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資料2 学校安全部会 これまでの審議のまとめ(素案)

1. 子どもの安全を取り巻く現状と課題

○ 子どもへの安全教育は浸透しやすく大人への安全教育は難しいが、長期にわたる教育の継続によって、大人になり、親となり次代を担う子どもたちに安全に関する考え方を定着させる効果がある。中長期的な視点で考えた場合、学校教育において安全に関する指導を行うことは、次代の安全文化を構築するという意義を担っている。

○ 学校保健安全法では、学校における教育が安全な環境において実施され、児童生徒等の安全の確保が図られるよう、学校における安全管理に関して必要な事項が定められており、この中で、各学校における安全に係る取組を総合的かつ効果的に推進するため、国が学校安全の推進に関する計画を策定することとされている。

○ 学校現場は非常に多忙であるが、限られた時間の中で子どもたちの安全を守る取組を最優先で行なう学校現場の実態に立脚しなければならない。そのためにも、最低限これだけは行うべきということを検討して示していく必要がある。計画策定に際しては、学校において具体的に何をすべきかイメージできる計画にするべきである。

○ 学校が、学校内外で子どもの安全を守るため一定の取り組みを進めていくためには、校長等管理職のリーダーシップの下、総合的な計画を策定しつつ、学校内における体制を整備することが必要である。そのため、学校保健安全法において策定することとされている学校安全計画の未整備をなくし、その充実を図ることが急務である。

○ 子どもの安全を確保する取組の中でも、自然災害や学校への不審者侵入事件など突発的、外因的に発生し、その後の被害の拡大が予想される事件事故の発生時の安全管理について、学校保健安全法において危険等発生時対処要領が整備されることとなっている。しかしながら、全学校への整備がなされていない、その内容を活用した取組を促し、緊急時に機能するよう定期的な見直しがなされる必要がある。

○ 国が策定する計画は、セーフティプロモーションの考え方に則り、科学的な根拠に基づいた施策を進め、しっかりと評価もできる仕組みが必要である。また、安全推進に関わる様々な機関が連携し、取り組んでいくことが重要。その際、インターナショナルセーフスクールの取組など国際的な基準となるよう留意していくことが望ましい。

2. 学校安全を推進するための方策

1.安全に関する教育の充実

<安全教育の方向性>

○ 知識とともに主体的に行動する態度を育成する教育が必要であり、そのためには、教科ごとではなく、学校教育全体としてとらえていくことが必要である。

<安全教育における共助・公助の視点>

○ 進んで安全で安心な社会づくりに参加して、貢献できる力をつける教育を進めていくべきではないか。自助だけでなく、共助、公助に関する教育も重要である。 

○ 家族、地域、社会全体の安全を考えていくことも含めた、安全な社会づくりに参画していくことで、自分だけでなく他の人もみんな安全に、しかも幸せに暮らしていく社会づくりというところまで安全教育を高めていくことが望ましい。    

○ 支援者となる視点からの防災教育が非常に大事である。特に高校生について、教える側も教わる側も社会に貢献する、災害時に行動するという教育を行うべきである。 

<教育手法の改善>

○ 高校生に対する交通安全教育は、もう講話で教育する時代ではないという話がある。実技を通じ、どういう行動が危険なのかを体験させ、考えさせる教育が必要である。    

○ 高校生による被災地でのボランティア活動の経験を教材にして、防災教育を広げていくことも考えられる。                           

○ 災害教訓の中には地域特性によらない普遍的なものもあり、それを継承する中で具体的な対策が見つかってくる。児童生徒による災害教訓の語り継ぎなどによりその継承を行うことが重要。    

○ 中高生の自転車の安全教育について、主体的に自分たちのことを理解する、自己理解、自己評価型の教育を進めるべきであり、そのためのノウハウが必要である。    

○ 国レベルで良質な教材や参考資料等が作成されているにもかかわらず、現場でそもそも知られていなかったり、使いこなせていない現状がある。例えば、全国的な教員研修の場などでこうした教材等を素材にすることにより、利用率を高め、安全教育の質の底上げが図るべきである。       

<安全教育にかかる時間の確保>

○ 学校で安全教育にかける時間は限られているが、朝の指導の時間やショートホームルームなどの時間、特別活動の時間等を工夫することにより指導は可能である。    

○ 総合的な学習の時間の学習活動の例示として、福祉・健康、環境などとともに安全をしっかりと位置付けるべきではないか。    

○ 保健体育における安全教育の時間数は極めて少なく、主体的な行動能力の育成には不十分である。各学校において、保健体育をはじめ関連する教科等での安全教育の指導内容の充実を図ることが強く求められる。    

○ 我が国は地震などの災害発生割合が、国土の面積に比して非常に多いという特徴を踏まえた防災教育の在り方を考えてはどうか。    

<避難訓練の在り方>

○ 避難訓練は、例えば、教員にも事前に知らせないなど、より実践的な内容にするための工夫をして行うべきである。    

○ 現在は科学も発達していることもあり、緊急地震速報による避難訓練など、今までの訓練を見直し、新しい避難訓練を考えていくことも大切である。    

<児童生徒等の状況にあわせた防災教育>

○ 子どもの運動能力や判断能力は、個々の子どもで相当異なるため、運動能力や判断能力の高い子どもだけが逃げられるような避難体制ではなく、ゆとりを持った避難体制を作るべき。学校安全の検証に際しては、どのような子どもをベースに置いて避難体制を作るのかを考えることが必要ではないか。    

