ここからサイトの主なメニューです

教育振興基本計画特別部会(第12回) 議事録

1.日時

平成20年2月8日(金曜日)15時~17時

2.場所

アーバンネット大手町ビル「LEVEL  21(レベル21)」(21階)

3.議事

  1. 答申の構成について
  2. 今後10年間を通じて目指すべき教育の姿について
  3. 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策について
  4. その他

4.配付資料

資料1
  答申の構成案(素案)(PDF:65KB)
資料2
  今後10年間を通じて目指すべき教育の姿(素案)
資料3
  今後5年間に特に重点的に取り組むべき事項(素案)
資料4
  教育振興基本計画に盛り込む主な数値目標例(イメージ)
資料5
  教育投資の現状(PDF:226KB)

【参考資料】

参考1
  平成20年度文部科学省予算(案)と歳出改革等との関係(PDF:100KB)
参考2
  教育再生会議「社会総がかりで教育再生を(最終報告)-教育再生の実効性の担保のために-」(平成20年1月31日)(PDFファイル)
(※首相官邸ホームページへリンク)
参考3
  意見募集(平成19年11月12日~12月11日)に供した資料
(※(第11回)議事録・配付資料へリンク)
別添資料1 検討に当たっての基本的な考え方について(案)
別添資料2 重点的に取り組むべき事項について(案)
参考4
  教育振興基本計画特別部会(第11回)議事概要(案)

【追加資料】

5.出席者

(委員)

三村部会長、田村副部会長、梅田委員、衞藤委員、岡島委員、金子委員、菊川委員、郷委員、小嶋委員、角田委員

(臨時委員)

井上委員、小川委員、草野委員、渡久山委員、中込委員、中村委員、森委員、山本委員、吉野委員

(事務局)

銭谷事務次官、玉井文部科学審議官、坂田官房長、加茂川生涯学習政策局長、清水高等教育局長、樋口スポーツ・青少年局長、合田総括審議官、清木生涯学習総括官、前川大臣官房審議官、戸谷大臣官房会計課長、川上生涯学習政策局政策課長、塩見教育改革推進室長

6.議事

【三村部会長】

 それでは、定刻でございますので、ただいまから教育振興基本計画特別部会の第12回目を開催させていただきます。本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。
 初めに、本日の議題について簡単にご説明いたします。まず最初に、「平成20年度文部科学省予算(案)と歳出改革等との関係」を説明いただきます。2番目として、これまでの議論等を踏まえまして、今後の具体的な答申案の作成に向けた答申の構成案、それから10年間を通じて目指すべき教育の姿、今後5年間に特に重点的に取り組むべき事項の大きく3つの事項に分けてご議論をお願いしたいと思います。この場でも、答申は重点を明確にするということが何回も議論されました。この重点ついて、たたき台をご用意しておりますので、いろいろな議論があると思いますが、今日はこれをまず中心に検討を行いたいと思います。
 また、1月31日にまとめられた教育再生会議の最終報告について、事務局から説明いただきたいと思います。
 それでは、初めに「平成20年度文部科学省予算(案)と歳出改革等との関係」について、事務局より説明をよろしくお願いいたします。

【戸谷大臣官房会計課長】

 大臣官房会計課長でございます。よろしくお願いいたします。
 説明に際し、ご覧いただく資料は参考1となっておりまして、配付資料の資料番号が1から5までございますが、その5番目の「教育投資の現状」という資料の次に、横長の1枚紙で参考1がございまして、それをご覧いただければと思います。
 前回、既に文部科学省の平成20年度予算につきましてはご説明申し上げましたが、その際に歳出改革との関係につきまして、若干説明が足りないところもございましたので、今回、改めてこのような機会を設けさせていただいております。
 この資料は、上に歳出改革の内容、それから歳出改革の期間がいつからいつまでであり、教育振興基本計画の対象とする期間とどのように重なってくるのかといったことについて書いてございます。下のほうは、20年度予算の中で、具体的に歳出改革の考え方に沿ってどういうことが講じられたのかについての内容の資料でございます。
 まず、歳出改革の中身について改めて申し上げますと、ご案内のとおり、我が国は極めて厳しい財政状況にあるわけでございまして、平成19年度末での国の公債発行残高が547兆円ということです。一般会計の税収が50兆円規模でございますので、税収の約10年分に当たる膨大な公債発行残高がございます。これに加えまして、地方財政の借入金の残高が200兆円であり、両方合わせますと、我が国全体のGDP約500兆円をはるかに上回る借金が積み上がっているということでございます。こういった状況を受けまして、平成19年度から23年度までの間に歳出改革を行うということで、基本方針、骨太の2006によって決められておりまして、平成20年度の予算編成においても基本的にはこの骨格は維持され、基本方針2007に載っておりまして、それに添った予算編成がなされているわけでございます。
 文教予算あるいは科学技術関係のことについて記載してありますが、全般的なことから申し上げますと、例えば、一番大きな歳出増の項目であります社会保障は、高齢化の進展に伴いまして、毎年1兆円規模が自然増ということで増加が見込まれているわけでございますが、社会保障全体の中から当然伸びるべき1兆円を、5年間にわたり、毎年さらに2,200億円規模で圧縮を行うことが決められています。また、公共事業費の関係につきましても、毎年1から3パーセント削減することが決められているわけでございます。実際には、平成19年度には3.5パーセントの削減、20年度には3.1パーセントが削減されるということで、全般的に非常に厳しい歳出改革が課せられているわけでございます。毎年度の概算要求におきましても、シーリングではこのような考え方に基づいて設定されておりまして、例外項目を除きまして前年より3パーセント削減することが求められている状況でございます。
 こういった中で、この資料にも書いてございますが、文教・科学技術振興費はむしろ若干例外扱いでございまして、例えば文教予算の物件費の伸びについては対前年度プラス0.1パーセント以内に抑制するとか、ほかの経費は、公共事業も含め、押しなべてマイナス3パーセントの削減といった中で、義務教育費国庫負担金あるいは私学助成につきましてはマイナス1パーセント、科学技術についてはむしろ増加しておりまして、これでいいのかどうかはご議論は当然あるわけでございますけれども、相対的には優遇されている中で、ここに書いてある数字も大変厳しい数字でございますので、基本的にはスクラップ・アンド・ビルドということで、伸ばすところがあれば当然減らすところもあるといった考え方で予算編成がなされているということでございます。
 先ほど申し上げましたように、歳出改革は、平成19年度から平成23年度までであり、教育振興基本計画は平成20年度から24年度まででございますので、教育振興基本計画期間中の大半は歳出改革期間中に相当するということになっております。こういった考え方の中で、平成20年度の前、一昨年の予算編成において決まった19年度予算におきましては、歳出改革期間の初年度でございますけれども、ここにございます国立大学法人運営費交付金あるいは私学助成につきましては、歳出改革で定められたとおりマイナス1パーセントの削減ということでございます。それに対しまして、平成19年度の予算編成の場合には、ここには書いてございませんけれども、例えば科学研究費補助金の間接経費を162億円措置するといったことで、大学関係の経費については若干盛り返す形にはなっております。ただし、結果といたしまして、人件費あるいは運営費交付金などの削減が決まっております個別事項を除いた政策的な経費につきましては4パーセント強の増加となりまして、学力調査なり放課後子どもプランの拡充といった予算措置がなされたということでございます。
 平成20年度につきましては、ここの資料に記載があるとおりでございまして、文教予算、いわゆる教育予算につきましては3兆9,395億円で、前年度から比べますと114億円の増となっております。下に書いてございます「歳出改革への対応等」ということで申し上げますと、義務教育費国庫負担金の関係につきましては、まず子どもの減少に伴う教職員定数の自然減で1,300人の減、教員と一般公務員の給与について、これまで教員のほうがプラスになっておりましたものを20年度から2.76パーセントの縮減に着手するといったこと、運営費交付金なり私学助成につきましてはマイナス1パーセントの削減でございます。そういった中で、右側の欄にございます政策経費の増で、教職員定数の増なり、高等教育について申し上げれば国公私を通じた大学教育改革の支援の増といったことで、文教予算全体としてはぎりぎり19年度予算と同規模の予算高が確保されている構造になっているということでございます。
 科学技術関係につきましては、一番下に記載がございますが、第3期の科学技術基本計画におきまして、25兆円というのが決められておるわけでございますが、参考のところで書いてございますとおり、平成20年度の政府全体の科学技術関係経費は1.7パーセント増の3.6兆円でございます。実際には、この25兆円の中には地方公共団体分がございまして、そこにつきましては最終的に実績を積み重ねて評価いたします。20年度の分についてはわかりませんけれども、大体地方公共団体の分が例年5,000億円程度ございますので、それを足し合わせますと、単年度ベースで4兆円強でございます。平成20年度は第3期科学技術基本計画のちょうど中間年の3年目に当たるわけでございますけれども、今のトレンドの中から見ると、25兆円の達成はなかなか難しい状況になっているということでございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 何かご質問はありますか。小川委員、どうぞ。

【小川委員】

 今の内容に直接関係することではなくて、おそらく来年度の予算編成に向けて文科省の中で検討するということかと思いますが、振興基本計画の中の教員の子どもと向き合う時間の拡充という問題に直接かかわることなので、少し教えていただきたいのは、例の教職調整額の見直しを図るという動きが今年度の予算編成のプロセスの中であったと思います。基本的には、いろいろな事情を勘案して来年度に検討するということで落ちついているという話を聞いていますが、昨日の新聞等々の報道で、基本的には教職調整額を廃止して、いわゆる超過勤務手当に移行することを文部科学省は検討するということを知りました。これは、先ほど言ったように教員の子どもと向き合う時間の拡充という問題とか、自治体の教職員人事管理にかかわる非常に根本的な問題ですので、そのあたりの議論やどのような方向で今後検討がなされるのかについて、お考えを聞かせていただければと思っています。おそらく、これは具体的には基本計画の中には書くことではありませんが、さっき言った定数の問題とか勤務時間の管理の問題、子どもと向き合う時間の拡充等々に直接かかわることですので、やはり少し文部科学省のお考えをここで確認させていただきたいと思います。

