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教育振興基本計画部会(第19回) 議事録

1.日時

平成24年7月25日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 審議経過報告(素案)について

4.出席者

委員

三村部会長、安西副部会長、相川委員、安倍委員、石井委員、衞藤委員、大日向委員、金子委員、木村委員、國井委員、篠原委員、白波瀬委員、竹原委員、田村委員、丸山委員、三町委員、宮本委員、森委員

文部科学省

森口事務次官、山中文部科学審議官、田中総括審議官、徳久政策評価審議官、清木文教施設企画部長、合田生涯学習政策局長、布村初等中等教育局長、板東高等教育局長、小松私学部長、久保スポーツ・青少年局長、上月大臣官房審議官、藤野生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長 他

5.議事録

【三村部会長】

 それでは定刻でございますので、ただいまから教育振興基本計画部会第19回を開催させていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、審議に先立ちまして、6月21日付で新たに当部会の委員に就任されている、全日本中学校長会会長及び新宿区立西早稲田中学校校長の三町章委員より一言御挨拶をよろしくお願いします。

【三町委員】

 今、御紹介いただきました、全日本中学校長会会長で、新宿区立西早稲田中学校で校長をしております三町と申します。
 途中からということで、流れを理解しながらの発言になろうかと思いますが、御迷惑をかける発言がありましたら、お許しいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず、本日の配付資料について、事務局から確認をお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 失礼いたします。本日の配付資料、三点ございます。資料1は、第2期教育振興基本計画の審議経過報告(素案)でございます。資料2は、5月11日、この計画部会、そしてほかの分科会で出されている関係の御意見を整理している資料でございます。資料3は、次回以降の日程の資料でございます。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 議事に入ります。前回、前々回のこの会合におきまして、成果目標や基本施策など、主として各論について議論してまいりました。今回からは、審議経過報告に向けて、総論を含む全体像についての審議を深めてまいりたいと思います。今日は、総論と各論に分けて議論しようと思ったのですが、各論あっての総論になりますので、説明の時間がちょっと長くなるかもしれませんが、全体を一括して、まず、事務局より説明していただいて、それで皆さんの議論をいただきたいと思います。
 では、事務局よりお願いいたします。

