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教育振興基本計画特別部会(第11回) 議事録

1.日時

平成19年12月27日(木曜日)14時~16時

2.場所

東京ステーションコンファレンス「602」(6階)

3.議題

  1. 教育振興基本計画に関する公聴の結果について
  2. 施策の総合的かつ計画的な推進のために必要な事項について
  3. その他

4.出席者

委員

三村部会長、田村副部会長、梅田委員、菊川委員、小嶋委員、郷委員、角田委員
(臨時委員)井上委員、植田委員、大島委員、小川委員、木村委員、草野委員、高橋委員、橘木委員、渡久山委員、宮崎委員、無藤委員、森委員、山本委員、吉野委員

文部科学省

玉井文部科学審議官、坂田官房長、加茂川生涯学習政策局長、清水高等教育局長、磯田私学部長、舌津文教施設企画部長、清木生涯学習総括官、前川大臣官房審議官、合田総括審議官、山中教育再生会議担当室副室長、戸谷大臣官房会計課長、川上生涯学習政策局政策課長、塩見教育改革推進室長

5.議事録

【三村部会長】

 それでは定刻でございますので、ただいまから教育振興基本計画特別部会の第11回目を開催させていただきます。年末のお忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。
 初めに、本日の議事について簡単にご説明いたします。まず第一に、平成20年度の文部科学省予算(案)について、事務局から説明していただきます。
 それから2番目の議題ですが、11月12日から約1カ月間にわたり行われた、教育振興基本計画についての公聴の結果についてご報告いただきたいと思います。あわせて、これまで本部会でも関係府省との連携について、これは文部科学省だけの計画ではないということで、皆さんから何回もお話がありましたが、関係府省における教育に関係する主な施策について、事務局で資料を作成していただきましたので、それも紹介いただき、意見交換を行いたいと思います。
 それから3番目ですが、施策の総合的かつ計画的な推進のために必要な事項については、まだ議論が済んでおりませんので、これは全体を肉づけするものになるかもしれませんし、地方との関係をどうするかということになるかもしれませんが、事務局で用意した資料に基づいて説明いただき、意見交換を行いたいと思います。
 それから4番目、最後ですが、12月25日に、教育再生会議において第三次報告がまとめられましたので、これについて教育再生会議の事務局より報告をしていただきたいと思います。以上4点をは審議いたしますので、よろしくご協力いただきたいと思います。
 それでは最初に、平成20年度文部科学省予算(案)について、事務局より説明をお願いします。

【戸谷大臣官房会計課長】

 大臣官房会計課長でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは早速ご説明いたしますが、資料の中に参考1があろうかと思います。平成20年度文部科学省予算主要事項、全体で30枚ほどの紙でございますが、それをごらんいただきたいと思います。
 まず、1ページ目でございますが、文部科学省予算の総額について書いてございます。一般会計につきましては5兆2,738億6,900万ということでございまして、対前年度に対しまして33億、0.1パーセントの増額ということになっております。ここに記載しておらず大変恐縮でございますが、実はこの一般会計予算の中で、教育関係、科学技術関係と、色々分かれているわけでございますが、この一般会計の中の文教予算といたしましては3兆9,395億ほどございまして、これにつきましては、対前年度に対して114億円の増額、割合にして0.3パーセントの増ということになっております。ちなみにこの文教予算というのは、いわゆる教育予算ということになるわけでございますけれども、この教育予算が、実際の額で増額になりましたのは平成13年度以来7年ぶりということになっております。この間、三位一体の改革等がございまして、教育予算は年々減額ということでございましたけれども、平成20年度につきましては0.3パーセント、114億円の増額ということになっております。
 科学技術関係につきましては、科学技術振興費がこの一般関係の中に含まれておりますけれども、これが大体8,619億円ほどございまして、これにつきましては0.8パーセントの増ということになっております。
 それから、2番目に財政投融資計画がございます。これは財務省の理財局が担当しております国全体としての財投と、それから各機関が個別に債権を発行しておる財投機関債、両方ございますけれども、この中でも、日本学生支援機構につきましては709億円の大幅な増額となっておりまして、これは後ほど出てまいりますけれども、奨学金事業の中の有利子事業につきましては、ここを財源として事業を実施しているということでございまして、今回も、有利子につきましては貸与人員で約7万名の増員を図っておりますので、その財源ということで、今回、大きく増額がなされているということがございます。
 2ページ目でございますが、今回の予算編成の中でも一番大きな課題となった、子供と向き合う時間の拡充あるいは教員の適切な処遇ということでございます。これにつきましては、義務教育費国庫負担金で最終的に136億の増額ということになっておりまして、今月、12月18日に文部科学大臣、財務大臣、総務大臣の3大臣が、これは当初内示の2日前でございますが、事前大臣協議を行いまして、そこで教職員の定数については、ここにございますように1,195名の増員が認められたということでございます。これにつきましては、行政改革推進法との関係の議論も色々ございましたけれども、今回、この定数措置については、行政改革推進法の枠の中で可能であるという整理となっております。
 それから教員給与の改善につきましては、ここの(1)、(2)にございますが、まず(1)では、基本方針2006によりまして、一般公務員と教員給与の差増分について縮減を図るということが決められているわけでございますけれども、今回はその一部、具体的には義務教育等教員特別手当の縮減に着手をするということで、これが大体19億円程度の減額ということでございます。
 他方、(2)の適切な処遇とメリハリある教員給与の実現ということで、まず、副校長、主幹教諭、指導教諭等の処遇についてしっかり定めるということと、それから、部活動手当に代表されますが、例えば、その他にも非常災害時の緊急業務など、そういう教員の特殊業務手当、これにつきましては、おおむね倍増を図るということで、こちらでハリの部分がございまして、大体24億円程度増額ということで、差し引き、ネットで5億円ぐらいの増額となっております。ただ、教員給与の問題につきましては、教職調整額の見直しは、20年度には行わないということになっておりまして、これにつきましては、教員の勤務のあり方と、それから時間外勤務の評価等のあり方について引き続き検討を行うということで、21年度にも検討が持ち越されているという状況になっております。
 次のページでございます。今回、定数措置に加えまして、予算措置によりまして、外部人材の活用等を図るといったことがございましたが、3ページの一番上のところにございます非常勤講師の配置が予算化されておりまして、7,000名の講師を、ここにございますようなメニューに沿って配置をすることになっております。これにつきましては、義務教育費国庫負担金とは別に、新しい補助金の制度をつくりまして、国が3分の1を負担して、この事業を行うということになっております。
 それから、3のところは委託費による学校ボランティア活用事業でございまして、学校支援地域本部事業を新たに立ち上げるということで、これにつきましては、国が100パーセント出す形の事業となっておりまして、全市町村を対象といたしまして、1,800カ所の実施が認められております。
 それから4ページ目でございます。ここにつきましては、英語理解活動、それから学力調査につきましては、2年目ということで、若干額の合理化等を図っておりますが、基本的には今年度と同様の学力調査を実施することが認められております。
 それから5の教員免許更新制の円滑な実施でございますが、21年度からの実施に備えまして、20年度がシステムの開発を図るということと、それから講習を試行的に実施をするということでございますが、システム開発につきましては、できるだけ時間的な余裕を持ってやりたいということで、備考欄に補正予算と書いてございますが、19年度の補正予算で、前倒しをして実施をすることになっております。
 次のページは道徳教育の関係と体験活動でございます。特に2の体験活動につきましては、概要欄の一番上にございますが、農山漁村におけるふるさと生活体験推進校というこで、農林水産省と連携いたしまして、農林水産省が受け入れの農山漁村について調整し、文部科学省のほうで、学校に対して支援を行うということで、全国235校で、このような活動を実施する予算が認められております。
 6ページでございます。いじめ問題等への対応でございまして、これにつきましては、額が若干減額となっておりますけれども、この概要の上から3つ目にございますスクールカウンセラー事業、これが今回、国の補助率が2分の1から3分の1に変更になり、国費部分が減ったということで予算の減額になっておりますが、事業規模としては必要な規模が十分確保されております。このスクールカウンセラーの上に書いてございます、スクールソーシャルワーカー活用事業、これが今回、約15億円、新規の事業ということで認められております。
 7ページはキャリア教育、あるいは職業教育の関係でございます。
 8ページでございますが、幼児教育に係る負担の軽減ということでございまして、従来から実施しております幼稚園就園奨励費補助につきまして、補助単価が大体3パーセント引き上げられております。同じく就園条件ということで、第2子以降に対しまして、優遇措置がとられることになっておりますけれども、従来、小学校2年生まで幼稚園にいるとみなして、第2子以降の優遇措置を講じてまいりましたが、その枠を今回、小学校2年生から小学校3年生まで拡充をするという改善が認められております。
 9ページの特別支援教育の関係につきましては、各段階におきまして、それぞれ適切な施策を拡充をしていくということで、予算としては大幅な増額が認められております。
 10ページでございます。外国人の児童生徒教育の充実、それからコミュニティ・スクールでございます。特にコミュニティ・スクールは、予算としてもともと少額の規模でございますが、今回は倍増ということで、この辺についての充実も図ることとされております。
 それから10ページの(5)。これが公立学校施設の小中学校の耐震化の推進ということで、概要にございますように、現在、耐震性が確保されているところが全体の58.6パーセントということで、概算要求の時には、平成19年度予算の倍額の概算要求を出しておりました。結果といたしましては、20年度の当初予算のベースでは8億5,200万の増額ということでございますけれども、耐震化の緊急性といったことにかんがみまして、備考欄にございますように、19年度の補正予算で、これとは別に1,110億円が手当されているということで、この予算規模で、極めて危険性が高い建物を中心にしまして、相当改善が図られると期待をしております。
 11ページの関係でございますが、家庭の教育力の向上ということで、今回、新規施策といたしまして、「家庭教育支援チーム」の創設などが認められております。それからこの下にございます放課後子どもプランにつきまして、19年度の1万カ所から、20年度は1万5,000カ所ということで、ゆくゆくは2万カ所を目指しておりますけれども、段階的に拡充を図っていくことが認められております。
 12ページについては説明を省略いたしますが、健康教育の関係でございます。
 13ページには食育プランの関係の予算が書かれております。(5)の1のところでございます。先ほど自然体験活動の話が出てまいりましたが、13ページの概要の上のところにございますように、今後さらに自然体験活動を推進するために指導者が必要となるであろうということで、そのような指導者の養成に取り組むといった事業が、今回新規で認められております。
 15ページでございます。大学の関係でございますが、(1)といたしまして、いわゆるGP――グッド・プラクティスの関係の事業でございますけれども、今回新たに、この概要の一番上にございます、質の高い大学教育推進プログラムが認められております。
 (2)のところはグローバルCOEの関係でございますが、これにつきましても増額が認められております。
 16ページでございます。新たな事業といたしまして、地域振興の核となる大学の構築ということで30億円が認められております。これは、具体的な新規事業といたしましては、ここの概要にございます戦略的大学連携支援事業ということで、国公私、色々な組み合わせにより、それぞれの特色を生かしながら、色々な連携した事業を取り組むといったことを促進するための支援策ということで認められております。
 それから(4)のところでございますが、大学病院連携型高度医療人養成推進事業ということで、大学病院が連携をしながら研修機能の強化を図るといった事業も認められております。
 17ページでございますが、これは、いわゆる国立大学の運営費交付金と言われる予算でございまして、平成20年度は1兆1,813億円ということで、対前年に対しまして230億円の減額でございます。これは、基本方針2006で決められております歳出改革の1パーセント分の120億の減と、それからこの中で、退職手当等の人件費も見ておるわけでございますが、退職手当の減額等が見込まれるということで、そういった義務的な増減の要素が110億円あるということで、あわせて230億の減額ということになっております。
 ただ、この概要の中の一番下に書いてございます特殊要因経費ということで、教職員の資質等の向上支援、あるいは9月入学とか附属病院の機能強化とか、そういった課題に対応する経費も、この中で盛り込まれております。
 それから17ページの(6)は、公立大学の施設整備の関係でございまして、これは、ほぼ前年同額程度の規模でございますけれども、別途、耐震化の関係ということで890億円弱ばかりが、補正予算で認められております。
 18ページの私学助成の関係につきましては、やはり基本方針2006で定められておりますように、私学助成全体としては1パーセントの減額ということになっております。この中で、項目は大きく3つに分かれておりますけれども、私立大学の経常費補助につきましてはマイナス1パーセントでございますが、私立高等学校等経常費助成費につきましては、前年度額ということになっております。それから(3)の施設・整備の助成の関係につきましてはマイナス1パーセントを上回る減額ということになっておりまして、全体を調整しましてマイナス1パーセントの減ということでございます。
 19ページは、奨学金事業の関係でございます。先ほど財投が大幅に増えているということを申し上げました。この概要のところに無利子、有利子というのがございますが、無利子事業につきましては約1,000名の増員。有利子事業につきましては7.4万人ということで、都合7.5万人の増員を図るということになっております。
 あともう一つ、今回奨学金事業の改善といたしまして、概要の下から2番目ですが、新たな貸与月額の創設というのがございまして、従来、大学につきましては10万、あるいは大学院につきましては13万のところを、それぞれ2万円追加した枠を設けるということで、これは学生がそれぞれ選択ができるということでございます。
 20ページは国際交流の関係でございまして、特に2の留学生政策のところでございますが、ここにございますように、国費留学生制度につきまして若干の増員を図るということと、それから短期の外国人留学生支援制度、これは1年未満の滞在ということでございますけれども、それを新たに制度としてつくるということがございます。
 21ページは省略いたします。22ページ、23ページが文化・スポーツの関係になっております。スポーツの関係につきましては、ここにございますように、全体として3億円程度の増額ということでございますが、実はこのスポーツ予算の中に、新聞にも出ておりましたけれども、ナショナルトレーニングセンターの建設費が入っておりまして、これが19年度に終わるということで、74億円の建設費の減額がございまして、それを埋め戻して、これだけの予算規模となっておりますので、ここに書いてあるところをごらんいただければと思いますが、各種事業が、かなり充実されております。
 23ページは文化の関係で、文化庁予算全体として1億円程度の増額ということでございますが、特に1の子どもとの直接的な関わりということから申し上げますと、1の概要の下にありますような、本物の舞台芸術に触れる機会の確保や、伝統文化こども教室事業といったものが、今回拡充されております。
 24ページ以降は科学技術の関係でございますが、時間の関係もありますので、説明は省略させていただきます。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。
 ただいまのご説明に対して、ご質問ございますか。渡久山委員、どうぞ。

