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教育振興基本計画部会(第8回) 議事録

1.日時

平成23年8月29日(月曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 教育振興基本計画の構成等及び今後取り組むべき課題
  2. その他

4.出席者

委員

三村部会長、安西副部会長、小川副部会長、相川委員、安倍委員、家本委員、衞藤委員、大江委員、大日向委員、金子委員、木村委員、國井委員、篠原委員、白波瀬委員、竹原委員、中橋委員、丸山委員、宮本委員

文部科学省

森口文部科学審議官、金森文部科学審議官、前川総括審議官、板東生涯学習政策局長、河村私学部長、伊藤大臣官房審議官、上月生涯学習政策局政策課長、森友教育改革推進室長、他

5.議事録

【三村部会長】

 それでは定刻でございますので、教育振興基本計画部会第8回を開催させていただきます。
 本日の議事は、「教育振興基本計画の構成等及び今後の取り組むべき課題について」であります。ずっとお聞きのとおり、皆さんの御意見はできるだけ中に反映させるように努力いたしますし、ぜひとも活発な御議論をお願いいたしたいと思います。
 これまで当部会においては、東日本大震災を受けて計画の策定上留意すべき課題についての審議を行ってまいりましたけれども、前回の会議において、概ねの整理を行っております。「学びのセーフティネット」などの4点を次期計画策定に向けた横断的な視点として整理を行いました。今回からは、第2期計画全体の構成や今後の課題などについて審議を行いたいと思います。
 まず資料について説明をよろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】

 失礼します。資料の確認をさせていただきます。配付資料といたしまして資料1から6まで、それから参考資料1から3までございます。
 資料1は教育振興基本計画部会(第8回)の審議についてという資料でございます。資料2が基本計画部会の当面のスケジュール。資料3が我が国の諸情勢の変化を踏まえた教育政策の方向性について(案)。資料4が四つの横断的視点から見た現在の政策の実施・検討状況について(案)。資料5が第7回の基本計画部会の委員の皆様からの主な発言でございます。資料6が次回の日程。それから、参考資料1が主要国の教育改革の動向。参考資料2が、先般御了解いただきました東日本大震災を受けて教育振興基本計画の策定上留意すべき課題について。参考資料3が第2期基本計画の検討の進め方についてでございます。
 参考資料の2と3につきましては、前回の会議で御意見をいただきまして、その御意見を踏まえて修正したものを配付させていただいているものでございます。
 それから、参考資料1でございますけれども、諸外国主要国の教育改革の動向ということで、それぞれの国においても教育改革が進んでいるということを整理しているものでございます。
 例えばでございますが、参考資料1の1ページでございますアメリカであれば、下の方にございますが、生涯学習については、全ての米国民のコミュニティカレッジ卒業以上を学位・資格の取得の目標に、補助金を新たに導入しているとか、次のページのイギリスであれば、高等教育で標準化した各大学の情報開示の促進を図っているほか、あるいは次のフランスですと、初中教育で教員の採用要件を修士号取得者として、教職を目的とした修士課程を整備、2010年度からといった教員養成改革。さらに6ページの中国であれば、高等教育の規模拡大、質の向上によるハイレベルな専門人材の大量養成などがございます。一番最後のページ、韓国でございますが、初等中等教育であれば、初等学校の必修英語の拡大をしているほか、ICT教育の強化を図っているとか、下の生涯学習であれば、生涯学習のポートフォリオ制度を導入したということで、2010年から、インフォーマル・ノンフォーマルを含む様々な学習活動の履歴をオンライン上のポートフォリオに蓄積をするような制度が導入をされてきた諸状況がございます。また適宜御覧をいただければと思います。
 それから配付資料の1から3でございますけれども、資料1につきましては、前回の会議で三村会長からの御指摘もございまして整理をしました現行計画の概括的な評価というものを冒頭に記述をさせていただいています。
 かいつまんで申し上げますと、最初の点線囲みの中でございますが、全体として、10年間を通じて目指すべき教育の姿である、義務教育修了までに全ての子どもに自立をして社会で生きていく基礎を育てる。2として、社会を支え、発展させるとともに、国際社会をリードする人材を育てる。これの達成に向けて、社会全体の連携の強化ですとか、各学校段階間の接続が十分に図られているとは必ずしも言えない状況にある。第二期計画策定に当たっては、このような視点も踏まえて検討していく必要があると、まず冒頭に記述をした上で、それぞれ基本的方向1から4までについて概括をしております。
 基本的方向1については、地域ぐるみの教育支援の実践は年々増加をしているけれども、全国的に教育を支える環境・機運が醸成されたとまでは言えず、多様な主体の協働を促すためのネットワークの構築など一層の推進が必要。また、少子高齢化や厳しい雇用環境等を受けて社会人や高齢者等の多様な学習ニーズが高まっている中で、ライフスタイル等に応じた学習機会の整備を図っていくなど、そういった方策の検討が必要だとしています。
 基本的方向2につきましては、学力については、国際調査等について我が国は概ね高い水準となり向上は図られたが、低学力層は依然トップレベルの国々と比べて多く、また、学ぶ意欲や学習習慣は国際的に見て低い状況にあります。また体力については、昭和60年頃と比較をして低水準になり、運動する子どもとしない子どもの二極化が見られるといったことがございます。さらに、東日本大震災やグローバル化の進展等を背景に、的確に判断をして行動する力、コミュニケーション力、チャレンジ精神、リーダーシップ等々の重要性が指摘をされているといったことです。
 基本的方向3でございますが、各大学においてカリキュラム改革等主体的な取組が一定程度進捗し、国際的な教育拠点整備の構築も図られています。他方で、グローバルに活躍できる人材や新たな価値を創造する人材の養成など、大学の果たす役割が一層重要となってきております。教育の質の保証と向上、大学の機能別分化や連携等に向けた検討を一層進めることが必要と整理をしております。
 裏面でございますけれども、基本的方向4につきましては、学校の耐震化は年々進捗をしているけれども、一層の取組が必要。家庭の経済状況等が進路や学歴に影響を及ぼすなど格差の固定化の懸念も指摘をされていて、質の高い教育環境の整備、教育費負担の軽減等の支援が必要としております。
 2ぽつとしまして、これまでの議論と今後の審議の進め方を改めて整理をしているものでございますが、先ほど会長からもございましたが、これまでの会議におきまして、現在の社会状況、東日本大震災の教訓を踏まえて、以下の4点を次期基本計画策定に向けた横断的な視点で概ね整理をいたしました。
 本日でございますが、下の3ぽつの丸2にございますが、社会状況を踏まえた今後の教育行政の方向性と課題について整理をした上で、次期計画の構成、フレームワークについて一定の合意形成ということで御議論いただければと思います。
 それから資料2でございますけれども、基本計画部会の当面のスケジュールでございます。これも確認の意味を込めて配付をさせていただいておりますが、特に真ん中のフレームワークの構築というところで、本日そして9月13日におきましては、今後取り組むべき課題につきまして幅広く御議論いただきます。また13日におきましては、成果目標の在り方についても考え方をお示しできればと思っています。さらに10月6日、20日と、テーマごとに有識者の方々からのヒアリングをしていきたいと考えております。
 続きまして、本日前半で御議論をいただきたいと思っております資料3でございます。我が国の諸情勢の変化を踏まえた教育政策の方向性についてということで、現状の問題ですとか、その打開に向けた方向性、さらには教育行政の方向性をイメージした資料を配付させていただいております。
 まず左側でございます。我が国が直面する問題ということで、これにつきましては6月の会議、部会におきましても御説明申し上げた事項を列挙しているものです。
 上から申し上げますと、少子高齢化の進展の中で、将来の負担が次世代に、社会全体の活力の低下などが問題として出ております。また、社会格差の増大、固定化が一人一人の意欲の減退などにつながっていくこと。三番目といたしまして、地域社会、家族の変容が社会の絆の喪失、個々人の孤立化。産業構造・雇用の変化が失業率、非正規雇用の更なる拡大。グローバル化の進展が国際競争力の低下・産業等の空洞化につながっていくといったことなどを記述しております。
 さらに、その下でございますが、公債残高の累増、財政の限界ですとか、大震災の発生により、これらの問題の一層の加速化が懸念されている。非常に危機感が高まってきているということでございます。
 これらの問題を打開するための方向性の例といたしまして、真ん中に記述をしております。
 まず全体の基礎という意味で、一番大きな枠囲いで整理をしておりますけれども、社会全体の力の向上といたしまして、多様な価値観・異文化との共生。多様な主体による「公」の実現が必要で、全員に居場所と出番を確保する。そういったことによりまして、多様な人々が協力、協調して社会参画する中で社会全体の力が高まっていくということでございます。
 そして、このことと相互に関連をいたしますけれども、上でございますが、個々人の社会への参加保障ということで、一人一人が共通のスタートラインにつくことができるシステムですとか、生涯にわたって一人一人が学びを進め価値を高めていって、社会において活躍をし、それがまた個人の学びにもつながっていくといったことでございます。
 さらに、これらを基盤としながら、社会全体や個人における生産性・創造性の向上で、そういったものを図っていくということで、新たな価値の創造、国際的な労働市場で必要とされる人材の創出等々、整理をしております。
 このような全体の方向性のもとで、教育行政の方向性のイメージをお示ししているものでございまして、右側の所でございますけれども、これが四つの事項で記述をしております。これにつきましては、前回御議論をしていただき、概ね御了解をいただきましたが、本日の参考資料2としてお配りをしております、震災を受けて計画策定上留意すべき課題で整理をしている四つの視点を記述しているものでございます。
 まず左の方向性と連動いたしますけれども、一番大きな枠といたしまして「絆づくりとコミュニティの再構築」を位置付けまして、多様性を促進する中で、人々が学び社会に参画することなどを通じて、また人が社会をつくっていく、社会が人をつくっていくという、そういった好循環を創出をしていくというものでございます。
 そして、社会を生き抜く力の養成といたしまして、OECDのキー・コンピテンシーですとか生きる力などを実質化するために、各学校段階、社会で取り組んでいくこと。さらに、これらを下支えするという意味で、上の黄色の枠囲いですが、学びのセーフティネットの構築といたしまして、経済的支援ですとか施設の確保、耐震化などの推進といったものを考えているイメージでございます。
 さらに、社会を生き抜く力と重なる部分があろうかと思いますけれども、未来への飛躍を支える人材の育成ということで、グローバル化、イノベーション等をもたらす人材の養成ということを整理しております。
 事前に委員の皆様方に送付をした段階のものと一部、枠囲いの重なり具合がちょっと変わっているんですけれども、今回の場合、社会を生き抜く力の養成を下支えをしていく学びのセーフティネットの構築、それから、それらの基礎としてある未来への飛躍を支える人材の養成との間で、こういった形で重なり具合を、イメージですけれども、整理させていただいているところでございます。御意見をいただければと思います。
 それから、これら四つの視点の方向性につきましては、前回の会議におきまして、震災を踏まえた考え方を通じて概ねの整理をしていただいたところでございますが、社会全体への状況も踏まえまして、これらの方向性を新たな計画の構成とするといったことについて、概ねコンセンサスを得られればと考えております。
 その際、課題といたしまして、あわせて御議論をいただければということでお示ししているのが、下に列挙しております、上記に係る視点の例でございます。当然でございますが、このほかの課題もあると思いますので、御議論いただければと思います。
 下に挙がっているもの、例えばですが、一つ目の白丸で、生産年齢人口が減る一方で、退職する高齢者が増える中で、社会の活力と安定性をどのように確保しているのかですとか、国際調査によれば日本は概ね高い学力水準にあると言えるが、更なる課題としてどういうものがあるか。グローバル化時代に求められる能力は何か。全ての国民に必要な素養は何か等々を挙げさせていただいているところでございます。
 それから、後ろの2ページから4ページにつきましては、今の1枚目の右側でお示しした教育行政の方向性ごとに背景と課題を改めて、これまでも資料で整理をさせていただいたりしておりますが、それをアレンジしてまとめているものでございます。
 2ページ目の学びのセーフティネットの構築の関係で申し上げますと、上の背景にございますが、特に右側の少子高齢化の進展の中で社会全体の活力は低下をしているといったことは非常に大きな問題でございます。
 そういった中で、左下のところでございますが、学びのセーフティネットの構築ということで方向性を記述しております。個々人の社会参加を保障するために、必要な知識能力を身につけられるようにする多様な学習機会の確保、安心安全な教育環境の整備が必要としております。
 課題といたしましては、特に経済的な支援の関係で申し上げますと、幼児教育の段階では私費負担の割合が高い。保護者負担の軽減が課題であるとか、義務教育段階では就学援助を受ける児童生徒が増加している。特に、これは震災の地域では非常に多く増加しております。また、高校段階では低所得者層の学習費の負担軽減が課題とか、高等教育段階で授業料の高さに加えて私費負担割合の増加、地域ごとに大学進学率にばらつきが見られるという課題がございます。
 また、右でございますが、通信制や夜間制の課程の設置など様々な取組がなされているが、更なる社会人の受け入れ促進が課題といったことを記述しております。
 それから、その次のページでございます。社会を生き抜く力の養成、未来への飛躍を支える人材の養成の関係でございますが、これ、相通ずる部分もあるので1枚にまとめております。上のような背景がある中で、左下でございますが、自立して社会で生きていく基礎ですとか、グローバル化などの社会条件に応じて必要とされる知識能力等を身につけ、多様な個々人の強みを活かしていくことができるよう教育の質の向上、その保証に向けた方策を講じることが必要としております。
 特に顕著な課題としては、右側にございますが、検証改善サイクル構築等の方策によって、PISA調査では、低学力層の底上げなど改善傾向にある。一方で、学習習慣等は国際的にみて相対的に低い等々のことがございます。
 その右でございますが、各大学等において教育の充実や組織運営改善に向けた取組が進行している。成果と課題の検証が必要といったことを掲げております。
 最後、三番目でございますけれども、「絆づくりとコミュニティの再構築」でございます。これにつきましても、上記のような背景がある中で、社会全体の教育力を向上させて、社会が人を育み、人が社会をつくるような好循環を生み出すことによって、様々な地域課題を多様な主体の協働によって解決できる社会を実現する。そのため、家庭教育や子育てに対する支援を含めて、絆やコミュニティの再構築に向けた環境整備を必要としております。
 課題につきましては、そこに記述してありますとおり、約8割の親が家庭の教育力が低下をしていると回答しているほか、地域の教育力について以前と比べて低下していると感じている人が過半数を超えているなどの課題を例示として挙げさせていただいております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。資料4は後ほどということでよろしいですか。
 議論のやり方は難しいんですけれども、二つに分けたいと思っています。まず第1は、現行計画。現行計画というよりも現状の教育の概括的な評価を最初にやらせていただきたいと思います。その次に、今の資料3以下も含めて、今後の教育計画に関する視点というか、四つなのか三つなのか、ちょっとこの資料じゃ分かりにくい。四つを三つと言っていると思いますけれども、そういうことも含めて、そういうことに関する議論をさせていただきたいと思います。
 どんな計画でも、私は現状の評価を抜きにしては計画はできないと、このように考えておりますので、現状の評価はそれなりに重要だと思っております。
 資料1で、事務局から現行計画の概括的な評価ということで提示いただきました。まず、これに基づいて、皆さんの御意見を伺いたいと思います。いつものとおり、御発言を希望される方はネームプレートを立てていただければ、司会者としては適時御指名ができると思います。いかがでしょうか。
 そうしたら、大江委員、よろしくお願いいたします。

