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大学設置・学校法人審議会

2002年12月10日議事録
学校法人制度改善検討小委員会(第3回)議事要旨

学校法人制度改善検討小委員会(第3回)議事要旨

1. 日   時 平成14年12月10日(火)   17時〜19時
     
2. 場   所 文部科学省別館9階   特別会議室
     
3. 出席者 (委   員) 阿部充夫、石山卓磨、黒田壽二、高祖敏明、佐野慶子、田中雅道、田村哲夫、八田英二、山内昭人、横溝正子、和田義博
    (文部科学省) 玉井私学部長、山根私学行政課長、栗山私学助成課長、石井参事官、梶山私学行政課課長補佐、島村私学行政課専門官、松浦参事官補佐、西山参事官付調査官

4. 議   題
       (1) 学校法人制度の改善(ガバナンス機能の強化)について
  (2) 財務情報の公開について
  (3) その他

5. 配布資料
       資料1 学校法人制度改善検討小委員会(第2回)議事要旨(案)
  資料2 学校法人制度の改善(ガバナンス機能の強化)に関する検討項目(案)
  資料3 財務情報の公開について(主な論点)
  資料4 各法人における財務関係書類の取扱いについて

6. 議   事
       (1) 事務局から資料についての説明があり、財務情報の公開についての自由討議を行った。

      ○:委員   ●:事務局

○: 資料3と4について御意見を頂きたい。

○: 法人により、開示のやり方は色々ある。医療法人の病院は開示されているが、学校法人は開示されていないということになるのではないか。

●: 大学法人では、85%が何らかの方法で財務状況の公開を行っている。また、公益法人についても、その在り方が問われ新たな基準を策定し、今ガバナンスを強化しつつある。各法人の横並びで見ると、ガバナンス機能を強化すべきだという全体の流れがあり、それぞれに改善が図られつつあるものと考える。

○: 開示は、学校が健全に活動していることを示すことが目的であり、開示そのものが目的ではない。そこで、事業報告書を付けて開示することが必要であると思う。ただ数字だけを開示しても実情は第三者が見ても分からない。こういうことをやってるから今年は赤字になったということが分かってくれば、世間も理解を示してくれると考える。株式会社、公益法人でも事業報告書が出来上がって、それに基づき決算書が出来上がると考える。

○: 開示の目的をしっかり抑えて、事業報告書とともに開示という視点で検討したい。

○: 学校法人会計基準そのものの問題が開示について検討する前にある。貸借対照表などが、簿価評価であれば経営情報は分からない。話が進まないかもしれないので、現行制度で考えるのか、基準そのものまで踏み込むのか整理した方が良い。

●: 本委員会の検討項目として、会計基準の在り方を挙げている。具体的になるとかなり専門的な議論になるので、現在、公認会計士と事務局の方で議論しており、論点を整理した上で、会計基準の在り方をどんな観点から考えたら良いのか、この場でもご議論頂きたい。その後、具体論については専門的な立場で検討したい。その二つを並行しながら進め、ガバナンス全体の議論と結びつけたい。

○: 会計基準の見直しは重要だと思う。このままでは公開しても誰も理解しない。ただ独立行政法人や特殊法人の改革のように株式会社に準じた計算書を作ったり、キャッシュフロー計算を私学に同じ方式で導入すると大変な混乱を起こすと思われる。

○: 前回、経常分と臨時分を分離すべきとの指摘があったが、昔はそうだった。補助金制度が創出される以前は経常分と臨時分を分けた方が理解し易かった。このため、公表するときは分離することも考えられる。また、株式会社に準じた会計基準の作成は混乱を生じさせると思う。

○: 会計基準協会での会計基準の見直しの論点は、結局、会計基準に何が求められているのかである。まず一点目は、現行では経営指標というか経営努力がどの位行われたかが見えない。経営指標が何を指標としているのか、今の消費収支計算書、資金収支計算書では分からない。二点目は、一般的に企業会計ベースで見慣れてる方からすると、消費収支と資金収支の重複感がある。ただ、資金収支では学校の事業の全体像がわかるが、消費収支ではそれが分かりきれない。それぞれ良い点を残しながら、かつ分かり易く公開に耐えられるものへの見直しを考える必要がある。さらに、三点目として昨今のキャッシュフロー概念の導入である。今の資金収支計算書類をある程度加工することによってキャッシュフローの概念を取り入れたものに出来ると考える。
   結局は今の基準の法体系を変えないで出来る方策はないかということと、今一番議論となっている基本金の考え方をどう整理するのかを見直しながら最終的には経営手法が分かって、経営努力の結果が見え、学校の財務状態が分かり易いというものを目指す方向での検討を進め、文科省とも勉強会を進めつつある。

