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独立行政法人評価委員会 科学技術・学術分科会(第27回) 議事要旨

1.日時

平成23年8月2日(火曜日)14時~17時

2.場所

文部科学省 16階特別会議室

3.議題

  1. 平成22年度に係る独立行政法人の業務の実績に関する評価について
  2. 平成22年度末に中期目標期間が終了した独立行政法人の中期目標期間終了時の評価について
  3. 役員退職者の「業績勘案率」について
  4. 平成22年度に係る独立行政法人の財務諸表について
  5. 中期目標・中期計画の一部変更について
  6. 平成23年度の独立行政法人見直しについて
  7. その他

4.出席者

委員

門永分科会長、青木委員、栗原委員、友永委員、西村委員、矢口委員、山下委員、高井臨時委員、髙倉臨時委員、水谷臨時委員

文部科学省

合田科学技術・学術政策局長、常盤科学技術・学術総括官、行松科学技術・学術戦略官、板倉基盤政策課長、内丸基盤研究振興課長、岡村研究振興戦略官、南山防災科学技術推進室長、塩田政策課企画官、村上科学技術・学術戦略官付室長補佐、桑田振興企画課課長補佐、三木海洋地球課専門官、轟宇宙開発利用課課長補佐、倉田原子力課課長補佐、馬場ナノテクノロジー材料開発推進室室長補佐、竹上基盤研究課課長補佐

5.議事要旨

 議事に先立ち、文部科学省独立行政法人評価委員会科学技術・学術分科会運営規則第5条第1項及び会議の公開に関する規則第3条に基づき、一部非公開とする旨、了承された。また、事務局より配付資料の確認が行われた。

(1)平成22年度に係る独立行政法人の業務の実績に関する評価について

 平成22年度末に中期目標期間が終了した物質・材料研究機構、放射線医学総合研究所及び防災科学技術研究所を除く6法人について、各部会長、作業部会主査及び事務局より、資料1-1~1-10に基づき説明が行われ、審議の結果、原案どおり決定された。
 なお、日本原子力研究開発機構については、中期目標期間の初年度の評価であり、総会における決議であることから、次回の総会に提案することとされた。
 また、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会からの意見などにより修正が必要となった場合や、評価書様式の全面改定に伴い記載等に調整が必要になった場合は、担当部会長等とも相談の上、分科会長に一任することとした。
 主な議論は以下のとおり。

【山下委員】
 海洋研究開発機構について、研究船舶の運用にかかる評価項目がS評価ということだが、研究成果と関連する設備・施設に対する評価を、どういう切り分け方で行っているのか。

【三木海洋地球課専門官】
 研究内容の評価を行うとともに、それらを支える技術や設備の運用面の評価も行った。その一つである研究船のメンテナンスが着実に行われたことにより高い運航率・稼働率に至ることができた、という評価である。

【門永分科会長】
 補足すると、海洋機構は調査船のようなインフラを多く有しており、これらのインフラを効率的かつ安全に機能させるオペレーションが特に優れていたということである。

【山下委員】
 研究成果のみが注目されがちだが、それらを支える部分を評価したことは非常に良かったと思う。

【門永分科会長】
 理化学研究所の全体評価書の中に「東日本大震災以降、研究者には社会に何を負託されているか改めて認知することが求められており」という記載があるが、これは背景にこういった意識が希薄になっているという問題意識があるからなのか。

【高井委員】
 東日本大震災に遭遇して、科学技術とどう向き合うのか、どう社会技術を認知させるのか、日本の最高の研究機関である理研は、そういった役割を担っているという観点からである。

(2)平成22年度末に中期目標期間が終了した独立行政法人の中期目標期間終了時の評価について

 平成22年度末に中期目標期間が終了した物質・材料研究機構、放射線医学総合研究所及び防災科学技術研究所について、部会長より、資料2-1~2-4に基づき説明が行われ、審議の結果、原案どおり決定された。
 なお、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会からの意見などにより修正が必要となった場合や、評価書様式の全面改正に伴い記載等に調整が必要になった場合は、担当部会長とも相談の上、分科会長に一任することとした。
 主な議論は以下のとおり。

【山下委員】
 物質・材料研究機構について、「研究者・技術者の養成と資質の向上」がS評価だが、この類の評価項目は判断が難しい。どのような評価基準でそうなったのか。
 また、放射線医学総合研所について、「業務の質の向上」がS評価だが、この項目はA評価がほとんどだが、S評価とした理由はなにか。

【水谷委員】
 物材機構では、筑波大学との連携大学院による博士課程学生の育成をはじめ、若手国際研究センターにおけるポスドクとなる人材の育成、さらに社会に送り出すといった幾つかのステップを踏みながら人材を育成しており、その場面に所員・研究者が主体的に関わりながら育成していくという点を高く評価した。

【山下委員】
 育成結果としての評価ではなく、方法を評価したということか。

【水谷委員】
 方法もそうだが、ポスドクとしてのデータからもある程度の評価ができた。

【門永分科会長】
 放医研の質問に関連して、年度評価において中項目以下の評価がほとんどA評価であるのに大項目の評価がSだとか、年度評価がほとんどAなのに中期計画期間評価はSとなっている。どのようなロジックからか、あわせてお聞きしたい。

【髙倉委員】
 A評定やS評定の数の重みからすると、少しS評定に偏っているように思えるが、放医研の場合、今回の原発事故により、安全研究、緊急被ばく研究といったものが実際に試されたという場面があり、こういった緊急事態に対応できたことは、中期5年の間にいろいろと準備をしてきた成果ではないかという観点から、S評価としている。さらに、重粒子線治療も年間二十数億もの収入を上げており、国民的に非常に重要な位置を占める治療になっている。こういった点を考慮した。
 また、中期においては、重粒子線治療が技術的に向上していったこと、緊急被ばく医療体制も業績が右肩上がりになっているということで22年度のS、中期全体のSという評価に結びつけた。

【山下委員】
 年度評価と期間評価の関係について、項目によっては年度評価ではなかなか適切な評価結果が出ないものもある。例えば教育や人材育成等については、5年間やってみて、年度評価は毎年A評価になっても、期間評価ではS評価になるということもあり得るかと思う。JAXAでも、22年度評価について、宇宙航空教育、情報公開、広報活動をS評価としているが、これは、5年間継続して見てきて、今年度は、大変急速に成果が上がったという理由でS評価とした。この辺の考え方は、適宜議論していく以外にないか。