【前川大臣官房審議官】

 初等中等教育の審議官の前川でございます。
 教職調整額の見直しの問題でございますが、昨年の中教審からいただきました答申の中で、メリハリをつける形で見直すという方向をお示しいただきまして、具体的な在り方については専門的、技術的な検討が必要だという報告となってたわけでございます。平成20年度から見直しをするべく、検討していたわけでございますけれども、種々検討いたしましたところ、もう1年時間をかけまして、さらに専門的、技術的な検討の場を設けまして、教職員それぞれの負荷に応じた支給の在り方について、時間外勤務手当にする可能性も含めて、さらに検討したいと考えているところでございますので、近く検討の場を設けたいと思っています。その検討の結果を踏まえまして、平成21年度の要求に反映させていきたいと考えているところでございます。

【三村部会長】

 小川委員、よろしいですか。

【小川委員】

 まだその方向は定まっていないと理解してよろしいんですか。

【前川大臣官房審議官】

 はい。これから検討するということでございます。

【三村部会長】

 わかりました。それ以外にご質問ありますか。どうぞ、中村委員。

【中村委員】

 先ほどのご説明の中で、歳出改革あるいは人件費改革はそれぞれ5カ年計画があって、今、私どもの議題になっております教育振興基本計画が一番遅れて出発するわけですけれども、前の2つも閣議決定だと思いますけれども、教育振興基本計画も最終的には閣議決定です。この3本の閣議決定で、常識的に言えば、後から決めたものが一番時代に即応したものですし、最優先されるべきものと考えておりますけれども、先発の2つの閣議決定が我々が議論する基本計画をどの程度縛るものなのでしょうか。そのあたりを教えてもらいたいと思います。

【三村部会長】

 これは文科省ではどなたがお答えいただけますか。私自身もちょっと興味のある点であります。玉井文部科学審議官。

【玉井文部科学審議官】

 まず、歳出改革は、おっしゃったとおり閣議決定であります。さらに、その下にございます平成18年度から始まっています人件費改革は、実は行政改革推進法という法律で縛られているものでございます。教育振興基本計画は、答申をいただければ、閣議決定まで持っていきたいと思っております。私ども文部科学省としては、当然、教育の振興のために、やはり教育を充実したいというスタンスで今後とも臨みたいと思っておりますけれども、最終的にはやはり政府全体の中での議論になると思っていますので、それをどのようにこれから調整していくかということでございます。
 ちなみに、行革推進法との関係につきましては、昨年の概算要求の段階では、私どもは行革推進法と調整を図らねばならない内容の概算要求を行ったわけでございますが、政府全体の議論の中で、ぎりぎりのところでの教職員定数の増を確保いたしましたけれども、行革推進法の範囲内であったということもまた事実でございます。したがって、これらを、今後さらにこれまでの努力の積み重ねの中で、また今回ここでご議論いただく教育振興基本計画を大きなよりどころにしながら努力したい。ただし、なかなか難しい枠組みがあることも、一方でご理解いただければと思っております。
 なお、行政改革も、基本方針2006が基本でございましたけれども、昨年、この部会においてもご説明いたしましたように、基本方針2007の段階では、これまでなかった教育再生という柱を立てて大きな政策を盛り込んでいます。そこで盛り込まれたものが平成20年度の予算案に相当反映されている。これもまたご理解いただければと思っております。

【三村部会長】

 言ってみれば、制約条件にはなるけれども、若干の自由度もある。全く自由ではないという理解ですね。だから、我々の中身のレベルによってアピールの内容も違ってくるということですね。ほかにご意見、ご質問はありますか。
 ありがとうございました。それでは、次の議題に移りたいと思います。
 今回の資料につきましては、本日の部会の前に、いつものように田村副部会長を主査として打ち合わせ会で検討いただいております。本日は、まず田村主査から打ち合わせ会における議論の内容などについてコメントをいただいた上で、事務局より具体的に説明をお願いし、意見交換をしたいと思います。今日はおそらくいろいろな意見交換をしなければいけないと思っておりますので、よろしくお願いします。
 では、田村主査、よろしくお願いします。

【田村副部会長】

 ありがとうございます。本日の部会の前に、打ち合わせ会のような形で、部会長とも十分に連絡をとりながら会議を進めてきているわけですけれども、打ち合わせ会における議論の概略についてのご報告を申し上げたいと思います。
 最初に、資料1ということで、全体の構成案をつくりまして、たたき台としてご提出させていただいております。お手元にある資料1でございます。
 10年を見通した計画を策定するということですと、10年間を通じて目指すべき教育の姿というものをまず示す必要があるだろう。それから、既にして昨年11月にこの部会で取り上げました約70項目という大変たくさんの項目が振興すべき項目として出されているわけですけれども、その中で重点的に取り組むべき事項を、いわゆる総花的な印象を与えることなく、重点化してメリハリをつけた形で提言すべきだろうというご意見もございましたので、次の資料2で、まず今後10年間を通じて目指すべき教育の姿という形でまとめてたわけでございます。
 その議論の中では、初等中等教育の部分で、公教育への信頼を確立するということについて、教育内容、教育条件を改善・充実しながら、さらに学力水準においても世界トップレベルの公教育を確立するという目標を明示したほうがいいというご意見、あるいは、10年間を対象とする場合には、当然のこととして地方分権の行き先としての道州制によって大きくいろいろなことが変わってきますから、そういうことを予想して考えるべきであろうというご意見、あるいは高等教育については、高等教育段階の公財政支出が他国に比べて明らかに少ないので、現在の案では少し書き方が弱いのではないか、全体の中で高等教育が後回しになっているという印象を与えるのはよくないということがご意見として出ました。
 なお、教育投資の方向については、単なるGDP比だけではどうも言い負かされてしまうところがございます。例えば今回も、GDP比で攻めていたら、1人当たりの教育投資であればそう少なくはないだろうと言い返されてしまして、それはいろんな事情があってそうなっているのですが、やり方を少し工夫したほうがいいのではないかというご意見も出ました。やりましょうという話になったんですけれども、そういうことが議論されたわけでございます。
 それから、緊急かつ優先的に取り組むべき事項という形で、5年計画の中で具体的に項目を指摘して、メリハリをつけて出すべきだというご意見でございましたので、それは今回の素案では8本の柱を立てた形でつくらせていただいております。
 打ち合わせ会の中では、各論についての意見以外に、文章の主語を明示したほうがいいというご意見も頂きました。振興計画なのだから、誰がやるのか。計画を提案した、それを国がやるのか、地方自治体のどこがやるのか、あるいは学校がやるのかを明示した形で出さないと、非常に不明瞭になる。そこで、全体をこういう視点で整理しようということで合意が得られまして、今回はそのような整理がされております。
 その中のご意見では、教員の子どもと向き合う時間の拡充ということで、「必要な教員数を確保するとともに」と修正することによって、どちらにも読めるような形ではなくて定数を適正化するという方向性を明示したほうがいいというご意見がございました。これは非常に重要な指摘だったと思います。
 それから、高等学校にかかわる教育が、実は今回、議論されていませんが、非常に重要な事項でございますので、高等学校教育に関する項目を設けないといけないのではないか。そして、その場合は義務教育、高等学校教育、高等教育と分けて書いてはどうかというご意見もございました。
 それから、今後10年間を見るのであれば、県費負担の教職員の人件費の移譲ということも書いたほうがいいという非常に強いご意見もございました。
 高等教育にかかわって言えば、世界をリードする大学の形成ということも重要だけれども、それだけではなくて、大学にいろいろ特色や個性があり、それなりに高等教育というものが私たちの国にあって、それが国民全体にいろんな意味でプラスになる存在だということをしっかり明示して、その重要性を指摘するべきだという強いご意見がございました。これはそのとおりだろうと思いますけれども、そういうことがご意見として出ていましたので、お伝えさせていただきます。
 最後に、全体を通じての役割分担の明確化、先ほど少し触れましたが、主語は誰なのかについても計画ではっきり書いたほうがいい、今までのところは少し遠慮して書いている印象があるという話も出ました。
 そのようなことが議論されて、お手元にある資料1、2、3がまとめられたということでございます。部会長とよくご連絡をとらせていただきながらやっておりますけれども、本日は是非ご意見をいただきたく存じます。部会長、よろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、まず事務局より資料の説明をよろしくお願いいたします。