【渡久山委員】

 どうもありがとうございました。
 今のご説明によりますと、文教予算全体としてはプラス0.3パーセントということですが、質問の1つは、国の予算の中における文教予算の比率はどのぐらいですかという点。
 もう一つ、最近、国のGDPが発表されました。よくOECDなどでも調査しているわけですが、GDP比でどれくらいになるのかということで、この2つをお聞きしたいと思います。
 それから、15ページにありました特別なもの、要するに万能細胞の関係や、大学の関係、高度利用について聞かせてください。
 それから19ページにあります大学の奨学資金は、大学における障害児者の奨学資金としても使えるものなのかを教えていただきたいと思います。
 それから耐震化の話がありましたが、それでどれくらい耐震化が進むのか、これは、学校にとっては、子供たちの生命・安全という面で非常に関心があろうかと思いますので、教えていただきたいと思います。
 以上です。

【戸谷大臣官房会計課長】

 国の予算の中での比率ですが、手元に正確な資料がないのですけれども、文教及び科学技術振興費を加えますと、大体6.3パーセントか4パーセントぐらいになろうかと思います。そのうち科学技術振興費の部分が1兆3,000億円ございますので、これを除きますと大体4兆円ということになりますから、5パーセントを切るぐらいの割合になります。
 あと、GDPとの比率につきましては、今、最新の資料は手元にございませんが、GDP全体を大体500兆として考えれば、1パーセントにもならない額でございます。0.7、8パーセントぐらいかと思いますが、もし、正確な数字が必要であれば、後ほど計算してお持ちいたします。

【清水高等教育局長】

 今、渡久山委員からお尋ねがありました、障害者と奨学金についてでございますけれども、もちろん日本育英会の奨学金は、障害者で高等教育、大学に進学するもの等にも、もちろん対応するシステムでございます。なお、学生支援機構それ自体としては、ここには出ておりませんが、障害者が大学に進学する場合、例えばノートテイカーなど、さまざまな支援措置が必要になります。それは日本学生支援機構の法人としての予算の中で、その支援を各大学に行うという関係にございます。

【舌津文教施設企画部長】

 公立小中学校の耐震化がどれだけ進むかというお尋ねでございますけれども、10ページの下のほうに書いてありますが、「現在」というのは今年の春の段階で、耐震化率が58.6パーセントであったわけでありますが、これを今年度の補正予算1,111億、それから来年度の当初予算1,051億、これらを加えた場合、何パーセントになるかというのを正確に予測するのは極めて難しいわけですが、過去の経験値から言えば、60パーセント台後半には達するのではないかと想定はしております。

【戸谷大臣官房会計課長】

 先ほどの予算の中での割合について、再度申し上げたいと思います。国の一般歳出の中での割合からいきますと、文部科学省の割合が大体11.2パーセントになっておりまして、これについては変わっておりません。教育予算ということで言えば、先ほど申し上げたように、5兆2,000億円の中から3兆9,000億円ということでございますので、改めて計算してまいりますが、そういった計算をすればいいということになっております。

【三村部会長】

 この辺は1つの基礎的なデータなので、後で改めて計算して、また、皆さんに配るように、よろしくお願いしたいと思います。
 ほかに、どうぞ。

【吉野委員】

 吉野でございます。3ページの外部人材の活用という、これは非常にいい施策だと思いまして、今後、7,000人の方がここに入られることなのですが、この評価やそれからこれがどういう形で、いいのか、悪いのかということをフォローアップできる体制をしっかりつくっておいていただいて、例えば外部人材でも継続される方、あるいはそこで代わっていただく方というようなことまで、もし考えられているのであれば、教えていただきたいと思います。
 それから3ページの真ん中から下の、世界トップレベルの義務教育の質の保証というときに、ずっと今回の予算を見ておりますと、大きな日本の流れからの観点が、まだ少し抜けているかなと思います。例えば、これまで製造業が強かったわけですけれども、それから金融サービス業で、日本がこれから生きていかなくちゃいけないと思います。そうであれば、金融サービス業に対するための教育というのも、今後、義務教育の段階でも必要になってくるのではないかと思います。例えば若い青年たちが、オートバイとか自動車を買い過ぎて、消費者金融に行くということもあります。そういう意味では、金融経済教育も、やはり必要ではないかと思います。
 それから5ページのところの体験活動について、これも非常にいいことだと思うのですが、これは多分一例だと思うのですけれども、農村の色々な例が出ているのですが、例えば地元の中小企業を訪ねるとか、消防署を訪ねるとか、様々な体験活動というのは、色々なところでできると思うのですが、そういうところも含めた体験活動なのか、たまたま農林水産省だけなのかどうか、それもお伺いできればと思います。
 それから20ページのところで、海外の留学生の支援という項目がございます。これは私の印象ですが、昔、バブルの時や、90年代初めまでは、非常に優秀な留学生が日本に来てくれました。その理由は、日本経済がうまくいっていたからなのですが、最近、文科系の場合には、少し質が落ちてきているように思います。やはり日本の経済が少しうまくいかなくなったことが原因だろうと思うのですが、いかに優秀な留学生に日本へ来ていただくかということが本当の鍵だと思うのですが、この制度の中で、今、どういう改善がなされていて、どういう努力がなされて、優秀な人材にに来ていただく制度になっているか、お聞きできればと思います。
 それから、先ほど渡久山先生のほうからGDPの比率という話がありましたが、色々な指標の取り方があると思うのですが、児童一人当たりとか、色々な指標も見ていただいたほうがいいのではないかと思います。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 5つぐらいご質問があったのですが、文科省から。

【前川大臣官房審議官】

 初中局担当の審議官でございます。まず、外部人材の非常勤講師の活用事業でございますが、このフォローアップ、あるいは評価のあり方については、補助金を出す私どもの側での評価と、それからそれを使う教育委員会の側での評価とがあるだろうと思っています。教育委員会の側での評価としては、先般の地教行法の改正で、教育委員会自身が自らを評価して、その評価結果を議会に報告すると、こういう仕組みが導入されたところでございますので、こういう非常勤の活用のあり方につきましても、その中できちんと評価されることを期待しているところでございます。私ども、補助金事業のあり方としては、ワンサイクル終わったところで、また、こういった事業を21年度以降続けていくのかどうかということを検討するに当たって、やはりきちんとした評価が必要になってくると思いますが、それは21年度の概算要求の日程に合わせてやっていくことになるのではないかと考えております。
 それから、金融サービス業等に関する教育、あるいは体験活動にかかわることについてですが、これは、あわせてご覧いただきたいのは、7ページに、各学校段階を通じた体系的なキャリア教育・職業教育の推進という項目がございまして、その中に、主なものを拾ってございますが、地元企業での職場体験などにつきましては、中学校で、原則5日間以上の体験をしてもらおうということで、「キャリア・スタート・ウィーク」という愛称をつけておりますけれども、これを進めるための予算を確保しているところでございます。その中で金融関係の体験に触れるということも考えられるわけでございますけれども、高等学校段階になりますと、これは商業高校などが中心になって、目指せスペシャリストというような事業、あるいは地域産業の担い手育成プロジェクト。こういったところで、地元産業などとも連携しながら専門教育を進めていくと、こういった取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 義務教育の段階では、学習指導要領の中でも経済教育について、必要な中身を社会科等の教科の中で、あるいは総合的な学習の時間の中で扱うことになっていくと考えております。

【三村部会長】

 例えば、金融教育が今後大事かどうかというのは、やや議論のあるところで、私なんかは製造業におるものですから、むしろ製造業の、ものづくりのことを徹底的にやったほうがいいんじゃないかというような考え方を持っているので、この辺はやや難しい議論だと思います。

