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教育振興基本計画部会(第25回) 議事録

1.日時

平成25年3月18日(月曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 部会長の選任等について
  2. 第2期教育振興基本計画(答申(素案))について
  3. その他

4.出席者

委員

三村部会長、安西副部会長、小川副部会長、相川委員、衞藤委員、大日向委員、金子委員、木村委員、國井委員、篠原委員、白石委員、白波瀬委員、田村委員、丸山委員、三町委員、宮本委員、森委員

文部科学省

森口事務次官、山中文部科学審議官、藤木文部科学審議官、前川官房長、田中総括審議官、德久政策評価審議官、清木文教施設企画部長、合田生涯学習政策局長、布村初等中等教育局長、板東高等教育局長、小松私学部長、上月大臣官房審議官、藤野生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長、他

5.議事録

○新しい部会長について、三村委員がふさわしい旨発言があり、了承された。

○副部会長については三村部会長から安西委員、小川委員の指名があった。

※ 会議の公開が決定された。

【三村部会長】

 それでは、私から一言だけ簡単に御挨拶申し上げます。
 今回、第2期の教育振興基本計画をつくるわけですが、今、日本は客観的に眺めて見たら大変な危機にあると思います。そのためにいろいろな新しい制度のもとにいろいろなことが取り組まれておりますが、経済人の立場から見ると、やはり規制緩和、それからTPPに始まる国内市場の開放、それに伴ういろいろな合理化等々、それからエネルギー政策というものも非常に重要だと私は思っておりますが、それと同時にやはり教育の再生というものもそれと同じく、あるいはそれ以上の重要性を占めていると自覚いたしております。
 今回の振興基本計画でもいろいろな新しい取組、新しい視点から取り上げておりますが、もちろん一人一人が日本文化の継承者として、次の世代にこれを継承するということも非常に大事でございますが、それと同時に日本全体が少子高齢化している中で、やはり一人一人の能力を高めて経済成長に資するという、そういう側面、これも非常に大切なことだと思っております。
 私ども、そういう意味で第2期教育振興基本計画、正念場の教育再生というところに取り組むわけですが、今まで皆さんと一緒に議論したように、いろいろなところで問題がありますが、特に高等教育の充実という意味では、やはりまさに正念場だと思っております。どうぞ皆さんに御協力いただきながら新しい振興計画を早急につくり、それを大臣に示したいと思っておりますので、よろしく御協力いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次の議事に移ります前に、教育再生実行会議における検討状況について御報告をお願いいたします。先般、教育再生実行会議が設置され、いじめ問題などについての議論が進められているところでございますが、同会議の検討状況については適宜本審議会にも御報告いただき、連携を図っていきたいと思っております。それでは、高橋教育再生実行会議担当室長、よろしくお願いいたします。

【高橋教育再生実行会議担当室長】

 内閣官房の担当室長の高橋でございます。5分ほどお時間をいただきまして、資料2-1、2-2に基づきまして会議と今回の第一次提言の概要を御報告いたします。
 まず、資料2-1、これがこの会議の開催の閣議決定でございます。今回は法律に基づくものではなくて、閣議決定によりこの会議は設置されておりまして、その趣旨にありますように、教育の再生を実行に移していくため、内閣の最重要課題の一つとして教育改革を推進するための会議ということになっております。大臣はこの会議とか、あるいは中教審の総会におきましても、この会議と中教審の関係につきまして、教育再生実行会議では課題ごとの大きな方向性を示していただいて、それに基づいた法改正の内容など、具体的な政策の実施については中教審でより議論を具体化していただくという御説明をされております。
 今回は特に、この中教審を担当する文科大臣と、この会議を担当する教育再生担当大臣が下村大臣ということで兼務になっておりますので、屋上屋にならないように、有機的な連携が図られるように連携を密にしたいということでございますので、事務局もそのような旨を心がけたいと考えております。
 構成メンバーは二番にありますが、閣僚は総理と下村大臣と官房長官、それにその裏面にあります15名の有識者の方、さらに与党との連携を密にするために自民党と公明党から代表の方がオブザーバーということで、総勢20名で議論をしております。既に1月から2月にかけて3回会議を開催いたしまして、いじめに関する第一次提言というものをまず取りまとめていただきました。その概要が資料2-2でございます。
 今回のいじめの提言、大きく5本の柱になっておりますが、一つ目の柱は、まずは、いじめ問題に対応するためにも中長期的には道徳を新たな枠組みによって教科化して、人間性に深く迫る教育をしっかりと行っていこうと。道徳教育の充実、さらに新たな枠組みによる教科化ということが提言されております。ちなみに、この道徳の教科化については、6年前の第一次安倍内閣の教育再生会議でも提言されておりましたが、今回もこの方向での具体化の要請をされているところでございます。
 それから二点目に、これはこれまでの各種の提言にない内容でございますが、社会総がかりでいじめに対峙していくために、新たな立法措置、法律の制定を求めるという提言になっております。この会議では法律の具体的な内容、骨子にまで踏み込んだ議論というよりは、その法律の必要性を指摘して、今、国会において各党、各会派においてこの法律の制定に向けた議論が始められておりますので、その参考に資するような提言ということで内容としてはまとめました。その法律に含むべき事項としては、いじめの定義を明らかにすること、社会総がかりでいじめに対する姿勢をしっかりと位置付けること。さらに、大人の責務とか、いじめの向き合う体制の構築とか、指導の在り方についての規定が必要ではないか。
 より具体的には三番目と四番目のところに、いじめに向き合う体制はどうあるべきか、あるいはいじめている子どもへの指導はどうあるべきかということがより具体的に提言されております。会議における提言の内容は、全てが法律に盛り込むべきものというよりは、法律に位置付けるべきものもあるでしょうし、予算の充実で対応するものもあるでしょうし、あるいは運用の対応によるものがあると思われます。これについては今後、政府あるいは各党の国会における議論において法律になじむものは立法措置をしていただき、例えば三番の中にはスクールカウンセラーの配置促進とか、少人数指導・少人数学級の推進といった定数改定にかかわる提言もあります。こういったものは今後のこの計画にも絡むと思いますが、予算的な対応が期待されているというような内容になっております。
 実は、このいじめ提言の議論を開始した直後から、体罰の問題も非常に大きな社会的な問題になりましたので、会議では体罰問題もあわせて議論いたしました。いじめと体罰は基本的には分けて考えるべきだということで、項目は別にして五番目に体罰として、体罰禁止、これを徹底するということと、一方で懲戒として認められる対応と体罰の区別が曖昧なことによって現場が萎縮することがあってはならない、そういった区別を明示するということ、さらには子どもの自発的活動を促す部活の指導のガイドラインが必要ではないか、こういった提言になっております。この提言を受けて既に文科省においては政策の実現に入っていただいたもの、あるいは検討を開始していただいたものもございますし、国会においても各党の議論がこれを踏まえて今、進んでおるような状況でございます。
 この教育再生実行会議、既に二つ目のテーマであります教育委員会の改革はどうあるべきかという方にテーマが移って、これも連休ぐらいを目途に提言をおまとめするべく、今、検討をしたり、視察に行っていただいたりしているところでございます。これにつきましても、この提言の内容によっては中教審で法改正等に向けた具体の施策の議論をお願いすることになろうと思います。
 教育委員会の議論が終わりましたら、さらに大学の教育研究の充実強化、グローバル化に対応した教育の在り方、そして大学入試の在り方や6・3・3・4制の在り方も視野に、今後、テーマごとにできるだけスピード感を持って集中的に審議をしていくことになります。
 提言がお決まり次第、また適宜この中教審で御報告させていただきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 皆さんから何か御質問、御意見ありますか。
 これは中教審で何を検討してほしいという話は、全部の項目に対する検討が終わってからなされるということですか。

