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教育振興基本計画部会(第21回) 議事録

1.日時

平成24年9月24日(月曜日)16時30分~19時00分

2.場所

学士会館「210号室・320号室」 住所:東京都千代田区神田錦町3-28

3.議題

  1. 第2期教育振興基本計画に係る関係団体からのヒアリング

4.出席者

委員

三村部会長、小川副部会長、衞藤委員、大日向委員、岡島委員、木村委員、國井委員、白波瀬委員、竹原委員、田村委員、丸山委員、森委員

文部科学省

森口事務次官、山中文部科学審議官、藤木文部科学審議官、清木文教施設企画部長、合田生涯学習政策局長、布村初等中等教育局長、小松私学部長、上月大臣官房審議官、藤野生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長 他

オブザーバー

貝ノ瀨生涯学習分科会副分科会長

5.議事録

教育振興基本計画部会(第21回)<210号室>

平成24年9月24日

【大日向委員】

それでは、定刻でございます。ただいまから第21回教育振興基本計画部会を開催させていただきます。本日は、お忙しいところお集まりくださいまして、ありがとうございます。
今回のヒアリングにつきましては、関係団体の方々から御意見をお伺いできる大変貴重な機会でもありますので、他分科会の副分科会長にもお声掛けをさせていただいております。本日は、生涯学習分科会の貝ノ瀬副分科会長に御出席をいただいております。よろしくお願いいたします。
なお、本日は三村部会長が途中退席されますので、進行は私、大日向が務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。本日の議事は、第2期教育振興基本計画に係る関係団体からのヒアリングです。本日お越しいただきました皆様方におかれましては、大変お忙しい中、本当にありがとうございます。なお、今回のヒアリングにつきましては、大変多くの皆様方に御参加いただいておりますために、時間の都合上、この会場と320号室の2会場に分けて開催しております。
まず、本日のタイムスケジュール及びヒアリングのセッション分けについて、事務局から説明をお願いいたします。あわせて配付資料の確認もお願いいたします。

【森友教育改革推進室長】

失礼いたします。本日のスケジュールでございますが、配付資料1にございます。表紙の左肩に210号室とございますが、全体でヒアリングの団体を四つにグループ分けさせていただきまして、それぞれのグループごとにまとめてそれぞれの団体の方から御意見をお聞きし、まとめて意見交換をさせていただくという形を4回とらせていただくような形になっております。
それから、ヒアリングのそれぞれの団体の方からお出しいただいている資料は、この部屋でやる資料につきましては資料2-1でございます。2-2は別室でやっているヒアリングの資料でございます。また、資料3は、ヒアリングにお越しいただく方ということではなくて、書面で提出していただいている団体様の資料でございます。これはまた次回まとめて御紹介させていただければと考えております。資料4は、計画部会におけるこれまでの委員の皆様方からの意見。他の分科会に送る意見をまとめている資料でございます。資料5が次回の日程。参考資料1は、現在、8月末に審議経過報告をおまとめいただきましたので、その内容につきまして広く意見募集を行っております。その関係の資料でございます。また、参考資料2-1は、平成25年度の文部科学省の関係の概算要求の関係の資料でございます。これも本日は時間ございませんので、また次回、改めて御説明できればと考えております。
以上でございます。

【大日向委員】

ありがとうございました。それではヒアリングを始めたいと思います。前半は二つのセッションに分けて、それぞれ御意見の発表と意見交換を行いたいと思います。
なお、大変恐縮でございますが、御説明は1団体当たり概ね8分程度におまとめいただきまして、終了1分前と終了時間になりますと、事務局から紙を差し入れさせていただきますので、申し訳ございません、よろしく御了承くださいませ。
それでは、まず、日本私立大学団体連合会から清家会長、日本私立短期大学協会から佐藤会長、よろしくお願いいたします。

【日本私立大学団体連合会(清家)】

ありがとうございます。私立大学団体連合会の清家でございます。8分をうまく私立短期大学協会の佐藤会長と分けてお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、この中央教育審議会の基本問題部会のヒアリングに私どもをお招きいただきまして、まことにありがとうございます。これまでも、私どもはこの部会にいろいろと意見を申し述べさせていただいているところでございますが、私どもの意見も踏まえて御議論をいただいていることに敬意を表したいと思います。改めて、今日はこのような機会をいただきましたので、少し重要と思われる点について短く申し述べさせていただきたいと思います。
一つは、まず、ぜひ前文のあたりのところで、教育の重要性は改めて言うまでもないわけでございますが、あらためて確認をしていただきたいと思います。先般でしたか、『エコノミスト』などにも紹介されたので御案内の方もいらっしゃると思いますが、国連がインクルージブ・ウェルスについてのインディケーターを出してございます。御承知のとおり、人的資本、自然資本、それから物的資本、三つのウェルスについて人口当たりのウェルスを出しているわけですが、これは驚くなかれ、日本は人口当たりですと断トツにトップになっていて、その大きな部分はヒューマンウェルス、すなわち人的資産、人的資源で占められているわけでございます。これはこれまでの日本の教育、あるいは企業の中における教育訓練などの成果を反映したものであって、我々はやはりこれをしっかりと受け継いでいかなければいけないというふうに思っております。特にこれから、ますます高付加価値の経済成長を目指さなければいけない中で、人的資源投資の重要性はますます高まっておりますので、これまでの私どもの教育、あるいは人材育成の成果を評価しながら、同時に新しい高付加価値を目指す時代に必要な人的資源の投資の在り方という視点で、教育の重要性を確認していただければと思ってございます。
二つ目は、東日本大震災からの復興という視点でございます。これは必ずしもこの部会特有のことではないと思いますが、私ども、特に東日本大震災にかかわる教育の復興の問題というのは、震災からの復旧といった一過性の問題ではないと思っております。特に教育は、御案内のとおり非常に長期に関わるものでございます。例えば、今幼稚園に行っている子どもたちが被災地にいて、その子どもたちが大学に行けるかどうかという話は、これから15年あるいは20年にわたる話でございまして、そういう面では、この震災によって、特に被災地の子どもたち、学生、生徒が高等教育を受ける機会が奪われることがないようにという視点での施策の遂行をぜひお願いしたいと、そういう視点で報告をまとめていただきたいと思ってございます。
次に、やや各論のところに入りますが、一つは私どもの私学の振興についてであります。先ほど申しましたような高度な産業社会においては、当然、多くの人が高等教育を受ける必要があるわけです。今の政府が言っておられる「層の厚い中間層」がますます必要になるわけでありまして、実はそういうところを中心に大学教育、学生の数で言えばほぼ8割近くを担っているのが私立大学でございまして、そういう意味で私立大学に対する助成というものが、特にこれから層の厚い中間層をさらに厚くしていくために必要だという視点をぜひ取り入れていただきたいと思っております。
もう一つ、私立大学の持っている役割について申し上げますと、今日のような変化の大きな時代には、社会の中に教育の在り方、あるいは教育の進め方等について多様性があることが大切でございます。そういう意味では私立大学というのはそれぞれが独自の建学の理念を持って多様な教育を行っているということが、実は大きな変化の時代に教育、特に高等教育に多様性を持たせるという点で大切だという視点も取り入れていただきたいと思います。
もう一つ今回の中教審の、特に大学教育分科会等で大きなテーマになりましたのが教育の質の向上ということでございますが、特に大学教育において教育の質の向上を実現しようとするときに、例えば、欧米のそれとの比較等でも明らかなように、教員一人当たりの学生の数を減らす。つまり、もっとたくさん教員を配置して、きめの細かい教育をするといったようなことが必要になってくるわけでございます。特にこれは双方向性のある教育をするといったようなときには大切なわけですが、それにつけては何よりも資金が必要なわけでございまして、その意味で、とりわけ私立大学に対する経常費補助等を増やしていただき、もちろん、私ども、そのことによって逆にどのぐらい質が向上したかということについての説明責任も負うわけでございますが、質の向上のための資源の投入という視点もぜひ強調していただきたいと思います。
また、もう一つそれとの関係で申しますと、公的資金の投入、高等教育に対する公的資金の投入がまだまだ日本は先進国の中でも少ないわけですが、そのことが、実は大学教育を受ける学生本人、あるいはその学生が出てきている家庭の負担を非常に大きくしているということがございます。そういう面では給付型の奨学金の増加といったようなことも含めて、大学教育を受ける側の負担の軽減ということをお願いしたいと思っておりますし、同時に私立大学がその中で学生にリーズナブルな学費で質の高い教育を提供するためには、やはり公費の助成の増加がどうしても必要でございます。御案内のとおり、私学振興助成法においては経常費補助の2分の1を行うということになっているわけですが、現状においてはまだそれは10分の1程度にとどまっておりまして、これをぜひ当初の2分の1に近づけるべくお願いをしたいと思っております。
引き続きまして、佐藤先生の方からお願いいたします。

【日本私立短期大学協会(佐藤)】

ありがとうございます。日本私立短期大学協会の佐藤でございます。日頃から私どもは私立大学団体連合会と綿密な意見交換等をしておりまして、今、清家代表が申し述べられたことは、概ね私どもと全く現状認識、それから課題意識、同様でございます。あえて短期大学プロパーのことを申し上げさせていただくならば、我が国における高等教育の分担のセクターのバランスが随分と崩れてきているということを申し上げておきたいと思います。4年制大学はもちろん重要な高等教育を担うセクターでございますが、近年、私ども短期大学を含め、短期高等教育の勢いが少しそがれている感じがしています。もちろん、自助努力の足りないところも十分でございますが、欧米諸国における短期高等教育が今も健全に学術中心の4年制大学との分担によって社会に寄与していると。それと同様に、我が国においてもやはりそのようなバランスの配慮というものが国民に対して多様な高等教育の機会を提供するためにも、それから、公財政の効率的な配分のためにも必要だというふうに思っております。短期高等教育の振興につきまして、国に特段の御努力をお願い申し上げたいと思っておるところでございます。ありがとうございます。

【大日向委員】

ありがとうございました。意見交換につきましては後ほどまとめてお時間を設けたいと思いますので、続きまして、一般社団法人国立大学協会から、谷口理事、一井専務理事、よろしくお願いいたします。

【一般社団法人国立大学協会(一井)】

それでは、国立大学協会の専務理事をしております、一井でございます。本日は国立大学協会に対してこのような機会を与えていただいたことに対して、改めて感謝申し上げたいと思います。
国立大学協会でも、教育・研究委員会を中心に、この課題について検討を進めておりまして、本日は口頭だけですが、後日改めて文書として提出させていただければと考えているところであります。なお、今日の概要につきましては教育・研究委員会の副委員長をしておられます熊本大学長の谷口先生の方から説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

【一般社団法人国立大学協会(谷口)】

教育・研究委員会の副委員長をしております、熊本大学の谷口でございます。
では、簡単に説明をさせていただきます。三点、お話を申し上げたいと思います。一つは、ここに今、この審議会で御議論されている四つの基本的な方向性、これは全く私どもの考えているところと軌を一にしておりまして、大変重要なことだというふうに思っております。国立大学は、昨年の6月に国立大学の機能強化、国民への約束というものをまとめまして、我が国の発展に貢献するべく大学改革を継続してきていると、私ども、自負をしております。我が国の持続的な発展、成長、そういうものを図る上で国立大学の教育研究基盤の改善あるいは充実を図りながら、従来から国立大学が果たしてきた我が国の知の創造拠点、あるいは高度人材育成拠点としての役割をさらにさらに強化をするということが不可欠であると考えてございます。この役割というのは、言いかえれば、私どもがよく申し上げるのは、国際競争力の源としてのナショナルセンターとしての機能。もう一つは、地域の社会あるいは経済を支えるリージョナルセンターとしての機能。これらを一層強化するということが私どもの責務だと考えております。先ほど申しましたように、この部会で検討されている四つの基本的な方向性というものを推進する上で、この国立大学の機能強化というのは非常に大事なことだと、軌を一にしているということをまず第一点目として申し上げたいと思います。
それから、第二番目のこととしては、大学改革を今、私どもも一生懸命やらせていただいていますが、これは大学が社会的な使命を十分に認識した上で、ある種、社会との、あるいは国民との約束という言葉を使ったりしますが、社会との約束の中で、大学が自ら立案し、実行していく。大学がちゃんと責任を持ってやっていくということが非常に大事なことだというふうに思っております。現在、国立大学協会においては文科省が今年度中に策定するという大学ビジョン、あるいは大学改革基本方針、さらには来年の中ごろまでに策定するとされている国立大学改革プラン。こういうものに対して、大学側からの意見を出すということを含めまして、国立大学の機能強化に関する委員会というのが国立大学協会の方にありますけれども、その下で、大学がそれぞれ持っている特異的な機能、あるいは役割、そういう大学が抱える課題を明らかにして、それをどうやって解決するかということの検討もやっているところでございます。同時に、各国立大学というのは、設置以来の歴史とか伝統、あるいは所在する場所、学問の分野、あるいは規模、それぞれの大学が重視する機能、そういうものは必ずしも同じではございませんで、特色ある、それぞれが違う個性、特色を持っておりますので、それを活かしてどのように機能強化していくかというところが重要で、その辺を考えて、大学改革というのは一義的にはそれぞれの大学がその責任においてちゃんと立案をして実行していくということが大事だと考えております。
今回の審議報告の中に、例えば、基本施策26-1というところで、国立大学の機能強化に向けた改革の推進についての記載がございますが、誰がやるかという主体を明確にすることが必要かと思っています。国立大学の改革に関しての連携、そういうものは社会的な要請を十分に勘案した上で、各大学が主体的な判断で行うべき事項、大学が責任を持ってやる事項であるということを明確にしていただければと思います。国立大学として、その使命がますます大きくなってきているという昨今の社会的な状況を重々かんがみて、不断の改革を自ら立案、実行し、それによって国民の皆さんへの理解を深める努力をこれからも続けていきたいと思っております。
三番目には、自主的、自律的な改革に対する高等教育への公的資金の拡充というものが必要だと思っております。先程、私学の方からもいろいろお話が出ましたが、国立大学というのは機能強化に向けて、教育の質の保証でありますとか、教育の国際化でありますとか、学生の相互交流の拡充、あるいは外国人教員の確保、国際社会との連携のための学事歴、9月入学等々の話もありますが、学事歴の柔軟化などについて、各大学において主体的な取組を今進めているところでございます。各大学の事情に応じて、入試や、あるいは教養教育の改革にも積極的に取り組んでいるところでございます。各国立大学においてこうした自主的あるいは自律的な改革を継続して、あるいは加速していくためには、やはり基盤的な大学運営の経費というものが確実に確保される、充実されるということが必要だろうと思っております。世界の国々が高等教育への投資を拡充していく中で、昨今の状況を見ておりますと、国際的に比較しても必ずしも十分ではない我が国の高等教育への公的投資の拡充というものが必須だろうと思っておりまして、その点について強調したいと思っております。できるならば、メリハリのある配分がというような言葉も27-1のところで書いてございますが、これが基盤的な教育経費の削減につながるということではなくて、基盤的経費、財政基盤の強化はもちろんのこと、基盤的な経費についても確実に確保をして、措置するといった趣旨の記述が必要であろうと思っております。
社会の改革のエンジンとなる大学づくりというものを一層加速するために、むしろGDPの1%というものを目指すとか、こういう数値目標も明確に書いていただくということがあればいいのではないかと思っております。
以上三点申し上げましたが、大学としてもできるだけのことをやらせていただいて、国民の力が結集できるようなこの計画が実効ある内容になるように、国立大学協会としてもこの第2期の教育振興基本計画の策定に関わる議論についてできるだけ協力をさせていただければと思っております。
よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【大日向委員】

ありがとうございました。続きまして、一般社団法人公立大学協会から、奥野会長、お願いいたします。

【一般社団法人公立大学協会(奥野)】

公立大学協会の奥野でございます。このようなチャンスをお与えいただきまして、ありがとうございます。
話があちこち行かないようにと思いまして、資料2-1の45ページと46ページに四点挙げております。ここを見ていただきながら、私がまとめてきましたのは、ちょっと偏っているのではないかと言われるような各論のこと、しかも公立大学が設置しております地方公共団体と公立大学という視点だけを取り上げて言いますので、その点御理解いただきたいと思っています。
まず、1のところでは全体にこの計画で出していただいていることに関しまして、例えば、国、地方公共団体、学校、保護者、地域住民、企業、社会と、こういうふうに、これを支えるという言葉で出てまいりますので、それは当たり前のことなんでしょうが、地方公共団体、あるいは公立大学というところが出てくることを感謝しております。
その中で、地方公共団体の役割という言葉が、実は第2期の今の概要にはちょっとないんですね。第1期の基本計画においては、そういうパラグラフと言いますか、章の次のセクションに、地方公共団体に期待される役割というのがきちんとありまして、そこに大学のことも出てまいります。それで、地方公共団体という言葉が出てくるところは、ほぼ義務教育とか初等中等教育につながっているところが非常に多くて、こういうことを言うとちょっと偏っていると言われるかもしれませんが、私の見たところ、やはり教育基本法についても地方公共団体の役割ということが書かれていますので、もうちょっとこの第2期のここにもう1回触れていただきたいという印象が非常にまずありました。第二点目は、もう少し具体的なところの、この2部のところへ行きますと、裏面にまいりますけれども、今やどういうところでもPDCAをきっちり回すと、そこで評価していくということは当たり前のことですので、我々もこの議論をしているところに非常に賛成しております。
ただ、何か、私の印象としては、ページによってウエートが違う。あるページについては非常に細かい数値目標まで書かれているページもあったりして、その辺の細かい指標、あるいは成果指標という言葉を使っておられますが、そこはちょっと違和感を感じております。特に、ちょっとこれはクレームみたいになって申しわけないかもしれないんですが、この計画は、やっぱり5年計画、あるいは10年計画、5年と書いていますが、この計画は5年ぐらいを見て書いていますという中で、具体的な施策のところでは1、2年、今、既に出されている大学改革実行プランとほぼ同じものが書かれているように印象を受けますので、もうちょっと長い目で書いていただくのがやはり私としては希望するという、そういう気がいたしました。
それから、ここからもう少し具体的になって大変申しわけないんですが、公立大学という単語をこの報告書から探しますと、実は1回しか出てこないんです。全体で意味は分かるんですが、国立大学という言葉は、大体30回ぐらい出てくるんです。こんなことを言うとちょっと失礼な言い方なんですが、別にその回数がどうということではないとは思うんですが、公立大学が役割を持っているところって、例えば、地域に密着した医療機関、福祉関係なんかで具体的に言いますと、奈良と福島と和歌山というのは医学部があるのは公立大学だけしかないんですが、そういう視点というのがちょっと残念な気がいたします。もう少し、公立大学のこれまで果たしてきた役割というのをここにちょっと言及していただきたい、お願いしたい。そんな気がいたします。
特に、基本政策の中に、大学のガバナンスというところが97ページにございますが、そこで国立大学、公立大学、私立大学とそれぞれに書いてあるんです。それで、国立大学も私立大学も施策が書いてあるんですが、公立大学のところには施策はないんです。何か希望だけが書かれていて、しっかりやりなさいと書いてある。ちょっと失礼なんですが、そういうのはやっぱり私の立場としては、公立大学のことをもうちょっとちゃんと書いてほしいという、申しわけないんですが、はっきり言ってそんな気がします。
それから、一番最後は、この施策のところで、先ほど国立大学も触れていましたが、センター・オブ・コミュニティという構想が出されております。公立大学は当然のことながら地域の地方公共団体が設置していますので、その理念には当然、地域に密着した、地域と一緒に歩む、そういうところが出てまいりますので、今、公立大学は82校です。国立大学は86校で、規模は全然違いますが数で言うと結構頑張っていて、それの3分の1ぐらいは、さっき言った医療とか福祉とか、ぴったりそこに行っていますので、センター・オブ・コミュニティは我が公立大学がするんだよという、そういう自負と、今までやってきたことに対する思いとがありますので、ここを見たら公立大学に対する施策をここでしていただけるのかなと、そういうふうに期待しておりまして、公立大学がこれまで果たしてきた地域との密着性というのはもちろん公立大学だけの問題でないことは承知しておりますが、これまでいろいろやってまいりましたそういうことを踏まえた記述と言いますか、心からそういうことを少し願っていきたいと思っています。
大体、そんなところです。

【大日向委員】

ありがとうございました。
それでは、これまでの御説明に対して、委員の皆様から御質問等をいただければと思います。なお、恐縮ですが、予定が10分程度でございまして、可能な限り多くの委員の方に御発言をいただきたいと思いますので、なるべく御質問は簡潔にお願いできればと思います。また、御質問の際には、どなたにお答えいただきたいかも明らかにしていただきますよう、お願いいたします。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
森委員、お願いいたします。

【森委員】

非常に簡単な質問ですが、私立大学ならではの良さとか、公立大学ならではの良さというのは、国民に分かりやすく一言で言うと、どうなりますでしょうか。

【日本私立大学団体連合会(清家)】

とてもいい御質問だと思います。まさに、私立大学の良さというのは、今おっしゃった、私立大学ならではというふうに一くくりにできないことだと思います。つまり、私立大学というのは、先ほど申しましたように一つ一つの大学が建学の理念を持っておりまして、独自の個性のある教育を行っております。その中には、もちろん、例えば宗教立の大学もございますし、私どものような、福沢諭吉がつくった大学というものもございます。あるいはそれぞれの地域で、地域の方々がお金を出し合ってつくったような学校も公立大学以外でもございますが、そういう面でも非常に多様であると先ほど申しましたが、そこが私は私立大学の一番の存在意義というか、そういうことではないかと思ってございます。

【大日向委員】

それでは、公立、国立、それぞれお願いいたします。

【一般社団法人公立大学協会(奥野)】

先ほどちょっと触れましたように、公立大学は歴史的に見て、地方公共団体が設置するというところにございます。国の政策として国立大学があって、そして進学率のカバーをするところで私立大学という、そういう政策の歴史的な経緯がございますので、その中で地方公共団体が、例えば、先ほど言いましたような医療関係とかそういうところで発展してまいりましたので、やっぱり一番のところは地域との密着性だと私は思っています。

【一般社団法人国立大学協会(谷口)】

国立大学も、多様性があっていい、それは大変大事なことだと思っています。国立大学は、先ほど申しましたように、やはり国を代表するという側面があります。ですから、やはりちゃんとしたリーダーを育てる、そういう役割はやっぱり国立大学が持っているんだと思っております。それとともに、やはり地域のリージョナルセンターという役割はある。先ほど公立で言われた、その県にはもしかしたら医学部は公立でしかないかもしれない。そういうところには大体、国立に医学はないということだと思いますし、逆に公立にそういうものがない、私立にそういうものがない、そういうところはちゃんと国立が持っているということだと思います。やはりリージョナルセンターとしての役割、やはりその地域のリーダー、あるいは国のリーダー、そういうものを、やはり国立大学が育てていく。あとは質の保証ということが非常にこれから大事になってくる。そこはやはり国立大学がしっかりとした責任を持ってやっていくということだろうと、私立、公立は質はどうでもいいという意味ではなくて、やはり、それぞれがちゃんとそれぞれの役割を果たすということが大事だろうと思っております。

