ここからサイトの主なメニューです

義務教育特別部会(第41回) 議事録

平成17年10月18日

【鳥居部会長】 それでは、定刻でございますので、会議を始めたいと思います。
 まだ、お着きでない委員もいらっしゃいますけれども、間もなくお着きだと思います。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙の中を、また、雨でお足元の悪い中をご参集賜りまして、誠にありがとうございます。
 今日の議題は、「答申案について」であります。前回ご審議いただきました答申素案、これを私と木村副部会長と相談の上で、修正を加えまして、答申素案から答申案にいたしました。本日は、この答申案についてご審議をいただきたいと思います。
 審議に先立ちまして、まず私から簡単に答申素案の修正方針について説明をさせていただきます。
 前回出されたご意見のうち、最も多かったのは、費用負担に関する記述についてのご意見だったと思います。これについては、現行の国の負担率二分の一を堅持すべきであるという、また、そのことを明記すべきであるという意見、それから、両論併記にはしないでほしいという意見が極めて多く出されたと認識しております。一方、地方6団体の委員の方々からは、地方6団体委員から出されたご意見をきちんと記述してほしいというご意見が出されております。
 これらのご意見を踏まえて、まず総論部分については、審議の大勢を占めたご意見について採用することといたしました。
 一方、地方6団体のご意見については、第2部各論で、12カ所だったと思いますが、記載を追加することとしました。併せて、第2部において、地方6団体委員のご意見を一定程度は記載していますけれども、答申という性格上、記載する事項にも限度がございますので、「はじめに」の部分に答申を取りまとめるにあたっての基本方針と、審議の過程で出された数多くのご意見や提言について、審議経過報告や議事録も参照してほしい旨を、もう一度繰り返しますが、「はじめに」の部分に記述することといたしました。
 このほか、文言の整理なども若干行っております。
 以上が今回の修正の基本的な方針でありますけれども、具体的には、修正部分がわかるように、事務局から修正部分を読み上げていただきたいと思います。高橋総括教育改革官からお願いいたします。

【高橋総括教育改革官】 それでは、私のほうから主な修正点についてご説明をさせていただきます。本日は資料1-1に答申案、これは溶け込み版といいますか、見え消しになっていないものでございます。これが正式な今日の答申案、議題資料でございますが、前回からの変更点がわかるような見え消しにした資料1-2を用意しておりますので、説明はこちらを使って行わせていただきます。
 それでは、まず2ページをご覧いただきたいと思います。1つ目のまるでございますが、2ページの上から4行目に、今会長からお話がありましたように、審議過程での意見・提言の全てを答申に記述することはできないので、審議経過報告、議事録も参照いただきたい旨の記述を入れております。
 それから、そのひとつ下のまるを若干追加しております。これは前回の審議を踏まえまして、教育内容や教員養成などにつきましては、現在、中教審の関係部会等で審議中である、そのことを明らかにするために追加をいたしております。
 次に、1ページとばしまして、4ページ目をご覧いただきたいと思います。この4ページ目の枠の中の1行目でございますが、前回藤崎委員から出されましたご意見を踏まえまして、義務教育の深刻な状況の例示といたしまして、今回、学ぶ意欲、生活習慣の未確立といったものを例示して記述いたしました。併せて、枠内と本文のほうで、学校力や教師力について少し説明を加えまして、分かりやすくしております。
 続きまして、5ページ目でございますが、これは枠内・本文を含めまして、6ページの1行目にかけた4カ所で、「地方」というのを「市区町村」に修正してあります。これは、答申全体の他の部分との表現の整合性を図りまして、特に市区町村へということを明確にしたものでございます。
 6ページをとばしていただきまして、7ページ目でございます。ここは比較的軽微でございますが、1つ目のまるで、学校施設の順番を少し入れ替えております。施設、設備の順番に並べ替えております。それから、前回の渡久山委員からのご指摘を踏まえまして、「教師」を「教職員」に修正いたしております。
 次、8ページ目、義務教育の費用負担の在り方で、前回も大変多くの時間を費やしてご議論いただいたところでございます。ここは、先ほど会長から具体的なご説明もございましたが、繰り返しになりますが、枠の中で、1点は、「現行の負担率二分の一の」と、「負担率二分の一」を追加記述いたしまして、維持されるべきは制度のみならず、負担率二分の一も維持されるべきであるという趣旨が明確になるようにいたしました。枠内の文末表現「と考える」も、「である」ということで、少し明確にいたしております。
 それから、本文の上から3つ目のまるでございますが、前回は市区町村の数を1,020と報告いたしましたが、その後、この1週間で12増えまして、1,032、47パーセントと、ここは数字の訂正でございます。その次の行で、下線部で1行、平成16年度からの通算、これを前回ご報告いたしましたので、その記述も追加しております。なお、この最新時点の数字につきましては、本日、参考資料2で、前回の資料の数字を改訂したものをお配りしておりますので、また後ほどご覧いただければと思います。
 続きまして、9ページ目でございます。枠内と同じ修正につきましては省略いたしまして、下から3つ目のまるのなお書き、これは二重線で消してありますので、ちょっと読みにくいのですが、前回は、政府・与党合意において暫定とされていた負担金の扱いについては、国が負担すべきという多数意見と、税源移譲すべきという意見と、両論併記になっておりました。これは、両論併記は行うべきではないという多数のご意見を踏まえまして、この4行を今回削除としております。
 続きまして、10ページ目でございます。1つ目のまるにつきましては、一般財源化ではないという少しきつい表現を文章整理いたしまして、全体的に少し文言整理をいたしております。
 それから、その次のまるの3行でございます。ここは、今回負担率二分の一の維持ということを明確にいたしましたので、特に恒久措置を講ずる必要がなくなりました。従いまして、この「恒久措置を講ずること」ということとの矛盾を解消するために、この項目は削除といたしております。
 以上が、総論についての修正部分でございます。
 以下、簡単に各論についても見ていただければと思いますが、11ページ、各論の序章につきましては、若干の語句の整理、順番の入れ替えなど、5カ所ほど表現を修正いたしました。これ、意味内容は特に変わってございません。
 1ページとびまして、13ページでございます。中ほどに「家庭と連携して」という記述を削除いたしまして、これは前回角田委員から、家庭の役割を明確化する必要があるのではないかということで、少しそのための修正を行っております。
 それから、次の14ページ、1つ目のまるのところでございます。これは、苅谷委員からのご意見を踏まえまして、学校週5日制に関し、地方や学校の創意工夫についてさらに検討する必要があるといった趣旨の記述を加えてございます。
 15ページの上から1つ目のまる、これは教育課程部会の検討状況にあわせて、内容は変わっておりませんが、「読み・書き・計算」の項を一番上に上げて、順番の変更でございます。
 1ページとばしました17ページ、これは学力調査に関する記述でございますが、最初のまるの1行目で、苅谷委員のご指摘も踏まえまして、全国学力調査について、さらに検討する事例の例示として、実施体制というものを追加いたしました。
 ここまでが、第2部第1章の修正でございます。
 第2章の教師に関しましては文言整理だけでございますので、次に、第3章の変更点の説明にいきたいと思います。
 31ページをお開きいただきたいと思います。この31ページの上から4行目、前回石井委員からのご指摘を踏まえまして、非権力的な作用といった内容をわかりやすくするため、その前に「指導・助言や援助による」という記述を加えております。
 1ページとばしまして、33ページの最後の3行に、これは前回小川委員からの提出ペーパー、あるいは、石井委員からのご指摘を踏まえまして、加配定数の配分や運用ルールの見直しを検討すべきである、そういった旨の追加をいたしております。
 以下、34ページからは、第2部第4章で、国庫負担の各論でございます。ここにつきましては、先ほど会長からもご説明がありましたが、前回石井委員から提出された意見を踏まえまして、地方6団体委員からのご主張を適宜追加記述しております。また、それとのバランスということで、それらの主張に対する反論意見も、一部審議経過報告から抜粋して、バランスがとれるように追加記述している部分がございますので、以下は、内容は、もう時間がありませんので、場所だけちょっと確認をいたしたいと思います。
 まず36ページ、上から9行、追加の記述、これ、下線部は追加でございますが、ここは、石井委員からの60年以降の負担金制度見直しについても記述すべきという意見を踏まえて、審議経過報告の文言で修正をいたしております。
 37ページ、これは、1つ目のまるに、5番目で、石井委員からの意見を踏まえて、意見を追加しております。そして、その37ページの一番下、これも石井委員のご意見を踏まえて、地方分権推進計画についての記述を追加いたしました。最後の2行は、「一方」という形で、若干バランスをとるための記述の追加もしております。
 38ページ、これは、上から2つ目のまるのところに、これは前回の片山委員からの意見を踏まえまして、地方が審議を求めているのは義務教育ではないのではないかといった意見があったことを追加いたしております。同じ38ページの一番下の2行、「また」以下のところでございますが、ここは石井委員から出されました、国の負担割合は現行でも3割に過ぎないといった内容の記述を加えてあります。
 39ページ、これは少し追加がたくさんになっておりますが、最初のまる、これは、その前の追加意見に対する反論意見の記述でございます。そして、2つ目、3つ目のまるも、それぞれ石井委員の意見を踏まえた追加修正、それに対する反論意見を、審議経過報告からの抜粋といった形になっております。
 40ページ、真ん中ほどで・2つ、これも石井委員からのご意見を踏まえた、地方団体の意見の追加修正でございます。41ページ、上のほう、2つ目から4つ目の・のところで、それに対する反論意見もまた追加をいたしております。
 それから、42ページ中ほどに、上から3つ目のまるでございますが、2行追加の記述がございます。これは、前回少なからぬ委員の方から、本来は全額国庫負担が望ましいんだといった趣旨のご意見がございましたので、その旨をここに記述させていただきました。
 そのほか、第1部と重なる修正については、省略をさせていただきます。
 43ページ、一番下のまるのところに、これも石井委員からのご意見を踏まえまして、施設整備費の補助負担金を一般財源化すべき理由、これを翌44ページにわたって、5項目にわたって追加をしております。それとのバランスで、それに対する反論意見についても、少し修正追加をいたしております。
 最後、45ページの一番上のまる、これは、やはり石井委員の意見を踏まえまして、一般財源化をすれば耐震化が進展するという記述について、その理由を2項目追加いたしました。その下のまるで、それについての反論も若干追加をいたしております。
 以上、大変簡潔で恐縮ですが、以上が修正の概要でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。
 それで、私が申しおくれたのと、高橋さんの説明でも省略されたのが20ページなんですが、20ページの第2章だけは、「教師」という言葉をあえて残さざるを得なかった。というのは、「教師像」という(1)、上から2行目がありますので、それを受けて、この章だけは、「教職員」と書くとかえって据わりが悪いように思って、「教師」という言葉で押し通しています。この辺についても、後ほど、もしご意見がございましたら、ご指摘をいただきたいと思います。
 以上が説明でございますが、ここから先は皆様にご審議をいただいて、ご意見を順次出していただきたい。できれば、今日は全部の方にご発言を願いたいと思っております。
 石井委員、どうぞ。石井委員からは、皆様の机の上に意見書が出ておりますので。

【石井委員】 意見書ということで3人の連名で資料を提出させていただいておりますので、それをご覧いただきながら、意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、先ほどご説明があったんですけれども、今回示された答申案は、前回私どもが書面をもって修正を強く求めたところでございますけれども、この、今ご説明ありました内容を伺っておりますと、基本的には現行制度の堅持を主張する委員の意見、これを積極的に取り上げられまして、そして、我々の意見は、主要な点はほとんど採用されていない。そして、確かに取り上げていただいたものもありますが、必ずそれには、その後反論を付しておられるといったことでありまして、極めて不公正な取扱いを受けていると、このように受けとめております。今まで強く主張して参りましたけれども、この特別部会の審議におかれましては、地方の意見を真摯に受けとめられるとともに、地方6団体の提案につきましては、十分尊重されるということが必要であると存じます。
 従いまして、再度修正意見でございますけれども、前回出しました、そして、受け入れられていないその内容につきまして、再度その内容に従った修正を求めますとともに、しかし、前回、大部にわたっておりました。従いまして、今回は、その中でも特に重要と判断するものを下記に示すということで挙げておりますので、その点につきましては、必ず修正をお願いしたいと存じます。
 それでは、「記」というところに従いまして、順次ご説明申し上げます。
 まず最初の6ページの枠囲み内の記述でありますけれども、これも前回と同じでありますが、修正の文章、すなわち、次の文章を挿入すべきであると書いております通り、分権改革の重点は、まず何よりも国から地方へということ、そして、次に都道府県から市区町村への分権、そして、教育委員会から学校への権限移譲ということ、これが非常に大事な理念でありますので、改めてここで強く主張させていただきたいということであります。
 意見書の次のページに渡りたいと思いますが、この同様のことは6ページ、30ページにもありますが、同じことでございますので、割愛をさせていただきます。
 そして、8ページ目、この一番大事な部分でございますけれども、これにつきましては、前回と同様の修正案でありますけれども、審議会の性格上、多数意見ということで、我々の地方が述べた意見を一切付記しないということは、非常に不公平、不公正な運営であると、このように思います。そういった立場から、ぜひとも地方6体からの意見、我々が述べさせていただきました、このことを記述をされたいということでございまして、そこにもございますように、総額裁量制の我々が述べた意見、こういったものを、最も重要なポイントということで明記をしていただきたいと存じます。
 同じく8ページの枠組み内でありますけれども、学校の施設の整備でありますけれども、これにつきましては、これも前回と同様の意見であります。今回のまとめていらっしゃる意見は、意見が多かったということに止めていただきまして、その後、我々が述べて参りました、公立学校施設の整備に関します地方への自主的・計画的な整備のための税源移譲、これを強く修正を求めるところであります。9ページも、以下同様であります。
 次に、8ページの3つ目のまるであります。これは、度々引用されております中央教育審議会、当審議会の審議の基本的な姿勢ということでありますが、スタンスということでありますが、この費用負担につきましての地方案を活かすという方策、度々申し上げておりますけれども、これが何ら示されていないと、このように我々は受けとめざるを得ない。従いまして、この記述は真摯に地方の意見を受けとめたものと言えないということから、誤りである。従って、削除されたいと、こういう意見であります。
 次に、9ページ目に参りたいと思いますが、これも前回述べたんですが、中学校のみを対象とすることは合理性がなく、適当ではない、このような記述になっているわけでありますが、度々申し上げておりますとおり、小学校、中学校あわせ一般財源化を我々は提案しております。今回、政府から要請されました18年度までの経過的な対応ということで、中学校分を我々主張しているわけでありまして、そういった我々の主張からしますと、この文章は適当でない、削除されるべきであると存じます。
 10ページの1つ目のまるでございますけれども、ここの文章、地方六団体が目指す教育の地方分権についての提案は、十分これを尊重されているとか、あるいは、このことは市区町村の裁量権限と自由度の拡大を進めることによって実現される云々といったことで、全く我々が主張しております税源移譲に結びつくような国庫負担金の制度改革、このことと全く相入れない、我々の考えを、地方の考えを受けとめているというようなことではない。全くこれは我々の意見とは相反するものでありますので、こういった認識は全く不適当であります。ぜひ、そう認識しておりませんので、削除されたいということを改めて主張させていただきます。次に、43ページも同様であります。
 次に、27ページ、教育委員会制度でありますけれども、これは、前回提出しました素案に対する意見、この修正は、一切これを受け入れられていないということであります。従いまして、個別の修文案はもちろん前回提出させていただいた通りでありますけれども、教育委員会設置の選択制を認めるべきである。そして、結論において、この教育委員会設置の選択制を否定する表現になっておりますが、ぜひこれは修正をされたい。そして、29ページのウにあります「首長と教育委員会の権限分担の弾力化」についての、ここのくだりにつきましても、文化財保護や社会教育を含めて、文化、スポーツ、生涯学習支援につきましては、総合行政の中で首長主導で、その責任の下に行うということを原則とすべきである、こういう意見を我々地方側は述べさせていただいてきたわけでありますので、それを踏まえた表現に修正をされるべきであると存じます。
 31ページの上から1つ目のまるの9行目、この文章につきましては、それに続いて、そこに書いておりますように、国庫負担制度を廃止して、税源移譲を行うことによって、財政面における地方の自由度を高める、そして、学習指導要領や義務教育の標準法などの基準・法令を地方の自由度を高めるという方向で見直すことが必要である、こういう地方側が意見を強く述べましたので、そのような文章をぜひ追加されたいということであります。
 33ページの最後の3行でありますが、教職員定数の加配定数、これにつきまして、確かに記述は加えていただいたところでありますが、我々は、特にこの加配につきましては、算出基準が極めて不透明である、こういうことから、これを客観的な基準にする必要がある、こういうことを強く述べさせていただきましたので、そういう趣旨が表現されておりません。明記されていないということから、そういう線で趣旨に沿った修正をぜひお願いいたしたいということであります。
 38ページの上から3つ目のまるでございます。これも前回と同じでありますが、義務教育制度の根幹の維持と国の責任の堅持、これを優先すべきという理念ということで位置付けられておりますけれども、優先ということではなくて、地方案を活かすということと両方が書かれているわけでありますから、一方的なこういう解釈をされて検討されるということは、公平公正な運営とは言えないということから、問題であると思います。
 38ページのウでございますけれども、3つの観点からの議論の概要ということになっておりますが、これは我々が、国庫負担制度が最も確実だと言っておられることに対しまして、地方側は、国の予算の40パーセント以上がもう既に国債という借金でしか組めない状況、また、国の財政再建という名の下、次々に一般財源化を行ってきたということから、国庫負担といえども安心できるものではないということを強く主張し、述べてきたところでありまして、こういった我々の修正意見のとおり修正をされたいということでありまして、以上、前回述べました大部にわたりますので、今回、取り入れられていない主要な点につきまして、重点的に絞り込みまして、修正案ということで再度要求をさせていただきますので、ぜひ前向きにお取り組みをいただきたいと強く主張させていただく次第であります。
 以上でございます。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。
 今、修正意見、11項目お出しいただいたわけでございます。この11項目の修正意見についてのご意見も含めて、ほかの方々の意見を伺います。