【門永分科会長】
 それは毎回、期間評価の際に出てくる議論である。平均を見るのか、勢いを見るのかなど、事務局のほうで何か方針的な議論をされたことはあるか。

【村上科学技術・学術戦略官付室長補佐】
 毎回、それぞれの部会において議論がなされている点だと思うが、特に事務局のほうでは、こうでなければならないといった方針的なものはない。

【門永分科会長】
 全般的にA評定に収束してB評定は非常に少なくなってきているという傾向があるが、恐らく毎年、毎年フィードバックがあって、B評定だったものをA評定にする努力がなされた結果がB評定の減少に現れてくるというのは必然の動きだと思う。ややもすると、A評定に安住してしまいがちないので、S評定をねらって頑張っていただくというようなことが必要ではなかろうか。

(3)役員退職者の「業績勘案率」について

 事務局より、資料3-1~3-7に基づき説明が行われ、審議の結果、原案どおり決定した。
 なお、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会からの意見などにより修正が必要となった場合は、担当部会長等とも相談の上、分科会長に一任することとした。
 主な議論は以下のとおり。

【友永委員】
 理事の場合は、実際にリーダーシップを発揮し業務を遂行していく立場にあるが、監事の場合、民間企業の監査役と同じであり、個人業績として評価することに非常に違和感がある。基本的な考え方はどうなっているのか。

【村上科学技術・学術戦略官付室長補佐】
 文科省の独立行政法人評価委員会が定めた基本的な考え方の中に、それぞれ理事長、理事、監事の評価に当たっての観点、項目が例示されており、それらを参考にして、それぞれの部会において独自に観点が定められている。

【門永分科会長】
 それでは、この後は公開となりますので、傍聴者の入室を許可いたします。

(傍聴者入室)

【門永分科会長】
 続いて議題4の平成22年度に係る独立行政法人の財務諸表についてです。法人ごとに事務局から、特に特筆すべき事項を中心に簡潔に説明をお願いします。
 まずは物質・材料研究機構からお願いします。

【馬場ナノテクノロジー・材料開発推進室室長補佐】
 物質・材料機構の財務諸表について特記事項を中心にご説明いたします。資料でございますが、こちらは4‐1‐1をごらんください。まず、2ページ目の貸借対照表をごらんください。右下、純資産のうち利益剰余金、こちらが1,902百万円になっております。平成22年度に大きく増加しておりますが、こちらに関しては受託収入で取得した固定資産の未償却額により増加しております。
 続いて3ページ目の損益計算書をごらんください。特記事項といたしましては、純利益が平成22年度に大きく増加し1,477百万円になっております。これは先ほどご説明したのと同様、受託収入で取得した固定資産の未償却額により増加しております。
 続いて4ページ目、平成22年度決算と予算の対比です。収入、支出とも21年度から繰り越した予算を一部執行したことにより年度計画額より増加しております。また、翌期繰越額のうち積立金については東日本大震災により被災した資産の原状回復や納期おくれとなった契約済みの債務へ充てることとしております。
 続いて5ページ目をごらんください。経費の節減状況でございます。削減目標といたしましては、一般管理費15%以上、業務経費5%以上と設定してございましたが、一般管理費は15.3%削減、また、業務経費は8.6%削減と削減目標を達成してございます。
 続いて6ページ目でございます。利益剰余金の発生要因についてご説明いたします。当中期目標期間に事業活動による利益、これは自己収入等から発生した利益が495百万円。また、現金のない会計上の損益、資産の減価償却費等が1,578百万円で、このうち目的積立金として積み立て、取り崩した分が171百万円あり、その分を引いて平成22年度末の利益剰余金は1,902百万円となっております。なお、平成22年度の事業活動による利益は460百万円でしたが、そのうち312百万円は東日本大震災により被災した資産の原状回復に備えるため、災害損失引当金に繰り入れているので149百万円になっております。
 最後に7ページの目的積立金についてご説明いたします。中期目標期間に171百万円が目的積立金として承認されております。承認された目的積立金は中期計画で定めた剰余金の使途に充てるため、当中期目標期間中にすべて取り崩しております。
 以上で説明を終わります。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。続きまして放医研、お願いします。

【岡村研究振興戦略官】
 資料4‐2‐1をごらんいただけますでしょうか。まず、1番の貸借対照表、この借方のほうでございますが、平成22年度末の資産合計が417億3,600万円となっておりまして、前年度に比べて41億300万円の減となっております。9%程度の減になっておりますが、これは前年度末及び当年度に取得いたしました新治療の研究棟や、高エネルギービームの輸送ライン、こういったものの固定資産、それの財源である現金及び預金の減が主な要因となっております。借方のほうでございますが、平成22年度末、現在の負債合計は165億6,600万円となっておりまして、前年度比1億9,200万円の減となっております。これは流動負債で前年度末及び当年度に取得いたしました新治療研究棟の関連の固定資産の未払い金の減が主な原因でございます。
 2ページ目の損益計算書についての主なポイントをご説明させていただきます。借方のほうでございますが、平成22年度の経常費用は142億6,900万円となっておりまして、前年度比6億6,600万円の減、4%減となっております。これは固定資産の減価償却期間が終了したことによる減でございます。貸方のほうでございますけれども、経常収益、これが平成22年度は144億1,900万円となっておりまして、前年度比7億2,100万円、5%の減となっております。これは政府受託収入が減になったことなどが要因でございます。一方で、総額では減っておりますが、受託研究の獲得件数は前年度に比べて増加しております。
 4ページの決算報告書をお開けいただけますでしょうか。(6)決算報告書でございます。収入の部門でございますが、施設整備費補助金収入決算額については、東日本大震災に関連いたしまして平成23年度に繰り越しした予算がございますため、予算額に比して少額となっております。
 支出のほうでございますが、運営費事業の業務経費、物件費につきましては前年度からの繰り越しをしておりました高エネルギービーム輸送ラインなど、新治療研究棟の中に設置する機械装置などの支出により多額になっております。
 以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。次は理化学研究所、お願いします。