【大江委員】

 資料1の基本的方向2。学力に関する評価ですが。体力については運動する子どもとしない子どもは二極化というところがありますが、おそらくこれは、全国の調査結果の数値をもとに二極化と評価したと思うんです。
 学力のほうの子どもの状況の表現は、こういうふうに示すのがいいのか。学者によれば、学力のほうは二極化というよりも、最近は台形のような分布をしているという論評もあるんですね。学力についての状況は基本的な方向の中に、どこかに入れる必要あるんじゃないかなと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございます。これは、事務局としては何かお答えできますか。今の段階でいうと。

【森友教育改革推進室長】

 先生の御指摘を踏まえて、またこちらでも検討したいと思います。

【三村部会長】

 いかがでしょうか。安西さん、どうですか。例えば、高等教育についてのこの記述はいかがでしょうか。僕は、もう少し厳しいのではないだろうかと思っていますが。

【安西副部会長】

 全般的なことで恐縮ですけれども、必要だと書いてあるのは、もう誰も反対はしないと思うんです。ただ、必要なことの原因が何か。現状の評価の中に含まれると思いますけれども、そのことを、やはり具体的にキャッチしないと、なかなかその解決策が出てこないんじゃないかと思われます。
 例えば今の初中の学力云々もそうなんですけれども、大学関係、高等教育のことで申し上げますと、やはり機能別分化の問題をかなりはっきりと解決というんでしょうか、何らかの形で進めていかないと、なかなか実際には日本の高等教育が、それぞれの大学は頑張っていると言われるんですけれども、全体としては世界の動向の中で沈んできている。このことについて答えることができにくいと、こういうことになっていると思います。
 今、大学分科会では、かなりそこのところを議論が進むようになりまして、論点のまとめも、もう出る方向に、もちろん中間的なことですけれども、そういう方向に来ております。ただし、それが、例えばグローバル人材の育成にどう結びつくのかということについては、やっぱり具体的な何かの施策が必要なので、そういうところを、大学分科会といいましょうか、高等教育の側としてはきちんと示していきたいと考えております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 小川副部会長、よろしくお願いします。

【小川副部会長】

 書きぶりの問題も含めて少し、こういう点での総括も必要なのかなと常日頃感じるのは、いろんな問題が新しい状況の中で生まれて、またその問題に対してこういう取組課題が必要だと、そういう指摘がいろいろあるんですけれども、総括のもう一つ重要な点というか、柱としてセットしてほしいのは、そういう問題状況の中で、こういう課題について取組が必要だという際に、その課題に取り組んでいく際の具体的な体制づくり、方策については、あまり具体的に言及されていませんし、また、そういう設定の仕方というのが、ちょっと弱いかなと感じます。
 例えば具体的に言えば、学力低下の問題がずっと指摘されていて、特に一定の改善が見られますけれども、低学力層への更なる手厚いサポートをしていく必要があるということが力説されています。ただ、低学力の子どもの問題の背景には、これまで多くの人からも指摘されているように、家庭の経済的困窮とか、更に最近の経済不況等々のそういう影響はもろに子どもたちにマイナスの影響をもたらして、低学力の問題は教育問題だけではなく福祉の問題としても捉え、教育・学校と福祉等との強い連携の必要も言われるようになっています。また、特別支援教育の例をとっても、福祉的な取組課題が従来と比べて、学校教育に非常に深く関わるようになってきています。
 そういう福祉的課題が学校教育において比重を増し重要になっているにもかかわらず、学校・教育と福祉の連携とか、家庭や地域を巻き込んだ教育の取組をしていく体制は、従来の教育関係者だけ、学校の体制のままで、教職員とか学校側の喚起を促すというレベルでとどまっているような感じがします。様々な教育問題とか課題が発生する中で、福祉的な課題が学校教育の中で非常に比重を増し重要になっているにもかかわらず、そうした福祉と教育の連携・関係を深めて行く際の具体的な体制づくりというのが、あまり具体的に論ぜられてこなかったのかなと感じています。
 例えばですけれども、そういう福祉と教育の連携を進めていく上での一つのキーは、カウンセラーとかスクールソーシャルワーカーの配置・充実という体制づくりなどかと思いますが、具体的に問題に取り組んでいく際の体制づくりの問題も含めて、課題と評価の点でも、もう少し踏み込んだ整理が必要なのかなということを少し感じていました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 丸山委員、よろしくお願いします。

