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鳥居部会長 それでは、定刻でございますので、ただいまから中教審の基本問題部会第16回を開催させていただきます。
今日は、前回に引き続きまして、「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」の中間報告案の取りまとめについて、御審議をお願いしたいと思います。
それから、今日は中間報告案を審議するということで、会議の公開に関する規則に照らせば、本来なら非公開ということですけれども、今回の答申は案文の段階から国民の皆様の間で広く議論していただくということで進めてまいりましたので、公開としたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鳥居部会長 それでは、本日の会議は公開で行わせていただきます。
早速、議事に入らせていただきますが、前回の基本問題部会で御審議いただきました中間報告の素案につきまして、本日御欠席の森委員から書面で御意見が提出されております。皆様のお手元にお配りしてありますので、それもお目通しをいただきたいと思います。
事務局のほうで、前回の皆様の御意見を受けまして、いろいろと修正を加えてもらいました。これが資料1であります。この資料1につきまして、事務局からまず説明をしてもらいまして、それから御審議をお願いするという手順にしたいと思います。それでは、どうぞよろしくお願いします。
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事務局 おはようございます。最初に、資料の確認をさせていただきたいと思います。
資料1が、今、鳥居会長からお話がありましたとおり、49ページの一つの冊子になってございます。
資料2は、恒例の教育基本法と憲法の条文を掲げた資料でございます。
資料3は、一枚紙で今後の日程を記したものです。
あわせまして、参考でございますが、17日の部会以降報道されました新聞記事のコピーを、参考1としてお配りしてございます。
参考2が、前回の部会の意見の概要(案)です。
それから、先ほど御紹介いただきました森先生、そして本日、永井先生からも御意見を書面でいただきましたので、追加で配らせていただいております。
それでは、資料1につきまして、前回17日の資料との変更点を中心に御説明をさせていただきたいと思います。
最初に、「はじめに」というのを新たに追加させていただきました。中間報告に至るまでの経緯と中間報告の趣旨を示すものとして、新たに追加させていただいております。
特にこの中では、最後のところで、国民の方々に幅広い議論をいただきたいという趣旨を盛り込んでございます。
2ページからが「序章」についてでございます。前回は骨子という形で箇条書き的に記しておりましたのを、文章化したものになります。この中での変更点は、特に3ページ目の一つ目の「○」の出だしのところに、御意見を踏まえまして、「よき社会はよき教育によって作られる。」という書き出しを追加させていただいております。
もう1点は、「第2章」の修正と連動するところでございますが、二つ目の「○」になりますけれども、骨子案の段階では「抜本的な見直しが不可欠」となっておりました記述につきましては、「普遍的な理念は大切にしながら、以下の視点を明確にする観点から見直しを行うべきであるとの意見が大勢を占めた。」という形で修文を行ってございます。
また、あわせまして、「第3章」とも関連しますが、「新しい時代を切り拓く心豊かでたくましい日本人」というところにつきましても、「心豊かで」という言葉をつけ加えてございます。
それから、4ページ目の一番上の「○」でございますが、骨子につきましては、「第3章」の基本計画との関連がわかるようにという御意見がございましたので、この「○」を追加してございます。
続きまして、5ページから「第1章」についてでございます。9月30日の総会も含めまして、御意見を踏まえた修正になってございます。5ページの「第1章」の冒頭に1ページほどリード文がございましたが、それは「序章」を追加したことに伴いまして、1ページ分削除となってございます。
それから、「第1章」につきましては、13ページ目をお開きいただきたいと思います。13ページの「(3)」の「○」についてでございますが、「これからの教育の目標」のスローガンにつきましては、御意見を踏まえまして、「21世紀を切り拓く心豊かでたくましい日本人の育成」と、先ほどの「序章」と連動しておりますが、「心豊かで」という文言をかぎ括弧の中に加えてございます。
続きまして、14ページを御覧いただきたいと思いますが、「 」についてでございます。「 」の表題につきまして、従前の表現ではかぎ括弧の中に「新たな公共」という形がありまして、「『新たな公共』を創造し、21世紀の国家・社会を主体的に形成する日本人の育成」とございましたが、今回そこに御覧いただきますとおり、「新しい『公共』」という形で「公共」を出しまして、「新しい『公共』を創造し、21世紀の国家・社会の形成に主体的に参画する日本人の育成」という形で表題を修文してございます。
また、「新しい『公共』」という内容の説明を追加させていただいております。14ページの一番下の「○」のところにございますが、「国民の主体的な参画に支えられたよりよい国づくり地域づくりを推進していくため」というくだりと、15ページの最初の1行目の後段のほうからですが、そういった面とともに、「互いに支え合い協力し合う互恵の精神に基づき、より身近には地域社会の生活環境の改善や」という観点と、それから「より広くは地球環境問題、エイズ問題など国際社会が直面する様々な課題の解決に積極的に貢献しようとする」という趣旨で、地域的な側面、あるいは国際的な広がりも含めたものを「新しい『公共』」という形で、説明を少し加えてみてございます。
同じく15ページの「(4)」の「目標実現のための課題」を御覧いただきたいと思います。前回の資料では、「 」から「 」という形で、「 」が「生涯にわたる学習機会の充実」、「 」が「一人一人の個性に応じて、その能力を最大限に伸ばす学校教育」、「 」が「知の世紀をリードする大学改革の推進」、「 」が「家庭は地域の教育力の向上」、「 」が「教育投資の充実」という柱立てで、5本が目標達成のための重要な課題という位置づけでございましたが、こちらは続く「第2章」の「教育基本法見直しの必要性」と重なり合いますので、ここでは重ならないところの「教育投資の充実」という事柄につきましてのみ、ここに書き残してございまして、それ以外の4点は「第2章」の冒頭に移行してございます。
続きまして、17ページからの「第2章」についてでございます。
17ページにつきましては、二つ目の「○」の5行目、6行目についてでございますが、前回、「結論に至った」ということの表現につきましては、まだ結論に至っていないのではないかという御意見、あるいはこれまでの議論の大勢としては見直すという方向でよいのではないかという御意見があったこと、あるいはまた、「見直し」の言葉が意味が多義的でありまして、具体的にどのようなことを意味しているのかはっきりしないという御意見があったことから、「それらの理念や原則を明確にする観点から見直しを行う」ということで、見直しの観点をそこに書き加えましたとともに、「見直しを行うべきであるとの意見が大勢を占めた。」という形で修文を行いました。
続きまして、18ページの「 」を御覧いただきたいと思います。「第1章」の「教育の目標」の「 」と連動するところですが、この「 」の表題につきましても、主権者としての基本的な人権が担保された個人がまずあるのであって、最初に「公」ありきではないという意見、あるいは「公」が強調されて「私」の視点が失われてしまっている印象を受けるので、丁寧に記述すべきとの御意見、また、みんなで社会に参加して新しい社会を築くというニュアンスが出たほうがよいとの御意見、あるいは「個人の尊重」と「公」のバランスが重要との御意見がございまして、ここにつきましては、表題とともに、括弧書きの最初の5行、「個人は」以下の文章につきましては、憲法の規定なども参考にしながら趣旨をつけ加えてございます。
読み上げさせていただきますと、「個人は、一人だけで安全に生きていくことができるものではない。自らの生命や自由を守り、自らの幸せを追求するためには、対等な個人が集い、その信託によって社会や国という『公共』をかたちづくることにより、それを通じて自らの安全や権利を享受できるようになるのである。そして、このような『公共』をつくり、維持することができるのは、その構成員であり主権者である国民一人一人であって、他の誰でもない。」。
次の段落では、「国や社会など『公共』に主体的に参画したり、自他の権利を守るために『公共』に共通の社会的なルールを作り、遵守する意識や態度を涵養し、個人の尊重との調和を図ることが重要である。」。
また、一番最後の行では、「『公共』が国際的規模にまで拡大している現在」という形で修文を行ってございます。
続きまして、19ページの最初の小見出しの「日本人のアイデンティティの視点、国際性の視点」につきましてでありますが、この点につきましては、日本人のアイデンティティについて、国際性の中でアイデンティティを持つという趣旨を明確に出すこと、また、偏狭なナショナリズムに陥ることなく、国際社会に貢献する開かれた愛国心であることが必要との御意見がございましたので、この点につきましては、そのパラグラフの4行目あたりから、「このような自らの国を愛し、平和のうちに生存する権利を守ろうとする国民一人一人の思いが、我が国だけではなく、同じ思いをもつ他国の主権を尊重しなければならないという国際的な視点に通じるものとなる」とう形で修文、追加を行ってございます。
その下の「 」につきましては、3行目に、御意見を踏まえまして、「『生涯学習社会』の実現に社会全体として取り組むことが重要である」ことを明確に示すべきではないかという御意見を踏まえて、その点をつけ加えてございます。
それから、22ページを御覧いただきたいと思います。22ページの「iii 」の「社会の形成に主体的に参画する『公共』の精神、道徳心、……」の項目についてでございますが、この点につきましては、先ほど御説明した18ページの「公共」のところと同じような趣旨の記述をつけ加えた形で修文をしてございます。
同じく「iv」の「日本人としてのアイデンティティと、国際性」というところにつきましては、23ページの2行目になりますけれども、「愛国心」という言葉が特定の色がついているということ、あるいは「国を愛する心」というほかの記述との整合性ということで、2行目から3行目にかけては「真に国を愛する心」という形で修文を図ってございます。
それとこのページの5行目からの「なお書き」の3行を追加してございますが、この点につきましても、あわせて偏狭なナショナリズムとなったり、一国の独善主義ではいけないという趣旨につきまして、既に教育改革国民会議におきましても同様の指摘がございましたので、その旨を「なお書き」として明記させていただいてございます。
続きまして、27ページの「 」を御覧いただきたいと思います。「教員等」というところの二つ目の「○」になりますけれども、御意見としてありました点を踏まえて、二つ目の「○」を追加してございます。子どもの人権が尊重されなければならないものであるということともに、子どもにつきまして、恣意に任せて行動することが容認されるものではなく、指導に従う責務があること、あるいは子どもは規律を守り、しっかりと学習に取り組まなければならないという御意見がございましたので、この「○」を追加して加えてございます。
続きまして、「第3章」、32ページに移らせていただきます。32ページの下から2行目を御覧いただきたいと思います。
「第3章」につきましては、32ページの下から2行目の小見出しで「教育改革の基本的方向」と出してございます。この点につきましては、中間報告全体の整合性をより明確にすべきという御意見を踏まえまして、「第2章」の冒頭のところに掲げた「教育基本法の見直しの視点」とできるだけ整合性がとれるような形で再構成をさせていただきました。「第2章」の17ページに戻っていただく形で恐縮ですが、17ページの「第2章」の「 」から19ページまでの「 」を踏まえまして、こちらの32ページからでは、一つ目の「○」が「国民から信頼される学校教育の確立」という形で位置づけてございます。
33ページに移っていただいて、「豊かな心をはぐくむ教育」と「健やかな体をはぐくむ教育」は小項目としては分けてございます。
