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独立行政法人評価委員会(第61回) 議事録

1.日時

平成26年12月19日(金曜日)14時~14時30分

2.場所

文部科学省 旧庁舎6階「第2講堂」

3.出席者

委員

門永委員長、前田委員長代理、奥野委員、加藤委員、栗原委員、榊委員、佐野委員、菅谷委員、高橋(和)委員、髙橋(德)委員、田渕委員、友永委員、中川委員、永村委員、広崎委員、古川委員、宮内委員、八尾坂委員、山本委員

文部科学省

山中事務次官、土屋文部科学審議官、德久総括審議官、岩瀬政策評価審議官、田口大臣官房政策課長、樋口行政改革推進室長、生田評価室長、ほか

4.議事録

【門永委員長】
 それでは、定刻になりましたので、これより文部科学省独立行政法人評価委員会第61回の総会を開会いたします。

 今回は変則でございまして、総会は30分だけです。本来は総会で議論すべき議題がありましたが、選挙の影響でスケジュールが遅れ、フォーマライズできていませんので、そちらはこの後にインフォーマルな形で議論をするということになります。

 本日の議題は、お手元の議事次第のとおりです。本日の審議については、当委員会の運営規則及び会議の公開に関する規則にのっとり、会議及び資料を公開とさせていただきますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【門永委員長】
 本日は山中事務次官に出席していただいておりますので、最初に挨拶をお願いいたします。

【山中事務次官】
 事務次官の山中でございます。年末のお忙しい時期に、第61回の独立行政法人評価委員会ということでお集まりいただきまして、ありがとうございます。また、引き続きの委員の方もいらっしゃいますけれども、ありがとうございます。感謝申し上げます。

 本日は、理化学研究所の中期目標、中期計画の変更ということで御議論を頂きたいと思っております。理化学研究所における研究不正防止については、今、政府全体でも取り組まれておりますけれども、それに関連するところを御議論いただければと思っております。

 また、独立行政法人制度については、来年の4月から各府省の評価委員会が廃止されまして、大臣が評価を実施するということになりますが、その際には必要に応じて有識者の知見を活用するという形になっております。

 また、国立研究開発法人制度がまた始まるわけですけれども、この場合にはまた別途、外部の有識者を研究開発に関する審議会の意見を聞くのだということで、そこで評価をしていくという新しい評価の在り方、制度が始まるということになっているところでございます。

 そのようなことで、今、委員長からもございましたけれども、まずは理化学研究所の中期目標、中期計画の変更内容について御議論を頂いて、引き続き新しい評価制度に基づく意見交換会をお願いできればと思っております。よろしくお願い申し上げます。

【門永委員長】
 ありがとうございました。
 事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【生田評価室長】
 お手元の議事次第の裏に、本日の配付資料の一覧を書かせていただいております。資料は1と2、参考資料が1から7まで用意させていただいております。
 もし、不足等あれば挙手いただければ幸いです。

【門永委員長】
 よろしいですね。
 議事に移りたいと思います。議題1の現行中期目標・中期計画の変更についてです。これは、独法通則法第29条及び第30条に基づいて行うものです。今回は、理化学研究所が対象法人となっておりますので、事務局より説明をお願いいたします。

【基礎研究振興課長】
 基礎研究振興課長の行松と申します。よろしくお願いいたします。

 今回、見直しをお願いするのは3点でございます。資料に基づきまして御説明をいたします。本資料では、独立行政法人理化学研究所の中期目標・中期計画の変更案について、変更の内容と変更の理由を、それぞれ挙げております。

 今回、特に大きな見直しにつながりましたのは丸1でございます。冒頭に次官からもお話がありましたけれども、STAP問題に関して、今日も検証実験の結果についての記者発表等をさせていただいております。このような問題がどのように、なぜ起こったのか、それをどのように今後改善していくのかということにつきまして、どのようにこの中期計画の中で位置づけているかということです。

