平成21年7月11日(金曜日)13時30分~17時00分
文部科学省 18階 宇宙開発委員会会議室
委員(部会長) 山下 廣順 (名古屋大学 名誉教授) 臨時委員 梶 昭次郎 (帝京大学理工学部 教授) 臨時委員 知野 恵子 (読売新聞編集委員) 臨時委員 土井 美和子 (株式会社東芝研究開発センター 首席技監) 臨時委員 平野 正雄 (カーライル・ジャパン・エルエルシー マネージング ディレクター・共同代表)
研究開発局宇宙開発利用課 梅原 弘史 課長補佐
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ)) 瀬山 賢治 理事 小澤 秀司 理事 白木 邦明 理事 石川 隆司 理事 有賀 輝 評価・監査室長
議事に先立ち、事務局より配布資料の確認が行われた。
JAXA(ジャクサ)白木理事より、備付資料『第1期中期目標期間及び平成19年度業務実績と評価について』説明があった後、以下のとおり議論が行われた。
【山下部会長】
それでは、ただいまのご説明に対しまして、質疑をお願いしたいと思います。今のHTVの説明の中で、トン当たりの費用といいますか、これが日本は極端に安いというか、低価格でできる。そうすると、H-ⅡAのロケットの場合は、国際競争力の価格というのが非常に大変だということで問題になっていましたよね。それと全く逆のことがこのHTVでは出ていますけれども、この辺の違いというのはどういうところに……。
【白木理事】
この価格は、ロケットで打ち上げた後、ステーション軌道まで荷物を運ぶ。そういったときに、6トン運ぶということに対して、トン当たりが出ております。HTVにしろ、H-ⅡBにしろ、コストが安くないと使えないということから、日本としてもロケット、HTV含め、開発の中でとにかくコストを低くするように、下げるようにという努力をいたしました。その結果が今日のこの結果となっております。実際は、ロシアのプログレスがかなり前から運用されておるということで、もっと安かったんですが、ロシアのインフレとか、ロシアのルーブル高で、ロシアが結構高くなったということから、日本もこれからインフレだ何だといろいろありますけれども、今のところでは、HTVはこういう評価と出ております。
【山下部会長】
ということは、国際競争力という意味では、十分に日本は力がついたというふうに受け取ってよろしいですか。
【白木理事】
ロケットにつきましても、H-ⅡAのコンポーネントを使って、H-ⅡBというロケットを開発しております。そういう意味で、既存のコンポーネントを組み合わせることでH-ⅡBロケットを開発、使うということから、ある意味ではトータルシステムとしては安くおさえているというのが成果でございます。
【山下部会長】
どうぞ、ご質問があればお願いいたします。
【梶委員】
1つよろしいですか。ISS計画なんですが、これ、線表で見ると、2015年までにHTVを使っていろいろ打ち上げるということですね。「きぼう」についての実験は、これから次期の中期計画でやられるということなんですが、ISS全体の計画はどこまでやるのか、どこまでというか、そういう計画はあるんですか。それとも毎年各国で協議をしながら続けていくということなんでしょうか。そのあたりを。
【白木理事】
今の予定では、この絵にございますように、2015年を目標の最初のターゲットとしております。この根拠は、アメリカがステーションの大家みたいなところがございまして、そこが今のところ、2015年ぐらいまでの計画と予算の担保をしております。日本につきましては、このステーションの開発と、それから今後、HTVの製作といったもの、それにかかわるステーションの運用といったもの、あるいは利用といったものが出てくるわけですが、こういったものを毎年、予算を申請しておりますので、予算が認可されるということでその次のステップがあるわけですが、中期的には今のところ、皆さん、国際パートナーを含め、2015年を1つの目安と考えております。ただし、2015ってもうすぐに来ますし、非常に近まってきたということから、2015年以降の運用をどうするかということが現在、議論が始まっておりまして、2015年から2020年まで運用を延長すべしという意見もありますし、もう少しステーションを使った成果を世の中に示す必要があるだろう、そういった成果を早く出して、ステーションの重要性、役に立つということをまず示すことが先だろうとか、いろいろな意見がございますが、特に外国を含め、ステーションは今まで非常に多額の予算を投じて開発してきておりますので、そんなに早く終わらせるには投資の回収もできないだろうということもあわせまして、今後、事業を延長することで議論が始まっております。そういうことで、当面の長期的には、皆さん、2015をある程度目安とはしておりますが、別にそのコミットがあるわけではなくて、それ以降についての見直し、目標をどこに置くかということが議論され始めたと聞いております。
【梶委員】
そうすると、「きぼう」によるJEMの実験というのは、何年ぐらいかかるんでしょうか。
【白木理事】
「きぼう」の実験につきましては、当面、2008年、ことしの8月から早速、船内実験室を使った実験が始められる予定でございます。これで当面のテーマとしては、2008年から2010年にかけて、約100ほどの実験テーマが既に集まっておりまして、これを2年間から3年にかけて、着実に実施するというのが1つでございます。その後、2010年から2012年にかけまして、第2期の利用と呼んでおりますけれども、第2期の利用のためのテーマ募集を日本も始めておりまして、船内実験のテーマが14テーマほど、それから船外の実験プラットフォームを使ったテーマの候補が数件挙がっておりまして、今後、このテーマを第2期、2010年以降の実験のテーマとして、今後確実なものとしていく、選定していくというプロセスが残っております。そういうことで、2008年から10年までの第1フェーズ、10年から12年までの第2フェーズ、それから12年から15年までの第3フェーズという形で、「きぼう」のほうの利用計画は現在プランをつくっております。
【梶委員】
ありがとうございました。
【山下部会長】
それじゃ、ちょっとお聞きしたいんですけれども、初期運用準備のところです。4-22と4-23、19年度計画と、それから期間内の評価が書いてありますが、ここで気になったのは、19年度の評価では、中ほどよりもちょっと上に書いてあります、1つの業務を行える人数が2分の1になった。マルチ業務を行える体制をつくって、NASA(ナサ)に比べて日本は2分の1、半分の人数でこなすことができるようになった、これは特筆すべき事項であると書いてあるのに対して、期間のほうの評価ではこれが「計画以上」という書き方になっているんですけれども、これは何か違いが。
【白木理事】
当初計画では、ここに書いてございますような体制を、今、結果的には61名まで認定と書いてございますが、当初計画に比べ15%の効率で実施したというのが1つ。当初計画も含めまして、NASA(ナサ)に比べると半分ぐらいでやっておりますということで、計画以上というのはそういう意味でございまして、当初計画に比べると15%は少ない体制を構築したというのが1つでございます。ただ、これをNASA(ナサ)と比較しますと、それは半分ぐらいですという読み方で理解していただければと思います。
【山下部会長】
だから、評価のウエートが違うということ。
【白木理事】
どちらかというと、計画が非常に厳しいといいますか、少ない人数で当初計画していたというのが1つございますが、それでも15%を削減したということと、当初計画はNASA(ナサ)に比べると、非常に少ない人数で計画していたということだと思います。
【山下部会長】
だから、どちらもS評価になったということは、要するに特筆すべき項目が一番効いているわけですね。
【白木理事】
それもございます。「計画以上」というのもございますが。
【山下部会長】
だから、「計画以上」と「特筆」との違いというのを、どういうふうに理解すればいいのか。
【白木理事】
例えば4-23ページを見ていただくと、「計画以上」と書いておりますのは、具体的な数値で58名を目標としていたのに61名も認定できたということで「計画以上」とか、その下の「特筆」というのは、体制が非常に高い信頼性を実証し、国際パートナーともちゃんとやり合えるような非常にすぐれた体制であったということで「特筆」と書いておりまして、それが計画値と比較しようとすると、ちょっと比較できないところもありますが、非常に優秀な点が特記してあるという意味に理解していただけたらと思います。
