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文部科学省独立行政法人評価委員会

2002/03/22 議事録
文部科学省独立行政法人評価委員会第6回総会議事録

第6回文部科学省独立行政法人評価委員会総会
議事録

1. 日時    平成14年3月22日(金)  14:00〜16:00
   
2. 場所    東海大学校友会館「阿蘇の間」(霞ヶ関ビル33階)
   
3. 出席者
(委員) 浜田委員長、神田委員長代理、池上委員、大南委員、岡部委員、梶委員樫谷委員、門永委員、河野委員、重委員、清水委員、鈴木(清)委員、鈴木(弘)委員、武田委員、舘委員、辻委員、土岐委員、原委員、平野(次)委員、三輪委員、村田委員、薬師寺委員、山本委員
(事務局) 青江文部科学審議官、結城大臣官房長、田中総括審議官、林大臣官房審議官、小田大臣官房政策課長、板倉評価室長  ほか担当課長等
   
4. 概要
(1)

人事異動について

<事務局及び法人役員の異動について、事務局より説明がなされた。>

   
(2)

役員報酬規程の変更について

<事務局より説明があり、了承された。>

   
(3) 中期目標・中期計画の一部変更について
1

平成13年度第2次補正予算に係る中期計画の一部変更について

<事務局より説明があり、了承された。>

   
2

独立行政法人航空宇宙技術研究所における中期目標及び中期計画の一部変更並びに独立行政法人国立美術館の中期目標、中期計画及び業務方法書の一部変更について

<事務局より説明の後、以下の意見交換がなされた。>

   
 
岡部委員:   航空宇宙技術研究所中期目標及び中期計画に関し、「……航技研を中心として宇宙関係機関・企業等の……」の部分は、実際には大学も協力して研究を行うとのことであり、大学を明示してはどうか。例えば、「宇宙関係機関・大学・企業等」の方が良いのではないか。併せて、中期計画についても、「……との連携・協力のもと、企業等」を「大学・企業等の研究者」にしてはどうか。
   
大塚宇宙開発利用課長:   ご指摘を踏まえ、関係者と調整をさせていただく。
   
清水委員:   国立美術館・博物館部会においては、ナショナル・ギャラリーが収蔵品を有しない展示場であり、従来の近代美術館あるいは西洋美術館、国際美術館とは同等に扱うことは適切ではないのではないかという意見があったこと、また、本件については今年になってから評価委員会に情報提供があり、検討の時間が不足したことを申し添えたい。
   
浜田委員長:   航空宇宙技術研究所の件については、いただいた意見を踏まえ変更する方向で委員長に一任をいただきたい。それでは総会として、本変更を加えることにし、了承とさせていただく。
   