それから、「『知』の世紀をリードする大学改革の推進」「家庭の教育力の回復……」「生涯学習社会の実現」というところは基本的に同じでございますが、「第2章」にございました、「『公共』に関する国民共通の規範の再構築」という項目につきましては、教育基本計画の中では、このページの二つ目の小項目になります「豊かな心をはぐくむ教育の推進」という内容として、「公共」に関する国民共通の規範の再構築を整理して、再構成しているところでございます。
続きまして、34ページを御覧いただきたいと思います。「3」番、「教育振興基本計画に盛り込むべき施策の基本的な方向」という項目のところで、枠で囲んだ部分につきまして、前回から少し修正をしてございます。この点につきましては、文部科学省で進めております「教育新生プラン」も踏まえて、「学校が良くなる、教育が変わる」ということなどが、国民の方々にわかりやすく、かつインパクトをもって伝わるようにという観点から、幾つか例示となるような政策目標を全般的に書き込んだ形で、ここの部分につきまして、国民の方々に、このような観点から教育振興基本計画が策定されるという、ある程度のイメージをつかんでいただくために、少し修文をしてございます。
また、御意見としても、ここの例示のところにつきまして、総花的で、白書的なものになってはならないので、重点を絞って、目玉政策10本ぐらいにまとめたものにしてはどうかという御意見もございましたので、御覧いただきますとおりの形で、イメージがつかみやすいような形で、幾つかの目標を例示として掲げさせていただいております。
最初の例示が、いじめ、暴力行為などを5年間で半減という目標の掲げ方をしております。
2点目は、外国語教育の充実について。
3点目が、確かな学力の向上に向けた観点からのものです。
35ページに移りまして、最初の「○」が習熟度別授業の点。
次の「○」が、特別支援教育体制の構築。
次の「○」が、学校施設の耐震化、あるいは良好な教育環境の確保、それからITに関するコンピュータ環境の整備。
次の「○」が、学校間連携の推進。
次の「○」が、高等教育、大学としてしっかりとした教育機能の確保、教育を保証するということを掲げてございます。
次の「○」が、世界に通用する大学を目指した流動性の取組などです。
次の「○」が、世界水準の教育研究成果の確保を目指したもの。
下から二つ目の「○」が、子どもたちの体力、運動能力の向上に向けた点。
最後の「○」が、奉仕活動・体験活動の充実、あるいは家庭教育の支援の充実という形で、整理し直したものでございます。
それから、40ページを御覧いただきたいと思います。
40ページの「ii」と、次の41ページの「iii 」のところでございますが、先ほど御説明しましたとおり、「公共」に関する点につきましては、40ページの一番上にありますとおり、「豊かな心をはぐくむ教育の推進」の中の2番目、3番目という形で整理をさせていただいたところでございます。内容としては、これまでありましたものを再編成したという形で御理解いただければと思います。
「第3章」では、それ以外に、45ページの「教育研究機能の充実」の「○」の一番上のところで、御意見を踏まえまして、「人材の招へい,集積」という事柄も書き加えさせていただいてございます。
それから、46ページの家庭教育のところでは、47ページの1行目で、「親が人生最初の教師であることを自覚し」などの形で追加してございます。
おおよそ主な修正点を御説明させていただきました。まだまだ修正点がほかにもございますが、今回は御説明を省略させていただいておりますが、これまでいただきました御意見はできるだけ中間報告の整理の中で反映できるように取り組んだつもりでございます。また、全体の記述をなるべく簡素化し、わかりやすくするという観点から、ほかの箇所に御指摘の趣旨が記述されていると考えられる御意見、あるいは他の記述とのバランス上、採用することができなかった御意見もございますけれども、こんな形で修正をさせていただきましたので、御理解いただきまして、また御審議をお願いしたいと思います。
以上でございます。
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| ○ |
鳥居部会長 今説明していただきましたように、資料1は、前回の中間報告の素案に比べまして、いろいろと皆様の御意見を踏まえて修正をしてあります。今日は、特にその修正したところについて吟味をしていただき、今日もしこれでよろしいとなれば、総会にこれを提出するというつもりでおりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
それでは、「中間報告案」と今度は呼んでいますけれども、資料1につきまして、御意見がございましたらお願いしたいと思います。
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| ○ |
随分工夫していただいたなという気がいたします。これからどういうふうにしたらいいかわかりませんが、ちょっと気のついたことを申し上げさせていただきます。
「新しい『公共』」ですね。「公共」のところだけ括弧をつけられたので、これでわかりやすくなりましたが、まだまだ何となくボランティア活動、「いわば新しい『公共』とでもいうべき観点に立って」という、15ページですね。率直に言いますと、「滅私奉公」でもないし、「滅公奉私」でもないという、これが「新しい『公共』」だと思うのです。ですから、何かその種のことがあれできないかと思います。
例えば、15ページの一番上のところに言葉を補って、「ここでいう『新しい「公共」』とは、『私』と『公』の新しい関係の在り方のことである。『私』が『公』に全面的に奉仕するのでもなく、また、『公』を『私』のために利用したり、『公』のことを一切考えることなく、『私』のみを追求したりすることでもない」という趣旨のことを、「公」と「私」だけ括弧をつけてもらいまして、言っておいていただいたらどうでしょうか。「新しい『公共』」というのが、ある意味で一つの目玉だと思うのです。
これがあると、18ページでしょうか、随分工夫して書いていただいたことが誤解されないで済むだろうと思います。我々は社会的動物ですから、社会のことを忘れて、個人だけで、自分の利己的な欲求だけで生きていくことはできないので。そのことを戦後50何年忘れがちだったというね。やっぱりこのことをもう一度考えなければいけないという趣旨はとても大事だと思います。しかし、それがまた、「個」がなくなっちゃうとか、「私」がなくなってしまうという誤解に導かれてもいけませんので、14ページの上のほうに「新しい『公共』」について何か入れておいてもらって、「滅私奉公」でもなく、「滅公奉私」でもないというね。その上でだったら18ページの修文が非常に生きてくるのではないかという気がして、まず読ましてもらいました。
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| ○ |
鳥居部会長 どうもありがとうございました。
大変大事なことをおっしゃっていただいたと思いますので、後ほどこれも修文に使わせていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
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前回、私は出席をしていないものですから、基本的な枠組みの部分から若干疑問に感じているところも含めて申し上げたいと思います。
前回の御意見を見てみますと、教育基本法の見直しありきという論調はやはり問題ではないかという御意見が幾つか出ていたと思います。私もそういうふうに思う部分もあるのです。今回は基本計画と一緒に出てきておりますので、基本計画のほうでも私は一つ申し上げたいことがあるのです。従来の法の枠組みといいますか、教育基本法という理念法があって、あとは個別の学校教育法とか、そういう法律に落とし込んであって、その間にあるようないわゆる基本計画的なものがなかったということだろうと思います。
その際に、今回、見直し方向の中で、枠組み論でいえば、教育基本法の理念法的な部分は変えない。ただし、その中に幾つか追加をしたほうがいいことがあるので、見直しをすべきだという意見が多いという、そのとらえ方は間違っていないのではないかと思います。今までの議事録を見せていただきますと。
ただ、そういうことに対して別に反対ということではないとは思うのですが、私もそのように思うのですが、すべてを教育の責任に帰してしまうということはいかがか。そういう全体の中で、教育の果たす役割といいますか、基本法で決めてある理念のところをどこまで果たして書き込むのかという議論もあったと思います。したがって、そういう意見もあったと。これから恐らく法律の見直しは国会の場で議論されていくと思いますが、この審議会の位置づけからしますと、法の原案を議論しているのではなくて、考え方を示すということからいえば、そういう意見があったということは大事なことではないかと思います。その辺のことを、例えば「序章」なのか、「はじめに」なのか、どこかに入れておいたほうがいいのではないか。
例えば、基本法は理念法であるから、そこで書くべきことは限界があると思うのです。もう少し具体的に展開していく施策に関するようなことは、基本計画のほうで書きますと。基本理念をここで決めるということだろうと思うのですが、そこのところがもう一つ、書いてあるといえば書いてあるのですが、どうなのかなという感じがしているのです。
もうちょっと具体的に申し上げると、これまでの教育基本法はどちらかというと義務教育を中心としたところの在り方に向いていたと思います。しかし、今回は、3ページの「序章」のところにも述べてありますが、まさに根本的な部分なのかもしれませんが、高等教育、大学教育とか、地域とか、家庭とか、生涯学習という形である意味で広がっているわけです。理念としても広がっている。それは基本法があるべき姿として、やはりそこまで述べないと、戦後の教育基本法のもとに推し進められてきた教育政策が、今日の教育の実態を招いたという反省に立つならば、こういうことも述べたほうがいいということだろうと思います。
しかし、これは理念だと。具体的な政策をここで書くわけではないともちろん思いますが、そういう意味で、理念の範囲が広がったのだというか、概念が広がったのだというか、そのようなことが一つ今回の見直しというか、追加しなければいけないということの大切な思想ではないかという感じがするのです。もう一方では、もちろん例の道徳とか、「新しい『公共』」という概念がはっきりしていないというところがもちろんあるとは思いますが、それはそれで書いてありますのでね。
そのようになぜ思うかというと、ちょっとくどくなってしまうかもしれないのですが、教育基本計画のところも読ませていただくと、例えば基本法で述べた地域とか、家庭の在り方ですね。これは新しい視点だと思いますが、しかしながら、教育基本計画の位置づけや枠組みのところがもう一つあいまいなような気がするものですから、つらつらと基本計画を読ませていただくと、やっぱり大学も含めた学校教育という場面にかなり集約されていると、基本計画の内容が。しかし、基本法で書いてあることは、実は家庭とか、地域の問題がかなり大きいということで広がっているにもかかわらず、こちらにはあまり書いていないのです。
私は、それを書けと言っているのではなくて、これは理念であるからすべてを、つまり、もうちょっと申しますと、基本計画の必要性というところで、政府の役割として幅広く国の基本政策として基本計画を持つのだと書いてあります。これは言ってみれば、文部科学省の領域ではなくて、もっと言えば、ほかの省にまたがるような広い政策、あるいは自治体や地方行政といったところまでまたがるものを決めるのですよということを表明しているとも言えるわけですよね。なぜ基本計画を決めるかという位置づけは。その割には、そこが基本計画の中には詳しく記載されておりません。
そこが実は地方分権とか、あるいは家庭のことまでとやかく文部科学省が言うのかという気持ちもありまして、何も書く必要はないと思いますが、そういうふうな枠組みになっておりますから、なっているということは、基本法で書かれている地域に触れているところとか、今回初めて大学、高等教育に広げてきたというところも書く必要性があるのだというところの背景というか、その辺をもう少し書き込んでおいたほうがいいのではないかということを感じるのです。
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鳥居部会長 ありがとうございました。