【増田委員】 答申案の修正につきましては、ただいま石井委員のほうから説明がございましたが、私からも若干の修正意見、さらに、三位一体改革についてもお話をさせていただきたいと思います。
 まず、修正意見の2ページ、2つ目のまるでございますが、公立学校施設整備については、それぞれの地域が自主的、計画的に整備していくものでありまして、国の画一的な基準に基づく国庫補助負担金制度ではなく、地方の判断によって計画的に整備できるよう税源移譲すべきであることは、これまでも度々申し上げてきたとおりであります。しかし、今回の答申案においては、先ほど石井委員も述べられたように、我々、地方6団体が主張してきたことが取り入れられておりません。修正意見にあるように修文をしてもらいたいと思います。
 それから、修正意見の4ページの1つ目のまるでございます。教育委員会制度の設置については選択制にし、地方の判断に任せる必要があると主張して参りましたが、これを答申に反映させるべきであると考えます。現行教育委員会制度については今さら述べるまでもございませんが、文部科学省から都道府県教育委員会、市町村教育委員会という縦割りの閉鎖的な仕組みの大きな要因になっておるなど、極めて問題があります。答申案では、教育委員会の弾力化を行うことや、運用や制度の見直しを行うことで改善を図ることとしておりますが、これでは極めて不十分であります。また、文化財保護や社会教育も含め、文化、スポーツ、生涯学習支援については、総合行政の中で首長主導で、その責任の下に行うことを原則とすべきでありまして、これを答申に反映させるべきであると存じます。
 それから、この中教審で議論がもう100時間も超えておりますけれども、我々がずっと最初から徹頭徹尾説明しております三位一体改革の意義が、未だ委員の皆さん方に理解をいただけていないと存じますので、あえて今一度皆さん方にご理解をいただきたいと存じます。三位一体改革の推進につきまして、我々には、今こそこの日本を変えたい、変えなければならないとの高い志を持って臨んでいるところであります。一省庁の省益や既得権益、権限を守ろうという、いわゆる守旧勢力とは基本的な姿勢を異にしております。三位一体改革は、我々地方にとっても痛みを伴う改革であります。しかし、その痛みを分かち合ってでも実現すべきである。小異を捨てて大同につこうということで、地方六団体が一致して取り組んでいるものでございます。国民の目の届きにくい中央省庁に集中している権限や財源を、住民に最も近い地方自治体、住民の目の行き届き、手の触れられる地方へ移してこそ、住民サービスの向上が図られ、行政の透明性、公平・公正性も確保されるという地方分権を実現すべきだという固い決意を持って臨んでおります。
 「権腐十年」という言葉があるように、権限、財源の中央独占は必ずや淀みや濁りを生じます。中央省庁の強大な権限のため、地方の自主性、自律性は大きく損なわれております。国の過剰な干渉、細部にわたっての関与のために、地方の行政の自由度は非常に小さいものとなっています。中央省庁の画一的縦割り行政の弊害を断ち切りたいとの地方の思いは、切なるものがございます。地方自治体も、これまでのように何でも国に頼るのではなく、自己決定能力と自己責任体制を確立する必要があります。文科省に任せておけば、自己決定しなくても、責任を取らなくても済むといった中央信仰、残念ながら、こういった地方が、また、人がいることも事実ではありますが、これまでの中央省庁の地方不信、地方蔑視の姿勢には、強く抗議したいと思います。
 とりわけ、義務教育は国と地方の責任で行うと定められているにもかかわらず、地方を信用せず、信頼関係を持とうとしない文科省の頑なな姿勢、地方に任せると何をするかわからないとの中教審での意見等は、選挙によって選ばれた首長、ひいては、それを選んだ住民、有権者をばかにしていることになるのではないでしょうか。現在の情報社会、成熟した民主社会で、首長が一方的、独善的な教育を行ったり、教育を軽視した行政をするなどは考えられません。選挙の洗礼を受け、国民や住民に対し直接責任を負う我々こそが、これからの我が国の教育制度全般について、本当に自分のこととして真剣に考え、取り組んでいることを、この際はっきりと申し上げます。
 なぜ我々が教育の分権化を言い、そのための1つの方策として、義務教育費国庫負担金の一般財源化を求めているのか、いま一度整理して発言させてもらいます。
 まず大前提として、これまでの我が国の戦後教育に対する評価があります。その評価は極めて否定的なものにならざるを得ません。アメリカから与えられた戦後の教育と称するもの、民主教育と称するものは、権利や自由平等を強調するあまり、理念なき自由主義や権利意識ばかり強い利己主義者を大量発生させました。近年の不登校やいじめ、自殺、非行、校内暴力の多発、そして学級崩壊などは、これまで国主導で行ってきた戦後教育の失敗を如実に物語るものであります。現場の学校は荒れている。学力は低下している。日教組は人事に介入している。今何とかしなければ大変なことになるといったことは、自民党の文教制度調査会の中で度々議論されていることでございます。少年による凶悪事件の続発、幼児・児童虐待、大量のニートと称する若者の発生なども、学校をはじめ、地域、家庭など、社会の教育力が衰退していることを如実にあらわしております。
 人間が真に成熟していくためには、教育システムそのものが機能不全に陥っていてはどうしようもございません。文科省主導の戦後日本の教育制度は、制度疲労を起こし、限界に来ているのではありませんか。文科省が全国一斉に号令をかけ、全国津々浦々の学校が右へならえする集権教育的発想は、ゆとり教育の例にも見られるように、既に破綻していると思われます。まさに義務教育こそ瀕死の状態にあると言っても過言ではありません。最近の報道から一例を挙げても、小学校での暴力行為が大幅に増加しているとか、保護者の大多数が学校よりも塾や予備校のほうを優秀と思っているとの内閣府の調査結果なども、最近報道されております。
 さて、中教審で意見が一番対立している財政論でございますが、国庫負担金制度がこのまま残り、これまでと同じように財源保障のないまま、ずるずるとなし崩し的に一般財源化されるということになりますと、地方には一方的な負担転嫁となり、結果、地方財政はますます苦しくなります。特に教育熱心な首長ほど困ることになり、教育にかける財源をこれ以上悪化させないためにも、今、一般財源化をしておくべきと考えます。
 そもそも昭和60年以降、文部省が一般財源化を推進した経緯や、国の財政状況からして、財務省による教育費削減攻勢は今後ますます強まるであろうことは、容易に想像できます。国が何かをしてくれるという時代は終わりました。甘い幻想は地方も捨てなければなりません。このような状況下において、負担金も交付税も厳しい先行きが予想されますけれども、今貧しくても自分たちで納得して使える、そして、将来景気上昇によっては税収増も期待できる地方一般財源化を我々は進めていきたいと考えております。一般財源化をすれば何がよくなるのかといった議論には、私は、負担金は施す者と施される者との関係、まずこのような上下主従関係を断ち切る、そういうメリットを最大に挙げたいと存じます。さらに、事務効率の面でも、配分作業がなくなれば、人件費や手続に要する時間の節約など、文科省のスリム化にも効果があるという実利的な側面もあると存じます。これは集権教育打破の第一歩と位置付けられると思います。
 むしろ、私は逆に聞きたいと思います。文科省がこれだけ一般財源化に反対する本当の理由は一体何なのか。あらゆる教育関係団体を総動員して、今次総選挙で圧倒的多数の国民の支持を受けた小泉内閣の改革路線に、ここまで頑強に抵抗する理由は何でありますか。義務教育は国の責任というのは表向きの理由ではないでしょうか。本音は、これをきっかけに文科省の地方への関与が抑制され、これまでのように全国津々浦々に威令が行き渡らなくなることを最大恐れているのではないでしょうか。文科省の存在理由がなくなること、文科省解体論が出てくることを恐れての抵抗でないかと思います。
 振り返ってみれば、1986年の臨教審答申では、多様で柔軟、分権、自律的教育が提言され、1998年の中教審答申では、この理念がさらに具体化され、指揮・監督による権力的作用よりは、非権力的作用により、自主的・主体的活動を促進することが重要と述べられております。ところが、現在の中教審では、こと財源の問題に関しては、義務教育費国庫負担金の堅持など、分権教育を進めるのとは逆の論理で進められております。せっかくこれまでの中教審で21世紀の教育のあるべき姿、方向性が示されてきたのでありますから、当然それを踏まえた議論がなされるべきであるのに、それがありません。過保護や過干渉は子どもをだめにするのと同じで、一部の地方自治体は、これまでの国の過保護になれ、依存体質がしみついています。しかし、分権意識に目覚めた自治体は、今こそ自分たちの地域の子どもたちを、自分たちの権限と責任で育てたいと強く望んでおります。
 地方に任せると教育の質が低下する恐れがあるということが、既にこれまで何度も繰り返された議論でございます。義務教育は現場の先生方の努力によって今の水準が維持されているということは、誰から見ても明らかであります。今さら何ゆえをもって、それがさらに低下するというのか。地方自治体とそれに連なる現場の先生方がなぜ信用できないのか。先生方が必死になって毎日子どもたちのために頑張っている。日本の教育水準を曲がりなりにも維持し、支えてきておるのは、我々地方の力だと確信しております。
 地方に任せたら教育力が低下するという心配ですが、今、教育力が低下し、学校が荒れていることをどうするのかが先に心配すべき議論ではないでしょうか。今までの文科省の行政自体が信頼を失墜しており、文科省は最小限の国としての指針を示す程度にとどめ、義務教育の財源や教職員の人事権などの権限は、全面的に地方自治体に移すべきであります。
 教育の現状認識の議論が中教審ではほとんど行われず、これからの教育をどうするかといった前向きの議論がなされず、地方案をつぶそうという一念だけの、後ろ向きの極めて不毛な議論が、これまで100時間以上にわたって延々と繰り広げられてきました。国が二分の一負担していることが国の教育責任を果たしていることとイコールであるという論理は、全くナンセンスであります。この負担制度が昭和15年の戦時下体制で生まれたことや、戦後負担金制度が中断していた時期があることなどからも、国の責任論と結びつかないことは明らかであります。しかも、この論から言えば、私立の小中学校については、国は全然責任を持たないということになるのでしょうか。こんなばかげた理論が通るはずはありません。文科省主導の教育が日本の教育をここまで低下させてきたのは明らかであるのに、これまで誰もその責任を取っていないではありませんか。国の責任とは一体何のことを言うのですか。責任ではなく、権限と置き換えれば、非常に納得ができます。義務教育を国の責任下に置いておくため、負担金を堅持したいと、今こそ本音を語るべきであります。
 教育に限らず、全ての行政について、住民に対し、きちんと責任を取れるのは、我々、地方自治体の首長であって、中央省庁の役人ではありません。我々、4年ごとに、それまでの4年間の行政評価を厳しく受ける立場であります。教育にあっても、責任を取れるのは我々であると思います。少人数学級や習熟度別学習を、文科省の反対を押し切ってやってきたことをどう考えますか。今頃になって文科省は、地方の先行的教育を追認し、これまでの姿勢から豹変して、総額裁量制なるもので地方を説得しようとしておりますけれども、まさに節操のない場当たり的なやり方です。ますます文科省不信は募るばかりであります。我々のこのような先導的努力の結果、何とか義務教育が水準を維持しているといったことに対する国の反省がございません。
 現場の学校長や教頭、真の教育者たらんとして日々精進努力している先生方によって、今の義務教育は最悪の状態を免れております。これなくして、日本の教育の再生復活はあり得ません。教育現場は日々創意工夫を凝らし、一生懸命努力しております。義務教育への関わりから言えば、文科省などよりははるかに地方自治体のほうが責任を持って関わっているのは明らかであります。放課後の子どもたちの居場所づくりや、登下校時の安全の確保、健全育成活動など、多岐にわたっております。文科省は、極端に言えば、学校内の授業時間の子どもたちだけとしか関わっていません。
 義務教育を受ける子どもたちの24時間に責任を持っているのが、我々、首長です。その我々が権限も財源も求めるのは、当然のことではないでしょうか。教育について首長が責任を持つ体制ができれば、各自治体は競争して教育の充実強化を図り、教育の活性化が大きく図れることになります。今、特区や研究指定校で実験的に行われているようなことが、日常的に地方で行われる大きなメリットが生じます。
 負担金か、一般財源か、地方交付税かの議論に今一度戻らせてもらいますと、国の教育費は毎年確実に削減されております。その結果、現在、義務教育費のうち3割に満たない額しか国は負担しておらず、7割以上は地方が支出しております。給与費の二分の一負担も、実際は二分の一以下の額しか国は負担しておりません。国の財政危機は深刻であり、今後とも教育費の増額は期待できません。一方、景気は回復基調にあり、今後、税収増も期待できることから、むしろ交付税、地方税の将来の方に期待が持てるのではないでしょうか。地方交付税は、我が国の地方自治、財政制度の根幹を成すもので、これを否定することは、地方自治そのものを否定する暴論であると思います。
 これからの我が国経済がどう動いていくのか、その中で国と地方との財政関係はどうなるのか、財政の専門家でも極めて難しい推計を、この中教審では一刀両断、700兆円の借金、国民1人当たり600万円、この国の財政を信頼できるとしておりますが、とても納得できるものではありません。
 また、前回の会議では、私、欠席しておりましたけれども、官邸の意向を無視した答申は許されないのではないかとの石井委員の発言に対し、多くの委員が、官邸の意向を持ち出すのは強圧的であるとか、中教審の権威に関わる等の意見があったように聞いておりますが、さきの郵政民営化問題が解散総選挙によって国民の意思を問うた結果、小泉改革が圧倒的多数の国民によって支持されたことを学習していないのではないでしょうか。改革の本丸は郵政民営化であるとして総選挙に勝利した小泉首相に、国民は構造改革推進を引き続き期待し、改革を止めるなという小泉首相の姿勢に大多数の国民が賛同している事実に目をつぶり、これらの状況を未だ受け入れようとしておりません。官邸の意向、すなわち国民の意思に背いて、どんな教育があるというのでしょうか。
 世論を代表する報道各社のこの問題に対する論調も同じです。
 まず共同通信は、「地域の教育は、住民に身近な地方自治体が主体となるのが基本である。地方側が言うように、実施主体に財源を移し、裁量権と責任を持たせることの方が自然な流れだ。教員給与は裁量の余地のない人件費であり、地方に移しても分権のメリットはないとの意見も出たが、どちらがやっても同じなら、実施主体に移すという基本に帰るべきだろう。義務教育費国庫負担制度が中央集権的システムを裏から支えてきたのは間違いない。指導法に至るまで様々な基準で縛ることで、教育現場の足腰の力を奪ってきた文科省の集権的体質を徹底的に洗い出し、地方主体の教育を作り上げたい」、こう言っています。
 産経は、「子どもたちの将来は自治体が責任を持つというのも、地方分権と言える。その意味からも、財源移譲は意味がある」と。
 日経は、「地方が削減案をまとめた以上、国は尊重する必要がある」。
 朝日、「地方に金を渡したらどこに消えるかわからないと言わんばかりの姿勢は、教育をめぐる地方分権の流れを無視した議論である」。
 さらに、毎日、「中教審は文科省の諮問機関に過ぎない。三位一体改革の原点に立ち返り、内閣と地方側との協議の場で決定するのは当然だ。そして、教育の地方分権の趣旨を貫くため、いずれ小学校分も移譲を進めるべきだ」、このように言っております。
 さらに、ヒアリングがいろいろございましたけれども、経済団体のヒアリングでございますが、我が国経済を支え引っ張っている経済団体からは、分権教育を支持する意見、現状での教育に強い不満を持ち、もっと競い合い切磋琢磨できる教育現場、教育改革を求める強い意見があったことも無視されております。教育費の財源が、経済界の活動によって得られた貴重な税にあることは自明のことであります。教育界の一大後援者たる経済団体の意向も無視する一方的な姿勢は、理解できません。
 また、有識者もいろいろございますが、東京都の教育委員でございました米長邦雄氏は、文科省が中央集権体質を改めて、各地区の自主性に任せさえすれば、教育の問題は99パーセントまで解決すると述べております。
 時間が大分超過しておるようなので、大分はしょらせてもらいますが、さらに、専門のシンクタンク、「構想日本」の提言では、地方の独創的な教育の試みは、常に予算や人事を通した国の画一的なコントロールという壁にぶつかる。国の教育行政における画一的関与、規制を最小限のレベルに減らし、現場に最大限の自由度を与えるとともに、自由な財源を確保すべきであると言っております。
 文科省の指令で行われているのかどうかは定かでございませんが、いろいろな教育団体が負担金堅持の要望を私のところへ持ってきております。私としても、地方6団体の立場を理解いただくよい機会であるので、積極的にお会いし、議論しております。その結果、校長会やPTA、教員組合など、ほとんどの方が、私たち地方の立場にこれまで理解を示していただいております。
 ここでは、地方議会でまた堅持派の意見がいっぱい出たというようなことも、議論されたと聞いております。この特別部会でこれまでそういった報告がございますけれども、あたかも多くの地方議会において、国庫負担金堅持を求めているような説明がありましたけれども、全国市議会議長会の調査によると、次のような結果となっております。平成16年8月から本年9月までの地方6団体の国庫補助負担金改革案の早期実現や、三位一体改革の推進に関する意見書採択数は、1,000件を超えております。このうち、平成17年6月及び9月議会において採択を行ったものは、591件となっており、全都市の約77パーセントであります。いずれにしても、地方6団体が平成16年8月に政府に提出した国庫補助負担金改革案並びに本年7月に提出した改革案については、政府の地方6団体に対する要請に応じて、個々の地方公共団体においては様々な意見はありますものの、それぞれの団体が正式な手続を経て決定したものであり、政府の要請に応じて、2回にわたって提出した改革案が地方6団体の総意であることは、明らかであります。
 明治以来の中央集権体制から地方分権へと流れを変える大きな意義のある三位一体改革でございます。国庫負担金が現状維持ということになれば、この改革は振り出しに戻ってしまいます。地方分権など要らない、地方は永久に国の出先機関として存在すればよいというのでしょうか。文科省の省益のためには、分権による教育力の向上という国益は考えなくてもいいのでしょうか。教育至上主義に基づく議論は、もういいかげんにしてもらいたいと思います。国全体のことを考えずに、教育界の利害や打算などだけにこだわって、元も子も無くすといった愚は避けるべきではないでしょうか。
 少人数学級は習熟度別学習、教員の市町村採用など、文科省は今までこういった地方の先行的教育にことごとく反対してきました。今になって総額裁量制を持ち出したり、少人数学級推進を言ってみたり、支離滅裂ではございませんか。この三位一体改革がつぶれるようなことがあったら、また元の文科省の集権教育が復活することは目に見えております。
 最後に、文科省はこの国の教育をどうあるべきかといった高い理念や教育方針を掲げ、国際的な教育水準の維持等に力を注ぐ政策官庁に特化すべきであると思います。地方への負担金、補助金の配分作業などは技術的側面の強い作業であって、教育の責任とか本質の議論からは縁遠いものであります。現在の国庫負担制度と国の教育に関する責任論とは、何度も言うように、関係のない議論であります。本当に義務教育は国の責任で行うと言うのであれば、現在の義務教育の7割以上を地方に負担させたり、あるいは、人件費の二分の一弱しか国は持たないという状況こそを解消すべきであります。一部の委員が言っておりますが、全額国庫負担とするのが正しい筋ではないでしょうか。全小中学校を国立学校にして、全教員を国家公務員にするというのが、国の責任だという意味では、首尾一貫した考えではないのでしょうか。現状で維持・固定することと、国の責任論が一体どう結びつくのか、全く理解できないことです。
 教育予算が削られる。地域間格差が激しくなるとの恐れ論は、もう聞き飽きました。非論理的な、一方的な決めつけに幾ら反論しても理解をいただけず、大変残念でありますが、それでも我々はその場合の解決策も提案してきました。それらを十分検討もせず、今回、一方的に反論を封殺し、負担金堅持に一本化した答申を出そうとしていることは、全く理解に苦しみます。中教審の権威、名誉のためにも、地方の改革案を真摯に受けとめ、我々の主張を答申に反映させるよう、改めて強く要請いたします。
 以上で終わります。

【鳥居部会長】 大変失礼ですが、ちょうど30分お話しになられたんですけど、できるだけお話を簡潔にして、全部の方に発言していただきたいというふうに思います。私から改めてお願いします。
 渡久山委員、片山委員から挙手がありますから、渡久山委員からどうぞ。

