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国立科学博物館部会(第28回) 議事録

1.日時

平成18年8月7日(月曜日) 13時30分~16時45分

2.場所

経済産業省別館共用1111号会議室

3.出席者

委員

山本委員、樫谷委員、中川委員、永井委員、濱田委員、江上委員、堀委員、松野委員

文部科学省

中田大臣官房審議官、行松社会教育課地域学習活動推進室長、その他関係官

オブザーバー

(法人)
 北村理事、西村次長、平野広報・サービス部長、前田展示・学習部長、松原地学研究部長、真下財務課長、その他関係者

4.議事録

(○:委員、●事務局・法人)

(1)平成17年度事業評価及び中期目標期間における業務の実績に関する評価について

 事務局より資料2、3、4及び参考資料3の説明がなされたあと、平成17年度及び中期目標期間の項目別評価における評定について審議を行った。各委員からの主な意見等については次のとおり。

【項目別評価】

1.平成17年度評価
(衛星通信等の活用状況について)

○:通信機器が老朽化し、運用コストがかかるため、中止することは納得できるが、それを踏まえて、どのような評価を行えばよいのか。2番組(再放送)の放送では少ないと見るのか、老朽化しコストのかかる放送を行わなかったことが評価されるのか、判断ができかねたので、評価は困難と感じた。

●:衛星放送を導入した時期と比較すると、かなり状況が変わっており、コストの面からもインターネットへの移行が望ましいと考えている。また、メディア特性としても、どちらも双方向性であるが、インターネットはいつでも好きなときに受信が可能であるメリットがある。インターネットの方が学習者の便宜の面からもよく、また、コスト面からも圧倒的に低廉である。

○:厚生労働省所管のアビリティガーデンというホワイトカラーを対象とした能力開発の施設があり、そこも同様に衛星通信によるサテライト教育を、10年ほど前に旧総務省・郵政省が各省庁と連携し政策として推進した。現在は大幅な赤字事業となっており、廃止の方向で進められている。

○:関連機器が老朽化して廃止するということだが、財務諸表上簿価はいくら残存しているのか。

●:平成17年度に除却している。

○:文部科学省では、平成20年度から衛星通信からインターネットへ切り替えを行うため、基本設計の段階に入っている。ただ、コンテンツは良いため、著作権処理をしてインターネットでも使えるようにしようとしている。

○:この項目については、次の中期計画ではどのように位置づけられるのか。インターネットの項目が別に新たに出てくることになるのか。

●:次の中期目標では、別の箇所にホームページの活用(コレクション等)として記載している。また、サイエンスコミュニケーターといった養成機能を高める取組について、大学等との連携により、オンデマンド方式でインターネットを活用しコンテンツを流す準備を進めている。

○:ハードは時間がたてば古くなり新しい技術などで更新されるが、ソフトは有効に活用できるようにしてほしい。

(全国ボランティア研究協議会の実施状況)

○:全国ボランティア研究協議会の参加については、地方も財政状況が厳しい中で参加経費をなかなか捻出できない状況が推察される。

○:次期の年度評価において、協議会の実施状況についても評価をする必要があるが、どのような目標をつくるのかということと、予算の厳しい中でどのような対応を地方の博物館に対し行うのか、という2つの課題がある。そのような点を考慮して適切な評価指標をつくる必要がある。

○:全国ボランティア研究協議会となっているが、地域ではそのようなことはやっていないのか。地域毎であれば参加経費はさほどかからないのではないか。地域でできることは、地域で行えばよいのではないか。

●:現在、ボランティアについては文部科学省でも積極的に推進しているが、地域毎で必ずしも組織化されて行う状況ではない。

(研究成果の公表、普及の取組状況)

○:研究成果の公表と普及では、一見似ているが内容は違うのではないか。研究論文等を作成・発表されている取組については十分行っているが、研究成果の普及について具体的に説明願いたい。

●:研究成果の普及の具体的な取組としては、日々の研究成果を展示に反映させたり、土日に研究者がディスカバリートークといって、自分の研究成果を来館者に分かりやすく伝える取組を行っている。さらに、「かはくニュース」という冊子で研究者が解説を行うほか、展示や講演、テレビ、新聞等を通じて発信している。この項目では、研究をそのまま発表する場合と研究をわかりやすく再編して、一般の方に紹介していくことの両方の観点があると考えられる。

