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教育振興基本計画部会(第5回) 議事録

1.日時

平成23年7月4日(月曜日)14時~16時30分

2.場所

文部科学省 「講堂」(東館3階)

3.議題

  1. 震災関係者からのヒアリング
  2. その他

4.出席者

委員

三村部会長、安西副部会長、小川副部会長、相川委員、安倍委員、家本委員、石井委員、衞藤委員、大江委員、金子委員、木村委員、國井委員、篠原委員、白波瀬委員、竹原委員、田村委員、中橋委員、丸山委員

文部科学省

清水事務次官、金森文部科学審議官、前川総括審議官、辰野文教施設企画部長、板東生涯学習政策局長、山中初等中等教育局長、布村スポーツ・青少年局長、伊藤大臣官房審議官、作花生涯学習総括官、森友教育改革推進室長、他

5.議事録

【三村部会長】

 それでは、定刻でございますので、ただいまから教育振興基本計画部会第5回を開催させていただきます。
 お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。本日の議事は、皆さん座っておられますけれども、震災関係者からのヒアリングでございます。次期の教育振興基本計画の策定に当たりまして、今回の東日本大震災が社会全体に与えた影響の大きさも踏まえまして、震災を教訓にして、今後、教育政策上、重視すべき事項について整理してまいりたいと思っております。本日及び八日の2回にわたりまして、被害の状況や中長期的な復興構想について、何でも結構ですから率直にいろいろな御意見をお伺いして、検討に生かしていきたいと考えております。本日お越しいただきました皆様方におかれましては、震災対応等で大変お忙しい中、誠にありがとうございます。
 本日のタイムスケジュールを作成しておりますので、これについてまず事務局から説明をよろしくお願いいたします。あわせて配付資料の確認もよろしくお願いいたします。

【森友教育改革推進室長】

 まず、配付資料の確認でございますけれども、本日、資料1から資料11までございます。資料1が本日のヒアリングの日程の資料でございます。それから、資料2が岩手県の教育委員会、資料3が宮城県の教育委員会、資料4が東北大学からの提出資料、資料5が岩手大学からの提出資料でございます。また、資料6が宮城教育大学からの提出資料、資料7が福島大学からの提出資料、資料8-1が国立高等専門学校機構からの提出資料、資料8-2が仙台高等専門学校からの提出資料、資料9が公立大学協会からの提出資料でございます。資料10は次回の部会の日程でございます。最後、資料11が前回の計画部会における委員からの主な御発言についてという資料でございます。
 本日でございますけれども、資料1のヒアリングの日程に書いてございますが、まず、14時から15時まで、岩手県、宮城県の両教育委員会からのヒアリングをさせていただきます。また、15時から16時半まで、高等教育関係者からのヒアリングということで、東北大学、岩手大学、宮城教育大学、福島大学、国立高等専門学校機構、国立仙台高等専門学校、公立大学協会からのヒアリングを予定しております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ということでございます。それでは、最初に教育委員会の関係者の方々からの御意見を伺いたいと思います。岩手と宮城のお二人の御意見をお伺いした後に質疑応答に入りたいと思います。
 まずは岩手県の教育委員会の菅野洋樹教育長、よろしくお願いいたします。

【岩手県教育委員会(菅野教育長)】

 岩手県教育委員会の菅野と申します。このような機会を与えていただきまして大変ありがとうございます。岩手県の状況、取組について、先生方に若干お時間をいただきまして御説明をさせていただきたいと存じます。
 まず、今、映っております資料を御覧いただけたらと思います。これは陸前高田市が津波に襲われたときの写真でございます。実は本県では大震災津波という言い方をしてございまして、やはり今回の災害は津波が一つの大きな特徴でございました。津波は、生活基盤といいますか、こういったものが根こそぎなくなると。それから、当然、復興に当たりましても土地利用で大きな制約を受ける。がれきを撤去してもそこにものがそのまま建てられないという大きな制約を受けます。また、子供たちもこういう風景を見ております。住家が流される、自動車が流される、その中に人がいると、そういった状況を子供たちが見ております。したがいまして、子供たちの心のケアは非常に想像を絶するところを考えていかなければならないと思っております。
 本県の被害の状況でございますが、児童、生徒、約100人程度の子供たちが亡くなり、または行方不明になってございます。また、教職員についても被害が出てございます。また、今回の災害によりまして、両親をともに亡くされた、または片親の御家庭で当該親御さんを亡くされたお子さんが、現在のところ本県だけで88名にのぼってございます。こういったお子様に対して、どう福祉と一緒になった教育の面からのサポートができるかというのも大きな課題だろうと思ってございます。
 これは物的な被害でございます。県内の県立学校が82校ございますが、このうち73校が何らかの格好で被災をしてございます。特に沿岸部におきまして、大きな被害を受けてございまして、右の写真は県立高田高校という高校でございますが、ここは若干の高台にある高校なのですが、校舎3階まで津波が押し寄せてまいりまして、このように学校が全面的に使用不可能な状況になってございます。陸前高田市のことを申し上げたのですが、陸前高田市におきましては、教育委員会関係も大きな被害を受けてございまして、教育委員会の職員が約二十数名おりましたのですが、このうち生存が確認されておりますのは数名でございまして、教育長さん、教育次長さんはじめ課長級以上の職員が全て亡くなられる、もしくは行方不明という状況で、その町の教育行政機能が全く失われると、そういう状況になってございます。また、多くの学校で、被災はしなかったのですが、避難所となりまして、そういった面で大きな学習に対する制約条件になっている学校も多々ございます。
 ただ、こういった中でも、それぞれの学校におきましては、子供の安全を守るために最大限の努力をしていただいたと考えてございます。ある県内の学校でございますが、マニュアルに沿って地震発災後、子供たちを全員校庭に避難させたと。そこに用務員さんがおられたのですが、この用務員さんは地元の方でいらっしゃいます。海の状況を見ていると、非常におかしいと。やはりこの方はお父様、おじい様から、明治三陸地震津波の際の教えを随分言われていたと。大地震が来た後には大津波が必ず来ると。黙って山に逃げろという教えを言われていたと。それで、校長に対しまして、ここでは危ないんじゃないか、もう少し上に逃げましょうということを具申された。それで、校長は内陸部の出身の校長だったのですが、それで、じゃあ、子供たちをすぐ裏山のもっと上に逃がせという判断をして子供たちを逃がしたと。当時、一番最後に、子供たちの一番後ろから、子供たちをサポートしていた先生の話ですと、あともう少し判断が遅ければ、子供たちは何人か津波に巻き込まれていたと思うと。校庭までずっと津波が押し寄せましたので、こういったことで当該学校は何とか子供たちの命を助けられたと。
 こういった状況は県内あちらこちらで報告されてございまして、やはり限られた情報の中でどう判断して子供たちの安全を確保するか。子供たちにしても、こういう状況下において、どう瞬時に先生方の言うことを聞いて、自分から身を律し得るかというのがやっぱり大きな課題なのだろうなと思っております。
 それから、もう一つ、被災しました県立学校の校長からは、異口同音に、改めて自分たちの子供を誇りに思うということを言われてございます。発災当日、一緒に避難されたお年寄りの手を引っ張り、もしくは肩を貸して避難を助けた高校生たち、また、発災当日、非常に寒い晩でありましたので、数少ない毛布を避難された方に提供し、または食料も避難された人に提供して、自分たちは学校のグラウンドで寒さに震えながら、また、空腹に耐えながらじっと我慢していた高校生たち。また、避難所になった学校においては、避難された方々の食事のお世話をするために、毎日手を真っ赤にしながら食器洗いをしていた女の子たち。そういう報告を受けておりまして、やはり改めてこういう極限時において、他者のために何とか尽くさなければならないという子供たちの思い、やはりこれは生きる力といいますか、知・徳・体のうちの徳なのだろうと思いますが、こういったことを次の岩手の教育にどう取り入れていくのか。また、先ほどもお話し申し上げましたが、地域の方々に支えられ、もしくは地域の方々を支えるということ、こういったものを次の岩手の教育にどう反映していったらいいのか。こういったことが防災教育の充実も含めまして、本県教育の次の大きな課題になるのではないかと考えてございます。
 ただ、こういった中におきましても、特に大きな被害を受けました県立高田高校が5月10日に入学式を迎えることができました。これをもって県内の全ての学校において、新しい子供たちを迎えて学校をスタートすることができました。これも全国の皆様方から寄せられた、御支援のたまものだろうと思っておりますし、あわせて、全て失ってしまいながらも、子供たちのために何とか学校を子供たちに返してあげたいという地域の方々の熱い思いから、避難所となっておりました学校の教室をあけていただいて、子供たちを教室に迎えることができましたのですが、そういう地域の方々の教育に寄せる熱い思いが大きな力になったと思ってございます。
 また、県内の学校におきましては自主発生的に、内陸の学校が、被災した沿岸の学校を、それぞれ担当を決めて助けると。いわゆる姉妹校連携と言っておりますが、そういった取組が自主的に、校長会ですとか副校長会ですとか、そういった会の自主的な取組によって継続的な支援が行われてございます。そういった内陸と被災地とのつながりづくりも、こういう学校の再開に向けて大きな力になったのではないかと思ってございます。
 ただ、一方で、何とか学校は再開したところでございますが、校庭が仮設住宅になっている。体育館は避難されている方がいらっしゃると。学校が使えるのは何と普通教室だけという状況の学校も多々ございます。ここにございますとおり、4校が同一校舎で授業を再開せざるを得なかった事例もございます。こういった中で、やはり学校行事もままならない、理科といった特別教科の授業もままならないという状況がございます。やはり子どもたちですので、たまには思い切って体を動かしたいという思いもあるだろうと思いますが、なかなかそういったものをかなえてあげられない状況にもございます。したがいまして、何とか、長期的な取組になろうと思っておりますが、一歩一歩、子供たちの学習環境を整えてまいりたいと思ってございます。
 また、あわせまして、教職員も同じような状況でございます。教職員みずからが肉親を亡くされたり、または自宅を津波で流されたり、いわゆる教職員みずからが被災者という例も多々ございます。そういった中で、教職員は避難所の運営、それから子供の安否確認、授業の再開ということで、寝食を忘れて何とか活動していただいています。そういった教職員の思いに応えるためにも、何とかそういうサポートを私どもとしても全力挙げてやってまいりたいと思ってございます。
 こういった状況でございますが、本県におきましては、現在、この災害の復興に向けての基本計画の策定を進めてございます。現在、案を策定いたしまして、パブリックコメント、または地域の方々への説明会等を行ってございますが、この中で教育分野におきましては、基本的な事項として3点を挙げてございます。
 一つは、児童生徒の心のサポートでございます。先ほど申しましたとおり、大きな災害の現場を見たお子さん方、場合によっては人が亡くなるのを見てしまったお子さんもいらっしゃいます。そういったお子さんに対してどういうふうな心のサポートをしていくのか。特に、第一線、子供たちのすぐ目の前に立つ教職員がどうそれに対応していったらいいのかという大きな課題があろうと思ってございます。このため、本県におきましては、臨床心理士の方々を中心といたします心のサポートチームを今、立ち上げてございます。このサポートチームを中心に、何とか長期継続的な支援を行ってまいりたいと思ってございます。大変ありがたいことに、全国、北は北海道から南は沖縄県まで、全国から多数の臨床心理士の先生方の応援もいただいて、罹災した学校の支援に入っていただいておりますが、まずは子供たちのすぐ目の前に立つ教職員に対する研修、これは発災当時の研修は既に終了してございますが、今度は夏休み期間を利用しまして、そういう教員に対しまして次のステップとしてどう子供たちに対応していったらいいのか、そういう研修を行いたいと思っておりました。また、そういう教職員が悩んだとき、困ったときにいつでも専門家の支援を受けられるような体制をとってまいりたいと思ってございまして、被災地を中心に臨床心理士が常駐する、いわゆるキーとなるセンターを立ち上げたいと思ってございまして、既に何か所かにおいてそのような立ち上げを行っているところでございます。
 先ほども申し上げましたが、地域に支えられ、地域を支えるために、もしくは防災教育をどうするか、そういった今後の岩手の教育に当たっての大きな課題があろうかと思っておりまして、岩手の復興教育プログラムというものを現在検討を行っているところでございます。これは、新しいものを何かやるというよりは、これまでいろいろ培ってきたものを改めて震災という現状を整理しながら、どう岩手の教育にその震災というものを入れ込んでいくか。いろいろな視点があるだろうと思ってございます。人づくり、それからやはり、今回の震災からどう子供たちに学ばせるのだろうと。人と人とのつながり、罹災した学校とそれを支援する立場の内陸の学校との人と人とのつながり、もしくは将来の生活を何とか維持するための、いわゆるキャリア教育、そういった多様な取組があるのだろうと思ってございまして、現在、私ども教育委員会と教育センターにおきまして、そのプログラムづくりに取り組んでいるところでございます。既に、こういったことを行いたいということについては、各地域の校長会等への説明も開始してございまして、何とか今年度後半から来年度にかけては徐々にこういう本県の教育の中で、岩手の復興教育というものを入れ込んでまいりたいと思ってございます。これはただ、若干試行錯誤的なところになろうかと思ってございまして、毎年毎年いろいろなことをやりながら、なおかつそれぞれの学校の状況に応じ、若干時間をいただきながらプログラムをつくってまいりたいと考えてございます。
 一方、三番目は施設の問題でございます。現実に、学校が多くの避難所になったという実態がございます。こういった中で、では、学校がそれにうまく対応できていたのかと。先ほど申し上げましたとおり、教職員は全力を挙げてやったところでございますが、必ずしも燃料の備蓄があったわけではございませんし、毛布等の備蓄があったわけではございません。それから、先ほど申し上げましたように、市町村教育委員会の機能がかなり喪失した場所もございましたので、市町村の支援もただちには受けられない状況であった。そういったことからしますと、やはり、学校に新たな防災拠点としての機能も持たせる必要があるのではないか。そのためにどういったことが考えられるか。さらには、先ほど、高齢者の方々の関係を申し上げましたが、やはり沿岸部の市町村からは、新たな次の学校づくりとして、高齢者の方々の施設と一体化したような学校づくりができないのだろうかと。

