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スポーツ・青少年分科会(第62回)・スポーツ振興に関する特別委員会(第4回)合同会議 議事録

1.日時

平成23年9月30日(金曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省13F1~3会議室

3.議題

  1. スポーツ・青少年分科会の運営について
  2. スポーツ基本計画の策定について
  3. 学校安全の推進に関する計画の策定について
  4. その他

4.出席者

委員

衛藤分科会長、岡島副分科会長、山口委員長、河野委員長代理、浅野委員、荒木田委員、岩上委員、上治委員、上村委員、小倉委員、長田委員、大日方委員、木村委員、佐藤委員、品田委員、ゼッターランド委員、高野委員、田嶋委員、土江委員、道垣内委員、野津委員、日野委員、平井委員、平尾委員、平野委員、福永委員、宮嶋委員、横山委員

文部科学省

金森文部科学審議官、布村スポーツ・青少年局長、有松大臣官房審議官(スポーツ・青少年局担当)、山口スポーツ・青少年総括官、今里スポーツ・青少年企画課長、嶋倉スポーツ振興課長、杉浦競技スポーツ課長、長登体育参事官、平下学校健康教育課長、勝山青少年課長、西井スポーツ政策企画室長、森友教育改革推進室長、村尾スポーツ・青少年企画課長補佐

5.議事録

【衞藤分科会長】  皆さん、こんにちは。少々定刻を過ぎましたが、ただいまから、第62回「中央教育審議会スポーツ・青少年分科会」並びに第4回「スポーツ振興に関する特別委員会」の合同会議を開催いたします。

 本日は、ご多忙の中ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 まず、前回のスポーツ・青少年分科会、9月13日に開催されておりますが、そちらにご出席いただいた委員には繰り返しとなり恐縮ですが、前回のスポーツ振興に関する特別委員会後の事務局の人事異動について、事務局からご紹介をお願いいたします。

【村尾スポーツ・青少年企画課長補佐】  失礼いたします。前回のスポーツ振興に関する特別委員会、8月30日でございましたけれども、その後の事務局に人事異動がございましたので、新たに着任した者についてご紹介させていただきます。

 まず、有松大臣官房審議官でございます。

【有松大臣官房審議官】  有松でございます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

【村尾スポーツ・青少年企画課長補佐】  山口スポーツ・青少年総括官でございます。

【山口スポーツ・青少年総括官】  山口でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【村尾スポーツ・青少年企画課長補佐】  今里スポーツ・青少年企画課長でございます。

【今里スポーツ・青少年企画課長】  どうぞよろしくお願いいたします。

【村尾スポーツ・青少年企画課長補佐】  杉浦競技スポーツ課長でございます。

【杉浦競技スポーツ課長】  どうぞよろしくお願いいたします。

【村尾スポーツ・青少年企画課長補佐】  私、スポーツ・青少年企画課課長補佐の村尾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【衞藤分科会長】  それでは、議事に入ります前に、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

【村尾スポーツ・青少年企画課長補佐】  次第に配付資料の一覧を記載しておりますので、ご確認をいただき、資料の不足がございましたら、事務局までお申しつけいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 資料1につきましては中教審への諮問、それから、資料2につきましてはスポーツ・青少年分科会の構成の改定案、資料3-1から3-4につきましてはスポーツ基本計画関係、資料4-1から4-9につきましては学校安全の推進に関する計画に関する資料、資料5は今後の日程案でございます。

 それから、参考1、2といたしまして、先日開催されました教育振興基本計画部会の資料の一部を配付させていただいております。前回9月13日の分科会にご出席いただきました委員には一部繰り返しとなりまして恐縮でございますが、簡単に補足の説明をさせていただければと思います。

 参考2をご覧いただきたいと思います。参考2で、教育振興基本計画部会の当面のスケジュールということで記載されております。中段の下のほう、今後の予定といたしまして、年内に計画の基本的方向性の骨子をまとめるということになっております。それから、下の枠囲みの中でございますけれども、この部会においては横断的視点から見た主要な論点を洗い出して整理をすることとして、各課題に関する議論については基本的には各分科会等において行うこととされております。

 それから、参考1をご覧いただきたいと思います。現在、教育振興基本計画部会では、4つの基本的な方向性に基づき議論が行われているところでございます。社会を生き抜く力の養成、未来への飛躍を支える人材の養成、学びのセーフティーネットの構築、絆づくりとコミュニティの再構築、この4つの基本的方向性に基づいて議論が行われております。

 これに基づきます個別の課題につきましては、各分科会でも議論をしていくということでございます。前回9月13日の分科会におきましては、第2期教育振興基本計画に盛り込むことが考えられる事項につきまして、学校安全、学校保健・学校給食、それから、青少年教育に関するご議論をいただいたところでございます。

 それから、参考4でございますけれども、前回のスポーツ振興に関する特別委員会の議事録を配付させていただいております。既にいただいた修正については反映をしておりますけれども、ご確認の上、お気づきの点がございましたら、事務局までご連絡をいただきますようお願いいたします。

 また、本日の机上配付資料といたしまして、長田委員から資料をいただいておりますので、それも配付させていただいております。以上でございます。

【衞藤分科会長】  ありがとうございました。

 それでは、議事に入ります。まず、資料1をご覧ください。9月22日の中央教育審議会総会で、中川文部科学大臣から三村会長に対して、スポーツ基本計画の策定について、学校安全の推進に関する計画の策定についてという2つの諮問がありました。いずれも当分科会の所掌事務に関するものであり、今後、当分科会で審議を行っていくことが必要になります。

 次に、資料2をご覧ください。5月20日のスポーツ・青少年分科会で、青少年の体験活動の推進の在り方に関する部会とスポーツ振興に関する特別委員会の設置については決定しておりますが、今回の2つの諮問を受け、部会・委員会の設置に関する分科会決定を改定する必要があると考えています。

 1つ目の諮問、スポーツ基本計画の策定については、既に設置しているスポーツ振興に関する特別委員会において、これまでの審議を引き継ぎつつ、諮問を受け、改めて審議を進めていくことが適当ではないかと考えております。特別委員会の名称と所掌事務については、スポーツ基本法の施行などを踏まえまして、若干の文言の修正が必要と考えております。文言の修正の内容としましては、名称を従来のスポーツ振興に関する特別委員会からスポーツの推進に関する特別委員会に変更すること、所掌事務のほうはスポーツ振興基本計画からスポーツ基本計画に変えることでございます。

 2つ目の諮問、学校安全の推進に関する計画の策定につきましては、新しく学校安全部会を設置し、今後の学校安全の基本的な政策に関して、学校安全の推進に関する計画の在り方を中心に専門的な調査審議を行ってはどうかと考えております。

 以上につきまして、ご意見などございましたら、どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いしたいと思います。ご発言のある方は、恐れ入りますけれども、名札を立てていただければ幸いです。

 いかがでしょうか。特にご異議はないでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【衞藤分科会長】  ありがとうございました。それでは、本件につきましては、原案どおり了承とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 本日設置されました学校安全部会に属する委員に関しましては、中央教育審議会令第6条第2項、スポーツ・青少年分科会運営規則第2条第2項の規定によりまして、最初の部会が開催されるまでに、分科会長である私から指名させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、次の議事に入りたいと思います。資料3-1をご覧ください。先ほど事務局から、教育振興基本計画部会の審議状況について説明をいただきましたが、当分科会といたしましては、この動向も踏まえつつ、諮問内容でありますスポーツ基本計画について審議を進めていくことが必要と考えております。

 その際の具体的な進め方としましては、スポーツ基本計画の方が先に策定される予定であり、第2期教育振興基本計画に反映されるのは、スポーツ基本計画の要素の一部分となると考えておりますので、まずはスポーツ推進に関する特別委員会においてスポーツ基本計画について議論を進めていただき、その成果を適宜、第2期教育振興基本計画の議論に反映させていきたいと思います。

 日程といたしましては、11月1日火曜日に次回の分科会の開催を予定しておりますので、スポーツ推進に関する特別委員会における審議の状況に応じて、スポーツ関係で第2期教育振興基本計画に盛り込むべき事項についてもご議論をいただき、その結果を踏まえて、11月1日でございますが、次回の分科会でご議論いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、ここから、スポーツ基本計画等に関する事項の進行につきましては、特別委員会の委員長である山口委員長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【山口委員長】  山口でございます。それでは、ここからのスポーツ基本計画等に関する事項の進行は私が務めさせていただきたいと思います。

 まず、資料3-1をお開きください。3-1の「スポーツ振興に関する特別委員会における審議の進め方(案)」について、これは「スポーツの推進」と変わっておりますけれども、進め方(案)につきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。

【西井スポーツ政策企画室長】  それでは、事務局から説明させていただきます。

 資料3-1でございます。今後のスポーツ基本計画の策定に向けた審議の進め方といたしまして、私ども事務局の資料といたしましては、3つのフェーズに分けて整理をいたしております。7月25日から8月30日までの3回につきましては、まずは現行計画でございますスポーツ振興基本計画の現状、課題の整理をしていただいたところでございます。それに続くフェーズといたしましては、今日をスタートラインといたしまして、フレームワークの構築及び盛り込むべき事項の整理ということで、4回の会合を予定しております。その際、10月に入りまして、2日間ほど日程をとらせていただきまして、スポーツ関係団体からのヒアリングを行いまして、その際、関係団体からスポーツ振興策に対する幅広いご意見を頂戴しようというものでございます。

 それを踏まえまして、10月28日の段階で、スポーツ基本計画の骨子素案という形で、粗々とした計画の方向性を出していき、それを先ほど分科会長のほうからもご説明がございましたように、11月1日に開催されますスポーツ・青少年分科会における議論にも反映させてまいりたいという計画でございます。

 これらを経まして、第3フェーズといたしましては、全体像の整理ということで、1月以降、中間報告の取りまとめ、最終報告の取りまとめ、これを受けた中央教育審議会の答申を経まして、スポーツ基本計画の策定に向けていくというものでございます。事務局からの説明は以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 第2期教育振興基本計画のための作業につきましては、先ほど衞藤分科会長からもご発言がありましたとおり、スポーツ基本計画の要素の一部分が教育振興基本計画に反映されるという関係にあります。本特別委員会では、まずスポーツ基本計画の検討を進めさせていただきまして、その進捗状況に応じて、第2期教育振興基本計画に盛り込むべき事項についても検討させていただきまして、分科会に報告させていただきたいと、このように考えております。

 なお、関係団体からのヒアリングに関しまして、今後、本特別委員会で実施するということでよろしければ、ヒアリング団体の選定につきましては、今後、委員長である私と事務局のほうで整理し、選定させていただこうと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【山口委員長】  異議なしという声がありました。ありがとうございます。

 それでは、これからヒアリングを実施するに当たりまして、ヒアリング団体の選定につきましては私にご一任いただくということで、今後、私と事務局で整理し、選定させていただきます。日程は10月7日と18日の2回ということになっております。

