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教育振興基本計画部会(第1回) 議事録

1.日時

平成20年12月2日(火曜日)14時〜15時45分

2.場所

都道府県会館 101大会議室

3.議題

  1. 部会長の選任等
  2. 教育振興基本計画の実施について
  3. その他

4.出席者

委員

(委員)
三村部会長、田村副部会長、安西委員、岡島委員、金子委員、菊川委員、郷委員、角田委員

(臨時委員)
井上委員、遠藤委員、小川委員、曽我委員、蛭田委員、松川委員、山本委員

文部科学省

玉井文部科学審議官、森口官房長、清水生涯学習政策局長、磯田研究振興局長、山中スポーツ・青少年局長、合田総括審議官、布村文教施設企画部長、徳久大臣官房審議官、戸谷大臣官房審議官、惣脇生涯学習総括官、栗山生涯学習政策局政策課長、寺門教育改革推進室長

5.議事録

※栗山生涯学習政策局政策課長より、出席者の紹介

(1)部会長の選任等

・部会長として三村委員を選任及び、副部会長として田村委員を指名
・会議の公開を決定

【三村部会長】

 それでは、ここで玉井文部科学審議官からごあいさつをよろしくお願いいたします。

【玉井文部科学審議官】

 文部科学審議官の玉井でございます。
 一言ごあいさつをと思いますが、まずは、それぞれがご要職にあられ、お忙しい方々がこうして委員を引き受けていただき、大変ありがたく、改めて御礼を申し上げます。
 この部会でございますけれども、一昨年の平成18年12月にいわゆる教育基本法が約60年ぶりに改正となりました。この教育基本法の中に教育振興基本計画を立てるという条項が盛り込まれたわけでございまして、これに基づき、昨年2月に中央教育審議会に教育振興基本計画特別部会が設けられ、そこで精力的なご審議をいただきました。当時から三村部会長には大変お世話になり、多くの方々の大変な議論を踏まえて、本年4月にご答申をいただきました。このご答申を踏まえながら、政府全体としての議論や与党での議論を重ねながら、本年7月1日付で、我が国初めてになりますけれども、教育振興基本計画が閣議決定され、そして、国会報告もさせていただいたところでございます。
 この基本計画を着実に推進するということが何よりも大事になってまいりました。そこで、今年の9月11日でございますけれども、中教審の総会におきまして本部会を設けて、ここできちんとした議論を積み重ねながら着実な推進を図っていこうということになったわけでございまして、そして、その第1回の部会を開かせていただいているところでございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 既に振興基本計画では10年先を見据えながら、当面5年間に取り組むべき具体的な施策ということで、平成20年度が最初の年にあたりますが、もう最初の年のほぼ半ばを過ぎてきたというところでございまして、21年度におきましては、今、予算編成をちょうどやっている最中でございます。
 基本計画を何よりも大切に思いますのは、これがそのねらいどおり効果的に着実に実施されているかという点検だろうと思いますし、またその評価であろうかと思っておりますので、そういう意味におきまして、この部会におきまして、この点検、評価というものを中心にご議論いただければ大変ありがたい、と思っているわけでございます。
 それぞれお忙しい中でございますけれども、何とぞご審議をよろしくお願い申し上げます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 私からも一言だけお話ししたいと思います。
 しばらく前の、あの白熱した議論をまだ思い出します。これは初めての中期計画でありますので、これをどうフォローアップするかは非常に大切だと思います。何人もの委員の方から、数値目標をつくることによってフォローアップをやりやすくしようじゃないか、というご意見が出ました。
 したがって、今後の課題は、数値目標といったもののフォローアップは比較的簡単なんですけれども、そうでない定性的な目標もたくさんあるわけでありまして、項目は幾つだったでしょうか、こういうものに対して、どういう内容でこれをフォローアップしたらいいのか、ということが非常に大切な項目だと思います。後ほど文科省の方から、いろんな議論をしていただいたんだと思いますが、1つのアイデアが出てまいりますから、今日の議論はこのフォローアップの項目をどうしたらいいのか、に集中して、今日全部議論が出なくてもいいと思いますから、また来年の2月頃再開すると思いますから、そのときまでに、いろんなご意見がありましたら、ここを固めた上で、今後5年間、これに基づいてフォローアップする、という流れになると思います。
 いずれにしても、PDCAを回すのは、いや文科省はよく知りませんけど、初めての試みだというふうに聞いておりますので、我々は初めてのことをこれからやり遂げようとしているわけなので、委員の皆さんのご協力、是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、議事を続けさせていただきますが、次の議事は、教育振興基本計画の実施についてであります。まず本日の配付資料の説明とともに、教育振興基本計画の実施につきまして、事務局から説明をよろしくお願いいたします。

