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中央教育審議会

 1998/3 議事録 
今後の地方教育行政に関する小委員会 (第14回)議事録 

 地方教育行政に関する小委員会(第14回)

 nbsp;議  事  録

  平成10年3月24日(火)  13:00〜15:00
  霞ヶ関東京會舘  34階     ロイヤルルーム


    1.開    会
    2.議    題
        今後の地方教育行政の在り方について
    3.閉    会


委員 専門委員 事務局
河野座長 安藤専門委員 長谷川生涯学習局長
有馬会長 大山専門委員 近藤審議官(初等中等教育局担当)
薄田委員 岡田専門委員 徳永地方課長
國分委員 小川専門委員 杉浦政策課長
坂元委員 尾木専門委員 その他関係官
田村委員 如月専門委員
横山委員 金剛専門委員
佐野専門委員
蓮見専門委員
藤波専門委員
堀内専門委員
村松専門委員
山極専門委員


○  それでは、地方教育行政に関する小委員会第14回を開催いたします。
本日は、16日の総会の御審議を踏まえて、小委員会として最終的な確認の意味で御審議をお願いしたいと考えております。つまり、本日の審議を経て、3月27日の総会で、中央教育審議会として文部大臣に中間報告を提出することになっておりますので、よろしくお願いいたします。
  なお、今回の中間報告に記述されなかった点などで、どうしても盛り込みたいというところについては中間報告後、答申までに十分な時間的な余裕もございますので、4月以降に御審議をいただくこともできますので迅速な審議につき、どうぞ皆様の御理解と御協力をお願いしたいと思うわけでございます。
  この文案についての全体の御感想、さらには4月以降の審議にかかわっての御期待と申しますか、お考えになっていることなどを含めて、感想的にお一言ずつお言葉をいただければと思います。

○  これから先のことがありますので、あえて一つだけ言いたいことがありますので、言わせてもらって、次へいきたいと思います。「今後の地方教育行政の在り方について」という全体の文章を読んでいったときに、何か専門家、これに携わっている人だけがわかるような在り方で、「一般の社会の人たちに」というのが一言欲しかったなという気がしまして、前の第15期の答申もそうだったんですが、いかに社会の人たちに取り入れてもらえるかということがありますので、そいうふうな言葉が入ると入らないでは随分違うのではないかという思いがしましたので、あえて言わせてもらいました。

○ 今後、答申に向けてということがございますので、そこで考えるべきことというような御意見をどしどしお出しいただきたいと思います。ただ今のご意見は答申に向けて考えられることだということで受けとめさせていただきたいと思います。

○  私も今まで勝手な意見をいろいろ言ってまいりまして、全部取り上げられたわけではなくて、適切な取捨選択がなされてまとめていただいたものと思っておりまして、多くの方もそうだろうと思います。全体として、ただ後半の部分はなかなか厄介な問題もございますが、中間報告としては結構なことではないかと思っております。
  文案は先ほど座長がおっしゃったようなことで結構ですけれども、今、気がついたんですけれども、教員養成大学のことですが、ここに出てくるのは何か唐突のような  ―「なおこれに関連して」となっておりますけれども、これでおさまりがいいのかなと今思いました。
  もう一つ、これは中教審がそこまで踏み込むのか、あるいは教養審で御検討いただくのか、都道府県と教員養成大学・学部との関係を「連携協力の充実」というところまで言うのであれば、もう少しどういう連携協力かということが欲しかったなと思いますが、これは今後の検討の課題にしていきたいと思っております。

○  今回の中間報告でございますが、座長を初め、皆様御関係の方々の御努力と、私も一部申し上げたことを取り入れていただいております。入っていないこともあるのかもしれませんが、大体入れていただいたような気がしておりますが、これで中間報告としておまとめ、御報告をいただければいいのではないかと思っております。世間からのいい反応がきまして、よりよい答申にまとまっていくことを希望しております。

○  中教審の答申で随分昔に議論したような記憶があるんですが、カリキュラムのナショナルセンターのような提言が文言に盛り込まれまして、何となく感無量みたいな感じがいたしております。
  ただ、今、いろんな機会に教育委員会の現場の方々とお話ししますと、学校の自律性の問題で、教育委員会とのかかわりがいろいろとまだ問題があるということが言われますので、ここの文章に書いてあるように、今後、答申の中で、中間報告の後にそういったことをさらに精査して、適切な最終答申にまとめるというテーマがまだ残っているという感じがしているところであります。

