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国立科学博物館部会(第33回) 議事録

1.日時

平成20年7月4日(金曜日) 10時~12時

2.場所

国立科学博物館新宿分館

3.出席者

委員

山本委員、高木委員、中川委員、林委員、堀委員、村井委員

文部科学省

平林社会教育課長、栗原企画官、その他関係官

オブザーバー

北見理事、松原地学研究部長、平野経営管理部長、上野広報・サービス部長、前田展示・学習部長、他関係者

4.議事録

 (1)平成19年度事業評価について

 事務局より、業務実績報告書(資料2)、財務諸表(資料3)にもとづいて説明。

 【委員】 
独立行政法人の評価について経理的な運営というのは非常に重要な部分であると認識している。それを踏まえて報告の方法についてだが、業務実績報告書(資料2)の中に経理関係の資料として収支報告書しか添付されていない。行政改革によって独立行政法人会計基準が導入されたので、貸借対照表、損益計算書等、いわゆる財務諸表というのは非常に重要な部分を占めると考えられる。そのため当然、業務実績報告書の中に入れるべき資料ではないか。むしろ、収支計算書が附帯的な資料と位置づけられるのではないか。また、ほかの報告書については文章で説明されているのだが、会計については表が1つついているだけで、報告書の形としては不親切。文章にしてこの報告書の中に入れるべきではないか。

【事務局】
作成した書類は様式に従っているところである。また、文書の形で会計の報告を作成するという件については、会議の資料として用意することは可能である。今後、工夫していきたい。

【部会長】
会計処理上難しいところがあるのは理解しているが、改善されているのではないか。

【委員】
ここに出ている決算書は、民間企業からいうとお役所会計という収支計算だけの様式になる。長年、お役所はこの様式でやってきたので、そのほうが理解しやすいというのを歴史的には理解できるが、せっかく独立行政法人会計というのが導入されて、民間企業の会計の考え方というものも取り入れようということなので、中身をよくご理解いただいて実際にそれを活用するということを進めていくべきではないか。立場や状況は分かるのだが、なかなかそれが実行できないといったことが明確にここにあらわれているように感じられる。ご検討いただきたい。

【部会長】
事業と予算がどのようにつながっているかわかるようにしてほしいという意見が毎年出されているが、事業と予算がうまく対応していないので、とりまとめの担当者が苦慮しているようだ。

【委員】
今年度は減価償却が非常に大きく出ている。固定資産で減価償却等の1,976百万円とは建物を壊した場合のような減額に当たるものか。

【事務局】
減価償却は固定資産に特に変更がなくとも、家屋と償却資産において毎年発生する減額要因である。

【委員】
財務諸表の概要(参考5)の10ページで、人件費が平成17年の1,001百万円から、平成19年度の944百万円に減額されたのは、目標別にパーセンテージを減らすという独立行政法人見直しの一環なのか。人件費がどんどん減らされているのはどういうことなのか。

【事務局】
人件費の減少の理由として、1つは例えば定年退職した職員を補充せず、臨時職員などで対応するなどの工夫をしている。主に減らしているのは管理系の部門で、研究職は数年変化していない。つまり、正職員が減った分、臨時職員を採用しているという状況にある。

【事務局】
事業報告の概要(参考4)に職員数・人件費の推移を記載している。平成13年というのは法人化の第1期のスタート時点であるが、常勤の職員は146名であった。平成19年は133人ということで、職員数を徐々に減らしている。

【委員】
同じく財務諸表の概要(参考5)の10ページに経費の削減率という項目があるが、その中に除外経費という項目を設けている。この除外経費を恣意的に作れば結果は幾らでも変更が可能なので、この除外経費を除外している理由が重要になる。除外経費の中に入場料収入という項目があるが、入場者が増えれば経費も増えるので、増加した入場者の相当額を除外経費とするのは理解できる。ここでは入場料収入をそのまま除外経費としているのか。あるいは、入場料収入のうち入場料に伴って増える経費を算定して引いているのか。説明願いたい。

【事務局】
入場料収入については全額を除外しているわけではなく、運営費交付金の算定の予算額を超えるものについて除外している。

【委員】
入場料収入について、予算額を超えるもの全てを除外しているとあるが、入場料収入が増えた分に対して、それに伴って増える経費というのはかなり低いと思われる。入場料収入の増えた分全てを費用から削減するというのはおかしいのではないか。この削減率の計算が違ってくると、我々の評価も変わってくる可能性がある。この件について事務局の考えを伺いたい。

