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独立行政法人物質・材料研究機構中期目標

平成23年4月
文部科学省

目次

【序文】
【前文】
 1.中期目標の期間
 2.国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項
   1.物質・材料科学技術に関する基礎研究及び基盤的研究開発
   2.研究成果の情報発信及び活用促進
   3.中核的機関としての活動
 3.業務運営の効率化に関する事項
 4.財務内容の改善に関する事項
 5.その他業務運営に関する重要事項


【序文】

 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二十九条の規定に基づき、独立行政法人物質・材料研究機構が達成すべき業務運営に関する目標(以下「中期目標」という。)を定める。

【前文】

 物質・材料科学技術は、新物質・新材料の発見、発明に象徴されるように科学技術の発展と、それによるイノベーション創出を先導し、新たな時代を切り拓くエンジンとなるとともに、融合と連携を通して幅広い分野に波及することにより、国民生活・社会を支える多様な技術の発展の基盤となるものである。また、国際競争が激化する中で我が国の優位性を維持、強化するための鍵となるとともに、地球環境問題をはじめとした社会的課題の解決において重要な役割を果たすことが期待されている。
 独立行政法人物質・材料研究機構(以下「機構」という。)は、物質・材料科学技術に関する基礎研究及び基盤的研究開発等の業務を総合的に行うことにより、物質・材料科学技術の水準の向上を図ることを目的とする独立行政法人である。機構はその設立以降、物質・材料科学技術の先端を切り拓く知の資産の創出に貢献するとともに、環境・エネルギー問題の解決、我が国の産業競争力の基盤強化などの社会的ニーズに対応した研究開発に取り組み、不断の努力により物質・材料科学技術の世界トップレベルの研究機関に成長したと言える。今後は、国家戦略の一翼を担う物質・材料研究の中核的機関としての使命を職員一人一人が改めて認識し、科学的成果の創出に留まらず、機構がどのように社会に貢献できるのかを常に考え、業務を遂行することにより、機構の存在価値を高めていくことが求められている。
 以上の認識の下、機構は、自らに対する社会的、政策的要請に応えて、以下の目標の達成を目指す。

1.中期目標の期間

 機構の当期の中期目標の期間は、平成23年(2011年)4月1日から平成28年(2016年)3月31日までの5年間とする。

2.国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項

 機構は、科学技術基本計画(以下「基本計画」という。)等の国家戦略の一翼を担う機関として、中長期的な視点の下で、世界最高水準の共通基盤技術を創出するとともに、創出した技術を駆使して革新的材料機能を探索し、技術シーズを創製する。また、このような研究開発を支える、先駆的な研究組織・環境を構築するとともに、物質・材料研究の中核的機関として先端研究基盤の整備・運営、グローバルに活躍できる人材の育成等を積極的に進める。

1.物質・材料科学技術に関する基礎研究及び基盤的研究開発

1.1重点研究開発領域における基礎研究及び基盤的研究開発

 我が国が幅広い分野で最先端の科学技術を継続して生み出していくためには、融合と連携を通して多様な技術分野に波及する基盤的な科学技術の水準の向上が不可欠であることから、機構は、新物質・新材料の創製に向けたブレークスルーを目指す横断的先端研究開発を推進する必要がある。また、第4期基本計画において環境・エネルギーを対象とする「グリーンイノベーション」が成長戦略の大きな柱として位置付けられたが、物質・材料科学技術がこの分野の重要課題の解決の鍵を握ることから、機構にこのような課題解決に貢献する研究開発を推進することが求められている。
 以上の状況と機構がこれまでに培ってきた成果、人材、研究ポテンシャルの活用という観点も考慮し、本中期目標期間においては、「新物質・新材料の創製に向けたブレークスルーを目指す横断的先端研究開発の推進」、「社会的ニーズに応える材料の高度化のための研究開発の推進」の2項目に重点的に取り組むこととし、前者の横断的先端研究開発が後者の課題解決に向けた研究開発を牽引・下支えする。