【井上委員】

 私、日本経済教育センターの理事長をやっていまして、主に経済教育を学校教育で展開する場合の教材をつくって、全国の小中高等学校に配付したりしているのですが、最近、経済界も、財政的に厳しくなると経済的な支援がなくなって、だんだん先細りしているのが実態でございまして、金融経済、確かに今の子供たちにクレジットの教育とか、金融全体、あるいは経済教育全体について、いろいろ資料を、経産省、従来は経企庁が中心ですが、そういう資料をつくって配っていた、そういう教材数が激減しておりまして、経団連等経済界にも、そういう支援をお願いしているのですが、なかなかそれがうまくいかないというのが実態で、12月に経済教育フォーラムを開催しても、全国から集まった先生方がわずか50人ということで、今後どうするのかというのが現状でございます。ですから吉野委員がおっしゃるように、そういう金融経済教育について、学校現場で先生方にも理解してもらうためには、教材を全国の学校に配るということが、まず必要ではないかと思っていまして、そういう取り組みを、今後も私どもは進めたいと思っているのですが、とにかく、先立つものがなくなってきているものですから、そういう点で、非常に苦境に立たされているというのが現状でございます。

【三村部会長】

 はい。それから、次に留学のご質問、よろしくお願いします。

【清水高等教育局長】

 先ほどお尋ねがありました中で、今お話がございましたサービス産業に関連する部分がございます。まず、金融工学を含めて、そういうサービス産業の新しいブレイクスルーをどうするかという意味での研究の基盤と人材の養成に関する高等教育の部分では、1つとして専門職大学院において、そういう意味でのファイナンス部門が、今、数としていえば十数大学に上っているかと思っております。それと同時に、実際上、もともとは数学について、例えば、伊藤先生の理論をデリバティブが示すように、どうやって工学との接点、数学との接点、そういう中で、まさに現実の事業会社、あるいは金融系会社のさまざまな行動の中に、理論をどう具体化していくかということでございます。これに関しまして、それぞれ協議会ができておりまして、先般、経産省ともども、大学と、現実に事業系金融、あるいは金融機関の金融、そのあたりで大学との接点を求めるシンポジウムを行ったばかりのところでございます。
 また、新しいサービス産業、あるいはサービスに関しての人材をということで、私ども、15ページにございますような産学連携による実践型人材育成事業という中で、いわゆる新しいサービス産業と大学の教育研究というものにおいて、どう新しい可能性を求めるかということについて、プログラムを支援を行っている状況でございます。
 それから、第2点目の留学生についてでございます。ご案内のように、留学生それ自体の総数としては、国私を合わせますと12万。若干落ちていますけれども、11万人から12万というところでございますが、全体として、公的なサポートをしているのは1万数千人、十数パーセントというところが率直なところでございます。したがって、そういう中で、自ずと質の問題というのは、私ども国費の選考のシステムの中に質の問題をどう入れていくかということでありまして、大使館推薦、大学推薦がございますけれども、基本的に私どもは大学が、留学生について、きちんとした一定の質を確保できるようなプログラムを、それぞれ持っているものについては選択的に助成すると、こういうシステムを機能して、今これを拡大しようとしているということでございます。
 また、これは当然のことながら、大学において、自分の大学で、質のいい留学生を確保していかなければならないと、そういう戦略とリクルートというものを、どう組み立てていくかという問題でございます。今、中央教育審議会の大学分科会の中に、留学生の、15年の答申のフォローアップのための留学生のワーキンググループを設けて、審議を開始したばかりでございます。要は、今後大学にそれぞれが、量もさることながら質、国際的な競争力の中での質の高い留学生をどう確保するか、そのための支援はどうあったらいいかということについて、今議論が開始されていると、このような状況でございます。

【三村部会長】

 それでは、先に田村副部会長。

【田村副部会長】

 ありがとうございます。
 先ほど吉野委員、それから井上委員がおっしゃっておられました金融サービスの教育にかかわることですが、確かにGDPの中で計算すると、ものづくりというのは、今はもう、金融サービスよりはるかに小さくなっているわけです。しかし、現在アメリカでは、メイド・イン・USAに対する国民の信頼がかなり落ちました。そして、アメリカの物を使わなくなっているという現実が起きるわけです。それがめぐりめぐって、金融とか、いわゆるサービスの事業に、色々な意味の悪影響を及ぼしているのが、アメリカの反省としてあるのです。ですから私は、やはりものづくりという基本を大事にする教育をしっかりやった上でないと、金融サービスの教育というのはなかなか難しいだろうと思います。金融サービスの教育を中心にしてやっていくというのは、率直に言っていかがなものかと思っているところです。
 もちろん高等教育は少し違うと思いますが、初等中等教育では、まず、ものづくりをきちっとやるというのが基盤ではないかと思います。簡単にいえばメイド・イン・USAに代わるメイド・イン・ジャパンが信頼されているということ、国民にも信頼され、日本だけでなくて、世界的にも信頼されるということが、経済の基盤だろうと思っていますので、お金の問題はお金の問題として、教育は、そのところは外さないほうがいいのではないかなと思います。吉野先生は違う意味でおっしゃっていると思いますが、若干感想を述べさせていただきました。

【三村部会長】

 では、まず郷さんからお願いして、それで吉野さんからお話しいただいて、それで次の話題にいきたいと思います。

【郷委員】

 ありがとうございます。
 今のお話、高等教育のことにも関わるかと思うのですが、基本計画のスタートとなるのが平成20年度でございますが、この予算案の中で、高等教育財政の充実という方向が、あまりはっきり示されなかったということは、大変残念なことだと思います。教育の総仕上げの段階である高等教育が、初中教育とともに非常に大事だというところでございますが、教育予算全体の中で、高等教育の優先順位が後回しにされたのではないかという懸念が、どうしてもあります。
 先ほどご説明いただきましたけれども、国立大学法人の運営費交付金が、対前年度比で230億円減。率にして1.9パーセントの削減がなされたということでございますが、骨太の方針2006で示してありました1パーセント減を大幅に上回る削減であるだけではなく、今年の骨太の方針2007でも、基盤的経費の確実な措置と明記されていたわけですが、これとも大きく矛盾してまいります。そもそも法人化するときに、毎年1パーセントの減ということで出発し、これ以上の減はないということで進んできたわけですけれども、このことに対しては、先ほどのご説明では、退職金の分だというご説明でしたけれども、それだけではなく、現実には人勧のための給与の増分とか、色々な問題がありますので、これは昨日の国立大学協会の会議でも、大変懸念する意見が強く出されたところであるということを、やはり申し上げたいと思います。
 最新のデータでは、高等教育への公財政支出が総額として大きく減少しています。これは先進国の中では、どこの国も増額をしている中で、日本は例外的に減少しているということでございます。お金を投入したらそれだけよくなると、問題が解決するわけではないといった主張もございますけれども、色々な国が、今、高等教育のために、あるいは高等教育を国際的に、グローバル化の中で強化するためにしのぎを削っているわけですが、その中で、来年の予算は、極めて特異な状況であると言わざるを得ないと思います。とにかく財政支出を減らす、その論理だけで予算の削減が行われて、我が国の教育という、国家にとって人を育成するという最も大事なところに、深刻な危機が来るのではないかと、大変心配しております。
 先ほど、留学生のことで、300万の増ということでございますが、今、諸外国、特にアジアでは、国を挙げて留学生を呼ぶために投資をしておりますし、キャンパス1つにしましても、目覚ましい勢いで力を入れているわけですから、その中で、今の日本の高等教育の状況を見たときに、果たして留学生がやって来るかというと、現実の問題としては非常に厳しいと思います。勉学の環境としての優劣は、本当にはっきりしております。そういう中で、やはり現状を維持することすら不可能になっているわけですから、この留学生を拡大する意味でも、これはやはり、予算的な措置を、ぜひ考慮していただきたいと思います。

【三村部会長】

 はい。これは文部科学省のほうから答えていただくような話ではないと思います。我々のこの部会の結論、どこに重点を置くのかという議論が、これからなされると思いますけれども、その中での議論だと思っております。
 吉野先生、最後にコメントをお願いします。

【吉野委員】

 私、ものづくりを軽視しろと、そんなことは全然思っておりませんで、ただ、全体のマクロの動きでは、製造業がどうしても海外に行ってしまい、減ってくる中で、現在、日本の株の3分の1を外国人に持たれておりまして、株式市場で一番儲けているのは外国人であると。こういうことがやはり、日本人として、金融サービス業でも儲けられる人材というのは、必要だという意味でございます。

【三村部会長】

 わかりました。それで、予算についてはまだいろいろな議論があると思いますけれども、この辺で打ち切らせていただきたいと思います。
 それでは次に、教育振興基本計画についての公聴会の結果概要について、事務局から説明願います。それからあわせて、各府省における教育に関する主な施策についてのご紹介もお願いいたします。

