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教育振興基本計画部会(第17回) 議事録

1.日時

平成24年5月11日(金曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」 (旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 成果目標・成果指標等について

4.出席者

委員

三村部会長、安西副部会長、小川副部会長、相川委員、安倍委員、家本委員、衞藤委員、岡島委員、金子委員、國井委員、篠原委員、竹原委員、田村委員、濱田委員、丸山委員、森委員

文部科学省

德久政策評価審議官、清木文教施設企画部長、合田生涯学習政策局長、布村初等中等教育局長、小松私学部長、久保スポーツ・青少年局長、上月大臣官房審議官、杉野生涯学習総括官、藤野生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長 他

5.議事録

【三村部会長】

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから教育振興基本計画部会第17回を開催させていただきます。
 それでは、本日の配付資料について、事務局から確認をよろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 本日の配付資料でございますが、資料1が当面の審議の進め方のイメージで、資料2−1から2−4が、本日御議論いただきます成果目標、指標、そして具体的な取組に係る資料でございます。資料3は、前回、本部会における委員からの主な御発言について。資料4が、次回の日程についての資料でございます。
 また、東大の秋入学の関係の資料もお配りさせていただいております。東大のパンフレットもメーンのテーブルにはお配りしております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 今日は特別セッションといたしまして、議事に入る前に、秋入学の件について。この会でも一度、皆さんに御議論いただきましたけれども、濱田総長に対する応援演説が、あのとき、たくさんあったと記憶しておりますが、その後の状況を総長からお話しいただいて、まず第一番目として、この議論を行った上で本題に入りたいと思います。濱田総長、よろしくお願いいたします。

【濱田委員】

 濱田でございます。今日はお時間をいただきまして、ありがとうございます。お時間も限られておりますので、手短にまずお話をさせていただきまして、後ほど御質問等もちょうだいできればと思っています。
 お手元にレジュメを用意させていただいておりますが、まず東京大学におけるこの問題についての検討状況でございますが、昨年4月に、これは総長の私的諮問機関ですが、「入学時期の在り方に関する懇談会」をスタートさせました。そして、この3月に、これもお手元にお配りしております、報告書を懇談会で取りまとめいたしました。
 中には、いろいろな検討の状況、それから資料等ございますが、ポイントとしては、このレジュメの枠囲いの中に三点記してございますように、学部段階の秋入学への移行ということ。それから、4月から約半年間のギャップタームの導入ということ。それから、さらに優秀な学生への対応の在り方。こういったことについて提言をいたしております。
 また、こういった秋入学の意義ということで、このレジュメの2でございますが、秋入学をめぐる課題というところに入っておりますが、a、b、c、dと、この四点ばかりを、報告書では挙げております。国際的な学生の流動性の向上、あるいは教育・研究の有効性、あるいは効率性の向上、それからギャップタームを活用した学習体験の豊富化、さらにグローバル化推進に向けた社会へのインパクトといったものでございます。
 同時に、申すまでもないことですが、この秋入学の構想実現には、非常に多くの課題がございます。今回、この秋入学の構想について、この懇談会で学内のパブリックコメントを募集しましたが、400件近いコメントもあり、大変盛んに学内でも議論をやっておりますが、その中で指摘されている課題の主なところを、この枠囲いの中に三点ばかり挙げておきました。
 一つは家計負担の増大、教育機会の機会均等をめぐる問題。それから、現在の就職、国家資格試験等との関係。また、ギャップタームにおける身分、有意義な活動の可能性、この間における「学力低下」への懸念。こういったものでございます。
 昨年度は、この秋入学につきまして、まず構想提起ということを行ってまいりましたが、今年度は個々に挙げられているような課題というものを丁寧に消化をしながら、秋季入学のより具体的な形について詰めていくということをやっていきたいと思っております。
 そのための体制については、3の今後の展望というところで記しているとおりでございます。
 この秋入学の構想でございますが、これについて私は当初から申し上げてきたことは、課題が山ほどあるということは承知していると。ただ、課題があるからといって何もしないということではなくて、やはり課題を解決するために、大学として主体的にどこまでできるか。それにしっかり取り組んでみることが大事だろうということで、今後も、こうした姿勢で検討を続けたいと思っております。
 こうした検討の場合に大事だと思っておりますのは、教育をめぐる、これまでの様々な仕組み、あるいは現状というものを所与として、変わらないものとして扱うということであれば、なかなか全体の物事は動かないところがございますので、そうした今の現状というものが本当にそれでいいのかということも改めて問い直しながら、問題解決への道を探りたいと、こういうことが大切だと思っております。
 これは、ある意味では、学問というものをやっていく上の基本姿勢でもあると思っているんですが、例えば慎重論の中では、今の18歳ぐらいの若者は、このギャップタームというものをうまく使えないだろうと、こういう御意見があります。確かに、そういう御意見も分かるのですが、ただ同時に、これまで、そもそも私たちが、そうした18歳ころの世代の若者の選択、あるいは自己責任の在り方という問題を本当に真剣に考えてきたのか。そういうものを育てるために最善の対応をしてきたのか。そういうことも、しっかり問い直さなければいけないと思っております。
 いろいろな環境や条件が何も変わらないという前提で、これからの議論をしていくのではなくて、本当に変わらないものなのか、正しいものなのか、必要なものなのか。そういうことも問い直しながら議論をしていくということになろうかと思っております。
 これは一部は、このたびの教育振興基本計画の議論にも関わってくる部分があろうかと思います。
 それから、この秋入学について、もう一つ繰り返し申してきましたのは、秋入学というのは打ち出の小づちではないということです。学事暦を変えただけで突然に国際化が進むというわけでないわけですが、どうも秋入学への賛成論の一部、あるいは反対論の一部にも、そのあたりを誤解されているかなという気がすることもあります。
 私は、これで任期3年が過ぎたところですが、2年前に任期中の行動計画をつくって、それをもとにして、様々な教育改革、あるいは国際化への取組というものを進めてまいりました。秋入学の構想の提案というのは、これらと連動してこそ意味を持つと思っておりますし、そうした総合的な改革や取組の中で、秋入学が目標としているものを、ある部分、より効果的に、あるいは、より速やかに実現できると、こういうことも可能になると思っています。
 そういうことを改めて学内に述べておりますのが、今日配付をさせていただいている4月10日付の私のメッセージでございます。
 そこに、特に学部教育について、今取り組んでいる、又は、この間取り組んできた課題をもう1回整理して、こういうものと連動させながら、この秋入学の問題に取り組んでいくということを言っております。
 最後に、この秋入学の構想の意味ということについて若干触れさせていただきたいと思いますが、これはお配りさせていただいております私の新聞への寄稿記事の中でも記させていただいたのですが、この秋入学の構想の意味というのは三つあると私は思っております。
 一つは、言うまでもなく、先ほど申し上げましたように学事歴の変更、それからギャップタームの活用による学生たちの国際経験、社会体験の条件づくり、あるいは環境づくりということでございます。この夏から早速様々な体験活動の、いわば実証実験というものを始めようと思っております。
 それから二つ目は、先ほども申し上げましたように、この秋入学と関わり、そして秋入学の意義を実質化させるような総合的な教育改革を誘導していくということです。そしてまた、そういう教育改革が社会に受け入れられるような条件づくりをしていくということでございます。
 三つ目は、これは、いわば大学、あるいは社会におけるマインドセットの変化、心の持ちようの変化ということですが、やはり今のグローバル化の時代は、日本という殻というものを守りながら外部に出ていくというよりは、世界と同じ平面に立って能力を競い合う、そしてまた協調をしていくという、そういう心の持ちようをしっかり根づかせていく、あるいは育てていくということが、大学にも社会にも必要になっていくと思います。秋入学の構想は、そういうもののきっかけになるというのが私の意識でございます。
 こうした三つの点が相互に絡み合いながら、この構想の具体化は進めていくということでございます。
 実際、この問題について、いろいろ温度差、あるいは時間差はあっても、秋入学をめぐる議論の中で、各大学の取組が様々な形で強まっている現状が生まれてきていると理解をいたしております。
 当たり前のことですが、教育は未来に生きる若者を育てるということですので、今の現状を前提にしながら教育をするということでなくて、10年後、20年後の社会、これがどうなるんだろう、そういうことを常に、できる限り見通しながら教育を行っていくことが必要だろうと思っております。
 秋入学の構想の提起というのは、そうした思いから出発しているということを御理解いただければと思っております。
 私の方からは終わりにさせていただきます。ありがとうございます。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。質問、御意見どうぞ。あまり時間とれませんが、おありの方は、いつものとおり名札を立てていただいて、御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 篠原さん。