【丸山委員】

 小川先生のおっしゃったことと若干関連します。ここには数々の問題点や課題が列挙されていて、それらをこういう方向性をもって解決していこうということが書かれていますが、現在抱えている重要な課題の「原因」について、まったく言及がないのが少し寂しいような気がします。
 つまり、原因が明示されていないと、問題解決の方向性を示しても、それが本当に正しい解決法につながるのかどうか、説得力に欠けるのではないかという危惧がございます。
 例えば初中の「学力」の問題でも、低学力層が依然トップレベルの国々と比べて多いとか、学ぶ意欲や学習の習慣が国際的に見て低いというようなことが書かれていますが、なぜそういう状況になったのか。例えば、ゆとり教育などと呼ばれる政策上の問題点が関係しているのではないか、というようなことも含めて、原因分析を盛り込むことによって、こういう原因があるからこういう解決方法に向けていろいろ施策を構築していくべきだというようなロジックの展開が可能になると思います。書き方に一工夫がほしいと思いました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 國井委員、よろしくお願いします。

【國井委員】

 私も同じような方向の話なんですけれど、やはり原因としては、先生方が、教師の方たちが非常に忙しくてとか、いろんなことがあると思いますので、そういう観点の評価も含めないと、その次の方向というのは見えにくいと思うんですね。
 ここ、基本的方向2のところ、学力とか体力にかなりポイントを置いて書かれている。それは重要な話なんですけれど、一方で、いじめだとか、不登校だとかということが、私は減っているように思えないんですけど。これはちょっと御説明をいただきたいんですけれど、情報をいただければ、よく改善がどんどん進んでいるのかどうかということが分かるんですけれど、私の感覚では、いまだに、そういういじめ等々の問題があって、それが、やはり学ぶ意欲とか学習習慣がついていないというところに結びつくんじゃないかと思えるんですけれど、原因をもっと議論すべきということに私も同意いたします。
 特に教師の方たちの、やはり、こっちはゆとりがなくて、多分、先生方のほうには余裕がなくて、個性豊かにといっても、個々の生徒さんとか学生さんに向けて対応することができない。ですから、発達障がいのお子さんに対しても多様なことがなかなかできない等々、そういうことがいろいろ重なって、モチベーションがなかなかわかずに、勉強は置いてけぼりになるという状況があるんじゃないかなと思います。それがまたストレスになって、一方ではいじめにつながるとか、自殺が減らないとかということになるのではないかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 白波瀬委員、よろしくお願いします。

【白波瀬委員】

 今までの御発言とも若干かぶるんですけれども、やはり表題として概括的な評価という点について戸惑いがあります。評価と言われたときに、何に対する評価であるのかというのが、まず1点です。基本方針が1、2、3、4という形で書かれているんですけれども、この基本方針に対する評価を意味しているとすると、果たしてそのようなことができるのか、という疑問があります。もう少し申し上げると、これは今、小川先生からも具体的な体制づくりという御意見もあったんですけれども、おそらく、この基本方針に沿って具体的にいくつかの対策のリストがあって、その対策や施策に対する評価ということになるのではないでしょうか。評価をするためには特定の対象が必要で、かつその対象の実態も明らかにされなくてはなりません。しかしながら現在の書き方ですと、そのあたりが分かりにくいと感じました。
 そして、2点です。ここでは多層的な教育方針の組み合わせを提案したいと思います。安西先生のほうでは高等教育におけるリーダー養成といったことがあったんですけれども、日本をリードし国際的な舞台で海外の人々とも張り合えるような人材育成と、みずから自立し社会に何らかの形で貢献して「普通に」生きていけるための教育といった部分があって、おそらくここではめり張りをどうつけて複数の制度を組み立てていくか、ということが重要になってくると思います。基本方針がばらばらにあるようなイメージを受けます。ただ私自身これまでの経緯を十分理解しておりませんので、誤解もあるとは思いますけれども、四つのポイントがどう連携しているのかということと、何に対する評価なのかが分からないというのが感想です。

【三村部会長】

 これが基本方針の前回の教育振興基本計画の表題なんですよね。ですから、事務局がそれに基づいて評価したと、こういうことなので。前回の基本計画が全てが正しいわけじゃないので、これを入れ替えることは一向に差し支えないと思うし、そういうことの御意見も含めて出していただければありがたいと思っております。
 竹原委員、よろしくお願いします。

【竹原委員】

 基本方針1の「地域ぐるみ」というところですけれども、まだ十分達成されていないといというお話が先ほどありましたが、なぜされていないかというところをきちっと押さえないと、いくら数値目標を出しても、形だけのコミュニティ・スクールや、形だけの学校支援地域本部が増えるだけであるということを心配しています。私の感覚で申し上げますと、学校の中で「地域ぐるみ」というものの理解がまだまだ浅いということがあり、これは教員養成段階から、なぜ地域とともに、社会とともになければいけないかを学び実践できるよう伝えなければならないと思います。一方地域でも多様な主体の協働をといっても、実際は生活やビジネスに追われて、やりたくてもやれない、運動会に行くのがやっとという現役世代が多い中で、学校運営協議会のメンバーに入るとか、ボランティアをすることを奨励するなど産業界の理解が深まり、現役世代のお父さんたちが出てきたり、働いているお母さんたちが保護者会には出られないけれども違う形で参加できるようにしないと、いくら連呼しても限られた人たちが地域に出ていくという状況が変わらないんじゃないかと思います。
 そういうことを踏まえて、データに基づいて書いたらどうかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。自分の経験でいうと、日本商工会議所とかいろんなところで地域の学校からの要請に対して産業人を派遣するということを言っているんですけれども、一番のポイントは、熱心な先生、校長先生のいるところは非常に活発な交流ができているんですね。ところが、そうでないところは全然だめだという、明らかな差がありましてね。その点も、どう追求したらいいのかと、日頃からちょっと考えていたんですけれども、おっしゃるとおりだと思っています。
 それでは宮本委員、よろしくお願いします。

【宮本委員】

 私、まだ新入りでございまして、よく議論の流れ、つかめていないところがあるかもしれませんが、お許しください。
 今、委員の方々の御発言を伺っていると、おそらく、もちろん個々の問題提起というのはそのとおりなんだけれども、その相互の結びつきというか、それぞれの問題提起を必然的なものとして受けとめてもらうための大きなフレームみたいのが、もうちょっときちっと書かれていいのではないかという、そんなお話なのかなと思っています。
 それで、この種の文書というのは、もちろん重みもなければいけないんですけれども、同時に前向きで元気が出るということが大切なのではないかなと思います。かつ、特にこれ、自治体関係者が読んで役に立つと、そういう中身も求められるのかなと思います。
 三村会長がおっしゃったことでもありますけれども、現状評価をどうしていくか。現状評価というのは、上滑りであると何か物足りない文書になるんですけれども、ただただ問題点を厳しく指摘していくと、なかなか元気が出ないんですね。
 まず、私はこの四つのフレーム、四角というのは大変いいと思うんですけれども、この四つの四角を活かして、こうした問題提起を必然的、楽しめる背景は何なのかということを、ぜひ元気の出る仕方で書いていただきたい。
 元気の出る仕方は何かというと、教室に立っていて学生たちを教えていると、ある時期から気がついたんですけれども、90年代の初頭に物心ついた学生というのは、日本がうまくいっていた時代を知らない。何から何まで、物心ついたときから、だめだだめだと言われてきた学生たちなんですね。本当にそれでは、なかなかエネルギーもわいてこないだろうと思っているわけです。そして、つながりと学びというのが、ある程度日本社会の中でうまく連関をしていた時代というのがきっとあって、日本はつながりの中で学ぶことで地域の活力を生み出してきた。
 ただ、これまでは、仕事の中でのつながりと学び、会社のつながりと学び、地域の中でのつながりと学び、それから学校教育が、これがやっぱりうまいことつながっていなかったというか、学校教育、会社の学び、女性は途中で退社して地域に出ていく、男性はそのままいって定年で退社して地域に出ていく、そこで出てくる地域のつながりと学び。この三つ、あるいは四つが、いわば時系列に並んでいて後戻りきかなかったわけですね。ところが、これまではそれで、そういうつながりと学びの在り方で何とか回っていたし、もう、そのつながりと学びに徹底して加わることで力を発揮できた部分もある。
 ところが、もうしばらく前から、この学校教育、社縁を通してのつながりと学び、そして女性、高齢者別々なんですけれども、地域を通してのつながりと学び、この連関を、もうちょっと柔軟につなぎ直さないとだめだよということはわかっていたわけですね。
 今度の震災のインパクトというのは、何よりもそのことをはっきり示した。社縁、会社を通してのつながりと学びが軸になって、その前に学校教育、その後に地域での社会教育はあったわけですけれども、その真ん中の部分というのが、いつどういう形でひっくり返されるかわからない。そのときに、全てのつながりと学びがほどけてしまうような事態が惹起するわけでありまして、これは前々から日本社会で静かに進行していたことが非常にドラスチックに起きるということが示された。これにどう対応していくのかということなんだと思います。
 そこでキーワードになるのは、おそらく学びのセーフティネットというものでありまして、時系列的なつながりと学びを少し柔軟に行き来できるような形で地域にそのインフラをつくっていくということなんだろうと思います。
 そういう観点から、もう一度四つの視点に立ち戻って考えると、おそらく、この事務局の整理で違和感はなくて、一番大きなフレームがつながりになっているというのは、気持ちはよくわかるんですけれども、今申し上げたこととの関係でいうと、つながっていく、いろいろなコミュニティの中に加わるということ、これが一つ。それから、その中で力を伸ばしていく力の養成というのが一つ。これ、2本柱だと思うんですね。これをつなげる場を地域に柔軟につくっていく。先ほど言った時系列的な一直線型のシステムが崩れてきたことを踏まえて、老若男女を地域社会の中でいろんな場を柔軟に選択しながら力をつけ、つながりをつくっていくという、そのインフラをつくっていく。これが学びのセーフティネットなんだろうと思います。
 この学びのセーフティネットを構築していくことが地域社会の力を高め、その未来への力を生み出す。こういう論理連関なのではないかなと思うわけですね。
 こういう四つの四角から学びのセーフティネットを構築していくということが、何もゼロから始めることではない。これまで日本の地域社会の中でやってきたことが、やっぱり時代とのずれが見えてきた。それをバージョンアップするんだ。そのことで地域社会の活力をよみがえらせるんだと。そういう、ぜひ、エンカレッジングな議論のフレームの中に一つ一つの問題提起を入れ込んでいただければなと思います。