○:次の評価指標の設定に向けて議論があると思うが、そのような研究成果を認知する観点とか素材をもう一度列挙するとともに、これまでのアウトプットを中心に見る評価だけではなく、例えば、科博は全国の教員に対して大きな支援を行っているので、支援の効果を定点観測したデータなども判断材料にしたらどうか。

 審議の後、平成17年度事業評価の項目別評価の評定については、審議のとおり決定することで、出席委員全員の了承を得た。

2.中期目標期間評価
(館長裁量経費について)

○:館長裁量経費について、件数が増えているのは分かるが、内容について中期目標期間でまとめて評価するのは難しい。今後は年度評価の対象としたらどうか。

○:館長がどういう研究戦略を打ち出すかを明確にした上で無ければ、評価する上で分かりにくい。配分件数だけで評価するのであれば、館長の戦略に基づいて新たに取り組まれるのではなく、元々あった研究に館長裁量分として名目上区分することとの区別がわからない。

○:日本の博物館の7割は公立である。公立の博物館は予算が厳しい中で、予算をやりくりして、非常に狭い幅で研究を行うしかない。例えば、急に鯨が漂着して、この鯨が非常に貴重な資料・研究材料になり得るもので、この研究を至急行う必要が生じた場合、既に配分された他の研究費をかき集めるというのは、非常に困難な話である。こういった場合に、館長の判断で取り組むことができる経費があるということは、重要な意味がある。

○:機動的な研究体制を保証するということで、この経費は評価できるということか。

○:少しずつ均等に配分したのでは意味がないため、件数ではなく、どのような内容で使われたかが重要である。

○:このような内容も含めて、次期中期目標期間の評価フォーマットに反映していきたい。

(自己収入の増加)

○:決算時には、当初想定していない収入が多く計上され、結果的には計画を大幅に上回っている。計画段階で、ある程度織り込めるものは、きちんと織り込んでいないと、本当の意味で目標を達成したとはいえないのではないか。自己収入にも入館料収入を始め、様々なものがあるが、想定できるものは計画に入れ込み、かつ、それぞれにおいてどのような達成をするのか、詳細な計画を立てていただきたい。固定経費についても同様である。

 審議の後、第1期中期計画及び中期目標期間の項目別評価の評定については、審議のとおり部会としての案を決定することで、出席委員全員の了承を得た。

【全体評価】

 事務局より資料5について説明がなされたあと、平成17年度事業評価の全体評価については、今回各委員からいただいた意見を含めた案について部会長に一任し、事務局と調整の上決定し、文部科学省独立行政法人評価委員会総会に報告することで出席委員全員の了承を得た。また、中期目標期間の全体評価についても同様に部会長に一任し、事務局と調整の上、文部科学省独立行政法人評価委員会総会に部会としての評価案を提出することで出席委員全員の了承を得た。また、各委員には当該資料の確定次第速やかに送付することとした。

(2)第2期の評価方法等について

 続いて第1期中期目標期間を踏まえた第2期の評価方法等について意見交換が行われた。各委員より出された主な意見は以下のとおり。

○:博物館の使命として、資料を収集し、研究し、成果を市民に還元していくことがある。科博のホームページはこの数年でかなり充実してきており、多くの情報を得ることができるようになった。科博と他の単なる研究機関と違う点は、資料の価値をいかに市民に還元できるかである。資料というものは、少なくても大変貴重なものもあり、多くあっても情報量の少ないものもある。単に点数の増加といった定量的な評価ではなく、総合的な評価を行うべきである。

○:ボランティアについても同様の考えで、数が大切なのではなく、その役割や必要性、使命などによって評価するべきで、数値は参考資料としてはどうか。

○:中期目標に対する全体評価は個別具体な評価ではなく、ミッションに対してどう働いたが根元になくてはならない。

○:評価の基準について、状況は刻々と変化しており、5年前の基準が適正であるとはいえないこともあるため、再検討が必要である。

●:第2期中期目標・中期計画において、5年間で20万点の標本資料の増加を数値目標として規定しており、これは評価指標として設定が必要。一方、中期計画において、質の高いコレクションの充実を規定しており、これをいかに評価していくのかについて、今後当部会でご検討をお願いしたい。

○:それぞれの目標に対して、大幅に突破したもの、ぎりぎり達成できたもの、達成できなかったものがある。財務的な観点で見ると、達成すればすべて良いというものでもない。例えば、経費のかかるようなものについては、目標に達しさえすればよく、大幅に突破する必要はないという考えもある。例えば5回を目標としていたものを、余剰資金があったので10回達成した場合など、10回必要であるならば、はじめから10回の目標を設定すべきであり、数が多ければよいという論理は対象によりけりである。財政の厳しい中で、仮に目標を達成した上で、余剰資金があれば、他に向けるべきではないか。