【大日向委員】

他にいかがでしょうか。
では、貝ノ瀬委員、お願いします。

【貝ノ瀬生涯学習副分科会長】

ありがとうございました。特に教育の重要性についてこの「人財」を、材料の材ではなくて財産の財ということでペーパーに出ておりましたけれども、そういった点で本当に大事に考えてらっしゃるんだなということで敬意を表したいと思います。ちなみに、我が市の自治体の公式文書の「ジンザイ」は、全部財産の財にしているというのもつけ加えておきたいと思います。私は主に義務教育の方の仕事を多くしてきましたので、分からないので教えていただきたいのですが、多分、アメリカは大学が4,000ぐらいあるんじゃないかと思いますが、あの人口で4,000ぐらい。日本は七、八百校ぐらいですよね。それで、もっと大学を減らした方がいいんじゃないかとかそんな議論がされたりしていますが、その辺、どんなふうに考えたらいいのかなというふうにも思っているんですね。アメリカあたりはあまりそういうことを聞かないんですが、日本はもっと減らせと言われますので、その辺の考え方について。それから、もう一点、奥野先生の御説明は大変賛成なんです。大学が地域コミュニティの重要な役割を果たすという点について、どちらかというと義務教育の段階ばかり強調されて、大学が、公立の大学だけではなくて、国立も私立もそういった面でもっと大きな役割を果たしてもらえるといいなと思っていましたものですから、本当に大賛成でございます。先ほどの大学の数について教えていただきたいと思います。

【大日向委員】

お一人ずつ、三方にですね。

【貝ノ瀬生涯学習副分科会長】

いえ、代表の方で結構です。

【大日向委員】

代表。はい、ではどなたか。では清家会長。

【日本私立大学団体連合会(清家)】

大変、これもいい御質問だと思います。ありがとうございます。大学の数、あるいはその存続の必要性についていろいろ議論がされておりますが、実は、今、貝ノ瀬委員が言われたような趣旨で、例えば、経営的になかなか厳しい大学というのは、私立大学で申しますと地方の規模の小さな大学でございます。これは短期大学でもそういうところがあると思います。しかし、逆に言いますと、そういうところというのは、その地域においてほとんど唯一の高等教育機関であるというようなケースも少なくございません。また、例えば先ほど震災のお話をいたしましたが、今回の具体的な例を申しますと、石巻に石巻専修大学という大学がございますが、この大学がなければ、おそらく石巻の復興というのは相当遅れたのではないかというふうに言われているぐらい、様々な面で復興の中心となるセンターとして機能をしてございます。そういう意味では大学には、例えば学生の定足数の充足率等の面でなかなか厳しいところがあって、そういう大学はもう閉鎖してもいいのではないかというような議論もあるわけでございますが、もちろん、当然大学も、場合によっては閉鎖するというようなことがあるかと思いますが、私どもは、やはり現在存在しているほとんどの大学というのは、それぞれの地域において知的基盤として重要な役割を果たしているのであって、そういう大学をしっかりと維持していくための公的な支援というものが必要だろうと思ってございます。
もう一つだけつけ加えさせていただきますと、大学がそこに存在するということは、重要な知的基盤であるという面とともに、先に申しました石巻専修大学の例などもそうですが、その地域の何かのときの非常に大切な拠点になると同時に、非常に多くの雇用機会も生み出しております。そういう意味で、やはりそうした大学の、特に地域経済、社会の中で果たしている役割というのをもう一度御認識いただきたいと思っております。決して日本の大学の数が多過ぎるというふうには私どもは思ってございません。

【日本私立短期大学協会(佐藤)】

ありがとうございます。地域と大学のことについて、一言申し上げておきたいと思います。短期大学は、とりわけ地域に根差した身近な教育機関でございます。340ほどあります私立短期大学の過半は大都市圏以外の中小都市に分布してございます。勢い、そこで教育を受けた人たちは地元就職率が非常に高くございます。全国平均で7割、中部地方で8割、北海道に至っては9割の卒業生が地元に就職してまいります。すなわち、その地域地域の細やかな人材供給源として役立たせていただいているわけでございます。
一つ例を申し上げますと、全国の幼稚園の教員の7割を超える者が短期大学卒業生でございます。したがいまして、そういう地方中小都市あるいは中核都市に、そういう、小規模であっても身近に通える、しかも期間が短くて集中的に学べる教育機関があるということが地域にとって大変大切なことではないかというふうに思っているところでございます。ありがとうございます。

【一般社団法人公立大学協会(奥野)】

指名していただいたので。地域に、先生、義務教育の方はよく見えるけれども大学は見えないというふうにおっしゃったのは正しいというか、我々は、公立大学だけじゃないんですが、どこの大学も、個人で先生は結構いろんな行政に貢献もしてきたんです。でも、大学として、組織として取り組むというのは、実は最近です。それで、先生が指摘していただいたように、私もそう思っているんですが、ここにも書いてございますが、組織として、大学として、この地域、行政、そういう社会、そういうところへ取り組むようにしていくのが一つのことかなと。もう一つは、今お話しいただいたように、人材を供給するということはずっと昔からやってきましたが、それ以外に目立つように、先生がおっしゃったように大学が見えるようにしていかなければいけないのではないかと、公立大学協会は特にそう思っていまして、よろしくお願いしたいと思っております。

【大日向委員】

ありがとうございました。まだまだ伺っていたい思いでございますが、お時間の関係で本セッションはこのあたりでと思います。今日は本当にお忙しい中、そして貴重なお話ありがとうございました。

【日本私立大学団体連合会(清家)】

どうもありがとうございました。

【日本私立短期大学協会(佐藤)】

どうもありがとうございました。

【大日向委員】

それでは、次のセッションに移ります。
次は、まず、全国専修学校各種学校総連合会から小林会長、よろしくお願いします。
それでは、小林会長、どうぞよろしくお願いいたします。先ほどと同様に御説明のお時間について、恐縮でございますが、概ね8分程度ということで、どうぞよろしくお願いいたします。

【全国専修学校各種学校総連合会(小林)】

私は、全国専修学校各種学校総連合会の会長を仰せつかっております、小林と申します。よろしくお願いいたします。部会の先生方には、第2期基本計画の策定に向けて鋭意審議されておりますことに心から敬意を表します。また、今回、審議経過報告に対する発言の場を設けていただきましたことに、深く感謝を申し上げます。
本日は、本会といたしまして最も重要な要望事項を整理した意見書と、それから各基本施策の順に専修学校・各種学校の課題、要望を整理いたしました別添資料を、用意いたしました。意見書は、ページで言いますと47ページ、48ページでございます。この2枚を中心に発言させていただきます。
専修学校・各種学校にとって最も重要な項目は、47ページの二重枠で囲んである項目ということで御理解をいただきたいと思います。本会は47ページの丸1から丸3のとおり、キャリア教育、職業教育のより一層の充実、推進に必要な三つの柱を運動方針の重点目標としております。
平成18年の教育基本法の改正により教育の目標に職業教育の重要性が定められ、平成20年の閣議決定第1期基本計画でもキャリア教育・職業教育の推進などの施策が取り上げられました。最近も、学校から社会、そして職業へ円滑に移動できていない、また社会的・職業的な自立に様々な課題があるなど、若者たちの困難な状況を受け、平成23年の中央教育審議会は、全ての学校種にわたりキャリア教育・職業教育の充実を答申しています。また、閣議決定された日本再生戦略には、分厚い中間層の復活のため、若者を取り込んだ成長を目指し、体系的なキャリア教育の充実、そして成長分野の中核的専門人材養成の推進、さらには成長分野での職業教育の強化に向けて、専修学校での学び直しの学習機会の提供、そして、経済的な理由によって進学を断念しない社会の構築など、専修学校などの教育機能の活用・強化を取り上げていただいています。
以上の提言や施策などを踏まえ、本会といたしましては、審議経過報告に対し次の四点について見直しや明確化を行うことなどを要望させていただきます。
一つは、この基本政策12の「キャリア教育・職業教育の充実。社会への接続支援、中核的専門人材・高度職業人材の育成の充実・強化」の主な取組の12-3での「各学校段階における職業教育の取組の推進」、これは64ページに記載された『職業実践的な教育に特化した新たな枠組み』であります。この取組は、平成23年の中教審答申で、高等教育段階で既存の高等教育機関、すなわち大学、短大、高専、専門学校とは別に、社会・職業への円滑な接続、自立した職業人の育成などを図るため、職業教育の充実方策として提言された内容を踏まえたものであります。
新たな枠組みは新たな学校種の創設も念頭に置き、詳細に検討する方針を示し、さらに年限、課程、授業方法、教員資格、評価、設置者のほか、設置基準の在り方を含め、産業界と連携する新たな学校の制度化を見据えて、より踏み込んだ内容をまとめてあります。
答申から2年が経過する平成25年度からの5年間、新たな枠組みづくりに向けて、先導的な試行などの取組を進めるだけでは、現在、過酷な国際化にさらされ、スピード感を持った対応に迫られている我が国の産業界に対し、高等教育はさらなる貢献ができない事態を招くと思います。
よって、この新たな枠組みは、答申の趣旨から「主として高等教育段階の学生を対象とした取組」で、『高等教育における職業実践的な教育に特化した新たな学校種について、先導的な試行などの取組を進め、早期の創設を目指す』と記述し、必ず第2期基本計画の期間内に達成するように教育施策の目標として明確化していただくことを要望いたします。
二つ目は、基本的方向である「社会を生き抜く力の養成」での学校教育の区分と、専修学校などに関する取組、すなわちこの基本施策の記述の仕方についてのお願いであります。「社会を生き抜く力の養成」は、初等中等教育、そして高等教育の各学校の教育段階、並びに生涯学習の3区分を用い、考えや施策を記述してあります。この生涯学習は家庭、学校、社会の教育などを含むものであり、人生を通じた幅広い考え方で、柔軟かつ弾力的な制度の専修学校などは、多様なニーズに応じたキャリア教育・職業教育を提供する使命があります。ゆえに3区分の生涯学習、特に成果目標の4、62ページでありますが、この基本施策12で、専修学校などの振興の考え方、施策・取組を記述する意図は理解いたします。
しかし、別添資料の3から4ページのとおり、初等中等教育では、中学校卒を入学対象とする高等専修学校にとって教育の質保証や特別支援教育の充実は高校と共通する推進すべき取組です。他方で、中学高校の不登校の生徒の教育機会の確保では、高等専修学校との連携の強化、小中高校の専修学校などを活用したキャリア教育事業の充実など、促進すべき協力関係もあります。また、高等教育では、専門学校にとって主体的な学びの確立に向けた改革、教育の質の保証、初等教育との接続の強化は共通の取組として推進すべき施策であります。専修学校などを含む『高等学校等』、『大学等』という表記では、実際に専修学校の記述がないために、国や地方自治体、個々の学校の現場でも、専修学校などを対象とする取組も考えようとされません。
よって専修学校を『生涯学習』に一くくりでまとめることだけではなく、具体的に初等中等教育には高等専修学校の、高等教育には専門学校の課題、推進・充実すべき取組を各成果目標、基本施策に分けて記述していただきたい。つまり、国が高校や大学と同様の支援を専修学校に講ずることを要望します。
三つ目は、教育体系に関する点です。「社会を生き抜く力の養成」の「多様な職業生活に応じた柔軟な学習環境の整備」には、『実践的な職業教育の意義を積極的にとらえ、その体系を明確にしつつ取組を推進する』と、また、基本施策12にも、『実践的な職業教育の体系を明確にしつつ』と記し、実践的な職業教育体系の確立に複線型の体系を目指す方針を明らかにしていただいています。他方、基本施策26は『学校種ごとの位置付けや期待される役割・機能を十分に踏まえた上で、個々の機関が個性・特色を発揮し、全体として一層、多様かつ高度な教育研究活動を展開されることが重要』と、ユニバーサル段階の我が国の高等教育が適切な役割分担のもとに多様かつ高度な教育機会を提供すべきことを指摘しております。
よって基本施策26は、『実践的な職業教育の体系の構築による複線型の教育体系の中で学校種ごとの位置付けや役割・機能の分担を明確にし、取組を推進する』などの記述にしていただき、そして別添資料のとおり、国が、専門学校自らがキャリア教育・職業教育を強化する取組に対して、積極的に制度、財政の両面から支援する第2基本計画になるよう要望いたします。
四つ目は、基本施策1の主な取組の1-6でございますが、学習者の最終的な学校教育段階がどの段階であっても、社会、職業への円滑な接続のため、発達段階に応じてキャリア教育・職業教育を早期から実施する重要性は論を待たないところであります。そして、審議過程報告にも、「社会を生き抜く力の養成」の基本政策1で、趣味・関心、能力・適性などが多様化した高校生に対し、『卒業までの間に身に付けること』を意識させる指導を課題として取り上げ、きめ細かい施策を講じることを基本としています。
しかし、主な取組の1-6は、基本施策の12-1に包括され、かつ基本施策12-1の記述も数個しかありません。
国が学校教育から社会・職業への接続支援としてキャリア教育・職業教育の充実に取り組む姿勢を示すため、成果目標4、基本施策12に記した、初等中等教育段階の関連施策を、主な施策の1-6に記述していただきますよう要望いたします。
以上が本会としての最重要の要望事項でございます。いずれにしても、専修学校、各種学校は職業教育などに特化した学校種であることを、その振興施策を明確に区分して、記述していただきたいということでございます。
以上です。

【大日向委員】

ありがとうございました。
次に、全国特別支援学校長会から、井上会長、よろしくお願いいたします。

【全国特別支援学校長会(井上)】

全国特別支援学校長会の井上です。資料は59ページから61ページでございます。教育振興基本計画部会におかれましては、この間の精力的な御検討に敬意を表しますとともに、本会にこのような意見陳述の機会をいただいたことに感謝いたします。
全国特別支援学校長会は、以下、全特長と省略させていただきますけれども、私ども全特長は、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、知的障害、病弱等の幼児、児童、生徒が在籍する全国約1,000校の特別支援学校の校長を会員とする団体です。国においては、今、障害者権利条約の批准に向けて関連する国内法の整備が図られているところですが、特別支援教育の一端を担う我々全特長としては、中央教育審議会初等中等教育分科会が本年7月にまとめた共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進報告や、昨年8月に施行された改正障害者基本法の内容を重く受けとめているところです。特に共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のために特別支援教育の一層の充実が不可欠であると明記されたことは、地域の特別支援教育にかかるセンター的機能を発揮する役割を担っている特別支援学校の校長として、改めて職責の重大さを自覚しております。また、特別な支援が必要な教育ニーズを有する子ども一人一人のために多様な学びの場の充実を図ることや、小学校や中学校等との学校間連携を図ることが重要であること。また、特別支援学校間の連携を図ることなど、障害のある子ども一人一人が十分に教育を受けられるための合理的配慮や基礎的な環境整備を図ることとともに、施策を具体化していただく必要性を強く感じているところでございます。
障害者基本法の一部を改正する法律の中では、第1章に全ての国民が障害の有無にかかわらず等しく基本的人権を共有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現が目的として掲げられました。このことについても重要なことだと考えております。権利条約の第24条の、障害のある人の教育の権利に関連しても、あらゆる段階におけるインクルーシブな教育制度及び生涯学習の中で確保する目的として示されました人間の潜在能力並びに尊厳及び自己価値に対する意識を十分に開発すること。また、人権、基本的自由及び人類、人間の多様性の尊重を強化すること。障害のある人が、その人格、才能、想像力並びに精神的及び身体的な能力を可能な最大限度まで発達させることなどを含めて、この共生する社会、すなわち共生社会の実現に向けて、特別支援教育の果たす役割は大きいと強く考えているところです。
全特長としては、特別なニーズを有する子ども一人一人に対し、幼児期から学校卒業後まで一貫した支援体制が整備され、私立の学校を含めた全ての学校で、共生社会の実現を目指す教育を行う必要があると考えますし、共に学ぶ教育の実現を目指した教育条件の改善が必要であると考えます。特別な支援が必要となる可能性のある子どもや、その保護者に対して早期から相談や支援の情報が得られる体制が求められます。また、障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに応じた就学先を決定していく仕組みを充実させていくことも必要です。発達障害を含む障害のある幼児、児童、生徒の自立と社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立って、特別なニーズを有する子ども一人一人のニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育の整備を総合的に推進することを求めたいと思います。
資料の中では、特別支援教育の推進に関わって本計画部会の中で私たちが目指す方向をくんだ内容を盛り込んでいただいておりますこと、本当に感謝申し上げます。四つの基本的方向性に基づく八つの成果目標と29の基本政策をまとめられているところですけれども、これは基本政策5に示されております特別なニーズに対応した教育の推進。このことについて全特長として基本的に支持する立場で意見を述べさせていただきます。限られた時間の中での意見陳述となりますので、資料として59から61ページの中にあります、特に59ページの一番下の行から説明しております自立と社会参加を確かにする仕組みの姿としての交流及び共同学習の充実、本人の希望と特性を生かす教育システムの整備、そして合理的配慮等、環境整備について、さらに教育環境の充実、地域の教育支援センターという、括弧をつけているところを主に内容として意見として出させていただきます。
時間が限られたところで、終わりになりましたら終了させていただきますが、障害のある者がその年齢や能力に応じて、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害のある児童生徒が障害のない児童生徒とともに学ことができるよう、環境やシステムを調えていく改善を図ることは重要だと考えております。交流及び共同学習の充実は、自立と社会参加を確かにする仕組みの一つとしてさらに取組を広げていただきたいと思いますし、特別な支援が必要な子ども一人一人にとって、通常の学級や通級による指導、固定の特別支援学級、特別支援学校等は多様な学びの場であり、それぞれにおいて環境整備を図っていただきたいと思います。
ただ、現実の問題として、環境やシステムを調えていくという中では、学校教育法施行令22条の3に該当するような通常の学級に在席する、いわゆる認定就学の児童生徒に就学奨励費の支給をすることなども検討課題の一つと考えております。
また、本人の希望と特性を生かす教育システムの整備のところでは、キャリア教育の充実や就労支援等、しっかりと一人一人の子どもたちの自立と社会参加を目指した可能性を引き出していく取組を推進していく、そういう公教育システムの充実を期待したいと思います。
そして、5-3に関連する部分ですが、教員養成や採用に関わることで、とりわけ特別支援教育の充実に当たっては、直接の担い手である教員の専門性や資質能力に負うところが極めて大きいものです。変化の大きい時代にあって、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに応えながら、どのような障害を有していても社会を生き抜く力を育てていくことが重要ですし、教員の養成や採用問題も軽視できません。ぜひ教員の養成や採用、研修の各段階を通じての教員の人材育成を図っていただきたいと思います。特別支援学校の教員を100%、特別支援教育の免許状を取得しているというような制度改革をぜひ行っていただきたいと思います。
時間が限られてしまいましたので、最後にということで、共生社会とは、これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境ではなかった障害者等が積極的に参加・貢献していくことができる社会であります。誰もが相互に人格と個性を尊重し合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会であることを強調しておきたいと思います。可能であれば前文にも盛り込んでいただければ幸いでございます。
本当に限られた時間の中で、早口になってしまいました。意見表明をこれで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

【大日向委員】

ありがとうございました。
次に、全国特別支援教育推進連盟から、大南理事長、よろしくお願いいたします。

【全国特別支援教育推進連盟(大南)】

全国特別支援教育推進連盟の大南でございます。本日のヒアリングに参加し、意見を述べる機会を与えていただきましたことに心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。
お手元の資料では62ページと63ページです。これを順を追って話しますと時間がありませんので、四点について話をさせていただきます。
まず第一点目は、62ページの一番下のところですけれども、「共生社会」とか「インクルーシブ教育システム構築」という言葉が7ページと45ページに突然出てくるんです。ですからこれを、先ほど校長会からも意見がありましたが、例えば前文の中に障害者の権利条約の署名をし、やがて批准をしなければならないことであるとか、障害者基本法が昨年の8月に改正されて、その16条に教育についての規定も設けられているということ、さらには世界的な教育の動きとして、インクルーシブ教育システムが必ずしも全体で動くかどうか疑問ですけれども、そういう世界の教育の動きを踏まえた上で、共生社会の実現に向けた取組が必要であるという文言をぜひ前文に入れていただければと思います。
そのことは、今の続きですが、次のページの(3)のところで、9ページに「全ての子ども」、23ページには「誰もが」という表記がございます。私は、これは「全ての子ども」ですから障害のある子どもも含まれている、「誰もが」という中にも当然障害のある子どもも含まれている。そういうふうに読んでいくとしますと、やはり前文で何らかの形で触れていただくことか大事ではないかと思いました。
二つ目は、特別支援学校の教室の不足を62ページのちょうど真ん中のところで、4,561教室、これは普通教室が足りないわけです。先ほど校長会から、特別支援学校は1,000校という話がございました。1校平均30教室として150学校足りない。今というより去年の段階で足りない。これが20年間続いているのです。ある自治体では10年後も解消できそうもないという、これはどういうふうに受けとめればよろしいのかいろいろ課題はあると思うんですが、特別な教育を受けたいという保護者や本人の希望が非常に強いということを私は思っていますし、特別な教育を受けることがそれぞれの子どもたちの将来につながるのではないかと思っております。
三つ目は、先ほど校長会から、インクルーシブ教育システムの構築に向けて基礎的環境整備という言葉がございましたが、基礎的環境整備の最も基本というのは、普通教室を確保することだと思います。ですから、特別支援学校が普通教室が確保できない状況にいる中で、インクルーシブ教育システムの構築というのはどういう手順で進めていけばよろしいのか、非常に苦しいところだと思います。
それで、今度はインクルーシブ教育システムという言葉が十分理解されているかどうか。これは基本施策の5、報告のアの本文の45ページ、46ページに出てきますが、特別なニーズに対応した教育の推進の中でインクルーシブ教育システムの構築という言葉が出てきます。このインクルーシブ教育システムというのは、今大変、インクルーシブ教育というところで切れて、一人歩きをしている状況です。障害のある子どもを全て小学校、中学校の通常の学級に入れるのだという考え方を出されますけれども、これは、私は少し言い過ぎだと思いますし、それから、特別支援教育はインクルーシブ教育にはつながらないという表現もありますが、これもどうも疑問に思います。
本審議会の初等中等教育分科会が7月に報告を出しておりますが、その中でインクルーシブ教育システムということについて次のように述べております。このことをぜひ基本施策5のところのどこかに取り入れていただいて、インクルーシブ教育システムというのが間違いのないような方向にぜひ進んでほしいと思うのです。
ちょっと読んでみます、「インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要である。小・中学校における通常の学級、通級による指導、これは特定の時間、特別な指導を受けるというシステムです。特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある『多様な学びの場』を用意しておくことが必要である。」、ですから、多様な場を用意する、誰でもかれでも通常の学級に入れればいいということではないということをこの報告の中で述べられています。そして、この多様な教育の場を用意することによって、いろいろな障害、あるいは学習のおくれを持っている子どもたちが適切な教育を受けられるのではないだろうか。
四つ目は、実はこれまで、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導を受ける子どもには、就学奨励費というのが文部科学省から出ておりましたが、多様な学びの場になりますと、通常の学級にも障害のある子どもが入っているわけですので、これに対して25年度予算で文部科学省は就学奨励費の支給の対象を広げようということをお考えのようでございます。これはぜひ実現してほしいなと思います。
それから、「特別支援教育は、共生社会の形成に向けて、インクルーシブ教育システム構築のために必要不可欠なものである。」、これも先ほどの初等中等教育分科会の報告の中に書かれております。文部科学省では25年度予算にインクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育のさらなる充実のための事業を考えておられるようですが、ぜひこれも実現してほしい内容だと思います。
以上でございますが、私どもの団体の構成を御紹介しないまま話をしてしまいましたが、特別支援学校長会、それから特別支援学級の設置校長会、それからそれぞれのPTAの連合会、さらには親の会、最近新たに加わった団体としてはLD親の会等がございます。15の団体で構成されている連盟でございます。
以上です。どうもありがとうございました。

【大日向委員】

ありがとうございました。
それでは、以上の御説明に対して、委員の皆様から御質問等いただければと思いますが、時間がかなり押しておりますので簡潔に、そしてどなたにお尋ねになりたいかを明らかにしていただければと思います。
では、竹原委員、お願いいたします。

