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文部科学省独立行政法人評価委員会
2002/03/29
| 独立行政法人の財務会計上の諸課題に関する検討についての報告 |
独立行政法人の財務会計上の諸課題に関する検討についての報告
平成14年3月29日
文部科学省独立行政法人評価委員会
業務運営評価ワーキンググループ
1.はじめに
業務運営評価ワーキンググループは、独立行政法人評価委員会が独立行政法人の業務運営の評価を行うに当たり、財務会計の観点から必要な助言を行うこと等を目的として、昨年8月1日に開催された第4回総会において設置が決定され、以来4回の会合を開催し、検討を進めてきた。
独立行政法人は、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが求められる事務事業を行う法人であり、独立行政法人は、営利の獲得を目的とせず独立採算制を前提とされていない。このため、国は、独立行政法人の運営に必要な財源の全部又は一部を運営費交付金等により措置することとされている。
また、独立行政法人は自律的・自主的な運営のもと、事務事業を効率的かつ効果的に実施し、質の高いサービスを国民に提供することが求められる。このため、国の独立行政法人に対する事前の関与は極力制限され、独立行政法人は、中期目標期間中、法人自らが作成した中期計画に沿って運営し、事後的に法人の業務の実績について、独立行政法人評価委員会による評価を受けることとなる。
本ワーキンググループでは、独立行政法人制度のこれらの特徴を十分念頭に置きつつ、法人運営や独立行政法人評価委員会における業務実績評価の実施、財務諸表の検討等に資するため、運営費交付金債務の収益化方法や業務運営の効率化の評価など、独立行政法人の財務会計上の諸課題について検討を行い、これまでの結果を取りまとめた。関係者におかれては、業務実績評価の実施や、各独立行政法人における来年度以降の業務運営等に本報告を参考として活用されることを希望する。
なお、今後、独立行政法人評価委員会において業務実績評価の実施後の結果を見て、この報告の内容について更に議論を深めるべき点があれば、引き続き本ワーキンググループにおいて独立行政法人評価委員会とも連携しながら審議し、その結果をこの報告の内容に反映させることとする。
2.財務情報の提供等について
(1)検討の背景
独立行政法人は国民の税金を主要な財源として運営される法人であることから、国民に対し財務情報を公表することにより、どのような業務を行い、それに要した費用はどの程度であったのかということを国民に対して説明しなければならない。また、独立行政法人の業務実績評価の際に、独立行政法人評価委員会は、独立行政法人の財務状況を適切に把握する必要があり、独立行政法人は、そのために必要な財務情報を積極的にあるいは求めに応じて独立行政法人評価委員会に提供しなければならない。
独立行政法人通則法上、独立行政法人は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書等の財務諸表を作成し、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で行なわれる主務大臣の承認を経て官報に掲載するとともに各事務所に備え置くこととされている。
独立行政法人が提供すべき財務情報については、基本的には独立行政法人通則法等の法令や独立行政法人会計基準に基づいて作成・公表・開示すべきとされる。本ワーキンググループにおいては、国民や独立行政法人評価委員会等の財務情報の利用者に対する適切な情報の提供、特に独立行政法人評価委員会が評価を行う際に必要となる情報の提供に資する観点から、以下に留意点を付言するので、各法人においては、今後、財務情報の提供等を行う際に十分踏まえられることが望まれる。
(2)セグメント情報について
独立行政法人会計基準においては、独立行政法人が開示すべきセグメント情報は、各法人の事業内容等に応じた適切な区分に基づくものであり、運営費交付金に基づく収益以外の収益の性質や複数の業務を統合した法人における業務の区分を参考にしつつ、各法人において定めていくこととされている。
このため、セグメントは、各法人が自らの業務の内容等に応じて個々に定めることが原則であるが、国民への説明責任を果たし、併せて独立行政法人評価委員会へ必要な情報を提供するため、例えば、中期目標・計画の項目に対応できるようにセグメントを設定することが望まれる。
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セグメント情報:一般には、財務情報を事業部門別・事業活動別などの区分単位に分別した情報とされる。独立行政法人会計基準第35参照。
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(3)業務実績評価に資する財務情報について