○:資料については、点数だけではなく、ミッションに沿ったものであるのかといった観点から見る必要がある。

●:標本については、単なる形態分類だけではなくDNAによって証拠を残しておくなど、今までと違った必要が求められている。また、標本論からいうと、貴重な古生物の標本など、実物とほとんど変わらないレプリカが出回っており、大学等でもレプリカを用いて研究を行うところも少なくない。標本資料の数以外の活用の点について、目標値を設定することは難しい。

●:科博の経営委員会においても、もっとミッションをクリアにすべきだという意見がある。博物館が目指すべきところを明確にして、それに対してどういった取組をしたのか等、国民が見て分かりやすい評価を行うことができるようにすべきだという議論がされている。単なる数値目標だけではなく、何に価値を置いているのか、そういったところを説明できるように努力したい。

○:ミッションとビジョンは違う。中期目標期間において、何に軸足をおいて何を強化していくか、ミッションにあわせてビジョンが重要となる。科博が行う価値創造とは何なのか、質的な評価をいかに定量的なものに置き換えるか方法論を確立する必要がある。

○:評価の基準として、例えば教育機関における影響度や専門メディア、専門媒体、一般にどういう影響を与えたのか、専門的な観点で評価する体系をつくる必要がある。

○:研究成果を一般にわかりやすく伝えることに重点を置きすぎると、研究者の負担が大きく、疲弊してしまうのではないか。サイエンスコミュニケーターの養成など、専門家との役割分担を明確にするべきである。

○:博物館の目に見える成果として、展示等のアウトプットに目がいきがちであるが、資料収集や研究といったインプットも非常に大切であり、両者のバランスが重要である。評価においてもバランスをとった評価をする必要がある。

○:ボランティアの養成について、これまで養成したボランティアが主体となって養成していくような仕組みを作ることはできないのか。退職教員など、生涯学習の実践者として、養成にかかわっていきたいと考えている人たちは多いのではないか。

○:経費の削減が求められる中で目的を達成するためには、重要なことに重点化するしかない。次期中期計画においては、何に重点を置いているのか、明確に分かるようにしていただきたい。

○:科博の事業は各分野で専門的な内容が多いので、次回の評価では、すべてを各委員が評価するのではなく、各分野を各委員で分担して行うことも考えてはどうか。

○:部会の中でチームを組んで視察を行い、結果を報告するなど、第2期は評価の新たな発展を行いたい。

○:この中期目標期間において分ったことは、科博の事業の内容は大変すばらしい内容で、実績も上がっている。課題は、経営と組織運営である。経営と組織運営について、どういった指標を設定していくのかが大きな課題である。

○:ナショナルコレクションという名称は、グローバルコレクション、インターナショナルコレクションとの使い分けをするべきではないか。

○:独法評価においては、毎年右肩上がりで数値が伸びることを良しとする評価が続いてきた。評価委員の反省としては、本当にこのような評価でよいのかという思いがある。例えば、来館者数が大幅に増えても、それが科博の許容範囲を超えるもので、来館者が本来得るべきサービスを十分に享受できないのであれば、それは来館者数が増えたとはいえ、良い評価をすることができないのではないだろうか。

○:全国には科学博物館が多数あるが、地方公共団体など財政難の影響で、非常に厳しい状況の施設もあると聞いている。そういった施設に、再生・統合といったマネジメント面での支援を考えられないのか。

●:科博も厳しい状況にある中で、単独で取り組むことは難しい。大学など他の機関との連携が必要である。

●:理科離れが指摘される中で、これまで科博でも学校との連携をおこなってきたが一過性でイベント的に終わっていた面がある。継続的な連携システムを構築できないかということで、モデル的に学校との連携の取組をおこない、成果を全国に普及することで新たな連携を生みだす仕組みをつくっていきたい。

○:科博の取組に対して様々な所で反応があったという実績を、もう少し特記事項に記載しても良いのではないか。

○:科学博物館の日本社会における経済的価値をいろいろな側面から調査すれば、例えば入館料の適正値や将来における来館者数の予測ができるなど、有効な調査研究となるのではないか。

 最後に、今後の評価スケジュール等を確認した後、散会となった。

-以上-

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

-- 登録:平成21年以前 --