【渡久山委員】 半分話すとして、15分話せなくなったよね。これは別といたしまして。
 実は、今、増田委員から地方6団体、特に市長の意見としてあったと思いますけれども、実はきのう、千葉日報、あるいは毎日新聞の千葉版、これに意見広告が出ているんです。そして、この意見広告には、千葉の自治体の74の中の49の首長が意見を出している。約66パーセントですが、この意見によりますと、「全国でどこでも良質の義務教育が等しく無償で受けられるよう、必要な財源が国の責任で確保されているのが義務教育費国庫負担制度です。政府はこの制度の廃止を検討しているのですが、もしこの制度がなくなったら、財源不足の地域では、十分な教育ができなくなり、地域ごとの教育水準に大きな格差が生じるでしょう。今、義務教育が危ないです」、こういう意見を出していますね。そして、これは、館山市長、木更津市長、それから野田市長、佐原市長、成田市長、旭市長、それから習志野市長、全部市長ですよ。それで、そういう市長の意見広告が出ているんですね。ですから、市長会のトータルの意見ではなくて、これは増田市長を含めた一部の市長かもしれませんね。そういうことは、やっぱり我々も正しく認識すべきだと思います。これが1つです。ですから、今のお話の中には、多くのこの方たちから言うと、疑問を生じますし、そういう市長の、まだあなたに反対の市長もたくさんいらっしゃるということは、やはりここできちんと紹介しておかなくてはいけないと思います。これが1つです。
 それから、もう1つは、やっぱりいろいろ書き替えられていただきまして、やはり二分の一国庫負担というのがきちんと書かれたことは、現行制度をきちんと堅持するというような姿勢が出ていて、私は今の修正された原案に賛成であります。特に、やっぱり9ページに、教材購入費とか、あるいは図書費が確実に確保される必要があるということについても、現在の流用されている実態からすれば、こういうことを指摘することは非常に大事だと思います。
 それから、先ほど会長からも言われました20ページの、いわゆる第2章の教師の質の向上の問題がございますね。これは確かに、前段の部分は、教員が、あるいはまた、教師が教職員に直されておりまして、これはありがたい、感謝したいと思いますが、ここの部分は、やっぱり教員と直すべきところもあると思います。皆教職員に直さなくても結構でありますから。あるいは、教師像ということで、やっぱり教師という言葉を使わなくてはいけないところがありましたら、それもいいと思いますが、あまりにも教師というところで一貫した記述になっているということが1つと、今、教員養成部会で議論しているのが、ほぼ教員という言葉を使って記述をしておりますので、そこには一貫性を持って、最終答申にはそういうことも含めて議論をしていただきたいと思います。
 それから、先ほど石井委員、あるいは増田委員から、8ページを含めて、公立学校の施設整備費、あるいは耐震化の問題がございましたが、私は、ここに記述されているように、そういう問題については、義務教育を施設整備の立場から守るという意味でも、一義的に国が責任を持つべきだと思います。特に、先だって国の中央防災会議が、直下型地震の耐震性の問題について報告をしてあります。それによりますと、住宅の耐震化率がまだ75パーセントだと言っているんですが、しかし、公立小中学校の耐震化率は51.8パーセントなんです。それから、公立幼稚園の耐震化は45.5パーセントなんですね。まだそこまでしかいっていないです。半分、あるいは半分以下にしかなっていない。こういう実態を見ますと、今、5年間で3兆円というような予算が組まれていますけれども、やっぱり額が非常に少ないのも事実ですから、これを額を上げて、第一義的にもっと早期に、ここにも書かれていますように、子どもたちの生命の安全というようなもので見ましたら、これは早期にもっと増額をすべきであると思います。
 それから、もう1つ、やっぱり公立学校施設整備費について、増田委員を初め、地方からは非常に使い勝手が悪いという意見もありますから、これについては、使い勝手がもっと良くなるよう、総額裁量制のようにするなど工夫をして、ぜひともより有利な、あるいはより有効な手段によって、公立学校の施設整備が進むことを期待したいと思います。
 特に、先ほど国ということに対する信頼、あるいは国がやれば安心かと言うと、私は国がやっても安心ではないのもあると思います。確かに、今はもう国の財政負担も非常に大きいわけで、財政も逼迫しています。もちろん、地方もそうですね。そういう中では、まだそれにしても、国がきちんと義務教育については責任を持つというのがきちんとした政策であり世論であるとすれば、私はこのほうがまだ信頼ができると思います。
 地方交付税も、今度また予算で削られます。それだけではなくて、今、皆さんご案内でしょうけれども、総務省が先だって地方債の発行問題について、財政難の自治体には制限を加えるというような形で、新指標の格付けというのをやるというのが新聞に出ています。そうしますと、地方債もこれで縛られる、交付税も削減されるというような状況では、まさに今地方に任せても、これだけ熱心に教育問題を言われていることについては、私は非常に感謝したいと思います。だが、しかし、財政的には非常に厳しく、ますます厳しくなっていく折でもありますので、ぜひとも義務教育については、第一義的には国の責任でやっていただきたい、こういう意見です。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。それでは、片山委員、どうぞ。

【片山委員】 先ほど増田委員の朗読を伺っていまして、失礼ですけど、あまりにもひどいので、これはあえて一言申し上げます。
 私、今回の今の増田委員の長々とした朗読が、実は今回の中教審のこの議論をやっぱり象徴していると思うんです。私たちは本当に真剣に議論してきました。だけども、増田委員は全然かみ合っていないんですね。かみ合っていないのは、増田委員は、増田委員ほか3人の委員以外の委員が私を含めて三位一体改革を理解していないからだとおっしゃいましたけど、そうじゃないんですね。増田委員のほうが、私、理解されていないと思うんです。というのは、今もまたいろんなことを言われましたけれども、それは、本当に丁寧に理論的に議論をして、全部とは言いませんけど、ほとんどは解決しているんです。主張されてことが当たっていないとか、誤解だとかとして整理されてきているんです。そこを全く踏まえていないので、いつまでたってもかみ合わない。で、自分たちの意見を聞いてくれないからひどいという、こういう一方的で不当な批判になっているんです。
 それから、私自身に対する名誉のこともありますから、ちょっとお話をしますけれども、三位一体改革の理念というのは、増田委員が言われた内容に、そんなに私も違和感ないんです。ただ、その理念と、それから現実に今永田町、霞が関で進行していることとはかなり違う、ということを私はここで何回も申し上げたんです。で、大方の皆さんの理解を得られたと私は思っています。それは、義務教育費国庫負担金はトップバッターではありませんよ、三位一体改革の理念を全うするには、もっと違った、ちょっと表現は悪かったんですけれども、真犯人がほかにいるんですよ、そっちのほうを引っ張り出すほうが、三位一体改革を実現することになるんですよという話をしたつもりです。でも増田さんは、全く理解されていない。
 それから、負担金は、その負担金を通じて、施す者と施される者がいると言われましたけど、これも負担金の性格を全く理解されていない。恣意的な政府の裁量性の強い補助金の場合は、まさにおっしゃるとおりなんですけれども、負担金というのは違うんです。負担金というのは、ちゃんと法律に書いてあって、これは地方財政法にも書いています。負担金というのは、国が払う義務があるもの、他の経費に優先して支払う義務があるもの、これが負担金なんです。まさに割り勘なんです。だから、地方は金を国からもらうと言っても、これは施されるものではないんです。地方にはもらう権利があるんです。これが負担金の性格なんです。それも何回も申し上げたはずであります。ですから、例えて言えば、文部科学省の皆さんにあっかんべーをしたって、文部科学省は都道府県に義務教育費国庫負担金を支払う義務があるわけです。これは施しではないんです。そういうことも、残念ながら全く理解していただいていない。
 それから、地方に任せられないからどうだこうだっていうのはけしからんと言われました。このどうだこうだという意見は確かに途中過程では出ました。しかし、負担金をなくすということ、負担金をやめるということが、地方に任すということとは関係ありませんよということについて、それは制度的な検証を苅谷委員がされたはずなんです、きちんと。で、一同納得されたはずです。私も、非常に明快な分析で、得心しました。国と地方との義務教育の枠組み、制度的な制約というのは、それは負担金制度によってではなくて、他の法令にあるんですよということを、ちゃんとクリアに例証されたはずなんです。これも、今の朗読を聞いていると、全然理解されていない。
 それから、私は決して看過できないと思ったのは、文部科学省がこの審議会の議論を全部仕切っているようなことを言われました、先ほど。でも、増田委員の意に反する答申案をまとめたのは、私たち委員なんです。もちろん文部科学省も事務局で入っていますけれども、大筋の意見をまとめたのは私たち委員なんです。で、増田さんの言われ方を聞いていると、まるで私も含めた多くの委員は全員文部省の手先だと、文部省のパペットだと、こう言わんばかりだったんですけれど、後で聞かせてください、そう思っておられるんでしょうか。それは人の名誉を著しく傷つけるものであります。私は自分の考え方でものを言っています。頼まれたからものを言うとか、誰かに長々と作文を書いてもらって、それを読んだりしたようなことは一回もありません。自分の考え方で全部やっています。それを、あたかも、私を含めた多くの委員が、自説ではなくて、文部科学省に唆されて、その意向に沿ったようなことを言っていると。だから、こんな案になるんだろうと言わんばかりのことを言われたら、人の名誉に関わる話です。ここのところを後で増田委員に、私は釈明してもらいたいと思います。人の名誉に関わる話ですから。
 それから、官邸の意向に沿うべきだと前回石井委員が言われて、それに対して多くの委員が反発した。そうなんです。で、私たち委員は学習していないと言われましたね。総選挙の結果を学習していないと。その総選挙は、三位一体改革、なかんずく、義務教育費国庫負担金の在り方を問うたんでしょうか。で、国民の意思が決まったんでしょうか。そう理解しておられるとしたら、全く見当はずれです。総選挙は、解散をした小泉総理が、郵政民営化の一点だけを国民に問いたいと言って選挙したんです。だから、郵政民営化については賛成というのは、これは国民の意思だと、そう見なしていいと思います。でも、他については、一切触れていません。いろいろマニフェストとか公約とか出されていましたけれど、あえて総理は郵政民営化の一点を問うと言われたんです。残余のことは、これから決めるんです。それを、小泉総理が勝利したから、あとは全部何事も、全てのことについて小泉総理の意向に従うべきだともし言われたのなら、それは独裁者を生むファシズムなんです。民主主義と全く違うことになるんです。そういうことを前回議論したんです。権力者の顔色をうかがって、その意に添うようなことをみんなが言い出したら、それはファシズムなんです。言論の自由が失われるんです。そういう社会になろうと、増田委員はさっき言われたんです。とんでもない話なんです。
 私は、いつも増田さんの朗読を聞いていて気になることはいろいろあったんですけれども、同業他社のよしみで敢えて言わなかったんです。でもちょっと今日はいくら何でも増田委員の先ほどの発言、それから、その長々とした振る舞い方というのは、私は看過できないと思います。あえて親切心で私はご忠告申し上げておきます。

【鳥居部会長】 それでは、千代委員、どうぞ。

【千代委員】 先ほど千葉の意見広告が出ました。これは、千葉の市長会が出したものだと思っておりますが、私は過去、町村長の一員として12年間行政に携わってまいりました。この義務教育費の国庫負担制度の移譲につきましては、ここで6団体から意見が出されておりますけれど、首長の総括的なアンケートを見せていただきますと、かなりの市長、町長、村長が、財源の負担に非常に不安を感じていて、現行のままで進めたいと、こういう意見がかなりの数を占めていたと。これをやはり6団体も考えていただきたいと思います。
 私のところは人口3万の小さな市町村であります。片山委員も実は県知事会の中では非常に財政的に厳しいと聞いておりますけれど、5万、3万、2万というような弱小の自治体にとっては、平成16年の交付税の減額ということが大変なショックになっております。今まで教育に熱心であるのは当然であると言われた市長、町長、村長が、どういう財源の配分をしているかということを、私はつぶさに聞いております。やるべきことができなくなってきている。このことを、ぜひとも皆さん方、考えていただきたい。ここにいらっしゃる方は、大半が大きな市町——町はいらっしゃらないと思いますが、財政的に豊かな方々が多いわけでありますけれど、そういう対応で私はこの中教審に出ているわけではございません。ともすれば財源の不確かな、逼迫した市町村が、今後どういうような財源的に確保ができるかということの心配がまず第一番であります。
 今も大きな市町村と小さな財源的に逼迫している市町村の間には、格差ははっきり出ております。この格差が、この財源がしっかりと充てられない限りは、やはりさらに広がっていくだろう。この教育現場の実情というものを、私は12年間、本当に教育に盛んに皆さん方とアプローチして意見を聞いた限りでも、「町長、こうしてほしい。これについては、こういう対策を練っていただきたい」という要望が出てまいりまして、これに対して、なかなかそれに対応できなかったのがこの10年ほどでありましたけれど、この16年以降は、さらに大きな問題点が財源不足のところから出ております。現在、市町村長がかなりの数で財源に不安を感じ、交付税の維持を唱えているのは、それであろうと思っております。
 また、今の社会を見ますと、増田委員は、これから税収増が期待されるということをおっしゃいましたけれど、社会福祉や教育、その他いろんな面における財源の枯渇が出ておりますから、それを十分満たすだけのものは、なかなか期待できないと思っております。その中では、今、消費社会において一番問題になっておりますのは、貧富の差がアメリカと同じようにだんだん拡大していっているという報道が多く出ております。教育費負担も非常に増えてきております。この貧富の差の問題をどうやって不平等にならないようにするか。このような問題点をしっかりと考えていただいて、地方分権の錦の御旗はよくわかります。私も三位一体改革大賛成でありますけれど、この教育という、外交、防衛、教育という三本の柱を地方に委ねるだけでは、私は、これからの市町村長の首長としての責任もなかなか果たし得ないのではないか、こう思っておりますので。
 長くなりましたので、これでまだ言いたいことはありますけれど、やめますが、1つだけ表記の問題でお願いしたいと思います。「二分の一」という表現が漢字で書かれておりまして、「全体の教育費の4分の1」は算用数字、それから、地方団体のほうは、数式で「1/2」というのが書かれております。これは国語を扱う皆さん方にとっては、ぜひ統一をしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 それから、18ページに「障害種ごとの盲・聾・養護学校」の、この障害種というのが果たしていいのであろうか。障害ごとのでもう十分ではなかろうか。
 もう1つ、31ページの4行目に、権力的な作用と非権力的な作用という表現がありますが、これは、以前に申し上げましたように、もっとわかりやすい表現に直していただくか、もしくは、この表記を加えなくても、何々によってということで、もう十分意を尽くしているように思いますので、こういうわかりにくい表現は削除していただいてはいかがかと。
 以上でございます。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。最後にご指摘のあった点は、中央教育審議会の中の部会の1つであります特別支援教育の部会で専門家たちが使っている言葉にどうも引きずられたところがありますので、再点検していこうと思っております。
 それでは、藤田委員、どうぞ。

