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教育振興基本計画部会(第22回) 議事録

1.日時

平成24年10月22日(月曜日)13時00分~15時30分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 第2期教育振興基本計画に係る関係団体からのヒアリング
  2. 教育投資について

4.出席者

委員

三村部会長、安西副部会長、相川委員、安倍委員、木村委員、國井委員、篠原委員、竹原委員、田村委員、丸山委員、三町委員

文部科学省

田中総括審議官、清木文教施設企画部長、合田生涯学習政策局長、布村初等中等教育局長、板東高等教育局長、久保スポーツ・青少年局長、上月大臣官房審議官、藤野生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長、他

5.議事録

【三村部会長】

 それでは定刻でございますので、22回教育振興基本計画部会を開催させていただきます。お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日、出席委員数がちょっと定数に満たさずに、委員懇談会という形になりますが、会議の進行・公開は通常の部会と同様に行わせていただきますのでよろしくお願いします。
 議事に入りますが、本日の議事は、「第2期教育振興基本計画に係る関係団体からのヒアリング」及び「教育投資について」であります。
 本日お越しいただきました皆様には、大変お忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。
 本日のタイムスケジュールにつきまして、事務局から説明、お願いします。あわせて、配付資料についての御説明、よろしくお願いいたします。

【森友教育改革推進室長】

 失礼します。本日のスケジュールですが、お配りしております運営骨子の1枚紙がございますが、ヒアリングを二つのグループに分けさせていただいた上で、教育投資の方、議論をしていただく、三つのことまで考えております。
 配付資料につきましては、会議次第にございます資料の1から4、参考資料1、2とございます。もし欠落等ございますれば、おっしゃっていただければと思います。
 また、参考資料の1でございますが、オレンジ色のパワーポイントの資料がございますが、これは審議経過報告の冊子の内容をわかりやすくパワーポイントに落とした資料でございます。御参考までにお配りをさせていただいております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 議題の方に入ってよろしいですね。それでは議題の1で「関係団体からのヒアリング」を始めたいと思いますが、二つのセッションに分けて行いたいと思います。
 御説明は一団体当たりおおむね七分程度ということで、ちょっと煩わしいかもしれませんが、事務局の方からチンがやりますので、よろしくお願いいたします。お経はなさらずにお願いします。
 それでは、まず村松会長、日本教育大学協会から、よろしく。村松さんは総会の委員でございますね。よろしくお願いいたします。

【日本教育大学協会(村松)】

 チンというのは七分後に鳴るということですか。

【三村部会長】

 いや、何らかの合図が行きますから、どうぞそこまで気楽に。

【日本教育大学協会(村松)】

 はい、わかりました。
 では、日本教育大学協会として意見といいますか、要望をお話ししたいと思っております。8月に出ました中教審答申の大学教育答申と教員の資質の向上答申とは通底しているところがあり、不可分の関係にあると教大協としても考えております。
 そして開放制と大学における教員養成を制度原則とする日本の教員養成の向上・発展に責任を持つ立場から、両答申における改革の基本的な方向性を支持しております。本協会としても、一方で大学教育の質的転換、他方で学び続ける教員を支援する仕組みの構築と教員養成の修士レベル化を同期させて振興することに取り組んでいくことが重要と捉えております。
 中教審の両答申が求める改革を実現するとの本協会の立場に基づき、以下、審議経過報告に対する意見・要望を述べたいと思います。
 まず最初に、本協会にとって特に重要な部分は、基本施策3でございます。タイトルとしては「教員の資質能力の総合的な向上」となっております。この箇所が、先ほど申し上げました教員の資質能力向上答申の内容を、この第2期の教育振興基本計画に盛り込むために書かれていると思っておりまして、その関係で言うと、少なくとも次の3点を検討していただきたいと考えております。
 まず審議経過報告の41ページで、この基本施策3の主な取組の3-1というのがございますが、ここのタイトルそのものに、ぜひ「教員養成の修士レベル化」というキーワードを明記していただきたいと思います。修士レベル化の制度化そのものは、この5年間ではかなり厳しいとは思いますが、その方向に向けた制度設計をするんだということを明確にしていただきたいと思っています。
 現在のところでは、前ページに書かれております基本的な考え方の後段部分に、既に「養成・採用・研修の各段階を通じた」云々と書いてある部分が、そのまま繰り返されているという形で、主な取組としての表現としては具体性に乏しいと考えますので、ぜひ修正をお願いしたいと思っております。
 繰り返しになりますが、「教員養成の修士レベル化」は、教員の資質能力向上答申のキーワードでございます。平成25年度から29年度の五年間に、その実現に向けて着実に進めるよう、タイトルに明示していただきたいということになります。
 また、その説明文も、学部における教員養成の取組と修士レベルの教員養成の取組が、分節化されることなく一つの文で表現されていますので、ここをもう少し明確にしていただきたいと思います。
 二番目に、教職大学院を含む修士レベルの現職研修の拡充を図る観点から、研修等定数に関して、さらなる増員を図り、大学院への派遣に係るものについては優先的に配分を行うことを明記すべきだと考えます。特に教職大学院では、現職教員を対象に、スクールリーダーの育成について成果を上げていることから、教職大学院への現職教員の派遣についての一層の充実を図る必要があると存じます。41ページに研修等定数の効果的活用とは書かれているのですが、これだけではやや不十分ではないかと思います。
 また、例えば教職大学院の学校現場での実習を重視した教員養成カリキュラムを修了した者に対しては、教員採用試験における一部試験の免除等、教職大学院への進学に対する何らかのインセンティブについて検討が望まれることを【現状と課題】に明記すべきではないかと考えます。さらに、教職大学院また高度専門職業人としての新たな教員養成の修士プログラムを修了した者については、採用後に処遇面でも配慮されることが望ましいと思います。
 第三は学費負担の問題です。これを軽減し、優秀な学生が大学院で安心して教員に必要な学修研究に取り組めるよう、特別な奨学金制度の創設等、給付型の経済支援を強化する仕組みを構築することを明記していただきたいと思います。審議経過報告全体では68ページにも「給付型の経済支援を強化する必要がある」という指摘がございますので、こうした文脈からの分枝として、基本施策3にもこのことを書いていただくことは合理的であり必要であると考えます。
 大きな二つ目といたしまして、基本施策20「COC構想の推進」と23「教職員体制等の整備」をめぐっての意見を申し上げます。このCOC構想のことを高く評価しております。「知的創造活動の拠点である大学は、地域の中核的存在、Center of Communityである」というのは私たちも自認しているところでございます。国立大学の教員養成系大学・学部は、近代日本の学校教育制度の発足以来、各地域における学校教育に根ざして、相当数の教員を安定的に供給してきたとともに、地域の様々な教育課題の解決に取り組み、地域の発展や活性化に大きく貢献してきております。また、これら両面において、附属学校の担ってきた役割は大きいものがあります。本協会会員である国立大学の教員養成系大学・学部は、人材・知見・ノウハウ等が集積された組織として、自治体等と連携して、教育分野におけるCOCとして、今後より一層強化していく所存でございます。
 また、関連して基本施策23で近年の非正規教員の増加傾向のことが書かれておりますが、世界トップの学力水準を目指すという成果目標から見ても、このことは非常に重要だろうと思っています。本協会といたしましても、この問題の解決に取り組んでいきたいと思っているところでございます。
 三番目の論点として、基本施策25、大学におけるガバナンスの問題でございます。国立大学全般がなかなか厳しい財政状況にございますが、特に教員養成系はもともと人件費比率が80%程度でありますが、第1期期間中にも運営費交付金が年々削減され、第2期に入りまして更に厳しい情勢になっております。その中で、国立の教員養成系大学・学部が教員養成の修士レベル化を主体的に担っていくためには、相応の対応をしていただくことが必要だろうと思っています。教職大学院に関しましては単位数ですとか、教員数等々について厳しい制約が課されておりますので、設置基準の緩和等が施されたといたしましても、かなり財政的な負担は重く、これを全都道府県に増やしていくというためにも、ぜひとも財政措置をお願いしたいと思います。
 最後に、基本施策26に関しまして、各大学の特色の明確化等々に関しては大変重要な指摘だと思っておりまして、日本教育大学協会といたしましても教員養成の分野において、こうした方向性について改革の具体化を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 意見交換につきまして後ほどまとめてお時間を設けたいと思いますので、続きまして日本教職大学院協会から加治佐会長、長島様、よろしくお願いいたします。

【日本教職大学院協会(加治佐)】

 失礼いたします。日本教職大学院協会は、教育系大学や学部の中で、既に教職大学院を設置している25の大学で構成される団体です。したがいまして、今、村松先生から意見具申がありましたが、かなり重なる部分があるということをまずはお断りしておきたいと思います。
 本年8月28日に教員の資質能力の向上方策に関する中教審の答申が出ました。この第2期の教育振興基本計画の審議経過報告は、それを文字どおり取り入れまして、教員養成の修士レベル化を基本的に推進していくということをはっきりうたっております。そういう点で、我々教職大学院協会としては、この審議経過報告の基調といいますか、基本方向といいますか、そういうものに賛同いたしております。
 ただ、今後5年間かけて教職大学院を核として教員養成の修士レベル化を進めていってほしいわけですが、その際に、やはりもう少し具体的に、以下に述べるようなことを盛り込んでいただけるとありがたいと思っております。
 まず一つ目は、教育委員会・学校と大学の連携・協働ということです。今後、教員養成の修士レベル化、あるいは実践的指導力の高い教員を養成するためには、教育委員会と大学の連携というのは、これはもう不可欠であります。教職大学院ではそういう試みは様々にされておるのですが、一層の深みといいますか深化が必要だと思います。とりわけ養成段階においてもお互いの連携関係が求められるわけですが、修士レベル化しますので、その修士レベルの部分で、教育委員会が行っている初任者研修とか、あるいは10年研修、5年目研修等々の内容を取り込んでいく必要があると思います。その際に、そういう初任者研修等々について、それを大学院のプログラム化するとか、あるいは単位化するとか、そういったようなことがおのずと必要になってまいります。そういう働きかけを我々は今、教育委員会にしているわけですが、そのようなことをぜひ具体的に記していただきたいと思います。そうすることによって現職教員が専修免許状を取得するという環境が非常にできてくると思っております。
 二つ目は、教職大学院の拡充・発展ということです。答申にも、そしてまたこの審議経過報告にも教職大学院の拡充・発展について明確に言及はされております。ただ、もう少しこちらについても、教大協さんと同じことになりますが、もう少し具体的に踏み込んで書いていただければと思います。教職大学院の設置を全県設置していかなければいけないわけですが、そういったようなことをしていくためには、今の大学院設置基準や専門職大学院設置基準というものを見直していただいて、教職大学院が設置されやすい環境をつくっていただきたいと思います。さらに、今度は入学する学生の側にも措置を講じていただきたい。例えば教員採用選考における選考内容の一部免除でありますとか、あるいは教職大学院を経て合格した者については名簿登載機関を延長するとか、あるいは授業料の減免措置、奨学金制度の充実等々を図っていただいて、入学しやすい環境をつくっていただきたいと思います。可能な範囲でそういったようなことも具体的に記入していただけるとありがたいと思います。
 それから三つ目は研修定員等の増加ということであります。現職教員が、今も教職大学院等々に派遣の形で入学しているわけですが、極めて不十分です。派遣にかかわる研修等定数を大幅に増やしていただきたいと思います。その際、増員とともに、各都道府県に配分する際には教職大学院に優先的に配分するということをお願いできればと思います。さらに、現在の教職大学院には30代、40代の主幹教諭や教育委員会の指導主事といった、これからの学校教育や教育行政を担う人材がたくさん入学してきております。そういう意味で、そういう人々を計画的に養成していかなければいけないと思います。そのために、この研修等定数の増員も、一時的に増員ということではなくて計画的な増員ということを図っていただけるとありがたいと思います。ぜひそういったことを明記していただけるとありがたく思います。
 そして最後に、いろいろ申し上げましたが、要するに、この5年間の中で教職大学院を拡充していって教員養成の修士レベル化を促すための措置を講じていくわけですが、そのための具体的なタイムスケジュールをできれば入れていただきたい。さらには、大学や学生に対する財政措置も明記していただけると非常にありがたいかなと思っております。特に私学部分について、早稲田大学の長島先生の方から少しお話があります。

【日本教職大学院協会(長島)】

 教職大学院は全部で25校設けられているということが、今、加治佐先生のお話からもありましたが、そのうち聖徳、創価、玉川、帝京、常葉学園、そして早稲田と、六つの私学の教職大学院が設けられております。なかなか注目されることがありませんので、私学の立場から二つのことについてお願いさせていただければと思います。
 教職大学院が25校あって全部で入学定員815人ですが、そのうちの私学の六つの教職大学院で入学定員170人となっております。ただ、なかなか入学定員を満たすことができないという状況が続いておりますので、優秀な学生を確保して、一定規模の優秀な人材を安定的に輩出していくというためには、加治佐先生からの話もありましたが、奨学金制度の充実であるとか、それから授業料の減免措置をぜひお願いしたいと思います。
 もう一つは研修等定数の増加にかかわって、私立学校の教員、特に中等教育で私学の果たしている役割というのは非常に大きくなっておりますので、私立学校の教員が教職大学院に入学してきて学ぶという、そのための財政措置について、基本施策28には私立学校の振興というものもありますので、そういった中で言及していただければありがたいと思います。
 以上二つです。よろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは全国特別支援学級設置学校長協会から河本会長、よろしくお願いいたします。