【篠原委員】

 どうもありがとうございました。僕は、この趣旨は大賛成なんですが、問題は、他の大学への広がりが、これからどの程度期待できるのかということです。東大や一部の大学だけで、社会とのマッチングがうまくいくのかどうか。
 現状を見ると、私立はまだ態度を決めていないところが非常に多いようですね。濱田先生は、私立、国公立、全体を巻き込んでいこうとしているんだと思うんですが、どの程度、今進んでいるのでしょうか。
 それからもう一つ、企業への就職との絡みです。企業の中にも通年採用をするなど、いろいろな動きが今出ていますが、まだまだ新卒一括採用の動きが強い。この辺のところをどのように、これから克服されていこうとされているのか。

【三村部会長】

 どうぞ、お願いいたします。

【濱田委員】

 ありがとうございます。いずれも、とても大切な問題だと思っております。
 先ほどの新聞への寄稿記事の中で、私も少し乱暴な言い方だとは思ったのですが、この秋入学の構想というのは、一種、社会運動の部分があると記しております。つまり、何か一つだけ動かせば、全てが変わっていくのではなくて、いろいろな大学、それから社会全体が、そういう方向に動いていかないと物事は変わっていかないと思っておりますので、そうした全体の運動というものを。これは、それでは1年後に何かすぐ生まれるのかということでもないと思うのですが、全体が一挙に変わるというよりは、少しずつ変わっていく、いわば動きをとめない、そういう動きを持続させていくということがとても大事だと思っております。
 それで、先ほど御質問がございました大学間の話合いの状況でございますが、これは国立大学の間でも、いわゆる旧帝系の大学の間でも、それぞれ温度差、時間差がございます。それから、また私立大学もいろいろなお立場でいらっしゃいますが、私立大学の中でも、大学によっては案外、この国立大学よりも動きが早いのかなと感じるところもございます。全面移行かどうかは別にしまして、この秋入学というものに既に取り組んでいらっしゃるところもございますし、部分的には、そういうものをもっと増やしていこうという動きは、私立大学のほうが早い。そういう意味では、学生目線というのが非常にしっかりしているなと、そういう印象を受けることもございます。
 ということで、まだ、それぞれ各大学により、時間差がございますけれども、とにかく、動きを止めないということを続けていくことで、この大きな変化が生まれるだろうという、そういう踏ん張りが必要な時期だと思っています。
 企業の方も同じような状況で、御承知のように、いろいろな企業が秋採用というものを進めるとおっしゃっておりますが、これは企業でもいろいろな事情がございますので、その中で先行的にやってみる企業が、どういうメリットを得るのか、あるいは研修など、どういう体制をとっていくのか、どういう学生が来るのか。そういう経験をうまく積み上げていただきながら、だんだんと社会的に広がる。そういう一種の、ある程度の、長いというと言い過ぎだと思うんですが、中期的なスケジュール感、問題意識というものを持ちながら取り組むということが必要な課題かなと思っております。

【三村部会長】

 國井委員、企業の立場からということで。

【國井委員】

 私ども、既に海外に留学した人を採っていますから、その方たちは3月末卒業してということではないので、ケースとしては同じようなことかと思います。ですから、秋に採用するというのは結構進められると思います。グループ会社の中には、3月まではアルバイト的に働いてもらうなどの調整をしているところもあります。4月からいろいろな研修を同時に始めたいようなところだと、そういう柔軟な対応をとっていますが、大量に秋に卒業されるとなったら、そこも検討していかなければいけないと思います。グローバル人材を採りたく現在でも多様な人材を採用していますから、私が自分の周りを見たところでは、そんなに大きな問題ではないと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 では金子委員、質問をお願いします。

【金子委員】

 濱田総長のいる前で失礼なんですが、この問題については懐疑論の立場からちょっと申し上げておきたいと思います。
 総長は、これを一種の運動といいますか、日本の大学を変える、あるいは日本全体を変えるという意味でとられているとおっしゃっておられて、それは大変重要なことで、多分それが、これだけ各界に影響を及ぼしている原因だと思いますが、ただ私は、この秋入学という問題の立て方が本当に適当なのかどうかということに関して根本的にかなり疑問を持っております。今まで大学教育部会でもいろいろと議論してまいりましたのは、日本の大学の教育の質自体といいますか、密度自体が低いのではないか。それに関して実質的にきちんと対応しなければいけないのではないかということが、我々の今までやってきた議論です。
 当然その中には、国際化ということも重要なキーに入っていまして、国際化というのは単に外国と人を交流するというだけではなくて、国際化によって人が交流することによって日本の大学が強くなるといいますか、鍛えるという、そういう意味で非常に重要だと思います。これに関連しては、実は今、国際的な潮流としては、大体1年程度の学生の短期留学、しかも、自分の在学している大学に在学して、その課程の一部として外国の大学に行くという形が、国際的にも非常に多くなっているわけです。そうしますと、必ずしも秋に入学するというのはエッセンシャルではなく、普通の今までの方法をとっても十分に国際化はできるわけであります。
 むしろ、日本の大学の今、桎梏になっていますのは、日本の大学型の教育をしたのでは、多分、外国人が入ってきても教育をできない。それは、ただ単に英語の問題ではなくて、授業の組み立て方自体が外国人を教育できるようにできていない。そういうことが問題だと思うわけで、外国人が入ってきてもきちんと教育できるような教育をつくっていくということが、やはり正面から問題に対処する方法ではないかと思うわけです。
 東京大学でも、前から非常に小規模の外国人の受け入れプログラムがありました。それから、今度それを拡大されるようですが、しかし、それでも規模としては極めて少数でありまして、一定の数の学生を引き抜けなければ外には出せない。今、日本の大学の国際化はそういう状況にあって、むしろ、それがネックであって、入学時期が理由なのではないと思います。
 先ほど濱田先生が、この入学時期の問題から、様々な条件の問題が出てきて、条件を改革しなければ進めないとおっしゃいましたが、私は、むしろ、そういう意味では、秋入学の問題を最初に出すよりも、むしろ条件をきちんと議論すべきではないかと。
 この報告書を見てみましても、条件をきちんと現実的に、スピード感を持って対処しなければいけないのかなと。
 そういう意味で、少し前後関係が私は違うのではないかという感想を持っております。ちょっと言い方、失礼だったかもしれませんが、一応、意見を申させていただきました。

【三村部会長】

 家本さん、どうぞ。

【家本委員】

 すみません、端的に、ここだけ教えてください。私も秋入学でしたので、感情的なところだけで考えてはいけませんが、とても、その議論が前に進んでいるのはいいことなんですが。
 一つ、日本の中の報道とかで見えるのは、日本の中の人たちの反応が中心で、きっと、おそらく先生のところでは、海外の反応も、いろいろおありなんじゃないかなと思うんですが、海外の企業なのか、大学なのか。ぜひ、もし、そういう反応があれば教えていただければと思いました。