○: 完全には同一ではないだろうが、今の経営努力、経営手法というところに事業報告が関連するのではないかと考える。

○: 経営指標と事業計画若しくは事業内容とは異なるのではないか。

○: 財務情報の公開は、細かく公開すべきではないと考えている。また、理解し易くするために必ず二ヵ年のものを公開すると、臨時的なものと経常的なものも少し見えてくる。そういうことが考えられないか。

○: 公益法人会計基準の改定作業や独立行政法人会計基準の制定、それに準拠した国立大学法人の会計基準が策定されているところであるが、これらの基準は国民に開示することを目的として整備されている計算書類と考える。一方、学校法人会計基準では必ずしも国民に公開することを目的としているものではなく、法人内部の人達が経営状況を判断し、かつ所轄庁に提出することを目的としていた。今後は国民への説明責任という観点で、会計基準を改定していく必要がある。例えば、公益法人の会計基準の改定の考え方で説明すると、まず、財務諸表は所轄庁に報告することが目的であり、外部の報告たる国民に公開することを目的とする財務諸表という考え方。また、予算準拠主義の観点では、予算準拠という考え方に基づく収支計算書の関係は、内部管理が主たる目的と言う考え方がある。
   学校法人の場合においては、公開する財務諸表として、消費収支計算書と貸借対照表が考えられ、内部的なものとしては、予算準拠主義という考え方は公益法人においても大変重要ということで、予算書及び収支計算書の位置付けは、会計基準上、章を分けて規定されているが、予算準拠と収支計算書が密接に関わりあうように規定されていないことから、必ずしも公開に耐えうる基準ではなかったところがあって、実は公益法人もNPO法人と中間法人の制度化に伴う民法の改正によって、これらの要素を盛り込んで改正が行われる方向で進んでおり、その方向も見ながら、色々と考えているところである。学校法人会計基準もガバナンス機能の強化、経営者の説明責任が国民に対してあるという前提に立つと、これらの視点からの見直しも必要になると思う。

○: 企業会計基準の私学への導入は困るとの話があったが、将来的には私学と国立大学法人は類似しており、導入の議論が当然出てくるのではという懸念がある。

○: 学校会計基準の見直しの動きを紹介頂いたが、検討中のものを待つ訳にはいかないので、ある程度検討が進んでからまたそこに戻りたい。
   次に、資料3の項目を順番に検討頂きたい。最初に「財務情報の公開の在り方」が、一つの大きな柱だが、公開すべき学校法人の範囲を私学助成を受ける学校法人に限定するのか、あるいは学校法人全体を視野に入れるのかご検討頂きたい。

○: 両者を区別する理由が法理論的に説明がつくのか。

○: 公益法人については義務付の理由は税制上の優遇措置を受けているからだが、私立学校も公益法人と同じように一般に情報の公開を義務付けられていないのが不思議な感じがする。

○: まず法的に義務付けるかどうかの論議をしておいて、その方向性が出たら内容をどうするのかという方が考え易いのではないか。

○: 第三者評価が義務付けられるが、その中に財務の公開があると思うが、それとの関係はどうなるのか。

○: 上場していない企業については公開は義務付けられているのか。

○: 義務付けられている。商法特例法の適用である。

○: 規模が小さいものは義務付けられていないのか。

○: 商法では、公開することになっている。

●: 財務関係書類の開示について補足すると、商法で貸借対照表又はその要旨を交付しなければならない。一定の規模以上の会社については、商法特例法で貸借対照表と損益計算書又はその要旨を公表しなければならない。

○: 株式会社は、株主のものであるが、学校法人や公益法人というのは、その財産は誰のものでもない。したがって、その経営を任されたものは当然に国民に対して説明責任がある。税の優遇措置がなくなればそれは違うのかというとそうではない。公益法人の方はそのような考え方だと思う。

○: 開示は賛成だが、現実的には幼稚園法人のように小規模で周囲の子供が来ている場合、親が収支を見れば、給与等について必ず意見が出てくる。開示は原則すべきと思うが、学校法人の規模によって考えないといたずらに反論されるだけだと考える。

