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教育振興基本計画部会(第15回) 議事録

1.日時

平成24年3月26日(月曜日)9時~12時

2.場所

文部科学省「第二講堂」 (旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 次期教育振興基本計画に係る関係団体からのヒアリング(2)
  2. その他

4.出席者

委員

安西副部会長、小川副部会長、石井委員、衞藤委員、大江委員、大日向委員、木村委員、篠原委員、白波瀬委員、竹原委員、田村委員、中橋委員、丸山委員、宮本委員

文部科学省

森口事務次官、藤木文部科学審議官、田中総括審議官、合田生涯学習政策局長、布村初等中等教育局長、板東高等教育局長、小松私学部長、上月大臣官房審議官、杉野生涯学習総括官、藤野生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長 他

5.議事録

【安西副部会長】

 定刻でございますので、ただいまから、第15回教育振興基本計画部会を開催させていただきます。
 朝から、お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。今日は、三村部会長が御都合でいらっしゃいませんので、副部会長の私が司会進行を務めさせていただきます。途中で休憩時間になりますが、その後は、私の都合で恐縮でございますが、小川副部会長に司会進行をお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は、次期の教育振興基本計画に係る関係団体からのヒアリングを、前回に引き続いて行わせていただきますが、関係の団体の方々から御意見をお伺いできます大変貴重な機会でございますので、他の分科会の副分科会長にもお声をかけさせていただいております。本日は、生涯学習分科会の明石副分科会長、貝ノ瀨副分科会長、また、初等中等教育分科会の安彦分科会長代理、大学分科会の河田副分科会長に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。議題は、先ほど申し上げましたヒアリングでございます。本日お越しいただきました皆様におかれましては、大変お忙しい中を御対応いただきまして、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、今日のタイムスケジュールについて、事務局から説明をお願いします。配付資料の確認もお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 失礼いたします。
 本日の配付資料でございますけれども、資料1から5までございます。資料1は、今後の審議の進め方のイメージでございまして、資料2が、本日のヒアリングの日程の資料です。資料3は、書面による、本日ヒアリングにはお見えになりませんが、書面で御意見いただいている意見の一覧でございます。それから、資料4が、本日のヒアリングに係ります資料でございます。資料5が、次回の日程でございまして、参考資料を四つほどおつけさせていただいております。
 本日のヒアリングの日程に入ります前に、資料1を御覧いただきたいと思います。まだ委員の皆様方に、今後の本計画部会の審議の進め方について御説明申し上げておりませんでしたが、資料1にございますように、本日、第15回のヒアリングがございまして、次回が、4月25日にございます。経済団体からのヒアリングが若干残っておりますので、その分をやらせていただいた上で、成果目標等の基本的な方針について改めて御確認していただくとともに、年末にも各分科会からの審議状況を報告していただいておりますけれども、その後の状況もございますので、その点につきまして、改めてまた御報告をいただきます。その後、5月、6月と続いていくわけですが、各月1回程度ずつ御審議いただく中で、夏頃の中間まとめをイメージしていただきながら、それぞれの取組の内容について、御議論いただくことになろうかと思います。その際、他の分科会におけます議論もございますので、適宜、各分科会の審議の状況も踏まえながら、審議のキャッチボールと申しましょうか、意見の交換なども行いながら議論を進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 本日のヒアリングの日程でございますが、資料2にございますように、全部で12の団体にお見えいただきますけれども、それを四つのグループに分けさせていただきまして、1、2、3、4ということで、それぞれごとに御意見をいただき、意見交換をしていただくというような形で進めていただければと思います。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 タイムスケジュール、資料、また、今後の審議の進め方、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ヒアリングに入ります前に、前回の部会以降、幾つかの団体から書面で御意見を提出いただいております。書面で提出いただきました御意見につきまして、事務局から御紹介をお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 資料3を御覧ください。書面による御意見でございます。
 まず一つお開きいただきますと、私立特別支援学校連合会から御意見をいただいております。1、2のところで全体に関わる御意見をいただいておりますが、3ページ以降、見出しのところですけれども、学習意欲ですとか、低学力、グローバル化と教育、内向き志向、規範意識等々に係りますご意見をいただいているところでございます。さらに、5ページにおきましては、教育行政の課題ということで、例えば、(2)のところで、学校連携と学校の社会性というところにつきましては、最後のところで、全ての学校が子どもたちの命を守り、健やかに育てるために地域社会のセンターとして機能することを求められているというような御意見もいただいているところでございます。
 また、7ページ以降は、全国都道府県教育委員会連合会からの御意見でございます。例えば、8ページの上の方で、現在の教育の状況に関わります御意見で、生涯学習の実施率が5割にとどまっていることについては、意欲喚起、場所や機会の提供など具体的な課題を示す必要があるといった御意見もございます。また、9ページ以降、いわゆる四つの方向性それぞれに関わります御意見をいただいているところでございます。例えば、9ページの真ん中ごろですが、学びのセーフティネットの構築のところで申し上げますと、格差の再生産等の払拭の関係で、世代をまたぐ格差については、どの年代までを対象として施策を推進するのかを明確にする必要があると考える。一番下の安全・安心で質の高い教育環境の整備で申し上げますと、10ページの上に飛びますが、今後、防災拠点化等により多様な人々が利用することが予想されるため、施設のバリアフリー化やユニバーサルデザイン化という観点を盛り込む必要がある。また、その下の方に、今後5年間で実施すべき教育上の方策のところでは、社会を生き抜く力の養成の最初のところで、社会を生き抜く力の育成については、例えば発達の段階に応じた指導の在り方や学校教育と生涯学習の関わり等についても考慮していく必要があるといった御意見がございます。11ページ以降も、それぞれの方向性ごとに多岐にわたる御意見をいただいておりますが、12ページの真ん中ごろ、(2)の未来への飛躍を実現する人材の養成のところでは、成果目標については指標として数値を設定しやすい項目であり、例えば、英検2級以上の取得率や海外留学生徒数を年度ごとに設定するなど具体的な数値を設定すること、また、13ページの上の方でございます学びのセーフティネットの構築につきましては、例えば、まずは義務教育で、さらには高等学校教育段階で、成果目標、方策を検討することが必要であるといった御意見もございます。また、14ページのところでは、(4)として、絆づくりと活力あるコミュニティの形成の関係での御意見もいただいているところでございます。また、計画そのものにつきまして、14ページの3の下の白丸のところですが、的確な情報の収集・発信と国民の意見等の把握・反映というところで、現行の教育振興基本計画に対する国民の認知度は決して高くない、その認知度を高めるよう情報発信の方法を工夫すべきであるといった御意見もいただいているところでございます。
 16ページでございますが、日本芸能実演家団体協議会からでございますが、コミュニケーション能力の向上に資する芸術表現体験、活力あるコミュニティの形成という点で、芸術体験の共有は大きな役割を果たしえる、教育政策と文化政策の連携が十分に進められていくことを願いますといった御意見を全体としていただいているところでございます。
 また、次の17ページですが、公益社団法人日本青年会議所、大きく三つございますが、例えば、一番上のところでは、都市部でのコミュニティの再構築は重要課題である、少子高齢化や女性の社会参画といった諸情勢の変化を教育の基盤となるべきコミュニティ形成にいかにつなげるか、により重点を置いてもらいたい、また、その下のところでは、親の教育を通じて親の責任や自覚を促す仕組みづくりの推進を盛り込むべきといった御意見をいただいているところでございます。
 次の18ページの、日本労働組合総連合会におきましては、真ん中ごろで、格差の再生産・固定化のところでは、教育の機会均等を保障するために、給付型の奨学金を導入するなど、具体的な方策について追記するよう要望するといった御意見、また、一番下ですが、社会的課題に対応した学習の推進とございます。19ページに行きますが、「教育」の場から「労働」の場への、より円滑な接続をはかることが重要である、勤労観や職業観を養う学習の推進について追記するよう要望するといった御意見もございます。また、その下のところでは、「インクルーシブ教育」を推進するための教育環境の整備等々について御意見をいただいているところでございます。
 最後でございます。20ページ以降ですが、全国生涯学習市町村協議会でございます。20ページのところでは、コミュニケーション力を育む伝統文化・行事等の活動支援、ボランティア活動の評価と入学・入社の優遇等の御意見がございます。また、21ページのところでは、一番下ですけれども、社会における柔軟な学習環境の整備のためにも、本計画において、市長部局・教育委員会を横断して総合行政として「生涯学習」行政が展開できるよう明記してはどうかといった御意見がございます。22ページのところでは、市民研究グループ等への支援、青少年自然体験活動の推進、ふるさと教育・偉人教育の推進といった御意見、さらに、23、24ページのところでは、成人向け生涯学習推進の重点化、フリーター、ニート等の社会復帰をするきっかけづくりを行う研究サークル設立や運営支援、さらには、24ページのところで、学校施設を活用した地域と連携する事業の推進、地域参画に対する企業、機関等の評価、社会における地域コミュニティの役割の明確化等々の御意見をいただいているところでございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 六つの団体から書面で御意見をいただいておりますが、何か御質問等ありますでしょうか。
 よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 それでは、ヒアリングを始めさせていただきます。今日は全部で12の団体から御意見をいただくことになっておりますが、前半は六つの団体からヒアリングを受けさせていただきます。その六つを二つのグループに分けまして、それぞれ御意見の発表と意見交換とさせていただければと思います。
 まず前半のはじめの部分でありますけれども、三つの団体に続けて御意見をいただき、その後で意見交換にさせていただきます。御説明は、大変恐縮でございますが、1団体当たりおおむね9分程度とさせていただきます。終了2分前と終了時間に事務局から紙を入れさせていただきますので、大変申し訳ありませんが、御協力いただければと思います。
 まず最初に、全国中小企業団体中央会、瀬戸理事兼事務局長によろしくお願いいたします。

【全国中小企業団体中央会(瀬戸理事兼事務局長)】

 おはようございます。全国中小企業団体中央会の瀬戸と申します。本日は、このような貴重な時間をちょうだいいたしまして、感謝を申し上げる次第でございます。座ってよろしゅうございますでしょうか。

【安西副部会長】

 どうぞ。

【全国中小企業団体中央会(瀬戸理事兼事務局長)】

 まず、資料4の1ページ目から、私どもの意見陳述ということで掲載をさせていただいておりますけれども、若干言葉が抜けているところがございます。大変申し訳ございませんでした。(1)の上のところの、「計画実現のためにも」というところなんですけれども、その2行目、「検討しながら着実な推進を図るべきである」ということで、「推進を」というのが抜けております。誠に申し訳ございません。加筆いただければと思っております。
 それでは、まず私ども中小企業団体中央会の組織や活動内容につきまして、若干説明をさせていただければと思っております。中小企業団体中央会は、我が国事業所の大半を占め、かつ、我が国経済社会の基盤を形成しております中小企業の振興・発展を図るため、中小企業の組織化——組織化というのは、後ほど出てまいります事業協同組合とか、商工組合とか、いわゆる中小企業経営者が結合いたしまして行っている組合づくり、そういったものを組織化と申しておりますが——を推進し、その連携を強固にすることで、中小企業を支援している団体でございます。この組合組織というのは、相互扶助を大前提としておりまして、今、東日本大震災の中で絆というものが見直されております。その絆というものを原点にした組合が、我々の団体ということでございます。
 中小企業団体中央会の組織は、まず都道府県中央会に一つずつ存在しておりまして、都道府県中央会と都道府県中央会を取りまとめる本会で構成されているものでございます。都道府県中央会の構成員は、都道府県に存在いたします、先ほど申しました事業協同組合、商工組合、あるいは商店街振興組合及びこれらの連合会、その他の中小企業関係団体で、現在都道府県中央会と本会の会員団体数の合計は、約3万5,000団体を超えておるところでございます。このように、各種中小企業関係組合等を網羅的に組織した総合支援機関でありまして、中小企業及び組合等を取り巻く諸問題の解決を図るために、各種支援事業を展開しておるところでございます。
 本会からは、産業界、とりわけ中小・小規模企業の立場から、学校教育への要望等につきまして、意見を述べさせていただきたいと存じます。
 まず、平成20年に策定されました教育振興計画の着実な実行をということでございます。我が国は、急速な少子高齢化とそれに伴います労働力人口の減少という問題を抱えております。団塊の世代が一斉に定年を迎える一方で、若年労働者、とりわけ新卒者の就職問題が近年、顕在化しているところでございます。
 平成20年の策定のヒアリングの際、本会からも意見を述べさせていただいたところでございますが、教育振興計画の中には、「今後10年間を通じて目指すべき教育の姿」といたしまして、「自立して社会で生きていく基礎を育てる」という目標が掲げられております。
 しかしながら、高等教育を学ぶために高校・大学に入学したものの卒業時に就職できない、就職できたといたしましてもミスマッチ等の理由によりまして直ぐに離職してしまい再就職が困難になるという、若年者雇用の問題は未だ解決できていません。これは、本人の生涯キャリア形成だけでなく、今や我が国全体の課題となっているところでございます。
 平成20年に立てられました計画を実現するためにも、私ども中小企業団体中央会をはじめとする産業、教育、行政等が一体となりまして、「学校から社会・職業への円滑な移行」の着実な実行をお願いしたいと思っているところでございます。
 本会からは、「学校から社会・職業への円滑な移行」が推進できるよう、次のような関係について発言させていただきたいと存じます。
 まずは、実践的なキャリア教育・職業教育を推進し、産業人の育成をということでございます。近年の円高等の影響によりまして、大企業が海外へ進出する動きが活発化しているところでございますが、一方で、中小企業は、地域に根づいて、地域の経済や雇用を支える源となっているところでございます。
 中小企業の中には、特別な技術を有する優秀な企業があるにもかかわらず、いわゆる若者、若年者の大企業志向が強いため、若年労働者の採用・確保・定着に難を抱えている企業が多数存在しているのが現状でございます。多くの生徒・学生にとりまして、学校内のキャリア教育・職業教育だけでは、様々な業種・業態・企業の業務内容等を深く理解して自らの適性に合いました企業を選択することは難しく、これが雇用のミスマッチの原因にもなっているものと思います。このミスマッチの早急な解消に向けた対応が必要と考えているところでございます。
 先の計画によりましても、今後10年間を通じまして目指すべき教育の姿として、「社会全体で子どもを育てる」と記載されておりますが、我々中小企業も地域社会の一員でございます。地域の生徒・学生のキャリア教育・職業教育のために、地域の中小企業がインターンシップや有期実習型訓練等の機会を提供・協力することも有効ではないかと考えております。そういたしますれば、地域の生徒・学生は、実際の現場での職業訓練を体験することができますし、一方で、我々中小企業も、優秀な地域の生徒・学生に対しまして自社の魅力をアピールすることもできると思っております。まさに、今回の計画で示されております、学校教育と職業生活との「縦」の接続であり、多様なネットワーク・協働体制が構築されると考えております。
 また、職業教育や進路指導を担当する先生方が実際の企業の現状や、企業の求めている能力等を認識、理解していただくことで、ミスマッチの解消に大きな効果があるのではないでしょうか。生徒・学生の適性に合った進路指導を実施するという観点からも、キャリア教育・職業教育を指導されている先生方に対して企業研修等を積極的に実施すべきであると考えているところでございます。
 次に、社会全体の横の連携について述べさせていただきたいと存じます。これは前回の教育振興基本計画策定時に、「今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策」の一つとして挙げられておりますが、今もなお、学校と企業等との連携は十分とは言えないと存じております。
 企業が求める人材像や能力は、業種・業態によって異なっております。画一的なものではございません。ゆえに、我々産業界が求める教育ニーズに応えるよう、教育内容の充実を学校側に求めるだけではなく、産業界をはじめ社会全体が横の連携をとって取り組んでいくべきだと考えております。
 また、質の保障についても、一点申し上げたいと存じます。今や大学全入時代とも言われております。資料にも記載がありますが、大学入試の選抜機能の低下は、学ぶ意欲や学習習慣の低下につながるだけではなく、受け入れる側の企業にとりましても、大きなダメージとなっているところでございます。大学の数が多すぎ、その影響により、大学ごとの特色・特徴が見えないため、自社が求める教育をどこの大学が実施しているのかが分からず、採用の際に困っております。現状の大学の数に不満であるという意見も、本会役員を務める中小企業経営者の意見として伺っているところでございます。より一層の高等教育における教育の質の保障についてもお願いしたいと存じます。
 最後に、第2期計画が目指す方向性とあげられている成果目標についてでございますが、成果目標の設定に当たりましては、慎重に検討していっていただきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 意見交換につきましては、後でまとめて時間をとらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、NPO法人「育て上げ」ネット、工藤理事長によろしくお願いいたします。