 ただいまの2点以外につきまして、この資料3-1、審議の進め方に関しまして、ご意見、ご質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。いかがですか。ご意見のある方は、いつものようにネームプレートを立てていただきたいと思います。

 ございませんか。それでは、本件については、原案どおりで了承とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【山口委員長】  ありがとうございます。

 それでは、続きまして、資料3-2をお開きいただきたいと思います。資料3-2「現行計画の概括的評価と課題(案)」につきまして、事務局のほうから説明をお願いいたします。

【西井スポーツ政策企画室長】  それでは、引き続きましてご説明申し上げます。

 ただいまご説明申し上げましたとおり、特別委員会におきましては、7月25日の初会合から8月30日までの3回にわたりまして、現行計画の達成状況と課題につきましてご審議をいただいたところでございます。現行計画につきましてはこの10年間の計画でございまして、幾つか掲げておりました計画について、それぞれ達成した部分もあれば、課題が残されている部分もございます。それらの分析を踏まえまして、私ども事務局のほうで、ご議論を踏まえた形でのおおよその評価と今般の課題についてまとめさせていただきましたので、ご説明申し上げます。

 まず、概括的に申し上げますと、各事項に一定の成果が認められるところではございますが、なお目標値に達していないなどの課題も残されております。その中で、スポーツ基本計画を策定するに当たりましては、これらの現行計画における課題を踏まえまして、スポーツの多面的な役割を通じて国民生活を発展させるという観点から、総合的に検討する必要があるとしております。

 柱立てといたしまして、現行計画は3つの柱がございます。まず1点目、「スポーツの振興を通じた子どもの体力の向上方策」についてでございます。子供の体力につきましては、平成13年から約10年にわたり、おおむね低下傾向に歯止めがかかっているという評価をしておりますが、一方で、体力水準が高かった昭和60年頃と比較いたしますと、依然として低い水準にあるということで、体力向上のための取り組みを今後とも一層促すことが必要であるとしております。

 他方、近年の運動する子供としない子供の二極化の傾向に対応いたしまして、運動好きにするために幼児期から親子で運動遊びの機会を設けることなどの工夫が重要となっているとしてございます。

 その中で、学校体育につきまして、今後とも一層の充実が必要であるとしております。小学校におきまして、体育活動の支援を行う専門的な人材の配置等の充実も必要であるとしております。また、新学習指導要領の趣旨の徹底や、中学校の武道必修化に向けました武道場の整備等にも取り組む必要があるとしています。さらに、運動部活動につきましても、子供が多様なスポーツと親しむ機会を充実させる工夫が必要であるということや、外部指導者の活用についても学校との連携について課題があるということでございます。

 さらに、今般の基本法の制定も踏まえまして、子供の体力向上方策につきましても、スポーツクラブの積極的な活用とか、障害のある子供のスポーツについての配慮も必要であるとしております。

 2つ目の柱は、「生涯スポーツ社会の実現に向けた、地域におけるスポーツ環境の整備充実方策」でございます。こちらにつきましては、現在、成人の週1回のスポーツ実施率が45.3%ということで、計画において目標としてございました50%に到達していないという状況にございます。今後とも、年齢や性別に応じましたよりきめ細やかな施策が必要であるとしております。

 他方、総合型地域スポーツクラブにつきましても、設置率の目標の進捗に若干のおくれが見られるため、設置を加速化させるとともに、自立化支援も必要であるということでございます。さらに、現行計画にもございますが、広域スポーツセンターの役割につきまして、総合型スポーツクラブを支援いたします団体等の各種関連機関の役割・機能を明確にした上で、より効果的な総合型クラブの支援体制について検討が必要であるとしております。

 地域スポーツの場における指導者の有効な活用ということでも指摘がございまして、その際、いわゆる人材の好循環を形成していく中で、地域スポーツ環境における適切な指導者の確保を進めていくとしてございます。他方、いわゆる地域のスポーツの場でございます体育スポーツ施設につきましては、近年減少傾向にあるという問題意識のもとで、1つの改善方策といたしまして、学校施設の地域との共同利用化を一層進めていく必要があるともしております。

 基本法の制定を受けまして、やはり先ほども申し上げましたが、いわゆるスポーツ医・科学の活用という問題もございます。あるいは、スポーツ施設の耐震化等、施設利用者の安全なスポーツ環境の整備も重要になってまいります。あるいは、障害者が日常的にスポーツに取り組むことができる環境整備、あるいは障害者と健常者がともにスポーツに親しむことができる社会を実現することが必要であるとしてございます。

 3つ目の柱といたしまして、「我が国の国際競技力の総合的な向上方策」でございます。これにつきましては、目標値でございますメダル獲得率が3.5%でございますところ、直近の率といたしましては2.47%にとどまっているということです。今後とも国家戦略といたしまして、多額の国費を投入する強豪国に競り勝つための戦略が必要であるということで、タレント発掘・育成や、オールジャパンでの強化・研究活動体制の構築、あるいは国立スポーツ科学センターの機能強化といったような施策を実施することによりまして、ジュニア期からトップレベルに至ります戦略的・体系的な強化体制を構築することが必要であるとしてございます。

 その際、アスリートの方々が現役引退後にキャリアパスに不安を感じておられるという実態を踏まえまして、安心して競技に専念できる支援の検討も必要であるとしてございます。

 さらに、国際競技力向上のためには、アスリートのみならず、国際的に活躍できる幅広い人材の養成が必要ともしてございます。

 さらに、スポーツ基本計画の制定を踏まえまして、ドーピングのないクリーンで公正なスポーツ界を実現するためにドーピング防止活動を推進することや、スポーツ団体の管理運営の透明性の向上ということでガバナンスの強化方策にも課題があるということでございます。さらに、スポーツ紛争の迅速・円滑な解決を図るためのスポーツ仲裁手続における自動受諾条項の導入等も課題となっているとしてございます。

 パラリンピックにおける国際競技力の向上につきましては、競技性の高い障害者スポーツに対する一体的な支援ということで、厚生労働省とも連携しつつ取り組む必要があるとしてございます。事務局の説明は以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 これまで3回にわたって、スポーツ振興特別委員会におきまして、過去10年間のスポーツ振興基本計画の評価を議論してきました。それの取りまとめがこの資料でございます。この資料につきましてご意見、ご質問等ございましたら、どなたからでも結構ですのでご発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。少し発言ができなかったということがあったら、今の機会にどうぞお願いしたいと思います。

 福永委員、お願いします。

【福永委員】  この委員会で何度かご意見等が出てきたと思いますが、子供の体力の向上、生涯スポーツ、競技スポーツの振興、いずれについても、指導者をいかに配置するかということが実際的で非常に重要な部分だと思います。できれば、指導者の位置づけをぜひどこかで議論していただきたい。

 前に申し上げましたけれども、現在、体育系の大学とか学部で毎年約3万人が卒業している。ただ、体育の大学生をどのように教育するかといった時、今のこの3つの、子供の体づくり、生涯スポーツ、競技スポーツのそれぞれの専門家がつくれるという形ができ上がると、大学に入ってくる体育系の学生の意欲が全然変わってくると思います。

 生涯スポーツ指導者とか競技スポーツ指導者、そういった指導者コースを各体育系の大学の中につくっていただければ、それぞれのプログラムは当然用意できるわけですから、そういう人材を養成することができるようになると思います。そうすると、1年間で3万人ぐらいのそれぞれの指導者が確保できて、10年すれば30万人確保できるわけですね。そういう使い方をぜひやっていただければありがたいと思います。

【山口委員長】  ありがとうございます。かつてのスポーツ振興法では、「スポーツ指導者の充実」だったのが、スポーツ基本法になって、「スポーツ指導者の養成」という、1段階上に上がっています。また、昨年の立国戦略の中では、する人・見る人・支える人の重視ということで、人の重視ということが挙げられています。先生のおっしゃったことは、インプット、プロセシング、アウトプット、特にアウトプットの、ちゃんとした専門職が仕事のできるところをもう少しつくらないといけないということと伺いました。

ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。平野委員、お願いします。

【平野委員】  先日、ハードルの為末大選手とお会いしました。実は共通の知人がいまして、最近、松竹芸能の社長になった方が、為末選手に3年前から陸上を習っているとのことです。私もその社長さんをよく知っているので、3人でお話しする機会がありました。その時のお話が私にとってはとても新鮮で、いいお話だと思ったので、それをご紹介しながら、1つだけ感想と意見を述べさせていただきたいと思います。

 その社長さんはたしか高校か大学の頃に陸上をやっていたと思います。最近、副社長になってからあまり体も使っていないからということで、陸上をもう1回やりたいと習い始めたのだそうです。そして、いきなり400メートルハードルに挑戦したそうです。皆、周りの人たち、為末さんも絶対無理だと思っていて、本人も無理だと思っていましたが、何とハードルを全部越えて400メートルを走り切ったそうです。

 これには大変驚いた、奇跡が起こったと為末さんがおっしゃったので、なぜ走り抜くことができたのかとご本人に確認しましたら、まず、「メダリストの為末さんがスタートの合図をしてくれた。大変ありがたい。これはきちっとしたスタートを切らなければいけない。頑張れるだけ頑張ろう」という気持ちになって走っていた。そうしたら、途中で自分の子供が見にきていて、「お父さん、頑張って」という声援が送られてくる。「ああ、頑張らなくちゃ。息子たちのためにも頑張ろう」と走っていった。

 でも、残るあと何本かのハードルのところですごく疲れて、「もう無理だ。やめようか」と思った時にゴールのほうを見たら、オリンピアンが皆、拍手をしたり、手を振ったりして声援を送ってくれている。「わあ、うれしい」と思って、そこを向いて走っていったら、何と400メートルのゴールをいつの間にか走り抜けていたというのです。

 そしてさらに、「これで自分は人生のハードルも越えたような気がする。副社長から社長になって荷が重いと思っていたけれども、どうも越えられそうだ」なんて哲学的な話にもなりました。

 なぜこの話をしたかといいますと、私、改めて思ったのは、スポーツというのは、裏方も表方も、先ほどおっしゃった見る人・支える人などの役割がある場においては交代することができるということです。それから、メダリストというスターの選手と、一般の方が一緒になって、しかも役割を交代して、一緒の場で楽しんだり、スポーツというものに取り組んだりすることができるんだと思って、スポーツの持つ特性と懐の深さにものすごく感動してしまいました。ですから、今、この話をさせていただきました。

 子供たちの運動遊びという中にもスポーツというのは、今言ったような意味で大変有効だと思いますし、また、地域においてのトップアスリートの活躍はやはり活発に行われる仕組みなり、それなりの保証なりがついたらいいのではないかと思いました。また、これから被災地において、周りから何か施すのではなく、いかに地元の人たちを主役にしていくかということを考えた時にも、スポーツが大きな役割を果たすのではないかと思いました。意見を述べさせていただきました。ありがとうございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 大日方委員、どうぞ。