【三村部会長】

 率直に言って、エンカレッジングといったことに、これ、課題はたくさん挙げているんだけど、いいところは何かというのは、全体としては、そんなに明確じゃないですな。この辺をもう少し書き込んだほうがいいんじゃないかという気は、ちょっといたしますけどね。
 木村さん、どうぞ。

【木村委員】

 ただいまの意見に少し関係していますが、私も前向きpositive志向の書き方の方が良いと思います。基本的方向2のところに、学力と体力のことが書いてあるのですが、2行目から、「低学力層は依然トップレベルの国々と比べ多く」と書いてあります。しかしトップレベルの国はどこなんだということです。
 多分、PISA等の結果で比べるとすればフィンランドだと思うのですが、フィンランドは平均値は確かに高いが成績上位層が殆どいない。上位層は圧倒的に日本のほうが多い。これについてはデータをもらってきていますので、いつでもお目にかけます。フィンランドがやっているのは、とにかく平均値を上げようということですから、平均値は高くなるのですが、上位層は非常に少なくなってしまった。それに比べて日本は上位層がたくさんいるということですから、あまり一言でトップレベルの国々と言わないほうがいいと思います。しかも、トップレベルの国々は人口が少ない。フィンランドだと530万、シンガポールで500万ぐらいですか。そういう国と、我が国のように1億1,000万の国民がいる国の教育の方法は当然違って来ざるを得ない。このようなずっと昔から使っているような書き方はもうやめたほうがいいのではないかというのが1点です。
 それから、運動能力のことですが、いつも昭和60年ごろと比較してどうかという議論があるのですが、東京都の例では、悉皆でやるのかサンプリングでやるのかによって、データがむちゃくちゃに違ってきます。昨年ですか、国はサンプリングでやって、東京都は悉皆でやったのですが、東京都の子どもたちの体力は全然だめだということになっていますが、悉皆でやった東京都の結果とサンプリングでやった全国のを比べると、必ずしも悪いと言えないような状況が出てきて、今、一体どう解釈すればいいんだと大議論になっています。その辺、少しきめ細かく考えて、こういうばさっとした書き方もやめたほうがいいと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 第1部の議論、この辺で打ち切りたいと思いますけれども、これは実は今後の計画を考えたときに、現状が何が問題なのかというのは、もうぐるぐる、ぐるぐる、必ず元に戻ってくる議論でありまして、そういう意味で、とりあえず今回はここで終了したいと思っております。
 いろんな視点を踏まえて、また、特に一番、今日の中では、原因が何かって、これ、ロジックがなかなか難しいんですよね。しかし、物事は全て仮説で、これはしなければいけないので、全てを網羅的に調べなくてもいいですから、それこそ文科省の知見が仮説になって表れてくると思いますから、そういうものも書き込んでいただければいいのではないだろうかと、私は思っております。
 それでは、次に第2部に移りたいと思いますが、今までお示しした基本的方向1、2、3、4は、前回の教育基本計画で分けた項目でございます。今回は、震災の影響も受けて、いろいろヒアリングをし、新しい、こういう視点でやったらどうかと。こういう視点をここで提示しているわけですが、文部省の各局にこだわらない横断的な視点というのが前回出ましたけれども、そういう観点から見て、例えば個々に掲げている視点、あるいはそれに基づいて一様に分析したらどうかと、こういうことがまとめられてあるわけなので、どういう視点で我々のこれからの振興基本計画をつくるのかという大事な議論があります。これについて議論をしたいと思っております。
 それでは、大日向委員、御意見よろしくお願いいたします。

【大日向委員】

 ありがとうございます。この前の議論とも若干重なると思いますが、資料3の1ページ目の下の上記に係る視点の例というところの一番最初の白丸に書かれている箇所に関連してです。生産年齢人口が減って少子高齢社会に既に突入しております。その中で社会の活力と安定性をどう確保するか。その際に教育上とり得る方策は何かということですが、私は女性の力の活用ということを、ぜひ全面に取り組んでいただきたいと思います。
 具体的に申しますと、ジェンダーの国際統計を見ましても、日本の女性が高等教育を受けている比率はかなり高いのですが、必ずしもその力を社会が十分活用してくれていない。とりわけM字型の解消ということは喫緊の課題だと思います。
 その場合、子育て中の就労支援の在り方が重要になるかと思いますが、ワーク・ライフ・バランスの推進等、企業との連携が必要でしょうし、同時に働いている親の子どもたち、とりわけ乳幼児期の発達環境の整備ということも重要な課題であると思います。また、これは女性だけの努力ではなく、男性の協力ということも含めますと、広く男女共同参画の課題につながっていくと思います。
 もう1点は、子育てが一段落した世代の方々、特に女性の活躍の場の保障、そのための生涯学習に、ぜひ注力をしていただきたいと思います。ただ、この生涯学習という場合には、地域の特性ということも非常に重要なファクターとなってくると思います。
 今申し上げたことは、この前の議論の中の、特に基本的方向1の後段に、ライフスタイル等に応じた学習機会の整備と書かれておりますが、そこの内容をもう少し、今、申しましたように、女性の力の活用とか、ワーク・ライフ・バランスとか、子どもの、特に乳幼児期の子どもの発達環境整備ということも含めて、深く取り組んでいただければと思っております。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 國井さん、これについては何か意見あるでしょう。

【國井委員】

 今のお話、もっともだと思いますし、さらに産業界で女性にもっと活躍してほしいという話と同時に、日本も、ここにある女性差別撤廃条約を締結しているわけですね。それをちゃんと遵守しなければいけないという観点で、日本にまだ差別が残っているという意識、認識がないと、教育の中で、もっとジェンダー教育をきっちりとするという基礎の基礎が進まないと思うんですね。
 我が国が直面する問題、一番左のところに、この問題を入れていただくべきだと思うんですね。それがないと、個別個別に女性の活躍によって、もっといろいろやりましょう、グローバル化しましょうとか、産業の生産性を上げましょうとかという話は産業界としてはあるんですけれど、それ以前の問題が大きくて、なかなか意識を変革するのは産業界だけではできない部分であり、それから国全体としても、その条約の遵守という観点で非常に問題だと思うんですね。民法の問題だとか、いろいろありますけれど、ここの中に、やはり課題として大きく取り上げていただかないと、多様性を重視するというところでも大きな問題になってくると思うんですね。
 差別という認識が、何か男女共同参画というところで、ちょっと薄まってしまっていて、問題点が明瞭ではないんじゃないかと思います。それが、やはり、いろいろなポジティブ・アクションも遅れているところですね。
 私、情報サービス産業協会の中で、こういう活動もしているんですけれど、そのときに出てきたのが、ポジティブ・アクションをとろうとして、ある企業がそういう方向で動いたら、それは逆差別だというような話が政府のある部分から出てきたと。これは教育が内部で徹底していなかったせいだと思うんですけれど、大分変わってきたとは思うんですけれど、政府の中でさえ、そういう認識の問題がありますので、ここは徹底して意識改革というところで、差別問題として扱っていただきたいと思います。

【三村部会長】

 今の議論も含めると、我が国が直面する危機、危機の打開へ向けた方向性と、それから教育が何ができるのかと。これ、ちょっと違う観点のような気がいたしますね。最終的には我々は教育というものに着目して、いろいろ議論するわけですけれども、その前に、社会全体のいろんな課題、これを議論していただくのは一向差し支えないと思いますので、幅広く、どうぞ御意見をよろしくお願いしたいと思います。
 篠原さん、よろしくお願いします。