【特定非営利活動法人「育て上げ」ネット(工藤理事長)】

 それでは、映像を少し使わせていただきますので、プロジェクタを活用させていただきます。
 弊社は、もともとはひきこもりとかニート・ひきこもり状態の若者、更正保護が必要な若者、生活保護の家庭に生まれた若者等の自立支援をしている組織でございます。これまでで3,000名ぐらいの若者を職業社会につなげるお手伝いをしてきました。今日は教育事業についてお話させていただきます。私たちとして、今日テーマとしているのは、学齢期から青年期に至るに当たって、国家的に言えば、投資をかけている若者が納税者のほうに変格をしていくという部分で、おそらく排除であったり、放置であったり、または無関心という部分で、社会的な目的とは異なる部分で苦労されている若者を指しておると考えます。
 私たちは、若者の就業への御支援と、そして、若者がまだ出てこない場合は、保護者への御支援、そして、教育支援というものをやっています。もともと対処型の御支援を差し上げていたということで、私たちのほうで川下の支援というふうに言っていたんですが、やはり教育の段階でできることがあるのではないかということで、今は川上の方へ、予防型の教育事業を展開しています。年間で大体200校ぐらい、約2万人の高校生を中心に、中学、大学に伺っていますその多くが進路多様校であり、卒業までに3分の1ぐらいやめてしまう学校です。
 私たちは社会に出ることができなかった若者たちにヒアリングをしまして、中学校、高校時代に学んでおきたかったという彼らの言葉を大切にしてまして、企業や行政と協働しながら、それをコンテンツ化していく、それを学校に導入していくということで、価値提供を行っています。
 ただ、どういうような高校でどんな講座を展開しているのかはは非常に分かりづらいかと思いますので、簡単な映像を今用意させていただきました。(映像上映) 今回はたまたま金融基礎教育MoneyConnection(R)の映像です。例えば、働き方であるとか、就職活動の仕方であるとか、大人であれば常識として身につけているであるというものを身につける機会を提供しています。高校生でも卒業される方も、中退という道を選択される方もいらっしゃいます。私たちは16歳、高校1年生を中心に展開しています。日本の場合、ほとんどの若者が高校に進学しますので、保護者との関わりであるとか家庭の状況に関係なく、彼らと最初に会うことができるのが中学校、高校ということで、あえて高校のほうに今伺っているところです。それ以外にも、職業教育であるとか、女性に特化した教育コンテンツも展開しているところです。
 私たちがやりたいことは、基本的に教育事業は外部から入る場合には、未来に対する未来志向型のキャリア教育が重要になります。3年後の自分、10年後の自分というのはありますけれども。一方で、今抱えている問題、家庭の問題も含む、または個人の問題も含む、個別的な家族への、生徒と家族へのご支援と、あと、学校に入っての集団の御支援、その中でもかなりセーフティネット、生きていくための基礎知識であるとかスキルという部分をサポートすることに特化しております。
 一つは、学校と連携し、通年、年間の授業コマを毎週1時間ずついただいて授業をやりながら、生徒たちと一緒に生活をしていくという部分と、あと、ワークショップとして、映像のような授業をやっています。
 今の取組としましては、学校に行くという部分と、私たちの方で、今のような生徒に対応できる人材の育成、そして、全国のNPOと協働しまして、地元のNPO又は地域の団体が一緒につくったコンテンツを自由に使うことによって、学校で展開することを目指して活動しています。個人の家庭背景が出るようなものをワークショップで書いてしまいますと、学校内の関係性にひびが入る可能性がありますので、あくまでもカード形式で、今日は君はフリーターの役目とか、今日は年収500万円の役目、または、今日はこういう役割ですよということで、あえて個人を出さず、役割を持ってワークショップを通じて自分のものに生かしていくというのがあります。
 二つ目に、私たちのやっているのが、先ほど申し上げた通年で講座を、時間をいただいて、始業式、卒業式、体育祭、放課後の部活まで一緒に出させていただいて、生徒さんとの関係性をつくっていく。そうすると、個人が抱えている悩みというのが、やっと授業以外の部分でも出てくるというものがあります。最後に、学校と強くコミットさせていただき、教員と協議の上、先生方だけの努力ではどうしてもできない生徒さんだけをリストアップしていただいて、その方々と、学校内・学校外でご支援を差し上げる。その場合は、複数の専門家を擁するスタッフでサポートしていくということをやっています。
 さらに、御提案ですけれども、私たちが関わらせていただいている生徒は、非常にリソースが少ない、生まれながらにリソースが少ない方々です。将来を考える、困ったときに活用可能な社会的なリソースというのを提供していくべきだと考えます。例えば、ハローワークという場所を教えると、「そんなすごいところがあるなんて知らなかった」というのが実情です。無料で仕事を紹介してくれるところが、この社会にあることを知りません。また、「いろんな政策や制度がある。君を助けてくれるものがあるよ」と言いましても、まずそれが理解できない。もっと言うと、申請までするにはかなり基礎知識・基礎学力が必要ですので、その部分までもサポートをしないと、知らないままで苦しんでいる。せっかく作ってくださった制度が生かされないというところを、今、御支援を差し上げているというところです。
 難しいのは、学校では3月31日の卒業までに結果が求められます。一方で、生徒の人生には切れ目がありません。そのため、卒業や中退後にも切れ目がないサポートができるように、組織・機関が在学中から関われる状況をつくっていかなければいけないと思っています。
 その際、学校と労働市場だけを知っている人材が彼らをコーディネートするのではなくて、それを超えた社会的なリソースをしっかりと理解し、職業社会にのみ移行すればいいというものではない状況の方々にも、学校内外を通じサポートできる体制が必要かと思っています。
 今はスクールカウンセラーとかもありますが、一人のカウンセラーが1校を見るということ自体の限界があります。社会的なリソースはあまりにも広い。その場合、御提案としては、一組織として複数校をサポートできる組織との連携、または、スクールカウンセラーのように個人であれば、五人が5校を見るような、一人で1校ではなく、カウンセラー、または入っていくソーシャルワーカーが複数名で複数校を見る中で、様々な状況の若者に対応できる仕組みをつくることが重要ではないかと思っています。
 今、学校等、若者支援に入っている中で一番の問題は、支援する側の人間が倒れていくという問題がありますので、やはりそれは、支援する側も孤立し始めていると。だとするならば、複数名、複数校、または、複数組織、複数校の中の学校のサポートというのが今後必要になってくるのではないかと考えています。
 私からの御提案、御提言は以上となります。ありがとうございました。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、全国高等学校PTA連合会の相川会長によろしくお願いいたします。

【全国高等学校PTA連合会(相川会長)】

 ただいま紹介をいただきました、全国高等学校PTA連合会の会長を務めております相川でございます。本日は、このような機会をちょうだいいたしまして、ありがとうございました。
 私どもは、御承知のとおり、公立・私立・特別支援学校のPTAの会員が各県の高等学校PTA連合会に加盟しており、その全国組織として運営をさせていただいております。本日は、PTAの立場からの意見になりますが、その中でも、よく言われている、学校・家庭・地域の連携という視点を中心にしながら、高校生に関わる部分について意見を述べさせていただきます。
 まず、地域の活性化を図るためにという視点で考えたときに、11ページから記載しておりますが、学校・地域との連携が叫ばれる中で、これまでの施策を見てみますと、小学校を中心に学校支援地域本部や放課後子どもプランなどで子どもたちの拠点づくりが行われてきました。一方、高校と地域との関係を見ますと、各高校が地域の中で必ずしも拠点としての役割を担うところまでは求められていないのが現状と思われます。
 また、生涯学習の視点で見ますと、地域の核となる場所は、公民館や社会教育施設が本来の拠点になっていくべきと考えております。しかし、地方によっては財政の問題も関係し、貸館的な役割に変わっていき、本来求められている役割が薄くなっていく傾向にあると感じております。
 本来、情報発信の基地でありコミュニティの中心となるはずの施設が、十分な役割を果たせないとするならば、それを補完する場としては、学校が地域のコミュニティの基地となる必要があると考えております。そのために、リーダーとなる人材を育成し、環境を整えて、子どもたちの体験活動や、地域住民の生涯学習の場につなげていかなければならないと感じております。
 そのために、保護者として、それでは、何をしなければいけないかということで言いますと、ここ数年、広い意味で都市化現象が進行し、地域住民の間に互助の精神や連帯感が希薄化してきていると感じています。このたびの東日本の震災を機に、地域の連帯感ですとか連携ということはクローズアップされてはおりますが、私たちPTA活動においてもこうした傾向が見られるようになっており、地域ぐるみで学校を支援することや、社会全体の教育力の向上に取り組むための課題となっております。
 こうした状況を踏まえ、私ども保護者は、子どもと一緒に地域活動に参画していくことでPTAとして意識を高める取組を行っていかなければならないと考えております。そして、PTA活動を通して、地域の文化活動やスポーツ活動、また交通事故防止活動など健全育成活動を中心に、子どもたちを守るという視点で活動していかなければならないと考えております。そのためには、私たちが保護者として情報を共有して、保護者力を身につけて、手を取り合っていかなければならないということが課題となっております。
 そして、資料の私どもの活動の取組で、6にありますように、全国高P連という組織としては、13年前から保護者向けの啓発活動として、薬物乱用防止パンフレットを約110万部、新入学生の保護者全員にパンフレットを配布し、有害薬物の知識と薬物乱用に起因する心身に与える悪影響について広く広報しております。最近は、このパンフレットを教材として授業に使いたいという要望も、現場の先生方から寄せられております。
 また、今問題になっております携帯電話の機能進化にも注意を払い、今はスマートフォンについて研究を重ね、関係省庁と連携して既に進めております。保護者が、子どもたちを有害環境から守るケータイ・ネット社会に順応して、やはり知識を持つことが、これもまた大切な保護者力ではないかと考えております。
 現在、私たちがこのような活動に充てる財源としては、現在は他の法人からの助成で賄っているのが実情でございます。
 そして、資料の3ですが、子どもたちの実態という、高校生の現状を私どもが行った調査から見てみますと、高校生の生活・意識調査ということを毎年やってきました。22年度及び23年度の調査結果から見ますと、何らかの理由で自己肯定感を持てない子どもたちが、高校2年生で4割近くいます。小学校の低学年から褒められた経験がない子どもたちが、高校生になっても自己肯定感が持てない子どもに育っていっている傾向にあります。一方で、しかられることと褒められることが半分ずつの子どもたちは、意欲もあり学力が高いという結果が調査から出ております。
 そして、「あなたにとって一番つらいことは何か」という問いに関しては、以下に挙げているように、学力に関する不安が挙げられております。勉強の仕方が分からないなどと答えており、そして、残念ながら、家庭での学習時間については、全国平均で1時間に満たないという結果が出ておりますが、これは、教科書を開いても勉強の仕方が分からなければ、やる気が出ないのは当たり前でございます。やり方さえ分かれば、数か月で見違えるほどの学力が伸びる子どもたちがたくさんおります。その「きっかけ」をつくってくれる大人たちの存在が、やはり大切になってくるのではないかと思います。
 また、23年度に実施しました「第5回高校生と保護者の進路に関する意識調査」を実施しておりますが、進路を考えるときの気持ちで、高校生の最大の気がかりは、やはりここでも「学力が足りないかもしれない」という項目が55%と、最も高い数値が出ております。多くの子どもたちは、決して怠けているわけではなく、心から学力の向上を望んでおり、健全な考え方を持っていると思われますので、実際には前記のように「勉強が難しくてついていけない」ですとか、「成績を上げようとしても上がらない」などの悩みを抱えているというのが実情でございます。
 このことから、小学校などの学校支援地域本部や放課後子どもプランなどで子どもたちの拠点づくりをすることのほかに、家庭・地域と一体になった取組が求められると思っております。
 そして、学校で行う体験学習とともに、各家庭での姿勢というのは、子育て支援についてとても重要でございます。親が幼児期の子どもと関わり、子どもに目を向けるため、親の意識の改善を促す施策及び経済的助成は、喫緊の課題と言えます。親が幼児に文字の読み方を教える家庭や、絵本を読み聞かせる家庭が減少して、それを幼稚園や保育園などに任せている状況も耳にします。これは近年、労働環境が変化したことや、核家族の進行に伴い、子どもが幼いときから保護者と接する時間が減少していることに起因すると思います。これは国レベルで、子育て支援について大きな施策を打ち出すことが大事ではないかと思っております。
 子どもたちの職業教育につきましては、ここに書かれてあるとおりですが、やはり実業系の高校生の場合と普通高校の高校生の場合、そして、進学を主とする高校生の場合、いろいろな取組の方法がありますが、全ての高校で積極的にキャリア教育を進める必要があると考えております。子どもが成長していく中で、働く意義について教えるということ、将来の目標を持たせるということは、主にやはり家庭の役割が大きいと受けとめております。そのためにも、子どもと接する時間をどのように増やしていくかが大事なことになると思います。
 そして、地域の魅力ということを考えたときに、やはり地域によっては、子どもたちが伝統芸能を継承したり、いろいろな形で取組をしております。これは積極的に子どもたちが地域と密着した取組をしている一つのモデル例と考えます。このように、子どもたちを大人が地域に引っ張り出す、そういう施策もまた大事ではないかと思っております。
 このたびの東日本の大震災によって、防災についての考え方を根本から改めるきっかけになりました。また、高校生が被災地で協力し合いながら活躍する姿は、多くの人々の目に頼もしくも写りました。これらの高校生からは、「頼りにされれば自分ができる」という自信や、予想を超える力を発揮する限りない可能性を私は感じました。
 高校生をはじめ、子どもたちが地域と一体になり、将来的に地域活性化の原動力となっていくような教育施策を望みたいと思います。
 時間が9分ということで、まとまりのない話になってしまいましたが、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、これまでの御説明を受けまして、委員の皆様から御質問あれば、ぜひいただければと思います。それぞれ大変大事な御指摘をいただいたと思います。どなたでも結構です。
 どうぞ、宮本委員。

