ここからサイトの主なメニューです

教育振興基本計画部会(第9回) 議事録

1.日時

平成23年9月13日(火曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省「3F1特別会議室」(東館3階)

3.議題

  1. 教育振興基本計画の基本的方向性とその論点例
  2. 成果目標の在り方について
  3. その他

4.出席者

委員

三村部会長、安西副部会長、小川副部会長、相川委員、安倍委員、衞藤委員、大江委員、岡島委員、國井委員、篠原委員、白波瀬委員、竹原委員、田村委員、丸山委員

文部科学省

清水事務次官、森口文部科学審議官、金森文部科学審議官、前川総括審議官、河村文教施設企画部長、板東生涯学習政策局長、伊藤大臣官房審議官、杉野生涯学習総括官、上月生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長、他

5.議事録

【三村部会長】

 それでは、委員が全部そろいましたので、教育振興基本計画部会第9回を開催させていただきます。
 本日の議題は、新たな「教育振興基本計画の構成等及び今後取り組むべき課題」及び「成果目標の在り方について」であります。今後取り組むべき課題等々については、私自身の言葉で言えば、何を目的として我々は今回の振興基本計画をつくるのか、言ってみれば、大きな目標と理解いたしますけれども、やや前回の議論の中でもあまり焦点が当たっていなかったんですけれども、大事な議論だと思いますので、今回はぜひとも御参加いただきたいと思っております。
 それでは本日の配付資料について、事務局から説明よろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 失礼いたします。本日の配付資料でございますが、お手元の会議次第の資料にございます資料の1、2、資料の2の参考資料としての別紙の1から4まで、それから資料の3、4、5、参考資料の1、2がございます。欠落等ございましたら、お申しつけいただければと思います。
 まず資料の1でございますが、確認的にお配りをさせていただいておりますけれども、「基本計画部会の当面のスケジュール」でございます。本日は9月13日ということで、基本的な方向性の議論も含めて、今後の取り組むべき課題について、また成果目標のイメージについて協議をさせていただければと考えております。また次回、次々回、10月6日、20日につきましては、有識者の方々からのヒアリングを予定しております。
 それから本日の前半で御議論していただく資料でございますが、資料の2、あわせて別紙の1をお開きいただきながらと思いますけれども、前回の会議におきましては、先ほど会長からもございましたが、四つの基本的な方向性とそれに関わる今後の課題につきまして御議論いただいたところでございます。基本的方向性のそれぞれが何を含んでいるのかといったことについて、前回の会議におきまして、ちょっとよく分からないといった御意見等もございましたので、資料の2の中には四つのそれぞれの方向性ごとに太字のゴシックで、それに含まれる内容を2行程度書かせていただいております。さらにそれぞれの方向性ごとに重要であると考えられる論点をその下に書いている形にしております。前回、家庭教育ですとか男女共同参画あるいは高校教育、教育委員会制度等々についても御意見いただいておりますが、引き続き御議論をいただければと思います。
 まず資料の2でございますけれども、「社会を生き抜く力の養成」といたしまして、変化の激しい時代の中で自立して社会を生き抜いていくために必要な知識・能力を身につけられるよう、多様な学習機会の連携・接続にも留意しつつ、それぞれの学習機会における成果を保証するとともに教育の質を向上させるということで、別紙の1を御覧いただきたいと思いますけれども、これを議論いただく際の参考資料として用意したものでございます。これまで提言をされた様々な資質・能力についてのイメージでございますが、中教審やその他の会議等々で提言をされているものを整理しているものでございます。
 まず一番上の「キー・コンピテンシー」は申すまでもございませんが、OECDで提言されているものでございます。特にグローバル化と近代化により、多様化し、相互につながった世界において、人生の成功と正常に機能する社会のために必要な能力ということでまとめられております。
 またその下の「総合的な知」につきましては、平成20年の中教審の答申で提言されているものでございます。知識基盤社会の時代において、様々な変化に対応していくために必要な力。
 それから特に幼児教育、義務教育、高校教育に関わりますが、「生きる力」がございます。これも国際化や情報化の進展など、変化が激しい時代にあって、いかに社会が変化しようと必要な能力と。さらに大学につきましては、「課題探求能力」、「学士力」等々についての提言がなされておりまして、これらについて申し上げられるのは、変化の激しい時代に対応していくということ、そして自立して社会を生き抜いていくといったことが大きなものとして通底しているものと考えられます。
 それからその下でございますが、ちょうど真ん中よりちょっと下でございますが、キャリア教育の関係で申しますと、社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行のための「基礎的・汎用的能力」といったものが中教審の答申で取り上げられております。特にこの職業に関わります力につきましては、その資料の一番下、若干小さい文字で書いておりますが、社会参画の観点から内閣府で人間力といったもの、それからその下の産業人材の観点ということで社会人基礎力、これは経産省でございますが、こういったことについても提言がなされております。
 それからその上でございますが、特にイノベーション、グローバル人材といった観点からは、イノベーションについては、平成19年の「イノベーション25」という長期戦略指針の中で、困難に立ち向かい、それを現実のものにしようとするチャレンジ精神、既存の枠、常識にとらわれない多くの価値観から生まれる高い志。グローバル人材につきましては、語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、チャレンジ精神等々について資質として挙げられております。
 こういったものも御参考にしていただきながら、資料の2の論点例でございますけれども、変化の激しい時代を生き抜くための力というのはどういうものなのか。特にどういった力が今後重要視されてくるのかといったことですとか、全ての人が共通に身につけるべき力、個人・社会のニーズに応じて身につけるべき力は何か。そういった力というのは学校教育のみで培うものなのか、それとも社会生活、地域社会の力とあわせて育成すべきものなのかといったことについて、論点例としてお示しをしております。
 それから別紙の2でございます。別紙1の次のページでございますが、教育の質の保証・向上を図るための取組ということで、これも御議論の御参考になればということで御用意させていただいております。縦軸に教育の質保証・改善方策、いわゆるPDCAサイクルの関係の取組。それから中頃に教育環境の整備。人、モノ、金にかかわる取組。それから各学校段階間の連携・接続に関わる取組をそれぞれの学校段階等ごとに示しております。
 例えば左上の幼児教育、義務教育、高校のところに書いている教育の質保証・改善方策のところでは、指導要領の実施・見直し、学力テストの実施とそれを活用した検証改善サイクル、学校評価・教育委員会評価の実施というものがございます。
 また、右側でございますが、高等教育につきましては、設置認可から始まりまして、自己点検評価、認証評価、情報公開等々の取組がございます。
 また、その右側でございます。成人一般と書いておりますが、ISOにおける非公式教育・訓練サービスに係る国際標準化ということで、現在検討が進められているものでございます。さらには国際成人力調査への参加等がございます。
 そしてその大きな枠の下、教育環境の関係で申し上げますと、学校に係る設置基準ですとか、指導要領、定数の標準、私学助成等々の施策がございます。
 加えましてその下の学校段階間の連携・接続に関しましては、幼稚園と小学校の接続の関係ですとか、小中の連携、中高の連携等々に係る取組がございます。また高校の入学者選抜、大学の入学者選抜、さらには飛び入学等々様々な課題を抱えているものもございます。そういった取組を一覧にしております。
 そういった資料も御参考にしていただきながら、先ほどの資料2の一番最初の「社会を生き抜く力の養成」の論点例の下の方でございますが、高校・大学の進学率の増加など、様々な状況変化の中で学校段階ごとの接続が十分に図られているのか、何を身につけることができたのかということを担保するために十分な仕組みとなっているのか、成果目標とそれを測定する指標といったものはどのようなものがあるのかといったことを論点例として挙げております。
 その下でございますが、未来への飛躍を支える人材の養成ということで、知識基盤社会が本格的に到来する中で、新たな社会的・経済的価値を生み出すような人材、グローバル化に対応する人材、社会的課題に対応した人材を養成するということで、その下に国際的な市場環境で活躍できる人材の創出、それに向けた方策は何があるのか、新たな社会的・経済的価値の創造をもたらす人材の創出に向けた方策は何があるのか、そしてそういった人材に必要な能力がすべての人が身につけるべきものなのか、あるいは特定の人が身につけるべきものなのかといった論点例でございます。
 それからすいません、別紙の3でございます。別紙の2の後ろを御覧いただきたいと思います。これは学びのセーフティネットに関わる参考資料でございますけれども、真ん中のところに緑の枠で書いておりますが、現状と課題ということで、例えば幼児教育につきましては、私費負担が国際的に見て極めて高い。各種研究から教育的・社会的経済効果が高い、幼児教育における効果が高いといった指摘があるとか、あるいは義務教育では耐震化について、まだ地方公共団体ごとにばらつきがある。高校については実質的な授業料の無償化が図られているけれども、低所得者への支援等が課題である。高等教育については、私費負担が国際的に見て極めて高い。また成人一般につきましては、学校卒業後の学習の機会について、時間的・金銭的・場所的な制約の存在があるといったこと等々について記述をしております。
 またその下には、主な取組といたしまして、教育費の負担軽減策、またアクセスの確保ということでの取組を記述しております。
 これをご参考にしていただきながら資料の2でございますが、論点例といたしましては、経済状況の悪化、所得格差の増大等が指摘される中でセーフティネットとしての教育の役割をどのようにとらえて、どの程度の水準を求められるか。教育の公的性格を踏まえて教育費用は誰がどのように負担するべきなのか。また各学校段階など学習機会ごとに上記の考え方は異なるのかといったことを論点例として挙げています。ここの学びのセーフティネットの構築につきましては、太字のところで書いておりますが、こぼれ落ちた人を救うということだけではなくて、積極的な意味でのセーフティネットということで、誰もが個性、能力、ライフステージ等に応じて未来への先行投資としての教育にアクセスするための環境を整備するといった学習機会の確保、施設整備について含まれると整理をしております。
 それから、すいません、先ほどの別紙の3の後ろに参考として資料をおつけしておるのですけれども、教育の費用負担ということで、これも申し上げるまでもございませんが、今ほどのセーフティネットに係る御議論いただく際の資料として、教育には私的効果と公的効果があって、私的効果と公的効果の具体的な例はそこに記述をしてありますとおりでございますが、それぞれのバランスをどのように考えていくのかも念頭に置きながら御議論いただければと思います。
 そして最後でございますが、「絆づくりとコミュニティの再構築」ということで、これにつきましては、参考資料としては別紙の4でございます。基本的な考え方に記述しております六つの点でございますが、別紙の4の一番上でございます。一人一人の社会を生き抜く力を育む。教職員、保護者、地域住民がともに成長していく。地域のネットワークの形成。地域コミュニティの基礎力が高まっていく。地域において多様な人々の交わりがイノベーションを生んでいくとか、人々の支えがセーフティネットにもなるといったことを記述しております。
 特に主として学校教育といったところに書いておりますが、これまでコミュニティスクールですとか、学校支援地域本部等々について施策を講じてきておりますが、特にこれからはその下の地域とともにある学校づくりの推進ということで、子供を中心に据えた学校と地域の連携が大人たちの学びの拠点を創造していく。地域の絆を高めて、地域の力を学校にということをまたさらに進めて、地域づくりの担い手を学校現場として育てていくといったことです。それから学校が地域の課題を解決するための協働の場となることで、地域づくりの核となるといった考え方をお示しをしております。
 地域コミュニティのイメージ図につきましては、その下に記述をしてあるとおりでございます。こういった資料も御参考にしていただきながら、先ほどの資料2の一番最後にございます論点例としては、人が社会をつくり、社会が人をつくるといった好循環に向けてどういう方策が考えられるのか。また価値観の多様化、異文化との共生、都市化・過疎化の中での絆づくりやそれに向けた教育上の方策はどういったものがあるのか等々について挙げさせていただいております。
 資料につきましては、以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。それでは、第1、本会の議題は四つの基本的方向性、教育の目的、目指す目的といったことですが、これについて皆さんのお考えを聞きたいと思います。論点に示されたように、まだまだこの中身自体はおそらくもっと詰めていかなければならないということですが、基本的な方向性についていかがでしょうか。ご意見のある方、いつものとおりネームプレートを立てていただければ指名しやすいということでよろしくお願いします。
 では篠原さん、お願いします。

