ここからサイトの主なメニューです

教育振興基本計画部会(第23回) 議事録

1.日時

平成24年11月16日(金曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 教育投資について

4.出席者

委員

三村部会長、安西副部会長、小川副部会長、相川委員、安倍委員、大日向委員、岡島委員、木村委員、篠原委員、竹原委員、田村委員、三町委員

文部科学省

山中文部科学審議官、清木文教施設企画部長、合田生涯学習政策局長、布村初等中等教育局長、上月大臣官房審議官、藤野生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長、他

5.議事録

【三村部会長】

 それでは定刻でございますので、ただいまから教育振興基本計画部会(第23回)を開催させていただきます。お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございました。
 本日の配付資料につきまして、事務局から確認をよろしくお願いします

【森友教育改革推進室長】

 本日の配付資料ですが、資料1-1、1-2、資料2、参考資料1とございます。
 本日、前半と後半に分けまして、前半の御議論の資料といたしまして、資料1-1と資料1-2がございますが、これは先般、財政制度等審議会におきまして、教育投資に関します御議論がございました。その御議論に関するこちら側の考え方というものを整理したものでございます。また資料2は、前回の計画部会における御議論を踏まえまして、今後の投資の在り方に関する論点を整理したものでございます。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、今、話がありましたように、前半と後半、二部構成で進めたいと思います。前半は資料の説明ですかね。財政審議会を踏まえてですね。後半が主な話題になりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず説明をよろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 それでは、資料1-1、1-2でございますが、先般の財政審におきまして、教育投資の在り方についての議論がありました。その際の財政審の資料につきましては、参考資料1としておつけしている資料でございまして、詳細につきましては省略をさせていただきます。
 ポイントは三つございまして、全体の教育投資の在り方、それから定数改善計画の関係、更に大学改革の関係という三つの観点がございました。
 財政審の方におきましては、教育投資全体につきまして、子どもの数ですとか政府の規模を考えれば、日本の教育投資というのは諸外国と比べて遜色ないといった点。それから小中学校につきまして、子どもの減少に伴いまして教員数も減るのが自然ではないかといった議論。さらには、全体として大学改革というのが不十分であって、更に奨学金の貸与基準なども厳格にすべきではないかといった大きな論点が財政審ではございました。
 それにつきましての文部科学省の考え方というのを、資料1-1と1-2に整理しているものでございますが、資料1-1は、資料1-2の資料の概要版の資料でございますので、また後ほど御覧いただければと思いますが、資料1-2の方を1枚めくっていただきますと目次が左側に出てまいります。これが、先ほどの三つの点につきまして整理をしているという目次でございまして、教育投資の総論につきましては、右側の1ページから始まりますが、これは10月末の計画部会における教育投資全体の資料の中でも出てきている資料、重なる部分もございますが、改めてざっと触れたいと思います。
 3ページを御覧いただきますと、我が国の公財政教育支出の現状ということで、我が国の公財政教育支出が、国の規模、GDPと比較した場合には国際的に低い水準でであるいうことを改めて触れさせていただいております。
 裏のページには、特に高等教育段階においても少ないというようなことでございます。
 さらに5ページにまいりますと、我が国の公財政教育支出は、政府の規模を勘案しても国際的に少ないといったような触れ方をしておりまして、このグラフにつきましては、一般政府総支出に占める、そのうちの公財政教育支出の割合ということで、一般的に国の教育に対する一つの姿勢の指標として見られているものでございますが、これもかなり低い状況にございます。
 さらに、その後ろの6ページでございますが、これは横軸に政府の規模、GDPに占める政府全体の支出の割合がございまして、縦軸に公財政教育支出の一般政府総支出に占める割合がございますが、政府の規模が小さいほど一般政府総支出に占める教育費の割合は大きくなる傾向にあると。この斜線が、左側が上がっているという傾向にございますが、我が国は、政府の規模が同程度、例えば米国等々と比べて教育費の割合が少ないといったことを示している図でございます。
 それから7ページ、8ページでは、これも前回の部会でもお配りしておりますが、一人当たりの子どもの数で割って、一人当たりに公財政教育支出を並べると、その全体の教育段階で見ますとそこそこのところには、いっておりますが、後ろの8ページを御覧いただきますとおわかりになりますとおり、就学前教育段階、そして高等教育段階につきましては、それでもなおかなり少ないといった状況であるというものでございます。
 9ページからは、家計における教育費負担の高さ、圧迫感というものをお示ししている資料でございます。これも、先回、お配りしておりますが、大学卒業までにかかる平均的な教育費は家計を圧迫しているということ。さらに、高所得世帯と低所得世帯では教育への支出額に差が見られるという下の表でございます。
 また、その裏のページの10ページでは、これも前回お配りしておりますが、例えば子ども二人を大学に通わせたという場合におきましては、家計に占める教育費の割合がとても大きくなると。特に、二人行っているときは家計の半分、さらに下宿をしてしまうと、それ以上といった割合を占めると。
 さらに、その下の円グラフのところですが、大学生二人を大学に通わせる場合に、月当たり大体30万ぐらいの消費支出とした場合に、普通ですとこの円グラフであるような形での消費支出なのですが、それを押し切って約20万程度まで教育費が増加をしてしまうというような状況もあるのではないかということでございます。
 それから11ページのところでは、世帯収入と学力との相関関係、それから右側では高校卒業後の進路ということで、世帯の収入別に見てみると、大学に行く人、それから就職する人ということで、かなり格差が出てきている状況をあらわしているグラフでございます。
 また、その後ろの12ページでございますが、これは、内閣府の一つの調査の中で、中学3年生の子どもたちに、今後の進路の理想、そして現実にはこうなるのではないかということ、両方を聞いたもののギャップを示しているものです。上の棒グラフのところで、例えば理想のところ、大学のところを御覧いただきますと、56.9%が大学に行きたいと。ただ、現実のところを見ると51.8%に減っていると。現実にはこうなるのではないかというふうに考えているので、その希望を断念する理由として、下の現実学歴の理由というところで、上から二つ目に、「家庭に経済的な余裕がないから」というのがございます。それが、およそ4%ございますが、中学校相当年齢の子どもたちの数を掛けますと、5万人ぐらいになるのではないかという一つの試算でございます。
 さらに、右側の13ページのところでは、左下のところで人口に占める子ども・若者の割合の推移ということで、下のところの茶色が韓国、それから、その上のダイヤモンドの青のところが日本でございます。その上、またフランス等々がございますが。全体として、子どもの割合が減ってきているという状況がございますが、右側にあるように、例えば韓国で顕著ですが、教育機関への公財政支出というものは、日本が一番、増やしている率が少ないといった状況でございます。
 それから、その次の14ページでございますが、これも前回の部会でもお出ししておりますが、少子化と教育の関係ということで、家計に占める教育費負担の大きさというものが、少子化の要因にもなっていると。そういうことから、安心して子どもを産み、育てる環境の構築というものが喫緊の課題だというアンケート調査を、また出してきております。
 それから、右側の15ページのところでは、これは左側のプロットのところを見ていただきますと、横軸で一人当たりの就学前教育に係る公財政教育支出をあらわしています。上の縦軸で出生率です。横軸が多いと、出生率も高いというような相関が見られるプロットでございまして、日本は、一人当たりの就学前教育に対する支出が少ないと。これは、児童手当等は含まれておりませんので、そういった目では見なければいけないのですが、そういった中でも低いというような状況にあるというようなものをあらわしているものでございます。
 さらに17ページでございますが、17ページ、18ページは、教育の公的効果に関する研究を例として取り上げているところでございます。例えば、教育改革によって教育の質が向上すればGDPが増加をしていくということですとか、幼児教育プログラムへの投資と、その利益との比率は1:7という推計があるとか、そういった経済的効果に関する種々の研究がございます。
 また、社会的効果という点では、30歳時点での平均余命というものを比較すると、学歴別で見ると、高等教育修了者の方が、後期中等教育未終了者の男性よりも高いといった結果ですとか、あるいは犯罪発生率などについても、一つの研究というものが見られるところでございます。
 総論部分については、以上でございます。
 続きまして、定数関係での御説明でございます。