いろいろな課題が提起されてございます。県の教育委員会といたしましても、先般、文部科学省にお示しをいただいた指針等を参考とさせていただきながら、それぞれの地域ごとの復興ビジョンともよく整合性を図りつつ、学校がどうあるべきか、どういう機能を持つべきかということについて検討を深めてまいりたいと考えてございます。
 また、ここには記載がございませんが、今回の震災に鑑みまして、社会体育施設の在り方というものを今、考えてございます。沿岸部におきましては、社会体育施設が大きなキャパシティを持っている施設でございますが、なかなか現在、耐震化というものが進んでいない状況でございます。学校につきましては、徐々に耐震化が進んでおりまして、今回も避難所として活用させていただいたわけなのですが、社会体育施設におきましては、そういった大きな容量を持っていながら、耐震性に不安があり、避難所もしくは物資の集積に使えなかったという実態が出てございますので、そういった点も含めて既存の施設の有効活用という観点から検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 若干、最後にトピックス的なものを申し上げさせていただいて恐縮でございますが、先ほど申し上げましたとおり、県内で88名、現在、いわゆる孤児の方々がおいでになります。教育としてこの方々に何をして差し上げられるのだろう。当然、福祉関係部局と一体となって、お一人お一人に対してどういうふうな状況かを把握しながら取り組んでいるところでございますが、当面、教育といたしましては、何とかこの方々が安心して学び、生活できる環境を整えるために、給付型の奨学金制度を創設したいと考えてございます。先般の6月県議会臨時会に条例案を提案いたしまして、県で基金を設置いたしました。この基金に県が拠出するとともに、民間の皆様方から幅広い御支援をいただきながら、将来的な、そういう子供たちのための、安心して勉学に励むことができる奨学金制度、そういう環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
 以上、非常に簡単な御説明で恐縮でございますが、大震災、津波の発災に際しまして、これまで国、自治体、NGO等の皆様からいただいた御支援に対しまして改めて御礼を申し上げますとともに、何とかこういった私どもの御支援をいただいた県の皆様に幾らかでもお返しができるとすれば、今回の震災、津波を経験した者として、何が課題であったのか、何にこれから取り組まなければならないかということを何とか明らかにさせていただいて、それを皆様に御報告をさせていただくことをもって御礼の一つに代えさせていただきたいと考えております。
 まだ非常に現地が混乱しておりまして、なかなかその段階まで至っていないところについてはおわびを申し上げなければならないところでございますが、必ずそういった取組をさせていただくことをお約束させていただきまして、これまでの御支援に対しての御礼に代えさせていただきたいと思います。このような機会を与えていただきまして大変ありがとうございました。

【三村部会長】

 菅野洋樹教育長、どうもありがとうございました。
 御質問があれば、この次を終えてからやりますので、宮城県教育委員会の小林伸一教育長、お願いいたします。

【宮城県教育委員会(小林教育長)】

 失礼いたします。宮城県教育長の小林と申します。本日はこのヒアリングにお招きをいただきまして誠にありがとうございます。若干の時間をいただきまして、宮城県の教育を巡る現状の一端を御理解いただければと思っております。それでは、恐縮ですが座って説明をさせていただきます。
 本日の御説明の内容としては、1点目として、東日本大震災における本県の被害の状況、2点目として、本県教育における主な課題と取組状況、それから3点目として、昨年3月に策定いたしました宮城県教育振興基本計画について御説明申し上げまして、最後に、今後の教育復興において目指すべき方向性として、本県で考えていることについて御説明を申し上げたいと思っております。
 それでは、まず初めに、今回の大震災による宮城県の被害の状況でございます。まず、人的被害でございますが、6月29日現在、本県全体では死者が9,189人、行方不明者が4,642人と、合計で約1万4,000人の方が死亡または行方不明となっております。そのうち、公立学校につきましては、幼児、児童、生徒の死亡を確認されたのが311人、不明が51人、教職員では死亡が16人、不明が3人となっております。また、私立学校では、幼児、児童、生徒の死亡が63人、不明が五人、教職員では死亡が二人、不明が一人となっております。
 次に、施設被害でありますが、県立学校、市長村立学校、私立学校、その他の文教施設全体で、被害件数は1,903件、被害額は約2,000億円となっております。
 次に、県立学校や県立社会教育施設への避難の状況でありますが、震災直後のピークのときには、県立だけを見ても22の学校等に7,300人が避難をしておりました。
 続きまして、本県教育における主な課題と取組状況でございます。まず、県立高等学校では、震災のあった3月中は休校、授業打ち切りといたしましたが、早期の再開に向けて取組まして、校舎が使用不能となった4校につきましては、分散して他の高校を間借りするなどの対応をとりまして、全ての学校において連休前の4月20日から22日までの間に始業式、入学式を実施することができております。
 また、新卒者の雇用の確保でありますが、未内定者や内定取消しのあった卒業生を臨時職員として県立高校で採用しているところであります。実数としては累積で50名採用しておりますが、うち4名が就職がその後決まったということで、現時点で46名が県立高校等で働いているということでございます。
 それから、特別支援学校でありますが、高等学校と同様の課題がみられるわけでありますが、特に給食設備の被害が大きかったということで、学校再開に向けて状況に応じてカリキュラム編成を弾力化するなどして対応をしてきております。なお、今現在、まだ正常な給食ができていないというのが1校のみであります。
 続きまして、市町村立学校における課題と取組状況についてであります。被災生徒への支援といたしましては、スクールカウンセラーの緊急派遣等によりまして、心のケアの充実を図ってまいりました。特に本県において、いわゆる震災孤児は6月29日現在で111人にのぼっておりまして、今後こうした子供たちに対する学校におけるきめ細かなケアといたしまして、スクールソーシャルワーカーによる対応が重要であろうと考えております。
 次に、甚大な被害を受けた公立学校にかかわる支援でありますが、義務教育小学校には216人、高等学校には25人の教職員の加配を認めていただきまして、配置を進めているところでございます。そうした中で、他都道府県の御協力により、教員及び技術職員を受け入れております。また、みずからも被災しながら、多くの本県の教職員が厳しい環境の中で学校現場を支えてきたという実情も踏まえまして、カウンセラーを派遣し、教職員の相談や助言に当たっております。
 次に、学校施設以外でも社会体育施設や、社会教育施設の多くが被災いたしましたが、被害の少なかった施設は被災者の避難所、あるいは遺体安置所等に利用されてまいりました。また、文化財につきましては、有形、無形の多くの文化財が被害を受けましたが、文化財レスキュー事業の活用等によりまして、緊急的に必要な対応を図っております。さらに、本県は特別名勝松島を有しておりますが、その区域内の住民が被災した場合に、近くの高台など、従来とは異なった場所に新たな住宅等を建てざるを得ないというケースが想定されるところでありまして、文化財保護法上の規制と住民の生活再建との調整を図る必要が生じております。そのために有識者や関係自治体の長などからなる会議を設置いたしまして、その文化財的価値と復興計画の両立を図るための検討を進めているところでございます。
 以上のような震災の直接的な被害のほかに、本県も福島第一原発の事故の影響を懸念しなければならない地理的条件にありますことから、児童生徒、保護者にとって安全・安心な学校教育の環境を確保するため、学校等における放射線量の測定など、様々な放射能対策を行うこととしております。その他、文部科学省や他の都道府県からは人的、物的支援について多大な御配慮をいただいておりまして、この場をお借りして改めて深く感謝を申し上げます。
 以上が震災直後から現在までの本県の教育における主な課題と取組状況でございます。
 続きまして、本県では、昨年3月に平成22年度から平成31年度までの10年間を期間とする宮城県教育振興基本計画を策定しているところでございます。この計画では、目標時点である10年後の目指す姿といたしまして、学校、家庭、地域の強い絆のもとで、より良い未来を創造する高い志を持った、心身ともに健やかな子どもを育てる、そういったことを掲げているところでございます。こうした理念のもと、この計画では、施策の基本方向として、資料のとおり六つの基本方向を定めております。この六つの基本方向のもとで、今後特に重点的に取り組む施策として11の事項を記載しておりますが、本日はそのうち本県の特徴的施策として、基本方向1の中の1、小・中・高等学校を通じた「志教育」の推進と、基本方向5の中の2、地域と学校との協働による学校支援の仕組みづくり、この二つを御紹介いたします。
 志教育でありますが、これは子供たちが自分の適性や能力を的確に理解した上で、社会において将来どのような役割を果たせるのか、また、果たすべきなのか、そういったことを主体的に考えながら、より良い生き方を目指し、志を立て、その実現に向かって意欲的に物事に取り組む姿勢を育もうと、そういう本県独自の教育上のコンセプトでございます。今回の震災で子供たちは大変悲惨なつらい体験をいたしましたが、同時に、自分自身の役割や生き方について真剣に考える機会を持ったものと考えております。この震災体験をマイナスの体験に終わらせず、一人一人の心の財産に進化させ、これからの郷土の復興、再建に力を発揮できる人づくりを進めていくためにも、この志教育の推進が必要と考えております。
 また、協働教育につきましては、宮城らしい協働教育という打ち出しのもとに、地域と学校を継続的につなぐ体制の構築と。そこで家庭、地域、学校、行政、企業、NPO等が対等な立場で協働して教育活動を展開する取組を平成17年度から進めてきております。具体的には、子供たちの地域における自然体験や就農体験、企業、NPO等と連携した企業体験などに取り組んでおります。先ほど申し上げた志教育の実効性を上げるためにも、これと連動して協働教育を進めていくことが重要と考えております。
 最後に、今後の教育復興において目指すべき方向性についてお話をさせていただきます。本県が9月を目途に策定を進めている宮城県震災復興計画の現段階の第1次案では、教育分野の復興のポイントとして、心のケアと防災教育の充実、これが1点。それから志教育の推進、これが2点目。それから、宮城の復興を担う人材の育成。この3点を掲げておりますが、これを当面の対応、それから中長期の対応、こういった時間軸の中でとらえ直した場合に、資料に示すような五つの方向性に整理できると考えております。
 まず、今後二、三年を見据えて早急に実施すべき対応といたしましては、一つが、児童生徒の心のケア、二つ目に安全・安心な学校機能の復旧と復興に向けた魅力ある学校づくり、三番目に沿岸地域への重点的な支援。次に、今後10年程度を見据えて着実に進めるべき対応といたしましては、未来を生き抜く力の育成、それからもう1点として、学校の防災機能・防災拠点機能の強化、この二つを考えています。
 まず、この方向性の1、児童生徒の心のケアであります。このたびの震災では、児童生徒は極めて大きな精神的な苦痛を受けておりますことから、児童生徒のきめ細かな心のケアに取組、いわゆるPTSD等の対応も含めて、心の健康の回復を図る必要がございます。具体的には学校へのカウンセラーの配置の強化を図るとともに、今後も手厚い支援体制のもとで心のケアやきめ細かな学習指導を継続していく必要がありますことから、本県の国への要望事項の一端である全小中学校の全学年、35人学級編成の実施と、これに見合う教職員の定数配置、そういった特例措置が是非とも必要と考えております。
 次に二番目、安全・安心な学校機能の復旧と復興に向けた魅力ある学校づくりであります。このたびの震災で被災した学校施設の早期復旧に努めることはもちろんでありますが、甚大な被害を受けた学校につきましては、各地域の将来の復興の方向性などを踏まえながら計画的に学校施設を整備し、魅力ある学校づくりを行っていく必要がございます。具体的には、学校施設の再建に当たって、単なる現状復旧にとどまらず、被災地の復興の方向性や将来の社会構造、産業構造の変化等を見通して計画的に学校施設を整備していくことなどを検討しているところでございます。
 次に、三番目、沿岸地域への重点的な支援であります。御案内のとおり、このたびの震災で壊滅的な被害を受けたのは巨大津波により被災した沿岸地域でございます。この地域では、多くの県民が一瞬にして住まいや生活の糧を失い、現在もなお不安定な生活を余儀なくされております。当然ながら、当該地域の児童生徒を取り巻く学習環境などの悪化が懸念されますことから、その改善、安定化に向けて重点的に支援することにより、児童生徒が安心して勉学できる環境の整備を図る必要がございます。具体的には、第1に児童生徒及び教職員の心のケアの充実を図ること。さらには避難所や仮設住宅では適切な学習環境の確保が困難でありますことから、学習ボランティアを活用した学習活動などの支援が必要と考えております。
 続きまして、震災後、10年程度を見据えた中長期的な対応として、四番目、未来を生き抜く力の育成でございます。このたびの震災のように、大変困難な状況に置かれたとしても、夢と志を持って未来を切り開いていくことのできる人材育成が極めて重要と考えております。特に甚大な被害を受けた地域の子供たちの中には、家族、友人、知人を亡くした子供も多く、また、避難所では配給物資の運搬、食事の世話、高齢者や障害者の介助などを積極的に行うなど、貴重な体験を積むことができました。したがいまして、こうした震災体験を今後の教育活動に生かしながら、先ほど、本県の特徴的取組として申し上げましたが、子供たちが将来、社会の中で果たすべき役割を主体的に考えながら、よりよい生き方を目指し、志を立て、その実現に向かって何事にも積極的に取り組むような姿勢を育む志教育を全県的に強力に展開することで、人づくりを進めていくことができるものと考えています。
 最後に、学校の防災拠点機能の強化でございます。このたびの震災におきましては、学校周辺の水没、あるいは交通途絶により帰宅できない生徒が数日間、校舎内で過ごしたほか、市町村の防災計画において避難所に指定されている、いないにかかわらず、多くの住民が学校に避難し、学校は事実上、地域の防災拠点の機能を果たしたところでございます。その一方で、必要な水、食料等が準備されておらず、支援が来るまでの間、避難所としての役割を十分に発揮できない学校もありました。こうした経験を踏まえ、今後の災害に向け、学校自体の防災機能に加えて、地域の防災拠点としての機能の強化を図る必要があると考えております。
 具体的には、差し当たり、全ての県立学校の児童生徒が学校で数日間、避難生活を送ることができるだけの水、食料、毛布等の物資、及びその備蓄施設、さらには発電設備、通信手段など、防災機能を確保する必要がございます。また、防災教育の充実のため、防災教育主任を新設し、全ての小・中・高校に配置するということも必要と考えてございます。
 以上、大変限られた時間でございましたが、本県としての今後の教育復興において目指すべき方向性について現段階での考え方を説明させていただきました。国レベルでの施策の検討に際し、今後の参考にしていただければ大変幸いでございます。誠にありがとうございました。