【塩見教育改革推進室長】

 失礼いたします。資料の1-1、1-2、1-3、1-4、これが、11月12日から1カ月間開催してまいりました、教育振興基本計画に関する公聴の結果についての資料になっております。
 まず、資料の1-1をご覧いただきたいと思います。これが、今回の公聴結果全体の概要でございます。今回、公聴の手法としまして3つほどございました。まず初めに地方公聴会でございます。地方公聴会は2会場、11月13日と、それから19日に徳島と千葉で開催させていただきました。このうち、徳島会場につきましては梶田先生に、千葉会場につきましては田村先生にご出席いただきまして、今回の教育振興基本計画の現在の検討状況についてご説明いただき、また、会場にお越しいただいた皆様と、非常に熱心なご議論をいただいたところでございます。
 それから2.といたしまして、関係団体からのヒアリング等ということでございます。こちらにつきましては、12月5日の第10回の部会におきまして、関係の団体、34団体の方々から直接ご意見の陳述をいただきまして、委員の皆さんと質疑応答をしていただきました。また、直接対面でのヒアリングということではございませんが、21の団体から書面でのご意見をいただいているところでございます。
 それから3つ目でございますが、意見募集ということで、文部科学省のホームページ上で、1カ月間意見募集を実施いたしました。この結果、約670件のご意見をいただいたということになっております。
 それぞれの概要につきまして、ごくかいつまんでご説明申し上げたいと思います。資料1-2をごらんいただきたいと思います。地方公聴会における主な意見ということでございます。この地方公聴会で会場から頂戴いたしました意見につきまして、項目ごとに簡単に整理したものでございます。どのような意見が出たかということで申し上げますと、2.の重点的に取り組むべき事項についてにつきましては、まず、学校の図書館を含めたネットワークづくりを推進する必要があるということ。また、学び直しについて、不登校の子供も対象に進めていくべきではないかというご意見がございました。それから、主に初等中等教育関係のご意見といたしましては、入試制度の改革でありますとか、学力の客観的な基準づくりが大事だということ。また、学力・学習状況調査を毎年行うよりは、その分を教材費に回したほうがいいのではないかというご意見。さらに道徳教育、人権教育、健康教育の扱いをしっかりと検討してほしい。また、不登校の児童生徒を受け入れる教育機関の多様化を図るべきではないかといったようなご意見がございました。また、教員定数の改善につきまして、必要な予算を確保するとともに、30人以下学級を実現するための条件整備を行うべき。また、幼児教育について、文科省と厚生労働省が連携して、地方公共団体が責任を持つような体制づくりを考えるべき。また、市町村教育委員会の体制整備への支援について検討すべきといった意見がございました。
 高等教育の関係で見てまいりますと、大学設置基準を見直すべきだというご意見でありますとか、あるいは競争的資金の拡充により、大学の教育や基礎研究が不利にならないように考慮すべきだといったご意見をいただいております。また、学校の耐震化とあわせて老朽化対策にも力を入れる必要があるといったご意見もございました。また、全体に関わるようなご意見といたしまして、その他のところに何点かまとめてございますけれども、数値目標の設定も重要であるが、教育の評価には定性的な評価も必要であるといったご意見。また、文部科学省がリーダーシップをとって、関係省庁とともに、省庁横断的に取り組むべきだといったご意見もございました。
 以上が、地方公聴会での主なご意見のご紹介でございます。
 続きまして、関係団体ヒアリングの概要ということで、資料1-3をご覧いただければと思います。この関係団体ヒアリングにつきましては、12月5日に、委員の皆様にも、長時間にわたりまして、関係団体の皆さんとご質疑をしていただいたところでございますけれども、この結果を簡単にまとめましたのが、資料1-3の1ページ目でございます。検討に当たっての基本的な考え方ということに関しましては、社会全体で教育に取り組むということにつきまして、多くの団体の方々が積極的な評価をしてくださっておりました。その一方で、学校、家庭、地域の連携の強化、あるいは学校と職業・生活との接続の重視。さらに、教育の継続性、一貫性の観点から、初等中等教育から高等教育に至るまで、「生きる力」を育むことの重要性を明示するべき。また、各段階間の接続が重要であるといったご意見などがございました。また、国、地方公共団体、学校、保護者、地域住民、企業など、様々な主体の役割分担と責任を明確化しながら、連携・協力を一層推進すべきだといったようなご意見をいただいております。
 また、重点的に取り組むべき事項ということに関しましては、例えば、教育課題に対応するための教職員定数の措置、特別支援教育の支援員、養護教諭、図書館司書、学校・家庭・地域をつなぐコーディネーターといったような、様々な人的な配置が重要であるといったご意見。また、学校施設の耐久化、老朽化等の対策、大学等における基盤的経費の拡充。図書館、公民館、博物館等の社会教育施設の充実。幼児教育、家庭教育支援。また、特別支援教育の充実。職業教育、キャリア教育、人権教育の充実。大学入試を含む高等教育学校と大学の接続といったような、様々な観点からのご意見をいただいております。
 その他の部分でございますけれども、盛り込むべき事項が、現在、網羅的・総花的な内容になっているので、重点施策を明示すべきだといったご意見でありますとか、数値目標の設定、目標達成年次、財政的裏づけ、実行手段等を明確にしながら重点施策とその目標を明示してはどうか。また、長期的展望に立った教育施策及び財政措置に関する目標を盛り込むべきといったようなご意見をいただきました。
 それぞれの団体からいただきましたご意見の概要につきましては、その後ろのページ以降にまとめてございます。本日ここで、事細かにご説明する時間的余裕がございませんが、また、ご覧いただければと思っております。
 続きまして、資料1-4でございます。意見募集の結果(概要)という資料でございます。これは先ほど申し上げました、ホームページ上で募集いたしました意見募集に対していただきました意見でございます。
 全体の傾向でございますけれども、属性別に傾向を見てまいりますと、女性よりも男性のほうが、提出をいただいた方が多いということ。また、年代で見ますと40代、50代の方が比較的多い割合になってございます。また、職業による分類を見ますと、教職員、行政、または学生といった層が比較的多い。その中でも教職員が過半数を超えているということで、特に多くなっている状況にございます。
 2ページ目でございます。このいただきました意見募集で多かった例といたしましては、教職員が子供たちと向き合う時間の確保のための教育条件整備が重要だといったご意見。また、人権教育の充実が必要だというご意見。さらに教育予算の確保・拡充が必要だというご意見が多くございました。また、特別支援教育の充実というご意見でありますとか、学校施設の充実。また、キャリア教育・職業教育・ものづくり教育の充実といったような項目に関してのご意見が、特に多かったという状況でございます。
 次のページ以降に、それぞれ項目ごとに、どのようなご意見を主にいただいたかという資料、こちらもまとめてありますので、また改めてご覧いただければと思っております。また、皆様の机上には、いただいたご意見全体につきましても、それぞれ資料として置かせていただいておりますので、こちらもあわせてご覧いただければと思います。
 資料2をご覧いただければと思います。
 ここまでのご説明は、これまでの公聴の結果についてでございましたけれども、資料2につきましては、関係各府省における教育に関する主な施策ということで、それぞれの省庁で取り組まれている施策につきまして、関係省庁のご協力を得まして、例示という形で整理させていただいたものでございます。これまでも本部会では、今回の教育の振興基本計画は政府として策定する計画であるということで、関係省庁の施策についても盛り込んで策定していくことが大事だといった観点からのご意見をいただいているところでございまして、今回、そういったことも含めまして、改めてご紹介できればと思っております。
 表紙にございますのが、各省庁でそれぞれ取り組まれている事柄の、取り組みの項目ということで一覧にしたものでございます。表紙をめくっていただきまして、内閣府から順番に、それぞれの主な取り組みと、その取り組みについて、一体どういう事業、あるいは施策を行っているかということを例示として掲載させていただいております。内閣府をご覧いただきますと、消費者教育の推進でありますとか、交通安全教育の推進といった事柄に取り組まれているということでございます。
 金融庁でございます。先ほど来お話が出ておりますけれども、金融経済教育の推進ということで、教材の作成等々、取り組みをされているということでございます。
 警察庁でございます。こちらでは、地域の力で子供を犯罪被害から守る取り組み。また、学校と連携した非行防止対策の推進ということで、学校と警察との連絡という中で、子供たちを安全に育んでいくという取り組みが、種々なされているところでございます。また、有害情報対策ということで、携帯電話のフィルタリングの利用促進でありますとか、出会い系サイトの規制といった事柄にも取り組みがございます。1枚めくっていただきまして3ページ。防犯教育、あるいは交通安全教育という事柄。
 総務省でございますけれども、こちらでも携帯電話等の有害情報対策、また、ネットリテラシーの教育。それから農村漁村等での体験活動。また、国際理解教育の促進ということで、幅広い観点から教育に関する施策を実施している状況にございます。
 次のページでございます。法務省、こちらは法教育の推進、再非行防止のための矯正教育等の推進。人権啓発活動の推進という事柄がございます。
 外務省では、留学生交流の推進でありますとか、国際理解教育の促進といった関連施策。
 財務省では租税教育の推進といった事柄の取り組みがございます。
 厚生労働省でございますけれども、こちらはかなり多岐にわたる取り組みがございます。まず、地域における子育て支援等ということでございます。地域の子育て支援拠点といったものを設置して、子育ての支援を推進していくということ。また、保育所における保育の充実を図るといった施策。1ページめくっていただきまして、認定こども園制度を文部科学省との連携で進めているということ。さらに放課後子どもプランの推進、これも文部科学省との連携でございます。また、キャリア形成の支援といたしまして、高校生、中学生等を対象にいたしました「ジュニア・インターンシップ」でありますとか、ハローワークと学校、産業界との連携の事業などの取り組みがございます。また、ものづくり立国の推進というこで、例えば高度熟練技能者の工業高校への派遣などの施策にも取り組んでいます。1ページめくっていただきまして、児童虐待防止対策。また、仕事と生活の調和の推進ということで、ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた取り組みがございます。
 農林水産省でございます。先ほども予算の説明の中でも出てまいりましたが、農山漁村等での体験活動ということで、農山漁村での長期宿泊体験活動を推進するということで、文部科学省、総務省と連携して取り組みを進めていくということになっております。この説明にもございますように、全国の2万3,000校、1学年120万人を目標ということで、今後強力に取り組んでいくという施策がございます。それから、健全な食生活に関する知識の普及促進。また青年農業者等の育成・確保。森林環境教育の支援といった事柄がございます。
 1ページめくっていただきまして、経済産業省でございます。経済産業省の施策といたしましては、キャリア教育の推進・職業生活への接続ということで、キャリア教育を着実に実施していくために、産業界や教育、行政、地域住民等を結びつける「コーディネーター」の活動の支援などをはじめといたしまして、様々な取り組みをなさっています。それから地域の企業の技術者等を活用して、理科の授業のプログラムを作成、提供していくといった事業もございます。また、産学連携による人材育成ということで、産業界と大学等が一体となって取り組むプロジェクトの実施といった事柄。1ページめくっていただきまして、企業や地域における子育ての支援。エネルギー・環境教育の支援といった取り組みがございます。
 9ページでございますけれども、国土交通省でございます。ここでは水辺空間や海辺等を活用した体験活動の支援。安全・安心なまちづくり。住教育の推進といった事柄がございます。
 10ページの環境省でございますけれども、こちらでは環境教育・持続可能な開発のための教育の推進ということで、人材育成、プログラムの整備、情報提供、場や機会の拡大といった事柄に取り組まれています。
 最後、防衛省でございます。防衛省におきましても、体験活動の支援ということで取り組みを進めています。
 以上、関係省庁における、取り組みの中身についてもご説明をさせていただきました。今回、公聴でいただきましたご意見や、今回の関係省庁の施策なども、ぜひ念頭に置いていただいて、今後、ご議論いただければと思っております。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。
 重複していることも随分やっているのですね。改めて調査をしていただいてありがとうございました。そうしたら、今の内容につきまして、ご意見があればと思うのですが、その前に、木村委員と田村委員が公聴会に、それぞれ、出席していただきましたので、お二人のほうから、公聴会の印象をお話ししていただければと思います。

【木村委員】

 こういう公聴会を開催しますと、どうしても時間が短いものですから、あらかじめ書いたものを準備して、それを読むというスタイルが多くなりますね。そういうこともあって、私はあまり強い印象は受けませんでしたが、全体としては、やはり条件整備といいますか、経済的なサポートをきちんとしてほしいということが、それぞれの団体の関係する側面から強く述べられたと申し上げて良いと思います。それから、例えば、公立学校施設の協会のような団体がありましたので、学校の耐震に関する意見もかなり出ておりました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 田村委員から、お願いします。