【篠原委員】

 資料をざっと見ますと、学校と地域とか、あるいは社会との関わり、そういう表現がいっぱいずっと出てくるんですけれども、やはり家庭との関わりも、家庭という言葉をもう少し全体的に入れる必要があるんじゃないか。やはり学校・地域・家庭、これらの連携だと思いますので、少しそこの全体の方向付けの中で、弱くはないんでしょうけれども、方向性の中の言葉の使い方かもしれませんが、もう少し強調したらいかがかなと思います。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 では、大江委員よろしくお願いします。

【大江委員】

 現場のプレーヤーとして気になった言葉があります。「社会」という文言と「時代」という文言の使い分けの問題でありまして、例えば資料2には「変化の激しい時代の中で」という表現をしております。もう一枚の別紙1「変化の激しい社会にあって」という文言がありました。従前に比べて、割と教育制度も短期間で検討され改革していくという中で、「時代」という言葉があまりにもロングスパンなのかなという感覚も持ちます。現場のプレーヤーとしてはとらえにくい表現でございまして、できましたらこの辺を整理していただいた方が現場としては分かりやすいかなという感想を持ちました。
 以上です。

【三村部会長】

 これは、事務局としてはどういう理由で使い分けて書いたんですか。

【森友教育改革推進室長】

 すみません、厳密な意味で整理しておりませんので、御意見を踏まえてまた整理をしていきたいと思います。

【三村部会長】

 大いに結構です。 他にいかがでしょうか。
 私が一つ気になるというか、例えば「グローバル人材」というのはどういうことなのかなんてことがちょっと気になるんですが。これについて、安西さんはいかがでしょうか。

【安西副部会長】

 いきなり言われると……。ぜひそういうことも含めて議論をしていただければありがたいなと思うんですけれども、どういう人材がとか、どういう人間、生きる力とか、それぞれ多様な意見があると思います。「グローバル人材」というときに、自分の思う率直なイメージは、世界のどこでも自分の意見をはっきり自分の言葉で伝えることのできる、そういう力を持っているということが大事だと思います。もちろん昨日会長にも指摘されたんでありますが、そのために人の気持ちを理解するということが大変大事なことで、自分の言葉で語ることができることの中には、そういったいろいろな力が含まれていると思います。大事なことは、それが一つの面だとすれば、それを一体例えば大学において、どうやれば具体的に育成できるのかを具体策を持って講じないといけない時代、時代という言葉使っちゃいけないかもしれませんけれども、そういう時が来ていると思います。

【三村部会長】

 そういう意味ではもう一つ気になる、やっぱり「変化する時代」もしくは「社会」というんだけれども、さてそれはどういうことなのかということも、やはりクリアにする必要があるような気がちょっといたしますね、そういうことで。
 他に何か、どんどん御意見でも結構ですから。
 では、よろしくお願いします。岡島委員。

【岡島委員】

 2点。一つは「子供たちの体験」というところなんですが、別紙1の「豊かな人間性と健康・体力」というようなところに入っていると思うんですが、実質的にこういうところで話していると、大体別紙4の「主として社会教育」というところの「青少年の体験活動、文化・スポーツを軸とした」といったところに大体入ってくるんですけれども、学校の方でも少し考えておく必要がある。特に幼児、小学校あたり。義務教育の段階ではいろんな科目もあって大変なんだと思いますけれども、留意しておく必要があるんじゃないかな。社会教育のどこかに任しておくと、やっぱりあまり進まないというと変ですけれども、昔でいう知・徳・体の部分で、かなり学校が果たす役割は大きいんじゃないかと思うので、逆に言うと、今度は先生ですよね。先生もそういうことを一切知らない先生ばかりでは一切できないんで、何かその辺のところの手立ても考えておく必要があるんではないだろうかという点が1点です。それからもう一点、「学士力」というところなんですけれども、私も大妻女子大学で教えているんですが、大体偏差値が真ん中辺ぐらいの学校で、世の中にはそういう学校がたくさんあると思うんですが、いわゆる知的欲求に駆られてどんどん進んでいきたいという子供さんとそれからうちの子なんか、3分の1ぐらいそういう子がいるんですけれども、普通に生きていきたいみたいな、そういう子が今の大学生のうちのかなりいるんじゃないか。偏差値真ん中辺でそうなんだから、何百とある大学のうち、確かに旧帝大を中心とするような、また早慶といった名門のような学校で一生懸命やりたいという方々もいらっしゃるでしょうけれども、ここにある就職の問題もそうなんでしょうけれども、教養といいますか、大学の質が一口に「学士力」といっても様々に分化しているんじゃないだろうか。そこを直視した形での政策を考えていかなければいけないんではないかなという気がいたします。それで入れ替えができるように、こっちの学校に入って一生懸命勉強したらこっちに行けるというような、そういうつなぎの方法論ということも考えて、若い子たちの能力に合わせた形で、大学というものも1本の「学士力」というだけではいかないような気がしております。以上です。