財務情報は、独立行政法人の運営状況を把握する上で不可欠の情報であり、独立行政法人評価委員会が業務実績の評価を行うにあたって重要な情報の一つである。特に、独立行政法人の業務運営の効率化についての評価を行うにあたっては、法人が営むそれぞれの事業について、どの程度の費用により業務を行なったのか、あるいはそれらの財源はどうであったのかを把握する必要がある。
そのためには、各法人が作成するセグメント情報を含む財務諸表が活用されることとなるが、これに加えて、各法人は、例えば中期目標・計画の項目ごとといったある程度詳細な業務単位ごとに、法人内部の資源配分の見積もりと実績が把握できるよう財務情報等を準備し、独立行政法人評価委員会の求めに応じて提出できるようにすることが望ましい。
3.運営費交付金債務の収益化の方法について
(1)検討の背景
独立行政法人会計基準上、運営費交付金債務の収益化の方法については、 独立行政法人の一定の業務と運営費交付金の対応関係を明らかにし、当該業務の進捗状況に応じて運営費交付金債務を収益化する方法(いわゆる「プロジェクト進行基準型」)、 業務の実施と運営費交付金が対応している場合に、期間の経過によって一定の運営費交付金債務を収益化する方法(いわゆる「期間進行基準型」)、 業務の進捗状況に関わりなく、業務のために費した部分について、それと同額の運営費交付金債務を収益化する方法(いわゆる「費用進行基準型」)の3つの方法が定められている。
このうち、どの方法により運営費交付金債務の収益化を行うかについては、各法人がその業務の内容、規模等を勘案して判断することとなるが、独立行政法人会計基準においては、プロジェクト進行基準型、期間進行基準型において求められる業務と運営費交付金の対応関係、業務と期間の対応関係が明らかにならない場合、費用進行基準型による収益化を図ることとなる。
一方、現状において、独立行政法人は、一般的に費用進行基準型の収益化の方式を採用している。これは、独立行政法人制度自体が導入されて間もない現状において、従前と同様の会計処理を行い易いこと、各法人とも独立行政法人化に伴う体制造りを行いつつ業務を実施していること、プロジェクト進行基準型の具体的な方法が実務上十分に明らかになっていないこと等の事情によるものと考えられる。
ただし、費用進行基準型による運営費交付金債務の収益化方法については、以下に述べるように、独立行政法人制度の特徴を生かすためには必ずしも有効な方法ではない面も考えられるので、今後、独立行政法人制度の特徴を生かした業務運営を進めていく上で運営費交付金債務の収益化の方法をどのようにすべきかということについて、法人における会計管理システムを含め、十分な検討が必要である。
(2)費用進行基準型による収益化方法について
費用進行基準型による運営費交付金債務の収益化を行う場合、法人の業務ごとに区分して会計を行う必要がなく、また、実際に使った金額に応じて収益化を行うことができるので会計上の事務処理が簡便であり、運営費交付金債務の収益化についての客観性も保ちやすいという点で優れていると考えられる。
他方、費用進行基準型の場合、法人が業務の効率化を図り、当該年度に交付された運営費交付金の一部を節約することができたとしても、中期目標期間終了時の清算までは、その節約部分を収益化することができず、運営費交付金債務として貸借対照表に記載されることとなる。したがって、前年度からの繰越欠損金の補填に充てることができず、また、積立金に繰り入れることもできないため、翌年度以降の損失に備えることができない。加えて、通則法第44条第3項の規定による剰余金として目的積立金に積み立てることもできないこととなる。
また、運営費交付金の節約により翌年度以降にその一部を運営費交付金債務として繰り越した場合、当該運営費交付金の一部については、本来、当該年度に行うべき業務に充てられるものであることから、翌年度以降の業務のために充当することは、独立行政法人制度上好ましくない取扱いとなる。少なくとも、翌年度以降に、この部分を業務に充当した場合、当該年度の業務運営の効率化の評価を低下させることが考えられる。
費用進行基準型による収益化方法については、上記のような問題点が考えられ、独立行政法人の会計制度上の利点を十分に活用できない恐れがある。
(3)プロジェクト進行基準型による収益化方法について
プロジェクト進行基準型の特徴について
プロジェクト進行基準型による運営費交付金債務の収益化方法の場合、法人の一定の業務ごとに運営費交付金債務の収益化基準を定めることにより、業務の実施状況に応じて運営費交付金債務を収益化し、当該業務に実際に投入した金額との差額を利益として計上することができる。
この場合、法人は通則法第44条第1項及び第3項の規定による利益処分を行うことが可能となり、上記の費用進行基準型の場合の問題点が解消され、法人の経営の安定化や経営努力の促進に結びつくことが考えられる。また、当該年度において、業務の進捗状況を管理することにより、運営費交付金の効率的な使用によるに剰余が見込まれる場合、さらなる成果の追求を目指して、当該業務における収益化の限度額まで運営費交付金を投入することが考えられる。
