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資料8-1.国立高等専門学校機構提出資料

平成23年6月30日現在

東日本大震災に係る国立高等専門学校機構の対応

1 地震発生直後からの緊急対応

(1)災害対策本部の設置

 平成23年3月11日(金曜日)14時46分に発生した地震発生後、直ちに理事長を本部長とする災害対策本部を田町CICに設置して人員配置を行うことで、24時間体制で各学校の被害状況を把握するとともに、学生・教職員の安否確認及び情報収集を日々行った。51高専を含めた、非常時の国立高専機構のガバナンス構築に努めるとともに、被災高専の被害把握・支援等や文部科学省等への対応を行った。また、災害対策本部対策室を田町CIC(竹橋オフィス4月25日~5月31日)に常設し、理事長を筆頭に機構本部幹部職員で構成する災害対策本部会議を日々開催し、被害状況を分析して被災高専への迅速な支援に努めた。

(2)被害状況等の調査と確認

   1. 学生・教職員及び家族の安否

   学生・教職員に関する人的被害状況は次のとおり。

区分

被災者

死亡

行方不明

重傷

学生

学生本人

※ 2

 

 

父母

10

2

3

父母以外の学資負担者

4

 

 

その他の同居親族

9

10

2

教職員

父母

2

2

 

その他の親族

3

2

1

    ※学生本人の死亡者数には、入学予定者1名を含む。

 

    2.住居等の生活基盤の被害状況

     ⅰ 学生の住居等に関する被害状況は次のとおり。

住家等被害

被害数

全壊(大破)・流出

131

半壊(中破)・床上浸水

150

小破・床下浸水

297

警戒区域内のため避難

96

計画的区域内のため避難

28

緊急時避難準備区域内のため避難

28


     ⅱ教職員の住居等に関する被害状況は次のとおり。

住家等被害

被害数

全壊(大破)・流出

8

半壊(中破)・床上浸水

9

小破・床下浸水

5

   3.高専の施設・設備の被害状況

  被災した高専と連絡を密にし、被災状況が明らかとなった12高専から情報を得るとともに、文部科学省へ逐次報告を行った。

(3)被災高専に対する物資の支援

  特に被害が大きかった一関高専、仙台高専(名取キャンパス)、福島高専、茨城高専の4高専に対しては、15高専及び機構本部から、食料、飲料水をはじめ、生活に必要な緊急支援物資を届けた。また、長岡技科大、豊橋技大からも支援物資の提供があった。

(4)HPによる情報提供

  3月13日(日曜日)に、学生が自校の高専に連絡が取れない場合の連絡窓口を高専機構HP上に設けた。その後、HP上に震災対応に関する専用コーナーを設け、学事日程の変更、義援金、ボランティア、支援物資などの情報を掲載し、情報発信に努めた。

2 被災高専の授業・業務再開に向けた工程とその支援

(1)学生・教職員の生活基盤の回復及び授業の再開

 被災により居住の確保が難しくなった学生に対して、仙台高専(広瀬キャンパス・名取キャンパス)、福島高専、茨城高専の3高専4キャンパスで学生寮の空き部屋を提供するなどして計68名の学生を学生寮等に受け入れた。

 なお、被災を受けた高専では、茨城高専4月18日、一関高専4月27日、仙台高専5月9日、福島高専5月10日に、それぞれ授業を開始した。

(2)施設・建物の復旧

 被災高専における被害状況について調査を依頼するとともに、学内の安全確保について指示を行った。

 被災復旧に係る予算措置については、平成23年度補正予算による災害復旧費の申請を行うこととして、文部科学省に災害復旧事業計画書を提出した。5月19日現在で、仙台高専の施設の一部を除き、文部科学省の現地調査が完了し、被害復旧額(予算額)が確定したことから、被災高専は施設の復旧に着手している。なお、早急な安全確保が必要とされる施設は、文部科学省の現地調査を待たず、事前着工を行い施設の安全性確保を図っている。

 仙台高専において、現地調査が完了していない一部の施設については、改めて事業計画書を文部科学省に提出したところであり、今後、文部科学省による現地調査が実施されることとなる。

(3)設備・備品の整備

 被災高専における被害状況等の調査については、震災後継続的に行ったが、被害額の見積りを徴取する業者においても被災していること等により、5月末日時点においても被害総額の確定には至っていなかった。しかしながら、被災した高専の授業開始までに緊急に物品等が必要な場合には、授業開始に支障が生じないように被災高専に対し物品等の調達を行うよう指示を行い、備品・消耗品等の整備を図った。また、その他の被害を受けた物品等に関しても、該当高専が必要とする時期までに整備するよう別途指示を行った。

  なお、当該整備に関する予算措置に関しては、平成23年度補正予算の措置状況等を勘案しながら、機構戦略経費(災害復旧支援経費)で対応する予定とした。 

(4)交通・ライフライン等のインフラの状況に対応した支援

  災害対策本部では、被災を受けた高専ができる限り早期に授業や業務の再開の目途が立つように、断続的に電気・ガス・上下水道のインフラの状況把握、学生等の通学手段となる交通インフラの回復状況の把握に努め、各高専からの要望を聞きながら対応に努めた。