【竹原委員】

貴重な御意見ありがとうございました。私は地域の立場からそれぞれの学校種、学校の皆さんに少しお聞きしたいのは、まず小林さんに、専修学校として地域において何ができるか、どういうふうに発信ができるかということをお聞きしたいと思います。
次に、特別支援学校長会、それから推進連盟の方にも同じようにですが、共生社会の実現のために、地域の理解を深め、一般市民の参画をすすめるためにどのように発信していかれるかお聞きしたいと思います。

【大日向委員】

それでは小林会長、お願いいたします。

【全国専修学校各種学校総連合会(小林)】

専修学校、各種学校は、まさに地域に根ざした人材育成、地域の活性化のための人材育成という面では一番地域に貢献する、そして、地域に残って地元の産業の中核的人材育成するという重要な役割があります。
私も今まで全国9ブロックをずっと回り、いかにそれぞれの地域の中で本当に職業人として生きるいろいろな専門職を育てるかを考え、まさに多様な教育を実践していることを見聞きしてきました。これからも、様々な専門職、地域の活性化に一番機能する人材、生活や社会の向上に必要で身近な専門人材を育成していくものと考えます。
今回の震災でも、まさに介護福祉士とか調理師といった専門職を、その地域に貢献する若者のいわば専門的教育機関として、きちっとした機能を果たしているということであります。

【全国特別支援学校長会(井上)】

特別支援学校長会ですが、地域との関係というところでは、今、全国特別支援学校長会では全特長ビジョンというものをつくっておりまして、その中で10の提言をまとめているところです。ホームページに出ておりますので御覧いただきたいと思いますが、その中で提言1として、特別支援教育の推進に基づく共生社会の実現を目指してということで、全特長として障害者基本法の理念である共生社会の実現に向けた重要な役割をしっかり果たしていこうということで、インクルーシブ教育システム構築に関わる合理的配慮の基礎となる基礎的環境整備と実現、あるいは幼稚園や小中学校、高等学校、特別支援学校等の学校間の連携の充実、交流及び共同学習の促進、就学及び入学支援の充実など適正な就学及び入学の推進に努めていこうということで話をしております。
また、提言4にも、地域に根ざした、地域に信頼される特別支援教育の支援のセンターとしての機能をしっかり発揮していこということと、それから誰もが理解し、共感できる教育の推進を目指してということで、地域にとどまらず、全国規模の広汎的な理解推進活動の検討と実施、対象者のニーズに応じた効果的な理解推進事業の実施、また介護等体験の充実に向けた制度づくりやボランティア等の人材活用による特別支援教育への理解推進、そうした内容等を含めて特別支援学校を担う教員志望者や教員養成機関への啓発活動の充実などに取り組んでいきたいと考えております。

【全国特別支援教育推進連盟(大南)】

推進連盟でございますが、全特長と重なるところがあるかも分かりませんが、今日午前中、私は都立のある特別支援学校へ伺ってきたのですが、そこの学校運営連絡協議会というのがございます。その地域の自治会の方や町会の方や工場の代表の方がメンバーに入っておられて、生徒が使う教材をその地域にある工場ですぐ作って試作品を持ってきてくださるということがありますし、それから、総合防災訓練を地域の方々、消防署はもちろん入ってですが、障害のある子どもたちも一緒に避難をする、あるいは話を聞いて自分で身を守るすべを考える、そういうことがございます。
それから、伊豆の大島へ先日行きましたが、ここでは福祉施設、24時間そこで過ごす方々が地域の公民館を借りてコンサートを開き、島民の方も一緒にそれを聴いていたそうです。もちろんプロの歌手も呼んでいて、生の演奏が聞けて良かったという、両方の感想を伺いました。
それから、豊島区の染井銀座商店街というのがあるのですが、ここに駒込福祉作業所の利用者の方を中心に、絵を描くのが得意な方がおられて、アートストリート、障害者の絵を商店街に展示して、その中に喫茶店を経営しているという、まさしく地域の中にとけ込んでいく形を、学校、それから卒業した後もいろいろな形をとっております。

【大日向委員】

ありがとうございました。本当に限られた時間で申し訳なかったと思いますが、貴重な御意見ありがとうございました。
それでは本セッションはこのあたりとさせていただきたいと思います。なお、当初休憩時間を予定しておりましたが、時間が大分押しておりますのと、次のセッションの方ももういらしてくださっていますので、御用向きがおありでしたら適宜おとりくださいませ。
それでは、ここから後半のセッションに入ります。後半も二つに分けて、それぞれ御意見の発表と意見交換を行いたいと思います。なお、前半と同様、大変恐縮ですが、御説明は1団体当たり概ね8分程度におまとめいただきまして、終了の1分前と終了時間となりましたときに事務局から紙を差し入れさせていただきますので、何卒御了承いただきますようお願いいたします。
それでは、まず日本教職員組合から、野川組織・労働局長、原文化局長、よろしくお願いします。

【日本教職員組合(原)】

日本教職員組合の原ひとみと申します。本日は野川と二人で参っておりますが、限られた時間ですので私の方で一括して意見を述べさせていただきます。
本日は貴重な機会を与えていただきありがとうございます。第2期教育振興基本計画は、今後の教育施策において基本となる重要な計画であると私どもも考えております。審議経過報告にあります多様性や自立、共同、創造という視点は大変重要な視点であると私どもも思っております。
日本教職員組合は、子どもたちの豊かな学びを全ての子どもたちに保障するため、憲法、子どもの権利条約を基盤とした取組を行っております。その視点で基本施策に対する意見を取りまとめました。本日は、意見書のうしろに日教組の意見として付けさせていただいておりますので、時間の都合上、今日はここまで説明できませんが、御参考に御一読いただければ幸いです。本日は、その中から十点に絞って意見を述べさせていただきます。
まず、全国学力・学習状況調査について、この目的である義務教育の機会均等とその水準の維持向上からの教育施策の改善という、こういう目的は大変重要であると考えておりますが、最近の学校現場を見ますと、調査の本来の目的から外れ、点数向上対策として事前練習が行われるなどの実態が見られます。そういうふうな学校現場を見るとき、また毎年同じような結果分析、傾向等が報じられる中で、状況調査については毎年実施する必要はなく、国の状況把握を目的とした数年に一度の抽出調査によって行われるのが良いかと思っています。この調査が一面として競争主義を引き起こし、子どものストレス等が悪影響を及ぼしているのではないかとも考えております。
次に、インクルーシブ教育についてですが、インクルーシブ教育システム構築のために障害のある子どもが希望する場で学べることを保障するため、特別支援教育の推進、それは大事なんですが、それだけではなく、普通学級で豊かな学びが保障される制度に改正する必要があると考えております。
また、障害がある子どもも含めて全ての子どもの人権を基盤とした対策として、今、いじめ、暴力行為、不登校等、深刻な問題となり報道もされておりますが、この基本計画がそういう人権の視点から、いじめとか暴力行為、不登校等へアプローチすることも重要であると考えております。もちろん、いじめや暴力行為については毅然とした態度が必要なんですが、その根底にはそれぞれの人権感覚を養うようなカリキュラム作り、それがまた未然防止につながるのではないかと思っております。
これら子どもたちの課題に寄り添いながら、日々学校現場で子どもの学ぶ意欲の向上や一人一人の学力保障を重視し、保護者、地域とともに子どもたちの実態に応じたカリキュラム作りを進めるために学習指導要領というのは大綱化、弾力化を進めていく必要があるのではないかと考えております。
次に、高校教育についてですが、高校には様々な課題を抱えた生徒が通っております。全ての希望する生徒に高校教育を保障する施策が必要であると考えます。また、社会への接続の観点から、小学校段階から継続した労働教育の内容を含めたキャリア教育が重要ではないかと思います。
これらの教育実践を進めていく上で、学校現場の実態を踏まえた教員の養成・採用・研修の一体改革が必要なのではないかと思っております。養成・採用・研修の一体改革というのは報告にも明記されております。ただ、養成段階だけではなく、学校現場での同僚性により培われる、そういう学校現場の実態を踏まえた制度設計を構築していく必要があるのではないかと考えております。
以上のように子どもの豊かな学びを保障するためにそれぞれ学校で実践していくためには学校の教育条件整備というのが不可欠です。今35人学級、少人数学級が進められておりますが、35人学級の確実な実施と30人学級実施の検討、小学校専科教員、また司書教諭の専任化、養護教諭、栄養教諭、事務職員等の定数改善について、財政措置を伴った年次計画を策定していくべきではないかと思っています。また、高校の定数改善、部活動の外部指導者、ICT支援なども拡充する必要があると考えております。
次に、子どもの学習権が保障される教育条件整備として、施設の防災機能強化や老朽化対策とか様々ありますが、自治体において推進できる財政措置を国が行う必要があると思います。また、教育の機会均等、子どもの貧困の解消という視点から、就学援助の拡充、給付型奨学金の創設も必要であると思います。
今、学校現場では、教職員の多忙化というのが深刻な問題になっています。教職員が生き生きと働くということが子どもにも大きな影響を与えます。多忙化解消、超勤縮減に向けた実効ある取組、労働安全衛生体制の整備、部活動の抜本的見直し、研修・研究の精選などを図る必要があります。また、これら財政支出について数値目標を明記するべきだと考えております。
最後に、公正・中立が確保される教育行政として、教育行政の在り方を検討する場合、教育が中立的に運営されるよう教育委員会が設置されていることを踏まえ、教育委員を中心とする教育委員会の本来の役割が発揮できる仕組みを構築すべきであると考えております。
以上、大雑把ではありますが意見として述べさせていただきました。どうぞ御検討の方、よろしくお願いいたします。

【大日向委員】

ありがとうございました。
次に、日本高等学校教職員組合から、佐藤委員長、よろしくお願いします。

【日本高等学校教職員組合(佐藤)】

日本高等学校教職員組合の中央執行委員長を務めております佐藤といいます。本日はこのような席にお招きいただきありがとうございます。あまり時間もありませんので、かいつまんでということにはなりますが、資料に基づいて説明をさせていただければと思います。
77ページからになりますが、まず、はじめにというところで書かせていただいておりますが、今回の審議経過報告における成果目標、それから基本施策、これらが実効あるものとなるためには、やはりこれまで導入されてきた諸施策につきまして十分検証した上で、新たな施策の導入については、審議経過報告の中にもありますけれども、スクラップ・アンド・ビルドといった部分をきっちりとやっていく必要があるのではないかと考えております。
下の方にいきますが、基本施策1ですが、最初の丸にありますように、高等学校教育の改善・充実につきましては、やはりこちらも高等学校教育部会の方で審議がされておりますが、高等学校においては全日制や定時制・通信制といった学科、そういった多様な形態・学科がありますので、そちらについてはしっかりと審議をしていただければと考えております。
あわせて、こちらも高等学校教育部会になりますが、三つ目の丸ですが、「高等学校において、全ての生徒に共通して身に付けさせる能力の明確化」との方向性について一定の評価と受けとめておりますが、特別な支援を要する生徒も含めて、義務教育終了時点で個々の生徒の到達点が既に大きく異なっていることも踏まえて検討していただければと考えております。
一つ戻りますけれども、二つ目の丸にありますように、ICTの活用についても書かれておりますが、こちらにつきましても関連機器の充実等に加え、教員のICT活用指導力向上のための校内研修、またPC及び関連機器のメンテナンス対応につきましては、通常の業務をこなす教員がこちらも担当するということはなかなか厳しいような状況がありますので、専任の教職員の配置を図る必要があると考えております。
次のページになりますが、基本施策2の部分ですが、生徒指導体制及び教育相談体制の整備・充実について、問題発生時には迅速な対応が肝要でありますことから、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門家の配置については、週に何回とか各学校の掛け持ちということではなくて、各学校に常駐として配置していただければと考えております。
基本施策の3ですが、最初の丸の中段になりますが、教員養成の修士レベル化につきまして、教職を志望する学生の経済的な負担、また大学院の確保など解消すべき課題が多いといったところが審議の中にもあるかと思います。また、教員免許状の取得と教員採用が直結してないために人材確保が困難となること、また教職大学院へのインセンティブにつながらないといったことも危惧されますので、こういったことを、学校教育に混乱をもたらすといったことがないよう、今後とも開放性を含めた現行制度を基本とすべきと考えております。
加えまして、修士レベル化にするということであれば、人材確保の観点からも教員免許取得後、教員としての採用を保障するといったことと、また学位に基づく給与の改善を図る必要があると考えております。
下にいきますけれども、基本施策の9についてですが、大学等への進学率及び教育課程は各学校において様々であるといった実態がありますので、こういったところも鑑み、今月の28日に第1回の会合ということで高大接続特別部会が開催されると伺っております。こちらの方での慎重な審議に期待をしたいと考えております。
また少し下にいきますが、基本施策の13ですが、飛び入学により大学に進学した生徒につきましては、諸条件整備等により高校卒業を認定する等の制度が経過の中にもあったかと思いますけれども、こちらもしっかりと対応していただければと思います。
あわせて、SSH指定校の増加はもとより、指定以外の高校においても、理数系人材育成に係る諸施策のさらなる充実を図っていただきたいと考えております。
その下の基本施策の15、グローバル人材育成に向けた取組ですけれども、グローバル人材の定義をしっかりと明確化した上で、実用的な語学力・コミュニケーション能力の向上策としての留学について、文科省における高校生留学支援事業とともに、校長裁量ということですが、留学時の認定可能単位数の拡大といったものが第93条第2項に書かれているわけですが、こちらの周知をしっかりとしていただく中、さらなる財政的支援等の充実を図っていただければと思っております。
その下になりますが、国際共通語としての英語力の向上について、数値目標として提示されておりますが、先ほども申しましたように、高校においては個々の学校によって大きく異なる学力、進路等の実態があることから、十分な議論をしていただくことが必要かと考えております。
次のページになりますが、基本施策16の教育費負担の軽減に向けた経済的支援ですけれども、二つ目の丸になりますが、奨学金制度について、こちらも教育の機会均等を図るために、制度全体に占める無利子奨学金の割合を増やしていただく中、加えて、「給付型奨学金制度」、こちらの導入を図るといったことで、制度の一層の充実を図っていただければと考えております。
その下の方になりますが、基本施策23、きめ細かで質の高い教育に対応するための教職員体制等の整備についてですが、一つ目の丸、また二つ目の丸にありますように、高校における特別な支援を要する生徒の増加、また児童生徒への教育的ニーズの多様化、教職員の職務の困難化・多忙化等々を踏まえていただく中、少人数学級の推進、また教職員の定数改善は、高等学校及び特別支援学校においても、喫緊の課題と認識しておりますので、早急に改善していただければと考えております。
また、記載はありませんが、その一番下の丸ですが、平成23年度の資料になりますが、総務省の地方公務員給与実態調査、また厚労省の賃金構造基本統計調査、こちらを比較してみますと、公務と民間とでは、公務の方が給料が高いといった職種がほとんどなわけですが、その中にあって、高校教員のみが民間を下回るといった部分があります。
部会の方では、予算は別といったような形での議論が進められておりますが、やはり優秀で意欲のある人材を教員として確保するためには、給与等の処遇改善は必須であると考えておりますので、こちらについても、ぜひ御検討いただければと思います。
次のページになりますが、東日本大震災からの復旧・復興、こちらについても、若干この部会の中とは、ちょっとずれるのかなと思いますが、被災県とりわけ福島県においては、児童生徒の県外流出が継続して行われております。こういった状況に鑑みながら、福島県の復興についての使命感の涵養とあわせて、将来の人材たる児童生徒の帰還を進める施策といったところも検討いただければと考えております。
また、その他ということになりますが、こちらも若干この部会の審議の中とは外れるかと思いますけれども、現在、政府部内におきましては、国家公務員の雇用と年金の接続に関する検討が行われており、総務省からは、各自治体に対して、また文科省からは各教育委員会に対して、「希望する者の再任用を義務付ける」とする(案)に対する意見聴取が行われたと聞いております。
加えまして、退職手当の減額、それから、年金の一元化に伴う職域加算廃止後の退職給付の検討もされておりますので、こういったところ、よりよい教育を行うためには、やはり教職員が安心して職務に専念できる環境の整備が必要かと思いますので、こちらにつきましても、ぜひ御検討いただければと思います。
時間が押して恐縮です。私の方からは、以上です。

【大日向委員】

ありがとうございました。
次に、全国大学高専教職員組合から、長山書記長、よろしくお願いいたします。

【全国大学高専教職員組合(長山)】

ありがとうございます。
今回、こういう意見陳述の機会を設けていただき、ありがとうございます。全国大学高専教職員組合、全大教は、国公立大学、大学共同利用機関、国立高専の教職員組合110の全国組織であります。
意見書の冊子では83ページから意見書を掲載していただいています。今回、総論的に、まず意見を述べさせていただいた上で、その後、大学に関わる点を中心に発表をさせていただきたいと思います。
まず、総論的な意見です。これは、意見書の方では84ページからになっています。
今回の基本計画の案では、「未来への飛躍」という課題に、若干全体的に偏重していると私どもは評価しております。
例えば、前文では、「これまでの物質的な豊かさを前提にしてきた社会の在り方、人の生き方に大きな問いを投げかけている」と述べられている一方で、全編にわたっては、グローバルな経済競争を勝ち抜ける国家を支える人材の養成が教育の現代的な課題であるという趣旨の主張が展開されていて、「教育振興基本計画」がどのような将来像を描きつつ策定されているかについて、若干揺らぎを感じざるを得ません。
また、去年3月11日の東日本大震災を受けたこの時期の改訂ということで、教育の立場から、ここから課題を抽出して、新たな計画にどう反映させるかというのは大事なことです。その中で、高等教育の側面から見ると、原発事故と関連して、学術の在り方と社会での生かされ方という点が問われていると感じていますが、その点について適切に計画に反映していただきたいと考えています。
それから、全編を通して、例えば、今後の教育の在り方の方向性の四つの言葉、キーワードですが、こういったものが若干抽象的過ぎて、国民がこれで共通の認識を持つことができるんだろうかと考えます。具体的方向性を共有できる、そういう言葉遣いをしていただけたらなと考えます。
現在の日本がグローバル化の流れの中に置かれているという時代状況の認識は共有いたします。その上で、そういった状況の中で、日本と国民の将来を方向づけようとする際に、グローバル・スタンダードをどう評価して、その評価に基づいて、独自の公教育像や教育の質についての、日本としてのスタンダードをどう築いていくかという点が重要と考えます。
今回、この案で、現在のグローバル・スタンダードに敏感となり過ぎているんじゃないか。日本としての、我が国の独自性を失っていないでしょうかと考えます。教育のアウトカム指標については、グローバル・スタンダードを適用する一方で、政府としての公財政負担の努力については、国際的な指標が言及されていないという点で、片手落ちではないかと思います。
グローバル化への対応に重きが置かれるばかりに、「未来への飛躍を実現する人材の養成」と「社会を生き抜く力の養成」の対象者が別個のものとして想定されていないでしょうか。それが多様性という美辞のもとに覆い隠されて、格差社会が固定化、拡大していくのではないかという懸念を抱きます。格差是正のためには、教育における経済負担を、家計から公財政負担へ移行することが必須です。こうした取組こそ、今回の計画に盛り込んでいただきたいと考えております。
それでは、大学関連ですが、これは意見書では90ページから記述をしております。
まず、学習機会の均等に関することです。この9月11日の閣議で、国際人権規約A規約13条2項の留保撤回が決定されています。
私どもは、これまで教育を受ける機会の均等を保障するために、留保撤回が必要である。そして、具体的に高等教育でも、漸進的な無償化が実現していくことが必要であるということを主張させていただきました。
今回、こういう留保撤回という状況を踏まえて、学習機会の均等に係る記述では、高等教育の無償化に向けた具体的な基本計画をぜひ策定して盛り込んでいただきたいと思います。
大学での教育の目的に関してですが、例えば今回の審議まとめで、20ページで指摘されているような、予測困難な状況に対する必要な能力を身につけるという点では、まさにそうであると感じます。しかし、こうした能力を身につけるための大学の取組に、大学の自主的な取組を支援するという形で応えていただきたいと思います。ここのところに、財政的な誘導を伴う短期的な評価で、結果として、現場の教育研究の実を摘み取っているということが起こっています。そういうことが起こるということを懸念します。
それから、大学生の学修時間が短いことを挙げて、「大学改革」が必要であるとされています。今般の中教審答申でもそのように述べられています。この点については、経済的な課題をクリアしなければ、大学、それから学生に「頑張れ」と言うだけでは、これは解決しない。奨学金について完全な給付型で導入が必要でありますし、無償化に向けた学費の軽減が必要だと思います。
国立大学の改革について、今回、相当踏み込んだ記述をなされています。これは、6月に文科省から出ている「大学改革実行プラン」をなぞったような形になっていますが、このプランの位置付けですが、中教審の大学分科会の専門的な立場からの議論も踏まえていないし、文科省のタスクフォースで策定されたもので、今後、大学関係者に説明され、また中教審でも議論がなされていくものと考えております。今回、踏み込み過ぎではないかと考えます。
加えて、「秋入学に向けた環境整備も推進」とされていますが、まだこれも評価が定まっていない、大学のトレンドでもありません。偏重しないようにすることが必要と思います。
若手研究者、学生の修学、研究の支援については、そのことが触れられていて非常に重要だと思いますし、しっかり記載をしていただいていることについては、ありがたいと感じております。若手が積極的に迎え入れられる、そういう環境整備をお願いしたいと思います。
大学の機能強化に関して、例えば、大学のCOC機能の強化などについて、「大学の全学的な活動を支援する」といった書き方で、随所で1個の大学が一つの単位だという形で、ガバナンスの強化を述べられています。全学を強調するあまり、大学内の多様性を失う方向の誘導が強過ぎると考えています。個別大学の中の多様性を認め、それが有機的につながり合いながら機能の強化を目指すといった大学像というビジョンに改めるべきだと考えています。
最後に、大学の財政基盤についてですが、「財政基盤の確立を図る」としつつ、一方で、「基盤的経費について一層メリハリのある配分を行う」となっています。法人化以降の国立大学の運営費交付金、特に基盤経費の減額についての総括を行った上で、国内の国立大学が多様性を持ちつつ、それぞれ発展できるよう、基盤的経費の充実を図るべきです。基盤的経費を削減しつつ、競争資金に傾斜してきた結果が、大学を疲弊させ、教育研究の成果が上がらなくなりつつある現状を、まずは認識していただき、大学のビジョンを改めていただきたいと思っています。
以上です。

【大日向委員】

ありがとうございました。
それでは、以上の御説明に対して、委員の皆様から御質問等があれば、お願いしたいと思います。
では、貝ノ瀬委員、お願いいたします。

【貝ノ瀬生涯学習副分科会長】

ありがとうございました。
では、二点ばかり教えていただきたいと思います。資料の65ページに「インクルーシブ教育の推進」というのがございますが、そこで、後半の「特に、専門性は社会モデルをふまえた内容に改善すべきです」と、この中身といいますか、この意味をちょっと簡潔に教えていただきたいというのが一点です。どういうことなのかなと思って伺っていました。

【大日向委員】

それでは、最初に原文化局長からお答えいただいてよろしいですか。

【日本教職員組合(原)】

はい。失礼します。
社会モデルということですが、今障害のある方たちの障害は、身体的であれ、知的であれ、それを克服するといったときに、本人が障害を軽減したりとか、本人に障害の克服を求めていた医学モデルと言われるものですが、社会モデルはそうではなくて、社会的な障壁ですよね。障害者基本法に障害者の定義が二つ書かれていて、その二つ目に社会的障壁ということで、障害のある人が、例えばエレベーターがあれば車椅子でも移動できると。そのエレベーターの設置というのが、社会的モデルとしての取組ではないかということで、社会の在り方を変えることでその障害を軽減していくということなんですが。

