平成23年3月1日
文部科学省
(序文)
独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二十九条の規定により、独立行政法人大学入試センター(以下「センター」という。)が達成すべき業務運営に関する目標(以下「中期目標」という。)を次のとおり定める。
(前文)
センターは、大学入学者選抜に関する業務を総合的に行うことにより、大学入学志願者が自らの能力、適性、意欲、関心に合った大学に進学することが可能となり、また、大学としてもその教育理念・目標に応じて「求める学生」を見いだすことが可能となる等の大学入学者選抜の改善を図り、ひいては高等学校教育及び大学教育が適切に行われることに資することを基本的な目標とする。
中期目標の期間においては、恒常的に行うべき業務を確実に実施するとともに、大学入学者選抜に関する様々な改善策に関する調査・検討を積極的に行うことが必要である。
このような役割を果たすため、センターの中期目標を以下のとおりとする。
大学入試センター試験(以下「センター試験」という。)は、高等学校段階の基礎的な学習の達成度を判定することを主たる目的とするものであり、試験問題は高等学校学習指導要領に準拠して作成されるものであること、また、客観的な手法により収集された入学者選抜に関するデータを多面的に調査研究することなどから、センター業務は長期的視点に立って行われる必要がある。このためセンターの中期目標期間は、平成23年4月1日から平成28年3月31日までの5年間とする。
センター試験は、多くの大学が入学者選抜の一環として共同して実施しているものであるが、全参加大学において円滑に実施されるために、センターは一括して処理することが適当な業務を滞りなく確実に実施することが必要である。
センター試験は、大学が共同して実施しているものであることを踏まえ、センター試験の実施に、参加大学の意思がより適切に反映されるよう、センター試験に係る各種委員会等の運営方法等の見直しを行う。
(1)センター試験の問題作成
センター試験は、各大学に対し、大学入学志願者の大学で学ぶために必要な能力・適性等に関する信頼性の高い情報を提供することが必要であることから、良質な問題を作成することは非常に重要な使命である。
このため、試験問題の作成にあたる委員の業務量を削減しつつ、毎年の問題作成及び点検を厳格に行うとともに、試験問題に関する自己点検・評価、第三者評価を行い、それぞれ70%以上が良問であるとの評価を得られるよう、適切な問題作成に努める。
また、評価結果を公表した上で、その評価結果に基づいた改善を図る。
(2)センター試験の円滑な実施
センター試験は全国の大学において同一の期日(2日間)に同一の試験問題により行われるものであり、受験者にとって公平かつ公正に実施されることが必要である。このため、秘密保持に十分留意の上、大学の試験実施や試験問題の管理、輸送に関する方針を定めることなどによりセンター試験を円滑に実施するとともに、その実施結果を踏まえ改善を図る。
なお、障害のある者等に対して、その能力・適性等に応じた進学の機会を広げる観点から公平に受験することができるように必要な措置を講じる。
(3)センター試験の採点・成績提供
センター試験の採点及び成績提供を着実に行うことにより、参加大学の多様なニーズに対応するとともに、受験者が自己の学習の成果を把握し、その後の学習上の参考とすることが可能となるよう、入学者選抜の全体日程終了後に、希望する受験者本人に対しセンター試験の成績を開示する。
(4)特に中期目標期間中に実施すべき事項
平成24年度高等学校入学者から一部の科目で学年進行により先行実施される(全面実施は平成25年度高等学校入学者から)高等学校の新学習指導要領については、センター試験の目的を踏まえると、平成27年度センター試験(平成27年1月実施)から、確実に対応しなければならない。このため、平成27年度センター試験から高等学校の新学習指導要領に対応した試験が適切に実施されるよう、計画を立てて確実に業務を行う。
我が国の大学入学者選抜方法の改善について調査研究を行う中核的機関として、センターが主体となり、各大学と交流及び協力を行い調査研究を進める。
(1)調査研究の在り方及び体制
センター試験に関する調査研究と大学入学者選抜方法の改善に関する調査研究に集中・特化する。
将来の大学入学者選抜の望ましい在り方を見据えながら、多様な選抜方法が導入されている大学入学者選抜をめぐる様々な課題に対応した実践的な研究を行うことが必要である。このことを踏まえ、研究の計画を立て、計画に従った研究を推進するとともに、研究水準の向上や競争的資金の導入を図る。