【篠原委員】

 直面する問題の中で、地域社会、家族の変容というのが三番目に出てきています。その関連で、現在の振興計画にありながら、あまりドライブがかかっていないなと思われる点が幾つかあります。一つは家庭の教育力の向上です。しかし、これ、ほとんどあまり力が入れられていないというか、進んでいないような感じがします。先ほど宮本先生が、地域、学校など社会全体の関わりの話がありました。もう一つ、家庭の教育力をどう高めるか。また社会全体とどうリンケージさせていくかということも大きなポイントだと思います。
 そういう意味で、これを新たな計画の中にどう盛り込んでいくか。あるいは具体的に、どういう施策が考えられるか。これはなかなか教育行政だけでは難しいところがあるのも十分承知しております。役所でいえば、厚労省との絡みとかいろいろあると思いますが、何かここで取組を強めないといかんのじゃないかなと。
 私は、個人的には、幼児教育、初等教育のときに人間力、人間形成というのはほとんど決まってしまうんじゃないかと考えます。この時期は、家庭の教育力のウェートが非常に高いと思うんですね。だから、これをどうやってより高めて充実させていくかを真剣に考える必要があるのではないかと思います。それから、さっき社会全体のこととの関連もということで会長からもお話をいただきましたので、あえて申し上げますけど、例えば、子ども手当の問題もまさしく家庭の教育力みたいなものと全部つながってくる話なんですね。
 少子化の問題と教育の在り方、特に子どもたちをどう育てて育んでいくかということについて社会がどう関わるか、学校がどう関わるか、地域がどうかかわるか、家庭がどう関わるか。こういうものをトータルで、強力に推進していかないと、断片的に進めていっても、なかなか、これは、全体が回らないのではないかなという感じがしております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 家庭教育の問題は、この場ではあまり真剣に議論していないですね。したがって、先ほどの資料の中にありましたけれども、これは問題だという指摘は多数出ています。さて、どうしたらいいのかと。篠原さん、もう少し考えてください。文科省もそうですけれども、これは非常に重大な問題だと思っております。ただ、家庭も、我々の子どもたちがつくっている家庭ですからね。我々も別に、全て責任がないわけではないということも含めて、一つ大きな課題だと思います。
 それでは衞藤さん、よろしくお願いします。

【衞藤委員】

 資料3の一番右側の教育行政の方向性のイメージ案の中で、やはり大きな枠組みとして、社会を生き抜く力の養成というものが掲げられておりますけれども、一方で現行計画を立てるときに、10年間を通して目指すべき教育の姿の中で、義務教育修了までに全ての子どもに自立して社会で生きていく基礎を育てるということを掲げました。これは資料3の3枚目の左の下のほうに、この社会を生き抜く力の養成の説明の中で、身につけるべき内容として、その自立して社会で生きていく基礎というようなことが書いてあるんですけれども、現行の計画の中で10年後にという、要は国民に、こういった子どもを日本としては育てますよというお約束をしたと私は受けとめていたんですけれども、そういったメッセージとして、自立したというのが、私は大変強く印象付けて、いろいろな地域で、教育改革委員どこどこというところでお話をしたときに、このことは大変重要なんだということをお話をしてきて、私なりに、そういうふうに受けとめていたんですけれども、自立した日本人を育てるという部分が、やや後退した表現になっているのがちょっと気になりまして、この点は、今後の議論の中でもってして、またお考えいただきたいと思っております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 白波瀬委員、よろしくお願いします。

【白波瀬委員】

 最後に関わるかもしれないんですけれども、学びのセーフティネットという言葉の意味についてです。もう宮本先生は御理解されているようですけれども、私は中身がちょっと分かりません。教えてください。
 次に、グローバル化という言葉が出ているんですけれども、それを個人という視点から考えますと、やっぱりいろんな国から来る子どもが日本の公教育の中に入ってくるという状況がここの中ではなかなか見えてこないように思います。果たして、この点についてこの時点で申し上げるべきかどうかは分からないと思うんですけれども、ただ、グローバル化という言葉を出し、これからの国際社会の上で生き残るようなことをもし本気で考えるのであれば、日本の外に出て国際舞台で競争するということだけではなく、国の中でもいろんな国際人と競争して勝ち抜くような日本人をつくっていくということが、やはり必要ではないでしょうか。そういう意味での場の競争、切磋琢磨ということについて、どこかで言及しておいてもよいのではないかと思いました。
 それから、男女共同参画社会の話も出てきましたが、やはり一つ、キャリア教育は、ある程度早い段階から、世の中にどういう仕事があってどんな仕事に自分は就きたいのかというイメージを持たせるよう支援することが大切なのではないでしょうか。多分一つ考えられるのは、ロールモデルの提示というのは、女性、女の子にとってはとてもよいと思います。実際にいろんな仕事があって、その仕事をやっている男性がいて、女性もいる。そう思えることが大きな励みになります。このような取組は既にいくつかの高校や大学では行われていると思いますけれど。ただ、理科系で成績がいいと、女の子はどこに行くかというと、医学部に進む場合が少なくありません。医学部に進んだのはよいけれど、結婚して子どもが産まれると医者を続けていけないことも少なくありません。彼女たちの夫の多くは医師で、無理をして仕事を続けなくても経済的に困らない状況にあります。ただ、せっかく医者になったのに、仕事を辞めてしまうというのは大変な人材の損失だと思うんですね。こういう局面を、具体的にどう解決していくかということも含めて、一人のプロとして、職業人としてのキャリア形成を、男の子も女の子も含めて例示するような機会を教育の場に積極的に入れ込むのがよいのではないでしょうか。
 あと1点、家族の教育力のお話が出たんですけれども、実は家庭力は経済的な困難を抱えることと密接に関連しています。皮肉とも言えますが、貧困とか低所得家庭における問題は、まさに家庭の教育力の話なんですね。社会学でいう、いわゆる階層論は、家族的背景という言葉を用いて、恵まれた教育力のある家庭に生まれた子とそうでない子をどういうふうに社会的に包み込んでいくかということになります。家庭力は子どもの機会の不平等を考えるにあたって極めて重要な視点です。その意味で、篠原先生がおっしゃったことは重要ですし、家庭の教育力を無視することができないという点も同意します。ただ、そこのところは注意して書かないと、家庭の教育力を単純に強調すると誤解も生じます。この点、文科省としての立ち位置とも係わり、十分留意して議論を進めるべきだと考えます。
 以上です。

【篠原委員】

 ちょっと一言いいですか。今の関係で。

【三村部会長】

 篠原委員、どうぞ。

【篠原委員】

 今、先生おっしゃったこと、そのとおりだと思います。家庭のところね。
 私が言っている家庭の教育力というのは学力じゃないんです。やっぱり幼児、初等のときの社会規範、モラルをどう教えていくかということによって、家庭の役割、非常に大きいと思うんです。そういうベースになるところの力をもっとつけてあげる。そのために行政としてどういうバックアップができるか。学力については家庭教育が大事だと、必ずしも一辺倒に考えているわけではございません。そのベースになる人間性をどうつくるかというところに少しウエートを置く必要があるんじゃないかということです。

【三村部会長】

 どうぞ。

【白波瀬委員】

 いや、そのとおりだと思います。私も学力のことを言っているのではなくて、生活ですね。要するに、決まった規則正しい生活を送るというような生活を身につけるのは、まさしく家庭の教育力だと思います。そこに格差が潜んでいます。そういった家庭内の出来事が積み重なって、子どもの人間力の素地になっていきます。決まった時間に出勤して責任を持った仕事をする、ということも家庭力と極めて密接に関連しているのですから。

【篠原委員】

 もう一言よろしいですか。白波瀬委員のおっしゃることはよく分かります。

【白波瀬委員】

 すいません。

【篠原委員】

 格差の問題も含め、社会全体でクリアしながら、子どもたちにどう人間性を身につけてもらうかということとは矛盾しないと思うんです。私はいろんなやり方としてはあり得ると思うんですよね。
 それで、一言申し上げると、子ども手当は来年度以降システムが変わるようですけれども、あれだって、ものすごく矛盾に満ちているんですよ、例えば960万円の年収で所得制限を来年度からかけるというんですね。ところが、主たる生計者の年収が960万ということなんです。つまり、お二人で働いて1,600万、1,700万あっても、一人が960万超えてなければいただけるんです。そういう制度設計になっている。共働きの方で収入の多い人でも一方が960万円を超えていなければもらえる。一方、専業主婦で、夫だけが働いているような家庭については960万を超えるともらえないという。これは不公平ですよね。
 そんなこともいろいろあるので、トータルで考えませんか。

【三村部会長】

 それでは、次の議論に。

【篠原委員】

 どうもすいません。

【三村部会長】

 先ほど白波瀬委員がセーフティネットについて、よく分からないと。一応、事務局は説明しているんですけれども、おそらく、分からないという意味は、どういうふうにわからないのか。むしろ、そちらのほうがちょっと大切な議論だと思うんですけれども。

【白波瀬委員】

 すいません。

【三村部会長】

 何らかの意見をお持ちなんじゃないですか。

【白波瀬委員】

 セーフティネットというのがあって、学びのセーフティネットといったときに、学ぶためのセーフティネットか、学ぶにあたってのセーフティネットか、というのは違いますし、区別すべきところだと思います。このあたりの関係が、私には理解しづらかったです。

【三村部会長】

 それでは、次に移ります。
 中橋委員、よろしくお願いします。

【中橋委員】

 家庭教育という言葉が先ほどから出たので、少し感じたところです。
 資料3の4ページのところに、一番下に、約8割の親が家庭の教育力が低下していると回答しているというデータも出ているわけですけれども、家庭での子育てや家庭の教育というところで、それを守られるような絆やコミュニティの再構築をしていただけるのはすごくありがたいことですし、特に乳幼児のいる家庭などは、いろんな様々な問題を抱えているところも多いので、ありがたいなと思う一方で、本人自身が家庭の中で、家庭の教育力が低下していると思いながら、だからコミュニティで支えてくださいということだけでも、やはり問題があるのかなと感じます。
 様々事情があるわけですし、この基本的方向の中でも、社会全体で教育の向上に取り組む、この教育の中で家庭教育を含まれてと思いますけれども、ここに関わる家庭であったり、あるいは地域であったり、主体となる様々な要因の人たち自身、個々が変わりたい、学びたい、関わりたいと主体的に思わないと、いくら仕組みができても、こういうことだから、あなたはこの仕組みに乗って、こういうふうに参画してくださいと言われても、やりたくない人は、じゃあ、いつまでたっても出てこなくていいのかということであって、あるいは家庭の中でも、本人は変わりたくない、誰かがどこかで受け皿があるから何とかなるだろうといつまでも思っているということでもいけない。今は大変だから頼っているけれども、何か機会があれば自分も関わりたいんだ、一緒に学びたいんだと、関わっているそれぞれが主体的に学びたいという気持ちを。学ぶ仕組みをつくるのも大事なんですけれども、学びたいと思っていない人も学びたいと思えるように変えていくといったような、働きかけがどんなふうにできるかが、少しどこかに記載があればいいなと思いました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 家本委員、よろしくお願いします。

