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教育振興基本計画部会(第3回) 議事録

1.日時

平成21年8月25日(火曜日) 13時~15時

2.場所

霞山会館「霞山の間」

(東京都千代田区霞が関3-2-1 霞が関コモンゲート西館37階)

3.議題

  1. 教育振興基本計画の実施について
  2. 教育安心社会の実現に関する懇談会報告について
  3. 修学支援方策に関する検討状況
  4. その他

4.出席者

委員

田村部会長、安西委員、井上委員、衞藤委員、遠藤委員、金子委員、菊川委員、木村委員、小松委員、篠原委員、曽我委員、角田委員、蛭田委員、無藤委員、山本委員

文部科学省

坂田事務次官、清水文部科学審議官、板東生涯学習政策局長、金森初等中等教育局長、德永高等教育局長、磯田研究振興局長、布村スポーツ・青少年局長、土屋総括審議官、辰野政策評価審議官、西阪文教施設企画部長、河村私学部長、川上大臣官房審議官、片山生涯学習総括官、上月生涯学習政策局政策課長、寺門教育改革推進室長

5.議事録

【田村部会長】 

 それでは、時間でございますので、定刻ということで、ただいまから中央教育審議会教育振興基本計画部会、第3回になりますが、開催させていただきます。

 本日は大変お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 それでは、議事に入る前に、事務局の人事異動がございましたので、事務局からご紹介をいただきたいと思います。

【寺門教育改革推進室長】

 失礼いたします。前回部会以降、事務局に人事異動がございましたのでご紹介をさせていただきます。遅れているようでございますけれども、坂田事務次官、後ほど参る予定でございます。

 清水文部科学審議官でございます。

【清水文部科学審議官】

 よろしくお願いいたします。

【寺門教育改革推進室長】

 板東生涯学習政策局長でございます。

【板東生涯学習政策局長】 

 よろしくお願いいたします。

【寺門教育改革推進室長】  

 布村スポーツ・青少年局長でございます。

【布村スポーツ・青少年局長】

 よろしくお願いいたします。

【寺門教育改革推進室長】

 土屋総括審議官でございますが、若干遅れているようでございます。後ほど見える予定でございます。

 続きまして、辰野政策評価審議官でございます。

【辰野政策評価審議官】

 よろしくお願いします。

【寺門教育改革推進室長】

 それから、川上大臣官房審議官、生涯学習政策担当でございます。

【川上大臣官房審議官】

 よろしくお願いします。

【寺門教育改革推進室長】

 西阪文教施設企画部長でございます。

【西阪文教施設企画部長】

 よろしくお願いします。

【寺門教育改革推進室長】

 片山生涯学習総括官でございます。

 上月生涯学習政策局政策課長でございます。

【上月生涯学習政策局政策課長】

 よろしくお願いいたします。

【寺門教育改革推進室長】

 以上でございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 それでは、今日は公開になっておりますので、公開のままで審議を進めさせていただきます。ご了承いただきたいと思います。

 議事に入る前に、事務局から、まず最初に配付資料の確認をお願いしたいと思います。

【寺門教育改革推進室長】

 配付資料につきましては、お手元議事次第4に掲げてございます。本日は参考資料まで含めまして計10点の資料をご準備いただいております。万が一、お手元に不備、不足等ございますれば何とぞお申し出ください。

【田村部会長】

 よろしゅうございますか。それでは、初めに本日の議事について簡単にご説明をさせていただきます。本日の主な議事は3点ございます。1点目は「教育振興基本計画の実施について」として教育重点施策2008、これは2008、2009、2010と続いていくわけですけれども、2008、平成20年度の教育振興基本計画アクションプラン、この点検につきましてご議論いただきたいと思います。また、来年度のアクションプランでございます教育重点施策2010、この来年度のアクションプランでございます教育重点施策2010の策定につきまして事務局よりご説明をいただくことになっております。

 それから、2点目は塩谷文部科学大臣のもとで教育安心社会の実現に関する懇談会というものが開催されました。まとめのご報告が7月3日にされております。その懇談会報告につきまして事務局よりご報告、ご説明をいただく予定でございます。

 それから、3点目は、最後になりますが、懇談会報告を受けまして文部科学省が検討を行っています修学支援方策に関する検討状況、これにつきまして事務局よりご報告がございます。これにつきましては、ぜひご意見等をお出しいただければと思っております。

 そして、最後に本年に8月にまとめられました基礎科学力評価に向けた提言、それと基礎科学力強化総合戦略、この2つの非常に重要な問題が提言されますので、これについて担当の局からご説明をいただくということになっております。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

(1)教育振興基本計画の実施について

【田村部会長】

 それでは、本日の議事に入らせていただきます。まず、1つ目の議事でございます教育振興基本計画の実施について、教育重点施策2008の点検表につきましての説明を事務局からお願い申し上げたいと思います。寺門室長からですね。

【寺門教育改革推進室長】

 それでは、説明をさせていただきます。委員の先生方ご案内のとおり、教育振興基本計画におきましては、その着実な実施を図るために毎年度、施策の進捗状況について点検を行う必要がある旨、規定をされているところでございます。これまで、先ほど部会長からもご説明がありましたように、基本計画の実施に関しましては、各年度において中心的に取り組む事項をまとめた教育重点施策アクションプランをこの部会でのご審議をちょうだいしながら、計画初年時から策定をしているところでございます。

 今回、基本計画策定後、初めてとなります計画における施策の進捗状況の点検を行うわけでございますけれども、これにつきましては本年3月の第2回の本部会でのご審議を踏まえまして、昨年度の2008年度の教育重点施策、アクションプランの記載の事項に沿って、点検項目に従って、今回、省内で作業を行ったところでございます。

 それが資料で申し上げますと、枝番号が前後して恐縮でございます。まず、資料1-2と付されております、やや厚手の資料でございますけれども、これについてはこの教育重点施策2008のすべての事業ごとのそれぞれ個別の点検表でございます。これに基づきまして、この資料がもう一つ、1-1がございますけれども、これはこの資料1-2の個別の点検表を踏まえました教育振興基本計画の4つの基本的な方向ごとに、その取り組みと課題を総括的にまとめたものでございます。本日はお時間のご都合からも、この資料1-1を主に説明をいたしまして、これを踏まえて平成20年度の教育振興基本計画の点検につきまして部会としてご意見等をちょうだいしたいと存じます。

 それで、資料1-1をごらん願いたいわけでございますけれども、まず、この資料の形式、構成でございます。これは先週末ぎりぎりで大変恐縮でございましたけれども、事前にお送りしております。構成ですけれども、上段の枠囲みが、基本計画が策定いたします今後5年間に取り組むべき施策の基本的方向をそのまま転記しております。これに対する2つ目の枠囲みが平成20年度の取り組みと課題という形になってございます。そこで、1ページの基本的方向1、「社会全体で教育の向上に取り組む」についてでございますけれども、ここでは黒ダイヤの2つ、身近な場所での子育て等の支援、身近な場所での学習機会の充実が計画に掲げられているところでございます。

 これに対しまして平成20年度の取り組みと課題といたしましては、まず、1つ目の白丸においては、新たに学校支援地域本部事業の開始や放課後子ども教室など全国的な支援の取り組みづくりが新たにスタートし、人材の確保等、一部運用上改善を要する点はあるものの、着実な進展が見られていること。

 2つ目の白丸においては、他方で社会総がかりでの教育にかかわる機運の醸成のためには地域や家庭にとどまらない広範な層の一層の参画が必要であり、例示として公立中学校における職場体験の推進について、産業社会との一層の連携の強化の必要性を指摘しております。

 3つ目の白丸におきましては、社会人との学び直しのために大学等の取り組みの支援を実施し、一層の環境整備の必要性があるという点を指摘してございます。

 次に2ページ目でございます。基本的方向2でございまして、ここでは3点、確かな学力を身につけた子どもを育成する。規範意識等を培うとともに法やルールを遵守し、適切に行動できる人間を育成する。また、生涯にわたって積極的にスポーツに親しむ習慣や意欲、能力を育成するという事柄が計画に掲げられておりますけれども、これに対する平成20年度の取り組みと課題といたしましては、1つ目の白丸においては生きる力の育成のための新しい学習指導要領の改訂等にかかわる施策の実施状況を記載してございます。

 2つ目の白丸におきましては、全国学力学習状況調査の実施に関しまして知識、技能の定着に一部課題が見られ、活用する力にも課題がある結果が出ておりまして、このような結果等を活用し、学力向上やアクションプラン等の各般の取り組みを実施している旨記載してございます。

 3つ目の白丸では、教員の資質向上のために教員免許更新制度に係る施策、また、教員が子どもと向き合う時間、環境づくりを一層推進するための定数の改善等について記載してございます。

 次に3ページ目になりますけれども、4つ目の白丸におきましては、規範意識等について新学習指導要領での充実などについて記述しておりまして、次に5つ目の白丸においては体力につきまして、全国体力運動能力等の調査での結果を受け、子どもの体力向上の取り組みの一層の支援の必要性について記載をしてございます。

 続きまして、4ページ目は基本的方向3、「教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し、社会の発展を支える」につきましては3つ、学士課程の学習成果として共通に求められる能力を育成。知の創造・承継・発展に貢献できる人材を育成。大学の連携等を通じた地域再生への貢献が計画に入れられておりますけれども、平成20年度の取り組みと課題につきましては、まず1つ目の白丸では各大学での教育の質の確保、向上に向けた取り組み状況、大学評価の定着状況について記載をしてございます。

 2つ目の白丸では、その上で各大学等のすぐれた特色のある取り組みの支援等を通じて、各大学の教育の質の確保、向上に向けた取り組みを促すとともに、中教審の審議等を踏まえつつ、包括的な教育の質保証のあり方について検討を進める旨、記載をしてございます。

 3つ目の白丸では、「留学生30万人計画」に基づく事業の実施や我が国の大学の国際的な競争力等を高める取り組みについて記載してございます。

 最後、4つ目の白丸では地域再生の核となる大学の構築に向けた各般の施策の展開と、そのさらなる推進について記述をしているところでございます。

 最後に6ページ目、基本的方向の4、「子どもたちの安全・安心を確保するとともに、質の高い教育環境を整備する」につきましては、計画では安全・安心な教育環境の整備、教育の機会均等の確保が掲げられておりますけれども、平成20年度の取り組みと課題につきましては、1つ目の白丸で公立小・中学校施設の耐震化の着実な進捗状況を、そして2つ目の白丸では、経済的理由により進学困難な方々への支援施策の状況等について記載をしているところでございます。

 以上が教育重点施策アクションプランに基づきます4つの計画の基本的方向の観点からの20年度の進捗状況の概要でございますけれども、平成24年度までのこの計画の5カ年の計画の初年度ということもございますけれども、総じて着実な取り組みは図られているものの、さらなる課題も先ほどご説明申し上げましたように見られるところでございまして、引き続き施策の総合的な推進に向けて努めていくことが必要な状況にあるものと認識をしているところでございます。

 以上、説明でございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 ただいま事務局からご説明がございましたお手元にございます資料1-1、教育重点施策2008につきまして、今日はこれから審議を行ってまいりたいと思います。どの部分からでも結構でございますので、ご意見がある方、お願い申し上げます。この名札をお立ていただきたいと思います。

 なお、ここで出ましたご意見は次回の点検評価やアクションプランの策定に反映していただきたいということを事務局にお願い申し上げたいと思います。今までの議論の中では定性的な分析、評価だけでなくて、定量的な分析、評価もバランスよくしていただきたいというような話が前に出ていましたけれども、それらも含めて今後ぜひ次回に今日のご意見を反映させていただきたいと思っている次第でございます。