【全国特別支援学級設置学校長協会(河本)】

 全国特別支援学級設置学校長協会の河本でございます。最初に、こういう機会を与えてくださいまして、全特協の意見を申し上げる機会をいただきましたこと、ありがとうございます。お礼を申し上げたいと思います。
 全特協と呼んでいますが、全特協、公立の小中学校の中で特別支援学級が設置されている学校の集まりです。これは固定の知的障害学級も含めて、通級による指導の学級も含めて、小中学校の全国約2万2,000の学校に設置されております。その中で、今日、その会長ということで、会を代表して、ちょっと気になることを、現場の学校で気になることということで3点申し上げたいと思います。ぜひこうしてくださいというお願いではなくて、この基本計画を読ませていただいて、ちょっと何点か申し上げたいなと思っていますのでよろしくお願いしたいと思います。
 最初に、この基本計画にありました、ページ45の基本施策5、特別なニーズに対応した教育の推進の中の基本的な考え方にあります「可能な限り」の、この「可能な限り」という文言でございます。「可能な限り障害のある児童生徒が障害のない児童生徒と共に学ぶことができるよう配慮しつつ云々」と、これ平成23年8月に改正されました障害者基本法の中にも「可能な限り」という文言がございます。
 それから、おととしの7月に発足しました中教審の特別支援教育の在り方に関する特別委員会、6月8日、第19回をもって一応ピリオドを打ちまして、7月23日、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」、これ報告を出させてもらったところでございます。この中教審のメンバーの中にも全特協の代表ということで私も加えさせていただきました。この報告の中にも、3ページの4ポツの丸2番の中に「可能な限り共に学ぶことができるよう配慮することが重要である」という文言を入れてございます。
 これから「可能な限り」ということがいろいろなところで言われたり使われたりするのだろうと思っていますが、一般の保護者の方たちに誤解を与えないような形で、ぜひ「可能な限り」が言っている文言の意味をできたら伝えるような方策をしていただきたいとな思っております。
 どういうことかと申し上げますと、「可能な限り同じ教育の環境の場で子どもたちが学ぶこと」ということは、全特協も、それから特別委員会の中でも進めていくべきだという考えに立っておりました。ただ、同じ環境の場で子どもたちの教育ということは、最終的な目的ではなくて手段であろうと全特協では考えてございます。同じ環境の場で子どもたちが学ぶことによって、そこで最終的な目的となることというのは、やはり共生社会の形成者としての素地を子どもたちに一人一人にどう育んでいくかということが、この一緒に学ぶところで子どもたち一人一人が学習していければいいな、そんな体制がとれればいいなと思っております。
 そのためには、常に同じ環境の場で学ぶのではなくて、やはりその子どもたち一人一人の特性に応じた、まさにニーズに合わせた教育環境というのを提供する必要があると。多様な学びの場という言葉で表現されていましたが、通常の学級があって、そして特別支援学級の通級の指導教室があって、そして固定の特別支援学級があって、特別支援学校があるというような多様な学びの場があって、あるときに同じ環境の場で学ぶようなことを講じていくと。それが交流及び協働学習のところにつながっていくのかなと考えております。
 全特協としては、この交流及び協働学習の充実こそが、やっぱりインクルーシブ教育システムの原点に立ち返った教育の場であると考えておりますので、ぜひ、冒頭で申し上げました「可能な限り」の文言が誤解を与えないような形で、ぜひどこかに入れていただければなということを考えました。それが一点目でございます。
 それから二点目は、同じくこの基本計画の冊子の中の同じ45ページの現状と課題の二つ目の丸でございます。ここの中で説明されているのは、個別の指導計画及び個別の教育支援計画の作成された割合が出ておりました。個別の指導計画が65%、個別の教育支援計画が49%と表記されておりますが、この値は、ひょっとすると誤解を招くのではないかなと危惧をしました。
 正確には文部科学省の平成23年度の調査によりますと、幼稚園の個別の指導計画作成率、これは40.1%、個別の教育支援計画が30.9%、小学校でいいますと89.6%、70.6%、中学校でいいますと79.0%、個別の教育支援計画でいうと63.7%、高等学校はちょっと差がありまして、個別の指導計画が19.9%、個別の教育支援計画が17.7%と。
 ここで何を言いたいかといいますと、公立の小中学校は、この個別の指導計画なり個別の教育支援計画なりの重要性は重々承知しております。この計画がなければ、やっぱり障害のあるお子さんの教育というのが引き継いでいかれないと、次の段階に進まないということを考えております。ですから、先ほど申し上げましたように、公立の小中学校では何としてでもこの個別の指導計画、そして個別の教育支援計画をつくろうということで今、動いております。100%を目指すのだということで動いておりますので、先ほどお話ししました、全体で言いますと65%なり49%になりますが、いささかちょっと大ざっぱ過ぎるかなという感じがしますので、ぜひ特別支援学級は努力しているところも少しどこかに入れていただければというお願いでございます。
 最後に三つ目、先ほどの教職員大学の先生方が盛んにお話しされたことと重複しますが、やはり現場の22,000の設置校の中で、大きな課題になっておりますのが教職員の専門性の向上でございます。それぞれの校長が努力しながら、学校の中で専門性向上に努めておりますが、何としてもうまくいかない部分が出てくると。やはりこの大学の出口のところで考慮していただく、あるいは努力していく必要があるかなと思っております。
 それから教育実習が、この春、秋のあたりで、それぞれの大学で行われますが、現場の実習が、例えば三週間、四週間と、果たしてそれでいいのかという問題がございます。あれ一校を経験するだけでいいのかと、あるいは特別支援学級が設置されている学校にどうしてももう一校行く必要があるだとか、二期に分けてやるだとか、いろいろな方法があろうかと思っております。それが一点。
 それから、あとは特別支援学校教諭免許状の保有率が公立の小学校・中学校とも30%台です。30%の前半でございます。これで果たしていいのかということもございますので、ぜひ、この免許の取得の方法を、もうちょっと大学出るときに、簡単にと言うとおかしいのですが、どの人たちも免許を取るような方策を講じられるような措置を考えていただければなと思いました。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 続きまして財団法人全国高等学校定時制通信制教育振興会から石曾根常務理事、よろしくお願いします。

【公益財団法人全国高等学校定時制通信制教育振興会(石曾根)】

 実は私どもは、この4月から公益財団法人になりましたので、よろしくお願いいたします。
 また、この2期の教育振興基本計画のヒアリングに意見を述べる機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。と申しますのは、我々の団体といいますのは、高等学校の一部でございますが、どんな生徒が在学しているかと申しますと、このピンクの冊子が今年の3月に出させていただいたものでございますので、これを、参考にしていただければ助かると思っておりますが、大ざっぱに申し上げますと、この定時制通信制高等学校に学ぶ生徒は約30万人でございまして、全高等学校の生徒から比べると約1割に相当する人数でございますが、主として全日制高等学校を中途退学した生徒、又は小中学校時代から不登校経験を持っている生徒、ずっと引きこもりで、人と話すことに大変な苦労を要するというような生徒もおりますし、さらに最近では、外国籍の子どもが多くなっておりまして、日本語がよくわからないという生徒もおりますし、今、河本先生からお話がございましたが、特別な支援を要する生徒が非常に多くなって、ある学校では1割以上がそういう生徒が在学しているというような状況でございます。
 そしてもう一つ、環境的に申し上げますと、これは皆さんにもわかっていただきたいと思うのですが、我々の団体では毎年夏に、ちょうど勤労青少年ということでお盆にかけて休みがとれるということから、夏休みのところでスポーツ大会をやっております。定通生徒の全国スポーツ大会というのは、神宮球場を借りたり、国立競技場をお借りしたり、いろいろな一流の会場を使ってこういう大会を行っておるのでございますが、どの大会を見ましても、スタンドと申しますか、ギャラリーといいますか、保護者の姿はほとんど見ることができません。これが一つの環境の問題だとお考えいただければ助かると思っております。
 そういうことで、私は今日、申し上げたいことは、今、申し上げましたように、本当に小中学校から、もう教育に落ちこぼれてしまった生徒の集団だと考えていただければ一番わかりやすいかと思っております。こういうところで、先ほどから出てきておりますが、PISAの、要するに成績がトップクラスに持っていくと言われますと、まず、この生徒たちはどこかで切らないと、こういう成績にはならないだろうと思いますし、それからもう一つは、心豊かなといいますか、豊かな心を確実に育てていくという点について、いじめの問題が挙げてありますが、これに関しましては、私の経験上から申し上げて、まことに勝手な意見かもしれませんが、クラスは、少人数と言われますが、クラスの人数が少人数になればなるほど、いじめが大変になると思っております。なぜかと申しますと、定通の生徒というのはクラス数が非常に小さいものでございまして、20人、30人というのが実際の生徒数でございます。そうしますと、1回崩れてしまった人間関係というのは、なかなか修復がうまくいかない。
 ところが、これは上手に使っていただければ、落ちこぼれた生徒に対して、各教科で細かく分けて授業をしていただくことについては非常に助かることだと思います。ですから定通制高校で、漢字がうまく読めないような生徒が入学しても、立派に大学に合格するような生徒が出てきております。といいますことは、中に御理解いただけることだと思っておりますが、前にも述べました様に、授業は少人数でも、クラスは多い人数で、集団の中で人間性を磨くことは、やっぱり一番大切なことではなかろうかと、私はこの長年の経験から思っておりまして、定通制生徒にかかわって、今年で大体私は50年ほどになりますが、この生徒たちを見ていますと、クラスの人数は多くても授業の人数が少人数ということが第一に言われるのではないかとも考えております。
 ですから我々の団体では、どのようなことを考えるかというと、まず生徒たちには基本的な学力をつけることはもちろんのことでございますが、それに加えて人間教育を第一に、好ましい勤労観、職業観を養っていく。そして社会的ルールをきちんと学ばせるということを前提に、全国で我々のグループに入ってもらっているのは750校ほどございますが、この子どもたちにこういう教育をしてほしいんだと考えております。
 それで時間もなくなってきてしまいますので、まず基本政策の1番の確かな学力を身につけるための教育内容・方法につきましては、先ほどから述べているとおりでございますし、豊かな心の育成ということも述べました。
 それから三番目の教員の資質・能力の総合的な向上と、どなたも述べておられますが、特に私は定通制の生徒を担当される先生方にお願いしたいということは、よく聞くことですが、生徒が「先生、何で勉強しなくちゃならないのか」と。これを聞かれたときに、すぱっと答えられる先生はほとんどおられないという感じ。私は初任者研修や中堅教員の研修の講師をよく務めさせていただいておりますが、そのとき私も聞いてみます。「なぜあなたは高等学校でこんな難しい数学を教えるのですか。」全然答えることができない。「小学校をまともに出なかったお母さんなりお父さんを考えてみよ。自分の子どもたちをいじめたり、虐待したり、又は殺人まで犯すような親はいなかったはずだ。この辺のところをよく考えて、皆さんよく子どもたちに接してくださいね。」これを私は念を押してお話をして、お願いをしております。ですから、これをはっきりとわかるような先生になっていただけると、私は定通制の生徒はもっとよく勉強して伸びていくだろうと自信を持って言えることだと思っております。
 大学院で勉強された先生も何人もおられますが、ここにおられる教職大学院の先生方は別として、ほかの大学院を出られた先生方を見てみましても、専門はよく勉強されます。ですが、本当に「では、あなたは何のために先生になったか」ということについては、あまりよくわかっていない。こういうことについて私は、こういう基本方針ということを言うときには、先生方にぜひ考えていただきたいと思っております。
 時間も参りましたので、まだたくさんお話ししたいことがございますが、ここで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、これまでの御説明を受けて、委員の皆様の中から質問あるいは御意見があれば、ぜひともお寄せいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。なぜあなたは勉強するのか、あなたはなぜ教師になったのかって、これ、どこにでも共通する問いですね。

【公益財団法人全国高等学校定時制通信制教育振興会(石曾根)】

 そうだと思います。ですが、ほとんどそのことについては大学では学んでこなかったと答えられます。ですから、「教育原理というのは習わなかったのですか」と聞きますと、「いや、習いました。」と。では、「そのときは何を習ったの?」と聞きますと、「誰々が何と言ったとか、誰々がこんなことを言いましたという話だけでした」ということで、私は、「微分積分みたいなあんなのを勉強しなくてもいいんじゃないかね」と言いましても、なかなかわかっていただけません。ですから、先ほどから念を押してお願いしているように、定通制の生徒は、俗に言う落ちこぼれと言われる生徒の集団みたいなものですから、ぜひこのことをはっきりと教えていただければ、勉強する意味がよくわかって、ますます一生懸命勉強してくれるものと、私はさっきから言っているように自信を持って言えることだと申し上げております。

【三村部会長】

 いかがでしょうか。何か御質問、御意見、ありますか。安西さん。

【安西副部会長】

 よろしいですか。貴重な御意見を聞かせていただきまして、まことにありがとうございます。教員養成の修士レベル化の件についてなのですが、特別支援教育あるいは定時制高校の課題等々、非常に私は大事なことだと思っております。その中で、教員養成の修士レベル化につきまして、これも大事な案件だと思いますが、修士レベル化をするときに一体どういう生徒、児童を育てていくのか。その修士レベルで何を一体、教員養成系の学生に教育をするのか。これからの時代、小さいころからそれぞれの子どもたち一人一人が自分の力を生かせるような時代になっていかなければいけないと思っておりますが、そういうことをサポートする、この振興基本計画で言えば、自立・協働・創造ということがうたわれておりますが、そのことに向けての教育内容、教育方法を修士レベルにおいてとっていただけるのかどうかということをぜひお伺いしたいと思います。

【三村部会長】

 これは、お二人ですか。

【安西副部会長】

 村松さん、日本教育大学協会又は教職大学院協会にお伺いできればと思います。

【日本教育大学協会(村松)】

 具体的に、これから修士レベル化が実際に制度化された場合、また制度化される以前でも、日本教育大学協会に加盟しているような大学では、具体的な取組をしていかなければならないだろう、先導的な取組をしていかなければならないだろうと思っています。
 そのときに、今の安西委員の御質問から言えば、開放制というのがあるわけで、これまでの修士レベルについても、おそらく何らかの教職プログラムみたいなものを学んでいただいた形で一般免許状を取得するという、今日出ている構想みたいにつながるのだと思います。おそらくそういうところで役割分担ということがある程度は出てくるのではないか。つまり、特に高校レベルなどですと、非常に教科に強い先生を必要とする高校もありますが、もっと本当に広い意味での人間形成の、そこのところをよく学んでいるような先生を育てる大学院も必要だろうと思います。
 そういう意味では、もともと教員養成系の大学の学部の上につくられたような教職大学院あるいは修士レベルでは、そこまで細かいことまでお約束できないし、これからの制度設計とは思いますが、特にそういう部分は積極的に担っていく必要があるのかなと、そういうプログラムにしていく必要はあるかなと思っているところでございます。