【宮本委員】

 大変お忙しい中、大変有益なお話を伺えて、どうもありがとうございました。
 中小企業団体中央会と、それから、「育て上げ」ネット、それぞれに一つずつお話を伺いたいと思います。
 まず、中小企業団体中央会の方ですけれども、日本のこれまでの若者の就労の仕組み、これは高校と中小企業の非常に安定した信頼関係といいますか、高校が中小企業、特に製造業にとって、ある種の選抜のプロセスを担っていくという関係にあった。これは国際的にも評価が高かったところだと思いますが、これがだんだん崩れてきてしまっている。特に、これからは大学も、先ほど御指摘にありましたように、中小企業に人を送り込んでいかなければいけない。こういう新しい条件の中で、地域でその関係を再構築していくための見通し、ヒント、何かお考えがありましたら伺いたいと思います。
 それから、「育て上げ」ネットの方ですけれども。学びのセーフティネットに関わって、お話の中では、知識そのものが、つまり、社会について、ハローワークが何か知らないと。おそらく、若者サポートステーションなどについても、どこに行って、どういうふうに利用していいか分からない、そういう知識の欠落がセーフティネットの機能を弱めているわけですね。その知識としてのセーフティネットの中身について、具体的にどういうことを必要としているのかということについて、御示唆があれば伺いたいと思います。

【全国中小企業団体中央会(瀬戸理事兼事務局長)】

 それでは、中央会の方からお答えさせていただきたいと存じます。
 私ども、今取りかかろうとしておりますのは、全国各地の大学と連携をしながら、学生と中小企業のマッチングを図っていこう、あるいは、さらに、そのマッチングした後も、離職率が大変高いというようなこともございますので、その定着を高めていこう、こういったことを行っていこうとしております。
 先ほども申しましたように、学生さんの方も大手志望というんですか、安定志向というんですか、そういったものが非常に強いというようなところもございますが、我々、地域の活性化は、地域の中小企業が担っているということでございます。それには、まさしく人材、人を得る、優秀な人材を得るということが必要でございますので、そういった事業に取り組んでいるところでございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。
 どうぞ。

【特定非営利活動法人「育て上げ」ネット(工藤理事長)】

 セーフティネットに関しては、基本的には、生存の保障にかかわるものがかなり多くあると思います。それは、ハローワークも一例ではありますが、彼らと話をしていると、一つは、お金がないという前提で、全てをまずあきらめてしまうことと、あとは、やっぱり個人で解決をしなければいけないということで、私は無理、家庭は無理ということが多いので、彼らが思っている以上に、社会的な制度・政策のサポートそのものはあるけれども、それを彼らが使うこと自体をそもそもよしとしていない。自分が悪いというのがかなり多いので、君が今抱えている問題、もしくは将来抱え得る問題に対して、既にこういうサポートがある、そして、そのサポートがよく分からなければ、私たちがお手伝いしますということまでを伝えなければいけないんですが、将来こういう問題が起こり得るかどうかというのは、やっぱりなかなか想像しづらいということがありますので、あえてワークショップ形式で、君はこういう役割だ、カードを引いたらある問題に直面をする、その直面した問題に対して解決するというのは、こういう社会的なリソースがあるよということを、擬似的な体験を通じて学んでいただくということが、今やっていることであると思います。
 特にお金がないから私は助からないというのがかなり根底にありますので、お金がなくてもサポートはあるんだということを、まず細かく伝えていかなければいけないなというのが実情だと思います。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。よろしいですか。
 それでは、國井委員。

【國井委員】

 ありがとうございます。
 3団体とも、進路指導等についての重要性を述べられていますけれど、特にインターンシップについて言及された中小企業団体さんとPTAさんにお伺いしたいのですが、今のインターンシップについて、今後の改善として、もっと量的なものを求めていらっしゃるのか、期間がもっと長くあるべきだとか、もっと広くということなのか、その辺についてコメントがあればお伺いしたいんですが。

【全国中小企業団体中央会(瀬戸理事兼事務局長)】

 中央会でございますけれども、今現在、私どもも職場実習という、最長6カ月間の中小企業と未就職者のインターンシップ事業を行っているところでございます。昨年から行っているところで、これもかなり成果を上げておりまして、1万人弱の職場実習を行いまして、約4割がその中で就職を果たしていったというような実績も上げているところでございます。
 私ども、ただ単に期間が長ければいいとか、インターンシップがあればいいとかいうのではなくて、やはり未就職者、学生さんが求めている、自分の能力が発揮できるようなところとのマッチングを図っていきたいと尽力しているところでございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。
 どうぞ。

【全国高等学校PTA連合会(相川会長)】

 高校現場では、やはり二通りあると思います。実業系の高校と、説明を途中省きましたけれども、資料にもありますように、いわゆる進学を希望する生徒さんの多い学校。
 そこでは、まず進学を主とする高校においては、なかなかインターンシップということがカリキュラムの中で組めないという形が多いのかなと伺っております。そして、普通高校の場合は、いわゆる就職をする生徒が多い学校の場合は、地域の中でインターンシップはしますが、やはり期間的な問題と、地域によっては、生徒さんが通う場所がやはり偏っている、その辺で、自分のやりたいことと自分の行く先の確保というのが難しいのかなという声もあります。そして、期間の問題も、やはり学校の授業時間数の中で確保していくには、少し短いという声もあります。
 それに対して、実業系の高校の場合は、普段の学びの中から、その延長線上でいろいろな取組、販売ですとか、それは授業の一環としてやれる部分もあるので、あえてインターンシップという形で持っていかなくてもやれるというメリットがあるので、おのずと差が出てくるというところでございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、河田副分科会長。

【河田大学分科会副分科会長】

 瀬戸理事の方から二つの御指摘がございました。一つは、大学が何をやっているのか分からないという問題、それから、もう一つは、大学の数が多いという発言が出ました。それに弁明ではございませんけれど、今、大学分科会などで検討していることを申し述べたいと思います。
 一つは、確かに大学が何をやっているのか、必ずしも中小企業なんかの方たちには見え難い可能性もあったと思います。そういう意味で、大学の教育の内容、情報を公開し、それを発信することをもっと徹底していかねばならない、可視化を図らねばならないということで、大学のポートレート、これは仮称ですけど、そういう準備委員会をつくって、より分かるような形にしていきたいと考えております。
 それから、もう一つ、大学の数が多いということでありますけれど、これは必ずしもそうではない。地方に行きましても、やはり地方の中小企業を支えているのは、その地方の私立大学のはずであります。ですから、大学を、そういう意味で、御利用いただき、かつ、連携していくことが必要であろうし、大学自身もそういうより積極的な地域貢献を進めていかねばと考えております。
 それから、中小企業の場合、必ずしも大学を出ておられない方もあって、25歳以上の方で、社会人になって大学でもう一度学びたいという方もたくさんおられるわけです。そういう意味での連携、あるいは、社会人学生として入っていただくことを行っております。私は関西に住んでいましたけれど、技術力の高い中小企業が多数存在する“ものづくり”の街である東大阪などでは、そういう中小企業と、多くの大学とが連携を取りながら、そういう活動をしておりますので、申したいと思います。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、田村委員、それから、中橋委員、そのあたりまでにさせていただければと思います。
 それでは、田村委員、どうぞ。

【田村委員】

 ありがとうございます。
 大変いいお話をお聞かせいただいたんですが、PTAの相川先生にお伺いしたいんですが、ここには多少学力が足りないかもしれないという気がかりが最も多くて、非常に高い数値を出していると。それは、勉強が難しくてついていけないとか、成績を上げようとしても上がらないといったような悩みがあってということで、御指摘されているんですが、PTAとしては、端的に言って、何が原因だというようにお考えになられているんですか。つまり、学習指導要領の内容が難しいのか、生徒に合った教育がされていないというふうにお考えになっているのか、あるいは、もう答えはそう簡単には出ないんだというふうに、ちょっとあきらめているというか、そういうような感じで受けとめられておられるのか。端的に、どんなことを感じておられるのか、お聞かせいただけるとありがたいんですが。

【全国高等学校PTA連合会(相川会長)】

 高校生が学習を難しいと感じている部分というのは、いきなり高校生になって学習が難しくなったのではなくて、その前の段階、いわゆる子育ての支援のところで出しているように、保護者と一緒に本を読んだり、読み書きをしたりという、その基礎の部分が積み上がっていない部分があるのかなと思っております。
 そして、プラス、学習内容、指導要領について、もういっぱいいっぱいという子もおりますし、私は基本的には、高校生というよりも、高校生の中学生の時代、そして小学生、幼児、このところの取組が大事なのではないかなと思っております。それが解消されれば、高校生は、いわゆる気持ちとしてゆとりが持てて、取り組むことができると、あとは、方法が分かれば、子どもたちは伸びていきます。そういうふうに感じております。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、中橋委員、どうぞ。

【中橋委員】

 先ほどの質問にも少し関連するんですが、相川会長さんに質問というより、意見というか、お願いなんですが、この自己肯定感が持てない子どもが非常に多いということは、非常に私も思っております。私、ちょうど先週、高校生、大学生を集めた、命の合宿というのを小豆島という島でしてきたばっかりなんですけれども、そこで非常に痛感したんですが、その合宿をするに当たって、県内の高校の保健室の先生に一人ずつお話を伺いに行きました。保健室の先生が抱えている、知っている問題というのが、授業を受け持っている先生が見る子どもと、保健室の先生が見る子どもというのは、少し違う像があるのではないかなということを感じましたし、保健室の先生は、特に自己肯定感の低さ、学力だけではなくて、そのもっと根元にある、自分はなぜ生まれてきたのかとか、家族とどういう関係なのか、愛されているのか、読み聞かせにもかかわるかもしれません、どういう育ちをしてきたのかということで、非常に悩んでいる子どもがものすごく多いんだな。そういう子どもたち同士が、同じ学校ではなくて、様々な学校から高校生、大学生に集まってもらって、助産師さんの話を聞いたり、赤ちゃんとのふれあいを通したり、それから、お互いに夜通しのピアカウンセリングのように、ナイトセッションを通して、一泊二日の合宿だったんですけど、大きく変わって、アンケートで、自分が生きていて良かった、私が生きてきた中で一番感動した日でしたというようなコメントをたくさん子どもたちが書いてくれて、性に関する問題、命に関する問題、自分の根源に関することで悩んでいる学生が多いんだなということを痛感したわけですが、ぜひ学力とかということだけではなくて、保健室の先生との連携をとって、学校間をまたいで、同じ学校同士ではなくて、知らない子どもだから本当のことが言えるということも学生にはあるようなので、そういったような活動もぜひしていただければなと思います。
 ありがとうございました。

【全国高等学校PTA連合会(相川会長)】

 ありがとうございます。貴重な先生からの御提言を、私ども保護者の方も、いろいろ学校の先生と連携しながら、これから、やはり子どもたちが自分で生きていくための施策というか、自立していく、命を大切にしていくというのが、私たちの活動の根本でもございますので、これからもまたそういう視点で取り組みたいと思います。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、3団体からの御意見と意見交換は、ここまでにさせていただきます。大変貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。また、お忙しいところをお越しいただきまして、感謝申し上げます。
 それでは、次のグループに移らせていただきます。
 まず、社団法人日本経済団体連合会、井上社会広報本部長にいらしていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 先ほどと同様でございますが、御説明の時間につきましては、誠に恐縮ですが、おおむね9分程度とさせていただきまして、終了2分前と終了時に紙を入れさせていただきますので、御協力くださいますようによろしくお願いいたします。