 まずは、平成26年8月に「研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン」に基づく運営体制、研究体制の見直しということでございます。このアクションプランは、参考資料の7として、参考資料の一番後ろにお付けしてございますので、それを参照していただければと思います。

 これにつきましては、理研の外部委員会から6月12日に「研究不正再発防止のための提言書」を頂いております。さらに、独法評価委員会理研作業部会においても、非常に丁寧な御審議を頂き、8月20日の第59回の総会において御報告されております。「STAP現象に関する論文に係る研究不正問題の対応について」ということで6項目の改善を要する事項も挙げていただいております。そういったものを踏まえて、このアクションプランを理研の方で8月27日に定めております。

 概要を簡単に御紹介いたします。概要の中で1、2、3とございますが、2では、「改めて自らを省み、以下に挙げる諸課題を認識」ということで、法人経営に外部の視点を反映し、リスク管理を踏まえた独法マネジメント強化をする必要がある。さらに、発生・再生科学総合研究センターに関しては、固定化された運営体制が長年にわたり継続し、構造疲労を起こしていたという指摘がある。研究不正行為の著者の責任と、組織として実施する予防措置に至らぬ点があったということが挙げられております。

 このアクションプランについては、3ポツにありますけれども、本アクションプランが目指すものは「理研のための理研改革」ではなく、より建設的な「社会のための理研改革」である。改革は、研究不正の防止に止まらず、自らの社会的使命を再認識した上で真(しん)に実効性ある運営改革を目指す4つの柱で推進するということです。

 この4つといいますのが、次ページ以降に書いてございます。ページをめくっていただきまして、2ページ目にガバナンスの強化についてということで、3つほど挙げてございます。1つ目はガバナンスの強化。まずは、経営戦略会議の実施でありますとか、研究コンプライアンス本部の設置、研究倫理教育責任者の設置といった体制の強化です。更に2ポツに役員の補佐体制の強化。更に3ポツに広報体制の見直しといったことが挙げてございます。

 次の3ページ目ですけれども、発生・再生科学総合研究センターの解体的な出直しもやるべきだ、ということでやるべき内容をここに挙げてございます。

 更に4ページ目は、(3)研究不正防止対策についてということで右側にありますけれども、1として研究倫理教育の徹底でありますとか、若手研究者が能力を発揮する環境の整備、論文の信頼性を確保する仕組みの構築、実験データの記録・管理に関する具体的なシステムといったことに取り組むべきだということを挙げております。

 さらに、(4)ではこれらの取組を第三者によるモニタリングによってPDCAをきちんと回していくということを挙げております。

 今回、このアクションプランは、形と方向性を示したもの、それから基本的な趣旨、考え方を示したものです。このような改革は、継続的にしっかりその後の取組が続いているかを見なければいけません。理研の中だけではなく、このような一連の改革が適切に実施されているか、それが適切に定着しているのかといったことを、文科省としても独法評価の枠組みの中できちんとモニタリングできるように、今回、中期目標・中期計画にこのアクションプランの内容を反映するため、御審議をお願いするものでございます。

 本資料に戻らせていただきます。3つのうちの丸1が今申し上げたアクションプランを反映するということでございます。

 丸2として、海外拠点の運営における適切な経費執行に必要な体制の構築ということです。これについては、理研が北京事務所におきまして、貸倒懸念債権が発生すると、理研が被害者として民事裁判も提起をしております。そのような資金管理をきちんとする必要があるということで、その対応を書くことにしました。これも、今年の独法評価委員会理研作業部会で御指摘を受けたものでございます。

 丸3につきましては、平成26年度の財務省の予算執行調査における指摘事項です。この調査自身は財務省が予算執行の実態調査をして、改善すべき点を指摘したものでありますけれども、この中で、理研は複数の研究者をまたいで一括購入をするケースが少ないといった指摘がございました。予算削減に努めるようにという指摘がありましたので、その対応をしっかり行うということ、併せまして、予算執行、予算配分につきましても理事長のモニタリングの下で適正に執行をするということも今回、盛り込んでおります。