【伯井財務課長】

 初等中等教育局の財務課長の伯井と申します。よろしくお願いいたします。
 資料の21ページにございますように、我々といたしましては、教育振興基本計画の5か年計画に合わせまして、平成25年から29年の5か年で、総勢2万7,800人の定数改善を行いまして、35人以下学級の推進、その他教育上の課題に対応していこうという考え方でございます。
 23ページ、24ページあたりを御覧いただきたいのですが、この3年間で教職員定数が1万人を超える定数改善が実現いたしまして、一時期、危惧されておりました習熟度別指導が少し少なくなってきたとか、そういうものにつきましても回復をしてきており、一人一人に目の届いた教育ができつつあるというところでございますが、近年、23年度には、小1の35人以下学級を制度改正で行いました。また、本年度は、小2につきまして36人以上学級を解消するという、加配の形で対応し、現在、結果として全ての都道府県におきまして、小1、小2の35人以下学級が実現しているところでございます。これを更に推進すべく、そして教職員定数というのは、この23ページの下の表にございますが、これまで逐次、計画的に各都道府県の先の見通し、各都道府県が先の見通しを持って人事、採用ができるということが実現するよう、計画的に行ってきたわけでございますが、第7次、平成17年度の改善以降、18年度以降、計画的な改善が行われていないという課題がございまして、現場や地方というのは、その少人数学級の推進などを計画的に行ってほしいという切なる声がございます。
 また、24ページにありますように、学校現場が抱える課題が、いじめに代表されますように、様々な課題がかつてないほど増えているわけでございまして、学校の負担が増大していると。さらには、家庭の経済状況が学力にも影響を与えるといった格差の是正を図らなければならない。あるいは、新しい学びに、新学習指導要領に対応した形で対応していかなければならない。
 さらには、先ほども少し申し上げました、非正規教員が現状において全体の16%を占めておりますので、学校運営の質の面で非常に問題となっていると。そういったことに歯止めをかけなければならないと。こういった理由から、今後5年間で2万7,800人の定数改善をお願いしたいと。その初年度分として、25年度概算要求では5,500人の改善の要求をしておるものでございます。
 ただ、これは22ページの新しい定数改善計画(案)の内容にございますように、当然、文部科学省としても、公務員人件費改革あるいは財政事情ということをしっかり見極めながら、この計画を立てておるわけでございますが、今後、5年間の子どもの減少に伴う教職員定数の減が約2万人、お金に換算しますと400億程度の減少がございます。さらに、教職員が比較的50代の先生が多いというような現状でございますので、そういう退職、若返りによる新陳代謝給与減が200億程度、人数で言うと9,000人換算ございます。
 こうしたものを有効に活用しながら、その少子化による教職員定数の減というものを、むしろ教員配置の改善に有効に活用して、よりきめ細やかで質の高い教育を行っていこうという考え方でございまして、現行の教職員給与費総額の範囲内で、したがって追加的な財政投入をなくして、この2万7,800人を改善していこうという考え方でございます。
 これに対しまして、財政当局は、このきょうお配りされております参考資料1にございます、例えば参考資料1の8ページが財務省の考え方でございますが、この論点のところにございますように、定数改善措置を講じなくとも、子ども当たり教員数は毎年2,000人増加するということで、これはどういう主張かといいますと、この資料で言うところの25ページに、今後、5年間の教職員定数のグラフがございますが、現在70万3,000人の小中学校の国庫負担定数がございますが、これを我々、5年間で71万2,000人にしていこうという考え方でございます。
 それに対して、定数改善を一切行わない場合は、教職員定数の子どもの減少に伴う自然減で68万4,000人まで下がるということでございますが、財務省さんの考え方は、子ども当たりの教職員数を維持する。すなわち、現行における教育環境をフィックスしたまま、子どもの減少に応じて、比例して、子どもの減少の割合分、教職員を減らすというふうにした場合、この67万4,000人まで下げられるということなので、本来、67万4,000人まで下げられるところを、標準法で、子どもの数の減少ほど学級数は減少しない仕組みになっておりますので、67万4,000人に減るべきところを68万4,000人で済んでいるということで、5年間で1万人、得をしているのだと。何の改善もしなくても1万人の得をしているのだということで、5年で1万ですから毎年2,000人増加と、こういう主張をしておりまして、財務省は、この自然減に伴う2万人の、これは自然に減っていきますので、2万人の削減にプラスして更に1万人減らしてよいのではないかと。したがって、現状より3万人の削減を行ってもいいのではないかという主張をしているところであります。
 そのほか、彼らの主張としては、学級外の担任が16万5,000人もいると。全体で70万3,000人のうちの16万5,000人も学級担任以外の教師がいるということで、その学級担任以外の教師を活用すれば、35人以下学級に必要な人数は残り2万人というのが我々の計画ですので、その16万5,000人もおれば2万人は余りあるじゃないかということで、それを使えば、要は配置の問題ではないかと。増員の問題ではないという主張をしているところでございます。
 さらには、財務省の参考資料1の15ページにございますように、少人数学級については政策効果が明らかではないということで、18ページ、19ページ、20ページにございますように、各都道府県の平均学級規模と全国学力テストの結果との相関であるとか、その平均学級規模といじめの数の相関とか、そういう形でデータをとりまして、相関関係がないという主張をされておりますが、そうした相関関係がないのだから進めるべきではないと。来年度の全国学力調査をきめ細やかな形で文科省は実施しようとしておりまして、そこでも、当然、更に詳細な分析をしていこうとしているわけですが。ならば、来年度の全国学力調査の分析の結果を待って計画を立てればいいじゃないかと、こういう主張をしておるわけでございます。
 これに対しまして、当然、先生方も御理解いただけることだとは思いますが、このもとの資料の24ページあるいは25ページ、26ページ、27ページが、その反論になるわけでございますが。学校現場は、机上の計算だと3万人減という主張ができるのかもしれませんが、現状において家庭や社会の変容というのは著しいものがございますので、現実、対応が困難な様々な課題を抱えているではないかということで、我々は、その少子化の時期をとらえて、むしろ配置の改善に使うべきだと、こういう主張で真っ向から対立しているところでございます。
 また、少人数学級の政策効果につきましても、そういう全県規模の平均学級規模と学力調査とかいじめ、不登校の件数を比較しても相関が出るわけがないわけでございまして、学力の要因というのはそんなに単純なものではなく、様々な要因が絡み合っていると。
 検証データとしては、本日もお配りしておりますが、このピンクの冊子にございますように、本計画部会の木村先生、小川先生にも参画いただきまして、いろいろな分析をしたわけでございますが、少人数学級そのものは、国の標準を下回る少人数学級、47都道府県が全てにおいてもう既に実施しておると。それが、一番大きな検証の結果であろうかと思いますが、その先行実施県における個々のデータを分析・評価してみると、学力との相関であるとか、例えば欠席率が減ったとか、そういう秋田、山形、大阪のデータを挙げておりますが、様々なデータが出るわけでございまして、我々としては、地方や保護者の期待にこたえるためにも、少人数学級は有効な施策であって、これをさらに国の責任で進める必要があるという主張でございます。
 ちなみに最後の26ページは、学級外担任が16万5,000人もいるのだから、それを使えばいいではないかという主張に対してのものでありますが、実際は、我々の分析ですと、学級担任以外の教師というのが14万4,000人。財務省の試算と2万人ずれているのですが。財務省の試算には、休職者とか、海外の日本人学校に派遣されている人とか、現に学校現場にいない人も含めて16万5,000人と言っていますので、実際には14万4,000人ということで。小学校で言いますと、担任外が5万9,000人、中学校が8万5,000人というふうにいるわけですが。
 ただ、これを子細に分析しますと、「共通的業務」と書いておりますが、例えば教務主任とか生徒指導とか、学年の取りまとめとか、そういう学校全体、学年間の共通取りまとめ業務を行うような人として、義務標準法がもともと算定上認めている、法律が認めている学級担任以外の先生というのが、それぞれ1校当たり1.1人、5.9人います。これは、法律がそういうふうに認めているものですので、これを担任に回すと、当然、学校運営上、支障が生じるのは明らかなわけであります。
 また、その他、加配教員、ティーム・ティーチングとか、あるいは通級とか様々な事情で加配されている教員が、小学校については1校当たり1.7人、中学校については1校当たり2.6人です。これは、恐らくまだまだ、現場からすると要請にこたえられていないということでございまして、これも、それを回すというのは非常に困難な状況であるということで、現に担任と担任以外の労働時間を比較いたしましても、そんなに大差があるわけでもなく、これを一律に担任に回して少人数学級にするというのも、ちょっと現場の実情を見ていない議論ではないかというふうに反論しているわけでございます。
 こういう形で、財政審は財政の立場から御議論がなされておりますが、我々としては、こうした形でのしっかりした反論をしていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

