ここからサイトの主なメニューです

科学技術振興機構部会(第38回) 議事録

1.日時

平成23年12月12日(月曜日)11時00分~12時00分

2.場所

科学技術振興機構東京本部 B1 JSTホール

(東京都千代田区四番町5-3 サイエンスプラザ)

3.議題

  1. 独立行政法人科学技術振興機構の見直しについて
  2. その他

4.出席者

委員

青木部会長、友永委員、岡山委員、柿崎委員、土屋委員、橋本委員、三木委員、吉田委員

文部科学省

板倉基盤政策課長、池田基盤政策課長補佐、佐藤基盤政策課長補佐、山口基盤政策課長補佐、野田基礎研究振興課基礎研究推進室長補佐、今村環境エネルギー課長補佐、藤原計画官補佐、釜井ライフサイエンス課長補佐、寺崎産業連携・地域支援課長補佐、岩本情報課長、国際交流官付

<科学技術振興機構>
中村理事長、川上理事、小原理事、鴨野理事、眞峯理事、門田本部長、小中日本科学未来館副館長、有本社会技術研究開発センターセンター長、植田研究開発戦略センター副センター長、菱山経営企画部長

5.議事録

午前10時59分 開会

【青木部会長】 それでは、これより第38回文部科学省独立行政法人評価委員会 科学技術・学術分科会 科学技術振興機構部会を開催いたします。本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、最初に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【池田基盤政策課長補佐】 では、お手元の議事次第に沿いまして、簡単にご説明申し上げます。
  配付資料でございますが、今回、資料5点、参考資料3点でございます。資料1が、前回の議事概要。資料2が、勧告の方向性、こちらは総務省からの文書でございます。資料3がJSTの見直し案、資料4が昨年度の業務実績に関する評価の結果等についての意見、資料5が次期中目・中計策定スケジュール、参考資料1が法人終了時の見直しについての1枚紙、参考資料2として、総務省が公表している報道発表資料、「勧告の方向性」(概要)というもの、参考資料3といたしまして、前回議論いただきました当初案の整理表となっております。
 なお、資料1につきましては、概要の修正点等ございましたら、12月19日、1週間後でございますが、月曜日までに、事務局までにメール等でご連絡いただければと思います。

