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資料3-2 現行計画の概括的評価と課題(案)

※第1回~第3回の議論を踏まえ事務局作成 

現行計画については、以下のとおり、各事項ごとに一定の成果が認められるところであるが、なお目標値に達していないなどの課題も残されている。

 新たなスポーツ基本計画については、こうした現行計画における課題を踏まえ、スポーツの多面的な役割を通じて国民生活を発展させるという観点から総合的に検討する必要がある。

1 スポーツの振興を通じた子どもの体力の向上方策

 子どもの体力については、文部科学省において実施している「体力・運動能力調査」によると、平成13年から約10年にわたり、概ね低下傾向に歯止めがかかっているが、体力水準が高かった昭和60年頃と比較すると、基礎的運動能力は依然として低い水準にある。このため、幼児期における運動量の目安となる具体的な指標を盛り込んだ運動指針を策定し、運動に取り組む習慣や望ましい生活習慣を身に付けさせるなど、体力向上のための取組を今後とも一層促すことが必要である。その際、近年顕著に認められる、運動をする子どもとしない子どもの二極化の傾向に対応し、運動習慣が身に付いていない子どもやスポーツが苦手な子どもを運動好きにするため、幼児期から親子で「運動遊び」の機会を設けること等の工夫が重要である。

 また、学校体育は、豊かなスポーツライフを実現するための基礎となるものであり、地域スポーツや競技スポーツの基盤という観点からも一層の充実が必要である。このため、小学校における体育活動の支援を行う専門的な人材の配置等支援体制の充実を図るとともに、新学習指導要領の趣旨の徹底とその内容に沿った指導力の向上、中学校武道必修化に向けた武道場の整備等に引き続き取り組む必要がある。さらに、運動部活動については、子どもが多様なスポーツに親しむ機会を充実させるための工夫も必要である。外部指導者を活用する場合においては、学校との円滑な連携について、これまでの経験や取組を踏まえた一層の工夫が必要である。

 また、スポーツ基本法の制定も踏まえ、効果的な子どもの体力向上策や体育活動中の安全対策を講ずるため、スポーツ医・科学を積極的に活用していくことや、障害のある子どものスポーツについて、障害の種類や程度に応じ必要な配慮を行っていくことも必要である。

2  生涯スポーツ社会の実現に向けた、地域におけるスポーツ環境の整備充実方策

 平成21年9月現在の成人の週1回のスポーツ実施率は45.3%であり、経年的変化を見ると着実に向上しているものの、平成18年から平成21年にかけては伸び率が横ばい傾向にあり、目標である50%にも到達していない。今後、「スポーツ立国戦略」に掲げる目標(週1回以上のスポーツ実施率:65%程度、週3回以上:30%程度)を達成するためには、これまでの施策に加え、年齢や性別に応じたよりきめ細やかなスポーツ活動推進のための施策が必要となる。さらに、総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)の設置については、全国の市町村に少なくとも1つ設置するという目標の進捗にやや遅れが見られており(平成22年度には全市区町村数の71.4%の市区町村に設置。)、今後、その設置を加速化させるとともに、クラブ運営の自立化に向けその活動の充実・発展を図ることが必要である。その際には、現行計画に明記されている広域スポーツセンターや総合型クラブを支援する団体等の各種関連機関の役割や機能を明確にしたうえで、より効果的な総合型クラブの支援体制について検討することが必要である。

 また、地域スポーツの場において指導者を有効に活用するため、学校体育、競技スポーツ、地域スポーツの連携強化を図り、関係団体間の連携・協働を促進しつつ、トップアスリート等が地域で活躍できる環境を整備することにより、人材の好循環を形成していくことが重要である。具体的には、地域の実態や住民のニーズに応じた養成・確保や活用を行うため、各種関連機関の役割を明確にし、連携・協働を図るとともに、スポーツ指導者が十分にその能力を発揮できる環境を整える必要がある。他方、地域のスポーツの場である体育・スポーツ施設は近年、減少傾向にある。国民が身近にスポーツに親しみ、交流する場を確保するため、学校施設の地域との共同利用化をより一層進めていく必要もある。

 また、スポーツ基本法の制定も踏まえ、高齢社会の中で国民一人ひとりが主体的にスポ-ツを健康づくりに活用したり、生涯にわたって安全・安心にスポーツに取り組んでいけるよう、スポーツ医・科学の研究成果をスポーツ障害・外傷やスポーツ事故の防止等、日常のスポーツにおいて活用することや、スポーツ施設の耐震化等施設利用者の安全なスポーツ環境の整備を図ることも必要である。また、障害者が日常的にスポーツに取り組むことのできる環境を整備し、障害者と健常者が共にスポーツに親しむことができる社会を実現していくことも必要である。

3.我が国の国際競技力の総合的な向上方策

 夏季・冬季合わせたオリンピックメダル獲得率については、北京オリンピックにおいて、一定の成果が見られるものの、直近のメダル獲得率は、2.47%にとどまっており、なお目標値である3.5%には到達していない。今後、国家戦略として多額の国費を投入する強豪国に競り勝つためには、

 ○タレント発掘・育成について、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)・中央競技団体(NF)・体育系大学・地域等との連携による新たなプログラムの開発と質の向上、更には全国規模での統一的なプログラムの開発・実施

 ○大学との連携等、All Japanでの強化・研究活動体制の構築

 ○外部有識者委員会による国立スポーツ科学センター(JISS)の活動状況の点検・評価及び機能強化体制の構築

等を実施することにより、ジュニア期からトップレベルに至る戦略的・体系的な強化体制を構築する必要がある。

 その際、現在多くのアスリートが現役引退後のキャリアパスに不安を感じている等の実態を踏まえ、安心して競技に専念できるための支援の検討が必要である。また、国際競技力の向上のためには、アスリートのみならず、指導者、審判員、組織運営者等、国際的に活躍できる幅広い人材を養成することが必要である。

 また、スポーツ基本法の制定も踏まえ、ドーピングのないクリーンで公正なスポーツ界を実現するため、引き続きドーピング防止活動を推進するほか、新たに、スポーツ団体の管理運営の透明性の向上を図るため、ガバナンスの強化に取り組むとともに、スポーツ紛争の迅速・円滑な解決を図るため、スポーツ仲裁手続きの自動受諾条項の導入を進めることも課題である。さらに、パラリンピックにおける国際競技力の向上のため、競技性の高い障害者スポーツに対する一体的支援について、厚生労働省とも連携しつつ取り組むことが必要である。

お問合せ先

スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課

(スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課)

-- 登録:平成23年11月 --