(4) 業務実績の評価について
1 業務運営評価ワーキンググループの検討結果について
   
 
樫谷委員:   業務運営評価ワーキンググループは4回にわたり議論を重ね、今回報告させていただくことになった。本ワーキンググループにおいては、業務運営の効率化と、各独立行政法人から提出された財務諸表の大臣承認の前の評価委員会の意見の申し出の際の観点について議論を行った。ただし、まだ具体的な事例がないことから、6月に提出される財務諸表を吟味して、必要があれば報告書の内容を修正することとしている。
  まず、財務情報については、独立行政法人会計基準に基づいて作成し、報告することになっている。しかし、これだけでは評価委員会の評価のためのデータとしては不足するのではないかという意見があり、その検討を行った。
  セグメントは事業区分という意味であり、独立行政法人会計基準においても、財務諸表でセグメント情報を記載することになっている。セグメントの区分は、法人がそれぞれの特色に応じて自ら決定することになっているが、国民に独立行政法人の財務の実態をわかりやすく説明する観点が重要であり、あまり詳細なものはかえってわかりにくくなってしまう。一方、評価をする立場からは、簡便なものでは評価が行いにくいことから、どの程度の情報を盛り込むべきなのかを検討した。その結果、独立行政法人評価委員会には、中期目標・中期計画の項目に対応した、少し詳細なセグメントに基づく情報を報告してもらう必要がある。また、独立行政法人の業務運営の効率化の評価を行うに当たっては、法人が営むそれぞれの事業について、どの程度の費用がかかったのか、あるいはそれらの財源がどうだったのかという情報を把握する必要がある。そのためには、セグメント情報が非常に重要になるが、先述の通り、少し詳細な業務単位ごとの情報提供が必要であり、この情報提供をするためには、そのための体制づくり、例えば管理会計システムを構築する必要があるため、直ちに対応できるとは限らないという意見があった。また、企業では、収益と費用との差額が利益になるが、独立行政法人は、収益と費用との対応関係はあるものの、民間企業とは税金を使っている点で異なる。特に、独立行政法人では運営費交付金を収益化して費用を使っていくが、運営費交付金債務をどのような方法で収益化するかによって、業務運営の評価の実施に影響が生じる。収益化の方法には、いわゆるプロジェクト進行型、期間進行基準型、費用進行型の3つ方法がある。ただし、現在、文部科学省所管の法人だけではなく、ほとんどの独立行政法人が費用進行型の方法を採っている。これは、費用進行型が今までの会計方法と似通っていること、独法発足後、最初の中期目標期間であることから、まだ法人内の管理体制が十分でないこと、プロジェクト進行型の方法が実務上まだ具体的でないことから、結果的に費用進行型になっているものである。ただし、費用進行型は、いろいろな問題点があり、収益化の方法については、今後、法人の会計管理システムも含め、十分検討する必要があるのではないか。プロジェクト進行型の場合、業務の進捗を定量的に把握できるような基準を設定する必要がある。この際、業務の進捗を数字で表現する方法をもう少し煮詰める必要がある。また、プロジェクト進行基準における業務の進捗度は会計処理上の問題であり、評価委員会が行う評価と必ずしも連携するものではない。
  それから、当面の実務的な対応案として、投入費用をもとに業務の達成度を便宜的に測定してはどうか。プロジェクトをまだ進行中のものと終わったもの、つまり年度計画に記載してあるレベルを100%達成したものと、まだ達成していないものとに分け、100%達成しているものは、それに対応する収益を全て収益に計上し、費用は実際の支出を用いてはどうか。そうすれば、収益と実績の費用との差額である利益、あるいは損が把握できるのではないか。一方、100%達成していないものについて、95%の達成なのか、85%の達成なのかを判断することは難しいことから、まずは年度末においては費用進行基準を用いる、そして、100%達成した期において評価してはどうか。この方法であれば、プロジェクト進行型の利点も活用でき、来期の決算において実現できるのではないかという想定のもと、本方法を提案している。これは、現在の会計基準に書いてあるわけではないが、決して会計基準と違反するものではないことから、このような実務的な対応を提案したものである。また、管理部門については、期間進行基準型、つまり、単純に年度を12分の1にする方法で良いのではないか、あるいは各業務に割り振って収益と対応させる方法でも良いのではないか。
  独立行政法人評価委員会における財務諸表等の評価の視点については、まず、財務諸表全体にわたって、法人の財務の状況が国民にわかりやすく説明されているかどうか。貸借対照表においては、セグメントが適切か、例えば業務費を圧迫するような資産取得や、中期計画に定められた上限を超える借入金があったかなど、法人の業務の実施に影響を及ぼすおそれのある項目がなかったか、重要な財産の処分がなかったか、短期借入金の借りかえがなかったか、前年度と比較方式した結果、重要な金額の増減の理由が記載されているか、独立行政法人固有の勘定科目の内容が脚注等に明示されているかといった点について、チェックしてはどうか。損益計算書については、セグメントが適切か、業務運営の効率化など中期計画の項目との対応関係がわかるように記載されているか、自己収入の状況、固定的経費の削減状況、収益化の状況などについてチェックしてはどうか。その他、剰余金の使途に則した目的積立金が設定されているか、経営努力について国民が納得するような説明がされているか、会計処理の原則・手続・表示に変更があった場合、業務の内容から見て適切なものであるか、収益化の基準が適切であるかについてチェックしてはどうか。加えて、法人の業務は数字だけでは判断できないことから、単に当期利益あるいは当期損失が出ただけで単純に評価するべきではない。つまり、独立行政法人会計における損益計算書上の利益や損失は、直接法人の業績実態を示すものではなく、予定された費用がどの程度効率化されたかを示すこととなるため、財務諸表について検討を行う場合、あるいは業務実績の評価を進めていく上で、損益計算書上の利益や損失を直ちに法人の業績とすべきではない。
  業務運営の効率化については、1%の効率化を図ることが中期目標・中期計画に記載されている。しかし、1%が達成できれば良いということではなく、各独立行政法人が効率化に向けてどのような努力をしているのかを総合的に判断しなければいけない。効率化を図った結果、サービスの質が低下する事態は回避すべきであり、効率化の取組の体制などもあわせてチェックする必要がある。
  また、1%の効率化は、運営費交付金を充当して行う業務が対象であり、自己収入・目的積立金を財源とするものや新規業務などは除くということ。1%の効率化の評価は、予算の見積額と決算額を比較することによって行うということ。それから、「A」は着実に成果を上げている、「B」はおおむね成果を上げている、「C」は業務の改善が必要であるという基準に従い、「A」を1.5%以上ということにした。1%の効率化という目標を下回った場合は「C」、その間は「B」とするということ。ただし、この区分については、経済や財政状況の変化があるため、それらを勘案して、必要に応じて見直すこととされた。
   