【青木部会長】 このたびJSTでは役員の交代がありましたので、事務局からJST新任役員のご紹介をお願いいたします。

【池田基盤政策課長補佐】 それでは、ご紹介いたします。10月1日に役員交代がございました。
 まず、中村理事長でございます。

【中村理事長】 中村でございます。よろしくお願いします。

【池田基盤政策課長補佐】 鴨野理事でございます。

【鴨野理事】  鴨野でございます。よろしくお願いします。

【池田基盤政策課長補佐】 あと、本日はご出席されておりませんが、服部監事が就任なされております。

【青木部会長】 本日は、ただいまご紹介ありましたように理事長の交代もありましたので、最初に、中村理事長からJSTの今後のことにつきましてお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【中村理事長】 おはようございます。本日は、文部科学省の独立行政法人評価委員会 科学技術振興機構部会が開催されるに当たって、年末の大変お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。私のほうから、最近のJSTの状況と課題について、簡単にご説明させていただきます。おそれいりますが、座らせていただきます。
 現在、JSTは非常に多岐な事業を行っているわけでございます。課題達成型の基礎研究、企業化開発、あるいは、科学技術情報の流通促進、理科系人材の育成、科学コミュニケーションといったところでございます。私自身、この10月にJSTに参りまして、このような多岐の活動を概観したところでございますが、社会の期待にこたえるだけの活動をやってきたというふうに確信しています。特に、私自身が過去にJSTの評価を担当させていただいた当時を思い出しますと、そのときと比べても、現在、質的に非常に充実しておりますし、大きな成果も出ているように感じておるところでございます。
 しかしながら、我々を取り巻く状況というのは非常に厳しいものがあると認識しています。持続的成長可能な社会、それはすなわちエネルギー問題とか環境問題の解決なくしては進まないわけですし、今、新興国が非常な勢いで成長している中で、日本の産業、とりわけ製造業の海外移転、あるいはそれに伴う国内空洞化をいかに防ぐか、高齢化社会への対応、いろいろな課題がこの数年でさらに顕著になってきたというふうに思います。
 そういう中で、研究開発の成果を社会や経済的な意味での価値、あるいは新しい文化の創造に結びつける必要があるという認識のもとに、今回、第4期科学技術基本計画では、科学技術イノベーションと、イノベーションという言葉をあえてつけ加えて社会・経済の発展を図ろうと、そういうことになったというふうに認識してございます。
 我が国ではいろんなところで、いろんな研究開発をはじめ活動が進んでおりますが、私が思いますには、これらがなかなかうまくつながらない。これをもう少しうまくつなげるとイノベーションというのはもっと早くダイナミックに起こるのではないかと、かねがね私は、企業にいるときも感じておりました。このJSTというのはちょうど、大学と産業界の中間といいますか、まさにその間にある組織でございますので、産業界、大学等で行われていることをうまくつなぎ合わせると成果がもっとダイナミックに出てくるのではないかと思いまして、バーチャル・インスティチュート、あるいはバーチャル・ネットワーク型研究所と言っておりますけれども、自分たち自身は実際の実験設備とか研究者を持つわけではございませんが、そういう人材、あるいは技術、いろんな知識というのをつなげ合わせて、最大の成果を得るということに努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 JSTの最近の研究領域を見ますと、ライフサイエンスにかなりの投資を行ってきたと思います。最近はまた、エネルギー・環境であるとかいう面でも、新しい投資を行っているところでございます。そのほかにも、ナノテクノロジー・材料とか、情報通信、あるいは社会技術といった、我が国にとって重要な研究領域はほぼカバーしていると考えております。特に、先ほど言いましたライフサイエンスでは生理学・医学分野で、あるいはナノテクノロジー・材料ではさまざまな革新的な材料面で、ノーベル賞候補が何人も我が国に生まれるような、そういう意味での研究成果が出るようになったと思っております。
 エネルギーに関しましては、少し着手がおくれたのではないかというふうに私は見ておりましたけれども、これからグリーンエネルギーをやっていくときに、ほんとうの意味で基礎に立ち戻って革新的な技術の芽を出していくというのは、やはり文部科学省あるいはJSTの使命だと思っておりまして、10年、20年先を見た、まさにゲームチェンジングな技術というのを出していきたいと、そういうふうに考えるところでございます。
 先ほど言いましたように、研究開発で行っています、CRESTとか、さきがけとか、ERATOということにつきましては、毎年多額の投資をさせていただいておりまして、それと、これは我々自身の課題でもございますが、高い目きき能力、これを常に磨くことによって、世界でも最高レベルの研究が進められていると思っております。ことし2月に開催した国際諮問委員会でも、この点については優秀であるとの評価を受けました。
 企業化開発につきましては、大学の知的財産と企業のニーズをうまく結びつけるという研究開発を中心に行っております。私は、これから企業がいかにイノベーションに参加してくるか、彼らのコミットメントをいかに引き出すか、そういうふうな観点でさらに努力していきたいというふうに考えております。そういう意味では、我々だけでなくて、例えばでございますが、NEDO等、経済産業省等のいろいろな活動ともこれから大いに連携をとっていきたいというふうに考えております。
 地域につきましては、一昨年の事業仕分けで我々のプラザとかサテライトを閉鎖するようにというご指導を受けておりまして、現在、その線に沿って粛々と整理作業を始めているところでございます。
 片方で、科学技術情報の流通促進につきましては、膨大なデータベースを、国としてどうしてもこれだけは持っておきたいということで、整備してまいりました。これらを使って広くインターネット上で活用していただくとともに、これからの科学技術政策の推進に使っていただくような、付加価値を高めるようなことをやっていきたいと思っております。
 人材育成につきましては、スーパーサイエンスハイスクール等、幅広い取り組みで、この分野も非常に国の投資をお願いしているところでございますが、今年は、少し底辺を広げたいということで、全国の高校を対象に科学の甲子園を始めておりまして、ほぼ全国予選が終わって、来年3月に神戸で第1回全国大会を開催する運びになっております。トップ層を伸ばすということと、底辺を広げるという、両面で取り組んでいきたいと思っています。
 科学コミュニケーションにつきましては、サイエンスアゴラの開催とか、あるいはインターネットを活用した科学コミュニケーションに注力しております。また、日本科学未来館、これは震災で少し被害を受けましたが、現在、すっかり復旧いたしまして、活動を取り戻したところでございます。これは、運営が直轄事業になりましたので、今まで以上にその内容を充実していきたいと考えているところでございます。
 現在、ご案内のように、国全体では科学技術の総司令塔の議論がなされる傍ら、我々のような研究開発に携わる独立行政法人のあり方についても、検討が進んでいるところでございます。我々当事者といたしましては、従来の独立行政法人というのはどちらかというと定型的な業務を間違いなく効率よく行うということを期待されているのに対して、研究開発の特殊性から、理事長のガバナンスのもとにフレキシブルな経営を行ってとにかく研究成果を最大化する、そういうふうな仕組みにしていただけないかと念願しているところでございます。
 JSTは、本年度でこれまでの中期計画を終了し、来年から新しい中期目標のもとに中期計画を推進することになっております。この内容につきましては、1月以降、皆様方にご審議いただきたいというふうに考えております。科学技術による国づくりにおける我々の責任は非常に大きいということを実感しているところでございまして、職員一丸となって取り組む所存でございます。JST部会の皆様には引き続きご指導・ご助言を賜りますようにお願いいたしまして、私の報告とさせていただきます。
 ありがとうございました。

