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教育振興基本計画部会(第14回) 議事録

1.日時

平成24年2月24日(金曜日)14時~17時

2.場所

ホテルフロラシオン青山「芙蓉」

住所:東京都港区南青山4-17-58

3.議題

  1. 次期教育振興基本計画に係る関係団体からのヒアリング(1)
  2. その他

4.出席者

委員

安西副部会長、小川副部会長、衞藤委員、大江委員、大日向委員、篠原委員、白波瀬委員、竹原委員、田村委員、丸山委員、森委員

文部科学省

森口事務次官、合田生涯学習政策局長、板東高等教育局長、小松私学部長、上月大臣官房審議官、杉野生涯学習総括官、藤野生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長 他

5.議事録

【安西副部会長】

 それでは、定刻でございますので、ただいまから、第14回教育振興基本計画部会を開催させていただきます。
 御多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は、三村部会長が御都合でどうしても欠席でございますので、副部会長の私の方で司会進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 また、今回はヒアリングですけれども、関係団体の皆様から御意見をお伺いできる大変貴重な機会でございますので、他の分科会の副分科会長にもお声をかけさせていただいておりまして、今日は、生涯学習分科会の明石副分科会長にいらしていただいております。よろしくお願いいたします。
 また、今日は、家本委員がインフルエンザのため急遽御欠席で、出席委員数が定足数にぎりぎり足らなくなっておりまして、申し訳ありませんが委員懇談会とさせていただきます。内容は同様でございますし、大変大事な会合でございますので、よろしくお願いいたします。
 会議の進行・公開とも通常の部会と同様に行わせていただきます。よろしくお願いいたします。
 今日の議事は、次期の教育振興基本計画に関わる各関係団体の皆様からのヒアリングでございまして、この部会で、去年12月に、第2期教育振興基本計画策定に向けた基本的な考え方を取りまとめたところでございますが、平成24年度、来年度内に答申を行うということで、今後具体的な成果目標、方策等の審議を行っていく予定でございます。実効性のある計画としていくには、それぞれの現場の状況を十分に踏まえたものとしたいと、また、そうしていくことが必要不可欠でありますので、まず関係者の皆様から御提案、御意見をいただき、今回、それから次回、2回にわたりましてヒアリングを実施させていただくこととしております。
 今日お越しいただきました関係団体の皆様におかれましては、本当にお忙しいところを御対応いただきましてありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
 今日のタイムスケジュールにつきまして、まず事務局から説明をお願いします。また、配付資料の確認もお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 失礼いたします。
 本日のスケジュールでございますが、資料1を御覧いただきたいと思います。ヒアリングをある程度のまとまりごとにやっていければと思っておりまして、大きく五つのグループに分けて、それに属する方々からまずはヒアリングをさせていただいた上で、その後、意見交換をそれぞれのグループごとにするという流れとさせていただければと思います。
 それから、本日の配付資料ですが、資料2が、ヒアリングにはお越しにならない方々、団体からの書面での御意見をまとめた資料でございます。資料3が、本日御参加いただく団体の方々の御意見をまとめたもの。資料4が、前回の計画部会における委員からの主な発言の資料でございます。資料5が次回以降の日程の資料でございます。
 参考資料1、2は、先ほどお話にございましたが、年末にお取りまとめいただきました「基本的な考え方」の本体、概要、それに係る参考資料が、参考資料3でございます。それから、参考資料4の1枚紙は、熟議など、いろいろな会議の場で基本計画の検討を進めていることについて、御理解、御周知を図っているところの資料でございます。最後が委員名簿でございます。

【安西副部会長】

 よろしいでしょうか。
 それでは、今日お越しいただきました方々以外の団体から書面で御意見をいただいていますけれども、書面で御提出いただいております意見について、事務局から説明をまずお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 今回提出をいただいております各団体からの御意見、ヒアリングに御参加いただいた方からの御意見も含めまして、全体につきましては、また改めて、項目ごとに整理するなどして、資料を配付させていただきたいと思っております。
 私からは、書面で出された団体の御意見ということで、資料2の御紹介を申し上げたいと思います。
 まず、全国公立短期大学協会からの御意見でございます。
 地方の衰退、疲弊の現状についても言及をすべきである。また、女性の社会参画の記述の充実等についても考えてほしいといったご意見がございます。
 量が多うございますので、主なところしか御紹介できませんが、御理解いただければと思います。
 それから、2ページの下から二つ目の白丸ですが、今後目指すべき教育の姿として、「自立、協働、創造」をキーワードとする整理は有効だと。その際配慮されるべきは、学ぶ意欲のある者が教育を受けられるシステムをつくる。現状のような偏差値で学力をはかって入学者を選抜する方式を再考。特に高等教育の学費が高いことも改善する必要があるといったこと。
 次のページで申し上げますと、これも下から二つ目の白丸ですが、「高等教育段階修了までに身につける力とその方策」の関係では、特に専門的な知識能力の養成では、達成基準の明示、達成度等の適正なチェック、そういったことなどについての明確な共通認識が大切だといったような御意見もございます。次の4ページの真ん中ごろですけれども、高等教育段階の取組に関し、次の事項についての検討を望むということで、生涯学習社会における「短期大学」の役割の明確化と、大学制度上の在り方について。あるいは、就職関係での是正措置も望むといったことが書いてあります。
 その上で、提案の方向を踏まえた意見ということで、下から、白丸二つ目ですが、第1として、今後5年間に、段階的に社会人が高等教育で学べる仕組みをこれまで以上に広げることが必要。第2に、学生の社会参画への意欲や問題解決能力、協働によって新しいものを創造する能力などを総合的に評価できる測定指標をつくっていくことが求められる。そういったことが述べられております。
 続いて、全国特別支援教育推進連盟でございますが、大きく申し上げますと、共生社会の形成に係る記述を追加すべきといったこと。それから、障害者の学習環境整備の充実についても盛り込んでほしいといった御意見でございます。
 続いて、指定都市教育委員・教育長協議会からの御意見でございます。
 まず、「基本的な考え方」の「社会を生き抜く力」の関係で申し上げますと、あらゆる世代で、新たに出てくる社会的な課題に対して、何をどう学習すれば解決につながるのか、みずから考え、見出し、実行していく力を身につけていけるよう、生涯学習の仕組みとして築いていく必要があるのではないかといったこと。それから「具体的な方策」のところでは、キャリア教育の実現のための経済界と協働した職場体験の充実ですとか、豊かな心の育成のための国による教材開発、幼保小の連携等々について言及をなされております。また成果目標のところでは、全国学力・学習状況調査の悉皆による実施、教科数の増など、国が責任を持って成果を把握するために必要な調査等を実施すべきといったことも触れられております。
 次の「未来への飛躍を実現する人材の育成」のところでは、英語教育、理数教育の充実の関係の記述。その下の「学びのセーフティーネットの構築」のところでは、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、あるいは学校の耐震化・老朽化対策、さらに、学校の情報化等々についての方策に係る提議がなされております。最後のページでは、「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」の関係で、地域連携について、地域によって取組に差があることから、国から新しい施策の発信が必要ではないかといったこと。それから、社会・家庭の教育力の向上、個人の社会参画の促進について、数値評価がなじまないものについては定性評価を取り入れるなど、慎重に検討を重ねてほしいといった言及もなされております。
 続いて、中核市教育長会からの御意見でございますが、最初のページに白丸が二つございますが、過去5年間に取り組んだ方策の成果等の検証結果や、我が国の教育をめぐる現状・課題との関連を図った今後5年間における成果目標や具体的方策を示すべき。その下では、県費負担教職員の人事権等の市町村への移譲をはじめとする、国・地方の連携・協働を推進するための基本的な条件整備を何よりも優先するべきだということ。それから次のページに行きますと、高校生や大学生などの若い世代を中心に、海外留学など多様な体験を増やす取組が大事だといったこと。最後のところでは、家庭の教育力の一層の充実の関係の御意見がございます。
 続いて、全国市町村教育委員会連合会でございます。
 項目で書かれておりますので、触れますと、一つ目は、教職員の大量退職時代に対応する施策の樹立と実施。また、少人数学級、少人数指導を行うための教職員配置の拡充についても言及がございます。その次のページ以降では、家庭の教育力の向上ですとか、学校・家庭・地域の連携などについて、例えば、幼児・児童生徒一人一人の諸問題について、保護者、児童生徒が相談できる機関の充実の話ですとか、「学校応援団」などの活動を通じて、各学校における学習活動、安全確保等々、そういった学校・家庭・地域が一体となった子どもの育成を推進することが大事だといった言及もございます。
 続いて、全国都市教育長協議会の御意見でございます。国のつくる教育振興基本計画については、なかなか知っている人が少ないので、ちゃんとそういった周知も図っていくべきだといった御意見。また、計画をつくるに当たっては、日本の歴史、伝統、文化、物の考え方・見方などを強調して、どこの国でも通用する計画ではなくて、日本国の計画を策定することが求められるといったことですとか、2ページ目の真ん中頃では、「今後目指すべき教育の姿」として、現在の教育の評価を客観的に分析した上で、それに対応する施策をきちんと示してほしいといったことなどについても触れられております。
 続いて、全国町村教育長会でございます。例えば、項目2のところでは、「今後目指すべき教育の姿」として、多様化に対して、児童生徒の能力・進路に応じた教育内容を考えるべきではないかといった上で、丸1、丸2、丸3、丸4といったものが示されております。このためには、学習の選択の幅を広げるか、必修時間を少なくして、社会教育化、学校での課程外の時間を増やす必要があるのではないかといったことですとか、項目4のところでは、教育行政を支援するための一括交付金制度の導入を論点に加えてほしいといったことなどについても言及がございます。
 続いて、専門高校の8学科連合連絡協議会でございます。4ページほどございますが、専門高校の位置付けを明確にして、それに係る具体的な施策を提示してほしいといったことで、それぞれ項目ごとに記述の充実を図ってほしいといった御意見が並んでおります。
 続いて、全日本教職員連盟でございます。
 こちらは項目だけ申し上げますと、(1)で、我が国の伝統・文化を尊重する教育の推進を求める。(2)として、道徳教育の更なる推進。数値目標を設定した文教予算の確保と充実、義務教育費国庫負担制度の拡充、定数改善計画に基づく職員の増員等々について、それぞれ詳細に御意見が述べられているところでございます。
 続いて、日本高等学校教職員組合からの御意見でございます。
 これも幾つかのページにわたっておりますが、最初の総論のところで触れられているのは、教育行政の課題として示されている、個々人の多様な強みを引き出すという視点、学校段階間や学校・社会生活間の接続、十分なPDCAサイクルの不足などが挙げられているけれども、従前より個性を伸ばす教育は唱えられていて、個に応じた指導にシフトしていると。それが十分に機能してこなかった背景には、教職員の多忙化があるというふうに触れられております。個々人の多様な強みを引き出すという視点については、システムや教員のスキルの問題以前に、児童生徒とかかわる時間が持てないという根本的な原因を解消しない限りは改善できない側面があるといったことなどについて触れられております。
 あとの細かいところ、いろいろございますが、これはまた御覧いただければと思います。
 続いて、全国教育管理職員団体協議会からの御意見でございます。
 最初のページの真ん中のところでは、人材確保法の維持と義務標準法を改正して、教育の質と量の両面からの環境づくりが必要だ。その下では、義務教育費国庫負担金制度について、現状3分の1国庫負担を2分の1に戻すということでございますが、そして全額国庫負担へと引き上げることが前提条件だといったことなどについても触れられております。また、次のページのところでは、全国学力・学習状況調査の継続実施ですとか、教職員の多忙な状況の打破等々についても記述がございます。
 続いて、全国養護教諭連絡協議会からの御意見でございます。
 例えば、「社会を生き抜く力の養成」の最初の白丸では、人間関係の希薄化や規範意識が低下してきている。他者とのコミュニケーションや協働していく能力を習得できる教育活動を、今後ますます取り入れていかなくてはならないといったこと。また、40ページの真ん中ごろでは、保護者の経済状況に応じた支援が必要だ。奨学金、授業料免除を進めていく必要性を感じる等々についての記述がございます。
 続いて、社団法人日本PTA全国協議会からの御意見でございまして、教員の質の向上、指導が不適格な教員、学校運営の活性化、家庭の教育力向上、子どもたちの生きる力、地域力の向上等々について、それぞれ御意見が述べられております。さらに次のページでは、放課後や週末の子どもたちの体験といった点で、文部科学省の「放課後子ども教室」という取組と、厚生労働省の放課後児童クラブ、いわゆる学童保育について、有効に連携をしていくことが不可欠だという御意見ですとか、特別支援教育の関係で、通常学級と特別支援学級の接点を増やすことが大事だ、ネット社会に対する正しい対応などについての御意見がございます。
 続いて、財団法人日本博物館協会でございますが、全体として、現行の振興基本計画において、社会教育に係る記述が少ないと。それに係る記述を充実してほしい。博物館の持つ教育機能を明確に示した上で、学校教育との連携等についてもきちんと記述を盛り込んでほしいといったご意見でございます。
 また、続いては、社団法人日本教育工学振興会という団体から、情報通信技術の活用の観点から、それぞれ御意見が述べられております。
 続いて、全国知事会でございます。1、2、3、4とございますが、2のところでは、教職員の人事権、教職員定数、学級編制の権限等について、段階的に基礎自治体へ移譲するとの方向性を明記するとともに、具体的な内容と工程を示すこと。また、その端緒としては、教職員の給与負担とその財源とともに、学級編制基準、教職員定数の設定権限を政令指定都市に移譲しようという話がございます。また四番のところでは、教育委員会のあり方について、地域住民の意思の的確な反映、教育行政における責任の明確化などの課題も踏まえて、その方向性を明らかにするという御意見がございます。
 続けて、全国生涯学習市町村協議会に入っておられる横尾市長からのご意見もおつけしております。
 駆け足で恐縮ですが、以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 今の説明につきまして、コメント、御意見等々、もしあれば、事務局へ別途、委員の方々からお出しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 ヒアリングに入らせていただきたいと思います。
 前半を二つのグループに分けさせていただいて、御意見の発表と意見交換を行わせていただきます。
 誠に恐縮でございますけれども、御説明については、1団体当たり、大体8分程度とさせていただければと思います。終了2分前と、終了時間に事務局から紙を入れさせていただきますので、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
 まず、日本教職員組合から、岡島教育文化局長にいらしていただいております。よろしくお願い申し上げます。