【三村部会長】

 小林教育長、どうもありがとうございました。
 それでは、今の両教育長のお話に対し、質問、御意見があればここで承りたいと思いますが、後のこともありますので、大体20分ぐらいのセッションにしたいと思いますので、御意見があればどうぞよろしくお願いいたします。
 家本さん、先に退出されるということで。

【家本委員】

 よろしいでしょうか。すみません。
 大変な中でありがとうございます。二つ教えていただければと思います。
 一つは、先ほど、両親をともに亡くされた子供さんのことについて教えていただきましたけれども、ソーシャルワーカーなどの取組についても進めていらっしゃるという両県のお話を伺いましたが、おそらく取組についていろいろ長期的に関わらなければいけない部分と、それから、教育委員会の枠組みのところだけではない、より広い取組が必要なところがおそらくあると思うのですけれども、もしその点について何か今後のお考えがおありでしたら教えていただければと思います。
 それから、特別支援学級、特別支援学校の状況についてもう少しよろしければ教えていただければと思いました。おそらく、仮設校舎とか移転の問題、それから移動手段の問題とかで、普通教室の状況と必ずしも同じところと同じところじゃない部分があるのかなと思ったわけなんですけれども、その辺の状況について何かありましたら教えていただければと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。どちらかお答えいただけますか。

【岩手県教育委員会(菅野教育長)】

 岩手県でございます。
 最初に、いわゆる御両親を亡くされたお子さんの関係なんですが、今の御指摘のとおり、教育委員会だけでは何ともなりませんので、福祉サイド、特に児童相談所サイドと、お一人お一人が今どういう状況に置かれているのかというのを、毎回、調整会議を設けてケーススタディをやっていました。今、福祉サイドが一生懸命やっておりますのは、里親制度の活用、特に親族の里親制度の活用を今、一生懸命やっていまして、そこを教育委員会としてもサポート、学校からの面としてもサポートしていました。ただ、非常にやはり難しいのは、おじいさん、おばあさんもお子さんを自分の息子、娘を亡くされているという心理的な制約もありますので、やはりそのお子さんにとって何が一番いい方法かということを個々のケースごとに判定しながら少し長期的にやっていかなければいけないのかなと。どちらかといいますと生活面の安定は福祉サイドでお願いしながら、教育面、先ほど申し上げました安心して学べるような環境をつくる奨学金制度ですとか、それから、親御さんも含めた、学校での個別のサポート、そういったものを教育委員会が担当して、今、両方でやらせていただいているという状況でございます。
 それから、特別支援学校の関係でございますが、実は本県は罹災した特別支援学校が幸いにしてなかったんです。ですから、特別支援学校は大きな被害を受けてございません。ただ、一方で、市町村の特別支援学級が大きな制約を受けてございます。今まで、例えば言語ですとか、いろいろな特別支援を受けていたお子さん方が、そもそも教室がない、通うところがないということで、なかなかそういうサポートが今、必ずしも十分にできていない状況にございます。したがいまして、今、そういうお子様方の実態を把握しながら、できる限り、特別支援学校の教員がきめ細かくそれぞれの小中学校を回ったり、それぞれのお一人お一人がどういうニーズがあるのかというのを福祉サイドと一緒になって、一つ一つ組み上げながら、個別に対応させていただいているというのが実態でございます。特別支援学級を再開できるのはもう少し後になるかなと思ってございます。

【三村部会長】

 どうぞ、小林教育長。

【宮城県教育委員会(小林教育長)】

 宮城県でございます。
 先ほど申し上げましたが、いわゆる震災孤児は現段階で111名という数が確認されておりますが、このうちで児童福祉施設で引き取るということになっておりますのが2名でありまして、他は全て親族が引き取るという形になっておりますが、これは福祉サイドの対応でありますが、親族が面倒を見るという中でも、いわゆる里親制度を利用して、今後、その子供の面倒を見ていくという形に持っていきたいということで今、いろいろと調整を進めていると聞いています。
 様々な団体から、孤児あるいは遺児に対する支援をしたいということで申出が来ておりますが、そういった金銭的な支援の申出をどう県として受けとめるかというときに、先般、福祉サイドで受け皿となる基金をつくるというふうな形はとったわけでありますが、その造成した基金でどういう形で子供たちの支援をしていくかというときに、いわゆる奨学金だけの対応であれば、これは教育委員会マターということになるかと思うのですが、より広い観点で子供たちのサポートをしていくということであれば、これは福祉サイドの対応ということになろうかということで、今、具体的にいろいろなスキームでその基金で支援していくかということについて庁内で調整中というところでございます。
 それから、特別支援学校の関係ですが、これは御質問の趣旨とちょっと違うかもしれませんが、本県では、具体的に石巻の支援学校が大変大きな影響を受けました。被害を受けたわけであります。一般的な話として、沿岸部の多くの子供たちがいろいろな場所に避難することになったのですが、そのときに、特別支援学校に行っているような子供たちが避難所に行くと、やはりなかなかなじめないということで、その取扱いに大変苦慮したという実態もあると聞いております。それから、石巻の支援学校での大きな問題として、実は、石巻地区は病院が大きな被害を受けて、高齢者あるいは病気を持った方の受入れ体制がなかなか十分に対応できないということで、病院ではもう何とも対応しきれないので、支援学校に行ってほしいというようなことを病院から言われて、多くの方が支援学校に来たということがございました。つまり、支援学校だと先生方がきちんと介護をしてくれるだろうと、そういうことに慣れているだろうということで、大変多くの方が支援学校に避難してきたということがございまして、そんなこともあって石巻の支援学校が実は県立で一番学校再開が遅れたというふうなこともございました。
 ちょっと質問と違うかもしれませんが、そんな状況でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 ほかに質問。一番最初に手が挙がったので、田村さん、よろしく。

【田村委員】

 簡単にお伺いさせていただきたいのですが、大変なところをおでましいただいてありがとうございます。
 実は、今、様々な団体からの支援という話が出ましたが、その一つに私、かかわっていまして、直接今やっているわけなんです。総額で年4億、大手の会社と組んで、1,000人、月3万というような感じで、話が今、進んでいるんですけれども、結局、今もちょっと話が出ましたけれども、受皿のほうがいま一つ十分対応していただけないんですね。出すほうからすると、その気持ちもよく分かるんですが、学校でちゃんとやっているかどうかというのは大事なポイントなんですね。だから、どうしても教育委員会は関係していただかないと、出すほうが安心して出せないという面があります。だから、福祉のほうで、そういうほうでやるんだというふうに、性格はそうなるんだろうと思うんですね。学費は変わっていないわけですから。だけど、出すほうからすると、学校生活をちゃんと行われているかどうかというのは一番気になるところなんですね。そのためにお金を出すという意識ですから。だから、その辺は、ちょっと出すほうは、そんな状態だということをお踏まえいただくということが1点ですね。
 それから、もう1点は、出すほうは三つの県を一緒に考えるんです。今日お見えいただいた宮城、岩手、福島、3県でというので計画立てるんですね。ですから、その辺はその3県で御連携というか、そういうのをお立てになっているんでしょうか。そういう問題に関して。
 その2点です。

【三村部会長】

 はい、ありがとうございました。
 一つ一つじゃなくて、トータルとしてよろしくお願いします。次は大江委員、よろしくお願いします。

【岩手県教育委員会(菅野教育長)】

 各団体から奨学金制度を含めていろいろなご支援をいただいてございまして、私ども教育委員会としても、お話のあった都度、やっぱりどうしても奨学金というスキームですので、私どものほうで対応させていただきたいと思っております。
 ただ、もう1点の、では3県連携ができているかというと、実はそこは大変申しわけございません、3県で必ずしも担当者レベルでの議論の横での意見交換はそれなりにしていると思うんですが、制度として3県で同じものをただちに受け入れるような、同じ制度として受け入れるような仕組みが3県でできているかというと、まだそこまでは至ってございません。そういった意味ではご迷惑をおかけしていると存じます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 質問をさせていただいて、一括して答えていただいたほうがいいと思います。大江委員、よろしくお願いします。

【大江委員】

 教職員も子供もとても頑張って、張りつめた気持ちで4か月たとうとしております。そろそろストレスも限界に来るかなと、とても心配をしておるのですが、2点お伺いします。
 岩手県なんですが、被災地の学校と、それから被害があまり甚大でない学校がパートナーを組んで姉妹校連携というんですかね、そういった支援をしたと伺っているんですが、その辺の実態と、それについて教育委員会の関与状況はどうだったのかというのが1点です。
 もう1点は、設置者によって校庭全てが仮設住宅になったり、なってなかったり、差があるように思うのですが、この主な理由は何だったのかの2点でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次に木村委員、よろしくお願いします。

【木村委員】

 応援教員のことについてお伺いしたいと思います。東京都は70人ほど、非常に意気に感じた先生方に被災地に行っていただいておりますが、先ほど宮城の小林教育長のスライドを見ると、宮城では都のほうでは1名しか派遣されていない。岩手県はどうだったのか、それを、まず伺いたいと思います。
 それから、この受入れについてどういう経緯で受入れに至ったのか、他の地方自治体にリクエストされたのかどうか、その辺を二番目にお伺いしたいと思います。
 三番目は、東京都の先生方は、今、申し上げましたように、非常に意気に感じて70人以上もの方に現地に行っていただいたのですが、ともするとその意気というものがこういう場合に空回りする恐れがあるのではないかという懸念を持っております。私、この後、両県に伺うことになっていますので、実情をつぶさに見てこようと思っていますが、その辺について何か困っていること、問題等として認識されていることがありましたらお願いしたいと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 最後の質問として丸山委員からよろしくお願いします。

【丸山委員】

 岩手県さんにお伺いしたいのは、内陸と沿岸の姉妹校連携が学校再開に向けて教室のやり繰りということで非常に役に立ったというお話だったのですけれども、この姉妹校連携というのは、いわゆる内陸と沿岸、それぞれこういった津波等が来た場合を想定してペアを組んでいるという、そういうものなのかということをお聞きしたいということです。
 それから、宮城県さんのほうにお伺いしたいのは、一番最後に学校の防災機能・防災拠点機能の強化という中で、全ての県立学校というふうに表記されておりますけれども、市町村立の学校のほうはどういうふうな取組を考えておられるのかということをお伺いしたかったのと、あと、両県の教育長の方に伺いたいのですけれども、いずれ避けて通れないと思うのは、個別の学校の事例収集という意味でどのような避難状況であったのか、それが成功したのか、失敗したのか。あるいはそれに備えての防災教育や防災訓練、そもそも学校の設置自体が津波、地震等を想定した設置だったのかという観点からの事例収集というようなものについては今後どのようにお考えなのか、よろしくお願いします。