【浅田高等教育企画課長】

 続いて、高等教育関係の資料の説明をさせていただきます。
 31ページ以下が、高等教育でございます。
 財政審の資料では、主に国立大学と奨学金のことについていろいろな指摘をいただいていますが、そういった指摘も踏まえながら作成した資料でございます。
 ちょっと資料に入る前に、これは高等教育だけではないと思うのですが、子どもの数が減るのに比例して教育も縮めるというのは、それは人口が減るのだから国が衰えるのは仕方がないと言うに等しいように私は感じています。国の活力とか発展を支える人材を育てるという観点から考えれば、少子化の中でも高度な能力を備えた人材の数の確保というのは必要だと思っています。その意味で、将来の国力あるいは国際的な競争力という観点からも、高等教育については質と量の両立が必要だと思っています。
 増税せざるを得ない。恐らくそれでも足りないだろうという厳しい財政状況の中ではありますが、高等教育の質、量、両面でそれを支える財政的な裏づけも必要であるというのが私たちの考えです。
 31ページからが資料でございます。
 まず、31ページ、御覧いただきますとおり、よく引かれる数字ではありますが、公財政教育支出(対GDP比)で見ます。あるいは、在学生一人当たりの公財政教育支出を外国と比べますと、御覧いただきますように、日本は決して多くないという現状がございます。
 また、とりわけ近年の伸びということ。この右上のグラフで見ていただきますと、韓国なんかはものすごく、この9年間で高等教育機関への公財政支出を伸ばしておりますが、一方で日本はほとんど伸びていないという状況がございます。
 それから、左下でございますが、日本の特色として、高等教育に係る教育費の中で、公費・私費でその負担割合を見た場合に、私費の負担、とりわけ家計の負担の割合が高いということが、諸外国と比べると日本の特色としてあらわれております。
 右下にございますように、日本は、大きく分類すれば授業料が高くて、奨学金の受給率が、年々充実はさせていただいておりますが、国際的に見ればまだ低いというグループに属するという現状でございます。
 次は32ページでございます。
 高等教育については、大学の数が多過ぎるのではないかとか、あるいは高等教育への進学率がもう十分高まっているのではないかといった声もありますが、まだまだ潜在的なニーズに十分こたえ切れていない分野もあると思っています。それは、例えば社会人の受け入れ、あるいは留学生、あるいは大学院レベルといったところにあるのではないかと考えています。32ページの上のグラフで御覧いただけますとおり、高等教育を受ける国民の割合は、OECD諸国と比べても、まだ決して高くはない。それから、留学生の割合あるいは社会人の入学者の割合、これらについても、御覧いただくとおり、まだまだOECD平均に比べても低いという現状がございます。
 33ページは、大学院修士号あるいは博士号の取得者でございます。当然ながら、これからの知識基盤社会と言われる知の力が非常に大事になる時代の中で、そういった高度な知的能力を備えた人材が多く必要なわけですが、御覧いただきますとおり、諸外国と比べると日本は修士号あるいは博士号の取得者の割合というのはまだまだ高くないということがございます。
 下を御覧いただきますとおり、例えば中国などは、ここ数年で非常に博士号の取得者が伸びているということがございます。企業の研究者に占める博士号の取得者の割合についても、御覧いただくとおりまだ4%、決して高くございません。
 34ページは、よく報道などされますが、世界大学ランキングの一つの例でございます。世界の大学のランキングも幾つかのものがございますが、そこで紹介させていただいているのは、例えばイギリスのTimes Higher Educationのランキング。これは一番新しいもので、日本の大学では東京大学が27位。アジアの中では首位でございましたが。以下、200位以内に5大学。それから、QS社のランキングでも、東大が30位、同じような結果になっております。
 当然、ランキングはとり方によっていろいろでございますので、これ自体が絶対的なものではありませんが、少なくとも国際的に見て日本の大学がどのように評価されているか、あるいはどの点が強くてどの点が弱いか、そういったことを知る上での一つの参考にはなると思います。
 大ざっぱに申しますと、やはり国際化対応あるいは論文の引用。論文がどれぐらい引用されるか、そういったところが日本の大学は弱いという傾向がございます。
 それから、右の表については、大学は、社会からいろいろな期待を受け、責務を担っておりますが、その役割を十分果たしているだろうか、果たしていると国民から実感してもらえているだろうかということでございます。これは、ある一つの世論調査でございますが、世界に通用する人材を育てることができているか、企業や社会が求める人材を育てることができているか、現状としては非常に厳しい評価でございます。
 下の予算でございますが、それでも教育予算をふやすべきだという声が強いのも事実でございます。すみません、ここはちょっと色がずれておりますが、「税負担が増えてもよいから予算を増やすべきだ」が29%、「税負担が増えるのは困るが、ほかを削って教育予算に回すべきだ」が58%、「予算を増やす必要はない」が9%でございます。
 それから、35ページが国立大学の改革について。平成14年、101の国立大学がございましたが、平成19年の10月までに86大学に統合等で減りました。また、大学間での多様な連携も進んでいるところでございます。
 さらに、ことしの6月に「大学改革実行プラン」を文部科学省として公表し推進しておりますが、その中でも、大学の機能を再構築・強化するために、多様な大学間連携の方策についても検討しましょうということを打ち出しているところでございます。
 それから、36ページ、国立大学の教員の数でございますが、まず国立大学の学生数は確かにふえております。ただ、これは学部ではなくて大学院生の増加でございます。
 教職員については、数はふえておりますが、各大学で人件費の削減の努力をいろいろ必死でやっておりまして、人件費自体は減少しているというところでございます。詳細については、そこで御覧いただくとおりでございます。
 それから、37ページ、国立大学については、国立大学法人評価をやっております。この評価がどうなのかということも指摘されているところでございますが、この評価については、大学は、この評価による改革の効果を実感している。「教育活動の改善に寄与した」、「研究活動の改善に寄与した」といった受けとめ方を大学自身はしているということであります。
 それから、セグメント情報の公表について、右下でございますが、附属病院のセグメントは全大学が既に開示をしておりますし、例えば附属学校における区分開示についても、平成23年度に56法人中55法人で実施をしておりますし、24年度からは附属学校のある全ての大学で開示をする予定でございます。
 それから、38ページ、今度は私立大学の関係でございます。私立大学については、本来、私立学校振興助成法で、経常費の2分の1以内の補助ということになっておりますが、実情としましては、一番高い率に達したときで30%弱。近年は、ずっと10%。つまり、経常費の約1割の補助にとどまっているという状況でございます。そのために、学費については、保護者の経済的な負担が非常に大きくなっている。少子化の問題等でよく論じられますが、この子どもの、とりわけ大学段階に通わせるための費用というのが、子どもを持つ親にとって非常な負担感になっているという現状がございます。
 なお、私学助成については、運営状況に応じてめり張りある配分を進めておりまして、状況によっては減額あるいは不交付ということもございまして、現状では、既に約10校に1校程度は不交付となっているところであります。
 また、学生一人当たりの助成額も、近年は減少傾向にございます。
 39ページ、私立大学の大学数等でございますが、よく大学が増えていると言われますが、これは実は4年制大学は増えておりますが短期大学は減っておりまして、合計すると減っております。短期大学から4年制に切りかえるところもございますが、それ以外にも、短期大学で店を閉じるところがかなりございます。
 それから、私立大学で入学定員を充足していないところがふえているということもございますが、右のグラフで御覧いただきますとおり、全体としては104.2%。定員に対しては、104.2%の充足状況。また、定員の8割以上の入学者を確保している大学が、私立大学の約8割ということでございます。これが実情でございます。
 それから、40ページ、奨学金であります。この奨学金につきましては、年々いろいろな形で充実を図っておりますが、やはりさっき申し上げましたような教育費負担ということ、それから教育の機会均等、意欲と能力のある子どもがちゃんと学ぶチャンスを得られるようにすると。そういう、社会的な公正ということからも非常に大事だと思っております。少子化対策の観点等からも、無利子奨学金は充実したいと考えてはおります。
 一方で、やはりいろいろな見直しも必要だと考えております。貸与基準の見直し等も検討が必要であろうと思っています。
 41ページです。41ページは、今年度から新しい仕組みとして所得連動返済型というのを取り入れました。つまり、これは卒業後に所得が一定額に達するまでは返済を猶予すると。所得が一定水準に達した後で返済をしてもらうというものでございます。こういったものについても、できれば拡充を図りたいと思っておりますし、将来、いわゆるマイナンバー制度が導入された暁には、それと組み合わせることによって、きめ細かい、収入等の状況に応じた返済の仕方というのができるのではないかということを考えておりまして、そういった検討準備もしているところでございます。
 大変駆け足の説明で恐縮でございますが、高等教育局は以上でございます。

【三村部会長】

 説明は以上ですね。
 議論は次の後半ということなのですが、今の説明の中で、どうぞ、御質問があれば質問していただけませんか。
 篠原さん、どうぞ。

【篠原委員】

 ちょっと教えていただきたいのですけど、先ほど高等教育のところで、中国ですね。自然科学系の博士号取得率が、アメリカに次いで非常に高いという御説明をいただいたのですけれど、教育に対する公財政支出というのは、中国は、ほかの棒グラフとか、その他の図表にほとんど入ってきていないのですけど、これはわからないのですか。つまり、中国がこれだけ高いというのと、公財政支出との関係というのは、何か資料がありますか。あったら教えていただきたい。

【森友教育改革推進室長】

 基本的に、諸外国の比較はOECDの成果物を使っているもので、中国は、OECDとの関係でデータがとれていないというのもありますので、ちょっと出てきていないというのが実情です。