【三村部会長】

 そのとおりですね。ありがとうございました。
 では小川委員。

【小川副部会長】

 あまり自分が分かってないので、ある意味では自分の恥をさらすような話ですけれども、別紙1の今回の振興基本計画で一番重要なのは、やはりこれからの社会にあって必要な資質・能力は何かというところで、「キー・コンピテンシー」から始まって、様々な学力・能力観が記載されている箇所に関係することですけれども、自分はある程度分かっているつもりだったんですが、こういうふうに並べられると、例えば「キー・コンピテンシー」と「PISA型学力」とか、ないしは新教育課程の基礎・基本・活用・探求を含めた「生きる力」とか「学士力」とかというものがそれぞれどういう関係にあるのか。ないしはそういう「キー・コンピテンシー」とか「PISA型学力」という問題は義務教育レベル、高校、大学といういろんな学校段階間で考えた場合、どのような課題があるのかとか、そういった整理はここでは形としては整理されているんですが、そういう学力とか能力の中身を踏まえた連関性について、もう少し分かりやすく説明された方がいいのかなと一つこれを見て考えました。
  二つ目は、一応例えばOECDなんかを中心として、こういう「キー・コンピテンシー」とか「PISA型学力」と言われてきているんですけれども、明らかにこうした新しい能力とか学力観のとらえ方というのは、従来の学校教育で授けてきた知識・技能が社会に出て、そして仕事の上でそういうふうなもの、つまり社会とか仕事の上での成功にどうも直接つながらない。どうもこれまでやってきた学校教育の中身と社会や仕事上の成功で必要な能力は違うんじゃないかということが非常に意識化されて、そこでそうした社会や仕事での成功した方々の能力をいろいろ検証してみると、「キー・コンピテンシー」と言われているような様々な能力が浮き上がってきた。そういういろんなプロセスの中で「キー・コンピテンシー」というような新しい能力観が主張されてきましたし、そういう「キー・コンピテンシー」の中での能力のうち、いわゆる測定可能なものということで、例えば「PISA型の学力」が提唱されてきているわけです。
 ですから、従来の日本においては学力とか能力はどちらかというと評価・測定については極めて抑制的で、そうした学力・能力観というのは、どちらかというと人々が持っている潜在的な能力というところで見られがちだったんですけれども、明らかに「キー・コンピテンシー」とか「PISA型学力」への能力・学力観の転換というのは、従来のような潜在的な能力よりもむしろ個々人が様々な場面で顕在化させる能力とか学力観を示すようになってきますし、具体的に何々ができるという具体的な能力観というか、そういう点では極めて具体的な能力の達成水準とか、学力水準ということを明示できるような能力・学力観に変わってきているんじゃないかなと。
 ですから、こういう「キー・コンピテンシー」とか新しい学力を重要だということで主張する際には、そうした能力観の変化とともにそれに対応した教育システム、つまり評価や達成等々を各学校段階できちんとチェックしていくという仕組みもそれに対応して見直されていかないと、なかなかこうした新しい学力とか能力の転換にふさわしい教育の実績がつくっていけないのではないかと思っています。
 そういう点でそういう新しい学力とか能力観のとらえ直しに対応して、確かに別紙2の「教育の質の保証・向上を図る取組」のところでは、例えば一番下に「各学校段階間の連携・接続」ということで、入学者選抜等々を含めた幾つかのそうした仕組みづくりに関係する課題が書かれているんですけれども、まだ一般的な指摘にとどまっているのかなと。新しい学力・能力観への転換とか、とらえ方を重視するのであれば、そうした新しい学力・能力観に対応して、評価・達成等々に関係する仕組みづくりを各学校段階間できちんと課題化し整理していく必要があるのではないか。

【三村部会長】

 ありがとうございました。論点に書いてある「変化の激しい時代を生き抜く力はどのようなものなのか」ということをもう少し議論を深めたほうがいいという基本的にはそういう御意見。ありがとうございました。
 次に衞藤委員お願いします。

【衞藤委員】

 資料2の「四つの基本的方向性とその論点例」を改めて眺めてみますと、知・徳・体ということが目配りをしながら、やっぱり知育のほうにやや関心が行っているという印象がありまして、私、スポーツ・青少年分科会に属しておりますので、例えば「社会を生き抜く力の養成」の中では、すべての人々がスポーツに親しむ機会を持つようにするという論点であるとか、それから二番目の「未来への飛躍を支える人材の養成」という中で、「知識基盤社会」というのがいきなり出てきておりますけれども、こういう中で例えば最近で言えば、なでしこジャパンの活躍のようなことに見られますように、国際的なレベルでの競技力であるとか、スポーツ選手の育成というようなことにもここでやっぱり考えておく必要があるのかないのか、そういったこともまた論議の俎上の中では検討していただきたいと思っております。以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次、田村委員よろしくお願いします。

【田村委員】

 ありがとうございます。2点申し上げたいんですが、一つは先ほど小川先生が指摘された中で、例えば「グローバル人材」という観点から考えても変えた方が本当にいいと思うのは、日本の教育というのは基本的に減点主義なんですね。ですからこれを加点主義という形に切り替えていけないだろうか。これは評価と直接関わるんですけれども、ここが悪いぞ、ここが悪いぞというのは教育ではなくて、実はお前にはこんないいところがあるんだというのを見つけて伝えていくような仕組みが教育の中に入ってこないか。これ、一つ今のPISAを入れるとすればそういうことであり、きめ細かく考える必要があるというのが私も同じ意見なので、小川先生のお話に加えて申し上げさせていただきます。
 それからもう一つなんですが、これは人類の歴史の中で地球上で大きな事件が起きると時代が変わる、社会が変わるというのが現実に今まで我々が経験してきて、歴史の中でも分かるわけですね。今回、この時期に基本計画を出すというところで、そういった変化を感じさせるようなことを述べる必要があるのではないか。つまり、明らかに今、時代が東日本大震災を受けて変わろうとしている。まず来るのは、おそらくこんな悲惨な大震災が何で人間に来るのかということに対する疑問ですよね。
 ヨーロッパだったら、これは神様とつながって、神っていうのは本当にいるのかみたいな議論になるんですけれども、日本はそれがないですからどういうふうになっているかというと、どうして生きていいか分からないというか、投げやりな生き方になってくる危険があるんですね。確かに自然の大災害というのは、これは見通せないことが確かなんですから、これについて予言もできない。今の人間の社会、科学では、人間のサイエンスの能力では予言もできない。これがはっきりしたわけです。そうするとどうやって生きていったらいいのかということについての提言みたいなことを振興基本計画の中で出せないものだろうかという気がするんです。
 私は二つあるのかなと思って、一つは人間と人間の関係です。これを大切にする。例えばボランティアという形で若者が自然に発揮しているんですけれども、いろんな災害があっても、結局は人間がお互いを信じて、人間同士のよさを確認してお互いが協力して生きていくんだということが基本にあって、それがとても大事なんだということをはっきり打ち出しておく。これはいろんな言い方をする人がいますが、ある学者は与贈関係とかいう言い方をします。寄贈関係とか。要するにお互いがやりとりすることで生きる喜びを感じながら自暴自棄に入らないで人間の力を信じて生きていくというような社会がつくれる基本という、これが一つ。
 それからもう一つは、これは今回やはり触れたほうがいいと思うのは、自然と人間の関係というのをもう一回見直す必要があるんじゃないか。今まではちょっとその辺が安易だったという気がします。つまり、学問的に言えばいわばリスク管理に入るんだと思いますけれども、予想できないリスクがあるんだということです。それは想定外という言い方を言っていますけれども、これはリスク管理の学問的分析でいけば、つまり、確率分布で計算できない危険があるということです。だから保険の対象にならない。しかし、そういうものが現実にあるんだと。これが基本の考え方としてきちっと教育のいろんな場で伝えていくことも大事ではないかと。
 だから要は若者がこの先何を頼りにして生きていくかという、生きる指針みたいなものが伝えられないかなと。それでいろんなやり方があると思いますけれども、例えばもうちょっと真剣に小さいうちから市民教育と言われるような教育をちゃんとやっていくという。市民というのは私たちがつくった人類社会ではこれがいいんだと思っている考え方ですから。つまり、自分の責任で自分が決めて、それに従って自分が生きるという人間中心の考え方です。それに信頼を置く生き方という市民教育みたいなことをこれは諸外国ではやられていますので、日本でもきちんとやったほうがいい、やるべきだという気がします。篠原先生が政治教育の話をされましたけれども……。

