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教育振興基本計画部会(第2回) 議事録

1.日時

平成21年3月2日(月曜日)16時~18時

2.場所

東海大学校友会館「望星の間」

(東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル33階)

3.議題

  1. 部会長の選任等
  2. 教育振興基本計画の実施について
  3. 地方公共団体における教育振興基本計画の策定状況について
  4. その他

4.出席者

委員

(委員)
田村部会長、小宮山副部会長、衞藤委員、小川委員、菊川委員、小松委員、篠原委員、曽我委員
(臨時委員)
井上委員、遠藤委員、角田委員、蛭田委員、松川委員、森委員、山本委員

文部科学省

銭谷事務次官、玉井文部科学審議官、清水生涯学習政策局長、金森初等中等教育局長、山中スポーツ・青少年局長、布村文教施設企画部長、河村私学部長、久保大臣官房審議官、惣脇生涯学習総括官、栗山生涯学習政策局政策課長、寺門教育改革推進室長

5.議事録

※寺門教育改革推進室長より、出席者の紹介

(1)部会長の選任等

  • 部会長として田村委員を選任及び、副部会長として小宮山委員を指名
  • 会議の公開を決定

(2)教育振興基本計画の実施について

【田村部会長】

 それでは、議事を続けさせていただきます。次の議事は、教育振興基本計画の実施についてでございます。まず本日の配付資料の説明とともに、教育振興基本計画の実施につきまして、事務局からご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【寺門教育改革推進室長】

 それでは、お手元の議事次第がございますけれども、その4以下に、本日の配付資料をお配りをしているところでございます。ご覧のとおりでございますので、万が一ご遺漏等ありますれば、事務局までお申しつけをお願いしたいと存じます。また、事務局からの配付資料とは別に、本日の資料の配付の仕方で申しますと、座席表のすぐ下に配付をしておったかと思いますけれども、後ほど遅れてお見えになります小宮山委員から、「よりよい教育のために今必要なこと」というパワーポイントの資料がございまして、これが小宮山委員より別途提出をされているところでございます。以上が資料の確認でございます。
 続きまして、教育振興基本計画の実施につきまして、ご説明を申し上げます。主に資料3、4及び5についてご説明を申し上げます。
 まず資料3でございますけれども、資料3は、「教育重点施策2009(案)〜平成21年度教育振興基本計画アクションプラン〜」でございます。このアクションプランにつきましては、今後10年間を通じて目指すべき教育の姿を明らかにするとともに、今後5年間に取り組むべき施策を総合的、計画的に推進することにより、教育立国の実現を目指すべく、教育基本法に基づきまして、閣議決定されました教育振興基本計画。なお、この基本計画につきましては、卓上の青いファイルの中に、昨年度の本部会の第1回の配付資料がございますけれども、その資料3に本体をとじておりますので、適宜ご高覧いただきたいと存じます。この振興基本計画を踏まえまして、各年度におきまして、具体的に何を中心に取り組むかにつきまして、重点施策として取りまとめ、公表するという趣旨で作成をしておるところでございます。
 今、お手元でご覧いただいております資料3の21年度の教育重点施策の案につきましては、その構成、項目等につきましては、初めて策定をいたしました、本日の配付資料4の平成20年度の教育重点施策、これは昨年の12月に本部会でご審議をいただいたわけでございますけれども、その構成、項目を差し当たり踏襲、更新した形で作成してございまして、教育振興基本計画に示されました4つの施策の基本的方向に沿いまして、事業等を記載するといった体裁をとってございます。
 まず、資料3の表紙のすぐ下、1ページをお開きいただきたいと存じます。ここに基本的な方向の1から4に沿いまして、アクションプランの項目の体系、概要が示されているところでございます。
 次に、資料3の2ページ以降が、平成21年度の重点施策の具体的中身でございます。記載事項中、赤字で示している部分につきましては、先ほど申し上げました資料4の重点施策からの変更個所を示すものでございまして、新たな施策の展開、進捗状況ですとか、来年度の予算案の事業立ての変更等に伴う修正などを施しておるがゆえに変わっているところでございます。平成21年度の重点施策の案につきましては、とりあえずこういった構成のもとに立案をさせていただいているところでございますけれども、本日はお時間の都合もございますし、また週末直前ではございましたが、事前にご送付を申し上げましたので、4つの基本的な方向ごとに、代表的なものの説明をもって、全体を取り急ぎ概観をお願いしたいと存じます。
 まず、2ページの基本的方向の1、社会全体で教育の質の向上に取り組むことにつきましては、そこにございますとおり、地域ぐるみで子育て支援、教育、家庭の支援の仕組みづくりを全国で展開するといったような目標のために、上から学校支援地域本部、放課後子どもプラン、コミュニティ・スクール、家庭教育支援、有害環境対策、社会教育施設の充実、生涯スポーツなどの取り組みについて、所要の記述を盛り込んでおるところでございます。
 続きまして、3ページでございますけれども、基本的方向1のうち、(2)でございます。キャリア教育や多様なニーズに応じた職業教育の機会を充実するということで、関連する施策、または先年に行われました、中教審への諮問等についての内容を盛り込んでおるところでございます。
 続きまして4ページからは、基本的方向の2、個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てるという目標のもとに、関連する施策をまとめてございます。まず、4ページは(1)といたしまして、知・徳・体のバランスの取れた「生きる力」を育成するという目標のもとに、新学習指導要領の一部の先行実施。またおめくりいただきまして5ページでは、上から、確かな学力の育成子どもたちに豊かな情操や規範意識等の育成が掲げてございますし、また1ページおめくりいただきまして6ページでは、体験活動・読書活動の推進、いじめ問題への対応、体力の向上等につきまして記載をしておるところでございます。
 また、次の7ページからは、この基本的方向2の2つ目の柱でございます、教員の資質向上、教員が子ども一人一人に向き合う環境づくりの推進という目標のもとに、ご覧のとおりの施策、取り組みを盛り込んでおるところでございます。また、7ページの後段には、(3)の柱といたしまして、学校の組織運営体制の確立に向けた学校や教育委員会における取り組みを促すということを目標に、学校評価等の取り組みを記述しておるところでございます。
 また、8ページでは、基本的方向2の(4)の柱として、幼児教育、特別支援教育、外国人児童生徒教育の充実ということから、ここにございますとおり、関連施策につきまして盛り込んでいるところでございます。
 続きまして、9ページからは、今度は基本的方向3といたしまして、教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し、社会の発展を図るという目標のもとに、高等教育に関連する施策を盛り込んでおるところでございまして、そこの冒頭のページにございますとおり、昨年9月の中教審総会で諮問が行われました、「中長期的な大学教育の在り方」というものでまず記載をいたしました上で、同じページの(1)でございますけれども、高等教育の質の向上を図り、「知」の創造・承継・発展に貢献できる人材育成という目標のもとに、ご覧のとおり国際的に卓越した教育研究拠点の整備・充実などの、たくさんの施策を盛り込んでいるところでございます。
 また、10ページにおきましては、中段でございますけれども、大学の国際化という目標のもとに、留学生施策等について盛り込んでおるところでございますし、また11ページでは、3つ目の基本的方向の柱でございます、大学との連携を通じた地域振興のための取り組み等の社会貢献の支援ということで、地域医療等、大学病院の関連する施策、取り組み等について、ご覧のとおり盛り込んでいるところでございます。
 最後、基本的方向4は、次の12ページから始まりまして、子どもたちの安全・安心を確保するとともに、質の高い教育環境を整備するという基本的方向4でございますけれども、冒頭、最初の柱でございます、子どもたちが安全・安心な質の高い空間で学び、生活できるよう、教育環境の整備を推進するという目標のもとには、小・中学校等の耐震化ですとか、地域社会全体での子どもの安全確保等への取り組みを記載をしているところでございます。また、この資料3の最後のページになりますが、13ページにおきましては、私学助成や奨学金の充実ということから、関連施策を盛り込んでいるところでございます。
 以上が、平成21年度の教育重点施策(案)の概要についての説明でございますけれども、本案につきましては、この構成そのものも含めまして、また盛り込まれている項目そのものにつきましても、全般にわたりまして、ご議論を頂戴できればと存じておるところでございます。
 次に、資料5をご覧おき願いたいと思います。資料5は、「教育振興基本計画の進捗状況の点検について(案)」と題する資料でございまして、この資料の冒頭に記載いたしましたとおり、ご案内のとおり、教育振興基本計画におきましては、教育振興基本計画を効果的かつ着実に実施するために、事業量指標ではなく、成果指標による定期的な点検と、その成果のフィードバックが不可欠だろうと。このため毎年度、みずからの施策の進捗状況について点検を行う必要があるということが明記されてございまして、まさにこの点検・評価をどのように実施していくかという点が、大変に重要な課題になっているところでございます。
 資料が前後いたしまして恐縮でございますけれども、本日の配付資料4は、平成20年度の教育重点施策の資料でございますけれども、その2ページ目以降をご覧いただきますと、平成21年度の教育重点施策とは異なりまして、20年度の教育重点施策には、点検に当たって参考とすべき指標(案)というのを記載いたしております。この形で昨年12月に、第1回の本部会でご議論をいただいたところでございますけれども、現在、この重点施策に基づきまして、事務的に具体的な点検・評価作業を、この指標を中心に、事務的に取り進めているところでございますけれども、その点検・評価のそもそもの考え方といたしましては、資料5にお戻りいただいて、中ほどでございます。
 ≪評価の仕方≫以下に記載がございますとおり、この教育点検施策の記載事項について、点検・評価をしていくに当たりましては、事業としての事業量目標。ここでは資料5の評価の仕方の右のところに黄色の枠で囲ってございますけれども、一例として、学校支援地域本部を例として挙げてございますけれども、ピラミッドでいう一番下でございますけれども、事業量目標として、例えば、学校支援地域本部を何カ所設置するといったような点での評価だけではなくて、ピラミッドの下から2つ目にございます、施策というふうに便宜上ここでは記してございますけれども、施策として、成果指標的な観点。このピラミッドの中ほどの点線囲みで囲ってございますが、例えば、この学校支援地域本部で申しますれば、学校支援ボランティアがどのぐらい増えたかとか、学校支援地域本部先における児童生徒の学習意欲や生活態度等がどのように向上したかといったような、成果指標的な観点ということからも、総合的に事業、施策を2つあわせまして、点検・評価を実施すると。
 このような考え方によりまして、さらに具体的に申し上げますと、恐縮でございますが、資料5の2枚目には、その内部的な作業を行うに当たっての具体的なフォーマットの案を示してございますけれども、こういった考え方に基づいて、具体的にこの基本計画の進捗状況の点検・評価を行ってはどうかと考えているところでございまして、こういった評価のあり方、方針につきましても、あわせて本日、さまざまな観点からご審議を願えればと考えております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【田村部会長】