【篠原委員】

 そういうことですか。わかりました。

【三村部会長】

 わかりました。ほかに、御質問はいかがですか。
 ここの三つを説明したということは、この三つに絞ってこれからいろいろ要求していきたいと、こういうことですな。
 なければ、主に議論の方がいいと思いますから、次の後半に入りましょう。
 それでは、今後の教育投資の在り方に関する論点について、資料の説明をお願いします。これは、究極的には、我々の教育振興基本計画の中に触れるというつもりで資料を用意していただいているわけで、そのつもりでちょっとよろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 失礼いたします。資料2、「今後の教育投資の在り方に関する論点」ということでございます。これは、先日の計画部会におきまして御議論をいただきました内容を踏まえながら作成した資料でございます。
 一枚お開きいただきますと、まず1ページのところ、「総論について」ということで現行計画について確認をしております。第1期計画においては、「今後10年間を通じて目指すべき教育の姿を実現するための教育投資の方向として、以下のとおり記述をされている」ということで、改めて現行計画の関係部分を掲げておりますが、現行計画、10年間を見通してということで、今回、2期の計画はこれの後半部分に相当してきます。ですので、この内容については踏まえながら検討していくことが必要なのかなということで掲げさせていただいているものです。
 それから、下の方に三つ丸がございますが、一つは、教育の効果は広く社会全体に還元されるもので、教育投資については、社会全体で支える必要があるものだということ。
 また、その際、厳しい財政状況の中で、教育に対する国民の理解を得るために、検証改善を通じて教育政策の成果を出すことですとか、ボランティア・企業のCSR・寄附の増加等に向けた環境の醸成などにも留意が必要であるということ。さらに、1期計画以降、厳しい財政状況の中でも必要な財源を確保して諸般の施策を実施してきたが、第1期計画で掲げた「今後10年間を通じて目指すべき教育の姿」の達成というのは、まだ途上にあるということを確認的に書かせていただいております。
 その上で、次期計画の投資の方向性の大きな三つの柱ということを立てさせていただいております。それが2ページのところでございますが、課題の1、2、3ということでございます。一つには、教育の質の保証・向上。主体的に学ぶということが、これまで審議経過報告の中でも、委員の皆様方の御意見の中で総意となっておりますが、みずから考え、他者と協働し、価値を創造する力の育成、自立・協働・創造ということでございます。
 そのための方向性としては、協働型・双方向型学習など質の高い教育を実現する環境の構築ということでございます。
 さらに、次は家計の教育費負担の重さ。特に就学前教育・高等教育ということで、これも、これまでの御説明、御議論の中で確認をされてきていることだと思いますが、家計における教育費負担を軽減していくのだという方向性でございます。
 さらにもう一つは、3のところで、子ども・若者の安全の確保ということで、震災の教訓も踏まえまして、安全・安心な教育研究環境の構築、特に学校施設の耐震化などを中心として進めていくということを記載しております。
 その次、3ページからは、それを学校段階ごとに整理をし直しているものでございます。
 まず、一番目の就学前教育につきましては、これも先般の御議論の中で強く御主張なされましたが、教育投資の効果というものがほかの時期よりも高いといった指摘、分析というものも多数ございます。そういった意味で、投資をする意義がとても高いというものでございまして、全ての子どもに質の高い幼児教育を提供することが必要ということでの、「幼児教育の質の向上に向けた条件整備」というものが一つございます。
 そして、さらに家計負担の重さというものが少子化の要因となっているとの指摘も存在する中で、諸外国におきましては無償化の取り組みを進めているところもあるといったようなことで、「家計負担の重さの軽減に向けた環境整備」ということでございます。
 下の小さい字のところで、一つの御議論の材料といたしまして、一番下の行から2行目でございますが、幼稚園・保育所に係る保護者負担分は約7,900億円との試算があるといったものもつけさせていただいております。
 それから、その次の4ページでございますが、初等中等教育、義務教育と高等学校教育に分けて整理をしております。
 義務教育のところで、まず一つ目の丸で義務教育の意義を確認した上で、協働型・双方向型の新しい学びへの授業革新などが求められているということ。さらに、いじめ問題、特別支援教育、家庭の経済状況等による教育格差など依然として対応すべき課題が多いということ。
 それに加えまして、学校・家庭・地域の連携による様々な課題解決の必要性も高まってきているということを確認しております。その中で、「きめ細かで質の高い教育の実現に向けた、教員の資質能力の向上と教職員や専門的・支援的スタッフの体制の整備など」というものを、一つの論点として掲げております。
 また、高等学校教育におきましては、かなりの率で進学率が上がってきております。そういった中で、全ての意志ある高校生が安心して、そういった教育を受けることができるようにする必要性が高まってきていると。無償化ということで、平成22年度から実施をされてきておりますが、その中で教育費負担の大幅な軽減がなされております。
 ただ、現下の経済状況を踏まえれば、低所得者の教育費負担への配慮というものが、やはり必要なのではないかということで、「低所得者層の家計負担軽減に向けた環境整備」ということを掲げております。
 下のところの米印3では、先ほど御説明させていただきました定数改善計画の策定を目指すといったことを、関連の事項として触れさせていただいております。
 そして、次の5ページのところでは高等教育の関係でございます。これも、計画部会、また大学分科会におきましても御議論がございましたが、学生の学修時間が、他の先進国と比較して顕著に少ないということなどが指摘をされております。大学の質保証・向上には社会からの強い要請と期待がございます。また、グローバル化の中で、国際的な人材獲得競争というものが激化の一途をたどっているという中で、論点としては、「学生の主体的な学びの確立やグローバル人材の育成に向けた環境整備」ということです。括弧の中では、質保証に係る取り組みを進めながら、こういった内容についてきちんと環境整備を図っていくことが重要じゃないかという意味で触れております。
 一つの金額の規模といたしまして、そのページの下の米印1の後半部分でございますが、括弧書きのところで、大学教育の質的転換を図るためには様々な方法及びその組み合わせが考えられ、費用負担の在り方も様々なものがあり得るわけでございますが、例えば国によります過去の支援、過去の予算、どれぐらい質の保証に使っているものがあるのかというものを考えたときに、各大学における教員・支援人員の体制整備ですとか、グローバル化と国際的な教育の関係、さらには産業界との連携等々の質の向上に向けた改革の取り組みへの支援としては、約1,400億円の規模のものが使われているというようなものも記載をしております。
 それから、隣の6ページでございますが、これは家計負担の関係でございますが、先ほど来の説明の中で、政府の規模ですとか全人口に占めます学生の割合などを踏まえる必要がありますが、主要先進国と比べまして、我が国の公財政支出が低水準であるということ。その結果、家計負担が重く社会格差の固定化などが懸念をされているという状況にあります。そういった中で、「家計負担の重さの軽減に向けた環境整備」というものが、一つ重要なのではないかということでございます。
 これにかかります規模でございますが、6ページの米印2の括弧書きのところですが、家計負担の重さの軽減については、所得連動返済型を含む奨学金、授業料減免、各種教育ローンなど様々な方法及びその組み合わせが考えられます。また、それぞれに関しまして、対象とする世帯ですとか、経費ですとか、あるいはその費用負担の在り方というものも様々なであると考えられますが、特に負担軽減の必要性が高い年収が350万円以下の世帯の大学生などに関しまして見てみますと、その学費の総額を計算しますと約5,300億円程度で、自宅生の場合の生活費も含めますと7,000億円程度との試算がございます。こちらで試算すると、そんな試算がございます。
 そのうち、さらにその括弧書きですが、総額3,300億円程度の奨学金というものが措置をされているというようなことです。
 それから、それぞれの大学におきましても、授業料の減免というような取り組みが行われておりまして、そのうち国の財政支援による減免というものが280億円程度ございます。
 また、そういった状況の中で、やはり働きながらお金を稼ぐということもございまして、そのアルバイトに係る平均的な収入が1,600億円程度というような試算でございます。
 それから、最後の7ページでございますが、三つ目の安全・安心な教育研究環境の整備ということで、これは言うまでもございませんが、「国公私立学校を通じた耐震化・老朽化対策等の着実な実施」をしていくということでございまして、例えば米印1の括弧書きでございますが、例えば公立学校の施設につきまして、平成27年度までのできるだけ早期の耐震化完了を目指しておりますが、耐震性が不足をしております公立小中学校施設について耐震化をした場合には、約5,000億円程度が必要との試算もございます。
 以上、簡単でございますが、整理した資料でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 これから、どういう形で振興計画の中に入れるのかと、こういうことを中心にちょっと御議論いただきたいと思いますが、このアプローチの仕方というのは、前回、議論しましたように、トータルでアメリカを設定、OECD平均から低いからどうのこうのという議論じゃなくて、政策ごとに掲げて、それを示すという、そういうやり方をとったと、こういうことでよろしいですか。はい、わかりました。
 皆さんの御意見を、ちょっと伺いたいと思います。どうぞ、いつものとおり札を立てていただいて、御意見をよろしくお願いします。いかがでしょうか。
 田村さん、どうぞ。