【事務局】
予算については、法人として入場料収入の目標まで立てなければならないところではあるが、この数字に法人としての自助努力が現れると考えている。

【部会長】
この件についてはかなり難しい問題であると理解している。総会などで情報が入り次第、改めて説明させていただきたい。

【委員】
そもそも独立行政法人とは、民間にはできない事業を行う法人と定義したのではないか。博物館法によれば入場料は原則無料であるという原則は変わってない。一方で国全体は受益者負担の原則というのを持っている。その折り合いをどこでつけるのか。入場料を収入の中にカウントしていくと、利潤追求型の組織になる。そうなると、もともと独立行政法人として国立科学博物館の根幹が揺らいでしまうのではないか。この入場料の扱い方というのは非常に難しく、予算を定めたというのは、それはノンプロフィットでやっていく、組織としてそんな折り合いをつけたのではないか。ここの論議は、国立科学博物館だけに通用する話ではないため、かなり慎重に考えたほうがよいのではないか。

 事務局より評価フォーマット(資料4)、補足説明資料(資料5)、評価の評定方法等について(参考1)、業務実績評価における留意点(参考2)、科博の役職員の報酬・給与等について(参考3)、数値目標と19年度実績(参考7)について説明。

【委員】
 ラスパイレス指数について、事務・技術職員が地域・学歴を勘案すると90.6、研究職員も91.8ということで、この数値は適正なのか。また、財務諸表の概要(参考5)の10ページ目を見ると、平成17年度から19年度まで管理経費の人件費が少しずつ増えている。他の部署の人件費はかなりダイナミックに減っている中で、どうして自分たちだけ減らされて、管理の人件費は増えているのという不満が起きないのか。みんな押しなべて減らせと言うわけではないが、技術職員・事務職員、研究職員の置かれている状況を考えると、地域・学歴勘案で見ると、もうちょっと彼らに元気を出してもらわないと将来の国立科学博物館が危ないのではないかと思われるが、事務局はどのように考えているのか。

【事務局】
人件費は総額で増えているように見えるが、中に退職手当が除外経費として含まれている。退職者が多ければ総額が増えるので、一概に管理経費の人件費が毎年増えているということではない。

【委員】
管理経費の人件費に「役員含む」とは書いてあるが、「退職手当」を含むとは書いていない。

【事務局】
執行実績トータルから除外経費で退職手当というものがある。実績の人件費の中には退職手当込みで記載してあるので、除外経費として退職手当を落として比較をしている。

【委員】
物件費は変動しているがどういうことなのか。備考をどう見たらよいのか。

【事務局】
改めて分析をする必要があるのだが、科博の役職員の報酬・給与等について(参考3)の総人件費の給与と報酬等支給総額という部分を見ると、前年比で減額となっているがトータルで最広義の人件費が増額している。これは退職金が1つ、もう1つは非常勤役職員の給与が原因となっている。例えば科研費による非常勤職員の雇用や、常勤の職員が退職した後に非常勤職員を雇用するといったようなことによるものではないかと考えている。人件費全体でいえば、研究者はほとんど変わりなく、非常勤職員については増加している。

  国立科学博物館の給与水準については、国の給与体系とほぼ同じで昇給の幅や昇給の時期についてもあまり変わらないはずだが、現実には地域・学歴勘案のラスパイレス指数が低いという状況にある。

【委員】
財務諸表の概要(参考5)の10ページだけを見た場合、誤解を招く可能性が非常に高いので工夫が必要ではないか。また、地域・学歴勘案のラスパイレス指数について、これは公表していくべきではないか。

【事務局】
この表は独立行政法人と国立大学法人の共通のフォーマットで作成され、人事院で集計しており、一つの様式で全独立行政法人、全国立大学法人を国と比較して、給与水準が適正なのかということを公表するための資料である。

【部会長】
評価フォーマット(資料4)について、疑問や質問があればあげていただきたい。

【委員】
館長支援経費について、例えば生物多様性については、COP10が再来年開かれるということが重要と思われるので、何かそういうものに傾斜的に配分して、それが実績として残るというような形が望ましいのではないか。そういう意味で、19年度の重点目標でストランディングに関する研究があるが、重点目標というものと館長支援経費というものが予算的に必ずしも一致してない。その点について確認したい。

【事務局】
国立科学博物館の場合、各部の配分をそれほど考えずに進めているということと、今回、一番肝心な共通というところで、「日本の生物多様性の地理的・歴史的構造に関する研究」という形で19年度新たにテーマを設定したが、生物多様性の重要性があり、特に植物や動物部に依頼しているということもあるので、できるだけその時々で柔軟に対応できるようにしたいと考えている。

【委員】
標本の収集は着実に増えている上に、インターネットを通じての広報というのは非常によくできている。収蔵庫を新しく建てるというような計画が数年前にあったが、資料を保管するだけでなく、一般の人にもそれを公開できるような機能を付随したものがあればいいと提案したことがある。その件について、19年度にこういう具体的な進展があったということではなくとも、どのような検討がなされて、それが将来に向けてどう位置づけられているのかというものがあれば19年度の実績の中に入れておいていただくと、将来につながるのではないか。