 それでは、どうぞお名前を挙げていただきまして、最初は言いにくいのですけれども、いかがでございましょうか。4つの基本分野というのがあるわけですが、基本的方向というのがあるのですが、どの部分でも順番は構わないと思いますので、気になったところをまずご意見を賜れますと大変ありがたいと思います。いかがでしょうか。

 角田先生、どうぞ。

【角田委員】

 それでは、皮切りでございますが、基本的方針の2のところの個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として社会の一員として生きる人を育てるというところでございますが、すべての小・中・高、特別支援学校を含めて学習指導要領が移行に入ってきたということで、それぞれの学校、一生懸命その移行の趣旨を踏まえて頑張っているところでございますけれども、気になっているこの2番目の丸のところの基礎学力、知識、技能の定着というところに一定の課題が見られる、あるいは活用する力に課題が見られる。

 今回、活用するということが、この習得と探究の間に活用を置いてということでかなり現場では注目を浴びて、一生懸命その活用力を育てるために努力をしているわけでございますが、これはこれからだんだん時間をかけて伸びていくであろう、伸ばしていかなければいけないだろうと思っているのですけれども、この基礎的な部分のところ、習得ということが現行の学習指導要領でもやや生きる力というものが誤解をされたというか、不徹底があって、この基礎・基本という部分が疎かになったのではないかという反省があったわけですが、今回、やはり基礎・基本の部分をきちっとしながら活用力を伸ばしていくということが非常に大事だろうと。

 この20年の3月の中教審答申の中で重点指導事項例を提示して、そしてそのことについて、これは小学校段階で確実に理解をさせていかなければいけない。こういったようなことの提言があったわけですが、どうもその指導要領を見ても、解説を見てもなかなか重点指導事項例についての言及がないですね。おそらく基本的にこの全国学力学習状況調査のA問題がそれに当たってくる部分なのかなと思いながらも、もう少し基本的な重点指導事項というものを、国としてはこういうものを考えて、そしてそれをさらにきちっと推し進めるためにこんなふうな手だてが必要である。具体的な手だてについては各現場なり、あるいは都道府県の教育委員会、区市町村の教育委員会で考えていかなければいけないことだろうと思いますけれども、国としてその重点指導事項例というものをどういうふうに考え、そしてそれをどう確実に定着を図っていくのか、この辺のところについて今後記述していただけるとありがたいなと思っているところであります。

 以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 これにつきましては何か、初中局のほうからお答えございますでしょうか。

【金森初等中等教育局長】

 新しい学習指導要領の改訂におきまして、重点指導事項例という形で別途示しているわけではございませんけれども、ご指摘のございましたように基礎・基本をしっかりと大切にして、その上でそれを活用する力を身につけていくというところが大変重要でございますので、新しい教育課程の説明会などにおきましても、従来、ともすればみずから学び、みずから考えるという、そこのところが強調されるあまり基礎的な部分、基本的な部分が大事なのでございますけれども、活用のほうに重点が置かれがちでございましたけれども、まずは基礎・基本のところでしっかりと知識や技能を身につける、その上で活用していく力をつけていくということが大事だということを説明会などでご説明をしているところでございます。

 また、それぞれの各教科の指導内容につきましても、しっかりと身につけるべき事柄はすべての子どもに身につけるようにというようなことで、内容的にも対応しているところでございまして、今後ともそういった基礎・基本の部分、それから活用の部分、両面の力がバランスよく伸びていくように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 学力調査テストもやっておりますので、定性的な分析とともにぜひ定量的な解析みたいなことも報告になって出てくる、この次ぐらいからでしょうか、今回は間に合わないかもしれませんけれども、この次ぐらいから出てくるのかなということを期待しております。

 いかがでしょうか。山本先生、どうぞ。

【山本委員】

 では、1ページ目の基本方向1について少し申し上げます。ここに書かれているとおりで順調に進んでいると思います。今のところ、私どももあれこれいろいろなところの声を聞くようにしているのですけれども、これはだめだとか、問題だとかというような声は聞こえてきていないので順調に進んでいると思うのですが、先ほど事務局の報告にありましたように一部運用上の改善云々で人材の確保とか、そういうのは確かに困っているところや何かはあるのですけれども、もともとこれは学校教育のように一斉にこうして、ああしてというものではありませんので、取り組んでいる地域とあまり力が入っていない地域でどんどん格差ができてしまっています。二、三十年の間に地域格差ができてきているところに原因があります。

 それについても調査などやっていただいているようですから、それを見ながら格差を点検していただいて、困っているところ、立ち遅れているところに対して何らかの手当てをしていただく。それが行政の役目ですから、そのあたりをお願いしたいということがございます。今の人材のところはまだ手を打つことはできると思います。地域の力をうまく結集するということをやっていかないと、学校の支援もあまりうまくいかないのですが、そのところでは学校支援地域本部の中に地域協議会というのを置くことになっているのですけれども、これが通り一遍になってしまっている地域があります。ここのところは最初に提案したときには、地域のいろいろな人たちで知恵者とか、伏流水になっているような人たちを集めて、そこで知恵をもらったらどうだということだったのですが。

 これは学校支援地域本部が終わる、終わらないに関係なくずっと続くようにしていったらどうだということだったのですけれども、いろいろな研修会、説明会で聞くと、このところは校長先生と、どこどこの役職の人を集めて通り一遍の会議を開くとか、そういうふうになってしまっているところが多くなっているようです。そのところをうまく活用できるようにしていくような方策、手だてがあると、また一段と進むのではないかと思います。それが1点です。

 それから、先ほど部会長からもお話があった定量的な評価とか定性的な評価ですけれども、その前に定性的な目標とか、定量的な目標ということを言わなくてはいけませんが、なかなか進まないので、1つの提案です。定量はいいんですね。数値目標を立てるから。ところが、定性的なところというのはなかなか目標を立てにくいわけですね。そうならば、それはしばらく無理なので置いておいて、定量的に対して定性的な目標になるようなものを立てる代わりなんですけれども、期間目標というのを置いたらどうか。いついつまでにやるというようなことで、例えば6月までにやるとか、今年度でやるとかというふうにして目標を立て、その中で質的なことを扱っていくとか、何かそういう工夫をしてわかりやすくしていく行き方もあると思います。私も実は実践していて、わりあいとうまくいくものですから、ちょっと参考までに申し上げました。

 以上です。

【田村部会長】

 大変いいご指摘をちょうだいしましたが、上月課長、よろしいでしょうか。何かお話しなさることございますか。よろしいですか。

 では、次に進めていただいて、次、曽我先生ですね。どうぞ。

【曽我委員】

 山本先生と少し重なる部分があるのですが、最初に放課後子ども教室が全国に8,000カ所と増えるなどということの中で、ただ、一部運営上の改善を要する点もあると。このときに、たしか2007年にこの放課後子どもプランみたいな形で学童保育と子ども居場所づくりの合体的な形の中での取り組みというのがあって、この中で私どもが地元にいて一番、学童保育がやっているところに新たに子どもの居場所づくりのような形での放課後プランが入ってくる、無料の部分が入ってくるという中でいろいろな取り組みの難しさがある。ところが、やっと少し落ち着きが出てきたのか、今、その声をあまり聞かなくなったのですが、基本的に学童保育が出てきているところには、学童保育がそのまま延長上あって、学童保育が取り組まれていなかったところ、つまり、子ども居場所づくりも何も取り組んでいなかったところにかなり入ったような気がします。

 そんな意味では、学童保育とどちらか片方でも入っている地域がかなり増えたのではないか。そういう意味のトータル的な部分はすごくいいのですが、最初の目的、その両立という部分があった部分の中で、両立がどのように進んで、それが一部運営上の改善を要する点だったのか、やはり子ども居場所づくりにとっては、この放課後プランができたことによって、入っていない学校にかなり入ったということになると、子ども居場所づくりがかなり逆に普及したような気がするんです。この辺をきちんとデータ的に分けて、学童保育だけのところ、放課後プランだけのところ、そして放課後教室だけのところ、両方やっているところ、これがどのような普及を全国的にしているかということを見ることによって、どのような連携をすることが今後望ましいのか。

 というのは、地元で考えていると、大体、学童保育というのは有料保育。もちろん、共働きとか、そういうことがあるので特別な家庭に対してということですが、逆に居場所づくりのような放課後プランのことに関しては、すべての子どもに対して、一番望ましいのはすべての子どもに対して、地元で申し上げていたのは、すべての子どもに対して無料プランと、ある一定の時間からすべての子どもに対して有料プランとあれば、もっと保護者も選択の幅が広がるのだけれども、どうしても学童保育とそのプランというのは、一緒にやっていながらも諸問題があって、すべての子どもというふうに学童保育は言えないという欠点があります。

 これは改善ができるのかどうかとか、いつも思いながらも見ているのですが、放課後プランとして子どもをずっと見ていくならば、必要な家庭には有料と無料とすべての子どもたちにというふうな後々説明になるような考え方も必要なのではないだろうか。つまり、家庭が共働きでないにもかかわらず、やはり共働きと同じように子どもを見られない家庭もかなりありますので、それが学童保育の中で保育としては見られないという状況があります。逆にそこまでのリカバリーをした居場所づくりができるなら、逆に言うとリカバリーした居場所づくりのほうが、放課後プランのほうがもっと進んだほうがいいというふうに社会では考えてくる部分もある。

 また、それも社会で協力して進もうという部分もある。この辺が後々やはり見て改善をしていかなければいけない点としてずっと気持ちの中に思っているものですから、一部運営上の改善を要する点というのがどこにあるのかなというのが非常に気になったところで、2008年、2009年とどういう推移を進みながら、両方がばらばらに進むことが望ましいのか、やはりもう少し一体的に進まなければいけないのかがわかると大変ありがたいなと思いますし、2008年はこのような進みをしたのだなということを理解したところでございます。

 以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 やはり基本的方向1という社会全体の問題は、ある意味では初めてみたいなところもありますので、2009年に期待するというところは大きいのですけれども、何かお話になることはありますか。

【上月生涯学習政策局政策課長】

 ありがとうございます。放課後子どもプラン、今、ご指摘のとおりでございまして、地域によってかなり多様な実態がございます。学童が先に進んでいて、そちらを優先して進めるところと、逆にあまり進んでいないところでこの放課後子ども教室、放課後子どもプランを活用しているところ、さらに最初から一体的にやっているところとさまざまでございます。私どもとしてはできるだけ地域の実態に応じて、かつ子どもの視点、保護者の視点に立って進めていただきたいということでお願いしております。

 この運用上の改善の点は、主として補助金手続等についてかなり一体化を図っているのですが、執行の際に厚労省と文科省で多少事業のずれがあったりします。そういった件について、私どもとしてはさらなる改善できないかということを現在、厚労省といろいろな協議をしているところでございます。また、今のご指摘の点について、私どもだけではなくて厚労省とも、やっぱり地域の実態、この進み方、進捗状況を見てご意見を踏まえてさらに進めていきたいなと考えております。ありがとうございました。

【田村部会長】

 ありがとうございました。よろしゅうございますか。

 それでは、井上先生ですね。

【井上委員】

 2点ほど発言させていただきたいと思います。まず、第1点は基本的方向の2でございまして、これは今回の教育振興基本計画の中でも重要な柱と認識しておりますが、これについては平成20年3月に新しい指導要領が改訂、告示されまして、現在は先行実施、移行措置が行われているところで、文部科学省のほうでいろいろ条件整備をしていただいているというのが、この資料1-2の中に書いてございまして、そういう点のご努力には感謝したいと思うわけでございます。

 そこで、世界トップクラスの学力水準を目指してということでございますので、いろいろ学力向上アクションプラン等について、各都道府県でもそういうものの積極的な取り組みをしているわけでございますが、その中にあって実は国立大学法人が地域貢献の一環として教育学部、あるいは附属学校等と、そういう学力調査結果を分析して教育内容、教育方法についてのそれぞれの地域の改善策等について、都道府県教育委員会等と連携して取り組みをしているという事例がかなり増えてきていると私は認識しているわけで、そういう点についてもやはり国立大学法人のそういう教育学部を中心とした協力体制というのも、こういう中に評価していただけたらなと、このように思っているわけでございます。