【藤田委員】 前回に引き続いてですが、お手元に意見書を用意してありますので、それをご覧いただければと思います。
 これは皆さんにも届いたと思いますが、10月12日付で、地方6団体の連名で中央教育審議会の答申素案に対する緊急声明というものが届きました。この内容は、これまで繰り返しこの場におきましても、地方6団体から選出されている委員の方々から主張されてきたことであります。従って、この声明も、その委員の方々が了解されていることと理解して、その声明の内容について、前半で少し発言させていただきたいと思います。
 ただ、先ほど石井委員と増田委員のご意見を伺っておりまして、特に増田委員のご意見につきましては、私も片山委員のおっしゃられたことに基本的に全く同感でありますので、その点について、後でもし反論があるようでしたら、片山委員が要求された点をお答えいただければと思います。
 それから、増田委員の主張を聞いていますと、地方分権改革というよりも、あたかも教育については連邦制を前提ないし主張されているような印象を強く受けました。ほかのところにおいて、ほかの分野では、そのような主張はほとんどされていないように思いますので、少なくともこの部会ではされなかったと思いますので、非常に大きな違和感を持ちました。
 それから、石井委員のご発言の中で、繰り返し地方案を入れてほしいと主張されてきたと言われました。今回の修正案でもその修正要求は随分入ったわけでありますが、これは、私は率直に申し上げまして、他の委員に対して非常に不公平だと思っております。私もかなり異論を述べたつもりだと思いますけれども、その意見はほとんど——いろいろ考慮はいただいておりますけれども、基本的な点で、入れてほしい、あるいは削除してほしいということについては、十分にこの場で審議されていないという事情もあろうかと思いますが、入っていません。ただ、多くの委員は、この部会の非常に大きな役割は義務教育の費用負担の問題にあると了解されていると思いますし、私もそう思っておりますので、そうでない部分については、あえて私はこの場でどうしても私の意見を付記してもらいたい、あるいは併記してもらいたいという主張はしなかった次第です。ですから、その点については、総会なり、あるいはまた、それぞれの問題を担当されている分科会、部会において、私の意見も考慮して検討いただければというふうに思っております。
 地方のこの緊急声明についてですが、私は基本的に、この内容は、これまでの本部会での審議内容と意見の分布を無視した、極めて独断的で一方的な議論だというふうに考えております。
 具体的に項目別に言いますと、一番最初、冒頭に、(中央教育審議会は不公正)運営という項がありますけれども、そして、その内容を含めて、この項のような主張を通そうとされるとすれば、それは極めて横暴であり、審議の公平性を著しく損なうものだというふうに私は思います。
 2点目、(全国一律の教育か、地方の創意工夫を活かした多様な教育か)及び(全国一律に実施されたために全国一斉に問題を起こした「ゆとり教育」)の項及びその主張についてですが、この部分は、先ほどの増田委員のご発言の中にも同趣旨の見解が多々含まれていた、あるいは前提になっていたと思います。しかし、この2つのリード分、あるいはその内容は、その対比の仕方を含めて、非常に問題の多いものです。しかも、教育・教育行政の実態やこの間の改革・改善の動向を無視したものであり、改革課題を過度に単純化するものであって、全くためにする議論以上の何ものでもないというふうに思います。
 3点目、(教育の分権化が不可欠)という項の主張、あるいはその根拠ですが、これも繰り返し主張されてきたことでありますけれども、これまでの審議内容を全く無視したものです。私の意見書に引用し下線を引きました箇所、「教育の分権化を進めるには、権限と税財源をセットで移譲することが不可欠である」という主張については、本部会での多くの委員の意見や文部科学省に寄せられた全国の自治体からの意見、あるいは、先ほど渡久山委員や千代委員からもご紹介のありました、あちこちの自治体や市長会等における多くの市長、村長等の意見、さらには、私ども「日本の教育を考える10人委員会」が実施しましたアンケート調査におきましても、82.5パーセントの市区町村長が、義務教育費国庫負担金は維持すべきだと考えているという、そういう結果が得られたことも紹介しておりますが、そういったことを全て無視するものだと思います。
 4点目、(地方の教育力を活かすべき)の項の主張の根拠についてですが、第1段落のところに、「地方不信に基づく言われなき批判である」と書かれています。これは増田委員が繰り返しこの場でも発言されたことではありますけれども、ことは、自治体間の格差を含めて、地方の財政事情が将来的にどのように推移するかの見通しに関わる問題であって、地方を信頼するとかどうとかといった問題ではないというふうに考えております。これは、多くの委員からも、そういう発言が繰り返しあったところだと思います。
 第2段落は、時間が限られておりますのでとばさせていただきまして、第3段落の「義務教育費国庫負担金の税源移譲はまさに——括弧は私の挿入ですが——(三位一体の)改革の重要部分である」という主張は、地方6団体が当初から主張されていたことでありますが、そのことは、いみじくも、地方6団体の主要関心が、「三位一体の改革」「国から地方への」改革の推進にあり、義務教育の改善・充実や教育行政における地方分権改革の適切な推進は二義的な問題でしかないこと、言い換えれば、義務教育費国庫負担金を「三位一体改革」のスケープゴート・人身御供にしようとしていることを端的に示していると思います。
 この間、私を含めて多くの委員が繰り返し、1「三位一体の改革」及び国庫補助負担金3.2兆円の税源移譲の財源候補がなぜ義務教育費国庫負担金でなければならないのか、2「三位一体の改革」の趣旨を重視するなら、なぜ、地方の実情に応じた効率性と裁量性の向上によりよく資するはずの他の国庫補助負担金を候補にしないのかという質問をしてきましたが、その質問に対して、今日の説明でも同じことが繰り返されるだけで、合理的で説得力のある回答は一度もなされなかったと私は理解しております。
 従って、今日の答申案につきまして、費用負担の在り方については、基本的にこの答申案のとおりでいいと考えております。
 次に2.について、時間が少したっておりますが、簡単に説明させていただきたいと思います。前回も説明したことでありますので、下線部を中心に発言したいと思いますが、本部会では、40回以上、100時間以上にわたって真剣な審議が重ねられてきたとは思いますが、また、鳥居会長をはじめ関係者の答申案取りまとめの作業も大変なものであったことと拝察はしますが、遺憾ながら、私は、答申案には、次の諸点で非常に重大な問題があると考えております。
 まず第1に、この答申のある部分は、改革幻想、改革至上主義にとらわれていると私は考えております。改革すればよくなる、改革しなければよくならないといった改革幻想に取りつかれ、改革が教育現場にどのような影響を及ぼすかや、改革の目的が適切に達成されるかどうかについて、十分な検討も根拠付けもしないままに、重大な弊害の予想される改革をすべきではないと思います。本部会で繰り返し批判的な発言をしてきた諸点について、今回の答申には重大な問題があると考えており、できることなら削除ないし修正をしていただきたいと思っております。
 ただし、今日はその修正案を出すべき場ではないと思いますし、また、答申の2ページ目にもありますように、また、、先ほどご説明もありましたように、それらの事項を担当している分科会等で審議中であるということを踏まえて、そこでの適切な審議をお願いしたいと思います。
 今回の答申案は、私の理解では、大きく3つの内容領域に分けることができると思います。
 1つは、義務教育の費用負担の在り方についてでありまして、これにつきましては、私は、先ほども述べましたように、答申案に基本的に賛成であります。
 2番目は、教育における地方分権改革の促進についてでありますが、この点についても、学校、地方の裁量権や自由度の拡大を含めて、基本的に賛成であります。
 しかし、3番目の義務教育の在り方、義務教育の質及び学校・教員の教育力の向上につきましては、繰り返し意見を述べましたように、3ページの冒頭に列挙しております5項目、前回も指摘したことですが、それらの5項目については、私は非常に大きな違和感、あるいは反対意見を持っております。ただ、この時点で修正案を出すことはしませんが、中教審の当該分科会及び総会等での十分な検討と責任ある賢明な判断を期待したいと思います。
 改革案には3つの領域があると先ほど申しましたが、特に第3の領域については、その特徴として、私は、競争主義・成果主義、査察主義・管理主義、改革至上主義が非常に目立っていると思います。内容は後でまたご覧いただければと思います。特に改革至上主義の下線部についてですが、上記2)で挙げた5つの項目については、「三位一体の改革」における税源移譲の財源として義務教育費国庫負担金の廃止が政治的に俎上に載せられたことになったことへのいわば対応戦略として、この部会でも、あるいは他の分科会でも検討の俎上に載せられるようになったものだと言えると私は理解しております。その意味で、それらの改革案は、「改革幻想」や政府の「聖域なき構造改革」方針に応じて、義務教育費国庫負担金を堅持するためのいわば生贄・スケープゴートとして盛り込まれることになったと見ることができると思います。少なくとも私はそう見ておりますが、このような改革が進められていくなら、日本の義務教育はますます歪み、その機能も低下する危険性があると思います。
 いろいろ過激でぶしつけな表現も多かったとは思いますが、私は、これらの点については、この部会に参加してこれに合意するということに非常に大きな不満を抱いておりますので、他の分科会や総会等において、さらなる賢明なご検討をしていただければと思います。

  どうも長くなりましてすみませんでした。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。自ら断って述べられたように、3ページの上のほうに、「この時点で修正案を出すことはしないが」というふうに断られた上で、中教審の当該分科会、たぶん教員養成部会、あるいは教育課程部会といったところで行われている現在の審議をさらに深めるということを言っておられるのだと思いますので、それはそれで私も頭にちゃんと入れて対応したいと思います。
 また、今後も藤田委員からそれらの点について、まだほかにもお述べになりたい点があることは重々承知していますけれども、遠慮なくご意見をいただきたいと思います。
 そのほかのご意見がありましたら、どうぞ。

【井上委員】 私は3点ほど申し上げたいと思います。
 まず第1点は、この中教審の運営について、地方6団体から各委員に送付された緊急声明についてでございます。これについては、先ほども他の委員からもお話がありましたように、まず中央教育審議会の不公正な運営についての批判がここに書いてございますが、本日まで鳥居部会長の適正な議事運営のもとで審議が行われてきたわけでございますし、先ほど、本日の部会においてそれが象徴的に表れているわけで、まず地方6団体の代表である石井委員、それから増田委員から、およそ40分ほど地方6団体のご意見が披瀝されたわけでございますが、そういう意見についても、議長としてそういう発言をまず優先的に取り上げてこられたということは、まさにこの議事運営が地方6団体に対して極めて配慮行き届いた運営が行われたということで、そういう意味では、この義務教育特別部会は、公平かつ公正な審議が行われてきたというように私は理解しているわけでございます。そういう点で、この批判というのは、まさに独断的で不当なものであるというように私も感じているところでございます。
 それから、2点目でございますが、地方団体の意見は、先ほどからも他の委員からもお話があるように、最初の地方団体の意見表明から本日まで、首尾一貫して同じご主張を繰り返してきたのではないか。そういう点で、この義務教育特別部会における議論の進展というものを全く無視したご意見に終始したというようなことが、非常に私は残念に思うわけでございます。前々回から特に、石井委員をはじめ地方6団体の方々は、税源移譲を伴わない改革は一切受け入れられないということをおっしゃっているわけでございますが、地方6団体の意見の中で、特に併せて検討すべきこととして、教育の地方分権の推進という考え方がその中に述べられていたはずでございまして、そういう意味で、義務教育費国庫負担金制度と教育の地方分権は全く異質のことであることについては、先ほど他の委員からもお話があったように、そういう点では全く関係がないことであって、教育の地方分権は、標準法なり、あるいは学習指導要領なり、そういう基準や規則等法令を改正すれば、より弾力的に学校現場の自主性・自律性を高め、そして、権限と責任を学校現場が持つことによって、教育が活性化するという基本的な認識では一致していたと思うわけでございまして、そういう意味では、税源移譲を伴わなければそういうことができないということはあり得ないということは、今までの義務教育特別部会における議論でも十分論証されたというように私は理解しているわけでございます。
 それと、もう1点は、前回の石井委員の発言で、特に公立文教施設に関連して、事実関係が異なっておりましたので、その点について、事実関係を正確にお話ししておきたいと思います。公立文教施設の中で、高等学校の地方交付税措置について、地方6団体は、事業補正を配したものを単位費用に振り替えしたものであるということをおっしゃっているわけでございますが、それはまさに改築事業の事業補正とは異なっているわけで、改築事業を行った地方公共団体だけではなくて、改築事業を行わない地方公共団体にも地方交付税が交付されることになりますので、そういう意味では、改築事業の事業補正とは全く異なりまして、結果として薄播きになって、全ての市町村にそういう単位費用による費用が配分されるということから、改築事業のインセンティブが全く機能しなくなるという点から言って、この改築事業については、地方交付税措置が平成17年度以降は廃止されたということに等しいということで、前回お話ししたところでございます。また、事業費補正を配したものを単位費用に振り替えたということを前回申されましたが、高等学校に関わる基準財政需要額の算定では、平成16年度から17年度にかけて3パーセント減となっていることを考えますと、結果的には十分措置されていないということが言えると思うわけでございます。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。それでは、荒谷委員、どうぞ。

【荒谷委員】 私からは、答申案について意見を述べさせていただきます。
 前回の会議において出されました数多くの意見や提言を、可能な限りこの答申案に盛り込んでいただいております。特に第4章の(2)義務教育費国庫負担制度の在り方と(3)公立学校施設整備費負担金・補助金の在り方では、これまでの経緯を詳しく述べられたり、また、地方6団体からの主張の要点がきちんと載せられております。また、42ページには、「本来は、義務教育費の全額保障のために、必要な経費の全額を国庫負担することが望ましいと言える」と明記していただき、感謝しております。
 本部会での議題になったものの審議を尽くされなかったものにつきましては、引き続き関係部会で審議を深めるとされましたので、答申が基本的な提言として焦点化されたと思います。
 次に、両論併記につきましては、あいまいに受けとめられますので、これは避け、意見を一本化した明確な答申としたいところでございます。このための工夫も随所に見られます。第3章では、多くの意見を紹介しているものの、「これらの意見を踏まえ、このような方向で見直すことが適当である」とされましたり、第4章では、義務教育費国庫負担制度の検討に関する3つの観点からの議論の概要として、様々な意見が紹介されているところです。こうしたことから、両論併記とならず、意見が一本化されたことを喜んでおります。大変ご苦労いただいたことが読み取れます。よい答申となっていると思います。この答申が確実に実施されまして、質の高い教員が確保され、学校施設の耐震化等々、国の責任において推進されることを強く望むものでございます。
 もう1つ、地方6団体からの緊急声明をいただきましたけれども、その中で、2番目に、「全国一律の教育か、または地方の創意工夫を活かした多様な教育か」というご意見がございましたけれども、現在、全国の市区町村では、学習指導要領に沿いつつも、いかにして地域の学習資源、人材を活用した特色ある教育を実施しようかと創意工夫をしているところでございます。今後も同様であります。従いまして、現時点におきましても、地方の創意工夫を活かした多様な教育がそれぞれ行われ、努力されているものと思っております。
 次に、「全国一斉に問題を引き起こしたゆとり教育」というのがございました。世界の多くの国で、学校週5日制が実施されておりまして、土曜日を休みにしてゆとり教育を行って学力が低下するのではないと思います。むしろ、夜型の社会になりましたり、あるいは情報化社会の影の部分の影響、あるいは家庭や地域社会の教育力の低下等々、子どもを取り巻く教育環境、むしろ大人社会に問題があるのではないかと思っている次第です。以上でございます。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。それでは、小川委員、どうぞ。

【小川委員】 答申の内容について少し意見を述べるつもりだったんですけれども、先ほどから石井委員や増田委員の発言とか、又、私にも郵送されてきた6団体の中教審答申案の批判の緊急声明等々を読んで、その前に一言言わせて下さい。先ほどから多くの委員の方が的確な反論をされましたので、私自身の意見は差し控えようと思ったんですけれども、やっぱり一言言わせてほしいことは、この中教審の議論が不公正だ云々という話と、地方6団体委員の主張に全く耳を傾けないというふうな、先ほどからの石井委員や増田委員の発言というのは、この間の中教審の審議の経緯を全く無視した主張ではないかと考えます。
 特に増田委員の方から、教育のいろんな現状について議論が披露されましたけれども、増田委員の発言を聞いていますと、今の教育問題の全てが文部科学省の責任として押しつけられて、文部科学省の管理統制下で日本の教育は最悪の事態にあるというような議論を展開されていたように私には聞こえました。こうした増田委員のような議論の進め方ないしは論法というのは、検討に耐えない印象論にすぎず、これまでの中教審の真摯な議論や取り組むべき課題の整理ということを全く無視した論法ではないかと思います。そういうふうな論法であったからこそ、ほかの委員の方に対して全く説得的ではなかったというふうに思います。その点を地方6団体の委員の方はご理解すべきだと考えます。
 もう1つ、非常に気になったのは、あたかも地方6団体以外の委員の方は、分権改革に全く理解がないというふうなことを前提にして議論されていますけれども、私自身も含めて、多くの委員の方は、分権改革の進展ということについては、大きな期待をし、その基本方向については、基本的には賛成の立場の方が大多数だというふうに思っています。問題なのは、地方分権を進めていくに従って、必然的に伴うマイナスの様々な問題、例えば、地域間格差等の問題をいかにして最小限度にとどめていくか、国の役割としてのセーフティネットをどう構築していくか、その辺の議論が一番の中心的な課題であったように思います。その点をめぐって負担金制度と交付税制度、どちらが予測可能性が高くて、より安定的な財源確保ができるかということを、いろんな角度から議論してきた結果として今回の答申があったわけですから、分権改革に6団体以外の多くの方々が全く無理解だったというふうな認識はぜひ正していただきたいと思います。
 あと、答申の内容ですけれども、私は基本的には、審議経過の報告書と答申というのは全く性格を別にすべきであって、基本的には答申の中身は、多数意見の考え方をベースに、基本方針をきちんと明確に書く。反対意見については、答申外のところに付記意見として書くというのが、本来の答申の筋だと思っています。しかし、鳥居会長が、地方団体への最大限の配慮ということで、そうした結論の筋をたどる過程での、地方6団体を含め、いろんな意見を最小限度、必要な限りでこの答申の中に盛り込んで今回の答申を出したというふうに私としては理解しますので、問題はありますけれども、基本的には、今回出された答申の案については賛同いたします。
 ただ、やはりこれ以上、地方6団体からの、先ほど石井委員から出ていたような、様々な意見をさらに追加するとなると、前に出した審議報告(その2)の内容と変わらないようなものになりますので、できればこれ以上の意見を追加するということは、ぜひやめていただきたい。
 もう1つ、無視できないのが、今日の石井委員のほうから出てきた教育委員会制度の選択制を認めるような記述をしろというような話ですけれども、この中教審では教育委員会制度の意義、特に日本の二元代表制、特に自治体首長の権限が非常に強力な日本の自治体制度の下で、行政委員会としての教育委員会制度の持つ意味ということが、いろんな角度から議論され、そして、分権改革の中で教育委員会制度の活性化の様々な処方策ということも、今後さらに検討していくというようなことが確認されています。そういう議論のある中で、選択制をあたかもこの中教審のもう1つの大きな選択肢として記載するということは、これまでの中教審の審議経過を見ると、不適切だというふうに考えています。
 地方6団体の関係者が多く参加している政府の地方制度調査会においても、教育委員会制度が取り上げられ、議論されたというふうに伺っています。その地方制度調査会においてすら教育委員会の任意設置という点では一本化できなかったという話も聞いておりますので、この中教審が教育委員会制度の選択制の記載を盛り込むということは、やはり不適切だと思いますので、これはやはりやめていただきたい。以上です。

【鳥居部会長】 次は見城委員、さっき手を挙げておられましたけど、どうぞ。

【見城委員】 先ほどから増田委員に対しての風当たりが強いのを伺っていて、非常に気の毒だと思いました。それはなぜかと言うと、やはり公立の小中学校というのが市町村立で、やっぱり現場に一番近いので、それなりのいろんな力がこもるのであろうと、私はそういう思いで、一生懸命増田委員がおっしゃっていることを理解しようと聞いておりました。
 そういう中で、結局、問題点は、責任のなすり合いはもうおかしいのではないかと。これだけいろいろ議論してきて、地方で自由裁量制でできるというところまでもう明記されているということは、きちんと受けとめていただきたいと思います。
 そして、先ほどの、私の聞き間違いでなければ、結局、ずっとおっしゃっていた中で、全額国庫負担がよろしいんだというようなご意見を最後におっしゃったと思うんですね。これがやはり本音なのかと。結局、地方財政というのは、先ほど700兆円の国庫がもう大変な、疲弊しきっている、こういうときに、国を信用できないといろんなことをおっしゃっているけれども、本当にずっと聞いていて、一番現場に近い市長としてのお立場で切々とおっしゃっていることを、私くみ取ろうと思って伺った結果としては、学校は頑張っているんだ、教師は頑張っているんだ、そうおっしゃっているんだから、その私たちがこの部会で一生懸命ここまで持ってきて、鳥居会長がまとめてくださった部分は、だから、教職員の質を守るためには、その教職員の人件費をきちんと確保しなければならないんだと、そういうことで私などは全額国庫負担にすべきだとずっと申し上げてきたんです。そこでは一致しているのではないかと思ったんです。ですから、どうもおかしくなるのは、教師の力ということが随分現場では大切なんだとおっしゃるならば、ここでぜひ全額国庫負担と最後におっしゃったような意味合いからも、やはりこのまとめられた案をしっかりと受けとめていただいて、とにかくこの段階では、二分の一はもう国庫の負担で確保するんだと。どんな状況が来てもまず確保という、こういう立場をやはり受け入れていただきたい。私はそう思います。
 ページの42に、その全額国庫負担というのは入れていただきましたが、本当はもう基本的に文部科学省は何でここまでいいかげんにしてきたのかと、私は怒りを持っているくらいなんです。二分の一まできて、それまでどうしていたんですかと最初に私は質問させていただいたことがあると思いますが、やっぱりここで目覚めていただいて、これは国が保障するんだということで、全額国庫負担に向けて、これをきっかけに本当にしっかりやっていただいて、日本の親たちが、また若い世代が、子どもを持つことへの不満、不安、これは全部教育費がかかるからというところでとどまっているわけです。その第一歩である義務教育費というのは、国が本当に全額保障してますと、こういったことをここで出していただけなければ、少子化対策を幾ら片方でやっても、これは進みません。そういう意味でも、私は、一番現場に近い市長さんというお立場での増田委員のご苦労はずっと感じておりまして、ぜひここのところをご理解の上、この案を私は受け入れていただけたらと切に願います。
 それから、耐震化等の施設整備費に関しまして、私は以前の部会でも述べた通り、これは公共建築であるということでは、国土交通省でも耐震化を今進めているわけですから、そちらからもしっかりと予算をつけて、一刻も早く子どもたちが安全に勉強できるよう、別な観点からも押し進めていただきたいくらいですから、こういったことでもやっぱり考えてみれば、国が負担すべきものは負担すべきだと思います。これと三位一体の改革は全く矛盾していないということをわかっていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