【社団法人日本経済団体連合会(井上社会広報本部長)】

 御紹介いただきました、経団連の井上でございます。それでは、座って御説明させていただきます。9分間という非常に貴重な時間ですので、効率よく御説明させていただきたいと思います。
 本日、皆様方のお手元に資料4として配られております資料の中で、経団連のものは15ページから始まるものでございます。この中には、経団連が昨年まとめました提言と、その提言のもとになりました、企業を対象にしたアンケートが入ってございます。ときどきそちらのほうをごらんいただくという形で御説明をさせていただきたいと思います。前半に、まず経団連の基本的な考え方、活動を御説明させていただいて、残りの時間で、今回の基本計画の策定に向けた基本的な考え方についてのコメントを若干させていただくという形にさせていただこうと思っております。
 まず私どものスタンスでございますが、経団連は経済団体でございますので、やはり経済の力を使って社会全体の力を底上げしていくという考え方が基本でございます。やはり生産性、創造性の向上、これはイノベーションとイコールだと思うんですが、こういうことを実践できる、リードできる人材育成を、ぜひ教育の皆様にお願いをしたいということでございます。ただ、これは教育機関、公的教育の中だけで全てやることではございませんで、もちろん経済界、それから地域コミュニティ、先ほどNPO・NGOの方もご発言されていましたが、そういう方々と連携をして取り組んでいくべき課題ではないかと思っております。
 こちらの基本計画を先日からずっと読ませていただいているんですが、基本的な危機意識とか認識というのは非常に共有できるものばかりなんですが、特に我々が考えておりますので一番日本にとって厳しいことだなと思っておりますのは、国際競争の激化でございます。最近、日本の非常に優位に立っていた家電メーカーが、次々に赤字に転落するというお話がございました。それも、今まで看板としていた商品が、みんな韓国製品に負けて、あるいは、中国の方に負けて、それで利益を失っている、そういう状態があるわけでございます。実際に市場はどんどん拡大しているにもかかわらず、そこにアクセスできない日本企業の実態というのがあるわけでございまして、私ども経団連としても大変憂慮しているわけですが、基本的には、成長するアジアや新興市場の需要を取り込んでいく、そういうような観点から言いますと、グローバルに活躍できる人材が必要になってくるということでございます。当然、ただ単に既存製品を売っていく、新しい市場に売っていくというだけではなくて、新しい付加価値の高い製品をつくり出すというイノベーションの人材も必要だと、こういうスタンスでございます。
 そういう観点から、経団連は、今、大学と連携をしまして、そういう観点に必要な人材を一緒に育成しましょうということで取組を行っております。具体的に申し上げますと、いわゆるグローバル30に採択をされている13大学と連携をしまして、三つの教育人材育成プロジェクトをやっております。
 一つは、スカラーシップを設けることにいたしました。スカラーシップというのは、世の中にたくさんあるわけでございますが、実は今、日本の大学で、交換留学等で海外に行く留学生が非常に減っているという実態がございます。特にアメリカなどは、かなり急減しているということでございますが、せめて4年間の間に1年間は海外で勉強してもらいたいということで、交換留学を前提とした留学をする学生に、年間100万円のスカラーシップを差し上げましょうということでございます。既に第1回目の選考は終わっておりまして、34名の方に、今年の夏から留学される方にお渡しすることが決まっております。
 それから、二番目は、御一緒にグローバル人材を育成しようという観点で、大学に企業人が実際に行って、一つのカリキュラムを一緒につくりながら、授業を行っていくという取組をやろうと思っております。これも先ほど申し上げた13大学の中から、1〜2校順次試行的にやっていこうということで、今年の秋から上智大学でやろうと思っております。その観点は、単なる業界研究、企業研究にならないように、まさに企業が今どういう形でグローバル事業に取り組んでいて、どんな苦労をしているのか、それをブレークスルーするためにはどんな手法があり得るのかということを、なるべく広い観点から見ていただこうと思っております。これは法律的な面もあるかもしれませんし、もっと人材の活用の仕方、人事面のお話もあるでしょうし、それから、研究開発という点もあるかと思います。こういう観点から、学部横断的にカリキュラムをつくるという考え方を、今やっております。
 それから、もう一つは、先ほど産業界、あるいはNPO・NGO、地域が連携して取り組んでいかなければいけないということをお話ししましたが、むしろこれは大学ではなくて、小中学校における理科離れ対策、あるいは、職業意識の醸成といった観点で、様々な形で企業が学校と連携をした事業をしていくということでございまして、これに関しては、近々そういった企業、経団連の関連企業が、そういった取組をしている実態を分かっていただくために、ポータルサイトをつくろうと思っていまして、これを見ていただいて、直接企業の方に御連絡いただければ対応できるというような形でございます。
 そんなような取組をしているということを前提としながら、基本計画の基本的な考え方についてコメントをさせていただきたいと思います。
 基本的な認識は同じだということを先ほど申し上げたのですが、特に、ページで言いますと、これは参考資料2にございますが、その3ページあたりに書かれているところではないかと思います。課題解決の糸口ということで、日本には様々な強みがあるのではないかということなのですが、実はその強みというものを引き出すための考え方として、この基本計画でも書かれておりますが、多様性というのが非常に大きなテーマではないかなと思っております。もう御存じのとおり、人口増をベースにして、それをマスプロダクトの手法で日本がある付加価値をとっていく、GDPを伸ばすということは不可能でございますので、個の力を生かした取組、また、その個の力が最終的には結集して新しい価値をつくる、こういうような考え方を、ぜひ教育の現場で実践できるようなことをやっていただければと思っております。
 それから、4ページに、東日本大震災を受けてということで、私どもも企業が精いっぱいのことを支援させていただいておりますが、やはり今、国民が同じ意識をベースとして復興に取り組むという考え方を、ぜひ教育の現場でカリキュラム化していただければと思っております。これは必ず社会的な資源として蓄積されるはずでございます。まず教育の現場で様々な教材をつくり、それを子どもたちが実践的に学び、それが最終的にレビューされて蓄積される、こういったプロセスをぜひつくっていただきたいということでございます。
 それから、5ページあたりでございますけれども、ここに社会の方向性と教育の果たす役割ということで、先ほど申し上げた多様性のお話が入っておるのでございますが、私ども、大学生の様々な子たちと、先ほど申し上げたスカラーシップの面接などをやると、非常に分かるんですが、それぞれ個性的な考え方は持っているんですが、どうも自分が不足している分、足らざる部分というものの認識がちょっと弱い感じがします。自分の持っている力というのは非常に分かっているんですが、自分が不足している部分というものの認識が弱い。これはどういうことかというと、それを知ることが、その次の一歩につながるわけですが、自分の強いところを伸ばそうという考え方もあるんですが、その足らざる部分を知って初めて、他者との協働というものがつながるわけでございますけれども、そういったところをぜひ、ここにも書いてあるわけでございますが、理解させていく。その観点から、やはり大学教育が中心になると思いますが、チームで何かを考えていく、ブレークスルーしていく、成果を上げていくということをぜひ考えていただきたい。これは、双方向でやる事業の増加というものが多分ポイントになるかと思いますが、経団連としても、先ほど申し上げた、大学とのカリキュラムを協働でつくるという中でお話をさせていただければと思っております。
 大体そういうのが基本でございますが、今後の目指すべき姿として、7ページ、8ページ、10ページあたりに書いてございますが、このあたりは本当に全く同感でございます。私自身、何度も読ませていただいて、公教育の質を高め、信頼を確立する、あるいは、社会全体で子どもを育てる、あるいは、教育の質の保証を確保する、知の創造に貢献できる人材を育成する。まさしく経団連がこの数年ずっと申し上げてきたことばかりなんですが、まさにこれをどういう形で実現するかということがポイントだと思います。私ども産業界としても、ここに書かれた問題について、ぜひ協力をさせていただきたいと思っておりますので、御意見があればお申し出いただければと思っております。
 大体お時間が来たようでございますが、以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、日本私立大学団体連合会、鈴木代議員兼高等教育改革委員会委員、それから、日本私立短期大学協会の関口副会長にいらしていただいております。二つの団体、一緒に御発言をいただきまして、合わせて大体12分ぐらいでお願いしたいということになっておりますので、よろしくお願いいたします。終了2分前と終了時間に事務局から紙を入れさせていただきます。その後で意見交換にさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【日本私立大学団体連合会(鈴木代議員兼高等教育改革委員会委員)】

 本日は、日本私立大学団体連合会、522大学ございますが、代表いたしまして意見を申し上げます。国際基督教大学学長の鈴木でございます。
 言うまでもなく、人材育成には長い時間がかかります。第2期教育振興基本計画は、平成25年から29年までの5年間における我が国の人材教育の基本計画を策定するものですが、この5年間を過ごす学生たちが活躍するのは二、三十年後のことですから、第2期基本計画は、実は2030年あるいは40年の日本の在り方、あるいは人材の輩出を左右するものであります。2030年、40年の世界は、現在我々が想像できないぐらいグローバル化が進んでいる世界でありますから、そのときの世界や日本の社会を担う人材が、そのときの人口の一握りの少数ではなくて、十分な数の人口が、グローバルな水準において人間力とリーダーシップを持っていなければならないということであります。
 その観点に立ちますと、高等教育への進学率の上昇というものを国家戦略の一環と位置付けまして、その質の保証と向上に対応する財政支出の在り方を決めることが決定的に重要であります。OECDでは、高等教育機関における教育面への公財政支出は、国会にとってインフラ投資である、そういう認識がなされており、第2期計画の策定に当たっては、大学進学率が50%を超えたユニバーサル化をより積極的にとらえ、国家戦略として位置付ける必要があります。
 私立大学は、学部学生の約8割の教育を担っておりまして、私立大学なくして、20年、30年後のグローバル化時代に対応する我が国の高等教育の将来はあり得ません。また、私立大学は、人文科学、社会科学、理工学、医学、歯学、薬学、芸術、福祉、スポーツなど、広範な分野で教育の大半を担っております。また、地理的に見ましても、私立大学は、都市圏以外の地方でも、地域社会に貢献する人材を教育し、地域社会における生涯学習の場として、コミュニティの創造に広く関与しております。
 これからの高等教育政策は、その多様性と重層性を担保し、教育の質向上のための切磋琢磨を促すことを政策目標として、従来の国立大学重点主義から脱却し、私立大学を中心に据えた高等教育政策を実施することが、21世紀に活躍する人材を輩出するための経済合理性であります。今のまま、限られた数の国立大学重点の教育財政を続けていくことは、21世紀型経済合理性には合いません。高等教育のパラダイムシフトがますます必要になっております。
 他方、この国立大学重点主義から私立大学中心主義へのパラダイムシフトは、私立大学にも課題を突きつけております。私立大学は高等教育の中心として、私立大学の教育の質が、すなわち日本の高等教育の質を意味することになります。私立大学は、その教育の質向上に努めなければなりません。現に多くの私立大学は、この方向に向かって努力を開始しております。
 次に、東日本大震災からの復興に関連して、地域社会とともに、その復興努力を行っている私立大学に対する直接的な支援、被災した学生が被災地において学業を続けることができる経済的支援が不可欠であります。被災した地域にある私立大学が、その特色を持って地域社会復興に貢献できるように、その方策を地域の大学とともに早急に立てる必要があります。
 以下に、基本的な考え方の内容に対する具体的な意見を申し述べます。
 まず、6ページの後半に、「(5)今後の教育の在り方」とありまして、四つの教育行政の方向性の実現に向けた条件の整備や、東北発の未来型教育モデルとその全国的展開の必要性がうたわれております。これらはもちろん重要でありますけれども、高等教育に関して言えば、ユニバーサル化やグローバル化の進展によって、これまでの画一的、平準的な教育モデル、教育課程システムからの脱却が迫られているわけでして、それらへの言及がぜひとも必要であります。
 また、7ページ以下のローマ数字の2、「今後目指すべき教育の姿」、(1)現在の教育の評価、丸2、「現在の教育の状況」に関しまして、学習意欲の低下について言及がされておりますが、その原因の分析、それに対処するための施策提言が見受けられないのは問題であります。
 10ページの(2)「今後の教育政策の遂行に当たって」特に留意すべき視点、丸1、「教育における多様性の尊重」の部分に関しまして、これまでの学校教育における年齢主義、あるいは履修主義だけでなく、課程主義、修得主義の視点をも加味した制度設計が必要になるところです。
 同じ10ページに、マル2、「教育に対する社会全体の「横」の連携・協働」というところにあります、高齢者、女性などの社会参画に関連しまして、単に数値としての女性教員、女性研究者の比率だけでなく、男女共同参画や育児・介護両立支援や若手研究者支援への総合的な取組や、国立大学自然科学系・理工系の研究者のみでなく、私立大学の文系も含めた支援体制の充実を更に促進する施策の展開が必要であります。
 12ページ、(3)に、「今後の教育行政の方向」、イとしまして、「社会を生き抜く力の養成」とありますけれども、離職者や非正規・被雇用者が増加することが予想されることにかんがみ、これらの人々のキャリアパスの向上やキャリア変更のための再教育に対して、一層目を向けるべきであります。そのことなしに、年功序列・終身雇用制度に固執する企業社会は、グローバル化時代に伍していけないのは当然であります。
 これに関連して、21ページに、丸1、「生涯の各段階を通じて推進する取組」とありますが、学びと就業の往還が可能な循環型生涯学習社会の実現を期して、体系的に整備することこそ必要であります。
 23ページの丸3、「主として高等教育段階の学生を対象とした取組」の中の一番最後に、「各大学の個性・特色に応じた教育研究活動を支える施設の整備」とありますけれども、その記述が、あたかも国立大学法人のみを対象としているかのような記述しかなされておりません。私立大学についても明確に記述すべきであります。
 24ページ、「(3)学びのセーフティネットの構築における、教育の機会均等の確保に向けた方策の推進」につきましては、現在の私立大学の学生の経済状況は極めて重大なレベルに達しつつあるということを認識する必要があります。また、就職活動の早期化・長期化の是正と改善に向けた協議が不可欠であるということを記述すべきであります。
 終わりに、全体を通じてでありますが、第2期計画の枠組みは、教育の本来的目的の達成のために、我が国及び世界の変化の動向を踏まえたときに、我が国にはどのような人材が求められているのか、今後どのような視点で人材育成をしていく必要があるのかを整理した上で、その実現のために必要な教育政策とは何かという視点を強調した取りまとめをすることが必要であると思います。
 以上です。

【日本私立短期大学協会(関口副会長)】

 それでは、私の方から、短期大学について若干御説明をさせていただきますとともに、私は福島県郡山市に大学がございます関係で、本日ここに出席をさせていただいた次第でございます。いわゆる東北大震災の被災地の最も中心部といいましょうか、被害が多様性を帯びているという地域でございます。そういう観点から、あわせてお話をさせていただければ大変ありがたいと思います。
 まずもって、短期大学、私立といたしまして、340近くの短期大学が存在いたしますわけでありますが、この短期大学、全国に本当に普遍的に中小都市にございます。特に中小都市にございます短期大学群にとりましては、先ほど経団連からもお話がありましたし、また、中小企業の方からもお話があったようでございますけれども、その概ねを担ってきた、地方の文化を担ってきた、それらは、これまで短期大学が果たしてきた役割が非常に大きいものがございます。と同時に、先ほどPTAの方もお話があったかと思いますが、これまで多かった女子の教育に随分と力を注いでまいりましたが、それらについて、家庭教育についても大きな役割を果たしてきたのではないかと思います。
 そういう短期大学が、今現在、いろいろな条件のもとで、ある意味で固定化された概念の中で、短期大学そのものが枯渇化しようとしているというのが現状ではなかろうかと思います。したがって、それらに対する抜本的な施策といいましょうか、お導きをいただければ大変ありがたい。そのために、短期大学の設置基準等々において、大幅な改善を提案したいし、我々としても、いろいろなお願いを今後させていただければ大変ありがたいと思います。
 同時に、時間が限られて、2分前というペーパーが参りましたけれども、少しお時間をちょうだいしてよろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
 東北大震災で被りました東北一帯の大学、これはもう力を合わせて復興・復旧のために様々な取組をしようという、大学それぞれの努力は開始されておりますけれども、しかし、一大学だけでそれができるということでは決してございません。大学全体の、私立大学の協調した取組があったればこそ、先ほど地域社会の皆様方への要望に対するいろいろな取組が可能になってまいる、そういう状況が見えてまいってきております。経団連の方におかれても、中小企業におかれても、学生たちがインターンシップでありますとか、ボランティアを通して、これまで果たしてきたその役割は、本当に我々が見ていて涙のこぼれるほど、若者の力がいかにすばらしいか、危機に陥った場合に、若者の数が多くなければ、地方は成り立たないのであります。そういう状況を醸し出していると同時に、今、福島県の大学・短大合わせまして、10校ございます。大学が6校、短期大学が4校であります。その私学のいずれもが、定員を大幅に割っております。割っております理由は、申し上げるまでもなく、放射線の影響であります。この放射線が除去されるということについては、もう先生方、御考証のとおりでありますので、改めて申し上げることはいたしませんけれども、私どもの私立大学全体合わせて約4割から3割、その程度の入学者が減少しております。国立大学のみが受験料を免除するということをいたしましたがゆえをもって、これはいかがなものかと思いますけれども、こういう状況の中で、福島県内からの進学者のみが増えている。県外に出ていく福島県内の人間は、もう7万人を既に超えているわけであります。そして、この4月になりますというと、地方から中央に出てくる学生数、これはもう既に8万人に多分近くなるものと思います。
 小さな市が一つなくなるのと全く同じような状況の中で、我々は、学生に支援をし、そして、地域社会への貢献のために、この私立10大学が力を合わせて、いろいろな形で頑張ろうと。と同時に、短期大学も、その地域文化の担い手として、様々な取組を行っていこうということの中で、お願いがございますが、もっともっと設置基準を緩めていただいて、そして、より若い学生たちが活動しやすく、そして、ボランティアなりインターンシップなりが大いにやりやすくなるような条件をお許しいただければ、これから20年、30年と続きます福島県の放射線の災害から、地域社会を元気付け復興させていくというこの課題については、大変僭越かもしれませんけれども、皆さんの御協力がなければ、福島県は多分地図から消えてしまうんじゃないか、そんな思いすらする昨今でございます。1年間活動をいたしてきて、福島県では、その被災をいたしました10大学が力を合わせようという姿が着実に実りつつあることを御報告させていただき、中小企業、あるいは地域の様々な発展への足がかりをつくり出したというのが昨今の状況であります。
 ちょっと時間をオーバーして、失礼いたしました。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。大変貴重な御意見を3団体から賜りまして、本当にありがとうございました。
 それでは、意見交換に移らせていただきます。どなたでも結構でございます。どうぞ。大変申しわけありませんが、端的に御質問等いただければと思います。
 どうぞ、石井委員。