【大日向委員】

よろしいですか。ありがとうございます。

【貝ノ瀬生涯学習副分科会長】

それからもう一点ですが、よく分かりませんでしたが、また別の機会に伺うとしまして、80ページの一番最後の行ですが、「優秀で意欲のある人材を教員として確保するには、給与等の優遇措置は必須である」ということは、普通であまり意欲を持てない方は、これは優遇されなくてもやむを得ないという意味でよろしいですね。

【日本高等学校教職員組合(佐藤)】

いえ、そういう意味で書いているわけではないのですが、この1期と言っていいのでしょうか。これまで、前回のときには、メリハリあるということでいろいろ議論がされた中で、今回は給与等々について触れられていないといった部分もありますが、こちら、先ほどの資料の方には書いておりませんが、ある大学の先生方の別な会合ですが、お話を聞いたときに、大学生がこの後の就職を考えたときに、どうしても、やはりこういった世の中で、給与のことというのは、考えるというんですね。いわゆる、一般企業に行くのか、教員になるのかといったときに、公務員についてはいろいろとバッシングがされる中、給料を比べたとき全然企業の方がいいと。教員になろうかといったときにも、私立の方が給料、処遇・待遇がいいといったところで、やはり教員の志といった部分で、私学と公立と比べた場合に、私学を選ぶ学生が多いのだといったところ。
それと、先ほど言ったように、企業を選ぶ学生が多いといったところで、なかなか公務員の方は遠ざかっているような傾向があるなか、総務省のデータと厚労省のデータですので、一概に比較はできないと思いますが、いろいろな職種で民間よりも公務が上回っているんですが、民間を下回っている給料というのは高校だけなんですね。そういったところからも、私立の学校で優秀な人材確保のために、給料等々を多く払っている傾向にあるのではないかといったことが、このデータからも読み取れると捉えております。

【大日向委員】

よろしゅうございますか。
他は。では、岡島委員、お願いいたします。

【岡島委員】

原さんの方にちょっとお尋ねしたかったんですが、部活の根本的見直しというところがあるんですけれども、地方に行くと、部活が学校単位とか、村単位の競争がかなり厳しくて、先生方にかなりの負担になっているという話も聞くんですが、この辺のところはどんな状況なのでしょうか。日本全体で見ると、東京とか都会部、都市部と、地方地域とは、いろいろと部活における地域の反応が違うんじゃないかとは思うのですが、全体を見渡して、部活の先生方が自分の時間を割いているわけですね。やりたくて熱心な人はいいんだけれども、そうではない人もたくさんいて、大変な負担だとは思うんですが、その辺の実情について、ちょっと簡単で結構ですけれども、教えていただければと思います。

【日本教職員組合(野川)】

日教組の野川といいます。
部活動については、地域的に違いもあるのかもしれませんが、過熱している状況があると思います。地域によっては、小学校も中学校と同じように活発にというか、土日も含めてやっていると聞いています。
今、委員がおっしゃったように、子どもにとっても負担になっている部分があります。ですから、ノー部活動デーということもちゃんと設けたりする必要があると思いますし、教員の負担も増していますので、外部指導員というのも、文科省の方で配置を進めていただいているわけですが、ぜひそれを拡充していただければなと思います。そういうことをやることが、児童生徒にとってもいいのかなと思っています。

【岡島委員】

それに関連して、どちらの方でもいいんですが、外部との連携のときに、お金をかけない方法というのはないんでしょうか。ボランティアを使うとか、いろいろな方法、地域社会との密接な連携をとるという中で、お金はもちろんある程度かかるんですが、そういう地域社会との連携というところで、何か方法というのはないでしょうか。もしかして、こういう事例があるというのでしたら、そういう事例を教えてもらえればと思うんですが、どなたでも、短くて結構です。

【大日向委員】

では、また後で何かありましたら、事務局の方にお届けいただいて、お教えいただければと思います。
それでは、このセッションの意見交換、このあたりとしたいと思います。
限られた時間でございましたが、大変貴重な御意見、本当にありがとうございました。
それでは、最後のセッションに移りたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、先ほどと同様で、恐縮なお願いでございますが、御説明は1団体当たり8分程度におまとめいただきたく、終了1分前と終了時間になりましたら、事務局から紙を差し入れさせていただきますので、よろしく御了承下さいますように。
それでは、まず、独立行政法人国立高等専門学校機構から、小畑理事長、それから、小谷理事、どうぞよろしくお願いいたします。

【独立行政法人国立高等専門学校機構(小畑)】

よろしいでしょうか。理事長の小畑でございます。
それでは、限られた時間ですので、お手元の資料を全部順番にフォローするという形でなくて、必要だと思われるところのみ、重点的な項目を取り上げて御説明をしたいと思います。
まず、94ページの(3)に相当するところでございますが、これまで高専が果たしてきました実績、それに対する社会からの評価だとか、日本の高等教育政策に関するOECDのレビュー、ワシントンポスト紙の特集記事などでの評価から、我々としては、高専のこれまでの社会的な評価は非常に高いものがあると考えております。
それから、国家戦略会議での民間議員の発言にもありますように、高専の機能充実というのは、これからもますます重要になると考えております。
一方、高専の5年間の課程、「本科」と我々は呼んでおりますが、本科から2年の専攻科、あるいは科学技術大学への進学、大学への3年次編入等、進学希望者が半数近くおります。
これに対しては、本来の高専の設置趣旨から少し外れるのではないかという御意見を聞くことがたまにございますが、我々としては、高専で培われた技術者としての精神、すなわち創造性と実践性を備えた技術者という、これは「高専魂」と言ってよろしいかと思うんですが、「三つ子の魂百まで」と言われるように、進学後もそれが保持されて、通常の高校から大学へ入学をして卒業するという過程を経た技術者と比べて、明らかに異なった特性を持った技術者として育っていくということですので、我々としては、イノベーション人材への要求が強い中で、このようなキャリア形成の多様化という側面からも、ものづくり日本を支える一端として、非常に重要な役割を果たしていると考えております。
次は、95ページの上半分のところに、丸1から丸5に相当するところでございますが、高専は今年、設立50周年を迎えました。次の50年をにらみまして、「進化する高専」を標語として掲げて、技術者が現実に遭遇する課題で、ふくそうする問題を広い角度から俯瞰できて、かつ多様な選択肢の中から最適な解を導き出せるグローバルに活躍できる実践的、創造的技術者、我々はこれを「イノベーション人材」と呼びたいと思っているんですが、イノベーション人材の育成への養成に応えるべく、組織の見直し、あるいは教育方法の改善等、鋭意積極的に進めているところでございます。
このような高専のさらなる発展・進化を支える施策がとられるように、次の「教育振興基本計画」には、要約して五つの項目を、ぜひ組み入れていただければありがたいと考えております。
まず、第一番目は、95ページの下の(1)に相当するところでございますが、「グローバル人材」あるいは「イノベーション人材」の育成の重要性をさらに強調していただいて、それが教育現場において具体的な形で確実に実行されるような枠組みにもできたら触れていただけると大変ありがたいと思っています。高専では、それを具体的な形で実現するべく、いろいろな試みを、現在しているところでございます。それを、今後さらに強化して、本当の意味で「イノベーション人材」に育つような教育体系をつくろうと努力しておりますので、具体的にどんな試みをしているか、触れている時間が残念ながらございませんので割愛させていただきますが、そのような記述をぜひ入れていただければありがたいなと思っております。
それから、次の二番目は、具体的にお手元の資料には書かれておりませんが、1990年から今日に至るまで、よく「失われた20年」と言われておりますが、非常に閉塞感漂う日本の現状を打破して、元気で明るい未来を描けるような日本にするために、一体何が必要なのか、その中で、教育が果たす役割は一体何なのかを、より明確に記述していただけると大変ありがたいと期待しているところでございます。
その上で、「科学技術立国」あるいは「ものづくり」を支える人材育成に取り組むことが極めて重要であり、それを基本的な柱として取り上げていただければ大変ありがたいと思っております。
それから、三番目ですが、96ページの(3)に相当するところでございますが、中央教育審議会で平成20年12月に「高等専門学校教育の充実について」という答申が行われました。高専への期待と課題が記載されておりまして、それと同時に、国として、仮称ですが、「高等専門学校教育振興施策要綱」を策定することが提言されております。
第1期の「教育振興基本計画」にも同趣旨の記述がございますが、残念ながら、現時点では実現しておりません。この方向に沿って、次期の「教育振興基本計画」に再度組み込まれることを期待すると同時に、早期に「高等専門学校教育振興施策要綱」の策定と、着実な施策の実施の展開をお願いしたいと思っております。
それから、四つ目でございますが、これは教育全般にわたる要望ですが、教育への公財政支出の充実、これをぜひ図っていただきたいということで、高専も平成16年度と比べると、予算が1割強、既に削減されておりまして、教職員数も1割強減っておりますので、非常に現場の教育に支障を来す状況でございます。ぜひ社会的にも就職率がほとんど100%に近い、こういう教育機関の衰退を招くようなことのないように、御配慮いただければと思っております。
最期に、「教育振興基本計画」を「科学技術基本計画」のような重みを持ったものになってほしいと思います。御承知のように、「科学技術基本計画」では、例えば5年間の投資金額等も、一応明記されております。残念ながら、「教育振興基本計画」には、予算の記述がないと私は理解しておりますので、せっかくでございますので、先生方の御努力によって、この辺も「科学技術基本計画」並みに、ぜひしていただきたいと。明日の日本を背負う人材養成というのは非常に重要ですので、この点をぜひ充実していただければと思っております。これは、種々困難な点があるんだろうと推測はしていることでございますけれども、ぜひよろしくお願いいたします。
以上、簡単ではございますが、五点ほどお願いしたいと思います。

【大日向委員】

ありがとうございました。
次に、社団法人図書館協会から、大橋図書館政策企画委員長、よろしくお願いいたします。

【社団法人日本図書館協会(大橋)】

大橋です。98ページから102ページまで書かせていただきました。それで、学校図書館の問題については、高橋の方で報告させていただきたいと思います。
全体の構成について申し上げますと、一番目のところでは、図書館の社会的な役割、学びを支える図書館とか、そういう機能について、書かせていただきました。
二番目のところについては、図書館の整備計画について書かせていただき、最後の三番目のところについては、「振興計画」の中でいろいろ展開されている問題について、図書館の部分について、書かれていないという部分で、こういうところを補強していただければという思いで書いています。
それで、まず、一番目のところですが、平成18年の教育基本法の改正の大きな点は、「振興計画」を立てることもそうですが、生涯学習についての理念を、法律の3条で、学校教育なり、社会教育なり、家庭教育に先行して位置付けたということが非常に大きい位置付けだと私は考えています。
なおかつ、文部科学省その他のところでは、生涯学習の中核的な役割を図書館に負わせているというところと、その中身としても含めてあると思うんですが、これからの図書館像という未来像を含めて、課題解決型の図書館をつくるということが表現されています。
それで、全体としては、そのようなことを一番のところで言っているわけですが、障害者の問題についても、障害者の学びを支えるという意味では、以前は著作権法がございまして、権利者の許諾を得ないで音訳するということができなかったんですが、今回、著作権が変わったことによって、音訳も図書館が負えるということで、ますます図書館の役割が広がっているということがあります。
次に、時間的な制約もありますので、二番目のところの、図書館の現状はどういうことなのかということで、展開している2のところに移りたいと思います。
それで、施設計画のことについてなんですが、我々が考えているのは、生活圏の中に図書館があることが重要だと。だから、子どもの時代から図書館の風景とか、そういう雰囲気を味わって、絵本から物語、そういうものも学んでいくというか、そういうことが必要だと。その最低限の指標として、中学校区に1館ということを掲げているわけですが、残念ながら、99ページの2の(1)のところに具体的に書いておきましたが、現状、中学校は9,915校で、図書館は3,190館ということで、3分の1に満たないという状況にあるということです。
あと、専門職員の確保ということについても、非常に深刻でありまして、日本の公共図書館の館長さんの中で、司書資格を持っている方は、20%にすぎません。なおかつ、正規職員の率は33%で、あとは派遣職員や、委託と非常勤職員さんになっています。ちなみに、自治体全体の中での正規職員の割合は5割と言われています。
それと、もう一つ、二番目の資料費の問題についてなんですが、町村合併やその他の影響もあって、図書館の資料費は2000年以降ずっと減ってきていまして、実際、2000年の図書館数は2,639館から2010年は3,188館、約1.28倍で、図書館数は増えているんですが、資料費は、356億4,338万円で、86.2%と減っています。こういうことについて、国が自治体任せでなくて、どのような政策をつくって整備していくのかということが求められているということです。
最後のところになりましたが、ちょっと時間もないので、全体としては、図書館の記述と「振興計画」の中で図書館が果たす役割、ここは図書館も入れた役割を負うべきだと書かれていないところが非常に多いということが、私が読んだ率直なところで、とりあえずはここの三番目のところに書かせていただきました。
次に、学校のことについて報告させていただきます。

【社団法人日本図書館協会 高橋】

よろしくお願いします。日本図書館協会学校図書館部会部会長の高橋と申します。
それで、一応、この資料の中では、99ページの下半分からということになりますが、最近の学校図書館というのは、学習指導要領が変わって、言語活動の充実が言われたり、それから「探究的な学習」という言葉で、学びのプロセスのある、自分で課題を設定して、資料を集めて、まとめて、発表するというタイプの学習が入ってくるということで、学校図書館の役割が大変大きくなってきているということがあります。
学校図書館を充実していくことを考えたときに、司書教諭の全校配置も大事なんですけれども、実は、鍵となっているのは学校司書の配置であろうというのが、このまとめの書き方になっていまして、学校司書が配置されることによって、学校司書は学校図書館法という法律には載っていないわけですけれども、載っていないにもかかわらず、今、全国の小学校、中学校、高校の48.5%に学校司書がいる状況があるわけです。
それは、どうしてそういう状況が出てきたかというと、地域の保護者の方であるとか、あるいは住民運動で、やはり学校図書館は大事だなと思われている方の力であるとか、あるいは自治体が本当に努力をされて、学校図書館を充実するという動きがあったことによって、学校図書館が充実していくという実態があったと思っています。
したがって、学校司書を配置することで、いるところと、いないところの差がものすごい、地域の格差ですよね。こんなに学校図書館が違うのかというぐらいに違う格差も生まれています。
それから、財政措置の部分でも、今年度予算で、実は、大幅な財政措置が図書資料を買うための予算措置、それから、新聞を買うための予算措置、それから、学校司書配置のための予算が初めてついたんですね。初めてついたんですが、もともと私は高校の学校図書館の司書の仕事をしていたということもありますが、実は、この予算措置は全て小中学校の措置であって、高校も問題を抱えているにもかかわらず、全くその措置がされていないということをぜひ知っていただきたいということと、やはり学校司書の配置促進がとても大事だということと、あともう一つだけ。
この文章の中にうまく入れ込むことができなかったんですが、いろいろなところで全校一斉の読書活動が大事という文章が「教育振興基本計画」の本文に出てきます。出てくるときに、全校一斉の読書活動だけではなくて、そこにきちんと日常的に機能している学校図書館があったら、この本はおもしろいなと思ったら、その子が好きそうな本をちゃんと用意してあげられる、出会える環境をつくるとか、あるいは「次にこんな本を読んだらどう?」と言う学校司書がいるということだけで、実は子どもの読書活動の中身も上がっていくということがあるので、全校一斉の読書活動というところには、学校図書館の充実もセットで考えていただきたいと思っているところがあります。
すみません。ちょっと長くなりました。

【大日向委員】

ありがとうございました。
それでは最後に、財団法人日本博物館協会から、吉澤参与、よろしくお願いいたします。

【財団法人日本博物館協会(吉澤)】

財団法人日本博物館協会の参与をしております、吉澤と言います。今日は、意見を述べさせていただく機会を設けさせていただきまして、大変ありがたく思っております。
まず、日本博物館協会の意見を簡単に2ページにまとめてみました。最初の一つ目であります。私たちは社会教育の一端を担わせていただいているという立場で考えてみますと、やはり今回の審議経過報告の中では、学校教育の記述については非常に多くて、それはそれで、その重要性は理解できるわけなのですけれども、我々の立場の社会教育から言うと、まず社会教育それ自体の持つ機能、生涯学習における社会教育の役割、位置付けなどについてより強く明記されるということをぜひお願いしたいと思っております。
それから、二番目としては、社会教育の中の博物館についてであります。先生方御存じのように、博物館は、歴史、美術、民俗、産業、自然科学等の、あらゆる事象について、具体的な体験を通じて、知識の習得、興味・関心の啓蒙、涵養を図る社会教育施設であるわけでありまして、例えば、歴史博物館は、郷土の歴史・文化・伝統について、郷土愛とか、そういうものを育み、美術館は、絵画とか造形を通して、創造性とか、感性とか、そういうものの涵養を図ります。科学博物館は、科学技術、産業などの知識を理解するのに役立ちます。さらに博物館には、動物園、植物園、水族館も広く含まれておりますので、生命だとか、環境だとか、そういうものについて理解を深めることができます。博物館は、実物を介して体験して学ぶことのできる優れた教育機能を有する施設であります。とかく体験的に学ぶことの少なくなっている現在においては、その教育機能の重要性はますます高まっております。
こうした博物館の持つ教育機能とか、役割というものを、前面にお出しになっていただいた上で、生涯学習の推進とか、学校教育の連携について記述されるということを望みます。
それから、三番目としては、博物館の現状を踏まえた振興について。経済の停滞とか、地方財政の悪化が長引いている状況の中で、特にそうした影響というのは、博物館を含めた社会教育に強く及んでいるのではないかと思われるのであります。一般的に社会教育にあっては明確な基準というものが基本的にあるわけではありませんので、どうしてもそういうところにしわ寄せが来ていると思わざるを得ません。
例えば、やや調査が古いのですが、日本博物館協会が、5年毎に調べている調査によると、博物館では、資料を整備するというのがまず基本なのですけれども、それが町村立博物館にあっては、8割弱の博物館には、予算が全くないという状況となっています。
それから、ここの審議経過報告に見られるように、平成11年から平成20年の10年間と地方公共団体の博物館を含む社会教育費は、3分の2に、社会教育主事に至っては2分の1に減っているというきわめて深刻な状況となっています。平成25年度については、この調子でいくと、さらに憂慮すべき状況になっているのではないかなと思います。このような状況を見ると、博物館を含めた社会教育にかなりしわ寄せが来ていると思わざるを得ません。予算が減っているとか、施設もかなり廃止とか、統合が進んでおります。
それから、職員も減っております。正規の職員ではなくて、非常勤の職員とか、兼務職員が非常に多くなっております。
こうしたような状況を踏まえますと、今後、博物館としての機能を果たしていくためには、まず、基盤整備としての人的な措置と、財政的措置というのが、是非必要なのではないかなと思っております。
例えば、学習指導要領では、「博物館の利用」について書いてあるのですが、学校の現場の先生に聞くと、「行くのにお金がない」と言うのです。学校にも必要な予算が措置されていないし、博物館にもないというのが現状です。いろいろな具体的な施策の前提として、それを可能にする最低限の人的・財政的な基盤整備というのが必要なのではないかなと思っております。
そのため、博物館に対して、運営費、事業費、施設設備費、それから、地方交付税の措置ですけれども、これらの創設とか、充実、こうしたことを教育振興基本計画のなかで明記されることをお願いしたいと思ってとおります。
また、学校を初めとしての博物館利用を促進する具体的な措置としては、特別展の開催事業費、博物館における教育普及事業費の措置をお願いするとともに、学校などで博物館を利用するときの交通費、これを博物館に措置しても、学校に措置してもいいと思うのですけれども、そうしたきめ細かな裏づけが必要なのではないかなと思っています。
それから、学校の博物館利用については、予算的措置のみならず学校と博物館が協議する場の設定について具体的に書いていただくと、効果があると思っております。
最後に、これらの措置によって、現在、年間2億8,000万人ぐらいの人が博物館を利用しているのですが、最近、頭打ちになっておりますので、これを3億人くらいに増やすことを目標にしたいと思っております。
それから、学校の博物館利用については、学校活動として、1年に1回は、児童・生徒が博物館を利用する、そういう具体的目標を教育振興基本計画に明記していただければありがたいと思っております。

【大日向委員】

はい。ありがとうございました。
それでは、以上の御説明に対して、委員の皆様から御質問等あれば、お願いしたいと思います。
では、貝ノ瀬委員、お願いいたします。

【貝ノ瀬生涯学習副分科会長】

ありがとうございました。
高専教育でございますけれども、今お話のように、高い評価という点につきましては、私も各方面から伺っておりまして、本当に高専については高い評価を得ていらっしゃるということで、敬意を表したいと思うんですが、御提案のように、キャリア形成の多様化というのは、私も大賛成ですので、これはぜひ進めていくべきだと思っているところです。
それから、図書館の方は、特に学校図書館は、地方財政措置はされているわけでありますが、図書標準などは、現在でも十分ではないと言っても、年々少しずつ改善されてきている中で、しかしながら、いわゆる子どもの読書時間というのは、年々下がっているんですよね。その辺については、どんなふうに問題点をお考えになっていらっしゃいますか。

【大日向委員】

御質問は図書館についてですね。

【貝ノ瀬生涯学習副分科会長】

はい。

【大日向委員】

それでは、高橋さん、お願いいたします。

【社団法人日本図書館協会(高橋)】

私の持っているデータですと、全国学校図書館協議会が調べている学校読書調査というのがあって、その調査だと、例えば5月なら5月の1か月に何冊本を読みましたかという、読書時間ではないんですね。何冊読みましたかという、経年のデータをつかんでいるんですけれども、それによると、5月、1か月間に読んだ本は、そんなに減ってはいないという感じなんですね。
それからすると、子どもの読書活動推進の法律ができたりであるとか、学校でいろいろな読書に対する取組が行われていたりであるとか、それなりの効果は上げているという言い方はできると思うんです。
ただ、全体的に文化が活字の本から、割とビジュアルな文化というか、映像文化というのか、そちらの方向に移り変わっていく中で、特に中学、高校になっていくと、どんどん本離れが起きている、読む子と読まない子がはっきり分かれるという状況はあると思っているんですけれども。

【大日向委員】

ありがとうございました。
他によろしいですか。
では、最後に竹原委員、お願いいたします。

【竹原委員】

ありがとうございました。
プロフェッショナルが働いていて、そして、テーマ性のある社会教育施設として図書館、博物館があるということがよくわかりました。その中で、地域の方、それから学校にもっと使ってもらいたい、活用してもらいたいというところですが、例えば図書館は本を借りに行くところであると思っている人がほとんどだと思いますが、知の情報センターである、地域のものであるというアピールをするためにどうしたらよろしいかということが一つ。
それから、博物館などは、来てもらうだけではなく、先生方に何かを伝えたり、学校と連携して、様々な財産をどう学校教育に活かすという研究はどうされていますでしょうか。

【大日向委員】

それでは、図書館、博物館から、それぞれ簡潔にお答えいただければと思います。

【社団法人日本図書館協会(大橋)】

図書館の場合、よく言われるのは、課題解決型の図書館というふうなことが言われていまして、例えば闘病記、病気をしたときや、終末期医療とか、そのときに図書館からの資料・情報提供の効用についてどう考えるのかということがあろうかと思うんです。また、ビジネス支援ということもあるわけですね。
アメリカの場合、象徴的なんですが、子どもが頭にピストルを突き付けていて、「ちょっと待って、図書館へ」というスローガンが書かれたポスターがつくられています。だから、図書館の存在そのものが実生活の中でどれだけ根づくかという、まさに生涯教育だと思うんですが、そういうことが情報発信、情報格差を是正するという問題とあわせて、もう少し図書館側の工夫も含めて考えていく。根本的には、やはり生活圏の中に図書館がどれだけあるのか。そういう実践活動ができる専門職員が形成されるかということだと思います。
残念ながら、ちょっとそこの職員問題は、非常に脆弱になっているのが公共図書館の現状かと思います。

