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独立行政法人日本スポーツ振興センター中期目標

平成20年2月28日(平成21年3月30日変更)
文部科学省

<序文>

 独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第29条の規定に基づき、独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「センター」という。)が達成すべき業務運営に関する目標(以下「中期目標」という。)を次のとおり定める。

<前文>

 スポーツは、人生をより豊かにし、充実したものとするとともに、人間の身体的・精神的な欲求にこたえる世界共通の人類の文化の一つである。心身の両面に影響を与える文化としてのスポーツは、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成や個々人の心身の健全な発達に必要不可欠なものであり、人々が生涯にわたってスポーツに親しむことは、極めて大きな意義を有している。
 また、スポーツは、人間の可能性の極限を追求する営みという意義を有しており、競技スポーツに打ち込む競技者のひたむきな姿は、国民のスポーツへの関心を高め、国民に夢や感動を与えるなど、活力ある健全な社会の形成にも貢献するものである。
 さらに、生涯を通じて心身ともに健康で安全な生活を送るためには、発育・発達の著しい児童生徒において、その基礎を培うことが大きな意義を有するものであり、児童生徒の健康の保持増進を図ることは、極めて重要である。
 このため、センターは、次に掲げる業務を実施し、スポーツの振興及び児童生徒等の健康の保持増進を図り、もって国民の心身の健全な発達に寄与していく必要がある。

  • (1)ナショナルスタジアムである国立競技場、我が国の国際競技力向上のための研究・支援を行う国立スポーツ科学センター(以下「JISS」という。)及びナショナルトレーニングセンター(以下「NTC」という。)並びに登山指導者の養成を行う国立登山研究所を管理・運営するとともに、スポーツ振興基金及びスポーツ振興投票制度の収益による助成等を行うことによって、我が国のスポーツの振興を図ること。
  • (2)学校の管理下における児童生徒等の災害につき、災害共済給付を行うとともに、児童生徒等の健康の保持増進に関する調査研究並びに資料の収集及び提供等を行うことによって、児童生徒等の健康の保持増進を図ること。

 以上のことを踏まえ、センターの中期目標を以下のとおりとする。

1 中期目標の期間

 中期目標の期間は、平成20年4月1日から平成25年3月31日までの5年間とする。

2 業務運営の効率化に関する事項

 センターの業務運営に際しては、既存事業の徹底した見直し、効率化を進めることとし、次の措置を講ずること等により、効率化を図る。

1 経費の抑制

 法人の行う業務について、次の具体的な措置を講ずることにより経費の抑制を図る。

  • (1)一般管理費については、中期目標期間の最後の事業年度において、平成19年度比で15パーセント減以上の効率化を図り、事業費(投票勘定・災害共済給付勘定・免責特約勘定の各業務及び一般勘定のうちスポーツ振興基金業務並びに新規に追加される業務、拡充業務分等に係る経費を除く。)についても、中期目標期間を通じて効率化を進めることとし、毎年度において対前年度比1パーセント以上の削減を図ることを目標とする。
     また、総人件費については、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成18年法律第47号)等に基づく平成18年度からの5年間で5パーセント以上を基本とする削減について、引き続き着実に実施するとともに、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18年7月7日閣議決定)に基づき、人件費改革の取組を平成23年度まで継続する。
     なお、センターの給与水準は国家公務員の水準を上回っていることから、当該給与水準について検証を行い、給与水準の適正化に速やかに取り組むとともに、その検証結果や取り組み状況については公表する。
  • (2)業務のうち、低コストかつ高品質のサービスの提供が可能な業務については、外部委託を図る。
     特にスポーツ施設の管理運営業務のうち、指導監督を除く業務について、民間競争入札(包括的業務委託)を実施することにより、一層の効率的運営を図る。なお、入札対象範囲の拡大等について、民間競争入札(包括的業務委託)の検証結果等も踏まえた上で検討することとする。
     また、業務運営の効率性及び国民の信頼性の確保の観点から、随意契約の適正化を推進し、契約は原則として一般競争入札等によることとする。
     さらに、平成19年度に策定した随意契約見直し計画の実施状況を含む入札及び契約の適正な実施については、監事による監査を受けるとともに、財務諸表等に関する監査の中で会計監査人によるチェックを要請する。また、随意契約見直し計画の取組状況をホームページにより公表する。
  • (3)情報の収集・提供については、ホームページや電子メールを有効に活用するとともに、各種事務処理については、情報通信技術を活用することにより、迅速化、簡素化を進め、事務の効率化を図る。