【大日方委員】  ありがとうございます。すみません、冒頭からおくれまして、失礼いたしました。

 資料3-2でまとめていただいたものを拝見しますと、3つの柱立てのうちのいずれにも、障害のある子供のスポーツ、あるいは障害者と健常者がともスポーツに親しむことができる社会の実現、そして、3つ目としてはパラリンピックにおける国際競技力の向上のためということを入れていただいておりまして、パラリンピックのアスリートでした私としては、大変ありがたいと思っているところでございます。

 障害者のスポーツというのは、今回初めてスポーツ基本法の中でスポーツの1つとしてはっきり位置づけられたものでして、この3つの柱立てのいずれにも入っているということで、大変幅が広い、奥が深いものです。これまでのスポーツ振興法の枠には入っていなかったので、正直、議論はこれからだろうと考えております。ここに入れていただいておりますので、皆様とも課題は共有できているかと思います。短い期間ではありますが、今後、これをどのように具体的な施策に落とし込むのかということについて、活発で集中的な議論を行わせていただければと思っております。ありがとうございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 長田委員、お願いします。

【長田委員】  ありがとうございます。平野啓子委員にとてもいいことを言っていただきました。自分がスポーツをする側と見る側が入れ替わるかもしれない。そこにすごく喜びがあるということは、すごく大事なことではないかと思います。

 この間の会議から少し引っかかっていたのですが、生涯スポーツを皆でやっていくという時、かなりお年を召した方でも週に1回スポーツということに対して、メタボになってはいけないとか、健康のためにやりましょうとか、これは昔から言われてきてはいますが、やらないし、これはやれない人にとっては脅しなんですよね。

 不健康になるとか、メタボになると言われて始めるということではなく、平野さんがおっしゃったような、喜びだったり、楽しかったり。ここにいる人はほとんどスポーツがいかに体にいいかとか、楽しいかをもう知っています。ですから、何でやらないの?という視点に立っているような気がしていて。全くやらない、それから、昔は競技スポーツとしてやっていたが、転化してもうやらないと、見事にメタボになってしまったというようなことをこの間おっしゃった方もいましたが、そういうことではなく、人の体についての哲学や理念のもっと先にあって、「すばらしいんだよね」と言いながらやっていたら、実は健康になっていた、実はメタボが解消されていたというような、もっと大きなものがセンスよく表せないかと思います。スポーツ基本法ができたわけですし、誰もがスポーツをする権利があるというところに、何か変わったねと言えるような、大らかな掲げ方がないと、結局、40何%から50%の目標ですというのが、それは前から増えたからよかったの?とかいう話になってしまうところで落ちつくのは、私は少し情けないという気がいたしますが、皆様いかがでしょうか。

 ここにいらっしゃる方は、スポーツのすばらしさも、楽しさも、健康にいかにいいかももうわかってしまっている。そうじゃない、やらない人にとっては、負担であり、それから、何か言われたから、仕方がないから、脅されてというのはよくないのではと思います。だから、元々のところをもう一度考えていただかないと、実施率が上がったからいい、では下がったらまた悪いのか、というようなことになります。もっと大きな、スポーツって素敵だね、酸素を取り入れて気持ちよくなって、というのがもっと大らかに語られるべきではないかなと。生涯スポーツとしての実現、考えてみたら、70%の人がスポーツを週に1回も2回もやるようになっていた、振り返ったらやっていたというようなことを議論すべきではないかという気がしてなりませんが、いかがでございましょうか。

【山口委員長】  という意見ですけれども、いかがでしょうか。

 スポーツは人類固有の文化であると基本法に書かれています。生活、文化ということは自主的、自発的な行為だというふうに捉えられるのではないかと思いますが、よろしいですか。

 1点だけ平野委員のご意見に関連しまして、日本スポーツ振興センターから、スポーツ振興くじ助成で本年度より被災地へのスポーツ支援の事業が始まっております。既にトップアスリートの方が随分行かれて活躍されておりますので、その件について補足させていただきたいと思います。

 それでは、ございませんか。すみません、荒木田委員、どうぞ。

【荒木田委員】  ありがとうございます。最近、盛んにトップアスリートの現役引退後のキャリアトランジションについて論議されておりまして、私も来年のロンドンオリンピックを目指す、出場権を獲得したアスリートも含めての雇用支援を今、いろいろなところでお願いしています。やめた後のことばかり心配して、では現役をやっている時の学業との両立等はしなくていいというのはどこかおかしいのではないかと、最近、非常に思うようになりました。

 というのは、ご存じのように、例えばIOC委員があれだけいらっしゃる中で、数多くのオリンピアンがいらっしゃいます。IOCのジャック・ロゲ会長もオリンピアンで、そして、あの方はたしか外科医のはずです。そのほかには、金メダリストでありながら、弁護士であったり、法律を専攻したりと、いろいろな形でそれこそ学業とスポーツを完璧に両立させ、なおかつ、栄光を勝ち取ったという方がたくさんいらっしゃる中で、日本は、金メダルの数もこれまで120何個になっていますけれども、そうして活躍したアスリートの中から、医学を志して、ゆくゆくは日本選手団のドクターになろうとか、そういう活躍をしてくる選手がほとんどいないというのは非常に残念だし、やっぱりどこかが違うのではないかと思いました。

 私、日本オリンピック委員会のアスリート専門部会の部会長をしておりまして、前回、OCAのアスリート委員会と一緒に、7月にアジアアスリートフォーラムというものをやりまして、その基調講演にIOCのアスリート委員会の委員長のフランク・フレドリックスにスピーチをしてもらいました。彼はオリンピックで金メダルを取ったことはないです。銀が何個かあるというすばらしい成績なんですけれども、ただ、彼が誇りに思うのは、ナミビアという国からアメリカに行って、自分は現役のアスリートとして、そして、世界を目指し、金を目指し、その傍らちゃんとしっかりと勉強したと。これが私の誇りだし、アスリートはやはりトップを目指すならば、勉強もしなければいけないということをものすごく強調されていました。

 私もずっとスポーツをやってきた中で、小さい頃は、みんなそれぞれ、お医者さんになりたいとか、弁護士になりたいとか、しっかり勉強しなければなれない職業にどこかで憧れていたけれども、スポーツを始めて、どこかでそれを断念しているのではないかという思いがあります。

 日本の場合は、例えば大学生になって、単位が足りないのでもう大学をやめてしまおうとか、それからオリンピックが近いので1年留年してしまおうという、どこかでアスリートにはそういう教育で恵まれないというか、不便なところが多くあるのではないかと思います。引退後のキャリアよりも、そこのところを何とか両立したいと思うアスリートにはもう少し何かできないのかなと思います。

 例えば、先週、私はチャイニーズタイペイにバレーボールの大会で行ったのですが、高雄にはナショナルトレーニングセンターがありまして、そこは午前中勉強すると、すべてが単位として認められるそうです。だから、1年中合宿していてもきちんと単位は取れる。それから、例えば昨日たまたまオーストラリアのNOCの方と、キャリアトランジション、アスリートの勉強の両立をどうするかという話をした時に、トレーニングセンターなど離れたところでやっていても、いわゆるディスタントラーニングという形で単位はちゃんと認められるので、自分がきちっとやろうとすればできるというシステムになっているということを伺いました。

 そういうことから考えると、やはり日本も、スポーツをやっている人間と、それから、その中で私は勉強もやっているというアスリートに対して、もう少しいろいろな方法、施策を考えていただければ、もっといろいろな分野で将来的に活躍する人材、やめた後に何とかしてあげなければということではなく、こういう人材が生まれたんだよというようなやり方がいずれはできるのではないかと思います。今のは話が少し違いましたが、最近そう思いました。

【山口委員長】  ありがとうございます。この後、スポーツ基本計画のあり方について、皆さんのご意見を伺う時間を用意しておりますので、そちらでご意見をいただきたいと思っています。

 それでは、現行のスポーツ振興基本計画の評価については、今回で一区切りということで了承とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【山口委員長】  ありがとうございます。

 それでは、資料3-3をお開きいただきたいと思います。「『スポーツ基本計画』の在り方について(議論のたたき台)」について、事務局から説明をお願いしたいと思います。

【西井スポーツ政策企画室長】  失礼いたします。「スポーツ基本計画」の在り方についてということで、計画の内容に入ります前に、計画がそもそもどうあるべきかという点につきまして議論のたたき台を作成させていただきましたので、ご説明申し上げます。

 まず1つ目の項目でございますが、計画の期間についてでございます。ご案内のとおり、現行の計画は10年間の計画となっておるわけでございますが、新計画がどのような年限の期間となるかという点でございます。論点といたしましては、短期的には成果があらわれにくい事柄を含めまして、総合的で包括的な計画とする必要があるのではないかという点。2点目といたしまして、社会やスポーツ界における変化の早さに適切に対応するためには、どのような方法が考えられるかという点。3点目といたしまして、期間経過後の評価を改善サイクルに結びつけるにはどのような長さが適当かという点でございます。

 四角の中に参考といたしまして、計画の期間に関します事例を幾つか掲げてございます。1つは、先ほど申し上げました、スポーツ振興基本計画でございまして、おおむね10年間となってございます。2つ目は、教育振興基本計画でございます。現行計画につきましては、平成20年度から5年間ということでございまして、その際、おおむね10年先を見通した教育が目指すべき姿と、5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策を示すものと位置づけてございます。科学技術基本計画につきましては、やはり今後10年程度を見通した、5年間の科学技術政策を具体化するものとしております。文部科学省におきまして昨年策定いたしましたスポーツ立国戦略につきましては、今後おおむね10年間で実施すべき重点戦略としてございまして、こちらは10年間という年限を定めております。

 次に、構成でございます。これらは、これまでの3回にわたる委員会におけるご議論を踏まえまして、作成したものでございます。大項目と政策目標、小項目と個別目標・各種施策等を対応させて、どのような体系の構成とすべきかという点でございます。

 この点につきましては、1ページおめくりいただきますと、ごく大ざっぱなイメージを別紙という形でお付けしているところでございます。これは内容を含めまして、すべてイメージで、粗々としたものでございます。「スポーツ基本計画の構成(イメージ)」ということで、総論があり、2といたしまして、スポーツ施策の展開方策とございます。

 その中で、大項目といたしまして幾つかの項目が掲げられることになるというものでございます。例えば「学校と地域における子どものスポーツ機会の充実」という大項目の中で政策目標が立てられまして、それに対応いたします小項目が具体的な施策としてさらに掲げられまして、それらの具体的な施策に対する到達目標、現状と課題、今後の具体的な施策展開という形で、定量的・定性的な指標を用いつつ、具体的に記述されると、そういう構成でございます。

 先ほどの1枚目にお戻りいただきますようお願い申し上げます。構成についての丸の2番目の論点でございますが、スポーツ基本法に規定されておりますスポーツの果たすべき役割を踏まえ、国民生活を発展させるという観点から、講じるべき項目を柱立てとしてはどうかという点。スポーツ基本法につきましては、前文のみではなく、「基本理念」等を規定する条文も踏まえるべきであるという点。コミュニティ、トップスポーツ、学校体育、ヘルスプロモーション、ドーピング防止、国際関係、好循環をキーワードとすれば、障害者スポーツはこれらに共通の横断的課題として整理してはどうかという点でございます。