【三村部会長】

 質問はこれで打ち切らせていただきます。
 岩手県のほうから、全部でなくても結構ですから、答えられるものだけ答えていただければ。

【岩手県教育委員会(菅野教育長)】

 ありがとうございます。
 まず、内陸と沿岸の姉妹校連携の関係でございますが、これは結論から言うと、県教委は関与していません。むしろ校長会ですとか、それぞれの学校単位で自主的に行われました。したがいまして、最後の御質問との関連で言いますと、今回の震災、津波で自然発生的にできたものです。校長会でこの地域はこの地域の被災地を支援しましょう、特にこの学校とこの学校とこの学校が、この被災した学校を支援しましょうということで、それぞれお互いにマッチングをやりまして、校長会等で行われたということでございます。
 そういった意味では、お互い学校のほうでよく分かっていますので、それぞれの学校行事で何が必要か、備品で何が今すぐ求められているのかというのを、例えばPTAの方々に寄附金を集めてすぐ送るとか、こういったことに困っているのであれば、こういった学用品を子供たちから集めて即送るとか、そういう、ある面で機動的な取組が、少ないのですけど、機動的に必要なものがすぐやれたと、そういうふうに評価できるのではないかと思ってございます。
 それから、仮設住宅の状況でございますが、確かに校庭全てが仮設住宅になっているところと、場合によっては半分まででとどめたところ、もしくは学校は原則として使わないで済んでいるところと、いろいろございます。ただ、これはどうしてもそれぞれの市町村の被災している状況が大幅に異なっておりますのと、仮設住宅を建てるスペースが学校の敷地以外に求め得たかどうかというところが、やはりそれぞれの個別の状況でかなり状況が違ってございます。それぞれの教育委員会は、極力子供たちのことを思い、極力学校にあまり建てたくはないという思いで、一生懸命それぞれの地方部局とは調整したのですが、やはりそれぞれの町の実際に置かれている状況からしますと、建てざるを得なかったところが多かったという事実はそのとおりでございます。
 それから、あと、他県の先生方、特に東京都さんからは大きな支援をいただいておりましてありがたいと思ってございます。岩手県については、どちらかといいますと、教員については、国からいただいた加配も含め、地元雇用をまずやらせていただきました。それで、結論的には何とか今のところ回っているという状況でございます。特に沿岸部については、住居がそもそも教員についてないという状況もございまして、なかなか大規模に他の地域から入っていただける状況にはなかったということもございまして、まずは地元にいる人を最優先で活用しながら何とか学校の支援をやっていったというのが実態でございます。
 ただ、一方で、専門職としての建築職ですとか、どうしても県、地元で何ともならない専門職については、他県から大変な御支援をいただいてございます。そして、先般も一緒に働いている県から行っている職員からも報告がございましたが、やはり他県から来ていただいている職員の方は、自らの県職員以上、もしくは市町村職員以上にそれぞれの思いを持って御活躍いただいて、本当にそこはありがたい。特に今のところ、他県の方から来ていただいて支障になっているというよりは、むしろありがたい一方であるという報告を受けてございます。
 そういったところでございます。

【三村部会長】

 では、宮城県から、よろしくお願いします。

【宮城県教育委員会(小林教育長)】

 まず1点目、孤児に対する支援の関係でございますが、先ほどお話し申し上げたように、現在、具体的なスキームをつくるべく、私どもと福祉サイドで調整はしておりますが、仮に福祉部局のほうで所管するということになっても、これは要するに直接の所管をどこにするかということでありまして、教育委員会が一切関わらないということではございません。当然関わるわけでございますが、一応、その所管としては福祉でやるというふうな仕分けをするということであります。御指摘の点、十分配慮して考えていきたいと思います。
 それから、岩手の教育長さんからもお話がありましたが、特にこの問題で3県での協議ということはやっておらなかったのですが、ここら辺、確かに配慮が必要かなと、そんなふうに今、感じたところでございます。
 それから、他県からの支援の件でございますが、今年度当初、つまり5月の連休明けから来ていただいたのが東京都と岐阜県さんということでありまして、その後、7月1日付で更に他の6県から派遣をしていただいてございます。その進め方といたしましては、文科省さんに仲介いただいたというケースもございますし、積極的に他の県から、派遣したいんだがどうかというふうなお話をいただいたというケースもございます。
 それから、来ていただいた先生方の現在までの評判ですが、非常によろしいです。非常によくやっていただいているということでございます。特に困っている点はございません。ただ、むしろこちらのほうで、住んでいただく場所を十分用意できないというのが大変心苦しく思っています。
 それから、防災対応で、なぜ県立だけかということでございますが、これは、私ども県教委でございますので、ちょっと小中学校の関係は遠慮して具体的に書かなかったというところがございますが、当然、方向性としては小中も同じに考えるべきだろうと思っております。
 それから、津波等を想定したのかどうかということでありますが、私ども、宮城県沖地震が33年前にありまして、間もなく間違いなく次の地震が来るということで、相当程度地震を想定した防災教育、あるいは訓練ということをやっておったのですが、正直申し上げて、津波がここまで大変な状況になるということは予想しておりませんでした。これは全国的にも紹介されましたけれども、石巻市の大川小学校、子供たち、あるいは教職員の被害、死亡という大変悲惨な事態になったわけでありますが、実は、この大川小学校のある場所は、地元のハザードマップでは津波は来ない地域というふうにされておりました。そういったこともあって、ああいった悲惨な事態になったのかなというふうな点がございます。
 いずれにいたしましても、今後、全県的に防災教育をしっかりやっていく上で、今回の実情を十分情報収集して、具体的に今後どういったところを更に気をつけていけばよいのか、そこは情報を集めながら検討していきたいと思っております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございました。いろいろ参考にさせていただきたいと思います。
 それでは、続きまして、大学及び高等専門学校の関係者の方々からの御意見を伺いたいと思います。先ほどのように全てのお話を伺ってから質問を受けていきたいと思います。
 まず、東北大学の甲野正道理事からお願いいたします。

【東北大学(甲野理事)】

 東北大学の理事の甲野と申します。本日はこうした機会を与えていただきましてどうもありがとうございます。本日は、本来ならば総長の井上がこちらにまいりまして説明をすべきところでございましたが、以前からの予定の外国の用務がございました。そのようなことから、誠に恐縮ながら、私から意見を述べさせていただきますので、どうかお許しいただきたいと思います。
 それでは、座りまして説明をさせていただきます。
 東北大学は、キャンパスのそのほとんどが仙台市内にあるわけでございまして、今回、津波の被害は免れたわけでございますけれども、地震の震動によります被害を少なからず受けたところでございます。その被害状況につきましてまず御説明をさせていただきます。
 ライフラインが1か月半ほど停止をしたわけでございますけれども、その後、復旧をいたしたわけでございました。建物についての被害状況でございますけれども、危険判定とされたもの、つまり、そのままでは使用できない建物が28棟、4万平米にのぼったところでございます。本学で試算をしたところ、これらを復旧するためにそのほかの大規模な修復なども含めますと448億円程度かかるということでございました。また、こうした建物以外にも、建物の中に置いておりました貴重な実験器具等の物品等の被害が実は多額にのぼっておりまして、352億円ほどにのぼるというような状況でございます。
 学生、教職員の被災状況でございますが、本学におきまして、学生の死亡が残念ながら3名確認をされたところでございました。ただ、キャンパス内ということではなく、自宅、その他によりますところで津波で被害に遭われたということでございます。負傷者は14名でございました。教職員につきましては、幸いなことに、死亡者、負傷者ともなしということでございました。家族が被災された方もいらっしゃいます。
 こうした中、教育に大変関連があるということで調査をしたのが、学生の住居の被災状況でございました。4月の下旬の時点での調査でございますけれども、学生の住居が全壊または一部損壊をしたというような例が526名でございました。そして、そのうちの331名ほどが転居を検討しているということでございました。現在、授業が始まっておりますので、大変遠隔地から、あるいは条件の悪いところから通学を余儀なくされているところでございまして、緊急の仮設の寄宿舎の建設が必要になっている状況でございます。
 外国からの留学生、教職員の動向につきましてご説明をさせていただきます。震災時、留学生は約1,500名いたところでございますけれども、その後、帰国をする留学生が非常に多くにのぼったところでございまして、現時点までには800名弱、海外避難が確認をされたところでございます。捕捉率から考慮すると8割ほど、約1,200名ほどが海外に実際退避したと考えられているところでございます。しかしながら、新学期開始後には復帰をいたしまして、非正規の学生は70パーセントほどと、率は実はあまり高くはございませんでしたが、学部学生につきましては97.8パーセント、大学院生につきましては99パーセントと、ほとんどの正規学生につきましては復帰をしているというところでございます。
 また、外国からの研究員等の教職員につきましては、348名在籍をしておりましたが、震災後、144名が出国をしましたけれども、現時点におきましてはほぼ全員が復帰をしたという状況になっているところでございます。
 こうしたことから、海外に退避した学生や教職員、どれほど戻ってくるのだろうかということが実は懸念をされていたところでございますが、正規の方々につきましてはほぼ全員に近いくらいの方々が戻ってこられて、そこは安心をしているところでございます。しかしながら、新しく留学生を確保する、あるいは新しく外国の優秀な研究員の確保という点を考えますと、実は懸念がございます。留学生につきましても、非正規のプログラムを申し込んでいた海外の協定の大学からはキャンセルなども実は相次いでおりまして、そうした点が今後大きな課題になっていくのではないかと考えております。
 こうしたような状況のもと、震災後の対応について御説明します。震災直後は、危険判定建物、ここにいる研究者は中に入ることができませんでしたので、これは主として関係の学部において大変な御努力をされたわけですけれども、代替スペースを確保するというような形での居室の確保に動いたわけでございます。現在でも、いろいろなところに散らばっているわけでございますけれども、大変求められているところが応急の校舎研究等でございます。幸い、国のほうから、補正予算でそれらの予算をつけていただきましたので、現在、建築に取りかかっているところでございまして、9月には入居が可能というような状況になっております。関係の方々の御配慮に心より御礼を申し上げる次第でございます。
 また、被害を被りました備品などにつきましても、これもやはり予算をつけていただきまして、順次整備が進んでいるところでございます。本格的な建物の改修につきましては、秋以降になるというふうなことでございます。
 なお、ここには記しておりませんけれども、教育活動についてでございますが、入学式、当初の予定が4月6日から5月6日になるというような状況もございまして、影響が懸念をされていたところでございますが、夏期の休暇期間を8月15日から28日と、2週間と非常に短期間に設定をすることによりまして、必要な授業時間を確保いたしまして、教育を進めているところでございます。
 被災学生への経済的な支援でございますけれども、入学料や授業料の免除、これも予算をちょうだいいたしまして、行っているほか、震災に当たりまして各方面からの寄附を本学では募ったところでございますが、それらの活用をしたところでございます。1億7,000万円ほど現時点では集まっておりますけれども、330名ほどの学生にその困難度に応じて既に配付をいたしました。
 また、学生の寄宿舎につきましても、これも予算を確保いただきまして、仮設の寄宿舎の寮の建設を進めるとともに、ユニバーシティハウスの増設なども行っているところでございます。
 学生の支援につきましては、経済的に学生を支える保護者が被災をするというような状況ですと、長期的な支援というものもやはり考えていかなければなりません。今後これをどのような形で行っていくかが現在重要な課題として認識をしているところでございます。幸い、外部の民間企業から複数の長期にわたります、5年あるいは10年にわたって継続的な支援のお申し出などもちょうだいをしているところでございますので、そうした資金の活用ということも含めながら対応してまいりたいと考えております。
 以上のような学内対応以外にも、私ども地域貢献もさせていただきました。まず、大学病院関係でございますが、震災直後から重篤な患者の受入れ、あるいは県内外の病院機能が喪失したところに医師を派遣する、そうしたような活動を行ってきたところでございました。
 また、今回、原発の事故も併発をしたところでございますが、放射線モニタリングにつきましても、専門の教員がこれを積極的に行うとともに、県や各自治体からの要請を受けまして、野菜や原乳等の放射線量などの測定を行ったところでございます。また、実習船などを活用いたしまして、海中のモニタリングなども行ってまいりました。
 学生のボランティアにつきましても、学生ボランティア支援室を設置して活動を行ってきたところでございます。
 続きまして、今後の教育復興に向けた大学関連で必要なものにつきまして御説明をさせていただきます。当面の課題といたしまして、これは被災地の大学に共通する課題かと思いますが、早急な教育・研究環境の復旧、それから、被災学生への支援、また、被災地域への積極的な貢献、この3点が重要な課題であると考えているところでございます。また、中長期的な課題としては、やはり3点を挙げさせていただきました。1点が、大学の活動はやはり教育・研究が本旨でございますので、防災や復興にかかるこうした教育・研究をこれまで以上に一層推進するという点でございます。第二番目が、被災地域へ積極的に直接貢献をするということでございます。そして、三番目は、この一番目、二番目と視点は違う内容でございますけれども、災害に強い施設整備というものをこれから推進していかなければならないのではないかということでございます。本学におきまして物品の被害が大変大きいということを申し上げましたけれども、耐震を超えて、これからは免震、あるいは制震という形で施設を整備するということが大学におきましても求められているのではないかと考えております。
 東北大学で取り組むべき方向性につきましても若干御説明、御紹介をさせていただきたいと思います。今後の方向性としては2点あるかと思います。一つは、これまで研究中心大学として、研究・教育に携わってきたわけでございますけれども、今後もそうした大学として機能を回復するとともに、それを維持発展していくということがまず重要な柱としてございます。
 しかしながら、東北大学は被災地における中核大学でございます。被災地における中核大学としての使命があろうかと思いますので、そうした取組にも取り組んでいくということでございます。やはり被災地からの地域再生を先導するような教育・研究、これを行っていくとともに、災害復興にかかる人材育成、これが必要と考えております。
 その具体例につきまして若干御説明をさせていただきます。本学におきましては最初の項目であります、復興・地域再生を先導する教育・研究といたしまして、東北大学災害復興新生研究機構というものをつくり、全学を挙げた形で様々な課題に取り組んでいきたいと考えており、実際に取組を進めようとしているところでございます。
 その具体的な姿は、5本のプロジェクトを走らせて、関係の研究科の協力を得ながら進めてまいりたいと考えているところでございますが、これでは不十分なところにつきましては、国の支援などもいただきながら進めていければと考えているところでございます。
 また、人材育成についてでございますが、災害復興科学アドミニストレーター養成大学院プログラム、こうしたことを考えているところでございます。人類社会に共通な様々な課題に的確に対応できる社会のリーダー層を養成するというものでございますけれども、やはり災害復興、あるいは緊急時の対応ということに強い人材育成を、東日本大震災の復興体験を学習するというようなカリキュラムも入れながら進めてまいりたいと考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、大学がこれから先、教育復興を果たす上では、被災地の自治体との連携が必要でございます。次のページでございますが、これは復興構想会議において村井知事が出した内容でございますけれども、大学の役割に大変期待をしているところでございます。また、その次のページでございますが、6月24日に出されました提言におきましても、大学関係部分が非常に多岐にわたって述べられているところでございます。こうしたような取組は、もちろん本学だけではなく、被災地の大学、内容によりましては全国の大学がこれに取り組まなければなりませんけれども、こうしたような取組は非常に中長期的な時間も要するものでございます。各大学がそうしたような取組を継続して行うことができるような特別な財政的な措置などがありますと、大学がより機能を果たしていけるのではないかと考えているところでございます。
 最後に、東北大学は今後ともこうした社会貢献活動に積極的に取り組んで成果を発信していきたいと考えております。このような形で取り組んでいきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
 以上、東北大学の取組について説明させていただきました。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。
 次に、岩手大学の藤井克己学長、よろしくお願いいたします。