【日本教職員組合(岡島教育文化局長)】

 日本教職員組合の岡島といいます。よろしくお願いをいたします。
 資料3の冒頭に、この第2期の振興計画に関わる意見をまとめてみました。これをもとにお伝えをしたいというふうに思います。
 つくりは、最初に「基本的な観点」という大枠のものと、さらに、その中で特に重視すべき観点を五つ挙げてあります。基本的な策定に向けた考え方で、様々な方向性が示されて、大枠が示されておりますので、それをもとにまとめました。
 「基本的な観点」のところに、このコンセプトでも示されておりますが、やはり3・11の東日本大震災、これがあったと。これを受けて、やはり教育を見直してみてはどうかという視点が書かれておりました。これは日本教職員組合としても同感でありまして、それで明らかとなった様々な課題、それは震災に限らず、全国でも様々な子どもたちが学校現場に来ておりますので、そういった観点で見ていくべきだということです。
 とりわけ、3行目に書いてございますが、やはり教育ですので、様々な数値的な成果とか検証、これは当然必要になるわけですが、どうしてもそういった面だけを追い求めていくというよりも、今の震災で、やはり人間関係ですとか、絆ですとか共生という点が重要だということが明らかとなっておりますので、やはりそういった、子どもの自立ですとか、「かかわり」を、ぜひ第2期の基本計画の観点に重視すべき点だというふうに思っております。
 さらに、「また」以降ですけれども、やはり学校現場に直接かかわる教職員がやりがいを持って、子どもたちの教育活動にかかわると。それは様々な教職員がおりますので、協力・協働で成り立っているんだと、そういったことを支援する施策づくりが大事であるということです。
 最後に書いてございますのは、やはり第1期の計画の検証をきちんと行った上で、次の第2期に向かってはと。当然なされていることだろうと思いますが、さらには、やはり各自治体でも振興計画をつくることになっておりますので、それもどうなのかと。国の振興計画を参酌してつくることになっておりますが、その辺もどうかというのが観点に書いてございます。
 一つ目ですが、今の子どもたちを取り巻く状況を書いてございます。これは読んでいただければわかりますが、様々な課題を抱えている子どもたちが学校現場に来ていますので、やはりそういった子どもたちを、心のケアですとか居場所づくりですとか、そういった支援策は必要でしょうと。それから、今の教育格差とか、そういったことに関わって、就学援助、奨学金制度等支援措置が、必ず必要になってくるということが書いてございます。
 二つ目の丸でございますが、東日本大震災を受けて、「基本的な考え方」にも、多様性ですとか自立、協働、創造というキーワードが挙げられてありますが、私ども、大変これは重要な視点であるというふうに認識をしております。とりわけ、やはり人間関係づくり、それから共生にもつながる、ともに学ぶ環境づくりというのは重要であって、それの根本になるのがやはり人権教育ですとか、インクルーシブ教育を進めることになるであろうと。さらには、震災の観点からいきますと、防災教育という観点で、その在り方を、命ですとか、関わりですとか、それから、子どもたちがみずから主体となってこういったことを考える、そういった教育の機会を進めていくべきであろうということが書いてございます。
 2ページのほうの右上ですが、これも今の子どもたちを取り巻く雇用状況。とりわけ若年の雇用状況が厳しい中で、やはりそういった子どもたちへの対応として、教育の場にも職業とか労働について考える、そういった教育が必要になってきているのではないかということが書いてございます。
 四つ目ですが、教育条件整備のことが書いてございます。これはもう皆さんに申し上げるまでもなく、やはり今大事なのは、一人一人の子どもの学力、生活保障、育ちということが大切になってきますので、それに見合った、少人数学級の推進ですとか加配ですとか設備ですとか、そういったこともやはり財政措置として行うべきであるということが書いてございます。
 最後に、教員を取り巻く現状について書いてあります。日教組が、国際経済労働研究所と共同で行った教員の働きがいに関する意識調査というのがございます。資料としてもつけておりますが、やはり労働時間ですとか、それから、学びの質ですとか専門性につながる、そういった十分な時間がとれないと。それによって精神的にもきつい教員が出てきたり、病気休職が増えているということが明らかとなっております。やはりこうした相対する教職員の、そういった条件整備というのは、それはすなわち子どもたちの教育の、学びにもつながりますので、そういったことを盛り込んでいただきたいというようなことが書いてございます。
 後ろに載せているのは、教員の働きがいに関する意識調査の資料ですので、また参考に御覧になっていただければと思います。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明を受けて、委員の皆様から御質問等々あればいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ、小川先生。

【小川副部会長】

 もう議論はいろいろあることで、再度確認するような質問で恐縮なんですが、教職員定数はじめ、教育条件整備と教職員の多忙化解消というのは、ある意味では表裏一体の関係にあると思うんですが、ただ、限られた財源の中で、何を優先順位にするか考えたときに、そういう限られた予算配分の枠の中で考えた場合、これは必ずしも表裏の関係というよりも、優先順位に関わるような問題になるんですね。
 例えば、教職員の多忙化解消ということでよく言われるのは、少人数学級の話をされるんですけれども、少人数学級の、我々の調査によれば、20人ぐらいの学級でないと実際の先生方の仕事は減らないというようなことで、35とか30に減らしても、先生方の仕事の量はほとんど変わらないんですね。
 ですから、優先順位とすると、どちらも重要なのは分かるんですけれども、例えば多忙化の解消に関わっては、むしろ少人数なんかよりも学校を分業化して、教員以外のいろいろな専門職員を配置する方が、多忙化解消なんかに直接的に効果があるような感じがするんですけれども、そのあたりの関係というのを日教組はどう考えていらっしゃるんですか。

【日本教職員組合(岡島教育文化局長)】

 御質問ありがとうございます。
 最後の丸二つに関わる御質問だったと思うんですが、日教組としては、やはり少人数学級というのは、ずっとこの間主張しておりまして、私も小学校の教員でありますが、やはり、先ほどの基本的な観点にも述べましたけれども、単なる点数的なというか、学習指導ではなくて、かなり子どもたちの内面といいますか、活動に、例えば日記を書いてくると一言入れて、意欲につながるようにですとか、家庭と連携をとって家庭訪問に行くですとか、やはりそういった中では、今の35人よりも30人と少ない方が、きちんとその子に応じた指導ができるというような点で考えております。
 それからもう一点出された、様々な教職員の多忙化を解消するための人的な措置の重要性が言われましたけれども、それは日本教職員組合も同じ思いでありまして、やはり、とりわけ小学校ですと、どうしてもクラス担任制で抱え込んでしまう、それが精神疾患につながるということはやはりあることなので、そういった様々な協力体制をつくると。それには、そういった専門的な人的配置を行うということは大変重要なことだと考えております。

【安西副部会長】

 よろしいでしょうか。
 今日は、たくさんヒアリングを受けさせていただきますので、手短に質問をお願いします。

【篠原委員】

 岡島さんの御説明の「基本的な観点」のところで、競争主義的な教育制度の見直しの話が出てきているんですけれども、日教組として、例えば人材教育、特にこれから国家を背負っていくようなリーダー、そういう人たちを育成していくという流れをどうお考えになっているのか。つまり、機会平等はいいんですが、結果平等というようなことを志向されているのか、その辺のところはいかがなんでしょうか。
 これを見ると、みんな平等でなければいけないという感じが非常にするんですね。それだったら、本当の、世界で一緒に伍していけるような人材が、そういう流れでできるのかどうか。その辺は日教組はどうお考えになっているんですか。

【日本教職員組合(岡島教育文化局長)】

 今御指摘のリーダー育成という視点は、確かに日教組としてはあまり持っていないといいますか、御指摘のとおりで、どうしても我々、日本中、地域の子どもたちに対する取組、政策を提言しておりまして、何かリーダーをつくるですとか、こういった人材を特別にその中から選択していくというような、そういった視点は確かにあまりございません。
 ただ、結果が平等であればというよりも、やはりそれぞれ、地域にもいろいろな子が来ておりますので、それに見合った手立てはとりたいと、そういったことは考えていて、やはりその子の力を伸ばすということは、当然日教組も大事に考えていて、それがどういった分野で出るか。芸術の分野で出るかもしれませんし、学問の分野で力を伸ばす子も、それはぜひ支援をしていきたいというような、結果としてそういった国際的に活躍する子どもたちが行くということは、全く否定はしていないということです。

【安西副部会長】

 岡島先生、ありがとうございました。大変貴重な御意見をいただいたと思います。
 それでは、続きまして一般社団法人国立大学協会の濵口理事、野上専務理事にいらしていただいております。よろしくお願いいたします。

【一般社団法人国立大学協会(濵口理事)】

 国立大学協会でございます。
 今回の基本計画は、とりわけ厳しい状態にある我が国の再生と持続的発展への具体的施策が求められている状態の中で、この計画が国民の力を結集する、実効ある教育計画となるということを強く私どもは期待しております。
 それぞれの項目に関して、具体的な意見を集約いたしましたので、野上専務理事のほうから説明をしていただきます。

【一般社団法人国立大学協会(野上専務理事)】

 失礼いたします。
 まず、第2期計画の基本コンセプトについてでございますけれども、私どもとしては、まず、未来を構築する覚悟で、そしてより強いメッセージを発していただければというふうに思っております。いただいた現段階の計画では、コンセプト設計に当たって、グローバル化とか産業空洞化、生産年齢人口減少と、こういう我が国の困難な状況を示しておられますけれども、そういった困難の中で、どう耐えて生き延びるかという姿勢にとどまっている印象を受けるところでございます。
 生き抜く力、サバイバル、これは大変重要なことでありますが、これから日本社会が、この現在の困難を克服して、チャレンジしていくということに向かってのメッセージを、ぜひいただければというふうに思っております。この基本計画において、社会構造の改善とか改革に果敢にアプローチする立場で計画を立案いただければというふうに考えているところであります。特に少子化、それから男女共同参画推進、こういった日本社会の課題への計画的取組とか、国民の継続的な忍耐強い取組、これによって、克服すべきであるし、また克服可能な我が国の必須課題に対して、ぜひチャレンジするという立場での計画にしていただければという願いがございます。
 二つ目は、教育成果の保証に関してでございますが、今後5年間に実施すべき教育上の方策について、成果目標、測定指標を検討し、計画に盛り込むとあるのでございますが、教育成果の保証、これは教育に当たる各大学が主体的に責任を負うべきことと私どもは認識しておりますし、確認をいただければというふうに思っております。特に大学は、学部・大学院で構成されておりまして、卒業までに最低で9年、それから国立大学法人の中期目標は6年、大学の認証評価は7年のスパンで行われております。さらに教育の成果というのは、卒業後の進路状況にも関わることを踏まえますと、特に高等教育に係る部分について、5年という短期的スパンでその成果を評価いただくというのは、困難ではないかと思っております。
 三つ目に、東日本大震災の教訓をもっと生かしていただければと思っております。被災地において、実際に国立大学の果たした役割、学校が果たした役割、国立大学附属病院が果たした役割、こういったことを検証いただきますと、それらの果たす役割の重要性は誰しもが理解できるところであります。そのことから、教員養成、医師養成、技術者養成に関わる教育施策が社会と国民に直接関与するんだといったことを、具体的に、もっと強く明示いただいて、御支援をいただければと思っております。特に国立大学は、学生の6割以上が3大都市圏以外の地域に所在する大学に在籍しております。地域における大学教育の機会提供、それから地域文化、産業振興の拠点として貢献しております。このことから、地域の視点に立った計画立案を特にお願いをしたいと考えております。
 四つ目は、教育システムの複線化に対する基本姿勢を明示いただけたらと思っているところでございます。中等教育学校、あるいは高等専門学校、高等教育へ接続する教育システムが複線的になってきておりますけれども、一体どういう形が望ましいのか、それをどう生かしていくのかについても触れていただければと思っておるところです。記載を見ますと、高等学校卒業後の若者の就学環境が大学のみを想定されているのではないかという印象を持っております。専門学校等へ進学する者に対する計画を見つけることができなかったのでございますが、この振興計画の策定に当たっては、社会全体でこの計画を立案するんだということをぜひ御確認いただいて、お願いをできたらと思っております。全ての国民の教育を確実に視野に入れて描かれることをお願いしたいと思います。
 大学院に関しましては、平成23年8月に決定されました第2次の大学院教育振興施策要綱を踏まえていただければというふうに思っております。
 五つ目は、生涯学習社会構築の姿勢をより明確にしていただければと思います。生涯学習社会構築の重要性を指摘いただいているわけですが、特にその中で、仕事、家庭生活、地域活動、こういったワーク・ライフ・バランスといったものの重要性についても、ぜひ触れていただければというふうに思っておるところでございます。
 次に、第2期教育振興基本計画で、大学が果たすべき役割についてでございますが、まず第1に何よりも大学の役割の確認をいただければと思います。大学の自主性、自律性、そして教育研究の特性を尊重していただいて、第2期の計画においてもこの精神を生かしていただければと思っております。
 第2に、国立大学の公共的役割をより明確にしていただければと思います。お手元の資料に、国立大学協会が昨年6月に掲げました「国立大学の機能強化」の概要を示しておりますが、私どもは、一つの有機的な連携共同システムとして、卓越した教育の実現と人材育成、学術研究の強力な推進、地域振興の中核拠点としての貢献、そして積極的な国際交流と国際貢献活動の推進、この四つを掲げて国立大学の機能を強化する所存です。ぜひ、これを支えていただけるような計画にしていただければと思っております。
 第3に、「国立大学の機能強化のために」私どものチャレンジを財政的にきちんと支えていただけるように、そのことで私どもが国民に対する責任を果たすことができるように、ぜひそのことが実現するような方向での記載をいただければと思っておるところでございます。
 最後に、実効ある基本計画としていただくために、まず、十分に裏打ちされた検証に基づいて計画策定をいただければと思います。第1期計画の検証を確実に、やっていただきたく存じます。現行の計画は、10年間の計画ということですから、現在はスタートしてまだ5年の時点でございますので、現行計画は第2期の基本計画にどのように位置付けられるのかも含めて、明確にしていただければと思っております。
 最後に、何よりも、この計画が、単に絵にかいたもちという形にならないように、計画の実効性を担保いただくためにも、全省庁の連携をいただいて、計画策定の段階から、国として責任ある体制をとっていただければというお願いを申し述べさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 これも貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
 御質問は後でまとめてにさせていただきまして、続いて、一般社団法人公立大学協会のほうから、中田事務局長に、よろしくお願いいたします。

