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国立科学博物館部会(第34回) 議事録

1.日時

平成20年7月25日(金曜日) 15時~17時30分

2.場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

3.出席者

委員

山本委員、柿崎委員、高木委員、中川委員、堀委員、松野委員、村井委員

文部科学省

寺西大臣官房審議官、森社会教育課長、栗原企画官、その他関係官

オブザーバー

北見理事、松原地学研究部長、平野経営管理部長、上野広報・サービス部長、前田展示・学習部長、他関係者

4.議事録

(1)平成19年度事業評価について

 事務局より、業務の実績に関する評価フォーマット(資料2)、評定状況等一覧(資料3)、評価の評定方法等について(参考資料1)、業務実績評価の取組について(参考資料2)に基づいて説明。また、評価フォーマット補足説明資料(資料4)に基づいて説明。

【部会長】
 項目別の評価を確定しないと全体が定まらないので、評定状況等一覧(資料3)を1つ1つ確定したい。検討の手法については、小項目の評価をもとに中項目、中項目の評価をもとに大項目を決定したい。その上で、A評価のうち特段優れた事項に対してSを、C評価の内特段問題のあるものにFを付したい。また、評定が確定した後、業務の実績に関する評価フォーマット(資料2)、評価結果を踏まえた予算等への主要な反映状況(資料5)を検討していく。

(自然史、科学技術史研究の状況)(A:9名)

【部会長】
 委員全員がA評定のため、A評定とする。

(研究者等の人材育成の状況)(A:7名、B:2名)

【委員】 
 資料にはどこの大学から何人受け入れたということは説明されたが、その人数の示すところが育成状況の中でどういう意味を持っているのかが分からない。今年は人数だけで見れば減っているが、受け入れられる人数のキャパシティーもある。しかし、その後どのように活躍しているかを追跡していないという点が気に掛かる。コメントにも計画の具体性が低いため達成度の判断が難しいとある。人材育成は重要な課題なので、具体的なビジョンを持って事業を進めていただきたい。

【委員】 
 計画の目指す水準がはっきりしないので、評価が非常に難しかった。

【委員】 
 人材育成というのは、受け入れた人数だけで判断できるものではないということを踏まえると、評価になじまない項目なのではないか。実際に国立科学博物館で研修を受けた人材が活躍しているという事例は相当数存在している。しかし、それをどのように評価していくかというのが難しい問題。
 このような人材育成こそが、ナショナルミュージアムとしてのあるべき姿だと思っている。それを評価として表わしていくことは極めて難しいので、受け入れ人数や開催回数といった評価としてあらわしやすいほうにどうしても移行しがちである。

【委員】
 実績には「知の創造を担う人材を育成する」とか、「全国の科学系博物館職員等の資質向上に寄与する」ということを書かないと意味がないのではないか。この項目を評価するにはこの部分に触れなければ意味がない。

【事務局】
 平成14年からの連携大学院生40人の追跡調査を行った。常勤の研究職についている者が10名。非常勤の研究職が2名、学術振興会の特別研究員が2名、非研究職が12名、学生が11名。その他2名という結果であった。即時に活躍するわけではないということもあり、この項目については単年度の成果が出しにくく、説明に苦慮している。

【委員】
 国立科学博物館の後継者育成というのは非常に重要なことだが、ここで言っている社会的な貢献というのは、日本の博物館をグレードアップしていくために、ナショナルミュージアムとしての国立科学博物館が人材の育成に対してどれだけの努力をしているかということである。

【部会長】
 基礎研究分野の後継者が少なくなっている。最近は遺伝子研究等のスポットライトを浴びる研究分野に人が流れている。そのため、基礎的な研究を担う国立科学博物館の役割は非常に大きくなっている。大学は標本をつくることができなくなっている。基礎的な作業ができるのは国立科学博物館しかないという状況がある。
 基礎分野の研究者が減っているというのは理系のみならず、文系においても同様の問題を抱えている。本件については深刻な問題が背景にあるので、実績には国立科学博物館としての使命や役割といった理由を記載するとよいのではないだろうか。

【部会長】
 委員の評定の内、Aが7名、Bが2名のため、A評定とする。

(国際的な共同研究、交流の状況)(A:7名、B:2名)