【三村部会長】

 ありがとうございます。とりあえず質問はこれで終了させていただきます。それでは、お答えをいただいて、このセッションを終わりたいと思います。

【濱田委員】

 はい、分かりました。金子先生からの御指摘ですが、立っている位置は違っても見ている課題は一緒だなと思いました。
 特に最後に金子先生からお話のありました、まず条件をきちんと整備、議論してからというのは、私は今までのやり方であれば、そのとおりだと思います。ただ、今までの、この条件整備の議論というものが、なかなか加速できない。真剣に考えられる、取り組むという状況に、ぎりぎり、みずからも追い込むことができない。これは大学でも、社会でもそうですが、そういう状況に対して、条件をとにかく詰めるという問題に直面させるという意味で、この秋入学の問題提起を先行させたのは、私は意味があったと思っております。
 そのほかの御指摘は、大体、私も課題として共感いたします。
 それから、海外の反応ですが、これは私が知る限りは、ぜひやるべきだと。それから、これによって、学生の入り、出というのが大きく激変するだろうと、そこまで言われる方もいます。
 私は、先ほど申し上げましたように、学事暦を変えるだけでどうにもなるものではないと思うのですが、ただ、海外からそういう評価をされているのは、こういう秋入学という仕組みをとることによって、やっと日本の大学も、先ほど申しました、世界と同じ平面に立ったんだ、同じ土俵に立ったんだと、そういうふうに理解して受けとめてくださっているからかなと思っています。そういうところは大変重要なポイントだと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 最後に、大学分科会長から総括を、よろしくお願いします。