【高橋教育再生実行会議担当室長】

 この会議は、今、申し上げましたように、テーマごとに提案を逐次まとめるということをしておりますので、既にいじめについては2月に提言がまとまっております。恐らく教育委員会改革の提言が連休前後にはまとまることになると思いますので、それがまとまり次第、速やかにこちらに御報告をさせていただきたいと思っております。

【三村部会長】

 ということは、これについては中教審としては受けなくていいということですね。

【高橋教育再生実行会議担当室長】

 恐らくこの提言の内容は大きな方向性にとどまると思いますので、それを受けて具体的にそれをどう制度設計していくかという議論が恐らく中教審で本格的に御審議をいただくことになるのではないかと思います。

【三村部会長】

 それは具体的な提案として後でまた受けてと。

【高橋教育再生実行会議担当室長】

 いじめについてですか。

【三村部会長】

 いじめについてです。

【高橋教育再生実行会議担当室長】

 恐縮でございます。いじめについては、道徳教科化ということになりますと、これは学習指導要領の改定等になりますと、これはまたいずれ中教審での議論が必要になってくるのではないかと思います。必要があれば文科省の方から。

【三村部会長】

 そういう部分的な話としてですね。わかりました。
 それでは、ほかに御意見なければ次に移らせていただきます。次の議事は第2期の教育振興基本計画(答申素案)についてであります。この中に新しい項目としては、資金手当、ここのところが大きな項目として取り上げられているというところに特徴があると思いますが、よろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 それでは、資料3-2の「第2期教育振興基本計画について(答申(素案))」というものでございます。昨年夏の審議経過報告以降、委員の皆様からいただきました御意見ですとか、あるいは関係団体のヒアリングでいただきました御意見、また、本年1月の計画部会におきまして大臣からお話をさせていただきました事項ですとか、現在、事務的に検討を進めているような事項につきまして追記等をさせていただいております。その主な点につきましてかいつまんで御説明申し上げます。
 まず、大きなところでは30ページをお開きいただきたいと思いますが、「教育投資の在り方」ということで、この部分は審議経過報告におきましては、今後検討するというように記述されていた部分でございます。この内容につきましては、昨年の11月の計画部会におきましても、それぞれの学校段階ごとに投資する上で重視すべき点などにつきまして、資料を提出して御議論いただいたもの、そういったものを踏まえて整理をしている記述でございます。
 流れといたしましては、まず、教育投資の意義ということで、教育の効果が単に個人に帰属するものではなくて、広く社会全体に還元されるものであると。必要な教育投資については学習者本人のみならず社会全体で確保していこうということでございます。
 また、白丸の三つ目では、教育投資には、公財政支出、家計による負担ですとか、そういった私費負担に加えまして、ボランティア、企業の教育面におけるCSR活動等々も含まれることに留意が必要で、社会全体で教育を支える環境を醸成することによって全体の充実を図ることが求められるといった意義について述べております。
 その下では、第1期の計画策定以後の教育投資の状況について触れております。また、ページを繰っていただきますと、31ページの白丸の一つ目からは、学校段階ごとに教育投資をする必要性と、その大きな方向性を記述しております。例えば、最初の小学校就学前教育段階につきましては、我が国で依然として家計の教育費負担が指摘されておりまして、少子化対策の観点からもこの点が重要な課題であるといったこと、そういったことから幼児教育への無償化への取組について財源・制度等の問題を総合的に検討しながら進めていく必要があるといったことです。
 また、その下の白丸、義務教育につきましては、在学者一人当たりの公財政支出で見れば、義務教育段階については諸外国との比較でも既に一定程度の投資水準にあり、少子化の進展にあわせて投資額は減少するのが自然であるといった指摘もあるというようなことの記述をさせていただいた上で、しかし、その一方で、非正規教員等々、地域間での義務教育における環境の格差があるということですとか、その次のページ、33ページですが、やはり家庭の経済状況による教育の格差といったことも指摘されていること、さらにはいじめ、暴力行為等の問題行動ですとか、小学校における専科指導、特別支援教育への対応等といった課題もありまして、そういったことに対応していくために教員の質・能力の向上とともに、教職員の指導体制の整備を図っていくことが必要であるという記述をしております。
 また、高等学校の教育段階につきましては、特に低所得者層への支援ですとか、あるいは公私間の教育費格差の是正に配慮することが求められるといった記述をさせていただいております。
 また、33ページの一番下の白丸の高等教育段階につきましては、右のページで概要を記述しておりますが、大きく家庭の教育費負担の重さが課題となっていること、それから、グローバル化が進む「知の時代」において大学教育の質的転換が課題となっているといったこと等について記述をさせていただいております。
 さらに34ページの下の白丸では、誰もが安心をして教育研究を行うことができる環境を整備することが最優先の課題の一つだということで、耐震性の確保ですとか、防災機能強化、老朽化対策などの課題への対応が求められるといった記述をしております。
 最後、投資の関係のまとめといたしまして35ページ、次のページでございますが、今後の教育投資の方向性といたしまして、白丸の一つ目では、各学校段階を通じて共通的に重視をすべき点として三つ挙げております。協働型・双方向型学習など質の高い教育を可能とする環境の構築、家計における教育費負担の軽減、それから安全・安心な教育研究環境の構築ということでございます。
 さらに、その下の白丸からは、大きな方向性といたしまして教育の再生が最優先の政策課題の一つであって、欧米主要国を上回る質の高い教育の実現を図ることが求められているということ。さらに、その下で、充実した教育の姿の実現に向けて恒久的な財源を確保し、OECD諸国並みの公財政支出を行うことを目指しつつ、第2部以降で示します成果目標の達成ですとか、基本施策の実施に必要な予算について財源の措置をして、教育投資を確保していくことが必要であるという大きな方向性を掲げております。
 さらに、その下の白丸では、非常に厳しい財政状況にあり、そういった中で国の財政運営の方針と整合性をとりながら必要な投資を行っていく必要があるといったことについても付言しております。
 それから、個別のところでの内容でございますが、恐れ入りますが40ページをお開きいただきますと、ここは基本施策の1ということで、初中教育段階の学力に関する施策について取り上げているところですが、例えば40ページの「主な取組」の1-1の二つ目のパラグラフの真ん中ぐらいに、「さらに、土曜日における授業や体験活動の実施など、各地域の実情を踏まえ、土曜日の活用を促す」といった、現在、省内で検討を進めている内容につきまして追記をさせていただいております。