 1枚おめくりいただきまして、3といたしまして、こちらは目標設定・評価方法についての論点でございます。1つ目は、計画が未達成の場合に、目標設定のあり方の是非を含めまして、その原因が明らかになるように目標設定を工夫すべきであるという点。2点目は、目標の達成状況を客観的な根拠に基づいて示していくことが必要ではないか。その際にどのような定量的・定性的な目標設定方法が有効かという点でございます。

 括弧の中に、参考といたしまして、現行計画等において利用してございます目標の立て方について例示させていただいております。定量的な目標の例といたしましては、先ほど来ご議論がございましたが、いわゆる成人の週1回スポーツ実施率という数値とか、メダルの獲得率を数値的な定量目標として活用しております。定性的な目標といたしましては、地域住民の主体的なスポーツ活動を支援する方向へ地域スポーツを推進するとか、ドーピングのないクリーンで公正なスポーツ界を実現するとか、そういった記述をもって目標を定めている事例が現行計画では認められます。

 3点目の論点といたしまして、スポーツの社会的な波及効果とか、心身の健康、教育等に対する影響との関連が明らかになるような目標の設定にすべきではないかという点でございます。

 大きな項目の4でございますが、計画の内容につきまして、幾つかご紹介してございます。1つ目は、昨年文部科学省で策定いたしましたスポーツ立国戦略でも目標が掲げられております。これらを整理して計画に取り込んでいくということではどうかということ、また、スポーツの基本的な価値を、国内的な視点ばかりではなく、国際的な視点から見直して、計画の中で具体化していくということが必要ではないかということ。

 スポーツに関心のない人にも興味を持ってもらえるように、国民に理解しやすい内容にすべきであるという点や、国民一人一人がスポーツ活動に主体的に参画することを基本とする計画にするべきであるということ、スポーツのよいところばかりではなく、問題点やリスク等も自覚して、対応するような視点を取り入れてはどうか。スポーツ基本法におきまして示された「障害者スポーツ」に関する施策を具体的に示していくべきではないかという点。スポーツ施設の整備計画とか、財源、税制に関する内容も記述してはどうかというような点でございます。以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 議論を整理するために、資料3-4のA3判があります。こちらのほうは、政策項目ごとの具体的な例等がございます。こちらでも、後で説明していただいて、議論する時間を設けております。ここではまず、資料3-3の基本計画のあり方について、計画の期間、構成、目標設定、評価方法、計画の内容、この点についてご意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 福永委員、どうぞ。

【福永委員】  スポーツ基本計画を今見ていまして、スポーツという言葉が頻繁に出てきますが、スポーツの定義ですよね。普通、スポーツというと、やれ、サッカーだ、野球だ、ラグビーだというイメージが一般的には出てくると思いますが、これはしっかりと定義する必要があると思います。

 私は、あらゆる身体運動をスポーツと言うということではよくないと思います。1つは、健康のため、それから、競技のため、もう1つは教養という、健康、競技、教養という3つを、そのためのあらゆる身体運動、これをスポーツと定義したいと思っています。

 1992年の新ヨーロッパスポーツ憲章といいますか、そこでヨーロッパの国の人たちが集まって定義しているのは、競技のため、精神的な充足のため、それから、社会性の育成と健康と、こういう4つの目的を持って行う身体運動をすべて総称してスポーツと言うと定義しています。

 僕もその考え方に従って、今、競技、健康、教養と言ったのですが、そういうふうな全体的に全員が共通する概念を持っていないと、今、スポーツというと、いわゆるオリンピックの種目に見られるようなスポーツをイメージするのがおそらく一般的ではないかと思うんですね。そういうことをどこかでしっかり定義したほうがいいのではないかと思います。

【山口委員長】  ありがとうございます。スポーツの概念は、国、地域によってかなり違いがありますが、明確に定義すべきではないかというご意見でございます。

 ほかにいかがでしょうか。

【西井スポーツ政策企画室長】  今の点につきまして、例えばこれは法律上の定義づけでございますが、スポーツ基本法の中では、前文の中で、幾つか定義的なことが掲げられてございます。「スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵養等のために、個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動であり」とございまして、これが基本計画上におけるスポーツの定義的なものと言えると思います。

【山口委員長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

 計画の期間についてはいかがでしょうか。10年ということで今まできていますが。

 土江委員、お願いいたします。

【土江委員】  すみません。ありがとうございます。計画の内容について、2点ばかりお願いしたいと思います。資料3-4にも入り込むと思いますが、お示しなさったこの内容について意見をと思います。

 スポーツに関心のない人にも興味を持ってもらうように、国民に広く理解される基本計画ということで、全く同感であります。もちろん国とかあるいは地方公共団体、またはスポーツ団体の重要な指針を示すものですが、やはり先ほど長田委員もおっしゃったように、本当に国民にわかりやすく、基本法によってこんなことが変わったな、スポーツをして本当にこんなにおもしろいんだなと、そんなことが実感できるようなものにしていただきたい。

 基本計画の中にそれを落とし込むというのはなかなか難しいと思いますが、例えば学童期へスポーツレクリエーションとか、あるいはニュースポーツとか、そうしたものが落とし込めて、学校体育の中でもそうした運動の楽しさ、喜び、そんなものが感じられるような具体的な施策など。

 例えば中高年でしたら、全国スポーツレクリエーション祭というものがありますが、これはニュースポーツあるいはスポーツレクリエーションによって、日常的に運動をする人々が大きく増えたと思いますし、また、偶然性とか意外性があって、やはり時には勝つこともできるとか、その喜びもあったのではないかというようなことで、何かこういった具体的なものを学童期の中にでも同時にできたらいいのではと思っています。

 それから、私は今回、非常に高く評価しておりますのは、小学校低学年から高校生までの12年間のスパンの中で4年間のくくりで、発達段階に応じた運動のあり方、スポーツのあり方がきちっと明示されたんですね。これはすごくわかりやすくて、私も評価しているのですが、実際に教科書採択に当たって、保健体育の教科書を見たのですが、その時に、する・見る・支えるスポーツという観点、これはどの教科書会社も入っていたのですが、12年間のスパン、体系的なとらえ方というのは、私が見た限りでは1社しかございませんでした。こういったことがまずは学校現場でしっかり押さえられる。そのために、指導者養成あるいは指導主事への伝達講習とかそういうものがきちんとなされないといけないのかなと。あわせて、各種のスポーツ団体へいかに普及啓発していくのか、こうした具体的な方法を示す必要があるのかなと思っております。

 それから、もう1点、スポーツのよいところばかりというような項目があったのですが、大切な視点だと思っております。特に運動部活動に対して、スポーツ医・科学の視点をきちんと押さえるべきではないかと思います。運動部活動が学校教育活動の一環として位置づけられたわけでして、現在、スポーツ振興基本計画の課題にも上っておりまして、やはりスポーツ医・科学の視点から、運動部の顧問とか指導者を対象とした研修会やある種の規制、推奨ガイドラインといった仕組みによりまして、スポーツ医・科学の知見が運動部の指導に生かされるような、そうしたことが必要ではないのかなと思います。以上です。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 河野委員、お願いします。

【河野委員長代理】  先ほど西井さんのほうからご説明があった中に、変化の早さに対応するためにはどうしたらいいか、あるいは期間をどうしたらいいかということで、ここで述べていただいているのは、参考も含めて、いわゆる目標設定をして、それに到達するためにはどうすればいいかということで、いわゆるキーゴールインジケーターだけを出している。

 最近、ビジネスや何かで重視されている進捗状況をどのように見ていくか、つまり、KPI、キーパフォーマンスインジケーター(Key Performance Indicator)の概念を入れていくと、設定自体は10年なり、途中で5年ということであっても、その年から急に目標に行くわけではなくて、進捗管理をすることによって結果になるので、そういったキーパフォーマンスインジケーターのようなものを、できるものとできないものとがあるかもしれませんけれども、考えてはどうかと思います。

 つまり、パーセントに出るためには数字が出てくるわけです。専門家でないので、そのことを深く説明することはできませんが、我々が実際にやっているのは多分進捗管理だと思いますので、その概念を入れていくと、5年たって、急に、できなかったということではなくて、毎年見ることによって進捗管理ができるのではないかと思いましたので、発言させてもらいました。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 ゼッターランド委員、どうぞ。

【ゼッターランド委員】  最後のほうで、3番目の「目標設定・評価法について」、続いて4番目の「計画の内容について」とさまざまな課題が挙げられています。目標を達成しようとした時に、やっぱりそれをどう設定して、それを達成するためにどういうような計画が必要なのかというと、多分そういう組み立てになっていくと思います。言葉じりをとらえるわけではないんですけれども、文言を拝見していますと、例えば「計画の内容について」の中でも、「国民の一人ひとりがスポーツ活動に主体的に」云々となっています。

 先ほどの長田委員の話にも若干関連すると思いますが、多くの人にスポーツを実施してもらいたい、健康になってもらいたいから実施することが必要だというのはあるのですが、現状、例えば今日ここにいらっしゃっている皆さんの中で、この1週間のうちに何回スポーツをして汗を流されたかとお聞きしたら、もしかしたらいらっしゃらないんじゃないかと思ったりもします。

 でも、例えばスポーツの試合を観戦したとか、テレビでニュースを見たとか、あるいは、何かスポーツを支える活動をしたとか、さまざまなスポーツへの関与ということを考えた時に、実際に体を動かすということで実施できた人は少ないかもしれないけれども、関与した人の数とかパーセンテージでいったら、結構上がることもあるのではないかと思うんですね。

 やはり多くの方にまずきっかけとして何らかの形でスポーツに関与していただければ、心身の健康ということもうたっていますので、例えばなでしこが世界一になったのを見れば、それを見て心が晴れ晴れする人がいるということは、やっぱり心の健康にもつながることだと思います。

 ですので、スポーツへの携わり方とか、とっかかり、入り口としての間口をやっぱり広く持っていかないと、もしかしたら目標を設定したとしても達成はなかなか難しいのかなと思います。実施だけではなくて、やはりスポーツ活動ということをとらえた時に、どこまでをスポーツ活動として受け入れていただけるのかということを感じました。

 これだけいろいろな効果がありますので、心身の健康もそうですし、スポーツ産業ということも考えた時に、携わってくれれば、スポーツ産業のほうもまた大いに発展するということもあるので、さまざまな波及効果を考えた時に、もう少しスポーツ活動を本当の意味で大きくとらえることがあってもいいのではないかなという気がしております。以上です。長くなりました。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 大日方委員、お願いします。

【大日方委員】  2点申し上げさせていただきます。まず1点目は、計画の期間についてなんですが、先ほど河野委員からお話があった、KPIを進捗管理のためにも導入したほうがいいんじゃないかということについては、大変わかりやすいですし、そのほうがよろしいだろうと考えております。