(2)教育振興基本計画の実施について

【寺門教育改革推進室長】

 それでは、説明をさせていただきます。
 本日の配付資料につきましては、1枚目、議事次第に一覧を掲げてございますので、ご利用等ありますれば、何とぞお申し出ください。
 本日主にご議論いただきたい資料を中心に、以下ご説明申し上げますが、2点でございまして、まず最初は、平成20年度教育振興基本計画アクションプランとその点検指標で、2つ目は、本部会の今後のスケジュール、この2点と相成ります。
 まず最初に資料5でございますが、「教育重点施策2008〜平成20年度教育振興基本計画アクションプラン〜」の資料をご覧いただきたいと存じます。このアクションプランにつきましては、教育振興基本計画——なお本日配付資料で、資料3にその本体の冊子を、また、資料4でその計画のパンフレットをお配りしてございますけれども、この計画を踏まえまして、各年度において具体的に何を中心に取り組むかということについて、アクションプランとして重点施策を取りまとめ、公表するという趣旨で、今般新たに作成することといたしたものでございます。
 本年度のアクションプランの構成、項目につきましては、この振興基本計画に示されました4つの施策の基本的方向に沿いまして、具体的な事業等を記載する体裁をとってございます。
 次に、資料5、アクションプラン、2ページをお開き願いたいと存じます。この2ページ以降がこのアクションプランの具体の中身となるわけでございますけれども、各ページごとに破線部の左側には重点施策を、破線部の右側には、点検に当たって参考とすべき指標(案)を記載してございます。この点検指標(案)を設けた視点といたしましては、ただいま三村部会長からもお話がございましたとおり、この振興基本計画の中、具体的には資料3の冊子の一番最後のページになるわけでございますけれども、そこに記載がございますけれども、基本計画の第4章の「施策の総合的かつ計画的な推進のために必要な事項」の章の中の(5)で、進捗状況の点検及び計画の見直しという項目が立ってございまして、その中で、「教育振興基本計画を効果的かつ着実に実施するためには、事業量指標だけではなく、成果指標による定期的な点検とその結果のフィードバックが不可欠である。このため、関係府省は、毎年度、自らの施策の進捗状況について、点検を行う必要がある。」とされていることを踏まえまして、事務的にはまだ検討途上過程のものではございますけれども、現段階のものを案としてお示ししているのが、この点検指標の案でございます。
 この資料5につきましては、以上の構成のもとに作成されているところでございますけれども、本日はお時間の都合上、4つの基本的方向ごとに代表的なもののご説明をもちまして全体を概観願いたいと存じます。
 まず、資料5の2ページは、「基本的方向1 社会全体で教育の向上に取り組む」ということでございますけれども、例えば、この同じページ、(1)では、「地域ぐるみの子育て支援や教育支援の仕組みづくりを広く全国各地でスタートするなど、社会全体で教育の取組を支援します」という目標のもとで、一番上に「地域のコーディネーターを中心に住民のボランティアなどにより学校の教育活動を支援する仕組みづくり(「学校支援地域本部」)を進めます」とございまして、その下に太い矢印で、学校支援地域本部を全国1,800カ所を目標に整備という形で記載してございます。
 なお、資料が飛んで申し訳ございませんけれども、本日お配りした資料の中の参考資料1は、「教育重点施策2008関係資料」としてございまして、その別冊の参考1の資料の2ページには、この学校支援地域本部事業の概要が、今年度の予算額並びに来年度概算要求額とともに記載してございます。またこれ以外にも、このアクションプランに盛り込まれました事項のうちの主要なものにつきましては、その事業概要と同様等にこの参考1の資料に掲載してございますので、適宜ご覧おき願えればと存じます。
 また資料5、アクションプランに戻っていただきますけれども、この重点施策につきましては、学校支援地域本部事業の最初の点検指標としては、破線の右側にございますとおり、学校支援ボランティアの登録数ですとか、学校支援地域本部実施先における児童生徒の学習意欲や生活態度等々について、現段階で考え得る成果指標を検討しているものを掲載してございます。
 続いて、このアクションプラン、おめくりいただきまして、6ページからは、「基本的方向2 個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる」という方向のもとになりまして、例えば、もう1ページおめくりいただきまして、7ページでございますけれども、(1)の「責任ある社会の一員として自立して生きていくための基盤となる知・徳・体のバランスの取れた「生きる力」を育成します」との目標のもとには、そこにございますとおり、「知識や技能に加え、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する力などの「確かな学力」を育成します」と記載して、そのもとに太い矢印で、全国学力学習状況調査等について、以下、ご覧のとおり重点施策を記載してございます。
 なお、行きつ戻りつ恐縮でございますけれども、参考資料1の9ページには、この本件調査の概要等につきまして掲載されておりますので、適宜ご覧おき願いたいと存じます。
 その上で、この「確かな学力」に関する点検指標といたしましては、資料5、破線部右にございますとおり、本件調査の結果ですとか、OECD等の結果につきましての成果指標を検討しているところでございます。
 続きまして、アクションプランの14ページからにつきましては、「基本的方向3 教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し、社会の発展を支える」という方向のもとにございまして、具体的には、14ページ冒頭には、本年9月の中教審総会にて諮問なされました、「中長期的な大学教育の在り方について」まず記載した上で、重点施策が盛り込まれてございますけれども、例えば、2ページ先、16ページをおめくりいただきますと、そこには、(2)として「大学等の国際化を図ります」という目標のもとに、「積極的な留学生交流と大学の国際活動の充実を図ります」として、そのもとに具体的に2020年の実現を目途とした「留学生30万人計画」を関係府省が連携して推進等、以下、ご覧のとおりの施策が記載されてございます。
 なお、参考1の22ページには、この「留学生30万人計画」の概要を掲げておりますので、ご覧おき願えればと思います。
 この大学等の国際化についての点検指標は、お手元のアクションプランの破線右側にございますとおり、留学生数ですとか、外国とのダブルディグリーを導入している大学数といった指標を検討しているところでございます。
 基本的方向4つ目、最後に相成りますけれども、資料5アクションプランの18ページからは、「基本的方向4 子どもたちの安全・安心を確保するとともに、質の高い教育環境を整備する」となりまして、例えば、18ページ冒頭では、(1)として「子ども達が安全・安心な質の高い空間で学び、生活できるよう、教育環境の整備を推進します」という目標のもとには、そこにございますとおり、「小・中学校の耐震化等の安全・安心な施設環境の整備を支援します」として、そのもとに太い矢印で、ご覧のとおり、小・中学校等施設約1万棟の耐震化への対応等が記載してございます。
 また、参考資料1の27ページには、本耐震化に関する事業の概要が記載されているところでございます。
 また、この耐震化に関する点検指標としては、公立小中学校施設の耐震化率等の指標を検討しているところでございます。
 以上が資料5のアクションプランの概要についての概観のご説明でございますけれども、教育振興基本計画が本年7月に策定されたこともございまして、本年度も残すところわずかになってございますので、本資料5のプランにつきましては、特にこの教育振興基本計画が重視いたします、先ほど三村部会長からもお話がございましたとおり、目標を明確にし、成果を客観的に評価し、そこで明らかになった課題等をフィードバックし、新たな取組に反映させるPDCAサイクルの実現を目指して、施策に折り入って達成する成果、アウトカムを指標とした評価方法の改善を図るという観点から、本プランに記載してありますような、現在検討しております指標による点検・評価の基本的な方向性、在り方を中心にご議論いただければと存ずる次第でございます。
 なお、このアクションプランでは、個別の予算事業を中心に、具体的な記述を盛り込んでおりますけれども、教育予算、教育財政にかかわる参考資料といたしまして、本日お手元の参考資料2に、「教育財政のポイント」という資料をお配りしてございます。適宜ご覧おきいただければと存じますが、ごく簡単にその概要を、ページを追ってご説明申し上げたいと存じます。
 まず1ページでございますけれども、これはOECD諸国における教育予算の対GDP比についてのデータをお示ししているものでございます。
 2ページ目につきましては、子ども1人当たりを国際的に比較した場合の我が国の教育予算のデータについて示しているものでございます。
 3ページ目でございますけれども、3ページ目につきましては、教育予算を考える際に、GDP規模を考慮すべきではないかという点についての考え方をお示ししている資料でございます。
 また、4ページ目につきましては、教育予算を考える際に、国民負担との関係についての考え方をまとめている資料でございます。
 また、5ページでございますけれども、この5ページ目の資料につきましては、教育負担の在り方について、受益者本人と社会とのバランスという観点から考え方をお示ししている資料でございます。
 また、6ページ目につきましては、国際データの中で、教育の公私負担割合について、主な国のデータをお示ししているものでございます。
 7ページでございますけれども、この資料は1つの試算でございまして、各種政府統計から、各学校段階ごとの保護者の世帯収入を算出いたしまして、そのもとに占める教育費の割合というものを試みに算定した試算のデータでございます。
 また、8ページは、同じくデータでございまして、日本政策金融公庫の調査結果でございます。当該公庫のローン利用世帯における在学費用の割合についてのデータをお示しするものでございます。
 9ページでございますけれども、これは家庭収入と大学進学率の相関関係等に関する東京大学の調査報告、また、少子化等に関する各種世論調査の結果をお示ししているものでございます。
 最後、10ページにつきましては、教育財政・投資に関する教育振興基本計画の関連部分を抜粋しているものでございますので、適宜ご覧おきいただければと存ずる次第でございます。
 2点目、説明の最後でございますが、資料6をご覧おきいただければと思います。資料6は、教育振興基本計画部会の今後のスケジュール(案)でございます。先ほども申し上げましたように、今年度は7月に振興基本計画が閣議決定され、9月に中教審総会で本部会の設置が決定されたというような流れから、本日アクションプランをお示しするようになった次第でございますけれども、資料6の中ほどにも記載がございますけれども、基本的には、本部会におきましては、毎年2月頃に翌年度のアクションプランを作成し、それをお示しし、ご議論願いまして、また、7月頃には前年度の施策の進捗状況を点検するということを基本としつつ、必要に応じて適宜ご参集願い、ご審議をいただきたいと考えているところでございます。
 また、そこにございますとおり、この振興基本計画の計画年度が24年度いっぱいであることから、逆算いたしまして、そこに掲げてございますような、次期計画を踏まえた計画についても、その必要性を認識しているところでございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 1つだけ質問があるんですけど、中教審の各分科会がありますよね。このアクションプランの章立ては、各分科会ごとに、固まっているわけじゃないんだけど、大体一致してますよね。そうすると、ここでの議論はいろいろありますけれども、そのフォローアップというのは本部会でもやるんですけど、中教審の各分科会の方でもやっぱりやってもらった方がいいんじゃないかと思うんですけれども、部会との関係というのはどうなっているんですか。

【寺門教育改革推進室長】

 基本的には、こちらの評価の結果を踏まえまして、各分科会とも連携をとってやっていくことが必要だろうと存じております。

【三村部会長】

 そうですよね。各分科会との連携がないといけない。
 それからもう1つは、他省庁との関係についてはどうなっているんですか。要するに、前回議論したとき、確かいろんなものをやるときには、文科省の方で取りまとめて全体のフォローアップをやるというふうにお聞きした記憶があるんですけど、そういう理解でよろしいのでしょうか。

【寺門教育改革推進室長】

 同様でございます。さようでございます。

【三村部会長】

 それでよろしいですか。文科省として責任を持って、ここに盛られている項目、他省庁が関係しているものも含めて、これはやってもらうんだということでよろしいですね。

【寺門教育改革推進室長】

 はい。

(3)意見交換等

【三村部会長】

 わかりました。
 ということであります。私としては、今日はいろんなご意見を是非とも、初回ですから、出していただきたいと思いますが、この固め方というのは来年2月までやるということでいいですね、最終的には。したがって、各分科会でもそれぞれ議論していただいて、その結果もここに反映させるような形でやったらいいかと思っております。
 それでは、今日は比較的小人数の会なので、何でも結構でございます。初回ですからご意見がありましたら、どうぞいつものとおり札を立てて、それでご意見をお寄せいただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
 最初は大体意見が出ないものなんですね。こういうときは、田村さん、すいませんが副部会長として、何か導入でよろしくお願いします。