【篠原委員】

 主権者教育。

【田村委員】

 主権者教育ですね、それは一種の市民教育ですね。これが人間に対する信頼みたいなものにつながってくるんじゃないかという気がしまして、そういう部分もこの四つの目標の中に皆ちりばめられるんですね。そういう方法で整理していく考え方はどうなんだろうかと考えましたので申し上げました。ありがとうございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。後者の分野はここで言えば四番目のことなんでしょうか。絆づくりと。ここのところをさらに協議する。特に我々経験したことによって、この重要性を再度というのは、そういう整理の仕方なんでしょうかね。
 それから減点主義から加点主義って話は、これはもう全般を通す話でして、僕なんか大賛成なんですけれども、これをどう扱うのか。ありがとうございました。
 では、白波瀬委員よろしくお願いします。

【白波瀬委員】

 ありがとうございます。大きく3点ほどあります。まず資料2の「社会を生き抜く力の養成」というところからなんですけれども、そもそも論で何が「グローバル人材」かということともお話がつながるんですけれども、「生き抜く」という言葉が結構出ているんですけれども、この「生き抜く」といったときの落としどころを最低どこに置いているのかというのは、どこかの時点で共有しても、少なくとも私は共有させていただいてもいいかなと。要するにここの段階での落としどころというのは、自らの命を粗末にしないというところにまで行くのか、もう少し上のところに、何が上で下か分からないですけれども、行くのかというのは、やはり何をもって「生き抜く」としていて、その目標値を逆から考えたときの四つの視点なり論点をどう構築していくかが少し見えづらいと感じました。
 そういう意味で、「多様化」という言葉もあるんですけれども、何をもって自立するかというお話も出てくると思います。もっと言うと、出てはいるんですけれども、言葉で「多様な学習機会」とか。ただうまく、ある一つの自立したステージの最初から行ける子と行けない子と、そういう意味では再チャレンジというか、何回かトライアルしてやってみましょうというような文言はもしかしたらもう少し積極的に入れてもいいんじゃないか。ただ、これは自己否定にもなるかもしれないんですけれども、やはりここで何でもありよというのを出すのか、ただ教育としてはベースラインのところはかなりがっちりと組み込む。その上での「多様性」を議論しているんだという、そこのめり張りがもう少しあったほうが、様々な指針なりというのも読みやすくなるのではないかと感じました。
  2点目はそれと関係しているんですけれども、やはり教育の位置付けということが今、家庭ということもあるんじゃないかというお話もあったんですけれども、いわゆる労働市場とか教育とか、それが一応別紙では私的なものと公的なものという形にはあるんですけれども、もう少しアクターとしての位置付けを組み直してもらえると、どこの部分の教育の位置付けのところの議論をしているかも分かりやすくなるかもしれないと感じました。
 それから細かな点になるんですけれども、三つ目の「社会参加」というところで「社会参加・自立に必要な知識・能力」という書き方が結構されているんですけれども、社会参加するには必要な知識・能力をまず獲得するということが期待されているのかどうかというのも、やはり社会参加とかで教育との位置付けももう少し提示していただいた方が、現実的には同時進行的だとは思うんですけれども、というふうに思います。
 それで最後なんですけれども、今リスク管理、想定外という議論が出たんですけれども、小川先生からも評価については弱いと。ただ、多分今回の震災もそうなんですけれども、いかに臨機応変に対応していくかという能力が必要になってくるかということだと思うんです。もっと言うと、その能力というのは、ますます測りにくくなっている側面があるのではないか、逆説的には。ただ、その測りにくく、評価しにくくなっている能力を底上げ的につくろうとしたときに、じゃあどういうシステムが必要なのかというのは、やはり時代に即した新しいメッセージという観点からもどこかで入れ込むというか、議論していただけるとありがたいなと思います。以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は國井委員よろしくお願いします。

【國井委員】

 ありがとうございます。既に田村委員とそれから白波瀬委員からお話が出ているんですけれども、一つは加点主義の話を私もしようと思っておりました。第4期の科学技術基本計画は科学と技術とイノベーションという、イノベーションを非常に強調されているんですけれども、そのイノベーションにはやはり加点主義でいろいろ失敗してもトライすることが極めて重要で、そこのところはやはり日本がなかなかチャレンジしない一番の問題だと思いますので、ぜひこの評価のやり方を加点主義、それから多様な評価が重要かと思います。
 もう一つは多様性の問題なんですけれども、白波瀬委員からもお話がありましたけれども、一つ個人の話から多様性、人の多様性をどう広げていくかというところで、発達障害のお子さんや引きこもりだとか性同一障害だと、こういう人に対して、やはり日本は多様性が非常になくて、悪循環でいじめが更にひどくなって自殺者も多いという流れがあるんじゃないかと思います。
 先日お話を聞いたら、いじめの数は少し微減であるということは聞きましたけれども、依然としてやはり人の個性を尊重して、いろんな多様な人がいるという、そこを認めて教育していくところはきめ細かくいろいろやらなければいけないので、先生方の時間等々も非常に要ると思うんですけれども、ここはやはり日本がグローバルに発展していくためにも個性を尊重していく教育の流れがやはり重要かと思います。
 この「四つの基本的方向性」の中で多様な個性を生かしていくというのをどこで拾っていくのか。「絆づくりとコミュニティの再構築」とか、いろいろなところに入るとは思うんですけれども、人を中心にして、その切り口で見ると、何か見えにくくなっているかと思うんです。いろんな人がいて、いろんな貢献の仕方があると思いますし、産業界はグローバルなリーダーシップを発揮した人材が欲しいというのはもちろんあるんですけれども、そういう人たちだけではなく、社会のいろんな人たちをいきいきと生活していただけるような教育が必要だと思いますので、それに関して人という切り口で見るとちょっと弱いところがあるかと思います。以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 板東さん、何かありますか。