○  ただ今ご発言がありましたように、「第4章」のところ、特に「学校の自主性・自律性の確立」の問題は、まさしく後段に向けての非常に重要な課題でございますので、社会からの期待も非常に大きいと考えておます。

○  回を重ねた小委員会で、委員や専門委員の皆さんの意見が大筋としては取り入れられているということで、基本的に異存はないわけです。問題は、残っている4月以降の議論をする際に、学校現場や市町村の教育委員会は、具体的にこれからどういう施策をきめ細かく出していくかということについて大変関心があるので、時間が相当迫っているようですけれども、4、5、6月という中で、改めて特に関係する団体等のヒアリング等をして、できるだけコンセンサスが得られるような審議も進めてもらいたいと思っているわけです。
  現在、学校の中で非常に痛ましい事件が相次いでいる中での、学校側自体の対処の仕方の中で、校長を中心にして、学校が一致協力した教職員のコミュニケーションの不足も含めて、何となく学校自体に元気がない。こういう状況をどうやって活性化していくかということが、国民の大きな期待だろうと思うんです。そのために、やはり学校の自主性・自律性を確保するという中で、校長を中心にした教職員の協力体制の確立を図るという視点を、ぜひ具体的に「第4章」以下の中で、今後、生かしていただきたいということが一つ。
  これは文章自体はここまできたらこだわりませんけれども、例えば指導、助言の在り方の見直しということで、ここに書かれていること自体は、かなり強めの指導がなされてきた結果、受け取る側にあたかも法的拘束力があるかのような受けとめ方がなされたと。これも事実なわけですけれども、一方で指導する側の反省でなくて、受け取る側の意識の変革に非常にウエートがかかっているようなニュアンスに受けとめられかねないという問題もありますので、これは現実にこれからどうしていくかということが重要なので、過去のことにさかのぼって、あれこれこの段階で申し上げませんけれども、そういう点も含めて、もっともっと生き生きとして子どもと教職員が向き合えるような学校の体制を一日も早くつくり出していくという意味から、今後の4月以降の議論が非常に重要ではないかという考えを持っておることを申し上げさせていただきます。

○  実は、この地方教育行政の在り方の中間報告を受けまして、絵に描いた餅にならないように私どもも学校を包み込んで、地域住民と一緒になって生き生きとした教育が展開されるように頑張らないといけないなと考えました。

○  今後の各論の議論が楽しみでざいまして、そういう意味では方向性をつけていただいたと思います。
  一つだけ、今後の本まとめをする時点で、同じことを言っても、一般のお母さん、お父さん、ないしは子どもたちにわかりやすい言葉、ないしはキャッチフレーズ、ないしはキーワード、そんなようなものが、中教審の考え方を世に示す上でとても大事だと思っております。
  私自身は、要は「個性あふれる地域ぐるみの人づくり」、そんなことを目指して、開かれた学校であり、施設であり、それを目指すんだと。そのために、国の役割、教育委員会の役割、学校自体の改革、地域の施設の利用、そういう何か大きな柱が一つあると、非常にわかりやすい。そんなものになるのではないかと思っております。いずれにしましても、この方向性につきましては、将来に向けて大変大事な一石を投ずるものになるのだろうと思います。

○  私も、この中間報告については、特にきょうはつけ加えて発言することは何もありません。特に「第1章」から「第3章」については、法改正、制度改正を含めて、かなり具体的なまとめ方をされているということで、これまでの中教審答申の中でもかなり特色ある答申になったのではないか。そういう点では、これからこれを発表された後に、関係者にそれ相当のインパクトは何か与えるのではないかということを思っています。そういう点では、中間報告を出された以降の、関係者の反応をすごく楽しみにしております。
  問題は、4月以降の「第4章」以降の学校の問題とか、教育委員会と学校との関係の問題を、どういう形で審議するかということだと思いますけれども、2ヵ月ぐらいしかありませんので、短期間でハードな、そしてかなり難しい個別的なテーマも出てきますので、ハードな中にもスムーズに審議ができるように、よろしくお願いしたいと思います。

○  私は、現在の学校教育が様々な困難な課題に直面していることを実感しております。それだけに各学校が特色ある学校教育をつくっていく上で、国と地方教育行政と学校がどういう位置関係にあるかということが非常に重要な意味を持っていると思いますけれども、それが明確に示されたと思っております。
  特に具体的に申し上げますと、カリキュラムに関するナショナルセンター、あるいは生徒指導研究に関するセンターの基本方向が明確になりましたし、それから国による指導資料の作成、あるいは研究指定校の在り方も示されたことによって、今後、これをどのように機能させていくかということの、今後の課題もまた明確になったと思っております。