【鳥居部会長】 若月委員が手を挙げておられたようです。すいません、見落としていまして。

【若月委員】 大分前から手を挙げていたんですが。まず結論から申し上げたいと思います。先ほど石井委員、そして増田委員からいろいろご意見を伺いましたが、結論として、両論併記は絶対にやめていただきたい。これをまず申し上げたいと思います。
 それから、いろいろなお話の中で若干誤解があるといけませんので、いくつかつけ加えておきたいことがあるんですが、もうどなたかがおっしゃっておりましたが。私は、今の構造改革にしても何にしても、これは大いに進めるべきであって、それを決して止めようとは思いません。かといって守旧派でもありません。また、中央教育審議会そのものも、私は守旧派ではないと思います。単に、財源を移譲しないから守旧派だというのは、非常に矮小化したものの捉え方であって、ここは世間に対して誤解を与える。その足らざる部分への対応は幾らでもほかにあるのではないでしょうか。決して今の改革に対して反対をしているから義務教育費国庫負担制度は維持だということではないということを、まず明確に申し上げておきたいと思います。
 それから、もう1つ、いろいろなご意見を伺っておりますと、これは仕方のないのかもしれませんが、財政論、あるいは税制の問題論が多く出てきました。しかし、ことここに至ったときには、そういったことも全て踏まえた上で、私は中央教育審議会の名誉にかけて、教育論で押すべきだと思います。様々な財政論もあり得ます。おっしゃることも一理あるのかもしれません。しかし、これからの日本の教育はどうあるべきかという教育論が、ここで揺らいでしまってはいけないと私は思うわけであります。
 特に6団体の委員の方々にご理解をいただきたいことは、地方の教育の独自性であるとか、それから、自由度であるとか、こういったことが財源を伴わないからできないじゃないか、ひもつきだからできないじゃないかと、おっしゃいますけれども、これはちょっと手前みそですが、例えば、現状の中でも、品川区は品川区として、小さな自治体でできる限りのことはやってきました。試行錯誤しながらやっています。これは、必ずしも、その財源が今こうだからできないとか何とかということじゃない。現状で幾らでもできる余地はあるわけです。そういった意味から考えても、やはりこの自由度だとか、その地域の独自性というのは、まずもってその自治体の事業意欲はどうなのかという、自らに問いかけるべき問題であると思います。
 それから、もう1つの問題は、そうした中から国への政策提言がどのぐらい自治体としてできるか、基礎的自治体と言うのであるならば、そういった力をどれぐらい、もっているのかということです。そのような力をもとにしての、地域地域における政策実施、あるいは実行力、こういったようなものがなければ、教育の独自性とか自由度とかいったようなものは実現しないわけです。その上で政策的な自由度というものを拡充したり、あるいは担保したりするために、財源確保の手法はいろいろあるけど、では、どれがいいでしょうかねという話になっているわけです。
 ここまで、もうさんざん今まで話し合ってきました。私は国の責任として一定の財源を担保するのが、一番地方の自由度や自由なものの考え方というものを保障できる制度ではないかというのが大勢だったと思うわけであります。
 そんなことから、先ほど増田委員は最後に、中教審の名誉にかけてとおっしゃいましたけれども、私も中教審の名誉にかけて、教育論という観点から言って、両論併記はすべきではなく、大勢の委員の方々が主張されています二分の一の今の負担率をきちんと明記するという。この、今日お示しいただいた原案にぜひ賛同をするものであります。
 以上です。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。では、田村委員、どうぞ。

【田村委員】 貴重な時間ですので、簡単に申し上げさせていただきます。
 答申についての意見ですが、このまとめ方でいいだろうというふうに率直に思います。私どもも議論の過程で、それから、それ以前の姿勢としても、教育の地方分権というものをどのように尊重してこれから活かしていくかということが議論のテーマだったと思います。しかし、そのことだけで全てが解決するというわけでもない。
 世界の流れを見ていますと、1999年のサミット——ケルン・サミットだったと思いますが、それ以降、サミットで必ず教育についての提言がされているわけですね。それ以降の流れで、義務教育を含めた教育というのが、どの国も国家戦略という位置付けがされてきている。非常に分権が進んでいた国々のどれも、国がどう関与するかということを非常に意識し出して、それが具体的に動き出しているわけですね。ですから、その流れを考えますと、今回の答申のこの形というのがまあ妥当なところではないかなというのは率直な感じです。この部分は、我が国も本当に大事なスタンドポイントとして意識しておきませんと、どの国も国家戦略として今教育が位置付けられているんだということですね。国が全く関係しないということはあり得ないわけでありまして、そういう意味では、財源の問題が端的にそれを表しているわけですが、答申の形がまあこれでいいのかなというのが率直な感じです。ありがとうございました。

【鳥居部会長】 では、吾妻委員、どうぞ。

【吾妻委員】 大体各委員のお話で、つけ加えることもないんですが、一応自分の言葉でお話をさせていただきたいと思います。
 先ほどから何人かの委員からお話がありました、地方6団体からの緊急声明については、おそらく全員に行ったんだと思いますけど、私のところにも参りまして、そのことについていくつか申し上げたいと思います。
 何人かの委員がおっしゃったように、中教審の不公正な運営云々ということについてですが、7月の総会のときにも、このようなことについて私は発言をいたしましたけれども、6団体の3人の委員の発言回数、発言量、これは今日まさしく象徴的だったわけですが、ほかの委員よりは圧倒的に多い。これだけ発言をされてきて、それから、会長からの指名がこれほど多くて、不公正だという言い方は、何をおっしゃっているのか非常に理解に苦しむところであります。
 そういう意味では、十分議論は尽くしたのではないか。何回も確認をしましたように、これまで40回、100時間を超えているにも関わらず、何ら議論もないままに云々という文言もありまして、これも非常に気になりました。知事会や市長会、町村会等で教育論にどれだけ時間をかけられたのかなということを考えると、地方6団体の言う何ら議論もないままにということは、どういうことをおっしゃっているのか、非常に疑問を感じながら読ませていただきました。
 それから、7月中旬の中間のまとめのときには両論併記だったのに、今回は両論併記ではなくてということでの記述があったわけですが、これは7月のいわゆる中間のころの段階で両論併記は当たり前のことで、最終段階に来たらば、やはり今若月委員からもありましたし、前回もたくさんございました、前々回もありましたけれども、これだけ議論を重ねてきて両論併記というのは意味がない。やはりきっちりと多数の意見でまとめていくべきだろうというふうに思っております。そういう意味で、ぜひ両論併記は避けて、部会としての方針をしっかりと示していただきたいなというふうに思っております。
 それから、今回の答申案についてですが、義務教育費国庫負担制度が地方の教育の自由度の妨げになっているのかという問題については、先ほどもちょっと片山委員からありましたけれども、前回の苅谷委員の発言で、きっちりとそのところは決着がついたと思いますが、ぜひこの義務教育費国庫負担制度の下での義務教育の教育改革に積極的に取り組んでいってほしいというふうに思っております。
 それから、三位一体の改革については、全然理解をしていないのではないかという地方6団体からの言葉ですが、これも何人もの委員からお話がありましたように、私どもは三位一体の改革そのものを反対しているということは、おそらく誰もいないと思うんですね。問題はその中身、いわゆる税源移譲の対象がなぜ義務教育費国庫負担金なのだ、そこが納得ができないということであります。私どもは、この義務教育費国庫負担金でないことで三位一体の改革をしてほしいということであって、そのことを何か三位一体の改革を理解していないというようにおっしゃられるのは、非常に心外であります。
 財政問題の1つとして教育を考えたり、税源移譲の対象として義務教育の在り方を考えるということと、日本の国の在り方、その中での人材育成、その根幹としての義務教育の在り方をどうしていくんだということでの費用負担を考えることとは、根本的にスタンスが違うと思うんですね。本部会は、当たり前のことですけれども、財政審議会でもなければ、税制審議会でもありません。文字どおり教育審議会、中央教育審議会であります。日本の教育をどうするのかということを前提に費用負担を考えていくのであって、税源移譲につながらないものは地方案ではないというような考え方には、到底ついていけないというふうに思っております。
 それから、先ほど小川委員からもお話がありましたけれども、教育委員会の任意設置の問題ですけれども、このことについては、9月の集中審議において結論が出ている。大勢が任意設置という考え方はあるべきではないと。ましてや、今回のこの答申案の中に脈々と流れている、国から都道府県、都道府県から市町村、市町村から学校現場、この教育における地方分権の流れを考えていきますと、これから市町村の教育委員会の役割はますます大きくなるというふうに予想されます。こういう中で、教育委員会の任意設置という考え方は、この流れに全く合致しない考え方で、今一番求められているのは、教育委員会制度の活性化、運営充実に努力をすることであって、任意設置をするかどうかというのは、全く論拠が違うというふうに思っております。
 最後にもう一度同じことを申し上げますが、これだけ長い時間議論をしてきたのですから、両論併記ではなくて、議論の総決算として、多数の意見でこの審議会の意向をまとめてほしい。以上であります。

【鳥居部会長】 では、角田委員、苅谷委員の順番にどうぞ。

【角田委員】 結論から申し上げますと、原案に賛成であります。この方向でおまとめをいただきたい。
 前回、家庭の教育力の問題で、家庭の教育が非常に大事だということを申し述べましたが、その修正をしていただきまして、子どもの育成の第一義的責任は家庭であるということがより明確になったというふうに感じております。
 もう1つ欲を言って変えていただければ、例えば、16ページの一番下から2番目のところ、学校教育の現場を預かっている校長としてなんですが、「子どもたちの健やかな心と体の育成も重要な課題である」、こういうふうに書かれているところがございます。3行ほどのところですが、これは今非常に重要な問題だろうというふうに思います。どちらかというと、学力にウエートがかかり過ぎる。もちろん、学力を高める、知力を高めるということは非常に重要ではあるけれども、やっぱり心と体の育成ということが大変大きな課題であり、重要な問題であるということから、15ページの学習指導要領の見直しの4番目ぐらいのところに挙げていただければ、この重要性がしっかり出てくるのではないかというふうに思います。
 さて、私はこの答申案を読ませていただいて、2ページの後段のところのまる、ここが非常に感心したところであります。「限られた時間の中で全力を尽くして議論を行い、答申をとりまとめた。」まさに我々はと言いましょうか、地方6団体の委員以外の方たちは全て、そういう思いで、本来の仕事をなげうってこの会議に参画をして、日本の教育、あるいは日本の子どもたちの将来のために、この席で自分の発言をしてきたんだというふうに思っております。ぜひこの莫大な時間をむだにしないで、この答申案を実現していただきたい。そして、一番最後のところに、「国民の皆様には、本答申の内容が確実に実現されるかどうかをしっかりと見守っていただきたい」という座長の大変強い思いを感じて、私はこの答申案はすばらしいものだなというふうに思っております。
 以上です。

【鳥居部会長】 どうもありがとうございました。苅谷委員、どうぞ。

【苅谷委員】 この会議の最初から、私はなぜこの議論がきちんとしたエビデンスをもとに行わなければいけないかということを言ったかと言いますと、結局、両論というものが出てきたときに、どちらの論がより正しいのかを決するのは、多数決でも何でもなくて、その事実認識というものがどれだけ正確であり、そしてロジカルな判断ができているかということが、私は最終的に物事を決めるときの、特に政策を決めるとき、将来に対して非常に大きな影響を持つ政策を決めるときには、その根拠がどれだけしっかりと国民に対し開示でき、なおかつ、その判断が正しいかどうかということが基準なんだと思います。決して多くの人が言ったからその意見をとるわけではなくて、正しい意見が通るべきだというのが私の判断です。
 そういうことから言いますと、今日の増田委員がご発言なさったことについても、発言として議事録に載せるだけではなくて、ぜひあのペーパーを、それ自体をいただいて、それを議事録の中に入れてほしい。その中にどれだけ印象面や憶測に基づく判断があるかということをきちんと私は論証していきます。そうしたことを通じて、どういう根拠に基づいて政策選択がなされたのかということを説明するのが我々、この場の委員の責任であるわけです。そのために時間がかかってしまったわけです。つまり、いろんな意見を聞くことに時間をかけたのではなくて、そのことを吟味するために、今目の前にこれだけの資料があります。これだけの資料をつくるために、どれだけの時間を使い、どれだけ精査したか。そして、そのことに基づいて、我々は正しい判断をする。
 もちろん、いろいろ情報には限界がありますし、そのときそのときの判断というものが全て絶対的に正しいとは言いませんが、比較すれば、明らかに一方の議論のほうが正しいというときには、両論併記をしてはいけないわけです。結局は、今日の議論も聞いていながら、地方6団体の方々のご意見というのは、初めにもう答えがあって、要するに、一般財源化以外は、もうこれは全て地方に対する分権化を阻むものだというような論理で今回の議論を進めてきたんだと思います。
 しかし、これまでさんざん議論してきましたように、実際には国がきちんとした財政的な負担をした上で、実質的に教育の地方分権をするためには、実は今のような、今地方委員が提案しているような一般財源化よりも、国庫負担金制度を残す中で、その総額裁量制をより使いやすくし、なおかつ、様々な行財政的な仕組みの分権化を進めていくことのほうが、はるかに地方にとっては教育の自由度が高まるわけです。これに対しても、おそらくこれだけ集められた資料を今後どなたかがきちんと読んでいけば、これも答えは1つになると私は思っております。
 結局は、今日の3人の地方委員の方から出ている意見書につきましても、実はここにもいくつか反論したいことがありまして、例えば、これは1点だけ申し上げますけれども、石井委員の出された4ページのところで、2つ目のまるのところで、突然ここでは指導要領や義務標準法などの基準・法令を地方の自由度を高める方向で見直すことが必要だという強い意見が出たとありますが、5月25日に出された石井委員の意見書の中には、これを堅持すると書かれているわけです。そういうところから照らしても、論理的にもう既に破綻しているというのは、これはもうさんざん私がここの場で論証してきたつもりです。これが、別の立場に立てば、私の申し上げていることが間違いで、石井委員が正しいというのであれば、これは両論併記になっても仕方がありませんが、そういった矛盾点や、どういう証拠、根拠に基づいて判断をしたのかということに照らしたときに、やはり正しい意見が審議会としては最終的に一本化してとられるべきだと思います。
 結局、我々は誰に対して責任を負うのか、ここでの選択というものは本当に義務教育、つまり、日本の社会にとって非常に大きな選択を我々は今ここでしようとしております。そのときに、我々がそのことに対して責任を持てるのは、どういう判断の基準を国民にきちんと開示しながら、国民に対して納得のいくような判断を下したかということに尽きると思います。そういった意味で、もうこれ以上申し上げませんけれども、結局、地方委員の出された意見というものには、そういった意味でのエビデンス、根拠がほとんどなかったということだと思います。

【鳥居部会長】 では、山本文男委員、それから阿刀田委員の順番にお願いします。

【山本(文)委員】 いろいろとご意見を聞かせていただきました。皆さんにお話ししたいのは、私どもの意見は、石井委員と、それから増田委員から出されておりますから、私はそれについては申し上げません。全く同感ですから。
 さて、この特別部会なんですけれども、私どもは、三位一体の財政改革で地方へ義務教育費の8,500億円を移せという計画を出したのが先でして、その後にこの特別部会に入ることになったんです。ですから、もう最初から私どもは、この三位一体の財政改革で、8,500億円は地方に移譲すべきである、一般財源化すべきであるということを政府にもう提出をしていたんです。そして、皆さんご存じのように、4,250億円は、本年度暫定的な措置として予算に計上されているんです。ですから、残りの4,250億円は、18年度の予算で計上するという、そういう目途の下で、この8,500億円の一般財源化というのは、協議をされて今日に至っているんです。
 従って、そこで私たちは話し合いをいたしまして、この中教審の中に地方代表を入れるべきでないかという意見がまとまりまして、これを文科省のほうに提出をしたと思います。ところが、皆さんは、人は替わっているかもしれませんが、反対されました。承知をしてもらえなかったんです。最初は1名だけ入ってこい。1名は知事会代表だけでいいと。それで、だんだん話をしているうちに、それでは納得できないと言ったら、あと、それなら市長会と町村会から1名ずつ出てこいと、こういうことなんです。3つの団体があるのに、2人を出して1人はやめとけということはできないわけです。従って、いろいろ話をしているうちに、いつの間にか3名を入れるから入ってこいと、こういうことなんです。だから、私はこの前のこの会でも申し上げましたが、好きで入っているんじゃありません。嫌で嫌で仕方がないです。今でもそう思っています。ですけれども、入った以上は、当然、この私どもが決めた三位一体の財政改革の計画、いわゆる計画を主張するのは当然のことなんです。ですから、8,500億円を地方へ移してくれ、一般財源化をしてくれと、こう言っているわけです。具体的なことについては、議論する時間もありません。意見を申し上げる時間もありませんけれども、そういう経緯で入ってきたことは、皆さんもご承知だと思います。
 従って、今日石井委員は私ら3人を代表して意見を出していただきました。それから、増田委員は、前回お休みになっておったので、今日改めて意見を出されたんです。意見を出したんです。悪口を言ったんじゃありません。2人とも意見を出したんです。意見を出したことが皆さん方の意に反するところもあるかもしれませんが、最初私が申し上げた、いわゆる地方団体が三位一体の財政改革でこう決めたんだと話をしたのは、その趣旨に基づいて意見を出したわけですから、従って、皆さんたちから非難されるようなことではないと思うんです。だが、さっきからずっと聞いておりますと、増田委員が出された意見については非難ごうごうなんですね。非難です。ここは非難をする場所であるならば、なぜ最初から教えておいてくれませんか。そうすれば、私は、非難なら上手なんです。ところが、この非難をするところではないと思いましたから、最近は言わなくなったんです。だから、非難をされるために意見を出すばかはおりません。意見を出したんですから、その意見は素直に聞いてあげていいじゃないですか。それを採択するかしないかは別の問題ですよ。そういうふうに思います。だから、特別なことを言ったのなら別ですけれども、特別なことは言ってないわけですから、意見は意見として聞くべきだと私は思います。それがどうも欠けているような感じがします。
 だから、私どもが申し上げておるのは、2つしかありません。1つは、これを一般財源化するようにしてくださいよと言っているだけ。もう1つは、いろいろなことを申し上げましたけれども、一般財源化をしてくれということと、それから、もう1つは、地方側のいわゆる学校の義務教育の権限について考えてほしいと。例えば、人事権など、あるいは教育委員会等について、こういう改革をしてほしいということを申し上げてきたんです。それから、もう1つは、文教施設の改築については、やはりこれは地方へ移譲すべきではないか、一般財源化すべきではないかということを出したわけです。だから、特別にほかのことを言っているわけではありませんので、それらがいいか悪いかの協議をしてもらったら、私どもの立場としては、それでいい。
 ところが、先ほどから教育論でいくんだと、こう言うんです。教育論だけでいけるならば、こんないいことはないじゃありませんか。財源のいらない教育論だけで公教育ができるなら、こんな立派なことはないと私はさっき思いました。しかし、教育論から、だから、こういう教育をするためにこの財源が要るんだと、こういうことになるだろうと思われますけれども、私たちはそこまで入って、専門家ではありませんから、それで意見は差し控えておこうと私は最初から思っております。ただ、三位一体の財政改革でこういうふうにしてほしいということだけを皆さんにお願いをしようということで今日まで来たところですが、しかし、地方側のまとめた意見というのは、石井委員や増田委員からずっと出されておりますので、それをどう採択するかということです。
 ところが、皆さんたちの意見は、一本化をすべきであり、多数決でやれということ。初めから異分子が入ってきたような取扱いをしたじゃないですか。だから、我々3人というのは、多くの皆さんたちと意が合わないところが多いことは承知をしておりました。だから、さっき申し上げたように、途中から入ってきたんです、私どもは。最初から入ったんじゃないじゃないですか。だから、何かもう、おまえらは要らん者だというような感じを受けたんです、私は。だから、多数決でやれやれと言うのは、はっきりして、3対20か30あるじゃないですか。だから、そうなれば、もう明らかなんですよ。そういうことでなしに、もう少し地方の意見を尊重していただいて、両論併記で出していくことが大事なことではないでしょうか。いわゆる国としてどうするかの問題なんです。大事なことだと思う。
 ただ、申し上げておりますように、私たちも将来の小中学生の成長とか、あるいは日本の国の将来のことや、あるいは地方がどうあるべきだということなどが、それらを十分考えた上で発言をしているつもりでございます。ただ、表現が下手くそですから、意にかなわないところがたくさんあったかもしれませんけれども、それを多数決で一本化をやるというのだけはやめてほしいと思います。これは、私は、こういう審議会ではそういうことはできるだけ避けるべきだと思います。だから、意見は意見として尊重していくことこそ大事なことではないでしょうか。
 そういう意味で、私ども長くは申し上げませんが、ぜひともこの私ども地方の言っている意見を取り上げていただいて、少数意見なら少数意見で結構ですから、意見としてこの答申の中に入れていただく、そういう配慮をぜひとも皆さんにお願い申し上げて私の発言とします。終わります。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。それでは、阿刀田委員、どうぞ。