【田村副部会長】

 それでは、実は1カ月ぐらい前にCNNを見ていたら、アメリカの科学技術の力、あるいは産業の力というようなことについての、例の金融の大問題が起きる前だったんですけれども、それについて特集をして報道しておりました。
 その中ですごく印象的だったのは、教育担当者が出てきて、女性でしたけれども、アメリカの科学技術の先行的な力というのは、50年代から始まった、50年、60年、70年、80年とずっと続いていた、アメリカの青少年に対して理系の教育と数学の教育をもう重点的にやってきた。それが今になって実り出したので、これは今後かなり長い間効果を出すだろうというようなことを、自信を持って言ってました。ですから、教育に対するインベストメント、投資という言い方をしていましたが、これはもうかなり長期的な視野にわたってやらないと効果は出ないけれども、アメリカは今それはうまくいっているというようなことを言っていたのが非常に印象的でした。
 この長期計画というのがどうしても意識に入るわけですけれども、こういった基本計画を議論するときは、是非そういうような先行きを見通した、21世紀のいつ頃になるんでしょうか、2050年ぐらいになるんですかね。つまり、京都議定書が目標にしている、この間の北海道のサミットでも言っていましたから、50年ぐらいの地球の状況を意識しながら、どういう教育を進めていったら次の世代が幸福な時代を築けるかというような視点を基礎にして、是非議論をしていただきたいなというふうに思います。ちょっとそれを聞いていてうらやましく思いましたけれども、私たちも是非そういうことが言えるように、三村部会長がテレビに映って、この努力が将来必ず実るということが言えるように、この会をまとめていただきますと大変うれしいというふうに思っております。
 ちょっとまとまらない話で、アバウトな話なんですけど、非常に印象的だったので、ちょっとお話しさせていただきました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 他にいかがでしょうか。安西さん、すいません。隣に座ったのがあれで、何でも結構ですから。
 これは、今、全部と言ったって無理ですね、はっきり言って。質問も今日は部分的ですから、基本的には是非とも持って帰っていただいて、意見がおありだったら、例えば2月までに、ちょっと書いたメモ書きでも何でもいいですし、あるいは口頭でもいいですから、事務局の方にちょっとお話しいただいてそれをまとめるという形、あるいは、本部会の方で、それは部会長の方で適宜判断していただいてまとめるという形がいいと思います。おそらく、今、全部これについてというのはちょっと無理だと思いますから、そういう前提で、安西さん、何でも結構ですから。

【安西委員】

 難しいですね。

【三村部会長】

 僕は、本当に数値化できるものはいいんですけど、ここに書いてある内容を個々の項目でフォローアップすることが適切かどうかという判断だと思うんですね、一番難しいのは。ところが、何らかのフォローアップ手段を持たない限りはフォローアップはできないという、この難しさだと思うんですね。

【安西委員】

 きっかけだと思いますので。今、言葉に出ておりますフォローアップというのは、何をすればいいのかというと、フォローアップと言うと、そのプランがもうあって、それがちゃんと実行されているかどうかというようなニュアンスで受け取れないことはなくて。ただ、この5年計画というのは、やっぱりこの部会がかなり積極的にフォローするというよりは、むしろ作っていくというつもりでやっていただければというふうなことを一番思います。
 この5年間が、今、田村先生も言われたように、大変日本にとって、日本の教育にとって大事な時期になるというふうに考えられます。アメリカでもやっぱりオバマ次期大統領の教育政策といいましょうか、それから、科学技術も含めて投資政策というのは徐々に打ち出されつつありまして、そういう中でのことでありますので、勉強しながらやっていかなければいけないんじゃないかなというふうに思います。
 私自身、特に大学関係については、今、本当に国際競争の中で、今朝シンガポールから戻ってきたのでありますが、そういう中に置かれておりまして、このままだとやはり日本の高等教育、また、高等教育だけではございませんけれども、どうしてもやっぱり沈んでいくというふうに見えますので、もうちょっと、これも大ざっぱな話で申し訳ありませんけれども、是非やっぱりこの部会で積極的に進めていくというんでしょうか、そういう気概が必要ではないかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 今日は部会長の独断で、全員に発言していただきますね、こうなったら。
 井上さん、順番でやらせていただきます。

【井上委員】

 ありがとうございます。
 この教育振興基本計画は、まさに教育界が多年念願していた計画でございましたが、それとともに、今お話のように、科学技術創造立国ということで、科学技術基本法に基づく科学技術基本計画は今3期を進行しているんですが、今までそれなりに数値目標を掲げて、我が国の科学技術の発展に貢献してきていると思うんです。
 それだけに、この教育振興基本計画でも、特別部会での基本計画の策定に当たっての皆様方のご議論の中でも、やはり教育投資を拡大するその方法論としては、当面重要な課題にどれだけ教育投資をしていくかという、そういう積み上げて考えていく必要があるというお話がございましたとおりだと思うわけで、それがまさに教育振興基本計画の中で具体的な政策目標として掲げられているわけでございます。それだけに、そういうものに政府として、7月1日に閣議決定して、今年度から5年計画で、10年を見通した教育振興施策を推進するということになっているだけに、これらの事項については、やはり実際の施策の推進に当たっての必要な予算の確保というのが非常に重要ではないかと思っているわけです。
 それだけに、例えば、持続可能な社会を形成して、その中で子どもたちの確かな学力を育成するにはどうするかというのは、まさにこの振興計画の中にも入っているし、中教審の教育課程部会の中でも学習指導要領の改訂をし、今年の3月に既に小・中学校の学習指導要領は改訂されておりますが、そういうものを含めて、やはり総合的に推進していく必要がある。
 その場合に、やはり何と言っても条件整備、教育条件整備が、必要な教職員定数を確保するとか、あるいは、教育環境を整備するとか、そういう点が多面にわたってまだまだ不十分な点があるわけですから、そういう点に振興計画は大いに力を発揮するということを、私どもとして大いに期待しているわけでございますが、そういう点で、今後アクションプランの中で、それらを着実に5年以内で、数値目標が掲げられている部分が少ないわけですから、皆さんのコンセンサスの中でそれらを推進する推進力にこの部会がなっていくのではないかと期待しているところでございます。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次に遠藤委員、よろしくお願いいたします。

【遠藤委員】

 今日から議論に参加させていただきました遠藤でございます。経済同友会で、ここ数年、学校と企業経営者の交流委員会の委員長を務めてまいりました。田村さんには、副委員長としていろいろとお手伝いをいただいております。
 今は兼務といいますか、兼ねて教育問題委員会の副委員長というものを務めておりまして、来年の1月を目標に経済同友会としての教育提言を今、取りまとめ中でございます。現在議論している教育提言の内容と、今日議論しております基本的方向、基本計画が、大筋として私どものが議論していることと同じでございます。ですから、部会長が言われましたように、これを具体的にどう実現していくかというのが大事なポイントかなと思っております。
 ただ、私どもの議論の中とちょっと違っているのが、このパンフレットの中で「義務教育終了までに、すべての子どもに、自立して社会で生きていく基礎を育てます」とありますが、もちろん、それができれば一番望ましいんですけれども、18歳、高校進学率が98%という現実の中で、高校生までの18歳までに、この基礎的な力を身につけさせるというのがより具体的ではないかな、という議論になっておりまして、教育提言の基本的方向としても、18歳までに自立した社会人としてどう育てていくかというようなことをメインテーマとして掲げる方向で今議論をしております。
 現実の姿として、私も月に2回ほど、公立の中学校を中心に出前授業に行っております。そういう中で、先生方からいろんなお話を伺いますと、文科省の学習指導要領を現実に100%理解できる割合は、小学校が7割、中学校は5割、高等学校へ行くと3割で、「七五三」というのが現実の姿だというお話を伺うと、やはり高校生までしっかり、きちんと、なぜ高校生がそういうことになってしまったのか、あるいは、なってしまっているのかということをしっかり見極めて、教育の行政、あるいは現場の中に取り入れていくように、私どもは経済界としても、できることをやっていこうではないかという議論をしております。
 今回議論している中で、2つ大きな特徴がございます。
 1つは、教育の問題は、もちろんいろんなことを申し上げていくのは、教育ほどいろいろ議論がある世界はない。ただ我々議論しておりますと、やっぱり親の問題というのがいろいろ話題になります。親って何だろうとちょっと考えてみたら、我々企業からいきますと社員、社員が親であるということ。企業として教育に貢献できることは、職場体験の提供や我々の出前授業、あるいは大学生のインターンシップの場の提供など、いろいろ直接的な場があるんですけれども、よくよく考えてみたら、家庭の親というのは企業の社員で、我々、社員に対して、教育に対する関心をもっと持つように働きかけるというようなことを、同友会の中でもって提言の中に盛り込んでいこうではないか、ということで、教育に対する企業の社会的責任ということを明確に打ち出していこうというのが、1つ大きな特徴になっております。
 それから、もう1つはやはり制度的な問題、ここの中にもありますけれども、国際化ということは避けて通れない。留学生の問題もそうなんですけれども、例えば、上智大学でやっているような大学の9月入学というようなことを、もう少し拡大していくというようなことが制度的にできないだろうか。そういう中で、高校3年間をしっかり勉強の時間に充てる。あるいは、今問題になっております採用内定の早期化に伴う弊害といったものを少しでも少なくしていく制度設計というようなものはできないだろうか、というようなことも提言の中に盛り込めたらというようなことを言っております。
 ただ、ここに記されている中身、私も子細に読ませていただきましたけれども、私どもがこの2年ほど激論してきた、それこそ、三村さん、大激論になるんですね、教育の問題というのは。激論してきた中でまとめた方向と変わりませんので、しっかりこれを具体的にどう実現していくかということをフォローさせていただければと。
 それからもう1つだけ、安全のところで耐震化の問題なんですけれども、実は私、日銀の神戸支店長のときに阪神大震災を経験しておりまして、本当に悲惨なその様子というのを目の当たりにしている。午前5時46分という時間であったから、ああいう被害であったわけですけれども、子どもたちがもし学校の中にいたらどういうことだったんだろうか、と考えると、一けた違ってくるという被害の数というのが想定される。この資料を拝見しておりますと、危ないもの1万校については早期に耐震化工事をされるということですけれども、その早期というものをより具体的に、何年までにはこれだけというようなことを、それから、その二番手としての3万校強が掲げられておりますけれど、これについても早くやっていただく。市町村が主体ということですけれども、是非国レベルでもって積極的に財政的な支援をして、この問題はもう本当に一日も早く、明日地震が来るかもしれないというのは、私は身をもって体験しておりますので、是非この中に盛り込まれております安全という観点では、その早期着工・実現というのは景気対策にもなると思いますので、ここのところだけは一言付言させていただきます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 岡島委員、いかがですか。