 この3点を中期計画の改正案の中に盛り込んでございます。ページをめくっていただきまして、少し細かくなりますけれども、中期目標、中期計画の順に御説明を申し上げます。中期目標でございますけれども、前文の赤いところに、先ほど申し上げたような今回の趣旨、研究不正問題が及ぼす社会への影響を踏まえ、研究所全体でガバナンス強化や実効性ある研究不正対策を講じることにより、研究不正が行われないような環境を作ることが重要であるという趣旨をうたってございます。

 さらに、その下でございますけれども、理研が、先ほども申し上げたアクションプランに基づいて運営体制及び研究体制について必要な見直しを進めることが重要であるということです。このアクションプランそのものを、今後の中期目標・中期計画の中でも参照すべきテキストして、ここに位置付けたということでございます。

 次の3ページ目中ほどの6ポツですけれども、適切な事業運営に向けた取組の推進というところで、研究不正に関する意識の向上、研究不正に関する責任の明確化といったことも追加をしてございます。

 次のページをめくっていただきますと、中期計画ですけれども、今、申し上げましたような中期目標の改正を元に、中期計画の中でやや細かく、具体的な規定をしてございます。序文に関しましては、今申し上げましたことをそのまま、今回の改正の趣旨を書いてございます。さらに、アクションプランを受けるのだということをこの6ページ目のところに書いてございます。

 さらに、その6ページ目5ポツ、研究環境の整備、優秀な研究者の確保、輩出といったところで、若手研究者の適切な選考による、更なる積極登用、支援。その能力の最大限の発揮ということを書いてございます。

 7ページ目でございますけれども、適切な広報体制の構築ということで、これも今回の報道発表の反省に立ちまして、報道発表の運用手順の規程をきっちり作成して、確実な運用を行うことができるように図っていくということでございます。

 さらに、8ページ目の(4)で先ほどの丸2にございました、海外拠点の運営の経費執行に必要な体制を構築するということがございます。必要なチェック体制の強化ということを具体的に進めていくつもりであり、このように書いてございます。

 (5)に体制の見直しということで、研究戦略会議に加え、理事会メンバーと産業界、科学界等の外部有識者により構成する経営戦略会議を設置するといったことがございます。理事会メンバーと外部の方のチェックとアドバイスの下に、経営戦略を立案していく体制をここで作る。さらに、経営戦略会議については、研究所経営の強化に関する事項等、重要事項に関して研究所に対する助言を的確に反映するように運営していくということを書いてございます。

 9ページ目でございますけれども、研究倫理について、先ほど申し上げましたようなアクションプランの取組ということを規定してございます。また、監事監査に関する取組も独法通則法の改正を踏まえたものを、併せてここで規定してございます。

 最後に10ページ目でございますけれども、外部有識者の意見を研究資金配分にも入れるということ、更に理事長のリーダーシップの下で戦略的・競争的事業においては、重点的に予算、人員等研究資源の配分を行うこと、また、定期的に予算執行の状況を確認し、状況に応じた配分額の見直しといった予算措置の適正執行についても書くということ、さらに、契約業務の適正化というところで、4ポツにございますけれども、そのようなコストを意識して、質と価格の適正なバランスを適切に行われるよう周知徹底を図るとともに、取組状況の検証を行い、運営改善を行うということです。

 これは、まず文章上、そのようにするということでございますけれども、それぞれの実効性が上がるような形で今後、体制を構築し、これがきちんと定着しているかということにつきましては、毎年度の独法評価システムの中でモニターをしていただきたいと考えているところでございます。

 雑ぱくではございますが、よろしくお願いいたします。

【門永委員長】
 ありがとうございます。これに関して、御意見、御質問を頂きますが、実はこの前に科学技術分科会で、この内容について討議がありまして、そのときに出た質問を御紹介したいと思います。