 ありがとうございました。資料3で、大きな社会の変化に対して、社会総がかりで対応していこうということの具体的な姿をアクションプランの中に示していただき、資料4は2008年のものですけれども、資料5でも指摘されているように、実は前回の議論の中では、今もちょっとおっしゃっていましたけれども、定性的な評価とか、定量的な評価というようなことでかなり議論が分かれて、いろいろ話し合いがされたことを覚えていますけれども、その辺も含めて、今のご説明、資料3から5にかけてのご意見を頂戴したいと思います。どの部分からでも結構でございますので、どうぞ。
 どうでしょう、名札を立てていただけますでしょうか。そうすると、漏れないでお願いできますので。ご発言されるときに、ちょっと名札を。では、小川先生、どうぞお願いします。

【小川委員】

 質問事項も含めてちょっと意見なんですが、進捗状況の点検・評価をどうするかという手続にかかわることなんですけれども、教育振興基本計画を作成したときを振り返ってみますと、基本計画部会がたしかイニシアチブをとってやってきたんですが、その前提には、各領域の分科会ごとに、その領域、初中であれば初中、高等教育であれば高等教育の重点課題、ないしは当面する問題というのを、分科会ごとでかなり丁寧に議論して、それを計画部会のほうにくみ上げて、それを計画部会がある戦略に基づいて構成し直して、基本計画をつくったという経緯があると思うんです。
 そうした経緯を考えると、やはり教育振興計画の進捗状況の点検・評価というのは、総括的な作業というのはこの部会でやることなんでしょうけれども、その前提として、もう少し緻密な点検・評価の議論、作業というのは、各分科会単位でそれなりの時間をかけて、丁寧にやる手続を踏まないと、年に何回か来て事務局からのお話を聞いて、点検・評価が済みましたということでは、基本計画の持つ重さを考えると、それでは済まないんじゃないかなと思います。ですから、各分科会の中に、教育振興基本計画の、その分科会に属する施策について点検・評価をやる作業部会を設けるかどうか、それとも、分科会の総会のところでもう少しきちっとやるかというのは、技術的なこともあるかもしれないけれども、少し手続として、進捗状況の点検・評価にかかわる生のデータも、そういう各分科会の作業のプロセスの中に乗せて、分科会できちっと議論した上でこの計画部会に出して、そこで全体的にいろいろな角度から総括的にやっていくという、そういう少し丁寧な手続を踏んでいただけないだろうかという思いもあります。事務局のほうでは、その辺はどう考えているのかというのをちょっと聞きたいんですけれども。

【田村部会長】

 ありがとうございます。非常に重要な指摘で。前回も、初中で少しやっているんですよね、この部分を。作業部会の設置ですね。ですから、今回はもう一歩進めていくかどうか。今、お答えになられますか。

【寺門教育改革推進室長】

 よろしいでしょうか。たしか第1回の分科会でも、当時の三村分科会長からそういったお話がございましたので、ご趣旨を踏まえて検討させていただきたいと存じます。

【田村部会長】

 じゃ、小川先生、よろしいですか。

【小川委員】

 はい。前向きにというか、そっちのほうでやってほしいということです。

【田村部会長】

 局長さんの顔を見ていると前向きのようですから、大丈夫でしょうかね。では、よろしゅうございましょうか。その点はそういうことで。
 ほかには。では、森先生、どうぞ。

【森委員】

 これはこの部会の範囲を超えるかもしれないなという気がして、少しどうしようか迷いましたけれども、率直な印象をいいますと、今、各市町村レベルで、義務教育に関して随分新しい政策というか、独自の政策が、本当にすごいスピードで進んで出てきているように思うんです。国の教育振興基本計画の進捗をチェックする部会だから、そこまでやれるかどうかは別の話ですが、私の気持ちからするともったいないような感じがします。
 2つあるんですが、例えば、資料3の2ページで、上から2つ目で、放課後子どもプランの個所数を上回る。放課後子どもプランだけじゃなくて、それに類似したような、放課後子どもプランに当てはまらないんだけれども、地域の実情で、それに類似したものが結構長岡なんかにもあるわけです。それが落ちるのがもったいないなみたいな気がちょっとする。そのレベルのものが1つあります。
 それから、全くここに書いてないようなもので、例えば、事例ですけれども、7ページの教員の資質向上の中で、例えば、私どもがやっている教員の錬成塾というような政策があるんですが、教員OBを6名ほど雇って、マンツーマンで、希望者だけなんですけれども、1年間先生方の資質の向上のためにやっていく政策が抜けているわけです。当然、教育振興企業計画に具体的に書いていないから抜けるんですが。そういうものを、何かもったいないなという感じが、実はしています。
 ですから、これはこの部会で扱うかどうかは別として、今、非常に雰囲気としても、地方の自由度を増やしていただいているおかげで、随分いろいろな新しいのが出てきていますから、それをもっとパワーにされたらどうかなという感じがしております。その点をどうするかについては、いろいろ難しい問題があるかもしれませんが、市町村もつくるわけですからね。市町村が計画をつくったものを、どう文科省でフォローしていくかという問題だろうと思うんですが、そんな観点が1つございます。

【田村部会長】

 これは大変おもしろい視点をご指摘いただきました。これ、お返事なさいますか。後にしますか。ご返答なさいますか。

【清水生涯学習政策局長】

 ある意味で、振興基本計画上に、地方のさまざまな創意工夫も含めてどこまで盛り込めるかという問題と、そして、振興基本計画上このアクションプランは、そのうちのまさに主要な例をどう拾いあげるかということなんですね。したがって、主要な施策という部分で言えば、かなり拾いきれないものがあるだろう。ただ、このことを含めて全体として、ここでご議論をいただきたいと思っているのは、例えば、その目標に関して、アクションプランで掲げたようなものが、それ以外のさまざまな創意工夫も含め、どうやってそういうものを含めてあわせて評価の機軸として、評価の尺度、あるいは評価の対象として、全体として包括できるかという問題なんだろうと思います。実際上は、まさに先ほど冒頭ご指摘がございました、この評価・検証というのをどう進めていくかということとも深くかかわる話だろうと思いますし、また、この当部会だけでできるのかというご指摘でもあろうかと思っております。
 いずれにしても、ちょっと私どもはある部分でいろいろ手探りの部分もございますので、是非いろいろなご意見を賜れればと思いますし、今のことも含めて、検討をさせていただければと思っております。

【田村部会長】

 ありがとうございます。どうぞ、森先生。

【森委員】

 私もこの部会であるかどうかは迷いながら言っていますのでね。文科省さん全体の政策の中でということもあるかもしれませんね。それが1つと、たまたま私ども有志の市町村長が20人ほど集まって、そういういい政策を全部拾って、出版も含めてちょっと活動しようかという動きがありますから、それとタイアップしていただければという意味も込めています。幅広く考えていただければ、大変ありがたいです。

【田村部会長】

 ありがとうございます。それこそまさに、振興基本計画の精神ですから。民主主義というか、総がかりという意味でございますね。ですから、是非生かして進めさせていただこうと思いますが、よろしくどうぞお願いいたします。それでは、井上先生。

【井上委員】

 まず最初は、「教育振興基本計画の進捗状況の点検について(案)」というのを先ほどご説明いただいたのですが、やはり計画について、実際にアクションプラン等で実施して、それを点検して評価するというのは普通の考え方なんですが、今、例えば国立大学法人のそれぞれの中期計画の中の評価するまでは、それは評価対象にならなくて、むしろそれをチェックし改善して、どうそれを具体的にアクションに移すかというのがこういう計画の要諦です。評価しただけで、あとはその後の実践の参考にしますというのではなくて、それを改善して、さらに教育について充実した施策に結びつけていくかという観点を忘れたら、これはちょっと中途半端になって、計画が生きてこないのではないかと思います。その点、点検・評価と言われると、その後チェックして、それを実際に改善してアクションに移すという、そこまで基本計画というのは考えていくべきではないかという点が1点です。
 それから、私、初中分科会や教育課程部会にいてちょっと気になる内容があるので、初中関係について2点ほどお尋ねしておきたいのは、1つは、資料3の5のところなんですが、新しい学習指導要領の実施に伴いまして、その中の真ん中の赤字で、外国語教育のところで、「指導教材として、『英語ノート』等を第5・6学年全児童・学級担任等に配布するほか、これらの教材を活用した実践的な取組を支援」と書いてあるのですが、外国語教育を導入して、小学校ではどちらかというと、教材も確かに重要ですが、むしろネイティブスピーカーによる英語教育を実践して、それで小学校5年、6年に本物の英語で耳をならすため、ALTを増員してほしいというようなこととか、あるいは、実際にALTが確保できないときには、ネイティブスピーカーによる教材でICTを活用した英語教育を実施していくべきではないかというのが教育課程部会の主流だったと思うんですが、これだけ見ると、教材配って担任等でそれを実施しますよと。英語教育の今回の改定による小学校の英語教育の導入の趣旨が、ちょっと違うんじゃないかというのが1点です。
 それからもう一つは、先般も初中分科会で、いじめ等の問題行動の対応について、不登校の問題が議論になりましたが、いじめ、あるいは非行、校内暴力とか、不登校の問題等全体的に考えた場合に、果たしてここに書いてあるアクションプランが、実際に学校現場等で、児童生徒の問題行動に対応する場合に本当に重要な施策かなというのが、どうも気になるのです。調査研究を実施するということはこれは施策ではないので。従来も、いじめ問題についても何度も調査研究会をやっているし、不登校についてもやっていますから。
 そういう点を踏まえて、その次にあるのですが、教員が子ども一人一人に向き合う環境をつくって、それによってわかりやすく楽しい授業にしていって、そして、もし問題が起こったら、適切、迅速な対応を学校現場に求めていく。それが基本的なあり方ではないかと思うので、それが調査研究を実施しますとか、あるいは、スクールカウンセラーを配置しますとなっている。スクールカウンセラーは、平成7年ごろからもう配置してきているわけです。それをかなりの数に拡充はいいのですが、2008年にはスクールカウンセラーを配置しますという計画から、2009年に拡充すると変わっている。実際には、かなり施策が進捗しているような事柄について、こういう表現でいいのかどうか。むしろ数値目標で、例えば、小学校が2万5,000校あって、中学校は1万校ぐらいあれば、どの程度配置する必要があるのか。そうしないと、今まで15年ぐらい施策をやってきて、まだこんな程度ですかということになって、基本計画の趣旨とちょっと違うんじゃないかなという感じがします。
 そういう点について、やはり基本計画は、国民にわかりやすく説明責任を果たしていくような内容にして、基本計画のアクションプログラムとして、本当に国民から見てもわかる内容にしてほしいなと思いますので、その2点についてお願いしたいと思います。

【田村部会長】

 ありがとうございます。非常に大事なご指摘ですが、寺門さんが最初おっしゃったように、これはたたき台ですよね。是非ひとつ、これを今のようなご指摘で充実させていくという方向で。非常に重要なことをおっしゃっていますので、これは是非ひとつ生かしていただきたい。これはご意見をお伺いしなくていいですよね、そのとおりだと思いますので。
 では、いらっしゃらないうちに副部会長に選ばれてしまいましたので、お見えいただいておりますので、ちょっとごあいさつを。

【小宮山副部会長】

 あいさつ?