○: 市民オンブズマン等が情報を恣意的に流してる状況があり、それに対抗するには公の機関としての役割をきちんと果たしているという開示責任があった方が良いと思う。でないと、インターネット等に流れている情報についても同様である。どの情報まで公開すべきかの判断はしかねるが、方法にも関係するため、正しい情報をどこかで集約せねばならない。どの部分までを開示することが正しい情報になるのかは非常に微妙だと思う。

○: 助成を受ける法人は当然公開だが、受けてない私立学校にも公共性があり、私学の自治との兼ね合いがあるが公開すべきである。なお、意外と行政通達なども強制力があるが、実効性を確保するため、法的に義務付けないといけないと思う。

○: 学校は、公益性を持ち情報開示をすべきである。学校は消費者と生産者の情報量が違う。情報が非対称的なのに、情報開示させないで学校を学生に選ばさせること自体が問題である。消費者がどれほど大学の経営を判断できるか分からないが、やはり開示して情報のギャップを埋める努力をすべきである。

○: 財務諸表を国家に提出するだけでなく、授業料を払っている者に受託者責任として、財務状況を本来公表すべきであると思う。税金を払った国民に対して、税金がどう使われたかを示すのと同じである。

○: 社会性、公共性のある学校法人が公開するのが当然だという考え方からすると、私学助成によって公開するかしないかを決めるのはおかしいと思う。

○: 一般の株式会社は株主には公開を義務づけられているが、株主といっても事実上不特定多数の者を対象にしている。教育の世界も学校を受けさせようとする親達は不特定多数である。そういう人達の利益を守るとなると、私学助成の有る無しは同じではないかと思う。

○: 今、私学を取り巻く厳しい状況から言うと、いかに良い教育研究や社会貢献をしてるかを打ち出さないとアピール度が落ちるという状況であるので、義務付けは別にして、公開しなければ損をするのは学校側である。義務付の議論は残るが、学校の公共性、学校側と保護者や学生の情報の非対称性、授業料を納めている人に対しての説明責任、国民への説明責任から、助成の有無に関らず学校法人としてのあるべき姿としては公開という方向が望ましいと考える。
   次の議論として「公開の対象者」を検討したい。

○: 対象を限定することによって、公開の方法に差が出てくる可能性はある。

○: 内容もそうだと考える。公開の対象、内容、方法はリンクしている。

○: 基本的に公開には賛成だが、小規模の法人や公開する意味のない所も実際ある。全法人での公開は馴染まないと考える。小規模な法人は公開を不要とすることとしないと、反対の声が出てきて、実現性がなくなるため、規模に応じて分けるのが良いと思う。

○: 全ての学校法人への適用を検討しているのではないか。

●: そのことも含め、議論頂きたい。

○: 会計基準はどのように考えるのか。一定規模以上を想定して、小規模とか、特定のものはこの状態から外すよう附則を付けるということか。提案だが、一定規模の学校法人について検討し、それ以下のものについては、あとで除くよう附則を付けるような考え方はどうか。

○: 議論の進め方として、一つの歯止めを付けておけば安心出来る。

○: 幼稚園のような法人化してない学校は対象でないと思うが、どの位あるのか。

○: 全体はわからないが、東京都などでは三分の一近い。私学振興助成法で助成金が出るようになり、京都の場合1千万以上の助成金が出ると公認会計士の監査が必要である。

○: 守りきれない基準を作って、守らないのを大目に見るとザル法になるため、スタンダードのものを作って、合理的な線を引くのがいいと思う。

○: 実現可能なもの、実際に効果を持つものを、ある一定の規模以上のものを基準に考えて、議論し、それに含めることは適切ではないと思われるいくつかのものを別途議論していくという進め方でいいか。まずは全体として通じるものに関連して対象者、情報の内容、公開の方法、その留意事項を含めた形で議論をしたいと思う。

○: 内容等については周辺会計をどうするかが問われていると思う。最近起きた事件を見ても、学校法人会計ではない所で問題が起きている。そこまでは権限はないと考えるのか。学校法人会計だけを対象とするのかをまず検討しないと、世間の納得が得られないのではないか。

○: 周辺会計とは、財務会計三表外のことだと思うが、事業報告の中では公開可能だろうが、財務諸表の公開という概念の中には入りきれないのではないか。周辺会計を法人会計に入れるかという会計基準の問題であって、公開の問題とは別の視点である。今の会計基準で進めるとすれば、事業報告の中で取り上げる問題だと思う。