【青木部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、今の理事長のお話に関連しまして、ご質問、あるいはご意見ございましたら、委員の方々からお願いいたします。
 それでは、私のほうから1つお聞きしたいのですが、既に今、理事長のお話の中で、現時点までのJSTの活動を見ると、現在のプログラムの中で新技術の創出に資する研究というところで大変大きな成果が出ていると。それに比較してということかもしれませんが、新技術の企業化開発という点では、まだまだやるべきことがあるのではないかなと。前理事長のもとでも、今度の見直しの中でこの2つを一緒にして、ある意味では一気通貫で新技術イノベーションの創出の増進というようなことで考えられていますし、たしか去年は、産業革新機構との共同でやろうというような点もやられています。今後ともその辺について、目に見える格好での成果というのは大変難しいのですが、ぜひとも注力していただきたいなと思います。
 よろしくお願いいたします。

【中村理事長】 ありがとうございます。ただいま部会長からお話あったとおりでございまして、我々、戦略的創造と言っていますが、政策目標を達成するための基礎研究の部分では、先ほど言いましたように研究の大きな成果が出ていますし、それが将来の大きなイノベーションにつながる種がいろいろ出ています。そういうノーベル賞級のものだけでなくて、普通に考えて非常にレベルの高い成果はいろいろあるわけでございます。それらをやはりきちんと評価して、次の企業化開発にうまくバトンタッチしていくというところは、一気通貫という言葉で我々言っていますが、その仕組みを今回特にしっかりとしたものにしようということで、これは今現在走り始めておりますが、次の中期計画でも目玉の施策になるだろうというふうに思っています。
 そのためには、後方の少し引き取るところの、次のホップ・ステップ・ジャンプのステップのところの予算規模をもう少しふやす必要もあるだろうと思っております。現在、前者の基礎研究のところと後者のところは、大体2対1という割合になっているのです。もう少し出口のところの予算を上積みしてもらえないかというのが、私から文部科学省等への要望事項になってございます。
 それから、そこでは出口側の企業が入りやすい環境をつくることが非常に大事だと思っております。わかりやすく成果だとか将来のインパクトをご説明するというのも大事ですし、それから、企業がほんとうにこれが大事だと思うようなところで我々のほんとうの革新的な技術が生まれるようなこともしなきゃいけません。私は、企業がもっともっと関心を持って入ってくれるような風土をつくっていきたいと、そんなことも考えています。
 先ほどご指摘ありましたように、中小企業さん、あるいはベンチャーさんの育成というのは日本全体としての課題ですが、産業革新機構等、投資機関に入ってもらって、プロの目で我々の育てようとしているベンチャーさん、中小企業さんを一緒に育てていただくというような仕組み、これは今回特に新たに始めたものでございます。
 以上でございます。

【青木部会長】 ありがとうございました。
 ほかに、委員の方、ご意見、ご質問ございましたら、どうぞ。
 それでは、ないようですので、次に、科学技術振興機構の見直し案について審議をいたします。見直し案につきましては、今回、当部会で審議し、順次、分科会、総会において審議され、12月下旬には文部科学大臣によって決定される予定でございます。
 それでは、事務局より説明をお願いいたします。