2

文部科学省所管独法の業務実績評価に係る基本方針について

<事務局より説明>

   
3

各分科会における検討結果について

<学校教育分科会>

   
 
舘委員:   国立特殊教育総合研究所における事業年度評価の方法に関する基本的な考え方として、中期計画の項目ごとに複数の評価指標を設定するなど、多面的な評価を行うこととし、中期計画に数値が定められている項目については定量的な評価を行うが、それ以外の項目については定性的な評価をすることで了承された。また、定性的な評価をする際には、主な研究、研修、教育相談等の6つの活動を中心に行う法人の自己評価を参考にしつつ、評価委員の協議により評定を行うこととした。項目別評価の段階評定は、基本方針を「A」「B」「C」に加え、「C−」、「A+」も考慮する。ただし、定量的な評価に関する項目において、どのような事例に「A+」を付すのかについては、引き続き検討することとなった。評定に当たっては、事業の成果が短期間では現れないという特色にかんがみ、研究、研修、教育相談の相互の関係性に配慮すること、収益を上げることや画一的な効率性の追求などはなじまないという点に留意して行うこととなった。評価の手順に関する基本的な考え方としては、平成14年4月以降、引き続き実績評価の準備を行い、研究所へ必要なデータ・資料の収集・整理を求め、評価委員へ情報提供いただくことにしている。6月には、評価フォーマットの実績が記入され、自己点検評価が完成することを念頭に置いて部会を開催し、評価フォーマット及び自己点検評価についてヒアリングを実施。7月にも部会を開催し、評価フォーマット、事業報告書等に基づいた評価を実施し、8月末までに評価結果を確定することとしている。
  教員研修センターにおける評価フォーマットの考え方は基本的に特殊教育総合研究所と同じで、「A+」を設定するが、具体的な内容は今後検討する。研修事業の見直しなどの大きな項目の中に、研修の統合、カリキュラムの精選などの小項目があるが、小項目の実績を把握しつつ、評定は大きな項目でやっていくこととなった。研修については、センターが行う自己点検評価を参考にしつつ行うこととなった。定性的な判断基準については、今後とも検討していくこととなった。評価の手順は、特殊教育研究所と同じである。
  大学入試センターについては、業務の性格上、定性的な評価がなじむ部分が多いが、できる限り数値化した定量的な指標を用いること、法人からのヒアリングを加味することにより質の高い定性的な評価を行っていくこととなった。志願者数は、社会情勢等の要因が大きく影響することから、志願者数の増減について評価を行うことは必ずしも適当ではないこと、毎年度の試験が適切に実施されていることが最も重要であることを認識して評価すること、センターが行っている調査研究については、入学者選抜方法の改善に資するものかどうかという観点から評価すること、センターの予算は、高等学校の学習指導要領の改訂に伴う増減が想定されるため、これらの点も考慮することとなった。全体評価は、センター試験の実施、調査研究、大学進学情報が適切に行われているかを評価することとし、業務運営として組織の整備についても評価を行うこととなった。最終的な評価は段階とするが、「A+」については、今後検討する。評価の手順、予定スケジュールは、前2機関と同様となっている。
   