【内丸基礎研究振興課長】
 資料の4‐3‐1をごらんいただきたいと思います。まず、最初の1ページ目でございますが、貸借対照表のうち、借方のほうで、この左のほうにあります固定資産に※を打っておりますが、この固定資産の中で、理研の主なキャンパスでございます和光キャンパスにおきまして託児所を改築するために構内施設の一部を解体したという理由により、資産価値について約2,300万円の減損を認識したものが含まれてございます。
 次に2ページ目をごらんいただきたいと思います。22年度のこの損益計算書でございますが、今期、この当期総利益としまして11億3,800万が発生しております。この中の発生原因でございますが、その下に内訳を書かせていただいております。一番大きなものとしましては、自己収入により取得しました固定資産の未償却残高の相当額でございます。また、この損益計算書の右、貸方の欄の前中期目標期間、繰り越し積立金の取り崩し額でございますが、295百万円で発生しております。次のページをごらんいただければと思います。この内容につきましては、主たるものとして一番上の欄にございますが、自己収入により取得した固定資産、その固定資産の未償却残高相当額がこれだけ出ているという状況でございます。
 次に4ページをごらんいただければと思います。利益処分案としまして当期では未処分利益としまして11億3,800万あります。このうち積立金に10億7,700万、目的積立金としまして知的財産管理、技術移転等積立金としまして6,001百万円を今回その利益処分案として提示をさせていただいております。また、キャッシュ・フロー計算書でございますが、このような状況になっておりまして、行政サービス実施コスト計算書上は、ここにございますような数字となってございます。
 次に5ページでございます。決算報告書でございます。運営費交付金その他収入については、このような状況になっておりまして、理化学研究所が独自にやっております運営費交付金、また、建物の施設整備費補助金、また、理化学研究所につきましては特定先端大型研究施設の法律に基づきまして、広く世の中に公開をするための大型の施設を運転しておりますが、そこに対する補助金などが収入としてあります。また、支出としましては、このようなのがございまして、理研自身のさまざまな業務経費、施設整備費に加えまして、今申し上げましたような特定先端の大型共用施設についての経費というものがこのような状況でございます。
 以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。続いて防災科学技術研究所、お願いします。

【南山防災科学技術推進室長】
 資料4‐4‐1でございます。ページを開いていただきまして1ページ、2ページにわたって貸借対照表でございます。このうち平成22年度につきましては、2ページ目でございまして、このうち貸方の下にございます利益剰余金が増額となっているわけでございますが、この主な要因は当期の未処分利益が生じたことと前中期目標期間の繰り越し積立金が400万減少、これを合わせまして増という形でなってございます。
 それから、損益計算書、3ページ、4ページになってございます。当期のものにつきましては4ページ目でございます。一番下、当期総利益のところにつきまして1億9,500万の金額が出てございます。主な内訳につきましては欄外にございますが、自己収入の残が一番多くございます。
 それから、ポイントで参りますと決算報告書、これが6ページ目でございます。注で右肩に書いてございます施設整備費関係でございます。これは欄外にありますけれども、平成21年度からの予算の繰り越し分でございます。平成21年度の補正につきましては火山の観測施設の繰り越し分で計上してございます。
 以降、8ページ目が平成13年以来の財務諸表の損益計算書の推移、それから、9ページ目は各費目の年度推移でございます。それから、最後に職員数の推移のところでございますけれども、計画的におおむね順調に人件費削減計画にのっとって削減されているという状況でございます。
 以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。続いて宇宙航空研究開発機構、お願いします。

【轟宇宙開発利用課課長補佐】
 資料の4‐5‐1で説明させていただきます。まず、貸借対照表です。資産の部において流動資産が平成21年度末より270億円増加しておりますが、これは本年3月に発生しました東日本大震災の影響などにより、一部の事業が平成23年度に繰り越しとなり、平成22年度末時点での現金及び預金の残高が増加すると年度末時点での未完了の業務が発生したものが主な要因でございます。また、そうした固定資産でございますが、平成21年度末より136億円減少しております。これは固定資産として計上されている人工衛星、特に国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」等について減価償却の進行により資産価値が減少することが主な要因となってございます。
 また、右へ行きまして負債の部でございますが、流動負債が平成21年度末より409億円増加しております。これは契約納期前の受託業務に対応する入金額が流動負債の前受け金として整理されたことが主な要因でございます。また、その下、固定負債147億円の増になっておりますが、これは資産の取得に伴う資産見返り負債の計上が主な要因となってございます。
 次、2ページに行きまして損益計算書でございます。当期総損失が174億円生じております。これは主に独立行政法人会計基準に基づく会計処理のルールに起因するものでございまして、具体的には補助金を財源として複数年にわたって製作されております宇宙ステーション補給機HTVですけれども、これは製作期間中には財源投入がなされた補助金が毎年度、収益として計上されるのに対し、収益に対応する費用は国際宇宙ステーションの運用期間にわたり計上されることになっておりまして、収益と費用の計上年度がずれることになっております。このことからこのような費用が計上されており、当期総損失が生じたものでございます。
 このような理由から、宇宙航空研究開発機構の当期損益は年度によって大きく変動する特徴がございますが、これは資金の運用の不調や事業の失敗に起因するものではございません。
 以上が主な増減になります。以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。続いて日本学術振興会、お願いします。

【桑田振興企画課課長補佐】 
 それでは、資料4‐6‐1に基づきましてご説明させていただきます。1枚おめくりいただきまして貸借対照表でございます。昨年度もご説明させていただきましたが、平成21年度に補正予算で2つの基金を創設しました。その関係で一般勘定のほかに新たに2つの勘定を設けたというところでございまして、21年度には資産、負債ともそれぞれ約1,370億円の増となっているところでございます。今年度、平成22年度におきましては、流動資産が1,103億円ということで、対前年度比約348億円の減少ということになっておりますが、この主な要因といたしましては基金助成金の執行を行った結果、現金、預金等の資産が減少したということでございます。
 また、右側の固定負債のところでございますが、約547億円、対前年度比393億円の減少ということになっておりますけれども、これも基金助成金の執行が進んだ結果、長期預かり補助金等が減少したというものでございます。
 1ページおめくりいただきまして損益計算書でございます。左側の経常費用でございますが、2,144億円ということで対前年度比402億円の増ということになっております。主な要因といたしましては、一般勘定におきます新たな補助金事業が開始されたこと及び先端研究助成業務勘定におきまして基金助成事業費が増加したというものでございます。経常収益につきましては、2,148億円、対前年度比約405億円の増加ということになっておりますが、新規補助金と基金助成事業費の増加ということで、それに伴いまして補助金収益が増加したというものでございます。なお、当期総利益につきましては、約3億円でございまして、これは東日本大震災による事業規模の縮小により生じた額というものでございます。
 1ページおめくりいただきまして、業務活動によるキャッシュ・フローでございますが、約410億円の減ということでございますが、これは投資活動による410億円の減と、それと投資活動によるキャッシュ・フローが約9億円ということでございますが、これは基金助成事業の執行が進んだことによります現金、預金が減少したということと、運用に供する資産が減少したというものでございます。それと、行政サービス実施コストにつきましては、2,135億円、対前年度比408億円増となりますけれども、これは経常費用の増加要因でございまして、補助金事業の増加ということで当該費用の財源が国費であるということでございます。
 最後の4ページでございますが、決算報告書でございます。収入で約240億円、また、支出で約303億円の差額が生じておりますが、これは主に補助金の交付後に大学等研究機関において計画の変更等が生じたこと、また、科学研究費補助金等で震災の影響により研究が一時中断するなど、やむを得ず繰り越しが生じたものであるというものでございます。なお、日本学術振興会におきましては、平成22年度の決算から通則法の規則に基づきまして法定監査を受けておりまして、当該監査法人から適切な財務諸表である旨の意見をいただいておりますことをつけ加えさせていただきます。
 以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。続いて科学技術振興機構、お願いします。