【森友教育改革推進室長】

 それでは、資料1の審議経過報告の素案をお手元に置いていただきたいと思います。
 1枚おめくりいただきますと、目次が出てきます。ここで「第1部」と書いておりますが、第1部の総論部分につきましては、昨年末におまとめいただきました「基本的な考え方」をベースに充実を図っているものでございます。特に内容を膨らませている部分を中心に、まず、総論について御説明させていただきたいと思います。
 もう1枚おめくりいただきまして、1ページと出てきますが、前文といたしまして、最初の白丸のところで、今回の報告で端的にあらわしたいものをキーワードとしてお示ししているつもりです。「自立・協働・創造に向けた一人一人の主体的な学び」ということを出させていただいております。
 その上で、その下の四つの白丸で、我が国が極めて危機的な状況にあるということ、そして日本の様々な強みを踏まえて、いわゆる多様性を基調とする自立、協働、創造の三つをキーワードとする新たな社会のモデルを構築していくことが求められている。そして、特に今後も進展が予想される少子高齢化を踏まえていけば、真の生涯学習社会を目指していくことが必要だということでございまして、このような社会の実現に向けて、教育行政として責任を持って教育成果の保証を図っていこうと。そのための四つの方向性ということで、まとめているものでございます。
 もう1枚お開きいただきますと、2ページ以降になりますが、2ページ、3ページのところ、まず、冒頭で「教育の使命」ということで、教育基本法における理念を確認的に記述させていただいた上で、あとは、昨年末の「基本的な考え方」と同じように、状況につきまして、グローバル化、少子高齢化、厳しさを増す経済環境、知識基盤社会化、雇用環境の変容等々について、見開きで記述させていただいております。
 また、東日本大震災からの教訓ということで、東日本大震災がもたらした衝撃ということ、4ページに行きますが、そこから見出された希望、震災からの教訓というものも改めて記述させていただきます。
 その上で、(4)といたしまして、社会の方向性、社会システムの変換の必要性ということで整理をさせていただいておりますが、ここの部分につきましては、昨年末の「基本的な考え方」で、自立、協働、創造というキーワードを出させていただいておりましたが、その点について、イメージは湧くんだが、内容についてもうちょっと説明が必要なのではないかというような御指摘もございましたので、少し内容を砕いて、記述を増やしているところでございます。
 5ページのところで申し上げますと、例えば白丸の上から三つ目では、今後は自助を基調としつつも、人々が主体的に社会参画し、社会全体で支え合う互助、共助の在り方が一層重要になる。これらが困難な場合に公助が必要となるといった考え方。すなわち一人一人の自立した個人が多様な個性、能力を生かし、他者と協働しながら次世代の社会を創造していくことができる柔軟な社会を目指していく必要があるといった考え方でございます。
 その上で、その下に自立、協働、創造ということで、それぞれの考え方を記述させていただいているところでございます。
 それから、その次のページの6ページでございますが、そういった危機的な状況を回避するシナリオといたしまして、ポイントを絞って整理をさせていただいております。まずは少子高齢化の克服ということで、子どもを安心して産み育てることができる教育環境整備により出生率を上昇させること。それから、個々人の自己実現、社会の担い手の増加、格差の軽減ということで、全世代、そして社会の構成員の全てが多様な個性と能力を高め、十分に発揮できる生涯現役、全員参加型社会を構築していくといったことです。また、その下では、グローバル化、グローバルに活躍する人材、イノベーションを実現する人材の養成、確保といった観点。最後につながりの再構築ということで、一人一人に居場所と出番の創出に向けた環境を整備をすることにより、社会関係資本というものを再構築して、社会のつながりを確保する。そういったことで、社会の幅広い人々が実感できる成長を実現していくということでございます。
 それから、ページをめくっていただきまして、8ページからですが、ここにつきましては、昨年の「基本的な考え方」でも、現状と課題ということで、今の教育の状況の評価をしていたところですが、そこでかなり中身を記述しております。委員の先生方からも、評価についてきちっと整理したほうがいいといった御意見がございましたので、そういったことも踏まえて整理しているものでございます。各学校段階ごとに整理しております。
 8ページでは、小学校就学前の教育段階ということで、認定こども園の設置促進ですとか、預かり保育等の子育て支援の実施など、教育の機会の確保と質の向上を図ってきたところである。他方で、家計などについて見ると、教育費負担が高いといった課題もあるといったようなことに触れております。
 また、次の義務教育段階につきましては、部会におきましても御議論いただいてきておりますが、新学習指導要領や学力テスト、指導方法の工夫改善などを通じて、確かな学力の育成を図ってきている。そういったことで、国際調査などによれば、近年は改善傾向にあるが、他方で低学力層の割合は、トップレベルの国と比較して多いといった課題、また、学ぶ意欲や学習習慣に課題があることが指摘されていることなどについて、それぞれ記述しております。
 また、10ページは高等学校教育段階についての記述でございまして、これも本部会でも御議論いただいておりますが、特に学習時間の減少に指摘されるような学習意欲の減退などが依然として指摘されてきている。多様な高等学校の在り方を前提としつつも、教育の質の保証などに本格的に取り組むことが喫緊課題だということで整理しております。
 10ページ下から、高等教育の段階につきましても、高等教育機関に求められる役割が一層多様化していることですとか、高等教育段階への進学率が、先進諸国と同様にユニバーサル化が進展している一方で、依然として地域間の進学率には格差があるといったことなどについても触れております。
 そういった中で、大学改革を迅速かつ強力に推進する必要があるということで、教育の質の向上と大学のガバナンスの機能強化、それから学習機会の均等といった三つの観点から、大学の多様な自律的展開を促すための政策誘導を図ることが適当だということで、それぞれ質の向上やガバナンスなどに関しての現状と課題を11ページの下から一つ目、二つ目の白丸で整理させていただき、また、12ページでも、一番上の白丸では学習機会の均等に関しての状況についても触れております。
 その上で、上から二つ目の白丸ですが、こういった状況を踏まえれば、各大学等の自主性、自律性を旨としつつも、学生の主体的な学びの確立のために、教育を質的に転換することが必要だ。学位を与える課程(プログラム)中心の考え方による体系的、組織的な教育を機動的に行うことが可能な柔軟な構造への転換ですとか、初中教育、高等教育の接続の関係の話についての課題を整理しております。
 最後に生涯学習に関する現状と課題ということで、12ページ、13ページで、生涯学習の置かれている状況につきまして、民間が提供するような教育サービスの質向上の関係ですとか、あるいは社会教育の行政体制の話についての課題を整理させていただいているところでございます。
 その上で、14ページのところでは、これは年末の「基本的な考え方」にも記述しておりましたが、これまでの教育改革にも触れつつ、教育課題が依然として指摘される要因の例につきまして整理をさせていただいているところでございます。
 15ページのところでは、四つの基本的な方向性は、今まで述べております状況から、どのようにして導き出されていくのかということを端的に整理しているところでございまして、例えば白丸の二つ目で、少子高齢化が進行して、生産年齢人口の大幅な減少等が予想される中で、我が国が持続可能な発展を遂げていくため、社会の構成員一人一人の能力を最大限に伸ばしていく、そういった観点から「社会を生き抜く力」というのは大事だろうということです。それから、グローバル化に対応した教育を展開していくことであれば、「未来への飛躍を実現する人材の養成」が大事だろうということ。それから、社会的格差の拡大を食いとめるための仕組みを構築すること、その上で「学びのセーフティネットの構築」が出てくる。最後に、学びを通じた自立・協働型の社会づくり、地域づくりの推進ということで、「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」というのが出てくる。非常に端的に示したので、全てをここで言い尽くしてはおりませんが、分かりやすいように整理しているつもりのところでございます。
 16ページ、17ページでございますが、これは、「社会を生き抜く力の養成」の説明でございます。また、19ページでは、「未来への飛躍を実現する人材の養成」の関係、21ページで、「学びのセーフティネットの構築」の関係、22ページで、「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」ということで、それぞれ説明書きが加えてありますが、これは年末の「基本的な考え方」とほとんど同じ内容をトレースしているものでございます。
 総論部分の最後のところですが、24ページで、今後の教育政策の遂行に当たって特に留意すべき視点ということで、ある意味、確認的に書かせていただいている内容ではございますが、例えば教育の社会的な効果として、未来への投資などの公的な性格を持つ営みだということですとか、教育政策の目的として、教育の機会均等、教育水準の維持向上を図ることが最大の目的であるということ。
 その上で、四つの基本的方向性を実現するための共通理念としての多様性の尊重というのが最初に来ていて、そういったもとで、25ページですが、縦の接続、これは家庭教育、幼児教育、各学校間等々の縦の接続が大事だということ、それから3では、社会全体の横の連携・協働ということで、学校、保護者、地域住民、企業等々、社会の構成員全てが教育の当事者なので、そういったところへの連携というのは重要だというようなことを書かせていただいております。
 26ページでは、行政の役割ですとか、国、地方の役割、それぞれ26ページ、27ページで、見開きで確認的に整理をさせていただいております。
 そして最後、27ページの「(3)教育投資の在り方」というところがございますが、この点につきましては、現在審議経過報告のまとめに向けまして、成果目標ですとか施策などについて集中的に御議論いただいているところでございますので、その議論が終わった後、審議経過報告以降、改めて投資の在り方について御議論をいただくということを明記させていただいております。
 総論につきましては、以上でございます。
 各論につきましては、28ページ以降、記述を整理しているところでございますが、先般の本部会におきましては、こちらの30ページをお開きいただきますと、基本施策1ということで、「基本的考え方」、そしてその下の点線囲いの「現状と課題」、右側に「主な取組」ということで整理させていただいておりまして、特に先般の部会では、「基本的考え方」の部分につきまして横断的に御議論いただいたところでございますが、本日は、特に「主な取組」の内容、これまでは、今、ゴシックで書いてある項目を羅列しているような形だったんですが、その内容を少し書き下して、分かりやすいようにして整理しているものでございますので、時間もございませんので、簡潔に主な部分を取り上げて御説明いたしますと、31ページのところでは、まず、1−1として、指導要領の関係でございますが、各教科等を通じた言語活動の充実のための取組ですとか、コミュニケーション能力、情報活用能力を育成するための支援などに取り組むこと。また、その下の1−2では、ICTの積極的な活用をはじめとする指導方法、指導体制の工夫、改善を通じた協働型、双方向型の授業革新を推進するといったこと。また、ICTの関係の各教科等の指導において情報端末デジタルコンテンツ等を活用して、その効果を検証する実証研究を実施することなどについて記述しております。1−3、高等学校につきましては、これまでも繰り返し出てきておりますが、全ての生徒に共通して身につけさせる能力の明確化を図っていくということ。1−4、学校間連携の推進、ここでは小中一貫教育を推進していく手だてなどを整理しております。
 35ページですが、これは、豊かな心と健やかな体の育成の関係でございます。道徳教育、人権教育、体験活動、読書活動、伝統・文化等に関する教育の推進それぞれについて記述をしております。また、生徒指導体制及び教育相談体制の整備・充実のところでは、二つ目のポツにございますが、いじめ、暴力行為、不登校、少年非行等への対応の推進を図るため、これらの未然防止、早期発見、早期対応につながる効果的な取組を推進するとともに、問題行動等を起こす児童生徒に毅然とした指導を促し、いじめられている児童生徒の立場に立った取組を促進するといったことなどについて記述しております。また、その下の青少年を有害情報から守るための取組の推進では、フィルタリングや機能限定が可能な携帯電話の活用等についての普及啓発活動を実施するといったことを整理をしております。
 次の36ページのところでは、学校保健、学校給食、食育の充実、さらにはスポーツ基本計画に基づいて環境整備を図っていくといったことについて整理をしております。
 それから39ページですが、教員の資質能力の総合的な向上の関係でございます。修士レベル化を想定しつつ、修士レベルの課程の質と量の充実を図っていくといったこと、カリキュラム改革の理論的支柱となる実践的な教育学研究を推進していくことなどを記述をしております。
 飛び飛びになって、恐縮ですが、次の40ページでございますが、幼児教育の充実の関係では、4−1ですが、子育て支援活動、預かり保育も含め、幼稚園における多様な教育活動の充実を図るために、引き続き財政支援を行うといったこと。それから、4−2のところで、いわゆる新システムの関係のことですが、学校教育、保育の総合的な提供を一層促進していくといったことでございます。
 それから、43ページでございますが、これは、特別なニーズに対応した教育の推進ということで、特別支援教育の関係で、5−1のところでは、インクルーシブ教育システムの構築に向けて、円滑な就学手続を実現するといったこと、それから、バリアフリー化の推進、教室不足の解消を含めた施設、設備の整備、専門性ある教員、支援員等の人的配置などに取り組むということです。下の5−4では、海外で学ぶ子どもたちや帰国児童生徒についての記述もございます。
 44ページでは、学力テストの関係で、検証改善サイクルの確立に向けた取組について触れているところでございます。
 47ページのところで、高等教育の関係でございます。7−1でございますが、大学教育の質的転換ということで、教育課程の体系化、組織的な教育の実施、授業の工程表としての授業計画(シラバス)の充実、教学マネジメントの改善、ICTを活用した双方向型の授業などを促進するといったこと、それから、学生の学修成果の把握、教育に関する教員評価について、その評価手法の研究、開発を関係機関とともに推進するといったことなども触れております。
 次の48ページにつきましては、大学教育の質の保証ということで、いわゆる大学をつくる基準ですが、大学設置基準等の明確化ですとか、大学の質の保証、向上に向けた評価制度の見直しなどについて記述をしているところでございます。
 さらに51ページでは、初中教育、高等教育の接続の円滑化、充実ということで、高等学校における教育、大学入試、大学という、そのプロセスにおける質保証システムに転換していくんだということで、9−1のポツの真ん中ぐらいですが、平成24年夏を目途に中央教育審議会において検討を開始して、審議状況を見きわめつつ、知識を活用するための思考力や判断力等をより重視する新しいタイプの問題、選抜方法の研究開発に着手するということでございます。
 それから、生涯学習全般の関係でございますが、55ページ、10−1のところです。社会の形成者たる主権者としての自覚を育む学習、地域の中で自立した高齢期を送るための学習などの機会の充実を促進する。さらに、地球規模での持続可能な社会の構築に向けた教育(ESD)を推進していくといったことです。
 その後ろの56ページでは、学習の質の保証と学習成果の評価・活用の推進の観点で、特に質の保証の関係ですと、11−1ですが、民間教育事業者における評価・情報公開に関するガイドラインの策定、普及、ISO29990(非公式教育・訓練サービスに係る国際標準)等の質の保証、向上の取組への支援などについて、まとめております。
 さらに58ページ、59ページのところでキャリア教育の関係がございますが、まず、12−1では、従来から取り組んでおりますが、幼児期の教育から高等教育まで、各学校段階を通じた体系的、系統的なキャリア教育を充実していく。インターンシップや職場体験なども、これに含まれるというものでございます。また、12−2では、中核的専門人材を養成するために、学習ユニット積み上げ方式ということで、一つの学校の中で同じような学びをずうっと積み上げていくみたいなことで、社会人の都合に合わせながら、うまくユニット式に積み上げていけるような学習システムというものを構築していくというようなことも盛り込んでおります。
 続きまして、未来への飛躍を実現する人材の養成の関係でございます。63ページでございます。ここでは、13−1で、上の方から「特に」とございますが、高校と大学の接続につきましては、飛び入学に関して、各大学における積極的な取組を引き続き促すとともに、高等学校段階における早期の卒業を認める制度の検討などについて触れております。また、理数系人材の養成では、スーパーサイエンスハイスクール指定校の増加などについても触れているところでございます。
 それから、次の64ページでは、特に大学院における教育研究に関して記述しておりますが、例えば14−1、独創的で優秀な研究者等の養成というところでは、専門分野の枠を超えた博士課程教育を構築、展開する大学院教育の抜本的改革の支援などについて盛り込んでいるところでございます。
 また、66ページ、67ページ、次のページでございますが、グローバル人材の関係ですが、これも、例えばですが、15−1、英語をはじめとする外国語教育の強化ということで、英語教育に関して、優れた取組を行う拠点校の設置ですとか、外部検定試験を活用した生徒の英語力の把握検証による戦略的な英語教育改善の取組の支援を行うことなどについて盛り込んでおります。また、留学に関しても15−2で記述しているところでございます。
 続きまして、学びのセーフティネットのところに入りますが、71ページでは、教育費負担の軽減に係る経済的支援ということで、16−1から16−4まで、幼児教育、義務教育、高等学校段階、大学段階それぞれについての考え方、取組の施策について整理をしております。
 さらに73ページでは、学習や社会生活に困難を有する者への学習機会の提供などの教育支援ということで、例えば17−1では、経済的困難等を背景として学力定着に課題を抱える児童生徒が多く在籍する学校について、必要な教材の開発ですとか、個に応じた指導の推進のための人的支援などについて記述しております。さらに17−2では、高校中退者情報の共有を推進するといったこと、この点については、学校とハローワークですとか、地域にございます若者サポートステーションとの連携体制を構築していくこと、また、関係行政機関、NPO等の連携についても積極的にやっていくということを盛り込んでいるところでございます。
 それから、75ページでは、安心・安全な教育研究環境の確保ということで、耐震化の関係で、これまでここに盛り込んでいなかったのですが、成果指標のところで、例えば公立小中学校施設については、平成27年度までのできるだけ早い時期に耐震化を完了することを目指すといったことで、成果指標として一つ盛り込ませていただいているところでございます。
 77ページでは、それに関わる内容を盛り込んでいるものでございます。
 それから、四つの方向性の最後でございますが、81ページでは、コミュニティー形成に関する取組でございますが、学校支援地域本部ですとか、放課後子ども教室などの取組を充実していって、全国の小中学校区に、地域住民が子どもたちの学びに参画、支援するための体制をつくっていくといった方向性を書いているものでございます。
 また、82ページ、次のページのところでは、大学の地域との関係について、地域コミュニティーの中核的存在としての大学の機能強化を図る内容でございます。
 それから、84ページのところでは、家庭教育の関係でございます。家庭教育の関係で、例えば21−1でございますが、二つ目のポツで、家庭教育支援に係る地域人材の養成などを図って、家庭教育支援チーム型の支援というものを、地域の特性に応じて促進していくといったことでございます。ここで、家庭教育支援チームのこと若干触れさせていただきますが、今現在、全ての市町村にこういったものがあるわけではございませんで、全国で300チーム程度、国の補助が入っているものと、地域単独でやっているもの、いろいろございます。取組内容も地域ごとに様々でございまして、学校とか公民館を拠点として、子育てとか家庭教育の相談に乗ったりするところですとか、あるいはもっと突っ込んで、思春期の課題ですとか不登校など、様々なそれぞれの課題に応じて相談しているようなところもあるようでございます。学校からの要請に基づくというよりも、チームの方から働きかけながら相談を進めているような実態があるようでございます。そういった取組も推進していくということを、21−1では記述しております。
 さらに85ページの基本施策22ですが、教育委員会の関係でございます。22−1ですが、地域とともにある学校を支える、主体的かつ機動的な教育行政の一層の実現に向けた検討を進めていく。その中で、教育委員会の在り方を考えていくということでございます。また、県費負担教職員の人事権の移譲につきまして、条例により都道府県の事務を市町村が行うことができる事務処理特例制度を活用した取組の状況も踏まえて、引き続き検討していくということでございます。
 さらに、教職員定数の関係でございます。86ページでございますが、基本施策23でございます。23−1のところでは、少人数学級の推進とともに、様々な課題に対応した学級規模及び教職員配置の適正化の具体的な在り方について検討し、その結果に基づく必要な措置を講じていく。この検討の中では、計画的な教職員定数改善の具体的な在り方について、財政上の扱いを含めて具体的に扱うということでございます。
 それから、89ページの教育環境の整備のところでは、良好で質の高い学校施設の整備ですとか、教材の関係で記述がございます。特に教材の方では、ICT環境の整備について、それぞれどういった内容が考えられるのかを詳細に書いているところでございます。
 90ページ以降、大学の関係でございます。90ページのところでは、大学におけるガバナンスの機能強化ということで、25−1で、国立、公立、私立それぞれについての機能強化の考え方を整理をしております。
 また、92、93ページでございますが、大学の個性・特色の明確化とそれに基づく機能の強化ということで、国立大学のところの26−1ですが、国立大学改革を推進するために、平成25年央までに全大学、学部のミッションの再定義を行い、改革の工程を明確化していくといったことなどについて記述をしております。その下に、私立大学における教育研究活性化の促進ですとか、国公私立大学の枠を超えた大学間連携の促進など、先般公表されました大学改革プランの中での記述を踏まえての整理をしているところでございます。
 さらに95ページでは、大学の財政基盤の強化の関係でございます。27−1では、国立大学運営費交付金、私学助成など財政基盤の確立を図るとともに、基盤的経費について、その基本的な性質を十分踏まえつつ、一層めり張りある配分を行うといったことでございます。
 それから、次の基本施策28では、私立学校の振興ということで、財政基盤の確立とめり張りある資金配分、多元的な資金調達の促進、学校法人に対する経営支援の充実といったことについて整理をしております。
 そして最後、施策29では、社会教育推進体制の強化ということで、29−1ですが、社会教育担当部局が中心となって、部局横断的に地域の課題を解決する取組を支援するとともに、先進的な取組の全国への普及、啓発を行うといったことなどについて整理をしているところでございます。
 長くなりましたが、全体の御説明、以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 大部で、こってりしたフランス料理みたいな感じなんですが、詳細なアクションとか何とか、今日お話しいただいても結構ですし、後ほどまた意見を事務局にお寄せいただいても結構だと思います。今日は、どうぞ自由に全体の構成、あるいは特にこういう点についてもう少し、あるいはこれは必要ではないのではないか、こういうような御意見がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。いつものとおり、ネームプレートを立てていただいて、よろしくお願いします。