【日本教職大学院協会(加治佐)】

 今の御質問は修士レベル化して、どういう力を身につけさせるのかということだったと思いますが、御承知のように、まだ今はいわゆる四年制大学卒業者がほとんど教員になっているわけです。それを我々は修士レベルまで引き上げるべきだと言っているわけです。ということは、結局なぜ修士レベル化が必要なのかということをお答えすることは、どのような力を養うかということにもつながると思いますので、そういう観点からお話ししたいと思います。
 教員養成期間を伸ばして、教員に高度な力を身につけさせる必要性についてはいろいろな理由が語られますが、私は一つだけ申し上げたいと思います。それは、今の学部卒レベルでは、いわゆる学び続けられる教員としての基礎能力を養うのが難しいということです。つまり答申等に書いてあることでもありますが、学校現場は昔とははるかに状況が御指摘のように異なっています。保護者の変化、子ども自体の変化、例えば特別支援を必要とする子どもたち、障害のある子どもたち、外国語教育、もう様々な環境の変化の中にさらされております。そういう中にあって、22歳の学生というのは、はっきり申し上げて日本は非常に成熟した高齢社会になってきていて、学生自身がなかなか卒業時点でも成熟した一人前になりにくいという環境があるのだと思います。とすると、やはりそういう人々がその状態で現場に出て行っても、なかなかそういう環境に適応して新しいものを学んでいくというふうにならない。それよりも、やはり4年プラスアルファ、4年プラス2年ということで学部段階ではとりわけ幅広い教養とか体験とか、そういうものを積み、学校の実習も少し行い、更に大学院レベルでより高い専門性と現場での長い実習を通じた実践的な力というものを身につけないといけない。つまり、これは要するに学び続けるための基盤が大学院でしかもう養われなくなっているのだと。そのことによっていろいろな難しい課題等々を自分で勉強し、あるいはほかの先生方と協力して勉強していくだけの研究力といいますか、そういうものが身につくのだということだと思います。だから、やはり教員の基本資格として修士レベルが必要だと思って我々は主張しているわけです。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見。國井委員、どうぞ。

【國井委員】

 ありがとうございます。関連する御質問です。高度な専門性が必要になってきているというのは私も認識しており、基本的に修士化ということは重要だと思っているのですが、教員になられる方たちのモチベーションもよく考える必要があると思うのですね。学部からストレートに修士に行って勉強するのがいいのか、一度現場に出て、課題を認識して、それから修士に行くのがいいか。後者のパターンも重要だと思うのですね。その方が勉強すべきことが明瞭となり、モチベーションが沸いて、深く勉強できるのではないかと思います。
 米国でゲイツ財団が教育についてちょっとコメントしているのを見たのですが、いい教師が必ずしも修士を出た人でもないし、学歴の高い人でもないといっています。非常にそのモチベーションが高い人で、もちろん学部からでも勉強してなられる方もいらっしゃるので、それも可能にしたい。できるだけ現場の問題に関して肌で感じられるような場をつくる。大学のインターンシップの中というか実習の中でもいろいろやられるかもしれないのですが、そこはいろいろ配慮して教育プログラムをつくる必要があるのではないかと思います。

【三村部会長】

 これは、いかがですか。お答えは。

【日本教職大学院協会(加治佐)】

 答えましょうか。

【三村部会長】

 どうぞ。

【日本教職大学院協会(加治佐)】

 御指摘のとおりだと思います。実際、今、教職大学院、それ以前から修士課程でも、現職教員といわゆる学部卒の学生、一緒に学んでいるわけですが、おっしゃるように明らかに課題意識や、いわゆる力量は違います。おっしゃるように、やはり現場に一遍出て、課題や問題意識を持って学びにくるほうが、もちろん効果的だと思います。それはもうそのとおりだと思います。ただ、先ほど言いましたように、教員としてのいわゆる基盤的能力を培わなければいけないのだということになりますと、今すぐにはできなくても、やっぱり最終的には全ての人々が修士課程を出て、修士の力量を持っているということにならなければいけないのだと思います。そうすると、他の専門職といわれるお医者さんや弁護士さんがそうであるように、やはり入職の時点で、やっぱりそれだけの高度な力というか、あるいは発展可能性というか、成長可能性というか、そういうものを持つ者がほとんどであるべきだと思うんですよ。その点から言うと、全員が入職段階でいわゆる修士レベル化しているというか高度な能力を持つことを目指すべきだと思います。そういう仕組みづくりに最終的に持っていかなきゃいけないと思いますが、しかし当面は、この大量採用の時代にはそういうことは難しいと思うんですよ。徐々にやっていくということになっていくと思います。
 一方現職の方も、そういう課題意識を持った者が学べるような場というものを当然用意しなきゃいけないと思います。そのためには、先ほど言いました研修等定数を増やしていただいて、必ずリーダーになっていく、そういう人材養成が必要だと思います。ただ現実には、今、私ども教職大学でやっておりますが、いわゆるこれから教員になる学生と既に教員である学生に、同じカリキュラムを提供しているところと一部分けているところがあるわけですね。どちらも利点はありますが、基本的には分けるほうが私はいいと思っています。ただ分けるとなると、カリキュラムを別々につくらなきゃいけない。例えば実務家教員ということがよく言われると思いますが、現職教員に対応する実務家教員と、ストレート学生に対する実務家教員は違うと思います。あえて言うと現場ですぐれた先生は、ストレートの学生には十分対応できます。これから教員になろうとする者は教え方のうまい先生を見たら感動してすぐ言うことを聞きます。ところが一定程度経験した先生は、それだけでは全然納得しません。自分の方ができるわと言うのがおりますので。やっぱりそれにはアカデミック性というか高度な専門性の上での実践性を持たないと、まず難しいと思います。というふうに、教える人もまた違わせなければいけないということがあって、非常にコストがかかるといいますか、手間がかかるということがありますので、そこは非常に悩ましいところだなと思っております。またぜひ御支援をお願いしたいと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 どうぞ、木村委員。

【木村委員】

 私、中教審の教員養成課程の議論に参加して、修士化の議論に加わっておりましたが、ずっと疑問に思っていたことがあります。私自身は、工学部の人間ですが、今先生方のお話を聞いていますと、どう聞いても、上からこうしろと言われているから仕方なくやっているのだとおっしゃっているような気がしているようでなりません。工学部の場合は、3年生、4年生になると勉強量が更に増すのですが、それを経験すると、このまま世の中に出たら大変だということを自覚する様になります。それで、修士課程に大勢進学するのであり、とにかく良く勉強します。二年間でがらっと学生が変わってしまいます。私、40組ぐらい、卒業生の結婚の媒酌をしたのですが、ほとんどの両親が、本当にあの二年間でうちの子どもが変わったということをおっしゃいます。それは何故かというと、自分で問題意識をつかまえて、それで勉強しようという意識になるし、研究室の中の競争もすごいからです。そういうことが教職大学院で実現するかどうかというのは私、非常に疑問に思っています。申し上げたいのは、学部のときの動機づけをきちんとやらないと絶対うまくいかないということです。
 それからさきほど、國井委員が言われたように、一度教員を経験すると問題意識をつかまえられますので、何かそういうシステムについてもお考えになるべきではないかと思います。私は現状では、うまくいかないのではないかなという心配をしています。辛口の意見で申しわけありません。

【三村部会長】

 どうぞ。

【日本教育大学協会(村松)】

 直ちに工学部の修士レベルのようになるかはわかりませんが、今回の制度設計は学び続ける教員像を確立するということで、免許制度の改革とセットにしているわけですね。仕組みとセットにしていますので、今、学部では相当大勢の方が免許を取っておこうという形で取っているのに対して、あと二年学ばないと一般免許状が取れないという仕組みになれば、そこには相当モチベーションの高い学生たちが来てくれて、教育プログラムの方ももちろん充実させなければいけませんが、そういう仕組みの好循環を目指していきたいというのが今回の制度設計だろうと思っていて、それを実現させるようにしたいと思っております。

【木村委員】

 先生ちょっとよろしいですか。私のポイントは、制度とかそういうことで刺激されるのではなくて、工学部は自分が自分を高めようということで修士課程へ勉強しにくる連中が多いということです。それを申し上げたかったのです。

【日本教職大学院協会(加治佐)】

 よろしいですか。今、教職大学院は、ほんのまだ25大学定員815と、非常に少ないわけですね。大体現職と、これから教員になろうとする者が半々ぐらいだと思ってよろしいですが、先生がおっしゃりたいのはこれから教員になろうとする者だと思いますが、これは学部生とは雲泥の差があります。採用試験通って猶予制度を使って来る者、採用試験落ちて来た者、更には社会人もおります。民間会社をやめて30歳ぐらいで入ってくるという学生もおります。そういう学生、つまり4年プラス更に投資する、あるいは職業を中断して投資して来ているということがあります。ということは、別の言い方をすると教師というものの魅力性といいますか、それは非常にあるのだということですよ。マスコミはいろいろなネガティブなことを報道はしますが、実際教員になろうとする人は潜在的にはたくさん、社会人の中にもいるということです。そういう者だけが来ますので、非常に学び合いの雰囲気というのは高いものがあります。あえて言うと人生がかかっていますから。もう教員採用試験に受からなきゃ生活がないわけですよね。だからそういう面のこともあって、それは、私は間違いなく大丈夫だと思っております。ただ、そういういい学生を引きつけるためには、今後はやっぱり大学院を出たら、ほぼ教員になれるというものをつくらないといけない。行っても今の学部の開放制と同じで、ほとんどなれないということになったら、これはほとんどいい学生は来ないと思いますね。ぜひなれる教職大学院づくりをしないといけないということだと思います。

【三村部会長】

 次に竹原委員、よろしくお願いします。

【竹原委員】

 ありがとうございました。大学院だけでなく四年制もですが、地域社会とともに子どもを育てる担い手のプロフェッショナルとして、コミュニティが重視されていますが、その中でどのような視点、カリキュラムが大事だとお考えかをお聞きしたいと思います。

【三村部会長】

 これは、どなたにお答えいただけますか。

【日本教職大学院協会(長島)】

 現在、教職大学院、設置基準で必修の5領域というのがありまして、その中で地域社会との連携という領域もありますので、そこで現在、どちらかというと理論的なことに重点が置かれているかもしれませんが、一部、実務家、今現在教員の経験者も入って、実際に自分の経験や学校での実践例も含めながら、地域社会との連携について取り上げているというのが現状かと思います。
 それで教職大学院は実習の期間が非常に長いですので、その実習の間に学校で実際に地域社会と連携してやっている学校、現在、非常に増えておりますので、そういったことを実習でのテーマとして取り組んでいる学生もおりますので、そういった経験をこれからまた生かして、その修士レベル化に向けてカリキュラムの充実というのを図っていく必要があるのではないかと思っております。

【三村部会長】

 質問はあと二つありますので、相川委員、よろしくお願いします。

【相川委員】

 先ほどの修士課程の話ですが、今、学校では若い先生が非常に早く潰れてしまう。それと随分悩む。ストレスを抱える。こういうことが果たして6年そのまま勉強を積み重ねていって解決できるのだろうか。私は、やはり教師になるには個人の職業性を早く感じ取るということが大事だと思うんですね。4年生で一度現場に出てみて、自分は教育に対してどのようなモチベーションを持って職業としていくかと考えるということも必要ではないかと。6年たったら意外と取り返しのつかない状況になることもあり得る。その辺をぜひ6年のうちに、多くの学校現場に出向き、そのような機会をとらえ実感してほしい。教師というのは子どもと親と、やはり地域の信頼関係をどうやって結ぶかということが非常に大きな問題になってくると思います。先ほどの定時制の問題ですが、引きこもりでなかなか出てこられなかった、そういう子どもが多くこのごろ見受けられると。そういう子どもたちの心と親の環境をどうやってつかむかということも大きな教師のやはり資質になるのではないかなと思っています。

【日本教職大学院協会(加治佐)】

 よろしいですか。

【三村部会長】

 どうぞ。はい。

【日本教職大学院協会(加治佐)】

 そのことはよく指摘されることですが、教職大学院での、というか大学院レベルの学びというのは、これまでのイメージとは違うんだということを御承知おきいただきたいと思います。大学院というとどちらかというと座学といいますか、本を読む、あるいはコンピューター、あるいは調査研究する、そういうイメージだと思いますが、教職大学院とか、あるいはこれから目指している修士レベルの大学院というのは、まずはグループワークといいますか、お互い同士の議論、あるいは先生との議論、そして現場というフィールドが常に足元にあるという中で行われていくということです。ですから教育実習も長期間ですし、さらにはいろいろな授業の中でもフィールドワークをしていくということが行われます。実習も、いわゆる実習というよりもインターンシップに近い、いわゆる滞在型ですね。ですから、それは実際に先生になった場合とそれは一緒だとは申しませんが、かなりの程度やはり学校の一員として勤めるという形をとらなければ意味がないと思うのです。だから要するに修了した段階では、目指しているのはいわゆる即戦力ですから、むしろ先生が危惧されるような、向いていないかどうかというのは大学院段階で判断されてくるんだという考え方をしています。だから修了できない者は向いていないのだという捉え方です。

【三村部会長】

 石曾根さん、どうぞ。

【公益財団法人全国高等学校定時制通信制教育振興会(石曾根)】

 ちょっと失礼しますが、私は大学院大学というのは、とてもいいアイデアだとは思います。ですが、私は経験上、若い先生方は集団で行動するということにはほとんど慣れておられないのです。ですから、引きこもりの子どもたちと自分が近いレベルで話していくから、なかなかこれ大変なのですね。本来は、人間関係というのは集団の中で培われていくものだと私は考えます。それが少人数という形で持ってこられるものですから、本当に人間関係がうまく組み立っていかなくなってしまっているのですよ。そういう面でも、私はたくさんの人たちに触れ合うということを考えてほしいなと思っております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 最後の質問になります。田村委員、よろしくお願いします。