【田村副部会長】

 ありがとうございます。
 実は今回の公聴会を経験しまして、日本の教育が、今までは、戦前は富国強兵、戦後は富国という、かなり明確なメッセージが出て、それに対応する教育というのが形成されてきたという実感がありましたが、ここへ来て、ちょっとその辺が、多少不明確と言いますか、どういう方向に行ったらいいのかという、つまり、戦後でいえば、豊かになれば幸福になれると思って、豊かになるための教育をやってきて、みんながそれを一生懸命やって、見事に成功して豊かになって、経済大国になって、それでどうだったのかという不安があって、はっきりしない形のところで、今回の教育基本法の動きが出てきているという意味で、実際、公聴会に出られる方々は、これからどうしようとしているんですかと。我々の方はこういうことを要請したいのだが、これからどういうふうにしようとしているのかということを、色々な言い方で言っておられるというのが実感でした。
 ただ、こちらが期待したほどヒントになる話というのはあまりなかったので、難しい話なのだろうと思いましたけれども、その辺のところを、この基本計画の部会で、国民に対して提言することができれば、この会を開催した意味があるだろうと思いますし、振興基本計画のもとになっている基本法を新しく制定した意味もあるだろうと思いますので、その辺についての議論を、ぜひまとめて、提言していただければ大変ありがたいと思いながら、今回の公聴会の話を聞いておりました。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの他省庁でやっていることの関連も含めて、ご意見があれば。では、角田委員、お願いします。

【角田委員】

 ありがとうございます。
 中身に関係することではなくて、大変恐縮なのですが、この教育改革セミナーの公聴会ですが、せっかく田村先生がいらしていただいたのに、やはり参加者が少ないですね。実は私も鳥取で、教育課程の説明会をしてほしいと言われて、お話しをしましたが、参加者が100人ぐらいでした。結局、こういうことをしたときの広報の仕方の問題が1つ、もう1つがいつやるのかということですね。今回これも、やはり平日の午後の1時から4時ぐらい、こういう時間帯に出られる人というのは本当に限られた人です。まして学校関係の人などは、ほとんど出られない。やっぱり、広報をどうするかということと、それから開催の時間、そういうものをきちんと、もっと調査をした上で行ったほうが、色々な人たちから意見をいただけるのではないかと思います。前にトラブルがあったということもあって、かなり慎重になられているのだろうと思いますが、せっかく広い会場を押さえておきながら、参加者が少ないということに対しては、もう少し吟味、検討していただければと思います。

【三村部会長】

 これについては、事務局から何かありますか。

【塩見教育改革推進室長】

 ありがとうございます。
 広報の仕方等につきましても、まだ工夫の余地があろうかと思います。ホームページ、あるいは新聞広告等でもお知らせしたところではあるのですが、なかなか皆様にお伝えすることの難しさということを実感しました。
 また、日程の設定等につきましても、反省すべき点もあったかと思っておりますので、今後、こうした形で広くご意見を伺う際には、このあたりを十分に踏まえて取り組んでまいりたいと思っております。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 そのほかにご意見、ございますか。あと、他省庁との関係はどう整理しますか。これは、はっきり言って少しもったいない。ですからどういうふうに整理しますか。ちょっとこれは、今後の課題として、我々の1つの課題、1つの視点という形で受けとらせていただきたいと思います。
 それでは、次の議題に移りたいと思いますけれども、今回の公聴で参考となるご意見も多くいただきましたので、今後も引き続き、文部科学省のホームページ上で、計画の策定に関する意見を受け付け、適宜部会に報告をいただくこととしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【三村部会長】

 ありがとうございます。
 それでは、そのような形で進めさせていただきたいと思います。
 次に移りますけれども、計画の主な構成要素のうち、まだ議論ができていなかった施策の総合的かつ計画的な推進のために必要な事項について、これはどの基本計画にも必ず入っている項目です。これについて事務局から資料の説明をしていただき、意見交換をさせていただきたいと思います。事務局、よろしくお願いします。

【塩見教育改革推進室長】

 失礼いたします。資料3をごらんいただきたいと思います。「施策の総合的かつ計画的な推進のために必要な事項について(案)」という資料でございます。
 この資料3をごらんいただく前に、恐縮でございますが、本日同封しております資料に参考5というのがございます。これはこれまでに何回か、この部会で配付させていただいております資料ですが、教育振興基本計画の基本的な構成を考える際に、どういうふうな構成になっていくかということで、本年の5月に出した資料でございますけれども、この資料の2の教育振興基本計画の構成というところをごらんいただきますと、大きく3つのパーツからできておりまして、1が基本的な方針、2が総合的かつ計画的に取り組むべき施策、3が計画の策定、推進に際しての必要事項ということでございます。本日、ここでご議論をお願いしたいと思っておりますのは3の部分でございます。ここは通常、先ほど部会長からもお話がございましたように、基本計画と言われるような政府の計画におきましては、通常、こういった形で計画を進めていく上での留意事項でありますとか、それから進捗状況のフォローアップの方法等について、こうした部分を設けて記述を行うということが多いわけでございます。
 今回、資料の3で用意させていただいておりますのは、既にこれまで、色々なご議論の中で、委員の皆様からいただいてまいりました項目を、留意事項という観点から、もう一度整理し直したものとご理解いただければと思います。資料の3につきまして、簡単に申し上げます。
 まず(1)でございますけれども、関係者の役割分担、連携強力ということでございます。これは計画を進めていく上で、どのような役割分担、協力体制で臨んでいくかということでございまして、ここでは、まず初めに計画の実施に当たり国の果たすべき役割という項目を設けております。ここで政府は、関係府省間の緊密な連携を図りながら、計画に掲げられた施策を着実に実施することが必要ということと、あわせまして、関係の分野の行政との連携・協力の推進に努めることが必要という項目を盛り込んでございます。
 それから、この基本計画に基づきまして国が施策を推進するに当たっては、さまざまな分野におきまして、いろいろな主体によって行われております活動に十分に目を配り、それらが一層促進されるように配慮すべきであるということ。国は、こういった観点から、地方公共団体でありますとか教育関係事業者、NPO等との連携を図るということ。それから、こうした団体への適切な支援に取り組むことが必要であるという事柄でございます。
 その次に、地方公共団体に期待される役割ということで、地方公共団体にどういったことを、この計画を通じて期待するかという項目でございます。教育の振興に関しまして、地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地方公共団体の経済的・社会的条件等に応じた施策を策定し、実施することによって、住民の期待に応え、責任を全うする必要があるということ。
 それから、改正教育基本法におきましては、国の教育振興基本計画のみならず、地方公共団体におきまして、国の基本計画を参酌しつつ、地域の実情に応じて、当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画の策定に努める必要があるという規定が、第17条の第2項に設けられているわけでございます。このことを踏まえて、地方公共団体でも取り組みが期待されるという観点から、これまでも多くの地方公共団体におきまして教育に関する計画が策定されるなど、取り組みが進められているところでありますけれども、今後、国の基本計画も参考にしながら、改めて、それぞれの地方の実情に照らして、必要な教育施策を推進するための基本的な計画の策定に努めていただきたいということでございます。
 それから、これまで部会の中でも何度かご議論いただきましたけれども、地方分権がさらに進んでいく中で、地方公共団体に期待される役割は一層大きくなるわけでございまして、地域づくりの基本となる人づくり、この教育というものを一層重視していただきたいという事柄。それから、国といたしまして教育立国を目指すということを、本部会でも基本的な考え方の中でご議論いただきましたけれども、これと同様に、地方にも、教育を何よりも大切にするという観点から取り組んでいただきたいという期待をまとめてございます。
 2ページでございます。2つ目の項目といたしまして、教育に対する公財政支出の充実という項目を盛り込んでございます。この項目につきましては、ここにも記載しておりますように、具体的にどのような公財政支出の充実を図るという方向性を出すかということにつきましては、この計画に、具体的にどのような目標を持って、どのような施策を盛り込んでいくのかという議論と切り離すことができないという観点から、今後、具体的な数値目標等を含めて、計画の中身を年明け以降にご議論いただきますことを踏まえまして、その議論を踏まえた形で記述をさせていただいてはどうかということで、今回はあえて空欄で出させていただいております。
 それから(3)でございますが、3つ目の要素といたしまして、的確な情報発信と国民の意見等の把握・反映という部分でございます。ここにつきましては、計画の推進に当たって、施策の立案あるいは実施に当たってのプロセスの透明性を確保すること。また、幅広い国民の参画を得て施策を推進するということ。また、教育に関する施策に関して、迅速かつ的確な情報発信に努めるという必要があるということと同時に、国民の意見等の把握・反映に努めながら進める必要があるということを記載してございます。
 4点目でございますが、進捗状況の点検及び計画の見直しということでございます。振興基本計画を効果的かつ着実に実施するためには、定期的な点検と、その結果のフィードバックというものが大事なわけでございます。そのために、この計画を実際に推進する任務を負っております政府において、毎年度、自らの施策について、適切な指標等も用いながら点検を実施することが必要であるということ。その上で、中央教育審議会においては、この関係府省の行った自主的な点検結果に基づいて、計画の進捗状況について点検を行い、必要に応じ、計画の見直し等も含め、文部科学大臣に対し意見を述べることが適当ではないかということでございます。文部科学省は、具申された内容につきまして、これに基づきまして、必要に応じ、関係府省とも連携しながら所要の措置を講じていくというふうな仕組みが適当ではないだろうかということでございます。
 また、年度ごとの進捗状況については、広く国民に情報提供することが求められるということも盛り込みました。あわせまして、この教育振興基本計画でございますが、政府が5年間に取り組むべき具体的方策について示すということになっておりますので、原則として、5年ごとに見直しを行うということ。それから、特段の事由がある場合には、計画の途中においても見直しを行うということもあり得るべきであろうという事柄について整理をさせていただいております。
 それから本日お配りしております資料の参考3というのがございます。この参考3につきましては、ほかの基本計画、他の分野の基本計画等におきまして、どういった事項が、この留意事項という部分に盛り込まれているかということについて、参考として紹介させていただくものでございます。計画の推進体制でありますとか、財政措置、国民への情報発信や意見の把握、計画の評価、見直しという事柄に関して、ここに掲げておりますような事柄が盛り込まれている計画が比較的多いということでございます。1ページめくっていただきますと、各基本計画における記述の構成(例)ということで、平成18年度以降に閣議決定された基本計画に基づきまして、どういった項目がそれぞれ盛り込まれているかということを参考までに並べた一覧をつけております。それからそのページ以降につきましては、実際にどういう記述ぶりになっているかということで、その該当部分の抜粋もつけさせていただいております。
 以上、第3章に当たります留意事項につきましてご説明いたしました。ご議論いただければと思っております。よろしくお願いいたします。