【田村部会長】

 ええ。抱負なりお考えを。

【小宮山副部会長】

 抱負をやると長くなるので。いいですか。

【田村部会長】

 ああ、そうですか。構いません、どうぞ。

【小宮山副部会長】

 東京大学の小宮山でございます。副部会長ということで選任していただき、どうもありがとうございます。全力を尽くしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【田村部会長】

 ありがとうございます。では……。

【小宮山副部会長】

 意見の資料は持ってきているんですが……。

【田村部会長】

 頂戴しております。

【小宮山副部会長】

 ご発言があるわけですよね。では、その後にでも。

【田村部会長】

 はい。これから順番に。

【小宮山副部会長】

 わかりました。

【田村部会長】

 小宮山先生には資料を頂戴していますので、これはこれで、また後ほど扱わせていただきたいと思います。

【小宮山副部会長】

 ええ。よろしくお願いいたします。

【田村部会長】

 ごめんなさい、角田先生、どうぞ。

【角田委員】

 ありがとうございます。小学校の現場をずっと長くやってきたというふうな立場から、少し小さくなるかと思いますけれども、先ほどのアクションプランの2009年の「教員の資質の向上を図るとともに、教員が子ども一人一人に向き合う環境づくりを進めます」。この方向性というのは大変大事なことだと思いますし、大学教育も大事だけれども、それのもとになる初等教育というのが非常に重要だし、日本はこれを頑張ってきたんだと思っています。
 今回、その大きな(2)の中に3つのことがあるわけですけれども、私はやっぱり2009年のアクションプランであると同時に、ある意味では、方向性というものをもう少し打ち出していく必要があるんじゃないだろうかと感じています。つまり、1番目のところで、教員は子ども一人一人に向き合う環境をつくりますということで、たしかに2009年については、1,000人の教職員定数の改善であるとか、あるいは、非常勤の配置が1万4,000人。これは予算が通ってありがたい話だな、うれしい話だなと思いながら、ゆくゆくの方向性としては、やっぱり教員の定数をきちっと確保していく、改善していくという方向を、もっと高らかに出すことが大事なんじゃないかなと思っておりますので、その辺のことについて、是非またさらにご検討をいただきたい。方向性を盛り込みながら、2009年についてはこうだというふうな形ができるとありがたいなと思います。
 それから、3番目にある、「教員の資質を向上させます」ということについて、1行目のところで、教職実践演習が消えているわけです。これは導入をされるということで消えたんだと思いますけれども、この教職実践演習が導入されて、次にどういうふうに事業の中で現場に則したような教員が育てられるのかということについての追跡だとかチェックが、やっぱり必要なことだろうと思いますので、この辺については、もう導入されたからよしということでなしに、この先のこともやっぱり考えておく必要があるだろうと思います。
 そういう点では、教員の資質ということで、3本柱が教員養成部会のほうで出ていて、免許の更新制もそうなんですが、もう一つ教職大学院というふうな形で、現職教員をまたさらにグレードアップしていく。そして、現場のリーダーを養成するというふうな施策が出てきたわけです。今年度から第1年目が終わって2年目に入るというところなんだけれども、現実にはなかなかいわゆるストレートマスターというんでしょうか、学部卒業生は比較的確保できるんだけれども、現場のある程度リーダーになれるような人の確保というのがなかなか難しい。
 これはなぜかというと、1つは、経済的な問題があるだろうと思います。各都道府県がなかなか財政的な支援ができていないだとか、あるいは、リーダーになっている人が抜けてしまったら、学校としてはとても今、団塊の世代が抜けた後、若い人たちを育てられないといったような問題があって、現職教員を高くしよう、リーダーに育てようという施策で導入された教職大学院構想であるんだけれども、なかなかそれがうまく機能できていないような感じがしているんです。やっぱりもう一つ、何というんでしょうか、出口での処遇の問題と、受けやすいように条件整備をもう少し整えてあげるといったようなことが必要なんじゃないかと思いますので、是非教員の資質向上のところで、1つだけが今、教員の免許の更新制が加わっているわけですが、教職大学院の問題についても、あるいは、教職実践演習のその後のチェックについても、今後とも触れていただければありがたいなと思っております。以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございます。これはまた検討していきたいテーマだと思います。ほかにはいかがでしょうか。どうぞ、菊川先生。

【菊川委員】

 小さなことでもいいということなので、発言させていただきます。6ページでございます。
 「体験活動・読書活動等を推進し、子どもたちの豊かな人間性や社会性をはぐくみます」という項目ですが、アクションプランは、主なものを挙げたという位置づけで、技術的なことがあるのかなとも思うわけですけれども、そこにありますように、1週間程度、子どもたちに自然体験活動をさせる等々の施策というのは、厳しい授業時間数の中ですけれども、大きな流れになってくるのではなかろうかと思っております。
 そのときに、子ども農山漁村交流プロジェクトが上がっていまして、これは関係省庁との連携で大事な施策なわけですけれども、今までの施策の中で、例えば、私どもの国立の青少年施設、あるいは公立の青少年施設というのは、今でもおそらく延べ1,000万を超える子どもたちの宿泊体験を引き受けている老舗でございますので、もし技術的に可能であれば、そういう私どもの施設、あるいは公立施設も、今、公立施設は指定管理者等々進んで廃止に追い込まれているようなところもございますので、私どもとしては、学校が1週間そういう取り組みをする場合、責任を持ってプログラムを組み立てていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいというお願いでございます。

【田村部会長】

 ありがとうございます。これはよろしいですよね。代々木のトレセンなんかも、すごい利用しているんですよね。だから、どこかで取り上げることを考えることも大事だという気がします。
それでは、小松先生、どうぞ。

【小松委員】

 小松でございます。3ページにございます、「キャリア教育や多様なニーズに応じた職業教育の機会」というふうに書いてございますけれども、これに関しまして、子どもというか児童、こちらには児童と書いてございますけれども、そういうお子さんに、勤労感とか職業感を育てるという、本当の目的は何であるか。そして、それがあと何に生かされていくかということを、よく目標とか目的とかを決めないで、今はやられているような気がいたします。
 それはなぜかと申しますと、私のほうも企業を経営しておりまして、地域ということ、それから、産業ということで、かなりの地域の小学生、中学生、もちろん大学生もいらっしゃいますけれども、そういう工場見学がたくさんございます。でも、物珍しくご覧になって帰るというのがほとんどでございます。働いている人の姿を見ることによって、なぜそういうことをしなければいけないか、自分たちが今学校で学んでいる中で、もっとしなければいけないということに気づいていくのであればいいと思うんですけれども、その辺が抜けているような気がいたします。
 そして、インターンシップとかデュアルシステムとか、そういうのもどんどん取り入れてくださいということで、区のほうからも言ってこられますけれども、事業経営をしている中で、お客様の商品をつくって品物として売っている中で、そういう子どもたちが入ってきて、見学をしながら、本当に危ないとかいろいろなこともありますけれども、もうちょっとその辺の目標とかをはっきりしていれば、子どもが将来、学んでおかなければいけないという目的がはっきりわかればいいんですけれども、ただ見ているというだけ。それは大変残念なやり方だなと思っておりますので、今、こちらにございます、三角で書かれた事業の施策として、最後は実施の目標、検証をするという、そこをきちんとして、キャリア教育というのを取り入れていただいたらありがたいと思います。
 そして、社会人として再び学ぼうとかそういうことに関しては、それぞれ大人であって、そういう部分についてはあまり考える必要はなくて、本当にやりたい人はどんどん学んでいくんだと思いますので、小さいときに、なぜ勉強しなければいけないかということを、とことん教えていくのが大事なのではないかなと思います。
 私も、最初の自己紹介のときに申し上げたんですけれども、企業に入ってくる人で、中小企業の本当に町工場であれば、来る方たちの能力というのは、本当に数学ということではなくて、算数さえもあやふやな形で参ります。それを企業に入ってから、企業が教育しながらお客様のものをつくっていかなければいけないという部分を考えたときに、本当に基本となる教育をもっと徹底して、難しいことをやるのではなくて、その辺をきちんとやって、あとはこちらにもいろいろ書いてございますけれども、感性豊かな心、それが一番企業に入ってきて大切なことです。そして、ものづくりの技術とか技とか、それは入ってからとことん学ぶことで、入る前からそんなことに目を奪われる必要はないと私は思っておりますので、その辺ももうちょっと、本当の教育というところに重点を置いて考えていったほうがいいのではないかという感想を持っております。以上でございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。では、引き続いて、実業界のお立場で、遠藤先生から。大変いいご意見を頂戴しましたが。