【部会長】
 委員の評定の内、Aが7名、Bが2名のため、A評定とする。

(地球と生命の歴史、科学技術の歴史の解明を通じた社会的有用性の高い自然史体系・科学技術史体系の構築)

【部会長】
 この中項目は全員がA評定であり、また、3件の小事項が全てA評定であるため、A評定とする。

(標本資料の収集・保管状況)(A:8名、B:1名)

【委員】
 五年間で20万件という中期目標に定めた標本資料を収集すると、保管場所についても考えなければならないが、それが見えない。博物館の役割は物を集めて次代に継承することである。そのため、保管・展示に関する計画も分かりやすいようにとりまとめる必要がある。

【部会長】
 委員の評定の内、Aが7名、Bが2名のため、A評定とする。

(標本資料情報の発信状況)(A:9名)

【部会長】
 委員全員がA評定のため、A評定とする。

(標本資料及び情報に関するナショナルセンター機能の状況)(A:9名)

【委員】
 S-NETは、学校との連動の中で使うことができれば、画期的に理科の教育などは変わるのではないか。アクセスの内容として学校の教育現場や研究者からどれくらいアクセスがあり、そのように活用されているのかを公表すれば非常に大きなインパクトのある社会貢献になるのではないか。

【部会長】
 委員全員がA評定のため、A評定とする。

(ナショナルコレクションの体系的構築及び人類共通の財産としての将来にわたる継承)

【部会長】
 この中項目は全員がA評定であり、また、3件の小事項が全てA評定であるため、A評定とする。

(展示公開及びサービスの状況)(A:9名)

【委員】
 この項目が国立科学博物館の最も成果を上げた点ではないだろうか。

【部会長】
 委員全員がA評定のため、A評定とする。

(学習支援事業の実施状況)(A:9名)

【委員】
 この項目も、評価に値する取組であった。幼稚園の園長先生まで含めた委員会を設けて、どうやったら支援できるのかという具体的な支援のプログラムまで作っているので、非常に実践的な取組となっている。しかし、今後事例集等にまとめられないと、学校側が対応できないおそれがある。具体例がまとまってこそ、学校側は活用する。また、高齢者まで視野に入れているという点も評価したい。

【部会長】
 委員全員がA評定のため、A評定とする。

(日本全体を視野に入れた活動の状況)(A:9名)

【部会長】
 委員全員がA評定のため、A評定とする。

(知の社会還元を担う人材育成の状況)(A:8名、B:1名)

【部会長】
 委員の評定の内、Aが8名、Bが1名のため、A評定とする。

(科学博物館の資源と社会の様々なセクターとの協働による、人々の科学リテラシーの向上)

【部会長】
 この中項目は全員がA評定であり、また、4件の小事項が全てA評定であるため、A評定とする。

(国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するため執るべき措置)

【部会長】
 この大項目は全員がA評定であり、また、3件の中事項が全てA評定であるため、A評定とする。

(管理運営・組織の状況)(A:8名、B:1名)

【委員】
 満足度調査や人事評価に取り組んでいるといった事実関係はよく分かるが、調査の結果をどのように活用して改善されたのか、あるいは人事評価がどのように有効に導入されているのかといった活用事例の記載がないため評価を落とした。

【部会長】
 委員の評定の内、Aが8名、Bが1名のため、A評定とする。

(経費の削減と財源の多様化の状況)(A:8名、B:1名)

【委員】
 入場料の値上げについて、値上げ回避努力の有無に関しては開示されていない。日本館のオープンに伴う入場料の改定という簡単な説明だけで500円から600円に上げたということだが、100円値上げするということは20%も上がるということになる。これは大変なことで、一般消費者対象なら売上げの減少を覚悟しなければならないし、大変な努力をして客を説得する必要があるはずだ。科学博物館というのは完全に独占事業なので100円上げたということで入場者数に影響するということはないと思うが、理由や経過の説明がされていないなどあまりにも不親切である。コスト削減の努力はされているのか。

【事務局】
 値上げに際してのコスト計算は、民間的な観点からすると弱いのかもしれない。一方、入場料収入は経費の中で10%強程の割合なので、収入をもっと上げろという声があるのも事実である。そのような経緯から入場料を上げたのだが、自前のコストをまず削減するとか、コスト計算を厳密にやっていくとかという部分については若干弱いところがあるのではないかと、指摘を受けて改めて感じた。