プロジェクト進行基準型の収益化基準について
イ) プロジェクト進行基準型の運用の基本
プロジェクト進行基準型の場合、業務ごとに当該年度において達成すべき業務の内容および実施に必要な運営費交付金債務の収益化予定額をあらかじめ設定した上、当該年度に実施する業務の進捗状況又は達成状況を、あらかじめ定めた客観的基準に照らして測定することにより、当該年度の収益化額を決定する。
すなわち、決算時において、当該業務が予定どおりに進捗又は達成されたものと評価されれば、当該業務における収益化予定額をすべて収益化し、当該業務が年度内に予定どおりに進捗せず、その一部を翌年度に積み残した場合、当該年度における運営費交付金債務の収益化額は、進捗又は達成した業務に対応する交付金債務のみを収益化する。
したがって、業務ごとの進捗度又は達成度を定量的又は段階的に把握するための収益化基準をあらかじめ設定することが必要となる。例えば、業務の工程を幾つかに区分し、各工程が、当該年度の業務全体において、どの程度の進捗度に該当するかをあらかじめ数値化して示すなどして、業務の進捗度を数値化することにより、業務の進捗度を測定する方法や、達成された成果が定量化できる場合は、業務の進捗に応じた達成度を数値で表現する方法、などにより、業務の進捗度又は達成度を測定することが考えられる。
なお、ここでいう業務の進捗度・達成度の測定は、各法人において会計処理上行われるものであり、独立行政法人評価委員会が行う業務実績の評価の結果とは区別してとらえる必要がある。
ロ) 投入費用をもとに、業務の達成度を便宜的に測定する手法
他方、法人が行う業務の中には、上記のように業務の進捗状況又は達成状況を定量的又は段階的に把握することが困難なため、当該年度に予定された業務の100%の達成ならば判定できても、途中段階の進捗・達成状況を定量的に判定できないものが多い。このような業務については、決算時に業務が全て達成していない場合には、達成した分の業務の定量化ができず、当該年度の収益化額を決定することが不可能となる。
上記の場合、当該年度に達成すべき業務が全て達成されたか否かの点のみを客観的な基準としてあらかじめ設定し、仮に当該年度内に達成出来なかった際には、未達成の部分に対応する業務の進捗状況については、当該業務に投入された費用をもって便宜的に業務の進捗度とみなす方法が考えられる。
この方法を採用した場合は、決算時に、当該業務が100%達成されたと客観的基準に基づき判定されたならば、当該業務における収益化予定額をすべて収益化し、当該業務が年度内に終了しなかった場合、当該業務のために年度内に支出した費用分相当の業務が進捗したものとみなすこととし、当該年度における運営費交付金債務の収益化額は支出した費用分と同額とする。
プロジェクト進行基準型を導入する上で、事前に業務の進捗状況に係る基準を詳細に定める困難さ、煩雑さが大きな障害となっていると考えられるが、この方法を導入することにより、障害が解消され、プロジェクト進行基準型の利点を享受しやすくなることが期待される。
(4)管理部門等について
会計、人事、総務等の管理部門の活動に充てられる運営費交付金債務の収益化の方法については、費用進行基準型によることも考えられるが、管理部門についても、業務の効率化を促進するためには、例えば、期間進行基準型による運営費交付金債務の収益化を行うことや、管理部門に係る費用を各業務に割り振って、運営費交付金を収益化していくことも考えられる。いずれの収益化方法をとっても、管理部門の事務の効率化を進めることにより、損益計算上の利益を生じさせることが可能となる。
4.独立行政法人評価委員会による財務諸表等の検討の視点
(1)検討の背景
独立行政法人通則法上、独立行政法人は、毎事業年度、財務諸表を作成し主務大臣の承認を受けなければならないが、この際、主務大臣は独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならないこととされている。また、財務諸表は、独立行政法人評価委員会が業務実績の評価を行う際の基礎資料の一つとなるものである。
他方、財務諸表には多数の財務情報が記載されているが、法人から提出された財務諸表については、法人の監事や会計監査人が会計基準への適合性等の観点から網羅的に検討されており、ここでは、独立行政法人評価委員会としての立場から検討すべき点を重点的に取り上げることとした。なお、この際、財務諸表の全体にわたって、法人の財務の状況が国民にわかりやすく説明されているかという点についても十分留意する必要がある。
本ワーキンググループにおいては、このような観点から、独立行政法人評価委員会が財務諸表等の検討を行う際に資する視点等について検討し、以下にその例を示した。
(2)独立後行政法人評価委員会における財務諸表等の検討の視点例
貸借対照表(付属明細書等も含む)
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法人業務に関する説明責任の確保や、独立行政法人評価委員会が行う評価に資する観点から、セグメントが適切に設定されているか。 |