【田村委員】

 ありがとうございます。大変、安西先生、木村先生、相川先生ですか、いい御指摘をいただいたと思いますが、実際、現在は教職大学院大学がもう動き出していまして、評価をやっています。私もその評価、実際現場に行って確認させていただいていますが、御指摘を十分に踏まえてやっているなというのは率直に感じているところです。
 ですから、私がこの問題でやっぱり一番大事だなと思っているのは、日本の社会っていうのはアカデミックな学習と社会における働きです。先ほど木村先生が御指摘しておられました。これが分離しちゃっているところが多いんです。本来はアカデミックな作業が社会に出て生きるような仕組みにしておかなければいけないんですが、分野によってはそういうふうにならなくなっちゃっているというところがたくさん見受けられるわけです。
 教職の場合は、教育学部といいながら教員養成を全然考えていないようなところもあるわけですよね。教育学部の先生でありながら、私は教員養成、社会的な教員を養成するという責任を思って教育していないということを公言されている先生も現実にいらっしゃいます。この現実を見ますと、このまま放っておいたのでは、それこそ学部だろうが大学院だろうが、学んでも教育にちっとも反映されてこない。それが今回の教職大学院大学を真剣にやれば、社会が少し変わってくると期待しています。木村先生がおっしゃったようなとおりでありまして、要するに工学部の場合は勉強していたら社会で通用しないというので、これで真剣に始めたというきっかけなんですが、まさに教職も、本来そういう刺激があるべきなんですが、教えておられる先生方にはまだなかなかそこまでの思い切りが、ある、ちゃんとやっている人もいるし、そうでない方もいらっしゃるということで、やはりこの仕組みで日本における、大学における教育と社会の連携ですね。段位をつけて、修士になったらその職業の何段だというようなところをしている国もありますが、そこまで行くかどうかは別としても、少なくとも今回の仕組みでやっていかない限り、教育が抱えている基本的な問題というのはなかなか解決できないだろうという気がします。
 実は困難なことが、これからどんどん起きてきます。いわゆる不登校の問題が御指摘ありました。それ以外にも家庭内暴力もものすごく増えてきている。子どもは精神的ないろいろな問題を持ち出してきている。それからなおかつ現場では、日本語が十分でない子どもたちがどんどん増えているわけです。それに対する対応をするときに、養成が従来どおりでいいかというのは、私はそうはいかないと思います。この5年間の統計を見ると愕然とします、やっぱりこの変化は。ものすごく難しくなっています、現場が。だから本当に真剣になって日本社会は教員養成を今までどおりでいいと思わないようにしないと、しっちゃかめっちゃかになっちゃう危険があるという気がしております。
 ちょっと余計なことを申し上げたようで、すみません。

【三村部会長】

 応援演説に思って、お受け取りいただきたいと思います。
 第1セッションはこれで終わらせていただきます。どうも本当に御出席ありがとうございました。
 それでは第2セッションに移りたいと思います。同じ要領でやらせていただきます。まず日本私立小学校連合会から加藤常任理事、よろしくお願いいたします。

【日本私立小学校連合会(加藤)】

 まず、今日このような場で発表することを与えていただいて感謝いたします。我々の意見書は、ここにまとめてありますので、これをそのまま読んでもあれですので、簡単に私なりにまとめてお話ししたいと思います。
 まず、現在の経済不況が続く中、そして資源の乏しい日本が、ここに書かれているように教育立国を目指すと、こういうのは間違いなく、やはりこれからの日本は人材を輩出するということが世界にとっても大変大切なことであるのは明白であります。これまで欧米に追いつけ、追い越せの時代は、一律の教育、一律の上からの教育といっていいでしょうか。そういう形で全体のボトムアップ、あるいはアベレージを上げるということは、それなりの効果があったと思うのですが、現在の日本のように成熟社会になった今、上からの一律の教育では、やはりどうしても限界があるのではないかと感じています。
 その上で、審議経過報告の中で書かれている基本的な方向性ですね。社会を生き抜く力の養成とか、未来への飛躍を支える人材の養成、学びのセーフティーネットの構築、きずなづくりと活力のあるコミュニティの形成、これはもう本当にこの方向性はまったく間違っていない。おっしゃるとおりだと思うのですが、実はこれを実現するには数々の障壁があるかなと思っております。
 まず、その第一の障壁は、やはりはっきり申しますとお金の問題と。やはり教育にもう少し投資をするということを考えていただかないと、ここに書いてある目標は間違っていないんですが、実行段階でどうするかというところになると、どうしても実現不可能ということではないかと感じられてしまいます。その報告書の中にも双方向の講義、実験・実習の授業、問題耐久型の授業、語学力の向上と、それからクリエイティブな人の養成と書かれている。これも間違いないことですが、そのためにはやはり、先ほどこちらの方も申しておりましたが、クラスは小さいのはまずいと。クラスは確かに大きいほうがいいんですが、授業は、これは20人規模の授業でやらないと、なかなか双方向の授業とか、実験方の授業、それから本当に語学力の、一人一人に何か言わせるとか、そういうことができない。それにはどうしても教員の人数が必要だということは、やはりお金がかかるということになります。
 それから近ごろIT企業、盛んにコンピューターはもう学校では必須になっているわけですが、これも最初の段階では補助金とかそういうのを使わせていただいて、一応そろえるんですが、5年ごとにやっぱりリプレースをしなくてはならないと。一回投資したら終わりというわけではない。近ごろまた電子黒板とかそういうことも出てきていますが、これもまたお金がかかる。
 しかし、授業が小さくなってインタラクティブになれば、もしかするとこのIT機器というのはあまり大きな重要性を持っていないかもしれない。そこまでの小さい授業で、教員とたくさんのコミュニケーションが行われるようになればとは思っています。
 次に、先ほど、この教職大学院の方がいらしてあれですが、教員になりたい、教員が魅力ある仕事だというのがやはり薄れているのではないかなということで、教員のやっぱり待遇、給与の向上というのは、これ公立・私立問わず必要なのではないかなと。いわゆる学生たちが先生になって次の子どもたちを育てるのだという魅力ある仕事になるかどうかというのは、やはりいい人材を供給するポイントではないかなと思っています。ただ、現在の報道のように、いじめ問題、もちろん学校にも責任はありますが、一方的に教員の責任があるような報道がされると、もしかすると教員というのは、これはちょっとなかなか大変な職業じゃないかなと、なかなか敬遠するというようなことも出てくるのではないかなと危惧しています。
 この教員の採用ですが、もちろん、やはり教育系の大学が中心になるとは思いますが、私どもでは広く人材を求めると。そういうような、いろいろな経験を積んだ人が教員になるというような逆にシステムの方が、学校の閉塞感がなくなると思っています。教員というのはどうしても狭い社会で起きていますので、こちらの方、企業の方がいて申しわけないのですが、変に引っこ抜くとかそういう意味ではなくて、企業の人でもやっぱりもう一回教育現場に、教育をやってみたいとか、そういう人がなる。あるいは一流のスポーツマンが、自分の経験をぜひ教育に生かしたいということでなる。いろいろな形で教員になる窓口を開いていくということは、教員の中にもやっぱり風を吹き込む上でも、私は大切なことではないかなと思っています。
 次に、ここに書かれた目標、これに実現不可能なことは、一つはやっぱり日本の入試という問題が入っています。こういうのをやりたい、どこの学校もやるべきだと思っていても、今の日本の入試形態を考えると、そうは……。これをやりたいが、やっぱり現実問題入試を考えるとできなくなってしまうと。ほとんどの、今、大学がかなり、50%近く一般入試ではない入試形態であると言われていますが、それでもやはり日本の入試のイメージは、やはりペーパーテストで一発勝負、それもマルかバツかというような問題。それが、次の高校段階の高校入試にも行われる。そうすると高校入試のために中学入試も、私立の学校ですが、中学入試でもそういう問題がある。これはやはり数の問題もありますが、いわゆるマルかバツかというような問題だけで、しかも一発勝負でやるということですと、これは、いくら目標をここに設定しても、現実問題はできなくなってしまうというのが実情じゃないか。
 ただ、これもやっぱり入試に関しても、僕は幾つかのいろいろな面を評価するような入試にしたらいいのではないかと思っています。もちろん面接も入れる、エッセイも入れる、それから高校3年で受験勉強しなくてはならないというのではなくて、高校3年でも学校の生活をちゃんとやる、又は自分のクラブとか、又はボランティアをちゃんとやるという評価を学校でしてくれるということになれば、もう少し学校は、本当に、ここに書いているような目標に近づく教育ができるのではないかといった、それにはやっぱり手間とお金がかかるというのが現実ではないかなと思っています。
 しかも私なんか個人的に不思議だと思いますのは、学校ではそういうテストをしながら、企業の入社試験でペーパーテストをやっているところは少ないと。果たしてそういう準備は、本当に社会に行ける準備はそこでできているのかどうか。しかも企業に行ったら、ほとんどのことがマルかバツかわからない問題を、いろいろなことをトレードオフしながら、いろいろなことをこれがいい、これが悪いというようなトレードオフしながらやっていくと。そういう訓練ができているかどうかというと甚だ疑問にならざるを得ません。
 ということで、まず、しかもクリエイティブな人間を育てるのは、マルかバツかではかっていい人間はクリエイティブになれるわけないので、前、イギリスに留学した先生が、日本の記述式問題は記述式問題ではないと。先生が言われたことをトレースしていけば丸がもらえるだけで、イギリスではそれプラス自分のオリジナリティーがないとAの評価はもらえないという話を伺ったこともあります。
 ということで、お金と、やはり投資をしていただくというのと入試改革というのがここの目標に近づくための方法になるのではないかと。私立という立場からいいますと、よく言われることですが、ぜひ公私間の格差をなくしていただいて、補助をいただければありがたいんですが、またこれも勝手なお願いで申しわけないのですが、一律の教育ではない、これからの必要性から考えると、建学の精神に基づいて独自の教育をやっている私立の役割はこれから大きくなるのではないかと思っています。それが財政的な面で受けられないということのないようにお願いしたいのですが、ただ一方、カリキュラムの独自性は、ぜひ認めていただきたいと。ただカリキュラムの独自性を認めたからといって、その私立の学校が入試のために便利なカリキュラムを組んでしまうようなことがあるとまずいと思いますが、本当に、入試のためじゃなくて自分が建学の精神に基づいた教育をやりたいというカリキュラムは認めていただければありがたいなと思っています。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は公益社団法人全国学校栄養士協議会から長島会長、よろしくお願いいたします。

【公益社団法人全国学校栄養士協議会(長島)】

 公益社団法人全国学校栄養士協議会の会長をいたしております長島と申します。私どもの組織は、全国の栄養教諭及び学校栄養職員で構成しておりまして、児童生徒への食育推進や健康増進に関する調査研究及び学校給食の実施並びに振興に関する活動などを行っております。
 本日は、このように貴重な時間をいただきまして、意見を述べさせていただきますこと、心より感謝申し上げます。
 近年、子どもたちの偏った栄養摂取、朝食欠食等の食生活の乱れが生活習慣病を引き起こす一因であることも懸念されている現状を踏まえまして、学校教育の中で健康教育にしっかり取り組んでいくことが望まれております。
 子どもたちにとりまして、食生活の改善や睡眠時間の確保など生活習慣の確立は、生きる力の基盤であります。その第一義的な責任を負うべき家庭の教育力の低下傾向も否めない中、子どもへの食育は学校教育においても充実が望まれているところでございます。
 このことを踏まえまして、現行の学習指導要領においては、食育は社会の変化への対応の観点から教科等を横断して改善すべき事項として示され、その総則に学校における食育の推進が明確に位置付けられております。さらに、関連する強化等においても、学校における食育の推進に関する記述が充実しているところでございます。
 栄養教諭制度が創設されて7年が経過いたしました。私たちは学校給食管理と指導を一体のものとして、学校における食育の中核的な役割を果たしつつ、自らの資質向上を図り、日々職務を遂行しているところです。しかしながら全国における栄養教諭の配置率は、添付させていただいております表のように、平成24年度現在38%であり、その上更に各都道府県における配置の格差は非常に大きく、児童生徒が等しく食育を受けることのできない状況が懸念されております。
 次代を担う子どもたちに、この変化の激しい社会を生き抜く力をつけ、確かな学力、豊かな心、健やかな体を身につけさせるに当たり、これらを支える根幹は、まさに食であります。健康で豊かな人間性を育んでいくことができるよう、健全な食生活について正しい知識に基づいてみずから判断し、実践していく能力などを学校教育の中で子どもたちに身につけさせていくための食育の担い手である栄養教諭の一校一名の配置が実現できるよう、学校教育法第37条の栄養教諭は「置くことができる」職員とされているところを、「置かなければならない」職員に改正していただきたいと思います。
 次に栄養教諭は教職員定数の標準に関する法律第8条の2に示されるように、学校給食の単独実施校又は共同調理場が抱える児童生徒数により配置をされており、現行では産休や育休の代替は、栄養教諭としては配置されない状況にあります。このようなことでは学校における食育を継続して行うことができず、栄養教諭の立つ位置も極めて不安定なものになります。基本計画で示されておりますきめ細かで質の高い教育に対応するために、教職員配置の適正化が重要であることから、栄養教諭の定数もぜひ計画的な改善を検討していただきたいと思います。
 次に学習指導要領解説では、「食に関する指導に当たっては、栄養教諭等の専門性を生かすなど教師間の連携に努めるとともに、地域の産物を学校給食に使用するなどの創意工夫を行いつつ、学校給食の教育的効果を引き出すよう取り組むことが重要である」と示されておりますが、現実には取り組む内容、時間数が明確に示されていないために、取組に学校格差があり、子どもたちが等しく学んでいる状況にないことから、次の事項についてお願いをいたします。
 一つは栄養教諭が行う教科による食に関する指導は、体育の中の保健領域、家庭科、中学校保健領域並びに家庭領域に、明確に授業時数と内容を明示していただきたいと思います。
 二つ目に、食に関する指導は、小学校・中学校、それぞれ統合して食を指導する教科「栄養科」として、指導内容の一貫化と進化を図っていただきたいと考えます。
 次に防災教育の取組について意見を述べさせていただきます。ライフラインが途絶えた中での命をつなぐ食は、成長期の子どもにとっても最も重要なものであります。学校における防災教育の中に、ぜひ、栄養教諭が災害発生時に備えた食の確保と栄養について、指導することのできる時間と機会を明示していただきたい。
 以上でございます。ありがとうございました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次に全国都道府県教育委員長協議会、全国都道府県教育長協議会、安倍委員、よろしくお願いします。