冒頭におっしゃったことについては、ここである程度の話し合いが行われています。教育基本法は、どこの国の教育基本法もそうだと思いますが、おっしゃるように、ほとんどが理念法的な性格を持っていて、まずとにかくそのことをきちんと決めておくことが大事で、理念法的な性格が非常に重要ですが、理念を述べると、ほぼ自動的に実は実定法的な性格を持つ事柄も中にはあるのです。
例えば、現行の教育基本法でいいますと、「学校教育」という第6条がありますけれども、「法律に定める学校は、公の性質をもつものであって、国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる。」、これは教育基本法で決めておかないと、どこが学校なんだかというのが……。これは一種の、学校とは何かということについての理念を述べていると同時に、実定法になっていると、学校を定義せざるを得ないという性格を持っているわけです。そういう性格を持っている部分はどうしても残るということを、前回、私の言葉で皆さんに呼びかけまして、大体そういう性格のものでいいですねというお話をしたところであります。そこは御理解いただきたいと思います。
後半おっしゃったことはよくわかりましたので。
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| ○ |
事務局 先ほど委員から御指摘いただいた点につきましては、「序章」「第1章」ではなくて、「第2章」の19ページのところになってしまいますけれども、19ページから20ページにかけまして、「教育基本法見直しによる教育改革の推進」というところにおきまして、理念法としての教育基本法を改正する趣旨が最初の「○」で、教育の制度や諸施策を個別に論じるだけでは取り上げにくいような教育の目的とか、学校教育制度の在り方とか、家庭教育の役割といった事柄についても、幅広く議論しているのだということ。それから、基本法を受けて、生涯学習振興法、学校教育法などの制度的な見直し、そして、それがさらに一つ一つの学校、家庭における活動といいますか、教育の改善につながっていくのだということを期待する趣旨のこととか、あるいは20ページの二つ目の「○」では、基本法を見直すだけでは、いじめ、不登校という課題の解決には直接つながらないけれども、計画と相まって実効性のある教育改革の推進ということ、三つ目の「○」では、国民的な議論をという形で、ここにおっしゃられた趣旨のところは少し整理されているという形になっていると思います。
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| ○ |
今のことに関連してなのですけれども、委員のお話はごもっともです。ただ、今回のこの中で、最初から問題になるのは教育と学習のことをどのように関係づけていくのかということですけれども、教育基本法で、生涯学習社会のことに触れると、必然的に教育の範囲の外にある学習のことも、皆さん頭に思い浮かべるわけですから、さっきのような問題が出てきてしまうわけです。
それについては、従来、文部省と言っていたときから、生涯学習審議会は他省庁との関連でいろいろ議論して、そちらのほうにもあれこれお願いしたりする。それは都道府県・市町村でもそのようになったわけです。ですから、そのあたりのところを意識して、もし誤解を招いていけないようであれば、教育のことでずっときていますが、生涯学習社会のところについていえば、今のような教育の中におさまらないものについても、いろいろ検討しなくてはならないようなことをちょっとにおわせておいてもらえば……。
これはもっと具体的な計画のレベルでの問題だと思いますが、それがここで見えないということから、誤解が出てくる可能性があるので、その辺、ちょっと注意していただけばいいのではないかと思います。
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| ○ |
鳥居部会長 ありがとうございました。
今のことに関連して言えば、前回、2度ばかり申し上げましたけれども、学校の役割と、社会全体としての我々が一般論として言っている教育の役割は、どこかで整理してみる必要があるのではないか。
前回、私は五つ挙げまして、その一つは訓育、要するに教え育てるという訓育です。2番目は才能の開発、3番目が山本委員がおっしゃった学習の支援、4番目が個人の独立を生涯にわたって可能にしていくこと、最後の5番目が社会に出ていくのを支援することです。よく英語では、サポート・フォー・ソーシャライゼーションと言いますけれども、それが広い意味の教育とか、学校とか、社会が行う教育の役割ではないかと整理してみたわけです。その辺のところが当然のこととしてわかっているという形でこれはできているという考え方だと思います。
ただ、国によっては、むしろ今申し上げたようなことを学校及び社会の役割として明記している教育法もあるわけです。その辺のところは、教育基本法に明記する形をとるよりも、むしろ今回は教育基本法と教育振興基本計画とでそこのところの言い方を分担している形になっていると思います。
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| ○ |
事務局 先ほど教育振興基本計画につきましての政府全体としての取組という御指摘もございました。今回、「教育振興基本計画に盛り込むべき施策の基本的な方向」という表題が34ページにありまして、36ページの一番上のところで、この中間報告、あるいは答申の段階では、大きな基本計画の基本的な方向について、計画に盛り込むべき施策を検討することという形で御提言をいただいて、これを踏まえて、答申をいただいた後、中教審の中のそれぞれの専門性を持った関係分科会において、それをより具体化する検討の作業を進めていただく。
また、並行して文部科学省のほうからも他省庁の関連する教育、学習の施策をリンクさせながら、基本法が成立した後、閣議決定としての教育振興基本計画を確定、策定する段階では、より広がりを持った形で具体的な計画を策定していくという段取りに向けて、今、ちょうど方向性を示していただくのが今回の答申という位置づけで理解をしているところでございます。
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| ○ |
鳥居部会長 事務局に質問なのですけれども、20ページの上から5行目のところに、「生涯学習振興法」だけ、かぎ括弧がついているでしょう。これは何ででしたか。
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| ○ |
事務局 法律名が長いもので、短くしてあるという趣旨でかぎ括弧がついてございます。
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| ○ |
鳥居部会長 ああ、もっと長いのですか、本当は。
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| ○ |
「いわゆる」と頭にくっつけて言っているぐらいですので、しょうがないです、これは。でなかったら、括弧して長いのをつけてもらってもいいのかもしれません。
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| ○ |
事務局 「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」というものです。
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| ○ |
振興基本計画については、事務局からお話があったように、きちんとした定量的な、あるいは数量的なところまで議論して、閣議決定までいって、実効性のあるものにぜひしていただきたい。これはぜひお願いしたいと思います。
それを前提にして、私の意見をお願いしたいと思います。6ページの教育の現状の分析ですけれども、最初のパラグラフの不登校のところがあります。これは中途退学も入れていただきたいと思います。最近は10万を超していますからね。そうすると、1,000人ぐらいの高等学校が100校ぐらいなくなるわけですからね、1年間に。これは教育としてはゆゆしき問題なので、ぜひとも中途退学の文言を入れていただきたいと思います。
ほかには、配慮していただいた文章もいろいろありますけれども、27ページと38ページですが、27ページに「教員等」というのがございます。また、38ページにも「優れた教員の養成・確保」というのがございます。27ページのところでもそうですが、学校の場合、教員だけで学校運営や経営がなされているわけではないのです。そこには事務職員とか、栄養職員とか、あるいは現業職員等を含めて、そういう職員が今の学校経営の中で大きなウエートも占めています。基幹職員としての位置づけにもなっていますので、ぜひともそういう言葉を入れていただきたい。もちろん、27ページには「教員その他の指導に従って」ということで、「その他」となっていますけれども、ある程度具体的に出していただければどうだろうかと思います。
特に38ページのところでは、「教員の養成・確保」、あるいは地位向上と書いていますので、ぜひとも補足していただきたいと思うのは、最初のパラグラフの中には、やはり事務職員とか、栄養職員、あるいは現業職員等は学校における重要な基幹職員であるという趣旨を入れていただいて、また、「○」印のところがありますが、こういうところには「事務職員、栄養職員など教職員の専門性の向上」という形で、また、職員の研修関係もぜひ入れていただきたいと思います。
それから、教員の養成の部分です。この間もちょっと申し上げたのですが、今、4年制大学卒業が中心になっているわけです。しかし、今後はもっと高いレベルの基礎的な専門性を身に付けるべきだと思います。例えば、マスターとか、あるいはドクターとか、一定程度そういうところへも道を開くという感じでやっていただきたいと思います。
これを見ますと、使命感とか、責務とか、あるいは不適格教員とか、何か教員に対して悪い教員だけの話を書いていますが、いい教員をどうつくるかとか、より能力を高めるためにどういう教員をつくるかという視点が不足しているような気がします。この辺をぜひ補強していただきたいと思います。
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| ○ |
鳥居部会長 冒頭におっしゃった中途退学、年間10万でしたか。
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| ○ |
10万以上です。
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| ○ |
鳥居部会長 それは本当に見過ごすことのできない大きな数字ですね。これは34ページの書き方のどこかに―34ページをちょっと御覧いただけますか。最初の「○」で、いじめ、暴力行為、それから安心して学習できる環境、それから不登校となっていますが、この「不登校等の大幅な減少を目指し」というのに加えなければいけませんね。
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| ○ |
渡久山委員 ぜひお願いしたいです。
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| ○ |
すごく基本的なことに戻っていいでしょうか。きっと議論されたことだと思って申しわけないのですが、こういうのは一番最初のページをみんな読むだろうということで、「序章」で最初のセンテンスがちょっと気にかかるのです。
私は教育改革国民会議のメンバーであったわけですが、「教育改革国民会議は、日本の教育は危機に瀕しているとの認識のもとに教育基本法見直しの観点として」と書いていますが、危機に瀕しているという認識を我々はしたわけですけれども、それが教育基本法を直せば解決するというわけではないわけで、17のいろいろな提言をしていて、もっと根本的なことがたくさんあって、むしろ基本法に書かれていることが現実に実施されていないほうが問題ではないかという議論もいっぱいあったわけで、単刀直入に、「……認識のもとに」見直したらいいのだという議論では全くなかったので、これはすごい誤解を生むような気がして、あれだけ一字一句、報告書を書いた意図が全然出てきていないような気がするのです。
教育基本法に触れた部分についても、そうではなくて、新しい時代を生きる日本人の育成が必要であって、もう一つは伝統、文化、それからもう一つは、その実現に向けての教育基本計画を設置したらいいのではないかということが書いてあるけれども、それ以外にもいろいろなことが書いてあったわけで、危機に瀕しているのは基本法を見直せばいいという議論では全くなかったような気がします。ここの書き方を書き換えていったほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