【塩見教育改革推進室長】

 それでは、失礼いたします。資料1から順に説明させていただきたいと思います。
 まず資料1、答申の構成案(素案)という資料は、これまでの部会でのご検討を踏まえまして、また田村先生から今ご紹介がございました先日の打ち合わせ会でもご議論いただきまして作成した案でございます。全体を大きく4章で構成する案としてつくっております。
 まず第1章の部分は、我が国の教育の現状と課題について、主に整理する部分にしてはどうかと考えております。この部分につきましては、本日、資料といたしまして参考3ということで後ろにつけておりますものであり、昨年11月に意見募集をさせていただくためにお取りまとめいただいた資料の前半に当たる「検討に当たっての基本的な考え方について」という部分をベースにした内容が盛り込まれることになるのではないかと考えているところでございます。
 次に、第2章、「今後10年間を通じて目指すべき教育の姿」ということで黄色いマーカーを引かせていただいている部分でございます。田村先生からもお話がございましたように、今回の基本計画につきましては、10年先を見通して5年間に取り組むべき施策について検討しようという前提でご議論いただいているところでございます。その中で、今後10年間を見通すということであれば、当然、10年後、どのような教育を目指すのかについてももっと明確な像を示す必要があるのではないかというご意見を多くいただいたことを踏まえまして、今回、第2章といたしまして、こうした内容について盛り込んではどうかという案でございます。その内容につきましては、後ほどご説明申し上げます。
 第3章以降は、今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策という部分になってまいるわけでございます。
 まず、(1)施策の基本的方向ということで、1といたしまして、基本的考え方の部分で、これまでのご議論を踏まえまして、大きく5年間に取り組むべき施策の全体を貫くような基本的な思想を掲げてはどうかという案として作成してございます。
  2といたしまして、その際の施策の基本的な方向につきまして、昨年11月におまとめいただきました資料の際の4本柱を用いまして記載してはどうかということでございます。
 その次に、(2)といたしまして、特に重点的に取り組むべき事項としてございますけれども、この部分は先ほど田村先生からご紹介いただきましたけれども、この計画につきましては、11月にお示ししました段階の案について、全体的に総花的な印象であるというご意見でございますとか、メリハリあるいは重点化がもう少し必要ではないかというご意見をいただいたことを踏まえまして、この計画において特に重点的に取り組むべきこと、重点を置くものは何なのかということが明確になるようにわかりやすく示すという目的で、こうした形の部分も設けてはどうかとお示しさせていただいているところでございます。この部分につきましても、後ほどご紹介いたします。
 (3)基本的方向ごとの目標及び施策の部分は、昨年11月にお取りまとめいただきました約70項目にわたる施策群を盛り込むことと考えているところでございまして、その70項目をベースにいたしまして、その後いただきました様々なご意見を踏まえてさらに修正を加えたものをここに入れていってはどうかと思っているところでございます。
 第4章につきましては、5年間の計画を実施していくにあたりまして、どういう事柄について留意していくべきかという事柄についての記述でございます。この部分は、昨年12月の部会の際にご議論いただいた部分でございます。
 以上がおおよその構成案でございます。
 次に、資料2をご覧いただきたいと思います。資料2は、先ほどの構成案の中の第2章に盛り込むことが考えられる内容といたしまして、そのたたき台を用意したものでございます。今後10年間を通じて目指すべき教育の姿ということで、今後、知識基盤社会が進展していく中で、国家戦略として「教育立国」の実現に取り組む必要があるという観点から、どのような教育の姿を目指していくのかという目標でございます。ここでは、大きく2つの目標として掲げてございます。
 まず1点目は、「義務教育修了までに、すべての子どもに、自立して社会で生きていく基礎を育てる」ということでございまして、幼児期から義務教育修了までの教育の中で、すべての子どもたちが自立して社会で生きていくことができるような、その基礎となる力を育てようということでございます。
 そのために、まず(1)といたしまして、公教育への信頼を確立する。全国どの地域でも、だれもが安心して子どもを学校に通わせることができるような公教育を実現していくこと事柄でございます。
 (2)といたしまして、当然、こういった教育は学校だけで実現できるものではございませんので、家庭の教育力を高めることでありますとか、地域全体で学校を支えていく仕組みを構築していくことを通じて、社会全体で子どもを育てていくという事柄を盛り込んでございます。
 次の大きな2点目は、「社会を支え、発展させるとともに、国際社会をリードする人材を育てる」とタイトルがございます。これは、義務教育を終えた後の段階の教育でございますとか学習について述べている部分でございます。義務教育後の学校教育、高等学校でありますとか大学を中心とする教育の質を格段に向上させるということ、それから国際競争力を高めていくという観点から、大きく記述しております。
 (1)が高等学校教育、大学における教育の質を保証していくということ、あわせまして、いつでも学び直すことのできる機会を充実するということでございます。
 (2)のほうがむしろ国際競争力について重点的に書いてある部分でございまして、世界の英知が結集する教育研究拠点を重点的に形成するということを通じまして、知的な貢献ができる人材の育成、また「知」の創造・継承・発展を支えること、さらに「留学生30万人計画」を策定しまして、すぐれた学生を多数受け入れることができる体制を確立しようという事柄でございます。
 こうした今後10年間を見通しての教育の姿を実現していくということを考える際に、以上に加えまして、これまでも、教育のこういう姿を実現していくに当たっての教育投資の在り方につきましては、例えば平成15年3月の中教審答申でもご提言いただいているところでございますし、また本部会におきましても多くのご意見をいただいているところでございますけれども、今後10年間を見通した教育の姿を実現する観点からどのように考えていくべきかにつきましても、あわせてご検討いただければと考えているところでございます。
 こうした検討をいただくに当たっての参考資料としまして、本日、資料を用意しておりますので、その資料について若干ご説明申し上げたいと思います。資料5ということで、「教育投資の現状」と表紙に書いております資料をご覧いただければと思います。
 表紙をめくっていただきますと、まずここには国と地方の教育に関する予算の状況ということで、国、地方それぞれのおおよその文教予算と言われるものの規模がどの程度なのかという事柄について示させていただいております。
 1ページめくっていただきますと、国と地方の教育に関する予算の状況2となっておりますけれども、我が国の教育に関する公財政支出の中で、国と地方の予算比がどの程度になっているのかを、ラフなイメージですけれども、お示ししてございます。これは、国と地方でそれぞれ比較する年度が違っておりまして、厳密な意味での比較ではございませんけれども、大体国が2割強、地方が8割弱程度の予算を負担しているということでご覧いただければと思っております。
 続きまして5ページをご覧いただければと思います。教育投資における公財政支出の対GDP比の現状でございます。OECDのデータの資料でございまして、これまでもこの部会での議論の中で何度も出てまいりましたけれども、改めてここで整理させていただいております。
 まず、全教育段階を通じてのGDP比を見ますと、日本は3.5パーセントに対しまして、OECD平均は5.0パーセントという状況にございます。これを学校段階別に見てまいりますと、就学前教育段階は日本が0.1パーセント、OECD平均は0.4パーセント。初等中等教育段階について見ますと、日本が2.7パーセント、OECD平均が3.6パーセント。高等教育段階におきましては、日本が0.5パーセントに対しまして、OECD平均が1.0パーセントという状況にございます。
 ここで、OECDのGDP比の比較のデータを見る際の注意事項といたしまして、ご留意いただきたい点についてご説明させていただきたいと思います。この資料の8ページをご覧いただきたいと存じます。ここには、参考といたしまして主要国の教育に関する基礎データという資料がございますけれども、GDPと教育予算の比較について見る場合の注意事項をご覧いただきたいと思います。
 まず、1をご覧いただきますと、下のAの表に出てまいりますけれども、GDPの額が我が国は世界第2位であるということに加えまして、Bの表に出てまいりますように一般政府総支出の割合が小さい。つまり、日本はGDPがかなり大きな国であるということに比較しまして、GDPに占める一般政府総支出が低い、小さな政府であるという状況があるということでございます。
 それから、児童・生徒数の総人口に占める割合が小さいということ。これは表のCをご覧いただければと思いますけれども、日本の3つあるうちの真ん中、総人口に占める初等中等教育人口の割合をご覧いただきますと、11.3パーセントになっておりまして、諸外国に比べてこの割合が低いことが明らかになっております。
  3といたしまして、私立学校の比率が高いということでございます。表のDの日本の部分をご覧いただきますと、例えば大学、短大について他の国と比較してみましても、日本は非常に私学の割合が高いことがおわかりいただけると思います。
 このように、我が国の置かれている状況と諸外国の置かれている状況はまた違う部分が種々ございますので、教育予算をGDP比で単純に比較するということはなかなか難しい課題があることに十分ご留意いただいて、ご検討いただければというご注意でございます。
 この資料の7ページに戻っていただければと思います。先ほどはGDP比をご紹介いたしましたけれども、それでは1人当たりの公財政支出について見るとどうだろうかというのがこの表でございます。
 まず、就学前教育段階は、日本とOECD平均を中心にご覧いただければと思いますが、公財政支出について見ますと、我が国が50パーセントに対してOECD平均は80パーセントとなっております。1人当たりの公財政支出を金額でみた場合の合計は、我が国が3,945ドルに対しまして、OECD平均4,741ドルでございます。
 初等中等教育段階をごらんいただければと思いますけれども、日本の公財政支出91.3パーセントに対しまして、OECD平均91.8パーセントということで、ほぼ拮抗している状況でございます。合計額をご覧いただきますと、日本が7,105ドル、OECD平均6,608ドルということで、このデータでは若干、日本の支出の金額のほうが多いという状況でございます。
 高等教育段階では、日本の公財政支出41.2パーセントに対しまして、OECD平均75.7パーセント、合計額をご覧いただきますと、1万2,193ドルに対して1万1,100ドルでございます。ただ、米国と比較してみますと、アメリカが2万2,476ドルという合計額に対しまして、日本はその半分程度になっている状況があるわけでございます。
 最後に、この関連といたしまして、9ページの資料をご覧いただければと思います。これは、財政制度等審議会におきまして配付された資料をここでも参考に配付させていただいているところでございます。少し字が小さくなってしまって恐縮でございますが、このうちの4の資料、生徒1人当たり公教育支出/1人当たり一般政府総支出の関係について述べているグラフをご覧いただきたいと思います。ここで、日本が59.6パーセント、平均としまして53.2パーセントというグラフが出てまいります。この数字が何を意味しているのかが、このグラフの下の部分に出てきているわけでございますけれども、イコールの右側を見ていただきますと、分母になっておりますのが総人口分の一般政府総支出ということで、1人当たりの政府支出を指しております。分子に当たりますのが生徒数分の公教育支出ということで、1人当たりの公教育支出になっておりまして、この両者の関係を示す指標とご覧いただけると思います。すなわち、この値が大きいほど、政府の規模に比較しまして生徒1人当たりの公教育支出の割合が大きいということでございまして、日本の数字について見ますと、日本は小さな政府であるわけでございますけれども、人口1人当たりの政府支出は小さいわけでございます。この値を生徒1人当たりの公教育費と比べてみると、59.6という指標が得られるわけでございまして、これはG5の平均よりも大きい値になっております。このことから、日本は政府の規模の割には公教育への支出の割合が高い国であるという見方もできるというのがこのデータになっているわけでございます。ご参考までにご紹介させていただきました。
 続きまして、資料3をご覧いただければと思います。
 資料3は、構成案でまいりますと第3章の(2)に盛り込むべき要素ということになるわけでございますけれども、今後5年間に取り組むべき施策のうち特に重点的に取り組むべき事項は何かということで整理させていただいたものでございます。教育は当然、国、地方公共団体、保護者、企業、それぞれの責務で取り組まれることでございますので、そのことを前提に、政府として所要の施策、どういう点に重点を置いて取り組むべきかをまとめたのがこの素案でございます。全体で8本の柱で構成してございます。
 まず1本目が確かな学力の保証でございまして、新学習指導要領の実施あるいは学力調査による検証をしていくという事柄でございます。
 2つ目の柱は豊かな心と健やかな体の育成でございまして、道徳教育や伝統・文化に関する教育を充実していくこと、また体力づくりの取り組みを進めていくこと、体験活動を充実していくこと、それからいじめ等問題行動等に対する取り組みの強化を進めていくこと、幼児教育の充実を進めていくことといった事柄を盛り込んでございます。
 2ページにまいりまして、3本目の柱は教員が子ども一人一人に向き合える環境づくりということで、教員の資質向上及びすぐれた教員の確保、教員の子どもと向き合う時間の拡大という項目を盛り込んでございます。
 4が地域全体で子どもたちを育む仕組づくりでございまして、家庭教育支援として、きめ細かな家庭教育の支援がすべての市町村において行われることになるように支援していこうということでございますとか、地域が学校を支援する仕組みを中学校区を対象に実施することを目指すこと、放課後子どもプランを全小学校区を対象に実施することを目指して支援するといった事柄でございます。
 5つ目が手厚い支援が必要な子どもの教育の充実でございまして、特別支援教育、それから不登校の子ども等に対する教育機会を充実していくことを盛り込んでございます。
 6は大学等の教育力の抜本的強化と質保証で、国際通用性ある学士課程教育等の実現ということで、大学教育の質の保証あるいは高等専門学校の教育を振興していくための取り組みを進めるという事柄を盛り込んでございます。3ページでございますけれども、国公私を通じた大学間の連携による戦略的な取り組みを支援していこうという事柄でございます。
 7つ目の柱が大学の国際競争力の飛躍的向上でございまして、世界最高水準の教育研究拠点を形成することを目指していくこと、大学院教育の組織的展開を強化していくこと、教育水準の高度化を目指して、科学研究費補助金等の拡充に取り組んでいくことでございます。さらに、大学の国際化、国際競争力の強化のために、「留学生30万人計画」を策定して実施に向けて取り組んでいくということでございます。
 8つ目、最後の柱が安全・安心な学校環境の実現と教育への機会の保障でございまして、学校施設の耐震化等の推進、ボランティアや地域の医療機関等との連携も含めました学校における安全・安心の確保、さらに幼稚園就園奨励費の充実でありますとか幼児教育無償化の歳入改革に合わせた総合的な検討、奨学金、私学助成、税制の充実等による教育費負担の軽減を図るといった事柄について盛り込んでおります。
 以上が資料3でございます。
 続きまして、資料4をご覧いただきたいと思います。これは、全体でおよそ70項目にわたりまして、今回のこの計画についていろいろな施策を盛り込んでいこうということでご検討いただいておりますけれども、その際、できるだけわかりやすい計画とするためにも、可能な限り数値目標を明示していくことが重要ではないかというご意見をたくさんいただいていたことを踏まえまして、まだイメージの段階でございますけれども、盛り込んでいく数値目標の例といたしまして、幾つかの項目を例示させていただいたところでございます。
 それから、本日の資料といたしまして、机上にあります資料について、資料番号がついていないものが2点ほどございますので、紹介させていただきたいと存じます。
 まず、「教育振興基本計画の在り方について-『大学教育の転換と革新』を可能とするために-」ということで、安西委員、郷委員、金子委員、木村委員の連名でお出しいただいています資料がございます。あわせまして、森委員から「現場からの教育改革リレーフォーラムin長岡」ということでパンフレットを頂戴しておりますので、机上に置かせていただいております。
 私からの説明は以上でございます。