○: 資料3でいうと、公開すべき情報の内容のそれぞれの具体的内容のその他に入るのか。

○: ここで想定してるのは、会計基準で作成する財務三表とその附属をどうするのかということなので、今、考えている事務局案には載ってないと思う。

●: そのとおりである。関連財団まではここでは念頭にない。学校法人は念頭に入っている。

○: 開示を前提にしての会計基準の在り方もあるのではないか。例えば法人会計外にある分でも注記という形で記述する可能性はあると思う。

○: 学校会計基準自体は、とりあえず現状で考えるべきである。今の問題は議事録に書いておいて頂く。対象者、情報の内容、内容に関しても科目、部門、明細表、公開の方法、2年分同時に出すということも出ていた。

○: 公開することで公共性も担保されるが、同時に悪意の第三者が学校法人に関与してくることを怖れる。例えば学校法人が経営努力によってある程度の資産を持ってることが分かると、大きな学校法人はそれをガードする術を持っているが、中・小規模の学校法人は、それが出来ない。学校の破綻時にも、学校法人は土地などの資産を持つので悪意の第三者が介入してくることを常に考える必要がある。これらを踏まえ、財務三表を基本にして、2年分公開することを法的に義務付けるべきだと思う。ただし、個人立と学校法人とが混在している幼稚園の場合は法的に省く方が良いと思う。

○: 公開の対象者と情報の内容と公開方法とをセットでと申し上げたが、概略的に言えば、誰にでも公開可能な情報は、インターネットなどを通じて公開し、土地の取引を予定している相手など利害関係の明確な者には詳細な情報の閲覧を認めるのかと思う。ただ、利害関係人から第三者へ情報が流れていってしまう可能性はある。

○: そのような対象と内容になるのではないか。悪意の第三者の関与をどう防ぐのかが一番の問題である。株式会社のように株を持ってる訳ではないので、対抗手段がないのが一番の問題である。限定せずに公開する部分は情報公開法で文部科学省が公開している程度にして、それ以上の公開は急にやらない方が良いと思う。

○: 大学法人を前提にした場合、公開の内容はある程度の所までは全公開で、それを超えるものは対象を限定するべきと思うが、法的に義務付けるなり、指導する場合には、対象者を絞ることは出来ないため、限定せずに公開する前提で考えた方が良いと思う。それを前提に利害関係人が個々の判断で明細を要求することまでは法律などで規制出来ない部分である。情報公開の内容は、財務諸表は原則的に学校が本来作るべき会計基準に従って作ったものを加工すべきではないと思う。連年比較やグループ学校等の周辺情報は、事業情報として公開すべきである。

○: 誰にでも公開するのは財務三表程度にする。それ以外の場合、さらに細目を見せるかは大学で自主的に判断する。

○: 義務付けた場合には、やらないと法令違反になる。

●: 情報公開の範囲は、当初情報公開法がスタートしたときに私学関係者とも相談し、私学の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものという理由により、大科目しか公開していない。この公開方法は財務三表の多くを黒塗りして公開するため、イメージも悪く、なぜ、そこしか公開出来ないのかという意見がある。

○: 資料の例では、大学と学校法人全体を分けてあり、言葉でも説明が入っている。この説明を事業報告に書き込むようにする。単なる数字だと分かりづらいので、これを分かり易くする工夫を行うのではないか。財務三表そのものの改善案は考えられるのか。

○: 大科目レベルの公開では理解できないのではないか。公益法人などで言われている経営者の説明責任がこれで果たされているえないのではないか。

○: 先程の加工すべきではないとは、黒塗りもないという前提で申し上げたが、今の基準で作る計算書類では、作成方針も示されないまま公開するのでは誤解を招くので、あえて大科目だけでもやむを得ないと思うが、基本的には説明責任を果たすためには加工すべきではない。また、加工しないで耐えられる会計基準を作るべきである。さらに、必要な附属明細表は別に作れば良いと思う。ちなみに、公開の話をすると幼稚園法人は人件費に敏感な反応を示すことがある。人件費は全体の中で非常に大きく、しかも人数も分かるため、公開されるのは非常に不利益を被るという印象を持っている。それを隠すのが良いかは別で、その意味で規模による公開の対象が必要になると思う。ただ基本的には、加工しないで公開するための基準があり、公開することが原則であると思う。