【家本委員】

 2点お話ができればと思います。
 たくさんグローバル化に関しての御意見が出ていらっしゃる中で、少し私の違う視点から申し上げると、資料1と資料3のところをミックスして踏まえると、グローバル化の、あるいは国際社会での理論というところについて、まず一つは、今の現時点をどういうふうに評価したらいいのか。果たして、要は、もともと10年という設定の中で目指している方向性に対して、現状、そのとおりにうまくいっているのか、いっていないのか。何となく、その真ん中のところを濁してしまっている部分もあるような気がするんですけれども、本当に、その目指すべきところの問題なくいっているのかどうかというところが、まず前提にあると思います。
 その上で、そもそも、この資料3の途中の上記に係る視点の例というところで、全ての国民に必要なのかどうかという話も少しトピックとして書かれていらっしゃいますけれども、今までグローバル化が進展してくる途中の中では、比較的この辺があいまいでもよかったんだけれども、どんどん、どんどんグローバル化が進んでいくこの先の10年、20年だと、完全にローカルな思考でやるのも一つの闘い方かもしれないし、それを二つに分けてしまって闘うという方法もある。闘うというか、考える方法もあるかもしれないし、全員、例えば先ほどおっしゃっていたシンガポールとかフィンランドとかの例のように、ある程度少ない人口なら全部そっちにドライブさせましょうという方法もあるかもしれない。
 それは、それぞれどっちなんだろうというのがはっきりしないと、東京だけ、首都圏だけで、人口の多いところでグローバルな話と、それから地方での話のギャップもとても大きいと思うし、今、実際、私が子どもが通っている幼稚園なんかだと、八人中一人が、どちらかの親が日本国籍ではないと。名前とか、いろんな習慣とか、宗教の違いとか、そのあたりも、幼稚園の段階でどんどん、どんどん感じさせられるというのもあります。それをどっちへ向けたいかによって、親はいろいろ幼稚園を考えますから、そこの入口から変わるんだと思うんですね。それが、まずどういうふうに評価したらいいかというのが1点。
 それからもう1点は、私の父も、祖父も、それから母もみんな教員だったり、大学の教員だったりしたので、とても感じるのが、今、この視点を、教育を受ける、提供する方法とその内容について議論していますけれども、教育を提供する側というんですか、どう専門的に言うかわかりませんけれども、その側が、例えばイノベーションとか、グローバル化とか、国際社会というキーワードのところで、果たして本当に、全ての層において、それが必要なものが足りているだろうか、あるいは経験が足りているだろうかというところについても、多少、気になるところであります。
 というのも、今、幼稚園の例を申し上げましたけれど、仮に、例えば国際社会をリードする人材を育てたいんだという親の家庭にとってみれば、教育の環境を選ぶのは無差別なので、それをどこで教育、子どもに提供しようかというときに、場合によって、こういう戦略を見たときに、ああ、これは日本じゃないなと思ったら、外で育てましょうという人も、もっと出てくるかもしれない。今までは、それは結構非現実的な話だったけれども、だんだん、だんだんそういうのは変わっているし、それは地域間格差があるかもしれないし、日本、国だけでなくてですね。そういう視点のところも、とても気になるところであります。
 なので、そもそも、今申し上げたいのは、どういうふうに今、評価したいのか。それから、目指すべき姿が、今までのグローバル化が進展してくる途中ではこれでよかったかもしれないけれども、本当にそのグローバリズムがどんどん、どんどん進んでいくという時代になってくると、どっちなのかと。それからもう1点は、教育を提供する側の今の現状がどうなのか。それが本当に、例えば、仮に思い切りグローバル化というところをしっかり重点を書いて書くのであれば、それに足りるのかどうかというところについても議論しなければいけないだろうと思いました。

【三村部会長】

 分かりました。ありがとうございました。
 金子委員、よろしくお願いします。

【金子委員】

 一つ私、高等教育が専門ですので、資料1の基本的方向3のところの評価ですけれども、基本的には、いろいろと高等教育の役割が重要になっていて、これからやることは多いという書きぶりになっているわけですけれども、私はただ、それだと前と同じような感じになるわけですが、何かもう少し切迫感が本当は高等教育に関してはあるのではないかと思います。
 それは、一つはグローバル化に関して、先端人材が必要なことも事実なんですが、もう一方で、かなり就職問題も非常に厳しくなっている。グローバル化は両方、実は問題があって、そういう意味でも非常に重要な問題。各国は、こういったことに関して、かなり急速に動きつつあると思います。その意味で、日本は少しというか、かなりここは遅れていて、これまでのように進んでいるけれども、もう少し改善したほうがいいという書きぶりよりも、もう少し踏み込んだといいますか、強い危機感が出てもよろしいのではないかと思います。
 それから、国際的に教育水準も具体的な比較がかなりされるようになってきまして、例えば日本人の大学生の学習時間は、私どものケースで1日5時間ぐらいでありまして、ヨーロッパは今、ヨーロッパ水準をつくろうとしているんですが、1日8時間で計算している。そういったことはかなり、国際的にも目に見えるようになってきているわけです。そういった意味で、かなり切迫感を持って、高等教育については臨まなければいけないのではないか。そういう意味では、評価のところを、もう少し厳しい評価があってもよろしいのではないかなと思います。それが1点です。
 それからもう1点は、この場で、これ、前にも申し上げたことをまた申し上げるんですが、高校を代表される方がいないんですが、言うまでもなく、日本の若者の3割は高校で卒業して就職するわけです。ところが、この高校での学習状況というのは、実はかなり、私は今、問題があると思っていまして、先ほどPISAの話が出ましたが、PISAは14歳、15歳のところですが、そこでは低学力層で二極化しているのではなくて台形ではないかという話もありましたが、しかし、それはまだ15歳ぐらいの話でありまして、私ども、高校3年生に調査しましたらば、1日3時間以上ぐらい勉強している子というのは4割近くいまして、これは受験勉強している子です。ところが、1時間以下しか勉強していないというのが大体4割程度いまして、大学に入る一部もそうでしょうし、それから就職する人たちはほとんど勉強していない。ほとんど勉強していないわけですね。そうしますと、多分、高校入学の段階よりも学力の格差は相当広がっていると思うわけです。それで社会に出ていくと。必ずしも高校段階の職業教育がそんなに有効に働いているわけではありませんし、実際、高校での職業教育と関連して就職している人というのは、実は非常に少ないわけです。
 そうしますと、国民全体の教育として、この高校というのをどう考えるのか。特に前の計画の概括的なところには、義務教育段階で最低水準のどこ、ミニマムの学力をどうとらえるかということが書いてありますが、という取組方をしてありますが、実質的には、実は、むしろ高校でどう最低水準を保証するかという問題だと思うんですね。そこのところについて、前回ほとんど書いていないわけですが、その書き方も、高等教育の一部にちょこっと書いてあるような書き方だったと思うんですが、それについて、国民全体の学力水準をどこでどういうふうに保証するのかといいますか、そういう観点がやっぱり必要なのではないでしょうか。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。高校の代表がいないというのも、一つの問題かもしれませんね。事務局と後で相談したいと思っております。
 板東さん、何ですか。

【板東生涯学習政策局長】

 また後に、あるいは後日御相談あるかと思いますけれども、御指摘のように高校の問題、後でちょっと、この資料の説明にもおそらく出てくるんだろうと思いますけれども、高校教育というのが実はかなりエアポケットになっておりまして、中教審全体の中でも、この数年を見ますと、あまり十分に議論されてこなかった。キャリア教育などの中で横断的に取り上げられた部分はございますけれども。ということで、これからヒアリングや御議論をいただく中で、高校教育の問題とか、それから先ほどお話ございました国民全体の力という、この生き抜く力というのも結局、義務教育段階とか、高等教育までとかという話ではなく、ずっと生涯わたって、どう力をつけていくのかという観点が重要だと思っておりますので、またヒアリングとかいろんな御議論の中で重点的に、関係の方もお呼びいただいてお話をお聞きするということが重要だと思っております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 大日向委員、よろしいですか。

【大日向委員】

 はい、結構です。

【三村部会長】

 そうですか。
 篠原委員、よろしくお願いします。

【篠原委員】

 少し深堀りしていく必要があると思っているのは、教育委員会制度の在り方です。民主党は、教育委員会を一旦廃止し新たな組織をつくるなんていうことを、あれ、政策インデックスだったか、マニフェストだったか、盛り込まれていたような記憶がございますけれども、その後、その方向で何か議論が進んでいるという感じもしていません。そこへまた大阪府あたりでああいう条例が出てきた。そういう動きも出てきて、この教育委員会の在り方が改めてクローズアップされています。これは小川副会長、御専門でございますけれども、このままでは、かなり混乱が起きてくるのではないかなと懸念しています。計画の中にどのように盛り込むかきちんとやらないとという心配をしております。
 それからもう一つ、私学についてです。公立だけじゃなくて私学に対しても、常に目を向けていく必要性を最近とみに感じます。
 耐震化の問題も然りです。この資料には、公立学校の耐震化率パーセンテージが入っていますけど、私学が入っていませんよね。掌握されているのかどうか知りませんが。今度、野党がこの国会で、私学の学校の耐震化についての国庫補助率を2分の1から3分の2に引き上げようという法案を出しましたけど、結局通らなかったんですね。