【安倍委員】

 お願いいたします。木村委員長もおられますが、私の方で意見を述べさせていただきます。
 私、教育長協議会の方の第3部会のまとめ役をやっております。第3部会は教育行政ということで、その関係もありまして、お時間をいただいて御説明をさせていただきます。
 22ページからの組み立てに従いまして、御説明をさせていただきます。まず全体を通じてでありますが、第2部に関連して全体を通じて、1の方策と同様に2の環境整備、それから3の復旧・復興支援につきましても、成果目標それから成果指標を設定すべきではないか。また計画全体の進捗をどのように評価・改善していくのか、その方向性を示していただきたいということであります。
 次に23ページであります。基本施策1の、ここで1-3について申し上げます。高等学校教育の改善・充実であります。全ての生徒に共通して身につけさせる能力の明確化については、現在の個々の高等学校の特色というものが損なわれない範囲で検討をしていただきたい。また育成すべき人材像については、学校卒業後の社会参画、これを強く意識させるよう言及していただきたい。さらには修得状況を把握する方法の確立というものを方策として打ち出していただければありがたいということであります。
 基本施策3-1であります。二つ目の項目の方でございますが、教員免許更新制度に関連したこの更新講習は、実質的には研修であるということから、研修制度の枠組みの中に位置付けるなど、更新制度の方向性等を含めて研修制度の在り方について記述をお願いしたい。特に10年経験者研修等の法定研修等の整合性を含めて、十分検討する旨の内容を盛り込んでいただきたいということであります。
 それから基本施策5でございます。基本的な考え方の中に教育内容・教育方法というのがありますが、ぜひここには人的配置、それから施設整備の改善・充実ということも加えていただきたいということであります。
 それから5-2の発達障害がある子どもへの支援ですが、特別支援学校のセンター機能の充実というものが必要であり、24ページに参りまして、ぜひ特別支援教育コーディネーターの配置を更に促進することについてお願いしたいということであります。
 三番、学びのセーフティーネット、基本施策16であります。16-3でございますが、高等学校段階に係る教育費負担軽減であります。奨学金については、所得連動返済型の無利子奨学金制度についてのみの記載となっておりますが、この制度は返還期間の長期化等による都道府県の財政負担にも課題があるということから、ぜひ国の負担による給付型奨学金の制度創設についても記載する必要があるのではないかと考えております。
 それから成果目標7について、成果指標の丸2でありますが、学校の防災関係設備に係るところでは、指定避難所に指定されている学校以外でも避難者の待機場所として利用されることが想定されることから、ここでは全ての学校を対象とすべきではないかと考えております。
 また防災関係で、基本施策の18それから18-1ですが、ぜひ津波被害対策ということについても記述をお願いしたいと思います。
 基本施策の19であります。25ページに参りまして、学校運営がコミュニティの活力の差に影響されないように、ぜひ学校にコーディネーターというものの配置をお願いしたいということであります。またそのコーディネーターについては校務分掌への位置付け、あるいは社会教育主事有資格者の積極的な活用などの仕組みづくりについても検討する必要があるのではないかと考えております。
 それから基本施策21に関連してでございますが、ここにつきましては、基本的な考え方につきましても現状と課題の中に「福祉等と連携」といった記述がありますので、ぜひ基本的な考え方の中にも「福祉等と連携」と、いわゆる県で言いますと教育委員会だけではなく福祉行政、労働行政等との連携も必要ではないかというところをお願いしたいと思います。
 それから次の項目でございますが、現状と課題におきましては、児童虐待や育児放棄などの発生を防止するため、次の世代の親となる青少年に、親になるための学びの機会、これを提供する必要があるということについても言及する必要があるのではないかと考えております。
 21-1は先ほどと同じでございます。
 基本施策22でございますが、県費負担教職員の人事権の移譲につきましては、一定の教育水準と教育環境を確保する観点から適切に検討を進めることが必要であります。そして人事権者と、それから給与負担は一致させるべきであるということから、まずは政令指定都市について早期にスケジュールを示し、実施すべきであると考えております。
 次に基本施策23の教職員体制等の整備でありますが、ぜひ、ここには、「地方における教職員採用や施設整備に支障が生じることがないよう」という配慮事項をぜひ明記していただきたいということであります。
 最後26ページであります。23-1でありますが、ここには学校規模と教職員配置の適正化というタイトルで内容がうたわれておりますが、内容の中には特別支援教育のこと、それから次の二つ目の教員の確保という要素も入っておりますので、これらについては別に記述する、あるいは項を改めて記述したほうがよいのではないかという提案でございます。
 社会教育関係につきましては、環境づくりを首長部局等との連携の中で進めてもらいたいと。またそのための予算削減ということがないような御配慮をお願いしたいということであります。
 最後、復旧・復興支援でございますが、「学校からのまちづくり」の推進という項目につきましては、ぜひ学校に公民館や公民館機能を併設し、専任職員を配置することで、一層進んでいくのではないかと考えておりますので、ぜひそういう取組をしている地方公共団体への支援をお願いしたいということであります。
 以上であります。よろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは最後になりますが、提言・実践首長会から橋本事務局長、よろしくお願いします。

【提言・実践首長会(橋本)】

 提言・実践首長会の橋本と申します。本来であれば会長ないしは教育の部会長が来る予定だったのですが、公務ということで私が出席させていただいております。
 27ページから資料を出させていただいておりますが、これら全体を会として議論しているわけではないということをまずは御理解いただいた上で、説明させていただければと思っております。提言・実践首長会については、30ページ、31ページに資料がありますので、後ほど御覧いただければと思います。
 まず資料に沿ってということで、基本施策1ということですが、確かな学力というためには、やはり質の高い授業、これは学校の教師の資質は十分すばらしいと当会では考えておりますが、それでもまだ不足というところについては、教員が授業研究する時間の確保あるいは教員同士のコミュニケーション等々による自信の回復のための時間的余裕、そういうものが必要ではないかということ。
 それから二番目ですが、子ども達に競争原理でもっと頑張れということではなく、それはイコール入試の在り方でもありますので、そこを同時に見直してもらうということが必要ではないかということです。
 それから小中一貫教育に関しては、制度ということよりも、いろいろ進め方がありますが、賛否両論があるような中では、現場としてはもうちょっと後ろ盾ができるような積極的な検証による運用というものを、要するに後押しする情報提供を是非してほしいという意見がございました。
 それから基本施策の2のところでございますが、一つはいじめについてでありますが、認知件数を問題視することは、いじめがあった学校はよくない、いじめの数が多い地域はよくないという問題意識を改めないと、現場から早く探すとか、見つかったものを報告する、あるいは対応するということにならないのではないか。むしろ、件数が多いぐらい見つけることを評価するようなイメージでやらないと、表に出てこないのではないかという御意見でございます。
 それから基本施策3、教員の資質向上ということで、修士レベル化が重要であるということですが、学士、修士、博士による差が基本的に配慮されていないというところがあるので、給与格差も含めて学び続ける教員を支援し、そういう人たちに、もう少し給料がよくなるということでの手当てをするなどして、いい教員を確保したい、育てたいということでございます。
 それから基本施策の4の方で、幼稚園の教員及び保育士の身分を義務教育学校等と同様に国、県が保障するということによって、この分野においてもすぐれた人材を確保し、教員のレベル向上を図るべきではないかと考えております。
 それから施策の5、これも二番目の丸を説明させていただきます。発達障害に対する認識の違いが保護者のみならず一般でも見られる。広く皆さんに理解してもらわないと、これは学校現場等々だけでは対応できない。発達障害は特別なものではないこと、様々な子どもたちのニーズに沿った教育をすることが必要なのだということを、広く一般的に知らせるということをぜひお願いしたいということでございます。
 あと、医療関係もかかわることでは、厚生労働省、文部科学省のもう少し強い連携といいますか、一本化という意見も出ておりましたが、そういうところを御検討いただきたいと思っております。
 基本施策の6の学力調査については、引き続き実態調査はしっかりやっていただくようにお願いしたいということです。
 それから基本施策8、先ほども出ました修士レベル化ということですが、もう一つは大学によってどうも差が出ているというところでの信頼性というか、大学の権威失墜みたいなことがあるのではないかというところを危惧する意見が出ております。
 それからそれにかかわることですが、施策の12のところでも、学生自身も自信をなくしているのではないかということで、その一つの原因は就職活動にあるのではないか。あるいは就活にかける時間があまりにも多くて、大学生本来のあるべき姿、学問に集中する部分が欠けるのではないかというのが現場からの意見でございます。
 続きまして29ページになります。教育費負担の軽減に向けた経済的支援ということで、幼児教育についても市町村も今、年々予算が厳しくなっている中では十分できていないところも出始めているということで、ぜひとも負担を軽減するということをお願いしたい。市町村の負担も含めて幼児教育の在り方と、そこに投資されるべきお金をしっかりと考えていただきたいということでございます。
 それから高校も同様に無償化は大変いいことではありますが、無償化したからということで親の経済格差が教育格差になっている現状を解決するのは難しいのではないかということも御検討いただきたい。ここにもやはり入試制度の問題が一つあるのではないかと考えているということです。
 それから一つ飛ばしまして施策の22、現場重視の学校運営・地方教育行政の改革というところでは、それぞれの学校がより主体的に学校運営を取り組めるようにするということで、一部学校長の権限の強化もあってもいいのではないかということもありますが、それとともに地域とともにある学校の推進を図っていく。それは、一つはコミュニティスクールの認知を進めるということでもあると考えております。
 それから学校現場と市町村行政との連携が必要だということでは、学校の先生は教えることのプロであるが、その一方でモンロー主義といいますか、どうしても個人プレーというか自分中心になる傾向があるのではないかという指摘もある中で、一つの取組として学校長あるいは教頭に対して、首長がこの地域づくりのことをしっかり話す場を設けているという事例があります。学校教育が地域をよくしていく方向にもつながる取組を進めていくということを後押ししていただきたい。
 それから教育長人事が首長にとっても重要だということであります。これも、教育長にも市議会に同席してもらっている事例もありまして、首長と教育長の連携を強化することによって地方教育行政の改革につなげていってほしいということがございます。
 それから小学校一年生の少人数学級は、二年生以上や中学校も合わせて至急に35人以下にしていただきたいという意見が出ております。
 あと大学教育については、研究も必要ですが、卒業後の進路指導を確実に実施するということをお願いしたいという意見が出ております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。短い時間で申しわけございません。
 それではこれまでの説明を受けて、委員の皆様から意見、最初に篠原さん、どうぞ。

【篠原委員】

 長島さんにちょっとお伺いしたいのですが、先ほど食生活の改善とか睡眠時間の確保、生活習慣の確立という意味で、家庭教育力が低下をしているとおっしゃっていました。よって、第一義的な責任を本当は家庭が負わなければいけないのだが、教育力が落ちているので、学校教育においてそこをしっかりカバーする必要があるという確かお話があったと思うのですね。家庭教育力の低下は、食育だけじゃなくてあらゆることについて言えるのだろうと思う。我々もここでそれをどうやったら家庭教育力をもっと上げられるかという議論をしているのですが、なかなか妙案が見つからない。こと食育に関して、家庭教育力を上げるためにはどうしたらいいか。何か腹案があったら教えていただきたいと思います。

【三村部会長】

 質問を全部して、それからお答えいただきたいと思います。どうぞ、考える時間もありますから。
 それから次に竹原委員、よろしくお願いします。

【竹原委員】

 ありがとうございました。私は安倍委員の話に、地域コミュニティの拠点である学校の中に公民館やその類似の機能を併設し、それをコーディネート機関とするというお話がありました。私のところにも被災地で新しい学校をつくるというときに、そのような施設が必要だろうということで、各地の教育関係者と地域の方が一緒に視察にいらしています。学校は学校のものであるという考えがまだまだ強いので、教育委員会と市長部局との調整、さらに文部科学省の調整が必要になると思います。そして現場では教育長のリーダーシップによることが大きいので是非よろしくお願いします。
 コーディネーターを校務分掌上に位置付けるという御意見にも共感します。

【三村部会長】

 もう一人、丸山委員、よろしくお願いします。

【丸山委員】

 ありがとうございます。教育委員長と教育長の教育委員会を代表して発言されました安倍委員に質問なのですが、私もこの振興教育の中に昨年の東日本大震災を踏まえた新たな復興それから耐震化等にかかわる記述を充実させるということに基本的に賛成する者です。
 それに関連しまして、安倍さんの御発言の中に、一つは24ページの学校施設の耐震化や非構造部材を含む防災機能の強化というところに津波被害対策という文言を入れていただきたいという御発言がありましたが、これは具体的にどういうものであるかということを少し御説明願いたいというのが一点。
 もう一点は26ページの最後のところにございますが、学校施設の再生による「学校からのまちづくり」の推進というところなのですが、学校に公民館や公民館機能を併設し、専任職員を配置する、そのことによる効果というものはどのようなものが望めるのかというのを具体的にお聞きできたらありがたいなと思いました。
 実は半月ほど前に私、福島の南相馬の方のボランティア活動をちょっと取材に行ってきたのですが、南相馬市に真野小学校という小学校がありまして、ここは津波被害を受けて、現在学校を閉鎖中で、子どもさんたちは近くの別の小学校の校庭にプレハブを建てて授業を受けているのですが、プレハブで生活している真野小学校の子どもさんたちには、月に1回ぐらい長野や群馬から新鮮な野菜がボランティア活動として届けられるのです。一方すぐ近くにある公民館施設、これは仮設住宅の棟につながって、集会場があるのですが、この集会場の前では毎週のようにボランティアが来て、炊き出しとか、あと子どもさん向けのゲームみたいなものをやって、被災者の気持ちを和らげるというのですか、そういうことをやっているのですが、そこに、この真野小学校の子どもたちが毎週のように来て、みんなでそこで会話を楽しんだり、ボランティアのやってくれるゲームに参加したりしているのを見て、確かにこれが一緒になれば、より機能的なボランティアのコーディネートとか、子どもさんたちがふだん通う学校にまさにボランティアの人たちが来るということで、地域のコミュニティづくりにもつながるというのを実感してきたところなものですから、今、安倍委員が御発言になった、この学校に公民館や公民館機能を併設し、専任職員を配置するということを具体化させていただきたいなと思ったがゆえに御質問させていただきます。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 最初に長島委員、よろしくお願いします。

【公益社団法人全国学校栄養士協議会(長島)】

 それではかいつまんで、ちょっと事例を挙げますと、例えば私どもが学校の担任や家庭科とかの教科担当等と連携をして授業を組むわけですが、子どもたちに食の知識としてその授業の時間に与えても、子どもたちはとてもよくわかった、楽しかったという感想を持つのですが、それが実践として体験をする場面を踏む機会がなければ力として定着をしないということで、必ずその学習を家庭に持ち帰り、ご飯の炊き方を学べば家族のためにご飯を炊いてみよう、家族の感想をもらってもう一度学校にフィードバックしようというような食育の仕組みをつくっています。そして教科学習等を学校給食をもって確かめる。バランスのいい栄養の取り方とかです。それも学校でこのような学習をしたというのを家庭に持ち帰らせて、家庭に子どもたちが家族に伝え、家族がそのことに対しての感想を書いて子どもに持たせるというふうにして、家庭の中に子どもの実践をして体験をして生きる力に変えていく場面づくりを仕掛ける。それと合わせて家庭の保護者の意識を高めながら、教育力の回復を図るというようなことをしていて、事例としては、家庭科学習の延長線上にある子どもだけでつくる弁当の日というようなことで家庭を巻き込むというようなことを、一つは教育を通してやっています。
 そしてもう一つは、PTAの研修会とか、それから地域に出かけていってのいろいろな食育講座、食育講習会、料理講習会等を行いながら、子どもを健全に育てていくための食の在り方をアピールしているというような活動を行っております。