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中期計画に定められた法人の業務の実施に影響を及ぼす恐れのある項目は無いか。(業務費を圧迫するような資産取得、中期計画に定められた上限を超える短期借入金の借り入れ等) |
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独立行政法人評価委員会の意見を踏まえた重要な財産の処分が行なわれているか。 |
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独立行政法人評価委員会の意見を踏まえた短期借入金の借り換えが行なわれているか。 |
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前事業年度と比較して重要な資産・負債について著しい増減があった場合、その理由が明示されているか。また、法人に固有の表示科目が設定されている場合、その内容が明示されているか。 |
損益計算書(付属明細書等も含む)
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法人業務に関する説明責任の確保や、独立行政法人評価委員会が行う評価に資する観点から、セグメントが適切に設定されているか。 |
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費用の表示の項目が、中期計画の「業務運営の効率化」や「業務の質の向上」に関する部分で記述されている内容との対応関係が分かるよう記述されているか。 |
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中期計画に定められた法人の業務の実施に影響を及ぼす恐れのある項目は無いか。(業務費を圧迫するような一般管理費、特に人件費の増等)
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中期目標・計画に従い、積極的な外部資金の導入、自己収入の増加が図られているか。 |
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中期目標・計画に従い、固定的経費の節減が図られているか。 |
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業務の実施状況や期間の進行状況にあわせて、適切に運営費交付金債務の収益化が行なわれているか。(プロジェクト進行基準型や期間進行基準型の収益化方法の場合) |
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前事業年度と比較して重要な費用・収益について著しい増減があった場合、その理由が明示されているか。また、固有の表示科目が設定されている場合、その内容が明示されているか。 |
その他
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中期計画に定められた「剰余金の使途」に則して、目的積立金が設定されているか。(利益の処分又は損失の処理に関する書類) |
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通則法第44条第3項の規定により主務大臣の承認を受けようとする額が、法人の経営努力により生じたものであるか。また、そのことが十分説明されているか。(利益の処分又は損失の処理に関する書類) |
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会計処理の原則、手続き及び表示方法に変更があった場合、その変更は当該法人の目的・業務内容等から適切なものであるか。 |
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当該法人の運営費交付金債務の収益化基準が、当該法人の業務等に照らして適切なものであるか。 |
(3)財務諸表等の検討に当たり留意すべき点
独立行政法人は、公共的な性格を有し、利益の獲得を目的とせず、一般的には独立採算制を前提としない法人である。このため、独立行政法人においては、中期目標・中期計画のもと国民に対して質の高い行政サービスを提供できたかという点が、その業績の最も重要な要素であると考える。
このような独立行政法人においても、その会計は、原則として企業会計原則が適用されることとされている。しかしながら、企業会計原則が適用されることの目的としては、企業のように投下した資本に対する成果としての利益を明らかにするためではなく、国民に対して独立行政法人の運営状況を明らかにすることにあるものと考えられる。このため、独立行政法人会計においては企業会計上の諸原則や貸借対照表、損益計算書等に必要な修正が加えられている。
