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国立科学博物館部会(第36回) 議事録

1.日時

平成21年7月17日(金曜日) 16時~18時

2.場所

国立科学博物館大会議室

3.出席者

委員

山本委員、高木委員、中川委員、堀委員、松野委員、村井委員

文部科学省

片山生涯学習総括官、神代社会教育課長、岩佐企画官、その他関係官

オブザーバー

佐々木館長、北見理事、松原研究調整役、上野経営管理部長、徳岡事業推進部長、伊藤経営管理課長、阿部財務課長、他関係者

4.議事録

(1)国立科学博物館館長の挨拶
国立科学博物館佐々木館長より挨拶。

(2)事務局の異動の連絡

(3)平成20年度事業評価について
 事務局より、資料1~4、6、参考資料の説明。
 各委員の意見等は以下の通り。

【部会長】
 資料6について、前回お話に出たように、文部科学省の大臣官房政策課評価室と社会教育課、さらに、国立科学博物館で検討した結果、あらかじめ資料に国立科学博物館の自己評価をもとに事務局に留意事項を記入してもらい、それぞれ評価していただく。また、今までの評価部会の様子から、書面のみで判断できる項目に関しては書面で評価してもらい、議論が必要だと思われる項目を部会で評価する。その方が円滑に進めることができ、委員の負担も減らせると思うがどうか。

【委員】
 賛成

【部会長】
 委員も専門外の部分に関する評価には頭を痛めているという話はあったので、留意事項欄に記入があればかなり効率よく業務ができる。それでは、今回はそのような方法で行い、また修正が必要な部分が出てきたら修正する。
 また、評価委員会で常に話題としてあがることなのだが、数量的なものにおける質の面の評価についてはどうするのか。1つのやり方として提案すると、今までは小項目全てが評価Aであれば評価Sとなることができるという方法だが、全てが評価Aでなくても質が良ければ評価Sにしても良い。また、全てが評価Aとされていても内容が評価Sにし難いものは評価Bにすることが委員会の中ではあった。つまり、数値のみを一概に評価の対象とするのではなく、質を見るということである。まだ、ルール化はされていないが、そういう観点をいれる必要があると考える。
 また、国立科学博物館では見られないことではあるが、ある独法評価委員会では評価が悪すぎる事業に関し、取りやめを求められることもある。けれども、その評価は数的な判断のみされており、質的に考えると決してやめるべき事業でないこともある。そういう項目に対し独法評価部会でブレーキをかけることも必要なのでないかと思う。

資料5について、事前に委員から質問事項として頂いたことについて国立科学博物館から説明が行われた。

【部会長】
 今の説明について意見はあるか。

【委員】
 入館者数の減少について、どうして30万人減少したかという質問に対し、入館者には一定の変動はあるものと考えているとしか説明されていない。しかし、昨年30万人減少した理由は何か具体的な原因があるのではないか。ただ、変動があることだから仕方がないというのではなく分析してもらいたい。

【事務局】
 特別展として、平成20年度はダーウィン展、金ゴールド展、菌展、大阪万博展と実施してきたが、例えば菌展は内容としては地味で一般受けしない企画ということは初めから覚悟していた。ただし、研究者も抱えている国立科学博物館としての使命から、生物多様性とはどれだけ大事なのかをアウトプットしたく、社会的要請への対応から企画すべきと判断した。

【委員】
 昨年も同じ指摘をしたが、集客できない企画を科博の使命により行わなければならないことは十分に理解している。入館者数は減少しているが公営の博物館として社会的にどのような効果を上げたのか、プラスの評価ができるものを提示して欲しい。例えば、ある企画で最終的な入館者数はあまり多くなかったが、ターゲットとした客層は予想したより入館しており、企画の目標自体は達成できただとか、その入館者の顧客満足度を調査したら120%だったというような社会的、教育的な目標は達成できたと示して欲しい。ただ、地味な企画は客が入らないと言われては本当の科博の対応が見えてこない。