【三村部会長】

 それでは、石井委員、よろしくお願いします。

【石井委員】

 早速御指名いただきまして、ありがとうございます。この間、18、19日に高松の地におきまして全国知事会が開催されまして、そのとき、国に対しまして提案、要望していこうということを決めました。私は、それに基づきまして若干御意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、私自身、今までグローバル人材の育成と学校の耐震化につきまして主張してまいりましたが、今回内容が非常に手厚く記述されていますことを評価させていただき、感謝を申し上げたいと思います。ただ、一点、75ページの中身を見ておりますと、公立学校につきまして「27年度までのできるだけ早い時期に」、これはこれで結構かと思うんですが、一方で、「また」というところにあります「私立学校施設について、できるだけ早期の」ということになっております。これですと、私たち地方行政を預かる立場からしますと、公立学校に行っている生徒さんも、また私学に行っていらっしゃる生徒さんも同じ住民でございます。ぜひ公立学校には遅れをとることなく、「できるだけ早期」という前に、一言、例えば「公立小中学校の耐震化の状況を勘案しつつ」とかいったことで、あまり遅れることなく、できるだけ早期にという意味におきまして入れてもらうと、方向性が出て、大変ありがたいのではないかと思いました。
 それでは、今日の本題に移らせていただきたいと思います。85ページにございます、これからの教育委員会の行政体制の確立の問題でございます。まず、基本的考え方、上の欄と、今、御説明ありました22−1の記述を見ながらお話しさせていただきたいと思うんですが、二つございますが、第一点は、教育委員会制度の在り方でございます。審議会の中におきましても、あのとき議論が出たんですが、御案内のとおり、今般の大津市の事案でございます。あの事案を、皆さん方、報道等でも御覧になっておられまして、皆さんも疑問に思われたかと思うんですが、私もあれを見ながら、首長である大津市の市長さんの御発言と、教育委員会を代表しての教育長さんの記者会見の発言内容があまりにも、例えばいじめというものが背景にあったのかどうかとか、あるいは学校においての調査をどのようにするかとか、いろいろな面におきまして非常に食い違いというものが出ていたというものです。そうすると、どちらの方がおっしゃっている方が、自治体としての正確な方向性なのか、それが明確でないような。非常に混乱していたとは思うんですが。いずれにいたしましても、そういった点の問題意識を、皆さん持っておられるのではないかと思うわけでございます。
 そういったこともあって、知事会の中におきまして、今回初めて教育委員会の選択制ということを求めていくということで一致いたしましたので、ぜひそういう方向で検討していただきたいと思うわけでございます。確かに上の方の四角にございます基本的考え方、「その際、政治的中立性、継続性・安定性を引き続き確保」、こういうこと自体は大変重要な観点かと思いますが、御承知のとおり、地方分権改革推進委員会の第3次の勧告におきまして、教育委員会制度の必置規制を見直し、選択制とすべきということが既に勧告されております。今回の大津市の事案を見ておりましても、やはり責任の所在というものが不明確である。そして迅速な意思決定というものが、そのたびに教育委員会を開かなければいけないといったこともあって、それが困難となっている仕組み、こういったところが大変厳しく指摘されようかと思うわけでございます。
 私は、今の文部科学省におかれましては教育委員会というものが設置されていないということで、地方のみ教育委員会制度ということになっているわけでありますが、この教育委員会制度について求められる問題点は、例えば教育行政の継続性、安定性の問題とか、あるいは教育内容の政治的中立性の確保、あるいは首長への過度の権限集中の防止、確かにこれは重要な点でございますが、これらは、戦後のあのような時期を経て、今日に至るまで地方行政も非常に様々な変遷を経まして、今、様々な課題を克服して、今日に至っているかと思います。
 したがいまして、首長の4年ごとにあります公選ということで、選挙によってチェック機能があるということ、それから、議会におきましてもチェックされるということ、いわゆる二元代表制、こういったことで解決されるべきではないかと考えております。また、首長が教育行政に関する責任を負うということで、選択制を受けて、そういう方向性を出された場合には、福祉政策とか青少年の行政とか、いろいろな他の行政分野と一体的に迅速な意思決定を行うことができる、また地方公共団体の創意工夫によって、地域の実情に応じた地方教育行政体制を構築することができると考えるものであります。
 今現在の教育委員会制度は、縦割りで、そして円筒型になっていて、極めて中央集権的な色彩が強いと思います。分権型の仕組みに改める、首長が教育行政の中心となって担うという選択を中央に委ねる、そういった思い切った大きな改革を検討するべき時期にちょうど来ているのではないか。このいじめ問題等々、大津市だけの問題ではないし、他の地域でも教育行政をめぐる、数々いろいろな諸課題がございますので、そういった方向性をぜひ打ち出していただきたいということが一点目です。
 二点目は、同じように、その下のところに書いてございます、85ページの二つ目のポチでございます。県費負担の教職員制度についてのことでございます。これにつきましても、私ども今回の全国知事会におきまして、政令市においては人事権と給与負担を先行して一元化をしていただきたいということ、そしてその後、市町村においても人事権や給与負担の移譲を検討していただきたい。その際同時に、地域間の教育格差が生じないように、広域人事等の仕組みの整備等も十分検討していただきたい。こういう方向性を打ち出したところでございます。
 これにつきましては、今の85ページもそうですし、それから27ページでも、教職員の給与負担を都道府県の役割としていらっしゃいますから、今の制度を固定化しているような感がするわけでございますが、このことにつきましても、御承知のとおり、中央教育審議会の7年前の答申に既に出ておりますし、地方分権改革推進委員会の第1次勧告、あるいは地方分権改革推進計画、さらには22年6月の地域主権戦略大綱、こういったところに示されておりまして、もう既に国と地方を通じた政策目標となっていると承知しているところでございます。
 85ページの表現を見ますと、「事務処理特例制度を活用した取組の状況を踏まえ、引き続き検討」となっているところでございますが、私ども従来から主張しておりますが、今の制度ですと、公立小学校職員の地域に根差す意識を持ちにくくなっている。また、より教育現場に近い行政主体が権限を持つべきであると考えるものでありますので、先ほど申し上げましたような、私どもの提案する方向に沿いまして、ぜひ検討を、また明確な方向性を打ち出していただきたいと思います。当然我々も教育的な人事調整の仕組みづくりにつきまして、国、市町村とも協力しながら、しっかりと責任を果たしていく所存でございます。
 以上、大きく二点につきまして、私から提案させていただきます。少し時間がかかりまして、申し訳ございませんでした。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。
 では、篠原委員どうぞ。