○ 一元的なマニュアルを作ることも必要だが、個々の子どもの状況等に応じた、マニュアルだけに頼り過ぎない指導も必要ではないか。    

○ 幼児であっても守るだけでなく、自ら危険を回避する能力の基盤を育成することが極めて重要である。    

○ 震災時に落ち着いた行動をとれる高校生は大きな戦力になる。高等学校の防災教育では、避難するだけではなく、震災時に高校生がどのような役割を果たしていくかを示していくべき。このことは、高校生の社会貢献をする意識、社会への帰属意識、社会における存在感の醸成にも役立つのではないか。    

<原子力災害に対する対応>

○ 原子力災害についても、学校近隣における原子力関連施設の設置状況や災害発生時の措置についての対策に応じて、原子力担当の部署と連携をとりつつ、避難訓練等を実施しておくことが重要である。    

○ 学習として原子力施設で働いている人から話を聞く際には、原子力の有効性やそうではない部分の両面をしっかりと認識できるように、事前に十分な打合せを行うことが必要ではないか。    

<インターナショナルセーフスクールの取組>

○ セーフティプロモーションという概念を提唱する世界保健機構(WHO)協同センターが認証するインターナショナルセーフスクール(ISS)の認証を取得したことにより、1.児童や教員などのけがや事故等の減少、2.「安全」という同じ目標にみんなで向かい取り組むことにより、日常的活動の活性化、3.子ども自らが危険を把握、予知、回避し安全な環境を構築する「安全力」の育成、4.学校を中心に、児童、教員、保護者のつながりが強化され、地域との連携により安全な「コミュニティ」づくりを推進、5.安心安全に対する心の充実や価値観が向上等の様々な効果が期待される。

1.学校施設設備の安全確保

(1)学校施設の安全性の確保

○ 学校の安全性の確保については、安全教育だけでなく、施設設備を整備していくことも重要である。        

○ 幼稚園の施設整備及び人的体制の防犯の側面から見た脆弱性を補う方策についての検討が必要ではないか。        

○ 施設関係、例えば、耐震化や備蓄倉庫などについて、学校安全部会としても配慮が必要である。        

(2)学校における非常時の安全に関わる設備

○ 不審者を侵入させないための対策を施設、設備も含めて考えていくべきではないか。        

○ 避難所として使用する場合は、震災後、応急危険度判定士が建物の耐震性等を判定するなど安全性の確認が必要である。            

3.学校における安全に関する組織的取組の推進  

(1)学校安全の計画的な実施

○ 学校安全計画を策定している学校は増加しているが、全ての学校が策定することを目指すとともに、安全管理のみの内容にとどまるのではなく、避難訓練等も含めた安全教育に関する内容も含めるなど、その内容の充実が必要である。        

(2)学校における人的体制の整備

○ 学校安全計画を立案し、学校において実行していく中心となる人材を校務分掌において位置付けることも有効な取組なのではないか。特に、高校は教科制で、教員も専門に分かれているため、誰が安全教育のコーディネートをするのかが大きな課題である。        

○ リスク情報(データ)の収集・分析は非常に重要であるが、手間がかかるなど大変な作業であることから、専門家などに依頼することが有効なのではないか。      

(3)学校施設設備の安全点検

○ 大阪教育大学附属池田小学校の事件から10年が経過し、門や玄関が開けっ放しの学校があるなど、一般の学校現場では、その教訓が活かされていないという危惧を感じており、今一度、不審者侵入に対する安全点検ということを徹底する必要がある。        

○ 学校の事故のほとんどは環境と行動の改善で防げるという考え方に立ち、消火栓での衝突事故の後には、消火栓をクッション等で覆うなど事故事例を踏まえた改善の取組を行っていくべき。      

(4)学校安全に関する教職員の研修等の推進
<教職員研修の推進>

○ 現職の教職員に対する学校安全に関する研修の推進が必要である。        

○ 学校安全教室の推進事業の中のAEDの実技講習会を受講すれば、救命技能などの認定証が付与されるように、関係機関と連携を図ることが望ましい。        

○ 災害安全に関しては、被災地の教職員の経験を非被災地の教職員へ伝える取組を何らかの形で実現する必要がある。         

<教職を志す学生への学校安全教育>

○ 教員になるべき人の資質として、健康と安全で必要なことは何か、子どもたちにどういう指導をすべきであるかということは、土台としてしっかりと備えられている必要があるのではないか。        

○ 教職を志す学生が学校安全教育に関する知識技能を修得することができるよう、例えば、行政や現場で行われている安全教育に関する新しい動きを学ぶことができる環境を整えることなどについて、議論が行われることが望ましい。                         