1.1.1新物質・新材料の創製に向けたブレークスルーを目指す横断的先端研究開発の推進
 本項目は、先端的共通技術領域、ナノスケール材料領域の2領域からなり、各領域の具体的な内容は以下のとおりである。
1)先端的共通技術領域
 我が国、そして世界をリードする物質・材料研究を推進するためには、先進材料の研究開発において、共通的に必要となる技術の水準を世界トップレベルに高めていく必要がある。その際には、先端的な共通技術基盤の構築を進めるという観点に加え、このような先端的共通技術が新たな研究分野を切り拓くという観点も重要である。
 そのため、機構は、将来のブレークスルーの原動力となる計測・分析手法等の先端的共通技術のさらなる高度化を目指す。
 具体的には、機能・特性を発現させるメカニズムの精緻な理解を可能とする包括的な先端材料計測技術、機能・特性の変化を予測するシミュレーション技術、材料の構成要素から材料へと組み上げるための設計・制御手法や新規な作製プロセスの開拓など、物質・材料研究に共通的に必要となる先端技術について、既存技術では不可能な高精度化、可視化、対象とする物質・領域・物性の拡大等を実現する。
 また、機構は、先端的共通技術により機構全体の材料研究を牽引するとともに、我が国の研究者コミュニティ等への最先端技術の普及に取り組む。さらに、普及の過程において、先端的共通技術の高度化に向けた技術的ニーズの抽出、新たな目標へのフィードバックを行い、技術の発展へとつなげていく。
2)ナノスケール材料領域
 新物質・新材料を創製するための技術シーズを世界に先駆けて発掘、育成していくためには、無機、有機の垣根を越えて発現する、ナノサイズ特有の物質特性等を利用することが重要である。また、単にナノサイズ特有というだけでなく、次代の成長領域の芽となるような、既存の材料・デバイスを置換し得る、あるいはものづくりのプロセスにイノベーションをもたらし得るほどの革新的な物質特性等に焦点を当てることも必要である。
 そのため、機構は、ナノスケールにおける先進的な合成手法を開発・利用して全く新しいナノ構造を生み出すとともに、ナノチューブ、ナノシート等のナノスケール物質が持つ特異な機能を最適に組み合わせて、それらの有機的な相互作用から飛躍的な機能向上を可能とするシステム化研究に取り組むなど、新物質・新材料を創製するための革新的技術シーズを創出する。
 また、本領域においては、多様なナノスケール物質等を組み合わせるシステム化研究を行うことから、他の研究機関との連携も含め、分野横断的に研究を進める。

1.1.2社会的ニーズに応える材料の高度化のための研究開発の推進
 本項目は、環境・エネルギー・資源材料領域からなり、具体的な内容は以下のとおりである。
1)環境・エネルギー・資源材料領域
 第4期基本計画においては、世界最先端の低炭素社会の実現に向け、グリーンイノベーションを強力に推進し、我が国が強みをもつ環境・エネルギー技術の一層の革新を促すとされている。また、資源、エネルギーなどの国際的な獲得競争が激化し、これが中長期的な世界の経済成長のひずみや、世界経済と政治の不安定化をもたらすことへの懸念が示され、資源再生技術の革新、レアメタル、レアアース等の代替材料の創出に向けた取組を推進するとされている。
 そのため、機構は、本領域の取組として、グリーンイノベーションによる成長とそれを支える資源確保に不可欠な材料科学技術に焦点を当て、課題解決に必要な技術の原理とメカニズムを徹底的に理解した上で、材料の設計、機能・特性の最適化を行うことにより、既存の技術開発の延長では達成し得ないブレークスルーを目指す。
 具体的には、再生可能エネルギー利用の飛躍的拡大、産業・家庭におけるエネルギー利用の高効率化等を可能とする新規材料の実現や、高い信頼性・安全性を確保しつつ耐熱化、軽量化、長寿命化を可能とする革新的材料技術を創出する。また、長年、物質・材料研究に取り組んできた機構の総合力を活かし、レアメタル、レアアース等の希少元素を可能な限り海外に依存しないことを目的とした研究開発を組織的に推進する。なお、レアメタル、レアアース等の国際需給情勢等によりニーズが変化していく可能性もあるため、中長期的視点から課題設定を検討する。
 本領域のプロジェクトを遂行するに当たり、機構の創出した成果が活用され、環境・エネルギー・資源等に係る多様な課題の解決に貢献していくよう、企業、他の研究機関等との連携体制を主体的に構築するとともに、経営層のトップマネジメントにより、連携活動の進捗を管理する。特に、本領域のプロジェクトを通じて、つくばイノベーションアリーナの参画機関・企業との連携・協力をより一層深める。
 加えて、本中期目標期間中においても、機構の分析・戦略企画活動等を通して国家戦略、社会的ニーズ等を柔軟に取り込みつつ、必要に応じてプロジェクトを見直す。