【川上生涯学習政策局政策課長】


 続きまして、これからの議論のご参考としまして、教育再生会議の動きにつきましてご報告を申し上げます。参考2という資料でございますが、教育再生会議につきましては、これまでも一次、二次、三次の提言につきましてご説明してまいりましたけれども、1月31日に最終報告が出されましたので、ご報告申し上げます。
 一番上に書いてございますように、教育再生の実効性を担保するためにということを目的としたものでございまして、一次から三次までの提言につけ加えるものではなく、その提言の実効性を担保することを重視した内容になってございます。したがいまして、まず一番最初に5ページを開いていただきますと、「提言の実効性の担保のために」の真ん中のパラグラフ、「実施状況を評価し、実効性を担保するため新たな会議を内閣に設ける」ということを求めております。これにつきましては、後に町村官房長官がその設置について、できれば2月中にでもということで政府において対応されることになるようでございます。
 また、フォローアップのためにということで、2ページ目から3ページ目にこれまで一次から三次までの報告で出されております提言のうち主なものを取り上げ、4ページ目、5ページ目でその提言をどの程度これまで実現しているかをまとめた上で、6ページ目、7ページ目にフォローアップのためのチェックリストを掲げておられるわけでございます。この中では、直ちに実施に取りかかるべき事項と、検討を開始すべき事項、いわゆる短期的な課題と長期的な課題に分けて整理がなされてございます。
 教育再生会議のご提言につきましては、政府においてその取り扱いをどうするかを検討することになっているわけでございますので、これから基本計画のご審議をいただく過程において、これをどのように取り込んでいくかにつきましても、まず改めて事務局からご説明をさせていただき、ご議論いただきたいと考えてございます。ということで、本日、参考のためにお配りしてございますので、ご一読いただければと思います。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 一点確認したいのですが、先ほどの資料4というのは、ここで重点化と数値目標がというご意見が何回も出ておりますが、先ほどの今後5年間に重点的に取り組むべき事項の中でも、例えば「すべての中学校区で」とかいう形で数値目標はもう入っているものも相当あるわけです。それと同時に、ここではそれ以外の項目についても、できるものは数値化するという案がこれから出てくるのですか。ここのところは事務局から次回にでも出てくるということですか。

【塩見教育改革推進室長】

 はい。できましたら、次回ぐらいにはこれを盛り込んだ案をお示しできるようにさせていただきたいと思っております。

【三村部会長】

 私の部会長としての希望は、やはり本来的には各分科会で議論されたものがここに提出されるのが一番いいのではないかと思います。私は当然そのような審議過程が正しいと思いますが、ここに至れば、実は取りまとめの会でも各分科会の分科会長が出ておられますから、ぜひとも文科省の取りまとめと同時に各分科会でもその数値目標をもう一度議論していただきたいと思いますので、これについてはよろしくお願いしたいと思います。
 それから、ここではもう一つの懸案事項として、今日は議論いたしませんが、例えば「10年間を通じて目指すべき教育の姿」と書いてある中で、教育投資の方向をどう考えるのか。こういうスタンスについては、今回はまだ時期尚早というか、まず何を議論していくかということですが、これも議論することになりますね。これはいつの議論になりますか。

【塩見教育改革推進室長】

 ご議論自身は本日も含めてなさっていただければと思っておるところでございます。

【三村部会長】

 しかし、重点はやはり項目に絞りたいという感じがいたしますので、もちろんご意見があれば喜んでお聞きしたいけれども、主たる議論は次回以降という形でやらせていただきたいと思います。以上です。
 意見交換に入らせていただく前に、大学分科会から意見が提出されておりますので、大学分科会副分科会長であります郷委員から、よろしくご説明いただきたいと思います。

【郷委員】

 それでは、私から申し上げたいと思いますが、資料番号はついておりませんが、「教育振興基本計画の在り方について」という題で、安西先生、私、金子委員、木村委員の4名でこの資料を提出させていただいております。
 大学分科会では、折々、教育振興基本計画に関して話題にしてまいりました。各委員が高等教育への投資の拡大ということを大変強く期待されておられますが、これまでのところでは、高等教育への投資拡大への方向性は示されてきておりません。昨年秋の意見募集に関しても、失望の声も聞かれている状況でございます。安西分科会長が今日はご欠席でいらっしゃいますけれども、これまでも各委員の意見や要望ができるだけ反映されるようにと尽力されてこられました。このたび、改めて部会長等の幹部委員と相談されまして、書面で意見を提出しようという運びとなりました。そこで、机上に今、申し上げました4名の委員の連名での書面をお配りしております。ご欠席されている安西分科会長に代わりまして私から、ごく簡単にご紹介させていただきたいと思っております。
 内容は3つから構成されておりまして、1番目が意見提出の趣旨を記した文書、趣意書でございます。2番目が「大学教育の転換と革新」と題する提言、3番目が提言のバックグラウンドとなる関連のデータあるいは提言の趣旨をあらわす概念図でございます。
 概念図の中に示してありますとおり、私たちは高等教育の将来に向けまして、強い危機感を持っております。初等中等教育も非常に大事でございますけれども、知識基盤社会の中で、大変速く、かつ、いろいろな知識の進展状況の中で、中国やインド、欧米に加わって大変急速に変化を遂げている国々が、私どもがうかうかしている間に、非常な勢いで国を挙げて高等教育に投資を行い、また優秀な人材を育成している状況の中で、今、日本の高等教育がこのままでまいりますと、10年後、20年後にはもはや日本の国の体制が大きく揺らぐのではないかと思っております。未来を切り開くには、大学関係者自身が粘り強く努力していかなければいけないということは当然でございますけれども、これを支える財政措置が欠かせないということは間違いないことでございます。速やかに公的投資を拡大することが望ましいと思いますけれども、厳しい今の日本の財政事情の中で、大学の実情を踏まえますと、5年あるいは10年といったタイムスパンでは望ましい状態を完全な形で実現することは難しいのではないかという認識を持っております。そのために、この提言につきましては、約20年後の2025年を展望して行ったものでございます。
 提言では、大学像と学生、大学システム、アクセスと進路選択、教育条件、質保証の体制に関する5つの項目を挙げております。教育振興基本計画の第1期を「転換の始動」、第2期を「転換の加速」、第3期及び第4期を「転換の完成、革新の実現」と、それぞれに位置づけを行いまして、現在は2.6兆円程度の公財政支出を5兆円以上に拡張していくことによって、5つの提言を実行していくことを望みたいと強く考えております。
 このバックグラウンドとなるデータの整理に当たりましては、本日もご出席の金子委員のお力添えをいただきました。詳しくは後ほどご覧いただきたいと思いますが、この中で、2025年の姿として、多くの留学生、社会人を含む約380万人の学生に対して総額11兆円の投資がなされ、うち半分の5.5兆円が公的支出で賄われるという構造を描いております。これによりまして、ようやく日本の学生に対する1人当たりの教育費が現在のアメリカ並みに追いつくという計算になるわけでございます。
 5.5兆円の財政支援のイメージにつきましても、試みに図式化してみたものでございますけれども、基礎的な支援、選択的支援、重点的支援、学生への経済的支援の4つの財政支援を類型化いたしまして、国公私立を問わず必要に応じた効果的な配分がなされる姿を描いております。もちろん、これらの資金が野放図に使われることがあってはなりません。今後の大学分科会で大学評価のあり方を見直していく予定でございますが、厳格な適格認定が行えるようにしていくことが不可欠でございますし、またアカウンタビリティーを果たせない大学が淘汰されていくこともいたし方がないと思います。
 ここで描いた2025年の姿や投資額は決して絵空事ではないと考えております。例えば、社会人学生の大幅な増加は、社会貢献を大学の役割として明記した教育基本法の理念を具現化するものでございますし、年明けには、福田総理が「留学生30万人計画」という遠大な目標を提示されました。これらの達成のために、アメリカに比肩する手厚い条件整備が不可欠でございます。5兆円という公的投資は、この意味で過大とは言えないと考えております。
 今、申し上げたこの提言は、新しい教育基本法の条文に即しまして、大学教育に焦点を当てたものでございますけれども、趣意書の中で示しましたとおり、高等教育全体の振興が重要でございます。この点は最後に強調させていただきたいと思っております。
 それから、資料に関しまして、その他、今日は金子委員もご出席くださっておりますので、補足をいただけるかと思います。よろしくお願いします。