 それから、41ページ、42ページでございます。豊かな心の育成ということで、ここは審議経過報告におきましては、知・徳・体の徳・体をまとめて掲げておりましたが、徳と体を分けて書くことにして、体の部分は後ろにずらしております。
 また、42ページのところでは、道徳教育の関係で、先ほどの教育再生実行会議のこととも関連いたしますが、道徳の新たな枠組みによる教科化についての検討ですとか、あるいは2-3のところでは、いじめに関する記述をするとともに、いじめ防止対策に関する法制化を推進するといったことですとか、一番下のところでは体罰に関する記述についても追記しているところでございます。
 それから、48ページでございますが、ここは教員の質・能力の総合的な向上にかかる施策を掲げているところでございまして、審議経過報告では、主な取組としてまとまったものとして書いておりましたが、それを委員の御意見の中でもう少し養成・採用・研修という体系的な整理で記述を見直してほしいという御意見がございましたので、それぞれ4-1から養成・採用・研修の一体的な改革、それから養成にかかわるもの、採用にかかわるもの、研修にかかわるものといった形で内容を整理させていただいているところでございます。
 それから、53ページに飛びますが、全国学力・学習状況調査に関する記述でございます。7-1と書いているところのポツの一つ目の上から3行目でございますが、全数調査を継続的に実施するということを明記させていただいております。
 また、59、60ページの「子どもの成長に応じた柔軟な教育システム等の構築」ということで、これまで学校間の接続に関する記述のところでまとめていたものを、大学も含めてまとめてこちらの方で整理をし直しております。その中で60ページの10-1のところで、上から五つ目の黒ポツのところですが、子どもの成長に応じた柔軟な教育システム等の構築に向けて、6・3・3・4制の在り方も含めて幅広く検討を進めていくといった記述を加えるとともに、その下の10-2のところでは、二つ目のポツの下から4行目でございますが、高等学校段階での学習到達度テストの結果の入試における活用やグローバル人材育成のための入試の改善なども含めて、大学入試制度の在り方の見直しについて検討を進めるといった記述をしております。
 さらにページが飛びますが、80ページのところでは、三つ目の方向性の安心・安全にかかわる内容の部分で、特に教育費負担の軽減に向けた経済的支援ということを書いております。17-3では、高等学校段階に係る教育費負担の軽減を記述しておりますが、その中で、法律上、施行から3年経過後の見直し規定が存在しており、また、現在も特に低所得者層においては授業料以外の教育費が負担となっているとともに、公私間の教育費格差も見られる状態にある。限られた財源のもと、これらの課題に対応するために所得制限を設けることも含めて総合的な見直しを行うといった記述にしております。
 さらに、86ページのところでは、こちらは施設の関係の安全・安心にかかわる記述ですが、19-1のところで、これまで耐震化につきまして記述をしておりましたが、加えまして、例えばポツの一つ目の4行目の右の方ですが、屋内運動場等の天井等落下防止対策については平成27年度までの速やかな完了を目指すといったことで、非構造部材に関します記述についてもしっかりと加えているところでございます。
 さらに92ページでは、大学のセンター・オブ・コミュニティということで、地域の中核的な存在としての取組を書いておりますが、92ページの記述が以前、若干薄かったのですが、御意見がございまして、もう少し手厚くしてほしいということでございましたので、記述を充実しております。
 その後ろの93ページ、94ページのところ、特に94ページの家庭教育に関する記述でございますが、22-1といたしまして、黒ポツの一つ目の3行ほど、家庭教育の充実を図るという観点から取組について記述を充実しております。
 さらに、その後ろの95、96ページでは教育委員会の関係でございますが、96ページの23-1の黒ポツ一つ目のパラグラフの3行目から、教育委員会の責任体制を確立し、現場の問題に迅速かつ的確に対応できるよう、その抜本的な改革のための検討を進めるということ、そして、教育行政における国の責任の果たし方についても検討を進めるということを加えております。
 さらに、個別の施策の最後のところですが、97ページ、98ページのところで、教職員の指導体制の整備にかかる記述がございます。98ページのところでは、先ほどの投資の記述の部分で義務教育に関する記述がございましたが、そちらと同趣旨の形で、まだ全国的なばらつきがあるという状況ですとか、あるいは特別支援教育等の課題が大きいといったことで、そういったことを踏まえながら、教職員配置の適正化を計画的に行うことなどについて検討していって、必要な措置を講じていくということを記述しております。
 それから、最後の113ページを御覧いただきますと、ここにつきましては、「的確な情報の発信と国民の意見等の把握・反映」ということで、それぞれの施策の意義、目的などについて広く国民に発信をしていくことが求められる、そういったことをきちんとやっていくということと、さらに、計画の進捗状況の点検、それを踏まえた見直しといったことにつきましても記述を加えているところでございます。
 簡単でございますが、答申素案については以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 今まで議論していた中身、特に教育投資については全く1項追加ということですね。それ以外は皆さんからの意見を踏まえて修正したと、こういうことでありますが、今後の予定はどうなりますかね。これを踏まえて。

【藤野生涯学習政策局政策課長】

 きょう御議論いただきまして、各分科会の方にまた御覧いただいて御議論をしていただきたいと思っております。その上で、この分科会の方にそれらの意見等も踏まえた上で、再度御議論をいただきまして、総会にかけて答申と。日程の方でございますが、今、皆様方にいろいろとお聞きしておる段階でございますが、恐らく4月になってから答申ということになるのではないかと思っております。

【三村部会長】

 はい、わかりました。ということだそうでございます。したがって、これについて大きな修正は一つ、教育投資についてですが、ほかも含めて御意見があればどうぞよろしくお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。いつものとおり、御意見のある方は名立てを立てていただいて、私の方から指名させていただきますが、いかがでしょうか。
 一つ、就職活動時期を、大学生に勉強させるために、やはり3年生から始めるのはちょっと困るから、もう少し後ずらしにしてくれという話がちょっと議論に出ていたと思うのですが、これについてはそれほど明解に書いてないのですね。どうですか。これ、どこにまず出ていましたでしょうか。