【篠原委員】

 素案を見て、私が気になっていたところを、大分手を入れていただいて、ありがとうございます。
 さらにもう少しお願いしたいところが幾つかあります。55ページの「主権者としての自覚を育む」という中身ですが、ここには主権者教育というような言葉をしっかりと入れていただければと思います。先ほども駐日英国大使からイギリスの教育の話を聞いたんですが、イギリスではシチズンシップ教育というのが国の施策として大変確立されているんです。そういうことを、日本ももう少し力を入れるべきだと、前から申し上げているんですが、何かそういう言葉を強調して入れていただきたいということです。
 それから、66ページのグローバル人材のところですが、「日本人としてのアイデンティティ等を身に付けた」というふうに入れていただいているんですが、ここを、日本語に習熟し、日本のことをしっかり学ぶことが前提で、その上でという、そういう文脈をもう少しつけられないのかなと思います。
 それから家庭教育支援のところです。これも支援ということだけで、果たしていいのだろうか。84ページです。家庭教育の役割というものを、ポジティブにとらえ、家庭教育の重要性をもう少しはっきりさせるべきではないかと思います。
 それから、いじめの問題です。今、石井知事からもお話があったんですが、この問題で1項目を立てるかどうかは別にして、私はいじめの問題というのは、短期的な問題と中長期的な問題、それから予防と、起きたときの対応とそれぞれ両面あると思うんですね。今、文科省がいろいろと対策に乗り出していまして、それを見守りたいと思いますが、例えば中長期的には、先ほど石井さんもおっしゃったように、教育委員会制度の在り方とか、あるいは学校の評価制度、選択制の在り方とか、あるいは教員の質の問題だとか、いろいろなものが包含されているのではないかと。これだけ問題になっているわけですから、基本計画の中にそうした課題を流し込んでいく議論はあっていいのかなと。
 それから、予防の面では、道徳や社会規範をしっかり教える。命の大切さを子どもたちにしっかり教えていくというようなことも大事だと思います。その点では、家庭が非常に大きな役割を果たすと思うので、そういうところも絡めて、もう少し書き込めないのかなという感じがしています。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 では、丸山委員、よろしくお願いします。

【丸山委員】

 今のお二方の御発言にも関連しますが、いじめの問題です。石井委員がいじめの問題を例に、教育委員会制度の改革の方向性をという提言をされましたし、篠原委員は家庭教育の充実をという提言をされましたが、私は、とりあえずこの基本計画に、いじめなどの問題を、国としてどれだけ真摯に受けとめて、どう根絶していくのかという決意みたいなものを盛り込んでもらいたいなと思うわけです。
 そもそも教育基本法の根本には、人格の完成とか個人の尊厳というような言葉があります。そしてそれに基づく指導計画を立てているわけですから、この素案を拝見しますと、72ページのあたりに、学習や社会生活に困難を有する者への教育のところの基本的考え方の丸の三つ目に「いじめ、不登校など児童生徒の問題行動等の減少に向けて、学校のみならず家庭、地域社会や関係機関が連携した取組を一層推進する必要がある」と書かれております。そのとおりなんですが、現実には子どもと親、それと学校、教育委員会、行政、この信頼関係が崩れつつあるというよりも、完全に崩れている。これをどうするか。こういう視点で文章を書き込むことができないかという気がします。
 今回の大津のいじめ事件についても、文部科学省は対策チームをつくるというようなことになっておりますが、1986年の中野富士見中学の男子生徒のいじめ自殺事件をはじめ、大きな社会問題になるたびにそういった対応をするんですが、どうも対症療法的に終わって、その結論が次に生きていないという気がします。この基本計画の素案の中に、国としての対応の方向性みたいなものをもうちょっときちんとうたったほうがいいのではないかと思っております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 國井委員、よろしくお願いします。

【國井委員】

 家庭教育のお話がありましたが、篠原委員からもお話があった家庭教育支援なんですが、家庭科教育の充実というのも重要ではないかと思うんですね。現在の家庭科は、育児等々についても内容的にかなり充実していると伺っているんですが、高校の教育時間数は減っているというのがありますので、今の社会の方向からいうと、家庭科教育の中でいろいろ取り込んでいくというのも重要ではないかと思います。
 それから二つ目に、生涯教育の方が、いろいろ充実していて、書き込んでいただいているんですが、一つのスタンスとして、社会がすごく急速に変わっている。所有から利用へとか、サービス化というところが重要になっているとかというので、テクノロジーそのものがものすごく変わっていますので、今、仕事があっても、次の技術を学んでいくというようなことを、企業の中だけでももちろんしていくわけですが、大学教育の中でもそういうのを取り込んで。連動して、連携してとかとある中身が、ちょっとジョブミスマッチとかというところに重点が置かれているかなと思っているんですが。常に進化して、変化している中では、生涯教育という言い方がどうもぴったりこない気がするんですが。常に教育というのを提供していく必要があると思いますので、そういう観点での記述がもう少しあるといいかなと思いました。
 それから三つ目、いじめの話が今、出ておりましたが、おっしゃられるように、対症療法ではなく、きっちりとした対応が必要だと思うんですね。日本の文化の中で、いじめられる方が悪いみたいな言い方をされる方、今でも結構いらっしゃるんですね。例えば何日間かの登校の停止だとか、いじめるということに対してきっちりした対応をとって。いじめられるほうが逃げていくしかないような今の状態というのでは、まずいと思うんですね。こういうところは、これからいろいろと御議論なさるところだと思いますが、情報の公開もきっちりしていかないといけないんですが、対策としてもそういう制度的なものをつくった方がいいのではないかと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 宮本委員、よろしくお願いします。

【宮本委員】

 ありがとうございます。
 二点ございます。一点目は学問的なところでありまして、73ページ、基本施策の17、学びのセーフティネットに関わって、貧困の連鎖の防止についての議論があるわけですが、これを40ページ、幼児教育の充実のところにもつなげていただけないか。今、政府は、秋に向けて生活支援戦略の策定をしているわけですが、生活保護制度の改革の中で、子どもたちがダメージを受けることをどう避けるかということが非常に大事な問題になってきております。諸外国を見ても、アメリカのヘッド・スタートであれ、イギリスのシュア・スタートであれ、あるいは韓国が最近始めたウィ・スタートです。「ウィ」というのは、ウェルフェアとエデュケーションの連携。これは、子どもの段階で家計がどういう経済状況にあっても、そのダメージを受けることをどう避けるかということがポイントでございます。日本の場合、この種の議論はどうしても高校中退者から始まってしまうんですが、幼児教育、特に小学校就学前教育の設計に、良質な小学校就学前教育の導入が、そのダメージを受けることを最大限に抑制するという視点を盛り込んでいただくと、これからおそらく子ども・子育て新システムの具体的な設計の議論が進んでいくと思うんですが、幼保一体化の上でも非常にありがたいと思います。
 二点目は、生涯学習社会の理念についてであります。この素案では、特に第1期計画の総括として、14ページですが、生涯学習社会の理念の共有が道半ばであるということをおっしゃっています。実は生涯学習社会の理念というのは、この素案の全体を貫くキーワードではないかと思うんですが、ただ、それがなかなか一義的に書き込まれていないところがありまして。一番詳しく書かれているのは、実はかなり後の方で、25ページの2の縦の接続と3の横の連携。つまりこれまでライフステージごとに非常に区画整理をされて、それからライフコースごとに分かれてきた様々な教育の仕組みというのを縦、横に接続していく。これが、生涯学習社会概念として一番クリアな提示ではないかと思うんですが、これはかなり後の方に出てきて、そして、前の方には、例えば12ページの「生涯学習に関する現状と課題」、ここは、実は義務教育までの教育、あるいは高等教育をも包括する上位概念としての生涯学習社会ではなくて、それと区別された、これまでどおりの生涯学習の意味なんですね。いわば狭義の生涯学習と包括的な概念としての生涯学習社会という定義が共存してしまっていて、そこも分かりにくい。
 実は大きな生涯学習社会への転換、システム転換というのが、ここまでの論理の組み立ての中で非常に重要な前提になっていて、例えば4ページ、5ページのあたりで危機の現状が述べられていて、そして危機脱却シナリオ、日本社会の再生へ転換点にいわば転轍をしていく、そのターニングポイントが5ページの「自立、協働、創造モデルとしての生涯学習社会の実現」という議論になっているわけなんですが、この段階で、自立、協働、創造がどういう形で可能で、そしてなぜ危機がここで脱却できるのかということを説得力を持って読み込むのは少し難しい。私は分かったつもりではいたんですが、一般の方が読んでいったときに、ちょっと論理の飛躍を感じてしまうのかなとも思います。
 それから、四つの方向性についても、実は学びのセーフティネットであれ、生きる力であれ、その他の方向性を含めて、これは生涯学習社会の構築というのが前提になって出てきているわけですが、生涯学習社会構築のアウトプットになる自立、協働、創造だとか四つの方向性というのが、生涯学習社会の定義があまり十分になされていない段階で、まず、アウトプットとして出てきてしまうところに、やや分かりにくさというか、飛躍のようなものがあるので、そのあたりの書き方をぜひ工夫していただければと思います。
 ちょっと長くなりました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は、竹原委員、よろしくお願いします。