【三村部会長】

 次は安倍委員ですね。

【安倍委員】

 まず一点が津波被害対策についてですが、これは地震には強くても津波が来たときに子どもたちの安全、命を守るための避難対策ということを考えますと、具体的には例えば屋上までの屋外階段といったものを設置することによって、より高いところに子どもたちが逃げることができる。3階までですと、ひょっとしたら津波が来るかもしれないが、それよりも一段高い屋上ならば津波から守れるのではないか。あるいは本県の場合は、学校の近くに裏山があれば、そこに行く道を整備することによって、短い時間の中でより高いところに避難をすることができます。さらには、これは津波だけではないかもしれませんが、例えば3階あるいは屋上にいわゆる備蓄倉庫をつくって、これは地域住民のためにも、とにかく水に濡れないように、そういうものをそこに置くということであります。あるいは、中には、ボートとまではいかないかもしれませんが、いわゆる救命のためのジャケットというようなものをそろえることについて、本県の場合には検討している学校もございます。
 それから二点目の御質問ですが、「学校からのまちづくり」の中の専任職員の問題ですが、私はかねてから学校には地域とか家庭とか、あるいは他の職種と結ぶつなぎ役の方がいると非常によいということを考えております。例えば今、非常に学校がありがたいというふうに意見をもらっているのはスクールソーシャルワーカーでして、これは学校と家庭、あるいは警察とか、あるいは児童相談所とか、そういうところを非常にフットワークよく回ってくれることによって、またスクールカウンセラーとは違う役割を果たしてくれているということで、ぜひこの拡大をお願いしたいという声は、市町教育委員会からあるわけですが、その考え方とここは似ていると思うのですが、学校に今、専任職員を配置すれば、学校の職員というのはどうしても学校教育だけですから、そういう意味では公民館活動、いわゆる社会教育活動とのつなぎ役をその専任役員がすることによって、かなり職員にとっても効果があると思います。また、学校教育、社会教育のつなぎ役として、先ほど丸山委員が事例を挙げられましたようなものが身近に、かつ日常的に展開できるのではないかなと思っております。そういう意味ではこの専任職員と、それから先ほど申しましたいわゆるコーディネーター、地域とともにある学校づくりのところのコーディネーターというものは、ある意味では同じ意味合いの中で考えていくことができるのかなと思っております。
 以上であります。

【三村部会長】

 ほかにつけ加えること、ありませんか。よろしいですか。
 どうぞ、相川さん。

【相川委員】

 私からも質問ですが。

【三村部会長】

 どうぞ。

【相川委員】

 安倍委員にちょっとお伺いしますが、ここに福祉との関係が非常に大事になってきているというような、連携を強めていることがありますが、確かに今、非常に家庭の問題、福祉の問題は大事、教育等は大事だと。なかなか別に考えられない状況ですので、委員会としてはこういう施策を挙げてほしいとか具体的なものを持っておるのでしょうか。

【三村部会長】

 どうぞ、安倍委員。

【安倍委員】

 隣の席同士での質問、回答になりますが、具体的にここのところは現状と課題の中に福祉との連携という記述があるから、やはり幹になる基本的な考え方にもぜひ、ここは福祉等との連携を入れてくれという御意見だったかと思いますが、やはり具体的には、よく言われるのは就学前の子どもたち、これは幼稚園教育だけではなくて保育園での子育てというのもありますので、そういう意味では今日いろいろなところで議論が出ております家庭教育の問題、あるいは地域での問題ということを考えると、どうしてもやはり福祉行政というものは教育行政と切っても切り離せない状況にあります。これは、いわゆる生活保護の問題もございますし、また特別支援の視点から、就学前からのいわゆる障害のある子どもたちへの支援ということも考えますと、非常にここのところは大事なことなのかなと思っています。そういう意味ではここは家庭教育支援の充実ということでありますが、もっと広く捉えた場合でもやはり福祉との連携というのは非常に大事になってくるかなと思っております。ただ具体的にどういう施策をというところは、私の方ではちょっと今、聞いていない状況であります。以上であります。

【三村部会長】

 ほかに、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは第2セッション、これで終わらせていただきます。お忙しいところ、本当に御出席いただきましてありがとうございました。
 本来はここで休憩をとる予定ですが、休憩とりませんので。このまま進めさせていただきます。
 後半、この場でもどうぞ、よろしかったら御出席でも結構ですし、時間があったらどうぞ。退席でも結構でございますので。
 それでは「教育投資について」であります。これは今日のプレゼンテーションの中でもお金が大丈夫なのかという話はいろいろな方から出ておられました。私どもも、それはそのとおりだと思っております。教育投資を確保することの重要性というのはまことに感じておりますが、さて、これをどういう形でどのようにアピールしたらいいのかと、これが大問題でございます。
 数回に分けてこの議論をしたいと思いますが、まず事務局から用意した資料の説明をよろしくお願いします。

【義本大臣官房会計課長】

 まず平成平成25年度概算要求につきまして、そのポイントにつきまして御説明させていただきたいと思います。資料の3-1と3-2を用いまして話をしたいと存じます。
 まず3-1で平成25年度の概算要求全体像を事柄として整理したものでございます。人材と科学技術のイノベーションによる日本再生ということで、ここにございます七つの柱に基づきまして、この8月にも日本再生戦略というのがまとめられましたが、それに過半も盛り込んで取り組んでいるところでございます。
 一番目は、少人数学級をはじめとするイノベーションを進める人材ということで、ここにございますような計画的な定数改善ですとかグローバル人材の育成、あるいは専門学校を中心とした中核的な専門人材を育成していくという柱でございます。
 二番目は、学びのセーフティーネット、安心して教育を受けられることの構築ということで、昨今問題になっておりますが、この9月の初めにも文科省として出しましたいじめの対策等の総合推進事業というものですとか、あるいは大学の奨学金、学校の耐震化等々防災機能の強化などを盛り込んでおります。
 三番目には、この計画部会でも御議論いただいていますような大学改革の推進ということで、6月にまとめました実行プランに基づきまして、ここにございますような改革を進めていく。それ以降はスポーツ・文化、あるいは科学技術の関係でございますが、四番目の柱としては東京オリンピック・パラリンピックの招致に向けた競技力の向上、あるいはスポーツ振興計画に盛り込んでいますような生涯スポーツ推進の環境整備、あるいは文化におきましては、ここにございますような取組をしていくということでございます。
 五番目の柱としては、ここにございますような、日本再生戦略に盛り込んだようなグリーン、ライフを起動としたイノベーションの問題ですとか、六番目としては震災からの創造的復興、あるいは科学技術のシステム改革というふうな七つを柱にして取り組んでいるところでございます。
 資料3-2を御覧いただきたいと思います。それに基づきまして平成25年度の概算要求でございますが、1ページ目にその全体の総額を盛り込んでおります。平成25年度におきましては、対前年度4,079億円の増ということで6兆455億円でございます。この括弧書きにつきましては、これ内数でございますが、復興特別会計に盛り込んでおります要素でございまして、平成25年度の要求ベースは4,635億でございます。この右の方に増減が書いておりますが、2,386億の増でございますが、この過半が学校の耐震化について、その所要の増額を市町村からの要望を全てこたえる形で盛り込んでいるところでございます。
 それ以降がそのポイントでございますので、もう一枚省いていただきまして、かいつまんでその中身を御紹介したいと存じます。2ページが、先ほど申し上げましたような定数改善を含めたイノベーションの人材の育成ということで、来年度から文科省のもくろみとしては29年の教育振興基本計画の期間とシンクロさせる形で、改善の総数27,800人の増という形にしているところでございます。その計画の初年度として5,500人の増を、ここにございますような形で取り組んでいるところでございます。基本的には、なるべく追加的な財政負担を抑えまして、いわゆる自然、子どもの数が減ってきますことに伴います教員の自然減ですとか、退職の教員が増えてまいりますので、いわゆる教員の給与の若返り分を活用しまして、極力、追加的財政負担を伴わない形で取組をしたいという形で盛り込んでいるところでございます。
 そのほか、ここにございますような高校改革ですとか理数教育、学力調査でございますし、また、この下にインクルーシブ教育のシステムの構築事業ということで、改正の障害者基本法の趣旨を踏まえまして、そのシステムの構築に向けた予算ということで、大幅な増という形で取組を進めていく内容を盛り込んでおります。
 3ページにおいては、ここにございますような成長分野における中核的な専門人材の育成、あるいは高校大学を含めましたグローバル人材の育成ということで、英語教育の強化ですとか、あるいは高校大学を通じました留学生の促進ということを盛り込んでいるところでございます。
 3ページの下がいじめの対策でございますが、ここにございますような外部の専門家を活用した体制の整備ですとか、学校におきますスクールカウンセラー、ソーシャルワーカー等の配置等を含めまして取組を進めていくという内容を盛り込んでおります。
 めくっていただきまして4ページでございますが、奨学金の充実ということでございます。平成24年度から、いわゆる所得連動返済型無利子奨学金制度というのをスタートいたしました。これは年収の300万円の家計の方を対象にして、無利子奨学金でございますが、卒業後、返済する段になりまして、所得が300万円に達しない場合については、返済の期限を付さないで猶予するという制度でございますが、それを拡充するとか、新規の無利子の奨学金の拡充等を盛り込んでいるところでございます。
 それと入れ子の関係になりますが、国立大学・私学の授業料の減免、幼稚園の就園奨励費の充実、あるいは通学路の対策ということでございます。
 それから、この計画部会でも御議論いただいております公立学校の耐震化につきましては、ここにございますように平成27年度までに学校の本体の軀体の耐震化100%完了するという目標を立てておりますが、全体として3,022億円ということで、これが完成いたしますと、25年度の事業終了ベースでは93%まで耐震化率が進むということでございます。軀体だけではなくて、いわゆる体育館の天井ですとか照明を含めた、非構造部材も含めた対策を講じております。この過半につきましては、復興特別会計に盛り込んで取り組んでいるところでございます。
 5ページが大学の関係でございます。国立大学につきましては改革実行プランに基づきまして、いわゆる強みとか特色を強化し、それによってその取組を促進するためのインセンティブをつけていくための予算の措置ですとか、あるいはそれに伴います施設の整備ということを盛り込んでいるところでございます。
 6ページが私学助成でございます。こちらにおいても大学改革の実行プランに基づきまして、その質の転換を図っていくという観点から教育改革の基盤の充実を図ることですとか、高校から幼稚園も含めました私学助成の充実、施設設備等を盛り込んで取り組んでいるところでございます。
 スポーツにつきましては7ページの上の段にございますが、ここにございますように競技力の向上という観点から、ロンドンオリンピックで成果を上げましたようなサポートシステムを強化するとともに、スポーツ for all プロジェクトと書いておりますが、全ての国民が親しめるような生涯スポーツの充実ということを盛り込んでいるところでございます。
 以下、文化、科学技術の関係でございますので、省略させていただきたいと存じます。
 これに基づきまして、年末の予算編成に向けて作業を進めているところでございます。いわゆる全体としては必要な経費を獲得すべく努力してまいりたいと思いますが、御案内のとおり消費税の改革法案が通りまして、平成26年の4月から8%、27年の10月から10%という形になっておりますが、25年度につきましては引き上げる直前の予算ということで、かなり財政当局が厳しく絞っていこうということでございますので、今後しっかり整理をさせていただいて議論をし、必要な予算を獲得すべく努力していきたいと思います。
 以上でございます。