【山下部会長】
だから、世界水準というのは、それに比べて、今回やったことはそれ以上の成果を上げていたというのは。
【白木理事】
特筆というのは、あまり具体的に計画と比べて何%よかったとか、あるいは何分の1で済んだとかいうよりも、結果としてあまり計画の中に出ていなかったけれども、結果は非常に優秀だったということを特筆と書いてございます。
【山下部会長】
だから、それは計画以上のことをやったと。
【白木理事】
ちょっと計画に具体的に書いていなかったところで、計画以上と書くのをちゅうちょしたというのが。
【山下部会長】
そうですか。どうぞ。
【知野委員】
今の「計画以上」と「特筆」に関しての質問なんですけれども、これはつまり宇宙機構にとってかなり、要するにISS計画にとって、どれも本質的に重要な問題であると位置づけているんですか。というのは、計画以上のことなどを見ていると、例えば人数が3名多かったとか、宇宙食の追加供給を実現したとか、衣類が快適だったことが実証されたとか、つまりこちらから見ると、あまりISSの本質的な問題であるような、宇宙機構が取り組むべき本質的な問題はこれなのだろうかという気がして、むしろこれをもってSとするよりも、Aの位置づけなんではないかと感じるんですけれども、どうなんでしょうか。
【白木理事】
本質かと言われると、初期運用準備というタイトルからいきますと、例えば体制が少ない、運用体制が少ない人数でやれるというのは、運用のコストが削減に寄与したという理解だと思っております。それから、宇宙服、船内被服がどれだけ大事だと言われますと、オーダー的には非常に大きなものではないにせよ、こういう長期間使用可能であるということで、例えば打上げ重量を削減できるということは、ステーションにとっては非常に大きなファクターではあります。それから、個人的なといいますか、宇宙飛行士の宇宙での快適で健康的な生活の維持ということで、どの程度本質的かと言われますと、例えば宇宙食だとか、それから船内被服の快適さということについては、ベターになっただけではないかという指摘はあるかもしれません。若干それに近いところはありますが、宇宙飛行士が6カ月という長期間滞在するということを考えましたときに、宇宙飛行士が健康で、精神的にも健康な生活を維持できるための寄与ということにはなるかと思います。そういうことで、本質的かと言われますと、若干ベターなほう、あるいは宇宙飛行士のための生活向上ということで寄与したというところはあるかもしれません。
【知野委員】
そうですね。何か重量の節減にも貢献と言われても、それが全体の重量の中のどのぐらいに貢献するのかという、当然のそこのところも疑問として出てきてしまいますよね。というのは、先ほどおっしゃられたように、2015年以降も続けて、事業を延期するという話があるんだとしたら、年間400億の運用費のコストとか、そういうものはどうなっていくのかとか、その辺のところがすごく国民にとっては重要なんではないかと私は思うので。
【白木理事】
そのとおりで。
【知野委員】
やっぱりこういうあまり細々と挙げられても、それでSだと言われても、ちょっと違うんじゃないかという気がするんです。
【白木理事】
運用経費を安くするとかというのは、非常に重要なファクターでございます。ただ、先ほど申し上げました地上の管制要員を少ない数でやるというのが、運用コストの削減に大きく寄与、当初からかなり絞った数で計画をしておりましたけれども、今後、運用の習熟とあわせて、この数をさらに減らすことができれば、運用コストの削減に大きな寄与すると考えております。宇宙食、あるいは船内被服につきましても、特に重量の節減というのはそれほど大きな量ではないと思いますが、微々たる量といえども、1キロ、2キロといっても、宇宙に打ち上げるコストというのは結構な額でございますので、そういったもので寄与できれば、コスト削減というところには非常に貢献があると理解しております。
【山下部会長】
知野委員の言われるのはもっともな話で、これは中期目標計画という評価システムのつくり方自身の問題なんですね。今のところは、初期運用準備ということで、中期計画の中に4項目、主要項目が挙がっているわけですね。そういう中期計画に照らして、実際にやったことがどうだったという評価しか、今はされていないわけですね。だから、スペースステーション全体の評価がどうなんだという評価は、今ないんですね。項目ごとにAだSだということなんであって、全体評価がどうだということになれば、それがSだといったらこれは非常に大きなことなんで、この全体を見てみると、Sが1つしかありませんから、全体としてはA評価になるのかという印象は受けますけれども。
【白木理事】
ステーション計画は結構長いこともありまして、ようやっとこの3月、6月でシステムが打ち上がって、今後、それをいかにうまく使って、その成果が出せるか、あるいはつくったものがきっちりと機能するかというところで、次の評価につながるかと思います。そういう意味で、全体評価という項目はちょっとないということでございまして、長いからぶつ切りで全体評価というわけにもいかないところもあって、ちょっと申し訳ないとは思っています。
【山下部会長】
今の話の続きで、じゃ、本当にそこでどういう科学研究というの、やっぱりスペースステーションができたら、評価の対象はそこでどういう独創的な科学研究がされるかというのが一番大事になるわけですね。
【白木理事】
そうですね。
【山下部会長】
それに関して、今、説明には入れていなかったんですけれども、そのあたりの説明をちょっとしていただくと、と思うんですけれども。
【白木理事】
それでは、JEMの利用のところを、かいつまんででございますが説明させていただきます。
4-29ページをあけていただきます。JEMの搭載実験装置の開発ということで、中期計画はここにございますように、細胞培養装置等の船内実験室に搭載する実験装置や、全天X線監視装置等の船外実験プラットフォームに搭載する実験装置を開発するということで、JAXA(ジャクサ)の役割としては、実験をやるための装置を開発・整備するということ、あるいは実際の観測装置を搭載するという役目でございます。
4-29にございますように、小項目1から3がございます。船内実験室搭載実験装置の開発ということで、現在ここにございますように、細胞実験ラック、それから流体実験ラック、温度勾配炉ラックという3つの実験ラックというものを開発することとして、実際に、ラックというイメージをつかんでいただくために、4-30ページに絵がございます。細胞実験ラックというのは、この絵にございますように、宇宙で動物や植物の細胞を培養し、宇宙の重力だとか、あるいは放射線の影響の中で、どういう因子がどういうふうに働くかといったことを評価する装置でございます。それから流体実験は、宇宙の無重量状態での流体の挙動とか、あるいは宇宙でのたんぱく質の結晶生成等の、やはりこれも重力がないところで対流が発生しない環境での、そういった単体クリスタル、単結晶の生成をやるための装置でございます。それから、ちょっともとに戻りまして4-29ページでございます。この2つの細胞実験と流体ラックは、今回3月の打ち上げで軌道上に持っていっております。これから7月にこういった2つは軌道上でチェックアウト、点検をいたしまして、8月からの実験に備える予定でございます。それから、温度勾配炉ラックは既にできておりまして、後ほどHTVで打ち上げることで現在計画を進めております。
それから、小項目2でございますが、船外実験プラットフォームの搭載実験装置がございます。これは、ここにございますように、宇宙環境計測ミッション、SEDA-APと呼んでおります装置。それから、全天X線監視装置、MAXIと呼んでおります装置。
それから、超伝導サブミリ波放射サウンダと呼んでおります装置と3つの実験装置がございます。これも4-32ページに絵があるかと思います。ここにございますように、全天X線監視装置というのは、全天のX線放射天体を今までにない高感度で隈なく走査、長期の動的監視、宇宙の大構造マップ等を作成するということで開発している装置でございます。