【田村委員】

 ちょっと中途で出てしまうものですから、申しわけないのですが、ちょっと発言させていただきたいと思いまして。
 今後の5年間についての振興基本計画という大前提が今回はあるわけですので、行政というのは継続性が前提にあるのですが、計画という意識で考えた場合には、継続性に加えてどんな特色が今後の5年間にあるかということを明確に打ち出しておく必要があるというふうに考えます。
 具体的に言えば、EUのフランスで大きな問題を抱えている最中に、経済的な問題でもうEUが分裂するのではないかというような最中に、フランスの大統領選挙がありました。結局、サルコジさんという経済派が破れてオランドという人が当選されたわけです。
 フランスの大統領というのは、当選すると、自分が尊敬する人を挙げて、オマージュといって賛辞を述べるというルールになっていまして、彼が取り上げた人はジュール・フェリーという人。19世紀のフランスの義務教育と、それから女子教育を確立した人なのですね。つまり、民族国家としてフランスが隆盛に向かおうとしているときの教育の仕組みというものをきちんとつくったという点で評価されている人を挙げているわけです。
 オランドの意識としては、私は、恐らくEUというのは国境を越えたグローバルの社会をつくろうとしていると。その国境がなくなるという社会で、どういう教育をしたらいいかということをみんなで考えようと。それが、フランスの経済危機を乗り越える基本的なスタンスだということを主張しているというふうに、私は受けとめているのですが。
 そういう意味で言いますと、グローバリズムという非常に大きな世界を巻き込んだ変化ですね。日本の教育に、幼児教育から高等教育まで大きな変化を要求しているのだろうというふうに思います。
 この振興基本計画をつくるときに議論された中で、要するに団体とか集団から個への教育ということを重要視しようではないかという話が出まして、その点については、皆様、御理解されたというふうに思っているのですが、それなどは、まさにグローバリズムに対する日本の対応の一つの典型だろうというふうに思います。全ての政策にそういうような問題をもう一回、原点に返って研究して、5年間の計画を立てるという。それから、その先にも更にその問題が展開していくのだと思いますが。
 そういうようなことをスタンスとして持って、そしてまとめていただけますと、いい計画ができるのではないかと。お金の問題は、それを大前提として積み上げていくという、そういう作業になるのかなというふうに考えて、ちょっと申し上げさせていただきました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 どうぞ、小川さん。

【小川副部会長】

 この資料2の、特に初等中等教育にかかわって、「きめ細かで質の高い教育の実現に向けた、教職員の資質能力の向上と教職員や専門的・支援的スタッフの体制の整備など」という、この点にかかわって、先ほど伯井課長から御説明があった内容と重複するというか、確認するような内容ですが、少し教職員定数にかかわる改善計画に、ぜひしっかり組み込んでいただきたいという趣旨で発言させていただければと思います。
 隣にいる木村先生が主査で、私が副主査で、少人数学級とか教職員の配置に関する検討会議で検討して、5年間の定数改善計画をつくったわけですが、この5年間の改善計画をしっかり、この第2期の振興基本計画に位置付けてほしい、組み込んでほしいという、そういう趣旨でございます。
 先ほど財務省の財政審がその5年間の改善計画に対して批判をして、逆に3万人を減らせという、そういうふうな主張をされておりますが、先ほど伯井課長からもお話があったように、今の日本の教育、特に小中の置かれている現状、特に、今、スタートした新教育課程に基づく新しい取り組みを進めていくためには、どうしてもそれに一体的な条件整備、特に教職員の定数改善というのは不可欠だというふうなことは強調しても強調し過ぎることはないのかなと思っています。
 先ほどの財務省の財政審のいろいろな主張を見て、大変憤りを感じた一つは、財務省の方では、教員一人当たりの児童・生徒数を国際比較して、教員一人当たりの児童・生徒数では欧米とほぼ肩を並べているのではないか、もうこれ以上、定数増をする必要はないというふうな御主張をされているのですが、私は、こういう比較というのはあまり意味がないと思っています。というのは、もう皆さん御承知のとおり、教員の業務内容が同じであれば、そうした欧米と日本の指標の一つとして、教員一人当たりの児童・生徒数を比較して見るというのは意味があると思うのですが、実際は、教員の担っている業務内容とか、また業務ごとの比率というのは、欧米と日本の比較をしてみると相当違いますので、比較するのであれば、そういう業務内容の違いに留意して、きちんと比較して論ずるべきだと思います。
 先ほどの財務省の指摘は、そういう欧米と日本の教員の担っている業務内容、またその業務内容の比率を全く無視して教員一人当たりの児童・生徒数という単純な指標でもって比較するということで、あまり生産的な議論が出てこないのかなと思っています。
 周知のとおり、アメリカとかイギリスの場合には、教員の仕事というのは授業が中心でして、先生方の一日の仕事量を決めるのも、一日の持ち授業時間数で決めるというふうなことになっていますので、そういうふうな仕事の割り振りであれば、日本のような超過勤務なんていうのもあまり生じてきません。
 じゃあ、授業とか授業に関係する評価とか、それ以外の他の業務はだれが担っているのかというと、先ほど伯井課長からのお話があったように、それ以外の業務はほかの専門スタッフが担っている。アメリカ、イギリスでは40数%がそういう支援スタッフ、専門スタッフが配置されているという、そういう体制をつくっているわけですよね。
 それに対して日本は、御存じのとおり、授業だけではなくて生徒指導とか部活動とか学校経営、様々な業務をこなしていまして、欧米の教員と単純比較しても2倍から数倍の多様な業務に従事しているというのが、これは皆さん御承知のとおりかと思います。
 OECDも、2008年に諸外国の教員の勤務時間と、その勤務総時間に占める授業時間、授業に費やした時間の比較をやっているデータも出しているのですね。例えば、これを、今、ここに小学校の教員の勤務時間と、その勤務時間に占める授業時間の比率をOECD加盟国で比較した統計があるのですが、小学校ですので、恐らく中学校と比べると、授業に費やす時間というのは中学校の教員と比べて多少は多いと思うのですが、これを見ますと、例えばアメリカの場合には総勤務時間が1,913時間、それに対して、授業に費やす時間が1,097時間で、その総勤務時間に占める授業時間比率が57%になっています。57.3%ですね。それと同じような仕事のやり方はイングランドもそうで、イングランドの場合には、総勤務時間が1,265時間に対して、授業に費やした時間が654時間で、総勤務時間に占める授業時間比率というのが51.7%ですね。同じように、ドイツも、総勤務時間に占める授業時間の比率というのは45.3%ぐらいになっています。
 それに対して日本は、1,899時間という総勤務時間に対して、授業に費やす時間が709時間。ですから、全勤務時間に占める日本の小学校教員の授業時間の比率は、先ほど見た欧米なんかと比べてはるかに低くて37.3%なのです。
 恐らく、これはきっと授業だけでなくて生活指導とかいろいろやる、きっとアジア型の学校とか教員に共通する仕事の仕方なのかなと思って、じゃあ、お隣の韓国はどうなのかということで調べてみたら、韓国は、総勤務時間が1,680時間に対して、授業に費やした時間が840時間。授業時間の比率というのが50%なのです。ですから、これも結構欧米並みで、日本と比べるとはるかに授業に専念するような形をとっています。
 今、紹介したように、教員一人当たりの児童・生徒数が、欧米とかOECDの国際並みになったというだけでは評価はできなくて、日本の教師は学級をベースとして授業もやるし、生徒指導もやるし、学級経営、学校経営もやるという多様な業務をしているということですので、ほかの国の教員と比べるとはるかにそういう多様な業務、複雑な業務をしているということですので、やはりそういう視点から見たときに、果たして教員一人当たりの児童・生徒数が国際並みに近づいてきたからということで、日本の学校現場の労働環境や教師の働き方などが、欧米並みに整ったということではないと思います。その点はぜひ強調しておくべきだと思います。
 そういう点では、日本の教員の働き方を改善するためには、もう少し授業とか学習指導に専念できて、そして子どもと向き合う時間を確保するためには、今以上に専門支援スタッフをふやして、もう少し分業化するということをもっと進めていいと思います。
 しかし、もう一方では、これまでの日本は、学力の向上もやるし、なおかつ子どもの社会性、規律性という、そういうしつけの方もきちんとやるということで非常に成功してきた国でもあるわけですので、従来のように学級をベースとした教科指導もやり、生徒指導もやるというふうな、そのよさを生かしながら、より教育指導に専念し、子どもと向き合う時間をより多く確保するという意味で、やはり少人数学級、定数改善という課題は、まだまだ取り組むべき重点課題かなというふうに思っています。ぜひ、5年間の定数改善の中身を、しっかり今回の第2期の改善計画の中に位置付け、組み込んでいただければなと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。いいポイントだと思います。
 それでは、次は三町さん、よろしくお願いします。