 4つあります。1番目は、新しい組織では、何々本部何々室とたくさん増え、箱の絵が描いてあるけれども、中身はどうなっているのですか、という質問がありました。

 2番目は、箱が増えれば当然人材が必要ですが、追加人材を配置するための予算というのはどうなっているのでしょうかと。その分、増えるのですか、増えないのですかという質問がありました。

 3番目に、監事と監査室というのを作って連携を深めるとなっていますけれども、監事と監査が一緒になって理事長の下に入るというのは、これはいかがなものかと。これはどう考えているのですか、という質問がありました。

 4番目は、質問された中川委員に少し補足していただきたいのですが、こちらの新旧対照表の細かい資料の5ページ目。研究不正は科学者社会の信頼を著しく揺るがすものである、というこの言い方について果たしてどう捉えたらいいのか。少し文脈を補足していただけますか。

【中川委員】
 私は科学者ではないので、この言葉に気が付いてしまったのではないかと思います。ここに「科学者社会」とありますが、もちろん、科学者社会の信頼を著しく揺るがしたものであることは間違いない。一方で、私自身は、科学そのものに対する信頼を揺るがすことへもつながったという認識はあります。そこまでの意識をちゃんと持っていただきたいということが、きちんと議論されたのかどうか、確認させていただきたいと御質問をしました。以上です。

【門永委員長】
 ありがとうございます。今の4点について、先に事務局からお答えいただくか、それとも、ほかに質問を受けてからの方がいいですか。

【基礎研究振興課長】
 最後の御指摘に関しまして、中期目標には、序文のところに、研究不正問題が及ぼす社会への影響を踏まえて、しっかりガバナンスの強化を図るようにということがございますので、そこはそのような趣旨でこの中期計画も運用していきたいと考えているところでございます。

 それから、御指摘のございました監事・監査の部分に関しましては、独法全体の制度の中で少し考えさせていただければと思っております。

 加えまして、体制の箱がいろいろあるというところに関しましては、きちんとその中ですみ分けをし、屋上屋を架するということにならないように運用していきたいと考えております。経営戦略会議におきましては、産業界等いわば外部の有識者からの御意見を踏まえたリスクのマネジメントができる、あるいは理事会の中ではなかなか議論できないようなところ、アドバイスを頂けないところを含めて、御議論いただけるということを聞いております。

 さらに、運営・改革モニタリング委員会に関しましても、今回のガバナンスの見直しを含め、全体がきちんとうまく回っているのかということもモニタリングしていただいて、チェックをするということで聞いております。そのあたりの中の機能分担に関しましては、十分にうまく、重複なく回るようにしていきたいと考えております。

 追加人材に関しましては、財政が非常に厳しい折でございますので、中での優先順位を踏まえた上で、少なくとも、これで新たなリソースをたくさん割くということがないように、適正にその配分を考えていただくということにしてございます。以上です。

【門永委員長】
 ありがとうございます。今のが科学技術分科会での議論の内容です。これも踏まえて御意見、御質問はございますか。
 榊委員。

【榊委員】
 ひとつ意見を述べるとともに、質問をさせてください。今回、理研において研究者の倫理意識を高めるため取り組みが始まったことは適切かつ望ましいことと思います。ただし、我が国の研究所を代表する理研において、倫理意識の強化のための取り組みとして設けられたポストの名称が研究倫理教育責任者という名前になったことには幾らかの違和感を覚えました。理研の研究者の大部分は大学院などでしかるべきトレーニングを積んだ方々であり、例外的な方を除き倫理教育を既に受けているはずです。理研に教育責任者をおくと、大学での倫理教育がすっぽり抜けているとの印象や誤解を内外に与えるのではないかという危惧を感じました。大学教育にも関わる文部科学省全体として考えますと、理研レベルの研究所が取り組むべき事項は、倫理教育よりも研究倫理の推進や評価ですから、それに近い名称にするのが適切ではないでしょうか。