なお、理事長のリーダーシップの下、重要課題について一定の期限を付して重点的に取り組むプロジェクト型の調査研究を重視する。
特に社会的要請が高い課題について大学の研究者等と連携して研究することにより、迅速に研究成果を得て、各大学に発信する機能の充実を図る。
(2)センター試験に関する調査研究
国の審議会等においてセンター試験の改善について指摘されている内容も踏まえ、センター試験の改善方策等に関して、計画を立案した上で、導入に際しての課題等について調査研究を行い、可能なものから実際の選抜方法や出題内容等に適切に反映していくものとする。
特に、得点調整、センター試験のモニターによる調査等に加え、リスニングテストの実施結果や成果等を検証し、その改善を図るための調査研究を行う。
(3)大学入学者選抜方法の改善に関する調査研究
例えば、①大学全入時代に対応した新しい大学入試の在り方や②障害のある者等のニーズに対応した特別措置の内容・方法など、大学の入学者選抜方法の改善に関する国の施策に反映させるための調査研究を行う。
(4)調査研究成果の公表及び評価
研究成果については、国が行う大学入学者選抜方法の改善の企画立案に資する基礎資料として提示するなど多様な手段で効果的に公表するよう努めるとともに、各大学との研究協議等を通じて、センター試験をはじめ我が国の大学入学者選抜の改善のために活用するよう促す。また、各大学が利用しやすいよう積極的に公表するとともに、外部評価を含めた厳格な評価を行った上で、当該評価結果に沿った改善を図りつつ、成果が十分でない研究テーマについては、理事長の判断により機動的に見直しを行う。
大学入学志望者や高等学校の進路指導担当者に対し、センター試験に関する情報を中心に、大学入試に関する情報などセンター試験を実施する上で必要な情報をインターネット等の方法により提供する。
また、新規参加大学等の拡大が図られるよう、積極的な広報活動を行う。
業務の公共性にかんがみ、法人の運営に関する情報などについて、毎年度、積極的な開示を行う。
事務・事業の見直しに対応した要員の合理化など組織の見直しを図り、効率的かつ円滑な業務運営の改善を図る。なお、効率化に関しては、長期的視野に立って推進すべき事業であることに鑑み、事業の継続性に十分留意する。
(1)センターの業務運営に関しては、受験者のニーズに配慮した上で、既存業務の徹底した見直し、効率化を進めるとともに、自己収入の増に努め、運営費交付金に頼らないような構造での運営を目指す。
また、一般管理費及び事業費のうち固定的な経費※は、平成22年度を基準として、中期目標期間中に5.0%以上の効率化を図る。
※固定的な経費=(一般管理費+事業費)-変動費-特殊業務経費-退職手当
変動費=受験者の増減により変動する経費
(2)受験者のニーズに配慮した上で、業務を一層効率的に実施するため、試験会場の集約や試験問題等の印刷経費等の削減に取り組む。
(3)その他、業務運営全般について、「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」(平成21年11月17日閣議決定)に基づく取組を着実に実施することにより、試験の秘密保持を考慮しつつ、契約の適正化を推進するとともに、自己点検評価を実施し、その評価に則って業務の見直しを行う。
積極的に多様な収入の方策を検討し、自己収入の増加に努める。また、自己収入額の取扱いにおいては、各事業年度に計画的な収支計画を作成し、当該収支計画による運営に努める。
給与水準については、国家公務員の給与水準も十分考慮し、手当を含め役職員給与の在り方について厳しく検証した上で、センターの業務の特殊性を踏まえた適正な目標水準・目標期限を設定し、その適正化に取り組むとともに、検証結果や取組状況を公表する。
総人件費についても、平成23年度はこれまでの人件費改革の取組を引き続き着実に実施するとともに、平成24年度以降は「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(平成22年11月1日閣議決定)に基づき、政府における総人件費削減の取組み及び今後進められる独立行政法人制度の抜本的な見直しを踏まえ、厳しく見直す。
施設・設備については、センター試験の秘密保持に十分留意の上、計画的な整備を行う。
なお、保有資産の必要性について不断に見直しを行うとともに、見直しの結果を踏まえ、適切に対応する。
理事長のリーダーシップの下、内部統制の充実・強化を図る。
「第2次情報セキュリティ基本計画」等の政府の方針を踏まえ、適切な情報セキュリティ対策を推進する。
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