 一方で、3-3の最初にあるような、「総合的で包括的な計画とする必要があるのではないか」という点については、まさにそうだと思っております。大きなゴールをどこにするのかというところで、10年を一単位と考えてしまうと、場合によってはちょっと短過ぎるものもあるのではないかと。例えば20年先、30年先にこの国がスポーツ基本法のもとでどういう国になっていたいのかというような大きな全体の枠が見えるような、そういう意味でのゴールというのは、10年だと少し短いかというような気もしておりまして、そこを少し長目に設定するものというのも議題によってはあるのではないかと感じた次第です。

 2点目は、今もゼッターランド委員や最初に福永委員から、スポーツのそもそもの定義とは何なのかというところは話題になっておりますが、これは大変重要な問題だと思っております。このスポーツ基本法ができた時に、多くの国民が何か自分とは関係のないものができたと思われていることが、我々としては大変問題であろうと。このことはこの委員会ではぜひ解消していかなければいけない問題で、すべての国民にかかわりがあるものであるということをわかっていただくために、もちろんスポーツ基本法でうたい上げているのですが、スポーツとはそもそも何なのかということを伝えていく、わかりやすい言葉にしていく義務があるのではないかと、そんなふうに考えました。以上です。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 時間が押してきていますので、次の時の最初に、長田委員にさせていただきたいと思います。

 資料3-4のところの「各政策項目ごとの課題例」の審議について入りたいと思います。西井室長から、できるだけ簡潔にお願いしたいと思います。

【西井スポーツ政策企画室長】  それでは、引き続きまして、資料3-4につきましてご説明申し上げます。

 これに関連いたしまして、委員会の皆様方にはちょっと復習になりますが、末尾のほうにつけてございます参考3という資料を一べつ賜れればと存じ上げます。これは「スポーツ基本法を踏まえた今後検討すべき課題」といたしているものでございます。

 この資料は、一番左側の欄に、スポーツの果たす役割等を規定いたしてございます基本法の前文を掲げてございます。これらの前文に掲げられております各要素に対応する形で、「スポーツを通じて実現する社会像」を真ん中の欄に掲げさせていただいております。

 それに対応する形で、一番右の欄で「今後検討すべき課題」としてございまして、一番上段にございます「年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができるスポーツ環境の整備」が、すべての課題に共通いたします横断的な課題であるとしてございます。

 さらに具体的な課題といたしましては、7項目を掲げてございます。1つ目は、学校と地域における子どものスポーツ機会の充実、2つ目は住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備、3つ目は若者のスポーツ参加機会の拡充や高齢者の体力つくり支援等ライフステージに応じたスポーツ活動の推進、4つ目は国際競技力の向上に向けた人材育成・スポーツ環境の整備、5つ目はオリンピックなど国際競技大会等の招致・開催等を通じました国際貢献の推進、6つ目はドーピング防止やスポーツ仲裁等の推進によるスポーツ界の透明性、公平・公正性の向上、最後にスポーツ界における好循環の創出としてございます。

 この7つの柱立てといいますか、課題の柱に対応する形で、より具体的に説明させていただきます資料が、先ほどの資料3-4でございます。恐縮でございます。資料3-4にお戻りくださいますようお願い申し上げます。

 6枚ございますA3判の資料でございますが、こちらの資料におきましては、ただいま申し上げました7つの柱立てに応じまして、1つは、前文のみにとどまらずに、スポーツ基本法にございます基本理念に係る条文、すなわち、第2条でございますが、こちらにどのような位置づけに各項目がなっているかということを明らかにしつつ、それぞれその施策を細分化いたしまして、スポーツ基本法の中で特に関連性の高い条項を書き上げたものでございます。それがマル3となっているところでございます。

 その右の欄に「課題例」といたしまして、それぞれについて課題となる項目を例として掲げたものでございます。

 5といたしまして、関連する立国戦略の項目ということで、昨年文部科学省におきまして策定いたしました立国戦略の項目が掲げられているものでございます。

 それでは、まず1枚目の中身につきまして簡単にご説明を申し上げます。1枚目、ただいま申し上げましたように、「学校と地域における子どものスポーツ機会の充実」という、いわば大項目でございます。これにつきましては、基本法の第2条でございますと、第2項の青少年のスポーツの推進に係る規定が直接的には対応する規定となってございます。さらに、第1項のスポーツ権とか、第4項の健康の保持増進、安全の確保とか、第5項の障害者への配慮は、直接的には青少年に対する施策を規定しているものではございませんが、こちらにつきましても横断的に該当する規定であるということで掲げさせていただいているものでございます。

 その大項目に対しましては、1から3の小項目を掲げてございます。1つ目は幼児期からの子どもの体力向上方策の推進、2つ目は学校における体育活動の充実、3つ目は子どものスポーツ活動を推進するための環境整備といたしてございます。

 ちなみに、この四角の中に点線で囲った部分がございます。これは冒頭でご説明がございましたが、第2期教育振興基本計画における審議におきまして、現在、基本的な方向性として取り上げられている各事項におきまして、ここの項目がどのような位置づけになるかということをご参考までにご覧いただくためのものでございます。すなわち、現在考えられております教育振興基本計画の中におきましては、学びのセーフティーネットの構築の中のスポーツに親しむ機会の増加とか、社会を生き抜く力の養成の中の子供の体力向上に係る項目が、1の「学校と地域における子どものスポーツ機会の充実」に関連してくる項目であるという資料でございます。

 次に、1ページおめくりいただきますと、「住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備」の項目でございます。これにつきましては、基本理念の規定の中でございますと、第2条第3項に掲げてございます、地域の人々の交流及び地域間交流の促進に係る条項が直接的には対応するものとなると思います。それに対しまして、さらにスポーツ権とか、やはり健康とか、障害者の配慮といった項目が横断的にかかわってくるというものでございます。

 これにつきましても、3項目に分けて整理をいたしてございます。まず1つ目といたしましてはコミュニティの中心となる地域スポーツクラブの育成・推進、2つ目といたしまして、地域スポーツ施設の充実、3つ目といたしまして、地域におけるスポーツ指導者の充実とさせていただいております。

 右に、関連の深い基本法の規定とか、関連いたします課題の例につきまして展開させていただいておりますことは、先ほどと同様でございます。

 さらに1ページおめくりいただきますと、3といたしまして、「若者のスポーツ参加機会の拡充や高齢者の体力つくり支援等ライフステージに応じたスポーツ活動の推進」に関する項目を掲げてございます。これにつきましては、第4項の健康の保持増進及び安全の確保の条文が直接これに対応するものでございます。横断的な視点といたしましては、スポーツ権あるいは障害者への配慮といったものがこれに該当いたします。

 この項目につきましては、2つの項目を小項目として設けさせていただいております。1つ目は、ライフステージに応じたスポーツ活動の推進でございます。2つ目は、スポーツにおける安全の確保という点でございます。課題例等につきましては同様でございます。説明は省略させていただきます。

 さらに1ページおめくりいただきますと、4といたしまして、「国際競技力の向上に向けた人材養成・スポーツ環境の整備」の大項目でございます。これにつきましては、第2条第6項の競技水準の向上に資する諸施策の連携及び推進という点でございます。これにつきましても、横断的視点が、やはりスポーツ権とか、健康保持、あるいは障害者への配慮、国際的な交流及び貢献の推進といった点で関わってくると考えております。

 これにつきましては、1から3までの小項目に分けて整理をさせていただいております。まず1つ目に、ジュニア期からトップレベルに至る戦略的支援の強化という項目でございます。2つ目には指導者及び審判員等の養成・研究やキャリア循環の形成といった点、3つ目といたしましてはトップアスリートのための強化・研究活動等の拠点構築といった点を分けて取り上げております。

 1ページおめくりいただきますと、5といたしまして、「オリンピックなど国際競技大会等の招致・開催等を通じた国際交流・貢献の推進」に係る項目でございます。これにつきましては、基本法でございますと第2条第7項、国際的な交流及び貢献の推進という規定が直接対応するわけでございます。スポーツ権が、間接的ではございますが、共通して関わってくるというものでございます。

 これにつきましては、第1、第2という2つの小項目に分けてございます。オリンピックなど国際競技大会等の招致・開催等と、スポーツに係る国際的な交流及び貢献の推進といった項目に分けて整理をさせていただいております。

 次に、下の欄でございますが、6といたしまして、「ドーピング防止やスポーツ仲裁等の推進によるスポーツ界の透明性、公平・公正性の向上」についての項目でございます。これにつきましても、基本理念の条項に直接的に第8項が設けられてございまして、この中で、公正かつ適切なスポーツの実施という条項に直接関わってまいります。

 この項目につきましては、1から3までの3項目でございます。1といたしまして、ドーピング防止活動の推進、2といたしまして、スポーツ団体のガバナンス強化に向けた取組の推進、3といたしまして、スポーツ紛争の予防及び迅速・円滑な解決に向けた取組の推進としております。

 1ページおめくりいただきますと、最後、7といたしまして、「スポーツ界における好循環の創出」でございます。この項目につきましては、基本理念におきまして直接的な規定はございませんが、こちらに掲げております第2条の各条共通いたしまして、スポーツ界における好循環を創出していくということが必要になってくるものであると整理したものでございます。

 この項目につきましては、1から3まで3項目でございます。1つ目は、トップスポーツと地域スポーツの連携、2つ目は地域スポーツとスポーツ産業の事業者・大学との連携、3つ目に、国際的な好循環の創出という3項目を定義させていただいております。

 長くなりましたが、説明は以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 それでは、資料3-4「各政策項目ごとの課題例(案)」につきまして、ご意見、ご質問がございましたら、どなたでも結構ですので、ご発言をお願いしたいと思います。

 長田委員、よろしいですか。

【長田委員】  お願いします。

 日本では、もともと心と体、頭と体を切り離して考えてしまう気がいたします。これを一緒くたに考える国はたくさんあって、先ほど荒木田委員から、スポーツをやっていて医者になる方、スポーツをやっていて弁護士になる方もいるというようなお話がありました。日本人は、どうしてそんなことができるの?と思っていしまいますが、頭と体を切り離さないということを子供のうちから教育していかないといけないのではないでしょうか。

 つまり、例えば大学でもそうですが、学校の授業に全く出ていなくても、競技をやっているからという理由で単位を出してほしいというようなことを言われます。そういうことは、ほかの国で許されないと思います。要するに、単位も取り、試験も良い点数を取っていないと試合に出さない、という逆からの縛りがあり、どちらもやろうということが働くことがすごく大事なのではないかと思います。

 ですから、頭と体を離してはいけないというのは、体の発達も頭の中の発達も、頭の中の構造として一緒ということです。勉強ができる子は運動もできるというのは、今までそういう子もいたなというのはあるかもしれませんが、運動のできる子は勉強もできるはずなんです。そういう構造に頭をつくっていってもらいたい。決して切り離さないでいただきたい。

 それから、セカンドキャリアの問題がありました。例えばハーバード大学は、卒業生で250人もオリンピック選手が出ています。日本人では、例えば東大を出て、なおかつ、オリンピックで金メダルを取ったという人は前代未聞だと思います。それは特殊な人ではなくて、そういうことはできるんだというように、先ほどおっしゃった健康、競技、教養、精神、これを一緒にして理念として働きかけられないかと思います。