【三町委員】

 小川委員の方から私の思いを具体的な数字で言っていただいたりして、大変うれしく思っているところです。今回の振興基本計画は今後の5年間です。特に初等中等の義務教育段階のところでの、今後の主な施策等の柱は、やはりしっかりした学力をつけていきましょう、あるいは健全育成、しっかりと子どもたちを育てていきましょう、そういうことが具体的に内容として示されています。その中の多くの部分は、やはり教員が頑張っていかなきゃいけない部分、これは当然だと思いますし、そのために教員の資質や教育の質も高めていかなきゃいけない。それも当然だと思っています。
 その上で、今もお話がありましたが、そのベースとなる、今後5年間、それを確実に進めていくためには、やはり教員そのものの数も増やしながら、そして子どもにかかわっていく時間をふやしていく、これは絶対条件だろうと私は思っています。今、数字ではありましたけど、実態として、例えばいじめの問題でも、ここで様々な問題が出てきており、より一層具体的な対応を求められています。より細かく見ていく必要があると。学校によっては、本校もそうですが、月に一回は何らかの形で子どもからの声を聞けるようなシステムをつくり、それをまた担任や学年でその中身を分析しながら、どうしていこうか、また必要に応じて面談していこうという、そこまでかなり進んできている。これは、学校としてやらなきゃいけないことですからやっているわけですが、やはりそこにある条件として、より細かく見ていくためには、その対応をする子どもの数も一定程度少なくし、そしてより深く更にかかわっていく、これは本当に必要だと強く感じています。そういう意味からも、このきめ細かで質の高い教育の実現、教育振興計画の今後の5年間のためにも、この少人数の学級などの教職員の定数の改善、これはもう絶対に位置付けなければならないことですので、ぜひお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は、大日向委員。

【大日向委員】

 ありがとうございます。私は、就学前教育についてお話ししたいと思います。資料2にも、就学前教育というのが、人格形成の基礎として非常に大事で、教育投資の効果について明確に書いていただいております。この点は、OECDは既に10年以上前から、未来への投資ということでスターティング・ストロングとして取り組んでいる。
 日本も、先般、8月に子ども・子育て関連三法案が成立いたしまして、消費税のアップ分が、発達初期に投資されるということが明確になったことは大変うれしいことだと思います。
 その場合、どこを充実していくかということですが、一つは、ここに書いていただいているように、保護者の経済的負担の軽減、これも非常に大事だと思います。
 でも、一方、もう一つ、幼児期の教育、保育の質の向上といいますと、それはイコール保育に当たる人、保育教諭ということも、今後、そういう名称が出てくるかと思いますが、そういう保育に当たる方々の応答性に尽きるという、これは発達研究で言われていることです。就学前の子どもたちが、まだ十分自分たちの状況を言葉で相手に伝えることができないからこそ、保育・教育に当たる人間が応答的に豊かにかかわることが必要だ。
 そういたしますと、やはり定数改善ということは、発達初期も非常に大事なのですね。きょう配られた資料には、小学校、中学校以上の先生方の教職員定数改善について書いてありますが、就学前教育・保育にかかわる保育者、教諭の定数改善、これも国際的には日本はかなり水準が低いところにありますので、ここの改善は、その働く方々の就労環境の整備ということも、ぜひとも追加していただければありがたいと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は木村委員、よろしくお願いします。

【木村委員】

 ありがとうございます。
 財務省のデータ、参考資料1の19ページに「学級規模といじめ・不登校に密接な関係は見出せない」とあります。私、東京都の教育委員長を仰せつかっております関係で、全国47都道府県の教育委員長、教育長協議会を母体とする連合会の会長も務めております。そのような立場で、各都道府県で、かなり先行実施されている少人数学級に対して、効果があるのかどうかについて調べるようにお願いしております。残念ながらデータのサンプル数が少なく今のところそれほど明確な結論は出ていません。
 御承知かと思いますが、東京都では国に一年先駆けて小1プロブレム、中1ギャップに対する特例加配を実施いたしました。
 その成果については、以前にもこの会議でデータを出しましたが、事務局から詳しい説明がありませんでしたので、改めて少し御説明させていただきたいと思います。これはかなり綿密な調査の結果でありまして、622校全ての中学校の校長先生方に、中学1年に入学したときと、この調査時点、つまり半年たった後の時点で、状況が改善したかどうかということについてアンケート調査をいたしました。加配を受けた学校が94校、加配を受けていない学校が528校です。校長先生に40項目にわたる質問事項をお渡しして、どのぐらいの校長先生が改善したとお考えになるかということを調べてみました。財務省のデータとは違って、40項目全てについて加配校の校長先生で「改善が進んだ」とお答えになった方のパーセンテージが高くなっています。
 「不登校の生徒の割合が減少した」という項目について最も差が少なくなっており、未加配校では14.6%、加配校では18.1%で、3.5%の差しかありません。しかし、その他の項目についてはその比はほぼ倍になっています。殊に私の目を引きましたのが、給食の状況でありまして、「給食準備・片づけの状況が改善した」という項目について加配校の校長先生方の60%近くが「改善した」と答えられています。食事中のマナーについてもまた同じです。それから、「給食当番の白衣を適切に着用する生徒が増加した」、これも倍以上。「給食を残す量が減少した」、これははるかに倍を超えております。このように、生活面で非常に顕著な効果が出ていることが分かります。
 学習面については、時間の関係であまり詳しく申し上げられませんが、「授業中の学習態度が改善した」とおっしゃっている校長先生が、未加配校では29.4%に対して、加配校では実に50.0%です。ということで、確かに不登校については難しい点があるようですが、いじめについては、未加配校の校長先生で「改善した」とおっしゃっている方が20.8%ですが、加配校では二人に一人が「改善した」とお答えされています。明らかに、加配の効果が出ていると認めざるを得ないと思います。
 この種のデータは、19ページのデータのように一つ二つの項目を見るのではなくて、もっと細かく見ていく必要があるのではないかと思います。私は、東京都の場合は、非常に大きな効果が出ているというふうに判断をしております。
 それから、もう一つ、少子化の問題です。実は東京都では2030年頃まで子どもの数が増えていきます。どうしてだろうということでいろいろ議論しているのですが、お母さん方のジョブ・オポチュニティが高いうえに、それを支える育児あるいは保育、託児システム、都会であるがために割合たくさんあることが原因ではないかという見方が有力です。
 フランスは、私が大学生のころは、人口が減って、大変なことになるぞと言われておりましたが、見事に少子化の問題を克服しました。フランスも日本と同じように子ども手当を出したのですが、これは全然効果がなかった。
 そこで戦略を変えて、子どもを預かる、つまり、お母さん方が働けるような環境を整える努力をしていった。それが効果があったと言われております。直接資金を投入するということも大切なのですが、もちろんそれにも金がかかるのですが、環境を整えるということを選択すべきではないかと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次に竹原委員、よろしくお願いします。