【事務局】
 数値的に出せるかどうかは難しいところだが努力する。

【部会長】
 平成21年度はどうであるか。

【事務局】
 秋から冬にかけては大学と協力して先端的な研究を各大学の特色を生かしPRする企画を立てており、集客数に関しては特別展と比較すると難しい部分があるかもしれない。

【部会長】
 了解した。しかし、2年続けて入館者数が減少したとなると数字だけを見る人にとっては批判的な判断をされることがある。そこで、地味な企画でも世間にこれだけアピールしている、新しいチャレンジをしているというような様々な工夫をして経営努力をしているところを見えるようにする。
 そして、もう一点は、先ほど委員の方からお話があったように、入館者を増やすことはできなかったが、これだけ社会的効果、成果がある企画であったとわかるものを明示して欲しい。
 当面の対策として入館者数の経年的な変動を示す数字を出し、特別展の内容によって入館者数の増減が分かれることが解るデータの提示でも良いと思う。
 また、経営努力に関して、一般にアピールする必要があり、新しいチャレンジも必要ではないか。あくまで例ではあるが、研究活動を映画やNHKでドキュメンタリーを撮ってもらうことなど、いろいろ工夫をして、経営努力をしていることが見えるようにすることが大事だと思う。

【委員】
 科学に関する関心度や博物館・美術館に関する情報源など博物館・美術館に関するインターネット調査を行っている。これは経営努力として評価できる。科博の使命の半分は、数に出てこないものであり、調査項目の中に科博の使命とは何か、また、それを望むか望まないかも含めて、問うことも必要で科博の理念を世間へ周知させる良い機会となると思う。
 また、一度も来館していない人をどう取り込むのか。今回の調査の科博のイメージを見ると「暗い」「つまらなそう」「堅い」と言う回答もあるが、まさに昔のイメージである。今はそんなことはない。このイメージを変えるためにも一回来館していただけるような働きかけを海外の事例を参考にしたりして検討して欲しい。

【委員】
 インターネット調査は今回資料に示してある以外にも調査してあるのか。

【事務局】
 今回は一部だけ資料としてお配りしたが、他にも調査はしている。

【委員】
 インターネット調査をどのように経営に活かしていくかということを今後期待する。

【部会長】
 入館者数の減少の件は、昨年、右肩上がりでなければペナルティを科す話があったが、修正してもらった。当たり前のことだが必ずしも右肩上がりでなくて、成長曲線なので横ばいになることもある。何が何でも、変なことをしてでも右肩上がりにする必要は無い。ただし、今回のように右肩下がりになったときはそれなりの理由が問われる。

【委員】
 どこの独法評価部会でも数値のみを評価の基準とし、数値が上がらない項目は評価をCにすることが蔓延している。部会長が言うように大変だけれども科博が企画展の入館者数の増減について分析して、その企画したターゲットから考えれば、これくらいの評価ができるというモデル的な例を作り、なりふり構わず数を追う評価をなくせるよう努めてもらいたい。

【事務局】
 了解

(新宿分館について)

【委員】
 国立科学博物館の新宿分館が筑波実験植物園へ移転する話があり、研究施設と研究者が一体化することは業務の効率化へつながると国立科学博物館側は言っていた。一方、標本資料を保存する場所が足りないという話も出ていた。新宿分館を筑波実験植物園へ移転するという決定はすでになされたのか。また、移転後の標本収納スペースは確保されているのか。

【事務局】
 基本的に移転は決定しており、使わなくなった新宿分館を持ち続けることは大変難しい。国に返すことになっており、売却となるとその部分の金額は移転費用とするなど考える必要がある。現在は移転後の新宿分館について明確にどうするかは決まっていない。
 スペースについては、新たに収蔵庫を建て、現在新宿分館の研究等へ入っている標本を入れる。また、筑波実験植物園にあるいくつかの収蔵庫を整理することで若干のスペースが増える。そのようにして、収納スペースを確保している。その後、実態をまた見ながら必要であれば今後要求していくことになると思う。