【安西副部会長】

 今、日本は、いろいろなセクターで窒息状態にある中で、これからの大学がそれを突破していく役割があると思っておりまして、それを東京大学が先頭に立って、秋入学という突破口から開いていくということについて、ぜひ応援したいと考えております。
 金子委員が言われたことも、そのとおりでございますが、やはり、今までのところ、日本の大学は、なかなかその条件を整備しようと思っても動かないというのが現実で、それを乗り越えていくには、私は教育の内容の充実、特に柔軟な教育プログラムをつくっていただいて、東京大学の卒業生が本当にグローバルな人材として世界のどこに行っても自分の考えを持ってそれを主張し、また人の気持ちも理解しながら、世界でもって活躍をしていく、その先頭に立っていただきたいなと思っております。また、ディベートを中心とした教育のプログラムもつくっていただきたいと思いますし、そういうところに向けて、秋入学という一点から入って突破していくということについて、私は、いろいろなセクターが応援していくべきだと思っております。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。
 まだまだ議論は尽きないけれども、次もありますので、これで、ここのセッションを終わらせていただきます。濱田総長、どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入りますが、今日からは第2期の教育振興基本計画における成果目標、指標等に関する具体的な審議を開始してまいりたいと思います。国の政策の意義を広く国民一般に伝えていくためにも、またPDCAサイクルを回していく上でも、成果目標、指標を設定していくことは極めて重要であります。
 具体的かつ明確な目標等が設定できるよう、しっかり審議してまいりたいと思いますが、この過程では、全ての大事なことが指標で管理できるのかと、こういうことも、確か議論が出たと記憶いたしておりますが、今日、議論していただきたいと思います。
 まず事務局から、資料2に基づいて説明をよろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 それでは、成果目標、指標等についてということで、資料2を用いて御説明させていただきます。委員の皆様方には事前に御覧いただいておりますので、なるべく簡潔に御説明をしたいと思います。資料2−1を広げていただきたいと思います。
 昨年12月におまとめいただきました基本的考え方では、成果目標、そして、その達成度合いをはかる指標をなるべく具体的に示すと。それとともに、目標の実現を図るための体系的な方策を計画に記載をするということで整理されているところでございます。それらを踏まえまして、事務局の方で検討して作成したものが、資料2−1の資料でございます。
 縦軸、左側を御覧いただきますと、大きくイ、ロ、ハ、ニと太字で書いておりますが、社会を生き抜く力の養成、未来への飛躍を実現する人材の養成等々で、基本的な考え方で整理をいただきました四つの方向性を記載しております。そして横軸は、上の方は、ちょっと小さい字なんですが、全体を通して生涯学習を位置付けしつつ、初中教育、高等教育の学校段階を記載しております。
 イ、ロ、ハ、ニという横断的な四つの方向性のもとで、成果目標につきましても横断的に示すということを基本にしております。ただ、特にイの社会を生き抜く力の養成につきましては、取り組む内容の固まりといたしまして、相当程度の分量になるということもございます。そういうことで、初中段階と高等教育段階についても成果目標を整理しているという分け方にしております。
 具体的な内容でございますが、まず社会を生き抜く力の養成のところで、オレンジ色のところの右上の方ですが、成果目標の3でございます。これが全体を通じてということで、社会を生き抜く上で必要な自立・協働に向けた力を生涯を通じて見つけられるようにするといったことで整理をしております。
 その中で、戻りまして成果目標1でございますが、教育内容・方法の充実、教員の資質能力の向上、質保証システムの構築などにより、「生きる力」を一人一人に確実に身につけさせると。要するに、一人一人に「生きる力」をちゃんと身につけさせていくんだということでございます。
 それから、成果目標2につきましては、学生の学修時間の飛躍的増加や学修環境の整備など学生の主体的な学びの確立による大学教育の質的転換を図る。そういったことで、「生きる力」の基礎に立って、課題探求能力を身につけられるようにするということとしております。若干、抽象的だという印象をお持ちになられるかもしれませんが、目標を細かくしていくと目標がたくさん並んでしまうということもございます。ここは概括的な整理にした上で、その達成度合いがどれぐらいなのかということをはかるための指標といたしまして、具体的な数字を念頭に置いたものを示しております。
 例えば成果目標1では、主な指標例の最初に書いてございますが、PISA調査の平均得点で調査国中トップレベルの順位を目指す。また、将来の夢や目標を持っている児童生徒の割合の増加ですとか、体力の水準についても指標例を書いております。
 その横の成果目標2の高等教育の関係では、大学分科会でも議論されておりますが、学生の学修時間の増加ということで一つ指標をつくってはどうかということでございます。
 また、二つ下では、大学教育への学生、卒業生、企業の評価の改善といったものについても何らかの指標が出せないかといったことでございます。
 さらに、その右の全体を通じての生涯学習の関係では、生涯学習を1年間に行った人のうち、現代的・社会的な課題に対応した学習を行った人の割合の増加ですとか、後ろの方に書いておりますが、このダイジェスト版に書いた裏なんですけれども、身につけた知識、技能、経験を生かしている人の割合の増加といった、そういった指標も考えているところでございます。
 その下でございます。成果目標4でございますが、特に重要ということで特出ししておりますキャリア教育、職業教育、就職支援の関係で成果目標を一つ立てております。社会的・職業的自立の基盤となる基礎的・汎用的能力や、実践的で専門性の高い知識・技能を身につけられるようにするということで、指標例としては、高等学校におけるインターンシップの実施率の増加等々を挙げております。
 その下のロの未来への飛躍を実現する人材の養成におきましては、成果目標5といたしまして、新たな価値を創造し主導するような人材、社会の各分野を牽引するリーダー、国際舞台で先導的に活躍できる人材を養成するといったことで、PISA調査の上位層の増加ですとか、学生の海外留学者数の増加などを挙げております。
 さらに、その下のハの学びのセーフティネットの構築のところでは、大きく教育費負担軽減、教育支援・再チャレンジの関係で成果目標を一つ挙げ、安全・安心の関係で成果目標を一つ挙げております。
 上の成果目標6では、意欲のある全ての者に対して生涯を通じて多様な学習機会を確保するということで、指標といたしまして、就園率の増加ですとか、高校中退者の割合の減少、高等教育への進学機会の確保、社会人学生、25歳以上の学生の割合の増加などを挙げております。
 その下の耐震化のところでは、耐震化率の向上などを挙げているところでございます。
 四つの方向性の最後に当たりますニの「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」のところでは、家庭、地域の教育力を高めて、活力あるコミュニティを形成するといった大きな目標のもとで、教育施設と地域が連携・協働する「場」を全ての学校・社会教育施設に確保するといった指標を案として掲げているところでございます。
 そして、これらの四つの中のどれか一つということでおさまり切らないものがございまして、例えば大学のガバナンスですとか、初中教育でいえば教育委員会の在り方等を含めたガバナンスのこと。それから、施設設備、財政基盤等の基盤整備に係る内容につきましては、その下の四つの基本的方向性を支える環境整備といったところで取組を整理してはどうかということで分けております。
 さらに、最後の東日本大震災からの復旧・復興支援につきましては、引き続き大切な取組でございますので、別枠にしているところでございます。
 そうしまして、この資料2−1を横に置いていただきながら、資料2−3を御覧いただきたいと思いますが、これが、もとになっている細かな資料でございます。
 1枚目の上のほうにオレンジ色で大きくくくっておりますが、成果目標1〜3ということで、この成果目標というのは、先ほどの成果目標の1、3に相当する。指標例につきましては、先ほどのものに一つ加えて、先ほどのものがダイジェスト版でございますので、もうちょっと項目が増えております。
 そして、そのオレンジ色の枠の下に教育内容・方法、教職員と左側の欄にございますが、それ以降、これらの成果目標、指標に関わる体系的な取組を整理しているものでございます。
 非常にたくさんございますが、例えば基本的な施策の1の学力の教育内容・方法の関係ですが、新指導要領の着実な推進、フォローアップですとか、協働型、双方向型の学び、多様性を尊重していくようなICTの活用による学びのイノベーションの推進などがございます。
 また、その下では豊かな心と健やかな体の関係の取組。
 右隣に行きますと、基本施策7として、「学生の主体的な学びの強化」による大学教育の質的転換ということで、学習時間の増とも関係いたしますが、一番最初のぽつでは、学生の主体的な学びを拡大する教育方法の革新。それから、下から三つ目では、教員の教育力向上への支援ということで、教員の教育評価ですとか、ファカルティ・ディベロップメントセンターの発展等でございます。さらに、その下では、大学在学中の学修成果を明確化して、測定・把握する仕組みの整備といったことについても盛り込んでいるところでございます。
 次の2ページでございますが、一番上のところで基本施策3として、教員の資質能力の関係でございます。ここは中教審においても御議論いただいておりますが、教員養成の修士レベル化に向けた修士レベルの課程の質と量の充実等々について記載をしております。
 幼児教育の充実、子ども・子育て新システムも入っておりまして、その下の特別なニーズに対応した教育の推進についても基本施策5として盛り込んでいるところでございます。
 また、計画部会におきましても御議論ございましたが、「何を身に付けたか」を担保する質保証システムの構築ということで、特に高校段階での学力をどのように把握をしていくのか。把握は、すべきだといった御議論でございましたが、そういったことの中で、今やっている小中の学力調査の充実とともに、高等学校段階での学力状況を多面的・客観的に把握する様々な仕組みの検討ということについても触れさせていただいております。
 さらに右隣の基本施策8、大学の教育水準の保証の関係では、二つ目のぽつですが、大学情報の公表の徹底、「大学ポートレート」の構築の促進といったことにも触れさせていただくとともに、その更に右隣の生涯学習の関係ですと、生涯学習・社会教育分野における評価・情報公開の仕組みの構築・普及といったことについても盛り込んでおります。
 また、高大の接続ということにつきましても非常に御議論ございましたが、それにつきましても、左側に戻っていただきまして、基本施策9として、初中教育・高等教育の接続というのがございますが、二つ目のぽつで、高等学校・大学における質保証と連携した大学入試の改善ということについて、大学入試の在り方についても考えていくといったことでございます。
 その下の成果目標4、キャリア教育、職業教育の関係ですが、基本施策12といたしまして、人材育成に関する施策と社会への接続、出口、入り口の部分ですが、施策などで書いております。
 例えば人材育成のところでは、大学・専修学校等と産業界・関係団体等の連携強化による新たな学習システムの構築といったことなどにも触れております。
 それから、3ページのところでは、未来への飛躍に関わる取組でございます。
 基本施策13では、主に初中教育段階の取組ですが、スーパーサイエンスハイスクールですとか、科学の甲子園、それからサイエンス・インカレの推進。また、高等学校段階における早期卒業制度を検討するといったことについても盛り込んでおりますし、トップアスリートですとか、新進の芸術家、文化芸術を支える人材の養成といったことについても盛り込んでおります。
 高等教育、大学、大学院の関係ですが、基本施策14の中では、産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーの養成といったことですとか、世界トップ水準の若手研究者の育成強化等々について盛り込んでおります。
 その下の基本施策15では、グローバル人材育成の関係でございますが、語学・コミュニティ能力の抜本的強化、外国語教育の充実、大学入試の改善などについて盛り込むとともに、下から三つ目では、秋入学の実施を目指す大学における環境整備への支援についても盛り込んでございます。
 それから、4ページに参りますと、四つの方向性の最後の部分、セーフティネットにかかわる部分ですが、基本施策16では、東日本大震災により被災した子ども・若者への就学支援、幼児教育、義務教育、高校、大学それぞれの奨学金等々についての教育費負担の軽減に向けた支援について書いております。
 その下の学習や社会生活に困難を有する者への学習機会の提供におきましては、経済的な困難を抱える児童生徒などへの学習支援、挫折や困難を抱えた子ども・若者の学び直しの機会の充実等、内容によっては厚生労働省などとも連携をしながら、取り組むべき内容について盛り込まさせていただいております。
 さらに、その下の成果目標7では、学校安全の確保といったことで、施設面での耐震化、老朽化対策、さらには高等教育とも絡みますが、主体的に行動する態度を育成するなど安全に関する教育の充実を図っていくといったことについても触れております。
 次の5ページでございますが、2のコミュニティの形成に関する項目でございます。基本施策19といたしましては、「活力あるコミュニティ形成と絆づくりに向けた環境整備の推進」ということで、施策例といたしましては、学びの場を核にした地域コミュニティの形成の取組の推進ですとか、「新しい公共」の進展を踏まえた社会教育推進体制の強化等について盛り込んでおります。
 また、その右でございますが、特に大学等が教育研究活動、その成果を通じて地域振興・再生に貢献をしていくといった取組が非常に重要でございまして、それらにつきまして地域イノベーション創出への貢献ですとか、大学等の生涯学習機能の強化といったことについても多くの事項を盛り込んでいるところでございます。
 さらに、非常に重要な家庭教育における取組につきましては、親の主体的な学びを応援する学習機会の充実等々について盛り込んでいるところでございます。
 四つの方向性を支える環境整備といたしまして、上がガバナンスの関係、下が基盤整備の関係ということで、例えば基本施策22では、二つ目のぽつですが、地方の主体性、創意工夫が生かされる教育行政体制の確立、教育委員会の関係でございますと、そういったことですとか、あるいは右側の大学のガバナンスの強化、大学の機能別分化の推進。
 それから、その下のところでは基盤整備の関係で、基本施策23では、教職員の充実ということで、学級規模及び教職員配置の適正化などについての取組。それから、大学の財政基盤の強化などについて取組を記述をしているところでございます。
 最後、7ページのところでは、多くのものが再掲になりますけれども、東日本大震災における復旧・復興に係るものを、整理をしているところでございます。
 本日、これから計画部会で御議論いただきまして、これらの資料につきまして、初中分科会ですとか、大学分科会、スポーツ・青少年分科会等の各分科会でも御報告をさせていただきまして、それぞれの分科会でも御議論いただき、また、その御議論いただいた内容を計画部会にも御報告させていただくなどして、審議を深めていただければと考えているところでございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。非常に膨大な、しかも事務局としては極めて苦労した中身だと、このように思っております。PDCAを回すことは絶対必要だと、こういうことを我々、何回も何回も言ってきたわけでありまして、それに対する一つの回答をここで出してきたわけでございますが、皆さんの方から忌憚のない御意見を、何でも結構ですから、お寄せいただきたいと思いますが、いかがですか。
 どうぞ、國井さん。