それから、宇宙環境計測ミッションは、宇宙環境として、ここにございます宇宙の天気予報、あるいは宇宙の放射線、重粒子、それから原子状酸素等の宇宙環境をはかるものでございます。それから、超伝導サブミリ波サウンダというのは、成層圏大気中の微粒子の観測ということで、オゾン層破壊等のメカニズムを解明するための装置でございます。このうち、全天X線MAXIと宇宙環境計測ミッションSEDA-APが、先ほどの「きぼう」組み立てミッションの3回目、3便目のフライトで、来年の5月に打ち上がる予定でございます。それから、超伝導サブミリ波サウンダは、来年のHTVで打ち上がるということで、現在開発を進めておるところでございます。ここにございますように、MAXIにつきましては、95%完成しております。それからSEDAにつきましては、既に100%でき上がっております。それから、SMILESにつきましては、80%完了した状況でございます。こういったものを打ち上げることで、今後、利用の成果を出そうということで作業を進めております。
次のページに行きまして、ちょっと説明が前後いたしますけれども、4-31ページにJEMの利用開始直後から利用する実験装置ということで、先ほど申し上げました細胞実験ラック、流体実験ラックは、この8月ぐらいから利用できる環境が整うということで、一部の実験を開始いたします。細胞実験ラックというのは、植物の栽培や細胞培養等の顕微鏡による観察ということで、宇宙環境が生物に与える環境を遺伝子レベルで解明するための装置でございます。それから、流体実験ラックにつきましては、対流がない場での結晶成長実験ということで、結晶成長メカニズムの解明だとか、結晶成長の制御の技術開発に貢献するということで、この2つの装置は既に開発し、打ち上げられたということでございます。それから、温度勾配炉ラックというのは、半導体材料の創製や光デバイス開発への貢献ということで、開発が既に済んだ装置で、22年の夏期の打ち上げを予定しております。
補足になりますが、4-35ページにどういう実験をやるのかということで、JAXA(ジャクサ)が直接やらずに、ここにございますように、公募で募集いたしましたテーマが既に生命科学、物質・材料科学、曝露環境、科学以外の分野、JEM以外の研究課題とございますけれども、特に今申し上げました生命科学の細胞培養等の研究、それから物質・材料関係、あるいは流体関係の研究等ございます。こういったものが今後、船内実験室の中で実施される予定でございます。公募で募集した大学の先生方、あるいは各公的研究所等からの研究者が参加して実施するものでございます。
それから、右側の真ん中にございます曝露環境の装置につきましては、ここにございますように、JAXA(ジャクサ)が実施するもの、それから理化学研究所、情報通信研究機構等の専門の方が研究するものがございます。4-35にございますのは、20年から22年にかけて実施する科学のサイエンスの分野のテーマ、それから曝露環境を利用したテーマ、それ以外には左下にございますように、JEM以外の場所で科学研究と称して実施するもの、あるいは右下にございますように、科学以外の課題として実施するもの等がございまして、今後こういった決まったテーマを8月以降、2年間にわたって、実際の実施計画を現在設定しているところでございます。
【山下部会長】
はい。それで、例えば船外プラットフォームでやる実験、3つほどありますけれども、これはこれまでの衛星でやってきた内容に比べて、これでスペースステーションを使うことによって、よりすぐれた実験ができるなんという要素はどれぐらいあるんですか。
【白木理事】
全天にわたるX線天体というのは、今まであんまりやられていなくて、全天から降り注ぐX線を観測するということで、宇宙の天気予報的な使い方ができるんではなかろうかというテーマでございます。それから、超伝導技術のサブミリ波につきましては、ご存じのとおり、オゾン層の破壊が一時言われておりました。その後、若干、影はひそめておりますけれども、依然オゾン層の破壊というのは、地球環境の保護という意味で非常に重要なファクターでございまして、これをステーションから実際に観測することで、破壊のメカニズム等の解明に役立てようというものでございます。
【山下部会長】
世界的に見たら、これまで衛星でオゾンホールが見つかったように、オゾン層の観測というのはかなり行われていますね。
【白木理事】
衛星でそういう観測をやってきたものがございまして、その衛星の寿命がそろそろというのもございまして、それを引き継いでやるという役目もある程度担っております。
【山下部会長】
この辺の判断は、単独の衛星としてやるほうがいいのか、スペースステーションの中でやるほうがいいのか、その辺のJAXA(ジャクサ)としての判断はありますよね。
【白木理事】
はい。今までここにあるテーマというのは、かなり早い時期から募集したテーマでございます。結果的には、打ち上げがおくれて、テーマを提案された方には随分ご迷惑をおかけしておりますが、一旦ここで上がりますと、軌道上ですぐ使える施設があるということで、衛星に比べてどれだけ迅速に実験テーマを上に持っていけるかというところが、ステーションの売りだと思っております。それからもう一つは、宇宙飛行士が関与できるということで、装置が壊れたり調子が悪くなったときに宇宙飛行士が修理してくれることの余地も残っているということで、そういった迅速性だとか、あるいは宇宙飛行士が関与することで装置の運用が安定にできるとか、そういったところがステーションの売りではなかろうかと思っております。
【山下部会長】
なるほど。ほかによろしいでしょうか。やっぱりステーションを使う最大のメリットは、壊れたときに修理ができるということ、これは非常に大きなことですよね。
【白木理事】
はい。
【山下部会長】
こういうふうに項目がいろいろ並んでいますけれども、やっぱりスペースステーションでこれだという科学研究、ここでは利用研究という書き方をしてありますけれども、そういう目玉になるようなものというのは、何かあります?
【白木理事】
船内実験を使った中で、特に期待されているのは生命科学の分野、それから実際に宇宙飛行士が上におりますので、宇宙飛行士を使った研究、特に宇宙医学の研究、それからバイオテクノロジーの分野では、先ほど申し上げましたが、宇宙で対流がないということから、単結晶のよいものができる。そういう意味で、たんぱく質の単結晶成長というのは、「きぼう」が上がる前から継続的に行っております。ご承知のとおり、なかなか成果が出にくいんですが、ようやく少し成果が出るんじゃなかろうかと期待しております。そういうことで、特にサイエンスのテーマだとか、それから実際に上で物をつくる。物をつくって、すぐそれが右から左にハイビジョン映像でぱっと見られればいいんですが、実際にはできたものを持ち帰って、地上で分析し、それで新たな製品づくりに関与していくということになりまして、若干時間は消費しておりますが、私どもでは、今申し上げた分野、生命科学、宇宙医学、それからたんぱく質等で成果を期待できるのではないかと思っております。曝露環境につきましては、JAXA(ジャクサ)で打ち上げております、いろいろな天体観測の衛星等ございます。ああいったものに匹敵するような、宇宙からの、ステーション軌道に置いておくことによるメリットがある幾つかの候補装置が今、提案されておりまして、それを今後第2期、あるいは第3期に向けて、どういう形で搭載できるかということで、先ほど申し上げました船外実験の第2テーマとして、今、搭載性の評価をしておるところでございまして、そういったものが搭載された暁には、画期的な成果が期待できるのではないかと思っております。ただ、今までがいかんせんオオカミ少年みたいに、すぐ上がる、すぐ上がると言いながら、長くかかったということもございまして、これからそういった意味で、いよいよ画期的な成果をもたらすようなテーマを募集したり、あるいは研究者にアイデアを募集して、その成果を出していくことになるのかと思っております。
【山下部会長】
やっぱりこれまで私どもの印象も、スペースステーションは上がるけれども、じゃ、それを使って一体何ができるんだというのが全然見えていないんですね。だから、毎年400億ぐらい費用をかけて、それにふさわしい成果が得られるかというのが、多分一番疑問になるところじゃないかと。
【白木理事】
そのとおりだと思います。
【山下部会長】
だから、システムとしてこういうものをつくるというのは、これはこれで、今後の宇宙開発にとって非常に大事なことですけれども。
【白木理事】