【板東生涯学習政策局長】

 先ほど別紙1でいろんな力が掲げられておりまして、分かりにくいというお話もございましたので、私自身もあまりうまい説明ができるかどうか分かりませんけれども、全体の共通項とか違うところとか、構造的なところを少し理解しているところをお話し申し上げさせていただければと思っております。
 時系列ではいろんなものがございますけれども、例えば「生きる力」という概念は平成8年の中教審の答申で出されたわけでございますが、やはりこの前提としては、これから21世紀というのは非常に大きく変化をして、先が見えない時代になってくる。そういう時代、先ほどから時代という言葉がありましたので、軽々に時代という言葉を使ってはいけないかもしれませんけれども、その21世紀社会を生きるということを考えていったときに、どんなに社会が変化しようと、自分で考え、行動できる。そしていろんな人たちと関わっていけるようなあり方、力をつけていくということがこれからの子供たちにとって必要なのではないかということで「生きる力」というのは出されているわけでございまして、その大きな変化の時代をどう生きていくのかところが念頭にあったかと思います。
 同じように「キー・コンピテンシー」のような国際的な議論もOECDで、これは「生きる力」が出された後に出てきている話ではございますけれども、やはりグローバリゼーションといったような非常に大きな変化、それから高度な情報化の進展の中で、先ほどちょっと出てまいりました「知識基盤社会」といったことに非常に進展をしていく。そういうグローバルで変化の激しい時代の中でどういう力を身につけていけば、先ほど小川先生からも御指摘がございましたように、人生にとっても、それから社会にとっても必要な生きていく力が見つけられることができるかという観点から議論されたものということでございますけれども、特にこの中では知識とか表面的な技能・技術というよりも、むしろいろいろなものの根源になり、態度や意欲などとも結びついていく総合的な力、そして教科などで見ると横断的な力をどう考えていくのか。
 それから学校だけではなく、子供から大人、生涯学習という視点を通してどういう力が重要になってくるのかという観点から整理をされたものでありますけれども、特に今申し上げましたように、グローバル化社会というのは非常に強く認識をしていて、特にこのOECDの場合はEUの関係諸国が中心にかなりなっているわけでありますけれども、特にEUの中の動きとか、あるいはそれらの国々においても移民などが非常に出てきて国際的な環境多様化が一層進んでいく中で、異質性を持つ集団の中でどう人間関係、社会をつくっていくことができるかという観点が非常に強く出ているのではないかと思います。
 我が国の場合には、やはり同じようなことを自立の力とそれから人間関係、社会環境をつくっていく力ということでは、これらのいろいろな書いてある力というのは、結局はそういう大きな二つの柱のところの結合、組合せであるかと思うんですけれども、先ほどの御議論の中から出ております「多様性」とか、そういった観点のところは、どちらかと言えば、ちょっと我が国の議論の中ではスタートは少なくとも弱かった部分はあるのかなと。しかし、前回でもいろいろ御議論いただきましたように、これからの社会の変化ということで考えたときに、グローバルな意味でのいろいろな進展もございますし、それから先ほどから御指摘のように、まさにいろいろな多様な資質・能力・バックグラウンドを持った人たちというのは、我が国の社会、教育の場においても生きている。そういうことを踏まえての「力のあり方」ということを改めて考えていかなくてはいけないのかという状況になっているかと思います。
 いずれにしろ、イノベーションとか、そのあたりについては全体を支える能力なのかどうかというご議論はまたいただくことにいたしまして、その下の「人間力」とか「社会人基礎力」なども含めまして、先ほどから申し上げておりますように、自分で考え行動できる、自立の力とそれから多様な人と関わり、そして社会を主体的に形成していくことのできる力というところがいずれの力の説明の中からも浮かび上がってくることではないかと、ちょっと大ざっぱな整理の仕方でございますけれども、そういうことかと思います。
 それから先ほど「測定」ということで申しますと、「キー・コンピテンシー」も全部測れるということではございませんけれども、その一部の測り得る能力、特に知識などを活用していくことのできる力のところは、PISAなどでこれと連動した形で測定をされてきている。PISAとかPIAACという大人の力を見ていこうというのも始まっておりますけれども、そういうことかと思っております。すみません。

【三村部会長】

 ありがとうございました。いずれにしても、やはりいろんな考え方があるんですけれども、共通定義をちょっとやった方がいいという気がいたします。「生きる力」という中身自体を。そのような気がいたします。
 次、丸山委員よろしくお願いします。

【丸山委員】

 今の議論にも関連しますが、この論点例を眺めていて、こういう視点が欲しいとか、こういうキーワードみたいなものが欲しいと思ったのが2点あります。一つは今の「生きる力」とも関係しますけれども、「命の教育」というような言葉はいかがかと思いました。白波瀬委員から「生き抜く」という言葉の落としどころを共有したいという御発言がありましたけれども、平成8年の中教審答申にある「生きる力」という言葉が今回、一歩進んだ形で「生き抜く力」と変わったその原因は何なのかなということを考えますと、社会の劇的な変化はもちろんあるでしょうけれども、田村委員がおっしゃったように、大震災でたくさんの子どもが亡くなられたというようなこと、あるいは子どもの自殺が減らないとか、子ども同士の傷害事件なども依然あるということで、一人一人が命を大事にするという根源的な考え方が薄れているのではないか、そういう危機感があるのではないかと考えます。
 したがって、仮にですけれども「命の教育」というようなテーマで防災教育とか、家族や友人との関係、社会の人たちとの関わりとか、道徳心とか、さらには自然との共有・共生とか、そういったものを横断的に切り取るような項目があってもいいのではないかと感じた次第です。
 もう一つは、人材養成に関して、「夢をあきらめない」というような視点、考え方を表す言葉です。衞藤委員からなでしこジャパンの例がありましたけれども、やはり夢を持って、夢を持ち続けて、夢に近づく努力をし続けるということはそれ自体大事なことですし、その夢にたどり着いたときの達成感も非常に大きいわけです。ここにいろいろ書かれている論点例を見ますと、要するに大人あるいは社会が子供をそういう優秀な人材として養成するという視点が多いんですけれども、逆にその子供が早いうちに夢を持って、大志を抱いて、それをあきらめずに実現していくという環境醸成という視点がいま一つ足りないのではないかと思います。
 文部科学省が実施している全国学力テストに伴う昨年の質問紙調査で、「将来の夢や目標を持っていますか」との問いに「はい」と答えた小学校6年生は70パーセントでした。しかし、中学3年生は44パーセント。その中学3年生が3年前、小学6年生だった時には67パーセントが「はい」と答えていた。つまり3年たったら夢をなくしてしまう子どもが23パーセントもいるということです。中学校の3年間で現実の厳しさが分かるということもあるのでしょうが、その時点で夢をなくして、ずっとエアポケットのような状態で高校を卒業し、あるいは大学を卒業した段階で就職試験を受けなければならない。この就職難の中でとにかく安定性だけを求めて大手を受けるとか、あるいは自分のやりがいが分からずに就職してしまって、早く離職するというミスマッチが起きているのではないかと考えます。
 キャリア教育とも絡みますが、学びのセーフティネットなどとも絡めて考えてみてはいかがでしょうかということを2点、申し上げさせていただきました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 相川委員よろしくお願いします。

【相川委員】

 保護者の立場から、この「生き抜く力」というのはなかなか像が見えてこない。これからいくと、知識・能力、高学歴になれば「生き抜く力」がつくのかと。保護者の方はどうもそういう傾向があって、今の塾が盛んだというのはそこに保護者の意思があると思うんです。今男子ですけれども、草食系男子という言葉が言われているくらい、「生きる力」という意味では何となく弱い気がします。私は人に生き方で頼られるものを何か見つけられるような具体的なものを示していく必要があるんではないかと思う。私はこの「生きる力」の教育を進めてきて、今、心を病む人たちが増えているというのは、やはり何か気付かない問題があるのではないか。これは学力・知識だけの問題ではないんじゃないか。この「生きる力」というのはもうちょっと総合的に考えていく必要があるのではないかと思うんです。それは本人が自信を持って生き抜く。いろんなことで自分がチャレンジをする。さっきの夢を失うというのはどこかで自信をなくすんです。それは知識とは別の能力をもうちょっと身に付けさせる広い意味で、この「生き抜く力」というのを考えてほしいなと思っています。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 竹原委員よろしくお願いします。

【竹原委員】

 先ほどの田村委員の市民教育の話でその中で小学校から大学まで学ぶステージによって市民教育のありようは違うと思っています。様々なところに「協働」と書いてありますが、それをもう少し具体的にどういう手立てでやるかということを今回考えていかないといけないと考えています。教育現場では今までも「生きる力」や体験が必要であるということが言われ、カリキュラムの中で先生方はいろいろやっていらっしゃるんですけれども、活動したことが社会につながり、子どもの生きる力になるという循環を見えるようにしていかないと、またやらなければいけないカリキュラムの一つとして降ってわいたようになるような気がします。
 私たちのところでは生徒手帳にボランティア歴を書くページを作っただけでボランティアをする生徒が増えました。それはある程度強制的ではありますが、その体験が次につながり、18歳、20歳を過ぎたときに協働する市民になっていく一歩になれば、効果があるのではないかと思います。絆づくりの協働の担い手になるのは、突然なるわけでもなく、能力が高い人がなるわけでもなく、成長の過程で様々な活動をした人たちが多いということが言われています。初等教育から高等教育まで市民教育の具体的な展開を望みます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 安西委員。