 それから、私は体育が大嫌いでした。なぜかというと、基本は鈍足だったからです。それで、こういう職業についたのでどっち側からも少しわかるのですが、最近のスポーツ科学は、だれの足でも速くなるということを教えてくれます。

 例えばだれかと一緒に競争すれば遅いかもしれないけれども、その子にとっては毎年足が速くなるのはうれしいことです。そういうことを教えてもらえれば、少し速くなるとうれしく感じて、子供はスポーツをするわけです。

 かたく考えずに、もっと違うアプローチで勧めていただけないかなと、体育が大嫌いだった人間としては思いますが、いかがでございましょうか。スポーツをしておくと後々どうなのかというのはわかってはいるけれども、それをもっとセンスよく伝えていくことに知恵を絞っていただかないと、この国は変わらないと私は思います。目標を掲げるのは私どもなのですが、その表面化されるものに関しては、もっと違うことをやっていただきたいと思いながら聞いておりました。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 多くの方から手が挙がっております。田嶋委員、お願いします。

【田嶋委員】  すみません。今の長田委員のご意見と反対ということではなく、トータルで同意なのですが、具体的なところでどこかに入れてもらえればということで申し上げます。

 今、我々サッカーの環境というのは、学校体育だけではなく、クラブもかなり多く推進しています。ここでも、学校体育の活動、それから、ジュニア期からトップレベルまでの活動、それぞれの分野で非常によく分析していただいてもらって、この項目というのはすごくありがたいと思います。

 我々が1つ問題があるのは、クラブでやっている子たちが、学校で、100日も休ませろとか、50日も休ませろとかということではないのですが、例えば文科省の主催であったり、教育委員会の後援であったりするような大会は、授業中やるような時でも校長先生が公欠扱いしてくださったりしますが、クラブでやっている子にはなかなかそれが許されない。

 もっと違った例でいうと、中体連でやっている子は公欠で試合に行ったりするけれども、同じ中学校に通っている子がクラブでやっていると、その子は普通に欠席して行かなければいけないとか、校長先生の裁量によるところも非常に多いとは思いますが、何かその辺を文科省から通達してもらえたりするのでしょうか。

 七、八年前に、一人一人の子供の個性を伸ばす教育ということを文科省で出してくださったおかげで、海外遠征とかは非常に行きやすくなったというのはあるんですね。そういう意味では、校長先生たちにそういうことをお伝え願うか、もしくは、いろいろなさまざまな大会に教育委員会や文科省が後援としてすべて入っていただけることができないかとか、そういうものをぜひお願いしたいと思います。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 今、7人の委員から手が挙がったので、できるだけ多くの委員の方のご意見をお伺いしたいと思います。大変恐縮ですが、できれば簡潔にいただければと思います。

 次に、佐藤委員、お願いします。

【佐藤委員】  先ほど長田委員のほうからもありましたけれども、この1枚目の「学校における体育活動の充実」というところでお話しさせていただきますと、やはり小学校の時期が大事だと思います。(2)の3番目に「小学校の体育活動の支援を行う専門的な人材の配置」とありますが、現在も体育の専門的な教員を小学校にというような流れにはなっておりまして私は非常にいいと思いますが、これはやはり早急に配置すべきだと思います。

 福永委員からもありましたが、体育学部でかなり優秀な生徒を育てていると思います。やはり小学校の時期に、夢を持って、体を動かすのが非常に楽しいということを教えられる、そういう専門家、プロを配置して、それが将来の競技だけではなくて、ライフステージに合ったスポーツを楽しむというところにつながるのではないかと思います。

 それから、その1つ上に「中学校武道・ダンスの必修化に伴う指導体制及び施設の充実」とありますが、これは文科省としてはかなり画期的な取り組みだと、現場にいた者としては思います。ただ、武道に関しましても、かなり指導力が問われる分野であります。かなり専門性が問われますので、この辺も早目にというか、やはり現在いる人材の育成も含め、それから、活用を含めて、施設の充実とともに体制を整えるべきではないかと思います。以上です。

【山口委員長】  ありがとうございました。続きまして、小倉委員、お願いします。

【小倉委員】  ありがとうございます。田嶋委員から言っていただきましたので、大変心強く思いました。具体的に申し上げますと、総合型地域スポーツクラブに参加をしている高校生とか中学生が学校の部活と同様に評価をされないというところに参加の機会を失っていると私は思っておりますので、田嶋委員のおっしゃったようにぜひお願いしたいなと思っております。

 それから、今回お示しいただいた7つの大項目ですけれども、一つ一つが区切られるのでなくて、これはすべてがリンクした形で議論されるべきではないかとも思いますので、その辺のご配慮をいただきたいと思っております。

 特に1つの事例として、既に小学校体育活動コーディネーター、これはスポーツコミュニティの形成促進事業ということで現在進めておりますが、学校の現場においても非常に高い評価をいただいております。先生方も、自分では教えられないことをそういう外部の指導者に来ていただいてやっていただけるということで、さらに要求事項も増えてきているわけです。

 ただし、現在は国の費用がついておりますのでうまくこなせていきますが、これが将来的にわたって継続されていくためには、クラブ自身が自主的に自立した形でそれができるようにしていかなければならないという大きな課題も抱えております。このあたりも今後の議論をしていく中で、皆様方のご意見を賜りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それから、総合型地域スポーツクラブについて、「住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備」ということで、いろいろと細かくここに記載していただいております。私が一番心配しておりましたのは、基本法の中では、地域スポーツクラブということで一括りにされておりますので、基本計画の中では、具体的にこのように記述をしていただきたいということでお願いをしておきたいと思っております。

 この部分が削除されますと、地方の行政においては、大変難しい事業をやってきたけれども、大変だった、記載がなくなったからやれやれと肩の荷をおろしたような形になってしまうというのが明白でございます。ぜひこのあたりはしっかりと記述をしていただいて、議論をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 上治委員、お願いします。

【上治委員】  先ほどの項目でもスポーツのリスクの問題が議論されていますが、競技団体の派遣で海外等に行く場合に、各競技団体のNFは保険のカバーとかいろいろされるのですが、企業側から出ていく場合に、契約社員、正社員、いろいろな契約体系によって、保険のカバーが、けがをした場合の遠征との兼ね合いが明確ではありません。当然、私どもの社員でも、けがをした場合には、労働基準監督署に行って労災扱いとか、そういうふうな遠征先での派遣の競技におけるけがとか事故の場合の保険のカバーを、役所間横断的にもっとスムーズなカバーができるような議論も加えていっていただきたいと思います。以上です。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 ただいま、6名、あと、上村委員、福永委員、宮嶋委員、岡島委員、浅野委員、平尾委員が挙がっております。今日は最後にもう1つの議題、学校安全が残っておりますので、申しわけありませんけれども、この方の意見で今日はとりあえず終わらせていただきたいと思います。

 上村委員、どうぞ。

【上村委員】  私は大の運動苦手からスポーツをやった人間ですが、それは実は指導者との出会いから始まりました。だから、この項目の中に指導者の養成というのをきちんと書いていただいたこと、すべての項目に書いていただくことは大変歓迎であります。

 ただ、ここで指導者あるいは国際人材の養成等につきましてやっていただくのは、これは非常にありがたい話で心強いことですが、今、各競技団体とも非常に困っていることがあります。それは実はナショナルチームの監督やコーチを直用で雇える競技団体というのはほんの少ししかありません。ほとんどが出向や、ただ好意で出てきていただいているのが実情でございます。

 今、ナショナルコーチ制度とか専任コーチ制度ができて、その制度を使わせていただいているんですが、ただ、ナショナルチームの監督・コーチというのは、やっぱり気力体力が充実しているほんの2サイクル、4年から8年しかもたない。そうしたら、その後は元の所属に帰るとか、そういうことをしなければなりません。

 その派遣期間の保険の問題、あるいは年金、退職金、そして、いろいろなシステムの違いによって、私学共済に入ると何とかと違うとかいろいろなことがありまして、それをどうにか一元化できないものかと思います。企業から出てくる人たちにも、年金の問題があってどうとかこうとか、いつも困ったことが起こりますが、その整備もここのどこかに1行書いていただくと非常にありがたいと思います。

 指導者がいろいろなところに行っても、すぐに派遣できたり、そこに行って仕事ができたりというのが好循環につながってくると思いますので、ぜひご検討をお願いしたいと思います。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 福永委員、お願いします。

【福永委員】  このスポーツ基本法を踏まえた今後検討すべき課題及びその具体例案、これは大変よくできていると感心しております。

 先ほどの荒木田委員と長田委員の大学におけるスポーツ、大学生とスポーツ選手といいますか、これのご意見は、私、体育大学の学長としましては、今すぐにでも必要な大きなテーマです。鹿屋体育大学の場合は、例えば遠征に行って授業が受けられない。長期遠征に行きますと、かなり授業が受けられなくて、単位が足りなくなってしまいます。それを解消するための1つの方法は、インターネット授業、Eラーニング法を今、フル活用しています。例えばiPodを使った授業とか、そういうことで、今の電子機器等の開発はそういう意味では非常に役に立ってきていると思います。

 もう1つ、アテネで柴田亜衣が金メダルを取りました。鹿屋体育大学の学生であります。もう一方で、セントラルスポーツでしたか、平泳ぎの北島さんがメダルを取りました。どこが違うのか。片一方は大学の学生であり、片一方はそうじゃないのですが、その違いは、大学生である以上、大学の学士としての教養とか知識を身につけていなければいけない。それは先ほどの授業にもつながる。

 一方で、柴田亜衣を支えた田中さんという先生、教授でいらっしゃいます。同じ北島さんを育てた平井さんも、同じメダリストの指導者です。そういったことは、体育大学の存在意義ですね。大学で何を教えるのか。

 一方で、英語を重視して、トップアスリートを入学させます。それをどのような形で4年間育成していくのかということ、つまり、文武両道とよく言われますけれども、文と武をどのように大学が示していくかということは重要な問題でございます。これは何も鹿屋体育大学だけの問題ではなくて、ほかの大学及び体育学部の持っている大きなテーマだと思います。

 それに向かってやっぱりしっかりした形でそれを議論しなければいけないし、それを解決していないと、このままだと国立の鹿屋体育大学なんか必要ないのではないかということになってしまったら大変なことになりますので、真剣に考えてそれに対する対応はやっていっておりますので、ご期待ください。

【山口委員長】  期待したいと思います。ありがとうございます。

 宮嶋委員、お願いします。

【宮嶋委員】  スポーツというと必ずコーチが必要ですが、このコーチというイメージは、選手たちを引っ張っていく。もともとは馬車で目的地まで乗客を連れていってくれる人ということでコーチという名前がついたそうです。私たちはテレビでよくスパルタのコーチというものを見るので、そういう人のイメージがあるかもしれませんが、今、福永先生が大学におけるコーチの役割、指導者の役割を少しおっしゃいましたが、全部のステージにおいて、大学においてもそれがあり、幼稚園では何を教えるのか、6歳から14歳の頃はどういうことを教えるのか、15歳から17歳はどういうことを教えるのか、そして18歳以上はと、全部コーチの役割がきちっと違うと思います。