 そして、特にPDCAサイクルから言うと、まだそういう段階まで至っていないかもしれませんが、そういう点検して、今後評価をし、そういうものをさらに改善することによって子どもたちの真の学力が向上するような取り組みというのを国、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、学校現場、それと地元の国立大学法人の教育学部等々の連携のもとに総合的な取り組みをすれば、かなりそういう点で効果が上がるのではないかというようにも期待しているわけでございますので、そういう点についても評価をし、そういう国立大学の教育学部の役割についても触れていただければ非常にいいのではないかなと思います。

 それから、基本的方向の4のところでございますが、金融危機を端緒に非常に経済不況が起こり、そして家計状況が非常に悪化しているというところから、これの取り組みは非常に重要で、教育の機会均等を図るということが修学援助なり、奨学金の拡充を図っていただいていることは、これは非常に心強いわけでございまして、この施策については従来からきめ細かい施策をご配慮いただいていると思いますが、やはり子どもたちが安心して学校で教育を受けるということがどうしても修学援助なり、経済的支援というのが必要でございますので、その点を継続して拡充をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

【田村部会長】  

 ありがとうございました。

 今の点はいかがでしょう。国立大学のお話、されますか。今のこと、よろしゅうございますか。では、そういうことで、それから、今の教育の機会均等の問題はよろしいでしょうか。よろしゅうございますか。はい。わかりました。では、今のご意見を踏まえて評価の中に加えていただくということにしたいと思います。

 それでは、次に衞藤先生ですね。

【衞藤委員】

 基本的方向2の中で教員が子ども1人1人に向き合う環境づくりを進めますという点に関連して2点申し上げたいことがあります。資料1-2のほうですと、25ページのほうになるかと思いますが、これまで教員の給与体系であるとか、あるいは副校長、主幹教諭、指導教諭を設けるというような形で環境づくりを進めているということでありますけれども、実際に教員が子ども1人1人に向き合う環境づくりが実現しているかどうか。それは時間なり、機会なりというような、何らかの指標で評価する必要があり、それが経時的に改善しているか否かを示していかないと説得力がないと思いますので、その点は工夫が必要かということが第1点です。

 第2点は、そういった教員が子ども1人1人に向き合う環境づくりという中には、教員の健康、安全という問題があろうかと思います。これは学校保健安全法で職員の健康診断等やっているわけでありますけれども、労働環境全体を見ますと労働安全衛生法で個人の健康、あるいは職場の環境づくりとか、そういった観点でかなり日本の職場では幅広く進められておりますので、学校の現場でも教職員の健康、安全ということに関してより質の高い取り組みを進めるという観点が必要かと思います。

 以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 これにつきましては何かおっしゃることはありますか。よろしいですか。では、ご意見を踏まえまして、次は遠藤先生。

【遠藤委員】

 遠藤です。2点申し上げたいと思います。1点目は、最初の基本的方向1のところですけれども、経済同友会では産業界としての教育界への期待といいますか、あるいは教育行政への期待、こうしたものはもちろんあるわけですが、今年の2月に教育提言を出しました折に、18歳までに自立した社会人をつくるためにという問題意識のもとで提言をまとめまして、その中では教育界の期待と同時に企業側の責任ということも前面に出しまして、企業として何ができるのか。今までもいろいろやってきたのですけれども、より具体的に教育現場、あるいは教育行政といったものに対してサポートしていこう。そうしたものを打ち出しております。

 今年度以降につきましても、そうした方向は、この方向1にあるとおり社会総がかりの中の一員として産業界でも具体的な活動を推進していこう。私ども同友会では学校との交流活動、それをさらに活発化させていくという活動を続けております。その中で、私もいろいろ出かけているのですが、この職場体験のところで感じることなのですが、確かに96%を超えるという、これ、数字ではそうなっていると思いますが、現場に出かけていって先生方と話していますと、最大の悩みは、どこで体験させたらいいのだろうかということ。地域によって偏りはあるわけですけれども、少し都会から離れたところに行くと、子どもたちに体験させる場所がないというような悩みを聞かされます。同友会のメンバーの企業の中で、もっと門戸を開いてほしいというような要望も本当に切実な声として聞きます。

 私どもはこれをサポートする方向として、具体的にその職場体験に出かける前に働くことの意味、そういったようなことを子どもたちに話をし、それから職場体験に出かけて、その後、その子どもたちの感想を聞く場に私どもも参加しております。参加した上でまたどういうことが問題だったのか、じゃあ、企業としてそういう問題点をどう解決してあげられたらいいのかというようなことをやっておりますけれども、我々も、いや、遠藤さん、働く場所がないんだよね。コンビニにやるわけにもいかないしというような、それが先生たちの最大の悩みだと思いますので、この職場体験の推進、これは非常に結構で大事なことだと思うのですけれども、その具体的推進に当たっては、そうしたことも現場の声を吸い上げて、どうしたらいいのかという解決に行政のほうとしてもサポートしてあげていただければと思います。

 それから、4の安心のところでございますけれども、これは私個人的なことなのですけれども、阪神大震災の体験者としまして、今、神戸に「人と防災未来センター」という施設がございまして、これは京都大学の防災研究所の河田教授がセンター長として運営している施設でございますけれども、私もそこでBCP、あるいはBCMの講座を持って講義をしておりますが、その中でこの安全・安心という観点からいきますと、今、防災センターで取り組んでおりますことは、防災という概念ではなくて減災という概念、防災から減災へというようなことをキャンペーンとしていろいろと取り組んでおります。その中で特に推進しておりますが、子どもたち、小学生、中学生をこの防災センターでいろいろ体験してもらう、あるいは教育をしよう。

 そして減災概念、例えば具体的には直近では静岡で地震が起こりましたけれども、あのときに非常に被害が――亡くなられた方が1名出ましたけれども、地震規模にしましたら被害が非常に小さい。それはなぜかといいますと、減災概念が非常に進んでいて、耐震のための防御策、これが60%以上講じられていた、こういうことでございました。もちろん、ここで掲げてあります耐震工事が7,000から3,000棟も減少したということでございますけれども、こうしたハード対応と同時に教育といいますか、防災堅守、これを学校の現場にもさらに推進していただければと。ソフト対応と我々は呼んでおります。関西の小学生、中学生は防災センターに修学旅行、あるいは社会科学習という中で非常にたくさん訪れております。ただ、関東地方、あるいはそれ以北につきましては非常に少ないので、こうした防災センターでの研修、勉強というようなものも推進するということも、この4の方向を具体的に実現していくための方策ではないかなと思っております。

 以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 今の職場体験、あるいは防災、よろしゅうございましょうか。何かご説明いただくことは――どうぞ、布村局長。

【布村スポーツ・青少年局長】

 スポーツ・青少年局でございますが、防災教育を担当する部局におきましても、来年度予算要求で全国の学校で防災教育を推進していただくための指導資料をリニューアルしていこうと考えておりますので、できるだけ、また、防災センターも関西近辺の学校の方々には引き続き活用いただければと思いますし、そういう周知もさせていただければと思います。

【田村部会長】

 大変いいお話をいただきました。ありがとうございました。よろしいですか、今の件は。

 それでは、板東局長、どうぞ。

【板東生涯学習政策局長】

 先ほど、職場体験などについての、企業、産業界などとの連携の仕組みをもう少し行政がサポートしたらどうかというご指摘がございました。キャリア教育、職業教育などの推進につきましては、初中局、生涯学習政策局などをはじめといたしまして文部科学省の各局でさまざまな施策をこれから推進していきたいと思っております。先ほどの仕組みということでいいますと、今回のプランで掲げておりますけれども、学校支援地域本部といったような学校教育について地域の方々の総合力を生かしてサポートしていこうという仕組みを今、全国的に展開しようとしておりますので、こういったことも職場体験の問題に限らずですが、いろいろ社会とのつながりの中で教育を充実していくということに寄与していくのではないか。そのような取り組みを進めていきたいと思っております。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 では、同友会でぜひひとつお伝えください。

【遠藤委員】

 はい。

【田村部会長】

 よろしくお願いいたします。

 それでは、安西先生、どうぞ。

【安西委員】

 2つお伺いしたいと思いますので、教育振興基本計画、まず第1は内容のことではないのですけれども、教育振興基本計画は文部科学省が実施――「が」というのでしょうか、政府が実施することになっているかと思うんですね。それのこういう進捗状況とか、その内部評価というのでしょうか、それを文部科学省がやっておられるということですので、一種の外部からの意見というのは、それはこの場が中心になるということでしょうか。それを少しお伺いしておきたい。非常によくやっていただいているとは思うのですけれども、外からの意見というのをどのぐらい言えるルートがあるのかということはお伺いしておいたほうがいいのではないか。これは応援のために申し上げているのですけれども、もしこの場がほとんど唯一の場だということですと、やはりある程度きっちり意見を申し上げるべきだろうと思いますので、それが第1点でございます。

【田村部会長】

 では、上月課長、どうぞ。

【上月生涯学習政策局政策課長】

 今回のは、振興基本計画が始まって第1年目のということで点検ということでございます。そういった意味で、いわゆる評価という、それ以前の途中経過の進捗の点検ということでございます。そういった意味で、私どもが事務局で整理したものを中教審の委員の方に大所高所からご意見をいただく。そういった意味では外部からの意見を聞く場とすれば、ここがある意味でその場であると理解しております。

【安西委員】

 ありがとうございます。もう1点は、こちらの資料1-2に進捗状況の点検表というのがありまして、それを今ざっと拝見していたのですけれども、非常に細かいことだとも思いますが、その42ページのところだけ申し上げておければと思いますので、この点検表がどういうステータスのものなのかもちょっとわからないのですが、次期以降の重点施策への対応というのがずっと書いてありますので、おそらくここがいいということになると、これでということになっていくのではないかと思いますので。

 42ページのところで、前置きが長くて申し訳ないのですけれども、私自身、この場に今、私学の代表者として来ているわけではありませんので、そういう意味ではありませんで、日本の大学生のうち七十数%が私学の学生だということを考えますと、下のところが国立大学等施設緊急整備5カ年計画というのがかなり何度も書いてありまして、国立大学の整備は非常に重点的にやるということはもちろん結構なことではあるのですけれども、一方で私立大学、あるいは私立学校等々のことをどういうふうに考えておられるのかということは、これは私学の利益代表という意味ではなくて、日本の高等教育のためにお伺いしておければと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 これはご説明をしていただいたほうがいいと思いますね。德永局長からどうぞ。德永局長、お願いします。

【德永高等教育局長】

 安西先生からいつもそのようなご指摘をいただいているわけでございますが、国立大学の施設整備緊急5カ年計画というのは、ある段階で、ちょうど10年ほど前に国立大学の建物が非常に老朽化して狭隘化している。こういう中で一刻も早くそれを是正しなければいけない。そういう問題意識の中で我が省として計画をつくって、これを進めてきたという経緯のものでございます。その意味で、文部科学省として、全体としていわば日本の大学を支えているのは、国公私立大学、それぞれがさまざまな個性を発揮し合って、全体として高等教育、大学教育ということが行われていく、そういったことを文部科学省が支援をしなければいけない。そういう認識は十分持っているわけでございます。その意味で私どももさまざまな予算手段なり、具体的なあらわれ方は異なりますが、そのそれぞれのセクターの大学というものがきちんとした整備が行われるということを進めていきたいと思っております。