1.2シーズ育成研究の推進

 社会的課題解決を起点としてプロジェクトを推進するのみでは、課題の設定時に把握可能な技術への重点化に偏り、革新的技術の中長期的な育成が弱体化する懸念がある。本中期目標期間中において、社会的ニーズの変化を受け、国家戦略の方向性が変わる可能性もある。そのような状況変化に柔軟に対応していくため、戦略性を持ってシーズ育成研究を推進する。
 研究を進めるに当たっては、短期的な成果を求めることはせず、長期的な展望に立ち、将来のプロジェクト化をはじめ、シーズの発展の可能性を評価する。また、シーズ育成研究に取り組む研究者間の情報交換を進め、異分野融合を進めるとともに、育成されたシーズの発展を促進する制度の構築・運用を行う。
 なお、機構は、公募型研究資金制度等に積極的に提案・応募していくことにより、その技術シーズ、研究ポテンシャルを活用して、社会的ニーズへの的確な対応、成果の更なる発展、応用研究への橋渡しなどを進める。また、民間企業からの研究資金等を積極的に導入する。

2.研究成果の情報発信及び活用促進

 機構は、得られた研究成果を新たな価値創造に結びつけることを目指し、成果の社会における認知度を高め、社会還元につなげていく。具体的な活動は以下のとおりである。

2.1広報・アウトリーチ活動及び情報発信

(1)広報・アウトリーチ活動の推進
 機構が物質・材料研究を推進するに当たり、国民の理解、支持及び信頼を獲得していくことがますます重要となっている。そのため、広報関連施策の効果的・効率的な推進を目指し、機構の広報に係る基本方針を策定する。また、機構の活動や研究成果等が幅広く理解されるよう、機構の組織的な活動に加え、研究者一人一人が物質・材料科学技術のインタープリターとして双方向コミュニケーション活動を行う。さらに、国民各層の科学技術リテラシーの向上への貢献を目指し、物質・材料科学技術に関する知識の普及等を行う。
(2)研究成果等の情報発信
 機構の研究成果の普及を図るため、学協会等において積極的に発表するとともに、国際的に注目度の高い学術誌等への投稿・発表や、国際シンポジウム等の開催により、国際的な情報発信を維持・充実する。また、機構の研究人材や研究成果をデータベース化・公表する。

2.2知的財産の活用促進

 機構の研究成果の多様な応用分野への波及を目指し、企業側の研究開発フェーズに応じた適切な協力関係を発展させる知的財産ポリシーを策定し、機構から産業界への実施許諾件数を増加させる。また、機構と企業との共同研究から生まれる知的財産の取扱いが、連携企業にとって魅力あるものとなる共同研究制度を設計・運用する。さらに、実用化された製品、サービスについてはグローバル市場における販売が想定されるため、外国出願を重視し、登録・保有コストの費用対効果を分析しつつ、精選して出願・権利化する。

3.中核的機関としての活動

 機構は、物質・材料科学技術に関する基礎研究及び基盤的研究開発等の業務を総合的に行う我が国唯一の研究開発機関であり、そのプレゼンスを国内外に対して示すとともに、自らの存在価値を不断に高めていくことが重要である。そのため、国際情勢、技術動向、社会的ニーズの変化等に柔軟に対応し、中核的機関が果たすべき責務を認識しつつ活動に取り組む。

3.1施設及び設備の共用

 機構は、一般の機関では導入が難しい先端的な研究施設及び設備を広く共用に供するとともに、共用設備等を有している大学、公的研究機関のネットワークのコーディネート役(ハブ機能)を担い、機関間の相互補完体制等を整備する。これにより、先端研究設備等を核とした分野融合やオープンイノベーションのシステム構築に貢献する。