【池田基盤政策課長補佐】 では、ご説明いたします。まず、この見直しですが、これは、独立行政法人通則法第35条に基づきまして、中期目標期間終了時に行うべきものとされているものでございます。また、この検討に当たっては、こちら文部科学省独立行政法人評価委員会の意見を聞くとともに、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会からの勧告の方向性も踏まえて行うものとされております。
 では、まず資料2のほうに移らせていただきます。こちらは、12月9日に政策評価・独立行政法人評価委員会におきまして決定されました、JSTに対する事務・事業の改廃に関する勧告の方向性の確定版でございます。
 資料2の1ページをおめくりいただきますと、別紙とございます。こちらは、JSTについての、次期に向けたコメントが載っております。
 まず前文といたしまして、独立行政法人として真に担うべきものに特化し、業務運営の効率性、自律性及び質の向上を図る観点から、国の財政支出の縮減にもつながるよう行うものと。また、次のパラグラフでございますが、昨年閣議決定されました「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」に基づく取り組み、こちらを引き続き着実に実施する。また、3点目でございますが、第3パラグラフに行きます。中期目標の策定に当たっては、達成すべき内容や水準等を可能な限り具体的かつ定量的に示すとともに、定性的な目標とせざるを得ない場合であっても、目標の達成度について第三者が検証可能なものとなるよう努める。以上、前文といたしまして、3点の指摘がございます。
 続きまして、個別の指摘に移らせていただきます。
 第1 事務及び事業の見直しでございます。まず、1点目といたしまして、研究成果等の国民生活への還元への明確化ということでございまして、こちらは、第2期から第3期に移るに当たりまして、事業の柱を5本から2本に再編いたしております。これに当たりまして、総務省からの指摘といたしましては、「科学技術基本計画」の趣旨を踏まえ事業を再編し、つまり、5から2です。展開するに当たり、再編によりこれまで以上に研究等の成果が国民生活へ還元される、あるいは還元されたことが国民に具体的にわかるような形で明らかにするものとすると。より一層の成果還元、それの対外説明を求めるということでございます。
 2番に移りまして、競争的資金の大くくり化に伴う効率化の推進でございます。こちらは、昨年の事業仕分けや昨年末の「事務・事業の見直しの基本方針」におきまして、大くくり化が求められておるところでございます。こちらについては、既に23年度、6事業を3事業に大くくり化しておりますが、これに当たりまして、さらに事業運営の効率化を図る観点から、審査や研究課題に係る各種業務の事務管理コストの合理化などの効果を具体的に明確にするものとする、とされております。
 次のページに移っていただきまして、3点目でございます。こちらは競争的資金配分の手続等のさらなる透明化の確保でございます。こちらは、戦略的創造研究推進事業についてでございますが、年間500億円の国費が投入されていると。その透明性を一層確保する必要があると。その観点から、例えば戦略目標達成の成否を左右する研究領域や研究総括等の選定に係る手順、選定の背景等の理由や経緯などをさらに具体的に明らかにするとともに、それらの選定が適切であったかどうかの事後評価を厳格に行うものとする、とされております。
 続きまして、第4点でございます。こちらは特許の活用の活性化と効率的管理の推進でございます。既にJSTでは、未利用特許等の整理を戦略的に進めているところでございます。これについて、改めて指摘をいただいております。内容といたしましては、JSTの考える戦略的な方針のもと、技術移転活動の活性化を推進。また、一方で将来の知的財産の活用の可能性及びその困難性を考慮しつつ、出願や審査請求等の際の必要性の検討の厳格化、また長期間未利用となっている特許の再評価による削減を計画的かつ継続的に行う。それにより、研究成果の活用の促進や管理の適正化を一層推進、とされております。
 5点目でございますが、こちらは科学技術文献情報提供事業の民間事業者によるサービスの実施を踏まえた経営改善計画の策定でございます。こちらも、昨年末の「事務・事業の見直しの基本方針」におきまして方針が示されておりますが、それを着実に実施するということ。こちらの新たな事業スキームのもとでの着実な収入見込みを踏まえた経営改善計画を策定し、累積欠損金の縮減を計画的に行う、と指摘されております。
 続きまして、第2 業務実施体制の見直しでございます。先ほど申し上げました文献情報提供勘定でありますとか、あと2年前の事業仕分けで指摘された、地域事業の廃止、イノベーションプラザの廃止等、また、研究員を直接雇用から大学や研究機関等への委託に変更するなどによりまして管理部門等の関係部門の業務が縮小等なされるという事情がございまして、これに伴う、定年制常勤職員でありますとか、任期付常勤職員、非常勤職員の計画的な合理化を図るものとする、とされております。
 第3でございます。次のページでございます。保有資産の見直し等とございます。こちらは、既にJSTでも不断の見直しを行っているところでございますが、それについてさらに指摘を受けているというところです。こちらで指摘を受けているのは、川口の法人本部でありますとか、つくばと東京都練馬区にある情報資料館や職員宿舎について、保有の必要性や分散設置の見直しが必要と見られるものがあることから、移転等のトータルコストなども踏まえつつ事務所等の見直しの徹底を図るものとすると。引き続き見直しを進めてくださいという内容でございます。