○  この委員会に参加させていただいている半年の間にも、現実に様々な教育にかかわる出来事があって、それを通して本当に多くの人たちが、子どもたちを取り巻く、それから教育を取り巻く事柄についての具体的な解決策を強く求めていることを、ひしひしと感じました。
  そんな中で、私自身は、特に地域の教育力の向上ということに関心を持ちながらここに出席しておりまして、今回の中間報告の中で、これから教育委員会が地域の中でどのような役割を果たしていくかということに対しての方向性が出されたことは、とても大きな前進だったなと思っております。
  これから先は、具体的な提案をきめ細かく検討していくことは大変だと思いますけれども、それと同時に、ここで示されている考え方を、どうすれば多くの方々に理解していただけるか。浸透というよりは理解だと思うんですけれども、細かい決め事も重要だけれども、考え方を伝えることも大変重要だと思っておりますので、この中間報告がより多くの方々の目に触れ、考えていただける機会になることを望んでおります。

○  私もこの中間報告を拝見しましてこの方向で進めて頂ければ結構だと思います。今後また4月からの議論の深まりと申しますか、むしろこれからが大事なことだろうと思います。先ほどからもお話が出ておりますが、今、現実に新聞をにぎわしている青少年のいろいろな問題ですとか、教育現場が本当に自信をなくして、親もどうしていいかわからないという、いわば日本の教育は危機的な状況にあると思いますので、今後、これらの問題解決に向けてこの中間報告をいかにうまく生かしていけるかという議論が大事になっていくと痛感しております。

○  学校現場では、やはり教育課程審議会の動向がかなり気になるんです。中間まとめがかなり話題になっております。その中で、学校の特色を出すということが話題になっております。それにかかわって、「第4章」が学校と国、あるいは学校と地教委とのかかわりについての方向性が示されたということで、現場では話し合いが進められていくのではないかと考えております。これからは実際に地教委と学校とのかかわりを具体的にどうするかというあたりが、これからの協議の話題になってほしいと思います。また、カリキュラムに関するナショナルセンターの設置という指摘がありますが、このカリキュラムについては、地教委にもカリキュラムを研究する組織を必要とするのか、そういったこともこれからの協議の議題になるのかなと考えております。

○  何回か中間報告にまとまりますまで議論をしていただきましたことで、非常にわかりやすい、はっきりした方向にまとまったのではないかと感じております。
  これから「第4章」以下の具体化というところが、今後、非常に大きい課題になってくるわけでありますけれども、学校の裁量が拡大する、自主性・自律性を確立するということが、具体的にどういうことになっていくのかということを、今後、4月以降、なるべく具体的にわかりやすく示さなければいけないだろうと思います。その作業がかなり大変かなと思いますけれども、ぜひそこのところを、先ほども一般の方にわかりやすくというお話がありましたけれども、実際の学校の方や御父兄の方などにわかりやすい形で、このように変わるんだということが示せるようなものをぜひつくっていきたいと思っているところでございます。
  それから、制度の改正を有効に進めていくのには、やっぱりお金もかかるんだという話がございまして、いつかそのことがだいぶ話題になったことがございましたけれども、記者会見等の補足の形でもって、そういうあたりも少し触れていただけるとありがたいかなと思っております。