【石井委員】

 失礼いたします。地方行政の立場から、経団連の井上さんにお伺いいたしたいと思います。
 私どもも、これからの長期計画を策定したときに、地元の経済界の皆さんの意見を聞くと、やはりグローバル人材の育成、これを一番大事なテーマとしてということでございまして、それに沿って、来年度から特に力を入れていこうという立場から、今日御発表いただきましたことは、非常に私どもの考え方と軌を一にしておりまして、大変心強く思うわけでございますが、こういった流れの中で、一つは、我々、地方自治体に対して、このグローバル人材育成に関しまして、具体的に、どのような役割を、あるいはどのような政策をこれから推進することを期待されておられるかということをまずお伺いしたいのと、もう一点、ここに書いていらっしゃいます、留学生をどんどん受け入れる、そして、こちらからも、日本の学生さんも外国へ留学する。こういうことになると、いわゆる秋入学の問題は避けて通ることができない。私は、もうこういうグローバル社会の中における我が国の将来、地方から見てもそう考えるわけでございまして、積極的に検討すべきだと思いますが、この点につきまして、御見解を二点、よろしくお願いいたしたいと思います。

【社団法人日本経済団体連合会(井上社会広報本部長)】

 ありがとうございました。
 まず、地方自治体への期待ということでございますが、実は経団連は、石井知事も非常に力を入れていらっしゃる道州制の導入というものに対して、非常に従来から強く推しております。地方自治体というよりも、むしろ道州が、産業政策、人材育成、教育を含めて、前面に立つというのが前提に立っていくと思いますが、当然、そうなりますと、先ほど私が申し上げた、アジアとの競争、あるいは競業というものが起こってくるわけでございます。産業政策上で、そういうことを、当然ながら、地域の企業の皆さんとともにやっていくというのが、自治体の最大の役割ではないかと思うんですが、そのときに必要な人材をつくるという観点から、自治体というか、道州なのかもしれませんが、役割は非常に重たくなってくると思います。
 学校の種別が何であれ、出てくる人材がそういったグローバル化に対応できるようなものになっているような体制をつくるというのが、一番重要なことでございますので、これはやはり制度的にかなり大きなハードルはあるかもしれませんが、地方が教育に基本的にお金を出せるような仕組み、これは私ども、道州制の提案の中にも書かせていただいておりますが、国だけに国立大学、私立大学が頼るのではなくて、地方自治体が大学教育——主に大学教育でございますが、これにお金を出していくという仕組みというのが、ぜひできる必要があるのではないかと思っております。
 それから、秋入学でございますが、基本的には経団連、賛成なんでございますが、実は、当然ながら、企業の採用サイドにおいては、いろいろな課題が残っております。当然ながら、通年採用をやっている企業にとっては、特に問題はないわけでございますけれども、基本的に春入学・春卒業を前提として、いわゆる採用活動をしている皆さんにとっては、年2回やるという考え方も出てくるわけでございます。したがいまして、そのあたりは、どの程度の大学が参加するかによって、かなり各企業の対応は分かれてくるのではないかと思いますが、おそらく経団連が今考えている方向で言いますと、多様な人材を採用する——これは留学生も含めてでございますけれども——ためには、当然、採用活動の通年化というのは避けて通れないという認識でございますので、それを前提といたしますれば、秋入学というのは進めていただきたいと思っております。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 時間がかなり押しておりまして、申しわけないんですけれども、御質問は端的に、御回答も、申し訳ありません、御協力くださいませ。
 それでは、生涯学習分科会の貝ノ瀨副分科会長、それから、ずっとこういうふうに行かせていただきます。

【貝ノ瀨生涯学習分科会副分科会長】

 有益なお話いただきまして、ありがとうございました。
 井上さんに私もちょっと御質問させてください。
 一点目は、御指摘にもありましたけれども、大学が育成している人材と産業界が求めるグローバル人材と乖離があるというんですが、簡単に言えば、大学側の教育が役に立たないというふうなお話かとも思いますけれど、具体的にどういうふうに乖離があるのか、その辺の御指摘をお願いしたいと思います。
 もう一つは、科学技術立国日本への応援ということで、様々応援体制を組んでいらっしゃいますけれども、学校側の要請があれば、いつでも対応できますというふうなお話でしたけれども、現実には、なかなか学校側というのは、多分、お話ないだろうと思うんですよ。少しずつ増えてきているとは思うんですけどね。なかなか開かれた学校になっていない。小中高もね。その中で、学校というよりも、学校の先生、校長先生は、教育委員会の顔をちらちら見ていますので、教育委員会へのアプローチといいますか、その辺なんかについてもどう考えていらっしゃるかということをお聞きしたいと思います。

【社団法人日本経済団体連合会(井上社会広報本部長)】

 まず大学教育と産業界の求める人材、その乖離でございますけれども、基本的にグローバル人材で必要なものは、二つぐらいあると思います。
 一つは、語学力です。英語教育についてはかなり充実しておりますが、英語で履修できるコースというものを充実していただくということが一つだと思います。
 それから、グローバル人材の定義、スタートラインとしては、母国語以外に二つの言語ができることが必要だというのが、最近の様々な企業の御意見で非常に強くなっております。したがいまして、やはり第二外国語と申しますか、例えば、大学では英語を中心に、しっかりとした語学力をつける。それから、例えば、1年間の交換留学は非英語圏に行くといったような形で、日本語以外に二つの語学をぜひ身につけていただくというのが一つだと思います。
 それから、もう一つは、やはり問題解決能力というのが非常に大きいと思いますが、これはやはり自分が今住んでいる、あるいは学んでいる場所から離れて、少しオフロード体験をしていただくというのがとても重要だと思いますので、この観点から言いますれば、留学ということで、いろいろな体験をしていただく、少し危ない思いもしていただくというようなことをベースにしながら、その課題解決能力をつけていただければなということがございます。
 それから、二番目の科学技術立国への貢献ということでございますが、確かに、学校の先生のほうが意欲的にアプローチしてくるケースが多うございます。教育委員会に対しても、中でももちろん意欲的な方もいらっしゃいますので、経団連として、できれば夏休みの期間に、一度全国の教育委員会、学校の皆様に参加いただけるフォーラムみたいなものを開催して、企業の皆さんが、今、こんなプログラムを持っている、あるいは、こんな形でやれば連携事業ができるといった事例の報告をさせていただこうと思っています。できれば今年の夏からやりたいなと思っているんですが、その際には、教育委員会にもちろん御案内を申し上げたいと思っています。
 以上です。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 大変申しわけないんですけれど、後半が始まる時間を既に過ぎておりまして、後半のヒアリングの方もおられますので、御質問は一言ずつでお願いします。

【丸山委員】

 井上さんにお伺いしたいんですが、先ほどの秋入学についての追加なんですけれども、経団連としての取組といいますか、現時点、あるいは、これから先、どのような形でこの問題に対処していくか、それをお聞かせください。

【社団法人日本経済団体連合会(井上社会広報本部長)】

 若干受け身でございますが、ともかく東大が提案をし、例えば、早稲田とか一橋が別方式の方法を提起されておりますので、そういったお話し合いをまず見たいと思っています。どのようなやり方がいいかということは、私どもから直接的に、どれがいいという言い方はしないつもりでございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。
 それでは、竹原委員。

【竹原委員】

 ありがとうございました。
 私も井上さんにですけれども、教育支援プロジェクトが生かされているというのは、現場にいて少し分かっております。また、違う視点で、企業人は市民でもあり、コミュニティの一員でもありますけれども、そのような方々が地域に出て、PTA会長をやるとか、学校運営協議会委員になるとか、ボランティアをする場合の企業サイドのバックアップ、それから支援体制、これからどうするかということをどうお考えでしょうか。

【社団法人日本経済団体連合会(井上社会広報本部長)】

 教育支援を非常に推進している企業の方々に聞きますと、ともかく企業から社会に出て、そこで何か貢献をしてこいというのが、まずベースにあります。それが教育なのか、あるいは子育てなのか、あるいは地域づくりなのかというのは、別問題かもしれません。したがいまして、まずは、教育界に直接何か自分たちの企業の持っているノウハウを伝えるということを前提にやるのではなくて、企業が一企業市民として社会貢献をするという前提の中で、教育支援をするという枠組みをぜひ広めていきたいと思っております。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。
 國井委員。

【國井委員】

 ありがとうございます。
 関口さんにお伺いしたいんですけれど、先ほど、設置基準を緩めてほしいというお話がありましたが、教育の質を高めていくというのが片方にあるので、単純に設置基準を緩めるというよりは、何らかの改革だと思うんですけど、それについて、もうちょっと具体的に、お聞かせください。

【日本私立短期大学協会(関口副会長)】

 ありがとうございます。
 具体的に申しますと、今、被災地で求められておりますことは、若者が活動がしやすくなる、要するに、学習の活動の一環としてとらえることができるであろう。その内容は、申すまでもなく、インターンシップ等々、いろいろと対応できる内容が必要であろうと思います。15時間という時間に限られることなく、ずっと続けてこれらのものが継続的に達成できるように、そういう内容のものも含め、また、大学とのコラボレーションも、授業の中で、大学だから、短大だからということではなくて、その地域に行って、その地域の中で学習ができる、そういう環境も必要でしょう。
 同時にまた、いろいろな総合的な、短期大学ばかりでなくて、大学の持っているリソース、そういうものも活用しながら、地域復興に関する様々な取組を行っていく、そういう学習も必要ですし……。時間がありませんか。
 もっと申し上げれば、学生たちが、様々な創造性を生かして、これからやろうとする取組に対して、大学が支援していかなければ、地方の様々な文化並びに中小企業等々は枯渇するかもしれません。そういう危惧をはらんで、ぜひともお願いします。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。そのとおりだと思います。
 それでは、木村委員にお願いします。

【木村委員】

 井上さんにちょっとコメントを求めたいんですが、グローバル人材を大学と連携して育てるということに対する積極的なメッセージ、大いに評価したいと思いますが、そうおっしゃりながら、22ページのグラフを見ると、具体的な方策、例えば、海外からの留学生受入れ拡大の取組、そういうことに対して賛意を表しておられる企業はあまり多くないということですね。それから、経済同友会で非常に大きなアンケート調査をおやりになっておりますが、あれを見ていますと、依然として、採用の条件として評価されているのは、要するに、体育系の学生なんですよ。はっきり申し上げて。私、詳細に分析していますから、いつでもプレゼンテーションはできますけれども。留学経験を多するという企業は、20%しかないんですよ。ですから、その辺を経団連としては、相当啓蒙活動をしていただかないと、おっしゃっていること自体に矛盾があると私は思っております。ちょっと厳しい意見で申しわけない。

【社団法人日本経済団体連合会(井上社会広報本部長)】

 これも簡単にお答したいと思いますが、私の若干持論も入るんですけれども。今、60万人以上の大学生が、大学を出て社会に出ていくわけでございますね。その一人一人に、ぜひポートフォリオを持っていただきたい。自分がどういう勉強をして、どういう留学経験をし、どういう社会的な活動をして、結果的にどんなことが履修できたのか、そのポートフォリオは、単なる4年間の優や良の数はないと思うんですね。それをぜひ各大学で御努力いただいて、つくっていただいて、証明していただく。こういうことがあれば、例えば、国籍がどこであろうと、あるいは、体育会系に入ってなかろうと、その学生の経験値が一目瞭然で分かると思うんですね。できれば、それを共通化していただくと、非常に分かりやすく、その学生の個性が分かるのではないか。そういう取組をしながら、私どもも、非常に個性のある学生を採っていきたいという考えでございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、意見交換はここまでにさせていただきます。各団体の皆様におかれましては、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。また、お忙しいところ、いらしていただきまして、ありがとうございます。

【日本私立短期大学協会(関口副会長)】

 最後にちょっとお礼を申させていただきたいと思うんですが、よろしゅうございましょうか。
 大震災について、本当に全国各地の皆様から、各大学から、いろいろと御支援を賜りましたことについて、被災地の大学を代表させていただいて、大変恐縮でございますけれども、心から御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 一応前半のセッションはここまでにさせていただきます。休憩10分となっておりますが、後半にもうはるかに食い込んでおりまして、時間ばかり心配しているように見えたら恐縮でございますが、大変貴重な御意見と、また意見交換の時間を持てましたので、本当にありがとうございます。
 申し訳ありませんが、休憩なしで、後半に移らせていただきたいと思います。ここからは、小川副部会長にお願いいたします。

【小川副部会長】

 そういうことで、休憩なしということで、後半に入らせていただきたいと思います。
 では、前半と同様に、説明は1団体概ね9分程度におまとめいただくということと、あと、終了2分前と終了時間には、事務局からその旨の紙を入れさせていただきたいと思いますので、ご了解いただければと思います。
 では、3団体のまずはじめに、全国高等学校長協会から、及川常務理事の御報告をお願いいたします。