【岩手大学(藤井学長)】

 御紹介いただきました岩手大学の藤井と申します。本日は岩手大学における復興への取組について10分ほど時間をいただきまして御紹介させていただきます。
 震災発生以降、復興対策本部を大学として立ち上げましたのが4月1日でございました。それまでの20日間の動きを少し整理したものがこれでございます。まずは被災状況、それから学生の安否の確認でございました。学生が6,000名余り在籍しておりますけれども、被災した学生が300名、5パーセントほどで、1名、帰省中の学生が津波による被害で死亡したということで、あと、就職採用取消し1名、具体的には実質取消しに近いようなものも多数ございました。
 次にございますように、学事日程は、まず翌日の後期日程を延期と決めましたが、翌日、中止のやむなきに至りました。その後、卒業式、入学式等、セレモニーは中止いたしまして、授業開始は5月9日、1か月ほど遅れたということでございます。
 学生支援の具体的なものとしては、やはりきちんと大学に戻ってくるように授業料免除等、心配するなというようなメッセージも発出いたしました。該当者は600名ほどになる。金額的には2億円を超えるのではないかと考えております。また、被災学生支援募金の呼びかけもいたしまして、今週中に該当学生に寄附の予定でございます。また、復興支援のボランティア活動に参画する学生が出てまいりました。この単位認定についても取り決めたところでございます。
 岩手県の大学進学の状況について少しお知らせしておいたほうがいいと思います。平均的な大学進学率、ここにありますように、40パーセントということで、全国的な平均に比べて低位に位置しているということで、全国的にも最低に近いところかと案じてきたところですが、右側にありますように、沿岸の被災地域の12市町村の進学率がまた低いということで、35パーセント。県都盛岡市と比較しますと10パーセント以上低いところがございます。これはやはり内陸部に比べて地理的な条件、2時間以上車でかかるというようなこと、それに加えて、やはり経済的な格差が存在することも否定できないのではないかと思っております。10年後の18歳人口、県全体もなかなか下げどまらないというのが実情でございます。
 続いて、岩手県の産業面での特徴も御紹介しますと、やはり第一次産業、農林漁業の就業者が全国平均に比べて3倍近いと。11.8パーセントと大きな比率でございます。沿岸の被災地域の産業となりますと、やはり漁業が中心になるのですが、その就業者の平均年齢、現在では60歳を超えるところにも来ているということで、従事者の高齢化、それから今後の担い手の確保が必須の条件となってきております。
 岩手大学に入学する者を少し御紹介いたしますと、県内からの進学者が、ここにありますように、46パーセント。半分近くが県内出身者でございます。ところが、就職先、卒業後を見ますと、岩手県内に職を見つけるものはその半分強にとどまるということで32パーセントほどになっております。東北6県全体を見ましても、このように東北の管内に就職先を見つける者は少なく、見出しにくくなっているということです。したがいまして、地域の産業振興のためには、まずは雇用の創出、そして地元定着率の向上を図ることが喫緊の課題にこれまでもなっておったというところでございます。
 改めて、復興に関する、これまでの主な、特に緊急的な取組を中心に整理したものがこれでございます。まずはボランティア活動ですけれども、7月、先週までですが、教職員、学生合わせて1,000名近い者が、このように現地に赴いております。また、物資支援活動につきましても、ICT機器、新しくセットアップし直して提供するなど、ピンポイントですけれども、重宝がられる物資支援を展開してまいりました。調査研究についても、大学らしい地域課題を解決するタイプの研究プロジェクトを推進してまいりましたし、動物病院も被災しておりますので、「わんにゃんレスキュー号」を5回ほど派遣したところでございます。
 次に、岩手県の地図に御紹介した、どちらかというと緊急的な救援活動をマップとして落とし込んだものでございます。沿岸の12市町村にむらなく、多様な支援活動を展開してきたと。また、学部の専門等にこだわることなく、オール岩手大学で総力を挙げて取り組んできたということが御拝察いただけるのではないかと思っております。
 実際の仕事の中身ですけれども、ここにありますように、4月1日、復興対策本部を立ち上げまして、大きく4種類の支援活動を中心に据えてまいりました。これを簡単に御紹介しますと、4種類の中身ですけれども、まず、命を守るということでございます。地域防災の拠点を形成するような活動を展開したいと。次に、生活と暮らしを支えるということで、生活復興の支援、そして地域に立脚した職業ということで、なりわいという表現をしていますが、なりわいを展開して推進するということで、産業復興の支援というものを三つ目の柱に考えております。これら三つが全てうまく機能するためには、やはり大学の使命としては、地域に根ざした復興人材の育成というものが、これらの下支えになるのではないかと思っております。今回の震災で絆、つながり、ネットワークというものが、その存在が再認識されましたけれども、それを支えるような人材を育成したいと考えております。
 具体的な復興支援のプロジェクトを整理したのがこの図でございます。三つの柱を立てておりますが、まず生活復興支援で、左側の一番から四番は、これまでも緊急的に対応してきたところでございますが、これから中長期的には、五番の地域コミュニティーを再建するようなサポートができるようなものが加わってまいります。真ん中の柱が産業復興支援で、後ほど紹介しますが、一番の三陸海洋産業を更に築き上げるための拠点形成を考えております。三つ目、右側に、地域防災拠点形成ということで、災害に強い施設づくり、まちづくり、人材の育成を三つの柱に立てております。そして、これら全てを通して、地域の復興に寄与するような人材育成を考えているところです。
 まず最初に「SANRIKU(三陸)海洋産業復興研究教育拠点形成創成事業」を御紹介いたしますが、やはり地域に立脚した産業というのが第一次産業、わけても漁業、水産業の強みといいましょうか、特徴でございます。今回のこの形成事業では、かなり壊滅的なダメージを受けました釜石市にございます、北里大学の研究センターをてこ入れする形で今後の水産業を支える三陸復興に貢献したいと考えているものです。
 森から川、そして田畑、海までつながるような水圏の環境調査と、第一次産業、取ってくる漁業から、育てる養殖、新技術開発。第二次産業として高付加価値型の水産物加工産業、そしてこれらのマーケティング、ブランディング、第三次産業まで含めた、俗に言う六次産業化を強力に推進して、これに大学としても貢献したいと考えておりますが、やはり水産業に関しては東京海洋大学、北里大学、そして岩手県関係研究機関、産学官民の多様な連携をもとに推進してまいりたいと思っております。
 ちょっと時間が押してまいりましたので最後に飛びますが、法人化に当たりまして、岩手大学は7年前に、「いわての"大地"と"ひと"と共に」というスローガンを掲げました。地域に立脚した大学としての地方国立大学というものの存在感は、震災後ますます重要視されているかと思います。まさに地域の負託に応えるために、地域の拠点として産学官民と多様な連携を図りながら、岩手の復興と再生のために、オール岩大パワーで邁進してまいりたいと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。
 次に、宮城教育大学の高橋孝助学長、よろしくお願いいたします。

【宮城教育大学(高橋学長)】

 それでは、お配りのレジュメをごらんいただきたいと思います。宮城教育大学は単科大学でありまして、小規模でありますので、複数学部の大学とはちょっと違う御報告になるかと思います。
 学生は、2ページ目にございますように、学部学生、院生、これは教職大学院生も含まれておりますが、附属4校園の児童生徒を含めて、大体3,600人を超える程度でございます。
 次のページに行きますと、3月11日の震災は、2時46分でした。もちろん、宮城教育大学は山の上にありますので、津波の心配はございませんでしたけれども、やはりライフラインが完全にストップいたしまして、そして、やっと少しはと思ったら、4月7日に再びすごい余震が参って、やる気をなくしたような感じがありましたが、いち早く3月14日には災害対策本部を立ち上げまして、三千数百人の児童生徒を含む安否確認に走りました。これは民間のヤフーの無料サイトを借りたということもございまして、非常に早く進みました。八日ぐらいでほぼ全員の確認ができたということがあって、これは一つの教訓でございます。
 5月6日には、もう緊急的な救済というよりは、中長期的な教育復興への対策を考える本部ということで、教育復興対策本部を立ち上げまして、現在、その構想のもとに動きだしているところでございます。
 建物の応急緊急度判定でございますが、これは非常に少なくございました。昭和40年代の中ごろの建物でありますので、相当な被害を受けても一つもおかしくなかったのでありますが、これは本当にありがたいことに、附属4校園の建物を含めまして、耐震補強、耐震改修がほとんど1周しておりました。したがって、被害額は5億円、設備の被害は1億円というふうに計算されておりますけれども、もし、この耐震補強等がなかったら、数倍の被害を受けていたことは間違いない。そういう意味では、これまでの御配慮に大変感謝しているところであります。
 次のページにまいりますが、安否確認の結果、どういう被害でありましたかというと、このような形で、重篤な被害というのはほとんどなかったということで、ほっとしております。ただ、家族のレベルになりますと、そこにございますように、家族等の死亡7名、不明14名と、悲惨な状況が見えてまいりまして、それから、家屋の全半壊と一部壊を含めますと相当な数にのぼるということが次第にわかってまいりました。
 震災後の対応状況でありますけれども、山の上にあるとはいえ、町の中心部にあるということがありましたので、ライフラインは割と早く、回復いたしました。それでも、卒業式でありますとか、入学式でありますとか、学生たちには大変気の毒でありましたけれども、建物の安全の専門家による確認が遅れたものですから、危ないということと、それから、水回りがほとんどストップしましたので、とてもじゃないが学生たちを呼べるような状況ではなかったということで中止を決定いたしました。附属校園は街場にありますので、これは延期をしながら全て実施できました。
 被災学生への支援についてでありますけれども、当然どこの大学でもおやりになっていることですが、入学料、授業料の免除枠の拡大をいたしました。例年の1.5倍ぐらいの数で免除申請が出ておるようです。それから、学寮への優先入寮でありますとか、現在は寄附金を募集しておりまして、この寄附金を奨学金に充てるということで、今、配分の方法を検討中でございます。
 6ページのほうに移ります。震災後についてでありますけれども、本学は教員養成系の単科大学であることもありまして、宮城県教委、仙台市教委、それから、北はひどい被害に遭いました気仙沼市、それから南の山元町、岩沼市等に至るまで、地方教育委員会単位との連携協定を結んでおります。こういうところと連携をしながら、被災状況が一体、具体的にどういうことなのかということをしっかり把握することから始めたということでございます。学生たちは、震災直後から、大学が指示するまでもなく、地元の自治体でありますとか、学校でありますとか、その他NPOでありますとか、等々との関連の中で自発的なボランティア活動をやっておりまして、これらについては非常に感謝しているところでありますが、ちょうど3月で春休みに入る時期でありましたので、そういう意味では一生懸命頑張ってくれていました。把握できたものについては、幾らか、せめて足代、おにぎり代ぐらいにはなる程度の支援をいたして、現在も続いております。
 7ページのほうに行きますけれども、今後、我々はどういうことを考えているかといいますと、先ほど、岩手大学の藤井先生からもお話がありましたように、三陸沿岸というのは、誤解を恐れずに言いますと、どちらかというと学力の低いところなのです。そして、進学率も低いと。今度のことで、おそらくまた、どっちかといいますと、学力の低下でありますとか、進路の遅れということが必ず生じてくるだろうと。そういうことについては、教育大学としてはやっぱり放置はできないということで、我々のできることは一体何なのかということを突き詰めて、具体的に考えようということで、児童生徒の学習支援ということがどういう形でなし得るかということを今、一生懸命考えております。宮城教育大学は学生数が1,500人程度しかおりません。1学年は三百五、六十でありますので、ボランティアといってもそれほど多くの人間が割けるわけではありませんので、ここで国立大学や11の教育系の単科大学があり、その単科大学の間では比較的情報が密にできますので、そういう形で連携、協力要請をいたしました。各大学の学長、それから事務局レベルで非常によく反応してくれまして、協力体制を組んでおります。
 それで、第一陣は大阪教育大から、8月1日から10名、1週間程度、宮城県の、宮城教育大学がコーディネートしたところに入ってもらえるということになっております。ただ、あまりにも地域が広いものですから、幾つか拠点を設けながらやっていかなければならないだろうと思っております。この経験は3年前に、岩手・宮城内陸地震というのがございました。このときもひどい被害を受けておりまして、栗原市の教育委員会から大学が要請を受けまして、夏休みに補習事業のくりはら塾というのを開催して、ことしで4年目になります。年々受講者が増えまして、非常に評判がいいということがあって、この経験を我々は持っていましたので、今度はこういう形で宮城教育大学の手で足りなければ全国の11教育大学の学生たちの力を借りようということで動きだしたところでございます。
 それが8ページから10ページ目にかけてあります。宮城教育大学教育復興支援センターということでございまして、これを宮城教育大学が、もちろん自分たちもやりますけれども、手が足りないところについては各大学にメニューを提示しまして、つまり、この時期、こういう科目について、こういうことをしてくれるボランティアを募集していると。宮城教育大学が全てコーディネートしますという形で呼びかけて、今、8大学ぐらいから、いつでも出しますということで賛同を得ているところであります。
 ただ、こういうのは、先ほど小林教育長からのお話がありましたように、やっぱり押しかけになってはいけない。だから、よくよく、現場が一体どういうことを望んでおられるのかということと突き合わせて、それでやらないと迷惑になるということで、昨日も県教委の教育次長とお話ししたところで、県の教育復興政策とリンクしながら、教育大学としてやれることについて中長期かけてやりましょうということで合意といいますか、意見の調整をしておるところでございます。
 教育大学としてできることというのはその程度かということで、これをやらなければ、しかし、教育大学の存在価値はないだろうということでありますので、総合大学のようなことはできませんが、こういうときに教育の格差でありますとか、学力差でありますとかいうことを生じさせないように、教育委員会、学校、教員の営みについて我々が側面からバックアップしていかなければいかんということが将来的な、単科大学で考えている方向性でございます。
 以上でございます。失礼しました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。時間がなくて申しわけございません。
 それでは、次が福島大学の入戸野修学長、よろしくお願いします。