 そういった部分をもう少し明確に書いていただくことができないのか。どんなことをコーチに求めているのか、この国では何をコーチに求められているのかということをきちっと書いていただく。それが最終的にはそのニーズに合ったコーチを育てていく大学、体育大学の使命でもあると思うのですが、そこをクリアにしていただくことがすごく必要かなと思います。

 それから、それに付随しますが、柔道が学校の必修科目に入ってくることで、現場の先生から聞いた言葉で、本当に怖いというお話を伺いました。学校の先生の中にはやはり柔道をきちんと教えてくだされる能力のある人はあまりいらっしゃらないということでご心配のようです。ですから、そういった仕組みも、やるというだけではなくて、どのように指導者を持ってくるのかということまできちっと考えていただきたいと思います。

 やはり若い6歳-14歳、そして、今度、中高年の方の時には、コーディネーターというのも役に立つのかもしれません。ただコーチというのではなくて、ともにスポーツをする人という存在が必要だと思いますので、そのあたりも少し考えていただけるとうれしく思います。

 最後になりますが、私ども、コーチというとどうしてもオリンピックの選手のコーチのイメージばかりつくのですが、参考3を見ていただくと、前半の3つが大体、いわゆるみんなのスポーツと言われる生涯スポーツ、そして、下の3つが、国際競技力向上、オリンピック選手育成、そして、一番下にスポーツ界における好循環の創出となっているわけですが、実際の人数でいうと、かかわっている人数は90%が多分、頭の1、2、3の3つなんだろうと思います。

 もちろんその下の国際競技力、オリンピックで選手が活躍してくれれば私たちはうれしいし、なでしこからいろいろなパワーももらいます。でも、上にある3つを本当に真剣に考えていただきたい。ここがない限り、オリンピックでどんな素敵な選手が出ようが、メダルを幾つ取ろうが、日本の国民の本当の幸せにはつながりません。カンフル剤にすぎない。それを私は強調させていただきたいと思います。以上です。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 岡島委員、お願いします。

【岡島副分科会長】  今の宮嶋委員のともちょっと似ておりますが、スポーツは、トップスポーツと、だれもがやるスポーツ、それから、高校や大学で運動部に入っていた人たちとか、幾つかの層に分かれていると思います。特に子供や初めての人などは、やはりおもしろくなければやらないし、そういうような指導法があろうかと思います。

 そして、私が言いたいのは、だれもができる初歩的な部分の指導者のあり方をもう少し具体的に決めていないといけない。以前、何年か前にもここで話しましたが、河原でやっている少年野球チームの指導者などにひどい例がありまして、「ばかやろう」などと言ってます。そういうのも指導者なのです。そういうものをきちんとしなければならないというのが1つ。

 それから、荒木田さんのご指摘のようなこともありますが、大学の体育会とか高校のスポーツをやって社会的に活躍している人は、これは日本には山ほどいらっしゃるわけです。一流企業の重役さんを見ても大体どこかでスポーツをやっている人が多いし、私は山岳部でしたが、山岳部といったら、自民党の谷垣さんも、橋本龍太郎さんも、政治家だってたくさんいるわけです。

 ですから、真ん中といいますか、オリンピックの金メダルというようなレベルのところじゃないけれども、大学の体育会で頑張った人たちのレベル。平尾さんがいらっしゃいますけれども、亡くなった早大ラグビーOBの宿沢さんとか、いろいろな方も活躍されているわけで、そこは僕は結構いいのではないかと思います。

 問題は一番下と上。トップに対して、確かにおっしゃるように、日本では弁護士とかの資格を取るというのは非常に難しい。だけど、外国にはいる。これはスポーツ界だけの話ではなくて、日本の社会の1つの仕組み、全体の中から出てきている問題だと思います。昔、オーストラリアのマレー・ローズが金メダルをいっぱい取って、スパッと22、3でやめて、医者だか弁護士にかわった。そういうことは日本の社会ではなかなか難しい。スポーツだけではありません。ほかのところも非常に多くあるものですから、これはスポーツだけの問題じゃなくて、もう少し大きな課題として取り上げてみたい。

 それともう1つ、やっぱりトップのためにはどうしても必要だと思うのは、先ほどからあんまり評判がよくありませんが、トップになった人のアフターケアとか、すばらしい才能を発揮した人がその後困るというような状況では、才能もよくならないと思います。例えば音楽でもそうです。子供の時からちゃんとやって、立派な音楽家になっていく人もいらっしゃる。そういう者に対して、日本の場合はトップアスリートに対するアフターケアがあまりにもひどいということを私は言いたいわけです。

 ということで、トップと下の部分を、例えば場合によっては、この分科会の中を3つに分けて、そこを具体的にやっていかないと、総論でいっても、指導者1つとっても、上と下と真ん中では全然やり方が違うわけだから、そういうような仕組みを少しお考えになったらいかがかと思っております。

【山口委員長】  それでは最後に、浅野委員、お願いします。

【浅野委員】  日本レクリエーション協会の浅野です。3点ございましたが、そのうちの1点は先ほど宮嶋委員がしっかりお話ししてくださいましたので、これは割愛させていただきます。

 2点ほどあります。1点は、第1項目にある「学校と地域における子どものスポーツ機会の充実」、これは先ほど来、佐藤委員からもご指摘がありましたし、また、この課題例にもありますように、親子の運動遊びを促すとか、あるいは、楽しみ志向等、つまり、スポーツは本来楽しむものであるということ、そこをしっかり子供たちに伝えていくということを考えると、ここに③の関連の深い基本法の規定ということで各条項が挙がっている中で、なぜ第24条の野外活動及びスポーツ・レクリエーション活動の普及奨励の項目がないのかということが少し気になりました。

 私は、青少年の健全育成の関係の団体とかかわっておりまして、岡島先生もかかわっていらっしゃいますが、文科省の関連である国立青少年教育振興機構がすすめている「体験の風を起こそう」というさまざまな体験を子どもたちにしてもらうことは、スポーツの世界でもやはり同様かと思います。従来のスポーツだけではなく、新しいスポーツ、新しい野外活動、そういったものも含めたスポーツを通じて子供たちに対する健全育成をすすめることは、大変に重要なのではないかということの意味では、関連深い基本法の規定の中に、第24条も視野に入れていただくことをぜひお願いしたいと思います。

 そして、もう1点、これは先ほど来の1項、2項、3項全体に関わりますが、最後の7項目に「スポーツ界における好循環の創出」というのがございました。この中で特に、トップスポーツと地域スポーツの連携、または地域スポーツとスポーツ産業云々というところです。

 少し気になりましたのは、好循環という中で、トップアスリートの方が地域スポーツにもっと関わる、これは大変重要なことかと思います。しかしながら、1項、2項、3項を通じて、例えば子供たちあるいは幼児に対するすばらしい技術・知識をお持ちの方も、実は地域の指導者の中にもかなりいらっしゃるわけです。そういう力をやはり活用する。もしかしてそれはスポーツ全体ではないかもしれませんが、あるスポーツの分野においては、そういう地域の指導者の方々の能力を競技力向上に関わる分野にもっと生かすという意味でも必要ではないかと思います。

 つまり、スポーツ界における好循環の創出の中の人材の好循環みたいな中に、必ずしもトップアスリートが地域スポーツにということでなく、地域スポーツあるいは地域の人材をもっとスポーツ全体の発展に寄与していただく、そんな仕組みをぜひつくっていただくことが大切かと思います。これは、最初に福永委員が指導者の位置づけというものを明確にということをおっしゃっていただきました。ここにおいては、やはりそういう地域で地道に活動している方々もしっかりスポーツ指導者として、国のレベルで何らかの形で位置づけていただくということをお願いしたいということです。以上です。ありがとうございました。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 すいません、先ほどお名前を挙げていた委員は平尾委員まで挙げていましたので、もしございましたら、よろしいですか。

【平尾委員】  簡潔に申し上げます。課題例のところも、先ほどの資料3-3もそうですが、主体的、自発的という言葉が今回結構出ています。僕の経験から言わせていただくと、自分で判断することは日本人の大変苦手なところでございます。これは定量的には表現しにくいところだと思いますが、これをいかに進めていくかというのは、これからスポーツを発展させていくには非常に必要なところだと思います。やはり体育からスポーツということで大きくパラダイムシフトしていく現在の中で、自発的だとか主体的というのは大変重要なところだと思いますので、ここに対しては具体的なアドバイスが必要ではないかと思います。

 そうじゃないと、僕らの世代の指導者の方々というのは、どちらかというと強制的にやらされてきた人が大変多いわけですから、その中で、自発的もしくは主体的な指導をスポーツ基本計画に織り込んでいくといってもなかなか、構築しにくいところがあると思いますので、ここは適切なアドバイスが必要ではないかと思います。

【山口委員長】  ありがとうございました。本日は時間も限られております。追加でご意見のある方は、10月6日までにメールまたはファクスでご連絡をいただければと思います。

 それから、第5回は10月7日、第6回は10月18日、ヒアリングですけれども、10月18日の時には継続して基本計画について審議する時間を用意したいと思っています。

 それでは、スポーツ基本計画等に関する事項については以上となります。

 ここから先の議事進行につきましては、衞藤分科会長にお返ししたいと思います。

【衞藤分科会長】  それでは、議題3に行きたいと思います。学校安全の推進に関する計画の策定について議論したいと思います。

 まず、資料4-1から4-9につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。平下学校保健教育課長、お願いします。

【平下学校健康教育課長】  それでは、学校安全の推進に関する計画を策定することとしました背景及び具体的な検討課題等についてご説明いたします。

 資料4-1からでございます。これまでの学校保健法が学校保健安全法に改正され、平成21年4月から施行されております。学校保健安全法の概要については4-1のとおりでございますけれども、同法は、学校における保健管理に関し必要な事項を定めるとともに、学校における教育活動が安全な環境において実施され、児童生徒等の安全の確保が図られるよう、学校における安全管理に関し必要な事項を定めておるところでございます。

 また、同法の第3条で、国は、各学校における安全に係る取り組みを総合的かつ効果的に推進するため、学校安全の推進に関する計画を策定することとされております。この学校安全の推進に関する計画は、国と地方公共団体が相互に連携を図り、各学校において安全に係る取り組みが確実かつ効果的に実施されるようにするための重要な指針となるものであります。計画を効果的かつ着実に実施する観点から、計画の策定に当たりましては、これまで講じられてきました施策の成果を検証し、その上で全体的な新たな課題にいかに対応するかを検討することが重要であると考えております。したがいまして、今回の諮問の趣旨は、学校安全の推進に関する計画策定に当たり、これまでの施策や諸課題を分析していただき、計画に盛り込む基本的な内容を総合的にご検討いただくこととしております。