【一般社団法人公立大学協会(中田事務局長)】

 本日はお招きいただきましてありがとうございます。
 本来であれば、私どもの協会を代表する奥野武俊会長から御説明すべきですが、本日所用にて失礼させていただいております。かわって御説明させていただきたいと思います。
 本日申し上げる意見の項目については、スライドの2ページに意見の項目として書かせていただいております。第2期の計画策定に向けた基本的な考え方には、部会委員の先生方の真摯な審議の結果、教育行政の未来について幅広く述べられておりますけれども、今日、私どもといたしましては、その全てにわたって詳細に議論することはできませんでしたので、私どもの問題意識の幾つかに絞って申し述べさせていただきたいと思います。会員校のほうからは、このほかにも、例えば、早い段階から発言力、対話力、表現力といったものを育成する必要性がある等々、幾つか意見いただいておりますが、今日は省略をさせていただいております。
 それでは次、3ページから、三点について意見を書かせていただいております。
 最初に、一番といたしまして、「東日本大震災を受けて」ということに関して、「基本的な考え方」の4ページに項目立てをして、その衝撃と教訓について、例えば、新たな社会的・経済的価値を生み出すイノベーションの創造など、未来志向の復興・社会づくりを目指していくことの重要性等指摘されておりますことは、私どもにとっても大変重要なことであるというふうに認識しております。
 一方で、これからの教育の在り方を考える上で、震災を体験した後の価値観の変化というものにも注意深く目を向けなければいけないのではないかというふうに考えております。公立大学協会では、東日本大震災復興に関する、2度にわたるシンポジウムや、また復興ボランティアを体験した1,000名以上の学生に対して、アンケート調査を実施しております。そこでは、地域とつながる形でのボランティア活動をした学生が、学びへの積極性やコミュニケーション力が劇的に向上したというふうに確認したところでございます。
 これからの新たな時代の価値観と申しましょうか、地域とのつながりを持つことの重要性を見出したこと、また、科学技術に関する考え方の変化、それに伴う学びの姿の変容、学生の話を聞いておりますと、学ぶ者としての社会的責任の自覚が強まったというような声も聞いておりまして、そういったところにつきまして、とりわけ高等教育を担う、また我々として、どのように考えるべきか、議論を尽くしていただきたいというふうに思います。
 二番目といたしまして、次、教育の改善に関してでございます。「基本的な考え方」の9ページには、教育課題が依然として指摘される要因の例がございますけれども、教育のPDCAサイクルが必ずしも十分に機能していなかったことというふうに挙げられております。第1期の基本計画を振り返りましたら、必ずしも公立大学の改革の方向性についてというような、直接の言及はなかったわけでございますけれども、大学評価の推進、それから、時代や社会の要請にこたえる国立大学の更なる改革等が掲げられておりまして、公立大学としても、同じく改革について真摯に進めてきたところでございますが、こういった教育改善に関する指摘があることは真摯に受けとめなければいけないというふうに考えております。
 一方で、私ども公立大学でも、この間、文部科学省によって行われてきた大学教育改革支援事業、いわゆるGPと呼ばれる競争的な改革支援事業でございますが、それを有効に活用して、学長の強いリーダーシップによってその成果を継続的に機能させたり、様々な形で学内の教育改革に結実させるなどの取組を行って、改革の成果を上げてきたというふうに考えております。こういった改革の成果のところにつきましても、適切に評価していただいた上で、これからの更なる教育改善の施策について計画に盛り込んでいただきたいというふうに考えております。
 続きまして5ページでございます。三番目といたしまして、地方公共団体に期待される役割に関してということでございます。このことについては、第1期の基本計画では、第4章において述べられておりますが、今回は第四番で述べられると思いますが、その検討はこれからということになっております。
 第1期の基本計画の策定過程におきましては、私どもの指摘により、地方公共団体に期待される役割において、大学の設置ということが盛り込まれたという経緯がございました。それを受けとめて、各自治体でも教育振興基本計画を策定しておりますが、高等教育政策も含めた総合的な教育計画が策定されるというような形で、高い目標として計画を進めているという自治体もございます。しかしながら一方で、私どもが確認した範囲でございますが、例えば都道府県におきまして、教育振興基本計画に、高等教育が何らかの形で、1、2行でも言及されているのは25自治体と、半分にすぎませんでした。
 地方公共団体には、高等教育も含めた総合的な教育政策の立案が求められておりますので、国と地方の連携、協働、また初中・高等・生涯教育の接続など、今後の審議の中で引き続きご検討いただきたいというふうに思います。
 最後でございます。まとめて、コンセプトにございます教育成果の保証に向けてということに関して、我々の立場を総括いたしますと、教育成果の保証に関しましては、高等教育の重要な一翼を担う公立大学としては、主として高等教育段階の学生を対象とした取組の例として、ガバナンスの強化ということが指摘されている、その点を非常に重く受けとめております。
 ガバナンスの在り方に関する制度的条件につきましては、国公私立大学で違います。例えば、国立大学が一斉に法人化されて、学長、理事長が同じであるということが法律で決められているのに対しまして、我々は地方自治の原則に基づいて、法人化は選択的に、また1法人複数大学、学長と理事長の分離、そういった個々に工夫を凝らしたガバナンスの形が存在しております。それぞれの公立大学は、その使命を果たすために、学長の強いリーダーシップのもとで改革を進めておりますし、協会といたしましても、なかなか公立大学に対しては、国や私立大学のような国の支援機関がないものですから、団体としてもしっかりやっていかなければいけないというふうに思っております。
 これまで行ってきた教育情報の公表のほかに、学長のガバナンスについて、また評価の在り方についても取組を進めるつもりでございますので、ぜひ国といたしましても、しっかりと支援をいただければというふうに思います。
 意見としては以上でございます。
 あと、残りのページは、今の意見に対する参考となる資料でございますので、後ほど御確認いただければと思います。
 ありがとうございました。

【安西副部会長】

 貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 次に、全日本私立幼稚園連合会から、北條副会長に、よろしくお願いします。

【全日本私立幼稚園連合会(北條副会長)】

 ありがとうございます。
 提出資料をもとにいたしまして、全日本私立幼稚園連合会を代表しまして意見を述べさせていただきます。
 現行教育基本法、その第10条に、家庭教育を支援する施策が位置付けられた。また、同じく教育基本法第11条において、幼児期の教育の振興ということが位置付けられたわけでございます。これは旧基本法にはなかった観点を示していただいたということで、大変感謝をいたしているところでございます。
 なお、幼児教育に関する中央教育審議会の包括答申は、教育基本法の改正に先立ちまして、平成17年1月答申という形で示されておるところでございます。私自身、当時、中教審の幼児教育部会に参加させていただきまして、長い時間をかけて、大変充実した討議に参加させていただきました。そして、取りまとめられました答申というものは、幼児教育の現在、そしてこれからを指し示す大変すぐれた方向性を出しておったものと考えております。
 したがいまして、教育振興基本計画におきましても、この17年1月答申の内容というものが十分踏まえられるものとなるよう期待しておったところでございます。その包括答申の中には、例えば、教育改革の最重点課題は幼児教育であると、それから資源投入の重点は幼児教育部門であると。ちょっと言葉は不正確でございますが、そういう趣旨のことが明確に述べられていたわけでございますが、そのことから申しますと、教育基本法が改正されて最初の基本計画でございますから、多くを望むことはできないわけでございますが、できれば次の段階で、しっかりと、この17年1月答申の趣旨を生かした基本計画を策定していただきたいというふうに考えております。
 全体、5項目にまとめさせていただきました。1、2、3は教育行政の今後の基本的方向の1、2に関わるところでございます。4につきましては、基本的方向3、4に関わるところだというふうに考えております。
 まず第1でございますが、幼児期の教育でございますが、これは文科省におきましても、幼児教育を定義した場合、これはもちろん幼稚園教育は当然でありますが、家庭における教育、それから地域における幼児教育機能、保育所における幼児教育機能というものを広範に含んだ概念でございます。そういう意味で、幼児教育全体の質の向上ということに意を注いでいただきたい。ややもすれば、家庭教育を支援する観点というのが、どうしても弱まってしまう。あるいは、家庭や地域の教育力が落ちたという場合に、私どもは、落ちたのであれば、それを回復させる努力というのが必要だと思いますが、それを施設に投げてしまうというようなことがあってはならないというふうに考えております。
 私は幼稚園でございますから、幼稚園教育におきましては、小学校以上のような教科書はございませんので、幼稚園教育の教育内容というものは環境構成で示すというふうに理解をいたしております。子どもたちが活動する幼稚園の園地、園舎、あるいは教職員の構成、あるいは自然、動植物、樹木、草花、更に言えば、そこを取り囲む雰囲気、空気のようなものも教育内容であるというふうに考えているところでございます。幼児教育を充実するという場合、この環境を、より充実することをぜひとも検討をお願いしたいと存じます。
 確かな学力の向上という場合、ややもすれば、小学校以降で考えられる嫌いがございます。OECD諸国は、幼児教育段階からしっかりと投資を行えば、これが小学校の高学年段階、あるいは社会人の段階で、国家に対して大きな利益をもたらすという縦断的な研究も既になされております。OECD諸国はそのような観点に基づきまして、後ほど述べさせていただきますが、幼児教育重視を国家戦略として教育改革に取り組んでおられるわけでございます。我が国の子どもを健やかに育成し、なおかつきちんとした学力を保持させ、国家に貢献できる人材を育成していくという観点からも、幼児教育に対する集中的な投資というものをぜひお願いいたしたいと存じます。
 二番目でございますが、保護者負担の軽減。これは、一面では就園奨励費補助という形であり、他面では経常費補助というものでございます。これが残念ながら、このところ必ずしも十分な伸びを示しておらないということを踏まえて、この裏側としては、幼児教育に対する公費負担が低いということを意味いたしますので、この点に関しても改善をお願いいたします。
 三番につきましては、これは家庭の教育力の向上を図るという観点で、私どもは幼稚園における子育ての支援に取り組んでおります。今後もそれが可能となるようにお願いしたいと存じます。
 四番目、東日本大震災に関連いたしましては、書いたところをお読みいただきたいわけですが、そのほかに、コミュニティとの協働により復興を実現していくという観点も大切だと思っております。大震災によりまして、地域に幼児教育施設がなくなってしまったという地域がございます。そういうことは我が国ではあってはならない事態であるというふうに考えておるところでございます。
 最後、五番、先ほどちょっと触れましたけれども、ぜひとも幼児教育重視を国家戦略に位置付け、その充実を図る。そのためには、政府内に担当部署、これは申すまでもなく文部科学省ということになろうと思いますが、国家戦略としての幼児教育の充実を推進する体制をつくり上げていただきたい、このように考えておるところでございます。
 どうぞよろしくお取り計らいお願い申し上げます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。貴重な御意見をいただきました。
 もう1団体から御発表をいただいて、その後御質問等いただければと思いますので。
 独立行政法人国立高等専門学校機構から木谷理事、赤坂理事にいらしていただいています。よろしくお願いします。

【独立行政法人国立高等専門学校機構(木谷理事)】

 ありがとうございます。木谷でございます。
 提出資料に基づきまして若干御説明申し上げました後、赤坂理事は、鹿児島高専の校長でいらっしゃいまして、また全国の国公私立の高専の連合会の会長でもいらっしゃいます。補足を若干させていただくということで、よろしくお願いいたします。
 最初のページでございますけれども、最初に、私ども高専の現状と課題ということを少し書かせていただいております。高専、やはり同一年齢人口の1%ということで、必ずしも十分に知られていないというようなこともございますので、一方で、技術者養成ということで考えますと、12%という非常に大きな役割を占めている。その実情を知っていただくということで、かいつまんで説明させていただきます。
 沿革のところは、もうあれですけれども、今年、実は高専制度創設50周年ということを迎えております。1(2)に、高専教育の特徴というのがございますが、一番に、学術的な基礎と実践的技術力のバランスのとれた教育であるとか、あるいは、企業と密接に連携というようなことがございますが、このあたりが基本でございまして、高専はそのような実践的な、そして創造性のある技術者を育てるということに努めているところでございます。
 1(3)で、評価ということでございますけれども、そういうことで、おかげさまで、特に産業界におきましては、この厳しい状況のもとでも非常に高い求人倍率、あるいは就職率というものを維持させていただいております。中教審におきましても、平成20年に「高等専門学校教育の充実について」という答申を取りまとめていただきました。その後、23年には、キャリア教育・職業教育の答申においても、そうした高専のことが取り上げられております。また国際的に見ましても、平成21年に発表されましたOECDの報告書、あるいは最近では、その次ページの上に書いてございますけれども、ワシントン・ポスト紙も、高専の実績を高く評価していただいております。
 しかしながら、もちろん、高専、まだまだいろいろな課題がございます。同じページの下のほうに、現在特に力を入れているところを幾つか触れております。丸1として、地域や産業界のニーズにこたえた各高専の高度化・個性化の推進であるとか、二番目に、地域や産業界との一層深い連携。三番目として、何といってもやはりグローバル化に対応した、国際的に活躍できる技術者の育成。そして四番目として、地域からのイノベーション創出や、地域再生への貢献。五番目として、男女を問わず、科学技術人材の裾野の拡大に努める。こんなことを重点に、私ども進めているというところでございます。
 そこで次ページでございますが、第2期の教育振興基本計画への期待というところでございますが、最初にグローバル人材、イノベーション人材の育成ということについて、もっと大きく取り上げてほしいというふうなことを言っております。もちろん「基本的な考え方」のところにも、各所にちりばめられているということは十分承知しておるわけでございますが、やはり今日の社会、あるいはこれからの社会ということを考えますと、このグローバル人材、イノベーション人材、政府のグローバル人材育成会議のいろいろな報告、中間まとめ等を引くまでもなく、産業界を含め、非常に大きな課題でございます。やはりこういったものを、より明確に基軸に据えた形でまとめていただくということがありがたいのではないかというふうに思っています。
 それから、大きな二番目として「「科学技術立国」「ものづくり」を支える幅広い人材の育成」と書いてございます。これは、もちろん養成すべき人材の分野というのは、様々な分野というものがあるというのは重々承知いたしておりますけれども、その中でも、やはりこれからの我が国の産業の強みを生かしていくということでは、こうした分野の人材が必要ではないか、特に東日本大震災からの復興、あるいは災害に強い社会基盤整備ということを考えても非常に重要ではないかということで、一つの柱として考えていただければありがたいというふうに思っております。
 その際に、特にお願いいたしたいのは、ともすれば、グローバル人材といっても、いわゆるトップリーダー、あるいは、科学技術人材というとノーベル賞の学者というふうなことに目が行きがちで、非常にトップ拠点というようなことにすぐなってくるわけでございますが、もちろんそういうことも重要でございますが、実際に産業を支え、我が国を支えていくのは、そういったものを産業の中で実際に生かしていく、幅広い中核的な人材、ここに、やはり目を向けた施策というものも必要ではないか。実際、高専の卒業生で、いろいろなところで、海外の生産拠点とかで生産システムを管理したり、あるいは現地の技術者を指導したり、そういった卒業生がたくさんおります。そうした人材というのも非常に重要ではないか、そういうところに目を向けていただきたいということでございます。
 最後のページに参りまして、高専の役割としまして、やはり高専は、複線を基本とする我が国の体系の中で、早くから技術者としての道を目指す若者にとって非常に重要で、貴重な選択肢ということで、それが非常に評価をされ、中教審でも評価をしていただいているということで、その点をやはりもう少し明確に位置付け、今後とも、中教審のこれまでの答申を踏まえた着実な推進をお願いしたい。特に、平成20年答申では「高等専門学校教育振興施策要綱」というものをつくっていこうというようなことが書かれてございまして、実は第1期の教育振興基本計画にもそのようなことが書かれておるわけでございますが、残念ながら実現していないということで、ぜひともこのことについてはお願いをしたいということでございます。
 一番最後は、これは高専に限らず、教育全般の財政支出の充実ということでお願いをしたいということでございます。