【藤野生涯学習政策局政策課長】

 今の中ではちょっと書いてなかったと思います。今、その点もいろいろと検討すべき事項だということで、谷川副大臣のところにそういうふうな検討の場をつくろうということで、検討にかかろうかということを考えておるところでございます。
 あと、68ページでございますが、13-4というところでございます。68ページの下の方になるわけでございますが、ここに括弧の中でございますが、「就職・採用活動の早期化・長期化の是正や通年採用等の導入など採用慣行の適正化へ向けた取組の推進」という形で今のところを書かせていただいております。

【三村部会長】

 いかがですか、安西副部会長。

【安西副部会長】

 68ページの13-4に就活のことはある程度書いてあるのですが、もう少しはっきり書き込んでいただいてもいいのではないかと。今、議論としては、例えば4年生の後半からという議論もあるわけでありますので、早急に検討していただく必要があるのではないかと思います。

【三村部会長】

 ですから、谷川副大臣がやっているのだったら、それとよく中身をすり合わせて、場合によっては中教審として経済界にも働きかけるという必要も出てくるのではないだろうかと思っておりましたので、それについては後ほどまたいろいろ調整させてください。
 ほかにいかがでしょうか。何でも御意見あれば。どうぞ、金子委員。

【金子委員】

 今度の高等教育計画で一つ、先ほど三村部会長がおっしゃったことにかかわって、もうちょっと強調していいのかなと思うのは、社会人の教育です。大学院については一応書いてはあるのですが、成果目標に入ってはいるのですが、「多様な学生の増加」というようなかなり簡単な記述にとどまっていて、御存じのように、大学院に対する入学者数はここ7、8年、ほとんど停滞ないし微減しておりまして、特に社会人の入学者は減少の傾向にあるという、非常に深刻な問題がありまして、しかも諸外国と比べても非常に低い水準にあるということで、日本の経済発展が一方ではやはり新しい能力にかかるということであれば、新卒の人たちにとっても非常に重要なことは事実ですが、しかし、既卒の人たちに対して、進学して新しい知識、能力を獲得するということは非常に重要だと思います。
 私どもは、既に大学を卒業して社会に出ている人たちに調査をしているのですが、大体3割か4割ぐらいは機会があれば大学院に行きたいと言っているので、ですからポテンシャルは相当にあるといいますか、潜在的なデマンドはあるのですが、企業側の姿勢ないし大学院側の提供する側が不十分であるということによってこれが実現していない。日本の社会が変わるとすれば、そこのところは非常に大きなネックが一つあらわれているところだと思いますので、扱い方をもう少し強調するのと同時に、例えば、成果指標に大学入学者数、あるいは社会人入学者数を入れていただくのも一つの考え方ではないかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 篠原委員、どうぞ。

【篠原委員】

 私がいろいろお願い、注文をしたことをかなり盛り込んでいただいてありがとうございます。その上で再度御検討いただきたい点が幾つかございまして、一つは、63ページ、シティズンシップ教育のところです。政治や司法への参加に係る教育、消費者教育、道徳教育などの内容をと、これでいいと思うのですが、やはり選挙教育というのも一つ入れておいてほしいのですよね。選挙っていうのは子どもたちにとって市民精神を育む第一歩で、選挙で一票を投じるところから民主主義が始まることをきちんと教え込んでいく必要があると思うんです。それからシティズンシップ教育っていうのは、日本語に直せば主権者教育なので、丸括弧か何か入れておいていただければ。
 それから、あと、家庭教育のところですね。大分書いていただいたのですが、もう少し幼児、初等段階においては家庭の果たす役割が大きいというような少し踏み込んだ表現をしていただければということが二点目です。
 それから、あとは、私学のところですね。特に学校安全のところがございますね。校種を問わずと。これ、もうちょっと何か、例えばこの間、通学路の安全点検を公立の学校でやろうとして、平野文科大臣のときでしたか、私学も追加で調査を、という話になったように記憶しております。国公立だけではなくて私学も含めてそういう調査をやると。安全面のね。校種を問わずというところをもう少し具体的に盛り込んでいただければということと、それから、もう一点は、携帯電話の話です。43ページですね。機能限定が可能な携帯電話やフィルタリングの年齢段階に応じた活用、インターネットの利用に関する親子間のルールづくり云々とある。まあ、そのとおりなのでございますが、やはり小学校の段階においては、極力持たずに済むのなら持たせないようにしましょうというようなことをどこかに盛り込んでもらえないかなと。その上で、機能制限や、フィルタリングの活用とか、リテラシー教育などを盛り込むのはいいと思うのですけど。
 この四点、更に御検討いただければと思います。よろしく。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 三町委員、よろしくお願いします。

【三町委員】

 ありがとうございました。この会ではないですが、ペーパー等で出させていただいた内容をかなり入れていただいて、大変ありがたいと思っています。特に教員のメンタルヘルスなどもしっかりと書いていただいているなと思いました。
 その中で、ペーパーで私、書かせていただいたところなのですけど、9ページ、10ページあたりの「義務教育修了までの段階における現状と課題」の中の義務教育段階、10ページのところですが、「道徳教育については」から入って、「規範意識や社会性などの育成には依然として課題が残る」、これはそのとおりだと思うのですが、これでは義務教育段階で終わっているのかなというと、社会状況を見て必ずしもそうではないと思うのですが、その後の、例えば高等学校教育等で道徳教育にかかわる記述が見えなかったなということで、では、高等学校段階でこういうことは全くもうないのかというふうなところですね。心の教育は義務教育だけで終わるものでないと思っていますので、ここら辺ももう少し書いていただいたらありがたいかなと思っています。
 それから、これは読み込みの理解の問題なのですけど、38ページに、新たな成果指標としていじめにかかわる表現が入っています。38ページの「社会を生き抜く力の養成」の(1)の中段下ぐらいでしょうか。成果指標の2、いじめ、不登校、高校中退者の状況の改善ということで、括弧の中、その指標がちょっと上と形が違うなということです。内容として読んでみますと、いじめの認知件数に占めるいじめの解消しているものの割合の増加、つまり、これは大変ありがたいことで、認知したうちどこまで改善を図っているかということで増加していくというのはいいのですけど、その次のところが、全児童生徒数に占める不登校児童生徒数の割合、これは絶対的な数字なのか、これも減少、現状の児童生徒数の割合が減っていくということで一つの目標とするのかという、これはちょっと読み込みがわからないので、減少ならば減少というふうにしていただけるといいのかなと思いました。
 それから、研修に関することなのですが、きれいに整理していただいているので、ますますなんですが、48ページのところで、「主な取組」の4-4のところです。二つ目のところでは、初任者研修をはじめとする現職研修のより一層の充実・高度化を推進する云々と、これは大変ありがたいことで、教員は力をつけなければいけない。これはそうだと思っています。その下のところなのですが、一番下、「また、教員免許更新制については、受講者のニーズに応じた講習の質の向上など、制度の運用面での課題や」、その後ろで「その在り方について」という、「その在り方」っていうのは何なのかなということなのです。というのは、これは養成から研修にかかわる中で、今、10年経験者研修と、それから教員免許更新制度が、ちょうど時期、10年、10年ということで、非常に学校にとっては重なっているような印象がある。つまり、法に基づいた10年経験者研修と教員免許更新制度、この制度の整理ということの検討をお願いさせていただいているところですが、そこでこの記述の中でのその在り方について、現職研修の制度も含めて検討するのかどうかということを知りたいなと思ったところでございます。よろしくお願いします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。田村委員、一言お願いします。