【竹原委員】

 私も少し関連しますが、他者との協働という言葉に関心を持って読みますと、誰でもが社会の担い手であるということが大事であるということと、その中で、それぞれができることをしていくというのが、多分これからの教育の関わり方だと思っています。
 79ページなどにありますが、地域住民の地域参加への参画度合いの向上という項目がありますが、担い手の中に、子どもを育てていたり、企業人として社会を今、一番動かしている現役世代の参画というのがどこにも出てこないですね。余裕のある高齢者だけの社会参画とか、好きな人、よほど気持ちのある人だけの参画ということになりますと、やはり弱いですね。地域はみんなでつくっていく。企業人でもあるとともに、市民でもあるということが大切で、家庭教育の充実にもつながっていくと思います。企業人というと、常に企業の社会貢献活動として描かれますが、ぜひ一市民として、父親として、母親として参画できるようなツールもつくりたいと思いますし、そういうことを促していきたいと思います。
 次に、協働のための環境整備について、協働するのはいいことだと思っていますが、学校施設の使い方ですとか、異なった管轄のものが一緒にやるときには、市民の努力、熱意だけでは解決できないことが、現場にはたくさんあります。それをイメージし、予想し、なるべくバリアを取り除いて、やる気のある地域、一緒にやろうと思った地域に、制度や組織が壁を取り除けるよう環境を整備していただきたいと思っています。
 次に、社会教育施設や社会教育専門職員のことがクローズアップされたのはとても良かったと思いますが、学校教育が専門家集団である先生方だけではなく、地域とともにあるというのと同じように、社会教育も地域とともになければいけないと思うので、社会教育施設や専門職員が地域といい関係をつくったり、コーディネートをする人が地域の側にもいたりという、そういう視点が盛り込まれると、更に協働は進むと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 白波瀬委員、よろしくお願いします。

【白波瀬委員】

 ありがとうございます。
 大きく三つほどあるんですが、もう既に議論をされていることなので、後ろ向きかもしれないんですが、私の専門が少子高齢化ということもありまして気になったところが、6ページのところの新たな社会モデルの中での「少子高齢化の克服」です。このところ、流れからいっても不自然さを感じます。少子高齢化が急速に進んだ日本における新たなモデル、という観点から考えると、少子高齢化はこれからの日本社会を考えるにあたっての鍵になる背景となりますので、少子高齢化の克服を目標とすることがここで適当なのか疑問です。それとの関係で少子化に関連して、理想とする子どもの数まで産まない背景に、教育負担の問題があるというのは確かにそうなんですが、なかなか両者の因果関係は特定できません。また、8ページの記述にもある、認定こども園のことと教育費負担のことが並立的に書かれているのも誤解を招くところがありまして、認定こども園の問題として費用はかかるということも指摘されています。このあたり、少子化の要因の一つとして教育を議論するよりも、ここではあくまでも学びについての議論というところで展開された方が、効果的ではないかと感じます。
 それから二点目なんですけれど、いじめの話に言及されていますので個人的な意見を言わせていただくと、今、マスコミではいじめ問題が大きく取り上げられていますけれど、この問題は非常に中長期的な議論を必要としていますので、一時的な盛り上がりで終わってしまわないような対応が必要ではないかと思います。
 今回のいじめ問題においても、閉じた社会における弊害が明らかにされました。そこで、今回の問題も、できるだけ開かれた場で議論し、処理することが必要だと思いました。そういう意味で、風穴をあけるという点では、ちょっと話が飛びますが、キャリア教育のところに、男女共同参画というか、マイノリティーの記述が少し弱いように感じましたので、この点、せっかく新しい社会に向けたモデルの創造を目指しているので、もう少し強調していただきたいと思います。
 また、新しいモデルという点では、学び直し、生涯学習ということももう少し強調していただけると良いと感じました。今、宮本委員からも言われたんですが、遅ればせながら目覚める子どもがいますので、そういう子どもたちをどう引っ張ってあげるかというのも、どこかで考えておいても良いと思います。つまり常にチャンスはあるのだというところで、学びの構造を設計できればとても良いと思いました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 田村委員、よろしくお願いします。

【田村委員】

 ありがとうございます。
 大変よく素案でまとめておられるので、大変いいなと思ったんですが、この辺のところを強調していただけるとありがたいなということを幾つか申し上げていきたいと思います。
 一つは、38、39ページのところですが、教員の養成のところです。教員をどう養成するかというのは、教育計画、基本的に最大のテーマになるのだろうと思います。できれば、あまり予算をけちらないでやってほしい。文章を入れておいた方がいいのではないかという気がするんですね。とにかくあまり金をかけないようにというような圧力が常にありますが、教員養成に関しては、本当に国の未来がかかっているんだという意気込みで、いい教員を育てていくと、確実にどこかで成果が出てくるわけですから、あまりけちらないでやるというようなことを書いておいた方が、その先でいろいろ難関がありますから、乗り越えるためにも、ぜひ意思として明示していただけると非常にありがたいなと思います。書き方については、どう書いていいか、よく分かりませんので、お考えいただければと思います。
 それから、ESDの問題が取り上げられました。これは大変ありがたいんですが、持続発展教育ということで、サステナビリティというのは、これからの社会の基本だと思いますが、2014年に日本国が主催してESDの世界大会が開かれるわけです。これは、文章として入れておいた方がいいのではないかと思うんですが。つまり全然関係ないことではなくて、たしか愛知と岡山だったと思うんですが、すぐに国際会議が開かれることがはっきりしているわけですので、この時点で書いておいた方がいい。非常に緊急なテーマでもあるということを意識していただく意味で、申し上げております。
 それから、66、67ページのグローバル人材の問題でございますが、どうなんだろうなと思っていることが幾つかがあります。一つは、先ほど篠原委員がおっしゃっていましたが、グローバル人材の国としての基本的な姿勢の第一は、日本人としてのアイデンティティーだと思うんですね。それが、まず最初に来るべきだろうと思います。
 それから二点目の英語の問題ですが、今やグローバル人材はバイリンガルではなくて、トリリンガルだということが常識になりつつあります。トリリンガルの内容は、中国語なんですね。あまり特定の国の言葉を上げるのはいかがかという気もしないでもないんですが、例えばポー研究所ですか、あの研究所のレポートによると、世界中の経済人の意見は、これから10年間の世界第一の経済大国は中国だという結論なんですね。ところが、アジアだけに限ると、世界一はアメリカなんですね。我々もアジアの中にいるから、どうもアメリカという意識が非常に強いし、事実、アメリカも大事です。もちろん大事ですが、世界が中国という意識になっているということを踏まえると、ここで5年間ぐらいの先を考えると、トリリンガルというぐらいのことを書いておいた方がいいのではないかという気がします。
 それと、ここで取り上げるテーマとして、バカロレアというのが掲げられております、これはよく検討していただいた方がいいのではないか。それは、日本の学習指導要領の関係が一つありますね。それから、バカロレアは、世界的に見て、本当に共通の学習指導要領に位置するものと言えるかどうか、私はちょっと疑問に思っていますので、これはここで明示するようなテーマなのかどうかというのは非常に難しいと思います。ですから、日本でもバカロレアは普及しないんですね。やっている例も幾つかありますが、みんな難しい問題を抱えているということが報告されています。これは、ぜひひとつ御検討されたらどうかなという気がします。
 それからもう一点、64ページと65ページのところですが、世界をリードする研究テーマということで、大学、大学院のテーマで取り上げておられます。これは非常に重要なポイントなんですが、実は既にして、例えば省庁を超えた取組などが行われているわけですね。元素戦略がそうですね。ああいうのをちゃんと書いておいた方がいいという気がするんです。そういうことに積極的に関わって参加するんだというふうにしていけば、世界に伍して発展させていけますので。あまり縦割り行政にこだわらずに。これは確か文部科学省と経済産業省が共同でやる最初の仕事だという、非常に大きなプロジェクトですね。それは、今後いろいろな意味で非常に役に立つテーマになるという気がしますので、ちょっと書けないかなというような感じを持っております。
 以上なんですが、あと、認定こども園の文章ですが、大日向先生おっしゃるんだと思うんですが、幼児教育というのは、世界的にも非常に重要なテーマで、それが国の将来を左右するということは、今、人類社会が考えているわけですから、そういう意味でいえば、認定こども園の形で幼児教育をきちっとやっていくという姿勢はコメントしておいた方がいいような気がしております。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 三町委員、よろしくお願いします。