【阿刀田委員】 偶然、次に発言することになったんですが、私は今のご意見を聞いて、増田委員に非難が起きたということはなかったと思います。同じように、皆さんはその意見を傾聴した上で、意見を申し上げたことであって、非難をしたということもないし。それから、この部会で、少なくともかなり多くの方々が、異分子が入ってきたという形でお三方を見ていたということは、私は絶対なかっただろうなというふうに感じております。
 私は教育については全く素人です。何にもわかりません。そのかわり、また利害関係も全くどこにもない。で、私がなぜここにいるんだろうということを何度も考えましたけれども、それは、ただ普通の人として、不公平がなされていないか、意見がちゃんとくみ取られてバランス感覚というものが反映されているかということを見ていろよという立場だろうと思うんですね。そういう立場から考えて、今の何人かがおっしゃったのは、増田委員に対する非難であったとはとても思いませんし、それから、3人の方を異分子として考えていたという経過は、この長い時間の議論の中になかったんじゃないかなと、普通に見れば、そういうふうに考えてよいような状態が続けられてきたんじゃないかなと思います。
 今申し上げたように、私、教育の細かいことは本当にわからないんですが、日本の今の教育に関して、これだけ関心のある方々が集まって、これだけ長い時間にある結論に達しようとしているということは、よくも悪くも、これが日本の教育の英知なんですね。これは大きな意味で間違っているかもしらないけれども、このあたりができる英知の限界なんだろうと思います。
 私は今日のペーパーは残念ながらまだ目を通していないんですが、前段階での鳥居会長がまとめられたものを読んで、まずまず今までの意見が概ね取り入れられているリポートだなというふうに感じております。むしろ、これからは、このリポートに沿って最終答申案とするか、ここに対して、さらに6団体の方から具体的な意見が提示されておりますが、これをどう配慮するか。ほかの委員の方々の中に、自分だって言いたいことはあるんだ、ペーパーで出せと言われたら出したいものはあるんだけれども、まあ総意としてこのあたりで控えていると。また、一方、石井委員からは、はっきりとした提案も出ている。この辺をどう最終案に取り入れるのか。あるいは、もうこのあたりで、言い始めたら、皆さんそれぞれいろんなペーパーが出てくるから、そういうことはよほど強い意見でない限りは、まあこの辺のところで集約するほうに向かうかということの論議を、この後、少しなさって、集約的なものにまとめるのがよろしいのではないかなというふうに考えております。非常に大ざっぱな意見ですが、そんなふうに考えております。以上です。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。それでは、藤崎委員、どうぞ。

【藤崎委員】 私のほうからは二、三、意見を申し上げますが、まず基本的には原案に賛成です。
 それから、三位一体の改革も大切ですし、地方6団体の方々のご意見も、何回も伺いました。今日もたくさん伺いました。さらには、教育を大事にしているということも十分承知しております。ただ、残念ながら、なぜ義務教育費が対象であったのかということは、もう最初からそうなんですが、これについては、やっぱり納得いかないというところがあります。まして、地方分権を進めていくことは大事であり、メリットは当然ありますけれども、不安定、不公正の危惧が強い。
 私は、義務教育段階で地域による特色を持つことは大事だと思うんです。それはいいと思うんですが、あんまり全国でばらばらになってしまうというのは好ましいことではない。義務教育においては、ある一定の基礎基本を身につけるということ、心や体、これをたくましくするということ、これはもう共通でなきゃならんというふうに思っております。
 それから、少数意見は当然尊重されるべきですし、これまでも何回も伺ってまいりました。ただ、100時間を超す審議の中で方向性を出せない中教審であってはいけないというふうに思っています。先ほどもありましたけれども、正しい判断をした、それぞれが一生懸命意見を聞きながら、判断をして意見を表明しているわけですから、その多数意見は、少数意見も尊重されるべきだけれども、さらに尊重されるべきではないか。
 私も見ました、今朝千葉県の意見広告。それから、各団体のヒアリング、これもたくさんの方が、堅持をしてくれということをおっしゃっていました。それから、本中教審でも、多くの委員の方々が、様々議論を交わしながら、その中でそういう意見を表明している。やはり多数意見を中教審の方向としてきちんと示すべきだと思います。
 それから、最後に1つお願いになります。教育課程部会になると思うんですが、前からちょっと気になっていたんですが、この15ページのところに、学習指導要領の見直しというところがあります。その2つ目のところに、「各教科の到達目標を明確に示すことが必要である」。そのとおりだと思うんですけれども、各教科の到達目標を具体的にどのように示すのかなというふうに心配になります。ですから、あまり細かすぎてしまうと、これは子どもも先生も意欲的に学習に取り組めるようになるんだろうかという心配があります。ですから、この辺は、必要なんだけれども、どのように示すかというところについては、十分にご議論いただいて、教育課程部会のほうで、子どもたちや先生方が意欲的に取り組めるような目標設定にしていただきたいなというふうに思います。
 繰り返しになりますけれども、本中教審ではみんなの意見をきちんと示すべきだというふうに思います。以上です。

【鳥居部会長】 最後におっしゃった問題は、木村副部会長が部会長をしている教育課程部会のほうで今審議中なんですね。おっしゃるように、科目によって教えなければならないことの基本というのの書き方が、若干やっぱり差があります。例えば国語は、これだけの漢字は最低限度覚えてくださいという漢字は、別表になって載っています。ところが、片仮名や平仮名はどこにも載っていない。教えなければいけないということ自体が、もう当たり前のことだから書いてないというようなことが一方にあるかと思うと、音楽のように、この曲とこの曲とこの曲はぜひ教えてほしいという曲が、ちゃんとリストとして載っています。そんなわけで、いろいろこれから調整が必要なんですね。そういう意味で、最低限度というのをどう書くかというのは、また先生にもご教示をいただきたいというふうに思っています。

【藤崎委員】 よろしくお願いします。

【鳥居部会長】 加藤委員、手が挙がっていましたが。

【加藤委員】 もう時間もありませんので手短に申し上げますが、私もこの本日示されております答申案の方向でまとめていくということと、それから、審議についても、概ねここでもう打ち切ってよろしいというふうに考えております。
 これは、私も今回の地方6団体というよりも、この8,500億の問題、それから三位一体改革、この問題について、私自身は、度々申し上げましたように、教師の質とか量とか、そういうものとの関係で言えば、今の制度が必ずしもベストなんだろうか、ほかにもっとちゃんと決めておかなければいけない部分があるのではないかという姿勢で臨んでおりましたのと、それから、三位一体改革という考え方の枠組みは必要であるし、あるいは、地方分権、それから地方の自主性をもっと認めていくという方向も大変大切であるし、そういう意味で、これを機会に、どのようにこの議論を進展させていくのかという意味で、つとめてニュートラルに臨んできたつもりでおります。
 一例を申し上げれば、地方分権、財源の問題だとおっしゃるんですが、これも実は地方の事務で国が金を出しているものは20兆円ぐらいあるわけですから、3兆円という数字も、8,500という数字も、ほんの通過点であるかもしれません。そういう意味で、これをひとつテーブルに載せて、どこかで枠組み自体を考えることができれば、もっと違う議論ができたかもしれないと思うんですが、それは、この中学校部分というのは一切譲れないという地方6団体の皆さんの姿勢の下に、そういった可能性は消えたと思っております。
 そういう意味では、今回の議論経過を考えますと、私は、義務教育費の費用負担について、これは国が負担していくべきであるという、この方向性からすれば、今回の方向性で私はよろしいと、こういうふうに思います。
 ただし、今出ておりますように、やはり各論の中にいろんな意見も、地方団体の皆さんの意見も入っているということでございますので、これはこれとして、やはり今後の参考にしていけるものだと思いますし、それから、私自身が、この中に書いてある、例えば、ときどき申し上げているように、いわゆる「ゆとり」という言葉自体との決別とか、あるいは免許の更新制でありますとか、それから評価制度、こういったものに、いろいろ留意点は書いていただいているんですが、私は、例えば更新制について言えば、そもそも更新という考え方自体に賛同できないところがありますので、例えば、賛否をとると言われたときに、果たして手を挙げていいものかどうかという悩ましさもございます。従って、私は、ここは全体の、今多くの方々のご意見がこれだけ集約されてきたということを考えれば、多数決というような形はとるべきではないのではないかというふうに思っておりますし、また、地方6団体の皆さんも、これだけ意見を出され、そして、みんなが耳を傾け、そして各論のほうにこうして示してあるということを大いに多とされて、全体を取りまとめ方向にすることについては、私は了とされるべきではないかなというふうに思います。以上です。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。それでは、野中委員、どうぞ。

【野中委員】 まず、本当に膨大な会長のご努力に敬意を表します。ありがとうございました。
 答申について、とりわけ8ページに二分の一という形で明記をされたこと、私は賛成をいたします。片山委員が、そもそもこの費用負担を軸にした議論になったことが冤罪でもあるし、非常に不幸なスタートだったという前回もおまとめをいただいたこと、それから、苅谷委員のこのエビデンス・ベースト、そして、ここが非常に大きな21世紀の日本の国づくり、あるいは国民のためのという重大なところにあるということ、私、全く意見が同じでございます。
 さはさりながら、同時に、私も1つの小さな企業の構造改革を今やっておりますが、この当たり前を変えるというのは、本当に大変な作業です。でも、そのときに当たり前を変えるというのは、実は専門家が変えられるのではなくて、現場にいる人が変えなきゃいけないという、この自覚を持たない限り、今までの文化であるとかシステムを変えることはできない。それを一番人間にしてインパクトを与えることができるのが、実は金です。財源です。ですから、財源を移すということをひとつ全く教育ということを除外して考えても、一般論として申し上げますが、これをやらされるぞと。これは、ここについて責任を持たなきゃいけないぞというアナウンスメント効果は、人を変えるのに一番インパクトがあるということはもう事実だと思います。
 そこにおいては、今回議論をされているものは、教育と財源、これ、戦後60年の節目に当たる象徴的な議論だなと思って、私、肉体的に参加することがかなわないことが多かったんですが、都度都度ご報告をいただいて、必要があるときには事務局に意見をさせていただいてまいりました。それで、審議会の在り方そのものまで、前回においては各マスコミにおいても取り上げられたと。その意味においても非常に意味のある中教審の審議の100時間であったというふうに思っております。
 そこから言いますと、最後、私の意見ですけれども、この教育をめぐる文部省を中心としてきた60年、それから、国の財政の在り方、大蔵省を中心としてきた地方と中央の在り方、これが同時に語られた審議会であったというふうにも思います。そのときに一番自覚しなければいけないのは、教育においても、財政の在り方においても、国の在り方を決めるのは、もう専門家の先生たちがやるものではない。政治家の先生たちが決めるものではない。すべからく国民一人一人が選んでいく時代なのだという、そのことを我々、この審議会は今発信できる状況にあるというふうに思います。ですので、例えば、納税者であり、それから、選挙権のある市民が決めていけることなのだということ、これがやはり行間の最も重要なメッセージになるのではないかというふうに私は考えました。
 そこからしますと、先ほど田村委員が国家戦略とおっしゃってくださった。義務教育の国家戦略、今、今年生まれた子どもたちが義務教育を受けるのは、2011年です。これ、上海万博の年なんです。そこから6年間の義務教育、そして3年間の中等教育のこの義務教育ですね。そのときの世界で、我々が今議論している事柄が、本当に我が国の義務教育の構造改革と言えるに値するものかどうかということが、1点だけ私にとっては気になります。
 これは日本の国民が国際人として生きていけるようなというような言い方ではなく、この時代における日本の義務教育を受ける子どもたちの数は、アジアの中でどれだけ貧弱な数字かというのは、もう今年生まれている子どもたちの数は決まっているわけですから。そこからすると、納税者ということから言いますと、アジアの国から、今、私どもの工場でも、工場のブルーカラーのラインに日本国籍の人たちは少ないです。マイノリティです。そうなると、労働力として、すぐれた労働力提供を各国から受け入れるときに、若い人たちが、あの国へ行ったら自分たちの子どもがいい教育を受けられると。つまり、日本国民——これは教育基本法の問題にも関わってくるかもしれませんが、日本国民としての教育を超えて、人間力をつけるための義務教育の部分のコンテンツと教育システムがすぐれたものを持っているかどうかというのが、国際的にも問われてくる時代が、もう2010年以降は始まってくると思います。
 そのときに、やはり私は、これは教育基本法の問題にもなると思いますが、この国には国際的に通じる地球人、あるいは人間力をつけられるものがあるというようなことを含めて、そろそろお支度をするべき時代に入っているのではないかというのを併せて、私のこれは全く議論に上っていない視座からの意見かもしれませんから、載せていただく必要はないかもしれません。ただ、そんなふうに思いましたので、感想として言わせていただきました。
 以上です。ありがとうございました。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。
 高竹委員が挙手がありましたけど。

【高竹委員】 私も今回の答申に賛成です。負担率2分の1維持ということで。
 ただ、この内容の中で、私は、この答申というのが本当にどうあるべきか、両論併記ですね。これについては、両論併記はしていただきたくないと思っています。この義務教育特別部会の中で大勢を占める意見が義務教育特別部会の答申という形であっていただきたいと思います。
 それから、特にこの特別部会というか、今日の部会ですけれども、私たちは、今の子ども、そして未来の子どものためにこの会議をやっています。で、今日ここに子どもを連れてきて、子どもに見せると、いかがでしょうか。とても子どもには説明できないと思うんですね。ぜひそういう、子どもに対してもちゃんと説明できるような答申であってほしいし、特別部会であってほしいな。多分、これを子どもが見ると、学校で言うと、学級崩壊しているというふうに見られるかもしれません。以上です。

【鳥居部会長】 あと時間があまりないんですけれども、ご発言のなかった方で、横山委員、それから、無藤委員、山本恒夫委員、赤田委員とお願いします。では、横山委員、どうぞ。

【横山委員】 結論的に申し上げますと、今回出されました答申案をそのまま答申文にしていただきたいと思います。
 私は、その義務教育という議論を始めますと、先ほど田村委員がおっしゃったように、どうしてもそれが国家的な課題であると、ある意味では、国家経営上の問題であるという意識がぬぐい去れないんです。と言いますのは、例えば、これ、地方自治法に地方自治体の行うべき業務というのは列記されているわけですが、その中の言葉に、義務教育という言葉がある。いろいろあるんですが。そこに書かれた全く同じ言葉が、憲法に出てくるのは、義務教育だけなんですね、憲法26条。それだけ重いんです。
 その義務教育を、じゃあ誰が決定するのか、内容を誰が決定するのかと言いますと、これはいろんな議論がありますが、これはもう最高裁の判例で、国家だと決まっているわけですね。それだけ、この義務教育に対する国家の責任というのは重いんです。他の自治体でできるような事業とは、やっぱり私は違うと思うんです。無論、だからといって、義務教育が地方分権の議論にのらないとは申し上げているわけではないんです。ただ、普通の自治体行政とやはり義務教育は違うんだろう。国家のほうは責任の重さは違うんだろうと思っています。
 そんなことを考えまして、これまでの経緯を考えますと、本年2月にこの義務教育特別部会が開催されて以降、まさにその義務教育の理念・目的から議論を始めました。まず、その財源負担ありきで始めたわけではないわけで、そういう理念・目的から議論を始めまして、まさに国家的見地から義務教育制度の重要性をこの部会で確認をしてきた。その確認をした上で、義務教育制度を憲法の要請でございます機会均等、あるいは教育水準の確保、無償制、こういう義務教育の根幹を維持するために、その主要財源は安定的財源であることが必要である、こういう結論になって、そのためには、現行の義務教育費国庫負担制度は堅持すべきであるというのが、多分、この部会の大勢の意見であったろうと、私自身は思っているわけで、そういう意味から、そういう内容を盛り込んだ答申案、これについては全面的に賛成ですし、そのまま答申文にしていただきたい、それが結論でございます。以上です。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。赤田委員。

【赤田委員】 私は、この答申に関しては、義務教育に関する費用は全額負担をしていただきたいと思っておりましたけれども、現行の2分の1ということで、これは明記していただきましたので、これはまあしょうがないかなと思っております。
 やはり私たち保護者としましても、この4ページの(2)の箱の中にあるように、「我々の願いは、子どもたちがよく学びよく遊び、心身ともに健やかに育つことである」という、まさにこのとおりでありまして、その環境づくりを私どもはしっかりとしていかなければならないと思っております。
 ここに教科書の無償制度等、その明記もありましたので、私としては、このまま両論併記ではなくて、この答申を進めていただきたいと思っておりますし、私は一番最初の会議のときに、保護者の代表といたしまして義務教育費国庫負担制度堅持ありきではないということを申し上げました。安心できてしっかりとした制度があるのであれば、国であろうと、地方であろうと、どこでもいいんだと。保護者としては、地域格差が出ないように、しっかりとした制度であればどちらでもいいというお話を冒頭申し上げました。その中でいろいろと議論を重ねていった結果、私は、やはり多数決の意見ではなくて、正しい意見、子どもたちのためにはどうあるべきかといった意見が、この答申の中にしっかりと盛り込まれていると思っておりますので、この答申をこのまま進めていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。
 では、無藤委員、どうぞ。続いて、山本恒夫委員、どうぞお願いします。

【無藤委員】 私もこの報告書のままで出すべきだと考えますけれども、特に私の理解では、この部会というのが、義務教育における国の責任の在り方と地方分権化をいかに両立させるか、その位置付けにあったというふうに思います。その議論の過程の中で、例えば、インプット、プロセス、アウトカムと分けて、そのインプットの中の非常に重要な項目として、当然ながら義務教育経費があり、それが質の保証につながるために、最も今のところよい方法として、この国庫負担金の維持というものがあるわけだ、そういう十分な議論と、それを支えるエビデンスが出されたと私は考えますので、結論的に賛成いたします。以上です。