【独立行政法人国立高等専門学校機構(赤坂理事)】

 文書はございませんけれども、口頭で三点ほど補足させていただきます。
 一点目は、高専専攻科の設置基準の制定についてということでございます。高等専門学校設置基準の中で、専攻科に関する基準は別に定めると述べられておりますけれども、高等専門学校専攻科の設置基準はまだ制定されておりません。平成20年度中教審答申にも述べられておりますとおり、高専にとって専攻科の充実は極めて重要な課題であることから、高等専門学校専攻科の設置基準を定めることについて御検討いただきたいと思います。
 二点目は、高専の国際交流の活性化に関する制度整備についてでございます。海外には、職業能力の養成に重点を置いた高等教育機関、例えばシンガポールのポリテクニックであるとか、香港のVTCであるとか、オーストラリアのVETであるとかといったような教育機関がございます。高専も実践的な教育に力を入れているということから、高専がこれらの海外の教育機関から優秀な学生を受け入れる体制を整備するということは、留学生増や、将来の国際関係の維持・改善にとって非常に重要であると考えております。特に、高専の専攻科において学士の学位が取得できるということは、海外のポリテクニック等にとっては大きな魅力でございます。学位授与の円滑化につきましては、平成23年1月の中教審のキャリア教育・職業教育に関する答申で既に御提案いただいておりますけれども、関係機関の御理解、御協力を得て、速やかに実現されることを期待しております。
 三点目は、メンタルヘルスの問題を抱える学生への支援システムの充実ということでございます。これは、学びのセーフティーネットの観点から述べさせていただきます。
 発達障害や統合失調症、適応障害などのメンタルヘルスの問題を抱えた学生の指導は容易ではございません。これらの学生の指導は、高専では学生相談室とか、非常勤のカウンセラーとか、看護師とか担任教員等が対応しておりますけれども、小さい学校でメンタルヘルスの障害を持つ学生を複数抱えますと、指導が非常に大変でございます。通常の教育に支障が出かねない状況になってきております。メンタルヘルスに対応できる専門人材の配置を増やすなど、現場への支援の強化が必要ではないかと思います。
 この問題に関しましては、現在の教育振興基本計画でも取り上げられておりますけれども、高等教育段階でも取組の強化が必要ではないかと考えております。
 以上です。
 ありがとうございました。

【安西副部会長】

 貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 それでは、国立大学協会、公立大学協会、全日本私立幼稚園連合会、そして国立高等学校専門機構、御質問があればいただければと思います。
 どうぞ。

【小川副部会長】

 一点だけ、国立大学協会への質問ですけれども、今、中教審の初中分科会の下に高等学校教育部会を設置して、高校教育の在り方を議論しているんですが、それに関わって、御提出資料の2ページ目1(4)で「高等学校卒業後の若者の修学環境が大学のみを想定した計画となっており、専門学校等への進学に対する計画が欠落している云々」と書かれていますけれども、これをもう少し具体的に御説明いただけますか。読みようによっては、もう少し今の高校制度を複線化せよとかという、その辺のところは、何か受けとめられるような文言にも感じますので、どういう趣旨なのか。高等学校の学習支援の在り方とかカリキュラムの在り方を含めて、どういうことをここは意味しているのかということを御説明いただければと思います。

【一般社団法人国立大学協会(野上専務理事)】

 ここのくだりは、国立大学協会として複線化を推進していただきたいとか、そういうことを述べているものではございません。そういった見解を述べているものではなくて、いただいた今回の計画のところでは大学へ進学する者のみの記載しか、ちょっと見当たらなかったので。高等学校卒業生、あるいは高等専門学校卒業生の進路だけでなく、全ての若者の学習キャリアや、生涯設計、ライフ設計を考える視点からの記載が見当たらなかったということを指摘させていただいているにとどまっております。

【小川副部会長】

 分かりました。

【安西副部会長】

 よろしいですか。
 どうぞ。篠原委員。

【篠原委員】

 全日本私立幼稚園連合会の北條副会長にちょっとお聞きしたいんですけれども、家庭の教育力の向上と先ほどおっしゃっていたんですけれども、中教審の場でも家庭の教育力というのをどう上げるかというのはいつも議論になって、総論みんな賛成なんですけれども、では各論どうしたらいいかというところで、なかなか良案が出てこないというのが現状なんですね。
 お立場から、どういうふうにやれば家庭の教育力というのは向上するというふうにお考えなのか。ちょっと身近なところからお話しいただければと思います。

【全日本私立幼稚園連合会(北條副会長)】

 一つには、他の先生方からも、何人の方からもお話が出ましたけれども、国を挙げてワーク・ライフ・バランスというものをぜひ推進していただく必要があると思います。従来、地域社会を、ご家庭で言えばお父さんも、お母さんも支えていたわけですけれども、そのお父さんが長時間労働で地域社会から出ていかれる。そして今や、場合によってはお母さんまでも長時間労働に引っ張りし出してしまうという状況にあれば、地域も家庭も教育力は当然落ちてしまうわけであります。
 したがいまして、まずワーク・ライフ・バランスというのをしっかりやっていただいて、親が子どもと十分過ごせる時間を保証するということを、国を挙げて取り組んでいただく必要がまずもってあると思います。その上で、私ども幼稚園、あるいは保育所の先生方、あるいは地域のリーダーの方々が、子どもを育てる家庭を励ますという基本的な姿勢を持っていかなければいけないと思います。
 子育てを代行することはできないわけでございますけれども、しかし、尊い仕事にいそしんでいただいている御家庭のお父さん、お母さんを支えるという空気を地域社会の中につくっていただく。あるいは企業の方でも、そういった観点からできる工夫はいろいろあろうと思います。
 幼稚園の場合ですと、これは具体的に申しますと、2歳児のお子さんですね。2歳児のお子さんがそれぞれの地域で、あるいはお母さんが、ある意味一番御苦労されるわけです。子どもは行動力が広がってくる時期になります。お母さんが大変困るのがこの2歳児の時期です。したがって、幼稚園では子育ての支援の一つの中心課題としては、幼稚園入園前のお子さん、具体的には2歳児になりますが、2歳児の親子登園というような形で幼稚園に来ていただいて、お母さん同士の交流、あるいはお母さんと幼稚園、あるいは保育園の先生との交流、こういう場を持っていただいて、そして更に言えば、在園児の保護者の方と交流を広げるというようなことをしております。
 これはお母さんの気持ちを大変励ます効果はあるというふうに考えております。地域あるいは家庭から一歩外に出てきて、そして、幼稚園教育あるいは保育所の保育にスムーズに接続させていくという効果は、大変大きいものがあるというふうに考えております。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。

【篠原委員】

 一言だけちょっと。
 今の関連で、ワーク・ライフ・バランスのお話をされましたけれども、幼稚園は、かなりまだ専業主婦家庭も多いと思うんですね。専業主婦の家庭の教育力というのは、どう御覧になっていますか。

【全日本私立幼稚園連合会(北條副会長)】

 おかげさまでといいますか、専業主婦の御家庭は、まだまだ明確に、自分の責任で子育てをするという意識を持っておいでです。したがいまして、幼稚園教育の場におりますと、よく、分かりやすく言ってしまいますけれども、モンスターペアレンツというような話題が出てまいりますけれども、幼稚園教育の場で、皆無とは申しませんけれども、池田先生も後ほどお話しくださると思いますけれども、大変それは少ないです。非常に幼稚園教育に協力的な御家庭が大変多いというふうに申し上げていいと思います。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。多少時間をとらせていただきますので。
 どうぞ。

【白波瀬委員】

 貴重なお話をありがとうございました。
 それぞれのお立場で、中心となるポイントがどこにあるかという点について確認させてください。グローバル人材、国際化との関連で国立大学と公立大学と高等専門学校機構は実質的な教育の現場というところで、重なり合う部分が多いと想像します。そこで、それぞれのお立場でグローバル人材を育てるとか、国際化といったときに、何を一番重要だというふうにお考えなのかということをお知らせください。

【安西副部会長】

 では、国立大学からお願いします。

【一般社団法人国立大学協会(濵口理事)】

 お時間いただきます。御質問ありがとうございます。
 今、御存じのように秋入学が非常にホットな議論になっていると思いますけれども、私ども国立大学としては、いかにしてナショナルセンターとして有為な人材を育てるかという意味では、もう既に部分的には秋入学を、平成6年当時から大学院に当てはめておりまして、昨年、一昨年からグローバル30プログラムがスタートして、英語教育による秋入学の国際的な人材育成がスタートしております。さらに今、国立大学全体として、いよいよこの秋入学の検討、どういうふうにするかということが、議論が少し協会の中で始まっている状態でございます。
 実際にグローバル人材を育成するときに大きな課題が三つほどあると思います。
 一つは、最大の問題は就職であると思います。春に新卒一斉採用の就職がまず問題でありますし、それ以上に問題が、就職活動が早期化・長期化して、3年生の春、あるいは修士ですと1年生の春に就職活動をする。これは企業の側の方々がどう考えているかは、私どもよく分かりませんが、大学教育の中身を評価して就職採用活動をやっているようには思えないんですね。私どもの要望は、学部生であったら3年生の3月以降に広報活動をしていただいて、就職活動は3年生の成績評価をしていただいてから採用活動を始めていただく。できれば8月以降にしていただきたいと、こういう要望を出しております。少し社会情勢は変わってきているところですが、まだまだこれは課題が大きいと思っております。
 あと、英語化をこれからどれぐらい図れるかというのが大きな課題であると感じております。
 以上であります。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。
 それでは、公立大学協会、お願いします。

【一般社団法人公立大学協会(中田事務局長)】

 この件に関して、協会の中で共通の認識を既に得ているというようなことはございませんので、協会としての考えということを申し述べることはできないんですが、非常に公立大学には多様な大学が存在しております。全て英語で授業をやる、9月入学も、全て実施しているという国際教養大学のような大学から、それぞれの都道府県に、看護系の人材を、地元で働く人材を育成するというような大学まで多様にございますので、それぞれの大学のミッション、理念に従って、グローバル化する社会に対しても対応していくということになります。
 ただ、よく議論になるところではございますが、やはり確実に日本はグローバル化していることは間違いなく、しかし、全員が海外に出て行って、英語も全て、何か国語も扱えてというような人材である必要はなくて、まさにこのグローバル化した日本の中で、それぞれの地域の中でしっかりと社会的責任を自覚して、地域地域で働いていく人間、これをしっかりと育てていくこともグローバル化への対応であろう、こういったことも議論されております。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。

【独立行政法人国立高等専門学校機構(木谷理事)】

 高等専門学校でございますが、グローバル人材をどうとらえるかというのは、政府の人材育成会議でも言われていますように、やはり語学力、コミュニケーション力、あるいはイノベーションスピリットといいますか、チャレンジ精神といいますか、そういうふうなもの。さらには異文化理解、こんなふうなことであろうと思います。
 とりわけ高専は、やはり技術者ということで、確かに全員が海外に出て行くわけではないのではないかというお話もありますが、昨今、大企業だけでなくて、よく報道されていますように、中小企業もどんどん海外との関係というのが深くなっております。仮に日本にいても、やはり海外のマーケットを考え、あるいは海外といろいろなやりとりをするというふうなことには当然なってくる。したがって、私どもとしては、やはり高専を卒業する技術者は、国際的に活躍できる、それを十分身につけてほしいということで、とりわけ、語学もさることながら、やはり実際の体験ですね。国際的な活動の場、そういうものにエクスポージャーしていくということを中心に考えておりまして、特に今力を入れておりますのが海外インターンシップということで、日本のかなりの企業に御協力いただきまして、タイとかインドネシアとかシンガポールとか、そういうところの現地の工場に、学生を3週間派遣するということを実はやっております。ただ、まだまだ年間数十名という、非常に少ない人数です。20名ちょっとしかないんですけれども、もっと増やしていきたいと考えております。
 そういう意味で、やはり企業、産業界、もちろん公費もあればいいんですけれども、そういうようなことの御支援もいただきたいと思っておりますし、とりわけ高専の学生の場合、そういう機会を与えればどんどんチャレンジする学生はたくさんいるんですね。だけれども、問題は、実は高専の学生はかなり苦学生が多いといいますか、所得層で言うと、大学などに比べてもかなり低いレベルの学生が多いということで、そういうところに派遣するのも、旅費等経費は基本的には自己負担というようなことでやっておりますので、その辺をもう少し助けてあげる仕組みというのがあればなというようなことを思っております。
 以上です。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 よろしいですか。
 ありがとうございます。他にはいかがでしょうか、委員の皆様。
 どうぞ。

【田村委員】

 ありがとうございます。
 グローバル人材にかかわってのお伺いなんですけれども、巷で言われている秋入学の効果というのは、留学生がものすごく増えるだろうと、これは行きも帰りもそうですけれども、これが最大の効果ではないかと。それはどういうことかというと、留学生が増えれば、大学における、あるいはその他教育機関における教育が英語で学位が取れると、こういう仕組みが用意されていなければ、もう対応できなくなるわけですね。
 何も外地に行かなくたって、国内で英語で授業をして、留学生が半分ぐらいいれば、これはもう十分グローバル人材養成の条件は整うのではないかという気がするんですが、その部分についての御発言がなかったものですから、例えば、今の国立大学、あるいは公立大学で、教室に半分ぐらいの留学生が来るということを想定した場合に、対応は、どんと来いという感じでございますか。