【福島大学(入戸野学長)】

 福島大学の被災状況、現在の取組、今後の目指すべき方向について御報告させていただきます。
 福島大学は、実は、岩手、宮城と違っておりますのは、地震、津波、原発事故による放射能汚染でございます。それから、風評被害。これは要は経済的な実害。この四重苦を受けて、特に原発事故による放射能汚染と風評被害というのが私どもの振興の大変大きな位置付けになっているところでございます。
 資料に沿って御説明申し上げます。一番目でございますが、地震直後に危機対策本部を設置し、ここで安否確認、情報共有、教育研究評議会に関わる事項をここで検討すると、即対応するということで対応いたしました。
 安否確認につきましては、幸いなことに全員無事だということで、幼稚園児を含めて6,016名、大丈夫だということで安心しているところでございます。留学生177名、現在20名弱がまだ帰ってきていないと。それから、幼稚園児が、実は県外に行っているということで、10パーセント弱戻ってこないという状況でございます。
 被災状況につきましては、幸いなことに、建物等は大きな被害がございません。総額、設備を含めて1億円弱というところでございます。ライフライン、それから学生の被災状況は200名と書いておりますが、家計の支持者の死亡が4名、このような状況でございまして、これは三陸沖、それから宮城県、それから福島の沿岸部におかれる方たち、それからここにございます、同警戒区域、それから同避難区域にいる学生が多いということで、これに関しましては義捐金を公募しておりますので、対応しているところでございます。
 学生への対応でございますが、震災直後、JRが不通になったということで、当時、大学の構内等がかなり高い放射線量でございましたので、大学でバスをチャーターして、自宅に帰る者があればということで、数日間にわたって帰省を要請したところでございます。実際には、その後、新年度の開始時期まで学生に対しての教育支援に関しては、学類から学生に支援すると同時に、大学としては生活支援等、積極的なボランティア活動を推奨するということで対応してまいりました。自己学習プログラムの特例として単位を認定するということで、59名が実際には対応したところでございます。
 入学式は5月9日に「新入生を迎える会」ということで設けたわけでございますが、これに関しましても放射能に関する講演、あわせて放射線の対応マニュアルをつくって配って、学生への指導を徹底したところでございます。
 附属学園等については、これも園庭、校庭がかなり放射線量が多いということで、その後の経過にかかわる支援を大学教員、職員が中心になって対応したところでございます。
 次のページでございますが、学生への連絡等、これはホームページということで、一方的に、片側から行くということでございましたけれども、これが今後の課題ではございますが、一応、学生の要望を受けとめまして、いろいろな形で説明会、あるいは相談窓口を設けて対応しているところでございます。入学者を含む被災者の支援のために、授業料の免除、奨学金の拡充を今、検討しているところでございます。学生の支援ということで、福島大学の震災義捐金を4月に立ち上げて、現在、義捐金の配付の手続を実施しているところでございます。
 入学者につきましては、幸いなことに、今回は試験が終わった後でございましたので、例年どおりの入学者の確保ができました。実際には、この結果は、辞退者が20名おりましたが、7名ほどが間違いなく原発が原因ということで、そういった形で辞退しているところでございます。福島大学は50パーセント弱が県内からでございますので、来年の入学者に向けて現在、いろいろなPR活動を展開しているところでございます。
 被災の直後、福島大学といいましょうか、大学は何ができるかということで、県に対して被災者の受入れ箇所に使っていただきたいということで、市内にあります附属学校園、それから大学に沿岸地から被災してきた方を受け入れました。4月30日まで、最大で120人、延べ人数でいきますと約3,000人、これに対応しまして、学生がこういった避難民と共同して、就学支援とか、あるいは卒業式、あるいは温泉ツアー、バレーボール、こういった避難民との共同作業等を実施したところでございます。避難者の方からは、大変ありがたいということで、植樹をしたいということで、キンモクセイとかシダレザクラを植樹していただいたところでございます。一方、学生のほうからは、被災者の方たちと、大変ためになったといいましょうか、ありがたかったということで発信をしたというところでございます。
 これまで取り組んできた原発災害対応ということで、福島大学では、ガソリンがない、それから計測器もない中で、これは借りたわけでございますが、実は県内のモニタリングを開始したということで、この公表に当たりましては、まず自治体に説明し、その後、文科省、最後の公表というのは、テレビ等で出したのはだいぶ後だったということで、県民の方たちの感情を害さない対応をしたというのが特徴でございます。
 3ページに入りますが、そのような形で福島大学を初め附属学校園、汚染されておりますので、その対応ということで、今、それに苦慮しているところでございます。そういう中で、先ほど申しましたように、3ページの一番下にございますが、今後の教育復興に向けた活動と目指すべき方向ということで、福島大学は何をすべきかということで取り組んできた中に、きょうのパワーポイントのページの一番後ろでございますが、震災直後に福島大学の教員に呼びかけまして、何ができるか、皆さん、今の時期に現場に入って調べなければならないことがあるだろう、それからやらなければいけないことがあるだろうということで、こういうプロジェクトを募集いたしました。一定の資金を出すということで呼びかけましたところ、10件ぐらいだというふうに思っていたのですが、39件あって、それを35件にまとめて、現在、これを活動させているところでございます。7月にはこれをまとめるということで、一定の方向性を見た上で、その上にありますような形で今後、うつくしまふくしま未来支援センターという形で、福島の復興に向けていろいろな活動を展開していこうと思っているところでございます。「うつくしまふくしま」というのは、これは福島県のキャッチフレーズでございます。自治体との連携も、この名前を使わせていただくということで連携を強化して対応していこうと現在取り組んでいるところでございます。
 そういうようなことで、10年後という段階におきましては、こういった中で学生に実際に加わっていただくということもございますので、将来、こういった復興に携わる人材を育成していくことにつながればと考えているところでございます。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次に、独立行政法人国立高等専門学校機構の木谷雅人理事と内田龍男国立仙台高等専門学校長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

【国立高等専門学校機構(木谷理事)】

 よろしくお願いします。私、高専機構理事の木谷でございますが、まず私から国立高専全般の状況につきまして簡単にお話しした後、とりわけ被害の大きかった仙台高専の内田校長からまた話をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料でございますが、高専機構の対応という資料がございますが、この1ページにございますように、国立高専におきましても学生等の大きな被害がございます。数字は御覧いただくとおりでございますが、特に大きな被害を受けておりますのが、仙台高専、それから一関高専、福島高専、この3高専が大半を占めるという状況でございます。
 2ページ目にまいりまして、そのような中ではございますけれども、復旧、復興に向けまして各高専御努力をいただきまして、最後の福島高専が5月10日に授業を開始するということで、学校としての再開を行ったというところでございます。
 3ページ目にまいりまして、その間、高専機構として様々なことを行ったわけでございますが、上から二番目のところをちょっと御覧いただきますと、支援要員の派遣とございますが、全国51高専ございますので、私どもとしては被災高専においてどのような支援が必要かというニーズを伺い、そして近隣あるいは全国の高専において支援要員等が派遣できるかというふうなことを聞きまして、マッチング等もさせていただきました。今月も、実は授業料減免でございますとか、奨学金でございますとか、そういう事務が今、大変忙しいというふうな時期でございますので、今月もそのような対応の応援要員の派遣をするということも行っております。
 経済的支援、その後にございますが、授業料減免等はここにあるとおりでございますが、私どもとして、やはり公費でなかなか賄えないような点につきまして、機構、全国の高専関係者を中心に義捐金を募りまして、約6,000万円でございますが、これを見舞金として配分するということをさせていただいております。それから、一番下にございますように、特に高専の学生を積極的に採用していただいている企業から、大変ありがたいお申し出がございまして、ここにありますように、小松製作所でございますとか、森精機製作所、こちらからは非常に多額の奨学金をいただきました。これを高専機構で取りまとめて被災高専に配分するといいますか、そういう形で有効に活用させていただいているということでございます。
 それから、やはり被災学生の転学等、あるいは留学生についても、やはり新しい受入れは困難であるとか、あるいは特に福島の場合には、他の高専に行きたいというようなこともございましたので、そういった調整もさせていただいているというのがこの4ページでございます。
 5ページにまいりますと、震災に伴う学生指導上の配慮ということでございますけれども、とりわけやはり今後、メンタルヘルス対応ということが非常に大きな課題になってくるだろうと思っております。それから、5ページの最後のところに原発の対応というのがございます。特に福島高専でございますけれども、空間線量としては現在、0.3マイクロシーベルトということで、福島県内では相対的にはそう高いというところではございませんけれども、やはり御両親等、保護者等からのいろいろな不安というものもございます。これも他高専から線量計などを融通してもらいまして、継続的にモニタリングをしながら、安全・安心の確保に努めているというところでございます。
 この資料の説明としては以上でございますが、あと2点だけつけ加えさせていただきますと、これを教訓にして今後への課題ということでございますが、1点目は、高専としての今後の防災体制をどう考えていくかということでございますが、とりわけ今回の課題、教訓としては、一つは学生の安否確認等の緊急連絡システム、やはり相当時間がかかったケースもございました。これをどういうふうに確立していくかということが一つの課題でございます。それから、緊急物資の備蓄等ということで、やはり高専は数もございます。さらには地域の避難所として実質的に活用されるということもございます。そういう中で、緊急物資、それから非常用電源であるとか、燃料であるとか、そういうようなものを確保していく。これが一つの課題だろうと思っております。
 それから、2番目は、今後の復興への貢献ということでございまして、被災地域の高専を中心に、全国の高専がネットワークを組んで、地域の中小企業等の復興へ貢献していく。さらには、とりわけ環境エネルギー関連の復興人材の育成ということでの貢献というものがこれから求められるということだと思っております。高専は創造的、実践的な技術者の育成ということを使命といたしております。今後の復興のためにそうした人材というのは不可欠な人材であると思っておりますので、これを全力で推進していきたいと考えております。