【池田基盤政策課課長補佐】
 資料の4‐7‐1をごらんください。決算の特徴といたしまして、まず一般勘定で5.7億、文献情報提供勘定で2億、法人全体で7.7億の黒字となっております。また、平成21年度補正予算におきまして施設整備費補助金がついたことにより資産と純資産が大幅に増となっております。また、22年度中には不要財産の国庫納付も実施しております。
 続きまして、財務諸表の下の表に移ります。まず、財務諸表、貸借対照表についてですが、一般勘定のほうが資産1,310億6,600万、対する負債が447億8,900万、純資産が862億7,700万、こちらは資産・純資産、大幅に増えておりますが、これは先ほどご説明いたしましたとおり、平成21年度補正予算の執行によるものです。こちらの補正予算、21年度でございますが、実際の執行に当たっては、これは繰り越しを行っておりまして、大部分を22年度に執行している関係で平成22年度に大幅に増になっております。
 続きまして文献勘定ですが、資産186億8,600万、負債が6億9,300万、純資産が179億9,300万となっております。
 続きまして、損益計算書でございます。特にこちらは利益処分案のほうでございますが、今回、当期総利益5億7,000万に対しまして目的積立金の申請予定額といたしまして8,400万円を予定しております。こちら8,400万円ですが、主に知的財産の収入によるものでございます。
 続きまして、文献勘定のほうでございますが、こちらは収益が40億に対しまして費用が38億で、当期利益が2億弱となっております。その下の経営改善計画比較でございます。こちらは、いずれも計画値を下回っているところではございますが、目標としております当期利益を出す、要は黒字化するというところは達成しております。また、売り上げのほう、計画値を大幅に下回ってはおりますが、これは5年前に策定した段階での数値でございまして、この5年間で不採算事業からの撤退等、事業の見直しを行った結果、事業の全体の規模が若干縮小しているということもありまして、売上高がこのようになっているということです。
 その右側に行きまして行政サービス実施コスト計算書でございますが、行政サービス実施コスト全体は1,169億9,600万円でございます。このうち損益外減価償却費と減損損失、こちらが前年に比べて大きく上昇しておりますが、こちらは先ほど説明にありました平成21年度補正予算で取得した資産、こちらの減価償却が始まっていることにより大幅に増えたというものでございます。
 最後に決算報告書でございます。こちらは一般勘定のほう、決算額、収入1,390億9,500万円に対しまして、支出1,395億8,400万、差し引きで4億8,900万円の赤字となっております。損益計算書上は黒字が出ておりますが、決算報告書上赤字となっておりますのは、こちらは受託事業の実施と代金の振り込みの関係で期をまたいでしまったことにより、形式上赤字が出てしまっているということでございます。文献勘定のほうにつきましては、収入47億に対しまして支出が36億9,300万、差額として決算上は10億1,200万円の黒字となっております。
 以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。続いて海洋研究開発機構、お願いします。

【三木海洋地球課専門官】
 資料4‐8‐1をごらんください。まず、貸借対照表につきましては流動資産が約19億円増加、そして流動負債も約17億円増加しております。これらは翌年度に繰り越すこととなった国からの受託事業ですとか、補助事業における繰越額がそれぞれ流動資産、流動負債といった項目に計上されているためです。それから、固定資産の減少につきましては、減価償却の進行が主な原因となっておりまして、また、固定負債の減少7億円につきましては、リース物件である地球シミュレータの元本返済の進行というものが主な原因となっております。
 次のページ、損益計算書につきましては、経常費用が約49億円、そして経常収益が約46億円減少している状況です。これらは国からの受託事業であります地震・津波観測監視システムの開発が平成21年度に終了しまして、そのことが主な原因となっております。それから、臨時損失と臨時利益につきましては、東北地方太平洋沖地震の損害額、約1,000万円と見合いの収益もここに計上しております。これにつきましては、地球深部探査船「ちきゅう」へ搭載するために青森県八戸港に保管していましたコンテナ等が津波で流出したために、この約1,000万円の収益を計上することになりました。
 それから当期総利益1.9億円につきましては、内訳は資料の下のほうに記載しておりますが、収益と費用の計上年度がずれることで一時的に発生した利益です。したがいまして、今後、ずれが解消されて損益が均衡していくこととなります。
 続きまして次のページ、決算報告書ですけれども、予算額、決算額の差額、この内容につきましては、補助金収入の増、事業等収入の減、受託事業の増となっております。
 簡単でございますが、以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。最後になりますが、日本原子力研究開発機構、お願いします。