2 組織及び定員配置の見直し

 業務執行が最も効率的・効果的に行えるよう、柔軟な組織体制の構築及び定員配置を図る。

3 業務運営の点検・評価の実施

 全業務運営について定期的な点検・評価を行い、その結果を業務の改善に反映させる。

3 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項

1 スポーツ施設の運営・提供

 設置するスポーツ施設を、利用する競技者や観客等に快適かつ安全に提供することは、スポーツの振興を図っていくうえでセンターが担う重要な役割である。
 スポーツ施設を高水準の施設として維持するため、センターが長年蓄積してきたスポーツターフ等の維持管理に関するノウハウを生かし、良好な状態での施設の運営に努める必要がある。

  • (1)次の施設については、トップレベルの競技者等の活動の場及び広く国民の「みるスポーツの場」として、高水準な施設条件の維持に努め、中期目標期間の平均でそれぞれ次の施設稼働日数以上を確保する。
    • (国立霞ヶ丘競技場)
      • 陸上競技場 年間135日かっこ年間131日)
      • ラグビー場 年間80日かっこ年間80日)
    • (国立代々木競技場)
      • 第一体育館 年間225日かっこ年間223日)
      • 第二体育館 年間305日かっこ年間304日)
      かっこ書きは、平成19年度までの過去5年間の平均稼働実績
  • (2)センターの設置するスポーツ施設の有効かつ効率的な活用を図るため、ホームページを活用することにより各施設の利用状況等の総合案内情報等を提供し、スポーツ施設利用者の利便性の向上を図る。
  • (3)国際競技力向上のための研究・支援事業を行う際の実験・実証の場としても活用する。

2 国際競技力向上のための研究・支援等

 スポーツ振興基本計画(平成18年9月21日文部科学省告示第135号)等に基づく、政策目標の達成に向けて、我が国の国際競技力向上を図るため、JISSにおいては、研究・支援事業を推進するとともに、NTCにおいては、JISSと連携し、トップレベル競技者が同一の活動拠点で集中的・継続的にトレーニングを行えるよう、快適なトレーニング施設の提供を行う。
 実施に当たっては、次の措置を講じ、施設の利用主体である財団法人日本オリンピック委員会(以下「JOC」という。)との緊密な連携・協力を図るため、定期的に連絡調整の場を設けるとともに、利用者ニーズを把握するため、中央競技団体(以下「NF」という。)等に対するヒアリング等を実施し、効果的・効率的な事業の執行を図る。

  • (1)我が国の国際競技力向上を図るため、スポーツ医・科学及び情報の各側面から総合的に支援を実施するとともに、JISS及びNTCの施設・設備を活用した効果的な支援を実施する。
  • (2)我が国の国際競技力向上を図るため、JOC等と連携を図り、研究課題ごとにプロジェクトチームを編成するなど実践に資する研究を推進する。
  • (3)競技者が国際競技大会等において良好なコンディションで競技を行えるよう、スポーツ外傷・障害及び疾病に対し、専門スタッフにより、診療・アスレティックリハビリテーション等を実施する。
  • (4)研究・支援活動の成果が強化活動に活かされるようNF等に迅速かつ的確に提供するとともに、国内外の雑誌等へ研究論文を公表するなど、研究成果等の普及を図る。
  • (5)事業の実施に当たっては、外部有識者で構成する評価委員会による外部評価を実施するとともに、評価結果や意見等を各年度の事業に反映させるなど、効果的・効率的に事業を実施する。

3 スポーツ振興のための助成

 スポーツ振興基金及びスポーツ振興投票による助成の実施に当たっては、両制度創設の趣旨及びスポーツ振興基本計画等の国の施策を踏まえ、安定的・計画的な助成に配慮しつつ、効果的な助成を行う。

(A)透明性の確保等

  • (1)助成に係る要綱等により、基準を明確にするとともに、外部の有識者による配分に係る審査を行う。
     また、助成内容・交付先等についてホームページ等により公開し、透明性の確保を図る。
  • (2)助成区分ごとに達成すべき内容や水準を可能な限り具体的かつ定量的に示し、外部の有識者により、厳格かつ客観的な評価・分析を実施し、その結果を助成業務の効率化及び適正化に反映させる。
     また、助成を受けた団体における対象事業の経理状況について調査を行う。
  • (3)両助成事業の申請者の利便性を考慮し、対象となる各事業の内容や受付窓口等をホームページ等により公開する。