 最後に、第4でございます。業務全般に関する見直しですが、今回見直しの対象となっております法人、文科省は1法人ですが、他省庁にも多数ございます。こちらは共通で入れている事項でございます。特にこれに関しましてJSTに何か問題があるから載っているというよりは、共通事項ということで、並びで載っている事項でございます。
 内容を簡単にご説明いたしますと、1点目といたしましては、内部統制について、さらに充実・強化を図るということでございます。これについては、昨年、総務省が報告書を出しております。また、従前より業務実績評価においても内部統制について意見が述べられているところでございますが、こういった内容を十分踏まえまして、さらなる体制の強化に努めてくださいという内容でございます。
 2点目ですが、こちらは運営費交付金についてですが、債務残高の発生状況にも留意しながら、厳格に運営費交付金額を算定してくださいというお話でございます。現状、JSTの債務残高は問題とされるようなラインまでは達しておりませんので、一応こちらも参考ということになります。
 以上、資料2についてご説明しましたが、こちらが総務省からの勧告の方向性ということでございまして、これを受けまして、資料3のほうで文部科学省の見直し案というものを作成しております。個々個別事項につきましては、基本的にいただいた勧告の方向性をそのまま受け入れるということでございます。
 1ページめくっていただきまして、見直し案本体でございます。前文といたしまして、今後、科学技術振興機構が科学技術基本計画の中核的実施機関であることを踏まえ、具体的な検討を行い、次期中期目標・中期計画を策定する。この際には、勧告の方向性でも指摘がありましたが、昨年の「事務・事業の見直しの基本方針」に基づく取り組みについて、引き続き着実に実施する。また、現在、科学技術イノベーション政策推進のための有識者会議、こちらは総合科学技術会議に設置されておりますが、こちらにおいて検討されている科学技術とイノベーションを一体的に推進する体制の整備に関する結論が出された場合などには、その内容にも留意することとすると。こちらはまだ検討中でございますが、結論を踏まえてJSTもまた、それに沿った体制変更が必要な場合は、それも踏まえて中期目標・中期計画を立てるということになります。また、こちらは勧告の方向性と同様でございますが、目標については、明瞭性・客観性を備えるよう、具体的かつなるべく定量的にという目標設定を努めるということとしております。
 以下、第1から第4まで、先ほどご説明いたしました勧告の方向性と同じ内容を規定しておりますので、今回、この部分についての説明は割愛させていただきます。
 続きまして、見直しとは少し異にしますが、今年7月、8月にご審議いただきました平成22年度の業務実績評価の結果に対する総務省からの二次評価につきまして、あわせてご説明させていただきます。資料4をごらんください。1ページ目が概要でございまして、2ページ目以降が実際の総務省から来た二次評価結果でございます。1ページ目に基づいて、簡単にご説明いたします。
 今回、総務省からの意見といたしましては、全体の共通事項が4点、個別に指摘を受けた法人が2法人でございますが、JSTについては個別の指摘事項はございません。ですので共通事項について、簡単にご説明いたします。
 まず1点目ですが、昨年の政策評価・独立行政法人評価委員会の通知にあります「主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」を踏まえ、要するに内部統制の充実・強化に資するように評価のさらなる充実を図ることが重要であると。
 2点目、こちらは勧告の方向性とも重複いたしますが、昨年の「事務・事業の見直しの基本方針」に基づく措置事項について、今後の評価でフォローアップしていくこと。
 3点目については、現在、行政刷新会議において検討を進めている独立行政法人の組織・制度の見直しの結論が出された場合に、今後の評価に当たって、その内容も留意すること。
 4点目といたしまして、3月に発生しました東北地方太平洋沖地震により独立行政法人の業務に影響が生じているということにつきまして、来年度(23年度)の評価を行う場合には、震災の影響で目標が未達成となった業務については、震災との因果関係などについて精査し、厳格な評価を行うことが必要であると。
 以上、4点が共通事項でございます。
 なお、参考ではございますが、この二次評価の資料の中で実は、内部統制の充実・強化を行う上で参考となる法人における取り組みといたしまして、科学技術振興機構が紹介されております。先ほど勧告の方向性でも内部統制の充実・強化をうたわれておりましたが、良好事例としても取り上げられておりますので、ご紹介いたします。
 内容といたしましては、理事長によるマネジメントの一環ということで、週1回の理事長・役員間の早朝会議、また、独法評価の指摘や整理合理化計画に対する対応状況や予算の執行状況についての事務担当へのヒアリングの実施、また、コミュニケーションを図る場の設定など、理事長の意思を役職員に深く浸透させるような取り組み、また、法人ミッションについても、中期計画、年度計画に反映しており、課レベルまでブレークダウンして、年間行動プランに反映させることで周知されているなど、そういったところが良好事例として評価されているところでございます。
 駆け足ですが、資料2、3、4についての説明を終わります。