ステーションは、日本だけじゃなくてヨーロッパ、アメリカ、ロシア、カナダを含めてやっておりますので、それぞれが同じ問題を持っていると思いまして、今後、利用を国際的に競争であるのか、協力であるのか、いろいろございますけれども、みんなで成果を出し合っていくことになるのかと思っております。
【山下部会長】
ほかによろしいでしょうか。ではもう一つ、スペースステーションの持つ欠点がありまして、実は宇宙観測というのはステーションはあまりよろしくないんですよね。要するに、人間が乗っているからゆらゆら揺れるんです。だから、そういう意味では単独衛星のほうがずっと精密な観測ができるんですね。ここに乗っているMAXIというのは、まさに揺れても構わない観測という意味で載っているんですね。だから、いいところと悪いところをうまく使い分けて、どういう成果を得るかというのを考える必要があると思うんですけどね。
【白木理事】
どれだけ揺れるかというのは、今から上がったところでございますので、実際に加速度を計測して、揺れがどれくらいの外乱となるのかというのは、今後の評価にはなるかと思いますが、無人のものに比べると外乱が多いだろうと言われて、いや、そうじゃないと言い切れる状況ではないことは確かです。
【山下部会長】
これは原理的に非常にはっきりしている話で、フリーフライヤーのポインティングの精度とステーションでのポインティングの精度、これはもう明らかに違うというのは確かな話で、だから少々、そういう揺れがあってもステーションを使えば、よりいい観測ができるというようなテーマですよね。
【白木理事】
ただ、ポインティングが必要なものについては、曝露プラットフォームにそのまま載せるのではなくて、衛星並みのポインティング装置を持った形で搭載すれば、衛星並みのポインティングの精度は確保できるだろうと思います。
【山下部会長】
だから、むしろ切り離して、フリーフライヤーの近くに置いといて、壊れたらつかまえて修理するというやり方のほうが、むしろ効率はいいのかなという気はしますけれども。
【白木理事】
そうですね。そういうアイデアで次のステップの運用というのはあり得る。
【山下部会長】
だから、次のそういう観測衛星をやる場合に、そういう考え方というか、要するに壊れるというのが一番怖いわけで、これまでの観測衛星で最大の問題は、装置が壊れてもう一切観測できない、なくなりましたという、これが一番大きな問題ですよね。それが解消できれば、ステーションを使って有効な観測ができるという気はいたしますけれども。
【白木理事】
そういう意味では、人間がいるということで、壊れても修理できる、それがステーション本体にあるか、時々ステーションに来て、壊れたやつを修理するかというアプローチはあるかと思います。
JAXA(ジャクサ)石川理事より、備付資料『第1期中期目標期間及び平成19年度業務実績と評価について』説明があった後、以下のとおり議論が行われた。
【平野委員】
2つばかり。まず一つはMRJの開発絡みで、これはもう商業化に向けて三菱重工主導で進んでいるということはよく理解しているんですが、こうした商業機の開発にJAXA(ジャクサ)が貢献することによって、言ってみれば、受託研究になるのかどうかわかりませんけれども、何らかの形で、これは研究費の回収ができるとか、そういう仕組み、あるいは算段になっているものなのかどうかというのが1点目の質問です。
それから2点目は、これもそもそもという質問になってしまいますけれども、最後の次世代航空技術の研究開発で、目標として見ると、コンコルドに比較して13%向上等とベンチマークをコンコルドで書いてありますけれども、一方で、こうした超音速旅客機なり移動機の必要性であるとか商業的な可能性に関しては相当な懐疑論もあるという中で、これがこの先、実際に民間レベルで使われていくというめどを持っているものなのか、この領域の実際の展開の可能性について、これをどういうふうに理解していけばいいのか、この2つについて教えてください。
【石川理事】
まず最初のほうでございますけれども、国産旅客機、これが経済産業省のプロジェクトを立ち上げられるときに、航空関係のこういった商業的なプロジェクト、航空そのものの関連する4省庁(経済産業省、文部科学省、国土交通省、防衛省)の連絡会議という局長レベルの集まられる会議がございまして、そのときに、これはきっかけは経済産業省のプロジェクトでございますので、経済産業省のほうから、本件については、特に文科省のJAXA(ジャクサ)航空なのでございますけれども、そういったサポートについては、ぜひ共同研究、すなわち共同研究というのは基本的に無償の行為、委託研究というのは有償の行為という定義なんですけれども、ぜひ共同研究の形で、要は基本的に、いわゆる直接的な金銭のやりとりなくサポートしていただきたいという非常に強い要請がございまして、この4省庁連絡会議の合意を受けまして、国産旅客機については基本的に共同研究で処理するという合意事項のもとに共同研究で進めさせていただいております。これはある意味、国土交通省さんも一緒でありまして、国土交通省さんは、わざわざこのMRJのために名古屋に型式証明センターというものを、組織もセンターの建物そのものはそんなに大したお金ではないのかもしれませんが、そういうものを国土交通省さんの資金でおつくりになって、これも例えば経産省さんからお金が回っているということはなくて、それぞれ、防衛省さんはこれについては多分直接の貢献はなさっていないと思うんですけれども、文科省、すなわちJAXA(ジャクサ)航空の部分と国土交通省におきましては、それぞれが、ある意味それぞれで貢献するという大きな枠組みが成立しておりますので、その中でやらせていただいておりますというのが、まず最初のお答えでございます。
2番目のほうは、確かにそういう面もございます。今ご案内のように、コンコルドの後釜がすぐに国際的な開発機運にあるかというと、それはそうではございません。ただ、徐々に、この次のステップとして、私どもは、これも予算要求中で、これはまた別の議論になりますけれども、コンコルドの次が、阻んでおります隘路、すなわち技術的障壁であるソニックブームの低減ということの解決に取り組んでおりまして、それが、もう一つ取り除くと、もう少し前へ出られると考えております。一方、私どもがそういうことを進めながら、ここ数年で変化が出てまいりました一つの動きは、ビジネスジェット、10人弱の非常に時間価値の高いパッセンジャーがお乗りになるような小さな超音速機、これについてはアメリカでベンチャービジネスで立ち上がりまして、私どもはその情勢をウオッチしておりますけれども、一番新しいニュースでは、結構高いビジネスジェットなんですが、50機の受注を獲得したということが聞こえてきておりまして、これはまだ、初飛行にはあと三、四年かかる代物なんですけれども、一方では、世界で見ると、そういう人も世の中にはいるということで、少なくともビジネスジェットについては前途が開けそうな空気。これは1社でなくて2社、エリオンという1社がまず五十何機獲得した。もう1社も動いております。こちらの獲得数字はよくわかりませんが、そういうことがありますので、少なくとも何百人の旅客機をすぐ開発するという雲行きにはございませんけれども、ビジネスジェットにおいては開けそうな状況になってまいりましたということは、これは事実でございますので、それに向けて私どもは、ビジネスジェットでありましょうが、大きな飛行機でありましょうが、隘路というのは、詳しく申し上げませんでしたが、地上、地面の上をマッハ、超音速で飛んではならないというレギュレーションになっておりまして、それを言われますと、ルートによっては超音速の飛行機をつくる意味がない。ですから、ご案内のように、コンコルドは大西洋線、ヨーロッパとアメリカの東海岸だけであったわけですが、それを隘路を切り開く、ソニックブームの低減でレギュレーションを変えますと、もう一回、こういうものの市場性が出てくる。それに対する技術的なチャレンジをやろうとしておりまして、経済性の向上とソニックブームの解決と、この2つそろいますと、もう少し窓があきかけるという状況になっております。ですので、そういうことをやはり地道に進めようと私どもとしては考えております。ただ、そこの部分については、今回の中期の中のあれではございませんでしたので、そこはご紹介しておりませんけれども、以上の点をやっていきますと、またそういうものが開ける状況がある可能性がございます。
【山下部会長】
そうすると、MRJというのは、三菱が開発して、それが商業ベースに乗って動き出したときに、JAXA(ジャクサ)に対するフィードバックは何もないということ。