 その意味で、ご指摘のように国立大学についてのみ緊急5カ年計画が書いてあるということについては、10年ほど前の老朽化、狭隘化という、ある状況に着目して、それを直ちに改善をしようということから始まったということで、若干そういうことが、ただ1次があったから、その次は2次だということで、そういう意味で若干の、今の時点でそういう緊急性があるのかというようなご指摘もあろうかと思っております。一方で、文部科学省は、そういう大学全体の施設整備を進めていかなければいけないという点と、もちろん国立大学法人に対しましては、いわば国が建物を出資をして、これが国立大学を支えていくという、決して昔のような意味での設置者概念ではありませんけれども、ほぼ設置者と同じ責任を有するものとして、いわば施設の出資者としての立場がある。こういうことからこの国立大学についてのみ特出した表現になっているわけでございます。

 この点について、当然、そういう、私どもとして国公私立大学、すべての大学がそれぞれ個性ある発展を遂げなければいけない。そのための基盤はきちんと整備していくのが国としての責務である。こういうことの基本認識を持っておりますけれども、こういう表現のために全体としてそういったことの私どもの本来の責務ということがよく見えないということであれば、そこはきちっとまたそれなりに修正、訂正をしていくべきだと思っております。

【安西委員】

 国立大学にお金をかけてほしくないと申し上げているわけでは決してありませんので、42ページの次期以降というところがほとんど国立大学のことだけが書いてありますので、私は教養と専門性を備えた知性豊かな人間の養成のためには、特に今の大学生の中間層、それの知性を上げるということが日本にとっては本当に緊急事態だと思う。今、そういう意味での大学の質の保証等々については、大学分科会等で議論されておりますけれども、そこのところは見逃してほしくないなと思っております。

【田村部会長】

 非常に重要なご指摘をちょうだいしましたので、よろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございます。

 それでは、小松先生。

【小松委員】

 先ほどからいろいろご意見を拝聴しておりますけれども、私は、社会全体で教育の向上に取り組むということに関しまして、職場体験のお話も出ました。そして、地域で子どもをきちんと社会に適応できるように育てていこうという学校側、教育側のほうも計画はすばらしいことがたくさん書いてございます。けれども、これが実際の社会の中に、こういうことをしているという広報的なところが足りないと思います。我々、子どものいるときは学校の教育のことに興味を持ってわかっておりましたが、もう社会に出て、そういうものにかかわりがなくなってしまいますと、何を子どもに教育しているのか、内容が一切わからなくなっているというのがほとんど現状だと思います。そして、職場体験の、お話を学校から電話でいただいて、「え、こんなことをやっているのかな」という考えで受けとめて対応しております。

 そのときに、私もたびたび申し上げているのですが、職場として、企業としてどういう希望があるか意見をもっと取り入れて、子どもが職場で体験してもらう安全とか安心とか、いろいろなことを話し合った結果、受け入れられるような仕組みをつくっていただきたいと思います。企業はもちろん、社会の皆さんに協力していくことも必要なのですけれども、では、売るものをつくっているわけです。その中に教育のためのお子さんが入ることでは指導する内容というのは、本当に何をさせていいのか、悩みます。できるだけ易しいもの、何か危なくないものとか、いろいろ探してやるので、本当の職場という内容ではないと思います。ですから、その辺ももっと教育側と企業と話し合いをするという場があって進めていったほうが有意義な職場体験ができるのではないかと思いますので、企業の意見を聞く機会をいただきたいと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 今、大事なご意見でございますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、菊川先生。

【菊川委員】

 私は生涯学習分科会に所属しておりますが、その立場から基本的方向1の関連で意見を申し上げたいと思います。身近な場所での学習機会の充実というところで、大学等の取り組みのことが書かれているわけですけれども、今、超高齢化社会に向かっていて、また、団塊の世代が地域に帰ってくる時代にあって、特に地方においては、例えば公民館とか、図書館とか、そういう社会教育施設の役割ですとか、あるいは社会教育行政の役割ということの再確認が今後求められるのではなかろうかと思っております。そういった意味で計画の中には小項目として挙げてあるわけですけれども、また数値目標としては難しいのかもしれませんが、進捗状況の中にその進行管理のことが落ちているように思いますので、ご検討いただけるとありがたいと思っています。そういう地域における社会教育の基盤整備が、この学校支援本部や、子どもプランなどを支える下支えになってくると思いますので、よろしくお願いしたいと思っております。

【田村部会長】

 ありがとうございます。公民館の使用等、少しコメントする必要があるという、確かにそうでございます。

 では、時間になりましたので、最後に無藤先生。

【無藤委員】

 少し個別的なことに入りますけれども、基本的な方向の2というところでは学力の問題を中心に書いてありますが、学力の高い層を増やすとともに、学力の低い層の底上げを図るということであります。指導要領の改訂が順調に進んでいると思いますし、学力向上アクションプランもかなり行われているように聞いておりますけれども、特に学力の低い層の底上げということで言うと、私は来年度以降さらに学力の低い層が集まっている地域、学校への重点的な取り組みが必要ではないかと思います。文部科学省のほうでも経済格差と学力の関連の調査結果も出されたようでありますけれども、そういうことも念頭に置くと従来の指導要領ないし学力向上アクションプランの範囲では少し弱いのではないかという懸念を持っています。

 もう1点あるのですが、体力向上についてですけれども、これも例えば教科としての体育の時間を頑張るということでは時間的には無理でありますので、やはり子どもたちが放課後をどう過ごすかというところが非常に重要になります。そういう意味では、放課後のあり方というもの、特に学童保育等は小学校3年生までが普通ですので、それ以降、小・中学生の放課後のあり方というものをぜひ学校、地域、工夫していただく方向というのもお考えいただきたいと思います。

 以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 学力、体力の向上のことで、何かコメントございますか。どうぞ。

【金森初等中等教育局長】

 学力の低い層の引き上げにつきましては、アクションプランなどを通じて各学校での指導方法の工夫、改善というのも必要でございますが、一方で先般の学力調査の結果などを見ますと、少人数指導とか、習熟度別授業とか、特に学力の低い層の引き上げに役立っている、効果があるというようなこともわかっておりますので、そういう教職員の数の増ということになってこようかと思いますが、習熟度別授業とか、少人数指導とか、そういったものが十分できるような教育環境の整備、こういったものにも力を入れていきたいと思っております。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 よろしゅうございましょうか。ごめんなさい、布村局長、どうぞ。

【布村スポーツ・青少年局長】

 体力の向上のご指摘をいただきましてありがとうございました。ここに書いてある全国体力・運動能力調査の結果で、3割の子どもたちが体育の授業以外は一切体を動かしていない、そういう実態も把握できたところでありますので、そういう子どもたちにどういう形で、先生がおっしゃっていたように放課後の取り組みをどうすべきかというのは、今、検討課題として、来年度の予算要求でも少し、そういう子どもたちにどう働きかけていくのか、あるいは地域の総合スポーツクラブをどう連携させていくのかなどを少し検討していきたいと思っているところでございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 よろしゅうございますか。私は毎朝ラジオ体操をやっているんですけれども、あれは非常にいいですよ。失礼しました。余計なことを言いました。

 では、時間でございますので、よろしゅうございますか。それでは、次に、一応、これで2008を終了させていただきますが、なお、これ以外のご意見等ございましたら文章でお寄せいただければと思っております。

 それでは、次に来年度のアクションプランでございます教育重点施策2010の策定でございます。よろしくご説明いただきたいと思います。

【寺門教育改革推進室長】

 失礼いたします。次に資料2、1枚、横長の資料をごらんいただきたいと思います。教育重点施策2010の策定をこれから行うわけでございますけれども、その方向性につきまして事務局で今考えておりますプランでございます。そこにございますとおり、来年度の施策展開を示す2010に当たりましては、これまでもこの部会からるるご意見をちょうだいいたしまして改善を図っているところでございますけれども、さらに施策進捗状況の検証が効果的に行えるように改善を図ってまいりたいと考えてございます。

 そのために原則でございますけれども、これまでややもしますと達成目標と行動内容の関係、また、各施策と事業の関係ということが渾然としている部分がなきにしもあらずだったわけでございまして、この点をできるだけ明確にいたしまして具体的な事業の内容を示した、文字どおり行動計画となるように記載内容について検討してまいりたい。また、予算化されているものについては予算も明確に示していきたいと思っているところでございます。

 イメージが、その部分でございますけれども、左側が現行のアクションプランでございます。右側に2010年のイメージ等を掲げてございまして、そこにございますとおり、達成目標、行動内容というものを書き分ける。また、施策と事業というものを書き分けまして、先ほど山本委員からのご指摘が一部ございました点も入ってございますけれども、この行動計画の部分では、例えば何月までに何々に関する実施要綱を改訂するといったように期限を区切って、その期限の中で何を具体的にするということをなるべく盛り込んでいきたいと考えてございまして、この方向性につきましてご意見をちょうだいできればありがたいと思ってございます。

 以上でございます。

【田村部会長】

 お手元の資料2の表をごらんいただいて、ご意見をぜひちょうだいしたいということでございますが、いかがでございましょうか。2010についてのご意見、ご注文、いかがでしょうか。先ほど山本先生からもお話がありましたが、定性的、定量的なアクションプランの評価がしやすくなるような形になってくるという、まあ、これも時間がかかるわけですけれども、一応、5年計画ということですから、5年の間にはちゃんとしたものにしたいと考えてございますが、いかがでしょうか。これでいくということでよろしゅうございましょうか。

 どうぞ、蛭田先生。

【蛭田委員】

 基本的にはこれでよろしいと思うのですが、先ほどのアクションプランの2008の結果も踏まえて、例えば学校協議会とか何かをつくるのももちろん大事ですが、それは必要条件なのであって、十分条件は何々の方向で運用改善、周知するという、むしろこちら側がもっと重要ではないかと思うんです、内容のほうですね。したがって、定性を重視するあまり、上のほうの何個できたとか、つくったか、つくっていないかという、いろいろな内部の指摘にもあるように、このいわゆる何々の方向での運用改善、むしろ、ここのところがかなり重要なのだということをきちっと周知させていただくことが必要なのではないかと私は思います。

 現に先ほどの2-1などを見ますと、学校協議会ができることによって本当に先生が教育にちゃんと注目できるようにほかの負担が減ったかというと、実は18.6パーセントぐらいしか負担が減ったと言っていないというのは、いろいろな意味でまだ内容の部分というのは相当問題があるのではないかと思うんですね。そういう意味では、結論として、僕の意見としてはこれは問題ないと思いますが、特に単なるつくるということ以上に、内容の方向で改善をする、あるいは周知する。何をやるのかというところの重点的なアクションとして前面に出していただくことが重要ではないかと思います。

【田村部会長】

 そのとおりだと思いますね。いかがでしょうか。何かご意見、上月課長、何かおっしゃることございますか。

【上月生涯学習政策局政策課長】

 ご指摘の方向で考えたいと思います。

【田村部会長】

 そうですね。そのとおりだと思いますが、いろいろと改善、充実――ごめんなさい。篠原先生、お願いします。

【篠原委員】

 私も今のご意見に全く賛成でございます。こういう数値目標というのは非常に大事だと思います。大事だと思うのだけれども、数値目標になかなかなじまないやつも実はあると思うんですね。それを無理無理、数値目標に仕立て上げて、これで達成感を味わうような感じで、あまりこだわり過ぎると今度は定性的な部分が、特に心の問題などというのはなかなか定量化しにくい部分があるのだと思うんですね。

 今、選挙でマニフェスト競争を各党がやっておりますけれども、あれを見て非常に国民の皆さんから批判があるのは、いわゆる国家ビジョンみたいなものがほとんど読み取れない。ただ数値を並べたりしているだけではないかと、批判が随分出ております。今までちょっと定量化が足りなかったという意味で定量化をもっと推し進めていくということは賛成でございますけれども、今おっしゃったように定性的なもの、あるいは中身の問題を忘れずにバランスをとってぜひやっていただきたいなと、こう思います。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 定性、定量のバランスをよろしくということで、そのとおりでございますので、だんだんにこういうご意見をいただくとよくなっていきますので、よろしく見守っていただきたいと思っております。 