○  私、行政に携わっていますと、まず真っ先にいつも住民ということが頭にございます。そういったことで、教育委員会と住民との関係、あるいは学校と住民との関係、この連携協力なくして、いい学校経営はできないのではないかと思います。また、子どもが主役でございますから、子ども中心として考えていくことが必要であると思っております。
  2002年には小・中学校が5日制になるんですか、そういうようなことも伺っていますし、これは私は学校の先生のための休みではなく、子どもがゆとりを持って生活するための休みであろうと思います。これは大きく言えば生涯学習にかかわる問題ではないかと思っています。子どもが学校でいろいろなことを楽しく学んで、それをまた自分のところへ帰ってできるようにするのが、私は5日制の目的ではないかと思っています。ですから、今後の進め方としては、教育改革というのは生涯学習の視点で行うべきかなと思いました。○  この本文については、特に細かい点について異論があるわけではございません。それから、私、たぶんこの委員会の中で少数意見をたくさん言った人間だと思いますけれども、多々それを尊重していただいたことを前提としてなんですけれども、3点ばかり申し上げさせていただければと思います。
  最初の1点は、全体的なことですけれども、たぶん今回のこの論議は、世の中一般から見た場合に、恐らく二つのキーワードで理解されているのではないか。一つは地方分権にかかわりまして、教育行政の地方分権をどこまで進めていくのか。それから、それを前提として学校の自律性・自主性はどこまで確立できるのか。この二つが当然ながら眼目として理解されていると思います。
  その場合に、前者の地方分権について、団体自治の面については多く論議されましたし、かなり明確な方向が出たと思いますけれども、もう一方の住民自治について、やはりもう少しこれから掘り下げる必要があるのではないかという感想を持っております。
  それから、学校の自律性の問題は、これからの問題なんですけれども、前にも申し上げましたように、ややもしますと理念論で終わりがちな領域だろうと思います。やはり法制度もにらみながら、制度として学校の自律性をどう確立していくのかという方向で、今後、検討していただければありがたいと思っております。
  二つ目はちょっと細かい点になりますけれども、今言ったようなことを貫くために、地方におきます教育行政の専門性をどう強めていったらいいかという論議がまだ必要ではないかという気がしております。
  それとかかわりまして、大変細かくなりますけれども、教育長の任命承認を廃止することにかかわっての資格をどうするかという論議があったんですが、国と地方の関係を見たときに、圧倒的に国が専門性を持っているわけですね。そういった状況の中で、地方教育行政が独立してという理念だけでは十分ではない。それを担保する意味でも、地方教育行政の専門性を何らかの形で制度的に担保させていくという視点が必要ではなかったかと思います。それが一つのきっかけとして、教育長の問題としては、何らかの専門的な資格要件があってよかったのではないかという気はしております。
  それから、最後の点ですけれども、これも1番目とかかわりますが、地域住民の学校へのかかわりの問題で、またくどいことを言っていると思われるかもわかりませんが、どうしても住民自治とのかかわりで参加の問題を、この中教審の中で何らかの形で取り上げていただけないか。私、そういったところを専門に研究しているわけではございませんけれども、一般的に考えまして、諸外国に比べて日本がこの分野について大変立ちおくれているという認識を持っております。いろんな実態認識もあろうかと思いますけれども、制度の問題としても何らかの取っかかりが今回の論議の中で提起されればありがたいのではないかという希望的な意見を持っております。
  本文については、最初に申し上げましたように、少数意見もたくさん入れていただいた思いがございますので、ありがたく思っております。

○  私ども「21世紀に向けた地方教育行政の在り方に関する調査研究」におきましては、論点整理をいたしました。それをここで御報告したわけです。論点整理のときにも、大きな方向は議論して、ここで御報告したわけですけれども、ついにこれで小委員会で内容が決まったなと思って大変うれしく思っております。ただ、どなたもおっしゃっておられるとおり、たぶん今後がすごく重要であるという感じを持っております。
  一つ二つだけちょっと細かいことになるかもしれませんけれども、今後に関係することでしょうが、申し上げるとすれば、分権とか自主性の発揮ということは、基本的にはできるだけ学校、教育委員会の下からポテンシャルがあるものは、これからはできるだけ発揮してほしいというのがメッセージだろうと思うんです。だけども、地域といっても全くいろいろであるし、府県と市町村でも役割は違うわけですので、今後、これが実現したとして、新しいシステムの中で起こってくることは、実に多様だろうと思います。
  そのときに、学校で、児童に関することですから、あまり実験的というのはぐあい悪い。できるだけ問題がないように、円滑にいってほしいなと思うわけですけれども、そのときに地域によっては教育委員会が学校を補助する必要がある。学校がものすごく力を発揮する場合もある。学校が困って、住民というのか地域というのか、そのあたりのところはまだはっきりしていないところがあると思うんですが、そこに問題を投げて解決していくとか、いろんなやり方があるだろうと思います。
  そして、国が必要なら国のほうで助けるべきだと思うし、府県が必要なら府県は助けるべきだと思うわけです。いろんな可能性があるわけで、その可能性を封じないような制度に、今後はやり方が問題だろうと思うんです。そのときに、可能性を封じないようにしていかなければいけないだろうと思っております。
  先ほど御指摘があったんですけれども、強めに指導をしていたかもしれない、それに対して他方で依存心があったという関係の問題ですけれども、「指導に関して過度に制約にならないように」という表現があるんですけれども、本当は「指導の趣旨を超えて制約をしないように」という意味だろうと思うんです。過度であれ、少なくであれ、制約をするという意図ではないと思うんです。指導の趣旨に従ってやってもらえばいいんだろうと思うんです。そういうところは、本来の全体の趣旨がそうですから、私はそう読んでいきますけれども、割と学校とか、地域というのは敏感でありまして、わずかの言葉で非常に気にして反応するものでありますので、いろいろなところでこれから検討していくところがまだあり得ると私は感じておりました。
  それともう一つだけですけれども、新任の教育委員の研修という議論が出て、それが文章に書き込まれておりますが、これも上からの統制の意味ではないんだということがあるんだろうと思うんですけれども、そういうこともこれからのシステムを考えていくときに、やり方の問題ですけれども、考えていくんだろうなと思っております。