【国立仙台高等専門学校(内田校長)】

 ただいま、基本的なところは木谷理事から話がございましたので、仙台高専の内田のほうから具体例を挙げながら少し御説明をさせていただきます。
 被災状況につきましては、いろいろなところでも御説明がありましたとおり、私ども高専でも、亡くなった学生、それから両親を亡くした学生、家を流された学生等々、非常にたくさんの数にのぼっておりますけれども、一番心配しましたのは、こういうことで学業を離れなければいけないような学生が出るかもしれないことでした。おかげさまで文科省等の授業料免除とか、高専機構、他高専、学内の義援金などで、教材や教科書、学費の支援をいただきまして、学校を去る学生は一人もいなかったというのは大変幸いでございました。ただ、まだ心配がございますのは、これから会社の倒産とか両親の失業などがありますと、そういう意味での学業への影響もあるかもしれないということです。ただ、それが実際に震災とどの程度関係して失業したのかどうかということの仕分けが難しいので、このあたりが今後悩ましいところでございます。
 わずか7キロほど先がこのような津波の影響を受けておりますが、こういうところに学生がたくさん住んでおりまして、その学生100人、あるいはそれ以上にのぼるのですが、先ほどお話のありましたメンタルの問題が非常にたくさんございます。かなり深刻な状況になっているようなことがございますので、支援室等をつくってケアをしているところでございます。
 学校は幸い、津波の被害はなかったのですが、地震の影響は名取キャンパスが大変ひどうございまして、こういった地割れが起こっております。運動場も非常に大きな地割れがございましたり、建物も幾つか影響を受けております。
 というような状況で、名取キャンパスの中の状況を御覧いただきますと、この赤く記した建物が現在、危険状況で使えない建物でございます。この中でも、いわゆる普通の実験や教室等につきましては、まだ他の場所で手当をして何とかやり繰りをしておりますが、上のほうに赤で示したところが、たくさんありますが、体育関係の施設でございます。これが相当やられております。それから、赤で斜線を書いたところが、地割れ等で立入禁止にしている地区でございますが、やはりグラウンド等が大きな被害を受けております。
 学校としての復旧、復興に対するいろいろな取組としましては、この表の下から、災害直後に始めたボランティア活動、下から二番目の、インターンシップで被災企業を支援するというような取組、被災地で科学講座を開くというようなことをやっておりますが、中長期的には東北地区6高専で連携して、プロジェクトを組んで、私ども高専ができる技術面、あるいは研究面で被災地の支援をしたいということを考えております。
 高専、東北地区を連携いたしまして、たくさんのプロジェクトを計画中して、地方自治体、あるいは国の各省庁とも関連しながら進めているところでございます。
 最後でございます。下の方に記したように、今、一番大きな支障としては、先ほど申し上げた、グラウンドや、第1・第2体育館が使えないなど、運動関係が全て駄目でございます。メンタルの問題の解消には、やはり体育とか課外活動の効果が非常に大きいようです。うつ状態になったりする学生も、運動することによってだいぶ救われているようなところがございますので、近隣の施設を借りてできるだけ体育の授業ができるようにしておりますが、それでも施設への行き帰りに非常に時間がかかるということで、悩ましい状況がございます。
 抜本的普及に大変努力していただきまして感謝しておりますが、完成には来年までかかるというような状況でございます。そこで何とか当面使えるような応急対策も含めて御支援をいただけると助かります。
 それから上の方に記したように、仙台高専がするべき最も重要なことは、本来の使命である、基礎学力と実践力、人間力を備えた優れた人材を世に輩出して、東北地区、ひいては日本の復校に貢献していくことだと考えております。東北地区は非常に優れた生産基地でありましたけれども、被災によって、アジア地区へ生産基地が移っていく心配がございます。そういった状況に対して、今後は、ものづくりも大事ですが、それだけではなくて、本当の意味の創造性のある学生、人材を育成していくことが重要と考えております。その意味で、大学と同様に高度で、おなかつ実践力を有する高専を目指す必要があると思っておりまして、それに取り組んでいるところでございます。
 どうもありがとうございました。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。
 それでは、最後になりますけれども、公立大学協会の佐々木雄太副会長、よろしくお願いいたします。

【公立大学協会(佐々木副会長)】

 御紹介いただきました公立大学協会副会長の佐々木と申します。現地の大学の当事者の皆様方からの御報告に比べますと、私の報告は迫力や臨場感に欠けるかもしれません。必要に応じて現地の公立大学からのヒアリングを実施していただければ幸いに存じます。本日は、宮城、岩手、福島、3県の公立大学の被害、あるいは取組を中心に報告をという御依頼をいただきましたので、お手元に配付をいたしましたハンドアウトに基づいて概要をお話させていただきます。
 まず、2ページにございます、公立大学の直接の被害であります。これは4月の上旬に集約したものでありますが、約4億6,800万円。これ以後の調査は今のところございません。
 また、震災直後からの公立大学協会の取組につきまして、3ページに概略を示しております。一つは、赤字で示しております就学支援でありまして、公立大学協会が各会員校に提唱いたしまして、科目等履修生などの制度を使って被災地の学生を各大学に受け入れる取組を呼びかけました。実際に必ずしも多数の学生を受け入れるという結果にはなっておりませんが、大学間が協力して学生の教育をするという一つの経験、一つの制度の試行として意味があったのではないかと思います。
 二つ目に、授業料、入学金の減免とか、あるいは特別の奨学金の給付事業を各大学で行っておりますが、とりわけ授業料、入学金の減免等につきましては、今年度分も各大学で非常に増額しておりまして、これは被災地に限らず、次年度以降増大していく可能性があろうかと考えております。
 次に、福島県立医科大学、岩手県立大学、宮城大学、それぞれの取組につきましては、5ページ以下にお示ししております。福島県立医科大学の場合には、県内唯一の大学病院を持つということから、被災直後より地震、津波と原発事故の最前線で医療活動に取り組んできております。
 以下、幾つかパネルがございますが、5月24日に開催いたしました本協会の総会において、菊地臣一福島県立医科大学長より貴重な御報告をいただきました。菊地学長からは、大学としての四つの教訓として、8ページにお示ししたような内容の御指摘をいただきました。これについては、後ほど触れさせていただこうと思います。
 岩手県立大学、宮城大学のそれぞれの取組につきましては、12ページの14ページにかけて概要を紹介しております。御覧いただければ幸いです。後に、その一部について触れさせていただきます。
 次に、公立大学協会としてのこれまでの取組、あるいは今後の計画を申し上げます。24日に公立大学協会の総会を開催しましたが、その場で多数の大学から被災地への支援を行うべきである、大学間の連携を通して支援活動を計画すべきであると、こういう御意見をいただきまして、6月8日に岩手県立大学で復興支援をめぐる公立大学協会の懇談会を開催いたしました。これには協会会長、副会長、事務局長を初め、九つの大学から学長あるいは復興支援の担当者が参加をいたしました。文科省からも大学振興課長補佐に御出席をいただきました。
 その懇談会で、二つのことについて差し当たり合意をいたしました。一つは、岩手県立大学の学生ボランティアセンター、これは学生の組織でありますが、これが震災の直後から非常に組織的なボランティア活動を展開しておりまして、7月の下旬から9月の下旬まで9週間にわたって被災地への学生ボランティア活動の計画を持っておりました。ここに、1日300名を限度として全国の大学から学生ボランティアを受け入れようというお話でありましたので、できる大学が協力をして、この計画に参画をしたいということです。これはそれぞれの大学が持ち帰って、現在、実施の方向で検討を進めております。
 二つつ目は、中長期的な復興支援の課題として、これは協会として検討し、また、実施に移してまいりたいということでありますが、公立大学協会に復興支援委員会を設置いたしまして、被災地の大学の復興支援組織と連携をとりながら、今後の活動を進めたいという計画でございます。その中長期的な視点から見た復興支援の課題につきましては、最後の15、16ページに記しておりますので、御覧いただきたいと思います。
 まず一つは、丸の二つ目ですが、夏期の学生ボランティア活動の延長線上に、その体験をできるだけ教育に取り込んでいくような形で、学生の教育あるいは専門性により結びついた復興支援活動を持続的にできないかという問題であります。その中で学生に対する防災、減災教育を充実させてまいりたいと、こういうことでございます。
 二つ目は、丸の一つ目と三つ目ですが、県や市町村の復興計画に大学が参画してまいりたいということでありまして、既に岩手県立大学、あるいは宮城大学ではこれが計画の途上にあります。公立大学間あるいは国公私の枠を超えて、例えば岩手県立大学は慶應大学、立命館大学との協働のもとに地域復興学に結びつく研究をやろう、あるいは宮城大学の場合には、東北大学や高崎経済大学と協働しながらこの取組を進めていくということを計画しております。
 三つ目は、教育カリキュラムの再検討ということを共通の課題にしたいということです。今回の震災並びに事故は、自然、科学技術及び人間社会に関わる新しい考え方を求めていると認識をしておりまして、そのような問題意識に立った新しい教育カリキュラムの再検討ということを、公立大学共通の課題としたいということでございます。
 最後に、16ページにございますが、福島県立医科大学からの提言でありますが、大学のリスクマネジメントをもう少し充実させる必要があるという課題です。今回の体験から、支援する側の資源不足ということが非常に重大な問題であったこと、水、ガソリン、薬品等、支援する側にこうした資源が不足をしていたということ、それから、原発事故への対応能力が欠如していたということ、放射線に関する国民の知識の不足ということをいたく感じたということ。このような問題が提起されました。
 これらについては、公立大学単独の課題というわけにはまいらず、全高等教育機関の課題として受けとめていただければ幸いに存じます。
 以上でございます。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。
 ここで質問に移りたいと思いますけれども、いつものとおり、これを立てていただいて、よろしくお願いします。それから、質問者は、どなたに質問したいのか、こういうことを特定していただければありがたいと思います。
 それでは、一番最初に札が上がりました。よろしくお願いします。

【篠原委員】

 今日はちょっと遅参いたしまして大変失礼いたしました。
 本日のヒアリングとは直接関係ないのかもしれませんが、ちょうどいい機会なので大学の関係者の方に、もしコメントできるのであればコメントしてほしい点が一つあります。今、東京大学は秋入学の検討を打ち出しておりますよね。これについてなんです。3月11日に大震災が起きました。たまたまでしょうけど、秋入学にもしなっていれば、かなりボランティア活動を新入生に徹底させることができたんじゃないかなというようなこともちょっと思ったりして、もし大学の、今日いらっしゃっている皆さんの中で、秋入学について何か所信があればお聞きをいたしたいと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。本当は濱田さんが来ていれば答えてもらったんですけどね。
 それでは、次に、中橋委員、よろしくお願いします。

【中橋委員】

 発表ありがとうございました。
 私も先日、東北のほうに行ってきたのですけれども、そこの子育ての施設のところで、二人お子さんがいらっしゃって、上のお子さんを亡くされて、下のお子さんを連れてそういった施設に来られている親御さんがいました。お子さんの心のケア等は、メンタルのことについては教育委員会さんの発表にもありましたけれども、いろいろ手厚くされていらっしゃると思うのですが、先ほど、宮城教育大学さんの発表の中で、心のケアプログラムを開発して教育委員会さんと連携して、そうした先生方の育成もしていくというようなことがございましたけれども、子供だけではなくて、お子さんを亡くされた親御さんへのケアをどうしたらいいのかわからないという現場の声を幾つか聞きましたので、そうしたプログラムであったりとか、あるいはPTA等を通して、そうした方々へ接する機会のある子育て支援者、あるいは教員の先生方に対してどういう接し方をすればいいのか等のプログラムをぜひ御提供いただければありがたいなと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 白波瀬委員、お願いいたします。

【白波瀬委員】

 貴重な御報告ありがとうございました。
 二つあります。まず1点は、東北大学の方に質問させてください。15ページの人材育成についてですけれども、ここで災害復興科学アドミニストレーター養成大学院プログラム構想という、かなり大きな構想がおありのようですが、今回の復興に当たりましてやはりこの人材育成は極めて重要です。そこでは特に、地域に根差した足もとのところでのファシリテーターというかコーディネーターの役割の大切さというのが今回の震災対応においても確認されました。そこで、東北大学の本プログラムで想定されているのはもう少し違った内容の人材養成になるかもしれないのですけれども、国際的な舞台でのアドミニストレーターといった非常に大きな視野でお考えになっていることは理解できますが、その中身が少々みえてきませんので分からないので、少し御説明を願いたいと思います。
 あともう1点は、宮城教育大学の方なんですけれども、地域内の教育格差に対して貢献する必要性を訴えられました。そこでは既にある格差に対する対応が、今回の震災によって拡大する危険性があるのではないかという御指摘だったのですけれども、その中身についてもう少し具体的に、どういう支援の方法なりプログラムというものがあるのか、何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 丸山委員、よろしくお願いします。

【丸山委員】

 東北大学さんに1点、質問させてください。14ページにあります、新しい震災の研究機構の中に新設で災害科学国際研究推進プロジェクトというのがございますけれども、これは先般の政府の復興構想会議等でも、現地に災害に関する映像とか資料を全てアーカイブに置いて、国際的な災害研究の拠点にするようなものをつくりたいというような御意見があったようなんですけれども、それとの絡みで、そういうようなものを目指したものなのか、もう少し具体的に聞かせていただきたいと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 最後に、これで打ち切らせていただきますが、竹原委員、よろしくお願いします。
 【竹原委員】

 ありがとうございました。
 お聞きした中で一つ質問があります。それぞれの教育機関の機能を日常に戻していく中で、教育の中にこの震災を生かすというカリキュラムなり構想は話されましたが、もう一つボランティアを単位認定するなど、いかに積極的に押し進められるかというところを少しお聞きしたいと思います。
 なぜならば、今いる学生たちが復興の担い手になり、語り部になるということで、ぜひ現場に出していただきたいと思っております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。では、質問はこれで打ち切らせていただきます。
 それでは、一番最初に東北大学のほうから、秋入学も含めて三つぐらい質問があったと思いますけれども、お答えいただきたいと思います。