(2)教育安心社会の実現に関する懇談会報告について

(3)修学支援方策に関する検討状況

【田村部会長】

 それでは、時間もありますので次のテーマに移らせていただいてよろしゅうございましょうか。何かご意見、もしございましたら後ほど文章で寄せていただいてもいいのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、次のテーマに移らせていただきたいと思います。次の議題は、教育安心社会の実現に関する懇談会報告でございます。3つ目の議題として予定させていただきました修学支援方策に関する検討状況とあわせて、まず事務局から報告をお願い申し上げたいと思います。

【寺門教育改革推進室長】

 それでは、資料3並びに資料4をお取りおきいただきたいと思います。まず、資料3が部会長からご紹介がございました教育安心社会の実現に関する懇談会の報告の冊子でございます。先ほど井上委員からもまさにご指摘がございましたとおりでございまして、現在の厳しい経済状況におきまして格差の拡大も懸念される中で、教育の機会を確保することがますます重要になっているところでございます。このような状況を受けまして、塩谷文部科学大臣主催のもとで本懇談会を開催いたしまして、本日、ご出席でございます安西委員、木村委員をはじめといたします5名の諸先生方に精力的にご議論いただきまして、先月にこの報告をまとめたところでございます。

 この報告につきましては、過日行われました中教審総会にもご報告いたしているわけでございますけれども、その報告の概要は恐縮でございます、冊子の中ほどの終わりに近いところでございますが、57ページにその報告の概要が1枚にまとまっております。裏表紙のすぐ後ろでございます。申し訳ございません。この今回の報告では、教育安心社会の実現に向けて質の安心と負担の安心の両面について、社会全体で取り組むことの必要性に触れながら、特に教育負担の軽減につきましては、奨学金や授業料減免の充実など幼児教育から大学、大学院まで一貫して各段階ごとに具体的な支援方策をご提案ちょうだいしたわけでございます。

 この報告を受けまして具体的な施策に向けましてさらに検討をしておくこととしておりまして、恐縮でございます、もう一つの資料4がこの報告に関します現在の検討状況を簡単にまとめたものでございます。そこにございますとおり、各段階ごとでそれぞれ検討を進めているわけでございますけれども、例えばこの報告の後の新たな取り組みといたしましては、初等中等教育段階での児童生徒の修学支援に関する検討会というのが立ち上がりまして、本日はあいにくご欠席でございますけれども、本部会の小川委員が座長をなさっておりますが、こういった取り組みにつきまして、今、鋭意進めているという状況にあるところでございます。

 以上、ご報告を申し上げます。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 ただいま事務局からご説明いただきました教育安心社会の実現に関する懇談会報告、それから、懇談会報告に関する文部科学省における検討状況、修学支援方策に関する検討状況とも言っていますけれども、この2つが出されたわけでありまして、これにつきまして部会の先生方のご意見をちょうだいしたいのですが、最初に教育安心社会実現に関する懇談会で委員としてお出ましいただきまして、このまとめをしていただきました安西先生、木村先生が本日お出になっておられますので、最初、少しご意見をちょうだいして、それから皆様方にご意見をちょうだいしたいと思います。順番によろしくお願いいたします。木村先生からどうぞ。

【木村委員】

 通常、このような懇談会で取り上げるテーマは非常に大きくて、なかなか短期間にまとめにくいという問題がありました。また、まとめたとしても、あまり迫力が出ないというのがこれまでの状況だったと思います。しかしこの懇談会は、格差社会をターゲットにして、かなり短期間に集中的に議論しましたので、そういう意味で言うと今までのレポートに比べるとかなり迫力があり、わかりやすいものになったのではないかなと思います。提案してある施策もかなり具体的なものとなっておりますので、そういう意味では自分が参画していて申し上げるのも変ですが、私個人的には今回のこの懇談会、かなり高く評価をいたしております。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 それでは、安西先生。

【安西委員】

 今、木村先生が言われたとおりでありますけれども、この懇談会はかなり絞ったテーマでやっていただいて、今、緊急の課題になっておりますことは一応、基本的に挙がっているのではないかと思います。個人的には、資料3のこの冊子の後ろのほうに施策例の試算例というのを載せていただいておりまして、これは足していくと幾らかかるのかということが取り上げられたりもしたのですけれども、きちんとやるとこれだけかかるということをベースにして議論をしないと、なかなか精神論だけではうまくいかないので、そういうこともぜひこのレポートについてはごらんいただければと思います。

 一方で、今の政局の絡みで、むしろこういう話というのがもっと広がった形で出ているようにも思いますけれども、私はやはり、特になかなか学校でもって教育を受けにくい、そういう経済的な状況にある子どもたちのサポートというのは国としてどうしても今大事になっていると思いますので、ぜひ実現していただくようにお願いしておきたいと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 これは大変大事なお話をちょうだいしたわけでございますが、ご意見をぜひ、ほかの部会の委員の先生方にもいただきたい。いかがでしょうか、ご意見。

 德永局長、どうぞよろしくお願いします。

【德永高等教育局長】

 お手元の資料4で非常にアバウトな検討状況を示して、ちょっとこれではあれでございますので、金森さんと私のほうからそれぞれもう少し具体的な検討状況を申し上げたいと思います。

【金森初等中等教育局長】

 少し補足をさせていただきたいと存じます。教育安心社会の実現に関する懇談会のご報告では、各学校段階ごとのご指摘をいただいております。幼児教育段階、義務教育段階、高等学校段階、初中関係ではございますが、例えば幼児教育段階につきましては、希望するすべての方が無償で幼児教育を受けられるようにということで、無償化の実現ということがうたわれておりますけれども、この報告の中でも、無償化ということになりますと、財源の確保という問題がございますので、財源確保方策とあわせて検討を進め、その実現を図る。

 無償化が実現するまでの間においても幼稚園就園奨励費補助制度の拡充などにより経済的負担を軽減するなどの措置を講ずるべきである。こんなようなご指摘もございますものですから、私どもは幼稚園や小学校、中学校、高等学校の関係では、先ほどご紹介がございました検討会議で具体的な仕組みをどうするかというようなことをご審議いただいておりますのとあわせて、来年度の概算要求でもすぐ実現できるようなものにつきましては、例えば幼稚園の就園奨励費のようなものにつきましては、従来の仕組みを拡充していくという形で対応は可能でございますので、幼児教育の無償の関係、あるいは高等学校の奨学金の関係、こういったものは今までの仕組みを拡充していくというような形で対応しているところでございます。また、一方ではこの検討会議で、もう少し抜本的な制度の構築ということもあわせて検討していくというのが実情でございます。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 高等教育のほう。

【德永高等教育局長】

 私のほうでは、ここにございますように、例えば大学段階における教育費負担、負担軽減ということで、まず授業料の減免でございますけれども、お手元に関連資料等がこの冊子の中に入っていると思いますが、例えば国立大学では現在、一定の家計水準、大体350万といったような家計水準に着目して、およそ10%の学生が授業料減免を受けているわけでございます。それに対して私立大学の場合でございますれば、授業料減免を行う私立大学に対する私学助成という形で行っておりますが、その助成対象となっている学生は1%というような状況でございます。

 そこで、来年度の概算要求におきまして、私どもまず私立大学に対しては、ある程度国立大学並みに一定の家計水準に着目して、そういったものに対する授業料減免をしていくのだと、こういう大きな方向のもとに具体的に、いわばどこまでどうするのかということ、いろいろ具体的なことは現在、なお最終的に調整中でございますが、そういう方向でやはり私学助成等を通じて一定の家計に着目した形での授業料減免が進むような措置といったことについて概算要求をしたいと思っております。

 また一方、国立大学につきましても、現在、予算の制約がありまして、必ずしも家計水準に着目して全部授業料を減免しているわけではございませんので、こういったものについても運営費交付金の増額ということを通じまして、一定の家計水準にあるものについてはすべて基準どおり授業料減免ができるような予算措置を講じていきたいと思っております。また、公立大学についても必要な地方財政措置要望等を行っていきたいと思っております。また、日本学生支援機構のほうの奨学金の拡充、そういったことについては、これは無利子対応事業と有利子対応事業、2つあるわけでございますが、それぞれについてやはり必要な奨学金の対応人員の拡大を図る。

 また、同時に、直接学んでいる学生に関係するわけではございませんが、現在、返還をされている方も200万以上いるわけでございます。その中で例えば必ずしも返還が滞っている方ということもいらっしゃる。そういう中で、いわば本当に返したくても経済状況ゆえに返せない方に対しては返還猶予という手続があるわけでございますが、そういったことについて、さらにそういったものが的確に運用されるよう制度改善を図っていきたいと思っております。

 また、特にこの文章、検討の状況にもありますようにリサーチアシスタント、ティーチングアシスタントというようなことについて、現在、大学院生の例えばリサーチアシスタントであれば4パーセントぐらい、ティーチングアシスタントであれば十数パーセントぐらいが受給しておりますけれども、こういったことをより経済的支援という観点からティーチングアシスタントについて抜本的な拡充のための概算要求を行いたいと思っております。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 今、いろいろな意味で私どもが元気になるようなご説明をいただいたのですが、8月30日の政局の問題があるのですけれども、それはそれとして淡々と今までの論理に従ってきちんとした将来計画をここではとにかくつくるということが大事だと思いますので、あまりああいういろいろなことに惑わされないで、ここではここできちっとしたものを出したいと思います。そこで、この検討状況についての報告書にご意見をいただいておいて、ぜひ生かしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。

 井上先生、どうぞ。

【井上委員】

 非常にご努力いただいて議論を発展させて、教育費負担の軽減に向けた取り組みを進めていただいているのに非常に敬意を表したいと思います。この問題は従来から機関助成で行うか、あるいは個人助成で行うかという基本的な問題があって、我が国の場合は従来から機関助成を基本としつつ、個人助成も教育の機会均等の観点から行うという施策を講じてきたと思うわけでございます。それだけにこの教育費負担の軽減問題というものを考えた場合に、そこの基本的な機関助成か個人助成かという問題についても、整理をしておく必要があるのではないかというように思います。

 特に最近の経済不況から家計支出の減少、そういういろいろな課題に当面対応していくということの必要性から申しますと、個人助成の拡充というのが当然必要になってくるということのご理解でこういう検討をされていると思うわけで、そこは私も賛成でございます。ただ、従来から機関助成で国立大学の運営費交付金なり、あるいは私学助成についての充実、こういう基本的な問題も視野に入れて、この問題はやはり議論すべき問題ではないかと思います。そうしないと、例えば授業料について、授業料が大学の経営上どうしても必要だと改訂されてしまうと、個人助成をやってもそこがかなり薄くなってしまうという問題もございますし、両方十分に分析し、認識しながら、この問題のさらなる充実に向けた検討を進めていただきたい、このようにお願いしておきたいと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 私もそれに近い意見でありまして、教育費で渡したものがおやじさんのパチンコ代にならないように少し配慮をすることは絶対条件としては大事なことだろうと思いますね。まあ、余計なことを言いましたが、その点は非常に大事なことだと思っています。

 いかがでしょうか。篠原先生、どうぞ。

【篠原委員】

 田村さんから30日の選挙にあまり惑わされずという話がありました。僕もそう思います。ただ、奨学金の有利子と無利子ということから、もう一つ進めて、給付付きの奨学金という検討まで踏み込む必要があるんじゃないでしょうか。これはレポートを見ると入っていませんよね。そういうことまでやっぱり考えていく必要があるのではないかということが1つ。