【板東生涯学習政策局長】

 継続審議です。

【篠原委員】

 耐震化の問題一つとっても国公立と私学の問題で、格差が起きているんじゃないかなという気もしますので、ぜひ、あらゆる面で、私学についても忘れないようにしていただきたい。国公立の話をするときに私学の話も同時にするようにしていく必要がある。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 はい、どうぞ。

【河村私学部長】

 今、私立学校の行政についてのお尋ねがございまして、耐震については調査を、ちょっと時点が公立とは月数がずれたりしますけれども、調査はいたしております。
 それからもう一つ、今、法案の話がございましたけれども、今国会に野党から出されました法律案、耐震そのものではございませんで、東日本大震災からの復旧に関する激甚法の特例を作るという形の法案でございまして、激甚法で私立学校の施設復旧に関しては2分の1の補助ということになっているんですけれども、これを3分の2に上げるべきではないかという法律案の内容となっております。
 ただ、その法律案の附則で、様々な制度についての検討も必要ということが入っていると、こういうものでございましたが、今のところ、手続が行われれば継続審議扱いになるのではないかという見込みと存じます。

【篠原委員】

 公立は既に3分の2になっているわけですね。

【河村私学部長】

 施設の復旧についてですね。基本が3分の2で、さらに激甚災害に指定されますと、いろいろな実態上のかさ上げ措置が行われるというような仕組みに、公立のほうはなっております。

【三村部会長】

 それから、資料4の説明は特によろしいですか。根拠は一番最後でいいですか。

【森友教育改革推進室長】

 すいません、ごく簡単に。資料4でございます。四つの横断的な視点から見た現在の政策の実施・検討状況について(案)ということでございます。
 これ、真ん中に検討状況を書いておりますが、緑色の枠の中に書いているものが、現在、各中教審、分科会等で検討中、検討予定のことでございます。それから、水色の点線で囲っているところが、既に各分科会等で方向性が示されている、あるいは施策を実施しているという中身でございます。縦軸に先ほどの四つの視点、それから横軸に年齢段階を書いております。
 上から申し上げますと、特に地域関係ですと「学習活動を通じた地域の絆の再構築と地域課題の解決」ということで、社会教育施設の地域課題解決力の向上ですとか、地域と共生する高等教育機関づくり等々について、生涯学習の課題で審議をしております。
 また、その下の「文化・スポーツを軸にしたコミュニティ形成」については、自立したスポーツ関係の拠点クラブの増加とか総合型クラブを主体的に支える仕組みの構築などについてスポーツ・青少年分科会でも議論が進められております。
 また、その下の「学校運営改善の在り方に関する検討」につきましては、今年の7月に調査研究協力者会議の報告を受けまして、地域とともにある学校づくりの主力推進方策を提示をしております。例えば、これは目標ですが、今後5年間でコミュニティ・スクールの数を全公立小中学校の1割に拡大をしていくことなどについて言及がされております。
 また、その下の学びのセーフティネットの構築の関係ですが、経済的な支援の関係では、そこに記述してあるような施策が実施されております。また、耐震化等につきましては、先般7月に、これも検討会の緊急提言という形でまとめられましたが、津波対策ですとか、地域の防災拠点としての学校施設の機能の確保といったことがなされております。国立大学の施設についても環境整備ということで計画が立てられております。
 また、その下の「ライフステージ等に求められる学習環境整備」ということで、多様な世代や高齢者などについて、そのライフステージに応じた学習機会の充実を図っていくためにどのようなことをやっていけばいいのかということを、まさに議論をしております。
 また、その下は記述のとおりですが、障がいのある子どもと障がいのない子どもがともに学ぶといった観点からもリンクする「インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」ですとか、今般の震災の状況も踏まえた「防災教育・防災管理等を含めた学校安全の推進に関する検討」等々について、それぞれ会議において検討が進められております。
 また、右側の高等教育の関係ですと、先ほど来、話も出ておりますが、審議が進められておりまして、教育の質の保証・向上の推進に関する検討ですとか、機能別分化、連携の促進に関する検討、大学の組織・経営基盤の強化に関するガバナンスに係る検討などを進めているところでございます。特に大学の情報公開につきましては、既に一定の方向性が示されております。
 それから、特に「教員の資質能力向上に関する検討」につきましては、教員養成の修士レベル化について検討がなされております。
 それから、下のほうに行きますと、右の下にあるキャンパスアジア構想など大学等の国際化ですとか、その下の細長い科学技術、国際化、情報化の進展に対応した先進的教育等とございますが、これも今年の6月にグローバル人材育成推進会議中間報告というのが取りまとめられておりまして、例えば20歳前半までに同一年齢の10%が留学や在外経験をするように目指すといった目標のもとで学習施策が提言をされております。
 また、学校段階間の連携・接続に関します検討につきましては、昨年11月に幼小の連携、それから今年の7月に中高一貫教育制度に係る検証状況、改善方策についての取りまとめがなされております。小中連携についても今後議論を進めていくということになっております。高大接続について直接的に、先ほどもお話ございましたが、これまで検討が進められているところはございません。
 あとは記述のとおり、大学院の関係についても、大学院教育振興施策要綱等に基づいて施策を進めていくといったことになっております。
 また、左側の縦軸でございますが、これまでの総会、計画部会で委員の皆様方からお出しいただいている課題ということで、先ほどもお話ございましたが、教育委員会の関係の話、それから大学の質の保証、規範意識の関係、高校の教育改革等々についても課題として出されております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。この中で、各分科会で既にいろいろ検討が進んでいるものと、まだ手のつけていないものと二つあるわけです。それから、この表は、ある意味では各局にこだわらない一気通貫での対策をという視点からこれをまとめていただいたと、こういうことですね。一つのポイントだと思います。
 今日の議論は、ほかに何か御発言したいということがあれば喜んでお受けしたいと思います。では大日向さん、どうぞ。

【大日向委員】

 簡単に2点申し上げます。資料4についてですが、私は生涯学習分科会に関わらせていただいておりますので、一番上の行で、学習活動を通じた云々というところですが、これは「生涯学習活動」という表現がいいかと思います。また、学ぶ人の主体性ということを考えますと、生涯学習活動を通じて自己実現がまずあって、それを通して地域の絆の再構築と地域課題の解決ではないかと思います。細かい文言にこだわって恐縮ですが、それが1点です。
 2点目は、子ども・子育て新システムの構築ですが、特に幼保一体化等を含めて、ここに学びのセーフティネットの構築の中に書き込んでいただけたことを大変ありがたいと思います。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 大江委員、よろしくお願いします。

【大江委員】

 国が方向性を示して設置者が施策を展開してその設置者を国が支援をしていく。そのことはそれでよろしいかと思うんですが、施策を展開をする場合に、全国全ての学校で実施できるようにする施策なのか、モデリングをして、これが理想だよとするのかを、まず明確にすべきじゃないのかというのが1点です。
 実施主体の学校力に、やはり差があるんですね。設置者、学校の財政力とか、人的環境とかに差があります。教員の理解が十分ではないとか、校長が熱心じゃないとか、そういう単純な評価ではなくて、様々な環境で学校差は必ずあるんです。その学校差をどういうふうに支援をするか。学校差をクリアしないと全ての学校で実施が困難だという現状を踏まえ、施策展開するほうがいいと思っています。
 全ての学校でやるならば、行政できちんと教育環境整備の支援をすべきじゃないか、そう思っています。
 以上、所見です。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 木村委員、よろしくお願いします。

【木村委員】

 資料3に戻ってもよろしゅうございますか。

【三村部会長】

 いいですよ。何でもどうぞ。

【木村委員】

 家庭の教育力のことについて少し発言をさせてください。もう今から随分前になりますが、神戸でおぞましい事件が起きましたときに、当時の文部大臣が大変心を痛められまして、心の教育について審議してくれという諮問事項を中教審にお出しになりました。私、部会長を仰せつかり、丁々発止の議論をしたのですが、結局、今、家庭に踏み込む方法ってないんですよね。唯一あるのは、母子手帳を交付する時だけです。その機会に啓蒙活動をやろうという結論にはなり、その後かなりやられているのですが、それ以外に、少し言葉は適当ではありませんが、家庭に手を突っ込むことはほとんど不可能なんですね。ですから、この件は言うは易くして実行は非常に難しいと思います。
 もう一つ、さきほど行政が云々という話が出ましたが、家庭の教育力に直接関係するということではないと思いますが、英国が今やっていますのは、経済的にハンディキャップをしょっている家庭からの大学進学を増やそうということです。それがうまく行くと、さきほど白波瀬委員がおっしゃったように、そのような環境から高等教育へ進まれた方の土台になる家庭といいますか、そこのところが変わることになりますね。それぐらい息の長いことを考えないと、日本の家庭の教育力を上げるというのは殆ど不可能ではないかと思います。
 私、あちこちの国で、食事に呼ばれることが多いのですが、そのような時外国の家庭で子供がどういうことをやっているかを詳しく観察することにしています。日本とは徹底的に違いますね。本当に日本ではしつけが殆ど存在しなくなっている。そういう点ではしつけが全然出来ないのでは。欧米の国では、全部の家庭出そうだとはいいませんが、子どもに対する厳しいしつけは一つの社会的な慣習になっているので、きちんと家庭の教育といいますか、しつけはやっています。かつては日本も、そういう状況にあったのでしょうが、欧米のスタンダードに追いつくには相当時間がかかるのではないかなと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 安倍委員、よろしくお願いします。