  <社会教育分科会>
 
山本委員:   国立女性教育会館の段階別の判定基準は、「A」「B」「C」とする。中期計画をほぼ履行しているか否かで分け、十分に履行していない場合は「C」、ほぼ履行している場合、中期目標に向かって着実に成果を上げている場合は「A」、おおむね成果を上げている場合は「B」とすることとなった。評価に当たっては、できる限り定量的、客観的な評価基準を設ける。1つの指標では適切に評価できない場合には、複数の指標あるいは定性的な評価項目の達成状況等の組み合わせにより評価を行うこととなった。全体評価においては、国立女性教育会館は女性教育に関するナショナルセンターであるというミッションを十分自覚し、先駆的及び中核的拠点としての役割を果たしていく必要があるという観点から評価を行うこととなった。
  中期目標に係る業務の実績に関する評価については、各事業年度の評価を準用しながら、全体についての評価を行うこととなった。評価の実施に当たっては、自己評価を尊重しながら評価を行っていくこととなった。
  国立科学博物館の評価に当たっての姿勢としては、業務運営をよくするための評価であり、業務実施に支障を来たすべきではないとの観点から、日常業務に負担にならないよう配慮すべきという意見があった。そのため、評価指標の統合や計画期間終了時の評価の充実及び単年度評価の簡素化を検討した。例えば、入館者数は5年間で100万人という目標であるが、最終年度のみ数値目標を定めているものについては、最終年度以外は各年度の進捗状況を定性的に評価し、最終年度のみ定量的な評価を行うこととなった。段階評定のあり方については、「A」は中期計画を確実に履行して進んでいる、「B」はほぼ履行している、「C」は十分履行していない事項について付すこととされた。また、「A+」「C−」も必要に応じて導入していくこととされた。評価指標のあり方については、定性的なものであっても、数値で実績を示せるものはなるべく示すこと、法人が自己評価を行いやすいよう、評価の観点例を提示すること、指標や評価項目には該当しないが、非常にすぐれた成果が得られた事項は、必要に応じて記載することとなった。
   
  <青少年分科会>
 
鈴木(弘)委員:   評価項目は、中期計画の各項目に対応した評価項目を設定し、各評価項目ごとに評定を行うが、その際、多面的な評定が行えるよう、適宜複数の指標を設けることとなった。中期目標及び中期計画に目標となる数値が定められている項目については、必ず定量的な指標を設けることとなった。段階的評定については、業務実績評価に係る基本方針に従い、「A」「B」「C」の3段階で行うこととした。定量的な指標については、目標を達成すれば「B」、目標を達成できなければ「C」、目標を達成し、目標を1割程度上回ったときは「A」とした。ただし、1%の業務の効率化等については、業務運営評価ワーキンググループにおいて検討された評定の区分によることとした。また定性的な指標については、法人による内部評価の結果を踏まえつつ、各委員の協議によることとなった。評価項目ごとの評定は、複数の指標により総合的に行うこととし、必要に応じて評定を出すに至った背景や理由、改善すべき事項等を評定の留意事項に記載することとした。評価の具体的な手順等については、平成14年4月以降、引き続き事業年度の業務実績評価の準備を実施する。法人においては、評価に必要なデータや資料の収集・整理などを行い、分科会への情報提供に努めていただく。平成14年6月末までに各法人より提出される財務諸表及び事業年度報告書、実績を記入した評価フォーマットを用い、各法人の理事長等から業務の実績や内部評価についてヒアリングを実施した上で、8月末までに青少年分科会の評価結果を決定することとしている。
   