【委員】
 財務諸表において15万円しか利益が出ていないということは、値上げをしなかった場合は赤字ということなのか。

【事務局】
 そこのところは、独立行政法人の会計の仕組みはまたちょっと変わっており、まだ事業を行っていない部分での運営費交付金債務という整理があり、その部分が繰越のような格好で表されている。よって、現金で15万円しか残っていないという意味ではない。

【委員】
 それはキャッシュフローにより理解できる。確か昨年対比で4,000万円ぐらい、100円上げて入館収支比率があがった。一般的な常識から見ると100円上がったからよかったと考えた。
 だから、非常に私としてはそれが不思議なほど低い利益だと感じた。独立行政法人の損益計算はわかりづらいが、でも普通の企業からいうと、これだけ入館者が入って15万円しか営業利益が出ていないとは非常にわかりづらい印象を受けた。

【委員】
 運営費交付金債務の話があったが、会計の方法として成果進行型ではなくて、費用進行型でやっているのか。そうすると、最終的なプラスマイナスに出るかどうかということは、全然関係なくなる。100円上げたら運営費交付金をたくさん使わなくて済み、上げなければそちらの残りが少なくなるという関係にある。

【事務局】
 委員から指摘のあった費用進行の話について、昨年の11月に独法の会計基準の改正があった。当館でもいわゆる費用進行型ではなくて、業務達成型ないしは期間進行型をとることを平成19年度決算からとるよう検討したが、改正が11月であり、ほぼ年度が終わりつつあるということで、途中から業務達成型に変えることは難しいという結論に至り、19年度は費用進行型を採用した。委員からの指摘等も受け、今年度の決算からは業務達成基型及び期間進行型を採用する予定であるので、理解いただきたい。

【部会長】
 次年度からということで理解する。

(業務の効率化に関する事項)

【部会長】
 この大項目はA評定が8名、B評定が1名であり、また、2件の小事項が全てA評定であるため、A評定とする。

(外部資金の積極的導入と管理業務の効率化)(A:9名)

【部会長】
 委員全員がA評定のため、A評定とする。

(財務内容の改善に関する事項)

【部会長】
 この大項目は全員がA評定であり、小項目が1件有り、その項目がAであるため、A評定とする。

(施設・整備の状況)(A:7名、B:2名)

【委員】
 以前と比べて、新館が見違えるように良くなったが、満足度調査の結果を見ると、まだまだ大小様々な改善点が指摘されており、継続的に整備を進める必要があると思われる。リニューアルしたからこそ、もっと使いやすくする努力が求められている。ただ、すぐに対応できるものには素早い対応をしていることを評価したい。

【事務局】
 改装したとはいえ、元々日本館という古い建物があり、地球館という新館がオープンしたことで、特別展の開催場所や出入り口が分かりにくいという指摘もされているので、この点は今後さらに対応したいと考えている。また、外国語表記などへの対応も随時進めたいと考えている。

【部会長】
 委員の評定の内、Aが7名、Bが2名のため、A評定とする。

(人事管理の状況)(A:9名)

【部会長】 
 委員全員がA評定のため、A評定とする。

(その他業務運営に関する重要事項)

【部会長】
 この大項目はA評定が8名、B評定が1名であり、また、2件の小事項が全てA評定であるため、A評定とする。

(S評定について)

【部会長】
  次に、優れた項目に評定のSを付す作業に入りたい。昨年の例を踏襲するのであれば、小項目であれば全員がAとした項目について、委員の意見を踏まえて決定したい。また、中項目については小項目の結果を踏まえて、大項目については中項目の結果を踏まえて決定することとしたい。

(S評定・自然史、科学技術史研究の状況)

【部会長】
 これは9名ともAだったので、このAはSになる可能性があるが。自然史・科学技術史研究の状況ということで、先ほど見ていただいた部分はSでよいか。

【委員】
 日本館オープンという大きな仕事の中で、論文発表数が前年と比べてそれほど落ちておらず、目標の数値よりは上回っているということは高く評価できるのでSでよいと思う。