(5)支援要員の派遣

 (2)の施設・建物の復旧について、事業計画書の作成等にあたり、被災高専に状況の確認を行い、被災状況により作業が困難な高専については、機構本部施設課及び香川高専施設課から、不足する専門分野の職員を現地に派遣し、支援を行った。また、事務処理業務等については、八戸高専、鶴岡高専、奈良高専から仙台高専に対し職員を派遣し、支援が行われた。

3 被災学生に対する経済的支援

(1)授業料・入学金減免

  被災学生の状況調査の結果を踏まえ、経済的に困窮した学生が学業の継続を断念することがないよう、授業料及び入学金の免除の措置を講じた。なお、被災地においては授業料免除に必要な書類の入手が困難であることから、被災地における手続きの簡素化の特例を設け、実態に即した手続きが迅速に行えるようにした。

(2)教科書・教材費支援

 被災学生の状況調査の結果を踏まえ、教材等を流失するなどした学生に対しては、教材等の購入に要する経費について該当高専に対し必要な経費の配分を行った。

  また、該当学生への教材等の支給方法に当たっては、原則、無償譲渡によるものであるが、高専機構の会計に関する規則に基づいて手続をする必要がある旨、該当高専に対して併せて周知を図った。

 (3)義援金

  東日本大震災後、理事長をはじめとする機構本部役員及び各高専の校長を発起人とした、「独立行政法人国立高等専門学校機構災害支援の会」にて、被災された高専及びその関係者の支援の一助とすることを目的とした、国立高等専門学校の関係者から義援金の募集を行った。

  5月25日(水曜日)には、被災学生等の調査・確認を行った被害状況をもとに「義援金による災害見舞金(一時金)の配分」を該当高専に対して行ったが、その後、学生等に被害が確認された場合には、確認でき次第順次対応することとした。

 なお、5月末日現在、預かった義援金は、総額59,377,038円となり、義援金を寄せていただいた方々に対しては、別途高専機構のHPにて団体名などを掲載して状況を報告した。

(4)民間からの奨学金支援の受け入れ

 東日本大震災で被災した学生に対し、以下の奨学金を給付することとしている。

   1.コマツ奨学金

  株式会社小松製作所から2億円を寄附金として受け入れ、平成23年度から10年間、奨学金として給付することとなった。一人あたりの奨学金は月額5万円(年額60万円)となる。

   2.元気になろう日本 ローソン「夢を応援基金」

  株式会社ローソンによる「夢を応援基金」には国立高等専門学校の募集枠が10名あり、そこに応募して採択されることにより奨学金が給付される。一人あたりの奨学金は月額3万円となる。

   3.DMG/MORI SEIKI奨学基金

   ドイツ ギルデマイスター社・株式会社森精機製作所から3億円を寄附金として受け入れ、平成23年度から10年間、奨学金として給付することとなった。一人あたりの奨学金は月額5万円(年額60万円)となる。

4 被災学生の転学・就職等への配慮

(1)被災学生の転学等への配慮

 被災した4高専(一関、仙台、福島、茨城)に在籍する学生のうち、被災によって生活を維持するために遠隔地への避難を余儀なくされた学生に対し、避難先に近い高専での一時受入及び転学についての方針を定め、各高専に周知した。その結果、他高専での一時受入2名、他高専への転学1名、他県の高校への編入学1名、計4名の学生に対し措置が講じられた。

(2)被災学生の就職内定取り消し状況の調査・経済団体への働きかけ等〔学務〕

 震災の影響により企業等から内定取消などを受けた学生について調査を行なったところ、内定取消者2名、自宅待機及び入社延期となった者51名、採用事業所が変更された者3名であった。その後、自宅待機及び入社延期となった者51名の内、現時点の状況としては、48名が入社を終え、自宅待機等が3名となった。

  なお、3月25日付けで理事長から日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会、全国中小企業団体中央会に対し、被害を受けた卒業生に対する採用内定取消しの防止や入社予定日の柔軟な対応について配慮をお願いするとともに、被災した学生が就職活動で不利な扱いを受けることがないよう配慮をお願いした。

5 留学生への対応

(1)安否確認と情報提供

  被災した高専と連絡を取り合い、被災高専12校117名の留学生の安否状況の情報を得るとともに、文部科学省へ逐次報告を行った。3月22日までに全員の安全を確認した。

  マレーシア政府派遣留学生の編入学予定者の渡日について、当初予定日ではマレーシア政府より許可がおりず、渡日が延期された。渡日日程を調整するため、受入れ予定高専より渡日の延期期限について調査を行い、文部科学省へ報告を行った。マレーシア側で決定された渡日日程は、該当高専への周知を行った。

  関係省庁より発信された情報(再入国許可を取得せずに出国した留学生に対する特別措置、国費留学生の再渡日への支援等)を機構HPに掲載し、情報発信に努めるとともに、各高専への周知を行った。