【森友教育改革推進室長】

 資料の3-3でございますが、こちらの審議経過報告と、今ほど御説明申し上げました25年度の概算要求との関係ということで、8月の末にお取りまとめいただきました本計画部会の審議経過報告の内容、それぞれを踏まえて概算要求をしているということを整理している資料でございます。
 それから資料の4-1、4-2が教育投資の関連の資料でございます。資料の4-1につきましては、去年の11月に本部会におきましても一度配付をさせていただいております。ただ、そのときには時間もございませんでしたので、あまり御議論いただいておりませんが、それを改めて本日の御議論のたたき台として御用意をさせていただいたものでございまして、この資料の関係するデータが資料の4-2でまとめているものでございます。資料の4-2から御説明させていただきたいと思いますが、委員の皆様におかれましては、既に御説明等事前にさせていただいておりますので、ごく簡潔にいたしたいと思います。
 参考資料全体といたしまして、1から4までございます。1は国際比較などを用いまして、我が国の教育投資の全体状況を整理しているデータでございます。また2は教育費が家計を非常に圧迫しているということに係るデータ、さらに3は需要者である人口の推移、さらに4として我が国全体の財政構造についてのデータでございます。
 一枚おめくりいただきますと、まず2ページといたしまして公財政教育支出の対GDP比というのがございます。我が国の公財政教育支出の対GDP比は、いずれの学校段階でも国際的に見て低いということとして見出しをつけております。3ページには就学前教育段階、それから4ページには初中段階、それから5ページには高等教育段階、それぞれつけておりますが、先ほど申し上げましたとおりいずれの段階におきましても、全体としての教育支出を捉えた場合にはOECD平均に比べて低いという状況がございます。
 これを、我が国、少子化が進んでおりますが、在学者一人当たりに並べてみますと、6ページにございますが、在学者一人当たり公財政教育支出として、我が国の在学者一人当たり公財政教育支出は全教育段階ではOECD平均をわずかに下回るということで、先ほどのGDP比と比べますと相対的に下回るのが少しになっているというような状況にございます。ただ、その状況が全体としてございますが、特に就学前教育と高等教育段階では、やはりかなり国際的に見ても低いといった状況にございます。
 7ページには就学前教育段階の一人当たりが書いておりまして、およそOECD平均の半分程度、それから初中教育段階は少し下回るような状況でございます。また9ページの高等教育段階を見ますと、これも3,000ドル程度下回るような状況になってございます。
 さらに10ページでは、国の予算の全体像の中での文教関係予算の位置付けでございますが、政府全体では一般歳出に占める社会保障関係費の割合が非常に増加をしている中で、文教関係予算の割合はおおむね8%を維持しているという状況にございます。
 さらに、次のページ、11ページでは、国の文教関係予算そのものの推移でございますが、ちょうど第1期の基本計画、現行計画の期間中、平成20年度から24年度にかけまして、我が国の文教関係予算は1,700億円増と、4.3%増となっております。これにつきましては平成22年度に公立高校の授業料無償制等の開始などにより、前年度比3,190億円増といったことで、それが主たる要因となっているものでございます。
 12ページは文部科学省予算の構成を示しておりまして、特に20年度から24年度にかけまして、先ほどもございましたが、右側の方の下で高校の無償化に関する予算が加わっております。その他、義務教育国庫負担金、国立大学の運営費交付金、私学助成が大宗を占めているという状況にございます。
 さらに、13ページでは、国・地方の教育関係費ということで、国の文教予算のうち義務教育費国庫負担金、小中学校の教員の給与費でございますが、約1.5兆円で38%を占めていると。地方の教育関係費のうち、その多くは学校教育費であり、そのうちの約70%を人件費が占めているという状況にございます。
 14ページは国・地方の教育費の割合を見た場合に、地方の負担する割合が多い。小中学校の設置者あるいは公立高等学校の設置者も都道府県でございますが、そういったこともございまして多くなっているところでございます。
 15ページからは教育費の負担に関するデータでございます。16ページのところはよく御覧いただく資料でございます。大学卒業までにかかる教育費、全て国公立、更に全て私立だと約2,200万円にものぼるというような、非常に大きな負担になっているところでございます。
 また17ページでは一つのモデルケースとして、年が二つ違いの子どもを生んだ場合に、大学生が二人いるという状況になるわけでございますが、そういった家庭ではピーク時で平均の可処分所得の半分近く、約44%を教育費が占めるというような状況も出てくるわけでございます。
 さらに、18ページのデータもよく御覧いただく資料でございますが、子育ての不安要因が経済的負担の増加ということで最も多いということ、更にその経済負担の大きな内容としては大学等の学校教育費が挙げられているということでございます。
 足早で恐縮ですが、19ページでは、この私費負担の割合というものを国際的に見た場合に、我が国は国際的に教育費の占める家計負担の割合が大きい。特に就学前、高等教育の段階が顕著のあらわれているといったデータでございます。
 それらに係ります主な負担軽減策としてとっている内容を20ページで整理をしております。幼稚園では就園奨励費、小中高等学校の無償化ですとか、あるいは大学では授業料の減免奨学金といった取組を進めているところでございますが、より一層の充実が必要であるというような趣旨でございます。
 さらに、21ページ以降は人口需要ということで、22ページのところで、ちょうどこれまでの17年から24年、そして今回の計画である25年から29年ということで見た場合の学習の需要者の人口を見てみますと、この短期間のスパンではそれほど多くの人口減はないのかなといったデータでございます。
 23ページは合計特殊出生率の推移、さらに24ページでは18歳人口の進学率の関係のデータでございます。
 特に25ページでは高等教育に関する社会人入学者に関しまして、世界的に、国際的に見た場合にはかなり低水準であるということ、あるいは26ページでは留学生の状況についてデータをお示ししております。
 さらに、27ページでは、これも我が国の修士号、博士号の取得者数が非常に少ないといった状況にあるというデータをお示ししております。
 最後四番、29ページ、30ページ、31ページですが、非常に他方で我が国の財政状況は厳しい状況にあるということで公債残高が高まってきていることですとか、あるいはこれは、30ページのところでは国民負担率、租税負担率が非常に国際的に見た場合低いといった状況にあるということ、更に最後の31ページでは、我が国の財政の見通しということで、先ごろは財政運営戦略におきまして、いわゆるプライマリーバランスについて、2015年度までにその赤字の対GDP比を2010年度の水準から半分にして、更に遅くとも2020年度までに黒字化することを目標としているといった中で、一般歳出の枠は非常に厳しい状況にあるというデータでございます。
 その上で資料の4-1でございますが、そういったデータも踏まえて、たたき台としてお示ししているものがこの資料でございますが、真ん中ごろから学校段階別に大きな方向性をお示ししております。小学校就学前であれば、家計負担の高さの解消等に向けた条件整備が課題であるということですとか、義務教育で言えば、教員一人当たりの児童生徒数が多いということは、まだ依然としてございますので、そういった点できめ細かな指導など教員の質の向上とか課題であるということ。高校教育については無償化等を進めてきているが、低所得者層への支援等が課題であるということ。
 さらに、高等教育につきましても、先ほどのデータにございましたが、家計負担の割合が高いということから、そういったことへの取組を進めていくこと、さらには教育研究の高度化等に向けた条件整備が課題であるといったことです。
 最後、生涯学習一般につきましても、ライフステージに応じた様々な学習が必要であるということからの取組が必要ではないかということです。
 また最後に丸4として下にございますが、公的な投資ということも含めた上で社会全体として教育を支える環境を醸成するということで、ボランティアの活用ですとか企業のCSR、寄附の増大なども含めて全体としてどういうふうに投資を考えていくのかということを御議論いただけるとありがたいと思っています。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 このトピックスにつきましては、今日ここで結論を出すということにはなりません。今日はとりあえず資料を出していただいたのですが、我々としてどういう考え方でこの教育投資について増をアピールしていくのかということで、ちょっと皆さんのお考えをぜひともお借りしたいということが今日の趣旨でございます。おそらく、これからどういうスケジュールになりますかね。

【藤野生涯学習政策局政策課長】

 この問題につきましては、もう二回ほど御議論をさせていただければと思います。今日いただいた議論も踏まえた上で、もう少し具体的にどういう面に対して考えていくのかという資料等も作成しながら、あと二回程度議論した上で方向性を出していただければと思っております。

【三村部会長】

 実際には財務省との折衝なんかも来年度予算には当然あるわけですから、その中でいろいろな考え方も取り交わすわけですからね。そういうことも含めて。
 どうぞ、篠原さん、よろしくお願いします。

【篠原委員】

 今、会長がおっしゃったように、まさしく財務省との問題だと思うのです。教育投資をやっぱり増やさなければという基本認識はかなりの人が共有していると思うのです。欧米、OECDでの諸国に比べて公費負担の割合がGDP比で低いことは歴然としています。しかしこの財務省の壁を突破する力がどういう形で形成できるのか。単に定性的な話では、私はなかなか難しいのではないかと。これだけ少子化が進んでいる中で、例えば少人数学級で学校の先生がもっと要るのだという主張を述べても、どこまで説得力を持てるのか。子どもさんの数が減るならば、そんなに必要ないじゃないかという意見が財政当局から出てくるのも当然だと思うのです。だから何か定量的な、例えばこういう予算をこれまで重点的にやってみたらこういうふうに学力が上がりましたとか、何か成果を数値化して、突きつけていくようなことを少し考えないと、抽象論というか総論的概念では難しいのかなと。
 たまたま、この間NHKの番組を見ていましたら、オランダの教育制度を紹介していました。北欧諸国も似たり寄ったりだろうと思うのですが、オランダも学力の、PISAの評価が非常に高いんですね。何で高いかというと、やっぱり少人数学級なんです。ワンクラス25人、先生が二人ついているという。それで公立も私立も学費は全部無償というか公費負担であると。結局それで学力が上がっているのです。すごく。数値化されていっている。だから何かそういうものを見せつけていかないと、公費負担は総論としては賛成でも、負担を増やすことは賛成でも、なかなかそれが教育投資という形で財政当局を説得させられないのではないか。こういうことをちょっと感じとして持っております。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 ほかに、いかがでしょうか。木村さん、いかがですか。

【木村委員】

 今の篠原委員のお話、私、全く賛成であります。少人数学級については、私、全国の都道府県、先ほど安倍委員が御発表になりましたが、全国都道府県教育委員会連合会でも、いろいろな分科会等をやってデータを出してきております。既に少人数学級をやっておられる地方自治体が随分あります。そこでは確実にいい結果が出てきています。ただ、残念ながらサンプル数が少ないという問題があります。ですから、それらのデータをもって絶対少人数学級がよいのだということは言えません。東京都では、国に先駆けて一年早く、小1プロブレム、中1ギャップ解消のために教員の加配を知事に直訴いたしまして、措置をしていただきました。結果、最近その効果について校長にインタビューを致しました。四十項目について調査をしたのですが、全てについて肯定的な答えが出ています。未加配校と加配校について、肯定的な回答率の違いでは、数%の違いではなくて、加配校のそれは未加配校の約二倍になっています。この東京都のデータは相当使えるし説得力があるのではないかと思います。
 それからもう一つ、先ほど若年層の人口減少の話がありました。以前に、ここで申し上げたかもしれませんが、面白いことに、東京都では2030年頃まで若年層の人口は増えていきます。理由はよくわかりませんが、注意深く分析する必要があります。流入流出には一切関係なく、単純にバースレート、生まれている子どもさんの数が多くなっているのです。私の口から申し上げると、少し嫌みになるかもしれませんが、東京都は教育にお金を非常に多く使っています。つい先週も天沼小学校というところに行ってきたのですが、すばらしい学校ができています。本当にすばらしい。ぜひ、もしチャンスがあったら行ってみられていいと思います。ああいう学校だと親もやりたくなるし、子ども達も行きたくなると思います。現にお母さん方も、そうおっしゃっていました。やはり環境を整備することが大事なんでしょうね。もちろん環境整備をするためにお金が要りますが、実際に見える効果を世の中に出していくということも数字以上に大切なのではないかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 ほかに、いかがでしょうか。田村さん、どうぞ。

【田村委員】

 ありがとうございます。財務省とやるのはとても大変なのですが、これは新しい仕事だから絶対お金が要るということ。第一は就学前教育です。もともと日本はこれに金をかけていなかったのですが、世界的に、これユネスコの提言もあって、就学前教育をちゃんとやらなければいけないという話が流布して、みんながそう思い出しているのです。
 アメリカではこれはヘッドスタートという社会実験として有名ですが、要するに就学前教育をちゃんとやると、ソーシャルコストが結局安くなるという。ちゃんと就学前教育を受けた人たちが成長した後、お巡りさんやお医者さんの世話になる率が少ない。だからソーシャルコストが非常に安くなるという実験で、アメリカらしいのですが。それで、それらがきっかけになって就学前教育はきちっと整備されつつある。
 日本は就学前教育、幼稚園が主に中心でやっていたのですが、そこはそこできちっとやってきたのが、半分ぐらいの子どもさんは保育園に行っているんです。社会的な傾向からいうとむしろ保育園に預ける子の方が多くなってきている。保育園の場合は一生懸命、幼稚園は教育要領というのですが、教育要領を守るとは言っていますが、考え方の中心はお預かり、けがなく返すという、これが第一なのです。だから積極的に教育が行われているというところまでは評価し切れないということがあります。
 今、東京都の話が出ましたが、非常に子どもの教育に金をかける東京ですら保育園については非常に、あんまり、この場だけの話にしていただきたいのですが、電車の高架の下に保育園をつくったりして平気でいるという。それ、夜中の遅くまで子どもがそこに預かられているというようなことを日本人の大人は平気でいるという。そういうような状況があるということはやっぱり恥ずかしいことですから、次の世代をちゃんと教育するということを考える。
 これが、おそらくこども園というのですか。名前はいろいろ変わってきたのであまり正確に言っていないかもしれませんが、こども園という構想だと思います。要するに幼稚園と保育園を一緒にした形で、子どもにちゃんと、就学前の子どもにきちっとした就学前教育をしようというこの仕組みが基本構想だと思うのです。これが今まで予算的には厚労省と文科省と分かれているのですが、これは教育をやるということが前提なのですから、厚労省からお金を分けてもらって、くれるかどうかわかりませんが、とにかくこれはちゃんと教育するのだということで、その部分はしっかりやらないと、これはもう本当に大きな問題を日本の教育は抱えていると私は個人的に思っております。
 それから高等教育もやっぱり国際的に低いです。これは明らかに私立大学に支えられているみたいなところはあるわけですから、その分はちゃんと交渉して、もうお金を出させると。これはいい名案がないのですが、今までやっていなかったことをやるという、就学前教育のようなときは言いやすいのですが、言うとすれば日本の高等教育の進学率はちっとも高くない。もっと高くしないといけないのだということを必死になって説得するという。これは確実に将来影響が出るわけですから。そこの部分でとにかくちゃんと国が教育に金を使わない、それはもう将来がないということを責任を持ってひとつ、立場が気楽な立場ですから、勝手に言っているようなところもありますが、でも本当にこれは大事なことですから、ぜひお伝えいただきたいと思っております。
 以上です。

【三村部会長】

 今の御発言の中で非常に興味を持つのは、就学前教育を充実した方がトータルの社会的コストというよりも社会的効果が極めて大きいということだとすると、就学前教育で特にお金がかかって家庭の負担が非常に大きいわけですから、貧富の差が即そのまま来てしまうのですよね。だからそういう、今の社会的効果が大きいか、コストが減らせるというような研究成果というのは何かあるのでしょうか。

【田村委員】

 アメリカでヘッドスタートと言われている研究成果で、これはもう既にいろいろなところで紹介され出しております。

【三村部会長】

 出ているのですか。そうですか。この辺なんかをぜひとも活用してもらいたいと思うのですが。
 ほかに、いかがでしょうか。竹原さん、どうぞ。

【竹原委員】

 「社会全体で教育を支える環境を醸成し」というところで、「ボランティアの活用」という言葉があり、いつもひっかかるのですが、学校や子どもにかかわりたい地域の方、企業の方は活用されているつもりは全くないと思います。ボランティアは自発的にかかわり、自分の喜びであり、今までの社会的な経験や思いを実現したりする場だと思っています。活用と言われては、なかなかモチベーションも上がらないし、多分あまりいい関係にならないと思うのです。「ボランティアの活用」という言葉を何とか違う言葉にしていただきたいと考えています。
 アメリカで生活していたとき、企業で高い地位にあること以上にボランティアとして活躍することが誇りであるように見えましたが、学校やまちにかかわることが、その人の人生を豊かにし、地域や子どもを豊かにしていくことを広く伝えられたらと思います。
 また、ボランティアが突然学校に行くことはできませんので、先ほどの話にもありましたが、コーディネート組織があると大きな底力になって教育の効果を高めていくので、その予算も必要だと考えています。