【委員】
 私もSで全く反対はない。論文が非常にたくさんつくられていることは評価できる。また、数が多ければよいということではなく、論文というのは何かどういう雑誌に掲載されたとか、あるいはそこからもう1回リファーされたとか、そういうことによって論文の質が評価されることが一般的である。今年はどこへ発表したかわかる資料をつけていたことはそういった面で評価できる。

【事務局】
 昨年はネイチャーやサイエンスなどに掲載されたものはあるかと、質問をいただいているが、今年の場合は、第2オーサーではあるが、先史の類人猿の化石を約1,000万年前の地層から発見したものがネイチャーに掲載された。

【委員】
 基準をどこに置くかというのは非常に難しいが質の評価が必要である。論文を多くだせばよくやっていると判断し、Sでいいのかというとそうではない。論文は他と比較できるので、外部的な評価、例えばネイチャーに掲載され、ファーストオーサーになるなど、スペシャルであることの裏づけがあってもよいと思う。

【委員】
 文系の場合はそれが非常に難しいので、ここで評価することがそのまま反映されるが、必ずしもそれが正しとはいえないので、慎重なほうがよいと思う。論文を構成する上でその著者がどれくらい働いたかが重要なので、そこで大きな働きをしたということであれば、当然Sでよいと思う。そこを踏まえ、もう一度座長のほうで、判断してもらいたい。

【部会長】
 研究部門からは何か意見があるか。

【事務局】
 大体我々が論文を書くときは、必ずしもトップオーサーが全部やったということではなく、さまざまな力関係があり、特に外国の方を含むと難しい面がある。
 国際誌にリファーされるのはサイテーションインデックスで、それもいろいろランクがあり毎年変わる。我々もサイテーションインデックスの高いところに投稿して載るように努力はいるが、必ずしも分野によってはうまくいかないこともある。
 ネイチャーとかサイエンスも流行すたりがあり、ライフサイエンスとか、例えば化石でも恐竜とか一般の方がわかりやすいものは載りやすいが、地味な化石は載らないなどの問題がある。それ以外にも、国際的にも評価の高い様々な分野の雑誌があるので、できるだけそれらに投稿しそれなりの数は出している。

【部会長】
 最近はまた国際的な学会誌の方の掲載等を重視するなど、いろいろな動向が出てきている。流行やすたりも確かにあるので、学術的に見て意味があるものを我々が評価したと主張できることが望ましい。

【委員】
 基本的にはここは学術的な価値というものを判断する場ではないと思う。学術的な価値を判断するというのは、やはり先ほど挙げた雑誌、または、ある学会等の一般的な評価ではないか。
 スペシャルの数の多さよりも、それがほんとうに学術的に優れていれば、当然スペシャルとなる。科学のレベルというのは、国立科学博物館はやはり博物館の中では圧倒的に高いので、そこで出す論文は最高レベルにあるわけである。ハードルは他の博物館に比べるとはるかに高い。そこでスペシャルというのは、そこからまた一段と出るわけである。

【部会長】
 ここは委員からの意見を反映してSとしてよいか。

(S評定・標本資料情報の発信状況・標本資料及び情報に関するナショナルセンター機能の状況)

【部会長】
 先ほどの議論も踏まえ、2項目ともにSとする。

(S評定・展示公開及びサービスの状況)

【部会長】
 先ほどの議論も踏まえてSとする。

(S評定・学習支援事業の実施状況)

【委員】
 S評定の数に制限はないとは思うが、平成18年度は3項目しかなかったS評定が平成19年度に急に増えるということは問題ないか。

【部会長】
 Sが少ない年もあれば、多い年もある。構わないのではないか。

【部会長】
 この評定は、先ほどの議論も踏まえてSとする。

(S評定・日本全体を視野に入れた活動の状況)

【委員】
 飛躍的によくなっているというのがSであるが、ここは昨年とそれほど変わっていない。

【部会長】
 ここは、委員からの意見を反映してAとしたい。

(S評定・外部資金の積極的導入と管理業務の効率化)