【國井委員】

 以前、多様性の話を、大分させていただいたと思うんですが、日本の企業では、今、女性の活躍が極めて重要なポイントになっています。一方で、国連の女性差別撤廃条約の遵守のための推進状況が、非常に遅れているという指摘があります。世界経済フォーラムのグローバルジェンダー指標の中でも、日本は135か国中98位という位置にいて、教育の中でのジェンダーバイアスをなくすということは極めて重要だと思うのですが、残念ながら、そこの部分が、見えないんですが、これは、ぜひとも入れていただきたい。指標にしないと変わらないと思うんですね。
 意識の問題が今、日本の中で非常に大きい。制度的には、いろいろ育児休職だとかいろいろワークライフバランスを推進しているんですが、やっぱり管理職の意識がなかなか変わらないのが実態です。意識が進んでいる国は20年、30年かけて、教科書の中身を変えて教育しているんですよね。日本でも若手のほうに、ちゃんと教育がなされていかないと、この先も変わらないと思います。
 その点について、指標を入れていただきたいというのが一つのポイント。
 それから、もう一つは、ITについては書かれてはいるのですが、各国見ていますと、ITの教育を大変強化しています。それからITの活用によって校務を楽にして、先生方の負担を軽くして、フェース・トゥ・フェースの教育のほうに時間をもっと割けるようにするということがなされているのですが、ここが弱いかと思いますので、そこをぜひとも強化いただきたいなと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 次は岡島委員、よろしくお願いします。

【岡島委員】

 御説明の中で、私は個人的には、3ページにありますところですね。成果目標5のところ。その中でもチャレンジ精神ということが書かれているのですが、ここが今の日本の子どもに一番不足しているのではないだろうかと常々考えております。
 チャレンジ精神というのは、ここで語学とかいうことが中心で、一番最後のほうに難しいことでも失敗を恐れないでと書いてありますけれども、ここだけ、ちょっと違うようなイメージがあるかもしれませんが、非常に大事なことで、チャレンジ精神というのは、一言で言うと、結果が見えないこと、結果が保証されていないことに向かっていくということではないかと思います。それが一番怖いことなので、それに対して果敢に挑戦していく気持ち。そして、それは不安であり、気持ちが悪くて居心地がよくないし、怖い。そういうものを一歩踏み出すことがチャレンジ精神だと思うのですが、これは、なかなか座学では難しいところもあります。
 そういうことで、前置きだったんですが、ページ1の資料2−1の一番最初のところの成果目標1に、確かな学力、豊かな心、健やかな体となっておりますが、主な指標例でですね。これは主なですから、これだけではないのですが、この豊かな心を育むための方法論として何か入らないか。
 私個人的な考え方としては、これを育むための指標としまして、ここの1ページ、資料2−3の1ページの左端の上の方にあります、体験活動及び読書活動の充実というところがあるのですが、これを体験活動の日数とか、読書活動の時間数とか、そういうところも一つ指標になるのではないかと思いまして、そこはどうかと。そこでなくてもいいんですが、豊かな心を何とかして、この主なところの一つに入ることができないだろうかという意見でございます。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。家本委員、よろしくお願いします。

【家本委員】

 私からは、資料のこの2−3の3ページのところ、成果目標5のところの話をぜひさせていただきたいんですが、先ほど外国語、英語という話が出てまいりました。おそらく、ここから具体的に、いろいろな指標の、その更に細かいところを検討していくという話になると思うのですが、その方向性として、今のこの増える、増加させる、倍増するというキーワードだと、英語だけにまず限ってみても、例えば小学校の段階で、高校の段階で、一体具体的にどの程度指定を超えていることを求めるのかというのが見えてこない。そこまで切り込んでいかなければいけないのではないかなと思います。そうしないと、日本の教育として、そもそも外国語教育をどの程度本気で考えているのかという本気度合いが伝わってこないのではないだろうかという心配ですね。
 もう一つは、当然、教員数を増やす、外国語の授業の数を増やしますという話があったとしても、その密度をどうしていくのかというのが、どの程度のレベルを求めるのかというのは、はっきりしていないと、ただ英語が話せる人が来ればいいのか、そのコミュニケーションのレベルについて、どこまで求めるのかというのが見えてこないかなと思います。
 なので、そぐうかどうかというのはちょっと分かりませんけれども、例えばTOEFLだったらiBTとかPBTとかのスコアの話のところまで組み込めるのかどうか。そこまで、ぜひ考えたいなと思いました。
 今、私たちがこれを考える上で、計画が教育の現場におりていって、そして10年、20年後に社会に出てくる子たちのことを考えれば、今までの英語教育の目標の設定の仕方では10年後、20年後は耐えられないと思いますので、ぜひ、そこは切り込みを鋭くしなければいけないんじゃないかと思います。
 今、チャレンジ精神という話が、まさにありました。私はちょうど81年生まれですので、この時代ぐらいから後は、あまり景気も決してよくなく、経済の成長もあまり見たことがないので、上の世代の方たちに失敗をする環境、あるいは挫折をあえてチャレンジさせてもらえる環境というのは、あまりなかった時代だと思います。
 なので、具体的に、これは指標としてどう盛り込んだらいいのかは分かりませんが、必ずしも、全てにゴールがある、全てに、これを超えなければいけないというものが、例えば新しい研究の部分だったりだとか、新しい取組の部分だったりだとかというところでは、むしろ失敗を許容できるような、チャレンジをさせることができるような、そういう指標の考え方も、また、ぜひ盛り込むべきなんじゃないだろうかなと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。丸山委員。

【丸山委員】

 二点ありますが、一点は、私の見落としであれば恐縮なんですが、東日本大震災の経験を踏まえ未来に向かうための復興教育という言葉はあるんですが、この大震災の経験を踏まえつつ、かつ来るべき地震に備えての防災教育という言葉がないんですが、昨年来、文部科学省としても、いろいろな議論をして、いろいろな成果を世に出しているところでもありますし、ぜひとも防災教育という言葉も入れておいていただきたいなというのが一つです。
 もう一つは、2ページ目の成果目標4のキャリア教育の推進云々のところなんですが、指標例として、就職ミスマッチの改善というのがございまして、その中に新卒者の就職状況を公開している大学、キャリアカウンセラーの配置や就職相談室の設置状況と。いわゆる支援する体制の、言ってみれば数といいますか、そういったものを挙げているんですが、これは、いわゆる指標とはなり得ないのではないかと。つまり、就職ミスマッチ、非常に今、大きな問題になっているんですが、どういうものをミスマッチといって、それがどのぐらいあるのかというのは、なかなか見えにくいものかもしれませんが、ミスマッチを改善するということであるならば、ミスマッチの事例研究などに基づいて、100例あったものが50例に減ったというような形で、目に見える形の指標にする何らかの工夫ができないかと思う次第です。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 竹原委員、よろしくお願いします。