【遠藤委員】

 遠藤でございます。私は経済同友会で、今、教育問題委員会と、それから、企業経営者と学校の交流活動推進委員会の2つの活動をしております。教育問題委員会では、先般ちょうど1カ月前ですけれども、2月2日に20年度の提言を発表させていただいております。提言の題名は、「18歳までに社会人としての基礎を学ぶ—大切な将来世代の育成に向けて」ということで、「中等教育、大学への期待と企業がなすべきこと」という副題で提言しております。
 同友会で教育提言をしておりますのは、ここ20年ほど、2年に一度ぐらいのペースでやっているわけですけれども、なぜ実業界、経済界が教育界に対してこうしてほしい、ああしてほしいということを申し上げているか。今、小松委員がおっしゃったことと通じているわけですけれども、実際に教育の結果として出てきた人間を受け入れる企業としての、率直な危機感。この人たちと企業の一員としてともに生活し、事業をやっていく。それがこの状態でいいのであろうかというようなことから、いろいろ申し上げていると。ただここ数年は、教育界に、これじゃ産業界としてはたまらんよと文句を言うだけではいけないということで、交流活動といいますか、我々自身が学校の現場に出ていって、できるだけお手伝いをしようかと、できることはやっていこうということでございます。
 交流活動のほうではずっと私、委員長として、田村先生にもお手伝いいただいているんですけれども、今、小松委員が言われました、この中にありますことも非常に私どもの活動に関係しております。学校の現場で、職業の現場に行く、キャリア教育をする。おもしろ半分、物見遊山気分で来るというご指摘もあったのですけれども、私ども、現場に出ていて、学校の先生方、あるいは子どもたちと話しておりますと、そういうこともよく伺いますので、小松さん言われた、働くことの意味、あるいは、小学生、中学生がなぜ勉強しなければいけないのか。勉強と社会とのかかわり。そうしたものをできるだけ話すようにしていっております。
 ここの教育基本計画の中に盛り込まれていることは、抽象的な部分もございますけれども、一つ一つ具体的な活動でもって、それを補完していくということは可能なのではないかなと。同友会のメンバーは約2,000社強ですので、日本全体の企業の数からいけばわずかですけれども、そういうようなことを我々のメンバー企業がやっていくことによって、ほかの経団連、あるいは商工会議所のメンバーに広がっていけば、小松先生言われるような部分の補完ができていくのではないかなと思っております。
 今回の提言で、非常に我々としては自画自賛といいますか、画期的だと思っておりますのは、教育についていろいろ言っているけれども、我々企業にも責任があるんじゃないか。企業にも責任があるというか、企業に責任があるのではないかという問題意識で、ずっとこの1年議論をしてまいりました。というのは、この間のオバマ大統領の演説じゃないですけれども、教育の基本には家庭があると。要すれば、教育のスタートのところで、何かボタンのかけ違いをしているのではないだろうか。家庭があるといいながら、じゃ、その家庭の構成員である親は何なんだろうかというと、我々の企業の社員であろうというようなこと。そして、この社員について責任を持っているのが、我々企業経営者であるとすればというような問題意識で、今回の提言の中で、我々企業としてできることの中に、もちろんキャリア教育の支援だとか、いろいろなことを提言の中に盛り込んできたんですけれども、今回は、企業として、我々の社員が家庭人、親であるということを頭に入れて、そして、例えば教育休暇制度だとか、そういうような形で、もっと社員が教育の現場に身を置く、あるいは頭のかなりの部分を入れていくということをサポートすることを、今回、提言の中に盛り込んでおります。
 これは今回の基本計画の基本的方向の1のところで、社会全体で教育の向上に取り組む、総ぐるみというご説明がございましたけれども、まさしく私ども、そういう問題意識でおります。したがいまして、この基本計画の点検・評価とかいろいろございますけれども、その中で、我々企業としてもお手伝いできることがあれば、具体的にいろいろと行動して、また皆様方に、こういうことをやってほしい、あるいはこういうことをすべきだということがあれば、私どもも積極的に取り入れてやっていきたいなと思っております。以上です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。同友会のレポートは、たしか頂戴したと思うんですけれども、もう一回この部会のメンバーの方にお送りいただけると、大変ありがたいと思います。よろしくお願いします。

【遠藤委員】

 はい、わかりました。

【田村部会長】

 それでは、ほかにはいかがでしょうか。では、曽我委員、どうぞ。

【曽我委員】

 申し訳ございません。この質問をここで申し上げていいかどうかというのはちょっと考えるところがあるんですが、新しい計画の12ページの一番下に、「地域社会全体で子どもの安全を見守る体制の整備をはかります」。前回の部分では、スクールガード・リーダーを全国で約400名増員と。それが「約4,500名を目標に実施」。どのくらいの増員になるのかというのが、1つ数値的にわからない部分と、もう1点は、先般、これは各都道府県で皆さん論議していると思うんですが、子ども見守り支援事業というのが今まで実施されていて、そこでさまざまなボランティアのスクールガードの人たちの育成とか、いろいろな事業をやってきたものが、来年度助成がなくなるということで、それぞれの地域自治体でも、それを復活することは、地方自治体の予算でもできない。いろいろなところがなくなると聞いているんですが、そうなってくると、社会全体で子どもの安全を見守る体制がかなり整ってきたので助成がなくなって、もうその地域で実施できるという状況なのかどうか。この振興計画にこれだけ明確に出ているとなると、その辺は大丈夫なのかなとちょっと思ったものですから。
 今、私自身の県では、PTAとして何ができるかということを、さまざまな施策を考え直しているところなんですけれども、その辺を少しお聞かせいただければ、大変ありがたいということと、もう1点は、その上の段にある、「児童生徒の『情報活用能力』の育成や学校の情報化を推進します」という、インターネットの社会の問題だと思いますが、学校の環境整備が進むことは大変ありがたいんですが、もう一つ、子どもが有害環境の中にさらされている中で、今、さまざまな取り組みを行っているものが、この学校の環境の整備とどのようにリンクしていくのかというのがとても大事で、これからやっぱり大学を出て、学校の先生に入ってこられる方は、少なくとも生まれたときからインターネットの世界を知っている子どもですから、この子どもたちが、そういう有害環境に踏み込まないためには、どういう指導をしていかなきゃいけないか。これは大学での教育、そして、教員免許を取るときに行ってくるところでしょうか。やっぱりその辺の先生方は、これからそういうふうに明示して、そういう教育を受けないといけないというところぐらいまでならないと、ここに至らないのではないかなと思いまして、お話をさせていただきました。よろしくお願いします。

【田村部会長】

 ありがとうございました。具体的なことは後でいいと思うんですけれども、インターネットとか携帯電話の問題が、ちょうど今、ホットなニュースになっていますから、これは十分にご検討いただいて、この中に盛り込んでいただく必要があるんだろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まだご意見いただきたい先生……、ああ、では篠原先生。時間がないので、済みません、短く。どうぞお願いします。

【篠原委員】

 僕、初めての発言ですから。

【田村部会長】

 いや、済みません。では、たっぷりどうぞ。

【篠原委員】

 いやいや、部会長のご指示でございますから。
 今日初めてこの会合に出させていただいて、若干議事の進め方に戸惑いがあるんですけれども、アクションプランの進捗状況の点検というのは、これは2008についてですね。2009はこれからやるわけですから。

【田村部会長】

 そうそう。

【篠原委員】

 その点検・評価と、2009について意見を述べるという、その2つですか。

【田村部会長】

 これは点検・評価のやり方も議論の対象です。

【篠原委員】

 みなさん2009の話ばかりおっしゃっているんですが、2008はほぼこれで、3月で終わるんですね。そっちのほうとの仕分けが、頭が悪いせいか、ちょっと混沌としていまして。そこを教えていただきたいということです。
 それからもう一つは、2009について、中身はちょっと時間がないから申し上げませんけれども、既に予算化されているものが、実際にあるわけですよね。どういう予算化をされているかという資料が別にあってもわかりやすいなと。それから、予算が通った後、追加経済対策を盛り込んだ平成21年度補正予算という話が、おそらく出てくると思います。そこに対して、この関係で、どういうふうに盛り込んでいくかとか、そういう予算の流れがもう一つ見えないので、ちょっと隔靴掻痒な感じがして、さっきから議論を受けとめています。以上でございます。

【田村部会長】

 さすが篠原先生、おっしゃるとおりでありまして、これは是非ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。今日は無理だと思いますけれども。何かお話が。

【寺門教育改革推進室長】

 ご質問がございましたので。まず、前者の点につきましてはご指摘のとおりでございまして、済みません、説明が不十分だったかもしれませんが、2009の重点施策の案についてご審議するのにあわせて、2008の重点施策。これは昨年まとまったわけですけれども、この評価の仕方の部分について、ご謹議を賜りたいというのがございます。改めてよろしくお願いします。
 それから、2つ目のご指摘についても、これも十分配付資料で説明がなってなくて申し訳ございませんけれども、例えば、2008の施策につきまして、具体的にどういった事業でなっているのかという部分についてのご質問だと思いますけれども、机上の配付資料の中で、具体的にどういうものがそれぞれの基本的な方向ごとの施策の重点項目になっているのかという、事業レベルでの参考資料は、一応2008については……。

【篠原委員】

 いや、僕が言っているのは、施策は2009年度予算案に、既に入っているわけでしょう。今、国会に出されている予算案の中に。

【寺門教育改革推進室長】

 それについては、また整理をさせていただきます。

【篠原委員】

 よろしくお願いします。

【田村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、副部会長の小宮山先生に資料をお出しいただきましたので、ちょっとお話を頂戴したいと思うんですが。よろしくお願いします。