○  方向性としては、大変結構かと思います。また、項目の立て方もこれでいいかと思います。また、4月以降の具体的な内容等を盛り込むことによって、よりアピールするものになるのではないかと思います。
  方向性の中で、すべてすばらしいわけですし、カリキュラムセンターとか、いろいろなことが盛られております。しかし、私は感想として、この中間まとめで個人的に非常に特色あるなと思ったのは、やはり人材の活用ではないかと思うんです。これは教育委員、教育長もそうですし、校長、教頭も豊富な人材をどんどん活用しろと。一般教員も特別非常勤講師制度なんていうのが、これからより一層やりやすくなってくる。そういう中で、多方面からの優秀な人材を教育界に送り込むシステムをつくりつつある。これが何といってもこれからの教育を大きく変える、インパクトを与えていくものではないかと思います。

○  実はきょう、卒業生に卒業証書を渡してきたところなんでありますけれども、今ほど学校が世間から注目されている存在になっているときはないのではないかと思っています。きょう卒業した子どもたちがこれから中学生、高校生になっていく中で、彼らが望ましい学校の在り方の中で生活をしてほしいと思っております。
  そんな観点から、きょうおまとめいただいた特に「第4章」を中心に、学校を支援する体制としてのカリキュラムセンターであるとか、あるいは人材の活用、また自主性・自律性という、権限をいただくかわりに厳しいという面もありますが、大変丁寧に書いていただいているということで、学校としてはこれからどのように進んでいこうかというものを示していただけたのではないかと思っております。これからの話し合いの中で、これらの体制を財政的にも、それから法令面の上からでも担保していただけるように、ぜひ提言をしていただくように、また私もそのように参加させていただきたいと思っております。

○  一通り御感想と、それから特に4月以降に向けての御意見を伺いました。
  いずれにしても、これで中間報告に向けての文案としては御承認いただいたということになります。そして、どなたも4月以降の審議に向けて、日本の子ども、日本の教育をよりよくするためにということで、非常な御決意と申しますか、意欲をお示しいただきました。これからのこの小委員会の運営をそういう方向にこたえることができるように進めていきたいものだと感じておりました。
  そこで、これまで努力してきて、今そのように評価をしていただくと同時に、4月以降、しっかりやれということで励ましもいただきましたので、事務局の方から一言ずつ特に4月以降に向けての並み並みならぬ覚悟のほどをお願いします。

○事務局  私ども、地方教育行政について文部省の中で所管をしているわけでございますが、これまでいろいろ御説明させていただきましたが、行政的な内容が多く、あるいは専門的な内容が多く、決して十分な説明ができなかったのではないかといろいろ考えているところでございます。特にきょうの委員の皆様方の発言の中でも、できる限り国民にとってわかりやすい制度にする、あるいは多くの関係者にとって共感が持てるような制度にするということについては、今後、さらにそういった面で我々も努力をしていかなければいけないと思っております。さらに4月以降、審議が続くわけでございますので、審議の中におきましてもできるだけわかりやすい説明の資料を十分準備させていただきまして、活発な御審議になりますように努力したいと思っています。