【大日向委員】

ありがとうございました。
それでは、博物館のことについて、どうぞお答えください。

【財団法人日本博物館協会(吉澤)】

まず日本博物館協会では、学校がいかに博物館を利用していただけるかということ、博物館からではなくて、立場を変えて、学校の立場から研究をしておりまして、今年には手引き書をして出したいと思っております。
それから、各博物館では、学校の先生に対しても、夏休みを中心にやって、授業などで博物館を利用してもらうにはどうしたらいいのかという研修会やワークショップ等をいろいろやっております。
さらに、各県・市等教育委員会では、各学校向けに博物館利用の手引き書、副教材を作成・配布して、博物館利用の推進に努めています。
また、最近では学校の先生が博物館の教育普及の部門に配置されることが多くなり、そういう意味でも、学校との連携はかなり進んでいると思います。

【大日向委員】

大変ありがとうございました。
それでは、このセッションもこのあたりにさせていただきたいと思います。
お忙しい中、本当に今日は貴重な御意見ありがとうございました。今日お越しいただきました関係者の皆様方の御意見、ぜひとも今後の議論に生かしてまいりたいと思います。本当にありがとうございました。
それでは最後に、今後の日程等につきまして、事務局から御連絡をお願いいたします。

【森友教育改革推進室長】

次回は、来月10月22日の月曜日、場所は文部科学省の旧庁舎の6階の第2講堂になります。時間につきましては、追って御連絡をさせていただきたいと思います。

【大日向委員】

それでは、本日はこれで終わりといたします。本当にありがとうございました。

―― 了 ――

教育振興基本計画部会(第21回)<320号室>

平成24年9月24日

【小川副部会長】

それでは、少し時間が過ぎましたが、ただいまから第21回教育振興基本計画部会を開催させていただきたいと思います。
本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。
本日の議事は、「第2期振興基本計画に係る関係団体からのヒアリング」ということになっております。
ヒアリングでお越しいただいた皆様におかれましては、大変ありがとうございます。
なお、今日のヒアリングについては、非常に多くの団体から御参加いただいておりますので、時間の都合上、ヒアリングは、この会場と210号室の二つの会場に分けて開催しております。ですから、委員の数が二つに分かれますので、通常と比べるとそれほど多い委員の数にもなっておりませんので、委員の皆様におかれましては、ちょっと大変かと思いますが、よろしくお願いいたしたいと思います。
では、まず、今日のタイムスケジュール及びヒアリングのセッション分けについて、事務局から説明をお願いしたいと思います。
あわせて、配付資料についても御説明ください。

【寺田専門調査官】

失礼いたします。それでは、本日のスケジュールと配付資料について御確認をさせていただきます。
まず1枚目、会議次第がございまして、こちらをおめくりいただきますと、本日のヒアリング日程が資料1ということでございます。先ほど副分科会長からもお話がありましたとおり、本日、二つの会場に分けてございまして、表面は210号室、こことは別の会場になりますので、裏面を御覧いただければと思いますけが、裏面に320号室、この部屋のスケジュールを書いてございます。全体を四つのセッションに分けてございまして、合計11の団体様から御意見の御発表をいただいて、意見交換をさせていただくということにしてございます。
さらに続きまして、次の資料ですが、資料2-1は、先ほど申し上げた別の会場210号室でヒアリングをさせていただく団体様の資料になりますので、こちらは御参考ということでお取り計らいをいただければと思います。その次にございます資料2-2、こちらが、本日こちらでさせていただくヒアリングの資料になりますので、こちらを中心に御使用いただければと思います。
さらに、もう一つ、次の資料にいっていただきますと、こちらは書面による団体の提出資料ということで、本日お越しいただいておりませんが、書面という形で幾つかの団体様から御意見をいただいております。こちらにつきましては、まだ一部提出されていない団体もございますので、次回、10月の部会にて、まとめて御紹介をさせていただければと考えております。
さらに、次の資料にいっていただきまして、A3の資料で、こちらは計画部会ですとか他分科会でこれまでいただいた御意見について、項目を整理したものでございまして、こちらは御参考でございます。
資料5は、次回の日程ということで、また後ほど御案内をさせていただければと考えてございます。
その次に、参考資料1ということでございまして、こちらは委員の方々には既に御案内をさせていただいておりますが、先日、8月におまとめをいただきました審議経過報告につきまして、現在、パブリックコメントを実施させていただいております。9月3日に開始いたしまして、10月2日までの1か月間、広く意見を募集しておりまして、またこちらにつきましても、結果がまとまり次第、部会の方で結果を御報告させていただければと考えてございます。
さらに、次の資料でございますが、参考資料2ということで、平成25年度の概算要求につきまして、先日まとまりましたので、関係資料を入れさせていただいております。こちらにつきましても、また10月の計画部会にて詳細を御説明させていただければと思っておりますので、本日は御参考ということでお納めいただければと考えてございます。
一番最後は、参考資料3ということで、本部会の名簿ということになってございます。
過不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。

【小川副部会長】

よろしいでしょうか。いろいろ資料がありますが、御確認いただければと思います。
それでは、これからヒアリングを始めていきたいと思います。今の説明にありましたとおり、今日は全部で四つのセッションに分かれておりまして、前半二つのセッション、そして、後半二つのセッション、その間に5分程度の休息を入れたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず前半の二つのセッションから入っていきたいと思います。御説明は、1団体概ね8分程度で御報告いただければと思います。終了1分前と終了時間に事務局から、その旨の紙を差し入れさせていただきますので、その辺は御了解ください。よろしくお願いいたします。
では、まず第1セッションのヒアリングを開始したいと思います。
最初に、全日本私立幼稚園連合会から、北條副会長から御報告いただきます。よろしくお願いします。

【全日本私立幼稚園連合会(北條)】

失礼いたします。全日本私立幼稚園連合会・北條でございます。
私どもの意見を申し述べる機会をいただきまして、まことにありがとうございます。資料の1ページ裏表、2ページという意見書を提出しております。
このたびの振興基本計画についての意見は、幼児教育の質の向上を図る観点から、私どもの考え方をまとめさせていただきました。よろしくお取り計らいいただければと存じております。
まず、記以下のところでございますが、このたび第2期の教育振興基本計画の策定ということでありますので、当然、第1期の基本計画を踏まえるということであろうと思います。申し訳ありません。ミスプリントでございます。その本分の1行目の最後のところ、「検証を」になっておりますが、「検証が」の誤りでございます。1期を踏まえてということでありますが、1期の基本計画は、いわば教育基本法が改正されまして最初の基本計画でありましたので、全般的にはやや抽象的、とりわけ幼児教育に関わる部分はまことに抽象的であったと思っておりますが、それはそれでやむを得ないことであったと考えております。また、当時、国家戦略として、幼児教育の無償化ということが検討されておる最中でありましたので、どうしても書きぶりとしては抽象的にならざるを得なかったということであろうと思います。その後、いわゆる幼保一体化という問題が持ち上がってまいりまして、この間、大きな問題となってまいったわけでございます。
1のところでございますが、義務教育修了までの段階における現状と課題という部分でありますが、最初の括弧書きのところに、小学校――原文では「就学前」となっておるところを、あえて「入学」というふうに直して入れさせていただきましたが、これは国の考え方として、就学というのが小学校入学を示すのだということは、私どもも、そういう国としてのお立場は承知しております。しかし、国民一般になりますと、就学というのは、小学校に入ることのみを指しているとはとらえておらないわけでありまして、学校に入るというふうに一般的にはとらえておりますので、幼児教育段階というのは、幼稚園教育は、これは学校教育の始期でありますので、小学校就学前教育というふうに申しますと、どうしても学校教育前の教育だという誤解を生じます。これは今後御検討いただければというお願いとして、このように記させていただいたわけであります。
また、この現状と課題の中で、幼児教育の質的向上及び教育費負担の軽減が課題として記述されておることは、これは今までの中教審の答申、あるいは振興アクションプログラム等の観点からいって、まことに当然のことだろうと思います。であるならば、今後の課題として、第2部のところで具体的な記述が求められると考えるわけでございます。
そして、裏の2ページ目ですが、第2部、基本施策4というところで、幼児教育の充実が述べられているわけであります。ここでは、まず「新たな制度」というような言葉が出てまいります。あるいは、「保育」という言葉が出てまいります。また、「給付」という言葉が出てまいります。そういった言葉が、文部科学省の振興基本計画の中での使い方として、それでいいのかということを一点指摘をさせていただきたいと思います。言わんとするところは、文科省の御担当の方は十分御承知のことだろうと思いますので、そこら辺を踏まえて、ぜひ御検討いただきたいと思います。
全体に文意が不明確になっている、具体性がないということでありますが、とりわけ幼児教育本体の質的向上という、この点について記載がなされていないという感がございます。全体的にどうしても幼保一体化の方に引っ張られて、そちらの方にばかり目がいってしまっている。これは現在の状況からいって、ある意味やむを得ないのかもしれませんが、しかし、中教審答申並びに振興プログラムで既に幼児教育本体の充実ということが言われていたはずでありますので、その点に踏み込んでいただきたいと思っております。
課題は、学級編制の基準、あるいは教員配置の改善という、これが一つの問題であります。もう一つの問題は、教員の資質向上という観点から、免許状の問題との関係で、もう一つの問題があると思います。
提出資料には書いておりませんが、このあたりを、幼児教育充実の観点から、以下のような具体的な内容を盛り込んでいただければと考えております。
まず一つ目でありますが、幼児期の子ども一人一人の発達と教育集団の状況に即した指導を適切に行うことができるよう、学級規模及び教職員配置の改善について検討し、その結果に基づく必要な措置を講ずる、というような書きぶりにしていただけないものかと思います。この書きぶりでも、我々の気持ちとしては、まだまだ抽象的なのでありますが、これは基本計画でございますので、その程度でやむを得ないのかなということを思っております。
二点目でありますが、このたび幼保連携型認定こども園において、保育教諭という新たな職名が設けられることになっております。それとの関係でいろいろ議論があるわけでありますが、私どもは、教育の質を担保する観点から、ぜひ、いたずらな規制緩和、あるいは簡便化ということは避けていただきたい。しかし、しっかりと質を担保した上で、教職員の資質向上のため、幼稚園、保育所、認定こども園の教職員の合同研修の促進、幼稚園教員免許と保育士資格の併有の促進、現職幼稚園教諭のうち一種免許状取得者の増加を図る、このような書きぶりもお願いできればと考えております。
また、そのほか、三番、四番については、記載のとおりでございます。
最後に一点だけ申し上げておきたいのは、振興プログラムの段階では、幼稚園と小学校の免許状の併有を促進するということが真っ正面から掲げられ、そのことによって幼小連携を充実させるという方向であったわけでありますが、その観点が今消えてしまっており、全てが幼保の資格・免許の併有という形に流れている。そのことだけでいいとは私どもは思っていないということをつけ加えて、終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
御質問等々があるかと思いますけれども、三つの報告が終わってから、一括して時間をとりたいと思いますので、よろしくお願いします。
次の日本私立中学高等学校連合会の實吉さんが、今ちょっと遅れているそうなので、順番をちょっと変えまして、次に、一般社団法人日本教育工学振興会から、吉村事務局長、御報告をお願いいたします。

【一般社団法人日本教育工学振興会(吉村)】

日本教育工学振興会(JAPET)の吉村でございます。
JAPETは、これまで学校教育の中にあって、ICT環境の整備などの教育の情報化の推進について多く携わってきた法人としての立場から、今回は、ICTを活用した教育上の方策という点で、御要望を差し上げたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
御手元の意見書の5ページから入ってございます。
最初に、第2部の今後5年間に実施すべき教育上の方策という中で、基本施策1、確かな学力を身に付けるための教育内容・方法の充実というのがございますが、この中の主な取組1-2に、ICTの活用等による学びのイノベーションの推進というのがうたわれております。これにつきましては、平成22年に発表された新IT戦略の工程表の中で、2020年には、21世紀にふさわしい学校教育を実現できる環境を整えるということで、デジタル教科書並びに教材の普及促進及び児童生徒一人一台の情報端末による教育の本格的な展開などが盛り込まれております。それを受けて、文部科学省では、学びのイノベーション事業として、平成23年から実施されてまいっておるわけでございますが、この事業も、来年度、平成25年度で一通りの終了をするということで、その成果の課題を明確にされることかと思います。ついては、今までの実証研究段階から、さらに実質的な段階に移行するために、平成26年度以降については、今までの事業成果を反映した形で、ぜひ普及に向けて、文部科学省と連携した実践利用の強化を図ってほしいと考えておる次第でございます。具体的には、現在20校で実施されている研究でありますが、さらに対象校を拡大して、全ての都道府県の学校、校種及び学校の規模等々を網羅した実践利用を行っていただければということで考えている次第でございます。
次に、基本施策3にございます、教員の資質能力の総合的な向上というところでございます。教員の方の資質能力の中で、特にICTを活用した指導方法という意味では、現状、いろいろな研修を含めて実施されているところでありますが、現状で言いますと、新しく教員になる方、いわゆる教員の養成段階においても、ICTを活用した授業実践というものが、現状ではカリキュラムとしてありませんし、ほとんどの大学でそういったものが実施されずにきておる関係で、採用されて、学校に行って初めてICTを使った授業を始めるという先生が多いわけです。そういった観点から、養成段階でもやはりそういったものを活用できる能力を備えていただきたいということで、可能であれば、ここの要望にございますように、「教育課程、指導方法に関する科目」として、「ICTを活用した指導方法」を教員免許の授与に必要な単位として実施していただければ大変ありがたいと思っております。これにつきましては、来年度の文部科学省さんの概算要求で、教員課程段階での指導力の育成のためのカリキュラムの開発というものが計画されていると聞いております。こういったものを受けて、ぜひ実際の学校現場において実施されることを要望として上げたいと思います。
また、次の要望でございますが、既に教員になられている先生方につきましても、同様に、各都道府県・市町村等で研修がされているわけですが、現在、5ページの四角の中にありますように、文部科学省さんの調査結果でも、ICT活用指導力に関する研修については、残念ながら、まだ22%程度の受講にとどまっているということでございます。ぜひ、このあたりを概ね100%を目標に実施していただけるように、国としても盛り込んでいただければありがたいかなと考えております。
次に、6ページに移らせていただきます。先ほどの教員養成段階でのICT活用をお願い申し上げましたが、これに関連した中身として、大学の中でも、やはり電子黒板やデジタル教科書・教材の整備といったものが必要だと考えておりまして、ぜひ、このあたりもあわせて盛り込んでいただければと思っております。
次に、施策11に移らせていただきます。今度は、学習の質の保証と学習成果の評価・活用の推進ということでございます。主な取組11-3の中に、従来から教師の校務軽減というものがうたわれておりまして、その必要のためにも、校務情報システムというものが現在進められておりますが、残念ながら、まだ現状では68%程度の導入率ということになっておるかと思います。児童生徒一人ひとりに応じたきめ細やかな指導の実現ということを実施するためにも、全ての地域において早急にこのシステムの導入を図っていただければと思います。
それに加えて、デジタル教科書等々の今後デジタル機器の環境整備にあわせて、やはりクラウドコンピューティングの必要性というものが早急なテーマとなってまいります。教育クラウドの導入についても、着実な整備をお願いしたいと思っております。
次に、基本施策24ですが、教育環境の整備ということがうたわれておりまして、7ページにございますように、既にいろんな形で整備が進んでまいりますが、残念ながら、まだ多くの目標が未達成の段階になっております。これにつきましては、ぜひ、現在も交付税交付金という形での地方財政措置がされておりますが、実際には7割程度の消化率というふうに聞いておりまして、これを何とかして自治体の理解を得て、全額の消化をすることで、整備の早期実現を何とか図りたい。そういう意味でも、ぜひこの基本計画の中にこういったことを盛り込んでいただければ大変ありがたいと考えております。ありがとうございます。
続きまして、次の項目については、教材整備の指針に基づく電子黒板、実物投影機の整備ということでございますが、これにつきましても、先ほどの交付金と同様の形で、ぜひ自治体への周知徹底を行っていただきたいと考えております。
最後にございますが、教育の機会均等の確保という意味で、既に文部科学省様が例年実施されている各調査によっても、大きく都道府県による、あるいは自治体による格差が生じてございます。一つには、ICT環境の整備、これも大きく、高いところ、低いところが出てきておる次第であります。あわせて、教員のICT活用指導力、これの格差も顕著に見られるところでございまして、やはり地域、学校によってそういったものが生じるということがないように、平均した形での整備を、あるいは、指導力の向上に努めていただくという意味で、ぜひこの基本計画の中に、そういったものを整備を求めていただければと考えております。
ちょっと延びましたが、以上でございます。ありがとうございます。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
最後に、日本私立中学高等学校連合会、實吉副会長からよろしくお願いします。

【日本私立中学高等学校連合 (福島)】

まず、おわびを申し上げます。實吉、私どもの常任理事でございますが、本日出席の予定でございましたけれども、途中で何かアクシデントがあったようで、まだ到着しておりません。そこで、まことに申しわけございません、私、日本私立中学高等学校連合会事務局長の福島でございますが、かわって意見の発表をさせていただきたいと存じますので、何とぞお許しをいただければと思います。
それでは、早速でございますが、私どもの意見書は、意見書のつづりの3ページ、4ページでございます。まず、「はじめに」というところがございまして、以下、四つの事項について、私立中高の立場から意見を申し述べておる形でございます。
まず、「はじめに」というところの部分でございますが、これは全体の私どもの、この「振興基本計画」の審議のまとめをたたき台にしまして、感想を述べたというところでございます。まず申し上げたいことは、振興基本計画に限らず、教育政策一般的には、申し上げるまでもないことでございますが、この教育制度によって直接影響を受けるのは、今現在ここで審議をされている先生方ではなくて、生徒あるいは学生、さらには、これから教育を受ける子どもたちである、影響は後年に及ぶということを十分に意識をしていただきまして、そのことを踏まえた上での慎重な御審議、あるいは多角的な御審議をお願いしたいということをまず申し上げたいと思います。
それから、この振興基本計画の審議のまとめ、「審議経過報告」でございますが、29項目の基本的な施策を列挙されているわけでございますが、総じて申し上げると、中教審の各部会あるいは分科会での審議の結果を取りまとめた部分が幾つかございます。ということを含めて、一言で申し上げると、やや総花的なことにならざるを得ないわけでございますが、もう少し重点的なものがあっても良かったかなという印象を持っております。
さらに、これはいろんなところで言われておりますが、計画は結構なんですけれども、計画の裏づけになる財政的な側面、これについても、今の財政状況の中では厳しい状況ということも十分分かっておるつもりでございますけれども、せっかく教育基本法に基づく振興基本計画であるならば、そこの部分の提言も含めて盛り込んでいただければ、より具体的な財政的な裏づけ案を盛り込んでいただきたいということでございます。
それから、具体的な問題でございますが、まず第一点の、私学振興の意義と施策というところでございます。私ども、私立中高の立場でございます。振興基本計画の中で、教育基本法第8条に私立学校教育の振興というのが、今回の教育基本法の目玉の一つとして、既にもう年数がたっておりますが、この条文に基づく私学振興というのが、私どもの実感として、どれほど実現したのかというと、これはなかなか実感としては思い至らない部分があるということでございます。この教育基本法の条文に沿った具体化を、ぜひ、この第2期の振興基本計画の中で盛り込んでいただきたいということで、より具体的に申し上げれば、私学助成を中心とした私学振興策を、もう少し大局的な立場でこの振興基本計画の中に実現をしていただきたいということでございます。これが第一点のところでございます。
それから、第二点でございますが、教育費負担の在り方というというところでございますが、これは、この振興基本計画第1期が始まった以降、政権交代等もあって、高等学校については、公立学校は無償化され、私立高校については就学支援金という全く同額の財政措置がされた、生徒に対する支援がされたということでございますが、これは生徒の立場で考えますと、同じ額をされても、私立学校の生徒については、いまだに自己負担がかなりの額に上っております。さらには、都道府県間での私立学校間の格差もある、新たに生じている、こういうことでございますので、こういうこともやはり公私間の格差というのも、学ぶ生徒にとってはある意味関係のない部分でございますので、そういうことも大局的な立場で、教育振興というところで何らかの是正措置の提案というのも盛り込んでいただければというのが、第二点でございます。
それから、第三点は、私立学校の教育環境の整備ということでございます。これにつきましては、特に一言で申し上げると、さきの東日本大震災の経験を踏まえて、学校施設の耐震化、これについての財政措置をぜひ振興基本計画の中にも盛り込んでいただきたい。学校の耐震化というのは、公立学校は27年度までに全部やるという大方針が出されているようでございますが、私立学校は、残念ながら、その財政措置、支援が受けられる状況になっておりますが、自己負担が残っている中では、なかなか実現は難しいということでございます。これも、耐震化によって、結局、安心・安全を受けるのは子どもたち、日本国民である、公立・私立にかかわらず同様の日本国民、将来を担う日本国民であるということをぜひ御理解をいただいて、この部分については、いろいろな制度あるいは仕組みがございまして、私立学校に対する支援の限界もあろうかと思いますけれども、限界を超えた計画の提言をしていただければ非常にありがたいというものでございます。
それから、最後の第四点でございます。私ども、私立中高でございますので、高等学校教育の在り方について、一言申し上げる部分でございます。これにつきましては、既に中教審の高等学校教育部会を中心に、検討が今されております。さらには、近々には、高大接続部会というのもできるというふうに聞いておりますが、高等学校教育、いろいろ問題があることは事実でございますが、この振興基本計画部会の審議経過の中にも盛り込まれている部分がございます。今後5年間の具体的な素案のうち、特に大学への飛び入学の促進と並んで、高校の早期卒業というのも検討課題だというふうに書かれておりますが、この件につきましては、残念ながら、高等学校教育部会でもまだ審議が十分にされていると思いませんし、なかなかこれから先どういう形で着地点があるのかも分からない状況で、5年先と期限を切るほどの緊急性があろうとも思いませんので、ぜひその辺のところを、もう少し高校部会の審議の経過を見ながらやっていただきたいということでございます。
それから、最後に、これはちょっと余計なことかもしれませんが、この審議の経過報告の中の67ページ、基本施策13の現状と課題というところに、「飛び入学制度」が進捗しない理由づけとして、もし飛び入学をして中退すると中卒者になってしまう、こういう記述がある、こういうことなので、なかなか二の足を踏んでいるというような表現がございますが、これは、正直申し上げると、見方を変えると、中卒者はそれではどうなるんだと。中卒者に対する、ある意味、ここに書いてありますのはちょっと語気が強いんですが、中卒者に対する冒涜にもなりかねないというとらえ方もできますので、中教審の文書としては、削除していただいたほうがよろしいのではないかと、あえて提言を申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
今、三つの団体から御意見を伺いました。委員の皆さん、他に何か御質問、御意見はございますでしょうか。いかがでしょう。
では、田村委員、どうぞ。

【田村委員】

ありがとうございます。今日は、お忙しいところ、中教審の会合にお出ましいただきました委員の先生方に感謝申し上げます。
一つ、北條先生にお伺いしたいのは、教員の質の向上ということが、今、日本を挙げて大きな問題になっているわけですが、どういうふうに向上していくかということは、いろんな意見があると思うんですが、これはいろいろこれから具体化していくんだろうと思いますが、一つの案としては、修士レベルという話も出ている。
その中にあって、幼稚園の先生と小学校の先生をつなげていくというお考えを持っておられるようなことをちょっとお伺いしたと思うんですが、具体的には、その辺のところに何か具体的な御意見といいましょうか、お考えがあるんでしょうか。そこが一つです。
それから、中高について、よろしいでしょうか。