(B)助成財源の確保

  • (1)スポーツ振興基金の資金の管理及び運用については、助成財源確保のため適正な運用を図る。また、民間からの寄付金を募る等により基金の増額等助成財源を確保する。
     スポーツ振興くじの販売に当たっては、売上向上及び経費節減に努め、より多くの助成財源を確保する。
  • (2)スポーツ振興基金又は、スポーツ振興投票の制度が国民に理解され、両制度が広く社会に浸透するよう工夫を行う。
     スポーツ振興くじの販売に当たっては、青少年の健全育成に配慮する観点から、適切な販売が行われるよう、定期的な調査・販売員の研修等を行う。

4 災害共済給付事業

  • (1)公正かつ適切な給付を行うため、審査制度を充実する。
  • (2)災害共済給付業務についてはオンライン化を推進するとともに、その進捗状況を踏まえ、業務の合理化を図る。あわせて、支所の業務等の在り方について検討を行い、中期目標期間終了時までに、所要の結論を得る。

5 スポーツ及び児童生徒等の健康の保持増進に関する調査研究並びに資料の収集及び提供等

  • (1)登山事故を未然に防止し、健全な登山の発展を図るため、高い資質を有する登山指導者の養成を行うとともに登山に関する情報の提供を行う。
  • (2)これまでの国際大会などの開催実績から得られたノウハウを活用し、スポーツターフの維持管理等の情報の提供を行うことなど、地域のスポーツ施設の環境整備などを支援する。
  • (3)災害共済給付事業の実施によって得られる事例の収集、分析、関連調査の実施及び関連情報の提供など児童生徒等の安全を確保するための支援事業(学校安全支援業務)を実施する。
     また、事業の必要性・有効性を厳格に検証した上で、中期目標期間終了時までに各事業の在り方について所要の結論を得る。
  • (4)関係団体等との連携を密にするとともに社会的なニーズに対応し、必要に応じて事業を再構築する。

4 財務内容の改善に関する事項

1 スポーツ振興投票等業務に係る財務内容の健全化

 スポーツ振興投票等業務に係る財務内容の健全化を図るため、本業務の効率的な実施等による経費節減の取組み、及び、「BIG」のさらなる普及や新しいくじの検討・開発、購入しやすい販売方法・経路の開拓・普及、国際試合を対象とするために必要となる措置等の検討など売上向上や経営安定に効果が期待される様々な事項への取組みを行う。
 これらの取り組みにより、スポーツ振興くじの売上向上等に最大限努力し、繰越欠損金をできる限り早期に解消するとともに、スポーツ振興に対する助成の確保に努めるものとする。
 その上で、くじの売上状況を注視しつつ、繰越欠損金解消の見通しがおおむね立つと考えられる平成21年度末を目途に、スポーツ振興投票事業の実施体制の在り方も含め見直しを検討し、結論を得るものとする。
 なお、その間にあっても、スポーツ振興くじの売上の低迷により、繰越欠損金が増加し、債務の返済の見通しが立たないと見込まれる場合には、国民負担に及ぶことがないよう、スポーツ振興投票事業について原点に立ち返った抜本的な見直しを行う。

2 自己収入の確保及び予算の効率的な執行

  • (1)運営費交付金の一層の削減及び資産の有効活用の観点から、命名権の導入、施設利用料の見直し等により、自己収入の増加を図るとともに、必要に応じ遊休資産の処分等を行う。
     なお、職員宿舎の用途に供していた習志野及び所沢の建物等については、平成20年度の売却を検討する。
  • (2)業務の実施については、節約を行うとともに、適切な業務運営を行うことにより、予算の効率的な執行を図る。

3 資金の運用及び管理

 資金の運用及び管理において、運用基準を定め、安全かつ安定的な運用を図る。

5 その他業務運営に関する重要事項

1 長期的視野に立った施設整備・管理の実施

 施設の運営に当たっては、長期的視野に立った整備計画を策定し、施設整備を推進する。また、管理運営においては、維持保全を確実に実施することで、安全の確保に万全を期する。
 さらに、利用者本位の立場から施設整備を進めることとし、特に高齢者・身体障害者等に配慮した施設とする。

2 人事に関する事項

  • (1)民間競争入札(包括的業務委託)の実施や執務体制の見直しを図ることにより、効率的な組織体制を構築する。
  • (2)研修の実施により優れた人材を育成するとともに、研究職員については、質の高い研究・支援を推進するため、任期付任用や職の公募などにより、優れた人材の確保と資質向上を図り、研究を活性化させる。