 大学も含め日本の学界全体が研究者倫理の遵守にどう取り組むかが問われていますので、上に述べた観点の御議論があったかどうかお尋ねします。

 また、不正防止のためのいろいろな形の取り組みが強化されるのは適切だと思いますが、不正が起きたときの初期消火といいますか、対応の体制がどう改善されるのかははっきり書かれておらず、分かりにくいように思います。研究コンプライアンス本部の組織が倫理教育責任者とつながっていますが、不正発生時の対応の組織は明示されていません。そうしたときの対応をどのように考えておられるか、教えていただきたいと思います。

【門永委員長】
 はい。お願いします。

【基礎研究振興課長】
 後者の御質問でございます。これも、アクションプランを策定する際にもかなり議論になりましたし、理研作業部会の中でもいろいろな御議論がございました。最終的には、隅々までのチェック、監視の目や、1個1個のデータなどの相互チェックを研究所の中で徹底的にやるというところは、なかなか現実的ではないということでございました。やはり予防措置といいますか、倫理教育を適切に実施すること、そうした中で、倫理教育責任者というものをきちんと置いて、定期的に倫理プログラムを受けているか、そのような高い倫理意識を維持しているかどうかのチェックをしていくということを中心に今、考えていくということでございます。

 教育そのものの御議論でございますけれども、少なくとも今回、このような事案が発生したということで、外部委員会からも理研の倫理教育も含めた見直しをしっかりやるようにという御指摘がございましたので、それも踏まえた形で今回規定させていただいております。

【門永委員長】
 多分、1番目の御質問の意図は、文科省としてこの最高峰の研究機関に教育責任者を置かなければいけないということは、ではそこまでの教育は一体何だったのだということを思わせる表現がありますが、それではどうかということですよね。

【基礎研究振興課長】
 これは、理研担当課長の立場でどこまでお答えできるか分かりませんけれども、そういった研究不正対策をどうするかということにつきましては、ガイドラインの見直し等もされたところでございます。倫理教育も含めてどのようにやっていくかということも議論されて、新しくガイドラインを定められたと聞いておりますので、省内連携してしっかりと取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。

【門永委員長】
 ありがとうございます。お答えにくかったと思いますけれども。ほかにいかがですか。
 お願いします。

【八尾坂委員】
 私は大学に勤めていますけれども、当然、大学の場合は科研費等で文科省が作ったマニュアル等を全員に配付しているのと、あと、新しく来た方にそのような倫理的なことの状況もやっている程度なのですね、実際は。

 ですから、これが、理研の研究機関が倫理教育といいますか、具体的な中身など、あるいは多分、かなり別の研究機関だけではなくて大学にも波及することがあると思うのです。すると、その中身というのも、倫理教育というのは単に1時間か2時間、このようなものがあってこれだというだけでは済まないと思うのです。済まないといいますか、教育とすると。

 適宜、それをどう具体化するかということで、この理研だけではなくて、独立行政法人全体にも共通にも倫理の問題は関わってくると思っております。ですから、最終的には理研だけの問題ではないと、そんなことを考えます。

【門永委員長】
 ありがとうございます。ほかに。

【広崎委員】
 先ほどの榊先生の出だしの言葉で、日本最高峰の研究機関の新組織名に、このような教育というターミノロジーが使われていいのかといった趣旨のお言葉がありました。そこで感じたのですけれども、日本最高峰の研究機関、しかも社会的影響が非常に大きい生命科学あるいはナノテク、認知科学等が含まれているわけなのですが、しかも、世界に対する影響も非常に大きい。

 ここの中期計画を見直す上で、岸先生の委員会のアクションプランを焼き直しているところは、それはそれでよろしいのですが、この機会に、原点である日本最高の研究機関の憲法の条文のようなものを、しっかり再定義すべきではないかと思った次第です。