【小宮山副部会長】

 いいですか、山本先生。

【田村部会長】

 山本先生、済みません、その次でよろしいですか。

【山本委員】

 はい。

【田村部会長】

 申し訳ありません。

【小宮山副部会長】

 資料の「よりよい教育のために今必要なこと」という、簡単なものですが、六、七枚の資料を用意させていただきました。
 私は今話題になっております、教育重点施策2009(案)というアクションプランを拝見して、これ自体は非常によくわかるし、中身は今、議論していただいているとおり大変立派ですし、今後さらに改善されるんだと思います。教師の質を上げるために数を増やすとか、そういう非常に具体的なことが書いてあるのはよろしいんですけれども、何か背景となるベースというか、いわば基本的方向1、2、3、4のさらに基本となる動かし方というものが、ちょっとよくわからない感じがするんです。
 その、いわば基本的な方向0といったようなものを、こんなものではないかと考えたのがこの資料であります。今、日本の教育というのは、世界的にそんなに悪いわけではないし、20年前だったら、初等中等教育、おそらく世界の誰に聞いても1番というふうに評価を受けた。すでに教育水準は高いはずなので、今の教育をガラガラポンして何かやるわけではないと。そこに、何がいい方向に持っていく鍵かというと、少なくとも3つあるのではないかというのが私の提案です。
 1つは、社会総がかりということです。これは教育再生会議でも出てきた議論でございますが、社会総がかりで初等中等教育、あるいは学校教育をよくしようというだけではありません。先ほど遠藤委員のお話しになったように、企業自体が教育をやっているわけですし、あるいは、親ですとか、地域社会に教育力がもともとあったわけで、そこが落ちてきている。極論すれば、すべての社会の組織というのは教育をしているわけで、その総合力が、日本の人材育成力なわけです。そういった意味でも、社会総がかりで学校教育を支援しようというのと同時に、社会すべてが教育機関であって、うまく連携して、全体の教育力を上げていこうという意味での社会総がかりということです。
 もう一つは、今、ITのネガティブな面が出ていて、これも大変考えなくちゃいけないことであるんですけれども、逆にITのいい面を徹底的に利用するというのは、まだ日本は極めて不十分です。グーデンベルク以来の革命ですので、これをもっと徹底的に利用する方法を考えることが、今までできなかったことができるという意味で、1つの鍵になるのではないでしょうか。
 それから、もう一つは、実験の仕組みということで、教育に関して社会的な実験をしていく。社会人教員なども、その必要性が極めて重要であるということがうたわれながら、なかなか浸透してまいりません。これは東京の小学校の校長先生なんかとも随分お話ししまして、どうして難しいのかということも多少は調べましたけれども、東京の難しさと地域の難しさ。例えば、社会人教員を動員するといいったときに、これは相当間違いなく違うんですね。その他、さまざまなことを小規模で実験していって、うまくいくものを国が大きく全体に広めていくというようなアプローチ。この3つが鍵なんじゃないかと思って、ご提案しました。
 今、申し上げたようなことを実現するための仕組みとして、大学発教育支援コンソーシアムというのをつくりつつございます。これは教育再生会議の最終報告で提唱されているものでして、文科省からもご理解とご支援をいただいているところです。遠藤委員は企業にも教育の責任があるとおっしゃいましたが、総合大学にも責任があるというふうに我々は思ったわけでございます。というのは、環境教育とか、今でしたら低炭素ですとか、高齢化社会という問題が、教育の中に反映されなくてはならないという議論がすぐ出てこなくてはいけないと思っていますけれども、そうなったときに、極論すると、今、研究していることがリアルタイムで小学校の教育まで反映されなくてはいけないということになります。もちろんその反映の仕方というのは、小学校の先生に細かいことを教えろという意味ではありませんし、基本となる教育を徹底すべきという、小松先生がおっしゃったようなものと矛盾してはいけないわけですけれども、総合大学が教育の現場を支えていくということで、大学発教育支援コンソーシアムというのをスタートさせてございます。これが1つです。
 それから、ITの徹底的な利用です。こちらは、東京大学が教養教育、18歳、19歳の子どものための教育に、研究している人たちが直接コミットする方法として、ITを利用しているというような事例です。これを高等学校、あるいは中学、小学校と落としていくためには、もちろん表現はさまざまに工夫しなくてはいけないんですが、相当のことができます。今までの黒板とチョーク、これも重要なんですよ。黒板とチョークは最後までなくならないと思いますけれども、それと併用するICT(information and communication technology)というのはまさに革命で、これは非常に大きく教育を変えます。ここのところが小学校にまで入っていかないと、おそらくいろいろな問題が解決できないでしょう。
 3〜4ページではそんな事例を書いてございます。先生が下手な絵をかいたり、下手な説明を加えたりするのと違って、ほとんど手にとって見られるような形で伝わりますので、ITを活用すると全く違った感覚となります。
 5ページに入っていただきますと、実験ということを申し上げました。これが3つ目です。この実験の仕組みというのはどういう意味かといいますと、日本の教育は、メーンルートとして、そんなに悪いものではない。ただ、これを改善していくために、新しいものをつくっていかないとならないという状況であります。しかしながら、メーンルートをいきなりガラガラ壊したら、先生がついてこられなくなってしまうし、教育システムを本当に壊してしまう。そうでなくて、一部で試行的に実験し、成功例をメーンルートに取り入れる仕組みというものが必要なのではないか。それを大学が果たし得るのではないかというのを基本的な考え方として、コンソーシアムというのをつくってございます。
 2年前、教育再生会議をやっているころから立ち上がりましたので、まだ小さなものではありますが、相当のものができつつございます。5ページの下は、東京大学でつくっている例で、東京大学は事務局を仰せつかろうというふうに考えております。現在は、私が機構長で、副機構長として、三宅なほみ先生という、中京大学におられた女性の研究者、極めて有力な教育学の教員を、東京大学で総長裁量のポストを使って、専任の教授で東京大学にお出でいただきました。彼女に実質的に指揮をとっていただいて、事務組織もサポートとしてつけて動かしてございます。教養教育開発機構とか、工学教育推進機構とか、その他そこにございますような複数の東京大学の仕組みがこちらを支援するという形を、東京大学では整えました。
 それで、最後の2枚の紙を見ていただきますと、7月にキックオフを行ってございます。このときには、前に教育再生会議でご一緒した、京都市長の門川さん、お茶の水女子大学の郷先生、そのほか早稲田大学、京都大学、名古屋大学といったところに、ボランタリーに参加していただきました。今申し上げたような、新しい取り組みの実験を地域の特性を生かして、大学がやるというのは、国立大学は、今のところすべての都道府県にございますので、地域の特性を生かしたやり方というのができるのではないかということで、総合大学というふうにやってございます。
 最後のページを見ていただきますと、もうすぐ3月20日でございますが、いよいよ本格的に、このコンソーシアムをスタートさせることになってございます。最初の考えに戻りますと、日本の中央教育審議会で考えるべきは、日本の総合的な人材育成システムを、どのようにしてうまくつくっていくかということだと思います。その鍵というのは、先ほど申したような意味での社会総がかり、あるいは社会総ぐるみ。それから、今までまだ極めて不十分であるIT、情報技術の徹底的な利用。それから、小さな実験をしていって、それを全体に、地域性も考慮して広めていくような仕組みというようなものではないかと思って、できれば基本的方向と言って列挙しているものの背景の最重要の1つとしてお考えいただけないかというのが、私の提案です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。いよいよおもしろいというか、実は私も、7月の会議に参加させていただきまして、非常におもしろかったんですけど。これから、こういうことがあちこちで動いていくんだろうという気がします。
 特に印象的だったのは、大学の情報科の先生が、小学校の図工の教科書をつくっているんですね。あれはものすごくおもしろかったですね。ほかにもみんなとてもおもしろい試みで、今まで気づかなかったことが随分出てくるので、さすが小宮山先生という感じでした。

【小宮山副部会長】

 図工は、工学教育、あるいは、ものづくり教育の小学校の基本であろうという考え方です。

【田村部会長】

 ということでございます。短くまとめていただきまして、ありがとうございました。
 山本先生、どうぞ。

【山本委員】

 それでは、簡単に。2つほどございます。1つは、2008年の点検・評価のほうですが、資料5の2枚目なんですけれども、先ほど、フォーマットをお示しいただいているんですが、進捗状況はこれでいいんですけれども、もう一つ、ここにあるものをどうやって実現したのか、行ったのかというノウハウを集めていただければと思います。例えば、1番目のところは、ボランティアの登録件数を増やした。どうやって増やしたのか。それから、その下の、学習意欲が高まったいうのがありますが、それはどうやってやったのかとか、教員の負担軽減はどこが負担軽減になったのか、連帯感の形成といったら、何をどう仕掛けてどうやったのか。実は、こういうところを各地の実践している人たちは知りたいわけですよね。ですから、そういうものを集められたら集めて、それを提供していくということが大事ではないかなと思うので申し上げます。
 もう一つは、今の副部会長のお話のコンテクストになるのかもしれませんが、2009年度の案はこれで本当によくやっておられると思いますし、いいと思うんですが、そろそろ日本の国力を考えたときに、高齢者を含めた成人の教育、学習の機会についての体系的な検討が必要になってくるのではないかということでございます。2009年、いきなりそれを出してほしいとかということではなくて、そろそろ検討していく必要があるのではないかということです。これは各府省庁にかかわって、いろいろな教育、学習の機会がございます。教育訓練のものもございますし、いろいろあります。
 それから、今日いただいた2009年のものを見ても、具体的にいいますと2ページのところには、地域に絡んで、成人層、高齢者層のことがありますし、3ページのところでは、再就職を希望する社会人の学び直しがございます。それから、ずっと飛んで11ページには、大学との連携を通じた地域振興の取り組みというのがございます。これらはそれぞれの充実を図って検討をされるわけですが、どうしてもここでやっていると、縦割りというわけでもないんでしょうけれども、縦に縦に深く踏み込んでいって、全体を総合的に見る観点というのが欠けてきてしまうので、振興基本計画のところに立ち戻りながら、これから先、我が国の行き先のことを考える必要があると思います。
 それで具体的に、先ほど申し上げたことをフォローしますと、去年の中教審答申、「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について」という中で出てきているんですけれども、OECDが成人に必要とされる能力の調査をする、PIAACというやつですかね。これに日本も参加することになると思うんです。そうなったときにどうなるかというと、実は、平成13年に、科学リテラシーの国際調査をやって、日本は13位だったんですよ。先ほど副部会長がおっしゃったように、日本の子どもというのはすごいですよね。その当時すごかった。ところがそのときに、日本の子どもはいいけれども、大人はレベルが低いんだとやられたんです。これから先のことを考えると、そういわれたら、国際社会で日本が生きていくときに非常に不利じゃないのか。貿易にしても何にしてもそういうことがありますから、今からそういうことを考えて、高齢者を含む成人の教育、学習の機会の体系的な検討、整備をしていく必要があるのではないか、ということです。
 これは、少子・高齢化社会がこれから進みますから、余計必要になってくると思うんですけれども、我々は今、高齢者のところを、シルバーエイジと言わない。言っていると、皆さん滅入ってしまうので、シルバーエイジで、さらにその後極めるところをやっていただいて、プラチナエイジにしようというような、プラチナだったら、皆さん喜んでやってくださるので、そういうようなことも考えているわけです。いずれにしましても、全体として、そういう長期的な展望に立って検討するところを、そろそろ始めていただけないかということでございます。

【田村部会長】

 ありがとうございます。よろしゅうございますね。
 では、今日お見えになられている先生、必ず1回は発言していただきたいと思っているので、まだ……、はい、どうぞお願いいたします。