【一般社団法人国立大学協会(濵口理事)】

 かなり個人的な経験も含めて申し上げてと思いますけれども、全然問題はないと思っております。例えば、うちの名古屋大学でいきますと、海外体験を持った教員は大体4割で、ほぼ皆さん英語でティーチングはできる。私の教室も、実際はセミナーは全部英語でやっておりまして、留学生が3分の1程度ございました。今は教室たたみましたけれども、英語で教えることは全然問題はございませんでした。今やっていく作業というのは、G30をいよいよ本格的に稼働し始めまして、学部生に英語で全て授業をやる場合、どういう課題があるかどうか。それから、その成果は何かを明らかにしていく事です。
 それから、先ほど申し上げたように大学院のところはもう全く問題ない状態に今はなっていると思います、大半については。その次のステップとしては、G30の英語教育を学部教育でやった場合は、大分、やはり年齢層は若いので、彼らがちゃんと授業を受けられるかどうか。それから、そこへ日本人の優秀な学生、英語能力の高い学生を、どういう形でインテグレートしていくかというのが、非常に大きな課題になってくると私個人は思っております。その成果の上に秋入学というのを本格的に検討する時期が目の前に、ひょっとすると迫っていると。
 ただ、それに対しては、我々はプラクティカルに、どういう課題があるか、どういうスケジュールで考えなければいけないか、それから、どれだけのコスト負担をしなければいけないか。もっと大きいことは、今、日本人の家庭の平均収入が550万ほどですので、単純に海外へ行ってくださいといって、家庭負担で50万、100万、求めることはできません。そこをどうクリアしていくのかと。こういう問題を抱えています。
 当面は、学内の環境を、インターナショナル化をしていく、グローバル化していくという作業が、一番、先生もおっしゃっておられるとおり、国際化の最初のステップであると考えて、特に学部生の国際化をやらなければいけないと思っています。ただ、グローバル30は今、支援が限定的でありますので、もっと御支援をいただいて、幅広い大学が実践できるような環境を整えていただきたいと願っております。

【一般社団法人国立大学協会(野上専務理事)】

 一つだけ補足を、よろしいでしょうか。
 我が国の大学がそのような方向にシフトしようとする計画があるということについて英国の教育行政の担当者、あるいは学長と意見交換しましたら、英国にとっては大変脅威であるというコメントが返ってきました。どういう意味かというと、英国への留学生というのは、英語を学びたいという基本的なモチベーションでやってくる。しかし、コンテンツにおいて、日本の大学が、日本の持つ文化、それから学術の高いレベルをもって英語で教育をし、いつでも受け入れられる、秋の入学を含めてキャッチアップできる体制をとると、国際的な大学の競争において大きな脅威になるという認識でした。国立大学としては大きな脅威になるぐらいのパワーをもって前に進めたいと考えております。昨年6月に機能強化のプランニングを出したのも、我々の覚悟の表明であり、そういうつもりで前進しているところでございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 他にはよろしいですか。

【一般社団法人公立大学協会(中田事務局長)】

 ただいまの質問に関しまして、先ほどと同様でございますが、個々の大学の学長が、みずからの大学のミッションに基づいてでなければ回答はできないと思いますが、公立大学においても幾つかの大学において、先ほど申し上げた国際教養大、それから新潟県立大学、福岡女子大学、県立女子大学、それから首都大学東京などおいては、非常に意欲的に取り組んでいくのではないかということを、ちょっと外側からではございますけれども、拝見させていただいているところでございます。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。
 他には。あと一つ程度。よろしいですか。
 グローバル化の、個人的には、やはり学生が主体性を持って行動できるかということが一番基本になってくると思いますので、大学における教育の方法、学びの方法を転換することも大事なのではないかなというふうに思います。
 それでは、よろしければ、大変貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。
 一応前半はここまでにさせていただきまして、5分間休憩にさせていただきます。私の時計で3時38分ぐらいから再開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 ヒアリングに応じてくださって、貴重な御意見をいただきました皆様に、改めて感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。

( 休憩 )

【安西副部会長】

 そろそろ再開させていただければと思います。
 それでは、後半に入らせていただきます。
 後半は、三つのグループに分けさせていただきまして、それぞれ御意見をいただき、御質問ということにいたします。
 御説明は、1団体当たり、大体8分程度で、申しわけありませんがよろしくお願いいたします。終了2分前と終了時間に事務局から紙を入れさせていただきます。よろしく御協力のほどお願い申し上げます。
 最初のグループは、三つの団体からお話をいただきます。
 まず、全国専修学校各種学校総連合会の福田副会長に、よろしくお願いします。

【全国専修学校各種学校総連合会(福田副会長)】

 ただいま御紹介をいただきました全国専修学校各種学校総連合会の福田でございます。まず、本日は、このヒアリングの場にお招きをいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。
 私どもの要望といいますか、意見といたしまして、お手元に、3ページの意見書、並びに、その後に資料を7ページほどつけさせていただいております。
 まず、「はじめに」ということで、専修学校と申しますのは、委員の先生方ではお耳なじみではない先生もいらっしゃるかと思いますが、制度が昭和51年に創設されまして、三十五、六年というところで、現在は約3,200校、学生数で64万5,000人ぐらいということでございますが、圧倒的には高校卒業の専門学校と称しております、これが学生数で57万4,000人ぐらいを直近で数えている。専ら中堅人材といいますか、中核的な人材を、職業に直結する人材を養成している、学校教育法で124条に位置付けられた学校でございます。
 平成18年の教育基本法の全面改正から、教育の目標に職業教育の重要性ということが定められまして、20年の第1期の教育振興基本計画には、キャリア教育・職業教育の推進等が掲げられたところでございます。また、20年に、中教審のキャリア教育・職業教育特別部会では、その審議の成果といたまして、23年に答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」では、特に高等教育段階で、職業実践的な教育に特化した枠組みの必要性が、具体策の、方策の一つとして提言をされたところでもございますし、他方、22年の閣議決定「新成長戦略」で、雇用・人材戦略では、「実践キャリア・アップ戦略」や「社会人の学修支援プラン」等において、専門学校の活用を取り上げております。さらに23年閣議決定の「日本再生の基本戦略」では、「社会のフロンティア(分厚い中間層の復活)」ということで、社会を生き抜く力の養成、教育と職業の円滑な接続、産官学が連携した職業教育や職業訓練の強化を重点的に取り組む施策として取り上げております。
 そのような状況の中で、第2期教育振興基本計画の策定に向けて、「基本的な考え方」というものが公表されております。
 2ページ目に移りますが、その「基本的な考え方」の中で、まず課題といたしまして、現状の教育、我が国の課題といたしましては、3、4行目ですけれども、教育に対する社会全体の連携が不足していること。各学校段階間や学校、そして社会生活との接続が十分に図られていないことが挙げられております。そのため、今後目指すべき教育の姿といたしましては、各学校段階間はもちろん、学校教育と職業教育との連携・接続に留意をして、学習システムを体系的に整備することが重要というふうに明記をされております。
 これらの「基本的な考え方」は、私どもが数年来提唱しております課題と、今後の展望に関する基本的な理念と軌を一にするものと考えておりまして、日本社会を支える人材養成を推し進める上で、単に現在の学校教育に、形式的な、表面的なキャリア教育、職業教育の取組を導入するだけではなく、教育体系に明確な職業教育の柱を位置付けることが何よりも必要であるという理念でございます。
 この、各学校段階を貫く職業教育の体系化こそ、学習者の多様な進路選択や学び直し、社会人等の能力向上のために教育環境の整備を促すものでございまして、最重要な教育施策であると考えてございます。単線型といいますか、そこから、実際、実態としては職業教育の複線化だというものが、先ほどお聞きしておりました中でもございましたけれども、やはり今後の教育環境整備という中では、アカデミックな教育とプロフェッショナルな教育という、ぜひ複線型をお考えもいただきたい。そのように思って、第2期教育振興基本計画の策定に当たりましては、職業教育の振興及び職業教育体系の構築が明確化されますことを、強く要望いたすものでございます。
 三番目の、今後の教育においての重点目標とすべき取組でございますが、時間も来ておりますのではしょりますが、一番下段、我が国の職業教育の中核を担い、各地域に根差した職業教育機関として蓄積を有する専修学校の教育資源を、キャリア教育・職業教育の充実に向けて十分に活用していただきたい、また活用すべきだと、そのように明記いただけますことを、ぜひ切に要望するものでございます。具体的には、3ページ目にもございますが、現行の職業教育をやっております専修学校に通う学生、生徒に対する御支援、そして専修学校に対する振興に関する御支援、特に先ほどもございましたが、留学生に対する御支援も含めまして、ぜひ、こちらのアスタリスクで書いておりますところを、よろしくお願いしたいと思っております。
 最後になりますけれども、やはり今後、働く職業、仕事、キャリアというのは、もう欠かせないキーワードかと思っております。したがいまして、我々会員も力を挙げて、職業教育や人材、雇用の政策には迅速に対応しながら、職業教育の実践に邁進をしてまいりますが、そのためにも、ぜひ複線型の学校教育体系、新しい中堅専門人材を輩出するために、また、彼らが自信を持って職業教育に励めるような制度づくりということを切にお願いをいたしまして、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

【安西副部会長】

 大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 それでは次に、全国国公立幼稚園長会から、池田会長にお願いいたします。

【全国国公立幼稚園長会(池田会長)】

 全国国公立幼稚園長会会長の池田でございます。本日は大変貴重な機会をいただきましてありがとうございます。
 レジュメは、4ページ分、用意させていただきました。レジュメに沿ってお話をさせていただきます。
 平成17年1月に、中央教育審議会答申「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について」が公表されました。この答申で示されました二つの幼児教育の方向性、一つ、家庭・地域社会・幼稚園等施設の3者による総合的な幼児教育の推進、二つ目、幼児の生活の連続性及び発達や学びの連続性を踏まえた幼児教育の充実、これは、現在の幼児教育、また幼児期の学校教育である幼稚園教育の重要な柱となっており、今後においては今以上に重要な意味を持つものと考えております。
 その後の教育基本法の改正、学校教育法の改正等、一連の法改正により、幼児期の教育の重要性、並びに子どもが出会う初めての学校である幼稚園の役割の重要性が明確になりました。平成20年の教育振興基本計画には、このような国の教育施策充実・振興の流れを受けて、幼児期における教育の推進を施策の柱として位置付けられ、また、家庭の教育力向上についても、子どもの視点から明確に位置付け、具体的な取組を進めてきています。
 私ども全国国公立幼稚園長会の本日の主たる意見は、第2期教育振興基本計画は、現行の教育振興基本計画の考え方を踏まえ、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児期の教育の重要性を明確に打ち出し、学校教育体系全体の中で、質の向上や振興が図られていくようにしていくとともに、家庭の教育力向上についても位置付けを明確にして進めていただきたいということです。
 それでは、「基本的な考え方」に関する意見、これにつきましては五点にまとめました。
 一つが、「多様性」と「自立、協働、創造」が、格差の容認や格差の拡大にならないようにしていきたいということです。グローバル化、情報化、成熟化社会においては、多様性を持つ各個人が認められ、生かされる社会は底力を有する社会になり得ると考えます。しかし、そこに他者とのつながりを大切にする協働の精神が働かないと、様々な格差を容認し、広げることにつながる危険性があります。多様性が格差の拡大を認めることになってはならず、特に経済的な格差が教育の格差とならないようにすることが重要だと思います。2ページ目になります。「自立、協働、創造」は、教育や人間関係の基礎となる親子や家族の愛情関係を社会全体で支えているという土壌が整ってこそ可能になると考えております。
 二つ目、幼児期の教育の重要性を基本計画に明示し、充実・振興を図っていただきたいということです。幼児期における体験、遊びを通した主体的な学びが人格形成の基礎をつくり、小学校以降の教育につながっていきます。幼稚園は学校教育法に位置付く学校であり、義務教育に接続もするものとして大切です。しかし、第2期の「基本的な考え方」等の中には、少しこの記述が見られないような気がしております。幼児期の教育の重要性を、この基本計画に明示し、更なる充実・振興を確実に図っていく必要があると考えております。
 三つ目、家庭教育の重要性を基本計画に明示し、家庭を支援していくようにしたいと思います。子どもの教育への第一義的責任は親にあります。子どもが育つ家庭こそ、人づくりに大きな影響を及ぼします。家庭の教育力を向上させる取組も重視し、力を注ぐべきと考えます。
 それと、先ほどのディスカッションの中で、親の教育力向上ということをどういうふうに考えますかという質問があったと思いますが、やはり幼稚園に入園してきたばかりの、当初の親は、確かに一生懸命ではあるけれども、親として未熟な部分がございます。しかしながら、日々幼稚園に通い、教師と子どもの姿を通して話すことによって、親は確実に成長していきます。そういった意味で、非常に親が育つということは、子どもの育ちに重要だと考えております。
 四つ目は、ワーク・ライフ・バランス全体の中で、教育についても考えていくということです。これは先ほどからも出ておりましたが、同じです。非常に重要なことだと思います。
 五つ目、教育の普遍的な使命についてです。「普遍的」という言葉を使いながら、社会情勢を十分踏まえた教育の在り方、政策展開が必要ということには、やや矛盾を感じます。いかなる社会情勢になっても、教育の普遍的なものは守っていくという姿勢を、この基本計画では示していただきたいと願っております。
 今後目指すべき教育の姿としましては、1に、生きる力は生涯にわたる学習の基盤であり、小学校就学前の教育、義務教育段階、それから高等学校段階において、確実に養成することが求められる、その考え方には賛同しています。学校種間の交流・連携については、非常に重要と考えております。
 少し、時間がございませんので割愛しますけれども、「具体的な成果目標や方策等」に関するところです。「社会を生き抜く力の養成」というところですけれども、幼児期の教育と児童期の教育が円滑に接続し、体系的な教育が組織的に行われるために、幼小の接続期をとらえた教育課程・指導計画の作成や、幼稚園から続く小中一貫教育等を取組例として記載することは重要かと思います。それから、「すべての子どもへの質の高い幼児教育の保障」というところでは、心豊かな体験を重視した幼児期の学校教育の充実、あるいは義務教育につながる幼児期の学校教育の充実など、ぜひ加筆をお願いいたします。それと、幼稚園教員や保育士等の研修の機会の充実、また、取組例として、適切な学校評価の実施等もお願いします。
 それから、いろいろな他校種に関する施策が出ておりますけれども、確かな学力の育成、規範意識や思いやりの心など、全て幼児期の教育がそのベースになっていると思います。
 最後に、四つ目の「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」において、幼稚園時代に子育てをしていた親たちが、幼稚園のPTA活動などを通して育ち、地域のコミュニティの担い手になっていく。そういった意味で、ぜひ御支援の方をよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 貴重な御意見をいただきまして、まことにありがとうございました。
 それでは三番目に、全国連合小学校長会。露木会長、小沢対策部長に、よろしくお願いします。