【青木部会長】 ありがとうございました。
 それでは、本件に関しまして、ご審議をお願いいたします。
 それでは、私のほうから1つ。内部統制の充実・強化ということで、総務省のほうからJSTについては一つのいいモデルということでここに出ているわけですが、こういう意味での内部統制、方針をきちっと機構の中で上から下まで把握するという意味では非常にいいのですが、普通、内部統制といいますと、予算の執行、それがどのようにきちっと行われているか。当然きちっと行われなければいけないのですが、ある意味では、JSTが支援している研究者あるいは研究機関での研究開発に対するお金の使いやすさというか、そういう点と矛盾する部分もあるわけですね。あまりにがちがちにやるとあまり生産的でないところにお金というか人をたくさん使わなければなりませんし、その辺のところについては、ともかく不祥事があっては全くいけなのですけれども、運営上の配慮といいますか、その辺が非常に重要じゃないかなと思いますので、その辺はよく勘案して運営していただきたいなと思います。

【川上理事】 そのとおりでございます。正当に使うことと、研究の進捗に応じて効果のあるように使うこと、これは両立しなければいけないということで、特に、最近、直接に執行することから委託に切りかえておりますけれども、委託先においてその辺が硬直化しないように、いろいろお願いをし続けてございます。その結果、委託先での繰り越しとか、そういうようなことの利便性というか、むだな事務的な作業というのでしょうか、そういうものはなるべく削減をするように、努力をさせていただいております。その辺がこれから成果となって出てくるものと思います。

【青木部会長】 ありがとうございます。ほかに。土屋委員。

【土屋委員】  ちょっと伺いたいのですが、今の、さっきから同じことを考えていたのですが、委託の場合の委託先での不祥事というのは、こちらの委託元の内部統制で何とかなるものなのですか。

【川上理事】 委託先におけることは、もちろん委託先において処理をしていただかなければいけないと思います。すみません、土屋先生。

【土屋委員】 要するに、いろいろな不祥事は、多くの場合に、大学であるとか、大体委託先で起きているだろうと思うので。そこはそれなりの、あちらも当然内部統制がかかっていることですが、比較的緩いというのが現状だということだろうと思います。こちらの努力、要するに、その辺についてちゃんとやりますと言わないほうがいいのではないかという、変な提案なんですけれども。つまり、できないことをやりますと言うのはまずいのではないかなということで、それはもちろん、実際に執行していない以上はしようがないという気がするのですが、何かその辺、うまいやり方というのはあるのかどうか。あるのであれば、伺いたいのですけど。

【眞峯理事】  直接のお答えになるかどうかわかりませんが、最近の不正事例を見ておりますと、文部科学省から不正防止ガイドラインが出る前の事例が非常に多く見受けられまして、私ども、額の確定等の簡素化等、事務の簡素化等を進めておりますけれども、基本的には大学の不正防止ガイドラインにのっとった大学さんに対しては、私ども、いろいろな統制の強化ということについては相対的に緩めていこうというふうに考えておると。そういうガイドラインがまだ守られていない大学さんに対しては、引き続きいろいろ額の確定等について進めていこうと思っておりますけれども、そこは大学との相互理解・相互協力の関係のもとに進めてまいりたいというふうに考えております。

【土屋委員】  例えば、1つ考えられるのは、委託といっても競争的資金ですから当然提案をとるわけで、提案の段階で内部統制がどのぐらいできているかということを委託先として選択するときの条件にするというのは当然あり得ると思うのですが、そういうことは行われているのかどうかということと、それから、一たん不祥事があったような委託先に対して、いわば最終的に選択先を決めるときに減点して評価するというような可能性も十分考えられる、つまり懲罰的にやるということも十分考えられると思うのですけれども、その辺については何か方針を考えられているかどうかということなのですが。