【小川副部会長】

どうぞ。

【田村委員】

あわせてお伺いしますが、中高、飛び入学について、具体的にはどんなことを考えておられるのか、あるいは、もう全く飛び入学というのは必要ないと思っておられるのか。私立の中高の中で、どういう議論が、お考えが交わされているのか、ちょっとお伺いできればということがございます。
以上です。

【小川副部会長】

では、北條委員、そして、私中高連にお願いします。

【全日本私立幼稚園連合会(北條)】

ありがとうございます。
現在、教員の免許状は、二種、一種、専修ということになっております。私、自分の幼稚園でも14名の教職員がおりますが、二種免許状はもう半分をちょっと切るぐらいになってまいりましたが、幼稚園の場合は、日本全国で見ますと、まだ二種免許状保有者は相当多いわけですね。東京は一種免許状の方に随分動いておりますが。また、私のところでは、専修免許状の者も2名おります。
一種、二種、専修、それぞれの先生がいて、じゃ、上級免許状を持っている先生が、優秀な現場での保育者たり得るかというと、現実にはそんなことはないというのは、田村先生もお分かりのとおりであります。学校での養成を受けて、そこでの勉学の仕方、あるいは向上心の持ち方、また、現場に入ってから、そこで研修を踏まえて向上していくわけですので、上級免許ならばいいということはございません。二種免許状の場合は、小学校の先生にも相当いらっしゃいますが、学位としては、短大の学士資格というのが基礎資格ということになっております。それで、今の複雑化した時代、教員養成として十分なのかということになれば、これはやはり十分ではないと言わざるを得ません。
したがって、幼稚園教育の場においては、二種免許状がまだ多いわけですから、これは何としても数値目標を掲げて、一種免許状の方に誘導していくということは、これは必要なことだろうと思います。そのための財政措置も当然必要でありますけれども、これはやらなければならない。ただ、これはあくまでも、今、二種免許で頑張っていらっしゃる方が劣っているということは意味しないですからね。そこのところは間違えてはならないと思いますが、今後の方向性としては、ただいま申しましたように、一種免許状の取得者を増やしていく。
それから、現在、大学院2年程度ということで、教員の質の向上を目指しているわけであります。我が園でも、大学院を卒業した方が働いていただいて、いい面、悪い面、両方あります。確かに、こういう言い方はちょっとよくないかもしれないけど、自由な時間を長く持ったということは決して悪いことではないと思います。そのことが、子どもに向かう姿勢の余裕にもつながってくるので、そのこと自体は悪くはないと思います。しかし、反面、あまりに専門化してしまいますと、幼稚園教育、あるいは、広く幼児教育という点では、逆の面が出てくるようにも思います。とはいえ、日本全国で教員の基礎資格を2年程度大学院での教育をという方向にいこうということであるならば、その中から小学校、あるいは幼稚園の教員は除いていいんだということには絶対にならないと思います。
最後に、保育教諭の問題で申せば、質をこのように向上させていこうという努力を重ねている中で、とにかく保育士の方に教員免許状を取らせなければならないから、取りやすくしていこうという、その一点であるならば、私は考え直していただきたいと思います。そんなことでは、この国の子どもは決して幸せにならないと思っております。

【小川副部会長】

じゃ、私立中学高等学校連合会、お願いします。

【日本私立中学高等学校連合会 (福島)】

それでは、私の方から申し上げます。
田村先生からのお尋ねは、飛び入学についての、私ども、私立中高関係の考え方ということでございますが、まず、飛び入学については、既に、御承知のとおり、制度発足以来、十数年たって、160~170人ぐらいの実績であるということで、この数字が多いのか少ないのかという評価はあろうかと思います。私どもの感覚からすれば、確かに少ないという意見でございます。少ないんですが、この制度の本来の目的が、希有な才能を持った子どもたちを大学に早期に入学させて、その才能を伸ばすということであれば、希有な才能というのは、なかなか定義づけも難しいんですが、そういうことで160人。
さらに、もう一つの問題点として考えておりますのは、やはり受け入れ側の大学がそれほど広がっていかないということが、むしろ最大の問題ではないか。高校の側からの意見ですが。御承知のとおりの大学の顔ぶれということでございますので、そうしないと、やっぱり受け入れ大学が広がっていかないことには、なかなかその数も広がっていかないだろうという意見が多いように思います。
それと、関連して申し上げれば、さっきも少し申し上げたんですが、高校早期卒業という制度、全高校生、全学校種にかかわるような制度を導入してまで、大学に早期に入学させるという制度をつくる前に、まず飛び入学制度の問題点を洗い直して、できることは制度の改革をしながらやっていった方が、順序としてはよろしいのではないかという意見がございます。
以上でございます。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
まだ御質問あるかと思いますけれども、では、一点だけ、簡潔に、國井委員どうぞ。すみません。

【國井委員】

すみません、ありがとうございます。
私立中学高校の方で、総花的という御批判なんですけれど、教育については、やはりいろいろな面があるので、多面的に取り上げていかないと問題になる部分は多いと思うんですが、特にどこを落とすべきとか、優先順位がこれは低いと思われる――関係されるところで、そういうところはございますか。

【小川副部会長】

よろしくお願いします。

【日本私立中学高等学校連合会 (福島)】

それは先ほども申し上げましたが、高校教育については、高校教育部会でまだ審議経過の中間まとめもできていないものでございます。それについて、早くも5年計画というような、5年の具体的な検討課題のようなことを列挙されておりますが、これは少し早すぎるのではないかと考えております。より具体的に申し上げれば。

【小川副部会長】

よろしいですね。
すみません、本当にもっと御意見、御質問あるかと思うんですが、時間が来ましたので、これで第1セッションを終わりたいと思います。ありがとうございました。貴重な御意見については、今後の部会まとめに生かさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
次のセッションは、全日本教職員組合と、全国高等学校長協会からヒアリングを受けたいと思います。
まず最初に、全日本教職員組合から、得丸書記次長から御説明いただきたいと思います。非常に恐縮ですが、概ね8分程度におまとめいただきまして、終了1分前と終了時間に事務局からその旨の紙を入れさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、お願いします。

【全日本教職員組合(得丸)】

それでは、全日本教職員組合として、七点にわたって意見を申し上げます。
まずはじめに、教育への不介入の原則に立った計画とすべきだということです。審議経過報告では、「成果指標」のところに「学校のきまりを守っている児童生徒の割合の増加」、あるいは「自分にはよいところがあると思う児童生徒の割合の増加」など、子どもの内面にまで踏み込んだ項目が挙げられています。これは、旭川学テ最高裁判決の判断に照らしてみても、憲法上重大な疑義があると言わざるを得ません。政治による教育内容への不介入の原則を貫くことを求めます。
次に、教育条件の整備に限定した計画とすることです。教育条件の改善に関しては、2008年、現行の「教育振興基本計画」が「教職員配置の適正化を行う」と明記していたのが、今回の審議経過報告では、「教職員配置の適正化について効果検証を行いつつ、地方の自主的な取組の進捗状況や、国・地方の財政状況を十分勘案しながら、計画的な教職員定数改善を検討する」との表記にとどまっています。また、現行のものにはあった「OECD諸国など教育投資の状況を参考の一つとしつつ、必要な予算について財源を措置し、教育投資を確保していくことが必要である」との記述はなくなりました。「教育投資の在り方については、審議経過報告のとりまとめ以降、具体的な考え方や方向性を審議し記載する」とされ、八つあります成果目標の中に、本来「教育計画」の柱となるべき教育条件にかかわる項目はありません。
9月11日に公表されたOECDレポートでは、「日本は他のOECD加盟国に比べて教育への投資が少ない」「日本の教育投資は私的部門に大きく依存している」と改めて指摘されていることを重く受けとめ、早急な改善の計画が立てられるべきです。
三番目に、経済の論理ではなく、「人格の完成」のための「基本計画」とすることを求めます。審議経過報告「四つの基本的方向性」において示された「未来への飛躍を実現する人材」は、日本経団連が国際競争力の強化をテーマにして発表した「『イノベーション立国・日本』を目指して」と同じ線上にあります。この中で日本経団連は、「未来を担う『人材』の育成」を強調しています。審議経過報告の「未来への飛躍を実現する人材」の出所が、子どもや父母の願いではなく、経済の論理であり、その実態は「エリート教育の推進」となってはいないでしょうか。
教育の目的は、「人格の完成」であって、「国際競争力」や「イノベーション創造」のための材料をつくることではありません。教育振興のための計画に求められるのは、一握りのエリート養成ではなく、全ての子どもたちに豊かな学力と人間性を育て、自己肯定感を育んでいくための具体的な方策であり、経済界の要請に左右される「基本計画」であってはならないと考えます。
四点目は、審議経過報告の第1部冒頭に挙げられた、教育をめぐる社会の現状について、責任の所在を明らかにすることです。そこで述べられている「少子高齢化」や「雇用環境の変容」「格差の再生産」が、なぜここまで深刻化したのかについての言及はありません。そして、「行政のみに解決を委ねることは困難」とし、「今後は『自助』を基調としつつも、『互助・共助』の在り方が一層重要になり、これらが困難な場合に『公助』が必要となる」としています。責任を子ども、保護者、国民に押しつけ、「自己責任」を強調する論理が前面に出ていることに強い懸念を抱かざるを得ません。
様々な形で現れている「危機」は、国民が「自立」や「協働」を怠り、「自助・共助」がなかったからではありません。政府の、大企業優先、あるいは、アメリカの介入に追随する姿勢こそ責任が問われるべきです。子どもたちの成長の願いを励まし、支えることができる計画こそ求められます。
五つ目は、「高度に競争主義的な学校環境がいじめの原因になっている」と、国連子どもの権利委員会から再三指摘され続けてきた課題を受けとめた計画にするべきだということです。いじめが原因で、自ら命を絶ったとされる子どもの報道が相次いでいます。審議経過報告では、「いじめ、暴力行為等の問題への対応について」が加筆をされました。しかし、そこで述べられているのは「問題行動の未然防止や早期発見・早期解消」のみです。教育政策の抜本的な見直しが求められているのではないでしょうか。
昨年度は小学校で、今年度から中学校でも本格実施となった改訂学習指導要領によって、授業時間数が増やされ、深刻な学校の過密化が進行しています。長期休業期間の短縮、午前中だけの授業日の削減、学校行事の「精選」、朝からのドリルタイム、7時間授業など、その現れは様々です。そこに全国一斉学力テストが追い打ちをかけています。
我々、全教が行ったアンケート調査では、「当該学年だけ春休みの宿題が出されるようになった」とか、「過去問題を授業時間中にやらせている」とか、「学力テスト対策で時間がとられ、授業の進度が遅れた」、「ドリル学習が増え、分かる喜びを感じられる授業が減った」などの実態が報告されています。「学力テストあって教育なし」の現実は看過できません。
審議経過報告の「教育をめぐる社会の現状と課題」には、このような深刻な実態について全く記述がないばかりか、「世界トップの学力水準を目指す」とか、「国際科学技術コンテストへの参加者の増加」などが成果目標とされ、競争主義的な教育にさらに拍車がかかることが懸念されます。さらに「優秀教員の表彰」や「厳格な人事管理の実施」が「主な取組」の中に入れられ、教師も追い立てられることになります。
今、子ども、教職員、保護者はもちろん、大多数の国民が求めているのは、競争主義的な教育を改める抜本的で具体的な計画です。
六つ目は、国・行政の責任を明確にした計画とすることです。前述したような深刻な事態が改善されなかったのは、教育振興基本計画が教育条件の改善について明確で具体的な方針を持たず、国・行政の予算確保を含めた責任を明記しなかったことに根本的な要因があります。
2013年度文部科学省の概算要求では、「新たな教職員定数改善計画案」が出され、2013年からの5年間で小学校と中学校の全ての学年で35人以下学級を実現するとされました。改善計画の確実な実行を求めます。さらに、いわゆる「加配」ではなく、義務標準法の改正による確実な教職員増と少人数学級の実現が、「教育振興基本計画」の成果目標とされることを求めます。
最後に、憲法と子どもの権利条約の精神を生かした計画にすることを求めます。憲法に保障された「教育を受ける権利は」、全ての子どもが等しく持っているものです。そして教育の目的は、教育基本法にうたわれた「人格の完成」であり、子どもの権利条約がかかげる「人格の完全なかつ調和のとれた発達」です。
憲法と子どもの権利条約の精神を生かし、全ての子どもたちが、貧困や格差、自己責任の押しつけ、いじめやあらゆる暴力から免れて成長していける豊かな教育を実現するための条件整備・改善に向けて、予算を含めた具体的な計画となることを求めます。
以上で、全日本教職員組合としての意見表明といたします。ありがとうございました。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
じゃ、次に、全国高等学校長協会・及川会長からお願いします。

【全国高等学校長協会(及川)】

3月に引き続いて、今回このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
全国高等学校長協会として、四点意見を述べさせていただきたいと思います。
一点目は、成果目標1と成果指標についてです。成果目標1に対する成果指標、小学校・中学校に関してはPISAであるとか全国学力・学習状況調査等具体的に記述されていますけれども、高等学校に関してはやや具体性に欠けているように思います。その指標として活用できるものがあるのであれば、例えば、教育課程実施状況調査であるとか、そのような具体的な記述をしていただければありがたいと思います。また、高校生の「学習意欲の向上であるとか学習習慣の改善の状況」を把握するための指標、これについても具体的に触れていただきたいと思います。もし成果指標の仕組みそのものが高等学校教育に関してないというか、不十分であるとするならば、その仕組みについて、「基本施策6」にあるように「生徒の学力の状況を多面的・客観的に把握する仕組みを構築する」というふうにありますので、そのことを成果目標なり成果指標のところでも触れていただければありがたいと考えます。
二点目、「高等学校段階の教育の質の確保」に関する「成果目標」の明記をということなんですが、基本施策の七番目から九番目は、これは高等教育に関することです。ところが、「基本施策9」は初等中等教育、とりわけ高校教育と大学教育の接続に関することです。しかし、高大接続に関して「基本施策9」の成果目標や成果指標には、特にこの高大接続にかかわる部分や高等学校教育に触れた具体的な記述がありません。「基本施策9」に「点からプロセスによる質保証」システムの構築というのがありますが、これは6月に出された大学改革実行プランにあります大学入試制度改革に係ることだと考えます。そのプランで言われている大学入試制度改革の前提は、高等学校教育の機能の明確化だと考えています。これまで大学入試の選抜機能に依拠していた「学習意欲の喚起」「幅広い学習の確保」「学力の状況の把握」、この三つが高校教育が担うべきものとされていて、それを前提とした大学入試制度改革だというふうにとらえています。この三つのうち、「学習意欲の喚起」については、成果目標1に、先ほど申し上げましたように、明記されています。しかし、二つ目の「幅広い学習の確保」であるとか「学力の状況の把握」、これについては、必ずしも成果目標には触れられていません。高大接続の観点からは、成果目標で触れることが望ましいと考えます。
三点目、全ての生徒に共通して身に付けさせる能力の明確化について。高校生の興味・関心、能力・適正、進路等の多様化の現状を踏まえて、基本施策の1-3には、「全ての生徒に対して身に付けさせる能力の明確化」をあげています。これが、成果目標1に示される「生きる力」に全て含まれるのであれば良いのですが、「社会を生き抜く力の養成」に記されているようなキーコンピテンシー等、それから、基礎的・汎用的能力等、課題探求能力等も含むのであるとすれば、そのような力をどのように把握するかということについても、「成果目標」で触れていただきたいところです。
最後ですが、キャリア教育についてです。労働政策研究・研修機構の小杉礼子氏によれば、昨年3月に卒業した高校生の6.8%が卒業後就職も進学もしておらず、その4分の3が普通科の生徒だったといいます。未就職卒業者の多い普通科高校における職業教育(就業準備教育)の必要性を意味しています。「基本施策12」において、キャリア教育の充実、職業教育の充実がうたわれ、特に専門高校に関しての記述はあります。「専門高校では」という形で、特に専門高校については記述がありますが、今申し述べたような普通科の生徒の就職状況を考えましたときに、普通科についてもぜひ触れていただきたいと思います。
それから、同じその調査で、大学生への調査で、大学進学時に「卒業後就きたい仕事を決めていた」ことが現実の内定獲得に結びついてはいないということが、この調査で明らかになっているそうです。「卒業後就きたい仕事を決めていた」大学生と「全く決めていなかった」大学生とでは、決めていた大学生の内定率は58.8%で、「全く決めていなかった」という大学生は66.6%ということで、あらかじめ大学進学の際に「卒業後就きたい仕事を決めていた」という大学生の方が内定率が低かったという結果です。逆に、「内定無し」であるとか「就活中」であるといった数字も、あらかじめ「決めていた」大学生の方が16.2%で、「決めていなかった」大学生の方は12%と、こちらも「決めていた」大学生の方が、「内定なし」「就活中」という数字が多くなっている。
このことは、普通科から大学へ進学する高校生たちに対するキャリア教育が、果たして有効に機能しているのかということを物語っている結果ではないかと思います。就きたい仕事を決めさせるキャリア教育ではなく、「社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必要な力」を育成するキャリア教育が求められていることを示していると思うんですが、このことは「基本施策12-1」に明記されています。ぜひ、普通科高校におけるキャリア教育、職業教育の在り方について、さらに言及していただければありがたいと考えます。
以上四点でございます。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
では、今、二つの団体の御意見について、何か委員の方から御質問等々がございましたら、順々に出していただければと思います。いかがでしょうか。
では、國井委員、どうぞ。

【國井委員】

ありがとうございます。
得丸様のお話の中で、大企業の戦略に沿ってというお話があったんですけれど、イノベーションというのは、大企業はもちろん求めているんですが、私もイノベーションのためにという議論を幾つかしてきましたので、その観点で申し上げると、今、グローバルにもベンチャーがいかに育つかというのが、経済活動の活性化には非常に重要で、必ずしも大企業だとは思っていないんですね。日本の大企業も何とかサバイブしなければいけないという話はあるでしょうけれど、社会全体としては、すごくニーズが変化している中で、いろいろな変化に対応できて、働く力を持てる、そういう人材を育成していかなければいけないと思うんですね。もちろん、人格とかは当然必要条件だと思っていますけれど、それにプラスしていくという話で、イノベーションの議論はしております。先ほどおっしゃったのは、少なくとも私が考えている方向とは違っていますし、多分、文科省の方の、このまとめの中でも、そういう観点で、大企業のためにということで上げてきているわけではないんじゃないかと思います。
大企業の人もそうおっしゃっていると思うし、私も大企業から来ていますが、スタンスとしては、社会全体が大きく変化している。そこに対して、生きる力というのは働く力でもあって、そのためには、やはり参加型の教育とか、多様な人材を育成しなくてはいけないというのを今回は大分盛り込んだはずなんですけれど。まだ不十分なところはいろいろあるとは思いますけれど、先ほども総花的というお話もあったので、あんまり何もかも入れられなかったというのはあると思うんですけれど、そういう御理解もいただきたいと思うんですが。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
何か、全日本教職員組合の方から何かございますか。

【全日本教職員組合(得丸)】

大企業という言葉を使っておりません。ただ、経済界の論理が前面に出るということに対する危惧を申し上げたんですが。企業の方々が、それは大きい小さいに関わりなく、様々なところで活動されて、その中に高校や大学を卒業した学生たちが関わっていくということは、とても大事なことだと思っています。
ただ、その上でと先ほど先生おっしゃられたように、基本計画である以上、私、小学校なものですから、小学校、中学校の義務の段階で、少人数学級をはじめ、その土台のところを育てるということをもっと前に出してもらえないかなということを申し上げたいと思っております。

【小川副部会長】

はい。

【國井委員】

この10ページには、「政府の、大企業優先、アメリカの介入に追随する姿勢こそ」と書いてあるので、これから私はそうとってしまったのですが。

【全日本教職員組合(得丸)】

なるほど。

【小川副部会長】

よろしいでしょうか。
他にいかがでしょう。
では、白波瀬委員、どうぞ。

【白波瀬委員】

御意見ありがとうございました。
一点だけ、得丸様にお伺いします。「人格の完成」ということを述べられていますが、私はすごく重い言葉だというふうに感じます。「人格の完成」とは、具体的にどういうイメージというか、どういう定義でこの言葉をお使いになっているのでしょうか、御説明いただきたいと思います。

【小川副部会長】

では、田村委員。

【田村委員】

それでは、得丸さんと及川さんにお伺いしたいんですが、高校が無償になりましたですね。そのことは何か変化があるというふうにおとりになっていますでしょうか。御意見があれば、お伺いしたいと思います。

【小川副部会長】

では、先ほどの白波瀬委員からの御質問とも含めて、今、無償制の件、まず組合、その後、及川さんにお答えを、よろしくお願いします。
では、お願いいたします。

【全日本教職員組合(得丸)】

人格の完成に関わって、私から。
何をもって完成というふうにするのかということについては、これは教育基本法が一番最初に議論されたころから議論のあった問題で、基本的には、そのときには結論は出ませんでした。ただ、私、小学校にいて、小学校、中学校、義務教育の段階で子どもたちを見て思うことは、自分がこれでいいんだというような自己肯定感を育てるということを、義務教育の段階で大事にするということが、人格の完成というところの土台につながるのではないかと思って、これまで教室で授業をし、子どもたちと関わってきたという思いを持っております。返事になっていません。
もう一つ、高校の無償化については、一緒に来ました共済の担当の波岡から。

【全日本教職員組合(波岡)】

それでは、簡単に。
無償化になって、高校生たちが授業料を負担しなくてもいい。それは公立の場合ですけどね。そういう意味では、社会が自分たちの高校の学びを支えているんだという意識は確実に持っていると思います。明らかに中退する率が下がったり、やっぱりモチベーションの問題としては大きいと思います。
私学に関しては、一部なので、そこはまだまだ不十分だという点は指摘しておかなければならないと思いますが、この高校無償化というのは、かなり前進させる施策だったというふうに私たちは思っています。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
及川会長、じゃ、無償制に関わって、お願いします。

【全国高等学校長協会(及川)】

無償化の附帯決議にありましたように、いわゆる質の保証が求められているということについては、全校長としては、そういう意識を持って取り組んでいかなければいけないと受けとめています。
大学改革の方が非常に進んでいて、その関係で、高校教育の質の保証ということがもちろん求められている部分はありますが、本来はやはり無償化に伴って、高等学校教育自身が、その質の保証を行っていかなければいけない。そういう当事者意識を持たなければいけないことであるというふうに私はとらえております。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
他に、よろしいでしょうか。
では、時間が少しオーバーしていますので、第2セッションはこの辺で終わりたいと思います。ありがとうございました。貴重な御意見、ありがとうございました。
じゃ、ここで5分間ぐらい休憩をとりたいと思います。第3セッションは、45分から始めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

( 休憩 )

【小川副部会長】

では、時間が来ましたので、第3セッションのヒアリングを始めたいと思います。
最初に、全日本教職員連盟から、岩野事務局長でよろしいでしょうか、よろしくお願いいたします。