【全国連合小学校長会(露木会長)】

 全国連合小学校長会会長の露木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日は貴重なお時間をちょうだいしまして、ありがとうございます。
 今回、この教育振興基本計画部会で、明確な成果目標の設定と、それを実現するための具体的かつ体系的な方策を明記する、これが第2期計画のコンセプトであるということでお示しいただいておりますけれども、まさに大変ありがたいコンセプトだと思います。特に、今後の教育行政の方向性、イ、ロ、ハ、ニとございますけれども、それぞれの文言の中に、条件整備の重要性ですとか、教育環境の整備ということに触れていただいております。
 「基本的な考え方」の3ページにもございますけれども、格差の再生産・固定化ということが議論されたようでございますが、各設置者の実際の財政力等によって、同じ公立小学校でありながら大きな違いが、今、あらわれております。例えば、つい最近文科省のほうから報告のあった、平成23年度の実施状況でしょうか。例えばALTは、全国で138万時間ありますよと、その中でALTが配置されている外国語活動を行っているところは55.9%ですよ、半分強ですよという結果が出ておりました。ところが、私の学校、東京ですけれども、東京の学校では半分どころか100%、実は150%、200%やっている学校もあるわけですから、それでいて平均が55.9%ということは、全国で見るとALTがほとんど配置されていないというところもあるということなのかなというふうに思います。ALTによる英語活動がいいかどうかと、これは、議論はまた別の問題かと思いますけれども、そのように人的措置等は、全国いろいろ、様々な状況にあるというのが現状でございます。
 そういう意味で、今、条件整備、教育環境の整備ということが大事ですよということを、この教育振興計画の中に盛り込んでいただいている。そして、全連小として言いたいことは、その中に具体的に、いつまでにとか、どのぐらいとか、そういった数値的な目標が盛り込まれる、そういうことが全連小としてお願いしたい点でございます。
 具体的に1から10まで書いてありますが、トーンは全て、そういうトーンでお願いをさせていただいております。特に、「基本的な考え方」の22ページですか、今日の参考資料2の中にありますけれども、「今後5年間に実施すべき教育上の方策」の中に、「主として初等中等教育段階の児童生徒を対象にした取組」という項目がございます。そういった点から、特に全連小では1から10の項目を立てさせていただきました。
 1の部分は、これはもう文部科学省の方も概算要求等、様々な機会に「OECD並み」ということはおっしゃっているかなというふうに思います。ところが実際は、お金の問題でなかなかこれが実現していない、ここがやはりまず基本の問題なのかなと思います。ぜひそういった面を、この振興基本計画の中に盛り込んでいただいて、ぜひ、文部科学省あるいは全連小の考えを推し進めるような力になるような振興基本計画をつくっていただけるとありがたいなと思っております。
 二番目の教職員定数改善の計画についても、同じような考えでございます。義務教育費国庫負担制度が3分の1になって、もう何年かになりますけれども、なかなか各都道府県においては、教員の定数を確保して、県費を使うことが、使い切れないのか、お金を返上しているような県もあるというのが現状かなというふうに思います。3分の1を、ここでは2分の1にしてほしいということは書いてございませんが、ぜひ定数改善の計画を進めていただきたいと考えております。
 三番目は、学びのイノベーションを推進するためにということで、これも人的措置を厚くしていただきたいという意味でございますが、ICT技術の専門的職員、理科支援員、学校図書館職員などの、こういった専門職員の人的措置についても、都道府県どころか市町村によってばらばらの状況にあるというのが現実です。また、ある区では教師用のデジタル教科書を来年度から導入しますよといっておりますが、1教科、1学年で、6万から7万ぐらいかかります。そういったものを学校だけで、あるいは区だけで、市だけでやるということは、全部をそろえていくというのは大変難しいのかなと思っております。国や国のレベルで、例えばそこに接続すればデジタル教科書が使えるような制度をつくるとか、そういった学びのイノベーションを推進するような、そんな仕組みができるとありがたいなと思っております。
 あわせて、四番目はスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの件ですけれども、この配置についても、私の学校は、児童数300名の学校に週2回、スクールカウンセラーが来ています。大変ありがたいなと思っております。前々任の区では、750人いる学校に、スクールカウンセラーは週4時間しか来ませんでした。児童一人当たりの配置は全く違います。そういった面、どこが国がやるのか、どこが都道府県がやるのか、どこが市町村がやるのかというあたりを明確にしてほしいですし、その辺で格差が出ないような方向で、ここは格差が出ないように頑張ろう、ここは特色で頑張ろうというあたりを明確にすることが重要かなというふうに思っております。
 もう2分前のメモをいただきました。書きたいことは、先ほど申し上げましたように、人的配置のことです。それから、特に七番目については、安全で安心な学校ということで、今まで耐震のことで進めてきていただいているわけですけれども、やはり非構造部材を含めた学校施設の耐震改修、この辺を確実に進めていっていただきたいなというふうに考えております。
 教員の資質能力の向上、それから全国学力・学習状況調査等の件も記載してございますけれども、記載のとおりでございます。
 いずれにしましても、全部は、お金がありませんからできませんので、教育振興基本計画の中でも優先順位をつけたり、重点をつけたりしていくことがいいのかなと考えております。
 以上でございます。

【安西副部会長】

 貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 それでは、これまでの御説明を受けまして、委員の皆様から御質問等をお願いできればと。
 どうぞ。

【大日向委員】

 御説明ありがとうございます。池田先生に伺いたいと思います。
 子どもの育ちにおいて、家庭、親の在り方が大切だということは、私もそのとおりだと思いまして、全く同感しております。しかし、現実は残念ながら、家庭、親の教育力が低下しているということでございますね。
 ただ、親、家庭の教育力の低下というのは、歴史的に見ますと、ずっと言われて続けてきております私が文献的に研究した限りでございますけれども、大正時代、都市の一部に専業主婦の母親が誕生したころから母親がだめになったということが言われ、戦後は高度経済成長期に女性の多くが専業主婦になって家事・育児に専念するようになったときに、また教育ママ批判が起きています。こうして、いつもいつも家庭教育力の低下が、とりわけ専業主婦である母親の教育力の低下が言われ続けています。女性が働き始めてから言われていることではないのですが、この点、先生はどのように御覧になっていらっしゃるか教えていただきたいと思います。
 もう一点は、先生は親が親として育つということをおっしゃってくださって、とても大切なことだと思いました。その中には、幼稚園に入って、幼稚園の先生方と触れ合いながら育つということもあろうかと思いますが、同じペーパーに、地域の大切さ、社会との触れ合いの大切さ、何よりもワーク・ライフ・バランスの大切さもお書きになっていらっしゃいます。ワーク・ライフ・バランスというのは、いろいろな働き方の多様化を促すということであって、決して働くことを問題だとしている考え方ではないというふうに理解してよろしいんでしょうか。
 その二点をお尋ねしたいと思います。

【全国国公立幼稚園長会(池田会長)】

 今の保護者は、子どもたちが少なくなって、すごく一生懸命なんですね。我が子に対してはものすごく一生懸命です。しかしながら、それがやはり行き過ぎて、広い目で我が子をとらえられないということと、他の子どもとともに我が子を育てていくということが理解できにくいのです。やはり子どもが育つということは、いろいろな人が関わり合い、いろいろな体験を多様にしていく中で豊かに育っていく。そういったところを分かっていっていただくというのが非常に大変ですが、子どもが幼稚園等の集団生活に入ることによって、保護者は確実に変わっていきます。視野が広がり、自分の子も大事、だけれども人の子も大事というふうな形で成長して、修了の時期を迎え、小学校の親になっていっております。
 それと、ワーク・ライフ・バランスの点ですけれども、私は自分もこうして働いておりますし、実際に公立の幼稚園に子どもを預けているお母さんでも自分で仕事を持っている人がいます。でも、我が手で子育てをしたいという親もたくさんいます。だから多様な子育ての仕方が認められることが大事だと思っています。
 ですから、保護者会等で話すときに、子どもと一緒にいる長さが大事ではなくて、質が大事、短い時間でも我が子に対してきちんと愛情が注げる。私は、お母さんはあなたを大事に思っていますよということが伝わる関係ができていれば、しっかりと働いていただいて結構だと思います。そのあたりが少し弱いお母さんがいるかなと思って、幼稚園で頑張ってやっております。

【大日向委員】

 ありがとうございます。大切なのは我が子と接触している時間の長さだけではない、質だというお言葉をいただけて大変うれしく思っておりますし、また、子どもが集団で育つ環境の大切さに関しても、本当にそのとおりだと思います。3歳以上ももちろんですが、それ以前の年齢もですね。先ほども、2歳児の扱いにくさが話題となりましたが、この年齢テリブル・ツーですのでね、そのあたり親は大変悩まれていますので、0、1、2歳のあたりでの集団保育、いわゆる保育園の保育も私は、今、先生がおっしゃってくださったことから考えて、大変大きな意味があるということを改めて考えさせられました。ありがとうございます。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、大江委員。

【大江委員】

 ありがとうございます。全連小に御質問申し上げます。
 御提出資料の項目七番の部分です。学校施設の耐震改修の件が入っておりますが、学校は震災時に、子どもの保護と、地域住民の一時避難所ということが期待されているわけであります。実は東日本大震災のときに、東北地区のある学校の備蓄倉庫が空っぽだったという話を聞いています。水もない、食料もない、毛布もないという。学校の耐震構造に絡んで、学校の備蓄、防災備蓄倉庫について何らかの見解があるかいうことがまず一点です。
 もう一点は、項目八番、教員の資質能力の向上についてです。特に小学校は新規採用教員が激増しております。そこで、大学における教員養成について、大学への期待あるいは教員養成制度の改善ということで、何か見解があれば伺いたいと思います。
 以上、二点です。

【全国連合小学校長会(露木会長)】

 御質問ありがとうございます。
 まず、備蓄倉庫というお話でございます。東日本大震災にかかわって、特に被災された県のどこどこの学校において、備蓄の中身があったかどうかということについてまでは、具体的には把握しておりませんが、例えば東京の学校においても、備蓄の中身というのは、区市町村の考え方によって全く異なるというのが現状です。発電機から仮設トイレから、水から、2日間程度の食料まで備えていて、そこに万一子どもが帰れなかったら、また地域の住民が避難してきたら、2日間程度は何とか暮らしていかれるように準備をしている自治体もございますし、ある区は、冬のときに毛布がなくて大変困ったというようなことも、この3月11日に実際に経験しているところです。
 そういう意味で、備蓄というのは大変重要かなと思っておりますし、今までは、今申し上げましたように市町村の独自の考えで進めておりますので、結果として大きな震災が起こったときに対応がばらばらになってしまったということかなと思いますので、ある程度、こういうものをそろえておくといいよというような例示があると、またそれに伴う予算的なものも、どこどこが対応するということがあると、ありがたいかなとは思っております。
 それから、新規採用教員が大変増えている中で、大学に対する、養成する立場にどういうお考えがあるかということでございます。現状で言えば、4年制の大学を卒業して新規採用になれば、特に小学校の場合は、もう即学級担任になることが大変多いわけで、そこで戦力になるような養成をしてほしいということになるのかなと思います。
 これについては、中教審の中の資質能力向上部会でも検討しているかと思いますが、特に今は基礎免許状、それから一般免許状というあたりで、4年プラス2の部分をどうするかということで検討しているのかなというふうに思っております。現状で、6年で卒業してきた教員と、4年で卒業してきた教員、どちらがいいですかと言われたら、これはケース・バイ・ケースで、4年の方がいいときもありますし、6年の方がいいときもありますので、何とも言えないというのが現状かなと思います。ぜひ、能力部会等で更に検討していただければありがたいと思っております。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 手短にお願いします。

【竹原委員】

 ありがとうございました。いろいろな御意見いただきまして。
 私から、小学校の校長先生方に、二点あります。
 お聞きしたいのは、最後の10番に書いてありますけれども、学校や地域の主体性、創意工夫を生かされる体制づくりというところで、まず小学校にとって、地域をどのようにとらえていらっしゃるか、どのようなパートナーとして考えていらっしゃるかということと、もう一つは、主体性や創意工夫が生かされるためには、どういうところが体制づくりのポイントだと思っていらっしゃるか。この二点をお聞きしたいと思います。

【全国連合小学校長会(露木会長)】

 地域というのは、今回、計画の中でも、「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」ということが大きな柱として出されておりますけれども、もう学校というのは、地域にとってみると、やはり地域コミュニティのシンボルであると、地域とともに学校の教育があると考えておりますので、地域と一緒にやっていくことが一番大切なことかと思います。
 それから、地域の主体性や創意工夫を生かしていくポイントというのは、やはり地域の方々の御意見を参考にしながら、学校の経営も進めていく。そこで地域といかに連携していくか、普段からつながっていくかということが一番大事だと考えております。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 手短にお願いします。

【篠原委員】

 池田会長に。
 今、総合こども園、幼保一体化の流れで、社会保障政策と雇用政策の観点から、いろいろ取り上げられるんですけれども、教育政策の観点からはあまり取り上げられないんですね。
 これを導入した場合に、幼児教育へ与える影響はどういうふうにお思いかということが一点と、それから、露木会長に家庭の教育力の向上というのは、別に幼児教育の段階だけではなくて、小学校、初等教育の段階でもすごく重要だと思うんですね。特に低学年において、人格教育、しつけ教育みたいなのについてどうお考えか。この二点。

【全国国公立幼稚園長会(池田会長)】

 今、新システムということで、総合こども園が創設される案が出されております。確かに少子化は確実に進行していきます。その中で、地域によっては適切な子どもの集団を確保するために、それは子どもにとって集団の作用を得て、心も体も豊かに育つために一体化をしていく、それは非常に意味があるというふうに思っておりますが、制度として一体化を急いでしまうと、まだ子どもの集団がある程度確保されていて、今の幼稚園や保育所や認定こども園という形の中で進められている地域もありますので、無理はしないでほしいと考えています。これは財政の基盤がしっかりした中で、0から6歳までの子どもたちが長時間生活する、そういった理想的な施設、制度が整った中で、将来を見据えてそういう形になっていくということは、決して反対するものではありませんが、現状の中で制度だけが先に行くということは、子どもにとって最善の利益を保障することになるのか心配があります。
 それと、3歳以上の子どもたちは、法的にも学校教育を受けることが義務付けられていきます。全ての3歳以上の子どもに学校教育が保障されていくということは、大変うれしいことと思っておりますが、ただ、その中でしっかりとした幼児期の学校教育を推進し、それを充実、発展させていくためには、学校教育体系に位置付くものにしていっていただかないと、現状よりも質が低下するのではないかと思います。
 そういった意味で、この中教審の皆様方には、教育の視点から、この振興計画にもしっかりと位置付けていただき、ぜひ御支援いただきたいと思っております。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 よろしいですか、小学校低学年は。手短に。申しわけありませんが。

【全国連合小学校長会(露木会長)】

 話がいつも長くなって申し訳ございません。簡単に申し上げます。
 家庭の教育力、一番欲しいのは、よく言われておるところの早寝・早起き・朝ごはん。やはり家庭では、まずしっかり生活習慣を身につけさせてほしいということ、それから、社会性のための生活規範、こういったものを身につけてほしいのが現状の家庭の教育力だと思っております。私の学校などでは、地域自体が家庭同士結び合っておりまして、突出するような保護者がいたりすると、「先生、私が言ってあげるわよ」といって、地域連携しながら家庭の教育力を高めようという雰囲気がありますので、やはり基本的な部分でいったら、最初に申し上げたところが、やはり家庭の教育力として一番欲しいなと思っております。