【岡島委員】

 部会の目標が、進捗状況の点検とアクションプランの検討ということなんですけど、これは両方とも作られたものをチェックするわけですね。ですから、こうしてほしいとか、こうしたらどうかというものは、ここには直接的には入っていないんですけど、そういうことも言ってもいいという解釈をしてよろしいですか。

【三村部会長】

 私自身は、この中期振興基本計画、さっき安西さん言われたけど、全部計画化されていないんですよ、これは。ですから、この範囲という、この思想を体現するものとして、もう少し具体化するということは十分必要なことだと思います。

【岡島委員】

 はい。これだけ読みますと、予算ができ上がってから、それを検討するということになるわけですからね。

【三村部会長】

 予算の問題があるんで、なかなかぴんと来ませんけど、それはご指摘いただいてもいいと思います。

【岡島委員】

 わかりました。
 それで、今日は数値のことは直接、急になかなか言えません。ただ、皆さん専門がございまして、私は、例えば、子どもたちの体験活動なんていうことになりましたら、数値はいっぱい出てくるわけですね。こうしてほしい、アメリカはこうだ、こっちはこうだと、そのように少し分けて、得意分野の方がいろいろ提出されるというのは、1つ方法かと思います。
 それから、2つ目、全体的な話で簡単に申し上げますけれども、1つはお金の話が先ほど来から出てきており、この場合でも、財政のポイントの方にも出ていますけど、教育費だけ取り上げて低い安いんじゃなくて、出来たら国家予算の大枠で、コンクリートに幾ら使っている、こっちに幾ら使っている、その中で教育が幾らと、それを比べた方がわかりやすいと思うんですね。じゃあ、こっちの国は教育のかわりにどこが少なくて、教育が多いんだと、そういうようなこともわかるので、少しそういう説明を国民に対して、私は基本的には、圧倒的にまだ我が国は国家予算に対して教育投資が少なすぎる、そう思っているわけですけど、それを一般の人はわからないと思うんですね。ですから、こういう機会もそうですけど、説明資料なんかにおいても、ただただ少ないんだぞと言ってグラフを示すのもいいんですけれども、全体の中でどうなのか、その辺のところの説明の仕方を少しみんなで考えたらいいんじゃないかと思っています。
 それから、今度はお金の使い方ですね。全体的に少ないからもっと多くしようというのはもう当然ですけれども、今度はその使い方に関して、全員を少しずつ上げようというのが1つありますね。それから、できる子を伸ばそうということもありますね。そういう幾つかの子どもに対しての使い方、それから、先生を大事にしようと、先生に対する使い方、幾つかの使い方があろうかと思います。その中で、私は自然体験とか、そういうことが好きなものですから特に思うんですけれども、犯罪にしろ、このごろやっぱり世の中がちょっとおかしいような気がしてならないんですよね。どこが欠けているのかなというふうにいろいろ考えると、やはり1つには勉強がありますよね。道徳とか、情緒、体力、感性といったものがあって、その辺のバランスがかなり崩れている結果が、今ここに出てきているんじゃないかなという気が随分しています。お金の配分のときもそうですが、科学技術の振興や学力の向上は当然のことで結構なんですけれども、とかく芸術やスポーツといった方が忘れがちになっているような気がしております。道徳や情緒、感性、体力といったようなものをあわせた学力もあり、かつ、そういうものを備えた子どもを育てたい、というふうに思いますので、その辺のところも忘れずに配分というか、こういうところでも議論していきたいなと思っております。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。ただ、それをどうやってやるかというのは、おっしゃるとおりだと思うんです、僕も。どうやってやったらいいんでしょうね。まあみんなで考えるということで、よろしくお願いします。
 小川委員、どうぞ。

【小川委員】

 内容はまだきちっと見ていないので、今日は触れられないんですけれども、今後の進め方にかかわって、少し自分の専門の研究領域や仕事に関わって少しお願いしたいのは、教育振興基本計画は国レベルの基本計画と、そのフォローアップ、評価、その仕組みづくりというようなことがメインかもしれないんですけれども、やはり義務教育を中心として幼児から高校教育まで、国の目標がどこまで達成されるかというのは、都道府県・市町村の取組が非常に重要だと思うんです。教育基本法の中で、国の基本計画を参酌して、地方自治体が地域の基本計画を策定する努力義務が規定されていますので、国の基本計画のフォローアップとか評価とともに、できれば文科省にいろいろ情報収集をお願いしたいのは、都道府県・市区町村のそういう基本計画づくりがどこまで取り組まれていて、その具体的な中身というものがどのようなものかというようなことをきちんとフォローアップし、自治体の取り組んでいる基本計画の内容と取組いかん、また、そこでのいろんな諸問題も出てくるかと思いますけれども、それを国の基本計画にフィードバックするような、そういう仕組みづくりというのが重要ではないのかという感じがします。
 今、私も幾つかの自治体から地方自治体の教育振興基本計画づくりに協力を求められたり、相談を受けているんですけれども、県レベルは動きが出ているんですが、市区町村はようやく取り組みを開始しはじめている状況で、まだなかなか動きが見えていないです。そのため、市区町村のそういう基本計画の取組進行をきちっと国レベルとしてもフォローアップして、必要な支援とそこでのさまざまな問題等々を、国の基本計画にフィードバックしていくような仕組みづくりが、この数年間、重要な課題になるのかなと思いますので、是非そこも意識して取り組んでいただければと思います。

【三村部会長】

 おっしゃるとおりですね。清水局長、何かこれに対してコメントはありますか。

【清水生涯学習政策局長】

 私ども、振興基本計画につきまして、ここにいらっしゃる委員の方々のご協力も得ながら、全国の各ブロックで基本計画の説明会を行いました。そこの中では、県あるいは市区町村のそれぞれの地域の振興基本計画に関心を持ってこられた方もかなりおられたかと思っております。
 実態につきましては、今まだ途上であるというのが率直なところでございますので、時機を見て、できるだけ早急に、そのあたりの状況についても把握しながら、あわせてご報告をさせていただければというふうに思っております。

【三村部会長】

 わかりました。それも一部にするということですね。管理するということよりも、事実上やはりフォローする、そういう意味での我々のフォローアップに一任するということだと思うんですね。
 次は、菊川委員、よろしくお願いします。