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鳥居部会長 少し具体的なイメージを、出していただけないでしょうか。
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今ちょっと文章力がなくてあれですけれども、ちょっと考えます。
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| ○ |
最初に、先ほど委員がおっしゃいましたけれども、この点は、私も以前にここで申し上げたはずなのですが、学校の教員と施設のことは書いてありますけれども、教員以外の職員。例えば、国立大学の場合には、教員以外の職員のほうが多いわけでございまして、様々な職種の方々が十分使命感を持って活躍していただかないと、学校は効率的に動かないということがございますので、この点をぜひ入れていただきたい。ですから、基本法のほうは「教員」というところに「教職員」と書いてあればいいわけですし、基本計画のほうは文章として入れていただければと思います。
二つ目は、細かいことで恐縮でございますが、5ページの真ん中辺、「○」の二つ目ですが、「戦後教育改革も大局的に見ると明治以降の追いつき型教育の延長線上にあ」るということが書いてございます。それから、9ページには「戦後の追い付き追い越せ型経済発展」で、こちらのほうは「追い付き」だけではなくて、「追い越せ」があるのです。
それから、14ページのところにまいりますと、「高度成長期には有効であった画一的な追い付き型教育」ということでございまして、ここでは戦後ではなくて、高度成長期になっております。
さらに、17ページにまいりますと、ここでは「これまでの教育」というような表現になっていたかと思いますが、いろいろな表現がございます。
つまり、追いつき型というのは明治以降なのか、戦後なのか、高度成長期のことなのかという点が、その箇所箇所で違っておりますので、整理していただければと思います。
3番目は、例えば3ページには、「よき社会はよき教育によって作られる」とございます。それから、7ページには、「繁栄の実現を期してたのむべきは、今も教育の力をおいて他にない」ということが書かれてございます。4ページには、「今、これらに匹敵する教育改革を実現すべき時が来ている」と、こうございます。
我々は教育関係者ですし、こういった重要な仕事を付託されておりますので、こういうふうに考えたいわけでございますけれども、外の人は気負い過ぎているのではないかというふうに見ないかどうか。例えば、「よき社会はよき教育によって作られる」と言いますけれども、「よき教育はよき社会によってつくられる」とも言えるわけで、どちらかといえばそちらのほうが大きいのではなかろうかということも言えようかと思います。
それから、7ページの「繁栄の実現を期してたのむべきは、今も教育の力をおいて他にない」というのがありますけれども、繁栄というのは本来経済の力、あるいは技術の力で繁栄するのであって、教育もワン・オブ・ゼムでありますけれども、「教育をおいて他にない」というのはあまりにも強過ぎるのではなかろうかと思います。
それから、今こそ第3の教育改革ということは、これは31年前の中央教育審議会の答申で言われ、15年以上前になりますが臨時教育審議会でも言われました。そうすると、30年以上たっていますけれども、常にそういうことが言われながら、一向にそうならない。これはやはり置かれているシチュエーションが違うわけでありまして、第1の教育改革、第2の教育改革は、いずれも政治の基本が180度転換されているわけですし、憲法も変わっているわけでございます。制定されたり、実質的に根本的な改正を受けているわけでございます。それから、明治維新とか、第2次大戦の敗戦とか、そういった基本的な変革が根本にあって初めて、第1、第2と言われるような抜本的な教育の改革がなされるわけでございまして、平時において非常時におけるのと同じような改革ができるであろうか。平時としては最大限の改革をすべきでありましょうけれども、果たしてできるのかどうか。別に反対しているわけではございませんけれども、こういった表現はいずれも少し気負い過ぎているのではなかろうかと思います。
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| ○ |
鳥居部会長 ありがとうございました。
一番最初におっしゃった教員及び職員については、先程の委員と同じことをおっしゃっていただいたのだと思います。これはお二人とも大事なことを何度もおっしゃってくださっていて、何らかの形できちんと取り上げたほうがよろしいと思いますので、後ほど検討させていただきます。
2番目の、時代によって書き方が若干違うのは、若干整理が必要だと思いますが、まず冒頭に読み上げられた5ページの2番目の「○」ですが、これはよく読んでみると、文章もちょっとあれなのですが、「臨教審は」が主語なのです。「臨教審は、戦後教育改革の成果を高く評価する一方で、」、次も「臨教審」が主語なのだと思いますが、「戦後教育改革も大局的に見ると明治以降の追いつき型教育の延長線上にあ」ると、こう臨教審が見た。その次がちょっと変でね。「深刻な教育荒廃をもたらしており」というのは、主語がわからないので、これは後で検討を―臨教審はこんなことを言ったかな。臨教審が深刻な教育荒廃をもたらすはずはないので。主語の置き方を変えないといけない。それはさておいて、いずれにしても臨教審が言ったことのクォーテーションなのです。ここは後で注意深く調べてもらいます。
それから、9ページの上から2番目の「○」でありまして、これはこの中間報告の文章そのものですので、「我が国経済の低迷は」というのは、どこにつながるかというと、若干、経済低迷の理由を分析する形で、その中で、「戦後の追い付き追い越せ型経済発展の在り方が知識社会への移行」云々と書いてあって、これも何を言いたいのかというのをもう1回整理する必要があると思います。
要するに、私が思いますのに、我々は戦後、一貫して経済発展を追求する努力をしてきたわけです。その中で、いろいろな新しい変化が起きた。その変化が少子高齢化であったり、労働力人口の年齢構成の変動であったりしているわけです。それに合わせて、教育がいち早く将来の方向を見直していかなければならないということを言えばよろしいのではないかと思いますので、ちょっと文章の整理をさせていただいてはいかがかと思います。
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| ○ |
これは私が読みますには、「経済発展の在り方」というのと、「教育発展の在り方」はほぼパラレルになっていると思いますので、この点で、同じ追いつき型であっても、教育の追いつき型と、経済の追いつき追い越せというのと、その間の調整を検討してみて ―違うなら違うでいいのですけれども、検討してみる必要があるのではないかということです。
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| ○ |
鳥居部会長 こんな感じなのですけれども、これは私の個人的な意見だと思って聞いていただきたいのですが、多くの場合は、今、委員がおっしゃったように、世の中がものすごい勢いで変わっていったとき、教育がいち早くそれにキャッチアップしないために、いろいろな問題が起こった。それで改革が提案された。これは例えばレーガンの提案もそうでしたし、サッチャーの提案もそうだったと思うのです。
もう一つ、全然違う、非常に重要な教育改革とか、教育の新しい方針が打ち出されたケースが、歴史の中には何度かある。それは何かというと、新しい方向がまだ出る前に、先読みで学校制度とか、教育の仕組みとかを提案し、つくっていった歴史があって、それが明治学制であったり、戦後どうなるかわからない状態のもとで、戦後教育というものを昭和24年の段階で新制度を提案したときは、先がどうなるかわからないけれども、それをリードしようという教育提案だったと思うので、その両方を考えたいものですねということを、今回の答申の中ににじみ出させることができないだろうかという思いがあるのですね。
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| ○ |
おっしゃるとおりですね。全くそのとおりだと思います。ですから、教育が社会をつくるというのと、社会が教育をつくるというのと、二つあると思うのです。両面がね、おっしゃるとおりで。
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| ○ |
今の点は、確かにそうなのですけれども、教育というのは、総会で委員も言っていましたが、非常に弱い立場にあるわけです。勉強しているのは子どもたちだし、先生方も一所懸命やっているだけで、社会からたたかれたりしたときに、黙って耐えているとか。でも、それが例えばその時その時の政治なり何なりに左右されていけば、悪いけれどもギリシャみたいに国が滅びるとかそういうことにもなる。もっと教育を大事にしてくれないかということをどこかににじませておかないとですね。極端なことを言えば、教育は第4権で独立させるべきだぐらいの議論もあるわけです。日本というのは人以外に資源がない国ですから、教育を大事にするという社会の雰囲気とか、考え方をここで打ち出し、会長がおっしゃるようにどこかににじませていただけないかということです。この前、何か違うふうに受け取られてしまいましたが、ぜひその点はお願いしたいと思います。
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| ○ |
今の点は私も実は賛成なのです。にじませ方を工夫しなきゃいけないと思います。
私は、言葉の問題で、まず22ページのところで、「i」「ii」「iii 」とありますが、これはくどそうな感じで、もう一つ内容的にも、人間が発達していくときには、パーソナライゼーションとソーシャライゼーション、この両面が必要だというわけです。パーソナライゼーションというのは、その人がその人になっていく。ソーシャライゼーションというのは、その人が社会のよきメンバーになっていく。ところが、どうしても教育が語られるときは、ソーシャライゼーションのほうからね。例えば、さっきおっしゃった能力の伸長にしても、徳育にしても、訓育にしても、結局は社会のよきメンバーという。知・徳・体というのも大体そんな感じで言われることが多いのです。
例えば、「i」のあたりは両方が入っている。「ii」番目はパーソナライゼーション的に、特に自然とのあれで入っている。「iii 」番目が社会の形成、ソーシャライゼーションというような割り振りがもう少し強く出たらいいのかなと思っています。
私、今、勝手に手を加えてみましたので、御参考まに申し上げますと、「i」は「個人の自己実現と個性・能力の伸長、創造性の涵養」ぐらいにしてしまって、その中に「努力や向上心」は入っておりますので。「教育においては、国民一人一人が自らの生を自覚し、向上心をもち、個性に応じて自己の能力を最大限に伸ばしていくことが重要であり、このような一人一人の自己実現を尊重することを明確にする必要がある」ぐらいにしてはどうかと思います。ちょっと文章が長くて、いろいろな要素が入り過ぎているから。
「ii」番目のところもこれでいいのですが、「感性」、それから「自然や環境との関わり」、いいのですけれども、この2行目の右端の、「特に、日本人は、古来より自然を愛でいつくしみ、豊かな文化を築いてきた。」、この後、すぐ「地球環境の保全」が出てくると、ちょっと唐突ですから、その間に1行ぐらい、「しかし、今や子どもの生育環境から自然が失われつつある」という趣旨のことを1行入れて、「環境保全」ということにしてはどうか。
それから、次の「iii」も、中身はこれでいいと思いますが、「社会の形成に主体的に参画する『公共』の精神、」、あとがたくさんあり過ぎるのです。例えば、「……参画する『公共』の精神、規範意識、使命感」ぐらいに、例えば三つぐらいにしてしまうとか。例えば、「道徳心と倫理観と規範意識はどう違うんだ」なんてなことを議論されるとまた困ったことにもなりますので。本文の中には若干羅列してあってもいいのですけれども、キーワードは二つないし三つにしてはどうだろうか。今、そういうことを思いました。