【安西副部会長】

 グローバルということについて一言更に申し上げておきたいと思います。やっぱり出ていないと思われるのは、これから日本はもっと厳しい環境、厳しい時代になるということを共有しないといけないんじゃないかということであります。それはどういうことかといいますと、以前よりもはるかに多くの普通の人たちが厳しさに直面するということです。これは隣に誰がいるか分からないということとか、それから経済がもう流動化しているということとか、いろんなことを含めてやはり普通に暮らしている人が非常に厳しい時代に直面するということを我々は頭の上というよりは、ちゃんとおなかで体でとらえなければいけないんじゃないかということであります。そのことを念頭に置きますと、先ほどから言われておりますセーフティネットとか絆、地域の問題、家庭といったことは、むしろ逆にしっかり本当にサポートしていかなきゃいけないという考え方に当然なっていくわけで、それはすごく大事だと思います。
 それからその一方でグローバルな社会をむしろ世界のいわゆるトップレベルの人たちと渡り合ってやっていくような人たちも養成していかなきゃいけない。それは先般、テレビ番組で東京と上海とハーバード、ボストンをつなぐサンデルさんの三元中継をやっていて、御覧になった方もおられるかもしれませんけれども、東京はいわゆるトップレベルと言われている大学生10人ぐらい。それからボストンはハーバードの学生が10人ぐらい。それから上海は復旦大学の学生が10人ぐらい。それから日本の大人が三人。そういう構成でサンデルさんがいろいろ質問をして答える。その質問は「日本の東北の震災の費用負担を誰が持つべきか」という質問とそれから「日本のこれからのエネルギー政策をどうしていくべきか」という、この二つだったんです。これに対して答えはいろいろあるとは思うんですけれども、そういうレベルの学生がぴしっと自分の考え方でいろんなことを考えた上こうではないか、こうだ、自分はこう考えるということをはっきり言えるかどうか。それもいろんなことを配慮した上で言えるかどうかということは、それぞれの国のいわゆるトップレベルのリーダーシップをとっていく若い人たちにとって非常に重要な素養だと思います。そのことを見ていて、テレビ番組は私が見ていてやっぱりアメリカと中国の学生の方が、人によりますけれども、総論的にはそういうところはぴしっとしているんじゃないかと思いました。
 今大学関係でこの中教審では「機能別分化」と、あるいは「ミッションの明確化」と言いまして、日本の大学は短大まで入れると1,000余りありますけれども、やはり大学を十把一からげに議論はできない。やはりいろんなミッションがあるわけで、今申し上げたようなことをやっぱり厳しい時代になるんだということを念頭に置いた上で、その上で絆、そういう意味でのサポート、それから世界と本当にコミュニケーションを持っていくための教育、いろんなことを多様に積み込んでいくべきじゃないかと思っております。以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は岡島委員よろしくお願いします。

【岡島委員】

 すいません、2回目ですので手短にお話しいたします。4月の総会のときに、東北の地震でもうみんな何もなくなってしまったところで新たに学校をつくっていくという作業が始まるという話の中で、東北から21世紀をリードするような教育をやったらどうだろうという声が幾つか出たと思うんですが、そういう意味で、この別紙4の「絆づくりとコミュニティの再構築」というのは、そういうことを受けた一つの発想ではないかと私は勝手に思ったんですけれども、この辺のところをこれは今やっていることとこれからのことが全部入っているんですけれども、シェイプアップしていくと、やはり一般の人々にもよく分かる話になって、この震災を考えて、具体的には例えば東北からどんどん進めていくというやり方もあろうかと思いますので、この辺のところはぜひ私としてはしっかりとやっていったらいかがかと思います。
 もう一点ですが、ある自動車メーカーの幹部の方から聞いたんですけれども、今世界のトップのところで研究している、エンジンつくったり何かしている非常に優秀な人は、高専出身だと言うんですよ。これは高専から大学に入り直して3年生のときに入って、それから博士まで行くような方が今引っ張っているんだという話を聞いたんですけれども、なぜかと聞いたら受験勉強してないからだと。好きなことをやって伸びてきたんだと。これが今うちの会社を支えているんだという言い方をされていましたけれども、受験は受験でいいと思うんですけれども、受験以外のいろんな道をつくっていくということも、表面的には出てこないんですけれども、親とかいろんなところの一番欲求の強いところですので、その辺の道筋を少しいろいろ考えておく必要があるんじゃないかと感じております。以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 篠原委員。

【篠原委員】

 私も2回目なので手短に。先ほど田村先生、あるいは竹原委員から市民教育の話が出て、安西さんからマイケル・サンデル教授の話がありましたけれども、やはりそういう社会との関わりというものを特に私は幼児、初等教育の段階でどういうふうに意識を育んでいくかと。そういう意味で私、前から主権者教育をもっと強めるべきだということで、欧米では当たり前に小さいころから行われている教育ですよね。それが日本では何となしにタブー視されてきたところがございまして、中国は中国でものすごい国家が力を入れている。こういう中で自立した個人を養っていくには、どうしてもそういう社会との関わりについて自分がきちんとした意見を持っていく。この教育をもっとこの流れの中で強めていく必要があると思います。
 それからこれ人間力のさっき話が出ていたんですけれども、平成15年の人間力戦略研究会、内閣府でつくってやられたということですけれども、ここももう一遍きちんと洗っていく必要があると思うんです。一方でグローバル化、グローバル人材をつくるためにIT教育を早い段階からやった方がいいんじゃないかという流れです。それから英語教育もどんどんやろうじゃないかと。しかし一方で、じゃあ日本という国あるいは国語力をどうつけるのか、日本という国をどう教えていくのか、社会規範をどう身につけさせていくのかという問題。例えばパソコンだけじゃなくて、子どもに携帯電話を持たせることの問題とか、相川さんのところでも随分いろいろご協力いただいているんですけれども、そういうようなものがいろいろぶつかり合ってきているんです、今。それで読書力をどういうふうに高めるかとか。そういうところを少しもう一遍全体の中で特に初等教育の段階、幼児教育の段階で人間力形成というのは、僕はその段階から始まってくると思うので、どう高めていったらいいかというのはもう一遍全体を洗ってやらないと、単に頭でっかちの人材ばっかりつくっても僕はしようがないんじゃないかと思っております。
 それからあともう1点、私学の問題なんですけれども、これも前にも申し上げたかもしれませんが、私学というのは、私学助成すればいいという話でもないし、学校の耐震化も私学にやってもらうんで補助を出しますとそれだけで済む話ではなくて、やはり今度の大震災を見て、公立のお母さんたち、保護者の人たちはお仕事を持っている方が結構いらっしゃって、子どもを引取りに行けないとか、家に帰らしても一人でずっと置いておいて寂しい思いをさせたという声をいろいろ聞くわけですけれども、一方私学の場合は結構専業主婦の方が今多いです。だけれども、その方々も結局電車で通っていますから、私学は、遠いところ。電車は止まるは、道路は混んでいる、大体迎えに行けないんですよね。それでそのときに泊め置きをどうする、学校にするのかとか、そういうのは私学の単に独自性だ、私学で考えてくださいというのではなくて、もう少し行政としても入っていっていいんじゃないかという感じを強くしておりまして、私は今回の東日本大震災というのは、いろいろな面を浮き彫りにしたと思います。
 先ほど言った市民教育、主権者教育の重要性、それから思いやりとか助け合うという人間力というものを身につけさせ、僕はそういう面では、いいと言ったら被災者の方に申し訳ありませんけれども、災い転じて何とかじゃありませんけれども、これを一つのきっかけにして、今までややもすれば少しお題目で流れていた部分に実質化させていくということをぜひこの部会を通じてやりたいと思っております。以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 安倍委員よろしくお願いします。