【安西副部会長】

 ありがとうございました。
 急がせて申し訳ありませんけれども、ここまでにさせていただきます。
 専修学校各種学校総連合会も含めまして、貴重な御意見いただきまして、まことにありがとうございました。
 それでは、次のグループに移らせていただきます。
 大変申し訳ありませんけれども、20分近く、時間が超過しておりますので、よろしく御協力のほどお願い申し上げます。
 第2のグループは、二つございますけれども、まず、全日本教職員組合から、得丸書記次長にいらしていただいております。よろしくお願いいたします。

【全日本教職員組合(得丸書記次長)】

 失礼します。全日本教職員組合書記次長、教文局長の得丸といいます。既に提出しております意見書に沿って、意見を申し上げます。
 2008年4月に、中教審が振興計画の答申案を明らかにされたのに対して、それに先立ってヒアリングが同じように行われました。全教は、その際、次の二点を柱に意見を述べました。一つ目は、政府の教育に対する不介入の原則に立つこと、二つ目は、子どもたちに行き届いた教育を進めるため、子どもの実態、学校の実態を踏まえた教育条件整備に限定して、具体的な計画を立案すべきだということです。今回、第2期の策定に向けた基本的な考え方について、全教は改めてこの二点を強く求めるものです。
 2008年7月に閣議決定されました教育振興基本計画について、当時全教は談話を発表して、二つの重大問題を指摘しました。一つは、愛国心教育と、一層の競争教育推進のための計画になっているということ。二つ目は、教育条件整備については何ら具体的な計画となっていないということでした。その後、特に重点的に取り組むべき事項というようなことで示された学習指導要領の実施や、全国学力・学習状況調査による検証は、学校を、一層過密で、ゆとりのない場に変えました。また、教職員の増員ではなく、教職員配置の適正化とされたため、教員の子どもと向き合う環境づくりへ向けた教職員定数の改善は行われませんでした。
 さて、今回の考え方は、このような反省の上に立った内容となっているでしょうか。考え方は、新たな社会モデルを構築していくことが求められているとするなど、教育内容に立ち入り、教育条件整備の具体的な方向は何ら示されておりません。また、「東日本大震災を受けて」と項立てはしているものの、福島原発事故による子どもと教育への影響には一切触れず、様々な影響が懸念されているとしながらも、最も求められている早急な教育条件整備について言及していないことは、認められません。そして、「国・地方の連携・協働」とされるのみで、引き続き、国の責任が明記されていないことも問題です。さらに、PDCAサイクルが改めて強調されていますが、教育条件整備が具体的に示されていない中でPDCAサイクルのみ強調することは、意味がないばかりが、有害だと思っております。
 御存じのように、2010年に出された国連子どもの権利委員会第3回目の勧告は、日本の教育制度について、高度に競争主義的と指摘し、驚くべき数の子どもが情緒的幸福度の低さを訴えていると断じています。教育の振興に関わる計画は、この指摘を真摯に受けとめて立案されるべきです。今年度4月より本格実施となった小学校改訂学習指導要領により、授業時数は一層増やされ、授業時間数確保が厳しく追及される中で、学校の過密化はますます深刻化しています。さらに、全国学力・学習状況調査や教員免許更新制はじめ、一層競争をあおり、管理統制を強める、子どもの権利委員会勧告の趣旨に逆行する教育施策が進められているのが実態です。
 「基本的な考え方」は、「我が国の教育をめぐる現状と課題」として、危機的状況について述べています。だからこそ、貧しい教育条件を放置し、競争と管理を強調するのではなく、抜本的な教育予算の拡充と、教育条件の改善を柱にした計画が必要です。
 以下、全教の提案を六つに分けて申し上げます。
 まず一点目は、教育予算をOECD諸国並みに拡充することです。OECD諸国並みに引き上げると、7兆から8兆円の教育予算増となり、教育費の無償化や少人数学級の実現が十分可能になります。国の責任で義務教員の全国水準を確保することが求められています。
 加えて、障害児学校の過大・過密は深刻な問題となっています。障害を持つ子どもたちの学習権を保障するために、障害児学校の新設、増設を進めるとともに、設置基準の策定が必要です。
 二点目は、小中高全ての学校で30人学級を計画的に実現することです。少人数学級を推進することは重要な国民的な課題です。国は義務標準法及び高校標準法を改正し、小中高全てにおける少人数学級実現に向けた計画の策定と、その速やかな実施が求められています。
 三点目は、教職員を大幅に増員することです。文部科学省が昨年12月22日に発表した「平成22年度教育職員に係る懲戒処分等の状況について」では、2010年度、8,660人の教職員が病気休職し、過去最高となることが明らかになっています。そのうち精神疾患は5,407人、異常な数字と言わざるを得ません。文部科学省が2006年に実施した教員勤務実態調査と、厚労省の労働基準局統計などから算定すると、日本の教職員はOECD諸国の平均よりも、1年当たり100日分、多く仕事をしていることになります。このような劣悪な状況を放置して、教育の振興はあり得ません。
 四点目は、臨時非常勤の待遇改善、正規採用を行うことです。教職員が安心して教育活動に取り組めることが、教育の振興の大きな柱の一つです。学校職場の均等待遇と、教職員の正規化、正規採用増を進めることが必要です。
 五点目は、貧困と格差の拡大から子どもと教育を守り、教育費の無償化を進めることです。義務教育は無償というのを完全に実施をし、準義務教育化している高校においても、授業料以外の無償化を進めることが必要です。また、生活保護家庭の高校生には、高等学校就学費が支給されていますが、就学援助受給者の9割を占める準要保護児童生徒は、高校入学後何も支給されなくなります。経済的困窮世帯全ての高校生の就学を保障するために、高校版就学援助制度の創設が求められています。
 2010年度から始まった公立高校の授業料不徴収、及び私立高校生等への就学支援制度、一層の改善を進める見直しを行い、高校無償化を実現すべきです。政府は、先日、国際人権規約A規約の批准留保撤回を指示したと表明しました。批准に当たっては、遅れている大学生の負担軽減に踏み込むとともに、高校無償化と高校生、大学生への給付制奨学金の創設を緊急に実現すべきです。
 最後、六点目は、東日本大震災と福島第1原発事故の被災地における教育条件整備を早急に行うことです。被災地の子どもたちが安心して教育を受けられるよう、教育条件整備に関わる特別な計画を教育基本計画に盛り込むことが必要だと考えています。
 以上、意見書の概要をお話ししました。真摯に検討し、振興計画の策定に生かしていただきますようお願いします。

【安西副部会長】

 貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 それでは次に、全国大学高専教職員組合、中嶋中央執行委員長にいらしていただいております。よろしくお願いします。

【全国大学高専教職員組合(中嶋中央執行委員長)】

 全国大学高専教職員組合の中央執行委員長の中嶋と申します。
 私たちの組合は、全大教といいますけれども、国立と公立の大学、高専の労働組合で構成されているナショナルセンターです。
 今日は、ここまでの議論も踏まえながら、少し、もちろんこの内容に沿ってなんですけれども、申し上げる順番を変えながら申し上げたいと思っています。
 まず一点目ですが、公教育の使命の普遍性について、振興基本計画の1ページのところで書かれています。これについては、とても重要な指摘をなさっているものと私どもは考えておりまして、公教育が持っている社会的使命、あるいは個々の国民一人一人に対する価値というものを大切にする、それを貫いていく振興基本計画をつくっていただきたいと考えています。これが全体についての意見です。
 次に、大きく二つに分けて申し上げたいと思っています。
 一つは、この社会の担い手、あるいは働き手を、高等教育を通じてどう育成するかということに関わっている問題ですが、これに関しては、私どもは、大学というところは専門教育の場でありますから、専門的な知識や技能を育てていくということが使命だと思っています。
 ただ、その際に、その一方で大事なことは、その専門的な知識や技能が、どのような人格のもとに根づくかということだと思っています。それは専門的な知識・技能だけではなくて、広い豊かな人格のもとにそれが育つ、担われているということが大事だと考えておりまして、そのためには幅広い教養教育の充実ということが、ぜひとも必要だと思っています。その専門的な知識や技能をどう生かしていくのか、どのような社会と関わっていくのか、どのような学問をするのか、どういった技術を開発するのかということは、広い社会や人間についての認識とつながっていなければならないと考えているからです。これが一点目です。
 二つ目は、学ぶ機会を平等に保障するということが大事だと思っています。大学で教育を受けるための費用というものは、国立大学でも大変高い費用を必要としていますし、私立大学でも更に多くの個人的な負担を必要としています。ぜひとも公的な費用、経費をそこに投入することによって、できるだけ無償に近づけていく努力をしていただきたいと思っています。
 このことは、大学や、それから高専に学ぶ若者だけではなくて、現在、小学校、中学校、高等学校で学んでいる子どもたち、若者たちをも励ますことになると思っています。多くの国民の中には、経済的な理由で大学に行くことをあきらめざるを得ない、そういう家庭で育っている子どもや若者もたくさんいます。大学が無償に近づいていくということは、その若者たちを、あるいは子どもたちを励まし、社会にある様々な潜在的な力を引き出していくことにもなると思います。その意味で、ぜひともそういった無償化を実現していくということを掲げていただきたいと思います。
 三点目は、これは大学で学ぶのは若者だけではありません。いったん社会に出て、働き始めた人たちが、大学にもう一度行って学びたいと思っている人がたくさんいます。私のところにも、高等学校の先生が研修、あるいは研究のために、もう一度大学に入りたいといってやってきます。ただ、その人たちは大変な、大きな経済的な負担を背負っている、そういう中でやってきています。ですから、成人した人も、いつでも学べる機会が得られる、そういった制度と、その人たちを支援していく仕組みを、ぜひとも整えていただきたいと思っています。
 これが大きい一つ目の問題です。
 次に、教育振興基本計画の設計そのものに関わることについて、申し上げたいと思っています。
 それは、この振興基本計画の中では、おそらく12ページあたりだったと思いますけれども、四つの基本的方向性ということが示されていると思います。私ども、それを見たときに、どのような意見を申し上げるかと考えたときに、抽象的過ぎる言葉が使われているのではないかと思いました。もう少し具体的な言葉を使わなければ、大変美しい言葉ではあるんですが、これは肯定的に述べるべきなのか、批判的な意見を述べるべきなのか、どういうことがこの後に、これが具体化していくときにどういう形になっていくのかということを考えたときには、少し迷いました。これは多くの国民も同じような感想を持ったのではないかと思います。やはり、この教育振興基本計画の策定段階で具体的な言葉を使うことによって、初めて議論が可能になると思いますので、もう少し具体的に述べていく必要があるのではないかと思っています。
 その一方で、もう一つ懸念するのは、この教育振興基本計画の出口に当たるところかと思いますけれども、成果や取組の達成状況についての評価の問題です。これらについては、数値目標も含めて具体的に評価する、あるいは具体的な指標を設けるということが書かれています。このことは、政策を評価する上では必要なことだと思いますので、一概に否定するものではありませんが、教育の現場、あるいは教育や研究と実践、これを拘束するような指標や達成目標を掲げていくということになると、これは必ずしもいい結果を生まないのではないか。要するに形式的に目標を達成したような報告が上がってしまうかもしれませんが、中身がどうなるかということになると思いますし、それから、とりわけ高等教育機関における教育や研究というのは、自主性が重んぜられるべきものですから、あまりにもこれを、教育振興基本計画に基づいて、教育や研究の成果を評価するというような仕組みにすべきではないと思っています。
 この教育振興基本計画は、教育基本法第17条にも定めがあるように、これは教育条件整備の基本的な方向性を定めるということに意味があると思いますので、そういう振興基本計画の本旨に沿った目標と、それから達成状況の検証という仕組みに、ぜひともしていただき、教育や研究を拘束するような計画にはしていただかないことが必要であろうと思っています。
 とりわけ大学に関しては、この振興基本計画の中にも書かれておりましたが、機能別分化ということが書かれています。もちろん大学には様々な個性がありますから、大学がそれぞれの個性を発揮していくことは大事なことだと思っています。ただ、それを上から機能別に分けていくというようなことになってしまえば、その個性を生かせない。せっかく様々な研究者がいて、それが自発的な教育と研究を通じて多様な大学をつくっていこうとする方向を、かえって阻害することになりかねないと思いますので、その点について、どうぞ御配慮いただきますようお願いいたします。
 以上です。

【安西副部会長】

 貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 今、二つの団体から御意見をいただきましたけれども、委員の皆様から御質問等いただければと思います。どなたでも結構です。
 どうぞ。

【小川副部会長】

 時間がないので、いろいろ質問したいんですが一点だけ。
 中でも、やはり教師の多忙化とか長時間の超過勤務の問題というのは、何とか改善しなければならないというのは、おそらく皆さん共通する問題意識かなというふうに思っていますけれども、超過勤務を軽減していく方策として、一つは、やはり先生方の数を増やすというような側面もあるんですが、お聞きしたいのは、先ほど全国連合小学校長会の報告にあったように、先生方の負担軽減というのは、先生方を増やすのと、もう一つは、先生方が授業とか学習、生徒指導に専念して、それ以外の雑務というか、教育活動を軽減するという意味で、支援サポートというか、支援スタッフ、専門職員を拡充していくとことで先生方の負担を軽減するという方策もありますね。
 全教の場合には、そういう教員以外の専門職のスタッフを増やすとか拡充するという考え方については、どう考えているのか。仮にそういう方向であれば、喫緊に、やはり重視すべきそういう支援スタッフ、拡充の職員というのは何かというのをちょっと教えてほしいのと、もう一つは、超過勤務が生み出されている法制度上の仕組みについてはどういうふうに考えていて、そういう超過勤務を改善していくための法制度とか仕組みに何か問題があれば、何を変えていけばいいのかということが、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思うんですが。

【全日本教職員組合(得丸書記次長)】

 スタッフについては、いわゆる日本の学校が、先進国に比べて、担任教師以外のスタッフが非常に少ないというデータがあることは、当然承知しておりますし、教員の増なのか、あるいは学級の子どもの定数を減らすのか、スタッフを増やすのかという、そのどれかを選ぶというような選択肢ではなくて、全部をまとめてやっていくということが、おそらく必要なんだろうというふうに思うんです。
 お金がかかると、限られた財源の中で、というふうにおっしゃったわけですけれども、今までだれもやったことがない最先端の豊かな教育条件を保障するべきだと言っているのではなくて、せめて、まずOECDの平均並みぐらいの教育予算を何とか確保できないものかという程度のことを今要求しているわけですから、それはとても大事なことだと思っています。
 それから、そのスタッフに関わってですけれども、いろいろなスタッフが学校で求められています。スクールカウンセラーが入ったり、養護教員の先生が二人、複数配置になったり、それから栄養職員の方、栄養教諭の方が全校配置を求めて運動されたり、それから事務職員の方が、学校の担任教師の事務の軽減のために複数配置になったりとかいうようなことも、少しずつ進んではいるんですけれども、やはり相当遅れているというふうに認識をしております。
 それから法のことですけれども、いわゆる給特法というものの中で、残業手当が支払われない。もうどんどん青天井で残業が増えていく。これは、自分で気をつけるということもとても大事なことなんですけれども、仕事に限りがないものですから、学校の担任は。子どものためと思ったら、どんどん休みも、持ち帰り仕事も含めてやってしまう、それが過労死を生むという現実になっていて、例えば、残業代を支払うとかいうような法的な改正も一つは考えられるのではないかなというふうに考えています。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。
 他にはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ここまでにさせていただきます。二つの団体、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 それでは、次に移らせていただきます。
 最後の三つ目のグループは、二つの団体ございまして、まず、NPO法人NEWVERY、山本理事長に、よろしくお願いいたします。