  <科学技術分科会>
 
岡部委員:   評価基準は4段階とした。当分科会は、科学技術関係の研究を行う法人を対象としており、意見が合いやすいことから、すべての法人に対して4段階で行うこととした。計画どおり進んでいる、またはそれ以上の場合は「A」、計画どおりには進まなかったが、回復可能なものについては「B」とすることとなった。非常に特筆すべき優れた業績を上げたら「S」、このままでは中期計画が達成できないものについては「F」とすることとした。基本的には中期計画に沿った評価票に自己評価を書いてもらうことになるが、とかく自己評価に引きずられやすいため、参考に示している平成13年度マネージメント評価資料(ユニット用)(案)を用いて、自己評価以外の切り口の資料を用意していただき、これを重視して採点することとした。まず、全組織を20〜30人程度のユニットに分け、各ユニットごとにどの程度のリソースを用い、どの程度のアウトプットが出たかをこの資料に書いてもらう。特記すべきことは「特にアピールしたい点」として記載するはずであり、その場合には、論文を添付するなど客観的なデータを付けていただく。それから、プロジェクト単位でも同様の資料を提出いただく。プロジェクトではない、いわゆる基礎研究や管理部門、外部研究委託についてもこの資料を提出いただく。これを見ながら、我々が独立して評価表への記載を行うこととなった。
   
  <文化分科会>
 
三輪委員:   国立国語研究所部会においては、項目別評価及び全体評価シートの試案の指標または評価項目について、研究所長からどのような実績を示すことができるか等、意見を聴取して検討を行った。項目別評価については、研究所が計画中の目標をどのように設定したか、具体的に説明すべき。単に実施したことをもって、計画どおりと見るべきではなく、計画どおり実施した場合でも、内容が当初計画の80%、あるいは120%である場合が考えられるが、その点を明らかにすべきではないかという意見があった。一方、規模では当初計画の80%であっても、内容面で当初計画の120%である場合も考えられ、この場合には、規模等と内容面の両面から総合的に評価をすることになる。全体評価については、中期計画に記載されていない事項であっても、評価すべきものがあれば、評価を実施することとなった。研究所の項目別評価においては、定性的な評価を行わざるを得ない部分が相当ある。したがって、適切かつ効率的な方法を確立すべきであるという意見があった。
  国立美術館・博物館部会においては、法人が現代及び未来の日本の社会にどのように貢献するかという理念に立って客観的な評価を行うこととしている。項目別評価は各館ごとに行い、法人の自己点検・評価も評価の参考とすることとされた。また、業務実績の質的な側面についても重要な視点として取り上げていくこととされた。段階的な評価は、「A」「B」「C」の3段階で行うこととなった。定量的評価については、目標の100%以上を「A」、70%以上100%未満を「B」、70%未満を「C」とすることとなった。評価の具体的な手順としては、部会委員の合議による評価の後、各法人から評価に関する意見聴取を行った上で決定することとしている。
  文化財研究所部会では、中期計画に掲げられた業務内容ごとに目標または評価項目を設定し、定量的な評価が可能な項目については、文化財研究所の過去の業務実績あるいは中期計画、年度計画の目標を勘案して、項目ごとに客観的な評価基準を設けて評価を行うこととしている。定性的な評価を行う必要がある項目については、項目ごとに、独創性、発展性、有用性、効率性について委員の協議を行い、評価を行うこととしている。段階的評価は、「A」「B」「C」の3段階を基本とし、目標の100%以上の業務実績を上げた場合は「A」、80%以上100%未満の場合は「B」、80%未満の場合は「C」、中でも特に優れた実績を上げた場合は、「A+」の評価を行うこととしている。評価の具体的な手順は、文化財研究所から事業報告書、財務諸表に加え、自己点検・評価結果、年報等を提出いただき、部会において調査、分析及び評定を行って評価を固めていくこととしている。
   