【鳥居部会長】 では、山本恒夫委員、どうぞ。

【山本(恒)委員】 2つほど、簡単に申し上げますが、1つは、おそれを感じている点を申し上げ、そのおそれに基づいて、今回のこの案について申し上げたいと思います。
 まず第1のおそれというのは、教育の世界に政治の争い、あるいはイデオロギーの争いを持ち込むべきではないということを申し上げて、その点、またそのおそれが出てきているのではないかということを申し上げたいと思います。戦後50年、教育界に政治が持ち込まれて、それが教育をどれだけ荒廃させたか、不毛なものにしたかということは、皆さん、いろいろなところでお聞きになっていると思いますが、そのとおりだと思います。その辺を、渡久山委員たちが大変な努力をなさって、ようやく克服した。これからは教育のことがいろいろ語れる、あるいは進められると思ったら、また途端に政治が持ち込まれてきているようなおそれを感じます。ギリシャ以来、そういうものがもたらした苦い経験があるからこそ、近代の国家は、教育と政治の分離ということを図ってきたんだと思います。私も、今は改革の時代だと思います。しかし、そういう中で、大きな歴史の流れに逆行していくということをおそれております。
 そのようなことをもとにして、今回の答申について申し上げますと、もう委員の方々いろいろおっしゃったんで、名前を挙げるのは省略させていただきますが、やはり今回の問題は、政治的理念論で答申をまとめるか、それとも、具体論でまとめるかの争いだと思います。多くの委員の方々は、その政治的な理念は理念として、それはそれとしてあるのではないかとした上で、具体的にどういうふうに進めるか、どういう危険を克服するかという具体論で今回のこれを取りまとめることについて議論をし、今のような答申案に賛成したんだと思います。私もそれでよいと思いますし、この案で総会に持っていっていただければと思います。
 しかし、政治的理念の問題というのは常に残ります。それはそのとおりで、永遠の神々の争いであります。ですから、また総会で意見を披瀝していただくというようなことはいいと思うんですけれども、その中に具体的なものがあればいいですが、ほとんど具体的なものはもうこれまでの論議で尽きておりますので、この原案で持ち上げていただければと思います。
 以上です。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。時間があんまりありませんので、千代委員、一言で。

【千代委員】 もう2度目の発言ですので、簡単に申し上げます。
 29ページに教育委員会と教育長との関係というのがありまして、教育委員会制度の在り方において大分議論したんですが、教育長の選任の問題と同時に、教育委員会のリーダー役である教育委員長の役割分担、これは地方教育の中心になっている理念の形成を行うのは、やはり教育委員長であろうと思っております。教育長は執行に当たる部分でありますから、今までその問題が教育委員会制度の論議の中でもあいまいになっており、また、教育長の二足のわらじの問題もあります。従いまして、このあたり、教育委員長としての役割というのを、できれば補足しておいていただくと、今後の検討の課題になるのではないかと、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【鳥居部会長】 今おっしゃったことは、29ページの書き方で言うと、下から3行目、「このため、教育長が教育委員の中から教育委員会によって選ばれるような現在の教育長の位置付け・選任方法は見直すことについて、今後引き続き検討」ということでよろしゅうございましょうか。

【千代委員】 ええ。そこに教育委員会によって選ばれるというんですが、教育委員会の中心になっている委員長の役割というのも、少し配慮すべきではないか。

【鳥居部会長】 今後引き続き検討の中に、実はそれも入っているつもりではあるんですけれども、平成10年の中教審の答申と現行とがずれていることをおっしゃっていると思いますので、検討させていただきます。

【千代委員】 はい。

【鳥居部会長】 それでは、増田委員、どうぞ。

【増田委員】 簡単に申し上げますけれども、先ほどは内容の話ばっかりしたんですが、今、手続の話が随分出ておりまして、両論併記でなくて一本化というようなことがほとんどの委員さんから出ておりますけれども、私、先ほど来言われているように、会長さんが我々の発言を十分に確保してくれた点については、大変ありがたく思っておるんですが、その流れから言いますれば、絶対に私はここの場合、両論併記をしていただきたい。我々の意見が本論に出なければ、今までせっかく発言の機会をいただいたことが何も記録に残らないということになる。各論では私はだめだと思いますので、ぜひ私どもの意見は両論併記という形でお願いしたいと、これを強く求めます。

【鳥居部会長】 それでは、今、先に藤田委員が手を挙げましたけれども、石井委員、どうぞ。

【石井委員】 審議が大詰めだということでございますので、まとめて私の意見を、問題点をお話をしておきたいと思うんですが、まず内容的に、この案は我々は賛成できないんですけど、その理由は、地方案を活かすという政府・与党合意の求めております、費用負担についての地方案を活かす方策、これが全く示されていないということ、このことは部会長も度々審議の中で委員の皆さんにどうでしょうかと言われたんですが、その議論が全く進まなくて、それが全く我々の地方案が活かされていない、無視された形でまとめられようとしているという、内容的に極めてそういう面では、我々はこの内容では断固これは受け入れることができないということが1点です。
 それから、審議会について、私はちょっと先ほど申し上げたんですけれども、審議会というのはそもそも何だということなんです。私も知事という立場で、いくつか審議会、もちろんありますが、その中でも、いろんな意見が出ます。いろんな意見が出たら、それはいろんな意見の集約の方法はありますよね。多くの意見、それから、一方、こういう意見があったとか、あるいは、こういう方向で検討すべきであるとか、いろんな表現が工夫はできると思うんですけれども、いずれにせよ、いろんな出た意見は、審議会というものの性格上、少数意見も明記をするなど、十分それらも配慮しながら運営というものは行われるべきだというのが一般論だと思うんですね。
 特に、この中央教育審議会というのはどういう審議会かということになれば、申し上げるまでもなく、文部科学大臣の諮問に応じまして、調査・審議をして、そして、それに意見を提出するという、こういう役割なんですね。だから、調査・審議をして、いろんな意見があります。それをそのまままとめて文部科学大臣に意見を述べて、いろんな意見があったと。その上で、文部科学大臣が政策的にどういうものを内容として採択をされて、そして、政策に移していくかと、こういうことなんだと思うんですよ。
 逆に言いますと、この審議会は、教育施策につきまして、自ら政策を決定し、そして執行するという、そういう機関ではないんです。国会の国会議員が、国の最終的な意思を決定する。県議会の議員が、その県の施策を議決という形で決めていく。こういうものとは全く性格を異にするということでありますので、そういう審議会として、従って、必ずしも意見を一本化しなければならないという、そういうものではないんじゃないかと。それが、だから、審議会の運営として公正な方式というのはそういうものなのではないかということを、私は最終意見として強く申し述べたいと思うんですね。
 それで、皆さんの中、ご意見をいろいろ聞いておりますと、残念ながら、我々地方団体側の3人以外の皆さんは、この多数の意見に賛同だというようなことでございました。しかしながら、中にはいくつか、このまとめ方について意見がありましたよね。と申しますのも、皆さん方のこの答申案、私、論理的におかしいと思うのは、36ページをご覧いただきますと、今、片山委員は席を外されたんですけれども、度々おっしゃられておりますとおり、36ページの我々知事会の意見をまとめた際、いわゆる地方6団体の案を決定した際に、確かにいろんな意見がありました。反対意見、あるいは慎重意見、13都県の知事の意見ということが、下から2つ目に書いてありますよね。これは、我々、もっと正確に書いてほしいという意見を述べておりますが、採択されておりませんけれども、いずれにいたしましても、こういう意見があって、従って、知事の中にもいろんな意見があったということを、皆さん、度々引用されているんじゃないですか。すなわち、付記意見ということで、我々地方団体もまとめたんですよ。付記意見という形でやってきた。そして、それが民主的な決定の中において、しかし、こういう意見があったということはしっかりと明記をして、そして、今後のいろんな議論に参考に供する、これが普通民主的な審議会の運営ということで、1つの方法ということで、我々は採択しました。
 しかし、今回の皆さんの意見を聞いておりますと、何人かの委員の皆さんが、付記意見という方法もあるのではないんでしょうかということを、今回、あるいは前回の中でもご発言があったというふうに私は承知しておりますけれども、そういったことはどのように部会長として、この付記意見という方式についてはどのように思っておられるのかと。これは、我々賛成だということではありませんけれども、お聞きしたいと思います。
 いずれにいたしましても、このようなことで、裁決によって仮にこの内容を決定していく、我々の地方の意見を排除するということになるといたしますと、これは審議会の公正・公平なる運営とはほど遠いと言わざるを得ない。そういったことから、私といたしましては、こういう不公正運営に関しましては断固反対をし、強く抗議をさせていただく、こういうことになると存じます。

【鳥居部会長】 部会長に対するご質問もありましたけれども、その前に藤田委員の手が挙がりましたが、どうぞ。

【藤田委員】 最終的に、この取りまとめがどうなるのか、どういうふうに今日結論が出るのかわかりませんが、先ほどから、表現上の細かな点で検討していただきたいという要望が出ておりましたので、その点で私もお願いしておきたいと思います。もし今日基本的にこの線でいいという結論になるなら、あるいは、何らかの結論が出るんだと思いますが、その上で、表現上の修正を行うことがあるようでしたら、16ページなんですけれども、真ん中のまるのところに、「指導方法については」というところで、2行目の「個に応じた指導を積極的に実施する必要がある」と書かれているんですが、微妙なことですけど、「積極的に」の次に、「かつ、適切に」と入れていただければと思うんです。もちろん、この扱いはお任せします。
 と言いますのは、習熟度別学習は、今ではもう7割以上普及していますが、これについては、いろいろ賛否両論、研究上も実践上も現場においても賛否両論のあるところで、最終的にどういうやり方にするかを含めて、いろいろ議論の分かれるところですから、こういう文章にこだわるべきではないという議論もありうるでしょうが、往々にして、こういう答申の中に明確にこう書かれますと、それが根拠になって、実際に政策決定や行政運営が行われるというようなことになりかねませんので、ご検討いただければと思います。
 もう2点なんですが、次のページ、17ページのエ、関連する課題というところで、1番目のまるの1番下の行に、「自然の中での長期の集団宿泊体験の機会など」とあります。これは「など」ですからいいようなものなんですが、これは、実は教育改革国民会議のときにも非常に大きな問題になりまして、長期の奉仕宿泊体験を義務化すべきかどうかということをめぐって随分議論になり、結局、「長期の」という表現は削除されました。従って、もし検討していただけるなら、この「長期の」という表現は取っていただければというふうに思います。それと、その次の次のまるで、「教育活動の充実のためには、子どもたちが過ごす学校の規模が適正であることも必要と考えられる」とあります。これは「考えられる」ですから問題ないとも言えますが、いわゆる小規模校の教育上のメリットや、特に過疎地における学校配置の問題等を含めて検討すべき点が多々あります。ですから、この辺のところはこういった適正な規模も考慮しながら、各地域が自主的に編制するというような趣旨のことをご検討いただければと思います。これはあくまでも修正意見というよりも、ご検討いただければということであります。

【鳥居部会長】 わかりました。

【藤田委員】 あと、先ほどのこれからの進め方に多少関連するんですが、私は、基本的には、今の各論の中に既に随分既地方六団体選出の委員の方々からの意見は反映されておりますから、これをきちんと読めば、どういう考え方が対立していたかということは十分にわかると思いますので、それ以上のことを総論や枠内に書く必要はないというふうに思います。

【鳥居部会長】 山本委員、簡単にお願いします。時間がもうないので。

【山本(恒)委員】 運びのことで簡単に申します。
 今までの中教審の審議でも、やはり多数意見の場合には、その多数意見でまとめて、今回のように少数意見でどうしてもというのはたくさんあったと思うんですが、そういう場合には、それを否定するのではなく、それは総会に持ち上げてくださいと、総会でご意見を言ってくださいという形で来ていると思うんです。ですから、多数決というよりは、今のような石井委員のご発言等がありますから、それは、総会に持ち込んでいただければいいのではないかと思うので、これでまとめていただいていいと思います。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。
 石井委員からの私へのご質問なんですが、むしろ私がお答えするためには、はっきりしなければならないのは、今日提出されたお三方の名前での文書は、修正意見なのかどうか。で、修正意見を採択するかどうかという問題と、それから、それとは別途、付記意見をつけることを求めておられるのと、両方求めておられるように聞こえるわけですが、どっちなんでしょうか。

【石井委員】 付記意見を求めているものではございません。私たちは、地方6団体ではそういうことをやった経緯もありますということを、参考までに、この文書の中にそれを引用されているのであれば論理的におかしいんではないでしょうかと、そこを申し上げたいわけです。私たちはあくまで修正ということで両論併記の形、多くの意見、あるいはそれに対してという表現ぶりはお任せしますけれども、結論部分の枠囲みの中に我々地方の意見を何らかの形で記されたい、これが私も増田委員も山本委員も共通の地方側の修正意見ということでございます。

【鳥居部会長】 今のご発言なんですけれども、どんなふうに扱ったらいいかについてご意見がありましたら。修正意見を、要するにこの紙ですね、お三方の名前で出された紙、修正意見を四角の枠の中に入れるべきところは入れろというわけですね。

【藤田委員】 私は、先ほども申し上げましたけれども、四角の中は、この部会として基本的な方針を明示するものでありますから、両論併記的な意見の述べ方はすべきではないというふうに思います。基本的には、この結果を踏まえて、どういうふうに判断するかは、審議の内容は各論の中に十分に出ておりますから、そういったことも勘案して、中教審の答申を受け取ったところで判断してくれればいいことだと思います。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。若月委員、どうぞ。

【若月委員】 この経過報告の79ページを見ますと、三位一体の改革の章があります。ここには、もうご案内のとおり、「こうした問題については、平成17年秋までに中央教育審議会において結論を得る」と書いてあります。両論併記は結論ではないわけであります。私はやはりきちんと今回の皆さんの総意を表した、今日お示しいただいたこの表現を変える必要はないと思います。

【鳥居部会長】 苅谷委員、どうぞ。

【苅谷委員】 私も今の意見に賛成です。やはりここで明確に一本化した結論を出すべきだと思います。

【鳥居部会長】 どうぞ。

【吾妻委員】 私も前回も申し上げましたけれども、結論を得るということですので、両論併記ではなくて、やはり多数の意見で、この枠の中は修正意見を入れるべきでないというふうに思います。以上です。

【鳥居部会長】 渡久山委員、どうぞ。

【渡久山委員】 私たちは、前回の40回の総会で、今の話はやったんじゃないですか。あの結論が一応出たときに、それではだめだと。だから、2分の1をきちんと書いてほしいと。それから、両論併記じゃなくて、きちんと結論を得てほしいと。こういう要求が多かったと思うんですね。それに従って、今日これが書かれていると思うんですよ。ですから、前回の我々の多くの意見が、今日そのような形で記述されていると、こういうように思いますので、今日の意見で私はいいと思いますし、賛成です。

【鳥居部会長】 どうぞ。

【山本(文)委員】 それでは、私ども納得できないんですよ。だから、さっき石井委員が言ったように、付記で入れてもらうか、それか、どうしてもそういうことをやるならば、「地方側委員3名は反対である」と書いてください。それなら、それでいいです。それのほうがかえっていいんです。何のためにここへ来たかさっぱりわからないような結末をつけられたのでは、私ども、立場上困るんです。ですから、付記がだめならば、もう私ども3名は、名前を書いて結構ですから、「地方側委員の誰々は反対である」というのをちゃんと入れてください。それをお願いします。

【鳥居部会長】 そういうご意見が出ていますけど、付記意見ではないんですよね。

【石井委員】 ええ。私たちは、山本委員と十分な意見交換をしていないんですけれども、付記意見というよりは、やっぱりちゃんとした結論のところに、我々地方側の意見を、これは表現ぶりは、「これに対してこういう意見があった」とか、あるいは、「地方側の委員3人からこういう意見があった」とか、分量的には私も強くは主張しません。何らかの表現で、こういう地方からの意見があったことを、結論のところに何らかの表現で残していただきたい。これがもう我々の最低の要望であります。
 付記意見というのは、我々の、くどいようですけど、地方6団体もこういうことがあったということで、そういうのがこの原案の中にも全くないものですから、そういう意見というのが少し、他の委員も付記意見ということはどうでしょうかということが今日も前回もあったということなので、そういう議論も皆さんはどのようにお考えなのかという、参考までに部会長に意見を皆さんに聞いてもらったらどうでしょうかということを申し上げたいんです。

【鳥居部会長】 まただんだんにいろいろ手が挙がってきましたけど、苅谷委員、どうぞ。

【苅谷委員】 やはり両論併記をしてはいけないということは、前回さんざん議論をして、その方向になったわけですから、やはりここでは付記などということをやってはいけないと思います。3人が反対したって書いたらいいじゃないですか、それは。反対者は3人であった、それは多数決と同じことですよね。

【山本(文)委員】 ちゃんと書けばいいですよ、書けばね。

【鳥居部会長】 見城委員、どうぞ。

【見城委員】 ただ、重要なのは、単純にここに賛成の委員が多くて、多数決でという数の問題もあるかもしれませんが、もっと重要なのは、この100時間以上及んで、これだけ貴重な時間、一生懸命みんなが意見を出してきたのは、検証するということだったのではないんでしょうか。ですから、それぞれの様々な意見が出たけれども、全てそれは1つ1つ検証してきて、で、やはりこの意見になったということで、今、両論併記ではないというところに来たわけですから、それをまた元に戻すのでは、また一からやり直すということで、本当にこれおかしいと思います。
 ですから、感情論でもない、もともと答えありきでもない、みんなここに来たときには、本当に何が1番いいかと、どうしたら財源確保できるかと、地方切り捨てにならないようにということでやってきたはずです。ですから、その検証してきたということをきちんと捉えて、これは両論併記ではなく、1つにまとめるべきで、部会長がここに出された立派なこの案で、自信を持って通していただきたいと思います。

【鳥居部会長】 山本委員のご提案にはどう思われますか。要するに、結論はこのままで、両論併記でないにしても、最後に3人の方が反対意見を述べられたということを明記したらどうかというご提案なんですよ。

【見城委員】 私が決めるわけにはいきませんので、まずはその3人と言っても、今、山本委員だけですので、残りお二方のご意見も伺った上で、ちょっと考えたらいかがでしょうか。でも、書くべきなら、もうそれでよろしいなら、書いたほうがよろしいでしょう。

【鳥居部会長】 井上委員、どうぞ。

【井上委員】 前回の答申素案から比べますと、地方団体からの修正意見が出て、それを各論に詳しく、地方6団体の委員の意見としてここに詳細に書かれて、それに対する多くの委員の意見はこうであったという書き方になっているわけです。そういう意味では、苅谷委員が最初からおっしゃっているような、それぞれの意見についてエビデンス・ベーストで、どちらが正しいかという判断基準でこの議論は展開されたというふうに思っているわけでございますから、そういう意味で、地方6団体の方の意見も、ここでは公平にちゃんと記述されておりますし、それに対して、多くの委員がこうであったということで結論が導き出されているわけですから、3人の委員がどういう意見であったかというのは、この答申案を見ればわかるようになっていますので、あえてそれを3人が反対であったと書かなければならないという理由がどうしても理解できないので、そういう点については、答申を見れば十分わかるので、書く必要はないと私は思います。