(2)被災高専への編入学予定者の配属校変更措置

  被害が大きかった一関、仙台、福島の3高専への編入学予定者(国費留学生6名およびマレーシア政府派遣留学生6名)に対し、文部科学省に相談のうえ配属校の変更措置を行った。

(3)被災高専からの転学の調整

 マレーシア政府の方針により、福島第一原発から半径80km以内にいる学生は転学させることとなった。これを受けて、福島高専に在籍するマレーシア政府派遣留学生5名の転学の調整を行った。また、福島高専に在籍する国費留学生2名についても転学について本人の意思を確認し、そのうち1名については転学の調整を行った。

6 震災に伴う学生指導上の配慮

(1)学年当初の学校行事における配慮

 被災を受けた高専においては、終業式、卒業式・修了式の中止や延期、入学式・始業式の中止や延期、授業開始日の延期等の措置を講じた。また、新入学者に対しては、入学手続期間の延長の措置を講じた。

  なお、各学校へは、学校行事の実施にあたり、学生に対する教育上の観点を含め、被災者への哀悼の意を表するため黙祷の配慮をお願いした。

(2)メンタルヘルス対応の充実

 震災により被災した学生への心のケアに対応するため、被災高専でのカウンセラーによる相談回数を増やすなど、メンタルヘルスの体制強化を図った。

  また、災害対策本部においても、近隣高専に対してカウンセラー派遣の協力要請等を行い、被災高専に対し情報提供を行った。

(3)ボランティア活動への配慮

 東日本大震災後、全国的にボランティア活動参加への気運が高まり、多くの人々がボランティアとして被災地に入ったことが報道されたが、ボランティア活動が活発になるにつれ、宿泊地の確保の困難さ、余震やアスベスト飛散などによる被災地の危険性も問題として浮かび上がってきた。そこで、学生が安全で自律的な生活管理を行いつつ、被災地で責任を持った活動ができるよう、ボランティア活動に関する指針を作成し、各高専に周知した。

7 福島第一原子力発電所事故に係る対応

(1)福島高専における対応

  福島高専では、震災直後から校長を先頭に10名程度の教職員が災害対応に当り、原子力発電所の異常事態に備えたシミュレーションを行った。福島高専エリアに避難命令が出た場合を想定し、学生・教職員の避難、構内に受け入れた避難住民の対応、高専本部の暫時移動などの検討を行った。また、3月15日(火曜日)には、最悪の事態を想定して、高専創設時からの学籍簿、成績証明書、指導要録の重要書類を他高専に移動した3月16日(水曜日)には、入学式、始業式、授業開始日の延期を決定し、HP上に掲載した。

(2)全国の高専における放射線量調査への協力

   3月25日及び4月7日に文部科学省原子力災害対策支援本部から環境放射能水準調査における空間放射線量率調査への協力について機構災害対策本部に要請があり、全国計16高専において、定期的なモニタリング調査の測定を開始した。

8 節電対策

(1)東京電力・東北電力管内の高専に対する節電対策の要請

   震災の影響により、東北電力及び東京電力管内の電力の供給力が大幅に減少することから、政府の電力需給緊急対策本部において、5月13日に「夏期の電力需給対策」を取りまとめ、需要面では一律15%削減という需要抑制目標が示されるとともに、契約電力が500kW以上の大口需要家については、電気事業法第27条に基づく電気の使用制限が実施されることとなった。これにより、両電力管内の各高専において、節電対策の具体的な取組を行うこととなった。

9 被災地域への支援・協力

(1)高専施設の避難所等としての提供

  震災後、直ちに一関高専、仙台高専(名取キャンパス)、福島高専及び茨城高専の4高専では、避難所として50人から170人の地域住民の受け入れをそれぞれ行った。また、福島高専においては、構内図書館に広野町教育委員会の仮事務所としての受け入れを行った。

 なお、現時点では、福島高専以外の高専においては、受入は解除されている。

(2)学生・教職員のボランティア活動

 学生に対してボランティア活動に関する指針を作成し各高専に周知する(6-(3))とともに、教職員が東日本大震災の被災地等においてボランティア活動を行う場合は、平成23年12月31日までの間の7日の範囲内の期間で、特別休暇を取得することができる旨の通知を行った。

(3)専門家による被害状況の調査・情報提供

 震災後の地域の復旧・復興支援のため、各高専の地盤工学、環境都市工学、水工学、地震防災等の専門分野の教員が現地調査に赴いた。

   地盤工学会調査団として、八戸高専、長野高専、明石高専の5名の教員が3月中旬から4月にかけ被害状況調査のために現地に派遣された。また、土木学会災害緊急調査団としては、八戸高専、群馬高専、木更津高専、香川高専の5名の教員が3月下旬から5月にかけて被害状況調査のために現地に派遣された。

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

改革企画係 寺田、高瀬
電話番号:内線:3465

-- 登録:平成23年07月 --