3.2研究者・技術者の養成と資質の向上

 機構の研究者・技術者の養成と資質の向上は、我が国の物質・材料研究を支える知識基盤の維持・発展の観点から重要である。
 経済活動や研究活動がグローバル化し、物質・材料研究においても激しい国際競争が行われているため、機構の研究者を世界に通用する人材へと計画的に育成する。また、次代の物質・材料研究を担う人材の育成に向け、大学・大学院教育の充実に貢献するとともに、ポスドク等を積極的に受け入れる。加えて、物質・材料科学技術の多様な研究活動を支える高度な分析、加工等、専門能力を有する技術者の養成、能力開発等を実施する。

3.3知的基盤の充実・整備

 機構は、日本のものづくりを支えてきた、機構にしかなし得ない基盤的活動を重視する観点から、幅広く外部の研究者や技術者等の利用に供するよう、質の充実にも配慮しつつ、知的基盤を整備していく。そのため、機構は、長期的な取組が不可欠な材料試験、材料組成等を明らかにする化学分析を着実に継続するとともに、材料データベース等の整備・発信を行う。また、機構の研究活動から得られた新物質・新材料等の標準化を目指し、幅広く配布活動を実施するとともに、物質・材料分野の国際標準化活動に寄与する。

3.4物質・材料研究に係る国際ネットワークと国際的な研究拠点の構築

 世界的に頭脳循環(ブレインサーキュレーション)が進み、優れた人材の獲得競争がますます熾烈となる中で、機構は、ボーダレスな研究環境の構築を進め、異質な人材・研究の融合促進による研究活動の活性化を図る。そのため、機構は、「世界材料研究所フォーラム」等のこれまで構築してきた国際ネットワークを積極的に活用する。また、世界トップレベル研究拠点である国際ナノアーキテクトニクス研究拠点における国際的に開かれた環境の構築と、それを土壌として生み出される挑戦的な研究を引き続き実施するとともに、同拠点の取組を牽引力として機構全体の研究開発システムを改革する。

3.5物質・材料研究に係る産学独連携の構築

 科学技術の複雑化、研究開発活動の大規模化、経済社会のグローバル化の進展に伴う、オープンイノベーションの必要性の高まりなどを踏まえ、機構の成果、研究ポテンシャル等を活用した産学独の連携を一層深化する。機構の研究成果を企業等へ橋渡しするため、企業等にとって魅力のある連携モデルを構築・運用し、機構のトップマネジメントにより連携活動を実施する。一方、学独連携については、将来の物質・材料研究を担う若手人材の育成への貢献に加え、機構の研究活動の活性化や研究ポテンシャルの向上を目指し、大学等との連携を強化する。また、機構は、産業技術総合研究所、筑波大学、産業界と連携し、つくばイノベーションアリーナに参画する。この枠組みの下で、機構の有する先端的な研究施設及び設備の活用を進めつつ、環境・エネルギー分野等の革新的材料の創出を明確に指向した取組を企業との共同研究等により実施するほか、物質・材料研究を支える若手人材を育成する。

3.6物質・材料研究に係る分析・戦略企画及び情報発信

 機構が、物質・材料研究に対する社会からの要請に応えていくためには、関連する国家戦略、国際情勢、技術動向等を定常的に把握・分析していく必要がある。このような活動は、長期的な視点で物質・材料研究に取り組んでいる機構でこそなし得る活動である。このような活動の成果を、機構の研究戦略の企画やプロジェクトの実施計画に反映させるとともに、積極的に社会に発信していく。

3.業務運営の効率化に関する事項

 機構は、自らの社会的責任と社会が機構に期待する役割を十分認識し、理事長のリーダーシップの下、以下の組織編成及び業務運営の基本方針に基づいて業務に取り組む。また、独立行政法人を対象とした横断的な見直し等については、随時適切に対応する。
 なお、業務運営に当たっては、業務や組織の合理化・効率化が、研究開発能力を損なうものとならないよう、十分に配慮する。

1.組織編成の基本方針

 機構内の部署間の連携を強化することにより、機構全体としての総合力を発揮し、従来よりも一段階上の組織パフォーマンスを目指す研究体制を構築する。また、研究開発の重点化、研究の進展、有望なシーズ発掘などに機動的に対応するために、部署間の人員再配置、時限的研究組織の設置など、弾力的に組織を見直す。
 研究職、エンジニア職及び事務職の職員全体について、能力や業務量の変動等に応じて柔軟に人事配置を見直す。