【竹原委員】

 環境整備に関わることですが、地域とともにある学校づくりをする場合、小中学校担当部署と生涯学習担当部署が密接につながらないと、その目的が達成できないことがあります。同じ目的に向かって動くのですが、調整する機能がないと、縦割りのままで、いいことだけれども実現できないということになったり、現場が苦労する状況があります。「相互に連携する」とか、「調整する機能を高める」ということを入れていかないと、今までと同じような状況がまた起こるのではないかと思います。
 さらに学校施設は昨年の東日本大震災で学校教育のためだけではない、地域のよりどころとして防災やコミュニティ再生の拠点でもあるということが明らかになり、社会教育や生涯学習ともつながっていたことと思います。社会教育施設も独自の目的を持っていますが、時には学校教育と一緒に動いていくものでもあるということを明確に出していかないと、それも同じ結果になってしまうでしょう。この計画には現場のことをイメージして、環境整備に関わるところをもう少し丁寧に書いていただきたいと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。篠原委員。

【篠原委員】

 先ほど國井委員が言われていたことは、非常に大事な点だと思うんですよね。ただ、方向付けはそうだと思うんですけど、注意しなきゃいけないのは、数値目標だけがひとり歩きしないかということです。例えば選挙なんかでも、候補者のクオータ制というのをとっている国もあります。女性の候補者の割合を幾らにするとか、いろいろあるんですよね。それはそれなりに意味はあると思うのだけれども、やはり、それだけがひとり歩きするのではなくて、そういう人材を出していく裾野ですね。先ほどちょっと國井さんも、若いころからの教育でということをおっしゃっていたけど、そういうところがしっかりしていないとですね。
 例えば政府の審議会なんかでも女性は、今、30%となっているのかな。同じようなメンバーが、入っちゃうんですね。多様な人材がどんどん入っていくような流れにしないと、まずいのではないかなということを感じています、というのが一点。それから、この成果目標の中の家庭教育の部分が極めて弱いと思うんですね。なかなか家庭教育というのは成果目標を立てにくいということも、よく分かります。また文科省とか、この中教審だけで、なかなかカバーしにくいテーマであることも、よく理解はできますが、やっぱり幼児教育、初等教育というのは家庭教育の割合が非常に高いと思うんですね。
 この目標の中でも、地域との絡みとか、学習支援とか、いろいろ入っているのですが、学校教育とのコラボレーションということは、ほとんど入っていないんですね。やっぱり学校教育と家庭教育という二つ柱があって、地域も無論大事なんですけれども、この二つの柱をどうコラボさせていくかということが、幼児教育、初等教育では大事なのではないかなと。
 例えば、素人的考えですが、学校で一つテーマを先生がつくって、この問題について週末、お父さんやお母さんとも議論をしてみて、その状況を週明けの授業のときに、みんな、それぞれ発表してくれませんかとかね。そういうボールの投げ合いをするようなコラボを、何かつくっていかないと、いつまでたっても、この二つはかみ合っていかないのではないかなと危惧しております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。田村委員。

【田村委員】

 ありがとうございます。二点。
 ちょっとこれはどう表現していいか、実は私も分からないのですが、3ページのところに、例えばスーパーサイエンスハイスクールの強化など理数教育の充実という、こういう「優れた才能や個性を伸ばす多様で高度な学習機会等の提供」というところで具体例が出ているわけですが、この部分が、実は国際的ないろんな基準と国内のつながりをどう整理して教育計画に入れていいかというのが、すごく悩ましいところですね。
 具体的に言うと、今、例えばオリンピックと称して中高レベルで国際的な競争が行われていますね。あれは参考として教科書が提示されているんです。これは、もう学習指導要領関係なしですね。世界の最先端の教科書を幾つか示して、それを前提にした宿題がされているというのが実態ですね。それはスーパーサイエンスハイスクール強化、理数教育の充実では、絶対にそこでは優勝できないレベルなんですね。だけど、世界で競争しようといったら、そこまで行かなきゃいけないので、そういうのを書くことができるのかどうかというのは、実は悩みながら今、質問しているのですが、現実には好きな子が、あるいは好きな先生がいると、そういうのを参考にして勉強して、受験して、成果を出していると、これが実態なんですね。それを触れるのかどうかということ。
 実は、この話は國井委員が指摘されたこととも関係があるんですね。つまり、女性についての国連の提案をストレートに日本の社会は受け入れていないという実態があるんですね。これは女性の問題、ジェンダーの問題だけでなしに、そういうのは、他にいっぱいあります。それを、ここでどう表現していいか、私も分かりませんので、その問題をどう触れるかというのは、提案として、ちょっと考えてみていただけないだろうかというのが一点です。
 それから二点目は、これまた難しいんですが、総合こども園、これはどうなるかわかりませんが、いわゆる幼児教育、家庭教育に、ものすごく関係があるので、全然触れなくていいかどうかですね。
 あれは、私たちの立場からいうと、やっぱり子どもは2歳ぐらいからちゃんと教育するという必要性とか、充実する内容を国際的には、もう認めて、先進国は、みんな、それに取り組んでいるわけですね。そういうことについて全く触れなくていいのかという話ですね。
 なかなか難しいですが、どうしたらいいかという、その二点です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 じゃ、森委員、よろしくお願いします。

【森委員】

 生きる力とか、社会を生き抜く力という言葉が非常に幅が広くて、これ、人によって、また感じ方も違うと思うのですが、私のような地方都市の市長から見ると、平凡に対人関係を良好に保って、友達をいっぱいつくって、隣近所ともおつき合いをして幸せに生きるというのも生きる力だなと私は思うんです。
 そういう観点で、豊か。でも、豊かな心のところを見ると、いじめの問題しか主に書いていない。いろいろ書いてありますが、いわゆる他人と競争して勝ち残るというような生きる力じゃなくて、本当に社会を支えている大多数の人たちに目が行くような指標をつくってもらえないかなというのが私の希望です。
 岡島委員でしたかね。体験というのも私はすごく大事だと思って、長岡市は「熱中!感動!夢づくり」の体験をやっていますが、そのときに、先生方と話したときに必ず出てくるのは、やっぱり対人関係のストレスが非常に強い。だから、現代うつとか、引きこもりとかというのも、みんな、それが原因になっているという意見が非常に強くて、その体験でも、共同作業といいますかね。共同して何か目的を達して、そこで達成感を得るような、そういう体験が大事なんじゃないかと思います。
 どうも生きる力というと、他人をけ落として勝ち残る力と普通の人は考えてしまう傾向があるんだけれども、私は長岡市民見ていると、9割は、そういう人じゃないです。ほんとうに友達いっぱいつくって、公民館で踊りを踊ったり、歌を歌ったりして楽しく暮らしていく、そういう人たちが僕は日本を支えていると思うものだから、そういう観点を、ぜひ入れていただきたいと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、安倍委員、よろしくお願いします。

【安倍委員】

 先ほども丸山委員のほうからありました防災教育に関連してですが、この資料2−3の4ページの成果目標というところに、「耐震化をはじめとする教育研究環境の整備などにより、子ども・若者等が安全・安心な環境において学習・研究できるようにする」という、いわゆる環境整備、安心・安全な環境という中で学習・研究できるという大きな成果目標の中で、最後のポツにあります「子どもの安全対応能力の向上」というのは、言葉は似ているんですけれども、目指すところが違うのかなという感じがします。
 あくまでも、ここは環境整備であって、本県では「命を守る教育」ということで今年取り組んでいるわけですが、今回の大震災を踏まえて、子どもたちがみずから命を守っていくというところを、もう少し前面に出してもいいかなと思っています。
 そういう意味では、この安全対応能力、表現はいろいろあろうかと思いますが、この項目は、イの生き抜く力というところに位置付けたほうがいいのではないでしょうか。みずからの命を守り抜いていくということで、イのところへ、安全教育というか、防災教育に関連した生き抜いていく力を位置付けたほうが、より適切ではないかと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 國井委員、どうぞ。