【東北大学(甲野理事)】

 秋入学につきましては、まだ東北大学では、東大でそのような構想がおありだということを新聞報道で知った限りでございまして、具体的にどうしたらいいかというようなことにつきましては、まだ学内で議論をしているわけではございませんので、この場ではなかなかそこまでの回答をすることができませんので、誠に恐縮ながら、それにつきましては、お答えできないということでお許しをいただければと思います。
 続きまして人材育成についてでございますけれども、災害復興科学アドミニストレーター養成大学院プログラム構想という形で名称を掲げさせていただきました。まだまだこれは、実は検討途上の内容でございまして、この構想名自体、あるいは中身につきましても、いろいろな検討を加えた上で変更があり得る内容でございますけれども、現時点で考えておりますことは、災害復興も大変重要なテーマでありますけれども、それ以外につきましても、国家間紛争、あるいは人類の共通の資源の活用など、国際的に見ましても様々な課題が山積をしているわけでございまして、そうした課題につきまして、社会のリーダー層というものの育成というものがやはり重要ではないかという問題意識があるわけでございます。
 そうしたような人材をつくっていこうということがこのプログラムの本旨であるわけでございますけれども、そうした中で東北大学は被災地の中核の大学でありますので、やはり災害復旧ですとか、あるいは危機対応、そうしたようなものに十分対応できる人材をここでは育成をしたいという、今、そういうような考え方がございます。そうしたような人材育成をしていこうというのが、今回のこのプログラムの構想であるわけでございます。
 こうしたような課題は、例えば地震や津波にしましても、日本国固有のものであるわけではなく、国際的に様々なところでそうしたような体験があるわけでございますし、原発も様々な世界各地で立地をしているわけでございます。そうしたことから、そうした人材の養成ということを考えた場合には、海外におきましても活躍できるような人材ということがやはり求められるのではないかということで、国際的な視野というものもこの中に入れたということで、今、検討しているわけでございます。
 こういうふうにかなり幅広く検討はしているわけでございますけれども、もちろんそうした人材は海外に行って活躍するということではなくて、日本国内でそうした災害が起こったことにも対応できるだけの十分な能力を養成したいと考えておりますので、そういった意味では、日本国内のそうした災害にも十分対応できる人材育成ということにつなげていきたいと考えております。今後はいろいろな関係の方々の御意見を伺いながら構想は詰めていきたいと考えているところでございます。
 以上が人材育成でございました。
 続きまして、災害復興新生研究機構と、それから復興構想会議での様々な提言、あるいはアーカイブとの関係でございますけれども、今後それらにつきましては、やはりこれも十分検討していかなければならないと考えているところでございます。関係の方々とそういうようなところを調整しながら、できるだけ整合性がとれるような形で、中身をより詳しいものに詰めていきたいと考えております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は、宮城教育大学のほうからお答えいただきたいと思います。

【宮城教育大学(高橋学長)】

 お答えになるかどうかわかりませんが、小林教育長がいらっしゃる前で、学力格差があるなんていうのは申し上げるべきじゃなかったと思っておりますが、実際問題として、データは藤井先生が先ほど指摘されたようなことに尽きるんじゃないかと思います。大体同じようなものだろうと思います。今日はデータを用意していませんが、そういうことであろうと思います。
 先ほどちょっと例に挙げました、宮城北部地震のときに、何点下がったとか、どの教科がだめになったとかというよりは、むしろ漠然とした不安といいますか、子供たちのそういうものに対して若い学生たちが出かけていって、1週間なり10日なりを集中的につき合って、年齢が近いですから非常に効果があるのだそうですが、そういうことをやっていくことによって、そういうことに対する不安と、広がると言われている格差に対して対応できると。それが教育大学のやることだろうということでございまして、格差が何点あるからどうしようとかと、そういう目標があるわけではありません。そんなものだろうというふうに思っています。
 もう一つ、ボランティアの件ですが、ボランティアに関しましては、御承知のように、学生ボランティア、学生ボランティアとずっと言われているわけですが、授業が始まりますと、学生たちはなかなか出かけられないんですよね。つまり、空いている時間が1時間あっても、他の3時間が空いていなければどこにも出かけられない。ましてや遠隔地にありますと、日帰りで帰れる距離というのは、宮城教育大の場合は仙台市内のごく限られた被災地です。あとは遠隔で日帰りなんてとてもできません。そうすると、泊まり込みで行かなければいかんという話になって、簡単な話ではないと。そうなりますと、学生たちが安心して、安全で、ちゃんと自分たちの力を発揮して来いよということを言うためには、例えば宿泊施設をどうしますかとか、それから、御飯はどうするんだとか、シャワー浴びたいんだけどというふうなことについて、どういうケアをきちんとできるかということにかかっている。宮城教育大は今、その整備に全力を尽くしています。
 全国から、例えば大阪教育大から10人来られたときに、近くの場合だったら大学が送り迎えします。大学の中の施設で寝泊まりをしてもらいます。御飯も何とか食べられるようにします。シャワーも浴びられるようにします。それから、教材等についてもこちらで用意するということがありますけれども、例えば気仙沼というと通常のときに片道2時間半かかります。だから、とてもじゃないが無理です。今、半日かかってやっと届くぐらいですが、そういうところですと宿泊施設を何とかしなければいけないというふうなこと、それから、現地でコーディネートする人もいなければいけない。つまり、受入れ体制がちゃんとしなければ、ボランティアが徒労に終わってしまうようなことがあり得ることですので、そう簡単ではないのですけれども、例えば、先ほどちょっとお話に出ましたが、いわゆる民間といいますか、NPOですとか、そういうところとお互いにないところを融通し合いながら、連携し合う方法がないかということで、あるところとお話を始めたところであります。
 とてもじゃないが、単独の大学が何とかできるようなテーマじゃありませんので、私らが一番話をしやすいのは11教育大学なので、そこだとお互いにメニューの中身もほぼ、一言で分かると言えば分かっちゃうようなところがありますので、そういうところからまずは始めたと。夏休み中にはもう何か所かで展開をする。そのときに、例えば宿泊場所で、今、例えば廃校じゃないですけど、使われないで放置されている校舎があちこちにあります。そういうところを使わせてもらうとか、そうしたときにどういう形があるのかとか、詰めなければいけないことがいっぱいありますけれども、それを県の教育委員会、市の教育委員会等と調整をしながらやっていかなければいかんと思います。
 ボランティアというのは主役じゃありませんので、やっぱり先ほどお話にあったように、学校教育の本体が正常化する、我々はそのバックアップをするわけですから、そういう立場をきちんと貫いた上でやっていかなければいけないことだろうと思っております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 そのほかに御発言を希望される方、どうぞよろしくお願いします。

【岩手大学(藤井学長)】

 ボランティアに単位認定を出しました岩手大学です。これは新たな科目ではありませんで、既に立ち上がっていました地域コミュニティーサポート実習という1単位ですけれども、その単位認定をするということにいたしました。
 実際のボランティアの進め方ですけれども、4月の第2週あたりから、宿泊せずに日帰りでどんどん行きましょうということで、バス1台をチャーターしまして、ピストン輸送して、朝6時頃、おにぎり三つ持たせて現地に行かせて、その必要な場所というのはマッチングはこちらでいたしますけれども、保険に入って、出向いていって、日が暮れて帰ってくると、そんなことで、大体実習1単位ですから45時間ですね。平日五日行けば、あと、レポートをきちんと書けば単位認定するということをいたしました。
 実は、その科目ができましたのは、岩手県内の国公私立大学5大学がコンソーシアムを立ち上げていまして、既に岩手学とか、地元のよさを発掘する、そういう授業科目も共通で立ち上げておりました。そして、地域おこしにかかわるような、そういう学生の取組が既にあったものですから、コミュニティーサポート実習という単位認定を認めたところです。
 以上、補足いたしました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 ほかに御発言はよろしいですか。
 ここで質疑応答は終わらせていただきまして、最後に、全体を通じて何かご意見があればということで、石井委員から発言の希望を伺っています。よろしくお願いします。

【石井委員】

 ありがとうございます。岡山県知事の石井でございます。この会に公務の関係でなかなか出席をすることが難しゅうございましたが、本日出席することができましたので、次期教育振興基本計画の策定に関しまして、私のほう、地方を代表いたしまして2点だけ絞って意見を述べさせていただきたいと思っています。一部、今回の大震災に関連したものも含まれております。
 まず、第1点でございますが、教育行政における分権改革の推進、ぜひこれを改めてよろしくお願いしたいと思っております。今現在、地方分権改革、今の政権では地域主権改革ということで、様々な改革が進んできておりまして、国と地方の協議の場が法律によって制定されましたし、また、義務付け、枠付けの見直しの更なる取組の強化とか、あるいは出先機関の移管の問題とか、いろいろなものが今現在進行中でございます。まだまだ道半ばでございますが、一応、地方公共団体と国とは対等、協力の関係になっていると、こういうことで我々、地方自治体の行政を司っているところでございますが、一方で、教育行政について見ますと、文部科学省が一番上にありまして、そして都道府県教育委員会が二番目にあり、そして、一番下に市町村の教育委員会があるという、この3層制の、いわば縦割りの、極めて中央集権的な性格が強い仕組み、これが今日まで依然として維持されていると、このように我々は受けとめているわけでございまして、いわば上から下まで円筒形の、文部科学省からの意思というものがそのままストレートに都道府県教委、そして市町村教委というふうに伝わっていくような、そういう仕組みのように受けとめております。
 是非ともこれを住民に身近な市町村、すなわち基礎自治体の教育行政が自主的、かつ主体的にとり行うことができる、こういう分権型の仕組みにぜひ改めていただきたいと。地方の教育力を高めていくためには、やっぱり意識改革が必要だと思うんですね。上を常に見ていると、指示待ちであると、こういったような教育現場の姿勢ですと、今申し上げたような住民の身近な教育行政として、住民の皆さんの期待に応えるような教育が展開できないのではないかと危惧しております。
 具体的に申し上げれば、今、県費負担教職員制度というふうになっているわけですね。私たち県のほうが文部科学省から負担金をいただきまして、県費で教職員の人件費を負担しているわけでございますが、この制度の下では、公立小中学校の教職員の意識が地域に根ざしたものとなかなかなりにくいと、このように考えております。したがいまして、私たち知事会でもかねてより主張してきておりますけれども、教職員の人事権、それから教職員定数及び学級編成に関する権限、こういったもの等々を、広域での人事調整の仕組みを整備した上で、少なくとも中核市にぜひ移譲をしていただきたいと、このような我々の提案でございます。
 まず、その端緒といたしまして、今現在、政令指定都市でございますが、これにつきまして人事権は移譲されておりますけれども、これにあわせて、先ほど申し上げた学級編成基準、あるいは教職員定数の設定権限、これを政令指定都市に移譲し、そして人事権ともども中核市のほうに移譲していくと、こういうことをぜひ進めていただきたいと思います。
 私たち知事会がこれを主張しておりますけれども、中教審の答申の中にこのことが触れられておりますし、それから、地方分権改革推進委員会の第一次勧告におきましても、また、地方分権改革推進計画におきましても、また、昨年6月の地域主権戦略大綱におきましてもこういったことが示されておりますし、また、現行の教育振興基本計画の中にも「今後5年間に取り組むべき施策」として明記されているところでございます。しかしながら、現在までそういったところが具体的に実施に移されていないということでございまして、ぜひとも教育行政における分権改革をそういう方向で進めていただきたい。
 そういうことによって、今回の震災を受けられた地域におかれましても、地域に根ざした教育をどのように振興していったらいいかといったことが、自主的かつ主体的に取組が進んでいくのではないかと、このようにも考えているところでございます。
 そのことをまず1点目として訴えさせていただきたいと思います。
 それから、2点目は、今回の大震災を受けまして大きく問題点といいましょうか、我々が推進をしておりますのが、公立学校施設の耐震化の推進という問題でございます。もともと私たち、この問題に前向きに取り組んできているところでございますが、今回の大震災を受けまして、更にこの公立学校施設の耐震化を加速させていく必要性を強く認識をしているところでございまして、それぞれ取組方針が地方公共団体によって打ち出されております。私ども岡山県でも、県立学校の耐震化を2年前倒しで進めていこうということを、29年度末までと言っておりましたものを27年ということで目標を前倒しに設定をしているところでございますが、是非とも県と市町村が計画をする全ての公立学校施設の整備事業が確実に実施できますように、実態に即した補助単価の見直しとか、あるいは十分な財源の確保、こういったこと、そして小中学校だけではなくて高等学校等の耐震化につきましても補助事業の対象とするということを是非御検討いただきたい。高等学校等の場合は、地域防災計画で避難所として位置付けられた場合には財源的な措置が一定のものがなされているようでございますが、こういったようなことで今、全国的にこの問題は非常に前向きにそれぞれ取り組んでおりますが、大事なことは財源的な裏付けではないかと思います。
 今、国家を挙げて安全・安心、防災に強い学校づくりということが非常に大きなテーマでございますので、是非これは国家的な立場から文部科学省におかれましては、是非とも財源をしっかりと確保していただきたいと思います。次期教育振興基本計画では、耐震化100パーセント、これを是非打ち上げられまして、高等学校等を含む公立学校施設全体、是非これを達成できますように、そういった財政措置の拡大、更には年度ごとの数値目標、こういったことも明確化していただきたいということを是非お願いをいたしたいということで御提案申し上げる次第でございます。
 以上、かいつまんで2点だけお願いさせていただきます。よろしくお願いいたしたいと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。今の御提案は、今後の検討の中で積極的に検討させていただきたいと思います。

【石井委員】

 お願いいたします。

【三村部会長】

 本日は遠方よりわざわざお見えいただきましてありがとうございました。貴重なお話を伺わせていただいたと思います。我々の議論の過程の中で、今日のお話はぜひともいろいろ取り入れさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後に今後の日程等につきまして事務局よりご連絡お願いします。

【森友教育改革推進室長】

 失礼します。次回の計画部会につきましては、今週の金曜日、7月8日の金曜日でございますけれども、15時から17時15分ということで、私立学校の関係者、あるいは福島県の教育委員会からのヒアリングを予定しております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。どうもいろいろありがとうございました。

── 了 ──

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(生涯学習政策局政策課教育改革推進室)

-- 登録:平成23年09月 --