【倉田原子力課長補佐】
 それでは、特徴のみご説明させていただきたいと思います。他法人と同様に今回の東日本大震災により契約の一部の履行確認ができなかったこと、あるいは茨城地区、こちらに拠点がございますけれども、一部関連施設等が被害を受けましたので、それに伴う減損等、計上しているというのが特徴でございます。
 資料でございますが、お手元の4‐9‐1をごらんいただければと思います。まず、1ページ目の貸借対照表でございますけれども、先ほど申しましたように大震災の影響によりまして、一部契約が履行の確認ができなかったものがございましたので、繰り越し、また、未払いの計上が増額しております。これに伴いまして年度末の現金及び預金が増額をしております。これにより流動資産が昨年度に比べて増額をしております。また、同様の影響によりまして、流動負債のところが増額しております。また、こちらの流動負債の増額のもう一つの要因は、平成21年度で第1期が終了したわけでございますが、その第1期の終了年度であります前年度と異なりまして、今年度からはまた運営費交付金の債務残高が増加しておりますので、それによりこの流動負債も増加しているという状況でございます。
 次のページでございます。損益計算書でございます。こちらも同じように、先ほど申しました震災の影響によりまして、またもう一つ、次期への繰り越しが発生したということに伴いまして費用及び収益がともに減少しております。また、こちらの貸方のほうに計上しております前中期目標期間からの繰り越し積立金の取り崩し額ということで15億円を計上させていただいておりまして、こちらは前中期目標期間において自己財源で取得いたしました固定資産の減価償却費相当額を計上している形になっております。
 当期総利益でございますが、トータル36億円となっておりまして、その内訳を下に記させていただいておりますけれども、まず、機構法に基づきまして翌年度以降の毎年処分業務等の財源に充てることとされておりますものを40億円、また、収益と費用の計上の時期のずれにより一般勘定における利益が3億円、また、電源利用勘定における損失、こちらは旧法人から承継した流動資産が費用化された場合の欠損金が生じる仕組みとなっているもので7億の減損です。トータル36億円の当期総利益を計上させていただいております。
 また、4ページ目の決算報告書でございますが、繰り返しになりますけれども、各種事業が震災の影響を受けまして契約等、一部履行ができなかった等により未払い金等が発生しておりますので、一部差額が生じているという状況になっております。
 簡単ではございますが、以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、9法人の財務諸表についての説明に関して質問等ございますか。
 ありがとうございました。それでは、本件については、本分科会の付託事項となっておりますので、本分科会として9法人の財務諸表を原案のまま文部科学大臣が承認することについて、特段の意見なしといたします。
 なお、宇宙航空研究開発機構については、総務省の独立行政法人評価委員会の意見を踏まえて変更になる可能性がありますので、その場合は変更に伴う所要の修正を加えて分科会として決定することといたします。
 また、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会からの意見により対応が必要な場合は、担当部会長とも相談の上、分科会長に一任いただきたいと思いますが、よろしいですか。

(「異議なし」の声あり)

【門永分科会長】
 ありがとうございます。
 続きまして、議題5の中期目標・中期計画の一部変更についてです。今回は海洋研究開発機構の中期目標・中期計画の一部変更について審議いたします。事務局から簡潔にご説明をお願いします。

【三木海洋地球課専門官】
 それでは、資料5に基づきまして海洋機構の中期目標・中期計画の変更(案)につきまして説明させていただきます。
 資料5の1ページ目、変更点は大きく3つございます。まず1番目ですけれども、新成長戦略に基づく新事業といたしまして、平成23年度から海洋資源探査システムの実証という事業を実施することになりまして予算も措置されました。これを受けまして中期目標・中期計画に海洋資源探査技術の開発というものを追記させていただきたいと思います。
 2番目でございますが、行政刷新会議の「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」における指摘事項として、研究プロジェクトについて優先度を踏まえた上で整理・統合を行い、重点化する。特に次世代モデル研究については見直しを行うというご指摘を踏まえまして、地球温暖化予測研究と次世代モデル研究の一元化を行うものです。
 そして、3番目でございますが、情報セキュリティの問題でございます。こちらにつきましては政府の方針として、独立行政法人等の情報セキュリティ対策を推進するために中期目標の中に明記するというような指示がございましたので、これを受けまして中期目標及び中期計画の中に所要の変更を行うものでございます。また、積立金の使途についても中期計画に追記させていただきたいというものです。
 以上です。

【門永分科会長】
 ありがとうございます。
 今の説明に対してご質問、ご意見等ございますでしょうか。
 それでは、海洋研究開発機構の中期目標・中期計画の変更については、本分科会としては特段の意見なしとし、8月11日に開催される総会に諮るということといたします。  

(「異議なし」の声あり)

【門永分科会長】
 ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして、議題6になりますが、平成23年度の独立行政法人の見直しについてです。今回は科学技術振興機構が該当します。これまでの見直し内容を報告いただいて、ご意見をいただきたいと思います。
 それでは、部会における審議内容などについて、事務局から5分以内で報告をいただいて、その後、質疑、意見交換をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【行松科学技術・学術戦略官】
 それでは、資料の6‐1でございます。この見直しにつきましては、通則法に基づきまして中期目標期間の終了時に業務、組織全般にわたる見直しを行いまして、それで次期の中期目標に反映をさせるというものでございます。今回は平成23年度に中期目標期間が終わります科学技術振興機構が対象になっているところでございます。
 見直しに関しましては、既に部会においてご議論いただいておりまして、きょうの分科会、さらに8月11日の総会でご議論いただきまして、それを踏まえまして今月末に文部科学大臣としての見直しの当初案を作成し、その後、総務省の政独委等における議論を踏まえまして政府としての見直し内容を決定するという方向でございます。具体の中身に関しましては、担当課のほうからご説明を申し上げます。よろしくお願いします。