【三村部会長】

 どうぞ、金子委員。

【金子委員】

 では、少し補足させていただきます。
 私は、第3回特別部会のヒアリングのときに、日本の高等教育は1960年以降、量的な拡大を遂げてきて四十数年になるが、現在の高等教育進学率は、4年制大学で5割弱、短大、高専を入れますと7割くらいに達している。量的な拡大については、これまでで一つのサイクルは終わっています。しかし、ここから始まるべきなのは質の転換であるということを申し上げたわけでございます。
 ここで申し上げているのも、やはり日本の高等教育はこれから20年、30年をかけて質の転換を遂げていかなければいけない。そうしなければ、国際的な社会の中で競争力といいますか、文化としての力を保つことができない状況にあるということでございます。質的転換には、もちろん現在の大学生に対する教育の改善もありますけれども、同時に社会人の教育、さらに留学生の受け入れだけではなく、送り出しを含めて国際的な交流を進めていかなければいけない。このために非常に大きなコストがかかるであろうということを、ぜひご認識いただきたい。
 今、郷委員がおっしゃいましたように、日本の大学生1人当たりの教育コストをアメリカのそれと比べますと、アメリカの約2分の1であります。確かに、イギリス、フランス、ドイツにつきましては1人当たりコストは日本と同様でありますけれども、これは、これらの国がつい最近に至るまで高等教育の大衆化が進んでおりまして、そのために1人当たりコストが従前よりもかなり下がっているために日本と同様になっているということにすぎません。実際、これらの国では飛躍的な高等教育への投資の拡大を政策的に進めておりますし、オーストラリアやカナダといった国々は、最近、飛躍的に投資を拡大いたしまして、アメリカと同等の水準になっています。
 投資をすれば、教育の密度が高くなって、大学生に勉強させる環境をつくることができるようになります。これは非常に重要なことだと思います。現在の日本の学生・生徒の勉強時間を見てみますと、大変おもしろいことに、小学校高学年から中学校について高くなるのですが、それ以降、高校、大学と低くなってしまうという、大変不思議な現象が起こっています。これは、日本の大学が学生を勉強させる環境をつくり得ないから、それはやはり十分な投資をしていないからだと私は思います。アメリカの大学の事例を見てみましても、そもそもアメリカの大学の学生はそんなに自分たちが勉強したいと思っているわけではないわけでありますけれども、勉強せざるを得ない環境をさまざまな形でつくり、そのために非常に高額な投資が必要になっているということだろうと思います。
 そういった意味で投資が必要だろうと思いますのと同時に、現在は昔のように大学への入試でもってすべての高校での指導や義務教育の勉強のモチベーションをつくることは既にできなくなっているわけであります。大学で厳しい勉強をするためということが実現すれば、それが高校あるいは義務教育に対して、これまでとは違う勉強へのモチベーションをつくっていく。私は、それは教育システム全体を通じて非常に重要な点ではないかと思います。
 以上のような点で、細かくはご覧のとおりの試算をさせていただきましたけれども、むしろ以上のような精神をお酌み取りいただきたいと思います。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、これから皆さんの議論をよろしくお願いします。森委員からはよろしいですか。

【森委員】

 教育に非常に熱心な市町村長で全国をリレーする現場からの教育改革リレーフォーラムをやっておりまして、つい1週間前、先週の土曜日に長岡市で実施しました。テーマは、「今、子どもたちにはぐくみたい“力”を考える」と設定いたしました。約300人の教員と保護者、それから市議会議員その他の関係者が集まりまして、銭谷事務次官にもおいでいただきまして、ご講演をいただきました。
 今日は何を申し上げたいかというと、資料の一番後ろのグラフを見ていただきたいと思います。これはもう少し早目に発表しておけばよかったと反省しておりますが、平成18年ですが、保護者4,651人、教員1,502人というかなりの数の――保護者の数は長岡市内の3分の1ぐらいになるはずでございますが、アンケート調査の結果であります。これを見て私が驚きましたのは、保護者も教員もほぼ同じ傾向を示しておりまして、「読み、書き、計算などの基礎学力」が小・中学校の初等中等教育でどんな力を見につけさせるかの第1位で共通でありまして、第2位に「友だちをつくることや他人とのコミュニケーション能力」が挙がっています。しかも、これは教員と保護者は多少違いますが、「あいさつや礼儀など、社会生活を送る上で必要な態度や習慣」もかなり高位にあります。その一方で、「外国語能力など、国際化に対応できる力」が保護者8.5パーセント、教員6.1パーセント、それから「高校や大学などに進学するために必要な高度な学力」が保護者10.3パーセント、教員5.1パーセントという結果が出ました。これは、長岡市の特異な現象ではなくて、おそらく地方都市の大体の共通項ではないかと思います。
 ちなみに、今、ちょうど高等教育の話の後にこのようなことを申し上げて恐縮ですが、これは別に高等教育を否定しているのではなく、長岡市ぐらいの人口30万人程度の地方都市だと、このぐらいの比率が、かなり成績のいい人たちだというだけであって、それですべて教育がその方向にいかなくてはならないということにはならないということだけ申し上げたいと思います。したがって、英語教育も、これで必要か必要でないかを判断することではないだろうと思います。
 それから、下は長岡市ではなくて独立行政法人の労働政策研究・研修機構のデータでは、3択でアンケートを行ったようですが、「コミュニケーション能力」がやはり第1位で、「人を思いやる力」、「読み書きなどの基礎的な学力」が続いております。私は、これが社会の常識ではないかと思います。
 しかし、私が一番心配しておりますのは、今、いろいろなところでの議論が、少しこの現実と離れた議論をしているように思えて仕方がありません。それは、基本的には学力偏重ということでありますけれども、世の中の保護者も教員も、常識的にはそういうことだけでは幸せになれないというのを非常によくわかっている結果だと思います。これをぜひ今度の教育振興基本計画に生かしていただきたいと思います。
 ちなみに、表紙を見ていただきますと、これは「米百俵の群像」でございますので、宣伝させていただきますと、小林虎三郎が武士に米を配れと迫られて「待て」と言っているところのポーズであります。私は、教育にお金をかけることは長岡市の大方針でありまして、大賛成ですが、現場の実情をきちんと把握した上での教育政策をぜひお願いしたいと思います。
 もう一つ私が申し上げたいのは、おそらく東京を中心とする大都市と長岡市などの地方都市では、非常に大きな差があるのだろうと私は解釈しております。にもかかわらず東京の常識ですべての政策をやるようなことが、世の中を非常に悪くしていると思っています。今度の教育振興基本計画でもそこのところがまだはっきり出ておりませんけれども、やはり地域によって実態が違うということは、ぜひ強調していただきたい。特に、幼稚園のころから私立に行くような場所と、長岡市のように公立しかない場所では、公教育はおそらく全然違うわけです。はっきり申し上げて、東京は意欲があるエリート層がある程度私学に行っている結果、義務教育の現場がかなりいびつになっている可能性がある。「いびつ」と言うとまた問題になりますけれども、そのことを前提とした政策と、長岡市のように社会を反映した学級編成とか学校編成ができているところは、多分、全然違うのだろうということだけは申し上げたいと思います。それが1点目です。
 2つ目は、フォーラムで議論したときに、家庭の教育力と地域の教育力の低下は間違いない。家庭の教育力と地域の教育力を政策的にてこ入れしていくことはもちろん必要だが、昔のようにはならないのではないか。例えば、核家族化が進行した家庭が、昔のように家庭の中で切磋琢磨する状況には、幾らやってもできないのではないか。地域のコミュニティー力も落ちていますから、昔のように、町内会のような教育の場はできないだろう。そのような条件が新しく出てきたということは、学校が担当するしかないのではないかという議論になりました。社会総がかりということは私は大切なことだと思いますけれども、現代の状況変化において、学校に新しい使命が出てきたと解釈すべきです。その文脈の中で、教職員を増やすとか予算をかけるということをぜひ使っていただきたいと思います。それをぜひお願いします。学力向上のためにだけお金をかけるのではなく、コミュニケーション能力のように、昔は何もしなくても当たり前についていた能力がもうつかなくなったのだから、学校でやらなきゃいけない。その結果、おそらく高校、大学は苦労していると私は思います。なぜお金をかけなくてはいけないのかという理屈のときに、そういう条件変化とかをしっかりうたうべきではないかというのが私の2つ目の意見です。