【石川理事】
我々としては、国のこういった機関として、ある意味、これに協力しないということは、多分、我々の存在理由としては許されないという気分でやっておりまして、いわゆる金銭、私どもは若干の特許料、さっき申し上げました前縁スラットの特許料ぐらいは入ってくる可能性は大いにございますけれども、例えば何十億のフィードバックがあるかとおっしゃられますと、これはないというお答えをするのが正式な答えになります。
【山下部会長】
ということは、考え方としては、民間でそういうものを開発するけれども、国策として、これくらいの投資はするという考え方なんですね。
【石川理事】
そういうことです。おっしゃるとおりで。ただ、そうは言いながらも、できることと、できないことがございますので、三菱さんのおっしゃることをすべてしてあげるということではございませんけれども、私どもの持っている装置あるいは人間のパワーで、協力できる範囲で最大限のことをするという考え方になっております。あるいは、一部の装置の改良、MRJのために風洞の一部の改良をするとか、細かいものでないものを入れるということはいたしております。
【知野委員】
すいません、よろしいでしょうか。次世代の研究開発ですけれども、これは中期計画Sと評価されましたけれども、AではなくてSだという根拠を少し教えていただきたいんです。というのは、ここで赤文字で書かれていることを見ますと、飛行実験に成功したこと、それから、関連の学会で発表したとか特集をされたとか、いわば身内の中での評価、身内の中ではこういうことだったということで、これはAじゃないかという気がするんです。それをあえてSとされるからには、もう一歩、社会的にとか経済的にとか、何かそういう要素が必要なんじゃないかと私は思うんです。むしろ、これだけ実験をやって、学会発表がなかったとか、講演も招待されなかったとか、学会誌ですら特集してくれなかったとしたら、これはすごい問題だと思うんです。
【石川理事】
それはそうですね。それは、そういうのがなければ論外の話だと思います。
【知野委員】
それで、これは、いわば宇宙機構のここでしかやっていないことだから、これはあって当たり前のことであって、この書きぶりからすると、これはAにしかならないんじゃないかという気がするんです。それをSとされている理由は何でしょうか。
【石川理事】
それはある意味、18年度の評価にはなってしまうわけですけれども、一応、18年度の中期計画あるいは年度計画と比較いたしまして、ここはやはり、一つは、基本的には、例えば先ほど申し上げましたように、これはさっきの繰り返しになってしまうんですけれども、いわゆる解析を一つ一つ丹念に重ねまして、モデルも何々モデルと言っておりますが、実際には、ここの境界層遷移、例えばSSTモデルと書いてありますが、そこの中には、これは最初からわかっておったことではなくて、この研究をやって得た新しいモデルの改善、境界層の遷移モデルのさらに細かい話になりますが、やり方の改善をこの中で発見したことを含んでおります。そういう意味で、それは最初に予定したことではないと。例えば知的なものでいえば、理論ですから特許にはなりませんけれども、そういった新しい理論を入れた遷移、SSTモデルというのはそういうことなんですが、それを入れて、きちんと問い詰めていきますと、6-34ページの右下の図のように非常にばっちりと合うものが出てきたというのを一つの例で説明させていただいておりますが、こういうことの積み重ねが幾つかあったということで、その時点でS評価をいただいたと私どもは理解いたしておりまして、今回は、ちょっと妙な言い方になるかもしれませんが、そこのところは、ほとんどそのまま記述を書かせていただいたという感じを持っておりまして、18年度のそこのところについては、新しいものはつけ加えずに、こういうことでSをいただきましたというつもりでおりました。成層圏プラットフォームも、ある意味同様でございまして、確かに、それをやらなかったらどうかとおっしゃいますと、それは、それをやらなければAどころじゃない、Bということになってしまいますけれども、一応、ただ単にそこら辺にあるものをぱっと持ってきてやったということでなく、それぞれの研究者がいろいろな知恵を振り絞って、ここで見つけたモデルを入れて、そこで非常に研究的な行為があったということでAと。つまり、そこまで中期計画では予想していなかったということでAと判断させていただいて、そういうふうにご評価いただいたと理解しております。
【知野委員】
要するに、中期計画がSだという理由について私はお尋ねしたので。
【石川理事】
お答えになっていないとおっしゃられると、ちょっと困ってしまうんですが、要は中期計画で想定したよりもはるかにすぐれた、6-34に「データとCFD解析は良好に一致」とさらっと書いてありますけれども、これをやるについて、遷移モデルの発見があったですとか、そういうことが典型でございますけれども、そういった積み合わせが実現されまして、こんなに完全に合うということが、ある意味、私どもが想定した以上であったと判断して、Sというふうに自己評価しまして、それをご承認いただいたと私どもとしては考えております。
【山下部会長】
6-1ページの年度評価と期間評価の表を見たときに、最初おっしゃられましたように、だから、一番下の次世代の航空技術というのは年度評価では2つSがついている。複数あるから、これは期間評価もSであろうと。
【石川理事】
そこまで単純ではないけれども、理由としてはそういうふうに。
【山下部会長】
そういう読み方と、それから、中ほどにある運航安全技術というのは、19年度はSだけれども、期間評価はAである。それから、一番上の国産機のところは、19年度はSだけれども、期間評価はSである。この違いはどういうふうに見るかといえば、要するに年度評価は微分評価であって、期間評価は積分評価である。
【石川理事】
おっしゃるとおりです。感覚としては、そんな感じだと思っております。
【山下部会長】
そのときに、19年度のSというのは、それはグレイディエントが非常に大きかった。それのSの重みが全体の中期計画を超えるのに十分であったから、期間評価はSである。それに対して、運航安全のほうは、それほど大きなSではないと。
【石川理事】
瞬間的にはちょっと出ましたけれども、積分しますと、Aと判断いたした。大変いいお例えをいただきまして、国産機は最後の微分が非常に大きく、言ってみれば、ATO、事業化判断というのが、私どもも、もちろんそうならないリスクも考えながら研究しておりましたので、それはこの積分的にはやはり大きいであろうと思って、自己評価Sと。それで、おっしゃるように、次世代、最後のCは違うものなので1個Sをつけ、もう一個違うものでSとあって、この積分値は、私どもの判断としてはSと考えておるということでございます。
【知野委員】
つまり、私が質問させていただいたのは、そういうことを聞いたのではなくて、36ページに書いているSの根拠となって出されている日本航空宇宙学会の技術賞、国際航空科学会議の招待講演、日本航空宇宙学会誌での特集、この3つ、これがSに値することなんですかということを、むしろ、これだけ研究なり実験なりをやって、学会でも発表しなかったりとか、学会誌でも特集しなかったりとか、そちらのほうが問題なのであって、これからこういうことがあれば、ほかの分野に関してもすべてSだということになるんですかという意味合いで、つまり、この中期計画のSの根拠から読めることは、今さんざん、何年にSだった、何年にSで、そういう根拠のSだったということを説明されていましたけれども、そういうことではなくて、ここに書かれたことを読んで、これをSだと位置づけることはできないと思うので、それは何でSだと評価されたのかということをお尋ねしたんです。先ほどから全然違うことをお答えになっていると私は受けとめているんです。ですから、私は16年度の評価がSとか、18年度の評価がSだとか、その根拠が何であるかということについてはお尋ねしていません。
【石川理事】
わかりました。
【小澤理事】
例えば、私なんかはこういうふうに解釈しているんですが、6-36ページに赤い文字で幾つか書いてございます。それで、その赤い文字で書いてある2行目、世界初のCFD逆問題設計法により何たら何たら技術を検証、確立したと。これは中期計画の6-30ページでございますか。
【石川理事】
いえ、26ページに中期計画記載事項という形で。