【三村部会長】

 これは、今回初提示ということなので、ここで結論を出すつもりはございません。自由にご意見をいただければ非常にありがたいと思いますが、いかがでしょうか。

【小嶋委員】

 この地方公共団体に期待される役割というところを、今ずっと、しっかり読んでいたのですけれども、まず1つお願いしておきたいのは、地方公共団体は、なかなか一括りにできないのです。県があって、政令指定都市があって、市町村があります。ですから、例えば幼児教育1つをとりましても、県が設置許可権者で、指導監督をしているわけですが、実際には市町村が就園奨励費という名目で、多分、県の何倍かお金を出しています。そういう実態がほとんどのところでありますので、この辺、地方公共団体という位置づけを、どう言ったらいいのか。例えば、私のところは指定都市ですから、教職員の採用人事権もありますからいいですが、多分、ほかの市町村の義務教育の最高責任者は、未だに県の教育長さんであるという体制ですよね。ですから、地方に行くと、意外と県の教育委員会と市町村の教育委員会の連携がとれていないというところが結構ありますし、財政的に、県が市町村を差別扱いしているという実態も結構ありますから、こういうことで、地方公共団体に期待されると言われても、我々、受けとるほうは何のことだろうかという感じがしてならないので、その辺を少し整理して地方に言わないと地方は何ともわけがわからないという感じになるのではないかと思います。私も、これから勉強して、色々意見を聞いていきたいと思っています。

【三村部会長】

 貴重なご意見、ありがとうございました。
 次に、森委員、よろしくお願いします。

【森委員】

 今のお話、ごもっともですし、県と市町村との関係というのは非常に微妙なのでありますが、そもそも、教育基本法を読みますと、国と地方との役割分担のはっきりとした定義がないわけです。「適切な役割分担」と書かれている法律というのは、私は非常に珍しいと思います。何が適切かが書いていないわけです。おそらく、国と地方の役割分担についてコンセンサスができていない分野は教育だけじゃないかと私は思います。できていないというと反発があるかもしれませんが、「適切な役割分担」と書いてあって、どれが適切な役割分担かというのが法律に書いていないというのは、やはり珍しいことかなという気がいたします。今それを、この教育振興基本計画の中ではっきりさせるというわけにもいかないでしょうし、これは時間をかけて、国民的コンセンサスをつくっていけばいい話だと思いますし、目的が違いますから、その部分は置いておいて議論を進めるしかないんだろうと思います。ただ、そういう部分があるということは、やはり、皆さんにぜひ認識していただきたいなと思います。
 その一方で、どれが適切かが書いてありませんが、私は、市長として2つの部分があると思っております。1つは施策の総合性。もう一つは市民との協働という2つの点だと思います。それはどういうことかといいますと、施策の総合性というのは、先ほどもありましたが、各省庁における教育がこれだけある。それをまともに受けるのは市町村長です。色々な省庁から言ってきますが、これを総合する役割は市町村長にあると思っています。つまり、経済産業省のキャリア教育の補助を使うとか、国土交通省の水辺空間の水辺の学校を使うとかというのは、すべて市町村長がやります。それを、ほんとうは文部科学省が、各省庁、色々とばらばらのものを統一してもいいんでしょうけれども、縦に割ったものを横に割っても横にすき間ができるだけですから、結局、教育の現場で総合性を出すのは市町村の役割だと私は思います。それが最終結論だとは思いませんけれども、今のところ、多分最良の方法なんだろうというのが1つございます。
 もう1つ、市民との協働というのは、例えばわかりやすくいいますと、通学路の安全を守るために、住民自身が立ち上がって色々なことをやっています。それから、児童の健全育成に関して、NPOとか市民団体が色々な活動をやっております。いわゆる住民自治の部分をしっかりと把握して、それを教育の中に位置づけていく役を担うのは市町村長だろうと思っています。国は側面支援の補助制度とか、そういうことはできますけれども、現場で采配を振るうのは市町村長だと思っています。
 1つ事例を申し上げますと、長岡市内に山林を開放して、子供を自然の中で自由に育てるというNPO活動をしている団体がございます。この団体は非常にすばらしい活動をして、ツリーハウスをつくったり、色々な仕掛けをやっているわけです。私どもがやりますと、子供の安全を考えると、とてもじゃないけれども危なくてできないようなことも、住民は平気でやります。そこが住民主導のいいところだと思います。もっと驚くべきことは、実はそのそばに少年学院がございます。近いということで、住民団体は、いろいろな施設整備に協力してもらい、少年学院の生徒も、そこで一緒に働いてもらっているのです。それを、親は何の疑問も思わずに一緒に活動しているんです。これは市町村とか、文部科学省とか、県ではできません。住民が主体でやっているからできるんです。法務省サイドは何と言っているかというと、少年学院の生徒は、子供とその場で触れ合うことによって、長岡の学院の再犯率が一番小さいという発表が、この間ございました。これは施策の総合という意味でもありますが、私が言いたいのは、市民活動というのは公共ではできないことがやれる。そういうことです。それを教育の中に取り込んでいくことができるのは市町村だけだろうと思っています。その2つのことがちょっと書いてあれば大きな前進だと思いますので、ぜひ、そういう観点で、教育振興基本計画を地方公共団体が策定するべきだというようなことを書いていただければ、私はありがたい。それだけでございます。

【三村部会長】

 率直に言って、今の発言は重いですね。適切な関係というのは何かというのは、非常に難しい。

【森委員】

 いや、それは私はもう言いません。適切な関係がどうあるべきかについては意見がありますが、それは教育基本法にあるわけですから、それはそれでいいということを申し上げました。

【三村部会長】

 わかりました。どう扱うかというのも、ちょっと考えてみたいと思います。それでは次に、井上委員、よろしくお願いいたします。

【井上委員】

 従来からこの特別部会では、20年度予算によって財政的な今後の見通しとか、そういうものがある程度明らかになるので、財政上の数値目標等に、それをもとに議論をするというお話があったので、お尋ねしたいのです。
 実は文部科学省が所管している基本計画で科学技術基本計画があって、先ほど郷委員からも、基盤的経費である国立大学法人の運営交付金が230億減って、1.9パーセント減ったというお話がございましたが、科学技術基本計画では、科学技術の振興、学術の振興は基盤的経費と競争的資金のデュアルサポートシステムで、総合的にこれを推進するということになっているわけでして、基盤的経費が減った場合に、競争的資金がそれをカバーするようにほんとうに伸びているのかどうか。科学技術振興予算は一切ご説明がなかったので、資料を見ればわかるのですが、あまり大した伸びがないと。18年度に、5年計画で第3期の科学技術基本計画がスタートしていて、そうすると、例えば数値目標を21兆円から25兆円という数値目標、4兆円予算を伸ばすという数値目標を掲げて、20年度予算は3年目ですが、果たして、5年計画で25兆円の数値目標を達成できる見通しができたのかどうかというのが、まず1点ございます。
 それから20年度予算で、初等中等教育の、特に小中学校の定数改善が1,195人できて、非常勤が7,000人増できたというようなご説明がありますが、この特別部会でも、前に小川委員から、数値目標を考える場合に、例えば35人学級を小・中学校で実施すれば、国庫負担は3,000億円ぐらいでよろしいというお話もありまして、そうすると、今、全国平均の実態が少子化に伴って、小学校が28人ぐらい、中学校が32人ぐらいの学級編成の実態になっているわけですが、そうすると、20年度から5年間で少子化が一層進行しますので、そういう点で、学級編成を40人から35人にできるのかどうか。そういう数値目標が可能かどうかというようなことも、今後検討する必要があると思うのですが、そういう点についての考え方。
 それから国立大学については、先ほど郷委員がおっしゃったように非常に厳しい状況で、私も地方国立大学の経営に参加して、もう限度に来ているのではないかと思います。したがって、国立大学法人の中期計画の第1期計画が21年度に終了した場合、第2期計画において、運営交付金は21年度総額を確保するというようなことが、振興計画に書けるのかどうかというようなことも含めて、検討する必要があるのではないかと私は思っています。そういう点についての、20年度予算における今後の文部科学省の見通しというのは、今日の、今後の必要な事項の(2)で、教育に対する公財政支出の充実で、金額を出すのはなかなか難しいけれども、今言ったようなことは、初中教育と大学の中心的な課題ではないか。もちろん私学の経常費助成マイナス1パーセントも、これは国立大学と同じように、21年度予算をもって総額確保ということが言えるかどうか、そういうようなことについて検討する必要があると思っていますが、その点について、ご説明いただけたらと思います。

【川上生涯学習政策局政策課長】

 科学技術基本計画の進捗状況の展開でございますが、まさにこれは官房からお答えをしなければいけないことで、数値的に押さえているわけではございません。したがいまして、これは宿題として持って帰らせていただきたいと思ってございますが、25兆円につきましては、大変厳しい状況であるということは、再三出てきていると理解してございます。

【玉井文部科学審議官】

 20年度予算、もう少し、いろいろ整理しなければいけない部分がありますので、数字は、もう少し確定してから申し上げたいと思っておりますけれども、基本的な方向だけを申し上げますと、まず、科学技術関係でございますけれども、この基本計画に基づいて、20年度も、確か文部科学省だけでプラスには持ってきていますが、ただ、井上委員がおっしゃった25兆円に向かっての数字は大変厳しい状況があると思っております。ただし、これは19年度もそうでしたし、20年度もそうでございましたが、実は補正予算、19年度も補正予算が組まれましたし、18年度も組まれております。こういうトータルの中でどういうふうに考えていくかということだろうと思っておりますけれども、本予算だけで見ますと、なかなか厳しい状況にあると思っております。
 それから、初等中等教育関係でございますけれども、今年度は、先ほど会計課長がご説明したとおりでございますけれども、要するに、三位一体改革以来、初等中等教育につきましてはずっと減ってきたということが事実としてあるわけでございますが、初等中等教育につきましては、今年度、この2年間も、教員定数につきましては、300人とか200人とか、増をいたしましたけれども、これは増ではなくてスクラップアンドビルドでございますから、実質的に増えているわけではなかったわけでございますけれども、この20年度予算案におきましては、純増1,000人という数字が出ているわけでございます。これは今までとはちょっと違った数字だということでございます。もちろん行革推進法とも関係がございまして、当初、文部科学省としては、ここと調整しながら、もっと大きな数字をと思っておりましたけれども、政府全体との整合性の中で、純増1,000人ではございますけれども、今までの流れとは違った流れができてきたのではないかと受けとめております。これは、たしか前にこの部会でもご説明した記憶がございますけれども、今年の6月に閣議決定いたしました骨太方針2007、これは骨太方針2006とちょっと違った意味を持たせてあったわけでございまして、その具体化がこの予算編成の中で現れてきた。ただ、数字だとか金額についてのご議論は、相当あるのではなかろうかと思いますけれども、大きな流れとして、初等中等教育への充実が、1つ方向として出てきたのではなかろうかと思っております。
 それから高等教育でございますけれども、これも骨太方針2006に基づいて、国立はマイナス1パーセント。私学につきましても、私学助成はマイナス1パーセントを基本とするというふうに定められたわけでございますが、しかし、現に19年度予算におきましても、減の分につきまして、例えば私学でございましたら、私学助成は1パーセント減りましたけれども、しかし科研費で、これまでも私学が大分取っておりましたB、Cと言われる部分でございますけれども、これにつきましては、かなり大幅な増額を行いまして、それは間接経費をつけた形で増額を図ってきたわけでございまして、この間接経費というのは、関係者の方はよくご案内でございますけれども、これはまさに、運営的な経費に使える、研究そのものではなくて、それを支える光熱水費等に使えるお金が間接経費でございますので、それで、ある意味ではカバーができてきたのではないか、あるいは国立も、今申し上げました科研費のところは、特に地方大学は結構、科研費をお取りになっていた部分についての間接経費をつけてきた、さらには国公私を通じた、私立大学を通じた経費についても増額を図ってきた。ぜひ、そのトータルでごらんをいただきたい。そして20年度も、ほぼ同じような発想で、そういった、いわば基盤的経費につきましては、残念ながらマイナスのところは続きましたけれども、別の形での、ある意味ではカバーできる経費を高等教育としては確保していったとうことで、ぜひ、全体でご覧いただきたい。
 それから恐縮でございますけれども、国立大学の場合には、効率化係数に基づく1パーセント減をしなくてはいけないわけですけれども、それ以上、先ほど1.9パーセントという言葉がございましたけれども、これは退職手当の分でございまして、これは、国立大学の場合には法人化の際に、それまで国家公務員であった職員の身分を切りかえていったわけでございますので、そのときの退職金につきましては、それまでの国家公務員の身分というものを念頭に置きながらの数字でございますので、したがって、その部分というのは加味したお金として、運営費交付金の中に積算しているものでございますから、したがって退職金以外のところとは若干違った意味を持たせたお金でございますので、そこはぜひご理解を賜れればと思っております。
 全体についての数字をもう少し分析しながら、1つの方向性を出していきたいと思います。ただし、今申し上げましたとおり、方向として、高等教育につきましても、どちらかというと基盤的経費を大きく減らして、競争的資金に持っていく議論が相当あったわけでございますが、しかしそれは、2007の段階で、基盤的経費を確実に措置した、そして競争的資金の拡充という基本的な方向が出されておりますし、そういう方向で努力はしていると思っているわけでございます。