【蛭田委員】

 先ほど伺って、ようやく諮問の趣旨がわかりましたので、趣旨に沿って、私のほうから2つだけ。諮問ということでしたので、2008の評価の仕方。まず、ここに書いてある教育重点施策の項目そのものは、非常に結構なことだと思うんですが、まず、評価するときに数値がありきではなくて、やっぱり内容ありきだということを、まずきちんとしておくほうがいいんじゃないかと。例えば、30万人計画をやるというけれども、要はそれぞれの項目の目的をもっとクリアにしたほうがいい。
 例えば、基本計画1の、社会全体で教育の向上に取り組むというときの本当の目的は何だろうかと。例えば、ここには点検指標の、今いろいろある教員の負担を軽減することが目的なら目的だし、それとも、地域の連帯感をやって、教育の何に役立つのかという、それぞれの評価項目の、もともと大きく見た教育の本来の目的は何なのかということとのつながりをもって評価していくほうがいいんじゃないか。そうじゃないと、たまたまある1,800の地域連携の何とかができたから、それが1,700だから達成率何%ということをやっても、あまり意味がない。だから、やっぱりそれぞれの、こういう評価項目は何のためにやるのかというのをまずクリアにして、それに対してどうだったということが、2008年の評価という意味では重要なんじゃないか。したがって、各項目について、端的に言えば、目的をとにかくクリアにしないと、なかなか評価できないんじゃないでしょうかねというのが、評価項目に対する私の考えです。
 次は、2009年の施策についてどうか。項目から見て、これは僕はほとんど異論がないですが、項目一つ一つではなくて、もう少し総合的に見ていく必要があるんじゃないかという気がします。例えば、めり張りのある教員の給与体系というけれども、要は、いい先生を集めていいことをやろうと思ったら、給料高くせんといかんと思うんです。しかし、教育予算が限られたらどうするのという問題と、一方で少子化があるねと。先生が忙しいのは何かというと、いろいろと調査レポートとか、昔に比べると余分な——余分なかどうか知りませんが、いろいろな雑用が増えちゃって、夏休みも忙しい、放課後も忙しいと。そうすると、本当に教育にかかる時間がなくなっちゃっているとか、あるいは、いわゆるクレーマーみたいなペアレンツ対応でもって忙しいとか。そうすると、給与体系の単なる調整枠の変動だけで吸収できるのか。本来は、いい先生を集めようとすると、もっと高い給料にする。しかし、教育予算が限られたら、当然30人学級でいいのかと。そうしたら、もうちょっと人数を増やしたら、雑用をもっと減らさなきゃいかんねという意味での、もう少し総合的に見ないとだめではないか。
 同じように30万人留学生にしても、今、日本の国立大学何ぼあるかわかりませんが、仮に例えばトータル30万人ですから年間8万人ですから、それの入ってくるときの大学のイメージってどうなるんだと。あるいは、何のためにやるんだと。おそらく今のままでやったとしたら、ほとんど中国人が来ると。じゃ、中国の学生の教育を日本がやるということは、どういう意味があるのか。これは僕の単なる思いつきですが、今後の評価項目で、よく検討の必要があるなと感じるのは、そのように一つ一つの項目ではなくて、全体的な相関のある中で、何を目指すのかということをベースに、その関連での評価項目というのを設定していく、あるいは見直していく必要があるのではないかというのが私の意見です。

【田村部会長】

 ありがとうございました。定性的な問題、定量的な問題を相関させて評価しないと意味がないというご議論は、実は前回も侃々諤々やったんですけれども、これを今回、もう1回やるという、大事なポイントだと思いますので、寺門さん、よろしくお願いいたします。
 局長さん、何か。どうぞ。

【清水生涯学習政策局長】

 まさに今、冒頭からずっといろいろご指摘いただいているわけですけれども、全体として、教育関係の施策がそれを具体的なアクションプランとして、それぞれを具体化していくときに、それぞれの施策が相互に関連し、それは時として目的でもあるけれども、手段でもあると。いわば相互のマトリックス関係というものを見ながら、それぞれの施策、施策に個別に分解していくと、定性的、あるいは定量的な評価というのは、ある限界までは可能となるけれども、まだそこのところがもう一つ、今一歩というところがあります。それ以上に、もっと施策相互の相互関係も含めて、この基本計画が、それぞれがいろいろなところでかかわり合っている部分をどう総合化し、そのための指標、あるいは見るべき視点というのをどうするか。
 これは実は、今、私ども事務局のほうで手つかずというのが率直なところで、そういう意味で非常に制約があるかなと。まだ試行錯誤というふうに申し上げたのは、そういう意味であります。そういうことも含めまして、いろいろお知恵とご意見をいただきながら、一歩一歩そこのところを改善しながら、少なくともそういう意味で、PDCAサイクルというものを確立できるような体制に持っていきたい。ちょっとこういう思いでおりますので、是非いろいろなご意見をお寄せいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【田村部会長】

 ありがとうございました。前向きなご意見を頂戴しましたので、私どもも非常に楽しみでございます。
 今までご議論いただいたんですけれども、まだ言い足りないという先生いらっしゃると思うんですけれども、一応順序ですので、地方公共団体における教育振興基本計画の策定状況について、事務局からご説明いただいた後に、本部会の委員であります松川禮子先生から、岐阜県の例をちょっとご説明をいただく予定にしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。なお、この辺は個人的な私の意見なんですが、地方の例は非常にいい例がいっぱいあるんです。でも、国でつくる計画というのは、やっぱり国でなきゃできないことを入れなきゃいけないんだろうと思います。考えてみると、例えば、国際的なことですよね。条約だとか、国連で議論されていることとか、ユネスコの問題とかというのは、国の振興基本計画には入れないと、入れるところがないんです。地方は、そこまではお考えにはないと思いますので、私、個人的にはその部分をこの計画の中に、これから審議の上で、うまく入れていただけるとありがたい。
 今回、学習指導要領の改訂で、ESDというのが取り上げられまして、小中で教科書改訂の文章が載っているんですけれども、ESDなんかは1つの例ではないかと思っていますので、これはこれ以上言いませんけれども、一言申し上げさせていただきました。
 では、松川先生。最初、寺門さんから?
 済みません、まだご発言なさっていただいていない先生がいらっしゃいました。大事な衞藤先生です。ちょっとその話が終わってから、事務局でご説明をお願いします。それから、松川先生ですね。

【衞藤委員】

 先にいいですか。

【田村部会長】

 どうぞ、お願いします。

【衞藤委員】

 済みません。この教育振興基本計画の資料3の1ページをめくりますと、24年度まで矢印が書いてございますが、中期的な計画、最終的には24年度に終わる時点までに、また全体の評価ということが必要になるわけです。そうしますと、毎年のアクションプランというものが、各年度で積み重ねになっていくと思うんですけれども、そこら辺がちょっと見えないというようなところがあります。これは先ほど手探りでというようなお話もあったので、まだこれからということもございましょうけれども。例えば、2008年と2009年を見ても、かなり変わっているところもあったりしています。
 例えば、資料3の12ページ、基本的方向の4で、「子どもたちの安全・安心を確保するとともに、質の高い空間で学び、生活できるよう、教育環境の整備を推進します」のところで、その一番下の、「地域社会全体で子どもの安全を見守る体制の整備を図ります」というところは、スクールガード・リーダーの配置とかいうようなことの後に何を考えるかということがあります。学校保健法が一部改正になって学校保健安全法になったりとか、安全計画ができたりとか、そういうような流れの中では当然想定されることはあるはずでありますので、そういった中期的な目標を視野に入れながら、やっぱり総合的に改善の方向を図っていくということか必要ではないかと思います。

【田村部会長】

 どうも失礼しました。今のお話は非常に重要ですので、よろしくお願いしたいと思います。

(3)地方公共団体における教育振興基本計画の策定状況について

【田村部会長】

 では、寺門さん、ご説明のほうを。

【寺門教育改革推進室長】

 それでは、資料7をご覧いただきたいと思います。議事の、地方公共団体における教育振興基本計画策定状況ということでございまして、ご案内のとおり、改正教育基本法におきましては、地方公共団体におかれましては、国・政府の教育振興基本計画を参酌し、地域の実情に応じて、地域における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めなければいけないということが新たに規定されてございまして、当方事務局におきまして、今年2月の時点で調査をいたしました結果の概要が、ご覧のとおり資料7に記載してございます。
 都道府県・政令指定都市からの回答によりますれば、今年1月までに基本計画を策定済みと回答したところが11。それから、2.でございますけれども、今後、既存の計画の見直し、新たな計画の策定予定というところが49。さらに、その中の内訳でございますけれども、新たな計画策定予定が25、既存計画の見直しが24。また、未定、検討中というところが4というような状況になってございます。また末尾には、参考までに、市区町村の状況についてお示しをしているところでございます。
 以上でございます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。いよいよ全国的に動き出したという感じなんですが。では、松川先生、よろしくお願いします。遅くなって済みません。