【全国高等学校長協会(及川常務理事)】

 及川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 第2期の教育振興基本計画の基本的な考え方の中に、「高等学校段階にあっては、進学率が98%に達し、国民的な教育機関となっており、個々の生徒の能力・適性・進路等に応じた高校教育の改善・充実や、質の保証のための取組を推進することが必要である」と書かれております。私どもとしては、高校教育改革が主要課題の一つになっているというふうに理解いたします。この観点から、三点、意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず一点目は、高校教育の位置付けの明確化の必要性に関してです。平成18年、教育基本法に「義務教育」の目的が明記され、第7条で「大学」についての位置付けが明記されました。しかし、間に挟まるような形で「高校教育」に関しては、特に明記されませんでした。この教育基本法に基づいた現行の教育振興基本計画では、高校教育の扱い方が、二つのカテゴリーで論じられています。一つは、義務教育修了までと義務教育後という扱われ方、したがって、高校教育は、「義務教育後」の中で扱われます。もう一つは、高等教育に対して、「初等中等教育」という扱われ方をしております。当然、高校教育は、初等中等教育ということになります。つまり、二つのカテゴリーで論じられているということになります。義務教育後で扱われるというのは、大学への接続、社会への接続という観点からかと思います。それから、初等中等教育での扱われ方ということで言いますと、中等教育の完成教育ということですから、中学校からの接続という面に焦点が当てられているということだと思います。第2期の教育振興基本計画が、高校で高校教育改革が課題となるのであれば、ぜひ、この高校教育の位置付けを、教育振興基本計画の中で明確にする必要性があるのではないでしょうか。その位置付けによって、改革の方向性は変わってくると考えます。
 二点目です。高校教育の多様化と改革の方向性についてですけれども、今申し上げたような高校教育の扱われ方が、非常にあいまいというか、あまり明確ではないというのは、高校教育が非常に多様化しているという現状をあらわしていると思います。先ほど申し上げました中学校からの接続という点と、大学や社会への接続という観点で、多様化が進んでおります。
 まず中学校との接続、義務教育との接続の部分ですけれども、25年度、高校では完全実施の学習指導要領で、教育課程の編成実施に当たって配慮すべき事項の中に、学習の遅れがちな生徒などについては、各教科・科目等の選択、その内容の取扱いなどについて必要な配慮を行い、生徒の実態に応じ、例えば、義務教育段階の学習内容の確実な定着を図るための指導を適宜取り入れるなど、指導内容や指導方法を工夫することとあります。義務教育の学び直しが明記されています。現行の学習指導要領でも、学び直しの規定はありますけれども、義務教育という文言は出ていませんでした。この点も、中学校、義務教育との接続の部分の多様化を示しているかと思います。
 それから、大学・社会への接続の部分ですが、こちらの方は、よく普通科高校は、進路によって、進学上位校、中堅校、進路多様校といったような分け方をされることがあります。生徒の多様化に対応した必修単位数の縮減であるとか、履修歴の多様化、入試科目の科目数の削減、少子化による全入時代の中の推薦・AO等の非学力選抜の拡大等により、大学の専門教育に必要な学力が身についていないまま進学する生徒が見られます。一部の大学でというか、多くの大学で行われている初年次教育や入学前教育等が常態化していると理解しております。こういった観点から、大学や社会への接続という観点からの高校教育の在り方を考える必要性があろうかと思います。
 ただ、先ほど申し上げたとおり、高校教育というのは非常に多様化していますので、一律に扱うことはできません。改革の方向性も、この多様性を前提にしたものにならざるを得ないだろうと思います。そのためにも、最初に申し上げましたとおり、教育振興基本計画で高校教育の位置付けを明確にした上で、高校教育のミニマムを明示する。その上で、多様化した高校の機能分化を図っていくという方向性が一つ考えられるのではないかと思います。ただ、どのように機能分化を図っていくかという観点が、非常に難しいかなと思っています。進学上位校、中堅校、進路多様校といったような区分は、大学進学といった従来からの一つの物差しですので、この物差しに基づく機能分化というのは、改革の方向としては現実的ではないだろうと思います。文科省で行われたヒアリングの中で出ていた方向性に、高等学校を最後の市民性教育の場としてとらえ、基本的な市民性教育に力点を置いた高校改革が必要ではないかというような議論がなされていましたけれども、私見ですが、生涯学習の観点から考えたときに、検討すべき方向性ではないかなと考えます。
 三点目に移ります。高校教育の質の保証の在り方ですが、「質の保証」の仕組みとして、高大接続テストが構想されております。私ども、全国高等学校長協会としては、高大接続テストにつきましては、基礎的・基本的学力を客観的に把握しようとする到達度テストですので、その性格から考えて、推薦入試であるとかAO入試の際の学力の外形基準を与えるものとして大学が活用していくという、その方向で行っていくことが非常に有効であると考えております。
 それから、質の保証という観点からなんですけれども、初等中等教育と高等教育との接続の改善についての答申の中で、「自ら学び、自ら考える力」を基礎とした課題探求能力の育成を図ることが必要であるとか、その基礎となる「論理的思考力や表現力、応用力等の大学での学習を支える能力・技能の習得」を高等学校段階の教育に求めております。また、25年度実施の学習指導要領では、思考力・判断力・表現力等の学力が重視されておりますので、ぜひ、質の保証の仕組みとしての高大接続テストは、今申し上げたような広い知的能力であるとか資質、そういったものを把握できるようなテストであることが望ましいと考えます。
 それから、現行でも、高等学校卒業程度認定試験、旧大検ですけれども、これはある意味、高校教育の質の保証をする仕組みであると考えます。それから、現行でも、工業科の生徒を対象にしたジュニアマイスター制度であるとか工業科の標準テスト、あるいは商業科の生徒を対象にした全商一級、二級といった検定試験がありますので、こういった従来からある高校教育の質の保証の仕組みとの整合性を図ることも必要であると考えます。
 それから、現行の高校教育というのは履修主義の原則に立っているわけですが、質の保証ということを考えたときに、修得主義への転換ということが、やはり一定必要であろうかと思います。ただ現状のままでは、修得主義への転換を図れば、中退者が増えることが予想されますので、先ほど最初に申し上げた、高校の機能分化を図った上で、それぞれのミッションを明らかにした、そういう方向での習得主義への転換ということが必要かと考えております。
 最後です。大学の認証評価は第三者機関ですけれども、高校教育の場合には、学校設置基準そのものの弾力化とか、それから、更なる学習指導要領の大綱化ということによって、学校経営の自律性が図れない状況の中では、第三者機関による認証評価のような質保証の仕組みというのは現実的ではないと考えます。
 以上でございます。

【小川副部会長】

 ありがとうございました。
 では、次に、全国特別支援学校長会から、尾崎会長、よろしくお願いいたします。

【全国特別支援学校長会(尾崎会長)】

 資料は106ページからになります。
 教育振興基本計画部会におかれましては、この間、精力的な御検討に敬意を表するとともに、今回、このような機会をいただいたことに感謝します。
 全国特別支援学校長会は、視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・知的障害・病弱等の幼児児童生徒が在籍する全国の特別支援学校、1,000校ありますけれども、その校長を会員とする団体でございます。
 さて、近年の特別支援教育の状況ですけれども、平成21年12月に、障害者権利条約締結に必要な法整備のための「障がい者制度改革推進本部」が内閣に設置されまして、2010年5月には、第一次意見が閣議決定されたところです。このことを受けまして、中教審の中に「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」が設置されました。そして、昨年7月には、「合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ」を置いて、小・中学校とで障害のある子どもに教育を行う際に求められる合理的配慮等についての集中的な議論を現在進めているところでございます。
 2011年8月5日には障害者基本法の改正がありまして、そこでは、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現」が、目的として掲げられております。ここで言っている「共生する社会」、すなわち共生社会の実現に向けて、特別支援教育の果たす役割は大きいと全特長は考えています。乳幼児期から学校卒業後まで一貫した支援体制が整備されて、全ての学校で共生社会の実現を目指す教育を行う必要があると思います。
 また、共に学ぶ教育の実現には、教育条件の改善が必要であります。全特長は、障害者権利条約の理念である共生社会の実現を目指して、教育の在り方について「全特長ビジョン」を作成し、今現在、提言を行っているところです。
 このたび、この部会では、四つの重点的に取り組む事項について検討がなされました。以下、その内容について、全特長が組織を挙げて作成しているビジョンに基づいて、意見を述べさせてもらいたいと思います。
 まず最初に、第2期振興計画の策定に向けた基本的な考え方の本文に書かれた内容についてですが、第1章の、我が国の教育をめぐる現状と課題についてですけれども、(2)我が国の教育を取り巻く情勢の変化の中に、障害者も含めた暮らし易い社会「共生社会」を形成することの重要性を加えることを検討していただければと思います。
 それから、その際、課題解決への糸口の三つ目の括弧書きであります、高齢者、女性の社会参画に加えて、障害者の表記をぜひ入れてほしいなと思います。そして、共生社会の推進を図る旨の文言も入れる必要があるかと思います。
 (3)の東日本大震災を受けてについてですけれども、4ページに、高齢者、障害者等の震災弱者の支援体制を地域に確立することの重要性と緊急性を、ぜひ盛り込んでいただければと考えています。
 (4)の社会の方向性と教育の果たす役割の四つ目の括弧の、社会の方向性を実現するための条件の丸1、個々人の社会参加の保障(6ページ)において、障害者も含めた共生社会の形成を目指す条件整備が必要であると考えます。
 次に、今後の5年間に実施すべき教育上の方策について、意見を述べていきます。
 今後の教育行政の方向性のイに、社会を生き抜く力の養成というのがありまして、そこの概要では、多様で変化の激しい社会での個人の自立と協働と説明されているところですが、生涯の各段階を通じて推進する取組についてですけれども高齢者のみならず障害者に対しての学習環境整備等も必要であると考えます。
 丸2の、主として初等中等教育段階の児童生徒を対象にした取組の、特別なニーズに対応した教育の推進のところでは、22ページにありますけれども、インクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育の推進という文言があります。ぜひとも一層の推進を図ってほしいと考えています。
 教育の質の向上を実現する環境整備の推進については、全特長で協議されている意見を述べさせていただきます。時間の関係で少し飛ばせていただきたいと思います。提言の方から、提言丸1ということで、全特長ビジョンに基づいた提言をしたいと思います。
 一つ目は、自立と社会参加を確かにする仕組みの姿としての交流及び共同学習の充実についてです。義務教育段階では、個々のニーズを踏まえて、近隣学校との交流及び共同学習を行うことが重要だと思います。今後は、小・中学校に地域教育籍、特別支援学校に専門教育籍が置かれ、個別の教育支援計画に基づき、それぞれの籍がある学校での教育の比重を適切に定めるなど、小・中学校、特別支援学校双方の教育資源を有効に活用し、最大限の教育成果を上げることも必要だと思います。
 さらに、病気の子どもの就学については、入院の有無に関わらず、地域の小学校、中学校との円滑な連携により、自宅等への訪問教育を含めた特別支援教育が実施されることが大切であると考えます。
 提言2は、本人の希望と特性を生かす教育システムの整備についてです。後期中等教育の充実のために、特別支援学校高等部においては、理系コース、文系コースの設置、また、社会参加を想定した学科が複数設置されるなど、本人の希望と特性を生かす教育システムが確立していることが重要だと思います。提携高等学校との単位互換協定等を締結したり、高等学校で障害のある子どもを高校籍として受け入れるシステム等が工夫されたりして、特別支援学校や地域の人的資源を活用しながら教育できる体制を進め、日常の中で、障害のある子どもと障害のない子どもの学び合いが根づいていることが大切であると考えます。
 教育上の方策のロの、未来への飛躍を実現する人材の養成〜変化や新たな価値を創造・主導し、社会の各分野を牽引していく人材に関連しての提言ですが、提言1として、キャリア教育の充実について述べたいと思います。障害の軽重にかかわらず、生涯を見通したキャリア形成を図るために、個別に教育計画が用意されているとともに、障害の程度や重複の状態に左右されず、ニーズに応じた情報活用や将来設計の機会等が適時用意されることが重要です。また、ワークキャリアやライフキャリアの形成も含めた、必要な情報ネットワークが活用できる学校環境がつくられていることについても大切であると思います。
 少し飛ばします。教育上の方策のハの、学びのセーフティネットの構築ですが、誰もがアクセスできる多様な学習機会に関連してですが、学習へのアクセスの機会や、安全安心で質の高い教育環境の整備の確保が重要であります。一人一人がそのニーズに応じて充実した教育を受け、社会生活上必要な知識能力を身につけることが求められると思います。
 そして、そこで提言1として、合理的配慮等環境整備について述べます。合理的配慮の提供を実現するためには、「基礎的環境整備」の状況によることが大きな課題であり、今後のインクルーシブ教育システムの構築の方向性において重要だと思います。質の高い「基礎的環境整備」を実現させるためには、学校教育法第3条で規定している「設置基準」の中に、「基礎的環境整備」に配慮できる内容を明文化し、学習指導要領解説書に合理的配慮を例示し、各県・市町村においても、同様な対応ができるようにしていくことが必要だと考えています。
 少し飛ばせていただきます。そして、提言3として、共生社会の推進拠点についてということも書かせていただきました。特別支援学校が、自立と社会参加に向け、障害児・者が地域で豊かに暮らし、学ぶための支援を行う情報を収集・提供・活用できる拠点としての機能を有していることが重要であります。
 そこで、教育上の方策のニの、絆づくりと活力のあるコミュニティの形成〜社会が人を育み、人が社会をつくる好循環について述べます。
 提言としては、小・中・高等学校との学校間パートナーシップの確立についてです。特別支援教育におけるスクールクラスターの考え方が整理され、地域内の全ての学校固有の機能を発揮し、相互に協力・補完が図られ、地域における全ての子ども一人一人の教育的ニーズに応えられることが重要であると考えています。それ以下の提言は、省略させていただきます。
 最後ですけれども、以上は、全特長が目指す共生社会の実現に向けた課題であるとも考えています。特別支援学校が果たす役割と国としての役割や家庭や地域社会の理解・協力の下、実現する課題も含まれています。教育振興基本計画は、今後の日本の教育の方向性を示すものとして重要な役割を果たすと思います。全特長としても、学校教育を担う者として、国民の理解と協力を得るよう努力していくことを表明しまして、意見陳述を終わります。
 ありがとうございました。

【小川副部会長】

 すみません、時間がなくて申し訳ありませんでした。
 では、次に、日本私立中学校高等学校連合会の實吉常任理事から、御報告をお願いします。

【日本私立中学校高等学校連合会(實吉常任理事)】

 このたび、日本私立中学校高等学校連合会、中高連と略させていただきますが、意見陳述をする機会をいただいたことを、ありがたく感謝申し上げます。私は中高連の常任理事で、教育制度調査部会長の實吉と申します。
 実は、先の第1期基本計画の策定時に、中高連としては、平成19年12月5日付で、四点のお願いを、あるいは御指摘をさせていただきました。一番目は、教育をめぐる現状について、二番目として、教育の振興と私立学校教育の振興について、三番目として、私立学校教育の振興と私学助成について、四番目として、教育振興基本計画策定実施に当たってということで、四つの点を指摘させていただきました。しかし、平成20年4月に閣議決定されました第1期の基本計画におきましては、数値目標を含む、実効性を伴った政策が明示されていませんでした。このたびの第2期の計画の策定に当たりましては、この間の経緯を踏まえて、更に真に我が国の教育振興が確実に実現される事項が具体的に盛り込まれていくように切望し、本日意見を申し述べさせていただきます。
 まず、工程表の提示ということで、第2期の計画の策定に当たりましては、まず目に見える、分かりやすい政策を示すことと、あわせて、掲げた政策の実効性を担保する数値目標をぜひ盛り込むことが不可欠だろうと考えています。その上で、包括的な工程表をお示しいただき、政策目標の進捗状況を年次ごとに公表するなどして、行政としての説明責任を果たしていただきたい。学校教育の現場では、政策の継続性と安定性が何よりも望まれていることから、このような意見を申し上げます。
 二番目として、公教育の維持・向上についてで、国公私立学校は、幼稚園から大学まで、設置者の違いを超えてそれぞれの教育機能を発揮し、それぞれが役割を果たすことによって、日本の公教育の基幹が形成されています。その中で私立学校は、各学校が独自の教育理念に基づいて、多様な教育を提供することで、国民の多様な教育要求に応えてまいりましたし、公教育の発展をむしろ先導していると自負しているところです。第2期計画におきましては、国公私立学校の均衡ある政策を具体的に御提示いただき、国の責任で推進することは、我が国の公教育全体の維持・向上に寄与する最大の道筋と考えていると御理解いただければありがたく存じます。
 三番目として、私立学校教育の振興について、「第2期教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方」が、平成23年12月にお示しをいただきました。この中には、教育における多様性の尊重が掲げられておりますし、教育の内容・方法など、教育の在り方自体が画一ではなく多様であること、関連する制度が柔軟であることを教育政策遂行上の留意点として挙げていられることは、まさに私立学校がこれまで求めてまいりましたことでありますし、実践している教育の在り方でもあり、大変評価できるものと理解しています。
 しかし、第1期計画策定の過程におきまして、私学振興に関し素案段階で示されました「私学助成の更なる充実」という文言が、答申では「私学助成の推進」という文言に、かなり後退したものになりました。第1期計画では、修学上の経済的負担軽減、経営の健全性の向上、私立高等学校等が行う授業料免除事業に対する支援、私学助成その他の総合的な支援を掲げてはいただきましたが、いずれも5年間で達成すべき具体的な数値目標は設定されていないなど、計画実施当初から、中高連としては、実効性を疑問視せざるを得ない内容であったと理解しています。
 したがって、第2期の考え方では、私立学校の振興について、「今後5年間に実施すべき教育上の方策」の中で、「私立学校の振興(税制措置、私学助成、経営支援等)の実施」というふうに、たった2行の文言にとどまっています。第2期計画には、この税制措置・私学助成・経営支援等の内容がより具体的に示していただけるように、中高連としては切望するところです。
 お手元の資料にも明記しましたように、(1)で、私学助成の拡充について、今回の計画をつくるに当たっては、更に一歩踏み込んで、数値目標を盛り込んだ年次計画が明示していただけるように切望するものです。
 (2)として、就学支援金制度について、経済的な理由により就学が困難な者に対する措置の実質的な実現に向けての再検討と具体策の提言を切望するところです。
 (3)私立学校の教育環境整備について、平成23年3月11日に発災した東日本大震災の貴重な経験を踏まえて、学校設置者の枠を超えて国民の安全安心を守るのは国の基本的責務であるという観点から、教育環境の整備の在り方を検討していただければありがたいと思っております。特に学校施設の耐震化の促進については、学校設置者の違いという従来の考え方ではなく、次代を担う国民の安全を確保するという立場から、具体的な措置を計画に明示していただきたく切望をいたします。