【鳥居部会長】 渡久山委員、どうぞ。

【渡久山委員】 3人が反対か賛成かはわからないんですよね。だから、ここで多数決とったらいいじゃないですか。そうしたら、例えば、30人は賛成、3人は反対という、数字が出てくるじゃないですか。別に書く必要は何もないじゃないですか。

【鳥居部会長】 見城委員、どうぞ。

【見城委員】 先ほど急に聞かれたものですから、私慌てたんですけど、もし賛成反対ということを書いていくとしたら、これ、みんなが1人1人平等な権利を持ってここに座っているとしたら、今までの意見の中で、例えば、教員の研修制度、賛成の人もいれば、反対の人も、考慮中の委員もいるわけですので、それを全て書いたら収拾つかないわけですね。それでも何でも、みんなよりよい、今日から本当に安心して義務教育が受けられるようにということでこの答申をまとめてきたわけですから、子どものような聞く耳を持たないご意見のしかたはやめたほうがよろしいんじゃないでしょうか。それはきりがないと思います。

【鳥居部会長】 加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】 私も井上委員が言われたことと同じことを考えていたんですけれども、今日出された6団体の方々の修正部分というのは、私、精査していないので、過不足が、各論の中にあるかもしれません。それはぜひ部会長で精査をしていただいて、本当にまだ不足している点があれば、少数意見として記述をしておき、今後検討に値するものがあれば、後々に残しておくというのは、私は審議会として必要なことだろうと思うんです。
 ただ、総論の部分については、皆さんおっしゃっているように、これだけ議論を尽くして、多くの人の意見でまとめてきていただいたということでありますので、追記の必要はないだろうと。
 ただし、そうした経過もやはりきちんと示す意味で、反対がいたということではなくて、先ほどもありましたように、「はじめに」の部分に、今後にわたって、あるいは、ここの解釈等々、いろいろ記述がしてありますので、この総論と各論の関係で、各論の中にそういう位置付けのものが入っているということをお書きいただければ、私は、全体として地方6団体の皆さんの言われていることをある程度くんだことになるんじゃないかと思います。多数決には私も反対です。

【山本(文)委員】 会長、私はもう時間がないんで帰らせていただきますが、私の意見は石井委員にお任せしますから、そういうことでまとめてください。

【鳥居部会長】 わかりました。
 では、若月委員、それから千代委員の順で。それから、高竹委員、どうぞ。

【若月委員】 もう皆さん方の意見と私は同じなんですけれども、今日出されたこの会長の案は、私はもうこれで手をつけるべきではないと思います。ただ、地方6団体の方は、それぞれお立場があるというようなお話もありました。であるならば、これには手をつけなくても、この審議の記録は残るわけですから、その中に、こういった方から反対はあったと残れば、私はそれで十分だと思います。

【鳥居部会長】 千代委員、どうぞ。

【千代委員】 私も今の若月委員のご意見に賛成ですが、ただ、6団体のご意見に対して、この中の委員が真摯に検討したということは、もう既にはしがきには述べられているんですが、そこの中の文言をもう少し工夫していただいて、そして、あとの審議経過等については、総会において文書を出すか、それとも、その席で部会長からのお話に任せるというようにしてもらったらいいんじゃないかと。ここではやはり子どものけんかのような結論には出さないほうがいいだろうと、そう思っておりますので、よろしくご配慮いただきたいと思います。

【鳥居部会長】 高竹委員、どうぞ。

【高竹委員】 議事録があるんですから、議事録に、例えば賛成多数で可決とかいう記述があれば、私はそれでいいと思うんですね。
 もう1つ、気になるのが、我々は全員どういう立場でここにいるのかは別にして、全て委員なんですから、地方公共団体の代表という形で来ているというのは、ちょっと僕はおかしいと思うんですね。で、ほとんどの委員が賛成したけど、おれは反対だったということを外でやっぱり話をされると、要するに、一体この義務教育特別部会というのは何だったのという話になりかねないと思うんですね。だから、ぜひその3人については、委員としてやはり、これ、民主主義ですから、賛成多数において可決されたものに対しては、委員としては従っていただくという形が僕はあるべき姿だと思います。

【鳥居部会長】 では、最後に苅谷委員、どうぞ。

【苅谷委員】 前言を翻します。大人の意見を聞いて、やはり名前は明記しないほうがいいなというふうに思いましたので、議事録で十分わかるというふうに私も思います。

【鳥居部会長】 増田委員、どうぞ。

【増田委員】 21世紀の教育の行方を決めている大事な会で、そんな名前も何もなくて反対か賛成かもわからない、また、賛成反対でない人もおるんでしょう、いろいろ怒りよる人も。きちんとこれまでの意見を言って、この部分には反対だ、この部分では賛成だという、そこまできちんと意見表明すべきでないんですかね。私はそう思います。

【鳥居部会長】 ということは、裁決か何かするということを提案しておられるわけですか。

【増田委員】 1人ずつ最終意見を表明すべきでないんですかね。

【鳥居部会長】 石井委員、どうぞ。

【石井委員】 私はその多数決で決するような事柄ではないと、このように思っていまして、先ほど申し上げましたとおり、そういう方法をとられるのであれば、もう断固私は反対いたします。そういう方式はとるべきではない。何らかの形で地方の声を残してもらうという、そういう工夫、それも部会長としてご検討されるのが当然ではないかと、このように思っておりますけど。

【鳥居部会長】 先ほど石井委員から、冒頭に提出された、今日は意見についてという形で出されましたけれども、修正意見であるというふうにお述べになりましたけど、例えば、このような署名意見を次回の総会に向けて、さらに提出していただく。と同時に、これまでの審議と同様に、総会でそれを我々も会長、副会長としては配付をさせていただいて、総会の意見を求めるという方法でよろしゅうございましょうか。

【石井委員】 そうすると、今日のこの答申案と、それから、私どもが提出した、この修正に関する意見と、両方が出て、それをそれぞれ説明は——もちろん答申は説明されますが、私のほうからの修正案を再度総会でご説明するというような、このようなことになるんでしょうか。

【鳥居部会長】 ただし、今日の特別部会の審議経過は、もう冒頭からずっとご覧になっておわかりのとおり、要するに、大多数の意見は、この原案に賛成の方が多いと思うんです。そのことは変わらないと思いますけれども。

【石井委員】 ということは、我々の意見をもう無視して、多数でこういうことが決定したということになるんでしょうか。意味です。意味内容をちょっと確認させてください。

【鳥居部会長】 文言を四角の中にもう一度入れるとか、それは私としては、原案の提出者としてできないと思います。

【石井委員】 そうですか。そうすると、我々の意見は反映されないということですね。それから、付記意見方式も採用されないということでしょうか。

【鳥居部会長】 いや、付記意見は……

【石井委員】 付記というのは、別に書くんですよ。付記意見と……

【鳥居部会長】 いやいや、先ほど石井委員ご自身が、付記意見は要らないのではないかと。

【石井委員】 それは、原案に反対して、枠に書いてくれという意見を述べている立場上、付記意見で結構ですとはもちろん言えないわけですけれども。ただ、そういうことを書いていただければ、少しでも我々の地方の声が残りますわね。賛成とは言えませんけれども、残りますので、そこのようなやり方は、通常、審議会ですから、いろんな意見があったら、最低そこまでされるのは、知事会であれだけ大議論をやって決議したときでも書いたんですよ。これだけの通常の議決機関でない審議会だったら。知事会は、あれ、議決したわけですからね。ちょっとこれは違うんじゃないかということですが。

【小川委員】 付記意見というのは、あくまで答申の中身に少数意見が記載されないような答申のまとめ方の場合には、付記意見というような形でやるのは妥当だと思うんですけれども、今回のこの答申案は、各論のところでもう十二分過ぎるほど地方団体の側の意見というのは反映されているわけですから、これにさらに付記意見をつけるということは、答申の形としては妥当ではないと思います。この原案どおりで、僕は構わないと思いますけれども。

【鳥居部会長】 渡久山委員、どうぞ。

【渡久山委員】 地方の案も、僕は非常にたくさんこの審議経過の中には出ていると思うんですね。だから、これを素直に読めば、地方6団体の皆さんがどういう主張をされたかというのもよくわかると思うんですね。それで、今、もしも処理すると言ったら、ここに出ているのが原案なんですよね。そして、3人の石井委員から出たのは修正案なんですね。そうしたら、それぞれの決をとればいいじゃないですか。それはやっぱり増田委員が言われたように、僕は決をとって明らかにしたほうがいいと思いますね。原案と修正案について結論をとっていただければいいと思います。

【鳥居部会長】 先ほど来いろんな意見が出ておりまして、地方6団体の委員の方からは、なお強い反対が表明されている部分もあります。賛成との意見が大勢を占めたのではないかと私としては思うんですけれども、今、渡久山委員からご指摘がありましたし、また、先ほど増田委員からもご指摘がありましたように、そうであれば、多数決で裁決するという方法も考えられると思いますが。もし皆さんのご同意が得られれば、そのようにしたいと思いますけど、いかがでしょうか。

【山本(恒)委員】 これはあくまで部会の案なんですよね。ここで多数決とるほどの意味というのはあるんでしょうか。あくまで部会として検討してきて、こういう案をまとめたと。それで6団体から反対の意見がある。じゃあ、それは総会でもってまた出していただけばいいということで、部会長も先ほど案を出しておられるので、私はここは裁決しないで、部会長の案で進めていただくということに賛成です。

【鳥居部会長】 ありがたいんですけれども、今、私が申し上げたのは、この原案を部会として今日は決定して、そして、総会に諮りたいというのが私の原案なんですけれども、それに対してご賛同いただけるかどうかを問うたところ、いや、どうしても裁決という方もおられるという状況になったわけです。

【山本(恒)委員】 で、私は反対です。

【鳥居部会長】 わかりました。

【加藤委員】 私も裁決には反対です。

【苅谷委員】 結局、我々、ここにいる委員が1人1人どれだけこの決定に対して責任を負えるかという意見分布なり、ちゃんとした意思を確認することがやはり必要だと思います。結局、正しさというものについて、我々がどれだけその基準によって判断をしたのかということがここでわかるわけですから、私は多数であるから正しいということは言いませんが、おそらく正しい意見は多数を占めると思います。

【鳥居部会長】 藤崎委員。

【藤崎委員】 先ほども皆さんから、1人ずつこの案に対する意見を述べたと思います。その中で、ほとんどの方が原案賛成と、これでいきましょうという意見を述べていると思います。ですから、あえて多数決をとらなくてもわかっていると思うんですけど。

【鳥居部会長】 では、茂木副会長、どうぞ。

【茂木副会長】 部会としては議論をして、そこで裁決をするとか何とかでなくて、要するに、3人の委員の方が反対であったということを総会に報告したらどうなんですかね。それはまずいですか。

【石井委員】 この内容について、私は反対です。

【鳥居部会長】 いやいや、今、茂木副会長が提案された方法について。

【石井委員】 文章で何らかの手当てをしていただかない限りは、私は賛成できません。文章の表現はいろいろあると思いますよ。それは別にいたしまして。

【鳥居部会長】 というわけで、また元へ戻っちゃうんですけれども、石井委員にお尋ねしますけれども、これ、修正意見なのでしょうか、どうなのでしょうか。要するに、先ほど来伺っていると、この修正意見に賛成できない人がやはり多数を占めているわけですよ。それをどうしても中に入れろと言われても困っちゃうわけですよ。

【石井委員】 このまま入れてくれという、それは文章上の問題は別にいたしまして、私たちの地方側の意見を何らかの表現で取り入れてほしいということだけ申し上げてきているわけなんです。ですから、それを踏まえた意見集約をなされるのかどうか、それは部会長の議事運営です。それは部会長にお任せし、私はそれ以上……

【鳥居部会長】 ちょっと意味がよくわからないんですが、重ねて伺いますけど、要するに、修正意見を採用しろということを言っていらっしゃるんじゃないんでしょうか。

【石井委員】 いや、今日は、だから、そういうことで意見を出させていただいておりますから、これを、意見、取り入れてほしいんですよ、それは。ほしいんですけれども、ただ、もう今まとめ、大詰めの段階になっておりますから。

【鳥居部会長】 そうです。

【石井委員】 ですから、皆さんはどうもこの意見、我々の意見を取り入れないということで、ほとんどもう原案でいいということを、ほとんどの方がそうおっしゃっていますのでね。

【鳥居部会長】 そうなんです。

【石井委員】 それを踏まえて最終的にどのようにされるかということ、それは私は……

【鳥居部会長】 いや、最終的にはもう、ですから、大勢に従うというのが座長の務めだと思いますけれども。

【石井委員】 はい、大勢に従うということで。どういう形式をとられるんでしょうか。審議会ですから、何らかの多数決とか何か、そういう方法をとられるんでしょうか。ちょっと私は……

【渡久山委員】 中央教育審議会の審議会令というのがございますけど、それによれば、意見がまとまらないときは、多数決で決めるということが詳しく決めてありますので、その方法をとることも1つできます。
 それから、もう1つは、よく行われることですけれども、もう大勢、全体の意見はこういう意見だということを見きわめられた段階で、この原案でよろしければこれを総会に上げますよということで終わりにするということですね。

【石井委員】 後者の方法は、私は賛成できません。

【鳥居部会長】 できない。

【山本(恒)委員】 具体的なことですが、この答申案の「はじめに」のところ、2ページなんですけれども、最初のまるですが、「答申を取りまとめるにあたっては」というところがございますね。その次に、「このため、委員から出された数多くの意見や……盛り込むことをはしていない」というところに反対の意見という文言を入れて、それを取り入れることを……

【鳥居部会長】 もう一回言ってください。

【山本(恒)委員】 「このため、委員から出された数多くの意見や提言を全て盛り込むことはしていない」とありますね。そのところに、「このため」——このためかどうかは別として、「反対意見をはじめとしていろいろ多くの意見が出されているけど、全て盛り込むことはしていない」と、そこに反対意見があったということをはっきり言うという、これは1つあると思います。

【鳥居部会長】 素案をつくった人間として、そこに反対意見というのを入れちゃうと、何か最初から、これ、反対意見があるのをわかっていて何か強引に原稿を書いたというふうにとられちゃうんで、誠に心外なんですが。

【山本(恒)委員】 おっしゃるとおりです。

【横山委員】 これはいろいろ問題のある案件について議論しているわけですから、反対意見のあるのは当然なわけですね。で、今回の義務教育特別部会の設置の経過からすれば、かなり重いわけですよ。この特別部会で結論を出さずしてどうするんですかというのが私の考えなんで、このまま「こういう意見がありました」ということで総会にかけますと、総会の場合には、これまでの経過を知らない委員もおられるわけですね。全く無責任きわまりないという感じが私はしています。従って、私自身は原案に賛成ですので、本日、この会議で結論を出していただきたい。

【鳥居部会長】 では、もう1回伺いますけれども、これが修正案なのか、修正案でないのか、3回お伺いしましたけれども、ちょっとはっきりしない。これは修正案というふうに決めつけないでいくしかないんだろうと思うんです。そうすると、私が出した原案に賛成か反対かだけを伺うというほうがやり方としてはいいように思いますけど、どうですか。

(「異議なし」の声あり)

【鳥居部会長】 では、そうさせていただきます。
 それでは、原案に賛成の方のご意見を伺いたいと思うんですけれども、既に3人の方が退席しておられますけれども、審議会令というのをちょっと読み上げてくれますか。手元にありますか。

【高橋総括教育改革官】 読み上げさせていただきます。もし必要な方は、お手元の4のラベルに中央教育審議会令がありまして、その4のラベルの第8条(議事)第2項、「審議会の議事は、委員及び議事に関係のある臨時委員で会議に出席したものの過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
 前二項の規定は、分科会及び部会の議事について準用する」となっておりますので、現在、会長を含めまして、出席者は、3名退席されましたので、25名でございますので、13名以上が過半数でございます。そのような規定になっております。

【鳥居部会長】 ありがとうございました。
 それでは、大変恐縮ですが、挙手の形でさせていただきますけれども、この今日の私が出しました原案に賛成の方の挙手を求めます。私は手を挙げちゃいけないのか。

(賛成者挙手)

【高橋総括教育改革官】 確認させていただきました。

【鳥居部会長】 はい。それから、反対の方の挙手を求めます。

(反対者挙手)

【鳥居部会長】 ありがとうございました。では、結果を発表してください。

【高橋総括教育改革官】 賛成の方が21名、反対の方が2名でございます。

【鳥居部会長】 わかりました。
 それでは、この形で決めさせていただくことにしまして、これを総会に上げさせていただきたいと思います。
 大変遅くまで時間がかかってしまいましたけれども、最後に塩谷副大臣からちょっと一言だけごあいさつをお願いします。

【塩谷副大臣】 副大臣の塩谷でございます。
 本当に特別部会の皆さん方には、2月のこの部会設置から今日で102時間半ですかね、大変熱心な議論をいただきまして、ありがとうございます。今日、最後の取りまとめも最終的に大変皆さん方の真摯な議論の中で結論を出していただいたことを感謝申し上げる次第でございます。
 今回、三位一体と義務教育という、本当はこれはなかなか相入れない問題だと思っておりますが、私個人的には、教育費をどうするんだということをもう少し議論して、多分、全体を膨らませることを考えていかないといけないのかなと。地方に移したら教育費がプラスになるんだという話があれば、そっちへいくのかなと思っていますし、そこら辺の話が今後必要なのかなと思っております。
 それから、個々のいろんな、例えば教員養成とか、あるいは学習指導要領の問題等、これはまた別の部会でしっかり議論をしていただきたいと思っておりますし、最終的に将来に向かって、やはり教育の根幹である義務教育は国が責任を持つという結論であったと思いますので、それは私どももこれから国の文部科学省として、しっかり具体的に実行していきたいと思っております。
 最後に、私は、かなりスクールミーティングなんかで地方を歩いてきました。本当に熱心に地方の先生方も、あるいは現場の人たち、やっていただいておりますが、多分、これは全部の統計ではないんですが、かなり熱心に頑張っている人たちは、国が保障してくれという意見があったと思います。そこら辺が、本当に地方の意見というのはそういうところかなという感じもしますので、今日の部会の結論をもとに、26日総会でまた最終的な結論を得て、これからの教育行政に活かしてまいりたいと思っておりますので、本当に鳥居会長をはじめ部会の委員の先生方には、本当に長い間お世話になったことをまずもって御礼申し上げる次第でございます。また、今後ともよろしくお願い申し上げます。

【鳥居部会長】 どうもありがとうございました。
 私からのごあいさつは、もう時間の関係で省略させていただきますが、皆さんのご協力で答申案を取りまとめることができまして、これを総会にかけることができましたことを改めて御礼申し上げます。また、総会を1つよろしくお願いしたいと思います。
 総会についての日程、事務局からお願いいたします。

【高橋総括教育改革官】 資料3に次回総会の日程をお配りしております。次回中教審総会、これは、この特別部会との合同会議になります。来週10月26日水曜日14時から16時、場所はホテルマリナーズコート東京「白鳳」でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【鳥居部会長】 わかりました。よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。

── 了 ──