【國井委員】

 ありがとうございます。篠原委員のほうからお話があった、いわゆるクオータ制のことだと思うんですが、クオータ制を含め、ポジティブ・アクション、アファーマティブ・アクションが日本は進んでいないので、98位という非常に低い、先進国で最下位の状態なんですね。
 いろいろな議論はあるかと思うのですが、クオータ制で、例えば私は、ここの委員に多分なっているのかもしれないわけですよね。こういう意見を言うチャンスをいただけているというところでも、それなりに意味はあるのではないかと思いますし、やはり目標を立てないと、企業だって、きつい売り上げ計画、利益計画でも、その計画を立てて、それに対してどうやってやっていこうかという実現手段を考えていくわけで、秋入学の話もあったんですが、同じようなレベルのことがあると思うのですが、やはり、これは暫定的な措置なんですね。
 ポジティブ・アクションというのは、例えば3分の1ぐらいになってくれば、それなりに皆さんがマイノリティーというのじゃなくて、いろいろ意見が言えるという状況になれば、別に、そういう数値目標を出す必要はなくて。ただ、あまりにもかけ離れている、この状態の中で、どうやって加速して変革するか。変革するためには何かの仕掛けが必要で、そのためにはクオータ制だとか、ゴール・アンド・タイムテーブル方式だとかというのがあるので、そういう仕掛けを、やっぱり入れていって、なぜそれがなかなか理解されないかというところで、教育の問題等々が出てくると思うんです。どちらが先かという、鶏が先か、卵が先か、なかなか認識が進んでいないことになっていると。
 国連からの批判というのは、こういう状態であるということ自体を国民に対して十分啓発していないというのが日本の問題じゃないかと言われているわけで、そういうところを変革していくためにも、やはり数値目標というのは、ぜひとも入れていくべきだと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございます。

【篠原委員】

 別に私、数値目標を否定するわけじゃないんです。ただ数値目標だけで、全てが解決するとは思いません。裾野をどう広げていくかということと、あわせてやる必要が私はあると思います。例えばオリンピックでメダルの獲得の目標を掲げますよね。それだけで、じゃあ、アスリートが本当にどんどん出てくるのか。やっぱり国民的スポーツの裾野が広がらないと、なかなか出てこないんではないかと。
 だから、両方必要だという意味で、申し上げているのです。多少ニュアンスは違うかもしれませんが、そういうことでございます。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 金子委員、どうぞ。

【金子委員】

 私、本当は途中で、もっと前に申し上げるべきことだったと思うのですが、この振興基本計画の委員会ができた最初のときに、一つ、これまでと違う、反省といいますか、新しい考えがなければいけないという点として出されていたのは、義務教育から初等中等、高等教育を通じて考えるという発想が必ずしも、十分でなかったので、この振興計画では、これを重視しようというのが一つの基本方針であったように覚えています。
 実際、前回は高校についてほとんど議論がなかったんですが、今回はちゃんと、この表の中に報告とありまして、前、報告書は高等教育の中に入っていたんですが、こうやって段階を通じて書いてあるのは非常に進歩だと思います。
 もう一つは、やはり数値目標といいますか、明確な指標というのを出して、どの程度成功しているか、それがもし達成できないのであれば、どういうところに問題があるのかという発想を促すという意味で、数値目標を提出する。あえて、いろいろな誤解はあるかもしれないけれども、それを出すということは大変努力してやってきて、前回と比べても重要だと思うんですが。
 私は、多分、教育段階を通じて考え直すときの一つの問題意識としては、日本の子どもの基礎学力みたいなものを、どの段階で、どの程度まで達成しているのかといいますか、一種のミニマム・リクワイアメントみたいなところを本当に達成できているのかどうか。それをどこの時点で、どう達成するのかというのが、そのときの発想として、私はあったのではないかと思うんですね。
 今回、学習時間というのがかなり正面に出まして、これは種々の統計を見ても非常に落ちている、ないし諸外国と比べても低いということは明確ですから、これを指標とすることは非常に重要でありますし、これは、ただ指標だけに終わるのではなくて、これを出発点として、いろいろな議論を進めていくことは非常に重要だと思うのですが、もう一つ、私、基礎的な学力というのをどのようにとらえて、どこの段階でどう保証するのかといった議論がちょっと抜けてしまったかなと。
 私、今ごろ、こんなことを提案がないのに申し上げて大変申しわけないとは思うのですが、やはり、そういったことをどこかで考えるといったことを、何かの芽を出すといいますか、そういったことは必要なのではないかと思います。
 高校部会では、一種の高校学力認定試験みたいなものを考えてもどうかという話もありまして、それは何回受けてもいいと、そういったものも考えられるということもあります。ここではPISAの例が挙がっていますけれども、PISAというのも、ある意味では、むしろ社会人としてのリテラシーみたいなものをはかるという意味もあるのかもしれません。
 いずれにしても、そういった発想で、何らかの段階で、どういったものが満足されていなければいけないのかを考えるということを、今回は無理かもしれませんが、将来にわたっては考えるということで、ちょっと芽をどこかに出していくことはできないものかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございます。ここについて後で小川副会長のほうから、コメントしていただきたいと思います。確かに今回は、高校についてどう考えるかということが一つの問題であります。
 相川委員、よろしく。どうぞ。

【相川委員】

 私はコミュニティについて一点だけ質問させていただきます。コミュニティについてですけれども、もうちょっと企業が積極的に参画できるような目標というか、施策をしていく必要があるのではないか。
 企業は非常に人材が豊富ですし、社会に貢献したいという気持ちがあっても、なかなか現状は参画できないという状況があると思うんです。それは企業に対する評価の持ち方にもよるかもしれませんが、やっぱり社会に企業が積極的に参画することによって、これはコミュニティだけの問題じゃなくて、教育に関すること全般に活力を与えることかもしれません。もうちょっと企業が積極的に関わったほうがいい、このように感じています。

【三村部会長】

 ありがとうございました。他はいかがでしょうか。
 今日の御意見、私は一つ一つ、全部もっともだと思うんですね。全般的に数値目標、今回、強化すると、こういうことについては、おおむね賛同いただけた。ただ、数値目標だけでは律し切れない部分も相当あるということも、それはそのとおりだと思いますし、先ほど勉強時間の先に、もう少し小学校の段階で、どこまで到達するんだという全体目標はあるではないかと、こういう議論もそのとおりだと思います。
 全体的には、いろいろ御意見あったけれども、この方向でまとめさせていただきたいと思いますが、今日のデータ、意見も含めて、女性の社会参加、あるいはそういうものをどういう形で教育の問題として取り上げるのかどうなのかという問題も一応あると思いますし、これもちょっと検討させていただきたいと思います。
 副会長からお二人、お話を伺いたいと思いますが、小川副会長から。