【事務局】
収蔵庫については、現状はかなり厳しい状況である。展示機能も持った収蔵施設を19年度・20年度に予算要求しているが、予算はつけられていない。継続路線で3年目以降に要求しても難しいだろうということで、新しい構想の検討を始めたところである。また、資料を集めて登録するだけではなく、公表するということが必要であると考えているので、標本管理システムというものを新たに20年度から導入する予定である。これまで標本のデータベースというのは、研究者個人レベルでの作業であったため、フォーマットが違うなどの問題があった。今回、標本を統合データベース化して、情報発信する、あるいは、標本資料の貸し出しなどの管理をする上でも活用できるシステムを構築したので、管理面についてはかなり前進すると考えている。

【委員】
標本資料数の20万点以上増加というのは量の問題であるが、量だけではなく質の問題があるのではないか。その辺の整理について確認したい。

【事務局】
標本資料数について過去何年間かの推移を見ていくと、平均して年間3万5,000点程度増加している。ただ、中期計画の決定に際して少し上乗せして、年間平均4万点×5カ年=20万点という数字とした。

【委員】
入館者の数の評価について、昨年も170万人を突破したということで評価が高くて、SかAかというような議論になったと記憶している。単年度だけを見て評価すべきではないということで少し修正が加えられたと理解しているが、5年間の目標を立てて600万人というようなことであれば、5年後でなければ評価ができないのか。ある程度、平均120万人を大幅に超えておけば評価は非常に高くしてもいいということになるのか、その考え方を確認したい。

【部会長】
評価部会での基本的な考え方としては、5年間終わったところで結果の評価を行うということになる。その途中の評価については経過をなるべく見ていく。経過については、柔軟に見ていただくような方針を出している。ただし、その経過の中で、例えばこういう理由があったから今年は入場者数が多い、少ないといった理由を議論する必要がある。

【委員】
このままで目標は達成されると思われるが、あまりにも入場者数が多いということは本当によいことなのか。国立科学博物館の持っているキャパシティは年間どのくらいの数なのか上限を知りたい。展示の種類によっても違うので、必ずしもはっきりした数字は出ないだろうが、多ければよいというものでは決してないだろう。考え方を確認したい。

【事務局】
入場者数の増加の原因は、まず1つは特別展の数が違うということが考えられる。加えて、昨年度の場合は特に日本館がリニューアルオープンしたというような特別な事情がある。今年度については、特別展の回数が若干減ること。それから、特別展の集客については昨年度ほど見込んでいないので、20年度は19年度ほどの集客がないだろうと考えている。入場者のアメニティという面については、基本的には展覧会ごとに違うが、1日に5千人を超えるとかなり厳しくなると考えている。その人数で入場制限しようという気はないが、おのずと限界は出てくるのではないかと考えている。

【部会長】
どれほど入場者数があると「混雑しているときはよく見られなかった」という声が多く出てくるのか、上限や最適な数字を出していただきたい。これは教育事業の場合どこでもそうだが、経験的に探るしかないのではないか。財務省は右肩上がりでなければならないと言うが、質をどういうふうに評価していくかということも検討していく必要はある。

【委員】
国立科学博物館が持っていて他の科学系の博物館が持っていない機能としては、評価項目の中で非常に分散されて示されているが、ナショナルミュージアムとしての機能があると思われる。全国科学博物館協議会の理事長館として面倒をよく見て、ここ10年来かなりレベルアップしたと思っている。国立科学博物館がやっているのは、ナショナルミュージアムとしての役割として日本全体の自然科学系あるいは科学系の博物館をトータライズして、それをレベルアップしていくという、他の博物館にはない非常に大きな役割分担があって、それは個人的に非常に高く評価している。それが単なる1項目として埋もれてしまうということを残念に感じる。

【委員】
社会貢献というか、そういう意味でもその部分は強く出してもよいのではないか。それは入場者の多寡以上に重要なことではないか。もう1つは、日本のリーディングミュージアムとして、国際的な連携というのも進められている。その2つを国立科学博物館が持っている非常に大きな役割分担として、出てくるのは、項目として全国科学博物館協議会の面倒をよく見たというような形になってしまうが、それだけではなく、それによって日本全体の博物館のレベルが非常に上がった、資料などの横の連携も非常によくなったといったという点が評価の対象になって然るべきではないだろうか。

【委員】
調査研究の項目について、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に触れた方がよいのではないか。

 事務局より、評定等整理票(資料6)にもとづいた評価の方法について説明。また、資料番号のない机上配付資料について説明。また、次回の部会において、評価フォーマット(資料4)の全体評価についても審議する必要があり、原案を部会長と事務局でとりまとめる旨の了承を得る。

 事務局より、評価結果の予算等への反映状況(資料7)について説明。

(2)その他

・次回の評価委員会は評価フォーマット(資料4)にもとづいた評定と全体評価の審議を行う予定で、7月25日(金曜日)15時から文部科学省9階生涯学習政策局会議室で行われる旨と、予備日も設定してある旨について連絡があり、散会。

―以上―

 

-- 登録:平成21年以前 --