【前川大臣官房審議官】

 初中局ですが、学級編成についてのお尋ねがございました。少人数学級の学級編成について検討するのか、あるいはどう、この計画に盛り込む用意があるかということだと思いますけれども、学級編成の標準を、現在の40人から、例えば35人、あるいは30人と引き下げることについては、色々議論があることは承知しているわけでございますが、国として、文部科学省として、この標準法を改正するというところまで、検討に踏み出しているわけではございません。これまでのところは、40人学級という、標準法上の学級編成の標準を前提にいたしまして、少人数指導、チームティーチング、習熟度別指導といったものを充実させていくように定数改善をしてきたところでございますけれども、来年度の定数改善の中には、こういったものは含まれておらず、むしろ7,000人の非常勤講師の方で、少人数指導などに充てていきたいと考えているわけでございます。
 ただし、地方レベルではかなり少人数学級は進んできておりまして、国としての標準は40人のままでございますけれども、平成16年度以降、私どもの加配の定数を、少人数学級に使うことも認めるという方向で運用してまいりました。また、各都道府県が独自に、県の単独で定数措置をしている場合。さらに、市長村費で教員を増員するということも全国的に可能になりましたので、各都道府県、あるいは市町村のレベルで、それぞれに少人数学級の基準を設けて、少人数学級を実施しているという実態がございます。手元に具体の数字はございませんけれども、東京都以外の46道府県では、何らかの形で、特に小学校の低学年を中心にいたしまして、少人数学級は既に実施されていると承知しております。

【三村部会長】

 なかなかわかりにくいんですけれども、どのように受けとっていいか。それでは、あとお二人の方、渡久山委員、それから山本委員、このお二人で、とりあえずこの議論は終わらせていただきます。渡久山委員、よろしくお願いします。

【渡久山委員】

 1つは、先ほど塩見室長が、白紙じゃないけれども、これから議論してほしいということでしたから、僕は視点としては、今ありますように、やはり文部科学省が従来進めてきた予算編成、あるいは項目、それを基本にしながら考えるということが1つだろうと思いますけれども、先ほど、各省庁の教育に関する部分がありました。そうすると、そのアイテムをどういう形で計画の中に織り込んでいくのか、これが2つ目です。
 3つ目は、例えば男女共同参画基本法、あるいは消費者基本法のような法律があって、その基本法の中にも、教育にかかわる部分があります。そうすると、そこで規定されている部分を、どういう形で織り込むかということ。私としては、この3つの部分が、1つの構成要素になっていくのではないかということが1つでございます。
 それから、何といっても、最も大事なことは、今の文部科学省の予算もそうなのですが、やはり学校現場、あるいは子供たちの何十年後、100年後なら100年でもいいのですが、それほど長期でなくても、当面、子供たちに最も必要な教育課題、このために何ができるかというようなことで、先ほどの話も、少人数学級の問題もあると思いますけれども、この部分が非常に大事だと思います。これは、幼稚園から大学まで皆同じだと思います。例えば大学でも、今のように、特に大学院の学生に対する研究費は非常に少ない。そういうような問題も含めて、今何があるべきかということが1つです。
 またもう一つは、やはり義務教育でいいますと、子供たちの生活です。生活指導のために何が必要なのか。どうしなくちゃいけないかという部分があると思いますし、また、部活動を含めて、対外的な部分、地域とのかかわり、こういうような、すごく身近なところから改革をしていくために、どういうような事項をつくって、その中に予算なり、財政計画をしていくかがあると思います。
 それからもう一つ参考にしなくてはいけないのは、各国の教育戦略です。これは前に配っていただいた資料の中に色々出ていました。私もイギリスの問題について少し話しましたが、それぞれの国は、教育を国家の戦略として位置づけて、随分多額の予算を組んでいます。これらを参考にしていかなくてはいけないと思います。それから今、地方と国との関係がありますが、これはやはり、今度の教育基本法の第16条、17条、今、森委員からも若干あったように、理解しにくい部分もあるかもしれませんが、ただ、地方は国の計画を参酌して計画を立てるとなっています。しかし今、国がきちっとした計画、要するに閣議決定の教育計画がない中でも、地方は既に計画をそれぞれ持っていらっしゃいます。そういう意味では、それがどういう整合性を持つかどうかわかりませんが、参考になっていくと思います。
 しかし、私が一番気にしているのは、先ほど井上委員からもありましたように、今議論になりました数値目標です。例えば、今、国家予算の中における文教予算というのは、毎年毎年減っていっています。そうすると、その比率を変えるぐらいまでに大きく数値目標を持っていけるのかどうか。例えば、30人学級をした場合に、多くの金が出ていきます。例えば今、30校で35人学級をしていく場合に、ほぼ6,000万円から1億円に近い金が必要だそうです。そして、これは各自治体の持ち出しなんだそうです。ある自治体からの話ですが。そういうことを考えてくると、やはり国として、本当に数値目標を、今の予算編成の仕方、あるいは絶対値、これを我々は踏まえていくのか、あるいはそれを全く無視して数値目標を立てていくのか、最終的には、私はこの辺の、いわゆる腹の括り方といいましょうか、あるいはこの部会の有り様というのが出てくるのではないかという気がいたします。

【三村部会長】

 これから議論するのは、そういう悩みだと思います。おっしゃるとおりだと思います。山本委員、よろしくお願いいたします。

【山本委員】

 資料3の2ページ目なのですけれども、4の進捗状況の点検、見直しの1つ目の○の4行目からなのですが、中教審は、関係府省の行った自主的な点検結果に基づいて、計画を点検して、必要に応じて、計画の見直し等も含め、文部科学大臣に対して意見を具申する、それに対して文部科学省は、必要に応じて関係府省とも連携して、所要の措置を講ずると書いてあります。ここのところは、生涯学習関係は、生涯学習振興法がありまして、他の省庁に意見具申できるとなっていますが、学校教育関係のところはどうなのか。先ほど部会長も言いましたが、資料にこれだけのものがあって、重複というだけではなくて、実はその中で、このようにした方がいいのではないかというようなところが多くあります。多分、これは意見を言っても、省益戦争がすさまじいのでうまくいきません。我々はいつも、連携云々というので、文科省側から派遣されますが、別に相手をやっつけようとか、そういうことではなく、この部分はこうした方がいいのではないかと言っても、まず聞かない。逆に省益として、文科省のものをいかに取っていくかというようなこととか、そういう争いだけになってしまいます。そうすると、何の意味もないということがあるものですから、ここら辺のところについて、どうするかということを考えていただきたいのです。その1つ下に、「計画の年度ごとの進捗状況等については、広く国民に情報提供することが必要」という記述がありますが、そこのところに、「進捗状況等、具申された意見については」として、広く国民に見ていただいて、世論を喚起するしかないとところがございますので、意見を申し上げておきます。

【三村部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、この件はこれで打ち切らせていただきたいと思います。
 それでは最後ですけれども、12月25日に教育再生会議において第三次報告がまとめられました。これについて、教育再生会議事務局より報告をしていただきたいと思います。
 本日は、再生会議の事務局から、山中教育再生会議担当室副室長にお越しいただきました。わざわざお見えいただきましてありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

