がどうなのかという、かなり具体的な詰めを同時にしませんと、言葉だけになる心配がある、あるいは現場の負担が非常に大きくなるという心配があります。現在、独法におりますけれども、独法の評価等は二重三重にせざるを得ないという形が出てきますので、その辺を具体化のところまで検討していただくというような要請は出す必要があるかなという気がいたします。
【野依会長】 本間委員、どうぞ。
【本間委員】 山中先生が挙げていただきました課題の幾つかの中に、8ページに資金面での課題というのがございまして、2番目に研究開発に必要な人材の安定的雇用が必要と挙げていただいております。これに対して野田総理の回答も後ろの方に載っておりますけれども、アカデミアの現状では非常に任期つきの特任助教やポスドクが増えておりまして雇用が不安定であり、それに対しては昨年も日本学術会議で危機的な状況にあるという提言がされております。このままでは、若手研究者は人生設計もできないような状況ですが、これに対し、来年4月1日から労働契約法が改正される予定です。本来ならば労働者の権利を守るための改正だと思いますが、結果としてアカデミアでは5年を超えての契約更新がなくなってしまうという現状になります。これには例外を認めないと言われておりますが、アカデミアにはそぐわない改正で、現場では非常に嘆かわしいと思っております。何とかならないものかと思いまして、意見を述べさせていただきました。
【野依会長】 今おっしゃった問題は、アカデミア、大学だけでなくて、研究開発独法でも大変大きな問題だと考えていますので、引き続き議論をして政府に要請していく必要があると思います。
室伏委員、どうぞ。
【室伏委員】 ありがとうございます。簡単に1点、御報告をさせていただきます。
先ほど、平野委員、柘植委員からお話があった評価の件ですけれども、皆様のお手元に資料4-3が配付されていると思いますが、これは、日本学術会議からの提言といたしまして、「我が国の研究評価システムの在り方」ということでまとめたものでございます。これは研究計画評価分科会でも御報告させていただきました。また、11月15日の総合科学技術会議の評価専門調査会でもこの提言について説明をするようにという要請がございましたので、そちらに行ってまいりまして、御説明させていただきました。
この提言の中で特に申し上げているのが、国としてさまざまなプロジェクト・プログラムに関してのメタ評価をすべきであるということと、若手研究者の育成・支援に資するような研究評価システムへの転換方策ということです。この提言につきまして、総合科学技術会議でもかなりポジティブなご意見をいただきまして、それらを大綱的指針の中に1行ないし2行ぐらいは入れようという話し合いになったと思ったのですが、今、資料4-2の2ページ以下を拝見しますと、残念ながら、あまり反映されていないようです。今後、平野部会長のもとで、評価システム、評価の在り方に関して、文部科学省としての様々な方策について議論が続いていくと思いますが、現在までに、総合科学技術会議などでそういった議論があったということを御報告させていただきました。
ありがとうございました。
【野依会長】 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
いろいろな意見を伺いました。今後とも議論を継続してまいりたいと思います。
それでは、最後に事務局から連絡事項をいただきますが、森口事務次官、何か御発言ございますか。
【森口事務次官】 幾つか事務局の方にも宿題をいただいたと思いますので、しっかり対応していきたいと思いますが、具体的に言いますと、先ほどの教育との関係、これについては、今、御承知のとおり教育の方も第2期の基本計画のまとめの最終段階に入っておりまして、その中にはかなり、同じ役所になったということもあり、そこはよく連携をとって、いろいろ書き込んでございますが、また、先ほどいただいた件も、もう一度、関係局間でよく連携をとって、教育振興基本計画の方にもしっかりと取り入れるということも考えていきたいと思っております。
あと、総合科学技術会議との関係、これはある意味、今の政府の組織の在り方にも関わってくるわけですけれども、総合科学技術会議ともしっかりと連携をとって、基本的には我々の意見をかなり取り入れてもらっているとは思いますが、その辺はさらに引き続きよく連携をとりたいと思いますし、それから、安定雇用の問題についても、我々、いろいろ議論をしておりまして、一番望ましいのは法的に科学技術関連については穴をあけるとか、そういうことができれば一番いいわけですが、これはかなりハードルが高いので、その辺も追求はしますが、具体的により実践的な形で影響が出ないようにすると、そういうことも今考えておりますので、この辺もまた、各委員の方々ともご相談しながらしっかり進めていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
一応、決意表明ということで、よろしくお願いいたします。
【野依会長】 ありがとうございました。
ほかにございませんでしょうか。
【野依会長】 それでは、事務局から連絡事項をお願いいたします。
【塩田企画官】 次回の総会につきましては、来年1月17日木曜日、15時から17時、三田共用会議所を予定してございます。今期最後の総会の予定でございます。
また、本日の会議の議事録につきましては、作成次第、お目通しいただきまして、文科省のホームページに掲載させていただきたいと思います。
以上でございます。
【野依会長】 ありがとうございました。
それでは、これで閉会させていただきます。ありがとうございました。
学術政策第1係
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