【田村委員】

 御指名いただきまして恐縮ですが、会長が先ほどおっしゃられた高等教育の問題ということがかなり重要な問題として取り上げられだしているという認識をお示しになりましたが、私も高等教育についてはかなり本当に本気になってやらないと大変だなと思っております。高等教育というのは、先ほど金子委員もおっしゃっていましたが、大学院教育の問題なのですね。基本的に自校の大学を出た人が大学院に行くというシステムは変えないのですね。それで本当に大丈夫ですかっていう。そこに競争が入らないわけですから、本当にそれで大丈夫ですかっていうようなことが感じとしてあるのですが、それはきちんと調査をして数値を詰めたことではないものですから、ちょっと言うのを控えていたのですが。
 生徒の実態を見ていると、実は、高校生でもそれは気がついているのですね。ですから、学部に行くっていうことが大学院とつながっているっていうふうにしか思えない。その大学院が国際競争にさらされて対抗しているのかというと、それにちょっと疑問を持っているというので、学部を選ばないという生徒が出てきだしている。非常に優秀な学生にそれが出てきているものですから、率直に言って本当に心配なのですね。まだ大丈夫なのって、評価がだから変わるのですね。ただし、これ、いつまでもこの状態でいくと、5年ぐらい先になるとかなり危ないのではないかと私などは思っているものですから、本格的にやるのならちゃんとやらないと、高等教育っていうと学部の問題になることが多いのですけど、基本は大学院だと思うのですね。リサーチユニバーシティの中身って大学院ですから、そこのところは振興基本計画であまり触れていないものですから、どうなのかなというふうに思っています。
 それから、もう一点はやはり就学前教育ですね。これも実態を見ていますと、私も幼稚園の園長さんなんかもやっていますので、きょうも実は卒園式をやってきたのですが、これはもう明らかに子どもが変わってきているのですね。ですから、6・3・3制の改正なんていうことが議論になるっていうのは、そういう背景があるのだと思うのですね。子どもがものすごく成長しているわけです。早いのですね、年代的に。昔と比べると。だから、それに制度が追いついていないというようなことがあるものですから、6・3・3制の改正って、そんな簡単にはいかないと思うので、早くちゃんとやらないと、変な方に動かされてしまうと混乱してしまう心配がありますので、これもきちんと議論して、今の制度の混乱を出さないような工夫をして就学前教育はやはりちょっと考えないと具合が悪いのではないかなというのが実感としてございます。
 小中高はそれぞれ問題があるのですが、緊急といった場合、高等教育と就学前教育かなというふうにちょっと思ったものですから発言させていただきました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 大日向委員、いかがですか。就学前教育ということについて。

【大日向委員】

 ありがとうございます。就学前の発達環境の重要性は、とみに日々大きくなっていると思います。その点、今回のまとめは随所に書いていただいておりまして、それは大変ありがたいことだと思いますし、これまた随所に今後構築される子ども・子育て支援に関する新たな制度の内容なども踏まえつつ、総合的に検討しながら進めていくというふうにお書きいただいていることは、ぜひその方向でお願いできればと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 國井委員、どうぞ。

【國井委員】

 何度か申し上げたのですが、女性、外国人、障害者などの多様な人材の能力をどう発揮していくかという点について、7ページにはそれが書かれているのですが、全体としてやはり弱いなと思います。いろいろなところで、本日も技術同友会で女性技術者をもっと育成する、その分野に女性がもっと入るというのを提言しようという話をしていましたが、産業界では理系の女性が少ない。事務系の方はフィフティー・フィフティーでとれるようになってきていても、理系は分野によるのですが、機械だとか電気・電子だとか情報とかっていうところでは圧倒的に少なくてなかなか女性の採用が進まないという問題があります。これはジェンダー意識に起因する問題で、要するに小学校のかなり低学年からの教育の問題があると思いますし、また、高校での進路指導が非常に大きくかかわってきています。そのあたり、いろいろ御検討いただいたと思うのですが、表現が全体としてはやはり弱いのではと感じております。
 もう一点、先ほど金子委員の方からもお話がありましたが、社会人の生涯教育が産業界として極めて重要です。なかなか時間の問題とかお金の問題とかがあって、行きたいが行けない。特に女性は、行きたいという方が多いのですが、それが現実的には実現しない。このような問題について読み取れるところはあるのですが、もうちょっと何か、そのあたりは強く書けないのかなと思います。
 韓国などはこういう点に関してはポジティブアクションで、推進力を高めてきているところなのですが、産業界の成長のためにはここが非常にキーになるという認識でおります。そのあたりいかがでしょうか。なかなかそこは書き込むことが厳しそうなのですが、お願いしたい。以上、私のコメントです。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 初参加で申し訳ありませんけど、白石委員、どうぞ思っていることをおっしゃっていただければ。