(5)危険等発生時の対処要領の作成と危害が生じた場合の対応
<危険等発生時対処要領(マニュアル)の作成>

○ 学校のマニュアルについて、実際の震災時に活かせるのか、今一度見直しの必要がある。        

○ 震災時に保護者等の迎えが来なかった場合どうするのか、あるいは、スクールバス乗車中に災害が起きた場合どうやって安否確認をするのかなど、これまでの各学校のマニュアルには不十分なところがある。地域の特性を勘案し、起こり得る様々な状況に応じた対策など、具体性に欠けていたことが一番の反省点である。        

○ 学校の防災マニュアルが、学校単独で完結していると感じる。地域と連携した内容にするべきではないか。        

<実践的な避難訓練の実施>

○ 避難訓練は、例えば、教員にも事前に知らせないなど、より実践的な内容にするための工夫をして行うべきである。        

○ 実践的な訓練が防犯マニュアル、危機対応能力の向上など実際的な活動につながってくると感じている。実践的な取組を促すような形で、計画策定を進めるべきである。        

○ 予防、事後対応、復旧・復興に関する学校でのBCP(事業継続計画)が必要ではないか。特に復旧・復興については、現在進行形で被災地において課題が出ており、被害等を受けた後、物理的な被害の回復のみならず、精神的な回復(心のケア)、地域での関係(場合によっては,廃校や統合などの課題も出てくる)など、検討項目を挙げていく必要がある。        

4.家庭、地域社会との連携を図った学校安全の推進    

<地域社会との連携推進>

○ 学校の訓練に地域の方々に入っていただくだけでなく、地域の一員として児童生徒等が防災訓練に参画して、それなりの役割を体験的に学んでいくことによって、大人になった時にその地域を守っていくことにつながるのではないか。    

○ 普段から地域と連携することにより体験型の安全教育をより充実させることができる。    

○ 地域主導でより良く動いている地域がある一方で、学校の教員が主導しているという地域もある。地域との連携を進める上で、防災担当部局、市町や県との連携が必要である。    

○ 公立学校は情報ネットワークがしっかりと機能しているが、私立学校や国立学校には情報が入らないこともあるため、改めて地域との連携をとりながら情報ネットワークの多層的なあり方について考えていく必要がある。    

○ 防犯マップの作成により危険な箇所などを知っておくことを、家庭や地域が一体となって考えておく必要がある。    

○ 阪神・淡路大震災の時、普段から地域の人たちが入ってきている学校は、避難所としての運営がうまくいったという事例がある。子どもたちの安全確保において、例えば、学校を拠点とする総合型地域スポーツクラブとの連携・協働を進めることが重要な視点ではないか。    

○ 今回の震災において、学校支援地域本部が設置されている学校では、避難所となった際に混乱が生じなかったという調査がある。防災教育では、地域の絆づくりという視点も必要。    

○ 安全教育については、学校ばかりに依存するのではなく、保護者や地域も意識を高めることが必要である。学校支援地域本部等を活用しながら、住民と一緒になって考えていかなければならない。    

○ 地域と連携して緊急時に児童生徒等が駆け込める場所を増やし、表示することで、緊急時の安全確保だけでなく、防犯に対する熱心な地域であることが示されることとなり、犯罪の抑止力にもつながる。    

<家庭との連携強化>

○ 子どもは大人の真似をするので、大人が交通ルールを遵守することが重要である。子どもは活動時間の3割程度しか学校におらず、それ以外は社会、家庭で過ごしている。そのため、学校だけでなく、社会や家庭でも指導する必要があるのではないか。    

○ 学校だけで交通安全教育のすべてを行うという考え方を改める必要があるのではないか。家庭や地域、保護者やPTAも含めて交通安全教育に関わっていくことが必要ではないか。例えば、自転車の安全点検などは、自転車を購入した家庭で行うべきであり、そのため保護者など大人への啓発活動が必要ではないか。    

○ 保護者の観点からも、自転車事故により高校生が加害者になるということが課題となっている。    

○ 現代の日本社会の課題として高齢者の活用の促進がある。例えばスクールガード・リーダー等、専門性をもった高齢者を活用することで、教員の負担軽減もでき、教育環境の整備につながるのではないか。 

3.方策の効果的な推進に必要な事項 

1.国における推進体制の整備

○ 学校保健法から学校保健安全法に改正を踏まえ、行政上も学校安全を担う部署を明確にしていくべきである。    

2.地方公共団体における推進体制の整備

○ 学校保健法から学校保健安全法への改正を踏まえ、行政上も学校安全を担う部署を明確にしていくべきである。    

○ 今後、学校安全を地域との連携しながら学校安全の取組を進めていく上で、災害対応や地域の生活安全を担当する部局等と教育委員会が積極的に連携をとるほか、市町村や都道府県の枠組みを超えた連携が必要である。    

○ また、その際、私立学校は、私立学校同士のネットワークをつくり、防災対策などを検討している。地元自治体との連携や公立学校とも連携も進めていくべき。

お問合せ先

スポーツ・青少年局学校健康教育課

(スポーツ・青少年局学校健康教育課)

-- 登録:平成24年02月 --