【松川委員】

 岐阜県教育委員会の松川でございます。お手元に大変分厚いものを用意させていただいておりますが、これは私ども「岐阜県教育ビジョン」と申し上げておりますけれども、教育振興基本計画の本体でございます。概要版、またはリーフレットが作成中でございますので、大変大部なもので恐縮でございますが、今日はこれを使わせていただきまして、ごくごく概略を説明させていただいて、国の教育振興基本計画のどの部分を参考にさせていただいたかというようなことについても、若干触れさせていただきたいと思います。
 まずお手元の冊子の1ページをお開きいただきたいと思います。この計画の位置づけでございますが、本県におきましては、平成13年につくりました計画があったわけでございますが、策定以来7年あまり経過しておりますし、ご承知のように、平成18年度に、他県もそうだと思うんですけれども、本県におきましても、中津川殺人事件とか、いじめ自殺だとか、あるいは未履修問題等々、さまざまな教育問題が起きまして、それも1つの大きなきっかけになりまして、平成19年から、お手元の冊子の一番後ろのほうに名簿がありますけれども、「明日の岐阜県教育を考える県民委員会」を組織いたしまして、およそ2年ぐらいにわたりまして、新たな教育ビジョンの策定に取り組んでまいったわけでございます。
 その間、当然国の教育振興基本計画のこの部会の議論をフォローさせていただきましたし、最終的な国の教育振興基本計画も参考にさせていただきまして、昨年12月に県議会でお認めいただいてできたものでありまして、県全体の総合的な教育施策であると同時に、教育基本法17条に基づいて策定する、岐阜県の教育振興基本計画という位置づけでございます。岐阜県は、現在県民人口210万人なんですけれども、約30年後には、これが160万人に減少するということが推定されておりまして、また、小・中学生の数も、30年後には約半減するということが推計されている中で、県自体が長期構想を立てているわけですけれども、そういうものとも整合性を図りながら、教育委員会だけではなくて、知事部局と相互連携してつくったものでございます。
 3ページからの第2章は、岐阜県教育の現状と課題をまとめたものです。大体全体会7回、分科会24回にわたりまして、岐阜県教育の総点検を行っていただきまして、学力の状況から、体力から、インターネット、携帯電話、それから障害のある子どもの教育、外国人児童生徒の状況等々、分析したものでございます。
 11ページに、人口減少社会における教育課題ということで、それぞれの学校段階の子どもたちがどのように減っていくのかということ。それから、12ページのほうでは、教員の大量退職が始まっておりますけれども、現在の教員の年齢構成を示しています。これがやはり、本県の教育を考える基礎データでございますので、こういうものをもとにしながらつくったということでございます。
 13ページからが基本的な考え方でございまして、13ページの真ん中に、岐阜県が目指す人間像というところで、地域社会人というのは、一種の造語でございますけれども、やはり急激な人口減少時代を迎えていく中で、岐阜県という地域を支えていく人材をどうやってつくっていくのかというところが基本でございまして、そういう意味では、皆さんにいろいろ議論していただいた中で、「高い志とグローバルな視野をもって夢に挑戦し、家庭・地域・職場で豊かな人間関係を築き、地域社会の一員として考え行動できる『地域社会人』」というのを、岐阜の目指す人間像として掲げさせていただいたわけでございます。
 恐縮でございますが、この冊子の一番最初の表紙のところをお開きいただきますと、このビジョンの副題といたしまして、「豊かな自然と人の絆がはぐくむ夢と志」というふうに述べさせていただきました。本県の特徴は、森林面積が県土の82%。それから、清流、長良川に代表されますような、大変豊かな自然環境を持っているという利点と、それから、山岳地帯が多いということ、人口過疎地域も非常に多いというところで、極端に都市部に子どもたちの人口が集中し、地域社会といっても崩れていく中で、やはり人とのきずなとかつながりというのを、キーワードとして考えていくということになっております。
 続きまして、14ページに行きまして、この中で強調している3つのうちから、自立力、共生力、自己実現力ということを、大きな基本理念の中に据えさせていただいております。これは教育振興基本計画、国のものの中にも幾つか出てきているタームでございますけれども、これを基本的な考え方として取り入れております。
 16ページからは政策の基本方向というので、これも大きく基本方向、目指す人間像を実現するために、どのように施策を展開していくかの基本的な方向性として2点挙げさせていただいております。確かな教育力で県民の期待に応える学校づくり。これは幼児期から大学まであるわけですが、後ほど申し上げますように、国の教育振興基本計画では、高等教育についてかなりスペースを割いておりますけれども、本県は、いろいろ議論しまして、対象とするのは、幼児から高校卒業までというのに限定しております。大学教育についても、岐阜県は県立大学として、1つ県立看護大学というのを持っております。地域における高等教育の役割というのは、その県ごとにかなり違うところがありまして、医師不足の問題とか、看護力不足の問題等々に地域の大学が果たす役割というのは重要なものがあるわけですが、今回のビジョンの中では、ここについては特に触れませんでした。それから、生涯学習についても、これは前年度に、県全体の生涯学習基本計画というのが別個できておりますので、これについても、このビジョンの中では軽くしか扱っておりません。
 基本方向1では、幼児期から高校、大学に入るところまでの縦の流れの中で、それぞれの校種がどう連携しながら、きちんと学校をつくっていくのかというところに重点が置かれております。これも簡単に申し上げますと、幼児教育の実態についても、都道府県によってかなり違いがあると思うんですが、幼稚園ではなくて公立保育園が非常に多いというのが、本県の幼児教育の1つの大きな特徴になっております。
 それから、18ページに参りまして、基本方向の2といたしましては、国でも社会総がかりというようなことが言われておりますけれども、県民総参加教育というような言い方をいたしまして、ふれあい豊かな地域で子どもたちをはぐくむ「県民総参加教育」と同時に、やはり地域づくり、教育コミュニティづくりというのも、同時に進めていかなくてはいけない大きな点だと思っております。それから、これは第2章の現状分析の中で、子どもたちの自己肯定感が非常に低いということが1つの課題になっておりまして、自己肯定感の育成には、学校教育だけではなくて、子ども自身が地域のさまざまなところで、それなりに活躍して認めてもらうということが非常に大事だということを取り上げております。
 20ページからですが、いろいろ課題はありますけれども、大きく重点目標を7点掲げさせていただき、そこにそれぞれ重点とする施策というのが、7つの重点目標に対して44本の重点施策という、やはり県レベルで見ても網羅的なものになっております。もう少し焦点を絞ればいいという考え方もありますが、やはり教育、人づくりということに関しては、これも重要だ、これも重要だということになりまして、やや網羅的になっておりますが、7点の重点目標と、44本の重点施策を並べさせていただいております。
 それぞれにつきましては、ずっと飛んでいただきまして、30ページから、それぞれの44本の一つ一つの施策につきまして、おおむね見開き2ページで、現状、課題、今後の取り組みの基本方針、それから右側に、取り組むべき施策というのが整理されております。それがずっと後ろのほうの116、117ページ、重点目標7、生涯学習の推進というところまで、7つの重点目標に対しまして44の基本施策というので並べさせていただいております。それぞれの細かい点については省略させていただきます。
 国の教育振興基本計画でも、特に重点的に取り組むべき施策というのを別個取り上げておりますが、戻っていただきまして24ページのところから、今後5年間に特に重点的に取り組むべき施策というのを整理いたしまして、最終的に24ページから28ページまで、15の施策につきまして、特に重要というふうに掲げさせていただいたところでございます。
 それから、ずっと後ろのほうなんですが、今日もお話が出ておりましたことでございますけれども、120ページのところに、これは計画期間は21年から25年まで5年間ということになっておりますが、第5章の120ページのところで、これを今後県民にどのように周知していくかということと、それから、目標設定に基づいた進行管理を行うということで、外部有識者からなるフォローアップ委員会を設置して、進捗状況をフォローしていこうということを考えているところでございます。
 それの1つ前ですけれども、118ページ、119ページのところに、主な施策の目標水準というところで、幾つかのものについて、現況値、目標値というところで挙げさせていただいております。この部会でも議論されたところでございますけれども、なかなか定量的なものを出すのが難しいものが、実際には非常に多うございます。それで、いろいろなものが出ておりますけれども、ここの数値というのは、今年に至るまで、従来からフォローしてきたものの数値をもとにいたしまして、5年後、大体ここら辺というところで出しておりますし、従来指標がなかったものについては、矢印だけで向上だとかというような言い方をしてあるものもありますが、なかなかここをつくるのも大変苦労したというのが、実際のところでございます。
 以上、簡単な概要でございますけれども、本県の教育も、教育基本法の精神にのっとり、学校教育法などの教育関連諸法に基づいて行われるものでありますことから、本県には本県なりの特徴もありますけれども、その内容において、ある意味では必然的に、国の教育振興基本計画と大変似通ったものになるという側面を持ち合わせております。しかしながら、特に振興計画、国のものを参酌させていただいた点は、大きく4点でございます。
 1点は、目指す人間像でございますけれども、これは教育振興基本計画の掲げる人間像を念頭に置きつつ、本県の実情を踏まえて、新たに地域社会人の育成という点を付加したという点が特徴でございます。それから、国の教育振興基本計画の中の基本的な方向性というもの。特に国の教育振興基本計画で、今後10年間を通じて目指すべき教育の姿として、(1)、義務教育修了までに、すべての子どもに自立して社会で生きていく基礎を育てること。
 (2)として、社会を支え発展させるとともに、国際社会をリードする人材を育てるということが提示されておりますけれども、ここの特に(1)の部分の下位目標でありました、公教育の質を高め、信頼を確立するという点と、社会全体で子どもを育てるという視点を、県の中では基本的な方向性の2つとして重視させていただいております。
 それから、(2)としての、社会を支え発展させるとともに、国際社会をリードする人材という点では、特に高等学校における教育の質の保障というところをかなり重視させていただきまして、そこのところを重要施策の中で取り上げているところでございます。あと、国の重点施策として取り上げられている項目は、かなりのものが岐阜県におきましても取り上げてやっているところでございますし、その中でも特に、地域ぐるみで子どもたちを学校支援し、子どもたちをはぐくむ活動の推進であるとか、キャリア教育、体験活動の重視・読書活動の推進、不登校の子どもの教育機会についての支援等々は、本県におきましても、特に重点的に取り組むべきものとして取り上げさせていただきました。
 それから、これは計画のつくり方でございますけれども、どうしてもやや網羅的になるので、先ほど申し上げましたように、今後5年間に特に重点的に取り組むべき施策というのを、15項目にまとめて明示するというスタイルも、同じようにとらせていただいたところでございます。
 以上、簡単でございますけれども、今後のフォローアップについて、本日の会議の議論も伺いながら、1点だけ申し上げたいところは、やはりこれを今後どういう形で評価し、フォローアップしていくかというところの視点で、これは県レベルで考えても、基礎自治体として、県の中でも市町村というのがあるわけですけれども、これがすべての市町村、基礎自治体において、均質的にある程度整えていくということが問題になっているものと、それから、やはり現実に、特定の地域に課題があって、これは県のレベルで見ても、特定の市町に課題があるところがあるわけです。国レベルで見ても、多分、岐阜県で問題になっているところが東京では問題になっていないというところは当然あるわけでして、やはり均質的にある水準までは持っていかなくてはいけないというものと、現状においてかなり差があって、ある特定の地域にしかない課題について、やはり分けてフォローアップしていく必要があると思います。
 後者につきましては、特に定点観測的な意味で見ていく必要があろうかと思います。どこの自治体においても、均質的にある程度のレベルを上げていかなくてはならないものについては、従来から国においてもデータをとっていますし、都道府県レベルでも提供しているところでありまして、それについては、比較的データは多くても問題はないと思うんですけれども、問題は、課題が地域によって違うものについて、どういう形で今後取り上げていくのかという手法なのではないかということで、これは当県におきましても同じような課題だということで、今後考えていきたいと思っているところでございます。
 以上、簡単でございますが、報告させていただきました。

【田村部会長】

 ありがとうございました。大変いいお話を頂戴したと思っております。
 それでは、ただいまの事務局からの説明及び松川委員のご発表について、ご意見、ご質問等、まだちょっと時間がありますので、どうぞ。いかがでございましょうか。遠藤先生、どうぞ。