【三村部会長】

 ありがとうございます。いろいろな意見、特に大学分科会の方からは強烈な意見具申がありました。ただ、前から何回も議論しておりますように、すべてのものを全部入れるわけにはいかないことも事実であります。特に今後5年間につきましては何らかの重点化が必要です。したがって、やはりどこに重点を置くのかという議論なのだと私は思います。
 いずれにしましても皆さんのご意見を伺いたいんのですが、今日は中身がちょっと多いんですが、今までの内容につきまして全部、どの件でもよろしいですから、ぜひともご意見をお願いします。中込委員からよろしくお願いします。

【中込委員】

 失礼いたします。
 まず、答申の構成案、素案が1、2、3とあって、これは今後、いろんな形で変わっていくだろうと思うんですが、まず一つ気にかかることは、教育基本法で職業とか職業教育ということにかなり入ったわけですが、残念ながら、この素案の中では全然出てきていません。今の日本の社会で職業教育がいかに大切かということは、どなたが見てもおわかりのはずでございます。確かに、高度な教育をして日本の力を世界に示すことも非常に大変なことでございますが、一方でそれ以外の働くということに対する意識を持たせる教育にどこも触れていないわけでございますので、職業教育という観点をしっかりと素案の中に入れていただきたいという点がございます。
 それから、先ほどから高等教育機関ということが出ているわけですが、高等教育機関とはどこまでの範囲をいうのでしょうか。大学、短期大学、高専、専門学校というものになるのかどうか。文章的な問題ですから、後でまた私も事務局のほうにお話はさせていただくことにしたいと思いますが、資料2の2の(1)、「高等学校や大学等における教育の質を保証する」、「大学の個性化」等とずっと文章が書いてあるのはいいのですが、あまりにも範囲を限定し過ぎているという印象が否めません。職業教育に触れるのであれば、当然のことながら、短大、高専、専門学校も同時に触れるべきことであろうと思いますし、「大学等」というのは「高等教育機関」等に変更することをお願いいたしたいと思います。それから、「職業教育」という言葉は必ずどこかに盛り込んで、若者たちの働く意欲をどうにかして盛り上げる一つの文章が必要だろうと思います。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は吉野委員、お願いいたします。

【吉野委員】

 幾つかありますが、一つは、数値目標を大分出していただいてよかったと思いますが、この数値目標が、私の見る限り中間目標でありまして、最終目標の数値目標ではないと思います。最終目標というのは、やはり5年、10年のところに入っている教育力とか教育の質というのを最終的には測らなくてはいけないと思いますが、すべての数値目標が中間目標ですので、最終目標をそのように測かるか、特に教育力や教育の質はご専門の先生が多いので、ぜひお願いしたいと思います。私は、公共投資ではその質を自分で計測したことがありますが、教育でも多分できると思います。
 2番目は、例えば資料3で、先ほどご説明のように8つほど目標を立てていただいたのですけれども、これもそれぞれの目標をどういう指標ではかるのかをぜひ考えていただきませんと、結局、達成できたのかできないのかがわからないと思います。質でも結構ですし、数値目標でも結構ですけれども、こういう数値、あるいはこういうところで1から8の項目の達成度がわかるというのをつけていただきますと、今後、議論がしやすいと思います。
 それから、これまでのいろんなご議論の中で、中間目標と最終目標が本当に合っているかどうかという議論が、ここで一つもなかったと思います。例えば、教員1人当たりの生徒数が少ないほうがいいというご議論がございました。私が生まれたのははベビーブームの少し後なんですが、当時のクラス編成は1クラス50人ぐらいでした。そのときから見ると、今より私たちの方が勉強したのではないかと思います。そうすると、必ずしも教員の数が多くなったからいいかというと、おそらく、計量的には教員一人あたりの生徒数が少ない方が教育の質が向上するとは言えないと思います。そういう意味では、中間目標と最終目標が本当に合っているかどうかわからないのに数値目標を幾ら達成しても、最終目標を達成できないような気がいたします。
 それから、先ほどの森市長のように、やはり地域のデータをもっと出していただきたいと思います。ここの議論は、どうしても日本全国になってしまいますから、地域のデータで地域の違いがここでもっとわかるように、おそらくデータはあるだろうと思いますが、それをどんどん出していただきませんと、議論が地域の違いを反映しないものになってしまうと思います。
 最後は、森市長に申しわけありませんが、英語力は地方ではどうでもいいとなっていますけれども、国際金融でも、やはり英語力がないと世界的なルールが全部アングロサクソンで決められてしまうことになります。そのルールのもとに日本が従わなくてはいけなくなりますと、日本の国力が落ちると思います。そういう意味では、一部の人間でいいかもしれませんけれども、国際的な会議でアングロサクソンに負けずにこちらの主張をどんどんやっていくという人材はやはり必要だと思います。

【森委員】

 私が申し上げたかったのは、英語で頑張るのは長岡市は10パーセントぐらい、東京は30パーセント、40パーセントぐらいが普通じゃないかと思いますけれども、それを100パーセントやろうとするから無理が出るということです。

【三村部会長】

 今の吉野委員の問いかけは、非常に基本的な問題ですね。これを実行するにはどうやったらいいのか、考えるべき対象だと思っています。
 次は井上委員、どうぞ。

【井上委員】

 先ほど答申の構成案や今後10年間を通じて目指すべき事項等についてご説明いただいて、全体を通じて読んでおりまして、一つは、特に義務教育段階で、今度、学習指導要領の改訂の答申が1月17日に出て、改訂案が3月には告示される予定になっているわけですが、そういう観点から見ると、今回の学習指導要領は、完全学校5日制の中で、今までの学習指導要領に全体的に実証的な検証をした上で改訂するということから、特に全国学力調査等をすることによって、いわゆるプラン・ドゥ・チェック・アクションというサイクルの確立とか、義務教育段階の質の保証についてかなり配慮した全体のシステムになっていると思います。一方で、答申の構成案の第2章の2で「高等学校や大学等における教育の質を保証する」という項目がありますが、1の義務教育修了段階の1では「公教育への信頼を確立する」と書いてあるだけです。学習指導要領が実施されると、基本的には10年間はその学習指導要領でやって、その実施状況を見て改めて改善するという従来のシステムになると思いますので、ここはやはり「公教育の質を保証し、信頼を確立する」とか、質の保証についての今後10年間の取り組みをむしろ明らかにすべきではないかというのが1点です。
 それから、先ほど中込委員もおっしゃったのですが、職業教育について見てみますと、確かに重点事項などが落ちています。今度の学習指導要領改訂でもキャリア教育の充実を特にうたっていて、職業教育、職業観あるいは勤労観を育成するということがキャリア教育の中で行われることになっているわけですから、小学校から高等学校までのキャリア教育の充実なり職業教育の充実をし、進路あるいは将来の職業観をキャリア教育の中で育成することを、高等学校教育の中で明示してはどうかと思います。先ほど田村副部会長もおっしゃったように、全体的に高等学校についての記述がどちらかというと落ちている気がしますので、その点をさらに検討していただきたいということをお願いいたします。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は渡久山委員、お願いします。

【渡久山委員】

 1つは、「教育投資の現状」という資料をいただきまして、国と地方の教育関係の予算がありますけれども、私はこれに私費負担、個人負担というのを入れるべきだと思います。そうしませんと、日本が他の外国に比べてどれくらい私費負担が多いのかがわからない感じがします。後ろには出ていまして、ある程度明確になっていますが、そのときには公財政支出が国と地方自治体が一緒になっているものですから、国と地方それぞれの公財政支出に占める私費負担の割合がはっきりしない。国と地方自治体と私費負担というふうにして資料をつくっていただければありがたいと思いました。
 もう一つは、どうも外国との競争ということが非常に多いと思います。日本の産業構造が輸出構造になっているからそうなるのかもしれませんが、日本に住んでいる一人一人の子どもたちがより豊かな教育を受けられるということが非常に大事であると思います。例えば、フィンランドも「競争しなくても世界一」と言われるように、私は、もっと内需拡大的な考え方でいくべきだという気がします。
 それから、今後の5カ年計画のところの資料3を中心にして考えれば、一つは先ほど井上委員からもありましたように、1月17日に教育課程のあり方について、初等中等分科会で答申を出しています。そのときに、確かな学力というよりは生きる力をどう養成するか。これは森委員からもありましたように、学力というものが今までのようなものではなくて、キー・コンピテンシーと言われるものを育てていくということではないかと思いますので、ここには新指導要領という形にはできますけれども、この部分を含めて膨らませていくことが大事ではないかということが一つであります。
 もう一つは、教職員の定数の問題が出ていますけれども、今の教職員の定数は標準定数法で決められるわけですけれども、標準定数法の基準は、学級の子どもたちの数なんです。今、それを動かすのか動かさないのかが大きな課題だと思います。ですから、10年後を見越していくとすれば、日本においては法律で定められた40人学級を10年間、置いておくのでしょうか。これは少しまずいのではないでしょうか。そうであれば、これへの展望をやっていかないといけないと思います。学級規模をどう縮小していくか。もちろん、例えば今度の予算でも説明がありましたけれども、今、主幹の教員ができたから、その部分に配置しようと言っていますけれども、これも標準定数法でいっているとすれば授業定数になっていくはずなのです。そうすると、授業を持たない教職員が増えていくと、結局、管理部門が増えていくのであって、本当に子どもたちに接している教員は少なくなっていく可能性があります。それをもっと根本的に考えて、はっきり言ったら、職種によって定数を決めていくような抜本的なあり方を考えなければ、今の標準定数法でいくと、ますます授業を持たない教員を増やしていくということであれば、私は今後の問題として少し不十分ではないかという気がいたします。
 3番目の問題は、先ほど大学の先生方から出ていましたが、やはり大学教育、高等教育の将来像をどうするかということです。今、イギリスのタイムズの高等教育版がやったのでは、どうしても16位か17位で東大が一番よくて、次は京大が30位ぐらいで、10大学しか入っていないということも言われるんです。ただ、それについては、英語圏の統計だと言われ、例えばドイツなんかも非常に悪く書かれているのはひどいという言い方も批判としてはあるようですから、必ずしもそれが正確で妥当なデータとは思いませんけれども、日本の大学教育、高等教育はどうあるのか。先ほど郷先生からありました予算も非常に悪いです。
 しかし、学生の7割以上が私立大学に行っています。その7割の私学に行っている大学生をどうするかという施策も、両方考えなくてはいけない。高等教育に対する費用の問題と、私学に学んでいる学生の数が多いというのを見たときにどうするのか。特に私が気になっているのは、最近、大学はほとんど無試験で入ってきます。そうであれば、高等学校で到達度といいましょうか、どの程度勉強されているかがほとんどわからずに大学に入っていくことになります。これでは、やはり分数のできない大学生が出てくるという気がしますから、大学の皆さんからも提起がありましたけれども、ぜひ高等学校での到達度をもっときめ細かく見ていただきたいと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 まず、小川委員に次はお願いしたいと思いますが、その次は草野委員、角田委員、小嶋委員、菊川委員、山本委員、中村委員ということであります。ぜひとも皆さんにお話しいただきたいと思いますので、簡潔によろしくお願いいたしたいと思います。