【菊川委員】

 2点申し上げたいと思います。
 基本計画で事業を進行管理するということですけれども、またいろんな事件が起こっておりますけれども、やはり私は、結果としての子どもの姿を検証していくという視点が要るのではなかろうかというふうに思います。幸いなことに学力実態調査が始まりましたし、体力テストもずっと長くやっております。それから、学力実態調査も、学力だけではなくて、基本的生活習慣みたいなものもあわせていろいろなデータがとれるようになっておりますので、やはりそういうところの向上がどのように推移していくかというのをきちっと見ていくというのが大事かなと思っております。
 その際、個人的な意見ですけれども、子どもたちを見るときに、基礎的・基本的に、これだけはすべての子どもにという部分と、それから個性に応じて伸ばしていく部分というのを、どこかで仕分けをしながら、基礎的なところはきちっと義務教育として身につけるという視点が大事ではないかと思っております。
 それから、2点目ですけれども、この基本計画部会は、他の分科会をつなぐ役割をしていると思います。そういった意味で、例えば、先ほど岡島先生が体験の話をなさいましたけれども、長期の小学校の自然体験活動について、実際に教育課程の中では、なかなか全部の子どもがというふうにはまだいってないとかいうようなことがありまして、本当に子どもにとって必要ならば、そういう観点から調整していくみたいな役割がこの部会にあるのではなかろうかと思っております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。今おっしゃられた個々の指標ではなくて、結果としての、例えば、子どもにとって絶対必要な幾つかのあれがちゃんとうまく結果が出ているのかというポイントは、非常に重要だと思いますね。しかし、それをどうやって判定して、どう評価したらいいのかということがなかなか難しい点だと思いますけど、それについてはいかがですか。

【菊川委員】

 確かに難しいのですけれども、学力実態調査が始まったというのは非常に大きなことで、それから、体力テストはもう随分前からありますし、あるいは、いろんな研究者の方のデータもあります。悉皆という意味では学力実態調査ですけれども、5年先、10年先を考えると、今と10年先というのをきっちりデータ管理をしていくというのは、日本人の質という意味で大事かなと思っております。

【三村部会長】

 わかりました。
 郷委員、どうしますか、もう少し後にしますか。まだ気分、盛り上がっていますか。

【郷委員】

 そうですね。私、すいません、遅れて参りまして。もしよろしければ、まだ、他の先生方に先にお願いして。よろしくお願いします。

【三村部会長】

 そうですか。では、一番最後にお回ししますから。
 次に山本委員、お願いいたします。

【山本委員】

 2つほどあるんですが、基本的なことで言いますと、やはりこのフォローアップという場合には、データをきちんと整備して、それを活用する必要があるのではないかということで、2つほど申し上げたいと思います。
 1つ目は、先ほどから部会長のお話の、質的なところの点検評価をどうするんだという問題です。これに関しては、いろんなやり方が考えられるんだろうと思うんですけれども、我々、調査をずっと長年やってきた方からしますと、事例研究法と統計調査法というのがあって、事例研究というのは、どっちかというと質なんです。ですから、例えば、今こういう計画を実施したというときに、その実施したことで新たに出現してくるものは何なのか。それから、消滅していったものがあるというのをつかむわけですね。事例でいいんですけれども。そのときに、希少価値のあるものはどうなったのかと、これは非常に大事なんですけれども、そのあたりの観点で事例を調べる。
 具体的にちょっと申し上げますと、先ほどの説明の最初にございました、社会全体で教育の向上に取り組むというところの学校支援地域本部で、私もあちこちお伺いしました。小川先生はさっきの振興計画を一生懸命やってくださっていますけれども、私もお伺いして地域の方々とお話ししてみると、これを受けたということで、こういうことをやろうとか、新たな芽が出てきているわけですね。そういうものを事例でとらえておいて、事例でとらえておくだけですと、単なる例になりますから、それを量的に転化するために統計調査法に移していって、全国的にどうなっているか、というふうに調べるというようなやり方で、質的な評価データをそろえる。この際、教育振興基本計画をこういうふうにきちっとやっていこうというときですから、今まであまりないデータをしっかりつくっていくというのが、1つ大事だろうと思います。
 2つ目なんですけれども、これも同じようにデータの整備ということです。どうも教育の効果ということが盛んに問われて、我々としてはなかなかいいデータがない。大人のリテラシーのことの国際的な調査に日本も参加するようですが、それはいいとして、例えばということですけれども、企業や行政、その他研究関係のところなど、2、3年、最近入ってきた人たちを見て、それをどう評価するかということを調査してはどうか。振興基本計画は5年に一回ですから、5年ごとでもいいと思うんですけれども、リテラシーや何かは一方で調べられ、学力調査もあります。しかし、そういう社会の側がこれをどういうふうに評価しているのかというところは、断片的には言われますが、あんまりない。それと、今のような学力調査とか成人のリテラシー調査を組み合わせていくということが必要なのではないか。
 社会の側だけではなく、大学にしても、大学の先生方が高等学校から入ってきた学生をどういうふうに評価してとらえているのか、というようなこととか、高等学校は中学校から来たのを、中学校の先生には小学校から来たのを、というようなことがありますよね。ですから、そういうところを基本的なデータとしてしっかりとらえていくということも、この際あわせてやっていくようにしたらどうか。教育の効果という場合、単なる学力とかリテラシーだけではなくて、こういうところをとらえる必要があると思うので、申し上げました。

【三村部会長】

 ありがとうございます。財務省の1つの反論はそれで、どういうふうに成果が上がっているのかということを見せろと、こういうふうに言っているわけです。だから、今の議論はそれにつながるわけですけど、これも1つの課題だと思いますね。
 次に松川委員、よろしくお願いします。

【松川委員】

 今回から初めて議論に参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
 先ほど小川委員からお話がありましたんですけれども、私どものところは岐阜県教育委員会でございまして、国の教育振興基本計画を参考にしながら、昨年度から県の教育振興基本計画の策定をずっと行ってまいりまして、この12月の県議会でご承認いただくという運びになったわけでございます。
 国と同じように、おおむね10年先を見通しながら、今後5年間の計画をということでやってまいったわけです。過去及び現状の分析から行ってやってきたんですけれども、ここのところの経済状況の変化によりまして、思いがけず、考えていたのとかなり方向が違ってくるというような項目が出てきたことに、ある意味では大変びっくりしているような局面があるわけでございます。
 それは国の教育振興基本計画でもそうだと思うんですけれども、先ほどの資料のアクションプランの中に、外国人児童生徒の教育の充実ということが挙げられていました。私ども岐阜県も、愛知県もそうなんですけれども、場所によりますが、外国籍児童生徒が増えているところがありまして、過去の経過から見て、今後5年間も伸びていくだろうということを想定しながら、義務教育段階での外国籍の子どもたちへの日本語教育を含めた充実、それから、高等学校でも特別枠を設けるとか、そういうようなことも方向性として考えてきたわけです。しかし、ここのところの経済状況からしますと、ある市などは、住民の約10%が外国人であるというようなところも出てきているわけですけれども、この児童生徒の親御さんの就労状況というのが、ここに来て大変不安定なことになりまして、こういう意味では、いろいろ数値目標だとか掲げてみたわけですけれども、ちょっとこれはなかなか方向性が読めないなというような項目も出てきているわけでございます。
 これは一例でございますけれども、例えば、今のことのように、大体過去の経緯からしてこういう流れに行くだろうということを踏みながら、いろいろ計画を立てて施策も考えているわけですけれども、思わぬ状況の中ではちょっと変わってくるということも当然あるわけでして、そういう意味では、今のことが特にどうこうということではありませんけれども、今後のいろいろな状況の変化の中では、施策と申しますか、展開する事業そのものについても、ある意味では方向性を見直すとか、そういうこともあり得るんだなということを、県レベルの教育振興計画をつくりながら、そんなことも感じているわけですので、県でのそういうこともいろいろご報告させていただきながら、私も今回の議論に参加させていただいて、その進捗状況のフォローアップというのを、特に定性的な部分について、どういうふうな指標が本当に適切であるかということは、私どもの県でも随分議論になったところでございますので、いろいろな面で参考にもさせていただきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。今ご指摘された、振興基本計画をつくった前提条件が全く変わってしまったんだったら、それは中身を変えるべきですよね。それに固執することは意味ないと思います。
 ただ、私自身は、現在足元で起こっているいろいろな状況、これが変動なのか変化なのか。一時的な変動である可能性もある。それで、いろんな指標を、企業としても、私の会社自身も、当初は12月までに次の3カ年計画をつくろうと思ったんですけど、余りにも現在の足元の状況がわからなくなってしまったので、その発表をしばらく中止して、先に延ばしているんですね。
 ですから、今足元で起こっていることがずっとこのまま続くのか、それとも単なる変動なのか。こういう読みというのはちょっと難しいですから、今のところ、これを変える必要はないと思いますけれども、どうか今のご指摘の点というのは非常に大事な点だと思いますから、もし本当にこれが前提条件としてやったのと全然違った状況が起こるんだったら、その中身は変えなきゃいかんと思います。
 次に蛭田委員、よろしくお願いします。ご自身の紹介も含めて、経団連で何をやっているかも含めてよろしくお願いします。