【特定非営利活動法人NEW VERY(山本理事長)】

 皆さん、こんにちは。NPO法人NEWVERYの山本と申します。
 NPO法人NEWVERYというのは、若者支援、教育支援のNPOでございます。提案の前に、課題を共有させてください。
 まず、7ページのスライドなんですが、高校中退と、大学・専門学校中退の比較をしています。高校中退は現在、年間7万2,684人に対して、大学・専門学校の中退は11万6,504 人、高校中退の実は1.6倍、毎年中退をしています。
 次の8ページに行きまして、では、この中退というのは、果たして問題なのかということに関します。大学・専門学校中退後、男性の54.1%、それから女性の63.4%が、その後ずっとフリーターか無職です。中卒・高校中退者がそのまま一貫してフリーターか無職である確率は、男性46.3、女性85.5ですから、ならすと、実はほぼ同等のリスクがあると言えます。
 次のスライドに参ります。もう一つ、ニート状態の若者の19.7%が大学・専門学校中退者、高校中退者は12%ですから、31.7%、合わせてニートの若者たちの中で中退経験者がいるというデータで、大変リスクが高いということをお分かりいただけると思います。
 次、三番目、変容可能性。これは、組織の変容可能性、大学・専門学校には自治がございます。一つ一つの大学がユニークな取組を行っていくことができますが、高校、文科省による中央集権と、ここで言っていいのかどうか分からないんですけれども、非常に変わりにくい組織ではないかなと思います。
 では、中退者の課題、私ども、過去に200人の中退経験者に直接インタビュー調査をしました。経済的要因による中退は10%、疾患・障害による中退者は5%から10%です。残りの80%は、どこにでもいる、普通の若者でした。一方で、高校中退者は非常に困難な課題を抱えているということで、課題の重さで考えますと、大学・専門学校の方がはるかに軽いです。つまり、この問題を解決する変容可能性が、大学・専門学校は極めて高くということになってまいります。今のお話をまとめたのがこちらで、大学・専門学校の方が、高校中退に比べ、規模は大きく、リスクはほぼ同等で、そして変容可能性は高いというふうに言えます。
 しかしながら、政府は、これまで大学・専門学校の中退問題に積極的に関与してこなかったのではないかと思っております。これは、政府は間違った買い物をしていたのかもしれません。
 年間11万6,000人というのは、10年間にしたら116万人が大学・専門学校をやめているんです。私たちのNPOは、ずっと、ひきこもり、ニート、フリーターの若者たちの支援をしてきたんですが、なってからの支援では遅過ぎると。もともとNPOというのは政府や市場の失敗や不足を補うために活動しているわけなんですが、川上の問題を解決せずして、これ以上活動しても無駄であるということで、今、高等教育改革の活動をしております。
 なぜ大学・専門学校の学生がやめるかという理由を類型化したものが次のスライドになります。三つあります。一つは、学生と、大学が提供している教育内容・教育方法とのミスマッチ。それから、個々の学生が抱えている課題や事情。三番目、キャリア不安・将来不安と、大学卒業価値の低下。
 これは、つまりどういうことかといいますと、大学や専門学校の中退率というのは、大学の教育力と課題解決能力のバロメーターであると定義できるのではないでしょうか。すばらしい教育を行っていれば、この大学をやめるのはもったいないと思って、学生たちはやめずにいられます。それから、学生たちが抱えている課題、自分たちの教育機関が抱えている課題を発見し、解決していく、課題解決能力のバロメーターでもあるのではないかということです。
 私どもは、大学・専門学校からの中退問題に、ぜひ政府に取り組んでいただきたいと、年間11万6,000人。そして、先ほど家庭の教育力の低下というのがありましたが、大学生は10年後の親です。高等教育改革が行われれば、10年後の親が変わります。それから、保育園、幼稚園の先生から大学の先生まで、みんな高等教育機関を巣立っていきます。高等教育機関のイノベーションが実現すれば、10年後の先生が一変します。
 では、どのようにしたら大学が変わるのかという、具体的な提案をまとめてきました。
 組織というのは、人とシステムで成り立っていますので、人の改革、そしてシステムの改革、それでも起きてしまう問題に対して、セーフティーネットを敷く。14の提案をまとめました。今日はお時間がないということなので、全て、書面に分かりやすく書きました。あと4分ぐらい時間があるのではないかと思うので、この場で私はしゃべるのをやめて、資料の方を読んでいただいてもよろしいでしょうか。
 時間になったら、事務局の方、教えてください。
 時間になったそうです。私、今日、こういう場は初めてなので、すごく早口で、緊張してしまいましたが、発表の方をこれで終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。

【安西副部会長】

 貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 それでは次に、NPO法人ブレーンヒューマニティー、鶴巻事務局次長にお願いしたいと思います。

【特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティー(鶴巻事務局次長)】

 ブレーンヒューマニティー事務局次長の鶴巻と申します。よろしくお願いいたします。
 私たちは、兵庫県西宮市の団体でして、本日は、大学生が社会に対してどこまで価値を提供できているかという事例を発表しながら、最終的には提言をしていきたいと思っております。
 ブレーンヒューマニティーという団体は、1994年に、当時、自分たちで家庭教師先を探して、家庭教師に行くというような形で、学生四人が組織しておりました団体がありました。そんな中、1995年に阪神・淡路大震災が発生しまして、そこで、その家庭教師サークルとしてやっていた仕組みを何か利用できないかということで、被災地の子どもたちへ家庭教師の無料派遣ということで、全国から学生ボランティアを家庭教師ということで各家庭に派遣をして、学習支援という形で支援をしていくところから活動が始まりました。その後、少し落ち着きましたら、今度は例えば遠足に行きたいですとか、キャンプに行きたいという子が出てきましたので、そこから次第に活動を広げていきまして、徐々に活動が広がってきました。より大きく活動していこうということで、2000年にNPO法人の認証を受けて、学生が主体として運営するNPOとしては、全国初のNPO法人として活動を始めました。
 そこからは、キャンプや遠足以外にも、不登校の子の支援を行ったりですとか、あとは高校生を海外のほうに、住居建築ですとか植林などのワークキャンプに連れていくというような活動をしながら、大学生がどこまで子どもたちに多様な価値を提供できるかということで、いろいろと活動を行ってきました。
 最近では、青少年の現代的な課題への取組ということで、このような事業もやっております。子ども貧困プロジェクト「Chance for Children」は、生活保護世帯の子どもたちですとか、去年東日本大震災で被災した子どもたちに向けて、塾とか習い事だけで使用できるバウチャー、クーポンを提供するという活動も行っております。また、駄菓子屋では、学校でも家庭でもないサードプレースを学生が運営をしまして、子どもたちが集まって、そこで何かできるような居場所づくりというのも展開しております。また、障害のある子どもたちに対しても、遠足ですとか料理教室とかというのもやっていこうということで、徐々に広がりを見せて、行っております。
 組織の中身ですが、ボランティアが約800名在籍しておりまして、年間約90イベントぐらいを学生が管理して、動かしております。その学生たちで大体年間1億円以上の収入を出して、組織を回しております。理事など10名がいるんですが、そのうち6名が学生が運営しておりまして、その都度、組織の決定権などは学生が持って、学生が決定をしているという形になっております。それ以外にも、キャンプ事業部ですとか、不登校関連事業部みたいな形で各セクションに分かれているんですけれども、そこも全て学生が、事業計画から収益管理までを全て行って、責任を持って学生が運営している形になっています。もちろん当日のキャンプに行くときのリーダーやスタッフさんというのも、全て学生が行っております。
 ブレーンヒューマニティーにおける社会人の役割としましては、私もこの団体の職員なんですけれども、私たちが主体というよりは、学生が活動していく中で、難しい経理の面ですとか対外的な資料のチェックを行うなどをして、あくまで僕たちはサポートをしているという役割となっております。
 そんな中、大学生と子どもと関わってきた中で、当会からの課題と提言ということで、何点かお伝えいたします。
 まず一点目が、子どもの貧困ということで、現在、大体六人から七人に一人は貧困状態であると言われております。貧困に伴う意欲と学力の低下ということで、やはり学校が終わった後、塾や習い事に行けないということで、学校教育の補完ができなかったり、あとは近くに適切なロールモデルがいないため、学習意欲とか、その先の進路のことについても、なかなか貴重な意見とかがもらえないということで、それによって貧困の連鎖というのが続いていっているのではないかというような課題が挙げられると思います。
 それに対する提言の一つ目としまして、学校外教育のバウチャーとしまして、貧困世帯の子どもたちでもきちんと学校外の教育が受けられるように、塾とか習い事だけで使えるクーポン券というものを発行して、家庭の経済格差による学力格差とか意欲格差の是正ができないかということを、一つ目の提言とさせていただきます。
 提言の二つ目としまして、学校教育内で民間NPOの活用ができないかということです。今、大学生70名程度が高校に赴きまして、そこで、少し先行く大人として高校生と語り合うキャリア教育のプログラム「カタリバ」というのが、東京でも年間80校程度行っておりまして、関西でも今年始まっています。そういう形で、学校教育に民間が入っていって、そこで多様な価値とかを提供できないかなということで提言させていただきます。
 課題の二つ目としましては、やはり若者の意欲の低下とか、社会に対して自分が何ができるのかというところが、なかなか見えてこないというところがありまして、やはりなるべく早い段階から社会と関わりながら、どういうふうに社会と向き合っていこうかというところを考えてほしいなと思っております。
 その中の提言としまして、これもまた学校教育内でなんですけれども、ワークキャンプの導入ということで、ブレーンヒューマニティーでも高校生を海外に送り込んで、そこで植林等のワークキャンプをしながら、ホームステイをしたりして、かなり現地でしっかりと労働をして、そこから考えることですごく深い学びを得るという活動を行っています。そのような形のワークキャンプというものを学校教育の中に入れて、例えば東日本大震災で被災地に赴きまして、そこで何か本当にワークをしながら、現地の人と交流をして考えを深めるといったような、そういうワークキャンプが導入できないかなと思っております。
 大学生に関しましては、幾つかお話が挙がりましたとおり、やはりボランティア休学制度を当会としても提言いたします。去年も震災後から大学生がたくさん被災地に訪れたんですけれども、3月に震災があって、4月の上旬ぐらいまでは大学生がたくさんいたんですが、やはり授業が始まるということで、やむを得ず戻っていくというケースがたくさんありました。そういう中で、休学費用の減免ですとか、より休学がとりやすい環境づくり、また休学することによって卒業がずれてしまって、就職活動に影響が出てしまうとかというような不安もありますので、そのようなところの仕組みづくりも、また変えていけないものかなと思っております。
 当会からの課題と提案は以上になります。ありがとうございました。

【安西副部会長】

 貴重な御意見いただきましてありがとうございました。
 それでは、今の二つの団体、NPO法人からの御意見について、御質問等いただければと思います。
 どうぞ。

【白波瀬委員】

 ありがとうございました。NEW VERYの山本理事長に質問があります。
 中退者の問題を提起されたという点で、大変重要な御指摘だと思います。実は日本は、特に高等教育については、入るは難しいが出るは易しいという基本路線がございまして、中退者についてあまり注目されてこなかったし、数としてもマクロ的には少なかった、という経緯があります。しかしながら中退することの効果としては非常に深刻であることは、多分、教育学、社会学中心に、少しずつ認識されていると思います。そこで具体的な対策として、大学側がカウンセラー等の充実をもって、中退しないように行うというのがよろしいと思われるのか、あるいは、たとえ中退したとしても、中退の効果そのものが深刻にならないように、いわゆる複線的な職業教育というのを積極的に展開したほうがよいと思われるのか。どちらが有効な対策だとお考えなのかについて、お答えください。

【特定非営利活動法人NEW VERY(山本理事長)】

 結論から申し上げますと、両方必要だと思っております。これは、大学教育の質の保証と、セーフティーネットです。
 ただ、82ページの上のスライドで御説明さしあげたとおり、カウンセラーさんによる支援が必要な大学中退者というのは、そんなに多くないです。中退者全体の10%ぐらいです。むしろ大学教育が、分からないというよりも、つまらないとか、なかなか友人関係が築けないとか、それから、この大学でこのまま学び続けて一体何になるんだろうと、先輩を見ても大した就職先がないなと。自分のキャリアが不安だなという中でやめている学生たちが多いので、そのことは大変大きな問題だと思います。特に今回挙げた三つの理由のうち、三番目の、キャリア不安・将来不安と大学卒業価値の低下による中退者が年々増加している。これこそ、可及的速やかに我が国で取り組むべき問題だと思っております。ですから、中退像というのが、おそらく一般と実態でギャップがあるのではないかと、今、感じました。

【安西副部会長】

 ありがとうございます。
 他にはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ここまでにさせていただければと思います。お忙しいところいらしていただきまして、貴重な御意見をいただきありがとうございました。
 今日はいろいろな団体から御意見をいただいたところでありますけれども、教育振興基本計画の策定に向けて、ぜひいろいろな形で検討させていただければと思います。
 私自身は、初中教育ももちろんですけれども、大学関係にも関わっておりますが、やはり大学の実態と申しますか、大学が本当に充実したところなのかということを、若い世代から見たときにどうかというのは疑問を持っているところがございまして、大学も含めて、教育のこれからの姿を具体的に打ち出していくということは焦眉の急だというふうに考えておりますので、この計画部会は非常に大事な位置付けになるかというふうに思います。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
 それでは最後に、今後の日程等について、事務局からお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 次回の日程ですが、資料5にございます。来月、3月26日月曜日、9時から12時で、ヒアリングの続きということでございます。場所は文部科学省の旧庁舎6階の第2講堂になります。
 よろしくお願いいたします。

【安西副部会長】

 それでは、ここまでにさせていただきますが、よろしいですか、次官。皆様よろしいですね。
 それでは、ここまでにさせていただきます。
 御多忙のところありがとうございました。

—— 了 ——

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-- 登録:平成24年05月 --