ついでに、後ろのほうになりますけれども、35ページ、基本計画ですが、いっぱい「○」があって、大事なことが全部並んでいる。これは趣旨は大賛成ですが、一番最後のところに、ボランティア活動やらの話と家庭教育の話が一緒に入っているのです。ですから、これは「○」を分けなければいけないのではないか。というのは、基本法のほうは「家庭教育」を独立させて、かなり書き込みをしてあるのです。でも、こちらのほうは一文の中に入っている。
例えば、「地域におけるボランティア活動などの奉仕活動・体験活動の機会を充実し、小・中学校で全員が体験することを目指す。」、ここで切ります。その次にもう一つ「○」をして、独立させて、「家庭教育に関する学習機会」というふうにしたほうがいいのではないかと思います。細かいことですけれども、気づきましたので。
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| ○ |
鳥居部会長 せっかく今おっしゃってくださったので、それはぜひ検討させていただいて、できましたらほかの委員の方々も特に御異論がなければ、今、委員が御提案くださったような形で修文を検討したいと思います。
最後のところですけれども、これも「家庭教育に関する学習機会の」云々という文章は、ちょっと直す必要がありますね。
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| ○ |
そうですね。これは言葉もそうですね。
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| ○ |
皆さんが非常に先の細かいことの話をしているのに、私ひとり随分、何回かもとに戻ったような話をしているのですけれども、先ほど具体的にとおっしゃりましたので、ちょっと考えてみました。
2ページの「序章」の一番最初のところは、結構重要なセンテンスではないかと思いました。こんなのはどうなのでしょうか。
「内閣総理大臣の下に設置された教育改革国民会議は、日本の教育は危機に瀕しているとの認識のもとに、人間性豊かな日本人の育成、一人一人の才能を伸ばし創造性に富む人間の育成、新しい時代にふさわしい学校づくりなどの国民的運動としての教育改革の必要性を訴え、17の提案をした。その中の二つとして、教育政策の総合的推進のための教育基本計画の作成及び新しい時代にふさわしい基本法の見直しを提案した。基本法の見直しの観点として、以下の3点を提示した。」、これが行われていたことを一番反映している書き方ではないのかと感じますが、いかがでしょうか。
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| ○ |
鳥居部会長 今、委員が具体的な文章を御提案くださったのですが、机の上に置いてありますファイルに、教育改革国民会議報告そのものがとじ込んであります。この目次のところを見ていただいて、それから1枚繰っていただきますと、「はじめに」という文章があるのですが、この「はじめに」というところと、大体この辺のところを御覧いただきながら、委員の御提案をもう1回聞かせてもらいたいのですが、もう1回読み上げていただけますか。
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| ○ |
「内閣総理大臣の下に設置された教育改革国民会議は、日本の教育は危機に瀕しているとの認識のもとに、人間性豊かな日本人の育成、一人一人の才能を伸ばし創造性に富む人間の育成、新しい時代にふさわしい学校づくりなどの、」……
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| ○ |
鳥居部会長 そこまでがこの「はじめに」という文章の目次になっているわけね。
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| ○ |
はい。その次も抜いていただきたくはないのですが、これは「おわりに」の文章です。「国民的運動としての教育改革の必要性を訴え、17の提案をした。その中の二つとして、教育政策の総合的推進のための教育基本計画の作成及び新しい時代にふさわしい基本法の見直しを提案した。基本法の見直しの観点として、以下の3点を提示した。」というふうにしていただけると、私は大変うれしいというか、そうではなかったのかと思うのですが、いかがでございましょうか。
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| ○ |
鳥居部会長 ありがとうございました。
今、途中で読み上げられた「国民的運動」云々というのは……
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| ○ |
「おわりに」です。
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| ○ |
鳥居部会長 16ページの下から3行目に書いてある。
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| ○ |
これは一字一句、順番から何から練って練って書いたつもりですので、「国民的運動」、本当は国民的総意ということなのですが、「国民的運動としての教育改革の必要性を訴え」というところも非常に重要だと思います。
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| ○ |
鳥居部会長 ありがとうございました。
貴重な御提案をいただいたと思いますが、今、御提案いただいた件について、ほかの委員の方々の御意見はいかがでしょうか。
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| ○ |
そうです。私も国民会議に出ていた者として、今のようなあれに全面的に賛成ですね。つまり、全体の性格とか、主張の趣旨が書かれて、その中に基本法の問題がきちんと位置づけられたほうがいいと思いますので、私は非常にいいと思います。
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| ○ |
私は全面的に賛成ですが、「17」という具体的な数は要らないかもしれないという気がしました。
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| ○ |
でも、一応表紙にも「17の提案」とサブタイトルで書いてありますので。
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| ○ |
そうなのですけれども、「17」というと、何となく引っ張られちゃうから。
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| ○ |
はい、限られます。あまりそこはこだわらないのですが、多くの中の二つであって、これがすべてを解決するものという認識は全くなかったし、国民的運動としての教育改革であったということを強調したいと思います。
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| ○ |
そうですね。
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| ○ |
鳥居部会長 事務局から特に何か……。
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| ○ |
事務局 教育改革国民会議の今の御趣旨と、あと6ページの下から二つ目の「○」のところに、教育改革国民会議に言及したところがございますので、その辺と連動しながら直させていただきます。
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| ○ |
一番最初のセンテンスは非常に重要ですので、今のを読むと、ちょっとニュアンスが違うような気がいたしますので、よろしくお願いいたします。
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| ○ |
鳥居部会長 ありがとうございました。
それでは、「序章」、2ページの冒頭と6ページの下から二つ目の「○」と、今の委員の御提案、それから他の委員の先生方も解説してくださり、サポートしてくださったということで、検討させていただくということにしたいと思います。ありがとうございました。
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| ○ |
今の委員の御提案で、私が最初に言いたかったことの幾つかが解消されるかなと思いますので、賛成したいと思います。ありがとうございました。
私が先ほと申し上げたもう一つの点の、基本計画の位置づけといいますか、性格づけは、それはもう少し書き込んでいただいたほうがいいのではないかと思うのです。31ページのところと、それから32ページに、そこら辺が書き込まれているわけです。「骨格となる考え方を示すこととした」と下のほうの「○」にあります。「計画に盛り込むべき政策目標や施策の具体的な検討を行う」、それから「政府」が「速やかに……策定することを期待したい」とこうあるわけです。この「審議会では、……基本的な方向について審議を行い、……骨格となる考え方を示すこととした。」とこうありまして、そのあと幾つかすべての項目に、こういうことを検討していくべきだというのを書いてあります。その前触れとして、以下の方向で施策を検討すべきと考える、こういうことのもとに「○」が幾つかあったり、「・」が幾つかあったりして書いてあります。
私が思うに、これに尽きない部分が幾つかあるような気がするのです。後でまた幾つか申し上げますけれども。そういう意味で、この答申というのは、あくまで例示であって、これから検討し、基本計画に盛り込むべきことというのは、いわば今後論議されていくのだという位置づけが一つ要るのかなと。ここは例示なのだということをそれぞれのところに書くのか、あるいは全体でまとめてここに書いていただくのか、そのようにしたほうがよろしいのではないか。
もう一つは、前回の御意見でも、委員から財政の裏づけとかいうようなことが出ていたと思いますし、この中にも効率的なというか、財政に関するところがちょこっと出てまいります。ただ、私が思いますに、財政の問題というのはこの中で書き込むというよりも、この答申においては何しろ考え方を示しているだけでありますから、今後の検討で、どの範囲までこの考え方がそれぞれの、例えば他省庁が検討されるかもしれない項目も入っているわけですよね。そういうことについていわば検討がなされた後に、さらに言えば、もっと広く財政全体を考え、国の財政全体の中で教育財政の位置づけとか、そういうことの中で初めて出てくるものだろうと思います。
そういう意味では、今後のプロセスも含めて、ここに「策定することを期待したい」とまで書いてありますのでね。であるならば、そこまでの検討プロセスと、この答申の位置づけというのは、もう少しクリアにしておいていただいたほうがいいのではないかと思います。
例えば、34、35ページに数値目標的なものが書かれているのですが、前回出されたペーパーからは抜けている部分がありますよね。たぶん前回書かれたところでもかなり重要なものも入っているような気がするのです。そういう意味では、今後検討すると、ここには出てはきていますが、これはあくまで例示だということだろうと思うのです。
もう一つは、先ほども少し申し上げかけたのですけれども、基本法が片方にあり、基本計画を定めるわけですが、先ほども言ったように、基本法で少し幅広に述べた部分で、例えば地域とか、家庭教育といったときに、我々労働組合の立場から言えば、非常に重要な点としては、働き過ぎとか、労働時間の短縮の問題とか、例えばですよ、これは例えばですが、厚生労働省や社会、企業がもっと考えなければいけないことが出てくるわけです。父親をもっと家庭に帰さなきゃいけないということですよね。そういうことをこの中で呼びかけるというか。ここは性格づけとして、教育の分野に関することを書くのだというふうに、基本計画のところは記載をされていますので、そういう趣旨なのだと思いますが、それ以外に検討すべきことがたくさんあって、それは今後、ぜひ他省庁も含めて国全体で考えてもらいたいというのか、そのようなことも前触れのところで書いておいたほうがいいのではないかと思います。