【委員】
 少し疑問を持っていたのは、その前の業務の効率化に関する事項の中の2の経費の削減と財源の多様化の部分である。なぜ、これが財務内容の改善に関する事項と別になっているのか。これは同じ内容ではないかという気がする。
 この項目をつくり直して良ければ、5ページの業務の効率化に関する事項のピンクの項目の中に、それの1,2と財務内容の改善に関するというのを入れることが可能であると思う。

【部会長】
 横との並びを見ながら、項目の改善も検討することとし、今年は特にSにしたほうがよいという項目があればご意見を求める。

(S評定・人事管理の状況)

【部会長】
 ここは、意見がなければAのままとする。

【委員】
 今は小項目をずっと検討してSをつけたわけだが、実は中項目の中にSを2つ含んでいる中項目が2つある。この中項目がSになるかどうかという検討はあり得るのか。

【部会長】
 全部Sならばよいが、そうでない場合はSにはしにくい。特別にそれが秀でていれば、それはSにすることもできるが。

【事務局】
 研究のところは、ハードルが高くあるという意見がある。さらに資料を出すなりして判断する。特に優れていればSとし、中期計画通りならAのままという理解でよろしいか。

【部会長】
 一応Sとしておいて、それについて今言われたように資料を出して判断する。そして、メールか何かで委員の皆さんにお諮りすることもできる。

(業務の実績に関する評価フォーマット(資料2)にもとづく全体評価)

【部会長】
 それでは、今見ていただいたのをもとに、資料2にもとづき全体評価をする。

【委員】
 下の業務の2はすごくインパクトがあるまとめ方になってる。今後の方向性についても明示されているということで高く評価できる。それに対し、1のほうはすべてを網羅しているが、それゆえに、インパクトが全くない。

【部会長】
 平成19年度の特色を出すとよい。2、3はうまく整理できている。

【委員】
 博物館に100万、150万人は来ると言っても日本全国民からすれば、ごく少数である。しかし、ネットを使うと、全国民の大半が対象になり得るので、そういう意味ではSが2つついた部分は特記すべきである。

【委員】
 2行目に多彩な展示とあるが、ここは皆様の評価も高く、抜群の企画力であると支持されている。それが伝わるような表現にした方がよい。

【部会長】
 情報発信のところがまだ表現されていない。昨年も入っていない。今年はそれを強調してもらう。

【委員】
 入館者数も実は150万という数字をキープしていくことは並大抵のことではない。一時上がることはあるけれども、それをキープすることは並大抵の力ではない。

【委員】
 昨年は日本館ができたから行ってみようというのがあったが、一度見てなお入館者をキープできたのは特別展の影響か。

【部会長】
 企画力の凄さであろう。これは生かして、さらに情報発信へSを付け加えてもらうということでよさそうである。

【委員】
 総括のところで、成果を強調するのはすごく大事である。しかし、一方で課題も押さえる必要がある。課題の押さえ方としては、順調に入館者数が増加しているとか、あるいは標本資料の収集が進んでいるとか、そして、成功しているがゆえに新しい課題も見えてきたとする。入館者数は一定のキャパがあるわけなので、そういった新しい課題に対しても積極的に対応してより高い次元を目指すことも記した方がよい。

【部会長】
 今の質的な向上とは標本資料の部分だけではなくて、入館者が増えてきているがゆえにということで、今後、全体の中で少し質的向上を図る必要があると強調することでよいか。
 そうすると、これで全体評価、それから先ほどの項目別評価。これで評定が全部定まったので、8月8日に独立行政法人評価委員会総会がある。今回ご指摘を頂いたことと確定したことを明記し報告していく。
 また、平成19年度の業務実績報告書と財務諸表に関して、ご承認いただけるということでよいか。

 続いて資料5の部分の説明を事務局にお願いする。

【事務局】
 前回の会議の資料1で委員のほうからCOP10生物多様性条約締結国会議について触れたほうがいいのではないかというようなご指摘があった。これは来年度の予算要求で検討しており、その中で生物多様性や地球環境問題へ取り組みが何かできないかと考えている。