【白石委員】

 私もこれを読ませていただいて、地方で課題になっている部分がほとんど網羅されていることについては、これまで審議された方の御意見が全部反映されているのかなと思います。
 ただ、現実的には、なかなか現場で実施するのが難しい項目もあるのですね。地方の立場から言いますと、例えば、安全・安心な学校施設について、老朽化や耐震化の問題、こういうことはまさにここに書いてあるとおりなのですが、現実的には実施していく上でいろいろ問題がございます。例えば、今は大分解消されているのですが、85ページの「現状と課題」にもあるように、東日本大震災を経験するまでもなく、大きな災害のときというのは学校は住民の避難場所になるんですね。これはほとんどがそういうふうになっているわけです。それで我々としては、小中学校、そして幼稚園、そういったものの耐震化というのはどんどん進めているのですが、何せこれは非常に財政的な負担が地方の自治体にはかかってくるのですね。ですから、ここに書いてあることは大方そのとおりなのですが、「27年度までのできるだけ早い時期に耐震化を完了することを目指す」とありますが、今言ったように目指したいのですが先立つものがないとなると、なかなか実現するのは容易ではないというようなことがあり、地方自治体をあずかる身からすると非常に厳しい状況なのかなという感じがします。
 いろいろ制限がございまして、私が実際体験したことですが、例えば学校の体育館は児童生徒数によって面積が決まっているわけですね。避難所になることを考えれば、若干広めのスペースをとるとか、あるいは備蓄ができるようなものを付加してつくるとか、そういったことを随分要求したのですが、東日本大震災を経験してから若干そこは担当の省庁で話合いができているようですが、例えば耐震化には補助が出るが、建て替えには出ないとか、地方からいうと、理想はわかるのですが、実際この耐震化、あるいは安全な学校施設をつくろうとなると、なかなか財政的に非常に厳しいということがありますので、これはこれとして、やはり国と地方自治体の財政負担をどうするかとか、そういったことが現実的には問題になるのかなという感じがいたします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 森委員、よろしくお願いします。

【森委員】

 教育再生実行会議の方の第一次提言では、「いじめの定義を明らかにし」っていうふうに書いてありますね。こちらの方はそういう部分が多分ないのかなと思うのでありますが、私の見間違いでしょうか。つまり、いじめの定義っていうのは、もうみんな明らかになっているという前提でここに書かれているのかどうかちょっと自信がないものですから伺いたいのであります。

【三村部会長】

 これは答えていただきますか。

【森友教育改革推進室長】

 いじめにつきましては、関連の通知等あったと思いますが、すみません、こちらの計画の方の書きぶりと実行会議での提言で一言一句同じようになっていないのですが、必要に応じてまた見直しをしていきたいと。

【森委員】

 非常に苦労して書かれているのはよく見えるものですからね、あまり難しい意見を言うつもりはないのですが、現場の先生方の意見を聞いたときに、非常に今、定義が幅広くなっているから、ちょっとしたトラブルでも全部いじめとしてカウントせざるを得ないと言っています。私はよくわかりませんがね。
 で、そうだとすると、私なんかが子どものころを思い出すと、相当いじめやっていたなと、こう思うのですよ。ほんのちょっとでも担任に、プレッシャーを与えたらいじめになるというのが本当にその今の定義だとすると、そうするとやはり定義をしっかり立てていくというのは非常に大事なことなのではないかなと思うのです。ですけど、38ページの表現ぶりですね、「いじめの認知件数に占めるいじめの解消しているものの割合の増加」っていうふうに書いているっていうことは、かなり幅広にいじめの定義をとっているっていうことは、ここで見えますよね。それから、42ページで「どの子どもにも、どの学校でも起こり得る」というのは苦心の表現ではないかなと思いますよ。幅広くとった結果、こうなるのだろうなと思います。ですけど、現場がすごい定義がはっきりしないで萎縮している状況は確かにあると思いますよ、私。
 それで、国民の一般的な理解としても、例えば陰湿な、集団で計画的に特定の子どもに継続的にやるというようなことが大体いじめの一般的な人の頭にあることではないのかなと、こう思うのですね。でも、今の定義だと、ひょっとすると、瞬間的にかっときて、何かいざこざを起こしたことでもいじめっていうことになってしまいやしないかなと。そうすると、すごく幅があるわけですよね。その辺は、私はやはり第一次提言の中で「定義を明らかにし」っていうのは、基本中の基本ではないかという気がするのですが。でも、一方で、難しい問題ですから、幅広く構えておいてこういう表現をするのも苦心の策かなということが見えるものですからね。ちょっと意見については保留しますが、お考えがあればと思います。

【三村部会長】

 どうぞ、布村局長。

【布村初等中等教育局長】

 初等中等教育局長の布村でございますが、今、いじめの定義についてのお尋ねで、一つは、いじめの問題については文部科学省で子どもたちの問題行動調査をする際にいじめの定義を設けておりますが、それが相当幅広い概念を含んでおりまして、できるだけいじめに早く気がついて速やかな解決につなげようという意味でその定義が成り立っているので、相当幅広く拾えるようになっています。一方で、教育再生実行会議で御議論がありました際にも、いじめ行為と、刑法に触れる犯罪行為との区別がはっきりしないのではないかと、そういう問題意識からの御議論がありまして、そこの整理をしっかりすべきではないかという御議論と、もう一つは、いじめの問題についても周期的に起こって、急に数が増えて、徐々に認識が薄れて下がると、そういう実態がありますので、いじめを防止する法律を設定すべしと、そういう御提言がありまして、そこでもいじめの定義をしっかり固めるべきではないかと、そういう御議論がありまして、今、このいじめの法案につきましては、教育再生実行会議の提言を踏まえて、議員立法という形でいじめの防止法案について御議論がされております。そこでもできるだけいじめの定義を明確化することとともに、ある程度法律から一つ下のレベルの行動計画と、そういうレベルである程度類型化して、より現場の先生方がいじめの問題に気がつきやすいような具体的な姿を示すという形で、よりわかりやすい定義にすべしという方向で検討しようという状況でございます。

【森委員】

 一言だけ。とにかく深刻な事態にならないように幅広く、初期状態をつかむために幅広く定義をしたというのはよくわかりました。ですから、やはり現場が混乱しないように、本当に突発的なものまでも全て、多分、今はいじめにカウントしていますよ、現場は。だけど、そのことと社会の認識がずれている気がします。ですから、いじめの数を見て、それにものすごいプレッシャーがかかるというようなのがあって、現場は非常に苦労していると思います。ですから、後半言われたようなことを徹底してぜひお願いしたいし、それから、法律にするのだったら当然、定義がはっきりしなければできませんから、これはひとつ、法律になるときに期待としてありますよね。はっきりしないで法律なんか書けるわけがないのです。まあ、そんなことで、一応、今の説明で納得いたしました。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 では、丸山委員、よろしくお願いします。

【丸山委員】

 35ページの公財政支出の部分なのですが、そこにはOECD諸国並みの公財政支出を行うことを目指すというふうに書かれております。前回の第1期計画では、この部分は公財政支出のGDP比については、OECD諸国の平均が5.0%であるのに対し、我が国は3.5%となっているという事実だけが書かれているところから見ると、大きく一歩踏み出した書き方になっていると受けとめることができます。ただ、それをマスコミがこの土日の新聞で原稿にすると、GDP比2%増を打ち出したとか、教育支出、毎年10兆円増という数値目標を打ち出したというふうに書かれているわけなのですが、結局、後年、第2期教育振興基本計画の答申では2%あるいは10兆円という上積みを打ち出したというふうに残ってしまう可能性があるわけですが、その辺の整合性といいますか、実際にこの答申を手がけた我々からすると、もし将来的にそういうふうに数字が一人歩きするのであれば、今の段階でこの表現方法を議論する、あるいは事務方の方で書き方に工夫をするというようなお考えはないか、その辺をちょっとお聞きしたいと思いました。