4 審議
 
村田委員:   業務運営評価という言葉の中には人事と財務が含まれるが、業務運営を適切に評価するためには、業務実績に関する評価も併せて行うことが必要。しかし、この報告書は財務の観点からの検討がまとめられたものであり、単独に業務運営評価ワーキンググループで評価できないものがあるのではないか。セグメントをどのように設定すべきか、運営費交付金債務の収益化をどのように行うべきかという点については、法人の特性を考えた上で、業務運営評価を業務実績評価と関連づけて行う必要があるのではないか。運営と業務実績とを峻別できるのか疑問であるし、業務実績を担当しているグループと業務運営を担当するグループとの連携が必要なのではないか。
   
板倉評価室長:   業務運営評価ワーキンググループは、財務の観点に的を絞り、公認会計士の委員を中心に組織したもの。本ワーキンググループの役割は、評価自体を行うのではなく、独立行政法人の財務運営の考え方をまとめることであり、実際に業務運営評価を行うのは各分科会・部会である。したがって、法人から財務諸表、業務報告書が提出された後、各部会・分科会で評価を行う際に、ワーキンググループの報告書の内容も参考にしながら評価をしていただくことを考えている。
   
池上委員:   独立行政法人は利益の獲得を目的としておらず、独立採算でもないことから、財務会計の視点からの検討は難しいと感じた。運営費交付金は、積み上げではなく、総額で決められている。セグメント化されずに交付されるものをセグメント化するのは非常に難しい。独立行政法人に質の高いサービスを国民に提供することが求められているとすれば、質の高いサービスを定量化できないかという議論を行う必要があるのではないか。つまり、質の高いサービスの提供においては、それぞれの法人のカスタマーは誰かを明示する必要がある。質が高いかどうかというのは、カスタマー・サティスファクションという形で評価できるのではないか。報告書は、財務会計手法を用いても、経営という点からはあまり効果がないと結論づけているのではないか。
   
板倉評価室長:   ワーキンググループにおいては、独立行政法人が、どのような情報を評価委員会に対して出すべきかという点、収益化の方法、効率化の判定をどのように行うかという点、財務諸表をどのような観点から評価するかという点の4つにポイントを絞って議論を行った。これ以外のことについては、各分科会・部会で評価していただく。その中で、サービスの質の向上も評価されることになる。したがって、ワーキンググループでは、評価を行うのではなく、財務に関して、実務的に積み残したことをとらえ、その点を検討した。
   
小田官房政策課長:   今回の業務運営評価ワーキンググループの報告書は、財務の面についての分析であるが、委員の御発言のとおり、業務運営の評価には人事等も含めた総合的な視点が必要であることは深く認識している。
   
板倉評価室長:   実際の評価に当たっては、各分科会が作成したフォーマットを使用することから、本報告はその際の参考という位置づけである。
   
門永委員:   80%の費用で目的を達した場合、収益として計上され、評価されるが、この際、残った資金は来年度に持ち越せるのか。また、100%の費用を使ったが、80%しか成果が出ない場合には、どのような取扱いになるのか。
   
板倉評価室長:   80%の費用で目的を達した場合、残額は財務諸表上、損益計算書の中に利益として記載され、翌年度に剰余金として繰り越して使用することができる。また収益化を行う際に考慮されるのは、業務が予定した分だけ終わったかということであり、いわば作業の進捗状況である。他方、成果の評価基準で言う80%の達成度については、業務実績評価の対象であり、収益化率とは異なるものである。なお、作業が終了しなかった場合には、その成果の評価は、翌年度に終了した時点で行うことを考えている。
   
岡部委員:   費用進行型の場合における収益とはどういうものなのか。
   
板倉評価室長:   費用進行型の場合は、収益と費用が同じ額になる。この際、損益計算書上は利益は出ない。
   
岡部委員:   プロジェクト進行基準型の場合における収益化とはどういうものなのか。
   
板倉評価室長:   年度当初に法人内の各部門・プロジェクトごとに割り振った予算と、実際に発生した各部門・プロジェクトごとの費用とを、年度末に比較していくことになる。この際、目標を達成した上で残った金額は、収益として損益計算書に記載される。
   