【竹原委員】

 私は、今まで皆さんが研究者などの立場からお話しされましたが、実は、三人の子どもを育てた市民としてちょっとこのデータ、それからきょうの議論でお話をしたいと思います。
 私は、実は小さい子どもを抱えて、三人を、フランスで幼児期を過ごしました。そのときに、今、少し話が出ましたが、経済的な支援は十分いただいたのですが、それ以上に、どこで子どもを育てるか、どういう施設があるかということで、選択肢が本当にたくさんありました。そこで、自分はどういう人生を送り、今、どういうステージだからどこに行かせるという選択肢があり、そしてお母さんたち、家族が選ぶという。
 それ以上に、一番見えないのですが、大事だったのは、社会が子どもを育てることに対してとても温かい、ウェルカムであるということが、一番、安心して育てられる基盤にありました。外国人である私でさえも、三人育てて、抱っこしてベビーカーを押して、一人は手をつないで歩いていると、みんなが声をかけてくれる、そういう社会だったのですね。
 そこで、ああ、子どもがいっぱいだといいのだな、楽しいなと思っていて、いざ、ちょっと飛んで日本に帰ってきますと、三人、私学に行って、大学生を三人抱えたときには、これはもう先はどうなるのだろうというぐらい大変な経済状態で、こんなことが続いていたら、日本はやはり少子化になるのではないかなと思いました。
 実は、フランスの後に、一時期、5年間、アメリカで子どもを育てました。きょうの議論の中にある、先生が教科の指導のプロとして動いている社会でした。そのほかに、セクレタリーとかITスペシャリストとかカウンセラー、本当に様々なスタッフ部門が動いていて、学校というのは成り立っていました。
 先生は、そのかわり教科のプロですから、部活もやりませんし、ほかの雑務も、多分、そんなにやっていらっしゃらなかったのだと思いますが、授業参観や説明会に行くと、本当に真剣にアピールします。それは、先生の人事に関しても、保護者は公立でも強いですから、この先生は大丈夫だ、この先生に任せようという信頼を得るために、本当にすばらしいプレゼンを、ノートにぎっしりメモを書いて震えながらされるのを何度も見まして、やはり先生は教えるプロとして真剣勝負をされていたと思います。
 子どもにとって、先生がそれだけ真剣に教えるということは、さらにそれは宿題も多いですし、勉強の仕方もきちんと習いますので、学習時間が日本はとても少ないというデータもさっき出ましたが、どうやって勉強していいかわからないとか、学校の勉強は適当にしておいて、塾で教えてもらえばいいやっていう社会とは全く違うので、そこで教科のプロのやり方というのは、私が見たのは一つの地域ですが、多分、違うのだろうなと思っております。
 ですから、スタッフ部門を多くするということと、先生は、今の状況を維持するのではなくて、もっと教えることに真剣になって、もっともっと、更に高い教育レベルとか指導レベルを持たれたらというふうに思っています。
 あと、もう一つは、日本に帰ってきて、今は中学校の中にあるコミュニティ・ハウスというところにおりますが、教職員の方がどんなにエネルギーを使って、授業以外のところで動いていらっしゃるかというのも本当に見ておりますので、ぜひこの予算の中に定数をふやす、それから学級数の人数を、子どもの人数を減らすというところは、実現ができたらいいと思います。
 よく3月下旬、4月のぎりぎりまで、「あと二人、転校生があれば、先生があと一人来てくれるのだけど」という会話はどの学校にもありまして、本当にそれが切実な問題だということはわかりますので、ぜひそうなるといいなと思っています。
 それから、もう一つ、資料にありました、こちらは資料2にあった4ページを見ていますが、学校現場、特に初等中等教育の現場は、今、とてもたくさんの課題を持っています。いじめの問題や経済的な格差による、自分の子どもの責任ではなくいろいろな問題が起きています。そういうところの解決をするというのは連動しておりますということが一つと、それから効果とか成果というのはすぐには全く見えないのですね。でも、それはとてもシリアスな問題であります。最終ページぐらいに、耐震に関しては、耐震補強は必ずしなければいけない。ハードの面ではだれでもわかるので、それに予算を出してはいけないという反対論はないと思うのですが、実は、ソフトの面で、もう崩壊が始まっていると考えて、見えない崩壊だと思いますので、これはぜひ予算要求するときに見えるように、わかるようにしていかないと、ハードの崩壊と同じようにもっとシリアスなものではないかと思っています。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 では岡島委員、よろしくお願いします。

【岡島委員】

 私も同じように、専門家というよりは市民の目から、ちょっと感じたことで、的外れなこともあるかもしれないのですが。
 文教予算が少ないというのは、数字を見ても、だれが見てもわかるのですけど、どうしてこれが国民的な認識にならないのかというようなところが問題かと思うのですね。
 田村先生がおっしゃったように、一つは旗を掲げるようなことも必要でしょう。それから、何やかんや言って、国民は日本の教育に対してまだ安心している部分があるのではないかと思うのですね。もちろん、いじめとかそういうのはいろいろありますが、何となく大丈夫だろうというような気がしているのではないかと思うのです。
 例えば、東大へ入れば、イタリアだとかオランダだとかいろいろな国の大学よりはるかにいいに決まっているというふうに思っているのではないかと思うのですね。
 ですから、そういったようなことも含めて、いろいろ改善しなきゃいけないところがあるのだということを、やはり国民にわかるような形で、何らかの形で説明していくというところが、非常に大事なのではないかと思うのです。
 いじめ等の当事者の方々はいろいろわかるのですが、マジョリティといいますか、大多数の普通の国民は、勉強することは大事だから、教育にお金をかけるのは当然だというようなことでいろいろやっていると思うのですが、その中に、その影に隠れた部分を、今、竹原さんもおっしゃいましたけど、何らかの形でうまく打ち出すという方法。例えば、言葉は適切かどうかわかりませんけど、選挙の争点になるぐらいのものにしないといけないのではないか。
 それから、そういったことに関して二点ほど、今の初中局の話もそうなのですが、私も中央環境審議会と社会整備審議会の委員もしておるのですが、言っていることはみんな同じなのですよね。どの審議会へ行っても、「金をよこせ」と言っているわけですよ。だから、それを同列に並べちゃったらね、結局、平均的に削ってお金はなくなってくると思うのですね、財務省だって。みんな必要なのですよ。厚生省だって必要だし、どこだって必要だという論理があればみんな必要なのですね。だから、その中で同列にならないぐらい必要だということを言わなきゃいけないということなのですがね。
 それを、私が思うには、一つの言い方としては、お金も必要ですよね。だけど、こういう工夫も必要だという、もう一つ別な技も使ってみたらどうかと。例えば、今、小川先生、木村先生がおっしゃった、もうそのとおりだと僕も大賛成なのですけど、それに加えてですね、国民にどうやって教育に参加してもらうか、小学校教育にどうやって手伝ってもらうかとか、そういうような話も少し考えて。
 以前、私、ここで申し上げたのですけど、学校の先生をやめた先生でまだ元気な方がたくさんいらっしゃるから、そういう方々にも何らかの制度を設けて参加いただくような方法はないのだろうかとか、いろいろあるのではないかと。国民参加による、いきなり全部は難しいでしょうけど、ある地域で実験をするとか、そういうことができないだろうか。
 それから、先ほど来、私も全く同感なのですが、先生の授業以外の時間があまりに多過ぎると。私も、いろいろなところで現認しております。これは、ちょっと異常なくらいだと思うのですね。特に、地域に行くと、クラブ活動の、村ごと、町ごと、学校ごとの競争か何かがあって、野球で一番にならなきゃいけないみたいな、そういうふうな競争でえらく先生方が苦労されているというような状況もたくさんあります。雑用と言うと言葉が悪いのですが、事務の方の負担を、先生方の負担を減らす、その努力を、例えば同じ予算要求でも、そちらの方を要求するとかですね。口幅ったい言い方で恐縮なのですが。幾つかのやり方でもって操作する、そして国民にも協力を訴える、そういう形で、もちろんメインは国の予算ですよね。それにプラス、ほんのちょっとでもいいから、そういう国民参加的なこともやるのですよということをすると、国民の方は納得がいきやすくなる。そうしませんと、ただただ、文部省だって、国民の目から見れば霞が関の一官庁として見えないわけですから、その中で、同じように見られてしまう。その辺のところを、何らかの形でできないだろうか。
 それからもう一点は、大学なのですが、私は、この中で言われているとおりなのですが、大学に就職して仕事をして15年ぐらい、いろいろ勉強の面倒を見たりしていますが、学生が勉強しないということはいろんな大学で言われておりますが、その一因は教員にもあるのではないかと思うのですね。ですので、大学の学生が、今、若い学生が勉強しないからしようがないということではなくて、大学の方の努力が足りないのではないか。教員及び大学のシステムとしての努力が足りない。教員が一生懸命やれば勉強するのではないかと思うのです。私自身の経験からも、そういうことを少し考えるのですが、どうも、例えば教授会もそうですが、大学の常識は社会の非常識みたいなところが随分あるようでして、その辺のところで、やはり少し大学側も勉強させるというか、学習意欲を増進させる工夫、努力が必要ではないかと思うのですが、ここでは投資だからちょっと的外れかもしれませんが、何らかの形でそういう点を指摘しておく必要があるのではないか、そのように思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 そうしたら、安西さん。