【板倉基盤政策課長】
 基盤政策課でございます。お手元の資料6-2に基づきましてご説明いたします。
 1枚めくっていただきまして2ページをお開けいただきたいと思います。事業の見直しのポイントを簡単に整理してございます。左上に背景を書いてございますけれども、ご案内のように昨年、新成長戦略が閣議決定されまして、この中にはイノベーションとソフトパワーを持続的に生み出し、成長の源となる新たな技術及び産業フロンティアを開拓すべきであるというようなことが書かれております。さらには第4期の科学技術基本計画につきましては、ほぼ原案がまとまっているわけでございますが、その中で今後の科学技術政策の基本的な方針としまして、下に1、2、3とありますように科学技術イノベーション政策の一体的な展開、さらには人材とそれを支える組織の役割の一層の重視、社会とともに創り進める政策の実現ということが書かれているわけでございます。他方、厳しい財政状況のもと、事業仕分けなどを通じてガバナンス強化や事業運営の効率化が求められており、さらには東日本大震災を受けて復旧・復興に貢献するということが求められていることなど、このような背景をもとに今後、JSTが担うべき役割を右のほうに整理してございます。
 まず、科学技術振興機構の現行の中期目標の中にも科学技術基本計画の実施において中核的な役割を担う機関であるという考え方が示されてございますが、次期中期目標期間においてもこの考え方を踏襲したいと考えてございます。科学技術振興機構法設置法の抜粋が載せてありますけれど、機構の目的につきましては、第4条の終わりのほうにまとめて書いてございますが、科学技術の振興のための基盤の整備に関する業務を総合的に行うことにより、科学技術の振興を図ることを目的とするということが法的にも定められています。こういったことから科学技術基本計画の中核的な役割を担っていくのだという考え方は堅持したいと考えており、その具体的な内容でございますが、次の丸にありますように、不測不能な短期的変化にも対応できる瞬発力を携え、人文科学や社会科学の視点も取り入れ、科学技術とイノベーションとを結びつける役割であるというふうに定義をしたいと思っております。
 さらに、それをどのような形で実現していくかというと、1つはJSTの持つ強みを生かしていくということでございます。JSTの強みを3つに整理しました。1つは柔軟性、これはJSTみずからが実体のある研究所を持たない、逆にそれは人事、設備、施設にとらわれずに最適なチームをつくることができるという強みであるということ、さらには専門性、政策立案の場と研究の場をつなげながら、それを制度設計していくという、そういう専門性を持っている、さらにはつなぐ力、多様なステークホルダーをつないで連携を進めていく、そういった能力を持っている。この3つの強みを生かしてオープンイノベーションを活用しながら、基礎研究から企業化開発まで総合的に展開するということを1つの柱とする。もう一つは、我が国のイノベーションの創出を支えるソフトインフラ、具体的には知識インフラ、人材インフラ、コミュニケーションインフラを形成・提供する、このような役割を担う。これが2つ目の柱でございます。このような2つの柱をもとに中核的な役割を担っていくべきではないかという考え方で整理してございます。事業の見直しの方向は、今申し上げたとおりでございます。
 次に3ページでございますが、中期目標期間に実施した事務・事業の見直しの成果でございます。詳細は割愛いたしますが、例えば事務・事業の見直しとしましては、代表的なものは科学未来館において事業の実施体系を大幅に変えてコスト削減をしたということ、さらには保有財産の見直しということで1つは事務所の集約化を図っているということ、このようなことが実施した成果の1つでございます。
 次の4ページでございますけれども、現行の中期目標期間中における一般管理費の削減、随意契約見直しの実績につきまして図表で示してございます。一般管理費、人件費につきましては点線が計画でございますが、それを下回る形で削減を図っている。さらには競争性のない随意契約につきましては、大幅に削減し、1桁以上下げているということでございます。
 次の5ページ、これが次期中期目標期間における事務及び事業の方向性、具体像でございますが、現行の中期目標期間では、事業は5つの柱に整理されてございます。新技術の創出に資する研究以下、新技術の企業化開発、情報の流通促進、研究開発に係る交流・支援、それにさらに国民の関心・理解の増進、この5つの柱に整理してございますが、これを冒頭申しましたような2つの柱、すなわち科学技術イノベーション創出の推進、みずから科学技術イノベーションを創出するというものが1つの柱です。
 もう一つは、我が国全体のイノベーション創出のための基盤の形成、ソフトインフラの提供、この2つの柱に大きく整理しようということでございます。上のほうのみずからイノベーションを創出するというところは、先ほど申しましたように柔軟性を持って最適なチームを創出する、形成する、すなわち、バーチャル・ネットワーク型研究所という位置づけで新しい価値を創造していく。その成果をシームレスに社会に還元するということ。ソフトインフラのほうにつきましては、知識インフラ、人材インフラ、コミュニケーションインフラの3つのインフラを提供するというふうに整理をさせていただいてございます。これらの2つの柱の事業の間でも連携を強化しながら、相乗効果を高めていくということをねらっております。
 次の6ページは、新しい4期の科学技術基本計画に書かれている幾つかの柱が新しいJSTの事務・事業にどのように対応するかということを対応した表でございます。下の3つの箱が新しくJSTが打ち出そうとしておりますソフトインフラの提供に対応しているものでございます。
 その次の7ページ、これは事業仕分けの結果、競争的資金を整理・統合するということが示されたわけでございますが、それに対応しているということを示したものでございます。
 8ページにつきましては、同じく事業仕分けの結果、情報流通促進事業の見直しを進めるべきということでございまして、1つは新しく知識インフラの提供という形でこの情報事業を展開していこうと。もう一つは既存の文献情報提供事業につきましては、民間事業者によるサービスの実施という形で継続する。縮減し、継続していこうというものでございます。
 その次の9ページ、これが科学コミュニケーション、これにつきましては新しく事業を見直す中で大きく姿形を変えていこうということで改めて整理をしたものでございます。大きく2つの柱に整理をする。人材インフラの構築、要は伸びる子を伸ばすという施策、さらには科学技術教育能力を向上させる。ここで具体的に考えておりますのは教師です。教育に携わる教師の資質向上、2つの面から人材の育成のためのインフラを提供していく。このようなことを考えております。さらに、組織的には理科教育支援センターというものが現在あるわけでございますが、これはあくまでも調査分析に特化したセンターでございますが、これを実施部門である理数学者支援部と統合して、新しく次世代人材育成センターとして再編する。さらには理解増進のための事業というのは実施しておりますが、単なる理解増進から一歩進めてコミュニケーションを進める。コミュニケーションインフラの構築という形で整理をしたい。科学者によるアウトリーチ活動を促進するということが政府全体の求めになっておりますが、その活動を促進、支援するというようなことをはじめとしましたさまざまなコミュニケーションインフラを提供する。例えば科学未来館などは、このコミュニケーションインフラの非常に大きなツールであると考えているところでございます。
 最後の10ページでございますけれども、JSTの強み・インフラを活かした東日本大震災からの復旧・復興への貢献ということでございまして、先ほど申しました強みを生かしながらイノベーションを創出する。さらには科学技術基盤の形成をするということを通じて復興支援を取り組んでいきたいと考えてございます。
 説明は以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明についてご質問、ご意見ございますでしょうか。
 では、私から、基本的な質問ですが、ファンディングエージェンシーであるという認識で、それ以外にも幾つかの事業を行っていると理解していたのですが、この第3期中期目標では、自分たちで創出していくのだというような話もありました。自分たちで研究活動を行う、研究の主体のほうにシフトしていくという流れだと理解してよろしいのですか。

【板倉基盤政策課長】
 そのようにご理解いただければと思います。そもそもJSTは設置法上、助成業務というのは今のところございませんで、委託事業という形を通じて関係機関に資金提供をしながら、自らの研究を外部の機関の場を借りて行うという形で進めておりました。そういう意味では、純粋なファンディングエージェンシーというよりは、設置法上は自ら研究を行うのだということが本来の姿ではなかろうかと考えた次第でございます。
 加えまして、今般の第4期科学技術基本計画では課題を解決するということ、さらには関係機関の能力を結集してプラットフォームをつくりながら、それに向かっていく、そのような方向性が打ち出されたわけでございます。社会とともに課題を解決していくのだと。そういう中でこのJSTの強みを最大限生かすというのは、単にファンディングするというよりは、自らがイノベーションの担い手となって問題解決を実施していくのだと、そのように捉え直したほうがより適切だろうということから、このような整理の仕方をいたしました。