【全日本教職員連盟(岩野)】

全日本教職員連盟事務局長の岩野伸哉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、私ども全日本教職員連盟に、このような提言の機会を与えていただきましたことに感謝申し上げます。今回、時間も限られておりますので、特に全日教連として指摘したい点に絞って、簡単にお話しさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
まず、子どもたちに確かな学力を定着させるためには、教職員自身、教員自身の学習指導等における資質能力の向上が欠かせないと思っております。そのために、文部科学省や各自治体による研修の充実を図り、それが無理なく実施されるよう、支援体制の強化が求められるというふうに考えております。また、学校では、校内研修や教材研究の充実のために十分な時間を確保する必要があります。そして、効果的に機能する学校マネジメント体制の強化であるとか、事務負担の軽減化、教職員の増員、あるいは、学校現場の実態に応じた計画的・安定的な教職員配置が必要だと考えております。
児童生徒の豊かな心を育むために、道徳教育の充実というのは重要ですが、その推進のための具体策をもっとここでも国として打ち出してほしいと感じております。例えば、我が国の郷土の伝統・文化を継承・発展させるための取組についても、武道の振興への支援以外に、特に具体的に触れられていないように感じております。私どもとしましては、ここに我が国と郷土の偉人から学ぶ、いわゆる偉人教育を中心とした道徳教育の推進、そういったものを是非とも盛り込んでいただきたいと感じております。先人の生き方から学び、世界に評価されている日本の強みを子どもたちに強く自覚させることで、子どもたちに日本人としてのアイデンティティをしっかり身に付けさせなければならないと考えております。
いじめ、暴力行為に対しても、地域や関係諸機関との連携強化が不可欠なことは言うまでもありません。特に、いじめに関しては、隠ぺい等の問題が表面化している中、文部科学省自体が、前提として「いじめはあってはならない」という意識を学校現場から取り除く姿勢をとる必要があるのではないかと感じております。いじめ、又はそれにつながる人間関係のトラブルというのは、現場では集団生活の中に常にあって、起こり得るものとして起こった場合には、深刻化を防ぎ、解決に向かう具体的な対処について、国としての姿勢を強く示すべきであると考えております。
子どもたちの情操面を豊かに育むための読書活動の推進ということが触れられていますが、それは非常に効果的であると感じております。15分間の朝読書で学級崩壊が解消したというふうな事例も聞いておりますし、さらに、それに加えて、音楽や美術(図画工作)等の教科学習を含めた芸術文化活動を重視する視点というものを、もっと盛り込んでいく必要があるのではないかと感じております。
健やかな体を育むために、子どもの体力について、昭和60年の水準を成果目標として挙げていますが、全体的な体力の向上、平均値の向上のためには、運動経験と能力のそれぞれの二極化の解消をすべきであると考えております。特に重点的に部活動等に参加せず、運動が苦手で習慣化していない児童生徒に対して、自発的、日常的に体を動かすことのできる環境整備というものを目指す必要がある、そういう視点が必要ではないかと感じております。
「社会を生き抜く力」を育むために必要な勤労観、職業観については、学校教育において、我が国の強みの一つである世界に誇るべき各分野における高度な伝承技術を重視して、例えば、伝統工芸等の各分野の職人と呼ばれる人たちでありますとか、農林水産業等の担い手、それに伴う、そういった分野の先端技術などにもっと光を当てた幅広いキャリア教育、職業教育が必要ではないかと考えております。
特別なニーズに応じた教育の推進につきましては、特別支援教育をインクルーシブ教育システムの構築に転換するということは、まだ理念先行の感が否めない部分であります。障害のある児童生徒が、同じ人間として交流し、継続的にかかわるということは、障害のある児童生徒が、将来、社会の中で自立して生きていくための入り口として、とても大切なことだと思いますし、通常の学校に在籍する児童生徒にとっても、触れ合うことで障害者への偏見を取り除かれるという意味で、必要不可欠な取組だと思います。
しかし、ともに学ぶという方針の表面的な解釈によって、バリアフリー化などのハード面での環境整備がたとえ整ったとしても、物理的に同じ場で学ばせるということだけでは、ソフト面において、学校現場に大きな混乱を招く可能性があります。来年度計画されているモデルスクールの実践等の各種モデル事業で、どのような成果が上がるかということは分かりませんが、特別な支援を要する児童生徒に、現行の特別支援教育以上の教育を提供することは困難ではないか、かえって教育の質が低下することはないかというような懸念を持っております。
その他、学びのセーフティネットの構築ということで、資料の19ページ以降に、児童虐待でありますとか、児童生徒の自殺防止、子どもたちを巻き込む犯罪、いじめ・不登校、有害情報に対する取組の提言をさせていただいています。時間がないので省きますけれども、子どもを取り巻く環境の改善という観点から、全日教連が運動方針の中で触れているものです。
それから、東日本大震災からの復旧・復興支援。これはソフト、ハード両面の完全な復旧・復興を期して、一刻も早く達成されるように行われなければならないと考えています。今回の審議経過報告を見ても、その深刻性であるとか、緊急性、具体性という部分が少し弱いような気がして、国民の命を守るという強い当事者意識が、残念ながら感じられないというふうな印象です。災害大国と呼ばれる我が国において、東日本大震災を機に、真剣かつ大胆な取組を行い、防災大国として世界に認知されるよう努めるべきであると考えております。そのために、地域連携等も含めた学校における防災教育の充実・発展・強化を図り、学校を中心に国と地域が一体となって行う防災教育が広く定着することで、災害の被害が最小限に食いとめられ、国民の命が守られ、震災からの教訓として重視するつながりや、人と自然との共生の在り方、これがしっかりと形成されていくと考えます。
被災地における復興に向けた新しい教育の動きが、今後の我が国の教育の在り方に大きな示唆を与えることは間違いありませんが、東北発の未来型教育モデルづくり、これを我が国全体で発展させていくことが、震災の教訓を踏まえた教育の在り方とは思えません。それが被災地の教育の復旧・復興とともに、我が国全体の教育の発展に寄与するというのであれば、なおさら具体的な教育復興計画を示して、成果目標を明確に設定するべきだと思っております。周辺地域も含めて、被災地に及ぼした被害というものは、放射線被害も加わって、極めて複雑になっています。これらの完全な復旧・復興については、本計画においても被災した子どもたちの現在と将来にかかわる特別な事項として扱われるべきだと思っております。
このことと、我が国の防災大国に向けた災害対策や防災教育の取組は、重なり合い影響し合う部分はあるとは思いますが、同じカテゴリーで進める施策ではないと考えております。復興は復興として、教訓は教訓として進めていくべきだと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
次に、全国教育管理職員団体協議会から、石川会長、そして吉川幹事長、お二人にお願いいたします。よろしくお願いします。

【全国教育管理職員団体協議会(吉川)】

幹事長を今年度から務めます、吉川と書いて「きっかわ」と読みます。吉川文章と申します。よろしくお願いいたします。
今日は、この会の前に、財務省に行かせていただいて、今年度の全管協の予算要望書ということで説明をさせていただきました。また、こういった機会を設定していただいて、本当にありがたく存じます。また、私、こういう場に来るのが初めてなので、先ほど全日教連の方の流れるようなお話で、少し緊張しておりますが。
本全国教育管理職員団体協議会は、東京、長野、大阪、徳島を中心としました団体で形成されている団体でございます。そういった役員会等で話された内容というのを、今回、A4の1枚、2枚、3枚にまとめてまいりました。
全管協は、教育の正常化、それから、我々、教育管理職員の処遇改善、この二点を大きな活動の柱として、方針として取り組んでおります。先ほど教育の正常化、また、今後の教育について、とても丁寧に説明を聞いていました。本当に全管協の方も、その内容については、非常に意見を同一にするところが多々ありますので、今回は、我々は教育管理職員でありますので、その処遇改善の部分について、考えを述べさせていただきます。
まず1枚目の部分でございますが、「基本施策3」、基本的な考え方のところです。教職員の多忙な状況を打破し、我々は教育管理職員ですから、特に現在、教頭・副校長の多忙というところで、多くの副校長が、職務を途中にして病に倒れている。病気なんですけれども、精神的な部分で追い込まれているという状況が多々報告されております。これは何らかの理由により、例えば、学級が機能しない状況になったところにサポートに入る。保護者から――先ほどのいじめ問題等もあります――大きなリクエスト、訴えがあったときに、その対応に中心として関わっていく。そういう中で、通常の職務が困難な状況になった副校長をサポートするための手段が、現在ない状況なんですね。例えば、病気、病職になってしまった教員がいると、そこに入るのは、講師は時間はとれるんですが、担任をするのは副校長なんですね。副校長が基本的にそこに入るという形です。それについての人的環境、副校長が校長を助ける、また、教頭が校長を助ける任務を果たすべき役割が十分果たしていけるような、そういった人的環境の整備を考える必要があると考えております。
2枚目にいきまして、適切な人事管理実施の促進ということです。今、大量の退職で、管理職員、特に校長・副校長の退職した人数が非常に多くなっている現状がございますので、そういった教育管理職員を経験した力のあるスタッフを、ぜひ様々な場所に、ここでは学校評価、教員評価のサポートということで掲げさせてありますけれども、ぜひ活用していただければなと考えております。
中段に参りまして、19-2のところ、「コミュニティ・スクールの拡大」、「学校関係者評価の実施促進」、また、「学校と地域・産業界等とが連携・協働した教育活動の充実」にも、いわゆる学校管理職を支えるスタッフ職としての、そういった部分の配置というのも考える必要があるのかなと考えております。やはり、そういった保護者、地域の窓口として、教育管理職員としての経験を学んだ者がそこに対応するということで、より教育、コミュニティ・スクールの拡大等の充実につながるのではないかなと考えております。
次に参りまして、基本施策22の丸の二つ目の部分でございます。国と地方の適切な役割分担。もう現在のように、義務教育の3分の1を国庫から支出、3分の2が地方交付税に一般財源化された状態では、財政が苦しい県はとても困難な状況になります。ぜひ義務教育を2分の1、そして全額国庫負担と引き上げることが前提条件であると考えております。
最後に、最後のページにまいりまして、職員体制の整備にかかわるところです。23-1、学校規模及び教職員配置の適正化。「少人数学級の推進」については、本来であれば、平成22年8月に示された教職員定数改善計画を予定どおり進めていれば、平成24年度は小3の35人学級が実現していた。今年度については、小2が加配措置ということで対応されているんですが、また、新聞報道等でも、この何年かのうちに35人学級の実現ということで出ておりますが、ぜひ、今後の改善計画に見通しを持って、しっかりとした道筋をつけるべきであると考えております。
あわせて、少人数学級の実現にあわせて、今、どこの学校でも、加配教員、いわゆる少人数指導として能力を発揮している、また、そういったシステムをつくっている自治体がたくさんあります。そういう部分の加配教員の措置を削って、こちらにつける、そういうことのないように、ぜひこれを並列と。少人数学級の推進も必要ですし、少人数指導の充実もあわせて必要であるという考えを、全管協は考えております。
私からは、以上です。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
最後に、全国公立小中学校事務職員研究会の方からお願いします。

【全国公立小中学校事務職員研究会(鳥本)】

失礼いたします。
全国公立小中学校事務職員研究会でございます。本日は、意見表明の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
現行の教育振興基本計画で示されておられます「公教育の質を高め、信頼を確立する」、「社会全体で子どもを育てる」、こういった義務教育段階における課題を受けまして、私たち学校事務職員も、日頃の職務を通じて、様々な教育条件整備の役割を担っているところでございます。
今回、この第2期教育振興基本計画が目指す四つの基本的方向性において示されました、「自立」「協働」「創造」を基軸とした新たな社会モデルを実現するための生涯学習社会の構築に向けて、本会、全事研も、子どもの豊かな育ちを支援するために、義務教育段階における様々な施策に呼応した取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
では、公立小中学校の事務職員の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、四つの基本的方向性と基本的方向性に基づく方策、これにつきまして意見を述べさせていただきます。
まず基本的方向性の(1)社会を生き抜く力の養成についてに関し、三点意見を書かせていただきました。
まず、1-1、新学習指導要領の着実な実施とフォローアップ等のところでございますが、これはまさに学校教育の基盤をなすものでございますが、その推進にあたっては、特に教材・教具等の整備など教育環境の充実が欠かせないと考えております。つきましては、「教材・教具等の整備による教育環境の充実」や「教材教具等の活用による指導法の改善」、こういったことを基本施策1及び基本施策2を実現するため、「主な取組」の項目として位置付けていただくようにお願いしたいと考えております。
次に、1-2のICTの活用等による学びのイノベーションの推進のところです。ICT環境の整備については、ネットワークやパソコンなどのハード面の整備が、財政的な支援がありまして、かなり進んでいると思います。また、デジタル教科書や創意工夫あふれる教材・コンテンツなども開発されておりますが、学校での整備や配備、そして活用につきましては、まだまだこれからのところもございます。さらなる学校のICT環境の整備や活用するための指導力の向上、こういったことに向けた取組がさらに必要と考えております。
三つ目は、1-4の学校間連携の推進のところです。小中一貫教育、また小中連携が各地で展開されておりますけれども、より効果的に推進するためには、教育内容だけではなくて、学校運営組織の再構築が必要であると考えております。学校間連携を円滑に推進し、地域の状況に適合した学校運営を実施するためには、抜本的な学校運営組織の再構築、こういったものが必要である。また、そこには、強化された事務組織が不可欠であると考えております。
次に、基本的方向性の3の学びのセーフティネットの構築の関係で、二点申し述べさせていただきます。
まず、16-2、義務教育に係る教育費負担軽減の部分です。私たちは、子どもの学びの環境を整備していく上で、「義務教育費の無償」を前提とした「ナショナルスタンダード」を保証していくことが必要と考えています。
「学びのセーフティネット」の構築という観点から、保護者負担である教材費や給食費について負担の軽減を図ることを通し、経済的格差が教育格差につながることのないよう、子どもの教育機会の確保を図る仕組みが必要と考えています。また、あわせて保護者負担経費の未納という問題もございます。そういったものを解消する策を講じることも、また重要であると考えています。
二つ目は、基本施策18、教育研究環境の整備や安全に関する教育の充実など学校における児童生徒等の安全の確保のところです。全国の公立学校の約9割が避難所に指定されているということを踏まえまして、学校施設の防災機能を早急に整備することが必要だと思います。東日本大震災の教訓を生かし、学校が地域安全の拠点としてのその役割を担えるよう、避難所としての学校の在り方について、施設設備・物資等の整備・充実も含めて自治体や地域との連携によりさらに明確にしていくことが必要だと考えております。
こういうことを受け、つきましては、「地域安全の拠点としての学校」ということを主な取組として取り上げていただければと考えております。
基本的方向性4の絆づくりと活力あるコミュニティの形成のところですが、19-2、地域とともにある学校づくりの推進について触れさせていただきます。地域とともにある学校づくりの推進には、学校支援地域本部の取組の充実、また、コミュニティ・スクールのさらなる拡大が重要と考えております。また、この施策をさらに拡充し、円滑に実施していくためには、学校と地域をつなぐコーディネーターが必要である、学校には地域を含めた組織をマネジメントしていく力が必要と考えております。制度の定着、人材の育成のための施策が重要であると考えております。
四つの基本的方向性を支える環境整備について、三点述べさせていただきます。
まず、基本施策22の現場重視の学校運営・地域教育行政改革のところです。先ほども申し上げましたように、地域とともにある学校づくりを推進するためには、コミュニティ・スクールなどの新たな学校運営組織の確立が必要であり、ここでは地域と学校、あるいは学校間、こういったところのコーディネートを担う役割がどうしても必要となります。本会では、昨年11月にコミュニティ・スクールの調査も行いました。その中では、学校運営協議会の大半の業務を学校の教頭先生が担っているというような実態も明らかになっております。このような実態を踏まえて、私たち事務職員も、学校事務の共同実施、また、学校間連携を担う事務組織が学校運営支援の役割を担い、学校の事務部門を統括、共同実施を代表する事務長、こういった職のリーダーシップの下、事務職員が学校と地域のコーディネート役を担うということで、安定的に教頭先生とともに、一緒に地域のヒト・モノ・カネ・情報といった、こういった資源を有効に活用する仕組みをつくっていかなければならないと思います。ひいては、学校管理職や教員の負担軽減につながり、また、新たな地域学校運営の形が生まれてくるものと考えております。
次に、基本施策23、きめ細かで質の高い教育に対応するための教職員整備のところでございますが、10ページに、義務教育修了までの段階における現状と課題として、「子どもと正面から向き合う教育環境づくりのための教職員体制の整備について検討が必要」とございます。教員が子どもと向き合うことに専念するためには、教職員のそれぞれの役割を明確にし、学校運営体制における学校事務組織を確立させることが最も重要であり、ひいては学校力の向上につながっていくものと思います。このためには、校長を補佐し、学校運営を担う事務職員の数の充実と質の向上が不可欠です。事務職員を含む教職員の短期・中期での定数改善計画の策定と採用・初任期からの体系的な研修・育成プログラムの構築が急がれると考えております。
最後になりましたが、基本施策24の良好で質の高い学びを実現する教育環境の整備について触れさせていただきました。新しい学習指導要領を円滑にかつ着実に実施し、良好で質の高い学びを実現し、充実した教育活動を展開するために、昨年度定められた教材整備指針に基づく教材整備を計画的に進め、教育環境整備をさらに推進することが不可欠と考えます。市区町村の財政格差を是正するようなより実効性のある財政措置、また、子どもたちのために的確に予算が使われる仕組みというものが望まれます。
今後の御審議における検討材料として、私が申しあげましたような意見、要望も取り上げていただければと思います。
本日はどうもありがとうございました。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
では、今の3団体について、何か御質問がありましたら。
丸山委員、どうぞ。

【丸山委員】

貴重な御意見、ありがとうございます。
岩野さんにちょっとお伺いしたいんですけれども、二点。
一つは、東日本大震災からの復旧・復興支援についてなんですが、国が教育復興について推進をする。極めて大事なことであり、かつ、基本計画でも、そこに重点を置くことが大事だという御指摘を受けまして、私も全くそのとおりだと思います。そして、その具体的な中身で一つちょっと気になったところなんですが、全く被害がないところもあれば、建物の被害を受けたとか、あるいは人的な被害があったというようなところもあれば、放射能でその地域に住むことができなくて全国でばらばらになっているという、非常に複雑な状況がある中で、それを個々に実験的サンプルとして、被災地の教育復興の成り行きを見守るだけではだめであると。逆に、国がより具体的な教育復興計画を示し、成果目標を明確に設定すべきだというふうにあるんですが、これは現実問題として、そういういろいろなパターンがある以上、国が一つの統一的な計画というものをつくって、成果目標まで定めるというのは、なかなか難しいんじゃないかなという質問が一つ。
もう一つは、道徳教育についてなんですが、この御提言の中に、取組の具体性が示されていないという御指摘をいただきました。私もそのとおりだと思います。いじめ問題とか少年犯罪・少年非行がこれだけ社会問題になっている以上、道徳教育の重要性はますます増すわけで、この基本計画の中でもできるだけ具体的に織り込んだ方がいいとは思います。一つ挙げておられる中で、我が国と郷土の偉人から学ぶ道徳教育というのがありましたが、簡単に、これはどういうものなのか、説明していただきたいと思います。

【小川副部会長】

ちょっとお待ちください。今の点に関係する質問でいいですか。
では、岩野さん、よろしくお願いします。

【全日本教職員連盟(岩野)】

ありがとうございます。
まず、震災復興に関する成果目標の点ですが、ここに挙げさせていただいたのは、被災地の復興という意味で書かせていただきました。全国的な対策としては例えば、ハード面で言いますと、耐震化目標が出されておりますが、これはあくまで建物の躯体の耐震化を完了させるというものです。これについては平成27年までに完了させるというふうな具体的な目標は出ていますが、ただ、実際に復興するにあたって、新たな災害が起こったときに、また避難所として活用する等の、目的外利用で学校施設を使わなければいけないとなったときに、非構造部材や地盤の強化をなしにして、箱だけ無事であっても機能を果たさないということから、それらを含めた完全な学校施設の耐震化の数値目標を設定してその達成に向けて取り組んでいくということが、具体的な例として挙げられます。
被災地以外についてなんですが、これは、おっしゃるとおり、災害大国日本ですから、様々な災害が起こるわけです。今防災計画の中で計画されている、視野に入っている災害というのは、大体東日本大震災を受けて、津波と地震であり、そういったものに特化された形になっていますが、栃木でありました突風の被害や、九州や和歌山でありました洪水の被害、それから、それに伴う土砂崩れ等のあらゆる自然災害を想定して、各地域に応じた災害対策というものを地域の防災拠点としての学校施設においてやっていかなければいけないという観点でございます。
もう一つの道徳教育についてですが、今、全日教連でも、郷土の偉人から学ぶ教育の在り方、道徳教育の在り方について研究をしているところです。もちろん、有名な歴史上の人物であるとか、皆が尊敬するような人物を取り上げて、その方の生き様を教え込んでいくということも大事なことです。さらに各地域に埋もれている人材というのが意外とある。全国的には知られていないけれども、その地域に非常に貢献した偉人の方々がいる。そういった方々を取り上げた教材を道徳教育に使っていくということも非常に有効なのではないかというふうな研究を今進めているところです。日本人としてのアイデンティティを身に付けさせる意味でも是非ともそういう視点を持って道徳教育の推進を図っていただきたいと考えて、提言させていただきました。
ありがとうございました。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
では、木村委員、そして國井委員ということで、木村委員。

【木村委員】

岩野事務局長にお伺いしたいことがあります。
「豊かな心」についての最後のあたりに、芸術活動を重視する視点は見られないというようなことをお書きになっています。少し思い返していただきたいのですが、どうして学習指導要領が今度改訂されたのか。時期的な問題もありましたが、その背景には、学力低下を懸念する国民の大きな声があったんですね。学力というのは、主要科目の学力です。、音楽とか美術は含まれていない。教育施策というのは、国民の声に従わざるを得ないところがあります。主要教科とこういう芸術活動は授業時数的にトレードオフの関係にあるから、それで、音楽とか美術の時間を減らさざるを得ないという事情があります。決して軽視したわけじゃないのですが、背に腹は変えられなかったということです。私、第1期の教育課程部会長をやらせていただいて、私自身は音楽や美術というのは非常に大切だと思っているのですが、時間数の関係で切らざるを得なかった。極端に言うと、そういう事情があります。新しい学習指導要領でこれを減らしたことに対して、国民の大きな反発があったかというと、私はなかったように思います、そういう点についてどういうふうにお考えになりますか。

【小川副部会長】

國井委員、続けてお願いします。

【國井委員】

ありがとうございます。
全く別の御質問なんですけれど、資料の17ページに、これは御説明がなかったんですが、現代的・社会的な問題に対応した学習等の推進というところで、一部の学校現場において、行き過ぎた「ジェンダーフリー教育」が横行しており、社会問題になっていると書いてあるんですが、私、今の日本の教育の中では、非常に女性の差別とかジェンダーバイアスフリーが問題になっていて、ここをもっと強化しなければと思っています。一方で、男女役割分担論とか、古い伝統的な家父長的なお話とかがあって、ここのジェンダーフリー教育というのは、ジェンダーフリーをセックスフリーと誤解をして――誤解というか、意図的に曲げて、ジェンダーバイアスフリーを進めていないという傾向もあります。ここは、どういう意味なのか、一部の学校現場において行き過ぎたとおっしゃっているところが何なのか、御質問したいです。

【小川副部会長】

じゃ、さっきの御質問を含めて、木村委員の質問と今の質問、二つ、お願いします。

【全日本教職員連盟(岩野)】

ありがとうございます。
まず、芸術教育に関しては、もちろん、いわゆる優先順位という形で、限られた枠の中で、そこにおさめていくためには、どれかを削らなければいけない。そういうふうなときに優先順位として、芸術分野というのが低かったんだということになろうかと思います。これは非常に現実的な話になろうかと思うんです。伝統文化を含めた芸術文化としての美術・音楽の大切さというのは、義務教育期間だけではなくて、生涯を通じて身に付けるべき豊かな情操、それを中学校時代、小学校時代でしっかり培っていく。これが今すぐに学力として表出しなくても、やがては、それを学んだことが人生の豊かさにつながっていくんだというふうなところをもう少し重視していただきたいというふうなところです。物理的に時間を削るとか、そういうことではなしに、また、国民のニーズが高くないということではなしに、これからの日本を担っていく子どもたちをいかに育てていくかという観点から、是非ともそういった――もちろん、教科としての美術、音楽というものを充実させていってほしいという願いはあるんですが、豊かな情操を育むことによる人格形成等いろんな観点から、そういった美術や音楽、芸術文化教育ということについて重視した取組をやっていただきたいという願いがあります。