【小川委員】

 では、手短に。
 さっきワーキンググループの主査の田村委員からもワーキンググループの中での議論のご紹介がありましたが、そこで次の議論がありました。
 5年、10年の資料2、資料3の中で、例えば基礎学力の向上とか「道徳教育や体力づくり、体験活動の充実」等々の項目も重要だけれども、これを実施していくための行財政づくりというものも、振興計画の目標の一つとして重要ではないか。簡単に言うと、分権型の教育行財政システムとか学校経営のマネジメントの確立ということも、教育基本計画が目指すべき一つの項目として考えられてもいいんじゃないかという議論がありました。ただ、ワーキンググループの中では、例えば県費負担教職員制度を見直して、できる限り基礎自治体が主体というか、力を発揮できる人事システムをつくるといっても、分権改革の見通しが現在、不透明な中で、振興基本計画に具体的にいついつまでにこれを実現するということは書けないという議論もありました。確かに難しいですが、少なくともそういう基礎自治体が主体的にいろんな課題に取り組んだり、学校がマネジメント能力を高めて、学校が主体的にさまざまな問題に取り組むという仕組みづくりがあって初めて、こうしたさまざまな教育目標の達成が動いていくということは事実だと思うので、5年のところには書けなくても、10年間の目指すべき教育の姿の項目の中に、やはり分権型教育行財政システムの見通しについてメッセージとして書いておいていいんじゃないかと思います。そのあたりのところを少し留意してというか、検討していただければと思います。

【三村部会長】

 わかりました。
 次は草野委員、お願いいたします。

【草野委員】

 細かいことですけれども、資料3の3の教員が子ども一人一人に向き合える環境づくりで、このことが非常に大事だということは教育課程部会の答申でも示されております。そのことで、「教員の子どもと向き合う時間の拡充」とここに挙げております項目の中に、「必要な教職員定数を措置するとともに」という非常にあいまいな表現が使われています。教育課程部会の答申では、「教職員定数の改善が喫緊の課題である」とはっきりうたっているし、この基本計画にも盛り込むべきだという話はあったと思います。「必要な」と言ったらどれぐらいか全くわからないし、今までの流れの中で、教職員は1学級当たりの児童・生徒の人数については何人が妥当かは一切論議されていないわけですから、とりあえず定数を改善しない限り、子どもと向き合える時間の拡充もないし、ひいては質の向上はあり得ませんと、はっきり現場から申し上げています。先ほど吉野先生から昔は50人学級だったと言いましたけれども、それは全然時代が違うわけで、現在、データからも、教職員は3時間以上、しかも平均ですから恒常的な超過勤務をしているという実態が明らかでありまして、疲れはたまっています。精神疾患の教員が増えているわけです。これもデータから明らかです。質の向上はもちろん大事だし、頑張らなくてはいけませんけれども、それの保障がない限り、幾ら立派な改革をしても、もとがないわけですから、進みません。これだけは声を大にして言いたいと思います。
 以上でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は角田委員、よろしくお願いします。

【角田委員】

 ありがとうございます。
 私も、先ほどの吉野委員や今の草野委員と関連すますけれども、例えば資料3の1の確かな学力の保証というところで、目標の示し方がやはり中間目標的だと思います。例えば、「平成21年度から可能な限り先行実施する」の部分は、早くやりなさいよ、早くやったほうがいいんですよという受け取られ方になってしまいます。要は、そうじゃなくて、新しい学習指導要領の趣旨だとか背景をしっかり理解した上で、人格形成、いわゆる質的に豊かな人間を育てるということのためにどう条件整備をすれば豊かな子どもが育つのか、そのための質的なものをどう量的に示していくのかが、私はとても重要なことではないかと思います。量的にする、数値目標をするというのは、何か早くやればいい、たくさんやればいいとなりがちです。確かにそういうものもあると思いながら、やはり教育の目標というか目的は人格形成にあるわけですから、その質的なことをいかに数量化するか、質を高めていくためにどういう条件整備をしていくのかを書き込んでいくことが大事だろうと思います。
 その後の学力調査による検証も、「学力・学習状況調査を継続的に実施する」というのは当たり前のことです。これを実施すればいいのではなくて、実施したことをどう役立てて子どもの学力を高めていくのか、人格形成を高めていくのかというところが最終目標になるわけですから、その最終目標に近づく形の数量化を出していくべきではないかと思います。
 その後に、2の豊かな心と健やかの体の育成のところでは、道徳の問題では「国庫補助制度を早期に創設する」とかなり具体的に書かれています。ところが、その後のいじめ等問題行動等に対する取り組みの強化では、「スクールカウンセラー等による相談等を受けられるよう支援する」としか書かれていません。ここは、支援をするなら「全校にスクールカウンセラーを配置する」とか、「そのために何年後に何をする」という書き方でないと平仄が合わないのではないかという感じがします。つまり、質的なものと量的に表すものとをもう少し峻別しながら、最終のゴールにおいて教育では何なのか、そのために5年ではとりあえずここまでするという示し方が必要なのではないだろうかと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は小嶋委員、お願いします。

【小嶋委員】

 私も中教審に出て4回目なので、大体流れがわかってきたものですから、私の立場で言わなければいけないことを言わせていただきたいと思います。この数値目標とか今後5年間、10年間で取り組むべき教育の姿の話は、いいと思いますけれども、一番大事なのは、先ほど長岡市長もおっしゃったと思いますが、地方は地方なりに苦労して、実際やっているということです。地方の義務教育と生涯学習とかの問題については、まちの伝統、歴史がそれぞれ地域で違いますから、そういうものを背負ってずっとやってきているわけであり、国が画一的に、これは全部つくるとかつくらないというのは若干納得いかないというのがあります。ですから、基本的な教育のルールなどはよいと思いますが、例えば「学校給食における地場産物の利用30パーセント以上」などについては、ここまで文部科学省が言うことがあるのかなと思います。また、「総合型地域スポーツクラブの育成」については、すでに実施しているところが結構あります。やれないところも実はありますが、これもあえて国が方針として出すべきことではないのではないかと思います。
 教育の分野でも分権ということがこれから大事になっていきますし、特に地域と義務教育施設との関わりは非常に大事になってきておりまして、教育委員会だけの仕事ではもうできないのです。地域の方は市長部局がきちっと連携していろいろやっています。そういう中で地域と学校との一体感をどうやってつくっていくか、みんな苦労しています。ですから、国が一律にそういうことを上から「こういう方針で」と言うのは、必要最小限にしたほうがいいと思います。むしろ地域の裁量に任せて、例えば、地域と学校との連携のための費用といって、文部科学省が「自由に使っていい」ものとして学校当たり1,000万円ぐらい支出すれば、みんな有効に使います。そのような考え方の方がよほどいいと私は思っています。関係して、学校は地域とのつき合い方が下手であり、またそれだけの予算も実は持っていません。そういうこともあり、もっと自由に地方に任せたほうがいいと思います。このように細かくやるのはいかがなものかと私は思います。
 それと、小・中学校の校舎の耐震の話が今、出ています。これももっともな話なのですが、政策的な優先順位については、地方の裁量に任せたほうがいいと思いますし、もし国が口を出すのであれば、50パーセント以上補助するから全部実施しろぐらいのことを言わないと、地方にとって費用が非常にかかることになります。実は我々静岡市はあと二、三年で100パーセントを達成しますけれども、これも10年計画でものすごく苦労してできたものです。そういう特殊なところで、ほかのところはほとんどできていないのはわかりますが、これを本当にやる気になってやるのは大変なことだと思うので、ほかの教育予算を削ってでもいいぐらいの気持ちでやらないと、とてもできない話です。
 もう一つ、分権の話でいきますと、義務教育の国庫負担と地方の負担は、国と県。特に我々静岡市は政令市ですから、人事権も持つようになりましたし、中核市もこれからそうなると思いますので、これは、ひとつ決着してください。我々は地方で人事権を持っているところが教育費、人件費の執行権を当然持つべきだと思います。僕は4回目で、きょう初めて言わせていただきました。
 それと、先ほど教職員の人数の話がありましたが、我々は教職員定数を決めるのも地方に任せてほしいという立場です。ある程度の人事権を持つところになれば、そこまで裁量を持って、採用から配置から自分でやりたいというのは当然だと思いますので、これも地方の意見として言っておきたいと思います。
 最後にもう一つ、実は静岡市はこの10年をかけて教育委員会の役割をかなり小さくしました。学校教育、学校給食、学校施設以外は移管して、文化振興からスポーツ振興、生涯学習、社会教育はすべて市長部局の所管にしました。これは、スポーツから何から、教育委員会が取り組むべきことではなくて、市長部局がまさに市民との関係でいろいろなことをやっていかなければいけない分野ばかりです。だから、僕はあえて市長部局に移管しましたが、今、それで何の不満もなく、むしろ生涯学習にかかわっている団体は直接、市長部局に物が言えるものですから、非常にうまくいっているというのも一つの例として申し上げておきたいと思います。今の分権の議論の中で、各省庁が地方にかかわる問題でどこまで関わるのか、どこ以上は関わらないのかをもう少しこれから議論していって欲しいと思います。ここの中でも、そのような精神を頭に入れながらつくっていってもらいたいと思います。