 それから、私も幾つか大学で教えているのですけれども、学生たちが海外留学をするという意欲が今非常に落ちています。それで、どうしてなのだと聞くと、経済的な負担ですね。親にはこれ以上は負担をかけられないとかいうようなことをよく言っておりまして、通常の授業だけではなくて、これからやっぱり留学経験というのは非常に大事で、いろいろなことで生きてくると思うんです。何か少しそういう支援の制度みたいなものもこの延長の中で、まあ、大学に行かせるのがやっとだというところがいっぱいあると思うので、考えていく必要があるのかなという感じがします。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 海外の国際交流の出かける問題は今取り組んでいただいているのですけれども、依然として残った大きなテーマです。上月課長、よろしくお願いしたいと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。金子先生、どうぞ。

【金子委員】

 今のお話につながるのですが、大学の機会の不均等性が今問題になっておりましたが、私ども調査をやりまして、かなり家庭所得との関係が強い。特にこの4分の1くらい、特に所得が低い階層で相当大きな大学進学へのバリアが生じていると思います。その人たちは奨学金、意外に借りたがらない傾向が見えまして、それはなぜかといいますとリスクがかなり大きいからです。一定の所得がないとお金を借りることに対して非常に危険を感じる。将来、返すことに対して危惧を覚えるということだと思います。ですから、貸与奨学金は、実は低い所得の人に対しての修学機会を増やすのにはあまり効果がない。効果が低いんですね。

 それで、私立大学に対して授業料減免措置が書かれてというのは、その他考慮があるのだろうと思いますが、ただ、減免措置は大学に入ってからしかわからないんですね。減免措置を受けるのも大学に入ってからでなければわかりません。大学進学を決める段階で一定の補助があるということが明確になっていることは非常に重要でありまして、そういった意味でやはり給付型の奨学金も一定の階層に対しては非常に必要だろうと思います。そういったことも、今回のはそこまで入っていませんけれども、将来の課題としては非常に重要な課題があるなと思います。

 以上です。

【田村部会長】

 とても大事なことをご指摘になりまして、私も年来同じようなことを思っていたものですから、本当だなと思って、まあ、だんだんに入れていくということでいいと思うのですけれども、今回、間に合うかどうかわかりませんが、そういう方向性はぜひひとつ生かしていただければと思っている感じでございます。德永局長もよろしくお願いいたします。何かございますか。

【德永高等教育局長】

 この報告書の中にも23ページでございますけれども、今、金子先生がおっしゃったような形で、23ページの上から3つ目の段落の中で、初めから進路選択の段階でこういったことについて、当然、わかるような形で、いわゆるフィナンシャルプランを初めから自分で設計できるような必要な環境整備を行うべきであるということも言っておりますので、私ども授業料減免でございますとか、そういった事柄についてもある意味では実質的な意味で、あるいは形を変えた給付制という色彩もございますし、大学院の場合についてはティーチングアシスタント、リサーチアシスタントということで、それは実質的な給付的な経済支援になっているわけでございます。

 そういう意味で、いわば貸与制の奨学金も含めた形で、大学全体として、あるいは私どもの国全体として、いわば進学を考えている高校生に対して、こういう形でのきちんとした情報提供ができること、あるいは各大学が自分の中の大学ではこういった制度があるということを提供できるような、そういったことについてはきちんとしたそういう情報提供、フィナンシャルプランの設計ができるような情報提供ができるようなこと、これは少しいろいろな意味で進めていきたいと思っております。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか、いかがでしょう。特にほかには。いかがですか、何か。どうぞ、安西先生、お願いします。

【安西委員】

 簡潔に、今の金子先生が言われたこと、全く実感としておっしゃるとおりで、貸与の奨学金はどうしても所得が低い層ほど借りにくい、そういう状況がありますので、さっきちょっと気になっていたので申し上げなかったんですけれども、先ほどの前の議題の資料1-1の最後のページに貸与の人員が書いてありまして、奨学金貸与がこれだけ減っているのでというふうな雰囲気に書いてあるのは、できたらやはり給付を増やしていくような、そういう空気にしていただければありがたいなと思います。先ほどのものに戻って申し訳ないのですけれども、貸与の人員が110何万人と書いてあるので、そこは少しすれ違いがあるような気がします。細かいことで申し訳ない。

【田村部会長】

 資料1-1の6ページのところ、一番下のところですね。確かにそれは、さっきから安西先生、気にしでおられたところでしたけれども、ご意見出ていますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、特にご意見が出ませんでしたら――木村先生、どうぞ、結構です。

【木村委員】

 最初の方で発言しようと思ったのですが、機会を失ったので、ここで二、三申し上げたいと思います。

 基本的方向の1番目のところに関する件でありますが、ご承知のとおり新しい学習指導要領のコアは言語と体験でありまして、そういう意味で言うと職場体験も含めて体験が非常に重要であるという結論になったことは結構なことだと思います。例えば職場体験をどこで子どもたちにやらせるのか、場所探しが非常に難しいというお話がありましたが、全くそのとおりで、その点は大きな課題であると思います。最近、NGO、NPOの幾つかが新しい体験プログラムをつくっているのですが、日本の場合にはウィークデーに子どもたちがそういうところへ行くということは難しい。その点も問題ですね。

 外国へ行きますと、ウィークデーでも美術館には子どもたちがあふれています。こういう光景は、日本にはない。その辺については少し弾力的に考える必要があるのではないかなと思います。また、そのようなNGO、NPOに対する支援も必要ではないかなと思います。

 それから、最後の安心・安全のところで、耐震の問題で21年4月1日現在で約7,000棟と推計され云々とありますが、これはある耐震基準の下での数字でありまして、これをもう少し安全側に、工学的に言うと安全率を引き上げますと、もっと改修しなければいけない建物は多くなります。ですから、必ずしもこれでいいというものではないということにお気をつけいただきたいと思います。

 もう一つは、日本の学校建築、大分よくなりましたが、快適性等の点ではまだまだ問題があります。文教施設企画部でもこの点についてはいろいろな議論をしております。現在は、このIs値という大きな地震が来たときの倒壊の可能性を示す指数だけをメジャーにして対処方針を打ち出しておりましたが、さらに快適性だとか、利便性だとかを示すパラメータを何とか見つけられないかと努力されております。そのうち何かがでのではないかと期待しています。日本の文教施設は、私、かねがね申し上げておりますが、一種、文化資産になるべきものですから、ぜひそういう視点で見ていきたいと思っております。

 それから、先ほどの安西先生のご指摘についてです。42ページは、総合科学技術会議が国立大学の建物の貧弱についてしてきしたため、こういう記述になっているのですが、文教施設企画部では2つ重要な会議を持っています。1つは確かに国立大学の施設整備に関するものですが、もう一つは文教施設全体の施設整備についての議論をしております。ただ、国立大学の場合には金目の議論ができるのですが、全体の施設になりますとなかなか金目の議論ができないという問題はあります。コンセプトについては相当はっきりしたものが出つつありますので、この42ページの書き方がどうかという問題はありますが、文教施策について、決して私学のことを無視しているわけではないということを文科省のディフェンドになるかもしれませんが、申し上げておきたいと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

(4)その他

【田村部会長】

 いろいろなお話をちょうだいしましたが、そろそろこれでよろしいでしょうか。時間の関係で次のテーマに移らざるを得ないのですが、よろしゅうございましょうか。

 それでは、続きまして、本年8月にまとめられておりますが、基礎科学力の強化に向けた提言と、それから、基礎科学力強化総合戦略ということにつきまして、担当されております局からご報告がございます。小谷技術移転推進室長から報告をいただくということになっております。よろしくお願い申し上げたいと思います。

【小谷技術移転推進室長】

 研究振興局の小谷と申します。それでは、基礎科学力強化に向けた提言と基礎科学力強化総合戦略につきまして、本件につきましては、委員の皆様方には既に研究振興局長名の公文書を付して送付させていただいているところではございますが、この参考資料2-1から4を使いましてご報告をさせていただきます。

 まず、参考資料2-2の22ページと23ページをお開きいただきたいと思います。昨年、我が国の研究者、4名がノーベル賞を受賞いたしまして、我が国の基礎科学の水準の高さを世界に示したところでございますが、そのさらなる強化を図るために文部科学省におきましては平成21年を基礎科学力強化年と位置づけまして、1月に塩谷文部科学大臣を本部長といたしまして、事務次官、関係局長等により構成されます基礎科学力強化推進本部というものを設置しております。

 そして、この22ページにございますように、4月には、23ページには名簿がございますが、独立行政法人理化学研究所理事長の野依良治先生に座長に就任いただきまして、基礎科学力強化委員会を設けさせていただきました。教育振興基本計画部会からは安西委員と梶田委員にご参画いただきまして、基礎科学力強化に向けた中長期的な課題を議論していただきましたが、今月4日に提言が取りまとめられて塩谷文部大臣に提出されております。

 その参考資料2-1のほうに要点という形でまとめさせていただいております提言の内容ですが、リーダーたるべき創造的人材の育成が喫緊かつ抜本的な課題である。研究体制は博士号取得者を主体として構成することを基本とするというために、特に大学院におきまして新しい教育システムのもとで国際的に遜色ない量的な水準を目指して国際競争力を高めるということ。また、必要な公的財政支援を拡充しまして、経済的な支援も含めた学生の立場に立った抜本的な大学院改革の実行が必要であること。これに加えまして初等中等教育からの理科教育等の充実ですとか、世界水準の研究拠点の整備、あるいは研究者優先の研究システムの改善、そしてさらには創造的な研究風土を醸成していくといった具合に総合的かつ体系的な基礎科学力強化策を提言すべきであるということが指摘いただきました。

 この提言を受けまして、文部科学省の本部におきまして同日4日付でございます、提言の実現に向けましたアクションプランといたしまして、こちらの参考資料2-4のほうにお示しさせていただいております。基礎科学力強化総合戦略を策定させていただいております。この総合戦略でございます提言を踏まえた形で表紙と目次をおめくりいただきまして1ページ目でございますが、まず、基礎科学の意義、そして研究風土の醸成につきまして記述をさせていただきまして、1枚おめくりいただきまして2ページ目でございます。基礎科学力の強化に社会総がかりで取り組むということで、その旨方針を示しております。

 その上で3ページ目でございます。具体的に基礎科学力強化の進め方として5つの戦略を立ててございます。1枚めくっていただきますと4ページ目でございますが、それぞれの戦略につきまして、こちらのように提言を踏まえた形で基本的な考え方、今後の課題を整理させていただきまして、特に当面、重点的に取り組むべき施策につきましては重点施策という形で掲げさせていただいております。教育の振興に関するものといたしましては8ページ目でございます。戦略2の大学院教育等の充実強化。

 また、11ページ目にございます戦略3の初等教育から高等教育まで未来を担う創造的な人材を育成するといった形でそれぞれ記述をさせていただいておりますが、この重点施策全体像につきましては、カラー刷りの参考資料2-3にございますような形で定めさせていただいております。また、この戦略におきましては、本文の後でございますけれども、19ページ目からこの重点施策のみならず、関連施策一覧ということで、それぞれの施策につきまして重点的に取り組むべきもの、また、その他の施策につきましてもまとめさせていただいておりまして、これらにつきましては平成22年度の概算要求で取り組んでまいります。

 また、恐縮でございます総合戦略、資料2-4の3ページにお戻りいただきたいのでございます。3ページ目のほうの枠囲みの各戦略の次に記述してございますが、提言を踏まえまして、引き続き基礎科学力強化に向けて検討が必要な課題につきましては、科学技術・学術審議会、またはこの中央教育審議会の関係分科会等々での調査審議をお願いして早期の実現を図るとさせていただいております。今後とも我が国の基礎科学力強化に向けまして、委員の皆様のご指導、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 ただいま担当の局からご説明がございました。基礎科学力強化に向けた提言と、それに基づく基礎科学力強化総合戦略ということにつきまして、お話をちょうだいしました。ご質問を委員の皆様方からちょうだいしたいと思うのですが、その前にこの部会に委員として参加されました安西先生がいらっしゃいますので、安西先生から一言コメントをちょうだいしたいと思います。