【蛭田委員】

 私、経団連の方で三村部会長の補佐といいますか、お手伝いをして、教育問題の共同委員長をしております。ただ、今日、この部会は本日が初めてなものですから、実は本来のこの部会の趣旨と一致しないかもしれませんが、お話を伺って感じたことを二、三申し上げます。
 まず1つ目は、評価という場合に、評価だけではなくてむしろ、冒頭いろんな方のお話があったように、Plan-do-see-checkですから、基本的には評価の結果において、次のアクションの方向を答申していくということのセットの中で評価をしていくというのがいいのではないか。あるいは、もう既にそういう前提で進めておられるのであれば、それで結構だというふうに思います。
 2つ目は、これはやっぱり今の部会の運営に対する私の希望ですね。
 そのときやっぱり大事なのは、数値目標は大丈夫だろうというご意見が多かったので、実際、どれが数値目標なのか、実は今日勉強してこないので、ひょっとしたらこれも的外れかもしれませんが、問題は、数値以上に、やっぱり内容なんだろうと思いますね。内容だという点で、2つ、今日ざっと眺めた中で思いますのは、例えば、学校教育協議会ができた数が何ぼかという数値目標があったとしても、その活動状態の内容によって、その数自身が問題ではなくて、むしろ内容なんだというふうに思います。したがって、数値目標があるものであっても、なおかつ、その内容はどうなのかと。例えば1つ、そこまで部会をやるかどうかは別にして、いい例であれば、それを文科省経由で全国にもっと広めていくということまで含めて、初めてこの評価ということが生きてくるのではないかというふうに思います。
 それから、同じような意味で内容だと申し上げたのは、教育予算のことで言えば、全然別の視点で見ると、実は世界中で見たときに、日本は約10%R&D費というのは、これは日本は世界全体のR&D費用のうち、民間、国を入れて、トータルの費用の、実は世界の10%は日本はその分野に支出しているんですね。これは国、民間を入れて。ただ残念ながら、これは私どもの自分を責めることも含めて言えば、世界の10%の研究成果が出ていない。そうすると、その10%のR&D費の中で全体的に効率的な構想ができるのであれば、それは、その手段としてまさに教育費が必要な教育に回せばいいし、そこに回してだめであれば、やっぱりどこかへ回すということで、トータルの額自身は、国の力から見て決して少ない額ではない。これをいかにうまく使って、国家百年の大計である教育レベルを上げるかという内容次第によって、むしろ金の配分というのを考えていく方がいいのではないか。あるいは、そういう提言ができるようにする必要があるのではないか。
 今、例えば、教育一つ取ってみても初等教育と言ったとき、私は社会総額から言うと大賛成なんですけれども、学校教育をやろうとすると、いい先生をつくらないといけない。いい先生をつくろうと思えば、当然のことながら、大学の教育学部の位置づけは今のままでいいのかというところから、あるいは、そういうことだとすると、本当は先生がもっともっと尊敬を受ける形にしようと思ったら、例えば、先生の給料を上げなければいかん。そうすると、全体の予算が増えるのかと見たときに、例えば、30人学級がいいのか、50人学級がいいのかという、全体的な内容のゴールの絵があって、それに向かって近づけていくということが必要なのではないか。
 ちょっと蛇足でいろいろ申し上げましたが、要は数値目標も含めて、内容という点を切り込んで評価していく必要があるのではないかという私の意見です。
 それと同時に、その内容のよしあしというのは必ずフィードバックして、次の答申に結びつけていくという運用をされたらどうなんでしょうかという、今回の部会の趣旨に反しているかもしれませんが、私の印象でございます。

【三村部会長】

 全然反してません。そのとおりだと思います。これを体現して、数値目標の中にどういう質的な内容を入れるかというのは、まことに、ちょっと考えなければいけない点ですね。わかりました。ありがとうございました。
 次に角田委員、よろしくお願いします。

【角田委員】

 小学校の教員を長くして、校長で終わっているわけですけれど、そういう義務教育の立場から、2点お話をさせていただこうと思います。
 第1点目は、先ほど小川委員も話をされましたけれども、この振興基本計画が国で策定をされた後で、各地方自治体がそれを参酌して計画を策定していくんだと。これは努力目標であったにしても、一応そういうふうな形になっているわけですから、各自治体がこれを策定をしていくように努めるということは、これはもう当然だと思っています。それが一体どういうふうになっているのかということを、是非この部会で、各地方が策定をしたものの、生のものを出すというよりは、ある程度統計して明らかにしていただきたい。
 おそらく国の方が、この数値目標が入っていないわけですから、その数値目標まで求めることはなかなか難しいであろうというふうに思いますけれども、地方自治体の場合にはご承知のように、各学校や、あるいは子どもたちを見ているわけですから、抽象的な目標だけではもうしょうがないわけですね。その辺のところをしっかりと分析をするということが、1つ重要なポイントではないだろうかというふうに思っておりますので、これが第1点でございます。
 第2点目は、今のことに関係するのですが、今現場は非常に厳しい状況。というのは、小学校の場合、新しい学習指導要領が平成23年度から本格実施になります。来年度から移行措置が始まってくるわけですけれども、条件整備が十分でない中で、あるいは、条件整備がほとんどなされない中で、新しい学習指導要領の内容をきちんとやっていかなければならない。こういうふうなことが求められてきているわけですね。条件整備が不十分な中で、内容だけにゴーサインが出ているというふうな感じが非常に強くあります。
 したがって、現場にとっては、いかに生きる力を、この知識基盤社会の中で生きる子どもたちに生きる力を育てるか。そのための習得だとか、活用、探求というようなものをしっかりと身につけさせるかというところに非常に努力をし、今盛んにそれぞれの学校、あるいは都道府県でいろいろしているわけですけれども、やっぱり条件整備が整わない中で、中身だけ行けと言っても、これはやっぱり無理な話のところがあるような感じがいたします。
 是非、先ほどの地方の状況がどういうような——この振興基本計画が具体的につくられ、そして、それに対してどういう条件整備が行われているのか。国の基本計画の方針では、11ページのところに「国として奨励し、推進することが望ましいと考えられる施策であっても、地方公共団体が担うべき事務については、国としては飽くまでもそれを期待し「促す」にとどまる立場であることを明示し、最終的な判断は地方公共団体に委ねることとするなど」と、地方に委ねられているというわけですね。
 ですから、この点、地方がどういうふうにやっているかということをちゃんとしないと、義務教育はほとんどが地方が責任を持ってやっているわけですから、是非それをこの場で明らかに集めていただいて、そして、それに対して何らかのコメントをこの部会として、あるいは国として出していく、そういう必要があるのではないだろうかというふうに思っています。
 特に、平成24年度で、一応今度の基本計画は5年間で切れるわけですから、25年度の策定に向けて、やっぱりそういうデータをもとにしながら、きちんとやっていくということがこの部会の大きな使命だし、私もそのことについては是非今後も意見を申し述べていきたいというふうに思っております。
 以上、よろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。教育は、別にこの5年で終わるわけではないですよね。これをベースに、おっしゃる点は非常によくわかると思います。
 今、条件整備と言われたのは、例えば、先生の数、理科の先生の数とか、英語の先生の数、こういうことを言っておられるんですか。それとも、やっぱり教育投資、予算そのもののことですか。

【角田委員】

 そうですね。そういう教育投資の問題が大きいんですけれども、それ以外でもやっぱり、例えば、目標値として、不登校の子どもをゼロにするよなんていうことはできないんだけれども、不登校の子どもを少なくしていくためには、どういうふうな対策、施策を打っていけばいいのか。例えば、スクールカウンセラーを設けるとかですね。それは、最終的にみんなお金になるだろうと思いますけれども、そういう条件整備がなければ、なかなか目標は達成できないだろうというふうに思っています。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 曽我委員、よろしくお願いいたします。ご本人の紹介も含めて、よろしくお願いします。