 学校安全には、防災と同じ意味で使われる災害安全、防犯を含む生活安全、交通安全の3つの領域がございます。このうち、災害安全には、今回の東日本大震災のような地震、津波のほか、台風などによる風水害のような自然災害はもちろん、火災や原子力災害も含まれております。また、生活安全には、児童生徒等が不審者により危害を加えられる事件や、校舎の天窓から落下する事故などが含まれております。

 それでは、これから、学校安全の3つの領域に関する課題などについて資料に沿ってご説明いたします。

 災害安全に関しましては、資料4-2「防災教育について」をご覧いただければと思います。学校における防災教育については、体育、保健体育及び特別活動を中心として、家庭や地域と連携を図りながら、学校教育活動全体を通じて行われております。

 また、文部科学省では、教師用指導資料や防災教育教材などを作成し、すべての小中高等学校等に配布しております。さらに、学校等で防災教育の講師となる教職員等を対象とした講習会を各都道府県で実施するなどして、教職員や児童生徒の防災に関する意識の向上等を図っております。

 また、今回の東日本大震災を受けて、文部科学省において、防災や防災教育の有識者で構成されます有識者会議を設置しまして、これについては資料4-4にございます。中間取りまとめの内容については資料4-3に概要がございます。有識者会合では、東日本大震災を受けて、津波災害からの避難行動、児童生徒等の保護者への引き渡し対応、学校と地域防災の関係に関する3つの課題が示されておりまして、これらを踏まえて、今後の施策の方向性が出されております。時間もないので、この資料は割愛させていただきます。

 それから、飛びまして、生活安全に入ります。資料4-5「スクールガード・リーダーの概要」についてでございます。生活安全の領域では、防犯も含めて、日常生活で起こる事件・事故について安全確保の取り組みを行っております。

 平成17年度から、警察官OB等のスクールガード・リーダーが各学校を巡回して、警備のポイント等の指導や、学校や通学路で子供たちを見守る学校安全ボランティアの養成などの事業を実施しております。配置数は、19年度から23年度のこの期間で大きく減っているといった状況がございますけれども、この要因としましては、20年度までは全額国庫補助だったのに対して、21年度からは3分の1の補助事業に変更になったといったような影響もございます。

 それから、資料4-6「学校の安全管理の取組状況の推移」でございます。平成16年度から21年度の5年間でどのように変化したかを調査した結果であります。例えば、地域のボランティアによる学校内外の巡回・警備の状況は、16年度の49.3%から68.9%に増えているような状況もございます。このように、学校における学校安全の取り組みは着実に進んでおりますけれども、低い水準にとどまる項目もあることから、今後もさらなる取り組みが必要と考えています。

 それから、交通安全の関係ですけれども、資料4-7からになります。交通安全教育については、体育とか保健体育及び特別活動を中心として、学校教育活動全体を通じて、二輪車・自動車の特性とか、交通事故の防止等について重点的に指導することとしております。文科省では、教職員向けの参考資料や教材を作成して、すべての小中高等学校等に配布しています。さらには、学校等で交通安全教室の講師による教職員等を対象とした講習会を実施するなどして、教職員や児童生徒の交通安全に対する意識の向上を図っています。

 資料4-8「交通安全に関する事故統計」です。22年度の交通事故の死者数は4,863人と、昭和45年に交通安全対策基本法が施行されて以来の最少死者数ではありますけれども、しかし、児童生徒等の死者数は、昨年は162人となっていて、依然少なくないというような状況もございます。また、高校生については、二輪車とか自転車による事故が少なくない状況をかんがみまして、関係機関及び保護者と密接な連絡を保ち、生徒の交通事故の防止に努めることが必要だと考えています。自転車関連事故についても、特に最近では対歩行者への事故などの課題があります。

 以上、学校安全の3要素でございます災害安全、生活安全、交通安全について、現状をご説明しましたけれども、こういった内容を踏まえて、具体的な方策についてご議論いただければと思います。

【衞藤分科会長】  ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、学校安全の推進に関する計画の策定について、専門的な調査審議につきましては、先ほど設置が決定されました学校安全部会で行うことになりますが、その前に、時間がもうあまり残されておりませんが、この分科会でももしご議論があれば、ご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 なお、全体の進行としまして、5分程度時間を超過することになろうかと思いますけれども、どうかお許しください。

 では、ご意見がございましたら、名札のほうをお立ていただけますでしょうか。

 大日方委員、お願いいたします。

【大日方委員】  失礼します。この中で私が昨今の問題として一番大きいだろうと思ったのは、自転車の安全の問題です。震災以降、自転車を活用する方がどうも非常に増えているようで、子どもたちもその中で、道路を非常に我が物顔にというか、危なく運転する人が増えていますので、このあたりのしっかりとした教育を、ルールづくりも含めてより一層していかなければいけないのではないかと思いましたので、ぜひご議論いただくと。よろしくお願いします。以上です。

【衞藤分科会長】  ありがとうございました。

 それでは、ゼッターランド委員、お願いいたします。

【ゼッターランド委員】  参考までにお伺いしたいんですけれども、資料4-2の2ページ目の後ろに、防災教育に係る指導者の研修というところで、皆さんがそういった講習会を受けられているということなんですけれども、この際に、例えば講習を受けたことによって例えば救命技能が認定される認定証が発行されるとか、何かそういったことにはつながっているんでしょうか。といいますのは、この中に心肺蘇生法、AEDの取り扱いを含む実技講習云々と書いてありますので、そのあたりはいかがかなと思って、ちょっとお伺いしたいのですが。

【衞藤分科会長】  平下課長、いかがでしょうか。

【平下学校健康教育課長】  学校教育においてのさまざまな必要な知識とか技術についての研修ということですけれども、特にここで何か資格を得られるということはあんまり想定していなくて、ここで、学校現場できちっとした指導ができるような資質能力を養っていくといったようなことを主眼に置いているというような感じでございます。

【ゼッターランド委員】  ありがとうございます。今お伺いしたのは、私も、東京都なんですけれども、東京都消防庁のほうの救急懇話会という会議にも実は出席させていただいております。もちろんこちらは総務省の管轄になると思うんですけれども。

 やはり東日本大震災を受けまして、おそらく全国の皆さんの防災意識が一気に以前より高まったということも受けて、やはり皆さん、資格だけ取れればいいというわけではないのですが、町中でいろいろなケースがありますけれども、救命技能を身につけて、積極的にそういった資格も取っていただいて、技能を身につけるということを推奨したいという話も上がっているんですね。

 そうしますと、せっかく皆さん、こういった実技講習会というものを時間をかけて、時間を割いて受けられるのであれば、せっかくですから、そこできちんと何か認定されるような、また、こういった人命救助の技術というのは、更新の講習をまた受けて、新しい知識をどんどん入れていく必要もやはりありますので、そういうところも、これは多分横の連携になると思うんですが、東京都だけに限らず、全国で必要なことだと思うので、ぜひ何か連携していただけたらいいなと。

 どうしても、救急懇話会のほうでも、資格を取るに当たって、やはり実技の講習の時間がかなり割かれるということがありますので、二度手間と言うとちょっと言葉は悪いんですけれども、同じ時間を忙しい皆さんがかけるんであれば、何かそこできちんとしたものが得られる、かつ、更新のある程度義務を負うところも含めたものまでちょっと踏み込んでいただけるとありがたいかなと思いました。すみません、以上です。

【衞藤分科会長】  ありがとうございました。

 野津委員、お願いいたします。

【野津委員】  ただいまご指摘の研修も非常に重要だと思うんですけれども、教員の養成においても重要だと思います。

 資料1の諮問理由のところの第3のところでは、文言として「研修などの人材養成」という表現になっていますが、有識者会議の中間とりまとめの8ページのところなどでは、養成段階における学習する機会を設けるなどとか、それから、資料4-9の中央教育審議会総会での主な意見として、白丸の下から2つ目には、教員養成段階における教育の重要性のような意見も出ているのですが、この部会では、そうした教員養成というようなところを含めて議論をするということが想定されているということでよろしいでしょうか。確認なんですが。

【衞藤分科会長】  これはご質問のようですけれども、お答えをお願いします。

【平下学校健康教育課長】  目的を達成するためにいろいろな手法があると思いますけれども、その中で教員養成、指導者の力をいかにつけていくかだと思いますので、それもご議論いただけるスコープに入っているのかなと思っております。

【野津委員】  子どもを学校に預けている保護者からしてみますと、学校の先生は皆、学校安全とか学校保健というのはしっかり勉強してなっていると思っているのだろうと思いますが、現状の制度からしますと、必ずしもそうはなっていない。本来的なこうしたものは、すべての教員にとっての教職必修になるべきだと思うのですが、そうではないです。 保健体育の教員においてだけ、学校保健が1単位以上必修になっているだけです。その学校保健の1単位の中に、学校安全、小児保健、精神保健、救急処置等を含むと。それらを含んで1単位というのは非常に難しい。1単位以上ということは、それ以上に魅力あるカリキュラムをつくるということの努力が求められているのでしょうが、体育系の養成の機関では、どうしても1単位以上に関して、体育系のものの充実は非常に前向きに行くのですけれども、保健ということになると、どうしてもミニマムな方向に行くようなところがあります。かつて、学校保健は4単位、一時は5単位が必修だったというようなことも含めて、こうした震災のこうした機会に、その辺の充実、教職全員の必修というような方向に向けた議論を是非していただきたいと思っております。

【衞藤分科会長】  それでは、木村委員で一応、ご意見は最終と。よろしくお願いします。

【木村委員】  資料4-8の「交通安全に関する事故統計」に関してですけれども、これでは、実数は死者、負傷者数ともに減少しているということなのですが、当然、児童生徒の数が減っておりますから、ぜひ比率等のデータで示していただくと、そうすると、もしかしたら、小学生、中学生あるいは園児等についてはそれほど減少していないのではないか。

 いろいろなニュース等で通学の列に突っ込むといった悲惨な事故の報道等がありますけれども、あれを見るにつけ、私は、アメリカのスクールバス制度のようなものを一部でもいいから導入できたらいいのではないかという気持ちがございます。以上です。

【衞藤分科会長】  ありがとうございました。まだご意見はあるかもしれませんけれども、本日は時間が限られておりますので、追加でご意見のある場合には、先ほどと同様に、10月6日木曜日までに事務局のほうにメールまたはファクスでご連絡をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、若干時間が超過いたしましたが、本日予定しておりました議題は以上で終了いたします。

 最後に、事務局から、連絡事項などがありましたらお願いします。

【村尾スポーツ・青少年企画課長補佐】  2点ございます。まず、今後の日程案につきましてでございますけれども、資料5として配付しておりますのでご確認いただければと思います。

 それから、もう1点ですけれども、平成24年度の概算要求でございますけれども、準備ができ次第、送付をさせていただきたいと思います。以上でございます。

【衞藤分科会長】  それでは、本日はこれにて終了いたします。皆様ご協力ありがとうございました。

 

―― 了 ――

 

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-- 登録:平成23年11月 --