○事務局  中央教育審議会、この地方教育行政の在り方は、今後の21世紀を目指して教育行政をどのように活性化していくかということで、大変大事な課題でございます。これをこういう形で、委員の先生方にその方向性を示していただいたことは、私ども大変ありがたく思っております。
  中央教育審議会は、一方では心の教育に関する小委員会のほうでも、幼児期からの心の教育の在り方について御提言をいただくわけでございますし、先ほどお話が出ましたけれども、実は教育課程審議会でも21世紀の教育内容の改訂に向けて、2002年度から完全学校週5日制を目指すということで、これもまたことしの夏ごろに答申をいただく。中教審から答申が出たすぐ後になろうかと思っておりますけれども、教育課程審議会からも御答申をいただきまして、あわせて21世紀に向けて我が国の教育がよりよくなるようにと、こんなことで引き続き頑張ってまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○事務局  今回の御議論をずうっと拝聴させていただいて、一つの中心的な理念といいますか考え方が地方分権であり、あるいは規制緩和であり、そして地域の住民に根差した学校、あるいは地方教育行政の在り方、さらには学校の在り方自体を、地方のそこに住む住民たちに開かれたものにしていこう、そして学校以外の教育作用について見直していこうという方向が出ていたように思います。
  そういう中で、教育委員の人材をどういうところから選ぶかというところにも、学校に限定しないで、まさに私どもが所管をしておる社会教育とか、あるいは生涯学習の考え方、さらには家庭・地域ということがうかがわれておりまして、今後の議論を詰めていただきます特に「第4章」以降ということになりますと、学校の経営を含めて、私どもがお世話をしておる分野との関係が非常に深くなっていくものと考えております。学校経営の中に、地方の活動で特に社会教育の分野等でうるさい大人たち、うるさい地域住民との間で、変な言い方ですけれども、苦労されているような経験を、学校の中で生かせるような工夫も考えたらどうかというニュアンスのことも出ていたように思います。今後、「第4章」以降の御議論が深まることを、私どもかたずをのんで見守りながら努力をしてまいりたいと思っております。

○事務局  地方教育行政について昨年の9月末に諮問を申し上げまして、半年間でこういう中間報告をおまとめいただいたことを、私ども本当に感謝をしておるところでございます。私ども中教審の全体の事務局ということでございまして、実はこちらの地方教育行政のお話と、それから幼児期からの心の教育のほうの小委員会と、両方をお世話をするというか、事務局をやっておりまして、一つの中教審が二つの答申を出したことはございますけれども、並行した形でこのように審議を進めてきたことは、今まであまりなかったのではないかと思っておるところでございます。その点につきましては、中間報告ということでもございますし、今後4月以降、学校の自主性・自律性の確立、あるいはコミュニティとの関係、あるいは生涯学習との関係、そういう御議論を深めていく中で、特に生涯学習との関係などにつきましては、なるべくわかりやすい形で答申をまとめていくように、私どもも努力をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○  改めてここで、どうしてももう一言は言っておきたいということはございましょうか。
  それでは、本日の討議はここまでにさせていただきます。
  改めてきょう、中間報告に向けての文案をお認めいただき、御確認をいただきました。ありがとうございました。これを受けて、3月27日の第216回総会で、文部大臣に提出する中間報告の文章については、会長と私に御一任願いたいと思います。
  なお、中間報告に当たって、これは前回、前々回もそうでしたが、いろいろ御意見の出たところでしたけれども、会長からこの報告について、各地方教育行政の関係者も含めて、国民各界で幅広い活発な議論を展開していただきたいこと、そして本報告の提言内容を実現するためには、各地方公共団体において首長(しゅちょう)が教育行政を重視し、教育委員会が住民の期待にこたえるべく積極果敢な取組を行っていくこと、さらに適切な行財政措置が必要であること、このことを訴えるお願いの文章を発表したいと考えておられます。これはこの委員会でも出た御意見でございました。したがって、そのように運びたいと思いますが、その内容についても、会長と私にお任せいただきたいと思います。
  そして、4月以降、本小委員会においては、中間報告で今後の見直しの基本的方向性を示した「第4章」の「学校の自主性・自律性の確立について」以降の部分を中心として、関係団体等の意見も聞きながら、具体的な対応方策について、さらに審議を深めることにしたいと思います。
  具体的には、4月は3回会議を開催して、「学校の自主性・自律性の確立」「地域コミュニティの育成と地域振興に教育委員会の果たすべき役割」及び「学校以外の教育機関の運営の在り方」について討議を行いたいと思います。そして、会長の意向としては、6月をめどに答申をまとめたいということですので、引き続き御協力をお願いいたします。
  これで本日の会議は終了いたしますが、委員の方は、第216回総会を3月27日、12時半から、霞が関東京會舘・ゴールドスタールーム、35階で開催しますので、よろしくお願いいたします。
  きょうは本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

(大臣官房政策課)

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