【委員】
 標本は永遠に増え続けるものなので、ナショナルセンターとしても、海外との比較からしても新宿分館は確保しておいた方がよいと思う。

【事務局】
 簡単にはいかないと思うが検討してみる。

【部会長】
 それでは、次に国立科学博物館にかかる業務の実績に関する評価のところで意見や質問はないだろうか。

【委員】
 COP10との関わりのなかで、ホットスポットという研究テーマで研究されているが、直接COP10とは関係ないということを聞いた。しかし、名古屋市が今度COP10の開催地として決まり来年は多くの外国人が日本に来ることが予想される。当然その人たちは国立科学博物館にも来ると思う。そこで、名古屋と相談しながらホットスポットの研究などをCOP10と関連付け、国立科学博物館のPRにつなげると良い。
 もう一つは、自然教育園の重要性についてである。研究と教育を一緒にできる施設であり、植物園でも動物園でも科学館でもない全体をまとめた自然と言うことで、東京都内にあれだけのものを持っているということはすばらしい。生物多様性条約と関連づけると、自然教育園の価値というのは、よりすごいものとなる。来年の生物多様性条約に実は関与しているという位置づけも考えてもらいたい。

【委員】
 GBIF(地球規模生物多様性情報機構)にも関係する。

【事務局】
 GBIFはCOP10とは直接には関係ないが、多様性関係の仕事としては国立科学博物館でも行っている。GBIFでの活動を意識して本年度からHPを作り直したりはしている。

【事務局】
 まず生物の標本資料を保存する。それから、形態学的に調べる、あるいは分子レベル、遺伝子レベルでの調査を行う。そして、調査結果を情報発信し、他の博物館と協力する。それが生物多様性の保存、保護に寄与するというように、それぞれ関与している。

【部会長】
 次に標本資料について意見があるか。

【委員】
 ホームページについてだが、一般の人がアクセスできるスタイルということですごく整備されたと感じた。ウェブを通して標本が誰でも利用できる形で見られることは良い。

【事務局】
 GBIFの専門的なものもありホームページでは、いくつかの項目、分類ごとに見やすい図鑑的な構造にしてある部分もあり工夫を施してある。

【委員】
 学校の先生方はその図鑑的な部分をよく利用しているようで、資料の有効活用という意味ではとても評価できる。

【部会長】
 展示と教育普及についてはどうか。

【委員】
 教育普及では、研究者が講座や教員免許プログラムまで行っており、評価できる。一方、研究がおろそかになっていないかが心配である。

【事務局】
 講座等は研究者でなく、若干研究的な色彩が強い学習企画・調整課という事務系部署で行っている。

【委員】
 教育的な要素が入るので研究的な視点からは大変であろう。

【事務局】
 担当は、高校や義務教育の先生を経験して国立科学博物館に来て、大学の学位を取ったという人や、国立科学博物館で採用になって教育担当を専門にやっているという人が中心であるのでできる。

【部会長】
 続いて、業務運営の効率化についてどうか。

【委員】
 項目39の利益余剰金・繰越欠損金という項目がある。中に運営費交付金の収益化基準について、費用進行基準のみの適用から業務達成基準、期間進行基準及び費用進行基準の併用に移行したという事実が書いてあり、決算書の中にもその説明がある。これは会計処理の変更としては非常に有意義であり、すばらしい努力だ。ただ、まだ非常に業務達成型の比率が少ないのではないか。もし少ないとしたら、例えば人件費などに業務達成型を導入することも考えてみると良い。いずれにしても、昨年までは費用進行型であった。費用進行型とは、要するに運営費交付金を国から頂いたときに、それを博物館の収益として認識するときに、どういう考えを持つかという事である。業務達成型は、業務を達成したのを収益として見なすのに対し、費用進行型は費用を使った分だけやったとみる。多くの独立行政法人が技術的にできないために費用進行型をとっているが、一部でもこの業務達成型に移行する姿勢は非常に高く評価できる。

【事務局】
 なかなか経験のない部分なので、やっていきながら調整する。

【部会長】
 今日のことを参考にそれぞれ評価を行っていただきたい。

(4)その他

 評価フォーマットの評価方法の説明が事務局より行われ、今後のスケジュールについて事務局から説明があり、散会となった。

── 以上 ──

 

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

-- 登録:平成22年02月 --