【門永分科会長】
 ありがとうございます。その場合、JSPSを除いた他の7法人には専門分野があって、そういう人材を揃えており、ある目標に向けて課題解決をしていると思うのですが、JSTの場合は全方位で何でもやりますということになるわけですか。

【板倉基盤政策課長】
 その意味ではバーチャル・ネットワーク研究所という形をとっておりますが、全方位というよりはやはり課題解決に向かって指向性を持って最適なドリームチームをつくるという、まさに自ら意志を持った研究機関であるというふうに捉えていこうというものでございます。結果的には分野の偏りはないのかもしれませんが、ある程度社会の課題に応じて適応していくということだと思っております。

【門永分科会長】
 全方位という言葉が悪かったかもしれないですが、課題に応じてチームを組んでということだと思います。課題といっても、いろいろな課題があるわけで、それに対応できるような人材をそろえていくというのは、外から持ってくる部分も多いと思いますが、エリア・分野が決まっていて、課題も決まっている他の研究開発機関に比べると相当チャレンジングだと思いますが。

【板倉基盤政策課長】
 そういう意味では、既存の研究機関にできることは既存の研究機関にお任せすればいいのですが、まさにドリームチームをつくる能力という意味ではJSTが最適機関であろうと思います。そういったJSTならではの課題解決が生かされるところを積極的にねらっていき、そういう中でイノベーションが創出されるというふうに考えていきたいと思っております。

【青木委員】
 全方位というよりも、最初に書いてありますように第4期科学技術基本計画、これをやはり中心として課題を解決していくということです。ただし、JSTの良いところは全部人を抱え込むのではなく、大学、研究室、研究所、あるいは海外も含めて最適な課題を解決するチームを作れるというところにあり、その場所は必ずしもJSTにあるわけではなくて、そういう人材を結びつけて実際にチームをつくって課題を解決していくということが中心になると思います。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。どうぞ。

【髙倉委員】
 お話ではイノベーションというキーワードがあると思うのですが、ここに書かれていますのは、経済的、社会的、公共的価値の創造に結びつける革新というふうに説明がありますが、これを一番ふさわしい日本語で表現すると、イノベーションということはどういうふうに表現するのが適当だと思われますか。

【板倉基盤政策課長】
 必ずしも技術革新ということにとらわれずに、広く課題を解決する中で新しい価値が生まれてくるもの、その中で世の中が変わっていくもの、そういったものを広くとらえてイノベーションというように私どもは考えておりますが、そういう答えでよろしいでしょうか。

【髙倉委員】
 ちょっとわかりにくいので、もう少しわかりやすくご説明頂けますか。私がわからないのですから、一般にはもっとわからないと思います。これは大事なことだと思うので。

【青木委員】
 部会において、私自身が、「イノベーション、これは英語ですよね。それに特別な意味が、イノベーションという英語以外にあるのですか」という質問を実際にしたのですが、私も今まで知らなかったのですが、イノベーションという言葉には、ここにありますように経済的、社会的、公共的価値の創造に結びつけると難しく書いてありますけれども、要はいろいろな研究開発から出てきたものを事業として結びつけるというか、事業として成り立たせる、そういう意味合いをイノベーションというところに含めているということです。これは総合科学技術会議などでかなり議論されていて、このイノベーションというのは英語の辞書で引くイノベーションのみならず、そういった、ただ研究して新しいことを見つけた、あるいは技術ができたというだけでなく、それを実際に社会に還元するというところまでを含めてイノベーションと言うということです。

【髙倉委員】
 適当な日本語があるといいですね。

【青木委員】
 そうですね。

【髙倉委員】
 それはこれからの課題でしょうけれども。ありがとうございました。

【門永分科会長】
 ほかにはいますか。西村委員。

【西村委員】
 現在のJSTの研究開発は、例えば国の施策としてというよりは、大きなテーマとしてこういう研究開発を実施していこうというのがトップダウン的に課されているわけですよね。それと今の話とはどのように結びつくんでしょうか。JSTがみずから何かそういったテーマ設定をして、チームを集めて研究開発を実施していくという趣旨ですか。

【板倉基盤政策課長】
 今のお話は、例えば戦略創造研究につきましては国から戦略目標が提示されますね。それを基に、公募型ではございますけれども、幾つかのタイプがあり、その中で実現していくといった基本的な考え方を変えるということではございません。基本的にはやはり戦略目標がまず示される中で、JSTとしてドリームチームをつくっていくということは同じでございます。そういう意味では、やっている中身を変えるというよりも、事業のとらえ方をこういう形で整理してみようということでございます。

【西村委員】
 基本的にはこれまでの線上という理解でよろしいのですか。
 その中でいろいろイノベーション的な観点を入れながら、もう少し主体的な観点を持って国の施策にオペレートしていこうという考え方でよろしいでしょうか。

【板倉基盤政策課長】
 そうですね。そういう意味では、1つは、ここに……。

【西村委員】
 基本的にこれまでのJSTのテーマ設定というか、トップダウンでおりてきていたものとどう違うのかが、今の説明ではちょっとよくわからないところがあります。

【板倉基盤政策課長】
 そういう意味では、そこは変えないというご理解でよろしいと思います。

【山下委員】
 コメントなのですが、JSTの業績評価を見るときに被引用数というのは非常に多いですよね。機関別に被引用数を出すと、普通の研究所よりも圧倒的にJSTは多くなっている。これはまさに単なるファンディングエージェンシーではなくて、委託事業をもとにJSTがどういうすぐれたプログラムを設計して、そこで研究を展開しているかということの現れだと理解すればよろしいですか。

【板倉基盤政策課長】
 はい。私どもはそのように考えてございまして、基本的にこの4年間、非常に高い成果を上げてきたというふうにJSTも自負しておられますし、評価部会でも高い評価をいただいているという認識でございます。ですから、そのあり方そのものは維持するということでございますが、では、何のためにそれをやっているのかというと、このような形で一度整理をしてみようということで整理してみた。これをもとに中期計画、中期目標をつくっていくということで、より指向性がクリアになってくるのだろうなと考えている次第でございます。