【青木部会長】 川上理事。

【川上理事】  まず、課題選択においては、内部統制を勘案して審査をするというよりも、選ばれたものに対していかに相手サイドの内部統制に応じて不正を起こさないように管理をしていくかという、こういう発想で臨んでいるものというふうに理解しております。
 それから、懲罰的な制裁的なという観点については、既に研究のガイドラインの中で不正を起こした研究者については競争的資金の申請の一定期間の停止処分などが行われますので、それに従ってJSTとしても停止処分というのは厳格に行っているところでございます。

【土屋委員】  それはあくまで、研究助成の場合には微妙なのですけれども、典型的には科学研究費補助金のようなものは個人に対して助成するという形をとっていると思うのですが、今問題になっているのは、実際そういう受け取ったお金を執行しているのは機関でやっているという形になっているので、機関であれば当然、内部統制というのは定義することはできるので、それを機関の責任だというふうにすることはできないのかという問題だと思います。つまり、立派な研究者というか、今まで業績のあった研究者ということで出していったりするわけですけれども、実際の執行というか、委託契約は別に研究者個人とやるわけじゃないですよね。

【川上理事】  じゃないです。

【土屋委員】  機関同士でやるわけですから、当然それは機関と機関の間でチェックすべきことなのだろうと。そうすると、内部統制が委託先の機関でどのぐらい実施されているかとか、それから過去においてそれがどのくらい壊れちゃったかとか、ということに関してのチェックというのは、委託先の選択において考慮されてもよろしいのではないかなという感じがします。最後のは、意見です。

【青木部会長】 それでは、ほかに。岡山委員。

【岡山委員】  見直しの指摘の項目に関しては、全体としてはこんなあれじゃないかと思うのですが、1点だけちょっと、JSTが組織としていろんな経費をむだ遣いしなさんなというのはいいのですけれども、もう1つ、非常に重要なのは、研究でむだ遣いしている可能性があんまり指摘されないし、一体全体そこでどれだけきちんとやろうとされているかというのがよく出てこない。研究のときのむだ遣いというのは、これは基礎研究を言っているのですけれども、お金がある程度レベル以上あっても、全然意味ないんですね。逆に、お金があり過ぎると、大体だめになるのですよ。というのは、知恵を絞らなくなる。お金があって、何でもかんでも買ったらいいのでね。そういうところはやっぱりきちんとやる必要があるのではないかと思います。
 これは非常に昔の例なのですけれども、アメリカのハワード・ヒューズのインスティチュートで予算を執行するときに、ある程度計画を出すのですが、その中で、例えばたかだか50ドル程度の雑誌1冊を購入するのにも、そこの大学でそれをとっていたら、これは要らないじゃないですかと。一方で、もしやっている研究にどうしても必要なあれだったら、数千万のやつでも買ってあげると。そういうふうな態度でやっている。今もそうかどうかわかりませんけれども、そういうことを昔聞いたことがあるのですね。
 そこのところは非常に大きな経費の節約ができていて、なおかつ最終的な成果の出る量と質も棄損することがないようにできるのではないかと。私自身も大学でやっていて、これは結構むだになっているなというふうな、例えば物品の購入でもそうなのですけれども、それもありますし、それから、実際に研究経費が多過ぎると教室員の使い方が荒くなってきて、よくよく考えない。その点に関しては、どこのあれもこういうふうな指摘をされたことをきちんと見たことがないのですけれども、これからJSTとして非常に大きく発展する上でやっぱり必要な項目ではないかと思うのですね。

【眞峯理事】  最近は、研究総括の方も、大学だけではなくて、企業の方もふえてこられまして、特に企業のご出身の研究総括の方は、研究管理イコール予算管理と。予算をきっちり管理しておけば研究も管理できるのだということで、年間の計画を立てる際に予算計画も立てまして、その進捗をしっかりフォローするというような形で進めているということが1点目。
 それからもう1つ、研究資金、あるいは研究成果そのものの進捗につきましては、研究総括の方が、これは総括の方一人一人の個性にも依存するのでありますけれども、サイトビジットを行いまして、研究成果がどの程度出ているのか、研究進捗はどのように執行されているのかということをレビューしながら研究の進捗を見ているというようなことを進めて、今、岡山先生がご指摘いただいたようなことにつきましても、なるべくきめ細かなフォローができるように進めているというところが、現状でございます。