【曽我委員】

 今ご紹介いただきました曽我でございます。日本PTA全国協議会の会長です。PTAの会長というのは延々と続くものではなく、何年かに1度変わっていきます。私も今年変わって、子どもが中学校3年ですので、本年卒業しますので、次にバトンタッチという事になります。そんな意味では継続性というのは、人としてはないのですが、方針の継続性はあるということをご理解いただきたいと思います。
 教育振興基本計画の皆様方のお話をお聞きしましたが、保護者という立場では、例えばですが、学力が上がり子どもがよくなった、何かが上がって、質が上がってよくなった、ということをすごく感じるもので、その代表でございます。義務教育の代表ですから、全国1,000万会員の代表ということになり、家族を1つと考えてますから相当な人数になります。ここにいらっしゃる皆さんも、過去にPTAを行った経験されているということになれば、教育問題がとても大事であるということをご理解いただけれると思いますし、国は動いてくれるのではないかというふうに思っている者でもあります。
 その中で、学力を上げる、人間の質を上げる、その目標がきちんと定まって、その環境を整えていきましょうといった場合において、PDCAを行いながら、をどんどんスピード感を持って速めていけば良いと思います。企業が大きくなっていかなければいけない、世界に強い企業になるときに先行投資をしていくのと同じです。教育にどれだけ国が先行投資をしてくださるかというのが手に取るように見えてくると、それはものすごく保護者や国民にとっても安心感になってくると思います。
 もう1つは、少子化少子化と申しますが、子ども1人を育てるのに相当なお金がかかっていく。今の収入環境の中で何人の子どもを育てられるかとなればきびしい。そこで、子どもを国が費用を負担して大いに育てるという形にならないと、なかなか少子化を乗り越えることもできないだろうと。少子化がある程度改善すれば、国の状況も私は変わってくるというふうに思います。今までの教育の流れの結果が今の人材力でありますから、これからの教育の結果が未来の日本の人材力というふうに考えていけば、そんなに未来、50年後先まで日本が見えないわけではなく、今積極的な教育投資をすると人材力としては10年後には少なくとも見えてきます。今経団連の皆さんたちがお話しになっている、この場に相当な人材を送り込むこともできるような育て方もできるのではないか。そして、底辺を支えるさまざまな国民も育てることができるのではないかというふうに思います。
 底辺を支える、未来をつくる国民、その大人の原石が子どもでございますから、この子どもが大人になるまでに最大でも20年、高校まで考えれば18年しかかからないわけですから、この積極投資をしていただくだけで、日本は随分変わっていくのではないかなというふうに思います。歴史の中で必ず教育が国を変えたと言われるのであれば、やはり積極的な教育投資というのが見えるようにしていただけるような、振興基本計画の部会発信が出ていけばありがたいと思いますが、蛭田委員がおっしゃったように、その経済効果というものも非常にあるでしょうから、今の国の予算の中で、それでもこれだけ出しているんだという強調力がある状況がどうつくれるかというのが、我々保護者に伝わってくれば、その保護者も、ボランティアや、さまざまな部分での協力体制というのも随分変わってくるのではないかなと思います。
 今のこういう状況で、私がPTAの皆さんに申し上げているのは、もうどうのこうのということではなくて、PTAが生まれた原点、保護者と先生方で力を合わせて子どもの環境をよくしていこう、この原点に一度戻って、我々の組織がどうのこうのとかではなくて、PTAがみんなで活発に活動したら必ず子どもの未来がよくなるんだと、もう一度光を当て直さないと、PTA自身が問われてくるのではないかというふうに、お話ししております。しかしながら、中教審や文科省に対しては、是非国がやはり教育投資をし始めたということが目に見えるような方向性を打ち出していただけるようにお願いをしたいと考え、この場に座っております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。おそらくこれはフォローアップの中でも、教育投資の問題とこのフォローアップの関係というのは、何回も話題になるでしょうね。これはやむを得ないと思うけれども、しかし、すべての原因を教育投資に帰するというのは、これもまた我々としては能がない話でありましてね。ですから、その辺のバランスをどうするか、こういうことは今後のフォローアップの中で非常に重要な問題になります。
 お待たせしましたけど、郷委員、よろしいですか。

【郷委員】

 いろいろ申し上げたいことはございますけれども、例えば、塾に行かなくてもいい学校というのはできないのか。義務教育などに関しては、そういう議論というのはタブーなのか。多分、そういうことをおっしゃった方がないと思いますけれども、本来、学校が十分いい教育をしていれば、学校から帰って夜遅くまで塾に行くなどというようなことはなくていいはずだと思っています。
 私が子どものときは塾はありませんでしたので、学校が終わった後は、どろんこになって遊んでいたわけです。ちょっと話が飛躍いたしますけれども、今年はノーベル賞を日本の方が4人、もらわれたということで、大変喜ばしいことですけれども、この方たちのお仕事は、今からもう20年、30年、もっと前のお仕事であります。そして、私はその中のお一人、益川さんと名古屋大学の大学院で同級生で、一緒に大学院に試験を受けて入りました。そのころは、日本では湯川先生がお一人ノーベル賞受賞者でございまして、その後間もなく朝永先生が受賞されましたが、物理学に対するあこがれがすごく強い年代でございましたし、同じ学年でしょっちゅう集まって議論をしていた。研究のことなんですけれども、非常に生意気で、先生のことを○○さんと呼んでいたという、そういう雰囲気は、大学が新しかったということもあるかと思います。
 申し上げたいことは、細々としたちっちゃいことであまり左右されなかったということでございます。例えば、益川先生のお話はよく言われておりますので、私が今ここで初めて申し上げることでないのですが、海外に行かれたことがないわけです。英語をあまりお好きでないとかいうようなことですが、ドクターを取られるときに、そういうことよりは、いい仕事、いい研究ができる人だと、そういう保証を指導された先生方がおっしゃって、人物、それから将来に対するポテンシャルを評価されたという、そういう時代であったということは、今と大きく違うと思います。
 今は、毎年論文を何編か書かなければ、毎年毎年評価、特に国立大学法人評価などもございますし、私は毎年そういうことをやりながら、先生方を追い立てている方で、大変悪いことをしているのではないかと気になります。つまり、本当に大事な本質的な研究を、5年かかってもいい、サポートするというのが、大学の上にいる者がやることではないかと思いながら、一方では、4年で法人の評価がございましたし、そうは言っていられないという、板挟みで私もやっておりましたけれども、今回のノーベル賞の受賞は、大学が、あるいは日本がこれから、オリジナルな研究、あるいは科学技術、いろんな発見に貢献をしていく必要があるときに、何がいい教育なのかというのを考える機会になると思います。小学校も含めて、大学の教育も、今のやり方は余りにもせせこましいと思います。
 もちろん、予算のこともこれで十分かということはあると思いますけれども、今日私はこのことを、短い時間で申し上げるとしたら、1つ申し上げたいということです。それともう1つ、先週私はタイのバンコクに行っていました。本学が初めて、小さい大学ですので、たった1つしか海外の拠点はありませんが、アジアが大変大事だというふうに考えて作った拠点です。私どもの大学は133年の女子教育の歴史がございますが、105年前に留学生が来たのが、タイ、当時のシャムから4名の女性がいらしたという、そういう非常に古い、1世紀以上の留学生の歴史がございます。タイから日本語教育とか日本文化を学びに、留学生もいっぱい来ておりまして、自国に帰って活躍している卒業生もあります。
 先週、バンコクで国際シンポジウムを開催し、わかったことは、留学生の方たちは、日本でおっしゃること——日本でよかったとか、とてもいい教育を受けたというふうにおっしゃってくださることが多いんですが、一歩外に出ますと、日本でどういう大変な目に遭ったかとか、あるいは、その後、日本で企業に就職されて、いろいろ苦労されたお話とか、あるいは、今日本の大学に期待していることとかを率直に話されます。
 「留学生30万人計画」とか、これからやっていく必要がありますけれども、外から見た日本の大学、あるいは日本の教育、あるいは日本の人の外国の人への接し方、例えば、留学生の方たちは、口をそろえて、民間のアパートを借りようと思うと、留学生は必ず断られた、入れなかったとおっしゃるんですね。そういうお話を、私は今来ている留学生からは聞かないわけですけれども、自国にお帰りになって、何年かして相当の地位にまで上がっていらっしゃる方たちからは、そういうお話を聞きます。
 私たちは、日本の中にいるとわからないことが外に行くとよくわかりますし、30万人の留学生の計画を立てるときにも、日本の社会が大きく変わっていく必要があるのではないか。もちろん、大学もそうでございます。そういうことをどうやったらいいのかということも含めて考えていかなければいけないのではないかと、つい先週の経験でございますので、お話をさせていただきました。
 時間を取りまして申し訳ありません。