【小澤理事】
これはⅡ.5.(C)になりますから、6-30ページに中期計画の記載事項が幾つか書いてあります。
【石川理事】
失礼しました、こちらですね。
【小澤理事】
そこに例えば中期計画の記載事項……。
【石川理事】
ごめんなさい。申しわけございません。今おっしゃられたのは、どちらかというと、ロケット実験機のほうは6-26ページでございます。申しわけございません。ちょっと待ってください。これは非常に複雑な構造をとっておりますので。
【小澤理事】
そうですか。申し上げたかったことは、要するに中期計画で、ある種の設計技法の研究をしなさいとか、要素技術の研究をしなさいということが目標として与えられて、私どもはいろいろなことを計画させていただきました。その一つとして、例えば6-36ページに書いてありますように、空気抵抗低減設計技術というものをつくって検証、確立させていただきました。それを世の中に発表しました。それが、私どもとしては、この中期計画で目標としていたレベルに達して、十分自信を持って世の中に出したわけですが、意外に、私どもが想定した以上の反響を呼んで、そして、ここに書いてあるように、航空宇宙学会の技術賞、あるいは航空科学会議から招待をいただくとか、あるいは日本航空宇宙学会誌で特集を組んでいただくというのは、変な言い方ですけれども、普通のレベル。もちろん、ある目標に対しては達している。ある種の水準はあるんですが、それを世の中に出したときには、ひょっとしたら、こういう招待講演もこないし、受賞もしないし、あるいは学会誌で特集も組んでもらえないかもしれない。それが3つも、このことについて世の中が取り上げてくれた。それは何を物語っているかというと、その出たアウトプットというのが、世の中のいろいろな人に見ていただいても、「これは、なるほど、いいものだ」という評価をいただいたのではないか。いわゆる、私どもがもともと出そうと思っていたクオリティー、これが最小限必要なものを達成することがミニマムサクセスだと思うんですが、世の中の人も見て、なるほどと思っていただけるようなものが出たという点をハイライトさせていただいてSだと申し上げたいと思うんですが、そういう見方というのはいかがでしょうか。
【知野委員】
いや、あまり。というのは、この技術開発をなぜやるかといったら、実用に向けて、それを腰を据えてやっていこうということだと思うんです。そうすると、つまり、この学会での技術賞、招待講演も、それも確かにすばらしいことなのかもしれませんけれども、それをもってSというのは、身内の限られた専門家集団での話を幾つか挙げてこられて評価を受けたと言われても、なぜそれがSなのかというのは、こちらとしては説得力を持って聞こえないわけです。すごく力を込めておっしゃられますけれども、でも、それだけじゃないと。
【梶委員】
ちょっとよろしいですか。私の感じだと、学会賞だとか招待講演というのは、やはりつけ足しの部分なんです。一番大事なのは、6-34ページにありますCL、CDのカーブです。これの実験点を説明できるCFDモデルを確立して、これだけの精度でカーブを予測することができた。それがCFDの技術を獲得したという、その上に書いてあることが、このロケット実験機に関してはSに評価することなので、それの裏づけというか、附属として、そういう賞を獲得したということと読むべきだと思うんです。
【山下部会長】
客観性を持たせたと。
【知野委員】
だから、そういうふうにお書きになればよろしいんじゃないですか。というのは、学会が賞を乱発するぐらいいっぱい出していることは一般の人々もわりと知っていることであって、そっちのほうが見えてきてしまうと、逆に、要するに高く見せたいということで、学会の賞というのはやたらあるわけだけれども、そうすると、何となく素人的にはごまかされていくというのがあるので、そういうことなら本筋をきちんと書くべきではないですか。これは、知らない人間に対して、わりとこけおどしのように、こんなにありましたよと。でも、よく見ていくと、これはやってしかるべきことじゃないかという気がこちらはしますので、先生がおっしゃられたことが本筋であるんだったら、本筋のことをきちんと書いていって、それが国民に対する説明責任じゃないんですか。つまり、もちろん難しくてわからない分野ではありますけれども、そういうことはやっぱりきちんと、ここがSに値するところなんだということを、できるだけかみ砕いて本筋のところで説明していくことが必要なんだと私は思いますけれども、いかがでしょうか。目立つのは、むしろ、こっちの賞とか学会とかのほうになってしまうので。
【石川理事】
この字は。私の口頭説明としては、ほんとうのところは、ここのさっきの……。
【梶委員】
私もJAXA(ジャクサ)のこういう最終的な評価の書き方のところは、皆、わりかた、ここが目新しいからSだとかいうのはあると思うんですが、だけど、宇宙科学にしても、やっているのはここだけなんです。JAXA(ジャクサ)が非常にやっていて、ロケット、衛星を使って探索している。それで学会の新しい知見を得るというのは、言ってみれば当たり前なんです。だけど、それがSを増やすためというか、ある程度、S評価を獲得するために何か強調しているような感じはあるというのは全般に言えるところだと思うんです。
【平野委員】
私も宇宙航空の門外漢なので非常に判断が難しいんですけれども、Sに相当するためには、少なくとも次のうちのどれかがなければだめだろうと。一つはサイエンスとかアカデミックの分野において圧倒的に顕著な成果を上げる。もちろん、これは世界レベルにおいて。だから、これはいろいろな賞があって、その賞もレベルがあるんだと思うんだけれども、それこそグローバルレベルにおいて明らかにサイエンスの進展に貢献したという、まずアカデミックなアチーブメントなり、サイエンスなアチーブメントというのがあります。
2番目は、特に輸送系だとか、要するに、当然これは、達成しなければいけないものを粛々と達成するということに関しては当たり前で、なかなか、それをうまくやりましたということでSはあげられないんだけれども、運用方の場合は、相当エキストラのことをやりましたと。つまり、当初想定したよりも自分たちの努力によって効率的に物事を進めて、エキストラのアチーブメントなりエキストラの作業なりができたというところが明らかにあるか。
3番目というのは、言ってみれば社会的、経済的インパクトということで、こういう商業的な開発における顕著な貢献もあるし、それから、もっと言ってしまえば、国民的関心を喚起して、宇宙開発そのもののプレゼンスを高めたとか、その他あります。例の外交的な何とかとありますけれども、でも、少なくとも今言った3つぐらいの分野において、我々から見て明らかに顕著なアチーブメントなり貢献が1つないし2つあったということがないと、なかなか、普通の一般国民のレベルの中において、Sというのは与えがたいという感じなんです。
【山下部会長】
だから、そういう視点から見ますと、この業績報告書の書き方というのは相当注文がつくんです。我々は評価するのに、こういう書き方をこのまま受け入れていいかという問題になるんです。今の航空のところだけじゃなくて、これまでずっとやってきたすべてが、Sと書きながら、中身が何にもないのにSと書いてみたり。だから、その辺の、Sとして評価する場合に、今おっしゃったような3点は少なくとも大事な項目ですから、それはちゃんと書いてもらわなければいけないわけですが、理事長賞をもらったとか、そういう内輪の話はどうでもよくて、まさに世界水準に照らしてというのが一番大事なところですから。
【石川理事】
私も、書いているのと離れて、中身としては、ここが国際学術として、この6-34のグラフはそういうものであるということを実情としては申し上げたつもりにはなっておりますが、書き物の表現は確かにおっしゃられる点はあるかもしれません。
【平野委員】
ついでに申し上げれば、これはよく江名委員がおっしゃいますけれども、Aというのは、実施機関としてみると、粛々と目標を達成して、しかもきちんとうまく成果を出したということだから、これはそれなりに誇るべき成果なわけです。一方、研究開発機関だという側面でこういうふうに見ていくと、そういうところでAがずらっと並ぶとかSが並ぶというのは、ほんとうに目標そのものがストレッチした先端的なものにちゃんとチャレンジしているのと。それなりにリスクをとって開発をやろうと思えば、それは分布が出てくるはずなんだけれども、あまり出ないで、ぎゅっと集まると、予定調和的に書いてやっていると見えてしまうところがあって、JAXA(ジャクサ)はその両方の性格があると思うので、これは非常に難しいんです。それから、そもそもAと評価したりSと評価するときの基準設定の問題はどうなのというところにもさかのぼってしまう感じはします。