【三村部会長】

 答えていただく前に、まず、宮本委員、どうぞ。

【宮本委員】

 新たに教育投資の項目が加わったということは大変大事なことではないかと受けとめてございます。つまり、これは生涯学習社会の概念として、自立、協働、創造を挙げられているわけですが、創造の部分をいわば具体化していく、要するに教育が個々人の知的・道徳的な能力の向上に結びつくだけではなくて、社会全体の富を豊かにしていくものなのだということを具体的に語るものとして非常に重要な項目であろうかと思います。
 ただ、それに関して三点申し上げたいのですが、投資という以上リターンを求めるものであると思うのですね。いかなるリターン約束されるのかということを少し具体的に示していくことがこの項目の説得性を高めるだろう。その場合、この項目に関しては義務教育の段階と高等教育の段階、二つの丸で示されているわけですが、恐らくそれぞれリターンが違うのではないかと思うのですね。義務教育の場合は、要するに不必要なコスト、当事者にとってもハッピーではないし、社会全体にとってもコストがかかる、具体的には失業率だったりですとか、あるいは生活保護等の扶助的な経費、そのようなコストの抑制をしていくことにつながるんだということ。それから、その後の丸の高等教育に関しては、熾烈を極める人材獲得競争に勝ち抜いていくのだというようなポジティブなリターンですよね。ネガティブなコストを抑制するということと、ポジティブなリターンというので、やはりこれは両方ともリターンなのだということで具体的に書いていく。つまり、単なる経済投資ではなくて社会的投資なのだっていうことを示していくことが重要なのではないかなと。
 それから二番目に、この議論の流れだと若干、学校教育のイメージが強くなって、先ほど社会人教育の話がございましたが、やはり日本の社会教育そのものが投資的なものとして変わっていくのだということを示していく必要がありはしないかというふうに思います。
 それから三番目に、これは先ほど女性の問題が出ましたが、投資の効果を妨げている問題があるということですね。具体的に言うならば、日本の高等教育を終えた女性の就業率が66%程度にとどまって、OECD諸国の中でも下から二番目だということで、IMFのラガルド専務理事も、ここを何とかすることこそが日本の経済成長につながるのだということを行脚して回ったわけですが、まさに1兆5,000億になる高等教育予算の半分が、必ずしも投資として生かされていない。そこはやはり総合的な問題としてとらえて、リターンを高めていく施策とあわせて投資が打ち出されるということが重要なのではないかと思います。以上でございます。

【三村部会長】

 重要なポイントをありがとうございました。
 白波瀬委員、どうぞ。

【白波瀬委員】

 実は、教育投資の話で、宮本委員とかなり似ているのですが、教育はやはり投資だと思うのですが、そういう意味で誰に投資をするかというところに社会の将来像がありまして、少子高齢化の中の問題ということは、潜在的に今あるものを教育によって顕在化させて、最大限に活用して、活性化していくということにあるのではないかと思いますので、まさしくこの投資のところに、誰に投資を、より多様なところでやっていくかという、そこにやはりジェンダーの問題とか、あるいは外国人の問題というのも入ってくるのではないかと思います。
 それで、グローバル化ということなのですが、市場自体がもう開きますから、これはもう事実というか、受けとめなくてはいけないことだと思います。そこの中で勝ち抜くための人材形成ということになりますと、やはり教育だけではなくて、多分、経済界とのリンケージというのも無視できなくて、つまり、日本の中で大学院教育が若干行き詰まっているところの一つは、労働市場における評価とうまくリンクしていないというところも問題としてあるのではないかというふうに考えますので、これを全てここの中にということではないのですが、答申には少なくとも、もう少し多様な、潜在的人材を活用していくという投資の中身について強調していただければ大変ありがたいと思います。以上です。

【三村部会長】

 木村委員。

【木村委員】

 教育投資の話が出たので一言だけコメントしたいと思います。80ページの17-4のところ、下から4行目からですが、「無利子奨学金について、本人の所得の捕捉が可能となる環境の整備を前提に、現行の一定額を返還する制度から、卒業後の所得水準に応じて毎年の返還額を決める制度に移行する等」と書いてあります。現在の時点ではこれを修文をする必要は特にないと思うのですが、御承知のとおり英国が授業料システムを大変換しました。年7,000~9,000ポンド払えということになりました。ただし、それは大学時代に払わなくてよく、将来、社会に出てから年収が300万以上ぐらいになったら返還するというシステムです。ですが、これが最近、大変なことになっていまして、若者の進学率を激減させています。将来に負債を持っていくという制度が本当にいいのかどうかという点については、現在の状況では、納得しますが、それを具体的にデザインするときには相当考えないといけないと思っています。最近、東工大と、それからパリでAHELO会議が行われたのですが、イギリスがヨーロッパの国々から新しいシステムについてかなり批判されていました。また英国自身もそれを認めていました。その意味でも、将来へツケを回すという制度については相当考えていかなければいけないということを申し上げておきたいと思います。格差是正を目指していた英国がこの制度において皮肉にもそれを更に拡大させる方向に動いてしまったというのが大方の見方のようです。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 そうしたら、最後によろしいですか。
 その前に金子委員、もう一度、どうぞ。

【金子委員】

 確かに貸与といいますか、ローンでもって高等教育費用を賄うという考え方が、国際的にここ20年ぐらい、そういう方向が非常に強かったのですが、イギリスがやってみて、これはやはり非常に大きな問題があるということがわかったということは認識しておくべき問題だと思います。
 ただ、既に日本の大学進学者は、学生支援機構から借りる第2種の有利子奨学金は貸与率が1970年代の初めまでは1割ぐらいしかなかったのですが、今は4割です。要するに、この間の高等教育進学率の拡大はローンによって賄われたと言っても過言ではない。もう既にそれはかなり既成の事実でありまして、ただ、これも高校生が進学するときの選択の調査をしてみますと、やはり家庭所得が低い層ほどローンを借りたがらないといいますか、やはりリスクが高いことに対して所得が低いほど警戒するというようなことがあります。それはやはり所得階級別の進学率の差に反映しているということはありますので、そういう意味ではリスクをあまり感じさせないような政策的手段をとるということはやはり重要で、その限りではここで述べられていることは確かに重要なのではないかと思います。一応つけ加えさせていただきます。