【門永分科会長】
 ほかにご意見ございますか。なければ、どうもありがとうございました。
 それでは、最後の議題7その他ですが、部会議決案件の報告が5件ございます。部会に付託した事項については、本分科会運営規則第2条第3項では、各部会の議決をもって本分科会の議決とする事項については、部会長が分科会長に報告をしなければならないということになっております。それでは事務局からご報告を願います。
 最初は、物質・材料研究機構です。

【馬場ナノテクノロジー・材料開発推進室室長補佐】
 独立行政法人物質・材料研究機構の積立金の処分についてご説明いたします。
 資料でございますが7‐1になります。下の部分、2ページ目をごらんください。中期目標期間終了時における積立金の処分についてですが、まず、一番左側、平成22年度の当期総利益が1,581百万円あり、これに平成18年度から21年度までの積立金321百万円を足した1,902百万円が次期中期目標期間へ繰り越す積立金となっております。
 3ページ目をごらんください。3ページ目は積立金の内訳でございます。平成22年度末積立金、1,902百万円の主な内訳でございますが、運営費交付金債務の振替額、一番上、521百万円、また、事業活動により生じた損益197百万円、こちらがマイナスなのは平成22年度に東日本大震災による災害があったためでございます。また、自己収入で取得した固定資産の未償却額が、1,527百万円となっております。運営費交付金債務の振替額521百万円から事業活動により生じた損益197百万円と前払い費用56百万円を引いた額、268百万円は東日本大震災により納期遅れとなった契約済みの債務に充てる予定です。また、下の部分、自己収入で取得した固定資産の未償却額等は将来発生する減価償却費による損失に充てることとなっております。
 以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。続いて、放医研、お願いします。

【岡村研究振興戦略官】
 放医研の積立金の処分についての部会におけるご意見についてご報告させていただきます。資料7‐2でございます。第2期の中期目標期間終了時の平成22年度末では、9億1,000万円の積立金がございました。この処分につきましては、8,100万円、これを次期の中期目標期間に繰り越しをさせていただくということで、部会の書面による審査をいただきました。
 繰り越す内容につきましては、裏側のページを開けていただきまして、棚卸資産、前払費用、さらに物材機構同様に東日本大震災に伴う契約済み繰り越しがございます。これにつきまして、部会の委員の先生からは特段のご意見はございませんでした。
 さらに、本件につきましては財務省と協議をいたしまして、6月30日付で異存がないという旨の回答をいただいております。さらに残りの8億2,900万円、これにつきましては7月6日に国庫のほうへ納付させていただいております。
 以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。続いて理化学研究所、お願いします。

【内丸基礎研究振興課長】
 資料7‐3をごらんいただきたいと思います。理化学研究所におきましては、駒込分所という分所がございます。これは理研そもそもの発祥の地に残っておりました建築物でございますけれども、こちらについての譲渡収入の国庫納付についてというものでございます。7月に開催されました基礎基盤研究部会におきまして、不要財産にかかわります国庫納付について、その後、資料の7‐4のほうもあわせてごらんいただきたいのでございますが、利益剰余金の使途についての意見を聴取させていただきましたので、その結果を報告いたします。
 まず、資料7‐3のほうでございますが、この理研の駒込分所につきましては、平成19年12月に独法の整理合理化計画におきまして、現在の中期目標期間中に廃止することとされておりまして、その旨、中期計画に明記しております。平成22年9月に一般競争入札が行われておりまして、売り払いの契約が締結されました。この代金につきましては、先般、独立行政法人通則法の一部を改正する法律というのが施行されまして、その施行に伴いまして国庫へ納付するという必要があります。
 また、この資産につきましては地方公共団体や、また民間からの出資というものも合わせてございましたので、そちらのほうへの出資率分の払い戻しというのもあわせて行うことになっております。本件につきまして、基礎基盤研究部会のほうに意見を聴取しましたところ、特段の意見はないということでございます。
 次に資料7-4でございますが、利益剰余金の使途でございます。この目的積立金の取り崩しとしまして、平成22年度の当初に約4,100万円の目的積立金がございます。このうち中期計画に剰余金の使途を定めております研究環境の整備にかかわる費用ということで、ライフ系の総合データベースの関連機器の増強ということで、平成22年度に1,900万円を執行するとなってございます。残額については、平成23年度以降に執行予定ということでございます。
 以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。最後に防災科学技術研究所、お願いします。

【南山防災科学技術推進室長】
 資料7‐5でございます。平成23年6月24日の部会におきまして、別紙の積立金処分につきまして特段意見がない旨、議決されましたのでご報告申し上げます。
 1枚めくっていただきますと表がございます。積立金、22年度末の中期目標期間の最後の事業年度でございますけれども、22年度末の積立金の残高が2億4,200万でございます。この主なものは自己収入の未使用等による額になってございます。このうちの7,700万につきまして、繰り越しということで考えられてございまして、この主なところは3月11日の東北地方太平洋地震による契約済みの繰越額でございます。
 簡単でございますが、防災科研については以上です。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。
 以上は報告ですので質疑応答は行いません。これで全部の議題を終了しました。最後ですが、資料の一番下にこのA3の紙で参考資料があります。これは委員の机上にしかお配りしておりませんが、各部会でどのような評価のやり方をしているかというのをそれぞれの部会でシェアをしたらどうかという話が前回出ましたので、事務局にお願いし結果を一覧表にまとめたものです。
 各部会長のイメージと、ここに書いているものとの齟齬がないかというところを見ていただきながら、できれば次回の分科会の始まる前に20分、30分程度集まっていただき、これについてインフォーマルに議論する時間を設けていただけると非常にありがたいと思います。そうすることによって、各部会でのノウハウとか、やり方が共有できると思います。そのためにまとめてもらいました。ご参考です。
 以上で予定しました議題は終了しましたので、事務局から何かあればお願いします。

【村上科学技術・学術戦略官付室長補佐】
 今回の議事録につきましては、作成後に各委員にご確認いただき、ホームページにて公表をさせていただきます。
 次回の分科会につきましては12月初旬を予定してございます。最後に、本日の配布資料でございますが、お持ち帰りできない量でございますので、そのまま机の上に置いてお帰りいただければ、後日、郵送をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【門永分科会長】
 ありがとうございました。ちょうど予定していた時間となりました。皆様ご協力ありがとうございました。以上をもちまして、本日の分科会を閉会といたします。

―― 了 ――

お問い合わせ先

科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(調査・評価担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(調査・評価担当))