【山下部会長】
これは中期目標、計画のつくり方自身の問題から事は始まっているんです。それを評価するようにと言えば、余計それは難しい話になって、内部評価をうのみにするかというような方向にどうしてもいってしまうんです。だから、評価委員にとって評価しやすい、業績評価というのか、中期計画のつくり方というのか、そういうところから改めないと、なかなか。と同時に、評価委員の意見がうまく今後に反映されるかどうかというのは、やっぱり一番大きいところですから。
JAXA(ジャクサ)有賀評価・監査室長より、資料2について説明があった後、以下のとおり議論が行われた。
【梶委員】
1つよろしいですか。14ページ、15ページあたりの人件費の削減のことなんですが、これを見ると、14ページの図なんかだと、総人件費を抑制するために人員の数をかなり抑えるようになっていて、個々の人件費のレベル自身はあまり昔と変わっていないのか、123.4とか。まあ、103ぐらいはいいけれども、かなり高くてですね。数を減らすというのは、若い人を採る人数がかなり難しくなって減ってきているんじゃないかということがあるんじゃないんでしょうか。その辺、若い人はなかなかJAXA(ジャクサ)に入りにくくなっているというふうなことが1つと、給与水準の適正性について、15ページにいろいろ書いてあるんだけれども、業務がリスクの高いチャレンジング。それは宇宙飛行士ぐらいになるとリスクも高いとわかるけれども、あとのことはどういうんですかね。普通の業務。こんなことをJAXA(ジャクサ)だけが主張すると、ほかの機関の人は文句言うんじゃないかと思いますが、いかがなんでしょうか。
【瀬山理事】
私のほうから。1点目の人件費の総額と人数の削減の関係ですが、確かにおっしゃったとおり、総人件費削減に伴って、人数の削減というのも事例的に行っております。したがって、さっき申し上げましたとおり、第1期中期計画の当初の人数と100名以上人数を落としています。一方、総人件費のほうも、毎年1%ずつ落としているという操作をしています。その次のご指摘は、人件費の単価を落としていないから、若い人が入りにくくなっていると、採用が少なくなっているんじゃないかというご指摘だと思います。そこは我々非常に気にしておりまして、そういうことがないように努力をしています。1つは、今たまたま、いわゆる団塊の世代というものが、これから何年かかけて退職されるという時期なものですから、若い人もそれなりの人数が採用できている。具体的な数字を言いますと、今、大体48名ぐらい新規の採用をしています。したがって、おそらく50名、60名ぐらいは、毎年同じ人数を確保するという意味からは必要だと思いますけれども、ほぼそれに近い人数を、若い人で確保はできております。今、最初に申し上げたように、たまたま団塊の世代と申し上げたので、これに安住するわけにいかないということです。したがって、人件費の単価もこれから落としていくという努力は当然しなきゃいかんということで、そこはさっきのラスパイレスの話で、15ページの話になるわけです。ここについては、今、分析をきちんとした上で、我々の給与、ラスパイレスが高いということが国民にご理解いただけるかどうかということを、今、いろんな角度から勉強しております。確かに一般的には、ここに書いてあるような事情はあるんですが、地域性というのが1つあって、やはり首都圏に集中しているという部分が国とは違う。学歴も高いという部分が国とは違うということで、ラスパイレス指数が今123.4になっていますが、そういう要素を除くと多分117ぐらいに落ちます。ただし、それでも117です。その117をさらに落とせというようなことをおっしゃる層の方も多いものですから、ほんとうに落とし切れるかどうか、どういう理屈で落とすか、ほんとうに民間と比べて高いのかどうかということを、今、分析しつつあるところです。一般的に申し上げますと、事務・技術職員が高いわけです。それで研究職員が103ですから。これ、JAXA(ジャクサ)の特性なんですが、技術系の職員がかなり事務的な仕事をしている部分が1つございます。当初の採用が事務職をたくさん採用したわけじゃないものですから、技術系を採用してきたものですから、そういう人が管理部門を担っているというのが1つ目です。2つ目は、これは国ともご相談しなきゃいけないんですが、我々は一定の事務・技術職員というのは、本来、研究職員に分類してもいいような方が入っている可能性があると思っています。例えば、情報システムに関係しているような専門家であるとか、安全・信頼性に関係している専門家であるとか、そういうところが事務・技術職員の中に分類されてございますので、その辺の整理ができれば、また数字は落とすことが可能ということであります。ただ、いずれにしましても、今、今度の中期目標の中に、中期計画の中に、20年度にそこをよく分析して答えを出すようにというふうに言われてございますので、今そこをやっております。一番最初のご質問の、若い人というところについては、今のところ、ほぼ予定の人数を確保できているということでございます。
【梶委員】
大学の人間としては、そういう若い人が意欲を持って航空宇宙の分野に進んでくるわけで、それがJAXA(ジャクサ)1つになってしまって、非常に就職が狭められるというのは、ディスカレッジする要素になりますので、こういう青い線に沿って下げるために若い人を絞るなんていうことは、やはりできるだけ避けていただきたい。団塊の世代というのは非常に一時的なものですから、そういうことを配慮していただきたいというのと、それから、事務・技術職員が123で研究職員は103という。これは学歴が高いとかいうことになると、研究職員のほうが一般的には高いんだろうと思いますが、それぞれのレベルで比べて、こういうふうに違うということですか。そうすると、国家公務員の事務・技術職員は非常に低くて研究職員のほうが高いということなのかな。何かここで逆転するというのはですね。
【山下部会長】
さっき言われたように、技術職員であるけれども、研究職に相当するような人も、この中に入っているという。
【梶委員】
だから給料としては高いんだということなんですね。
【山下部会長】
だから、そういう人は研究職の給与で比較すれば高くはない。
【瀬山理事】
そうですね。このぐらいの値になると思います。今おっしゃったとおり、国の場合は研究職員が高いですから、相対的にラスパイレスが下がるんですけれども、JAXA(ジャクサ)の中では研究職のほうが高いことは高いんです。高いことは高いですけど、国ほど差がないものですから。一部、事務・技術職員の中に入り込んでいるものですから、そこはちょっとよく勉強して整理させていただきたいと思います。
【山下部会長】
こういう問題は、単なる平均値だけでああだこうだ言うというのは非常に危険で、中身をきちんと分析してからやらないと、余計ディスカレッジするようなことになっちゃうから。
【瀬山理事】
確かに、まだ航空宇宙部門、若い優秀な学生が多く入社希望されるところがあるものですから、今、先生おっしゃったとおり、そういうところをディスカレッジして、海外も含めて、ほかのところのように、我々きちっと、このアクティビティーの中に入っていただくように、条件等も考慮していきたいというふうに思ってはおります。
【平野委員】
今のに関連して。給与水準の話と絶対人数の話の掛け算で総人件費が出るんですけど、その絶対人数のほう、引き続き総人件費の抑制の圧力はかかってくるでしょう。給与水準そのものを過剰に低くしてしまうと、むしろ従業員のモラールダウンになるとかいう問題にもなったりすると。ある種、経営的な観点からいったときに、より人数を絞り込む。つまり研究テーマをかなり幅広く、3団体統合して、相当な領域広げてやってきているということなんだけど、広く薄くやっていくと、必ずやっぱり研究成果が出ない、あるいは実施団体としての事故が起きるみたいなことも出てきて、経営のリスクも高まってきております。だから、人件費の問題を議論するときに、セットでそもそものプロジェクトの数であるとか、テーマであるとか、そういうところを絞り込んでいって、集中投下してやっていくというような思想にだんだん転換していかないと、だんだん広く薄くやっていくと、どこかで破綻を来すという感じがすると思うんで、それはマネジメントレベルで、ぜひ議論していただきたいということが1つです。これが質問というよりも、コメントです。これは純粋にナイーブな質問なんですけれども、この中で、天下りの話とか、そういうのは出てこないんですけれども、こういう問題というのはJAXA(ジャクサ)はないんですか。