【三町委員】

 恐れ入ります。まず、9ページのところなんですが、義務教育段階の認識ということで、私も勉強させていただいているところなんですが、一つは、分かりにくいのは、「道徳教育の充実等を図ってきたところではあるが」の固まりの中の課題意識のところの表現で、文章の流れだと思いますが、何々の「薄れ」で、その後は「体験」、そして「減少」というような形なので、これは課題意識をもう少しはっきりと分からせていただけるとありがたいかなと。「何々や」とつながるのかなと思うんですが、つながりがよく分からないので、直してほしいということと、もう一つ、そのために取り組んできたことということで、「きめ細かで質の高い教育を実現するため、少人数学級の推進など」と一つの例示があるんですが、学校の感覚でいうと、もっときめ細かくということで、少人数指導とか、そういうところをかなり意識してきているという部分がある。とりわけ中学校の場合は、少人数学級もありますが、やはり教科における少人数指導というのはかなり効果的であったということも認識していますので、ここは、そういった意味での少人数指導というようなことを入れていただけるとありがたいかなと感じました。
 その次、31ページのところで、学校が努力して進めていくわけですが、その中で、「新学習指導要領の着実な実施とフォローアップ等」という中で、読んでみますと、外国語教育、情報教育等の充実というようなかぎ括弧があって、実際にクロポチ一つ読むと、情報活用能力を育成するための支援、外国語教育を充実させるための支援ということで、何だかよく分からない支援で、主な取組というところが見えてこないので、これは、具体的に国がやる方向としているのは何か、少し例示していただけると分かるかなと思いました。
 それから、1−4の学校間連携のところの表現といいますか、考え方なんですが、ポチ二つ目で、今、確かに小中連携や小中一貫教育についての在り方等の意見が、この間、出てきたんだなと思いますが、ここでは小中一貫教育を推進するというふうに断言されているのは、国として小中一貫教育を推進するのか、あるいは各自治体等でそういった小中一貫教育を推進するということを支援するような方向で何か考えるのか、ここをはっきりしていただけたらいいのかなと思います。学校の立場からいいますと、学校の立地だとか、あるいは地区の施策、学校選択制とか、いろいろな形のものがある中で、すぐに推進すると言われても、どう受けとめていいのかなということがありますので、ここは考え方として出していただけたらと思っております。
 それから、先ほどいじめのお話もありましたが、2−4でその方向性が書かれているのかなと思いました。いじめの問題、話題に出ておりましたので、あれですが、ちょうど今、全日本中学校長会、明日は理事会で全国の各県の代表の校長が集まります。そこで、全日中として改めていじめについての再認識をして、しっかりやっていこうという決意といいますか、そういう確認をし合って、全国の全中学校長で、この夏中にはその方針をもって確認する、そういう方向で、改めて起こさないという。いじめは起こり得ることはあるわけですが、こういうようなことには絶対にしないような決意をしたところでございます。
 そういう意味で、文章を見ていきますと、クロポチは、主体は学校なのかなとか。例えば1個目は「小・中・高等学校の継続性を保ちつつ、関係機関等と連携を図りながら、全校体制で一人一人の児童生徒の健全な成長、自ら現在及び将来における自己実現を図っていく自己指導能力の伸長を目指した教育活動を推進する」と。その次については、「いじめ、暴力行為、不登校、少年非行等への対応の推進を図るため、これらの未然防止、早期発見・早期対応につながる効果的な取組を推進するとともに、問題行動等を起こす児童生徒への毅然とした指導を促し、いじめられている児童生徒の立場に立った取組を促進する。また」という、ここの学校、地方自治体、あるいは国というところが、読んでいて、役割分担がよく見えないという感じがしました。ここは整理していただいて、はっきりと出していただくとありがたいと思います。
 それから、36ページ、あるいは東北の大震災の被災の関係にも関わるんですが、学校教育において、とりわけスポーツにかかわってですが、学校教育の中では、表には出ないんですが、部活動というのは、中学校、いわゆる義務教育の中ではかなり重要な一部を占めている。子どもにとっても、大変重要だということが出ております。その中で、36ページに学校の体育に関する活動をさらっと書かれているんですが、上の2−6では、「学校保健」云々では「体育、保健体育などの教科学習を中核とした」と具体的に出ているわけですが、2−7のところでも、学校の体育に関する活動というところはもうちょっと具体的に、「体育、保健体育の授業はもとより」とか、「運動行事あるいは運動部活動など」みたいな例示を入れていただけると、その価値付けをしていただいているという部分が出てくるのかなと思いました。
 もう一つ、それとの関連で、東日本大震災の中での支援の部分でもあるんですが、現実に今、実は私、7月9日、10日と、東北3県の校長会だったり、あるいは被災校の状況をお聞きしましたが、中学校において子どもたちが元気になってきた、その大きな原動力に、体を動かすことができたということをおっしゃっていました。ところが、現在もそういう地域では、活動する場所まで移動する手段がない。つまり学校の校庭は住宅が建っていて、運動ができない。どこかに行かなければいけない。週に2回ぐらいは行政の方からバスを出していただける。ところが、休日に行くのには、足がない。さらに、要保護、準要保護世帯が、今まで1割だったのが8割になっている。そういう家庭もある。そうすると、そういった就学援助等では届かないということです。そこに対して、非常に困っているような状況があるようです。そういう意味で、ここのところは、何かそういった就学援助、いわゆる福祉の部分では届かないようなところも含めて何か書いていただけると、方向が見えて、ありがたいかなと思っているところでございます。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は、衞藤委員、よろしくお願いします。

【衞藤委員】

 三点ほど申し上げたいと思います。
 基本的な施策の2の豊かな心と健やかな体の育成に関わる、36ページの2−6、学校保健・学校給食、食育の充実というところで記述をしていただいて、基本的な観点は記述していただいておりますが、やや常識的、平板に見えますので、例えば「学校保健に係る教職員の資質、能力の向上を図り」というところは大事なんですが、ここでは「校長がリーダーシップを発揮し」というような文言も入れていただけるといいと思います。また、ここでは「保健教育を充実する」とか「保健管理等を推進する」という形になっておりますが、そのほか、学校教育活動全体を通じて学校保健の充実ということを図るべきだろうと思いますので、そういったような観点、また保健管理に関しましては、学校医、学校歯科医、学校薬剤師等の協力ないし活用というような観点も大変重要だと思います。
 また、その下の2−7の学校と地域における子どものスポーツ機会の充実のところでは、既に今、御意見出ましたが、被災地におけるスポーツ機会の確保の支援というような視点を、ここにも書くべきだろうと思います。
 それから、学校施設の関係で、成果目標の中の「安全・安心な教育研究環境の確保」というところで、先ほど既に石井委員がおっしゃったことではあるんですが、76ページのところでは、「国公私立を問わず、学校安全の推進に関する計画に基づき」と書いてありますので、その「国公私立を問わず」という観点がちゃんと分かるように、公立学校に関してはきちっと数値目標が出ておりますが、私立学校、国立学校についても、さきに準じた形でできるということを、分かるような形で表現していただきたいと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 大日向委員、お願いします。

【大日向委員】

 ありがとうございます。
 私は、幼児期の重要性について申し上げたいと思います。先ほど田村委員がおっしゃってくださいましたが、OECD諸国は、幼児期の重要性に関しましては、スターティング・ストロングとして、既にかなり重点的に取り組んでおります。日本でも充実の方向に取り組むことは喫緊課題だと思っております。その点に関して、二つ申し上げたいと思いますが、一つは、財源確保です。先ほど宮本委員がおっしゃってくださいました、そのとおりで、特に繰り返しはいたしませんが、この財源確保を今、検討されている新しい制度の構築にぜひとも向けていただきたいと思います。
 二つ目は、新しい制度の構築に関して申し上げたいと思います。ページで言いますと、40ページです。皆様御案内のとおり、子ども・子育て新システムは、現在国会で審議中です。幼保一体化は、認定こども園、特に幼保連携型認定こども園を発展、充実させるという方向で成案が目指されていると思います。この理念は、全ての子どもに教育、保育を一体で提供するということです。そこは、この40ページにしっかりと明確に書いていただいて、大変ありがたいと思いました。
 この全ての子どもという点に関して、もう少し踏み込んだ考え方が必要かと思うんですが、二つあります。住んでいる地域を問わずということが、まず、一つです。40ページには、小学校就学前の子どもたちの5割が幼稚園、4割が保育園に通っていると書かれています。人数でいうと、こういう区分けなのかもしれませんが、一方、施設数でいうと、幼稚園のない基礎自治体、市町村が2割あるんです。人口1万人未満の自治体では、5割が幼稚園がないんです。今まで日本社会が培ってきた幼稚園教育のすばらしさを受けることができない子どもたちが、基礎自治体の中には、特に人口の少ない過疎あるいは人口減少地域では半数を超えているというところをしっかり見なくてはいけないと思います。その意味でも、幼保連携型の認定こども園の設置は大変急がれると思います。
 もう一つ、全ての子どもという場合には、親の生活スタイルにかかわらずということです。母親が専業主婦でいらしても、働いていらしても、その親の生活スタイルにかかわらず、良質な教育と保育を一体で提供するということです。そういたしますと、従来の幼稚園は学校教育法の位置付けがありますが、一方、保育所には児童福祉法の根拠があります。逆に言いますと、それぞれは他のもう一つの根拠法がないということです。ですから、今回の幼保連携型認定こども園の促進、拡充は、どこに住んでいても、親がどういう生活をしていても良質な教育と保育を一体で受けられることを目指しているということをぜひとも強調していただきたいと思います。
 なお40ページの「基本的考え方」のところの箱囲いの中に、「幼稚園における子育て支援活動・預かり保育の充実を図る」と書かれています。幼稚園は残ると思います。ですから、この方向も当面必要だと思いますが、幼稚園における預かり保育には、児童福祉法の根拠を持たせることが必要です。その意味でも幼稚園を幼保連携型認定こども園に推進、促進、発展させていくことが重要だと考えます。その他は大変明確に書き分けていただいて、感謝しております。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 森委員、よろしくお願いします。