岡部委員:   理事長は、サービスの質を上げることと、利益を上げることのどちらに重きを置くべきなのか。
   
板倉評価室長:   法人の経営において、効率化を優先するのか、それとも業務の達成度を優先するのかについては、まさに法人の理事長の経営判断と考えている。
   
池上委員:   運営費交付金は債務として交付されることから、国に対する借金であるという意識は重要。法人においては、この債務が国民に対する借金であり、国民に質の高いサービスを提供して返すということを意識すべき。ただ、サービスの質の高低を定量的に把握することは困難。
   
薬師寺委員:   大学、学校法人、財団の会計と独立行政法人の会計とは、基本的な考え方は似ているのではないか。例えば私立大学においては、財務的な説明責任を果たさなければならない。一方、その費用を用いて大学がどのように活動しているかということには直接結びつかない。サービスの質の向上と利益の追求のどちらに力を入れるかは、理事長の判断であり、その判断は非常に難しい。ただし、現在の社会情勢をかんがみれば、どうしても国民に対して、財務会計における説明責任を果たすことは必要であり、重要である。この場合、どのように評価できるかという問題ではなく、財務情報を責任を持って公開することが社会に対する責任ではないか。
   
山本委員:   運営費交付金算定ルールにおける「自己収入の見積もり×係数」の「係数」について、ワーキンググループで議論がなされているか、なされているとすればどんなことが議論されたのか、お伺いしたい。
   
板倉評価室長:   係数の議論については、ワーキンググループでは議論していない。この点については、前回の総会でもいろいろと議論があったところであり、現在事務局において、比較的多くの自己収入を得られる法人を対象に現状を聴取しているところ。平成13年度の実績も把握した上で、検討を進めていきたい。
   
鈴木(清)委員:   項目別評価は、各分科会で違うかと思われるが、全体評価については、共通の視点を設定しても問題ないのではないか。
   
板倉評価室長:   全体評価については、各法人の特性に応じて適宜設定することを提案させていただいている。しかしながら、まず第1回目の評価を行っていただき、本年秋に、1回目の評価の反省点を踏まえながら、再度ご議論いただきたい。
   
村田委員:   業務運営グループと、業績を評価するグループとの役割を共通の理解として図示していただきたい。
   
板倉評価室長:   早急に作成することとしたい。
   
岡部委員:   中期目標・中期計画の変更については、可能な限り早目に報告いただけるようにお願いしたい。
   
浜田委員長:   今回の議論をもって、総会としては、基本方針案を決定させていただく。また、各法人の評価フォーマットについても、委員会総会としては了承したこととする。今後、評価を行う上で、細かい表現等について多少の修正が必要な場合は、各分科会または部会において適宜修正をお願いしたい。
   
(5)

今後のスケジュールについて

<事務局から説明>

   
 
浜田委員長:   今後は、本スケジュールに沿い、各分科会・部会において評価作業を行っていただきたい。また、通則法第44条第3項の利益処分の際の主務大臣の承認及び各法人の財務諸表の主務大臣の承認に関する評価委員会の検討については、法人の業務実績の評価作業と並行して速やかに行う必要があり、また各法人ごとに、業務内容を勘案しつつ検討すべき事項であるので、総会としては各分科会・部会に検討を付託したいと考えているが、よろしいか。
   
  <異議なし>
   
(6)

特殊法人等整理合理化計画について

<事務局から報告>

   
 
浜田委員長: 現時点では、独立行政法人化に向けた詳細な作業スケジュール等は未確定とのことであるが、今後、当委員会において何らかの対応をしていかなければならない場合、基本的には関係する分科会レベルでの対応をお願いすることになろうかと思う。その節はよろしくお願いしたい。


(大臣官房政策課評価室)

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