【瀬山理事】
おっしゃっている意味は、JAXA(ジャクサ)からどこか公益法人に。
【平野委員】
両方です。
【瀬山理事】
両方ですか。来るほうと出ていくほうですか。
【平野委員】
ええ。
【瀬山理事】
あるかないかは、要するに、世の中があるないと判断する部分もあるものですから。我々、天下りが入ってくるのも、出ていくのも、それがあるからといって、我々の業務の遂行に支障が出ているとは全く思っていませんから、必要な人に来てもらっているし、必要な人が出ていっているということで我々は理解しております。多分、これもデータなしで言うのは、ちょっと危険なところがあるんですけれども、人数的にもそんなに多くないと我々思っております。出ていく人も入ってくる人もですね。したがって、世の中で言うような感覚での天下り問題というような部分は、我々としては、そんなに大きく感じていないということです。
【平野委員】
出ていかれる方はどういうところへ行かれるんですか。民間の。
【瀬山理事】
ええ。民間とか大学とかですね。ただ、ほとんど最近は再雇用の制度の中に入ってこられていますから、その中に入ってこられる方が多いですね。そこがメジャーなところです。それ以外、今申し上げた大学とか企業から声がかかるとかですね。一部、もちろん公益法人もあります。ありますけれども、基本的には少ないですね。
【平野委員】
お立場からいくと、そういうご説明になるんだと思うけれども、さっきの若い人になるべく多く新しい人にチャンスを与えるということの中において、そういう団体から移られてくる方、それからそういう新しい人たちを採用していくというところのバランスとか、そういうところも経営の観点から、ぜひ。それから、もう一つは随契絡みで、19年、18年に比べると少し増えてしまったと。目標は、一方で極端に70数%から46%となっていますよね。これは達成年度はよくわからないんですけれども、現実的な目標なんですか。この46%にするというのは。
【瀬山理事】
これは18と19を、実は比較しても、あまり意味のないところです。というのは、18年度の実績をベースにして、頑張って減らしたら20年度はどうなるかというのが宿題でした。それができ上がったのが去年の12月です。したがって、見直し計画に基づく実施というのは20年度に入ってからということで、したがって、19年度、新しい視点が入って極端に減らしたわけじゃなくて、そこはむしろ18年度の延長線であるということです。したがって、かなりドラスチックにやるのは20年度ということになりますから。ここは我々、努力しなきゃいかんと思っています。もちろん制度をいろいろ変えて、少額随契みたいなところを下げることによって、必然的に競争に持っていくという部分がありますから、もしくは公益法人に対しては、一律もうすべて随契をやめるという判断もしていますから、そういうドラスチックにやることによって、我々、これを達成しなきゃいかんと思っていますけれども。ただし、ここをやったとしても、まだ、例えば、随契見直し計画で、随意契約というのが46%、結局残るわけです。これはやっぱり宇宙のプロジェクトの特質というところが入っていまして、プライム契約であるプロジェクトをやっていくわけですから、そのプライム以外のところはできないとかですね。
【平野委員】
そうすると、46というのは、ほかの独法に比べると、やっぱり高い水準にとどまるだろうと、そういう数字なんですか。随契の割合で。
【瀬山理事】
そこは、ほかの法人と、まだ、ちょっと今データを持っていませんから、あれですけれども、とにかく極力減らせというのが国のご指導ですから。
【平野委員】
いや、むしろ私は、この宇宙開発というかなり特殊な領域だから、提供できるサプライヤーの数も限られてしまうというのが実態だとすると、制度的、あるいは形の上では随契ということにするんだけど、実質的には競争状態というか、あそこを選ばざるを得ないということが数値目標としてはあるけど、実質的に、これというのは目標になり得るのかどうかというのが問いかけなんです。
【瀬山理事】
だから、おっしゃった部分、どうしても残ってしまうところがあるものですから。
【平野委員】
それが46%。
【瀬山理事】
だから、これは件数はものすごく減るんです。ただ、プライムとかシリーズ化したプロジェクトを実施するときに、金額がちょっと大きなところがあるものですから、どうしても5割弱というのが残ってしまうということで、ここはもっと減らせないかという世の中からのご質問がありますから、そのときいつも苦労するのは、要するに、宇宙のプロジェクトの特質ですよということで何とか理解をいただこうということで、今、努力はしております。
【平野委員】
最後にコンプライアンス・ホットラインのご説明がありましたけど、これが機能していますかというのが質問なんですけれども。こういうのが働かないほうがいい組織であるということは間違いないんだけれども、逆に、こういうものを導入したから、それなりに未然に防げているのか、ある程度、そういうものが初期段階において把握できて、ちゃんと機能するようになってきていますかということでもあるんですけど、その辺はいかがですか。
【瀬山理事】
それは私、1年弱、こういう仕事を担当していますけれども、結論的には機能していると思います。というのは、内部通報の前のいろんな問題は、もちろん組織で抱えております。そういうときにホットラインにかけてくるというような理解も進んでおりますが、だから、それでホットラインにかかってきていれば、それなりの、きちっと対応を我々はしています。その段階で問題を解決できるということでございますから、これは非常に有効に機能しているというふうに我々は思っております。
【知野委員】
先ほど、先生から質問あったのに答えはなかったんですけれども、15ページの先進的かつ民間で実施するには極めてリスクの高いチャレンジングな業務を行っている。これは、この日の、この資料のためにわざわざお書きになられたことなんですか。それとも一般的にこういう説明をされているんでしょうか。というのは、お聞きするのは、国家公務員との比較指標の給与のことについては、自民党なんかでもものすごい問題になっていること、それから民間企業なんかの不満もものすごく強いことというか、そこにこういう文章の説明が来て、さらに最後のところでホームページに掲載し、国民の理解を得るよう努めているとなると、これはものすごい批判が出るんじゃないかと思うんで、これはつまり内部了解というか、こういう意識でいらっしゃるということなんですか。これが給与の高い。
【瀬山理事】
こういう意識でいたということです。
【知野委員】
いた。
【瀬山理事】
したがって、今はホームページにこれが書いてあります。
【知野委員】
えっ? これが書いてある。
【瀬山理事】
ええ。さっき申し上げたとおり、これで十分、ご理解、ご納得いただいているということじゃ必ずしもないものですから。
【知野委員】
そうですね。かなりあれですね。
【瀬山理事】
だから、さっき申し上げたとおり、今年度、いろいろ分析して、今、その辺の妥当性というか、それを今、分析しているということです。
【知野委員】
そうですね。これはかなり問題になっているところでもあるんで、ちょっと危機意識というか、世間の目を意識されていないのかなと疑問に感じましたので。
【瀬山理事】
危機意識というか、非常に真剣に今考えておりますので。いろいろ制度設計の問題から、組合との問題から、いろんな問題がありますので。しかも、こういう人件費を削減するというのは急激にできないところがあるものですから、そういうところも見ながら、今、今年度に1つの見通しを得るべく検討していますので、それが出てくれば、これがリバイスされるということにはなるというふうに思っています。だけど、これですべてですよということで、我々終わりと思っているわけではございませんで、これはリバイスされるというふうに考えています。
最後に、事務局より今後のスケジュール等の説明があった後、閉会した。
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