【森委員】

 幾つかございますが、三点ほど、気になる点を申し上げます。
 22ページでコミュニティのことが書かれておりますが、私は、これはこの点だけではなくて、全体として中央教育審議会の難しさというのは、地域性というものをどうとらえるかというところにあると思うんですね。コミュニティは、どうしても大都市主体の書き方になっているようには見えます。なぜかというと、具体的なことを言いますと、例えば有名な山古志村は、今、長岡と合併しましたが、あれは、保育園、小学校、中学校までずうっと同じクラスなんですね。地域社会でプライバシーなどは全くない。地域全体で支えているわけで、今さらコミュニティの連携などと言ったって、何のことだというような感じの学校もあれば、それから、合併市町村に多いんですが、地域が学校を見守っていて、ある校長先生の話は、地域社会の人が見守ってくれているから、いじめなんか起こりっこないという発言があります。そういうものもあるんです。コミュニティというのは、そういう地域性があるわけですし、要は、我が長岡のことだけで言えば、学校側がみずから垣根を外して、地域に歩み寄れば、それで済むような問題だと、僕は思います。そのことと、コミュニティというのが崩壊しつつある大都市では、全く問題が違うのではないか。そこを書き分ける必要があるのだろうと思います。
 ちなみに、コミュニティがほとんど崩壊しつつある大都市で、学校が幾らコミュニティを形成と言ったって、だめなのではないかと思ってしまうんですが。それはもう文科省だけでなくて、国全体の政策になってくるような気がして、しようがないところもあるんですが、それでも、やはりそれは言い続けたほうがいいかなというのがあるので。でも、少なくとも地域性を書き分けないと、少し深みがなくなるのではないかと思っているところでございます。
 それから二点目は、26ページの書き方で、特に4ですが、非常によく整理されているなと思っていましたが、「各地域において異なる実情やニーズに応じて最適な対応がなされるよう、教育現場における主体性を引き出し」というのが一番大切なキーワードだと思っています。長岡市では、各小中学校の校長先生に、領収証の要らないお金を四、五十万配っています。好きに使っていいと。中には、飲んでいる人もいるかもしれません。それは、そんなものはいいと。しかし、この中で、本当にやりたいこととか、そういった情熱を持った先生もいらっしゃいますから、いろいろな新しいことが起き始めています。私は、現場の教師、これも全国一律に言えるかどうか、自信がありませんが、長岡を見る限りにおいては、教職を志した先生は、やはりそれなりに志を持った人が非常に多いですから、上から押さえつけずに、責任をとるから、好きなことをやっていいよと言ったときに大きな力が出てくるのではないかというのは、実は私の実感なんです。これは、地域差があると思います。特に東と西では違うような感じも、僕はしますが、でも、その部分はもうちょっと生き生き表現していただけないかなというような。事例を入れたり。各市町村で、いろいろなことをやり始めています。それをうまく集めて、全国に広げていく努力をするとか、そういうところを入れていただけるといいのではないかと思います。
 同じことが、39ページの同じ文脈で言えるわけで、長岡市は、退職したベテランの先生を、先生の先生として1年間マンツーマンで授業を客観的に見て、具体的な指導をする教員サポート練成塾というのをやっている。これは強制ではなく、自由意思なんですが、毎年30人、40人、自主的に受けます。既に数百人が、長岡市独自のサポート練成塾を卒業しています。こういうことも、教員の養成としてはあるということをもう少し書いていただきたい。各市町村の独自の工夫の中には、ほかにいろいろなことが起きていると思うんですが。そういうことを書いていただきたいのと、そういうことを見ますと、私は現場の先生方というのは、それなりに使命感を持って、自らを高めようとする意欲は持っている人が多いなという実感があるものですから、そういう書き方をしていただけないかということです。それは強くお願いをしたいと思います。
 高い目線で、こうやれ、ああやれということに対する反発がすごく強いように思うんです。文科省に対する反発が。意識されていないと思いますがね。先ほどのコミュニティにも、それはちょっと言えることがあるみたいです。コミュニティを形成するみたいなことを書けるのかなとか思っているわけですね。そんなものは自然に盛り上がってくるという哲学で、文章等を書いていただけるとありがたいなと。
 最後に、石井さんは先輩だから、言いにくいのですが、教育委員会の件は、私はもう少し精密な議論が必要だと思います。特に都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会は役割は全然違いますから、例えば県の教育委員会の主な仕事は人事と採用ですよね。それを、教育委員会を廃止して、誰がやるのかなと思ったときに、どういう組織でやるとか、そういう議論をきっちりしないと、簡単には言えないのではないか。それから、都道府県教育委員会と市町村教育委員会の関係もしっかり詰めて、人事権、採用権を本当に都道府県がいつまでも持つのがいいのかどうかという議論もしないと、教育委員会の選択制とか、そういうことを軽々しく言えないのではないか。反対しているのではなくて、もっと精緻な議論が必要なのではないかと、私は思いますので、そういう書き方をしていただければなと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は、相川委員、よろしくお願いします。

【相川委員】

 私の方から、先ほどいじめの問題が出ましたので、その辺は触れなくて、キャリア教育について、一点だけ申し上げたいと思います。
 キャリア教育については、学校の、特に中学校、小中学校の先生方というのは非常に不得意な分野ではないかなと思っているんですが、小さいうちから職業を通して社会に貢献するんだという意識を、キャリア教育を通して、ぜひ育てていっていただきたい。そういう意識を早目に育てると、職業についての大事さということを考えてくるような気がします。技術的なものだとか知識だとかということは書いてあるんですが、そういう意識を育てるということを書いていただけたらいいのではないかと思っています。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次、木村委員、よろしくお願いします。

【木村委員】

 冒頭、石井委員と、先ほど相川委員がおっしゃったことについて、私も少しコメントさせていただきたいんですが、75ページの成果目標の7、「安全・安心な教育研究環境の確保」というところです。公立小中学校については、先ほど御指摘ありましたように、平成27年までという、はっきりした数字が書かれております。これは、平成23年、昨年の5月に文部科学省の告示が改正され、そこで平成27年までのできるだけ早い時期に耐震化を完了させるということが出されたのを受けてのことでありまして、それはそれでよろしいと思うんですが、公立学校については、皆さん御承知のとおり、各都道府県で並べてみますと、耐震化の進捗状況は非常にばらついております。関東甲信越は、100%近くなっております。また、東海、近畿もかなり高いんですが、そのほかの地域はかなり低いところもあるということで、もう少しこれは書き込んでいただいたほうがいいのではないか。現実に今回の震災でも、耐震施工をしてあったところはほとんど助かっているという事実がありますから、もう少し書き込む必要があろうかと思います。
 もう一つ、私、大学におりましたので、一番下の「主として高等教育関係」、ここには数値目標が入っていないんです。これは非常に不思議でありまして、実は第4期の科学技術基本計画、昨年8月19日に閣議決定された中で、国立大学法人全体の施設整備計画を策定するという条件がついております。それを受けて、第3次の国立大学法人等施設整備5か年計画というのができまして、8月26日に文部科学大臣決定されております。その中には、建物の耐震化については本計画期間内、すなわち27年までに完了させるという具体的な数字も入っておりますので、一番下の「主として高等教育関係」、1のところにも平成27年度という数値を入れるべきだと考えます。全体として、もう少し耐震の問題については書き込む必要があろうかと思います。命に関わる問題でございますので、一言だけ発言させていただきました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 では、安倍委員、よろしくお願いします。

【安倍委員】

 一点だけお願いしたいと思います。以前から申し上げていることですが、同じく75ページのところですが、施設、設備ともう一つ、75ページの上から3行目のところに、「自らの安全を守るための能力を身に付けさせる安全教育を推進するなど学校等の安全を確保する」という文章で結ばれているわけですが、施設、設備については、学校等の安全を確保するということでいいと思うんですが、子どもたち一人一人に、自分の命を守るような、そういう能力を身につけさせるという、その安全教育の推進は、いわゆる「学校等の安全を確保する」という結びはちょっと違和感があるかなと。さらに言えば、76ページの上からアンダーラインのタイトルのところも、「整備や安全に関する学校安全の確保」とありますが、私はここは分けた方がいいかなというのと、もう一つ、子どもたちの周りにはたくさんの危険があり、最近では、例えば水の事故とか、あるいは熱中症の問題もありますので、そういうようなことについて、自らそれを回避するような教育を充実していくということを、ここの部分も必要だと思いますし、あるいは36ページの2−10というところに後掲という形で出ておりますが、その辺にもぜひ書き込んでいただけるとありがたいなと思っております。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 金子委員、よろしくお願いします。