【三村部会長】

 篠原さん、もう一度どうぞ。

【篠原委員】

 先ほど田村先生から就学前教育がありました。全くそうだと思います。私もこの年で子育てにかかわってきたという特異な体験からいって、就学前教育というのは本当に大事だと、実感として感じています。ただ、保育園とか幼稚園ということだけの問題ではないと思います。就学前というのは家庭教育との両輪で、家庭教育が非常に大事だと感じているのですが、これをどう進めたらいいのかと。そこに公費負担をどうつぎ込んでいったらいいのかと。そこらがやっぱりもう少しないと。初等教育以上はかなり学校教育のウエートが高いと思うのですが、就学前はやはり家庭教育のウエートが高いだろうと、私の実体験からしまして、そんな感じがするので、どういうふうにしたらいいのか。親の教育が先だという意見も、議論も昔からあるのですが、この辺は田村先生、どうでしょうか。

【三村部会長】

 田村さん、どうぞ。ちょっと難しい……。

【田村委員】

 いや、家庭教育もそうですが、共同体の仕組みも今、崩壊しつつあるのです。ですから、例えば、もう御存じと思いますが、大学祭というものがあります。あんなのは若者がやるのだからといって周りの人は大目に見ていたわけです。大体、一晩中やっています。ところが、今は都心の大学は全部6時で終了です。近所から文句が来るのでやれないのです。だからもう共同体の意識が全然なくなってきているという。自分勝手になっちゃっているという話なのでしょうか。よくわかりません。でも家庭教育とか共同体教育というのを言葉で言っただけでは実効が出てこない社会になりつつあるというか。だから本気になってこれは、ちゃんと税金を注いで、必要なのだということを主張する必要があると。だから5%が10%になったのだろうと思うのですが。そういうことをきちっとやっていかないと。実感としても家庭教育がすごく変わってきています。子どもたちを通して見ていますが、本当に変わってきています。だから大きな変化になっているから。先生の役割もだから変わってきていますし。先生、かわいそうだと思うようなことがいっぱいあります。

【三村部会長】

 ほかに、いかがでしょうか。安西さん、何か一言。

【安西副部会長】

 教育費を国家から支出することに対する反論といいましょうか。一つは若年層の人口が減少しているということ、もう一つは、特に高等教育等々につきましては受益者負担が原則ではないかということがあると思うのですが、それに対して、やはり一番根本では、今までの教育からの転換があらゆるセクターから求められているということを我々が改めてしっかり共有するということが原点だと思います。
 その上で、就学前、初中教育、それから高等教育、それぞれにおいて、それではこれからの教育の質をどういうふうに設定すべきかと。その質の中には、当然、経済格差の克服ということがあると思いますし、また安心して子育てができる、また安心して学校に行くことができる、その中には当然、耐震化とかそういうことも入りますし、いろいろな対策が入ります。それから高等教育におきましては、大学が国際社会の中で、国際化の中で日本は本当に立ち遅れているといわれていることを克服して大学改革をしていくということが、むしろこれからの時代の若い世代が、そろばん的にもやはり日本が優位に立っていくための方策だということを、ある程度、定量的に言うことが必要なのではないかと思います。
 先ほどの就学前教育については田村先生のおっしゃるとおりで、就学前教育にある程度の国家投資を充てたほうがむしろソーシャルキャピタルの全体としては大きくなるという論は多々あるかと思いますが、ほかの高等教育等々については、もちろん簡単ではないかと思いますが、今、申し上げたような基本的なスキームがやはり必要ではないかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 ほかに、いかがでしょうか。時間もありますから、どうぞ安倍委員、何か。ちょっとコメントをお願いしたい。

【安倍委員】

 県の教育委員会レベルでも、先ほど話題になっていた家庭教育をどうするか。これは先ほどの、前の議論とも重なるのですが、教育委員会だけではなくてやはり福祉行政と手に手をとってやらなければいけないというところもあります。
 本県が実施した若い母親へのアンケートの中では、子育てで一番してほしいものは何かなという話の中では、いろいろ子育てに関する知識とかそういうものではなくて、同じような立場の若い母親と話し合う機会が欲しいという要望が多く見られました。そういう中でいろいろ意見交換をして、情報を得て、自分なりの子育てをしていきたいというようなアンケート結果も出ているものですから、今までどちらかというと子育てにはこういう問題があったらこうすればいいみたいな解決策を情報として与えていた部分があるのではないかということで、今ちょっとその辺の検討をしているところであります。
 それから教育投資については、私も本当に十分わからないので、十分なお話ができないのですが、やはり学校の感覚で言いますと、同じ金をかけるのであればやはり優先順位をつけて、お金を使ってもらいたいという思いは教員にはあると思います。例えば、これは適切な例ではないかもしれませんが、今日、いわゆる修士化の話もありましたが、例えば修士化で現場から先生を二年間派遣し、その後補充で先生が二年来るよりも、学校としては、学校で一緒に研修できるようにして、二人を学校に配置してもらった方が、よっぽど先生にとっても子どもにとってもいいのではないかという学校現場の意見は少なくともあると思うのです。
 そういう意味で、決して修士化が必要ないということではないのですが、今、一体、学校で何が必要なのか。例えば教育の情報化、ICT化ということでコンピューターの更新等ありますが、例えば8年で更新をされていくコンピューターの教育費の費用を今もっと必要なところに傾けていくというメリハリというか、優先順位をつけて、学校が今、何を必要なのかということを考える中で、同じ限られた予算をどう使うかという知恵を絞っていく必要が、これは国だけではなくて我々県でも言えることなのかなと思っております。
 以上です。

【三村部会長】

 相川さん、どうぞ。

【相川委員】

 保護者の教育費の負担が年々上がってきているということはよく言われます。多くの保護者が幼稚園、保育園の費用負担が大きいと言っている。またいろいろな面で塾に通わせたりして、教育費の占める割合が非常に高いということですので、就学前についても厚く補助していただければと思っています。

【三村部会長】

 國井さん。

【國井委員】

 今月IMF・世銀の総会がありましたが、世界各国で問題になっているのは、特に先進国は若年層の失業問題です。そこでいろいろ議論になったのは、教育が非常に重要だということと、求められる教育内容と提供されている教育内容の間にギャップがあるということです。これはいろいろ今までも言われてきていることですが、イノベーションできる人材を育てるのにはやっぱり対話型で、実践的な教育が重要です。となると、これは大学だけではなくて、小学校でも中学校でも高校でもそういう教育をする必要がありますが、非常にお金がかかると思います。教員の質も問題ですし、量も問題です。そこでいい教育がされれば、グローバルなリーダーシップをとれる人材も比率的にどんどん増えていくでしょう。また、きめ細かく対話型で手間暇かけた教育をやることによって若年層の失業も減り、それによって経済も成長するということがまず非常に重要なポイントだと思います。
 後進国だったら、まず識字率を上げるとか、そういうことが挙がってくるわけですが、先進国でも教育の問題というのは再三議論されていました。そこを一つ見ることと、それから教育費が先ほども、大学生二人いると可処分所得の44%になるということでしたが、教育費が高ければ、やっぱり少子化につながると思います。女性の就労が増えると子どもが増えるというのは世界的に言われて、実際データが出ているのですが、教育費が下がれば同じく子どもも増えるわけですから、そういう観点でも非常にこの教育投資をすることは、二重、三重に重要だと認識しております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 丸山委員、よろしく。もう全員にしゃべっていただきます。その次に。

【丸山委員】

 すみません、ちょっと考えがまとまっていないのですが、実はこの場で教育投資について話を始めるというので、現行計画における教育投資に関する記述はどうなっているのかと事務局に尋ねまして、ペーパーをいただきました。そのペーパーを拝見すると、ごくざっくりと言いますと、OECD平均が5%なのに日本は3.5%だと。この数字だけを単純比較するわけにはいかないですが、いずれにしてもこういう現状を踏まえて必要な予算措置をする必要があるとした上で、しかし財政状況が極めて厳しいので、そういったものと整合性をとりながら、真に必要な投資を行うことに留意する必要があるという結論づけた上で、同時に高等教育について寄附金とか企業等の資金、重要な役割を果たしているので、そういったものを拡充させて利用しましょうという構成になっているのですが、それを見ると今回いただいたこの資料4-1の丸1、丸2、丸3、丸4の構成と結構似ているという気がしまして、やっぱり突き詰めていくと、この現行計画的な、ちょっと表現はよろしくないのですが、当たりさわりのない提言になるとしたら、それは極めて残念な気がします。今、盛んにお話に出ているような就学前教育や家庭教育といった、あまりこれまで光の当たらなかったところを中心に論議して、メリハリの効いた提言にするのがいいかなと。それから例えばOECDの5%、3.5%といったものは、もう現在の欧州を見ていると、この数字を出す必要があるのかと思えるような、時代も変わっておりますし、いっそこのOECDの数字はやめるとか。
 それから私は教育予算が全体的に増えればいいのであって、何も文部科学省だけが教育の予算を考えて1円でも多く搾り取ろうという努力を、それも大事なのですが、この縦割り的な考え方をやめて、例えば、ここ数年やっている学校のIT化に関しては総務省が盛んに予算をつけていろいろやっている。それからもう少し広げて言えば学校の耐震化とかまちづくりなんていうのは国交省から予算が出て、それを教育関連に結びつけるということもあると思うのです。ですからそういう他省庁、それからあと民間の資力のようなものを幅広く取り入れた予算の獲得策みたいなものを考えていただきたいなということ。
 それからもう一つは、盛んに最近言われるのがばらまきです。票に結びつくような教育施策だったらいくらでもやるが、それは意外と効果がないのではないかということは国民がみんなよくわかっているので、もっとデータに基づいた、あるいは実証・実例に基づいた先行投資みたいなものが必要だと思います。ノーベル賞をとれば、その分野に200億、300億ぽんと出すというのは非常にわかりやすいのですが、ならば先行投資で出していた結果、ノーベル賞をとったと言えば、いわゆる教育投資に関する我々の先見の明があったと評価されるのではないかと思いますので、そのメリハリと、それからあと縦割りを排す、それから先行投資に力を入れるといったことを考えてみたいと思いました。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 じゃあ、三町さん。

【三町委員】

 自分の立場で見ると、先ほどのデータで在学者一人当たりの公財政教育支出がOECDとあまり変わらないという、義務教育では変わらないという数字が出ていたので、そうなのかなと疑問に思ったのですが、実感として、学校に求められている課題あるいは具体的な対応というのが、自分の場合、学校にいる立場で言うとやはり違うのではないかと。そこに求められているものが違う分だけ、やはり必要な対応をしなければいけないと思っているのです。
 一番身近なところでよく教員や校長から聞かれるのは、例えば部活動についてやはり先生に求められてしまう。先生が部活動やらないと先生じゃないという感じになってしまう。でも実際には、それが夜遅くまでやらなければいけないという環境にあると。一方でもちろんいろいろな総合スポーツクラブですか、いろいろなシステムも考えられていますが、実態として学校依存が多く見られます。そういったやはり保護者のニーズの課題もあれば、それから今あるような特別支援教育、あるいは本当にいじめを含めた健全育成の課題、また先ほどありましたが、保護者とどうかかわっていくか、また関係機関がどうかかわっていくかというところでの様々なものが、まだ学校の方に期待をされているのがあるのだろう。その部分にちゃんと答えていくために必要なものは、人・物・金、きちんとつけていっていただかないとやはり我々は動けない、そんなことは実感として思っているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 やはり何か全体としてストーリーが必要のような気がしますね。ただ単にOECDが5.何%で、我々3.何%というのでは、ちょっとこれはもう通らない。前回やったのがそれですが。それから、これからちょっと考えてみて。
 せっかく石曾根さん、最後まで傍聴いただいたので、何か御意見ありますか。あったらどうぞお聞かせください。

【公益財団法人全国高等学校定時制通信制教育振興会(石曾根)】

 本当に申しわけございません。時間がないところを。私だけが残ってしまったので。大変興味があったものですから、皆さんの御意見を伺って、今後の対策をしたいと思っていたところでございます。
 と申しますのは、実は我々の財団は役員がみんな寄附を出して、それで経営をやっているわけです。ですから我々、私もそうですし、事務局長もほとんどボランティアという形でやらざるを得ないという状況でございます。先ほど田村先生から、就学前の教育が大切だという、これ私は非常によくわかるのですが、実は私、最初に申し上げたように、一流のスポーツの会場を借りて全国大会をやって、生徒たちが全国から5,500人も出てくるわけですが、その中に、スタンドは誰もいないのですよ、これは。と申すことについて、皆さんの御意見を伺いたかったのです、これは。例えば同じ時期に甲子園は満員になるわけです。こういう状況です。ですから、その就学前教育ということは大切だということはわかっているのですが、ならば今この生徒たちはどうなるのですかということなのです。
 貧困は連鎖しているわけです。自然に。こういうことをまず考えていただきたい。それで我々は不良化ということをよく言われるものですから、何か高校生で問題があるとなるとすぐ、あれは定時制か通信制だよとこういうふうになって、マスコミも即、定時制通信制だと必ずそういう表示の仕方をします。これは非常に大きいのです。ですから、ここも我々は自信を持ってやっていることは、青少年の健全育成で、ここをやってもらうとかなり効果があるということで、私は政治家に対しても、例えばアフター5を、巷にこの生徒を全部放したらどうなるの。又は、今は昼間定時制もありますから、働かない子どもたちを全く野放しにしたらどうなるのでしょうか。こういうことをよく訴えております。そして学校に来る生徒はまだいいのです。ニートと言われる若者が、今、定通制に学んでいる三十万人の倍以上おりますから、この子どもたちをどうするの。これをぜひ皆さんで考えていただければと期待しております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。貴重な御意見、ありがとうございました。
 今日の議論はここで打ち切りさせていただきますが、さて、あと二回、どういう形で議論するか、いろいろ相談させていただきたいと思います。
 どうも今日は長い時間、御協力ありがとうございました。

【森友教育改革推進室長】

 一応次回でございますが、11月の16日金曜日の2時~4時でございますので、場所はここでやりますので。
 本当に申し上げ忘れてすみません。ヒアリングにお越しいただいた団体の方々以外に書面でいただいているものがございます。資料の1にございますので、またお時間のあるときにお目通しいただければと思います。よろしくお願いいたします。

―― 了 ――

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生涯学習政策局政策課政策審議第一係

(生涯学習政策局政策課政策審議第一係)

-- 登録:平成24年12月 --