【安西副部会長】

 三点、申し上げておきたいと思います。
 一点目は、この教育振興基本計画の柱が課題1から課題3の教育の質的転換、それから家計負担の軽減ということと安全・安心という、この三本の柱で、そして、自立・協働・創造というメッセージを掲げて、その上に就学前教育から大学、大学院に至るまで一気通貫で計画を立てられているということは、ぜひ貫いていただきたい。やはり、それが今まであまりなかったことだと思いますので、何とかそれをしっかり出していただければというのが第一点であります。
 第二点は大学関係のことでありますが、ずっと言われていることは、大学生一人当たりの大学教育への公財政支出はそれほど小さくないのではないかと。大学生も減っているから。また、租税負担率の面から言っても、日本はそれほど大きな政府ではないので、それほど要らないのではないかと、こういうふうに言われているわけですが、完全に抜けておりますのは、家計に占める高等教育費の、その負担率で、そこのところが非常に大きいと考えられます。高等教育の教育費負担というのは、単に授業料負担だけではなくて、子どもを都会にやるとか、そういうことによる生活費への圧迫が非常に大きいわけですので、そこのところを考えなければいけない。そこのところになりますと、受益者負担の原則ということが、よく大学関係では言われるわけですが、それが高じて、やはり、今、データが言うとおり、経済格差と学歴格差の関係というのが如実にあらわれてきていると思います。
 それから、さらに小中高の方に関係しますが、学力格差が経済格差の所得格差に依存するようになってきているということもほとんど明白であって、そうなると学力格差、所得格差、それから学歴格差が全部連動していて、結局、低所得層は、大学にやっと行ってもほとんど学力もなく、大学の側はいろいろ受け入れるようになっているわけなので、何とか大学には行けるのですが、大学を出たからといって困ると。こういうことが起こっているわけですね。
 そのことをサポートするのに、奨学金の手当てをしようと、こういうことになるわけですが、奨学金は、さっきのデータによりますと41万人で約3,300億円と。無利子・有利子合わせて、一人当たり大体年間80万、月6、7万だと思います。これは、地域から都会に子どもをやろうとすれば、私学に二人やることはとてもできないと。こういうことで、私も札幌の国立大学にいたのですが、国立大学の教員の給料でもって、例えば東京に子どもを二人出そうと思ったら、これ、奨学金を二人分くれたとしても、とてもとてもやっていられない。こういうことはわかっておりまして、そのところが非常に抜けているのではないかと。
 子育ての中で経済的負担の不安要因というのは、大体、多くが大学等の教育費。これは教育費だけではなくて、教育に関する子どもの生活費まで、大体、予感しているわけですね。
 今、申し上げたことをもう少し強く出されてもいいのではないかと思っております。
 やはり日本にとって大学教育、高等教育の向上というのは大事なことで、だれもが所得にかかわらず、あるレベルがあれば大学で学ぶことができる、そういう国にしていくことがとても大事だと思われます。
 三番目が、一方で、大学改革は本当に待ったなしで、先ほどもありましたが、大学の学生が勉強しないのは学生の問題ではなくて、教員の問題だと思います。この大学の教員になかなかここでの議論が届かない。これを何とかして、とにかく大学を変えていかない限り、今、ずっと申し上げたことは砂上の楼閣になります。何とかして大学の質的転換、大学教育の質的転換をとにかくやらなければならない。それは、ぜひ文部科学省も、もう一度、腰を据えてかかっていただきたいなと思います。
 学力レベルの確保は、高等学校等の関係もありまして、高等学校教育の部会は小川先生がやっておられますが、やはりしっかり、あるミニマムの学力は高等学校で確保すべきだと思いますし、後退せず、この問題も非常に大事になってくると思いますが、いずれにしても、大学の教育の質的転換を、大学教員の教育の質的転換として本格的にやっていかない限り、さっき申し上げた教育費の問題というのも砂上の楼閣になるので、やはり両方頑張らなければならないと思います。
 以上であります。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 篠原さん、よろしくお願いします。

【篠原委員】

 就学前教育について若干意見を述べさせていただきます。
 先ほど来、皆さん方から御意見が出ていたのですけど、ここに書いているように、就学前教育が人格形成の上で最も重要な時期であるとの御指摘はまさしくそのとおりで、教育投資の効果が他の時期よりも高いということもデータ的に出ているわけで、ここに重点的にお金をつぎ込んでいくという考え方は理にかなっていると思うのですね。大いに就園援助の拡大だとか、いろいろなことをやるべきだと思います。
 と同時に、就学前教育というのは、幼稚園・保育所の教育だけではなくて、やっぱり家庭が担う部分が非常に多いと思うのですね。家庭と、そういう施設とのコラボみたいなところがあると思うので、その家庭での教育の負担をどういうふうに軽くしてあげられるかということが重要な点だと思います。特に、精神的な負担が非常に大きいと思うのですね。
 見ていて、専業主婦の人たちは、一見、そういう教育がしやすいように受け取られているようですが、育児ノイローゼが高いのはむしろ専業主婦なのですね。チェンジ・オブ・エアができない、だんなは見向きもしてくれないというようなところもあるし。
 だから、公財政支出をする場合に、そういう人たちに国なり自治体が年に何回か、お子さんをどこかの施設に預けるクーポン券を配布して、少し息抜きをして、映画でもコンサートでも、その間は行ってください、パーマにでも行ってくださいというような施策が私はあっていいのではないかと。そういうための支出というのも、大きな教育に対する投資になるのではないかなというふうに思っています。こういうのは文科省だけでなく、まさしく横串で考えていく問題じゃないかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 安倍委員、どうぞ。

【安倍委員】

 二点、お願いしたいと思います。
 もう既に各委員の方から出ている御意見と重複しますが、一点目は、やはり教職員、それから専門的支援スタッフの体制の整備というところであります。
 先ほどから出ておりますけれど、教員の子どもと向き合う時間を確保するということで考えますと、教員の仕事がかつてとは、質的なもの、量的なものがかなり変わってきており、専門的・支援的なスタッフということで、例えば防災のこともありますし、またいわゆるモンスター・ペアレントへの対応とか、あるいは警察、あるいは児童養護施設というようなところの対応など、子どもたちと向き合う時間を確保するならば、そういうことを専門に担当するスタッフというのが必要かなと思います。
 ただ、先ほども竹原委員の方からも出ておりましたが、海外の場合、教師が子どもに教えることという、そこにかなり焦点化したことをやられているということですが、私は、時代の流れの中で、これまで日本が持ってきた教師文化というか学校文化というのを、そろそろ、いわゆる教員が何を担当しなければいけないのか、何を担わなければいけないかというのも、いま一度、考える時代に来ているのではないかなと思います。
 確かに、私もかつて部活動があり、生徒指導があり、もちろん教科指導がありということで、全てをやってきたわけですが、果たしてこれからそういう形でやっていけるのかどうなのか。そもそも、これから教員になる人自身がそういうことを担える生活体験をしてきたかどうかというようなことを含め、新しい教師像ということを考えていかなければいけないのかなと思っています。
 二点目は、やはりこれも出ておりますけれど、就学前教育ということで、ちょっと調べてきましたら、今年度の不登校の原因で、小学生の場合、たしか35%ぐらいが、家庭内に問題があるということで不登校になっているということがあります。
 やはり就学前から家庭教育、就学前教育というところにもっと力点を置くことによって、それが小学校教育あるいは中学校教育の方に跳ね返ってくるということがあると思いますので、ぜひこの就学前教育については、家庭教育も含めてやっていかなければいけないかなと思います。
 一つの反省として、どうしても県の教育委員会レベルですと、正直申しまして、いわゆる幼児教育、幼稚園教育に、例えば専門的にかかわった人間を配置しているかというと、なかなか薄い部分があるかなと思います。そういう意味で、この就学前教育、幼児教育については、やはり県と市、町の教育委員会が連携しながら、また、健康福祉部、福祉行政の方との連携の中で、小学校に入学する前の子どもたちをどうするかということを、やはりもっと考えていく必要があるのかなと思っています。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 相川委員、よろしくお願いします。

【相川委員】

 私の方は、一点、保護者の立場から、今回、問題になっているいじめについて、発言させていただきたいと思います。
 ここに学校現場から膨大なケースのいじめが報告されたと、こういうふうにあるのですが、これは急に発生したわけではなくて以前からあるのですね。それが、表面的に、今回のいろいろな調査で出てきたと。
 それと、これ、いじめという問題で書いているのですが、この裏には不登校の問題だとか、あとは自殺未遂のような問題ですよね。そういう問題も含んでいるのですね。ですから、いじめというふうに、一点で問題というふうになっているのですが、非常に奥が深い。それなりに対応はしてきたと思うのですが、このきめ細やかなという、先生をふやすことによって果たして解決できるのかなというふうに、ちょっと思っています。
 というのは、その状態がなかなか改善されなくて、言葉は悪いのですが、場合によっては見放されている状況もある。ですから、これは先生が、確かに忙しかったり、委員会の問題だったりするのでしょうが、先ほども出ている支援の専門的なスタッフを、積極的につくって取り組んでいく必要があるのではないか。これを、国が推進していく。学校支援とかいうものがあるように、そういう専門的な組織を、先生だけでなくて地域を含めたそういうスタッフをつくって、対応していったらいいのではないか。それを試験的にやってみて、効果があればそれを全国的に広めていくという方法もあるのではないかなと思っています。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 全員にお話を伺いました。率直に言って、委員長としては非常にいい議論をしていただいたと思っております。
 それでは、これを受けて、いろいろな御指摘を受けて、もう少しまとめをやって。
 それから、確かにただ単に財務省の言っているのはおかしいというのではなくて、我々としてアピールする点をきちんと、説得できるようにしなければいけないということもいま一つの事実でありますので、きょうの議論の中でもいろいろなヒントが出てきたと思っております。
 それでは、きょうはこれでよろしいでしょうか。あと、今後のことについては。

【森友教育改革推進室長】

 今後の日程につきましては、部会長とも御相談の上、また追って御連絡をさせていただければと思います。

【三村部会長】

 では、きょうはこれで部会を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成25年03月 --