したがって、例えば、独立行政法人会計における損益計算上の利益や損失は、直接には、法人の業績自体を示すものではなく、予定された費用がどの程度効率化されたかを示すこととなる。このため、財務諸表について検討を行う場合は勿論、業務実績の評価を進めていく上でも、損益計算上の利益や損失でもって、直ちに法人の業績として判断されるものではないことに留意する必要がある。
5.業務運営の効率化の評価について
(1)検討の背景
独立行政法人通則法第2条第1項において定められているとおり、独立行政法人は効率的に業務を実施することが求められる法人である。このため、各法人の中期目標・計画上、運営費交付金を充当して行う業務について1%の効率化を図ることが記載されており、各法人共通の達成目標とされている。また、各法人の中期計画においては、1%の業務の効率化以外にも、それぞれの法人の業務内容等を踏まえ、業務運営の効率化に向けての様々な取組みが記載されている。
このように、各法人は、1%の業務の効率化の対象となる業務か否かに関わらず、絶えず効率的・効果的な業務の実施のために努力することが必要であり、独立行政法人評価委員会においても、各法人の中期計画上に記載されている効率化に向けての様々な取組みを含め、法人全体としての業務運営の効率化に向けての努力を総合的に評価していくことが期待される。
この際、法人が行なった業務運営の効率化の実績とともに、当該法人において継続的に業務運営の効率化を行いうるような体制が整備されているか、また、法人として業務運営の効率化についてどのような目標・計画を持ち、どのように取り組もうとしているのか、といった観点から評価することが重要である。
また、効率化の評価にあたっては、例えば各法人の中期目標・計画の項目ごとといったある程度詳細な業務単位ごとに、法人内部の資源配分の見積もりと実績が把握できる資料等により法人の個々の業務の効率化の状況を調査・分析し、法人の個々の業務の改善充実に活用していくことも考えられる。
なお、独立行政法人は、質の高い行政サービスの提供を目的とするものであることから、業務運営の効率化を図った結果、独立行政法人が提供する行政サービスの質が低下するような事態は回避されなければならない。このような状況が生じた場合、当該法人の業務運営の効率化に関する目標・計画や体制、実際の取組みに何らかの問題があったものと評価されよう。
(2)1%の業務の効率化の評価の方法について
本ワーキンググループでは、独立行政法人の業務運営の効率化の評価に関し、主に「1%の業務の効率化」の評価の方法について検討した。「1%の業務の効率化」が各法人の中期目標・計画上共通して記載されている事項であり、また、その評価の方法について会計的な視点からの検討が必要とされる事項であることによる。本ワーキンググループにおける検討結果の詳細は、別紙の中で示しているが、その概略は以下のとおりである。なお、1%の業務の効率化に関する評価における評定の区分については、経済・財政状況の変化等を勘案し、見直すこともあり得るものである。
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1%の業務の効率化の対象は、中期目標・計画上「運営費交付金を充当して行う業務」とされているため、評価にあたっても、運営費交付金を充当して行う業務を対象とし、自己収入や目的積立金を財源とする業務は評価対象から除く。また、運営費交付金の算定ルールにおいて1%の効率化対象となっていない「特殊要因」(新規・拡充等)とされた業務も評価の対象から除く。 |
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評価の方法については、当該年度の人件費及び業務経費の予算の見積上の金額と決算上の金額を比較することにより、どの程度費用が効率化したかを評価する。 |
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評定の区分については、基本方針※における段階的評定の区分の考え方に基づき、「A」(着実に成果をあげている)、「B」(おおむね成果をあげている)、「C」(業務の改善が必要である)を付すこととする。1%の業務の効率化が法人において当然達成すべき目標であることにかんがみ、1%を達成した場合に「B」を付するものとし、1%の効率化目標を下回った場合「C」を付するものとする。また、「A」は1.5%以上の効率化を達成(50%の超過達成の状態)した場合に付するものとする。
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基本方針:文部科学省所管独立行政法人の業務実績評価に係る基本方針 |
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(大臣官房政策課評価室)
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