【安倍委員】

 3点お願いしたいと思います。既にいろいろな委員の方から出された意見と重なるわけですが、一つは、前回も申し上げましたけれども、東日本大震災によって学んだことを今回のこの計画の中に全体を覆うようなトーンで盛り込むことができないか。先ほどの四つ目の「絆づくりとコミュニティの再構築」という所と一番関連が深いわけですけれども、全体にその考え方をちりばめるというか、そのネットで覆うことが必要なのではないかというのが1点目です。
 それから2点目は、先ほど「多様化・多様性」という話が出ました。いろいろな力が学校教育でも求められているわけですけれども、これらを全ての子どもたちに身につけさせるのは、私はなかなか厳しいかなと思いますし、子どもたちがこれらの計画を読んだときにどちらかというと疲れてしまって、こんなにいろいろなものを身につけていかなければいけないのかということが心配です。前回「元気の出る総合計画」という御発言もありましたが、気持ちがなえてしまうような計画になってもいけないかなと思います。そういう意味では、今、身につけられなくても、長い人生の中で身につけていくとか、あるいは自分に身につけていないところは人の力を借りるなど、お互い補完し合いながら生きていくというような、至らなさを自覚する中で、自分はどう生きていくのかというように、フル装備で全てのものを備えているという生き方でないところで、子どもたちが生きていくことが望ましいという感じがします。そういう意味では力の優先順位みたいなものを、もう一度議論する必要もあるのかなと思います。中でも、人のために汗を流すとか、人の立場に立って考えるということがやはり優先順位の上になるのかという感じもしています。
 最後三つ目は、学校教育の果たす役割ということです。今回も資料の4に図が出ているわけですけれども、現在、かなり学校には、スクールソーシャルワーカーとか、あるいはいろいろな方が、スクールカウンセラーとか、あるいは最近では高校にも就職支援コーディネーターという方が緊急雇用でも入っておりまして、非常に高等学校にとってはありがたいという声も聞いております。そういう意味では、もっともっと学校がいわゆる校長、教員、事務職員という構成だけではなくて、様々な方を取り入れたらいかがかと思います。人が社会をつくる、社会が人をつくるという論点例がありましたけれども、学校が人をつくるというか、学校イコール社会というとらえ方で学校に様々な方を取り入れ、その中で子どもたちの育ちを支えていくこと、また、そういう取組に協力していくという方向性も必要なのではないかと思っております。以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。今のは全体を通した御意見だったと思います。全ての人間に最高のものを全部というのは、ちょっと難しいことは間違いないわけで、さてその辺をどうするかという共通な課題だと思っております。
 ありがとうございました。今日は全員の方に御発言いただきました。それでは、ただ全体の基本的な方向性として、この四つについて例えばこれ以上新たにとかいう意見はなかったような気がします。いろんな意見をさてこの中にどうちりばめたらいいのか、優先順位をどうするのか。例えば「生き抜く力」というのはどういう具体的な中身なのか。それから今お話ありましたように、さてそれを全員に要求するのか、それともどうなのか。あるいはグローバルということが新しい時代の変化の中でますます重要になってきたわけですけれども、さてそれをどういう形で取り入れるのか。あるいは「絆づくりとコミュニティ」、これはこの観点だけではなくて、いろんな観点でこれが重要になってきたという認識も披露されたと思っております。今日の御議論を踏まえて再整理した上で、全体としてはこういう基本方向で行くことは御了承いただいたような気がいたします。もちろん再度ここに戻ることは一向に差し支えないと思いますから、これにて第1の議論は終了したいと思っております。
 では、次の議題についてお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 それでは次は、成果目標の関係でございます。まず成果目標につきまして、資料3でございますけれども、事務的に成果目標をどうしていくのかということを考えていく際の前提として、考え方を共有できればということで御用意させていただいた資料でございます。
 まず1枚めくっていただきます。1ページ目でございますが、成果目標の設定の意義ということにつきまして、これもくどいようで恐縮でございますが、国が行う教育政策の意義・ねらいを国民一般、教育関係者等に分かりやすく伝えて共有していくということがまずあります。また検証改善サイクル、きちっと成果をつくって、それが達成できているかどうかを測定していけるようにすることによって、こういったサイクルを効果的に行っていけるようにするということでございます。
 その下の成果目標の考え方でございますが、大まかに分けますと、「機会の確保」、「教育の成果」、「社会への波及」などについての基本を設定することが考えられるのではないかということでございまして、期間につきましては2ページの上でございますが、現行の計画で施策の実施期間でございますが、5年間としておりまして、その期間を見通して目指す成果目標を設定すべきかとしております。
 それから下でございますが、基本計画の成果目標については、国と地方がそれぞれの役割分担をした上でそれぞれの政策によって実現されることを確認的に書かせていただいております。
 それから3ページ目、次のページでございますけれども、ここは現行の計画における目標の例を記述させていただいております。さらに右の、これもある意味ちょっと事務的でございますが、検討の手順として書いております。政策ごとの成果目標を定めた上で、当該目標を実現するためのアウトプット・実施計画を整理することでよいかとしております。ただ、施策それぞれを見たときに、必ずしもこの三つがきれいに分かれるものが多いかどうかというのは非常に難しいところでございます。例えば耐震化という施策について見ていきますと、耐震化自体を増やすことによって、それ自体がもうアウトカムになっていくとも見えるわけでございまして、個々の施策を考えていく上で更に検討していかなければならないことから、大まかに言うとこういう形になるのかということで記述をさせていただいているものでございます。
 また、その下の成果目標のくくり方というところでございますけれども、そこに記述させていただいておりますが、教育政策の成果は基本的に複数の施策の実施によって出てくる。ですので、一つ一つの施策ごとに何か成果目標をつくるよりも、ある程度のまとまりを持って考えていったほうが分かりやすいのではないかということでございます。下の図はあくまでも現段階のイメージでございますが、この中をどのようにして埋めていくことができるのかといったことになるのではないかと考えております。
 それから次のページ、5ページ、6ページでございます。ここは具体的な成果目標の設定の方法という考え方を整理しているものでございます。大きく分けましてパターン1からパターン3までございます。パターンの1が数値の目標をそのままダイレクトに書くものでございます。またパターンの2は数値の目標を示さずに目標自体は定性的にしつつ、その目標が達成されているかどうかについて数値入りの測定指標を例示していく。さらにはパターン3につきましては、目標も定性的で、かつ測定指標も数値には示さずに例示をしていくということでございます。
 パターンの1につきましては、例に書いてありますとおり、○○の調査で○パーセント向上させるといったことをダイレクトに書くことが考えられますけれども、非常に分かりやすいといった反面、数値目標を定める際の根拠の説明が難しいとか、あるいは限定的な客観的な指標のみをもって、政策の成果の全てを判断することが困難であるとかといった難しい側面もございますので、こういった場合につきましては、パターン2に行きまして、例えば下の例でございますが、学校における○○を減少させていくという数値はここの目標には示さない。ただその測定指標の例として、○○の件数を○パーセント減少すると、ここで数値の測定指標を入れていくといったやり方です。これもなかなか難しいという場合でありますと、パターンの3に行きまして、学校における○○を減少させると。その測定指標も○○の調査における件数を減少させていくというようなことで、両方とも数字は出てこないんですけれども、ただ経年比較をした上で減っていっているということが確認できれば、一定の目標の達成度度合いを測ることができるではないかといったことを理屈として整理をしているものでございます。
 実際には、先ほども申し上げましたが、個々の施策またその施策のまとまりなどを考えていく上で、どういったやり方が一番国民にとって分かりやすくなるのかといった視点から考えていく必要があるのかと思っているところでございます。以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。各政策の具体的な目標については、今後計画自体の全体が進捗した段階で出てくるわけで、それがないとなかなかこの議論はできにくいと思いますけれども、そういうものをどういう形で、例えば振興基本計画に織り入れるのかという粗いイメージを今の段階では共有していただければ結構だと思っております。したがって、詳細な議論はする必要ないと思うんですが、この段階で具体的に例えば質問あるいは御意見があればどうぞお寄せいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。一番難しいのは、こういう数値化できない目標について、どういう形で進捗管理するのかという点ですよね。それからまた数値化できるものについて、数値化しないという手はないと。ここのところもはっきりするわけで、目標によって随分内容が違ってくるんではないだろうかというように思います。
 どうぞ、篠原委員。

【篠原委員】

 ちょっとお聞きしたいんですけれども、板東さん、今の基本計画ありますよね。これもこういう成果目標をつくっているわけですよね。そうすると、これが実際達成されたのか達成されなかったかという全体の評価というのは、いつ頃出てくるんですか。

【三村部会長】

 どうぞ、板東局長。

【板東生涯学習政策局長】

 何回か前の会議でも最終的な締めではございませんけれども、中間的な状況での実施進捗状況という御報告をさせていただいておりますが、その中で数値的なもののフォローアップもある程度盛り込ませていただきましたが、最終的には計画が終わるところでどう評価するかという問題にはなりますけれども、現在の計画は、先ほどの資料の中にも触れてあったかと思うんですが、あまり数値的な目標は多くないという状況で、どちらかといえば少し抽象的かなという御議論もございましたので、今後どう具体的な目標、数字にあらわせるもの、そうでないものがあろうかと思いますけれども、それを設定していくかというのがあろうかと思います。