それから、少し細かい話になるのですが、38ページに関係してくると思いますが、この中に幾つか項目で並んでいることの中で、先ほども教師の評価システムのところで、悪い教師の選別のような感じに読めるというおっしゃり方があったかもしれませんが、新たな教員の評価システムの導入というのは何を指して言われているのだろうか。それから、教員給与の見直しとか、この辺を私たちの労働組合的な目でみますと、給与の見直しというのは、人事制度の見直しと裏表の関係であって、こういう書き方だけをするというのはあまり妥当でないのではないかと思うのです。ここは単に例示だということであれば、要するに考えるきっかけとして、このことも考えてみろということならばいいのですけれども、このように方向性ということであれば、教員の評価システム、人事制度というのは非常に重要な今後のポイントだろうと思いますし、これまでもずっと議論がなされてきた分野ですよね。
例えば、給与に評価を結びつけていこうとすれば、人事制度のところで、教員たるべき分野での仕事の中身、期待されるものは何かというものがあって、はじめてその評価ができ、それによって給与が変わるというのであれば、そのように仕組みとして形成されなければいけないでしょうし。よく言われている不良教師ではないですが、勤態が不良な先生とか、教育態度がよくない先生とか、そういうことでもし評価システムを想定しておられるのでしたら、それはいわゆる人事制度としての評価の問題ではなくて、勤態管理とか、職場のマネジメントの問題のほうだと思います。
私企業で行われている人事給与制度の見直しというのは、やはりこれは一体の中でやられている話ですから、そこのところはあくまで関連づけて考えていただくべきだと思います。特にこの評価システムというのは一体何を言っているのかというところは、あいまいなままではいけないのではないかと思います。例えて言うとということであるわけですが。
これもどうなのかなと思うのですが、37ページになりますが、「柔軟な教育の仕組みの導入」というところで、新しいタイプの学校の設置ということが「○」の幾つかに入っています。このようなところで、私も専門的なことはよくわからないのですが、インターナショナルスクールの位置づけをどうするという議論もあると思いますが、例えばイギリスのようにスポーツクラブで体育の実践をしたら単位に認定するとか、そういう仕組みもあるように認識していますが、そのようなこともたぶんこういうところに入ってくるのではないかと思います。そこら辺が検討の方向性という意味で、今、幾つかくどく事例を申し上げましたけれども、ここの「○」はそういうことなのだということがもう少しはっきりしたほうがよろしいのではないかと思います。以上です。
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| ○ |
鳥居部会長 ありがとうございました。
交通整理のために、構造だけ御説明したいのですが、中教審の中には、2年前までは独立した審議会だったものが全部入ってきていて、それを総合的に動かしていくことによって、中教審という活動をしようということになりました。その中には、したがって、旧中教審の性格をかなり強く持っている教育制度分科会というのがありまして、それから旧生涯学習審議会に相当する生涯学習分科会、それから初等中等教育分科会、それから大学分科会、最後に五つ目がスポーツ・青少年分科会とあるのです。その分科会がそれぞれ、既に今御指摘になられた問題点の幾つかについては、まず第一歩の答申を出しています。
例えば、大学分科会の教員評価については、まず教員一人一人のファカルティ・ディベロップメント、つまり、教師としての質を向上させるということは、旧大学審時代から何遍か答申の中に出してきているのですが、これからさらにやらないと実績が上がらないのですが、そういうのが一つあります。
それから、大学として自己点検評価というのが義務条項になっています。それから、第三者評価、外部評価は、努力義務条項として制度化されているのです。それをさらに推進することが必要だと思うのですが、それをどうするかという観点から、ここには議論のカギになる、フックになるものを置いておいて、さらにもう1回、大学分科会に球を投げて審議してもらって、それを教育振興基本計画に盛り込んでいくというやりとりになると思います。
同様に、初等中等教育分科会では、つい二、三ヵ月前だったと思いますが、1回答申を出していまして、公立の小・中・高校の教員の方々は、教員免許を持っているわけです。その先生が例えば悪いことをしたとか何とかいったときにどうするのかという、免許取り消しは法律上できるのかできないのか、1年かけて審議しまして、結局、自動車の免許証とか、医師の免許証みたいに、免許を与えるときに免許資格試験をしていないのです。そうして与えている免許ではなくて、大学で教職課程を履修することによって、ほぼ自動的に与えられる免許ですから、免許を取り上げることが簡単にはできない。さはさりながら、どうにもならないときには取り上げ規定をちゃんとやろうとか、そういうことを答申しているのです。そのことを踏まえて、さらにこれを深めてもらうということが今度の仕事になるのではないかと思います。そんなようなやりとりの関係になっておりますので。
最後におっしゃった新しいタイプの学校については、ここでもいろいろな例示が出ております。おっしゃったインターナショナルスクールをどうするかといったことも議論しようではないかということになっています。
それから、どこかに既に書いてありますけれども、幼稚園と小学校の一貫とか、小学校と中学校の一貫とか、いろいろなことが問題としてあると思います。
あと今おっしゃった問題点のもう一つは、勤怠管理、その他ですけれども、これも、大ざっぱに言って、市町村立の公立小・中学校の先生が約70万人、市町村公務員というのは全国で約124万人ぐらいなのです。要するに、市町村公務員の半分が教員なのです。それから、都道府県公務員が全国で160万人ぐらいいますけれども、そのうちの約20万人が都道府県立高校の先生なのです。相当の方々が公務員として働いておられるわけで、公務員としての資格を持っておられる学校の教員の方々の問題としてこれを考えないといけないという問題があります。その辺も後にまた議論していただきたい。
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| ○ |
今、委員から言われたことは、現場では二つの問題が出ていて、危惧しているところなのです。一つは、会長が言われましたけれども、都道府県の教職員の場合、特に公立の小・中学校の教員の場合は、国の給与が決まって、これで基準が決まってきます。そうすると、大学が独立行政法人化していく。大学の教員がどういう賃金になっていくのか。それによって附属小・中学校、高等学校の教員の賃金がどうなっていくかというのは、制度問題として出てくるわけです。そのような問題が出てきますから、それと同時に結局、義務教育学校、公立学校の教員の給料の見直しが出てくるわけです。だから、これだけ書かれていくと、全く展望とかが見えてこないわけです。新たなリンクの問題がある。
また、公務員制度が変えられてきて、公務員制度の場合も、今の年功序列型の賃金体系よりは能率給的な体系に変わっていく可能性が随分あるわけです。まだ決まっていませんけれども。そうなってくると、これで見直していくということになれば、そのように憶測されていることを前提にしてやるのだという感じが出てくるのです、これでいくと。ですから、今のような危惧が現場では非常にあるわけです。その辺を十分配慮してやっていただきたいと思います。
これには大きくは二つの問題があるのです。各都道府県で勝手にやりなさいというのと、ナショナルミニマムといいましょうか、ナショナルスタンダードがあって、ある程度そういう基準で決めていったほうがいいのではないかという考え方がいろいろありますものですから、ぜひともこれを具体化されるときには、そういう問題についてはきちんと整理していただきたいし、また、関係団体とも十分協議していただきたいと思っております。そういう心配が非常にあるところです。
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| ○ |
先ほど会長がおっしゃっていた、教育が社会をつくっていく面に関しては、これからの社会の根幹のところを担う人間として、こういう資質能力が必要だとか、こういう人間になるべきだということがよく出ていると思います。
もう一つ、これからの社会の変化が激しいということで、それに対応するというところをもう一つ挙げておいたほうがいいかなと思います。そういう面で言いますと、社会全体で変化に対応していくのだけれども、ほかのところではできないようなことがあるのです。教育とか、生涯学習でやったほうがいいというのがございます。
それは何かといいますと、9ページのところに「知識社会への移行」というのと、10ページに「高度情報化社会の進展」というのがございます。これは国全体、社会全体、世界的な問題だろうと思いますけれども、これへの対応ということでいきますと、今、あちこちで言われていることはコンテンツの充実ということです。娯楽とか、その他のことでいろいろありますけれども、それ以外のまさに必要な知識、技術とか、そういうことでいくと、コンテンツが非常に不足してくるのではないか。現に不足しているということが言われます。そういう点で対応できるところがあるので、そのあたりを基本計画の中でも取り上げておいてもらえないだろうか。コンテンツづくりというと、すぐお金をかけてやっていかなくてはいけないというので、「できない」とおっしゃるのですが、そういうことではないと思います。
具体的に言いますと、例えば35ページですが、35ページは施策の基本的な方向の枠の中の続きですけれども、これはこのコンテクストからするとここには入らないかもしれませんが、35ページの三つ目の「○」のところに、「コンピュータ利用環境を整備」ということが挙がっています。この「○」の中に入れるか、もう一つ「○」を立てるかわかりませんが、学校でもコンテンツづくりをやる。
前に生涯学習審議会で検討したときにも話が出たのですが、例えばアメリカは小・中とか、子どもたちがどんどんつくるわけです。先生もつくります。いいものがあればお金をくれるとか、そういうことだってあるぐらいです。コンテンツというのはあちこちでつくらなければとても無理なのだと思います。ですから、例えばこういうところでも、自分たちでつくっていく。現につくっているのもありますけれども、コンテストみたいなものをやって、それの表彰とか何とかというのはあるのです。前にもちょっと申し上げたことがありますが、それはそれでいいけれども、そういうコンテンツのことも学校でやっていったらどうだろうか。
それから、48ページでございます。48ページは、47ページから「生涯学習社会の実現」ということで、基本計画の中にあるのですけれども、「○」が四つございます。2番目のところは「生涯学習の普及・啓発と情報提供の充実」ということだけなものですから、この中に入るかどうかわかりません。「○」を一つ立てていただいてもいいですし、どういうふうに入るか、最後の「地域の教育施設を活用した学習機会」というところに、「学習機会の提供と学習資源の作成の促進」とかと入れていただいてもいいのですが、このあたりのところにもそれを含めたらどうか。
具体的に言いますと、今、私どもはIT講習の後、地域で具体的にコンテンツづくりを進めなければというので、あちこちお伺いしたり聞いたりしているのですけれども、例えば千葉県の館山なんかでは、地域で「つくろうじゃないか」というので、「地域の百科」というようなものをコンテンツでつくっていく。自然環境のこと、植物もあります、その他文化もあります。今の時代はそれだけではなくて、積極的に国際的にそれを出していったらどうかというので、地域にもいろいろな人がいますから、「じゃ英訳しましょう」となった。それが売れるようになれば一番いいのですけれども、結構おもしろいのがあるのです。そういうのは何も何千万というお金をかけなくたって、地域でつくっていけるわけです。ですから、そういうたぐいのことをこれから国を挙げて振興していく必要があるのではないかというので、そういう点を頭出しで結構ですから入れておいていただけないか。
そうすれば、先ほどの社会を教育や生涯学習がつくっていくという中で、急激な社会の変化にも積極的に対応する、社会のほかの領域ではできないことを、こちらでやるということにもなっていくのだろうと思います。
あと細かなことですが、35ページの先ほどのところに戻るようで恐縮ですけれども、これはただ言葉だけでございます。5番目の「○」ですが、「安易な卒業をさせないよう学生の成績評価を」云々ということで、2行目に「学生の質(基礎学力、……)」とあるのですが、これはその次に「専門」がありますから、「基礎的な学力」という意味だと思います。「基礎学力」というとちょっと誤解を招くのではないかという気がしますので、そこのところを「基礎的な学力」とか何かに直しておいていただければと思います。