【山中教育再生会議担当室副室長】

 教育再生会議担当室副室長の山中でございます。
 本日は時間を与えていただきまして、大変ありがとうございます。参考6が、12月25日に行われました教育再生会議の第三次報告でございます。これに従いまして、資料をめくりまして2ページから4ページまでが総論ということで、概要になっておりますので、これに基づきまして、簡単に概略、ご説明させていただきたいと思います。
 教育再生会義、福田内閣になりまして、10月23日から議論を開始いたしまして、毎週1回、10回の会議を開催しまして、それで25日の報告に至ったというところでございます。今まで第一次、第二次報告ということで、主に第一次報告は義務教育のあたり、学力とか規律、その辺に中心を置きまして、二次報告は、それを踏まえるとともに、さらに大学・大学院改革、それから教育財政といったあたりについて提言を行ってまいりました。第三次報告では、一次、二次にありました学力、徳育、大学・大学院改革。それとともに6-3制の問題ですとか、バウチャーをどうするとか、色々な制度物について議論をして、それをまとめたものでございます。
 まず2ページ目ですが、7つの柱ということで、1つは引き続き、学力という問題について提言をしております。学力調査、PISA調査もありますが、ぜひ、この調査結果というものをしっかりと検証して、それぞれの学校、教育委員会で、学力を向上させる具体的なプランをつくって取り組んでもらいたいということ。また、文部科学省でも、学習指導要領の改訂、あるいは教科書の充実、こういうものに生かしてもらいたい。特にPISA調査で、理科の教育の低下の傾向がございましたけれども、ぜひ、教科書というものを充実してもらいたい。あるいは小学校高学年の専科教員というところ、こういうところにも重点を置いた形で、理科教育の充実に取り組んでもらいたいということでございます。
 それから6-3-3の弾力化ということで、今もいろいろな研究開発学校とか、小中の一貫教育というものが行われております。4-3-2でやったほうがうまくいくとか、子供の成長が早まっておりますので、全国一律にこれをやるのは大きな問題になりますから、ぜひ、いろいろな地域、学校で、こういう弾力的な取り組みというものをやりやすくする、そういう仕組みにしてもらいたい。できれば小中一貫学校といったものの制度化についても検討していただけたらと思います。そういう中で、日本の学校教育、どうしても固いところがありまして、世界、どこを見ても、先進国、飛び級とか、そういうものが認められていないところはあまりない。小学校の段階はないところもありますけれども、やはり中高、このあたりは、できる子は伸ばしていくんだという仕組みはありますので、それを実際にやるかどうか、これはいろいろあると思いますけれども、少なくとも、仕組みとしてはそういう飛び級ですとか、そういうものも認めたらどうだろうかというご提言。あと、年齢になりますと、どんどん卒業していくわけですけれども、やはり、しっかりとした力をつけさせた上で卒業させていくのが、それぞれの学校の役目、中学校、高校といった節目の学校の役目だと思いますので、ぜひ、出口管理といいますか、そこのところ、本人の希望があり、保護者の希望もあったりすれば、留年というのは、今も制度としてはありますけれども、そういうものも使うといったことも考えていくということが、今後必要ではないかということでございます。
 大学の飛び入学も、17歳から認められてはおりますが、実際に入学している子供、ことしでも3つの大学で10名程度ということで、色々理由はあると思うのですが、例えば、大学でしっかりと指導できる体制がなければならないといった仕組みになっておりますが、このあたりも本当にそうなんだろうかと思います。やはり、大学に行って学べる実力があれば、それで入学させてもいいんじゃないかという議論もございまして、このあたりの弾力化ということも、諸外国との関係を考えても、もう少し弾力的な仕組みというものを考えていただけたらということでございます。
 英語教育につきましては、これは中教審のほうで5、6年から英語活動ということで検討されている思いますが、小学校から英語活動をやっている学校もたくさんありますし、地域もたくさんありますので、そういうところが、今回の学習指導要領によって、そういう先進的な試みがそがれたりすることのないよう、ぜひ、それぞれの地域でやっているものを、歯どめもかけず、認めていただきたいというところでございます。
 あと、理科教育を中心に、ぜひ、小中高等学校の教育内容について、大学の最先端の物もありますので、ぜひ、教える先生にもそういうものを学んでいただいて、そういうものを背景にしながら、充実した教材で小中高の教育もやってもらう。そのような仕組み、「大学発教育支援コンソーシアム」と言っておりますが、このようなものも動かしていただけたらということでございます。
 2本目の柱は徳育と体育ということですが、これは二次報告に引き続きまして、徳育については、教科として新しい枠組み、点数はつけない、専門の教員はつくらないという形で、充実していただけたらと思います。内容はそこにあるとおりでございます。また、知育とともに、体育ということで、運動についても、体力調査というものもしっかり、毎年やってもらって、学力調査について対応を考えるように、体力についても、ぜひそういう、子供たちの基本的な体力をつけさせるような取り組みをしていただきたいというあたりでございます。
 3ページ目でございます。大学・大学院でございますけれども、今後の世界的な競争の中で、知的な競争が始まります。そういう中で、ぜひ、世界トップレベルの大学・大学院というものをつくっていく必要がある。そのためには大学・大学院とも、先生方、研究というのは重視していますが、教育機関であるという、教育をする場であるということを、ぜひ強調していただきたいということで、学部の教養教育の充実とともに、専門、基礎、それから今、18歳のうち半分は大学に来ておりますので、大学を出て社会に行くという若者が半分おりますから、ぜひ、卒業するときに、これは教養教育とも結びつくと思いますが、社会人としての基礎力をつけさせるということについても考えていただきたい。このためには、産業界ともぜひ連携していただきたいというところでございます。
 また、特に国立大学につきましては、法人化して、大学の学長が非常に権限を持っているんですけれども、それが、学部の自治というものもございますけれども、ぜひ、学長のリーダーシップによって、徹底した国立大学の、時代の要請に合った人材が養成できるようなマネジメント改革をしてもらいたい。そういう中で、大学・大学院というものをしっかりと評価して、情報を公開して、それに合った形で資源配分をしていく。そういう、高等教育への投資というものも、必要な分野にしっかりと、重点的に投資していただきたいということでございます。
 4番目の柱は、これは小中高等学校、特に公立学校の学校の責任体制の確立ということでございますが、頑張る校長、教員を徹底的に応援する仕組みにしていただけたらと思います。学校のマネジメント改革というものを行って、特色ある学校運営をしろと言われても、校長が二、三年でかわっているようでは無理だということで、高校ですと、平均在職年数が2、3年でございます。小学校で3、4年。それでは特色を出そうにも出しようがないということで、ぜひ、校長の在職期間といったものを5年間ぐらいが一般的であるということにしていただけないかと考えております。当然、不適格な校長、これは厳格に降任なり何なりをしていただくということでございます。また、副校長、主幹教諭を管理職というような形にして、組合との不正常な関係とか、そういうものをなくして、しっかりとしたマネジメント体制を学校の中に確立してもらいたいということが1点です。
 2番目は、先生が子供の教育にしっかりと専念できるようにということで、いわゆる事務的な仕事といったものを、IT化ですとか、あるいは事務を共同処理するとか、あるいは会議の数を減らすとか、教員1人には1台のパソコンを配置するとか、そのようなところで具体的にやってもらいたい。また、色々な問題を抱える子供たち、あるいは親御さんからのクレームとか、そういうものに対して、学校や先生だけでは対応できないというものについて、専門的に支援してくれるようなチームというものを、ぜひ、教育委員会につくってもらって、小規模な市町村では無理だというところもあると思いますので、そういうところは都道府県の教育委員会が支援するといった方で、今後5年間で、すべての市町村、都道府県の教育委員会で、こういう支援チームというものができるようにしてもらえないかといった点も提言しております。
 4ページ目でございます。学校の自主性を生かすシステムをつくっていただけたらということで、基本的には学校の情報というものを公開して、それによって保護者、地域の方が学校に参加していただく、そういう機運をつくっていただけたらということと、それから、国に1つの機関をつくって、全国の学校を監査するという仕組みはどうだろうかという検討もしたのですけれども、それはむしろ、国がガイドラインを示して、市町村、都道府県で評価してもらうと、それがいいのではないかということになっております。
 バウチャーシステムについても検討いたしましたが、どうも、全国一律で実施するのではないかとか、保護者に一定の引換券みたいなものを配って、それで実施するのではないかという誤解もありましたので、そうではなくて、モデル的な学校を選択して、保護者が選択する数が多い学校について、予算配分上の配慮をするといった、そういう形でのモデル事業をやっていただけたらどうかということになっております。
 あと、今後10年間で、30パーセントの先生が退職していくという時代を迎えます。そういう中で、新採の教員だけではなくて、いろいろな企業で働いている方、社会の色々な分野で働いている方、こういう方に特別免許状ですとか、非常勤講師ですとか、色々なものを活用して、2割を目標に、教員以外の世界の方にも入っていただくということになっておりますが、そういう中で、例えば教育委員会とか学校というのは、どういう分野について、どういう内容を外部の方に協力してもらいたいのかというものを明確に示して、費用も負担しながら、積極的に企業の方などの外部人材を受け入れるといった体制も構築してもらったらという点も提言しているところでございます。あとは、教員養成の抜本的な改革。あるいは教育の効果を高めるための適正配置の問題等であります。
 最後のところは、社会総がかりで子供たちを支援する仕組みということで、ニート、フリーター、色々な問題がございます。教育、あるいは児童相談所、警察、労働のほうだけではうまく対応できないものがありますので、ぜひ、市町村単位で、こういう子供や若者の問題に対して、一元的に取り組めるような、対応できるような窓口を整備して、国でも、あるいは法的な整備が必要ならば、そういうものも検討してもらえたらと思います。また、携帯電話の有害情報の問題があります。もう、親のモラルだけでは無理だということで、ぜひ、フィルタリングを義務づけるといった法的措置についても検討してもらいたいといった点。また、幼児教育等についての提言も行ったところでございます。
 教育再生会議でも、教育振興基本計画につきまして、文部科学省の方に来ていただきまして、ご説明を受けましたが、教育再生会議といたしましても、5年後、あるいは10年後といったところの教育をどう変えていくのかという、具体的な目標をぜひ示してもらって、そのためにどういう形で教育を変えていくのか、何をどう変えていくのかという道筋、そういうものをぜひ、実効性のある、具体性のある計画を策定していただくということを期待したいということが、この報告書の中にも述べられているところでございます。
 以上でございます。

【三村部会長】

 どうもありがとうございました。
 これは私のほうから、やはり教育再生会議に直接携わっている方からお話を聞きたいとお願いしました。文部科学省の間接的な説明では、やや、メリハリが利かないだろうということで、わざわざ来ていただいて、私のほうで無理を言って来ていただいたわけです。ありがとうございました。
 ここで議論というのは、難しいと思います。ただ、中身として何か質問があれば、どうぞ、よろしくお願いいたします。
 それでは、山中さん、わざわざおいでいただきまして、どうもありがとうございました。今後とも、また何かありましたら、来ていただくかもしれません。ありがとうございました。
 それでは、時間になりましたので、本日の議論はこれまでといたしますが、次回以降、1月になりますか、これまでの議論を含めて、さらに具体的な議論をしたいと思いますが、1つ、事務局にお願いしているのは、実は、ここの場でも重点化、それから数値目標という話が何回も出ております。確か、吉野先生からもいただいたと思います。やはり現状がどうなっているのか、それから、どういうことを狙うのかということで、これは文部科学省の各局のほうでちょっと汗をかいていただいて、次回、ベースデータを出していただきたいと思います。
 それから私、各分科会の中身を全部読んでいないのですけれども、見させていただいているのですが、意外に数値目標というのはないのですね。各分科会そのものの議論、あるいはアウトプットも、やや定性的。我々はこういうことを議論しているわけですから、おそらく各分科会の内容が、やはり重要なものについては数字を出してもらいたいと私は思います。そういうものの集計が中身になっていくのではないだろうかと、このように思いまして、この点も念頭に置いていただきたいと思います。
 それから最後に、さっきの(2)ですか、我々として財政、条件整備というものについて、どういうことが言えるのか、これについては最後の議論になると思いますし、それから重点的にというのも、率直に言ってなかなか難しい。しかし、これについても、1つの案をどこかの場で提示させていただきます。やはり、重点化というのは必要だと思います。重点化という意味は、これはやらなくていいということではありませんので、ここに掲げられた問題、課題は全て大事だが、この5年間で、特に我々として重点的にやるべきことは何かと、こういう意味での重点化だと、このように思いますので、おそらくこれが、3月ぐらいの議論になるのではないかと思いますが、そのような形で、まず、1月の第1回は数値目標というものを、具体的にどういうことができるのか。私の希望は、あまり個々にかかわる数値目標ではなくて、できれば大きな項目に関する目標と、政策の自由度があるような形でのまとめ、それの数値目標ということがいいのではないかと思いますが、頭の中で考えているだけで、ちょっと具体案がないのですけれども、そういう形で進めさせていただきたいと思います。
 1年間、色々、ご協力をいただき、本当にありがとうございました。拙い部会長でございまして、申しわけありませんでした。皆さんに、よいお年を心からお祈りいたします。
 どうもありがとうございました。

―了―

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