【遠藤委員】

 松川さん、ありがとうございました。私、先ほど申し上げましたように、交流活動をやっていまして、岐阜の中学が東京に修学旅行に来たときに、我々に依頼があるんです。同友会のホームページを見て依頼が来るんですけれども。私も瑞浪中学と多治見中学という2校行っているんですけれども、日本青年館に夕食が終わった後に行くんですね。それで、非常にすごいというか、私どもの経験からすると、中学2年生の後半だと思うんですけれども、受講態度といいますか、質問といいますか、理解力というのか、協議等立派なんです。私、東京の中学でずっと授業をやっているものですから、何でこんなに違うのかなという感想を持っていて、今、同友会の仲間と、すごいね、岐阜の中学の子どもたちは何なんだろうねと。でも、この子たちを見ていると、日本もまだ大丈夫だなという感じを感想で言っていたんです。
 今、松川さんのお話を伺っていて、非常に具体的に、先生の意欲といいますか、あるいは家庭の問題も含めてやっておられるのかなと。私どもが、岐阜の中学生の修学旅行で、授業のお手伝いをしていて感じたこと、疑問が、今、松川さんのお話を伺ってわかりました。こうした活動を、多分各県でやっているんだと思いますけれども、地方でできること、できないこと、あるいは東京でできること、できないことというお話がございましたけれども、いいところはどんどん全国レベルで取り入れていくのがいいのかなという感想を持ちましたので。

【田村部会長】

 ありがとうございました。非常に勇気が出ました。
 森先生、どうぞ。

【森委員】

 市町村の立場からしますと、先ほどおっしゃった、市町村固有の問題というのは結構あるわけで、その地域による違いというものがすっかり意識されて、全体の教育論につながるということは、すごく大切なことだと思っています。
 特に私の印象では、東京とか大都市の傾向をとらえて、国のほうで議論している傾向が強いと思うんです。そこがまず間違いのもとだと思っているんです。今おっしゃったように、長岡のことで言えば、まだまだ大丈夫だと。教育再生会議が言っているようなことはありませんよと言いたいんですよね。そこのところが本当に間違えていますね。地域差があります。それから、子どもの個人差ということが、私は実際見ていますと、子どもの一人一人の顔を浮かべて、教育の目標は全然違うような気がしているんですね。そこも抽象化されていますでしょう。抽象化された結果、生きる力というような、あまりはっきりしない目標を立てられますよね。生きる力というのは、どういう力かなと、僕、思うんですけどね。長くなるから、もうやめますけれども。

【田村部会長】

 いや、大丈夫ですよ。

【森委員】

 人を蹴落としても生きる力を言っているのか、共同して生きる力を言っているのか、そこがもうあいまいでしょう。すごく大事なことなんですよね。だから、私はよく、幸せに生きる力といったら、もっとはっきりするとよく言うんですよ。幸せに生きるためには、もっと具体的にイメージが湧いてまいります。それから、もっと言えば、友達を多くつくって幸せに生きる力というと、もっとはっきりしたイメージになりますね。そのことは蛭田さんのおっしゃったことと共通していると思うんですよ。手段に拘泥して、目標理念がおろそかになっている傾向は、僕はあると思うんです。
 目標理念を明らかにしていくと、地域差とか、個人差というのが非常に鮮明に出てまいります。そのことだけちょっと申し上げておきたいんで、市町村でもってしっかりと基本計画を立てることと、それから、小宮山先生が言われた、小さな実験の積み重ねは、市町村はもうすごくやっていますよ。本当にいろいろなことをやっています。玉も石もあります。とんでもない石もあります。だけど、すごくいい玉もあるんです。それを文科省じゃなくて、文科省が市町村の独自政策を評価する仕組みをつくる。文科省が評価しちゃいけません。仕組みをつくって、その中でいい政策を全国に広めていくということをやることは、私は、小宮山先生がおっしゃったことに通じると思っていますけれどもね。小さな実験をして、それを広げていくということを、是非やっていただきたい。この部会から離れるかもしれませんけれども、強く申し上げたいと思います。

【田村部会長】

 非常に大事なことをご指摘いただきました。そういうことは、この部会でしか言えないんですよね。ですから、この部会から離れてはいないと思います。
 それでは、あとまだ5分。どうぞ、小川先生。

【小川委員】

 岐阜県の報告は、非常に勉強になりました。私は、県の状況は自分でまだフォローしていないんですが、まだ策定状況が1けたである、市レベルの作成については幾つかインタビューしたり、いろいろ今、調査を始めているんですが、市レベルの大きな自治体は、従来も中期計画をつくっていますので、国の基本計画を参酌しながら、自治体独自の基本計画をつくるという新しい仕組みの中で、中身自体は従来の中期計画とそれほど大きな差はないんだけれども、明らかに教育行政の手法が変わりつつあるなというのを、幾つか自治体をヒアリングしていて感じ取りました。
 1つは、教育長さんのヒアリングで、自治体の振興基本計画をつくる際は、国の基本計画があることが、従来も首長とか首長部局が協力的な自治体だったと思うんですけれども、首長ないし首長部局の協力連携が非常にやりやすくなったというか、いい追い風になったというか、非常に手法としてはスムーズにできるというようなことを、共通して教育長さんがおっしゃっていました。
 それと、教育行政の手法ですが、従来も中期計画をつくるときには、いろいろ現場からのヒアリング等々もやっていたと思うんですけれども、今度の振興計画作成の場合、5年間のPDCAサイクルというようなことをベースにしていますので、当然教育委員会がそういうふうなPDCAサイクルをやるということは、学校現場を含めた教育現場も、PDCAサイクルをきちっとやることになるため、自治体レベルの基本計画づくりでは、学校や教育現場から積み上げて、自治体の振興計画に集約していくという発想を大切にする姿勢が出ていることや、学校支援事業型の計画を中心に据えながら基本計画をつくったとか、また、データ収集に、従来にも増して努力するように進めているという、そういう教育行政の手法に非常に大きな影響を、この振興計画づくりはもたらしているのかなという印象を、この数カ月、いろいろな自治体へのヒアリングをして感じました。

【田村部会長】

 ありがとうございました。やっぱりこういうことは積み重ねなんですね。積み重ねで確実に成果が出るということを、今、小川先生からお聞きして、本当にそう思いました。ありがとうございます。
 そろそろ時間でございますが、あと二、三分ありますけれども、何かこれだけは言っておきたいという。私は言いたいことを申し上げましたので。よろしいでしょうか。篠原先生、よろしいですか。

【篠原委員】

 中途半端になるから、また次に。

【田村部会長】

 いや、そんなことは。次は大分先になるものですから、おっしゃってください。

【篠原委員】

 ああ、そうですか。ちょっと感想じみた話になりますけれども、私がよくわからないのは、今、教育再生懇談会というのがありますよね。私もたまたまそこの委員をやっているんですが。そういうものとの絡み方がどういうふうになっているのか。
 例えば、先ほど小宮山先生からITの話がございましたけれども、再生懇談会では、子どもの携帯電話の所有をできるだけやめましょうという方向を打ち出しているわけで、それとどういうふうにITの教育というものを結びつけていくかとか。あるいは、一番最初に出ましたけれども、小学校5年生から英語を教える新学習指導要領。教育再生懇談会では、これを落として、3年生ぐらいからやったらいいんじゃないかというのが、たしか第1次報告に入っていたと思います。これは一例ですが、再生懇談会は再生懇談会で、総理官邸がやっているのは総理官邸で、文科省の中教審は中教審でというようなことが、今まではやや多かったように私は感じているんです。教育再生会議はそうじゃなかったと思います。教育再生会議を受けて、中教審がいろいろやられているわけで。
 施策を展開するに当たって、各機関がもう少し有機的に結びついてやる必要があるんじゃないでしょうか。再生懇談会でやっていたら、文科省からそれに関してこういう指示が突如出てきたとか、時々わからないときがあるんですよ。これは中教審だけの問題ではなくて、政府全体の問題だと思います。政府部内でもう少しいろいろ整理しながらやっていくことが、より大きな力を生むんじゃないかなと。あれは向こうが勝手にやっているんだというふうにならないようにお願いしたい。私もたまたま両方兼ねていますので、是非そういう立場からも、これから意見を述べさせていただく機会を持てればと思っております。時間を与えてもらって、ありがとうございます。

【田村部会長】

 いえいえ、ありがとうございました。
 それでは、これで時間になりましたので、本日の部会はこれまでとさせていただきます。本日の議事に関することでお気づきの点がございましたら、後ほどで結構でございますので、事務局までご連絡くださるようお願いいたします。文章でご提出いただければ非常に参考になりますので、よろしくお願いします。
 なお、今後の日程等については、改めて事務局を通して連絡をさせていただきます。それでは、本日は……。何かおっしゃいます? よろしいですか。局長さん、よろしいですか。何かございますか。せっかく次官いらしたんですから、一言。

【清水生涯学習政策局長】

 次にアクションプランの2008の検証評価というのが待っていますけれども、そういう会議をお願いしなければならないということでございますが、日程は、また別途調整させていただきますし、またそのことに関連して、お気づきの点、あるいはこういう点もということがございましたら、事務局に是非お寄せくださいますようにお願い申し上げます。

【田村部会長】

 ありがとうございました。それでは、次官、よろしくお願いします。

【銭谷事務次官】

 今日は、遅れて参りまして失礼いたしました。基本計画部会、今日は第2回ということですけれども、新しいメンバーでは、実質的に今日田村先生を部会長にご選出をいただき、初めての会議でございまして、昨年つくりました教育振興基本計画のフォローアップ、それから、次の基本計画に向けての下準備ということで、これから先生方に大変お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、各都道府県、市町村におけるそれぞれの振興基本計画の進捗状況について、今日ご報告させていただき、また具体例を、岐阜県の松川先生のほうからご報告をいただきまして、大変ありがたく思っております。こういう基本計画は、国よりも市町村、都道府県のほうが、実は全体計画としては、それぞれの県、市の教育ビジョンといったような形で先行した部分もございまして、今回の国がつくりました教育振興基本計画は、教育基本法に基づいて初めて国としてつくったものでございます。これまでの県、市のいろいろなビジョン、あるいは計画というのも、おそらくこれから国がつくりましたものを参酌いただきながら、大いにこれから改善、充実が図られるんじゃないかと、私どもとしては期待をしておるところでございます。
 それから、もう1点でございますが、教育再生会議、あるいは教育再生懇談会との関係につきましては、これもいろいろなところで言っているわけでございますが、政府一体でございますので、私どもとしては、再生会議、特に第1次報告を受けての教育3法の話ですとか、あるいは、再生懇の3次にわたるこれまでの報告等を受けて、必要な事項は中教審でもご審議いただきますし、省として速やかに実行すべきことは実行していくということで、一体として取り組んでいきたいと思っているところでございます。
 計画部会につきましては、今、生涯学習政策局長からお話がありましたように、今後ともまたいろいろご審議いただく事項がございますので、ひとつ息長く、その点はよろしくおつき合いのほうお願い申し上げます。ありがとうございました。

【田村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきたいと思います。長い時間、ありがとうございました。

── 了 ──

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生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成21年以前 --