【三村部会長】

 今のはなかなか重いお話ですよね。我々としては数値目標でを設定すべきと言いたい、しかしそれが全国一律では困るという話ですから。それと、計画は、後のフォローからすると、それも入れなきゃいけない。その辺をどう調整するのかという非常に重たい課題だと思います。これも今後の検討事項だと思います。
 次、菊川委員、よろしくお願いします。

【菊川委員】

 同じく地方の立場から発言します。地方におきましても、国の教育基本計画を勘案しながら、努力義務として教育計画がつくられていくと思います。そういった観点から、3章の柱立ては今まで出ておりましたけれども、2章とか3章の(2)あたりは、今日初めて見せていただきました。その中で、高等学校の位置づけは、今まで3章では義務教育と一緒に初等中等教育というくくりで記述されていたわけですけれども、今日出されました2章では、大学と一緒に2に書かれております。あるいは、順番ですが、例えば3章の(2)特に重点的に取り組むべき事項で、確かな学力の保証というところから入っておりますけれども、3章の(1)の2の1は「社会全体で教育の向上に取り組む」という形から記述されております。どれがいいとか悪いというのはこれからの議論だと思いますが、地方で一つのモデルとして、あるいは地方で仕事をしていくときに、施策のフレームが頭に入りやすいためにも、その辺はある程度シンプルにわかりやすくしたほうがいいのではないかという意見でございます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次は山本委員ですね。

【山本委員】

 2つあります。、1つは、先ほどから出ていたことですが、職業教育とかキャリア形成のことで、これを5年間の重点目標に入れていくのかどうかという点について、私はいささか危惧するところがございます。というのは、キャリア教育等々で引っ張り出されることがありますが、惨憺たる状況なのです。ですから、重点項目にするのではなくて、むしろ恒常的な項目にして、生涯学習、つまり大人のキャリアアップの方から小・中・高・大まで全部絡めて横につないでいかないと、とてもレベルを上げてキャリア形成を日本の大事な点にしていくことはできないと思うんです。重点項目は本当に重点項目なので、今8つにまで絞ってくれてあり、中身はそれらの中に入っていますから、恒常的な仕組みをうまくつくるというあたりを考えてもらいたいというのが1点です。
 もう1点は、全体にかかわるのですが、大体ここら辺まで来まして、私としてはだんだんおとなしくなっていくのかなという嫌な気分になってきているところがございます。どういうことかというと、総論の最初のころには、日本の社会の劣化のことを言っていました。これでは困るというので、いろいろな話が出ました。ところが、各論になってきて、だんだんこう来ますと、細かなところをいろいろやっていけば総花的になってきて、最後は何でもありという議論にもなりかねないのです。数値目標を掲げますけれども、それを何とか達成しようという話でそのまま終わってしまうと、従来とどこが違うのかというおそれも出てくると思います。それならば、数値目標のところに、もしこれが達成できなければ日本はどういうリスクを背負うんだということを書くべきです。先ほどコミュニケーション能力の関係で長岡市長も言っていましたが、もしそこを達成できなければ、コミュニケーション能力が落ちてこうなるとか、あるいは大学の危機が今日出た資料の中に入っていますから、それをもし達成できなければ、大学がこうなって、日本はこういうリスクを背負うんです、それでもいいんですかということを最後に言ってみてはどうでしょうか。数値目標の横に書けばいいだけです。何かそういうのが欲しいような気がいたします。
 以上です。

【三村部会長】

 おとなしくなってきたというのを、もう少し具体的に言っていただけませんか。

【山本委員】

 先ほどからいろいろ出ていますが、出てくれば何でも中に入れていくわけです。そうすると、後ろの項目とか、数値目標はまだですけれども、いろんな大中小という項目が来て、そこに全部入ってきてしまう。すると、見ると何でもありではないかということになりかねないということです。具体的にはこの資料にあります。

【三村部会長】

 全体的には重点化に賛成ということですか。

【山本委員】

 そうなんです。

【三村部会長】

 それから、問題指摘をもう少しクリアにした方がいいんじゃないかということですね。

【山本委員】

 重点化ということだけでいっても必ずここに来ますから、それなららば、数値目標にこれがもし達成できなければこういうリスクがあるということぐらい言わないといけないのではないかということです。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 次、中村委員、よろしくお願いします。

【中村委員】

 資料3の4の地域全体で子どもたちを育む仕組づくり、これはこれでいいんですけれども、いかにも防衛的といいますか、もうちょっと積極的に排除するという考え方をとれないのかなと思います。資料4ではフィルタリングの話が項目で挙がっておりますけれども、フィルタリングの認知度を90パーセントにするとかではなくて、有害情報は排除していくんだという強い立場を出していかないと、なかなか難しいのではないかと思います。
 あと1点は、5番目に障害のある子どもあるいは不登校の子どもについて言ってもらっているのですけれども、多分5年後くらいになると、外国人の子弟をどうするのかを私どもは非常に心配しておりまして、それも一言入れておいていただきたいと思います。
 以上です。

【三村部会長】

 なるほど。では、森委員、もう一度どうぞ。

【森委員】

 今、部会長が重いとおっしゃったので、少し言わせていただきますと、最近、教育だけじゃなくて、非常に手段に拘泥した議論が多いです。私は、手段については、霞が関の官僚のほうが上手だと思います。そうではなくて、数値目標も示すにしても、目標ということをもっと重点的に考える。だから、一見、具体性に欠けるのであやふやになりますけれども、やり方は任せるという目標値の示し方があると思うんです。例えば、先ほどの英語教育の議論でも、「小・中学校で英語教育をする」というからいろいろ議論が巻き起こる。そうではなくて、「国力が減退しないように、英語教育を重点的にやる。それをどうするかについては任せる」という感じの目標の議論になれば、もっといろんな議論ができると思っています。
 そのことでいうと、揚げ足をとるようで申しわけないんですが、例えばここの事例でいうと、「放課後子どもプランの全ての小学校区での実施」は、小嶋委員と同じで、私は大きなお世話だと思います。「それに類するような地域で子育てをする仕組みをつくりなさい」と言ってくれれば、市町村はいろんなやり方を工夫します。
 もう一つは、「専門家チームによる支援など、身近な地域におけるきめ細かな家庭教育支援のすべての市町村での実施」は、中身は市町村に任せていますから、僕はこれは非常にいいと思うんです。そうすれば、あまり矛盾しない目標が書けるんじゃないかと思いますので、それだけは参考までに申し上げます。

【三村部会長】

 わかりました。
 ご意見はこれで終わりまして、ここで田村主査から、今までのご質問、ご意見に対するコメントや、今後の進め方も含めて、少しお話しいただきたいと思います。

【田村副部会長】

 大変なるほどというご意見をたくさんちょうだいしました。ただ、国がやることはあるだろうと思います。例えば、国際的な通用性だとか国際競争力とかいう切り口で考えるのは国がやるべきことだろうと思うし、それをご参考に出して、森先生や小嶋先生に地方で考えていただくという提案になるんだろうと思うんです。その点はそういう整理をする必要があると思うんですが、初等中等教育も国際通用性みたいな切り口はやはり必要だろうと思います。具体的な例は時間がかかるからやめますけれども。ただ、国際というとすなわち競争力というふうにはつながらないと思います。国際的な通用性という教育の質にかかわる部分を提言しなくてはいけないと感じました。
 最後に、これは部会長から言われていた宿題なんですが、縦割り行政の問題は若干触れにくいものがありますので、実は触れていません。この部分をどうするかは大きな問題です。既に資料でお出ししているのですが、十幾つかの省庁が教育をやっているんです。文部科学省がその辺を整理統合するべきだろうと思いますが、どのようにしたらいいか。今回までには間に合わなかったということです。

【三村部会長】

 今日のご意見をどのようにまとめるのかは、率直に言って、なかなか大変です。それから、数値目標ももう少し出たほうがいいと思います。気に入らないのは気に入らないと言ってください。地方が気に入らない数値目標を幾ら出しても実行できないに決まっていますから、それはぜひとも次回も率直に言っていただきたいと思います。ただ、全体としては何らかの数値目標は必要だ、国の役割は役割としてあるということも事実なものですから。
 それから、今日はあまり議論が出ていませんが、大学分科会のからは、この重点化は気に入らないというのが率直なところの意見だったと思います。私としては、70項目を8項目に絞り込んだということは実は大変なことでありまして、おそらく文部科学省の各局でも大変な議論があって、ここに至ったのではないだろうかと思っておりますが、書き方等々についてはいろいろな問題がありますけれども、一つの議論の成果だと思っています。ですから、これについても、今日の議論ではまだ十分できていないと思いますから、何かご意見があれば、ぜひとも寄せていただきたいと思います。このような方向で、大学分科会の話をどう入れるかは別にしまして、こういう方向で私どもとしては進めたいと思っておりますので、これについても意見があれば、ぜひともお寄せいただきたいと思っております。
 それから、先ほど申し上げましたように、これを可能とする条件整備についてどういう書き方をするのかについても、次回、議論させていただきたいと思います。
 したがって、次回は、これまでの議論を踏まえて、答申の素案になるものを用意していただく。なかなか難しい話でありますけれども、何はともあれ議論のたたき台がなければ進みませんので、可能な限りのものを作成して、打ち合わせ会も一回やっていただいてということになると思います。
 最後に、今後の日程等について、事務局からよろしくお願いします。

【塩見教育改革推進室長】

 今後の日程につきましては、改めてご連絡させていただきたいと思います。

【三村部会長】

 今日は、お忙しいところ、どうもありがとうございました。

(生涯学習政策局政策課教育改革推進室)