36ページには、「確かな学力」というのできちんと出してくださっているので、これは大変いいのではないかと思います。以上です。
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| ○ |
鳥居部会長 ありがとうございました。
今、読み上げられたところは、確かに「基礎的な」だと思います。ついでに、右のほうへいくと「確かな人生観と世界観」とありますが、「確かな」というのは要らなかったかなと思います。もしつけるなら、一等最初につけたほうがいいかもしれませんね、「確かな」は。
冒頭におっしゃった、35ページの上から3番目の「○」ないしは3番目の「○」プラスアルファ、もう一つ「○」とおっしゃったのは、「コンテンツ」とおっしゃったのですけれども、要するに世間にわかりやすい用語で言うと、「教材」、それから「コンテンツ」、そういうものを幾つか列挙するという形でしょうかね。
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| ○ |
あるいは、学習用の……
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| ○ |
鳥居部会長 「教材」が一番わかりやすいかもしれませんね。
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| ○ |
わかりやすいかもしれないです。「教材」というと、情報というのは社会どこでも使えますから、学校の中だけとは限らないわけです。
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| ○ |
鳥居部会長 そうですね。
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| ○ |
ですから、例えば「学習用の教材」とか、あるいは「資源」とか、何かいろいろつけて並べていただいてもいいと思います。
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| ○ |
鳥居部会長 並べるしかないですね。「コンテンツ」だけだと、たぶんバランスを欠くから。
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| ○ |
入れていただきたい概念で、先ほど「中途退学」の話が出たのですけれども、やり直しのきくといいますか、敗者復活というか、今の学校の仕組みはその辺が硬直的な部分があって、例えば両親が転勤をした場合に、高校ぐらいになると非常に転校しにくいというのがあって、私立に行ってしまうとかあるのです。これはもちろん一例で、さっきの退学せざるを得ないときに、ほかが受け入れるということも含めて、そういうことを少しどこかに書いていただけないかと思います。「やり直し」という言葉がいいのかどうかわかりませんが。
それから、わからないのは、37ページに「将来の生き方や職業を主体的に選択・決定できるようにするためのキャリア教育の充実」とあるのですけれども、これはどういうことをおっしゃろうとしているのか。
それから、これはどの段階、小学校なのか、中学校なのか、高校なのかというのも不分明です。これは半分質問ですが。
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| ○ |
事務局 この部分は小・中・高を中心として書かれているところでありますので、中学校、高校での進路指導、あるいは職業選択の指導、あるいは職業につながる専門性を高める指導といったところを含めた意味合いでございます。
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| ○ |
指導ですか。「教育」とあるのですけれども。「キャリア教育」というふうに。それも教育の一部だということで、指導とおっしゃったのですか。
|
| ○ |
事務局 学校として取り組むところの教育全体の中に、従前から進路指導とか、職業指導という言い方もしておりますし、一人一人の子どもたちが将来の進路を選択するに必要な知識とか、あるいは経験とか、体験を積むとか、そういう幅広いものを含んだ形で使ってございます。
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| ○ |
今のことで、例えばこれは具体的に挑戦をしようということで、文部科学省から研究委嘱を受けてやっているのですが、ポートフォリオですね。「生涯学習パスポート」と言っているのですけれども、自分たちが子どものときからやってきたことを全部書いていって、それをもとにしながら自分の将来を考える、そういうことをやっていったらどうだろうというので、調査をやっています。この間の奉仕活動の答申では「ボランティアパスポート」と言っているものです。
私ども今、パスポートがどういう形だったら使えるだろうかとか、書けるだろうかというのを、ちょうど調査を始めたところなのです。
国によってはそういうのをどんどん子どもたちにつくらせる。おもしろいから、10センチでも20センチでも積み上げるのだそうです。その中から、先生は、高校へ進学する、あるいは大学へ進学する、就職するというときに、そのたくさんたまったものを1センチにしてごらんなさいという。これがまさに進路指導なのです。子どもたちのほうは必死になって考える。そういう中で、自分の将来の進路選択をどうするかを考えるようになるのですけれども、日本の場合にまだそういうものがないものですから、生涯学習推進の中でそのような資料をつくるとか、やってみたらどうか。それを学校で使っていただいたらどうだろうかとか、総合的な学習の時間に使っていただいたらどうだろうかとか、そんなことも考えています。
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私たちがキャリアというふうに使うときは、キャリアパスとかということで言いますので、教育の場面でキャリアを教え込むというか、その辺、小・中・高における教育と果たしてどういうふうになじむのかなという気がするものですから。今みたいなことであれば、「キャリア教育」という言葉はあまりふさわしくないのではないかという気がしました。
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今のは一つの例で申しましたから。
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例かもしれませんが、先ほど指導だとかおっしゃったものですからね。
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事務局 指導というか、教え込むという趣旨は、職場体験とか、いろいろな幅広い体験活動を通じて、自らの将来の進路、職業を考えると。
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それも含めてですね。
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教育の世界では、それらを全部ひっくるめてキャリア教育と言っている。これは外国でもそういうように言っています。
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鳥居部会長 正確な言葉が思い出せないのですが、生涯にわたる職業選択も含めた人生設計を学校は支援する責務があるということが、フランスとイギリスの教育法では書いてあるのです。日本では比較的そういうことがなかったのです。要するに、大学を卒業する間際に、学生部の隅っこのほうに就職のビラが張ってあるとか何とか、そういうたぐいのことしかほとんどやっていなかったので、もう少し支援するというのは何なのかということを突き詰めてみる必要があるのではないかと、こういう感じに私はとらえているのですけれどもね。
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私もそういうふうに思って、例えば高校までを考えたときに、本当にそこまで個人が1人で選んでいけるものだろうか。やはり社会や企業がもっとサポートしてあげないといけないのだろうと思っているものですから、「主体的に」という言葉は確かにいいのですけれども、「選択・決定できるように」というのは、個人にとってやや重過ぎないかという気がしたものですから、申し上げたのですけれども。
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鳥居部会長 ちなみに、フランス法を読み上げますと、第1条が長い第1条なのですが、その中に、「生徒及び学生は、父母、教員、進路指導担当教員及び専門家の支援を受けて、自らの希望と能力に応じて、修学及び職業に関する進路計画を立案する。」という書き方です。これは仮訳ですから、もっと上手に訳せるかもしれないのですが、要するに学校は支援する側面を持っているわけです。
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昔は「進路指導」と言っていたのです。それを20年か30年前にこの言葉が変わったのが、まさにさっきおっしゃっているような、昔は狭さがあったのです、「進路」というね。しかも、「指導」というね。それを自分で考えて、しかも、一筋ではないのです。いろいろな可能性を考えてということで、これは小学校から大学までやらなきゃいけないという考え方なのです。例えば、中学や高校だと、その学校の卒業生で、いろいろな分野で働いている人に来てもらって、どういうふうにして仕事に就くようになったかとか、それから小さいときに考えていたのとどのように違うかとかということを含めて、次々に話してもらう。それから、今、高校や大学でインターシップがありますね、いろいろなところで。あれもキャリア教育ということを言う人たちは、そういうことの一つの大事な活動に位置づけていく。
特に大学も、4年次になってから就職指導するというのは、今、だんだん少なくなってきまして、1年次からいろいろなことを考えさせるのです。この学科を出て―これは国立のいわばオートマティックにいろいろと進んでいけるところは別ですけれども、4年制大学が685もありますから、普通の大学というのは1年次からずうっとやるのです。いろいろな可能性を考えさせる。そして、いろいろな先輩にも来てもらう。あるいは、インターンシップで、いろいろな職場体験もしてもらう。
こういうことをやっていって、自分の選択肢を幾つも見つけていって、最終的に一つのキャリアの、まさにキャリアパスですね、一つの道に進んでいく。そういうことが、早いところでは30年ぐらい前から言われ出して、20年ぐらい前からそういう言葉で、いろいろな活動を統合的にしようということになったものですから、今、委員もおっしゃったように、教育の世界ではそういうコンセプトで今動いているわけです。
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わかりました。
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この素案では、現行基本法が初中教育中心であって、高等教育、あるいは大学についてあまり書いていないと言っているわけですが、その割には素案の中で高等教育のことがそれほどは書かれていない。特に教員につきましては、先ほどありました38ページですか、これは初中等教育の公立学校の教員のことでございまして、私立学校や大学の教員のことではないと思います。大学の教員につきましては、流動性をもっと高めようという記述がございますが、それ以外何も書いていないわけでございます。高等教育あるいは大学教育について記述がないことを、教育基本法改正の必要性の一つに挙げている割には、高等教育に関する記述が少ないのではなかろうか。特に大学教員に関する記述が、流動性以外何もないというのはアンバランスではなかろうかと思います。
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鳥居部会長 ありがとうございました。
これも検討させていただきます。
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まず先に質問させていただきたいのですが、34ページからの囲みの中に書いてあることと、その後ろに書いてあることとの関連性はどうなっているのでしょうか。