【部会長】
 今の国立科学博物館の評価を独立行政法人の評価も含めて、フリーに意見を求める。

【委員】
 1つは日本の博物館の国際的な活動についてである。例えば日本の水族館協会は世界各国の水族館長が集まる国際水族館連盟の総会というのをやっている。動物園でも動物園部会で国際動物園長会議というのを、一番早いのは昭和49年にやっている。日本の博物館組織からすれば、ごく一部の団体で、そういう国際会議を数回やっている。しかし、日本の博物館というレベルで言うと、何一つ今までやっていない。
 今後そういう国際的な組織としてのつながりを持たないとやっていけないと思う。国立科学博物館のナショナルミュージアムとしての立場から言うと、今後そういう点での展開も必要である。

【事務局】
 国立科学博物館の館長が今ICOMという国際的な博物館の会議の国内委員会の委員長をやっている。
 国際的な会議はやらなければいけないと感じてはいる。現実を言うと、まず一番の問題はいろいろな負担がかかってくる。負担というのはまず人材。研究者はいるが、運営していくにあたって、英語が話せる事務系の人間が何人かいて、それなりの仕切りがとれるかである。前回のICOMの国内委員会のときにはそういった問題が考えられたので少し検討しましょうかというようなことで話は終わっていた。1つの課題であるとは認識している。

【部会長】
 ナショナルセンターというだけじゃ弱い。今みたいな国際的な話やネットワークを組んで国内の大学などと組んでいるというような話が必要本来の博物館の発展ということからすると、そういった部分が欲しいのでさらに検討を求める。

【部会長】
 全独法の評価の一元化という話が出ているが、例えば国立科学博物館の評価は、部会を設けないで機械的に行うのか、それとも評価部会みたいなのを総務省で設けるのか。法案は出ているか。

【事務局】
 おそらく法律ではなく政令なり省令なりに落とす段階のものである。まだ明らかになっていない。

【委員】
 一括で審査をするとなると約百の独法の評価が行われることとなるができるのであろうか。

【部会長】
 独立法人になったときに改善に資するから評価をやるという話でこの会がスタートした。よほどその辺の趣旨を評価委員としても主張しておかないと、お金の面だけで評価ががされ文化がすたってしまう可能性もある。

【委員】
 評価が単純明快にできるのは、数的に挙がるものだけである。ところが研究の成果とか教育の成果というのは、数字であらわすことは極めて難しい。特に単年度で評価するのは教育機関では難しい。
 今度の教育振興基本計画なども10年のスパンと5年のスパンということを言っているので、5年あるいは10年というターゲットの中で考えないととてもできない。1カ所で全部評価するというのは、メリットもあるかもしれないが、デメリットのほうが多いような気がする。

【委員】
 それも効率的なメリットだけで、要するに定量的にできるのと、より形式的になっていくということ。改善に資することはできなくなると思う。

【部会長】
 今の質の面では出にくい。成果を量的に出すにはどういう方法でどうやったらよいのか開発する必要がある。質を量のほうにうまく反映させるような形での量の評価を行えるようにし、量的な評価のところも全然違う観点を入れ、成果があることがわかるようにしなければならない。
 入館者数はある程度来たら、成長曲線で表すとで横ばいとなる。これ以上入館者を増やすと、今度は、来館者で展示が見えないという話になる。

【委員】
 あるところでは、管理業務委託というのがあり、専門の評価員が来る。その評価が4段階に分かれていて、25点以下はその業務が廃止となる。50点から25点のものについてはその業務の改善をして、3年以内に改善されなければ廃止。
 そうすると、博物館なんて単年度ではできない仕事なので、その3年の間に成果をあげて結果を出さないと、その業務は廃止になってしまう。生き残るためには、ほかのことをやめてそこに職員が配置される。
 そうすると、一番重要なビジターのためのサービスというのがおろそかになってくるのだ。結果、どっちを向いてスタッフが仕事をしているのか。サービスでなく評価に向いてしまう困った社会になる。

【部会長】
 博物館をどう保っていくか、あるいはどう発展を図るかよく考えないと、すべて消えてしまう。そのあたりの意見をいただいて、総会でもそういう話が出たら声を大にして言っておきたい。

 では、8月8日の総会のほうにこれを持っていくということで、また、ご報告をしたいと思う。

── 了 ──

※ 自然史、科学技術史研究の状況については、部会長から委員にメールで諮り、評定はAとすることとした。

 

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

-- 登録:平成22年02月 --