【小川副部会長】

 ありがとうございました。
 では、今の三つの報告に対して、御質問など、御発言があればお願いいたしたいと思います。
 では、大江委員のほうからお願いします。

【大江委員】

 ありがとうございます。
 特別支援学校長会、尾崎会長に質問をお願いいたします。
 109ページの表現のところなんですが、やはり基礎的環境整備と合理的配慮が不十分なままで、インクルーシブシステムを構築した場合に、障害者の教育の保障という部分で、非常に困難になるのではないかという懸念を持つところであります。そこには、国が例示をし、各県・市町村において対応ができると書いてありますが、やはりこれは、国による制度改革とともに、予算計上をしないとうまくいかないのではないかな。このままだと、都道府県及び設置者は大変苦労するのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
 以上です。

【小川副部会長】

 では、尾崎さん、よろしくお願いします。

【全国特別支援学校長会(尾崎会長)】

 合理的配慮等環境整備のワーキンググループの報告を中教審特別委員会でしたときの話を踏まえてですが、ぜひ合理的配慮が十全に行われるためには、制度による基礎的環境整備というものをやっぱり充実していかなければいけないと。でも、これはすぐにはできなくて、長い時間かかっていくだろう。でも、その方向性はずっと求め続けることがまず必要であろうということが一点目です。
 それから、合理的配慮で、設置者あるいは学校が行うものについては、学校と設置者がぜひ協議をして、できることから行っていくということが必要かなと考えています。設置者ができないからできないということではなくて、できるものをどんどんできるようにしていくという考え方を取り入れていくというふうに思っております。ですから、設置者ができやすいようにするということも、また必要なことかと思います。

【小川副部会長】

 大江委員、よろしいですか。
 では、安彦委員、どうぞ。

【安彦初等中等教育分科会分科会長代理】

 高校長協会にお願いしたいんですが、二つお伺いします。
 一つは、104ページで言えば、1の位置付けの明確化のところですけど、私も似た問題意識を持って、二つの位置付けといいますか、押さえ方のどっちにするかという、これは少なくとも高校長協会の方では、どちらの方を考えておられるんですか。義務教育後の方を考えておられるのか、それとも、中等教育の完成教育と考えておられるのか。これが1点です。
 もう一つは、これは私の認識とかなりずれているので、言葉の中身を少し伺いますが、105ページの下から二つ目の丸の、現行の高校教育は履修主義の原則だと。これは、私の認識では、小中がまず履修主義でして、高校は履修主義ではないという認識であります。単位制をとっておりますし、むしろ大学に近い形になっております。一部、学年制が加味されていますから、完全な大学と同じ単位取得の修得主義ではないですが、この履修主義であるという、つまり、小中と同じだという認識は私にはないので、どういう意味でこれを使われているのか、ちょっと言っていただきたいと思います。

【小川副部会長】

 では、及川理事、お願いいたします。

【全国高等学校長協会(及川常務理事)】

 お答えします。
 一点目の御質問に関しては、どちらに重きを置くかというか、高校の現場の現状としては、どちらも踏まえた方向で対応していかなければいけないというふうに考えています。入口の部分でも、学力を含めて多様化していることは事実ですので、それを抜きに高校教育ということを考えていくことはできません。また、出口の部分でも、質保証という観点からは、これは高校がしっかりと行わなければいけないことですので、どちらかに力点を置くというふうには考えていません。
 それから、二点目ですが、履修主義という言葉を使っているのは、学習指導要領で、必履修科目が定められているが、修得については卒業に必要な単位数だけが定められている、その結果、実態としては履修主義に近くなっているという意味からです。

【小川副部会長】

 いろいろ疑問はあるかと思いますけれども、今日時間はありませんので、この程度で終わらせていただきたいと思います。
 他に、もしありましたら。

【白波瀬委員】

 ありがとうございました。
 一点だけ、尾崎会長に御質問させてください。キャリア教育についてなんですが、ワークキャリア、ライフキャリアという言葉を使われているんですが、これは学校を超えたところでの教育という点で、重要だと思います。そこで、学校に所属した後、あるいは学校に所属しないところでの教育、というところで、何かお考えがありましたら、お聞かせください。

【小川副部会長】

 では、お願いします。

【全国特別支援学校長会(尾崎会長)】

 現在、全国特別支援学校高等部を卒業時点では、個別の移行支援計画を作成し、卒業後3年をめどに、アフターケアをすると。その中身の中には、単なる職業生活への支援ではなくて、生活支援も含めた内容として支援をしていくと。それについては、卒業後、徐々に関係機関のほうに移していくという考え方でやっております。

【小川副部会長】

 白波瀬委員、よろしいですね。
 では、時間がありませんので、このグループはこれで終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 では、休憩なしでここまで続けて、皆さんもお疲れかと思いますが、最後の四つ目のグループに入っていきたいと思います。またこれも、三つの団体からそれぞれ御意見を伺いますので、よろしくお願いいたします。
 全国社会教育委員連合と、全国公民館連合会、そして、最後に、日本私立大学教職員組合連合、この三つから御報告をいただくことになっています。よろしくお願いいたします。改めて、時間はありませんので、1団体9分程度で、よろしくお願いいたします。終了2分前と終了時間については、事務局のほうから、またその旨を記した紙を入れさせていただくことになりますので、御了解ください。
 では、まず最初に、全国社会教育委員連合の坂本常務理事からお願いいたします。よろしくお願いします。

【全国社会教育委員連合(坂本常務理事)】

 全国社会教育委員連合、坂本でございます。
 おそらく今までのヒアリングの団体の性格と大変違った立場からのお話ということになろうかと思います。しかも、おそらくですが、本日のヒアリング団体の中では、財政的にも、人的体制も、一番小さな団体ではないかと思います。
 まず、私どもの全国社会教育委員連合の概略につきましては、資料113ページに、一番としてお示しさせていただきました。昭和38年に任意団体として発足しました。来年がちょうど50周年に当たるところでございます。その20年後、昭和58年に、社会教育委員が、任期中に一人1,000円拠金しようという運動を展開して、財団化が図られたわけでございます。そういう意味で、この組織に対する、我々社会教育委員の愛着というのは、とても強いものがございます。その後、資料の「主な活動」のところで示させていただきましたような活動を推進しているところでございます。
 本日は、計画部会計画策定への要望ということで、丸1、丸2、丸3の三点を要望させていただいております。大変立派な先生方がいらっしゃる前で、大変恐縮ですが、教育という言葉にちょっとこだわって、分析的にとらえてみます。「教える」という文字の偏の部分は、人と人との交流を通して知識や技術を伝えるという意味と、人と人との交流を通して知識や技術を受けとめる、学ぶという意味があります。もう一つの、教育の「育」という文字には、産後の肥立ちをよく育てるという意味と、もう一つ、自らが育つという意味があります。
 そういう二つの意味合いを持つ「教育」という言葉ですが、これまでのヒアリングの多くは、育てる、教育するという子どもに対して、大人の目線というか、上からの目線が中心ではなかったかなと思っておりますが、社会教育という立場から考えてみると、子どもが育つ、そして、その育ちを支援する場を大切にしていただきたいというのが、提案の一つでございます。
 子どもが育つ、あるいは、子どもの育ちを支援するということを考えた場合には、それは社会教育とか、地域における教育が大事になってくるのではないだろうかと思われます。例えば、今の子どもに欠けると言われる世代間・異年齢交流体験とか、自然体験とか、自発的活動体験とか、社会貢献体験だとか、あるいは自主的な集団への参加体験などを考えてみますと、それは地域にふんだんにあると思いますし、社会教育には多様な機会があると思います。それだけではなくて、最近、小中学生ぐらいからキャリア教育が重要視されておりますが、その場も、社会教育、地域には多様なものがたくさんあると思います。そういう観点から、子どもの育ちの場としての社会教育をぜひ重要視していただきたい。
 もう一つ申し上げますと、最近、高等学校は進学率が98%に近いですし、あるいは、高等教育は52%という数字が出ておりますが、実は、この進学率の高まりは、日本の国民全体としては、教育の成果というふうに受けとめられておりますし、世界的にも高く評価されているんだろうと思いますが、これが持つ影の部分もぜひ見ていきたいと感じております。それはどういうことかというと、こども園、保育園、幼稚園には、最近、義務的なように入園して22〜23歳頃まで学校生活が続いているわけです。すなわち、3歳から22〜23歳まで約20年間が、同年齢集団での生活が、子どもたちの生活の重要な時間を占めております。それが、ある意味では、社会に出たときに、同年齢集団での生活が長いがために、異年齢社会である職場だとか地域社会に上手に軟着陸できないというような現象が起きており、フリーターだとか、不登校とか、中途退学などの問題に影響が及んでおります。
 そういうことを考えていきますと、先ほど申し上げましたように、社会教育、あるいは、社会教育としての青少年教育をもっともっと積極的に推進していく必要がある、あるいは、振興していく必要があるというコメントをいただきたいというのが、二つ目の提案でございます。
 その社会教育、あるいは青少年教育を推進していく上で、社会教育委員の役割もとても大きいものがあると思いますのでぜひ、このことについても、強調するようなコメントもいただきたいというのが、第三番目の提案でございます。
 その根拠として、113ページの3にお示ししておりますのが、社会教育法の第17条でございます。第17条の3に、「市町村の社会教育委員は云々」とありまして、「青少年教育に関する特定の事項について」という文言がございます。ぜひ、そういう意味で、社会教育委員にも注目をしていただきたいと思います。その社会教育委員は、社会教育法の抜粋の部分をご紹介させていただきましたが、第15条に、その構成が法で示されております。2、「社会教育委員は、学校教育及び社会教育の関係者、家庭教育の向上に資する活動を行う者並びに学識経験のある者の中から教育委員会が委嘱する」、となっております。
 その社会教育委員の委嘱分野が現在どうなっているかというと、113ページの一番下になりますが、学校教育関係者が全体で16.2%、社会教育関係者が42.3%、家庭教育の関係者が9.1%、学識経験者が32.4%となっております。
 このようなデータなり法律を見ますと、社会教育委員が、家庭、学校、地域を結ぶコーディネーター役として、極めて重要な任を担っているんだろうと思います。そのためにも、ぜひ社会教育委員の活動の活性化についてもコメントいただきたいということをお願い申し上げまして、私の立場からの提案にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。

【小川副部会長】

 ありがとうございました。
 では、次に、全国公民館連合会から、石川常務理事、御報告をお願いいたします。

【全国公民館連合会(石川常務理事)】

 本日はありがとうございます。全国公民館連合会の石川と申します。
 私どもの団体は、全国に約1万7,000館ある公民館、条例公民館でございます。それから、8万か所ぐらいの自治公民館というところで地域の活動をしているものでございますが、各都道府県の代表者が会員になって、社会教育を進めております。1年間に利用する住民の方々は、延べで3億人でございます。おかげさまで、4月1日から公益社団法人に名称変更することになりました。また御指導よろしくお願いいたします。
 私の意見は、お手元の資料の114ページから118ページにかけて記載されています。時間が限られております。紙が来る前に終わりにしたいと思いますので、一番後ろからいきたいと思います。116ページをお開きいただきたいと思います。
 私どもの公民館は、地域の絆づくりと活力あるコミュニティの形成における社会教育施設ということで、特色があるのではないかと思います。文科省の調査でも、今回の災害に対しまして、学校と地域がうまくいっているところは、すごく早い時期に避難箇所の運営ができたという統計もあります。公民館も、それにも増して、住民の方とお互いの顔見知りの関係でございましたので、大きな役割を果たしたように思います。
 そうした意味から、今回の計画の基本的な考え方を読ませていただきますと、公民館という言葉が何か所も出てきまして、私どもは、これを非常にありがたいなと思っております。予算をいただくのも一つの方法なんですが、公民館が大事だということを、国の基本計画の中で公民館という実名を挙げながら記述していただくということが、現場で働く職員の皆さん、地域の皆さんにどれだけ心強いか分かりませんので、そういう意味からも、今回、第2期の振興計画については、本当に感謝を申し上げる次第でございます。詳しいことは、そこに記述してありますので、お読みいただきたいと思います。
 次に、六番目でございますけれども、私は、今回、ここのところにちょっと力を入れてみたいなと思っております。基本計画を策定する、これは委員の皆さんのお力で、すばらしい基本計画ができます。立案者の役割は十分に果たされているんですが、果たして実践をする立場の方々がどれだけこの基本計画を理解しているかということが、大きな問題ではないかと私は思っております。国の基本計画を参酌しながら、都道府県は独自の基本計画を作成します。しかし、作成してしまえば、それでおしまいと、そういう事態があちこちであるのではないのかなというふうに思います。ちなみに、市町村の教育委員会の職員に、「国の基本計画を隅から隅まで読んだことはありますか」と聞いたら、多分、「ありません」と答えるのではないかと思います。ですから、これを何とかしなければ、せっかく立派な基本計画ができても意味をなさないのではないか。絵に描いた餅なのではないかというふうに思うんです。
 学校というところは、非常に目標が多いところです。私は学校の経験があります。学校の教育目標、学年の教育目標、その週の目標、あるいは保健の目標、給食の目標、ありとあらゆる目標がいっぱい飾ってあります。ですから、目標がたくさんあり過ぎて、その目標が達成できたかどうかを検証するすべが十分でない。もっとも、目標が達成しなくても、気にならない。もっと言うと、気にしない。企業はそういうわけにいかないんだと思うんです。月10台車を販売していたセールスマンであれば、その10台というのが大きな目標になると思います。そうしたことから考えますと、この教育振興基本計画をつくっておしまいでなくて、つくったところがスタートということを考えていかなければいけないのではないかと思うんですね。
 それには、こんなに委員の皆さんが力を入れてつくってくださったこの基本計画を、都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会、そして学校、PTAの皆さん、全部に周知徹底をして、この基本計画に従って、学校の、地域の、それぞれの教育が推進していけるようにすることがものすごく大事ではないかと思うんです。教育基本計画の最後の項目、私は、力を入れて、ちょこちょこと最後のほうの記述になっておりますが、十分に力を入れてここを記述していただいて、第2期の基本計画は、全ての教育関係者、全ての国民が目にし、理解し、力を合わせて教育が進められるようにしていくことが必要なのかな、そう思います。ぜひその辺の御検討をいただきたいな、そう思っているところでございます。
 あとは、一番から四番までは、本連合会で感じたことを書かせていただきましたので、お読みいただきたいと思います。
 何はともあれ、公民館という言葉が何か所も出てくるものですから、私どもは非常にうれしく思いますし、もっともっと頑張って、地域の教育、地域の団結力を高めていく仕事に邁進してまいりたいと思いますので、御支援の方をよろしくお願いいたします。
 以上です。