【金子委員】

 先生方おっしゃったことは、大変皆さんそのとおりで、つけ加えることは重要だと思うんですが、ただ、私、この教育振興基本計画がなぜできたのかと、いろいろと、これ2回目になるわけですが、考えてみると、やはり我が国の教育に相当大きな危機感があったということが重要な点であると思います。それは、様々な点で教育には問題があるわけでありますが、やはり基本的にはその軸となる学校教育においてかなり大きな危機感ができた。それは、学力問題に象徴されるものでありますが。その後、いわゆる学力問題は話題になる度合いが少なくなってきただけで、根幹たる問題について、ほとんどよくなっているというふうには見えません。しかも、よく分かってきましたのは、小学校、中学校だけではなくて、高校などでも非常に教育への動機とか学習時間が足りない。それから、大学についても全く同様であるということが分かってきているわけです。根幹となる学校教育について、実は問題は同じである。そこのところが、この振興計画でどのように扱われているのか。そこが本当に軸になっているのかということを、私はさらっと全部見てみて、改めて今、この場で見て感じたんですが、どうもそこのところの意識が少し足りなくなってしまったのか。
 こういう議論をしていますと、あちこちが足りない、ここが足りないという議論が出てきまして、私はそれは非常に重要だと思うんですが、わざわざ教育振興基本計画をつくった、元々の流れはどうであるのかということは非常に重要な問題であると思います。しかもかなり根本的な問題、我が国がつくっている学校教育制度の制度自体はある程度整備されているわけですが、内実となる子どもの学習行動というのが伴っていない、これをどうしたらいいのかという問題が突きつけられているわけでありますから、それについてどのように対応をしていくかということは、やはり私は基本的な問題になると思います。
 そういった意味で見てみますと、不思議といいますか、考えるべきところが幾つかあるわけで、一つは、指導要領は、これの問題に対応するためにかなり改訂されて、進行しているわけでありますが、それがどういう効果を持っていて、さらにどういうふうに変化させなければいけないかということは一つも書いていないんですね。それは、確かに専門的にそうやって議論されているところもあるでしょうが、しかし、私は指導要領としては非常に重要な点であると思います。
 もう一つ、根幹となる学力に関しては、随所に生きる力とかといった点が書かれてはいるんですが、生きる力というものの内容は、私はまだ全然完成されたものだと思いません。これ以上、非常にいろいろと考えなければいけないところがいっぱいあるのがそのままになっているわけです。根幹から言えば、むしろ今ある教科自体がやはり分かれ過ぎているとか、そういった問題があるはずです。それを、どのようにこれから議論し直し、研究し直していくかというところについて、ほとんど言及が見られませんし、ところどころにある、PISAのトップに入るとか書いてあるんですが、PISAなんて、外国でつくった、特定の人でつくられた国際コンテストみたいなものに入るのが目標になるというのは、私の感覚からしたら、非常に品がないといいますか、やはり主体性を欠いているのではないかと思うんですが。
 いずれにしても、そういった意味で、自分たちで学力はどういうものが必要であって、そういったものをどのようにしていくのか。特にこの計画期間を通じて、どういうメジャーではかったらば、はかることが必要なのか、できるのか。例えば直接に学力をはからなくても、例えば学習時間をはかるということはできるわけです。それは、いろいろな形で物理的にできることはあるはずです。そこから、モチベーションは新しく出てきているのか、あるいはまた更に下がっているのかというのが分かるはずです。そういう意味での軸になるところについて、長期的にどのように考えるかというところを、必ずしもこの構成を変える必要は全然ないと思うんですが、そういった考え方から立つ言及部分をつくっていただきたいと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 三町さん、御意見ですね。どうぞ。

【三町委員】

 17ページになるんですが、「社会を生き抜く力の養成」の中の17ページの白丸の一番上の固まりのところとの関係ですが、今後の学習の在り方を受けての論の中で、特に1個目の丸の2段落目なんですが、「教員の多忙な状況や学校が多大な社会的要求を抱えている現状に十分意を用い」と。そして「教科指導等に要する時間を教員が十分確保できる」。とてもありがたく、頑張らなければいけないなという思いがあるんですが、その後のところが、これでいいのかな。つまりICTなどの活用等も必要ですし、地域内外の多様な人々との協働を図っていくことも大事なんですが、その場合、後で出てきますが、条件整備等の関係で、やはり人的な問題で、定数改善とか、そういうことは少しここで踏み込んで表現していただけないものだろうか。つまり教員が一生懸命頑張っていく、教育活動していく上での関わりというところで、それをお願いできないかなというのと、同じように、「学校内外の多様な環境からの学び」の2個目の丸のところに出てくるんですが、人的条件というところで、教員の資質向上、これは当然だと思います。その後の「・確保」という意味をどう理解するのかなと思うんですが。教員の確保ということであれば、各都道府県、正規教員の割合が100%行っていない。正規教員といいますか、そういう形で90%とか、低い県では80%台という話もあります。そういう意味でいうと、教員そのものをきちんと確保して、資質向上を目指していくということを言うならば、教員の確保も資質向上なのか、そういう思いが、この表現の中で感じるところでございます。ぜひ考慮いただければと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 白波瀬さん、最後にお願いします。

【白波瀬委員】

 一つ遠慮して伺っていない点があったので確認をさせてください。51ページで、英語教育のところなんですが、TOEFL等において、「点からプロセスにおける質保証」というところで、日本における全体教育の中で英語教育そのものをどういうふうに位置付けて、子どもたちの学力としてどのあたりを目指していくのかを考えた時、果たしてこのTOEFL等の試験で代替してよろしいのかが疑問です。こういう議論は、既にどこかで専門の先生方がやられていると思うんですが、私は、TOEFLで英語試験を代替することについてあまり賛成できません。しかしながら、ここでこのように書かれているというのは、ある一定の合意があって、この51ページのところに明記されたということなのでしょうか。

【三村部会長】

 どうぞ、答えていただけますか。

【森友教育改革推進室長】

 また確認して、次回に報告させていただきます。

【三村部会長】

 これは、要するにPDCAを回すときに、目標値をやはり出さなければいけない。その目標値は何が適当なのか。こういうことで、おそらく持ってきたんだと思うんですね。ですから、あるものはだめだ、それには何が必要なのか、こういう議論をしないと、曖昧になってしまうという。後でよろしいですか。
 最後になりますが、安西副部会長。

【安西副部会長】

 教育振興基本計画の第2期の案が出るときに、少なくとも二つの目的があると思うんですね。一つは、政策に反映するための土台に当然なる。これから5年間どういう教育政策をとっていくべきかということについての、ある程度具体的な取組が、実際ここに埋め込まれることになる。もう一つは、多くの人が読んだときに、御意見ありましたが、これからの日本の教育がこういう方向でいくんだということを、多くの人が理解して、その理解をむしろリードしていく。この両方があって、それが重なり合ったものが、計画の文章として出てくるべきだと思います。そのときに、まだこれは素案ですから、政策の面におきましても、今も白波瀬さんからありましたように、それぞれの「主な取組」というふうに書いてありますが、それぞれの基本施策のところの「基本的考え方」、「現状と課題」、「主な取組」、こういう構造になっていまして、基本的考え方、それの裏にある現状と課題、それに対してこういう主な取組をとっていけば、日本の教育が本当に良くなる政策なんだということが、構造として分かるようにしていただけないか。申しわけないんですが、いろいろ御努力されているとは思いますが、まだまだらな感じがしまして、特に私が関与しております大学の部分を拝見すると、あれだけ議論をやっているのになという感は多少ぬぐえないところがあるんですね。
 それからもう一つは、これからの教育をリードするという面では、自立、協働、創造という、この三つのキーワードがありまして、それが5ページにちゃんと書いてあるんですが、その自立、協働、創造という言葉が、ほかの本文においてはあまり出てこないんですね。最初の前文に「自立・協働・創造に向けた一人一人の主体的な学び」、これはもう就学前教育から大学院に至るまで、本当に一貫して、これからの時代の日本の教育はこうあるべきだと、こういうことだと思うんですが、特に高等教育の方にいきますと、そういうことが比較的抜けてきて、淡々と政策のある部分が書いてあるという感じがしますので、今日の時点ではストレートに申し上げてよろしいかと思いますので、ぜひ両方のそういう軸を組み合わせた形で、多くの人に分かりやすい形で、迫力を持ったものにしていただければと思っております。よろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 率直に言って、皆さん建設的な意見だったと思います。ありがとうございました。大部分の意見については、これからの書き方で、御意見を入れていただいて、採用していただきたいと思います。ただ、今日の中で、扱いとしてまだ十分はっきりしていないのは、教育委員会の在り方についてどういう記述をするのか。それからもう一つは、いじめの問題について。これは、篠原さんが言われたように、いろいろなものの課題の集積がいじめというところにあらわれているということからすると、そういういろいろなものの課題の集積がいじめというところ、その辺をもう少し明らかにしていただいて、そうでないと、どういった書き方をするのかというのが決まらないのではないかと思っています。
 それから、いま一つ、縦横というか、横糸というか、いろいろな施策が書かれているんですが、お金がつかなければ、これはだめなんですよね。だから、我々として、いい計画をつくり上げたいと思いますが、やはりあるものは節約するにしても、全体としてどの程度の予算を毎年要求するのか。こういうことは並行して事務局として検討して、どういう要求の仕方をするのかということを、それこそ真剣に考えていただいて、主計局に一言言われたら、引き下がるのではしようがないですから、それはそれとしてちょっと考えていただきたいと思っています。
 それから、いろいろな意見の中で、全体を通じての話で、危機意識の中で、もう少し明快に、例えば金子委員の言われたような問題を危機意識の中に記述する。あるいは全体の構成として、生涯教育というのが一つの縦糸というか、大きな流れになっているわけですから、その辺をもう少し明快にする。それから、白波瀬さんが言われたような、少子高齢化を解決するというのは、これはちょっとできないものですから、その中でどうするかという、そういう記述にしてもらいたい。触れることはできませんでしたが、いろいろな御提案がありまして、私自身としては、今日はむしろ非常に建設的な御意見だったと思います。これを踏まえてもう一度修正していただいて、それでまた次回以降という形でやらせていただきたいと思います。
 以上で、今日の議論は終わりたいと思います。いろいろな御意見、具体的な施策の中ではあるのではないかと思います。例えば白波瀬さん、TOEFLでなければ、例えば何をしたらいいのかという御意見があれば、そういうのはむしろ前向きに出していただくのが、私どもとしてはありがたいわけでありまして、そういうことも御提案いただきたいと思います。
 以上ですが、今後の日程、事務局からよろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 次回は、8月24日の金曜日、14時から16時ということで、同じここの場所で行うことにしています。よろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。以上で終わらせていただきます。

—— 了 ——

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生涯学習政策局政策課政策審議第一係

(生涯学習政策局政策課政策審議第一係)

-- 登録:平成24年10月 --