2.業務運営の基本方針

(1)内部統制の充実・強化

 内部統制については、総務省の独立行政法人における内部統制と評価に関する研究会が平成22年3月に公表した報告書「独立行政法人における内部統制と評価について」を参考として、理事長のリーダーシップの下、コンプライアンス体制の実効性を確保するとともに、監事監査の効果的な活用、適切な権限委譲などにより、内部統制を充実・強化する。

(2)機構の業務運営等に係る第三者評価

 機構は、国境やセクターを越えた多様な視点を経営に取り入れ、業務を遂行していくため、国内外の有識者からなるアドバイザリーボードによる業務運営等に対する評価を実施し、その結果を積極的に活用する。また、機構のプロジェクトについて、適切な方法により事前・中間・事後評価を行い、評価結果をプロジェクトの設計・実施等に反映させる。

(3)効果的な職員の業務実績評価の実施

 機構は、その幅広い業務を支える、研究職、エンジニア職及び事務職のそれぞれの職務の特性と多様性に十分配慮した、効果的な職員の業務実績評価を実施する。

(4)業務全体での効率化

1.経費の合理化・効率化
 機構は、管理部門の組織の見直し、効率的な運営体制の確保等に取り組むことにより、本中期目標期間中に整備される施設の維持・管理に最低限必要な経費等の特殊要因経費を除き、一般管理費については、5年間で15%以上、業務経費については、5年間で5%以上の効率化を図る。ただし、人件費の効率化については、次項に基づいて取り組む。
 なお、社会の要請に基づき、新たな業務の追加又は業務の拡充を行う場合には、当該業務についても同様の効率化を図る。
2.人件費の合理化・効率化
 機構職員の給与水準については、国家公務員の給与水準も十分考慮し、手当を含め役職員給与の在り方について厳しく検証した上で、機構の業務の特殊性を踏まえた適正な水準を維持するとともに、検証結果や取組状況を公表する。
 総人件費については、平成23年度はこれまでの人件費改革の取組を引き続き着実に実施する。ただし、平成22年度まで削減対象外としていた者に係る人件費及び今後の人事院勧告を踏まえた給与改定分については、削減対象から除く。なお、平成24年度以降は「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(平成22年11月1日閣議決定)に基づき、今後進められる独立行政法人制度の抜本的な見直しを踏まえ、厳しく見直す。
 目黒地区事務所の廃止により、事務職員の合理化を図る。また、研究領域及びプロジェクトの重点化に伴う組織体制の見直しに当たっては、非常勤化を含め、事務職員の配置を見直すとともに、要員の合理化を図る。
3.契約の適正化
 契約については、「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」(平成21年11月17日閣議決定)に基づく取組を着実に実施することとし、契約の適正化、透明性の確保等を推進し、業務運営の効率化を図る。
4.保有資産の見直し等
 保有資産については、その必要性について不断に見直しを行い、支障のない限り国への返納等を行う。
 なお、目黒地区事務所については、業務のつくば地区への集約化に伴い廃止し、移転後の不動産については、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)に則して平成24年度中の国庫納付を目指す。

(5)その他の業務運営面での対応

 社会への説明責任を果たすため、情報提供等を適切に行う。また、情報セキュリティ対策等の政府の方針等に適切に対応する。

4.財務内容の改善に関する事項

 機構は、予算の効率的な執行による経費の節減に努めるとともに、受益者負担の適正化にも配慮しつつ、積極的に、施設使用料、特許実施料等の自己収入の増加等に努め、より適切な財務内容の実現を図る。

5.その他業務運営に関する重要事項

1.施設・設備に関する事項

 機構における研究活動の水準の向上を図るため、常に良好な研究環境を維持、整備していくことが必要である。既存の研究施設及び本中期目標期間中に整備される施設の有効活用を進めるとともに、老朽化対策を含め、施設・設備の改修・更新・整備を重点的・計画的に実施する。

2.人事に関する事項

 職員の採用プロセスの更なる透明化を図るとともに、外国人研究者の採用と受入れを円滑かつ効率的に進めるために外国人研究者の支援体制を整備する。また、若手・女性研究者の活用を進めるとともに、研究活動の効率化を図るため、必要な研究支援者や技術者を確保する。さらに、任期付研究者のキャリアパス構築など、職員の適切な処遇に努める。
 職員一人一人が機構の使命を十分に認識し、やりがいを持って業務に従事できることを目指し、人材マネジメントを継続的に改善する。