【三村部会長】

 ありがとうございました。泥だらけで遊んだ郷さんの幼顔を見てみたいものだと思いますけれども。
 ありがとうございました。一つ一つが貴重なご意見で。
 2月まで時間がありますので、いろんな意見が出て、私はもう一つ一つはもっともなことだと思います。安西先生が言われた、まだこれは計画になっていないじゃないかというようなポイントも含めてです。それから、数値目標については、これは数値目標だからそれでいいんだという話ではないとか、あるいは、今回の基本計画のPDCAというのは、今回だけじゃなくて、次の振興基本計画につながるべきものだから、必ずしも全部が全部整理されていなくても、そのための準備を今からしておけばいいじゃないかとか、それから、地方の話も含めてトータルで考えなければいけないとか、いろいろなご意見が出ましたので、非常に貴重な意見だと思います。
 これは是非ともお願いしたいのは、全部まだ見ていただいていないと思いますから、これについてどうぞご意見を、その間、事務局の方へお寄せいただくことと、できれば私は、各分科会でもその紹介をしていただいて、分科会としての意見もやはり表明していただければありがたいと思うし、それから、とりわけ難しいのは、先ほど定性的な話をどうするのか。それから、もう1つは、最終的には予算措置との関係、これとの関係をどうするのか。しかし、先ほど申しました、予算がないからこれはだめだった、なんていう項目は全部でないはずでありまして、それについてはある程度仕分けしながらやらなければいけないと思います。
 いずれにいたしましても初めての経験でありますので、今回のため、あるいは次のためにもいろいろ努力した上で、いいフォローアップをやってみたいと思います。
 今後のスケジュールは、先ほどおっしゃっていただきましたか。2月、まだ日にちは決まっていないということですか。

【寺門教育改革推進室長】

 改めてご連絡を申し上げたいと思います。

【田村副部会長】

 一言よろしいですか。

【三村部会長】

 いいですよ、どうぞ。

【田村副部会長】

 では、一言。先ほど、私、突然ご指名いただきましたので、意を尽くせなかったんですけれども。
 うらやましいという言葉が先行して、投資額が少ないからというようにとられるとちょっと残念なんです。そうじゃなくて、関係者が自信を持って言っているんですね。アメリカの教育はこれだけやって成果が何年後に必ず出るということを自信を持って言っているのがすごくうらやましかったんです。
 ですから、お金が多いから成果が出るとは私も思っていませんので、投資を増やせというだけではないというふうに思っています。つまり、関係者が、条件整備ができないからできないんだなんていう気持ちを持たないように、この振興基本計画できちっと説明をして、みんなが、例えば、条件が悪いとしても将来についてはこうやるよというような夢みたいな気持ちで話せるようにできたらいいな、という意味で申し上げたわけでありまして、お金を出せば教育はすべて問題は解決するというほど、教育は簡単ではないので、それはそうでないことだけ、ちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 こういった計画を立てて先行きまで示すということで、随分今までとは、これはやったことのないことですから、現場の雰囲気が変わっていかなければいけないんだろうと思うんですね。ですから、そこのところを、やっぱりこの計画をつくる大事な役割なんだろうというふうに思いましたので、ちょっと申し上げさせていただきました。
 それから、実は私のところの高等学校では、シンガポールから十年来にわたって、あそこのトップ校と言われるラッフルズというところから毎年十数名、シンガポール政府からホームステイでお預かりしているんです。実は今年来た子もやっぱりすごく優秀な子なんですが、日本語はもう普通の日本の高校生と同じぐらいしゃべれます。
 それで、実は非常にショックなことがありまして、帰るときにクラスで話をさせたんです。そうしたら、その子たちはシンガポールではトップクラスの子ですけれども、その子が何と言ったかというと、日本語で言ったんですが、「私はあんまり頭がよくないから、留学は東大にする」と言ったんですよね。そうしたら、教室中がしーんとしてしまい、しょうがないから担任が、「いや、これが世界の現実だ」と言ったそうです。それでその子に「じゃ、頭のいい子はどこに行くんだ」と言ったら、「ハーバードに行くんだ」と言うんですね。これは世界の現実だということも、やっぱり考えなければいけないことだなと思いますね。長い先を考えますとね。
 ですから、うちの生徒はそれを聞いてショックだったようです。目標にしていた学校でしたからね。どういうふうにこれからしていったらいいかということは、やっぱりこの場が唯一考える場所なので、是非お願いしたいというふうに思っています。すいません。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それから、安西委員からフォローアップがありますので。

【安西委員】

 こちらもさっき突然振られたもので、ちょっとギャップがあったものですから。
 計画になっていないじゃないかと申し上げるつもりはございませんで、フォローアップというのは、ただアクションプランに書いてあることそれぞれを、どのぐらいできたかというのをここで確認するということだけだったら、それはどこかでやってやれるんじゃないかということを申し上げたかっただけで、私はPDCAをきちっとやっていくことは非常に大事だと思いますけれども、もちろん定量的、定性的な目標も含めて、PDCAのもとにゴールといいますか、それがあるはずで、それは実はこの振興基本計画の最初の方に立派に書いてあるんですね。教育の使命とは何か、我が国における教育の使命とは何かということはちゃんと書いてありまして、そういう方向に向けて、定性的ではあるけれども、司法も含めて、やっぱりみんなでもって一つ一つ進めていく、それのフォローアップをしていくということが大事だというふうに思うんですね。それだったらやりがいがあることだなというふうに思います。
 なかなか立派な文章で、それぞれの委員の皆様の分野、バックグラウンド、それぞれに子どもはこうあるべきだ、こうじゃないかということは、特に経済界の方々なんかはおありになると思うんですけれども、そういうことも含めて、もう書いてあるんですね。それに向けて、是非みんなで努力していくことが大事なのではないかということでございました。
 それから、もう1つ、前からの経緯で、これは三村部会長も前からインフォーマルでおっしゃっておられたことでありますけれども、やはり財務省等から見たときに、文部科学省のデータというんでしょうか、それがなかなかそろっていないように見えると。教育投資が必要だというけれども、一体どういう部分に、どういうふうに必要なのか、それを手当てすればどういう成果が上がるのかということがなかなか見えないということは前から言われていることで、文部科学省には、是非データの整備ということを改めてお願いをしておきたいなというふうに思います。
 それから、ついでにもう1点でございますけれども、就学前教育、それから初中の義務教育、それから後期中等教育、高等学校ですが、高等学校は大変大事な問題だと思いますが、それから大学、大学院等々、いろいろな段階での教育の問題があります。それをお互いに「これもあるよ」と言うと、「いや、こっちもあるよ」という話をしていると、いつまでたっても断片的な話になりますので、それぞれの他の中教審の各分科会が、私どもでは大学のことをやっておりますけれども、郷先生と一緒にやらせていただいているんですけれども、やはりある意味できめの細かい、就学前についてのことは、やっぱりみんなで就学前のことを理解して、大学のことについては、やっぱりみんなで大学のことを理解して、と、本部会がその全体について考えるほとんど唯一の場だと思いますので、是非そういうふうにしていただけないか。それぞれのことだけを言い合っているだけだと、なかなか、前に聞いたことがあるなという、そういうことになってしまいがちだと思いますので。
 いろいろ申し上げて恐縮でございますが、よろしくお願い申し上げます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 復活戦ありですけれど、他にスピーチ、どなたかおられますか。

【岡島委員】

 一言だけ。全く関係ないかもしれないんですけど、私もだんだん年寄りになってきたのでそう思うんですけど、シニアの活用というのをかなり本格的に考えたらいいんじゃないかと思うんです。自然体験活動の方ではもう既にやっていて、65歳以上ぐらいの方でもいいんですけれども、かなりお力があるんですね。特に私は思うんですけれど、学校を卒業した先生方にボランティアの機会を与えるような方法があったらいいんじゃないかと思うんですね。よく言うんですけど、江戸時代の寺子屋は、地方なんかはほとんどただですよね。ほとんど武士のリタイヤした人、お坊さん、それから、だんなさんが亡くなった奥さんとか、そういう方がほとんどただに近い形でやっていました。同じように、日本でもそういう、迷って、スーパーマーケットだとか図書館でうろうろしているおじさんがいっぱいいて、怪しいおやじと言うんですね。ですから、その怪しいおやじを正しいおやじに導くような作戦をやったら、あんまりお金はかからないで、健康にもいい、というふうに思います。
 家内に話したら、デパートでうろうろしているのはさまよえる奥さんだというんですね。ですから、そういうのも含めて、いろいろ60過ぎぐらいの方々にお力を出していただく仕組みがないと思うんですよ。みんなちょっと照れたり、やりにくいんだと思うんで、会社なんかも含めて50歳過ぎぐらいから、そういうソフトランディングできるように、教育界も産業界もそういうことを少しちゃんとした制度として考えられるといいのではないかなと思いました。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、時間もそろそろちょうどいい時間になってまいりましたので、これで議論を打ち切らせていただきます。
 では、次回までに、そういう形で、ご意見を何でも。それから事務局としても、今日の意見を、全部これをどうやってやったらいいのか、なかなか難しい点はあると思うんですけれども、少なくとも努力してみて、それで、1つのアウトプットは次回までに示していただきたい、とこのように思います。
 それでは、どうも貴重なご意見ありがとうございました。これで第1回を終わらせていただきます。

--了--

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-- 登録:平成21年以前 --