【青木部会長】 理事長。

【中村理事長】 今、岡山委員から大変重要なことをご指摘いただいたのですが、私も昔は研究者の端くれだったのですけれども、場長にお金をもらいにいきますと、成果を見せろと、あるいは成果の兆しを見せろと、そうしたらお金をつけてやると。装置がないのに成果は出ないじゃないですかと。頭で考えて工面すれば成果は出ると。そういうことを厳しく言われましたが、ぴかぴかの装置を買って何とかしないと研究成果が出ないって、多分そうじゃないと思うのですね。その辺は、我々もよっぽど気をつけないと、大変貴重な税金をむだ遣いするだけじゃなくて、研究者自体をスポイルすることが非常にあると思うのですね。したがいまして、実際にどうするかなんです。私はやっぱり、最初の配分は少し厳し目にやって、いい兆しが出たものは加速するために必要なものをつけると、そういうようなパターンに持っていかないとだめかなあと。そのためにどうするかというと、結局、今、眞峯理事も言いましたように、総括の方とか、あるいは我々自身が現場によく出向いて、現場で何が起こっているかというのをきちんと把握することが非常に重要かなあと思っております。どうもありがとうございます。

【青木部会長】 ほかに、ご意見、あるいはご質問ございますか。橋本委員。

【橋本委員】  今、例えばことしを振り返ってみますと、震災ですとか、タイの洪水ですとか、ヨーロッパの財政問題ですとか、世の中が非常に激しく変化をしていると思います。そういった中で、効率化、スリム化というのは非常に重要なことだとは思うのですけれども、一方で、そういった世の中の変化に対するフレキシビリティーですとか、あるいは世の中の変化に迅速に対応していくということも、必要だと思います。そういう意味で、いわゆる効率化も重要ではありますけれども、あまりにもスリムになり過ぎて、世の中の変化に対する――例えば、我々、企業のグローバルの中での競争条件というものをいろいろ調べて戦うわけですけれども、1年たったらその前提条件が変わってしまうということが多々あります。そういう意味では、世の中の変化があまりにも激し過ぎて、そういった変化に対する追従性というところは、やはり大きな組織であっても持ち合わせていないといけないのではないかというふうに思っています。そういったところをぜひキープしていただきたいなという、お願いでございます。以上です。

【中村理事長】 ただいまご指摘いただきました点については、JSTでは理事長裁量分を常に確保して、不測の事態に備えたり、あるいは先ほど申しましたように加速したいというようなときに思い切ってアクセルを踏んだり、そういうのに使うということをやっておりまして、今回の震災におきましても、それでもってかなりスピーディーに幾つかの施策が対応できたなと思っています。予算の管理についてはきちんとしなきゃいけないということもあるのですが、あるパーセントは、理事長の裁量枠というのはこれからもきちんとキープしたいと思っております。

【青木部会長】 ほかにございますか。
 それでは、ないようですので、見直し案に関しましては、審議を終了させていただきます。各委員からいただいたご意見を踏まえまして、修正が必要な場合には、部会長預かりということでお願いいたします。なお、先ほど申し上げましたように、今後、科学技術・学術分科会、その後に総会においても、審議いたします。
 それでは、最後に、今後のスケジュール等につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

【池田基盤政策課長補佐】 資料5でございます。次期中期目標・中期計画策定のスケジュールでございます。本日12月12日が、こちらJST部会でございまして、見直し案についてご審議いただきました。また、明日分科会、15日には総会が開催されまして、そこでもまた見直し案が審議されます。その結果を踏まえまして、12月下旬には文部科学大臣決定となる見込みです。また、来年でございますが、1月~2月、JST部会、現在、日程調整をさせていただいておりますが、2日程度ないし予備日も含めて3日ぐらいですが、2日程度で審議をいただきまして、2月~3月にかけまして財務省と協議という形になっております。中期目標につきましては2月末、中期計画につきましては3月末の決定・承認を予定しているところでございます。年明け、少々間が詰まっておりますが、お忙しいところではございますが、ぜひご審議方よろしくお願い申し上げます。

【青木部会長】 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもご協力ありがとうございました。

午前11時53分 閉会

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局基盤政策課

(科学技術・学術政策局基盤政策課)

-- 登録:平成24年03月 --