【安倍委員】

 2点お願いしたいと思います。
 1点は、やはり今回、東日本大震災が起きたわけですけれども、今を逸してしまうと、この振興基本計画の中にも、その思いというのはなかなか織り込めないかなと思いますので、この東日本大震災から学んだことという視点で、いろいろなところでどんな施策ができるかということを改めて全体的に考えなければいけないのかなと思っています。
 例えば、学校教育で言えば、その教育内容の面ではどうだろうかとか、あるいは食育のこともありますし、教員養成の問題の中でも危機管理ということが必要になるかもしれませんし、体験活動の中で子どもたちはどうだろうかと。もちろんハード的な問題もありますし、また、あと制度的な問題で、先ほど小川委員がおっしゃいましたように、学校にはスクールソーシャルワーカーとかスクールカウンセラーが関わっているわけですけれども、これから地域の防災拠点の中心になる場合には、これらの人材以外にも教員が、あるいは教員以外の者が学校と地域をつなぐ役割を担う、そんな職員を学校に配置することも考えられると思いますので、ぜひ東日本大震災から学ぶという視点を持って計画全体を再点検する必要があるのかなと思います。
 子どもたちに限っていえば、やはり人のために汗を流すという視点が必要かなと私は思います。もちろん、自分のやりたいことによる、自己実現という視点も大事かもしれませんけれども、あえてやりたくないことについても自分がそこに一歩踏み出すことをきっかけに、やりたいことを見出すことも大切だと考えています。やはり、人のために汗を流す、社会貢献という視点からも計画全体を見直す必要があるのではないかと思っています。
 もう1点は、高等学校教育についてです。私も高校教員を9年やっておりました。先ほど金子委員からも、高等学校で勉強しない高校生が増えているというお話がありましたけれども、確かに、学力に非常に差があるということ、あるいはモチベーションの問題、家庭で勉強する以外にも、例えば部活動に打ち込むなど、15歳から17歳までの、いろいろな多感な子どもたちの実態を踏まえて、どういう姿が、この高等学校の段階で求められているのかということについて、ぜひ一度議論をしていただけるとありがたいなと思っております。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 では國井委員、最後に小川委員という形で締めさせていただきます。國井委員、まず、よろしくお願いします。

【國井委員】

 しつこいようですけど、男女共同参画について。この問題、非常に大きいので、ここだけということにはならないんですけど、ここに学力の促進というのが書かれていますけれど、どのような取組をされているのか、どういう組織で検討なさっているのか。男女共同参画会議ほかと書いてありますけれど、やっぱりそれなりの組織体制の中で推進されないと進まないと思いますので、そこのところ、どうなっているのか、現状について実施・検討状況というところでお伺いしたいと思います。
 それからもう一つ、家庭の教育に関して、木村委員からも大変難しい話でということで、そうだと思うんですけれど、高等教育の中でも、親になったときにどうかというような教養的な教育科目はないものなのでしょうか。高校とか大学とか、そういうところで、そういう一般教養的な話として取り組むとかということはできないものなのか、ちょっと教えていただければと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 それでは小川委員、よろしくお願いします。

【小川副部会長】

 先ほど篠原委員がおっしゃっていた教育委員会を含めた地方教育行政の問題をどう扱うかということに関してですが、私も少し逡巡しているのは事実ですが、例えば資料3、資料4でも、やはり地方教育行政の在り方とか課題を柱にしっかり据えるということには、まだ今なっていないんですよね。
 確かに、地方分権改革というのが、2000年前後の状況から考えると、かなり今の政治状況が難しいこともあり、なかなか今、そういう政治の表舞台で華々しく議論されていないというようなこととか、あと、この間、地方分権改革の中の、むしろ負の側面が非常に出てきているということもあって、地方団体の関係者にも地方分権改革の、ある意味での前向きな議論がかなり希薄になっているとか、そういういろんな要因があるかもしれませんけれども、教育委員会を含めた地方教育行政の在り方を次の第2期の計画の中にどう盛り込むかということは、なかなか言いづらい面があるんですよね。
 ただ、この10年間の地方分権改革とか税財政改革の中で、教育費の支出を含めた地方教育行政の形というのは、明らかに大きく変化してきているのも事実ですし、また、例えば市町村合併一つとっても、この10年間で、かつて三千数百あった市町村の数が1,800を切るような形で、大きな市町村合併も進んでいる中で、地方教育行政の形は明らかに変わりつつあるんですよね。こういう実際変わりつつある地方教育行政の実態がある中で、第2期の基本計画の中に、教育委員会を含めた地方教育行政の改革の課題とか、その辺のところの柱を設定できないというのは、ちょっと問題なのかなと思います。
 少なくとも、第2期の基本計画で、どういう形でそれを整理して入れ込むか、課題をどう整理するかということについては、これから意見交換していっていいと思うんですけど、少なくとも第1次の基本計画のときには、安倍内閣時代の教育再生会議を踏まえて、地教行法の大きな改正があったわけですよね。あの地教行法の改正、つまり第1期で実施された地教行法の改正による地方教育行政改革の基本方向というのが、この第1期の期間中、実際どういう成果があったのか、なかったのかという、少なくともそういう検証を踏まえた上で、第2期の教育委員会を含めた地方教育行政の検討の柱、課題の柱というのは、入れ込んでおいたほうがいいのかなと思います。
 学校を含めた地方の高校以下の教育の取組というのは、教育委員会を含めた地方教育行政の、ある意味では力量が反映しますので、第2期の地方のいろんな教育改革の取組をしていく際に、そういう教育委員会を含めた地方教育行政の問題は、やはり看過してはならない柱だと思いますので、その辺も少し検討していただければと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 安西副部会長。

【安西副部会長】

 日本と世界の非常に大きな変わり目の時期にあって、この教育振興基本計画の第2期というのは、やはり、なるほどというのを出していただきたいなと思うんですね。それについて生涯学習局に手短にお願いがございまして、資料4の一番左側の色つきの縦のところ、学びのセーフティネット構築、社会を生き抜く力の養成、未来への飛躍云々という、その文言と、実際に検討されているそれぞれの分科会等の検討状況が、まだまだ結びついていないのではないかと思うんですね。
 先ほどの御説明では検討されているとおっしゃったので、それはそのとおりだと思うんですけれども、なかなか生涯局としても他の局に言いにくいというところはあるかもしれませんけれども、例えば初中教育にいたしましても、教員の資質能力の向上を検討するのに免許制度の検討はされていますけれども、社会を生き抜く力の養成をどうしたらいいのかというところには、まだまだ踏み込んでいないと認識しておりますし、高等教育については、学生は勉強しないと、さっき金子委員が言われた、全くそのとおりで、これをどうしたらいいのかということについては相当、自分としては危機感があるんですけれども、やはり、分科会といいましょうか、審議会等のやり方ですと、スピード感はなかなか持ちにくいところはございまして、そういうところを、やっぱりバックアップしていただきたいなとも思いますし、キャンパスアジア構想等々も。
 自分の関わっているところで申し上げますと、グローバル人材の育成につきましても、今のところ、仕方ないんですけれども、限定された大学というんでしょうか、そういうところでいろいろ議論が始まってはおりますけれども、これも先ほどから言われておりますように、就職の問題で、これも日本の大学生全部に係ってきていることで、そういうことについての問題意識というんでしょうか、どこが具体的な問題点なのかということは、生涯局は、ぜひ把握しておいていただけないかと思うんですね。そのことと、この表書きというんでしょうか、その基本の方向等をできるだけ、やはり距離を縮めるように生涯学習局が努力をしていただきたいなと思いますので。
 リーディング大学院等も、これ、大学院のプログラムをやるのはいいんですけど、その出口を、そういう人材を育成した後の出口をどうするかということについての意識は持っていただきたいなと思いますし、そういうことの何が具体的な問題点なのかということは常に把握していっていただければありがたいなと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 今日の議論、これで打ち切りたいと思っております。今日、各委員から出た質問に属する事項、例えば最近いじめ等々がどうなっているのか、こういうものについては、ちょっとデータ、後で示していただきたいと思います。幾つかの質問があったと思います。
 今日の御指摘の中で、例えば今の課題をただ単に羅列だけじゃなくて、それの本当の原因は何だったのか。これは重大な指摘だと思います。これについても努力をお願いしたいと思っております。
 それから、今日の議論の中で、例えば教育委員会を今回どう扱うのか。それからグローバル化への対応ということ。要するに、受ける立場だけじゃなくて、これを教育する立場から見ても、どう考えたらいいのか。それから家庭教育が非常に重要だと、こういう御指摘はそのとおりだと思いますが、さて、これに対してどういうアプローチができるのか。それから女性参画にというのは、これは社会全体の問題ですが、教育という立場で、これをどう扱うことができるのか等々、ちょっと全部コメントできませんでしたけれども、そういうことに対する御意見ありまして、一つ一つ貴重な御指摘だったと思います。これ、事務局、ちょっと大変ですけれども。
 とりあえずは非常に網羅的に広く、あまり焦点を絞らないで議論していただいて、次もおそらくそうなるんでしょうかね。
 それから、高等教育の問題ですね。高校教育の問題についてもどうしたらいいのか。こういう御指摘がなされております。
 あまり範囲を絞らずにしばらく議論して、それから後は、教育振興基本計画という一つの計画ですので、やはり、きちっとした中身にしなければいけないということで、それから絞っていくと、こういう方向性でいきたいと思っております。
 事務局から何か今後のあれも含めて、いいですか。先ほどの御説明で十分ですか。

【森友教育改革推進室長】

 はい。

【三村部会長】

 分かりました。
 それでは、これで振興基本計画部会の会議を終了したいと思います。どうもありがとうございました。

── 了 ──

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-- 登録:平成23年10月 --