【小川副部会長】

 ありがとうございました。時間内にやっていただきまして、御協力ありがとうございました。
 では、最後に、日本私立大学教職員組合連合から、内藤書記長、よろしくお願いいたします。

【日本私立大学教職員組合連合(内藤書記長)】

 内藤でございます。このたび、次期教育振興基本計画の策定に当たりまして、私どもをお呼びいただき、意見を述べさせていただくということに対しまして、心から感謝を申し上げます。
 私たち日本私立大学教職員組合連合、略称から日本私大教連と呼ばれておりますけれども、大規模大学から地方の短大まで、全国の私立大学・短大、約220校の教職員組合が加盟する、日本で唯一の全国組織であります。加盟組合員数は、約2万人おります。上部団体はございません。
 私たちは、この間、日本の教育政策、あるいは大学政策について検討を重ねてまいりまして、昨年の2月に、「私立大学政策提言2011」というものを発表いたしました。これは、資料4の122ページ以降に掲載されておりますので、どうか御参照いただきたいと存じます。
 その中で私たちは、私立であれ、国立・公立であれ、大学に差はないということから、「私立・国立同等の原則」というものを打ち出しています。国立大学と私立大学の違いは、設置者だけの問題であって、教育基本法、あるいは学校教育法などの法令でも、全ての大学は同等に扱われているということがございます。そういう認識に立ちまして、我々の提言を出してきたということでございますが、実際には、私立大学と国立大学との間には、見過ごすことのできないほどの格差が存在するということでございます。
 例えば、学生一人当たりの公財政支出を見ますと、私立は国立の約13分の1しかありません。これは決して国立大学の学生が十分な公財政のもとで教育を受ける権利を保障されているということを意味するものではないのですが、私立大学の学生の立場から見ると、国立に比べますと、はるかに教育を受ける権利が保障されていないと言わざるを得ないわけでございます。また、国立大学の授業料負担を見ましても、国際的にも決して小さくありませんし、私立大学については、より一層授業料の負担が大きくなっているということです。
 これらの主要な要因というのは、そもそも高等教育予算が非常に低いということにあります。まずは、高等教育予算全体をOECD平均のGDP比1%並みに引き上げることが、何よりも求められると考えています。そして、日本の大学制度において主要な部分を占める私立大学への公財政支出の在り方を抜本的に見直すことなしに、日本の高等教育全体の充実・発展はなし得ないものだということを強調してまいりました。
 また、昨年の東日本大震災が教育全体に与えた被害も、国立・公立・私立の設置者に関わらず、これは発生している。この震災は、従来の想定を超えた被害をもたらしたものでありますけれども、その復興とそのために必要な費用は、国の責任と負担で行われる必要があります。震災の避難所などとして、被害地域の私立大学は大きな役割を果たしてきたということが大きく新聞でも報道されており、周知のことと存じます。こうしたことを踏まえて、さらに学生の教育を受ける権利の視点からも、教育条件をまずは元に戻すことに全力を傾けることを求めたいと考えています。その際には、ぜひ現場からの要求を基本に置いていただいて、新たな政策を策定していただきたいと考えております。
 こうした全体状況のもとで、私立大学で働き、学生の教育に直接責任を負う教職員の立場から、第2期の基本計画の策定に当たりまして、以下申します四点につきまして、要望ないしはお願いをしたいと考えております。
 第1でございますが、これは基本的な問題ですけれども、「私立・国立同等の原則」に立った計画立案を求めていきたいと考えています。日本の学生数の4分の3が私立大学生でありまして、昨今、大学進学率は50%を超えるというユニバーサル化された大学教育状況が生まれてきています。それを担っておりますのは、当然のことながら、4分の3を占める私立大学であるということは、揺るぎない事実でございます。
 特に地方の私立大学は、地域の若者の高等教育を受ける権利を保障すると同時に、地域社会の学術・文化のよりどころとして大きな役割を担っております。先ほどの震災につきましても、例えば、石巻専修大学などは、避難所として被災者救援の拠点となして、復旧・復興の中心的な役割を果たしてきたということがございます。
 文科省におかれましても、日本の高等教育においては、私立大学は主要な役割を果たしていると説明されているところでございます。しかし、これに相応する政策的位置付けが、これまではどうも示されてこなかったというふうに私たちは認識しております。例えば、このことは、昨秋まで文科省のホームページの「大学・大学院」のページには、国立大学法人と公立大学しかリンク掲載がなされていなかった。私立大学は、小中高のページの「私立学校の振興」のリンクの先にひっそりと掲載されていたというのが実情で、これは、私たちの強い抗議と要望で、現在は改善されておりますが、私立大学はそのような位置付けがなされてきているのです。
 さらに同様なことは、第1期の教育振興基本計画におきましても、「基本的方向3」の「教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し、社会の発展を支える」というところでは、国公私立大学を包摂するような書き方になっておりますが、しかし、その中では、全般的に見ますと、私立大学自体の具体的な政策の在り方というものが位置付けられていない、つまり、高等教育機関として正当に位置付けられていないと考えられます。こうした私立大学軽視の姿勢は、変えていただきたいということでございます。
 二番目は、私立大学等への公財政支出の拡充についてということでございますが、これは、文科省が昨年度予算におきまして、基盤的経費の確実な確保を掲げておりますけれども、私立大学等の経営費等に対する経常費補助の割合は、1980年度の29.5%をピークに低下の一途をたどって、2010年度にはわずか10.7%にまで落ち込んでおります。こうした政策を改めまして、次期計画におきましては、「基盤的経費の確実な措置」などという抽象的な文言ではなくて、経常費補助の拡充に関する政策方針並びに目標計画を具体的に明示していただきたいと存じます。
 第三番目は、学生の学びを保障する支援の抜本的拡充を求めるということでございます。私たちの加盟の地区組織が毎年行っているものでございますが、私立大学の新入生の家計負担調査というものがございます。この結果をみると、平均世帯年収は年々低下するとともに、自宅外通学生への仕送り額も、このところ毎年最低額を更新しています。仕送り額から家賃を引いた1日当たりの平均額は、何と1,000円前後にまで落ち込んでいます。このことは、勉強したくても、生活費や授業料が賄えないということを示しています。これはやはり奨学金制度に問題があるということです。具体的には、給付型の奨学金制度を設置していただきたいということでございます。これが第三番目の要望です。
 最後に、第四点でございますが、教育にPDCAサイクルはなじまないということです。ここ数年の文科省もしくは中教審の政策文書には「PDCAサイクル」が事態打開の特効薬であるかのように多用されておりますけれども、しかしながら、教育というものを考えますと、それは短期的な成果を上げるというものではなくて、やはり長期的に教育政策というのを見ていかなくてはいけないと思います。私たちは、その中で、充実したよい教育を実現することができるであろうと考えております。こうしたPDCAサイクルというものが教育にはなじまないということは、是非とも明記していただきたいと考えます。
 以上でございます。ありがとうございました。

【小川副部会長】

 ありがとうございました。
 では、10分から15分ぐらい時間がありますので、今の三つの報告について、何か御質問などを含めて、御発言があればよろしくお願いいたします。もう委員の皆さんもちょっとお疲れのことかと思うんですけれども、何かございましたら。
 大江委員、どうぞ。

【大江委員】

 ありがとうございます。
 誤解があるとまずいので、一点だけ申し述べます。118ページの、公民館の方の表現で、学校の評価についてお書きになっているんですが、学校は確かにいろいろ目標はあるんですが、これは示す対象によって表現を変えているわけでありまして、目標は全て系統付けられて実践されております。なお、検証につきましても、しっかりした学校評価制度とガイドラインがありますので、教育委員会の指導を受けながら、数か月かけて検証をしている現状であります。私が知っている公立学校は、全てそうであります。
 以上です。

【小川副部会長】

 石川常務理事、よろしいですね。何か一言。よろしくお願いします。

【全国公民館連合会(石川常務理事)】

 御指摘のことも、本当に間違いないことだと思いますし、今、私がここに書いたことも間違いない事実なんですね。ですから、目標が本当に多くて、学校の先生は大変なんですよ。ですから、この中にも、教員の負担を軽減とかというあれがあると思うんですが、これは私は、ここに書いてありますけど、振興計画の中で、教員の負担軽減は言及する必要ないということを書いてあります。今の御意見も間違いないことだと思いますし、私がここに記述したことも全く間違いではない、そう思います。

【小川副部会長】

 ありがとうございました。
 他にいかがでしょうか。
 竹原委員、どうぞ。

【竹原委員】

 ありがとうございました。
 石川様、もう一度お聞きしたいんですけれども、公民館ということが再認識されて、今回、被災地でもそうでしたし、地域の絆づくり、活力あるコミュニティの形成に大事だということですが、従来の公民館に何をプラスしたら、更にその機能が果たせるとお思いでしょうか。

【全国公民館連合会(石川常務理事)】

 大事な御質問をいただいたと思います。
 公民館は、今まで顔の見える、お互いにフェース・トゥ・フェースの活動を地道にやってきました。それがなかなか評価されない。そんなことは行政がやることじゃないじゃないか、民間でやればいいじゃないかという御意見もありました。公費を使ってやることないじゃないかと。でも、そういう日々の積み重ねが、今回の災害でも大きな力を発揮しているわけですから、私たちは、公民館で働く職員の皆さんに、誇りと自信を持ってやっていけるようにしたい、それが大きな力になると、そう思っておりますので、今回の基本計画の中でも、先ほど申し上げましたように、公民館という言葉を出していただいたことが、本当に大きなプレゼントになるというふうに考えています。

【小川副部会長】

 よろしいですね。
 では、白波瀬委員。

【白波瀬委員】

 御報告ありがとうございました。
 一点だけ、内藤書記長に、データのことでちょっと質問させてください。日本において、OECDの中で学生一人当たりの公財政支出が低いというのは、既にいろんなところで指摘されていますが、125ページに提示されております値について、若干誤解を招くのではないかと感じました。日本の場合についてのみ、私立・国立別の値が別々に提示して、これで言うと、日本の国立大学の公財政支出が高くでているのは、ある意味当然である側面もあります。つまり、他国では、私立・国立を区別した値ではありませんので、この値を他国と比べた場合、過大評価されてしまうという危険性があります。もしこういう形での比較ということであれば、他国についても、私立、国立、あるいは州立の別を考慮して比較されたほうが、誤解が少なく、議論の中身もよくなるのではないかと思いました。
 以上です。

【日本私立大学教職員組合連合(内藤書記長)】

 御指摘ありがとうございます。
 これは、私たちが掲げております「私立・国立同等原則」という視点からまとめた資料でございます。御指摘のとおり、もう少し厳密に、ここのところは細かく、詳細にこれから検討していきたいと思います。ありがとうございます。

【小川副部会長】

 では、最後、國井委員、よろしくお願いします。

【國井委員】

 ありがとうございます。
 日本私立大学教職員組合連合の内藤様にお伺いしたいというか、一つ、PDCAに関してなんですけれど、これについてちょっと誤解もおありかなと私は思ったんですが。教育は短期的なものではないというのは当然なんですけれど、いろいろな施策に関して、やはり最初にプランを出しても、フィードバックをかけてよくしていかないと、硬直的で改善されていかないので、PDCAって非常に重要だと思うんですね。行き過ぎた管理主義というのも一方でありますから、それをイメージされているのかなという気がするんですけれど、私は、PDCAは非常に重要だということは、こっちで言っている方なんですけれど。やはりプランして、そのときの前提にしたことが、その後ぴったり合っているのかどうかということもありますし、いろんな施策が効果を上げているかどうかというところを見直していかなければいけないわけですよね。だから、プランして、ドゥ、チェック、アクションというのは、フィードバックをかけていくために極めて重要で、そういうふうに改善、改革をしていくための策であるというところで、ちょっと誤解されているかなと思ったんですけれど。

【小川副部会長】

 よろしくお願いします。

【日本私立大学教職員組合連合(内藤書記長)】

 この問題というのは、重要な問題だと思いますし、教育を行うに当たり、一定の成果は上げなくてはいけないわけであります。しかし、考え方としては、やはり短期的なものをまず求めるということではなくて、教育というものは短期的にその成果があげられるわけではありませんし、学問領域によっては、教育・研究成果をあげるのに長い時間を要するものがあり、長い目で長期的に見ていかなくてはいけないものも当然あり得るわけであります。
 計画を立てるのは当然のことでありますが、しかし、全て上から、例えば、一律に、文科省が指示を出すということでは、研究・教育の発展を阻害することになりかねないと思います。研究・教育の計画は、とにかく研究・教育の現場である大学に任せるということが重要だと思います。研究・教育の組織である大学が、計画を、社会的責任と独自性をもって自覚的に取り組んでいくということが必要であろうということです。
 ですから、私のイメージは、やはりそうした政策を上から立てるというのは、これは教育の本質あるいは研究の本質からして、なじまないものであるという認識です。この問題につきましては、私の方でも充分検討していきたいと存じます。貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。

【小川副部会長】

 いろいろ意見があると思いますが、何か一言ありますか。よろしいですか。

【國井委員】

 自主的な話と、オペレーションしていくためのチェックの機構とは、ちょっと違うかなと思いますが。

【小川副部会長】

 目標設定の仕方とか、PDCAサイクルのありよう等々については、この作業部会でも、また第2期の内容を検討する際、今後も重要な検討課題の一つとして設定されておりますので、今日の御意見を伺いながら、そのテーマの際には、また皆さんで意見交換をしていきたいと思います。
 時間に協力いただきまして、12時に何とか終えそうですので、非常に恐縮ですけれども、この辺で今日は締めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 では、今後の日程等について、事務局のほうからよろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 次回ですが、4月25日の水曜日2時から4時半で、この同じ場所で行いますので、よろしくお願いいたします。

【小川副部会長】

 ありがとうございました。
 今日御報告いただいた団体の方、ありがとうございました。貴重な御意見は、今後の検討に生かさせていただきたいと思います。
 それでは、今日はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。

—— 了 ——

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電話番号:内線3465,3279

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