【小川副部会長】

 今までのお話を聞いて、特に数値目標等々の議論について、初等中等教育に責任を持って中教審に参加させていただいている私とすれば、正直言って、ちょっと難しい面がいろいろあるなと思いながら聞いていました。
 高校以下の教育は、主体は都道府県や市町村ですので、そういう都道府県や市町村の教育の取組に対して、国がどういう達成目標を設定し得るのかというのは非常にナーバスで難しい面がありまして、確かに一つは、そうした高校以下の教育で、都道府県や市町村の取組を国の責務としてしっかり取り組むべき事業はありますので、例えば教職員定数云々という話は、まさに国がしっかり取り組むべき事業の一つですので、そういう点については、この基本計画のところに、きっちり数値目標等々を書き込むということは、それはぜひやっていただきたいと思っています。ただ、そうした国の関与と支援を受けながら、基本的には都道府県や市町村が主体となって取り組む教育事業については、そういうパフォーマンスというか、アウトカムを意識した厳格な数値目標というのは、やはり、なじまない面がある。せいぜい達成水準を抽象的に書き込むとか、一種の方向目標のような書き方というのが、なじみやすいのではないかなと思っています。
 国として重視して取り組んでいく重点事業を基本計画に書き込むことは当然ですし、それについては、国としてその意義付けと方向目標を明確にした上で、それを受けて都道府県や市町村が、みずからの振興計画、国の基本計画を参酌して設定するということですので、その時点で、より具体的な数値目標にしていくという、そういう関係というか、そういう取組ができるような基本計画の書き込み方というのが望ましいのではないのかなと思います。
 その辺については、初中分科会と初中分科会の下にある、いろんな作業部会に持ち帰らせていただいて、意見をもう少し詰めさせていただければと思います。それを踏まえて、もう一度、初中分科会としての意向を本部会に反映させていただければと思っています。
 あと、先ほど金子委員の方から高校教育部会に関係するお話がありましたが、前回の会議は欠席していたので詳細は分かりませんが、確か、前回の基本計画部会に高校教育部会の審議状況を事務局から報告していただいたんですよね。そういうことで、既に伝わっているかと思いますが、高校教育部会では、ようやく高校の問題の洗い出しをやった上で、多様な能力、進路を持った生徒たち一人一人の学習を保障しつつ高校教育の質保証を図っていく仕組みと、生徒の学習支援の在り方に関して議論を進めてきています。
 さらに、それを踏まえながら、大学分科会と連携して、高大接続の具体的な在り方についても、議論をこれからスタートさせようとしています。
 先ほど金子委員からもあったように、高校レベルの教育体系の中で、独自に高校で身につけるべき学力の水準は何か、また、それをチェックする仕組みというのは、残念ながら、これまで整備されてきていませんでした。これまでの高校の学力チェックというのは、大学入試のところでチェックするというところで機能してきましたが、高校教育体系の中に独自の学力チェックの仕組みというのは、残念ながら、これまでありませんでした。今回の高校教育部会は、まさに、そのことをしっかり取り組もうとやっております。今日、本部会に提出されている文書では、抽象的に、高校教育部会で検討というように記載されていますが、これについては高校教育部会で更に議論が進んでいけば、基本計画の中により具体的な書き込み方ができると思いますので、またその時点で、皆さんから御意見伺えればと思います。よろしくお願いします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 では、安西さん、お願いします。

【安西副部会長】

 私、先ほども申し上げましたし、また会長も当初から言われていたとおりで、この就学前から大学の方まで横ぐしで教育振興基本計画の策定が進んでいるということは、本当に高く評価すべきだと思います。
 大学関係から見ましても、この成果目標2を、特に課題探求能力を身につけられるようにしていくということを、具体的に何とかして多くの大学で実践していけるように、とにかく進めていかなければいけないと思っております。
 大学が変わっていくということが、これはどっちがどっちということでないかもしれませんが、特に大学改革は、高校にかなり大きな影響を与えるということになりますし、それは初等中等教育を変えていく一つの大きなきっかけになっていくと思いますので、むしろ、いろいろな意味で大学が率先して変わっていかなければいけないと思っております。その中で、数値的な目標をできるだけ持っておくということは、そのとおりだと思っております。
 それから、初等中等関係につきましては、やはり教育の現場が、実際の現場を拝見していると、どうしても管理責任を問われるような、あるいは親御さんからのいろんなクレームの中で動いているようなところがあるように思います。管理責任から、やっぱり教育責任へといいましょうか、そういうことをはっきり打ち出していただけないかと。チャレンジ精神を子どもたちが持てるようにするには、まず先生方がチャレンジ精神を持てるようにしてもらいたいなと思いますし、そのためには責任も必要だと思いますし、やはり、かなりの自由度を持って教育ができるようにしていくことが大事ではないかと思います。
 教員の資質能力向上の特別部会ですとか、いろいろな動きがあって、高等学校部会も小川先生のもとで動いていまして、免許制度の改革も進んでおられますし、そういう中に何とかして、ここに、この計画でうたっておられる、非常にこれからの日本の教育の方向を、やっぱりインプリメントしてもらいたいんですね。もらいたいというか、みんながやらなければいけないと思いますので、そういう意味でも、この横ぐしで振興基本計画が策定されてきているということは、非常に見通しがよくなる、高く評価されるべきことだと思っております。

【三村部会長】

 ありがとうございます。他に御意見。
 濱田総長、せっかく来られたので、全般的に御意見をよろしくお願いします。

【濱田委員】

 ありがとうございます。すみません、しばらく出席しておりませんでしたので、その間に、しっかりしたものをまとめてくださっていると思いました。
 それで、先ほど御説明させていただきました秋入学の話とも関わりますけれども、以前考えていたよりは大学としてやれることはいろいろあると思うのですが、例えばギャップタームをどう使うかというときに、先ほども申し上げましたように、今の18歳では無理だよという反対論も出てくると。そういうことを考えますと、やはり中等教育など高校以下のところでも、もう18歳になれば、ほどほどのことはできる、選択能力、あるいは活動能力、行動能力はあるというところまで育ててもらわないといけない。そういうメッセージを今度、大学からも言わなきゃいけない。そういう気がしております。
 そういう意味では、こうやって横ぐしで考えていただくとういのは、中等・初等教育の議論をしているようなんだけれども、実は大学としても考えなければいけない問題が出てきたり、あるいは大学の議論をしているのだけど、高校以下でも考えなければいけない問題が出てきたりということで、大変視野が広くなって、いい話になってきている。そう思いました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 今日はここで終わらせていただきますが、ただ、つくづく成果目標等々、具体的に決めれば決めるほど、それをどうやって位置付けを担保するのかということが大事になってくるわけで、それは、やる気とか、いろいろな要素もありますが、やはり予算というものも関係してくると、こういうことも事実でございますので、さて、一番最後のまとめとして、この辺については、どう触れるべきなのかということも今後の課題として一つ出てくるのではないだろうかというのは、会長としての一つの印象でございます。

【篠原委員】

 ちょっと会長いいですか。

【三村部会長】

 どうぞ。

【篠原委員】

 この今日の資料は、これでいいと思うのですが、先ほど國井さんのおっしゃったようなこととか、今後加える余地はあるのですか。

【三村部会長】

 事務局から説明ありますか。

【森友教育改革推進室長】

 本日いただいております御意見を踏まえまして、こういった資料も当然、修正をしていきますし、また次回、できれば、それぞれ基本施策を今、項目を並べておりますけれども、それぞれの基本施策の考え方も、そんなに長くならない形でお示しできればなとは思っております。

【三村部会長】

 要するに、ねらいが一つあって、それの成果目標という形で。これは成果目標自体が完結して成立しているわけじゃないですよね。

【森友教育改革推進室長】

 はい。

【篠原委員】

 当然、またこれから。

【三村部会長】

 そういう形で。

【篠原委員】

 先ほど私は家庭教育と学校教育とのコラボの話もさせていただきましたが、そういうポジティブなものを、これから盛り込んでいく余地はあるのですね。

【森友教育改革推進室長】

 はい、これから。これで決まりでは当然、ございませんので。

【篠原委員】

 了解。

【三村部会長】

 それでは、これで今回の議論は終わらせていただきたいと思いますが、今後のスケジュールはどうなっていますか。

【森友教育改革推進室長】

 次回は来月、6月21日の木曜日、10時から12時で、場所はここでまたやることにしております。よろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 ということでございます。どうぞ、御出席いただきたいと思います。
 それでは、今日はこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございます。

—— 了 ——

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生涯学習政策局政策課政策審議第一係

(生涯学習政策局政策課政策審議第一係)

-- 登録:平成24年06月 --