○: 大学以外に高校・中学という学校種が違うものを設置していた場合に、学校法人全体の情報が公開されるのは良いが、大学、高校別の収支まで踏み込む必要があるのか。学校法人全体で見ればいいと考えるのか。

○: いきなり部門を出すのは難しいと思う。特に大学と幼稚園を持ってる所は補填が分かるので、そこまでの情報を一辺に開示するのは難しい。本来なら、事業報告という形で色々な説明を付ける場を設けて公開するのが誤解を招かない。もし全体を見直すのであれば事業報告書中の財務部門の中に一つのセクションを設け、その理由を説明をする場があれば誤解を招かない。今、それがないままで財務三表の部門別を出せば、抵抗があるだろうし、そこまでやる意味の理由付けをするのは難しいと思う。

●: 当初の情報公開審査会では内訳表まで出す必要がなかったが、今、審査に係っているものは、内訳表の大科目までは公開すべきではないかと言われている。まだ結論は出ていないが、当初より公開の範囲は広く求められている。

○: 大学の医学部が赤字で、他学部の黒字の部分が医学部に流れている。自分達の学部での黒字がどの程度流れているのか知りたいと言っても、大学当局は絶対教えてくれない。現状の会計システムでは無理なのか。

○: 現状は内訳表で見れる。今の財務三表に附属明細内訳表が付いているので、そこまで公開されれば全部分かる。

○: 財務情報だけを切り離して公開することはできない。大学の基本姿勢から始まって自分達はこのような教育をやっているということを情報公開をする中の一つの大きな柱という捉え方をするべきである。その場合に、数字だけが一人歩きしないような工夫をする必要があるとの指摘だったと思う。そうすると、事業計画等を含めた情報、色々な大学が決算をとられるときに、例えば予算編成に当たって自分達がどのような方針がいいのか、重点項目をどの辺におくべきかを説明してると思うが、それが決算のときにどういう成果が上がってきているかの説明になると思う。そこには財務状況だけではなく、教育や研究面、施設面などが含まれているので、それらも一緒にする。

○: その方向で良いと思うが、現実に学校別を表に出すとなるとかなり波紋を呼ぶことになると思う。大手の大学でも附属校からお金をもらってる大学と、附属校にお金を出している大学がある。海外にある学校にいくら出してるか、あるいは海外にある学校から上納させているとかなどもわかることとなる。

○: 国民の知る権利がある。そして、学校には説明責任があり、情報公開が進むと否応なしにかなりのところまで知らせることになる。

○: ただ、大学には方針があって、附属があったら上納させるんだという形でやってる大学もある。教育として望ましいかなどのもの凄い議論を引き起こすこととなり、公開する立場になった時苦労する気がする。

○: 大学の特徴と考えるべきである。上納金を得るために附属を持つという大学もある。

○: 公開された情報を悪用せずに、皆公正に使うという性善説が情報公開にはある。経営者としては、今の流れから言えば、個性も特徴も公開して、変に悪用されないように歯止めをしておくしかない。初めから悪用されると思うのは、情報公開の流れに水を差すことになる。債務超過だと悪用されると思っていたが、逆に資産があっても悪用されるようである。実際にどういう場合がまずいかを具体例を集約して、どうするかを検討すべきである。

○: 悪用を抑えるため、会社では裁判所の許可を得て閲覧を求めるという規定がある。実際、裁判所はどう判断していいか分からないため困っているようであるが、ある種の抑制になると考える。

○: 特定の者へ開示する場合には、開示する側と開示を受ける側で何らかの誓約書を取り交わし、もし第三者に渡って何らかの損害が発生したら追求できるという民事的な方法は可能と思う。

○: 本日の意見のまとめだが、財務三表をインターネットなどで公開するものは最低限として、それ以上は大学の判断で公表できるし、明細書等については対象者を限定した形で公開することも可能とする。これらは一定の規模を前提としているので、それ以下のものは、別途検討する。また、同時に学校法人会計基準の見直しをしているので、進行状況を見ながら適宜この会議で紹介頂き、それに応じて修正を加える。今日の議題についても、議論を尽くした訳ではないため、事務局の方で整理して頂き報告頂きたい。それを継続して議論するかは事務局とも相談しながらやっていきたい。

(高等教育局私学部私学行政課)

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