【安西委員】

 基礎科学力強化委員会も何度か、4回開かれまして、今の説明のあったとおりなのですけれども、まず基礎科学というのは何かということにつきましては、人類の英知の創出、蓄積ということとイノベーションの創出と2つ書いてございますけれども、いわば本当の意味での基礎科学、これは言葉は悪いかもしれませんけれども、好きでやることで、それからもう一つは経済的な意味も含めてイノベーションを創出するということで、したがって、科学技術と言っても自然科学的な基礎科学のことと、それからもう一つは技術を含めた、イノベーションというのは価値の創出ということと、両方を含んでいるという形で議論がされております。

 もちろん、小学校から大学、大学院まで非常に大事なのでありますけれども、議論の多くは特に博士課程をどうするかということについて時間が割かれまして、世界各国トップレベルの大学というのは博士課程を非常に重視しておりますけれども、日本の特に技術系は、いまだにと言うといけませんけれども、修士課程に極めて力を入れている。そういう状況があります。この中で特に博士課程の内容、あるいはカリキュラム等々をどうしていくのかということと、それから、今やはり陰にも陽にもありますのが産業界から見たときに大学が育てる博士の学生がある意味で役に立たないといいましょうか、そういうふうに思われる面がありまして、これを一体どうするのか。産学の博士号取得者に対するギャップ、それをどうやって埋めるかということが議論されました。

 私、これは個人的な考え方、思いでございますけれども、やはり産業界の課題もありますし、大学にとっての課題もあるので、そこはやはり産学が一緒になって博士課程の内容をもっと充実させる必要があるのではないか。ここまでにしますけれども、その提言の中では20ページの図、あるいはその前の19ページの図、そういったところをごらんいただければと思います。

 以上であります。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 とても重要なことが提言されておりますが、このことにつきまして何かご意見をちょうだいできればと思いますが、いかがでございましょうか。どうぞ。

【曽我委員】

 義務教育のPTAの話で申し訳ないのですが、自分自身が大学で建築方面で研究者で修士をやっていて、最後に博士に行かない、後期に行かないで逆に現実の道を歩んだ、建築ではない道を歩んだのですが、そういう中で研究者になろうとしたときに非常に思ったのは、研究者ってずっと未来があるのかという不安感がありますよね。ずっとその研究を続けていこうと思っても、それに対して生活感が出てこないわけですよ。学校で食べていければいいのですけれども、そういうものの未来が見えないと、やっぱり現実として自分の技術を使った中で何らかの形で修士で終わって、修士のうちに就職をしてしまおうという形も踏まえてくる。

 研究に対しても未来ずっと進めていけるという環境が充実していないとやはりできないだろうし、環境が充実するときには必ず企業もその研究に対して支援をしてくるという、大学がサポートして必ず提携をしてくるわけですよね。その部分があってもやっぱり不安があるという時期があるわけです。そういうものは、じゃあ、小学校のときからずっと大学までどうやって考えてくるかというと、大学に入らない限り研究というものに興味を持つというのが意外と薄かった人生を自分も歩んでいます。大学に行った瞬間に研究ってこんなにおもしろいんだ、大学って全然勉強のあり方が違うという、学びが入ってから研究にグワーッと行き始めた。

 これは基礎科学などもそうなのですが、子どもがいろいろなものに興味を持ったものに対してどれだけ伸ばしていくかというフォローが世の中にそんなにできているのかというと、ある程度生活しなければいけないという部分のためにいろいろなものを切ってしまっていて、興味よりもまず生活となってしまう。それが知らないうちに基礎科学のような根底の科学などの興味に関しては持っていても家庭も支援しない状況になってしまうわけですね。そういう部分ではやはり、そういうものが支援されて、そこから生まれてくるすばらしいものがものすごく社会に役立つのだということ、ということは特許というものがどういうものであるかということをそれぞれにきちんと広げていけば、もっともっとこの分野に関しても興味もわいてくるし、日本は世界にこういうものに興味を持ったときに突き進む力の人材力というのは自分自身もあると思っています。

 ただ、それが多分、日本国外に行ったほうが報われると思いがちな社会でもあると思いますので、企業のお力をいただいて産官学の中で特許などが取れるような、支援を受けながら研究ができる環境が充実することが大事で、それが大学がやる役割なのか、国のやる役割なのか、産業が連携をしてやる役割なのかがもう少し学生にとってわかってくるようになれば、その向かう気持ちを進めることができるのかなと思います。ただ、やはりセレクトされていって、最後に研究に残ったものが研究で残るというのも研究者としてわかっているつもりですので、その道を広げてあげるということも大事かなと思います。今はまだまだ狭き門かなと思っています。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 ほかにはご意見ございませんでしょうか。どうぞ、山本先生。

【山本委員】

 とても大事な問題なので、今のハイレベルのことは今のご議論で続けていただくとして、私どものほうからしますと、この資料2-4、総合戦略の12ページなのですけれども、12ページの3.というのがございます。科学技術リテラシーの向上というところがございまして、科学技術と社会の橋渡し、本当にこれからの知識基盤社会で専門的な蓄積ができて、高度でわかりにくいからこれをつなぐというのは非常に大事だと思います。それについても例えば国立科学博物館などでは、科学技術コミュニケーターの養成をやっています。

 大学院レベルの人たちが非常に関心を持ってそういうところに来てくれて、質の高い、一定レベルを保った講座を修了していくのですけれども、その人たちの活躍する場というのがはっきりしないんですね。その方々はもちろん自分たちでいろいろなところで勉強したことをまた生かしてくれるのですけれども、できればやはりこれは生涯学習局の社会教育課とか、そちらのほうの協力ということになるかもしれませんが、いろいろな社会の中でその力を発揮できる場を何とか開拓するとか、確保するとか、そういうこともこの中で考えていただければと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 知識基盤社会ですから、特に今後は今のお話があったようにテクノロジカル・アセスメントというんでしょうか、技術評価というのが社会の中のいろいろな分野で実施されていかないと非常にギャップが出てくるということが学問に対する興味を失わせるということとつながっていくのだろうという気がしますね。確かに重要なことなので、よろしくお願いします。

 では、安西先生、お願いします。

【安西委員】

 たびたび申し訳ありません。日本がこれから主要国といいましょうか、発言権を持って生き残っていこうとすれば、技術革新、イノベーション、あるいはイギリスのようにといいましょうか、本当の基礎科学の勃興というのはとても大事なことだというのは、総論としては賛成の方が多いのではないかと思います。ところが、今、博士課程の卒業生、あるいはポスドクまで含めますと、今、日本の中での大学のポジションというのは、自然減といいましょうか、定年等でやめられる方の数よりも入ってくる方の数、若い人たちの数のほうが多いんですね。ですから、大学のポジションというのは急激に増やさない限り、なかなか競争が激しいということは事実であります。

 そういう意味で産業界、あるいは起業する人たち、狭い意味での研究者になるのではなくて、博士号というのはやはりみずからが新しい分野を切り開いて、テーマを切り開いて何かをなし遂げたのだと、そういう証明書を持ってまた別の分野で新しいことを自分の力でやっていくことができる、こういうことのサーティフィケートだという考え方に変換しない限り、なかなか今までの延長線上のモデルではといいましょうか、博士課程に対する考え方ではとてもとても、さっき申し上げた日本の国力にはならないと思われます。

 これを乗り越えるためには、特に社会、また、産業界が要請するような博士のモデル、博士のあり方というのをはっきり大学が受けとめて、それをつくり出していく必要があるのですけれども、一方で産業界がそういうモデルをはっきり持っているかというと、これまたなかなかいろいろ、そんなに輪郭がはっきりしているわけではないと思います。

 一方で、大学側も結局、博士課程の学生、特に理工系の場合は一種の労働力として使われている面がありまして、論文をつくるためには教授のほうが大学院生を使って論文を量産する。それによって研究室の実績が出て外部資金も来る。それで国際的な力もついていく、こういう仕組みになっておりまして、大学院生がその労働力から抜け出すための、そのためのバックアップというのをしていかないと、これは幾ら口でこういうふうに言っていましても絵にかいた餅に終わってしまいます。

 そういう意味では産業界と大学に両方課題がありまして、私としてはやはり産業界でこれからの基礎科学の重要性を認識している方々と大学側でもって今のままの博士課程のあり方では、これは日本が立ち行かないと思っている方々が一緒になって、これからの博士課程のモデルをやはりつくって、草案でもつくっていただきたいなと心から思います。少し長くなって申し訳ありませんけれども、そこのところを突破しない限りこれから、みんな口では、総論としては、これからの日本はイノベーションだとか、これからの日本は基礎、中国がこうだから日本はこうだということはみんな言うのですけれども、それは具体的には突破できません。

 以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 このことにつきましてはご意見がいただけそうです。では、順番に。どっちから、金子先生からいきますか。では、金子先生から。

【金子委員】

 1つは、安西先生が言われた後の点ですけれども、私ども最近、大学院生の調査をやりまして、1つおもしろかったのは、自分の研究テーマに自信があるかどうかということを聞いていまして、意義があるかどうか。これは私は人文社会系のほうがあんまり自信がないのではないかと思っていましたら、むしろ逆でして理系のほうがないんです。なぜかといいますと、多分、先生から言われたことをやっていて、自分の将来にどうやって生かせる研究なのかというのは、あまり自信がない。大学院の側の問題は非常に大きいなと感じました。せっかく才能がある人にはやっぱり、自分が関心があるテーマを発展できるというのは基本だと思うのですけれども、それが必ずしもそうはなっていないのではないか。それが1点です。

 それからもう一つ、キャリアパス、大学院についてキャリアパスの問題、非常に大きくて、この提言にもきちんと書いてありますけれども、この問題をやはりもう少し考えるべきだと思います。それで、キャリアパスが実際にないということ、キャリアパス自体に問題があるということもそうなのですが、しかし、キャリアパスもかなりできているところもありますし、就職者も増えているのですが、それが大学生にはあまり伝わっていない。大学生に調査をしますと、大学院進学については非常にリスクが強い。進学しない人は将来が危ないというので進学しないという傾向が非常に強い。

 将来についてどの程度の見通しがあるかというのをはっきり示すといったことが必要ですし、それから、大学の先生に対しても、現実に大学院生がどこに行っているのかというのを自覚してもらうべきだと思うんですね。大学の先生は一番よくできた学生しか最終的には見ていないので、ほかの人たちは見ていない。結果としてリスクが高くなって、医学生が来なくなるという非常に悪循環になっていると思うんです。それはやはり非常に大きな問題だと思うんです。

 それから、それに関連しまして制度上の問題もありまして、奨学金の大学育英会で学生支援機構の奨学金の免除が成績優秀者には与えられるようになったのですが、これは後に与えられるんです。結果として、結果がよければ免除になりますが、そうではないと免除にならない。これは大学院進学をエンカレッジすることにならないんですね。特に所得の低い、家庭環境があまり整っていない人は大学院進学が非常に障害になる。こういった意味でキャリアを将来が見えるようにするというのは非常に重要だと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございます。

 大学がやるべきことをきちっと指摘していただきました。德永局長も聞いておられましたので、よろしくひとつお願いしたいと思います。

 では、木村先生、どうぞ。

【木村委員】

 私が申し上げたいことも安西先生のご意見と同じ線上にあることです。日本ではドクターの修了者に対しての扱い方が非常に特殊なものになっていると思います。安西先生も私も専門は工学ですが、英国ではエンジニアリングトレードといった場合には、概ね自分自身、1人でやっています。ジェームズ・ワットにしろ、スティーブンスにしろ、ブルーネルにしろ、1人で道を開いてきた。ですから、エンジニアリングトレードというのは、どこにも属さない、自分でやるというのが基本となっています。二、三人でやることもありますが、大体、そういうものです。