 そのような目でこれを見直すと、序文というところが簡単に済まされているのですよね。むしろ、序文のところに基本姿勢を盛り込むべきなのではないかと。日本として新しい時代に対応する、憲法前文に匹敵するようなものを、この新しい中期計画の序文に盛り込むべきではないかと感じたのですけれども、いかがでしょうか。

【基礎研究振興課長】
 御指摘を重く受け止めたいと思います。そのような意味では、今回私どもがよりどころにしましたのは、この岸先生の外部委員会の報告書、更に理研の作業部会での御意見でございました。非常に多岐にわたっておりまして、確かに先生がおっしゃるように非常にそこは重要だと思いますけれども、残念ながら、そのところを全部反映した上で理研としてどうか、というところの議論は、まだ尽くしている状況ではないと思います。

 また、今日の議論にもございますように、STAP問題自身がまだ途上の問題としてございます。ですので、そこは御指摘を非常に重く受け取らせていただきまして、もう少しSTAP問題全体を見ながら、そのようなところを更にどう考えていくかについて、私どもで検討させていただければ幸いです。

【門永委員長】
 山本委員。

【山本委員】
 私は科学の方は全く不案内でして、新聞記者をやっていた立場から申し上げますと、STAP問題が今度の一番大きな原点であるように思うのです。そのことがこの文言の中では、抽象化された言い方でされているだけで、このSTAP問題というものはなぜ起きたのか、今後どうしていくのかというところ、ある種の目標というか、宣言で個別的なことを、一つ設ける。原点であるべきもののケースが抽象化されすぎて、ガイドラインである点が少し気になっているのですが、その辺はいかがでしょうか。

【基礎研究振興課長】
 そうですね、この中での議論は確かにSTAPをどうするかというところで、固有名詞は使っていないのですけれども、アクションプランに基づいて運営体制、研究体制について必要な見直しをしていくということでございます。ここ自身は、この時点ではまだはっきりと書いておりませんけれども、中期目標・中期計画の中で、このSTAP問題に端を発したことで作成されたアクションプランに基づいて、しっかりやっていくのだということを書いております。

 今回の中期目標期間中は、これをしっかり据えていくということでございますのから、それを非常に強く重く受け止めてやっていくということで御理解いただければと思っております。

【山本委員】
 事態は動いておりまして、これから事態の究明が進むとは思われるのですが、ポイントは第三者委員会がどう考えるか。それから、審査の公明性だと私は思うのです。どこまで公表するかについて、なるべく全容をつぶさに公開するような、そのようなガイドラインなり、仕組みというものが必要だと思うのです。

 ある個別事件は、もしかしたら中期目標にそぐわないということかもしれないけれども、このSTAP問題というのは、非常に中期計画全体に及ぼす、個別的なものであるので、個別・具体的に目標の中に織り込むということが、より中期目標のあるべき精神を具体的に表すのではないかと思っているのです。

【基礎研究振興課長】
 この中期目標・中期計画の改定につきましては、岸委員会並びに独法評価委員会の今年の評価結果を踏まえたものでございますので、今後の事態を見直し、更にまた今後の評価、論文の内容等も踏まえまして、しっかり対応していきたいと考えております。

【門永委員長】
 ありがとうございます。よろしいですか。はい。

【前田委員長代理】
 すみません、長くなって恐縮ですが、国民の皆さんの反応という次元で考えてみます。私は文科系でございますけれども、例えば、独立行政法人JAXAの「はやぶさ」のような実験に対して、国民の大きな期待、つまり先端科学にむけた夢と希望が極めて強くあると感じます。

 今回の理研についても、生命科学の新しい可能性に対する同じように大きな夢と希望があったはずです。その意味で国民の皆さんは、今回の推移について、何かぎくしゃくした感じを持ち、批判せざるえない気持ちになっていると思います。つまり、先端的な科学である以上、非常に厳格な学術的な基盤と結びついているとよく理解できるが、そうであればこそ、真の夢や希望をきちんと託しうる世界のはずで、人類の持っている新しい可能性を開発してくれるのが我が国の先端的なJAXAであり、あるいは理研であり、原子力であるという認識です。科学の未来に夢を託す、これは本質的な科学観ではないでしょうか。