【篠原委員】

 次の計画につなげるという意味で、現行計画のしっかりした現状、中間報告をいただいています、確かに。それで中間報告の段階で果たして掲げた目標が今どうなっているのかというところをもう少しきちんとして。単に成果目標をつくっても、この計画でもまた全体が終わったときにどうなったんだということがはっきりしないと、また次につなげていけないのではないかと。これ、現行計画の途中で見直し作業を始めるわけですよね、実際は。ここが非常に私は難しいところだと思いますね。全体が終わったところでこうだからこうしようというならいいんだけれども、進行中ですよね、今まだ。それの中で見直していこうというわけですから。その辺のこの検証の部分と新たな成果目標の部分を少しきちんと整理しておかないとどうなのかなと思います。

【三村部会長】

 分かりました。そのとおりです。前回それに基づいて総括をやっていただいたんですけれども。自分の印象では前回の基本計画に対する数値的なフォローって、それを見てもなかなか全体の概要分からないんですよね。だからそこにちょっと問題がある。言われるとおり、したがって、これの計画ができる前にはもう一度再整理が必要だと思っております。
 白波瀬委員、どうぞ。

【白波瀬委員】

 ありがとうございます。やっぱり目標というか成果を何らかの形で数値化する作業は私は必要だと思います。それがないと、結局何が達成されてされなかったのか、ただ数値が具体的に出ますと、それがひとり歩きするという危険性が非常に高いので、それをどういう形で出すか。もっと逆算しますと、結局基本計画等々いかにうまく設計をして、その設計の中でどの部分に対する一つの目安としての指標なのかということをあらかじめ明確化した上で数値結果等々を出していくことが必要なのではないかと。やっぱりゼロか百かという議論については危険ではないか。
 それと何かパターン1、2、3という形で出されたんですけれども、これがだめだったら次これ、これがだめだったらという形で、何か妥協しているような、要するに成果としての出し方として。ですからあまりそういう形での出し方ではなくて、抽象的だから数値化できないということだけでは少なくとも国民に対する説明責任としてはもしかしたら不十分かもしれないので、そこは考えどころだと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。事務局からコメントをどうぞ。

【森友教育改革推進室長】

 すいません、先ほど篠原委員から御意見ございましたけれども、一応6月のときの会議で、すいません、今日は資料としておつけしていないんですけれども、30ページぐらいからなるそれぞれの今の現行計画の状況について、ある程度はそれぞれの施策ごとに数値も出ているところは用いながら、施策の一定の評価をしているものもございます。これはまたブラッシュアップしていくことも必要でしょうし、あるいは会長からの御指摘にございました前回の概括的な評価も出しておりますので、そういったことをもうちょっとまたクリアにしていくことは必要なのかと考えております。

【三村部会長】

 だから合目的的にやるということがおそらく必要だと思うね。それから新しい基本的な方向性が固まって幾つか目標ができたら、さてその目で見て、例えば全5年間のあれは結果はどうだったのかということも必要かもしれないですね。ですから網羅的に全部やってもなかなか分かりにくい。これについてはまた相談したいと思っています。
 他に御意見ありますか。
 それでは、この議論はこれで打ち切らせていただきたいと思います。今回の審議はこれまでといたします。四つの基本的な方向性、今後の議論の土台となる基本的な論点、成果目標の在り方の大まかなイメージ、後でまたいろいろ議論があってもいいと思いますけれども、ある程度共有ができたのではないだろうかと思います。
 次回以降は、この四つの基本的な方向性に関し、知見を有する有識者からヒアリングを行って、論点の洗い出しや既存論点の深掘りなどを行ってまいりたいと思っております。
 次回以降の日程について事務局より説明お願いします。

【森友教育改革推進室長】

 資料の5でございます。次回10月6日9時半から12時半でございます。ヒアリングでございまして、また次々回は10月20日15時から18時。若干時間、長目でございますけれども、いずれもヒアリングを予定しております。以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。

【篠原委員】

 部会長、この一番下に日程で「本部会では、横断的視点から見た主要な論点を洗い出し云々」とありますよね。これはそれで「このため、各分科会、部会には上記の審議状況……」、この分科会とか部会との絡みというのは、どこから入ってくるんですか。

【三村部会長】

 どこからというのはどういう意味ですか。

【篠原委員】

 つまり、来年度の基本計画本文が全部出てからの話なんですか。それともその途中で入るんですか。どういうことですか。

【三村部会長】

 当然そのとき……どうぞ、事務局から。

【森友教育改革推進室長】

 分科会の関係につきましては、できれば年内どこかの時点で各分科会の審議の状況について、この部会に報告をしていただいた上で、またその御議論の材料としていただければと思っております。

【三村部会長】

 基本的な方向については、分科会にもこれは周知徹底するということでよろしいんでしょう。

【篠原委員】

 分科会の議論はもう始まっているわけですか。

【森友教育改革推進室長】

 分科会につきましては、今日、資料でつけております、前回もお配りしておりますが、資料2の後ろに1枚資料をつけておりますけれども、それぞれの分科会のテーマにつきまして議論はしております。そういった状況もまたそれぞれこの基本計画部会とそれぞれの部会とで連携をしながら……。

【篠原委員】

 これはこないだ会長、申し上げたように、部会、分科会とこの基本計画部会の絡みをもう少し考えていただかないと。結局具体論は我々ここで言ってもどんどん分科会や部会でも進んでいますよという話でしょう。

【三村部会長】

 いやいや、それはそういうことで僕はいいと思いますよ。ここで全部の中身を議論することは不可能ですから。ですから我々の議論した内容を分科会に提示し、分科会でそれに基づいた議論をこの場で発表してもらう、主要ポイントについては。そういうことで、ある意味では振興基本計画に盛るべき内容と、それから分科会でやってもらうべきこと、これを分けて考えるということも必要だと思いますから、私はその進め方でいいと。

【篠原委員】

 ならば、そこのところをもう少し最初からきちんと今流れはこうだと、ここはこういうあれだと、部会はこうだという段取りをもうちょっと説明していただかないとと思います。

【上月生涯学習政策局政策課長】

 ちょっとよろしいですか。

【三村部会長】

 どうぞ。

【上月生涯学習政策局政策課長】

 この計画部会の状況は、毎回分科会等が開かれるときに状況を説明しています。そういった意味で部会の審議、各分科会の審議の中にこの部会の審議状況について認識しながら御検討していただきたいということをしております。また当然ながら、この計画部会におきましては、各分科会の分科会長、各部会の部会長の方も入っていただいておりますので、そういったことも踏まえた進行をしていただけるかと。つまりずれることなくお互いに役割を踏まえてやっていただけているかという形の進行を事務局としては進めております。

【篠原委員】

 いや、そういう連携がとれているならいいと思いますけれども、私のように分科会や部会に関わってない人たちからすると、どういうふうに全体の今、動きになっているかということをもっと知らせてほしいということです。

【三村部会長】

 それはよく分かります。私も関わってはおりませんから、そういう意味では。ですから、それはおっしゃるとおりで、中身を伝え、それから分科会からの報告、きちきちと場合に応じてやってもらうという形でそれは担保したいと思っております。
 どうぞ。

【板東生涯学習政策局長】

 今日は分科会長それから副分科会長もお出でになっておりますけれども、例えば今日、スポーツ・青少年分科会が開かれますけれども、そちらにおいては、この振興基本計画にどういう事項を盛り込むべきかということで御議論いただけるという話になっておりますし、他の分科会におきましても、今検討していることについて、やはりこの計画にちゃんと盛り込んでいくということを念頭に置きながら今スケジュールとか、どこの時点でどういうまとめをつくっていくかということについてもお考えいただいていると承知しております。

【三村部会長】

 よろしいですか。それでは、これで審議会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

── 了 ──

お問合せ先

生涯学習政策局政策課教育改革推進室

寺田、高橋、濱、今井
電話番号:内線3465, 3279

(生涯学習政策局政策課教育改革推進室)

-- 登録:平成23年10月 --