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事務局 34ページ、35ページは、教育振興基本計画のイメージを国民の方々にわかりやすくお伝えしたいということで、目標を例示として掲げて、わかりやすく、あるいはインパクトのあるものを抜き出した形になってございます。
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実はこの前も私は高等教育に対して質問させていただいて、この次まで考えますというお話だったのですが、そこがどうなったのか、例えば35ページの、世界に通用する大学をつくるために、「大学教員の流動性」や「他大学出身者比率の向上を図る」なんていうことは重要ですが、それだけで世界に通用する大学がつくれるとはとても思えないです。これだけが一つだけ取り出されているのは、何かやりやすそうなことだけが書いてあるような気がしてですね。やっぱり教育基本計画というのを初めて作成するのですから、いかに困難であってもビジョンが見えるものを出すのが教育計画であって、まあ、ちょっとしたらできるかなということを書くものではないのではないか。基本的な考え方がよくわからないので、この前もそういうニュアンスで御質問させていただいたわけです。
この前申し上げたのは、大学院生のことだったのです。どういうことかもうちょっと説明させていただくと、日本の人口が減っていって、高齢化していく。そういうときに、日本は外国にどれだけ門戸を開くのかということに関係している教育政策であるということです。アメリカでは、例えば大学院生でも世界中から優秀なトップの人を呼び寄せる努力をしています。そして、その人たちは非常に優秀な人なので、もしハッピーであれば、そこに定着をする。そこでポジションを得ることもできるかもしれない。そういうことをやるまでのことを日本は考えるのか考えないのか。それともただ単に留学生1万人計画というのを立てて、それが満たされたか満たされないかというだけで終わるのかという、もっと根幹的にかかわったことを議論した上での基本計画ではないのかなと思っていたのです。大学の流動性はできるかもしれないけれども、それで全体が変わるとは思えない。それがもっと奥にある思想とか、ビジョンとかの上の一つとして出てきているというところが見えないのです。
後ろの「『知』の世紀をリードする……」という45ページ以降にまた出てくるのですが、これももちろん具体的に書くとそうなってしまうと言われたら、全くそうなのですが、「知」のリードをするというのは、大学院教育をどうするのか、あるいは研究のシステムをどうするのかとか、そういうこともなくてはいけなくて、確かに施設も大切で、私もいつも「施設がひどいから、良くしてください」ということを言っているのですが、それだけではない。そういうことを実はこの前申し上げていたのだと思います。
囲みの中に出てきたのが、本当に流動性と何とかだけ出てきたのだとしたら、これだけでは日本の大学が、世界のアジアも欧米も全部含めて、「あそこに行きたい」ということにならない。日本の中でだけでやっているといいのかというと、実はそうではなくて、日本の優秀な人が海外に行くという、逆に教育の空洞化が起きてくるのではないかと、そこまで心配していますので、ぜひ高等教育に関してももうちょっと膨らまし、考察と、洞察と、記述の仕方についてお願いできたらありがたいと思います。
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鳥居部会長 ありがとうございました。
今、総合科学技術会議の成立の大もとには科学技術基本法がありまして、科学技術基本法をつくるときには、委員が御指摘のとおり、あらゆる角度からいろいろなものを検討して並べていって、それをそぎ落とす作業と言ったほうがよかったという記憶があります。ですから、最初にあらゆるものを列挙するときに理念がなければいけないということをおっしゃっているのだと思うので、理念を持ちながら、あらゆるものを列挙するという作業を、どこでやるのかということになるわけですが、今回のこのラウンド、つまり、中間報告をまとめるというステージでやるのか、もう一つその先のステージで徹底してやるのかという選択が実はあるのです。その辺、事務局からちょっと説明してもらえませんか。
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事務局 今、委員がおっしゃったとおりで、35ページのところにつきましては、数量化できるようなものを一つの例示として挙げさせていただいた形になっておりますが、この辺、よりふさわしい例示があればまた御相談をさせていただきたいと思います。
前回おっしゃった御意見につきましては、コンパクトな形で恐縮でございますが、45ページの「教育研究機能の充実」の最初の「○」のところで、「国際競争力向上のための教育研究機能の質的向上」につけ加える形で、「人材の招へい・集積」という形で、趣旨は盛り込ませていただいたつもりではいたのですが、今回は基本計画の骨格をお示しいただくというこになります。それで全体を御覧いただきながら、また今後は答申をいただいた後、各分科会でそれぞれ専門性をより深めていただいた形で、体系的な骨組みをまた構築していただいて、それを具体的な施策で全体の計画としていく。そういう作業を今後また引き続きお願いすることになると考えております。
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鳥居部会長 最後に言ったところが大事なところだと思いますが、ここに骨格のつもりで書いてあるものが、本当に骨格になっているかどうかも含めまして、関連の分科会、さっき申し上げた5分科会に1回お願いするということを、事務局は考えているようであります。恐らく委員の御指摘は、そこへ球を投げる前に、骨格をもうちょっとしっかりしろということをおっしゃっているのだと思うので、そこは少し見直しを事務局と私と、木村副部会長にもお願いしてやってみます。
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事務局 今回の振興基本計画は、先ほど委員からもお話がございましたように、あくまで現時点の例示だということをきちんと書いたほうがいいのかなと。と申しますのは、まだまだ本当にこの項目だけでいいのかとか、委員がおっしゃったように、全体を通ずるビジョンが明確でないのではないか。それは各分科会におろす前に、やはり意思統一が要るのだろうと思っています。
ただ、限られた時間の中で、現時点で全部そこまでやりますと、なかなかできませんので、現時点はそういう大まかな考え方をここで示したと。後でまたしっかりとしたものにしていきたいと考えています。
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木村副部会長 今の件で、先ほどから私も同じようなことを考えていたのですが、いつの時点でつけるかどうかわかりませんが、時間がないので、委員から出ましたような御指摘に全部応じられるかどうかわかりません。そうしますと、どうしてもそういう誤解がありますので、「第3章」に「おわりに」というのをつけて、今出てきた問題、つまり、具体的には分科会へ投げて議論するとか、最終的には関係省庁で全部議論していくとか、財政については絶対ちゃんとやってくれということを、「おわりに」ということで書いたらどうかという気がするのですが、いかがでしょうかね。
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鳥居部会長 非常にすっきりしますね。
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木村副部会長 そうすると、先程委員のおっしゃったようなことも誤解がなくなるのではないかという気もします。そこのところが見えていませんので、「一体どうするんだ」という疑問がどうしても出てきますよね。
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| ○ |
鳥居部会長 ありがとうございました。
木村副部会長が最後にまとめてくださったので、その方向で……。
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| ○ |
木村副部会長 先ほど、委員から御意見のあった点で、一つだけ申し上げておきたいと思います。先程、鳥居会長から「ファカルティ・ディベロップメント」という言葉が出ましたけれども、英国では「ファカルティ・ディベロップメント」という言葉はないようです。「スタッフ・ディベロップメント」と言っています。先程委員が言われたように、大学を構成する人たち、つまり、教員もいれば、英国の場合にはたくさんの事務職員もいますし、テクニシャンもいますし、そのほか図書館スタッフ、コンピュータスタッフ、非常にたくさんの職員がいます。英国ではそういう人達の資質を向上しようとして、5年ぐらい前から各大学とも組織内における研修を徹底的にやっています。
調べてみましたら、ケンブリッジ大学は何と82のそのような研修コースを持っています。大半は、先生方に対するものではなくて、一般のスタッフに対するものです。インペリアルカレッジも80近いコースを持ってまして、それを運営する常勤のスタッフがおります。それを見て私は、英国の小・中学校で一体どういうことをやっているか、似たようなことをやっているのではないかと思っており、近々調べてみようと思っています。先程委員がおっしゃった点は非常に大事だと思います。
ただ、日本の大学の構成で問題がありますのは、教員がいて、事務職員がいて、技官の方もいらっしゃるのですが、その三者の間に微妙なステータスの違いができてしまっている点です。ですから、どうしてもファカルティ・ディベロップメントというのが先にきてしまうのではないでしょうか。英国の場合は、三者は独立していますから、それぞれがきちんとしていこうというアイデアが出てきますが、日本では何かそうは行かない。日本の小・中学校でも若干そういうことがあるのではないかということで、組織として先生方、その他の職員の方をきちんと位置づけていくということをしないと、委員がおっしゃったようなことがなかなかできないのではないかと、そういう印象を持っております。
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鳥居部会長 ありがとうございました。これもぜひ検討させていただきたいと思います。
あとはいただきました御意見を最大限生かして、総会までに資料1を再構成させていただいて臨みたいと思います。総会でまたさらに議論を深めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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事務局 次回の日程につきましては、資料3でお示しさせていただいておりますが、10月30日の水曜日、午後2時から、ここフロラシオン青山の1階の「ふじ」の間でございます。よろしくお願いいたします。
それに加えまして、公聴会につきまして、会長、副会長と御相談し、前回、3ヵ所という形で御報告を申し上げ、今、準備をしておりますけれども、大都市圏以外、あるいは東日本のほうでの開催を考えるべきではないかという声をたくさんいただいておりますので、東日本の中小都市で2ヵ所ほど、あわせて「一日中教審」という形で検討しておりますので、また整いましたら御報告をさせていただきたいと思っております。
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今のお話で、私たちの役割といいますか、どういう立場で臨めばいいのかということはあるのですか。
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事務局 地方公聴会という形ですので、国民の方々から意見を発表いただく方、傍聴する方を、今、募集しております。その際、委員の方々にはそこに御参加いただきまして、意見陳述を聞いていただいて、意見発表者の方々、あるいは会場の方と御議論を深めていただくという場になると思います。ですから、日程を調整させていただいて、分担で御出席をお願いしたいと思います。
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鳥居部会長 可能であればぜひお願いしたいと思います。
それでは、これで今日の基本問題部会を終わりたいと思います。ありがとうございました。 |