 「倫理」とは行為規範で、ある意味で、数量化できない定性性の極致です。研究者にむけた業務的な倫理マニュアルを整備する取り組みも大事ですけれども、定量性を基盤とする科学技術的発見に国民が託している定性的な夢や希望、豊かな可能性も倫理と連続していると思います。

 したがって、ガバナンスあるいはアクションプランという意味で議論のフレームが作られることは分かりますが、国民の皆さんが現代社会のフレームの中で自然科学に託した大きな夢、そしてそれが裏切られたという批判は、けっしてジャーナリスティックな問題ではありません。科学観の本質にかかわる点です。そのような国民の期待なり批判を、もう少し受け止めるようなアスペクトがアクションプランの中にあってもいいかなと感じました。大変抽象的な言い方で申し訳ありません。

【門永委員長】
 ありがとうございます。どうぞ。

【田渕委員】
 1点なのですけれども、1ページ目の中期目標2のところ、3行目で、研究不正が行われないような環境を作ることが重要であるとあるのですが、ここになぜ「ような」が入っているのか。今、研究者個人にかなり批判が向いているのですけれども、研究不正は起こる前に止められたはずのものではないかと思っている国民なりが多いと思うのです。

 組織としての体制、本当にしっかりやるということであるならば、その「ような」は外して、研究不正が行われない環境を作る、その姿勢をもっと前面に打ち出した方がいいのではないかなと。この「ような」というのが何か逃げ腰な印象を受けたので、この「ような」は排除して、もっと本当に研究不正が行われない環境、組織体制をしっかり作っていくということを前面に打ち出す形にされてはいかがかと思います。これはコメントです。

【門永委員長】
 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。よろしいですか。

 それでは、たくさん御意見を頂きましたので、それについては委員長預かりとさせていただいて、部会長、それから原課と相談の上、対応を決めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【門永委員長】
 ありがとうございました。続きまして、議題2、その他を行います。分科会や部会での審議結果について、事務局より報告をお願いします。

【生田評価室長】
 お手元の右肩に資料2と書いてある横の1枚紙でございます。文科省独法評価委員会分科会部会における審議結果ということで、本年の8月20日から12月19日までの間に行われた案件を一覧表にしております。いずれも、部会専決の事項でございまして、高等教育分科会、科学技術・学術分科会の下にございます、それぞれここに記載がある部会にて、書面審議という形でいずれの案件も御審議いただき、決定ないし意見なしということになっております。以上でございます。

【門永委員長】
 ありがとうございます。

 本日の議事は以上です。最後に、事務局から連絡事項をお願いします。

【生田評価室長】
 ありがとうございました。次回の総会は、1月の上中旬ぐらいに書面審議という形で開催を予定しております。また、本日のような会議体といたしましては、続いて2月26日10時から開催することを予定しております。皆様、お忙しいと思いますけれども、書面審議への御協力と、それから2月の会議への御出席をお願い申し上げたいと考えております。

 なお、1月の書面審議に関する議題でございますけれども、主に、本年度末に中目期間の終了する法人への見直し案、そして次期中長期目標、中長期計画案を予定しておりますが、開催時期、どの時点で書面審議をさせていただくか等々につきましては、決まり次第また連絡をさせていただきたいと思っております。

 最後に、本日の資料につきましては、郵送を御希望される場合は、その旨、机の上に置いておいていただければ、郵送先に郵送させていただく次第でございます。

 以上でございます。

【門永委員長】
 来年の2月26日の総会が最後ということですね。

【生田評価室長】
 はい。

【門永委員長】
 その後は体制が変わります。それでは、これをもちまして本日の会議を終了いたします。引き続き、意見交換会がございますが、少し時間が食い込んでしまいました。申し訳ありませんでした。ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

評価委員会係(内線3271)

-- 登録:平成27年06月 --