 ところが、日本の場合は、そういうやり方では、キャリアパスが見えないということで、勢い大企業に就職することになる。科政研がまだ文科省と一緒になる前に、MITの最上級生と、東工大と東大の工学部の最上級生に聞き取り調査を行っています。将来どうしたいのか、いう質問に対して、MITの学生で大企業に就職すると答えた学生は16%しかいない。日本は40%を超えている。日本の場合には徹底的に大企業指向になっている。大企業に就職しないと将来が見えませんからね。

 もちろん、大学という道もありますが、それはほんの少しですね。本当に日本を知識基盤社会にするためには、先ほどから出ていますようにドクターコースに対する認識のギャップ、つまり、産業界と大学間のギャップをどうしても直していかなければいけない。。私が英国で所属したグループには、30人ぐらいリサーチ・スチューデントがいましたが、だれも大企業に行こうなんて思っていなかったですね。

 大学の研究者になろうと思っている人も数人しかいなかった。ほとんどのが自分で将来何かやるぞということを言っていました。現実に自分でやって大成功している連中が多い。日本はそういう社会ではありませんから、企業の認識と大学の認識のギャップを埋めていく以外に方法はないのではないかと思います。それから、工学関係は、ドクターコースへの進学者の数が減っております。非常に危険な兆候なんですね。

【田村部会長】

 非常に重要なことを指摘されまして、熱心に発信していく必要があるということですね。よろしく頑張りましょう。

 では、無藤先生、どうぞ。

【無藤委員】

 やはり大学院のことなのですけれども、私は理科系はよくわからないので、教育とか心理とか文科系のコメントにおいてでありますが、修士課程においては、最近は現職で勤めるとか、いわゆる14条特例を使うとか、夜間なり通信なりさまざまな組み合わせが増えてきたと思うんですね。博士後期課程についても一部では既に始まっているわけですけれども、博士課程の数字を下げることなく、今のような形というのは十分可能性があるし、もっと奨励していいのではないかと思います。その場合には、ある意味ではキャリアパスの問題がクリアされているわけですね。原子力ですからね。そういう意味で、日本の場合には特に文科系の仕事、MTAもそうですけれども、修士号のみで働いている膨大な数がいるわけですね。そういう人たちの研究水準を上げる。かつ国際的に通用するためにも博士号を取得させるというところで、日本の大学院の機能を十分果たし得るところが1つの方法です。

 それからもう一つは、特に文科系といっても文学部、教育学部系かもしれませんけれども、特にワールドワイドになっていくためには、私は1つ1つの大学院の規模が小さ過ぎると思います。例えば心理学の場合で言えば、欧米のちゃんとした大学院ですと何十人から、時には心理学部で何百人の規模の大学なんですけれども、日本の場合には10人いれば多いほうですね。そういう意味では、太刀打ちできる入り口に入っていないという気がします。そういう意味で、もっと制度的に今、連合大学院というのが可能になっていますし、それから、連合は組織と組織の連合ですけれども、客員教授みたいな制度をもっと広げていくとか、大学院独自の規模の拡大というものを図ったほうがいいのではないかと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 どうぞ、德永局長。

【德永高等教育局長】

 文部科学省では大体、過去二十数年において大学政策の中で大学院というもののかなりが大学政策の重要な部分をなしてきたわけでございます。端的に申し上げれば、ちょうど1990年ぐらいから始まった中でおよそ15年ぐらいは大学院の量的拡大と、そしてそのための環境整備ですね。従前の大学院は、そもそもアカデミックな研究者のみを養成することだけが目的とされておりました。法令上もですね。そういったことについて、いわば企業等で働くそういう自立的な研究者も養成目的とするのだというような制度改正を行ったのが平成3年ぐらいでございますし、そのためにさまざまな、いわば教育研究環境、専任の教員、あるいは固有の施設設備を整備するというようなことを15年ぐらいしてきた。

 それが建った上で、さらに現在、ここ10年、あるいは最近5年ぐらいは、いわば大学院の中身、教育の中身を充実する。そこで一番大きな問題は、まだまだ、1つはまだ教員の意識というものの中で、必ずしも大学院が教育機関として認識されていない。時々、大学院の場合、研究水準とかいう言葉が出るのですが、そうではなくて大学院は教育機関ですから、きちんとコースワークを持って組織的な体系的な教育をするということが大学院の本来の使命であるはずなのですが、どうしても各研究室単位で物を考えてしまうということがあって、文部科学省では大体ちょうど3年前に大学院振興施策要綱というのをつくりまして、いわば大学院、コースワークを中心とした組織的な教育活動を拡大していこう、これは財政的に支援をしていくことを進めているわけでございます。

 現在、大学分科会の中の大学院部会では、今日木村先生にもご参加いただいて、いわば3年前につくりました大学院振興施策要綱が具体的に大学の現場で、いわば大学の教員のレベルでどこまで定着をし、その成果を上げ、どことどこがまだ至っていないのか。そういったことについてきちっと、かなりエヴィデンスベースでの検証をしようということで、今、大学院部会のほうでは作業をしております。私が一番感じていて問題となるのは、どうも議論の仕方が非常に難しいわけです。時々企業の方とお話をしたり、あるいは高名な研究者の方とお話をしますと、はっきり申し上げれば30年前、20年前のような大学院の姿を思い浮かべて議論されている。最近の大学はあまりご存じない。そういう意味では、少し議論の仕方もある。

 あるいは現在の大学院部会でも、どなたがこう言ったというわけではないのですけれども、企業が求める、いわば資質、能力みたいなことで言うと、大学院を出たのに設計図も書けないようなことをおっしゃって、研究大学の方が、いや、別にそんなことを教えているわけじゃないよという議論もあって、この問題をきちっとやっていくためには、どういうベースでどういう議論をしたらいいのかという、そもそものことも必要でございます。あるいはまた特に大きく異なるのは分野別の議論が一番必要なのでございます。日本の博士課程の場合、大きなものは実は医学系の博士課程が大きな比重を占めているんです。

 その意味では人文学、あるいは社会科学はとても小さな比重でございまして、実際にそのほか以外ではライフサイエンスを中心とする理工学の分野が大きいわけでございまして、どうもそういった議論を一緒にしてしまいますと、とにかく30年前の状況と、つい最近の状況と、15年前の状況と、あるいは大きいところ、小さいところ、いろいろな議論を言って、それぞれが皆さん正しいことを言っているのですが、なかなか議論がかみ合っていかないということもございますので、大学院部会では現在、有信部会長を中心にきちんと今申し上げましたような分野別で、もう少しエヴィデンスベースできちっとした検証成果を踏まえた議論を展開していこうと思っておりますが、何より私どもとして、まずこういった議論を進めるために課題を整理し、議論の仕方を整理していくことが、私にとっても、今、最もやらなければいけないことだと思っております。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 時間も迫っておりますので、確かに国際社会ではドクターぐらい持っていないと通用しないなんてことをよく耳にしますけれども、時代が変わっているということも1つのあらわれだと思いますが、では、最後に篠原先生に発言していただいて終わらせていただきたいと思います。

【篠原委員】

 今の大学院の話なのですけれども、全く素人の考えですが、今の大学院と4年制の大学の区切りの仕方が果たしてこのままでいいのかと疑問に感じます。もっと言えば、大学、今、4年ありますよね。2年を完全に教養、リベラルアーツに充てて、大学の2年と修士課程の大学院の2年を一体化した流れにするとか、何かそういう大胆な制度の仕組みみたいのも考える時期に来ているのではないかなと思います。個人的意見でございますが。

【田村部会長】

 では、どうぞ。

【安西委員】

 今の篠原委員にちょっと続けて簡潔にお話ししますけれども、この中には初等中等教育、バックグラウンドの方も多いかと思います。小学校段階から理科に興味を持ってほしいとか、いろいろなことが言われているわけなんですね。博士課程のことを前面に出している理由というのは、やはり子どもたちがずっと大きくなって、どういうキャリアを歩んでいくかというときに、博士課程の大学院生ということの新しいモデルが出てきて、それが夢になるように持ってくるということがやっぱり1つのやり方ではないかということがあるわけで、大学の特に入試の問題があるので、入試の前の高等学校の時代にどうしても理科的なことから離れていく、そういう子どもたちも多いわけですね。

 それから、篠原委員の言われたようなこともあります。いろいろなことが問題点としてありまして、それが全部つながっております。それはよく理解してこの問題には取り組むべきだと思いますが、どうして博士課程について前面に出しているのかというと、やはり一番下流というのか、最後のところのモデルをつくるということが1つの早道なのではないかということだからでございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 博士課程のところを徹底的に議論するということが全体に大きな影響を与えてうまくいくのだという、こういうご意見、私もそうだなというふうにお伺いしながら思いましたが、どうぞひとつ振興基本計画、今日はたくさんご意見をちょうだいしましたので、今のような話もぜひご参考にしていただきたいと思っております。

 それでは、時間になりましたので、本日の部会はこれまでとしたいと思います。なお、本日の議事に関することでまだ言い足りなかったとか、気がついたことが後でということがありましたら、ぜひひとつ事務局まで、上月課長のところに文書で結構でございますので、お寄せいただければ大変ありがたいと思います。

 なお、今後の日程等につきましては、改めて事務局を通して連絡させていただきたいと思います。

 最後に次官、文部科学審議官、お見えになっていますので、おっしゃることはありませんか。一言いかがでしょうか。

【坂田事務次官】

 ご指名ですので一言ですけれども、最後のほうの議論にかかわりますけれども、教育は小学校といいますか、幼稚園から大学院まで連続しておりますので、確かに安西先生がおっしゃいましたとおり大学院におけるモデルというものが小さな子どもたちから見て大変将来がある、夢があるというのは非常に大きな動機づけになると思います。その上でやはりこれからの時代は子どもたち1人1人がかなりたくましくならないと、これは学力という点はまず基本にあると思いますけれども、私個人は精神力を実は重視したいのですけれども、そのためには学校教育だけではないかもしれませんけれども、いずれにしろ知識の点、それから、先進力の点、いずれにしてもたくましい子どもたちを育てるために初等中等教育から大学院教育まで、やはり一貫した思想で文部科学省の教育政策、教育行政は展開しなければいけないだろうと。

 そういう意味で、今回、教育基本法が改正されて、教育振興基本計画という総合的な計画ができたというのは、そのために大変重要なことだという具合に思っております。最初にできたこの計画をしっかり、まず実行していくことがさらに将来にとって重要ですから、その意味で、この部会で先生方から基本計画の執行状況について、大所高所から率直で、かつある意味で厳しいご意見、ご指摘をいただくことは、私どもにとって大変大事なことだと、そういうに思っております。今日も関係局長ほぼ全員が出て議論を聞いておりますので、いただいたご意見、さらに将来に生かしていかなければいけないと、このように思います。

【田村部会長】

 ありがとうございました。

 では、文部科学審議官、一言お願いいたします。

【清水文部科学審議官】

 どうぞよろしくお願いいたします。

【田村部会長】

 それでは、最後に次官から非常に力強いお話をちょうだいしましたので、この振興基本計画、内容をしっかりとまとめて進めさせていただきたいと思っております。今日は長時間お時間をちょうだいいたしまして、ありがとうございました。これで部会を終わらせていただきます。ありがとうございました。

── 了 ──

お問合せ先

生涯学習政策局政策課教育改革推進室

近藤、加藤(内線3464)

(生涯学習政策局政策課教育改革推進室)

-- 登録:平成21年以前 --