【三村部会長】

 はい、わかりました。
 最後になりますが、安西副部会長、お願いします。

【安西副部会長】

 5年前の第1期の教育振興基本計画を立てるときに、この教育投資の問題が大分議論されまして、今回、これがこれだけ入ってきたというのは、大変大きなことだと思っております。
 今ありましたが、教育投資につきましては、やはりこれからの学生、生徒、児童の将来のために投資をするということが日本の将来を決めるという、理念的ですが、そういうことだというふうに思いますし、そのためには具体的に自立、協働、創造を一人一人主体的に活動できるようにということが前文の先頭に来るわけだと思います。そのために相当思い切った形でもって政策を打っていただきたい。
 答申をやっていても、実際に本当にこれが実行されるかどうかということにはギャップがありまして、特に大学においては前から申し上げているとおりで、答申が出ただけでは何もやったことにならないということなのです。大学について申し上げれば、主体的に考えて、自分で実行できるようになるような、そういう教育の仕方に質的に転換をしていけば、例えば退学する学生も出てこざるを得ないと思いますし、教員の方も教え方がおかしいという教員もたくさん出てくるかもしれない。そういうことに対して今のところまだ教育制度の法律の方は手が打てていない。編入学とか退学ということをかなりフレキシブルにできるような体制になっていないわけです。
 あるいは、大学院につきましても、本当にイノベーションが大学院生から出てくるような仕組みには、さきほどの田村先生のお話のように、なっていません。むしろ、特に理系については卒論の学生を囲い込んで、論文生産工場の中で囲い込む方向にシフトしているというふうに思います。大学院生、あるいは学部の学生でも独立して自分のオリジナリティーを出していくことがむしろプラスに働くような、そういう仕組みをきちんとつくらないといけないので、ぜひそういうところを考えていただきたいと思います。
 それから、教育投資という意味では、例えば初中教育、特に後期中等教育の教員の資質向上の問題で、免許制度の更新、あるいは研修の問題がありますが、ここの答申素案にうたっているような、そういう方向への方針が本当に研修とか新しい免許制度の中に埋め込まれていくのかということについては、まだまだ議論がなされていないのではないかと思います。それをきちんと埋め込んでいかない限り、なかなか現場が主体的に学んでいく学生、生徒、児童を生んでいくというふうにはいかないのではないかと思います。つまり、教育投資をきちんとやるということは、OECD並みにやる、そういうことをきちんとやることは必須だと思いますが、投資されたお金を本当に効果的に、効率的に使うような、そういう政策は相当具体的にはっきり打つ必要があるのではないかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 後半、教育投資に議論が集中して、私としては満足でございます。ただ、内容についてはまだまだブラッシュアップする必要がある。我々は思いでOECD並みと、こう言っても、さて、それが日本全体の政策になるとはちょっと限らないわけで、具体的に何人かの委員からお話があったような形で、もう少し具体論としてわかりやすい、ねらいがはっきりしている内容にまとめていただきたいと思います。
 それから、それ以外については、各分科会との連携をこれからとらなければいけませんので、きょうの議論も踏まえて、各分科会に配付していただいて、それぞれ意見を聞いていただいて、それでまとめていただきたいと、このように思っております。
 最後ですが、先ほどちょっとありましたが、次回のスケジュールについて事務局からお願いします。

【藤野生涯学習政策局政策課長】

 次回でございますが、今、部会長の方から言っていただきましたように、各分科会の方で審議をしていただきまして、その結果を踏まえまして答申案という形でまたこの部会の方に御相談させていただきたいと思っております。日程の方は既に皆様方の調整をさせていただいておりますが、具体的な日程が決まり次第御連絡差し上げたいと存じます。

【篠原委員】

 ちょっと一つ質問で、今、道徳の教科化の流れが出ていますが、あれはどうなのですか。有識者会議か何かで検討されているのですか。

【布村初等中等教育局長】

 初等中等教育局からですが、今、御質問の教育再生実行会議の第一次提言で道徳の教科化を含めた道徳の充実について御提言をいただきました。それで、これから間もなく道徳の有識者会議を大臣のもとに設置をいたしまして、一つは「心のノート」をより授業で活用しやすいように改訂すべきではないかというテーマ、それから、道徳を担当する教員の資質、指導力をより高める方策をどうするべきかという論点、それからもう一つは、道徳の教科化に向けた論点整理といったところで御提言を取りまとめていただく予定になってございまして、その上で道徳の教科化につきましては、中央教育審議会の中に教育課程部会がございますので、道徳の教科化を含め、道徳教育の在り方につきましては、今後、有識者会議の提言を踏まえて中央教育審議会で御議論いただきたいという流れでございます。

【篠原委員】

 そういう流れですか。
 教科化にするのは僕も大賛成なのですが、成績をつけるというのはなかなか難しいテーマだなと思って。基本計画で「心のノート」の話、入っていますよね。この教科化の話っていうのはいずれ計画に盛り込むのですか、盛り込まないのですか。

【藤野生涯学習政策局政策課長】

 既に同じ道徳のところでございますが、教科化の方についても検討するという形で組み込みさせていただきます。

【篠原委員】

 それから、もう一点、この間、文科省で体罰問題について教育的指導と、それからもう一つは体罰という二つに分けて通達が出されました? どなただったのか。

【布村初等中等教育局長】

 はい。

【篠原委員】

 布村さん、あれを見るとよくわからないところがありまして、例えば僕なんか高校時代、よく廊下に立たされました。ずる休みをして巨人・西鉄の日本シリーズなんか見に行って、先生が「立っとれ」とか言って。ああいうのはどっちなのですか。教室の中で立たせることは教育的指導だと書いてあるのですが。

【布村初等中等教育局長】

 今回の通知は一つ、厳しい指導といいますか、いわゆる体罰を禁止するところは懲戒という条文の中に、懲戒ができること、それから、体罰は禁止だという条文になってございまして、どこまでが厳しい指導で、どこからが体罰に当たるのかを整理させていただいて、そこで具体的な事例として肉体的な苦痛ともう一つ、二つの要件に該当するものが体罰で、一定の時間立たせることについては指導としてあり得るという、そういう例示で、ただし、立たせることが給食の時間、あるいはトイレに行きたいと訴えかけてもそのまま立つことを強制した場合には体罰に当たると、そういう、現場の先生にできるだけわかりやすく整理しようとして通知を出させていただきました。

【篠原委員】

 現場は結構混乱するのではないかと危惧しています。

【三村部会長】

 よろしいでしょうか。
 それでは、本日の審議はこれまでといたします。どうもありがとうございました。

── 了 ──

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生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成25年06月 --