【木村委員】

一言だけコメントしたいのですが、日本の芸術(アート)教育というのは非常にうまくいっていると、世界的には大変高く評価されています。そのことだけ申し上げておきたいと思います。

【小川副部会長】

では、もう一点。

【全日本教職員連盟(岩野)】

ジェンダーフリーの教育については、我々、全日本教職員連盟は、いわゆる男女差別という意味ではなく、男らしさ、女らしさ、男としての役割、女としての役割というものはお互いに尊重するべきだというふうに考えております。平等感というのは、男女がお互いの性の区別を認め合った中で生まれていくものであって、一緒くたにしていいものではないというふうに考えております。ですから、例えば、女性自身が、今まで男性の仕事と思ってきたことに進出していって、それがだめだというわけではないし、同じことをしなければいけないということでもないと思います。そういう観点から、行き過ぎたジェンダーフリー教育が一部で横行しているという点については、これは書きぶりをもう少し考えないといけないなと自分でも思っておりますが、社会的・文化的な性差を否定し、男女の区別を排除することには反対である。これはそういう意味でここは書かせていただいたというところです。

【全国教育管理職員団体協議会(吉川)】

ちょっと今の点に関連して。

【小川副部会長】

時間もないので、すみません。時間が来てしまったんですが、今、全教連にばかり質問が来ていたので、他の二つの団体に対して何か御質問がございますか。
では、衞藤委員、よろしくお願いします。

【衞藤委員】

26ページの一番下のところの記述で、抜本的な学校運営組織の再構築が必要で、強化された事務組織が不可欠。強化された事務組織というのは、具体的にどういうようなことをイメージすればいいんでしょうか。

【小川副部会長】

よろしくお願いします。

【全国公立小中学校事務職員研究会(鳥本)】

小中学校におきましては、事務職員が基本的に一人というところがほとんどでございます。一人では組織としての動きというのがなかなか難しいということで、そういったものを解消するために、学校事務の共同実施というものを各地で展開しております。この共同実施を中心とした取組を行うことで、事務の組織を強化していく。こういったものをどんどん活用していって、学校運営組織を変えていくというようなことを、意味しております。
以上でございます。

【小川副部会長】

よろしいですか。

【衞藤委員】

はい。

【小川副部会長】

他にありますか。
では、最後ということで、田村委員、よろしくお願いします。

【田村委員】

どうしても気になるものですから、一つだけお伺いさせていただきたいんですが、17ページのところ、また岩野さんに御質問なんですが。
インクルーシブ教育の方針に転換することは、理念先行で、現実的な教育施策ではないと考えるという、この文章、これはちょっと書きすぎじゃないかというふうに思いまして。今回の教育課程の改善というのは、集団から個を少し大事にしていこうという、こういう流れが基本にあるんですね。インクルーシブ教育こそが参考になると考えているわけですが。ここで議論している間ではね。だから、行き過ぎちゃいかんということは、おっしゃる意味はよく分かるんだけれども、団体を教えれば教師の役割はもう終わっているんだというふうにお考えになることがいけないんだという流れがあるんですね。団体を教えればいいんだというのは、これはかつての形であると。今は、団体を教えることも大事だけれども、個々も大事にしていかなければいけない。それも教員がやっぱり役割を果たすべきなんだというのが今の考え方なんですね。だから、ちょっとここは書きすぎじゃないかなという気がするものですから。御意見は、よろしければ、いただいてもいただかなくても結構です。

【小川副部会長】

何かございますか。

【全日本教職員連盟(岩野)】

いいです。

【小川副部会長】

いいですか。では、今、御意見を伺ったということで。

【全日本教職員連盟(岩野)】

すいません、ありがとうございます。

【小川副部会長】

では、白波瀬委員。

【白波瀬委員】

すみません、私もこのインクルーシブのところを少し確認させてください。例えば、障害を持つ子を普通の学級に入れたから問題が解決するというような単純な問題ではないという点については同感です。ただ、その一方で、やはりいろんな子がいて、その事実も忘れてはいけないと思うのです。共に学ぶという、非常に貴重な、大切な意味を「インクルーシブ」という言葉は持っていると思うんですね。そのときに、理念ではなく現実的な意味で問題があるというのがここでの主張なんですが、現実的な意味でのインクルーシブな教育を具体的にどのようにお考えになっているのかについて、お伺いしたいと思います。ここでの議論が、どうも0か100かというような印象を受けましたので。

【小川副部会長】

何か御意見があれば、簡潔にお願いいたします。

【全日本教職員連盟(岩野)】

すみません、あまり時間がないので、簡潔に。
要するに、一緒くたにして、物理的に同じところで同じように学ばせるのがいいんだということではないということです。今やっている通級指導であるとか、交流であるとか、そういったことをもっともっと充実させていって、そういう機会を増やしていくということは大事だと思っております。ですから、今行っている現行の特別支援教育のさらなる充実ということが必要だと考えております。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
もっと御意見があるかと思うんですが、すみません、時間がありませんので、この第3セッションはこの辺で終わらせていただきたいと思います。貴重な御意見、ありがとうございました。
では、最後の第4のセッションに移りたいと思います。
最後の第4セッションは、日本PTA全国協議会、日本青年団協議会、そして日本都市青年会議の3団体からのヒアリングです。
よろしいでしょうか。では、これまでどおり、非常に恐縮ですが1団体概ね8分程度でおまとめいただければと思います。そして、終了1分前と終了時間に事務局からその旨のお知らせを紙で入れさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
では、最初、日本PTA全国協議会、武田会長からお願いいたします。よろしくお願いします。

【社団法人日本PTA全国協議会(武田)】

日本PTA全国協議会の武田でございます。貴重な時間をいただきまして、本当にありがとうございます。
第2期教育振興基本計画につきましては、概ねその方向性を理解しておりますし、賛同させていただいているところでございます。その中でも、ぜひ学校現場で反映をしていただきたい部分、ですけれども、もう少し踏み込んでいただけたらありがたいなという点を二点ほど要望として挙げさせていただいたところです。
まず一点目でございます。豊かな心と健やかな身体の育成という部分でございます。基本政策2の課題として、「子どもの体力は、概ね低下傾向に歯止めがかかってきているけれども、昭和60年頃と比較をすると、基礎的な運動能力は低い状況であり」という課題が提示されておりまして、基本的な考え方として、「子どもの体力の向上傾向が維持され、確実なものとなるよう、学校と地域における子どものスポーツ機会の充実を図る」ということが挙げられております。この点は、保護者としても関心が高くて、改善が必要であるというふうに考えている部分でございます。
これを受けて、成果目標1の中で、「生きる力」の確実な育成における「成果指標」に示されております、「今後10年間で子どもの体力が昭和60年頃の水準を上回ることができるよう、今後5年間、体力の向上傾向が維持され、確実にする」とされていますが、若干その意味がちょっと不明確かなというふうに感じていまして、もう少し分かりやすくここを修正いただければありがたいと感じたところです。
また、上記の成果指標を達成するために、主な取組として、2-7として、学校と地域における子どものスポーツ機会の充実では、「スポーツ基本計画に基づき、学校の体育に関する活動や地域スポーツを通じて、子どもが十分に体を動かして、スポーツの楽しさや意義・価値を実感できる環境整備を図る」というふうにされております。けれども、先ほどの昭和60年頃に水準を戻すということを恐らく指標では示されていると思うんですが、そのことを達成するにあたっては、若干その他で示されている取組に比べますと、具体策に欠けているような感じがいたしました。どのような方法で体力の向上を図るのかということを、もう少し具体的に示していただければありがたいと感じております。
二点目でございます。東日本大震災からの復旧・復興支援に関する部分でございます。東日本大震災からの復旧・復興支援の基本的な考え方におきまして、「東日本大震災の経験を踏まえて、困難な状況に直面した際に自ら考え判断し行動する力や、困難に立ち向かうために周りの人々と協力し合う力などを育む教育の推進が必要であり、被災地から未来型の教育モデルづくりや防災教育を促進し、被災地だけではなく全国的に共有していく」というふうにされております。この点につきましても、未曾有の大震災を経験した私たちは、これを後世に伝えていく必要はあるというふうに我々保護者も考えておりまして、大いに賛同して、これを今後の実践としてぜひ行っていただきたいと思っております。
しかしながら、既に新学習指導要領が学校現場では実施をされている状況でして、学校としても、授業時数等制限がある中で、加えて、この東日本大震災に関する教育を行っていくということで、一体どのような教材とか授業時間等を利用してこれを教えていくのかということが、もう少し踏み込んだ説明をお願いしたいと感じたところでした。
また、全国の子どもたちにこの教育を行っていくためには、やはりこれまで経験のないことを教育現場に落とし込むということで、指導におけるガイドライン等をぜひ作成していただきまして、子どもたちが基本的にその学びにおいて著しい地域格差などが生じないような、そんな特段の配慮をお願いしたいということで、その二点を要望として挙げさせていただきます。
以上です。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
じゃ、次に、日本青年団協議会、田中事務局長の方からお願いいたします。

【日本青年団協議会(田中)】

日本青年団協議会から、私、事務局長の田中潮が発言させていただきたいと思います。
まず、このような場に発言の機会を与えていただいたことに、改めて深く深く御礼申し上げたいと思います。何分、このような場に発言するのが、私、初めてなものですので、もしかしたら言葉足らずなところ、あるいは、何か場違いなことを申し上げることもあるかもしれません。何とぞ御容赦ください。青年団のやることだということで、お許しいただければと思っております。
まずもって、この第2期教育振興基本計画を拝見させていただきました。まず、我が国の教育をめぐる社会の現状と課題というところで、本当にこの課題について、私ども、地域の青年団としても、大変実感をしているところであります。少子高齢化による社会活力の低下や雇用環境の変容、本当にそうだと思っております。老人クラブの総会は大盛況でありますが、青年団の総会は非常に寂れているというような、こんな現状が続いている。ここをどうにかしないといけないと、本当に思っております。特に社会のつながりの希薄化といった課題については、本当に同感であります。ただ、これらの我が国の直面する危機によって、何よりも私たちは、地域の教育力、このことが衰退しているということを強調したいと思っております。
なお、雇用環境の変容のところにある若年者の失業率、あるいは非正規雇用の増大に関しては、雇用のミスマッチということもそうなんですが、どちらかというと、やはり効率を優先して、正規雇用を削減していったところに大きな原因があるのではないかと考えております。また、このことが、青年の、若い人たちの地域離れということにもつながっているのではないかということも、あわせて付記していただきたいと思っております。
次に、14ページからの、特に生涯学習に関する現状と課題というところで、自治体の直面する課題ということに触れられております。本当に、このことについても、実際現場で痛感しているところでありますが、さらに、これに加えて言いますと、例えば、公民館であるとか、あるいは青年の家であるとか、そういった公的な施設、これらが指定管理制度に移行しつつあるということを、このことについて若干指摘をさせていただきたいと思っております。指定管理制度そのものについては、いろいろな判断があるかと思いますが、やはり自治体が、行政が本来果たすべきところからやや後退しつつあるのではないかということを、訴えたいと思っております。
また、6ページから、新たな社会モデルとして、一人一人の自立した個人が多様な個性・能力を生かし、他者と協働しながら次世代の社会を創造していくことができる柔軟な社会を目指し、その鍵を握るのが、社会全体として、総体としての知識・知恵・意欲の量と質にほかならないというふうに結んでおられます。本当に私たちもこのとおりだなと実感をしているところであります。
ここで、今年の3月に、東日本大震災からの復興の1年ということで、「生きる」という被災地域の若者たちの手記を私どもは発刊いたしましたが、この中で、気仙沼市で被災をされた日青協の元副会長であります高橋弘則さんの手記の一部を紹介したいと思っています。
「人が生きることの原点に立ったとき、人はひとりで生きていけないことを痛感する。電気も電話も車も、文明がもたらしたものは何一つ使えない状況で、生きるために助け合う。それは昔から当たり前に行われてきたはずである。全てを失い、荒廃した地域を復興させるためにも、今こそ思い出す必要がある。それは理想論に聞こえるかもしれないが、それを当たり前に行っている人々がいるからこそ、震災直後、食料がなくても、水がなくても、助け合って生活し、不平も不満もでなかった。人と人との助け合い、支え合いによって、支援を待つことなく立ち上がり、復興に向かって協力し合う私の地域を見たとき、青年団で学んだ精神が最大のライフラインであることを実感した。」
というふうに述べられております。まさしく、今回の計画で目指すべきところが、こういったことではないかなというふうに私たちも実感をしております。また、このことこそが、地域の青年団の心髄でありますし、また、それは社会教育に帰すべきところが多いのではないかと思っております。
続きまして、具体的な基本施策の方に移りたいと思います。
まず一つ、基本的な視座として、青年という言葉ではなく、子ども・若者、あるいは青少年という言葉でくくられているということに若干の違和感を表明したいと思っております。やはり青年というのは、子どもでもなければ、また成人でもない。大人社会に向かっていくための準備段階として青年期があると、私たちは考えております。よって、ここはぜひ青年ということを改めて記述をしていただければと思っております。
また、今申し上げたとおり、その準備期間であるがゆえに、その世代独特の固有の文化、あるいは活動、あるいは学びというものがあります。また、今の課題のところにありましたとおり、今、青年、若者をめぐって、多様な、大変大きな課題があります。こういったことを鑑みれば、なおのこと、青年への教育というものをとりわけ重点的に行っていく必要があるのではないかなと思っております。
今、地域では、例えば、青年学級であるとか、あるいは青年講座であるとか、あるいは青年教室であるとか、かつてとはそれほど多くはありませんが、それでもまだ青年に対する教育施策が行われております。また、次世代のリーダーが育成できないのではないかという危機感を持った自治体では、青年リーダーを養成するための講座等、青年教育の推進事業が始まっております。しかし、まだまだこういった施策というのは、例えば、首長であるとか、あるいは行政の担当者であるとか、あるいはリーダーによって、その情熱によって何とか支えられているというような側面が強いのではないかと思っております。こういった活動を、青年活動、あるいは青年教育の制度的な保証をぜひ盛り込んでいただけないかと思っております。
それから、105ページのところに、社会教育推進体制の強化というところが盛り込まれております。概ね、まさしくこのとおりだなと思いつつ、ぜひこの職員の増員と、そして資質の向上ということが実現できるようにお願いをしたいと思っております。
以上であります。大変ありがとうございました。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
最後に、日本都市青年会議から、廣井副会長、よろしくお願いします。

【日本都市青年会議(廣井)】

ありがとうございます。
まずはじめに、このような場を与えていただきまして、本当にありがとうございます。本来であれば、会長の浅井がここに来て意見を述べさせていただくべきところではございますが、本日どうしても来れないということですので、代理で副会長・廣井がこの場で意見を述べさせていただきます。
あわせて、資料の訂正をさせていただきたいと思います。我々の資料の1枚目のところなんですが、22ページ、多様な職業生活に応じた云々とありますが、これ、すいません、20ページの間違いでございます。20ページのところでございます。
それと、次のページの上から2行目、少しブランクがあきまして、「様々な体験活動において」というところがありますが、これはちょっと前後しているんですけれども、37ページの2-4番、学校における体験活動及び読書活動の充実というところに当てはまりますので、申し訳ございません、おわびして訂正をさせていただきたいと思います。
それでは、我々の団体の御紹介というか、活動の内容からまずお話をさせていただきたいと思うんですが、我々は、日本の全国各都市における青年団の集まりでございます。都市部と農村部では、青年団の抱える悩みも少し違うであろうということで、都市部の青年団体の集合体というか、連合会になっております。先ほど隣の日本青年団協議会さんのお話もありましたが、例に漏れず、各地の青年団体は衰退の一途というか、非常にさみしい状態になっております。その中で、我々としては、お互いに情報・連絡をとりながら、リーダー研修又は情報交換の場を会員の皆さんと一緒に持っていきたいということで、日々活動しております。
今回のこの第2期教育振興基本計画につきましても、内容を読ませていただいたところ、やはり当然のごとく、学校教育における内容が主なものになっているというふうに考えて読ませていただきました。その中で、我々は、ぜひ生涯学習、社会教育の部分におきまして充実をお願いしたいと思いまして、今回、意見を述べさせていただきます。学校教育が重要であることはもちろんのことでありまして、それをないがしろにするつもりはもちろんないんですが、もう少し青年期の教育であるとか、社会教育、生涯学習の部分につきまして、表記を書いていただきたいなと思いまして、今日は意見を述べさせていただきます。
まず、この資料に沿いましてお話しさせていただきますが、前文につきまして、2ページ、「一人一人が生涯にわたって能動的に学び続け」とありますが、これは、学べる能力のある人はそれでよいかと考えております。ぜひ、これは、「教育によって」学ぶ、学ぶことを知らない人に対して、誰かが教えるというスタイル、そしてスタンスを持っていただきたいと思いまして、そういうふうに書いていただきたいと思います。
ちょっと時間もないようですので、少しはしょっていかせていただきますが、19ページの部分では、「持続発展教育(ESD)の推進が」とありますが、ここもESDの基本的な理念という部分がもう少しわかりやすく書いていただけたほうがいいかと思いまして、このように提案をさせていただきます。
それと、先ほど訂正させていただきました20ページ、多様な職業生活に応じた柔軟な学習環境の整備、これも、もう少し詳しく書いていただきまして、ぜひ「生涯学習を通じて自らの成長と他者との共生を求め、ボランティア精神をもって地域社会に還元することのできる能力の向上を図れるように職業の選択・変更が可能となるようなリカレント教育、再教育と柔軟な学習環境の整備が必要である」というふうに書いていただけたらありがたいと感じております。
それと、ちょっと前後しますが、その次の、先ほど37ページというお話をさせていただいたところでございますが、様々な体験活動においても育まれること……。すみません、これは表記が変わっているかと思うんですが、学校教育における体験活動の部分なんですが、ぜひここはクラブ活動のことを少し書いていただきたいと思いました。学校でのクラブ活動は、大きく社会体験活動の一つであるというふうに我々は考えております。学力の向上に直接結びつくことではないかも分かりませんが、道徳教育や上下の関係、また、生きる力に結びつくところではございますので、ぜひここにクラブ活動のことを表記していただきたいと考えております。
それと、28ページ、他の政策分野との連携というところでございますが、もちろん幾つかここも書いていただいていまして、そのとおりではございますが、その中でぜひ追記していただきたいのが、税制政策と法務政策、国際政策という三点を追記していただければと思います。税制政策と法務政策、他の政策分野、省庁は違う部分ではございますが、これは、子どもたち、また我々青年の公の気持ちを育てる上で必ず必要になってくる部分であると考えております。行き過ぎた個人主義とはよく言われるところではございますが、ぜひこういう税の仕組みであるとか、法務の仕組み、システム、ルールの部分、この部分をしっかりと勉強する機会を与えていただきまして、公の意識というものをちゃんと植えつけられるようにしていただければと思います。また、国際政策におきましては、海外派遣や海外交流事業、ともすれば、今、経済的な理由から削られる、閉鎖される場面が多いかと思うんですけれども、ぜひそういうことも残していただきまして、閉鎖された空間ではなく、海外の人とか、また、受け入れ事業もそうですけれども、そういうのもひっくるめて、出ていくことの大切さであるとか、他との交流を持つことの重要性というのをここで学んでいきたいなと思いますので、そういう機会を与えていただきたいと思います。
それと、29ページ、国の役割、地方の役割というところで、ぜひこの中に、社会教育施設の活用というのを入れていただきたいと思います。先ほど日青協さんの方からもお話がありましたけれども、青年の家等、指定者制度になって、いろいろ形は変わっていっていますが、ぜひこの青年の家とか博物館・美術館というところ、ハコモノはとかくたたかれやすい場面もありますが、採算がとれるとかとれないとかいうところではなく、ぜひ残していただきまして、採算がとれないのであれば、とれるように活用していただくような方法を考えていただきたいと考えております。
それと、ちょっと時間もないようなのではしょりますけれども、あとは、読んでいただいたとおりでございます。
全体としての提案としまして、家庭教育ができない子どもにどうするかというのをぜひ考えていただきたいと思います。これは二つありまして、親が家庭教育ができない。こういう言い方をすると失礼で、言い過ぎかも分かりませんが、親としての能力がない、子どもを育てる能力がない親というのは、悲しいかな、現実、今おるように思われます。それと、あと、親がいない子ども、何らかの理由で親と一緒に暮らせない子どもたちに対して、家庭の教育をどうしていくかというところをぜひ考えていただきたいと思います。
それと、ここで休日の提案と書いていますが、これは何も休日に限ったことではございませんが、ぜひ社会体験活動等を通して、自己有用感を生むような教育をできるような機会を与えていただきたい。それが休日でボランティアに参加とか、そういう形が一番手っ取り早いかなみたいなところもありますけれども、ということで、ここで提案させていただいておりますが、ぜひそういう機会を与えていただけるようなシステムをつくっていただきたいと思っております。
全体的に教育の目的、我々、生涯学習、青年期・青少年期の教育をやっていく中で、我々の一番重要な最終の目的というのは、次世代の社会を構成するメンバーの育成であると考えております。ぜひ社会の一員であるということをみんなが自覚して、みんながみんなのために、自分たちのためにみんなが協力していけるような社会をつくるための人間を教育できるようなシステムにしていきたいと考えて我々も努力しておりますので、こちらのほうのこういうシステムの中でも、そういう部分をぜひ入れていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
じゃ、今の三つの団体からの御意見について、何か皆さんから御質問、御意見があればお受けします。いかがでしょうか。
では、國井委員、お願いします。

【國井委員】

ありがとうございます。
都市青年会議ですが、30ページに、生涯教育について強調されていて、私もそこは非常に重要だと思っているんですが、リカレント教育とか柔軟な学習環境の整備が必要であるということですけれど、もう少し具体的に、それはコミュニティ・カレッジみたいなものを要望されていらっしゃるのか、具体的にもう少し要望を教えていただければと思うんですが。

【日本都市青年会議(廣井)】

ありがとうございます。
この部分におきましては、そういう学習ももちろん大切な部分であると思うんですが、いろんな職業生活において、例えば、途中で職業を変わるとか、選択を変更するといった場合に、専門的な知識もそうですが、なかなか次の仕事の勉強をする機会がないというのが一番大事なことかなと思っております。学校云々ではなくて、例えば、地域において、仕事の変わる理由といっても、いろんな理由があると思うんですが、変わらざるを得ないとか、今までの仕事についていけないとかいう人たちもおるわけで、そのリスタートのための教育機関であるとか、例えば、フリースクールとかコミュニティ・スクールも含めまして、地域も含めた上で、いろんなシステムの中でやり直しができるような状態をつくっていってほしいということでございます。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
國井委員、よろしいですね。

【國井委員】

はい。

【小川副部会長】

他に、いかがでしょうか。
では、よろしいですか。ありがとうございました。
貴重な御意見、ありがとうございました。今後のさらなる審議に活用させていただければと思います。
これで第4セッションまで全部ヒアリングを終わりましたけれども、最後に、今後の日程等について、事務局から案内をお願いします。

【寺田専門調査官】

失礼いたします。
次回、第22回の計画部会でございますが、日にちは10月22日月曜日、場所は文部科学省旧庁舎6階の第2講堂を予定しております。時間と議題については、また追って御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【小川副部会長】

ありがとうございました。
それでは、今日はこれで終わりにしたいと思います。お疲れさまでした。

―― 了 ――

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生涯学習政策局政策課政策審議第一係

(生涯学習政策局政策課政策審議第一係)

-- 登録:平成24年12月 --